JP2002154403A - シートベルト装置 - Google Patents

シートベルト装置

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JP2002154403A
JP2002154403A JP2000356212A JP2000356212A JP2002154403A JP 2002154403 A JP2002154403 A JP 2002154403A JP 2000356212 A JP2000356212 A JP 2000356212A JP 2000356212 A JP2000356212 A JP 2000356212A JP 2002154403 A JP2002154403 A JP 2002154403A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェビング摺接面の摩擦抵抗が低く、かつ巻
取り耐久性に優れ、緊急時ウェビングがベルトスロット
内で片寄せしないウェビングガイドを有したシートベル
ト装置を提供する。 【解決手段】 本発明のシートベルト装置は、ウェビン
グガイド10が、インサート金具11と、インサート金
具11にモールド成形された被覆樹脂12と、被覆樹脂
12に装着され、ウェビングWとの摺接面を提供する金
属部材13とを有し、金属部材13の摺接面の裏側の所
定領域が、対向する被覆樹脂と離間して配置されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や航空機等
のシートベルト装置に関し、特にリトラクターから送出
されたウェビングに摺接して該ウェビングを所定の方向
へ案内するウェビングガイドを備えたシートベルト装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、乗員等をシートに拘束するための
シートベルト装置として、連続ウェビングを用いた3点
式シートベルト装置がある。図7に、従来自動車に搭載
されている3点式シートベルト装置110を示す。シー
トベルト装置110において、ウェビングWは、その一
端を車体のセンターピラー113に取り付けられたリト
ラクター112に引出し可能に捲回され、他端をセンタ
ーピラー113の下部に固定されたアンカープレート1
14に係止される。
【0003】通常、非使用状態のシートベルト装置11
0において、ウェビングWはリトラクタ112からセン
ターピラー113に沿って、センターピラー113の上
方に位置し、ウェビングガイドとなるスルーアンカー1
15まで略垂直に導かれ、スルーアンカー115の長孔
状のベルトスロットに挿通され、折り返された状態とな
る。このときアンカープレート114およびスルーアン
カー115間に配設されたスルータング116は概ねス
ルーアンカ115と隣接して位置する。
【0004】また、シートベルト装置110を使用状態
にするには、シート117に着席した乗員119が、ス
ルータング116をウェビングWとともに引き出し、シ
ート117付近に立設されたバックル118と嵌合す
る。このとき、乗員119は、ウェビングWおよびスル
ータング116を任意の方向に引っ張るため、ウェビン
グWがスルーアンカ115との摺接面(以下ウェビング
摺接面)上を任意の方向に摺動できるように、ウェビン
グ摺接面は平坦面となっている。最後に、図示するよう
にウェビングWが乗員119の車外側肩部から車内側腰
部にかけて胴体の前方を斜め下方に横切るとともに、ス
ルータング116によって折り返され、乗員119の腰
部に沿って略水平に横切った状態となり、乗員119を
シート117に拘束する。
【0005】スルーアンカー115においては、ウェビ
ングWの良好な巻取り性、およびウェビングWの引出し
時の良好な操作感を確保するために、ウェビング摺接面
におけるウェビングWとの摩擦抵抗を可能な限り低く抑
える必要がある。そこで、ウェビング摺接面には、被覆
樹脂を形成し、その表面形状を滑らかにしたり、摩擦抵
抗の低いフッ素系の塗料を塗布する等の表面処理が施さ
れている。スルーアンカー115のようなウェビングガ
イドは、リトラクター112の出口付近にも配置されて
いる。
【0006】上述したようなスルーアンカー115にお
いては、ウェビング摺接面が平坦で、かつ摩擦抵抗が低
い。そのため、緊急時、ウェビングWに高い張力が作用
するとウェビング摺接面上でウェビングWが片寄せされ
てしまい(所謂ジャミング現象)、ウェビングWがよじ
れ、乗員を適切な力でシート117に拘束できない場合
がある。
【0007】特開昭62−238146号公報にこのよ
うな問題を解決するためのスルーアンカーが提案されて
いる。このスルーアンカーは、ベルトスロットが形成さ
れた金属製のインサート金具に被覆樹脂がモールド成形
される。その際に、ベルトスロットの下側縁部を構成す
る被覆樹脂から間隔を隔てて配置され、ベルトスロット
内にウェビングの幅方向に架け渡され、ウェビング摺接
面となる樹脂製のブリッジが成形される。前記ブリッジ
のウェビング摺接面は、通常は平坦面を形成し、ウェビ
ングに張力が作用した際に前記ブリッジが弾性的に撓ん
で、ベルトスロットの下側縁部に形成されている下に凸
形状の湾曲面に沿って変形する。こうすることで、ウェ
ビング摺接面が下に凸形状となり、ウェビングがウェビ
ング摺接面上をベルトスロットの端に寄ろうとする傾向
に対して、幅方向の中央部分に寄せる作用を持たせてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た特開昭62−238146号公報に記載のスルーアン
カーにおいては、ウェビング摺接面を構成しているブリ
ッジが樹脂材料で成形されているため、通常の使用状態
において、ウェビング摺接面がウェビングの巻取り作業
中に劣化し易いという問題があった。劣化してしまった
ウェビング摺接面においては、ウェビングの良好な巻取
り性、およびウェビングの引出し時の良好な操作感を確
保することが難しくなる。
【0009】本発明は、前記課題に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、ウェビング摺接面の摩擦抵抗が
低く、かつ巻取り耐久性に優れ、緊急時ウェビングがベ
ルトスロット内で片寄せしないウェビングガイドを有し
たシートベルト装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は、乗
員の身体をシートに拘束するウェビングと、前記乗員の
身体を前記シートに拘束する際に、前記ウェビングと摺
接し、該ウェビングを所定の方向へ導出するウェビング
ガイドとを備えてなるシートベルト装置において、前記
ウェビングガイドが、インサート金具と、該インサート
金具にモールド成形された被覆樹脂と、該被覆樹脂に装
着され、前記ウェビングとの摺接面を提供する金属部材
とを有し、該金属部材の前記摺接面の裏側の所定領域
が、対向する被覆樹脂と離間して配置されているシート
ベルト装置によって達成することができる。
【0011】ここで、金属部材のウェビング摺接面の裏
側と離間して配置されている被覆樹脂の表面が、ウェビ
ングの幅方向の中央部分が下に凸形状の湾曲面を形成し
ていることが好ましい。さらに、前記湾曲面のウェビン
グ幅方向寸法は、ウェビングの幅よりも小さいことが好
ましい。
【0012】以上のような構成のシートベルト装置によ
れば、ウェビング摺接面が金属部材で構成されているの
で、通常の使用においても、樹脂製のウェビング摺接面
に比べ劣化しずらく、ウェビングをリトラクターから引
出す際の操作性やウェビングの巻取り性を良好に保つこ
とができる。また、金属部材のウェビング摺接面の裏側
の所定領域が、対向する被覆樹脂と離間して配置されて
いるので、緊急時、ウェビングに張力が作用した際に、
前記金属部材が前記被覆樹脂との間隔を縮めるように塑
性変形し、前記被覆樹脂と当接する。こうすることで、
ウェビング摺接面上に前記被覆樹脂の形状が転写され
る。すなわち、前記被覆樹脂が下に凸形状の湾曲面を形
成する場合には、前記ウェビング摺接面の形状も下に凸
形状の湾曲面となり、ウェビング摺接面上を摺動してい
るウェビングは、位置エネルギーの低く安定した、湾曲
面の中央に寄せられる。こうすることで、ウェビングが
ベルトスロット内で片寄せされにくくなり、ウェビング
がよじれることがない。さらに、金属部材が塑性変形す
ることで、緊急時の衝撃エネルギーを吸収することがで
きる。
【0013】ここで、金属部材の摺接面の裏側の「所定
領域」とは、緊急時にウェビングがウェビング摺接面上
で片寄せしないために、金属部材が変形する領域であれ
ばよい。とくに、ウェビング摺接面のウェビング幅方向
の中央部分が好ましい。「金属部材」は、金属板から形
成されてもよい。金属板が鋼板の場合、その厚さは、
0.2mm以上0.6mm以下がよい。金属板の厚さが
0.2mmより小さいとウェビングガイドに金属部材を
取り付けた際に所定の強度を確保できない。また、金属
板の厚みが0.6mmよりも大きいと、緊急時に金属部
材が変形できない。
【0014】金属部材と被覆樹脂とは、「所定間隔」離
間していることが好ましい。「所定間隔」とは、金属部
材が変形し、被覆樹脂と当接した際に、ウェビング摺接
面上にウェビングの厚さ以上の深さを有する凹部を形成
する間隔であることがよい。とくに「所定間隔」は、
0.8mm以上1.2mm以下がよい。「所定間隔」
が、0.8mmより小さいと、緊急時にウェビングをウ
ェビング摺接面上の所定の位置に寄せることができな
い、また1.2mmより大きいと金属部材の変形に時間
がかかり、緊急時にウェビングをウェビング摺接面上の
所定の位置に寄せることができない。
【0015】また、金属部材の表面に溝が設けられてい
ることが好ましい。金属部材の表面に設けられた溝は、
金属部材の平面上に段差を設けるように構成されていれ
ばよい。例えば、金属板のプレス加工等により成形され
る、緩やかな湾曲面から形成された凹部や、折曲面から
形成された凹部でもよい。これらの溝は、金属部材の表
面に複数設けられてもよく、ウェビングの幅方向でその
数が増加・減少したり、溝の幅や深さが増加・減少した
りする構成でもよい。こうして、金属部材表面にウェビ
ングの摺動方向に沿って溝が設けられているので、ウェ
ビングにその摺動方向に張力が生じている場合には、ウ
ェビングの一部が溝に収納される。このとき、ウェビン
グの幅方向に力が加わっても、溝に収納されているウェ
ビングの一部が溝を乗り越えようとする力に対する溝の
抗力によって、ウェビングの幅方向に加わる力が打ち消
される。こうして、ウェビングがベルトスロット内で片
寄せされることがなく、ウェビングの引出し・巻取り操
作中にウェビングがよじれることがない。
【0016】上述した溝が、金属部材のウェビング摺接
面の裏側の所定領域と対向する被覆樹脂の表面に設けら
れてもよい。こうすることで、金属部材が変形した後
に、前記被覆樹脂の表面に形成された溝が、ウェビング
摺接面上に転写され、この溝によって、さらにウェビン
グのベルトスロット内での片寄せを防止することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態にお
いて、すでに説明した部材等と同様の構成・作用を有す
る部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付
すことにより説明を簡略化あるいは省略する。
【0018】図1に、本発明の第1実施形態であるシー
トベルト装置のウェビングガイドである、スルーアンカ
ー10を示す。スルーアンカー10は、1枚の板状の金
属を所要の形状に加工してなるインサート金具11に、
被覆樹脂12をモールド成形により一体化して成形し、
被覆樹脂12の一部に金属部材13を巻き付けて構成さ
れる。インサート金具11は、例えば鋼板等の金属板の
打ち抜き加工により所要形状に形成されており、インサ
ート金具11の上部(図中上部)には、スルーアンカー
10を車体のセンターピラーに回動自在に支持させるた
めのボルト等を嵌挿するボルト嵌挿孔14が穿設され、
下部(図中下部)には、ウェビングWを挿通するための
ベルトスロット15が設けられている。スルーアンカー
10の耐荷重性能を確保するために、インサート金具1
1の材質としては、例えば所定の板厚を有する炭素鋼鋼
材(JIS SC材)が挙げられる。また、このインサ
ート金具11に熱処理を施して所定の荷重に耐えられる
ようにしてもよい。
【0019】被覆樹脂12は、ベルトスロット15付近
のインサート金具11に、所要形状となるようにモール
ド成形され、スルーアンカー10の下部を構成してい
る。被覆樹脂12のベルトスロット15付近には、ベル
トスロット15の内周側に凸となる湾曲面12aが形成
されている。被覆樹脂13の平坦面と湾曲面12aとの
境界部分を図中二点鎖線で示す。また、被覆樹脂12の
下部には、図示しないが後述する金属部材13を係止す
るための溝が設けられている。被覆樹脂12は、機械的
強度の高い樹脂からなる。被覆樹脂12の具体例として
は、ポリアミド6等のポリアミド系樹脂、ポリアセター
ルおよびポリプロピレンに強化剤を入れた樹脂、又はポ
リカーボネート等が挙げられる。
【0020】金属部材13は、ベルトスロット15の下
縁部を構成する被覆樹脂12の外面に巻き付けられ、ウ
ェビングWとの摺接面であるウェビング摺接面となる。
ウェビングWが、ウェビング摺接面と摺接する様子を図
中二点鎖線で示す。図中、金属部材13のウェビング摺
接面上には、溝を形成する複数の溝13aが設けられて
いる。溝13aは金属部材13のウェビングWの幅方向
(図中左右方向)に整列されている。また、金属部材1
3のウェビング幅方向端部13bは、ウェビング摺接面
よりも反ウェビング方向へと後退している。金属部材1
3は、例えば所定の荷重に耐え得るステンレス、鉄系材
アルミ合金、チタン合金等からなる薄板の金属板で構成
されている。
【0021】図2に、スルーアンカー10に装着される
前の金属部材13を示す。図2(A)には、金属部材1
3の平面図を示し、図2(B)には、金属部材13の側
面図を示している。金属部材13は、ダル仕上げにより
表面が梨地状に加工された厚さ0.3mmの金属板が、
図2(B)に示すように、断面視逆U形状となるように
湾曲加工され、その表面にクロームメッキが施される。
このとき、図2(A)に示すように、前述した金属部材
13の頂上部付近(図中上方)の4つの溝13aは、金
属部材13のウェビング幅方向(図中左右方向)に整列
されるとともに、金属部材13のウェビングの摺動方向
(図中上下方向)に延びて配置されている。溝13aの
深さは、金属部材13の頂上部から金属部材13のウェ
ビング摺動方向に向かうにつれて、浅くなっている。ま
た、ウェビング摺動方向の下部13cには、端部13d
が形成されている。
【0022】図3に図1におけるIII−III断面図
を示す。図3には、ベルトスロット15の下縁部の被覆
樹脂12に金属部材13が巻き付けられ、ウェビング摺
接面を構成している様子を示している。金属部材13
は、ベルトスロット15の下縁部を構成する被覆樹脂1
2の湾曲面12aに取り付けられる。金属部材13の頂
上部近傍は、ウェビング摺接面の裏側と対向する被覆樹
脂12の外面に対して、離間して配置されている。この
とき、金属部材13と被覆樹脂12とが離れている間隔
は、最大で金属部材13の頂上部と被覆樹脂12の湾曲
面12aの頂上部との所定間隔H1となる。金属部材1
3のウェビング摺動方向の下部13cは、インサート金
具11を挟んで対称に、被覆樹脂12の下部に設けられ
ている溝16内に収納される。このとき、下部13cが
溝16内で折り返された状態で、さらに金属部材13の
ウェビング摺動方向端部を構成する端部13dが折り返
されて下部13cと圧着することで金属部材13が溝1
6内に固定される。こうして、金属部材13が、被覆樹
脂12の外面に固定される。
【0023】図4に、図3におけるIV−IV断面図を
示す。図4(A)に、通常の使用において、金属部材1
3が変形していない状態を示し、図4(B)に、金属部
材13がウェビングの張力により変形した後の状態を示
す。図4(A)に示すように、被覆樹脂12は、その外
面の中央部分にウェビングの幅方向に幅L、深さが所定
間隔H1よりも大きい深さを有する凹部12bを形成し
ている。本実施形態において、所定間隔H1は1mm、
幅Lは35mmとしている。図4(B)に示すように、
変形後の金属部材13は、その溝13aの裏側面と被覆
樹脂12の外面とが当接し、ウェビング摺接面上に凹形
状13cを形成している。金属部材13がウェビング摺
接面上に凹形状13cを形成するように変形する際に
は、ウェビングWに作用した張力によって金属部材13
が被覆樹脂12の方向へ押圧される。このとき、被覆樹
脂12と離間して配置されている金属部材13の一部
が、被覆樹脂12との間隔を縮めるように塑性変形し、
被覆樹脂12の外面上の凹部12bを、ウェビング摺接
面上に転写し、凹形状13cを形成する。このとき、凹
部12bの幅Lは、ウェビングWの幅よりも小さく構成
されている。
【0024】以上のような構成のシートベルト装置のウ
ェビングガイドであるスルーアンカー10によれば、金
属部材13のウェビング摺接面の裏側が、対向する被覆
樹脂12と所定間隔H1離間して配置されているので、
緊急時、ウェビングWに所定の張力が作用した際に、金
属部材13が被覆樹脂12との間隔を縮めるように塑性
変形し、被覆樹脂12と当接する。こうすることで、図
4(B)中に二点鎖線で示すように、ウェビング摺接面
上を摺動しているウェビングWは、ウェビング摺接面上
に転写された凹形状13c内へと寄せられる。さらに、
凹形状13c内に形成されている溝13aによって、ウ
ェビングWの一部が溝13aに収納され、ウェビングの
幅方向に対する移動の抵抗となっているため、よりいっ
そう、ウェビングWがベルトスロット内で片寄せされる
ことを防止している。さらに、金属部材13が塑性変形
することで、緊急時の衝撃エネルギーを吸収することが
できる。
【0025】図5に本発明の第2実施形態であるシート
ベルト装置のスルーアンカー20の図4に示した断面図
と同じ位置のウェビング摺接面付近の要部断面図を示
す。図5(A)は、通常の使用状態でのウェビング摺接
面付近の要部断面図を示し、図5(B)は、緊急時ウェ
ビングに張力が生じた際に、変形した金属部材のウェビ
ング摺接面付近の要部断面図を示す。図5(A)に示す
ウェビング摺接面付近において、金属部材23の裏側と
対向する被覆樹脂22の外面(図中上面)には、下に凸
形状となる湾曲面を形成する凹部22bが形成されてい
る。金属部材23のウェビング摺接面は平坦面で形成さ
れている。金属部材23と被覆樹脂22との離間してい
る最大間隔H2は、1mmとなっている。図5(B)に
示すウェビング摺接面において、緊急時ウェビングに張
力が生じた際に、ウェビング摺接面が図示しないウェビ
ングによって被覆樹脂22の外面に押圧される。こうす
ることで、ウェビング摺接面に被覆樹脂22の凹部22
bの形状が転写され、ウェビング摺接面が下に凸の凹形
状23cとなる。
【0026】本実施形態のこのような構成によれば、ウ
ェビング摺接面を構成する金属部材23に溝を設けるこ
となく、緊急時のみに被覆樹脂22に形成された凹部2
2bをウェビング摺接面上に転写して凹形状23cを形
成することで、ウェビングWを凹形状23cにウェビン
グ幅方向中央部に寄せ、ウェビングの片寄せを防止して
いる。したがって、ウェビング摺接面を平坦面にしつ
つ、緊急時にウェビングがベルトスロット内で片寄せす
ることを阻止できる。その他の構成・作用については、
上述した第1実施形態と同様である。
【0027】図6に本発明のシートベルト装置の第3実
施形態のスルーアンカー30のウェビング摺接面付近の
要部断面図を示す。図6(A)は、通常の使用状態での
ウェビング摺接面付近の要部断面図を示し、図6(B)
は、緊急時ウェビングによる張力によって変形したウェ
ビング摺接面付近の要部断面図を示す。図6(A)に示
すウェビング摺接面付近において、金属部材33の裏側
と対向する被覆樹脂32側の外面(図中上面)は、下に
凸となる湾曲面を形成する凹部32bが形成されると共
に、凹部32b内に溝32aが整列されている。溝32
aは、ウェビングの摺動方向(図中紙面に対して垂直方
向)に延びるように、ウェビングの幅方向に対して整列
されている。また、金属部材23のウェビング摺接面は
平坦面で形成されている。図6(B)に示すウェビング
摺接面においては、緊急時ウェビングに張力が発生する
ことで、金属部材33が被覆樹脂32の外面方向(図中
下方向)へ押圧される。ウェビング摺接面上には、下に
凸の凹部32bを転写するとともに、被覆樹脂32の外
面に形成された溝32aを転写する。
【0028】本実施形態のこのような構成によれば、ウ
ェビング摺接面を構成する金属部材33に溝を設けるこ
となく、緊急時のみに被覆樹脂32に形成された凹部3
2b及び複数設けられた溝32aを転写して、ウェビン
グ摺接面上に凹形状を形成する。したがって、溝を形成
することのない製造コストの安価な金属部材を用いて、
緊急時にウェビングがベルトスロット内で片寄せするこ
とを阻止できる。その他の構成・作用については、上述
した第1実施形態及び第2実施形態と同様である。
【0029】なお、本発明は前述した実施形態に限定さ
れるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
本発明において、被覆樹脂に形成される凹部は、ウェビ
ング摺動方向に設けられていたが、ウェビングWが金属
部材のウェビング幅方向と所定の角度を形成するように
摺動する際には、前記凹部も金属部材のウェビング幅方
向と所定の角度を形成するように配置されてもよい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシートベ
ルト装置によれば、ウェビングとウェビングガイドとの
摩擦抵抗を低くすることができるとともに、ウェビング
ガイドのウェビング摺接面の形状が変化することで、ウ
ェビングがウェビング摺接面上で片寄せされない。さら
に、ウェビング摺接面の形状の変化が緊急時に、ウェビ
ングの張力によって作用するので、安価で、重量の増大
もないウェビングガイドを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すシートベルト装置
のスルーアンカー10を示す平面図である。
【図2】スルーアンカー10に取り付けられる前の金属
部材13を示す平面図および側面図である。
【図3】図1におけるIII−III断面図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態であるスルーアンカー2
0の要部断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態であるスルーアンカー3
0の要部断面図である。
【図7】3点式シートベルト装置の車輌搭載時の乗員1
19の拘束状態を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
10,20,30 スルーアンカー(ウェビングガイ
ド) 11 インサート金具 12,22,32 被覆樹脂 12a 湾曲面 12b,22b,32b 凹部 13,23,33 金属部材 13a,32a 溝 13c 下部 13d 端部 14 ボルト嵌挿孔 15 ベルトスロット W ウェビング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員の身体をシートに拘束するウェビン
    グと、前記乗員の身体を前記シートに拘束する際に、前
    記ウェビングと摺接し、該ウェビングを所定の方向へ導
    出するウェビングガイドとを備えてなるシートベルト装
    置において、 前記ウェビングガイドが、インサート金具と、該インサ
    ート金具にモールド成形された被覆樹脂と、該被覆樹脂
    に装着され、前記ウェビングとの摺接面を提供する金属
    部材とを有し、該金属部材の前記摺接面の裏側の所定領
    域が、対向する被覆樹脂と離間して配置されていること
    を特徴とするシートベルト装置。
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