JP3257589B2 - シートベルト吊持具 - Google Patents

シートベルト吊持具

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JP3257589B2
JP3257589B2 JP25909897A JP25909897A JP3257589B2 JP 3257589 B2 JP3257589 B2 JP 3257589B2 JP 25909897 A JP25909897 A JP 25909897A JP 25909897 A JP25909897 A JP 25909897A JP 3257589 B2 JP3257589 B2 JP 3257589B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用の
3点式シートベルトのように、繰出し可能に設けられて
いるとともに、緊急時に繰出しを停止するように設けら
れたシートベルト(ウェービングベルト)の途中部を、
折り返すようにして摺動自在に吊持するシートベルト吊
持具に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車では衝突時の乗員の安全を
図るために、腰部だけを保持する2点式のシートベルト
に加えて、乗員の胸の部分をたすき掛け状に保持する3
点式シートベルトが採用されるようになってきている。
【0003】図11(a)は3点式シートベルト70の
構成を説明する自動車1の内部の斜視図である。なお、
3点式シートベルトは自動車1の前部座席および後部座
席の全てに取り付けられるが、説明を簡単化するため
に、運転席2のみに設けた例で説明する。
【0004】3点式シートベルト70は、センタピラー
3の下部に設けられた第1のアンカ71と、運転席2と
助手席4との間の床部に取り付けられた第2のアンカ7
2と、センタピラー3の上部に設けられた第3のアンカ
73との3点の間に掛け渡されるようになっている。そ
して、この3点式シートベルト70は、一端が第1のア
ンカ71に取り付けられ、他端が第3のアンカ73の部
分で折り返されてセンタピラー3に内蔵されたリトラク
タ(図示せず)に巻き取られるウェービングベルト74
と、一端が第2のアンカ72に取り付けられ、他端にバ
ックル77を有する固定ベルト75とを備えている。ま
た、ウェービングベルト74の途中には、バックル77
にロックするタング部76が設けられている。
【0005】図11(b)は第3のアンカ73に取り付
けられる従来のシートベルト吊持具78を示す斜視図で
ある。このシートベルト吊持具78は、ボルトを介して
第3のアンカ73に取り付けるためのボルト挿通孔81
と、ウェービングベルト74を挿通するためのシートベ
ルト挿通孔82とを有する鋼板製(金属板製)のベース
部材80を備えており、このベース部材80のシートベ
ルト挿通孔82の周囲は、モールド成形された合成樹脂
製の被覆部材90によって覆われている。
【0006】そして、図11(a)に示したウェービン
グベルト74は、シートベルト挿通孔82に挿通され
て、被覆部材90に摺動するようにして折り返されるよ
うになっている。また、ウェービングベルト74には、
一般に、被覆部材90に対する滑り性を良くするために
芳香剤処理がなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記シート
ベルト吊持具78においては、図11(c)に示すよう
に、シートベルト挿通孔82の縁部82aがベース部材
80に対して垂直に打ち抜かれているため、万一被覆部
材90が破損した場合には、ウェービングベルト74が
縁部82aの直角状のエッジ部(角部)に当って切れる
おそれがある。このため、被覆部材90に十分な強度を
もたせる必要があり、必然的に被覆部材90を厚く成形
していたので、材料費が多くかかり、コスト高になると
いう問題があった。
【0008】そこで、本発明は、被覆部材の破損を防止
して安全性の向上を図ることができ、しかも被覆部材に
かかる材料費を削減してコストの低減を図ることのでき
るシートベルト吊持具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、繰出し可能に設けられてい
るとともに、緊急時に繰出しを停止するように設けられ
たシートベルトの途中部を、折り返すようにして摺動自
在に吊持するシートベルト吊持具であって、前記シート
ベルトを挿通するシートベルト挿通孔を有する金属板製
のベース部材と、このベース部材の少なくとも前記シー
トベルト挿通孔の周囲を被覆する合成樹脂製の被覆部材
とを備えてなり、前記シートベルト挿通孔は、少なくと
もシートベルトの折り返される部分に対応するベース部
材の板面の肉を盛り上がらせて曲線状に盛り上がる断面
形状の膨出部を形成したものであり、前記膨出部は、断
面形状がベース部材の一方及び他方の面から突出し、か
つ一方の面と他方の面とをつなぐ方向に延びる長軸を有
するようなほぼ楕円状に形成されていることを特徴とし
ている。
【0010】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明において、被覆部材は、少なくともシートベルトの当
たる部分が膨出部からほぼ一定の厚さに形成されている
ことを特徴としている。
【0011】そして、上記のように構成された請求項1
に係る発明によれば、シートベルトが繰出し可能な状態
であれば、例えばシートベルトを引っ張ることにより、
このシートベルトの途中部が被覆部材で折り返されるよ
うにして、摺動しながら繰り出される。しかし、シート
ベルトの繰出しが停止されると、シートベルトを引っ張
る力が被覆部材に直接作用することになる。
【0012】さらに、このシートベルトを引っ張る力に
より、被覆部材が万一破損した場合には、シートベルト
がシートベルト挿通孔の縁部に直接当ることになる。し
かし、シートベルト挿通孔は、少なくともシートベルト
を折り返す位置に対応するベース部材の板面の肉を盛り
上がらせて曲線状に盛り上がる断面形状の膨出部を形成
しているから、シートベルトがシートベルト挿通孔の縁
部に当たって切れるようなことがない。すなわち、被覆
部材が万一破損した場合でも、シートベルト挿通孔の縁
部によってシートベルトが切れることがなく、安全性の
向上を図ることができる。
【0013】また、膨出部が曲線状に盛り上がる断面形
状になっているから、この膨出部に接する位置の被覆部
材に生じる応力集中が極めて小さくなる。このため、本
発明の被覆部材は従来のものに比べて実質的に強度が増
加したことになるから、この強度の増加した分、被覆部
材の厚さを減少させることができる。しかも、膨出部に
よって、この膨出部と被覆部材との接触面積が増え、こ
の結果、膨出部から被覆部材に作用する面圧が下ること
になる。この点からも、被覆部材の強度を実質的に増加
させることができ、その強度の増加した分、被覆部材の
厚さを低減させることができる。したがって、被覆部材
の強度の低下を来すことなく、同被覆部材の材料費を削
減することができ、これによりコストの低減を図ること
ができる。
【0014】さらに、被覆部材が万一破損した場合で
も、シートベルトが切れることがないから、被覆部材の
強度上の安全率を低減することができる。したがって、
被覆部材をさらに薄く形成することができ、材料費の削
減により、さらにコストの低減を図ることができる。
【0015】そして特に、膨出部の断面形状がベース部
材の一方及び他方の面から突出し、かつ一方の面と他方
の面とをつなぐ方向に延びる長軸を有するようなほぼ楕
円状に形成されているから、膨出部と被覆部材との接触
面積がさらに増え、この結果、膨出部から被覆部材に作
用する面圧をさらに下げることができる。したがって、
被覆部材の強度の低下を来すことなく、同被覆部材の材
料費を削減することができ、これによりコストの低減を
図ることができる。
【0016】請求項に係る発明によれば、請求項1に
係る発明と同様の作用効果を奏するとともに、少なくと
もシートベルトの当たる部分の被覆部材が膨出部からほ
ぼ一定の厚さに形成されているから、被覆部材に対する
応力集中がさらに低くなる。したがって、被覆部材の強
度の低下を来すことなく、同被覆部材の材料費を削減す
ることができ、これによりコストの低減を図ることがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下添付図面を用いて本発明の実
施の形態を実施例に基づき詳細に説明する。まず、図1
を参照して第1実施例を説明する。ただし、図11に示
す従来例の構成要素と共通する要素には同一の符号を付
し、その説明を省略する。
【0018】図1(a)は、図11(a)で説明した自
動車のセンタピラー3の第3のアンカ73に取り付けら
れるシートベルト吊持具10の構成を示す斜視図であ
り、図1(b)は図1(a)に示したシートベルト吊持
具10のY−Y線に沿う断面図である。また、図1
(c)はシートベルト吊持具10の、被覆部材30を取
り付ける前のベース部材20のみの正面図を示してい
る。
【0019】図1(a)に示されるシートベルト吊持具
10は、図1(c)に示されるベース部材20に被覆部
材30がモールド成形によって形成されて作られる。ベ
ース部材20は、厚さ3mm程度の鋼板(金属板)材を
打ち抜いて、プレス加工により成形されており、取付部
20aと、シートベルト保持部20bとから構成されて
いる。シートベルト保持部20bは、図1(b)に示す
ように、取付部20aに対して所定角度(30度程度)
折り曲げられて形成されている。取付部20aには、シ
ートベルト吊持具10を自動車のセンタピラー3の第3
のアンカ73(図11(a)参照)に取り付けるための
ボルト挿通孔21が開けられており、シートベルト保持
部20bには、ウェービングベルト(シートベルト)7
4(図1(b)、図11(a)参照)を挿通するための
長穴状のシートベルト挿通孔22が開けられている。
【0020】シートベルト挿通孔22は、図1(b)に
示すように、その縁部22aがベース部材20の一方及
び他方の面から突出し、かつ一方の面と他方の面とをつ
なぐ方向に延びる長軸を有するようなほぼ楕円形状に膨
出する断面形状の膨出部23になっている。すなわち、
この膨出部23は、シートベルト挿通孔の縁部22aの
肉を盛り上がらせてベース部材に形成した湾曲断面構造
のもので構成されている。このため、シートベルト挿通
孔22は、ウェービングベルト74を折り返す側の縁部
22aが膨出部23によってウェービングベルト74の
折り返す方向に沿って滑らかに湾曲する曲面状に形成さ
れている。
【0021】被覆部材30は、この実施例ではベース部
材20のシートベルト保持部20bのシートベルト挿通
孔22の周囲に、モールド成形によって鋼板材を覆うよ
うに設けられる。だだし、図11(c)において説明し
た従来のシートベルト吊持具78では、シートベルト挿
通孔82の縁部82aが垂直に切断されているため、こ
の縁部82aに直角状のエッジ(角部)が形成されてい
た。このため、被覆部材90には縁部82の角部に対応
する位置に大きな応力集中が生じる結果になっていた。
しかし、この実施例においては、シートベルト挿通孔2
2における縁部22aに膨出部23が形成され、角部が
曲面状に湾曲した状態になっているから、この膨出部2
3に接する被覆部材30には極めて小さな応力集中しか
生じることがない。
【0022】さらに、被覆部材30は、少なくともシー
トベルト74の当たる部分が膨出部23からほぼ一定の
厚さに形成されている。
【0023】また図中Tは、ボルト挿通孔21の周囲に
所定の間隔をおいて突設された突起であり、この突起T
は、シートベルト吊持具10を、ボルト(図示しない)
で自動車のセンタピラー3の第3のアンカ73(図11
(a)参照)に取り付ける際に、ボルトの廻り止めとし
て作用し、従来のワッシャの効果を発揮する。この結
果、シートベルト吊持具10を取り付ける際に、通常用
いるようなワッシャが不要になるので、部品点数の減少
を図ることができる。
【0024】上記ベース部材20は、各種工程からなる
冷間加工により鋼板から成形されている。そして、特に
シートベルト挿入孔22の膨出部23は、最終工程にお
いて下金型及び上金型によって加工され、鋼板の上下の
各面から突出する凸部を有し、鋼板に対して上下方向に
長軸を有するような断面がほぼ楕円形状のものに形成さ
れる。
【0025】上記のように構成されたシートベルト吊持
具10においては、ウェービングベルト74が繰出し可
能な状態であれば、このウェービングベルト74を引っ
張ることにより、ウェービングベルト74の途中部が被
覆部材30で折り返されるようにして摺動しながら繰り
出される。しかし、ウェービングベルト74の繰出しが
停止されると、このウェービングベルト74を引っ張る
力が被覆部材30に直接作用することになる。
【0026】そして、ウェービングベルト74を引っ張
る力により、被覆部材30が万一破損した場合には、ウ
ェービングベルト74がベース部材20のシートベルト
挿通孔22の縁部22aに当ることになる。しかし、シ
ートベルト挿通孔22の縁部22aがほぼ楕円形状に膨
出する膨出部23となっていて、ウェービングベルト7
4を折り返す側の縁部22aがウェービングベルト74
の折り返す方向に沿って滑らかに湾曲する曲面状に形成
された状態になっているから、ウェービングベルト74
がシートベルト挿通孔22の縁部22aに当たって切れ
るようなことがない。すなわち、被覆部材30が万一破
損した場合でも、シートベルト挿通孔22の縁部22a
に形成した膨出部23によってウェービングベルト74
が切れるのを防止することができ、安全性の向上を図る
ことができる。
【0027】また、シートベルト挿通孔22における縁
部22aが膨出部23によって曲面状に湾曲していて、
この縁部22aに接する被覆部材30は応力集中が極め
て小さなものとなっているから、被覆部材30の強度が
実質的に増加したことになる。このため、被覆部材30
の強度が増加した分、被覆部材30の厚さを減少させる
ことができる。したがって、被覆部材30の強度を低下
させることなく、同被覆部材30の材料費を削減するこ
とができ、これによりコストの低減を図ることができ
る。
【0028】さらに、被覆部材30が万一破損した場合
でも、ウェービングベルト74が切れることがないか
ら、被覆部材30の強度上の安全率を低減することがで
きる。したがって、被覆部材30をさらに薄く形成する
ことができ、材料費の削減により、さらにコストの低減
を図ることができる。
【0029】またさらに、少なくともシートベルト74
の当たる部分の被覆部材30が膨出部23からほぼ一定
の厚さに形成されているから、被覆部材30に対する応
力集中がさらに低くなる。したがって、被覆部材30の
強度の低下を来すことなく、同被覆部材30の材料費を
削減することができ、これによりコストの低減を図るこ
とができる。
【0030】次ぎに、この発明の第2実施例を図2を参
照して説明する。図2(a)は、本発明の第2実施例の
シートベルト吊持具10の構成を示す斜視図であり、図
2(b)は図2(a)のZ−Z線に沿う断面図である。
ただし、図1に示す第1実施例と共通する要素には同一
の符号を付し、その説明を省略する。この第2実施例が
第1実施例と異なる点は、被覆部材30に凸条31,3
2が形成されている点である。
【0031】すなわち、図1(a)において説明した第
1実施例のシートベルト吊持具10では、被覆部材30
の表面は平坦であったが、この第2実施例では、長穴状
に形成されたシートベルト挿通孔22の対向する平行な
縁部22a(ベース部材20のボルト挿通孔21に近い
方の縁部22aを上縁部、挿通穴21から遠い方の縁部
22aを下縁部とする)に対応する被覆部材30に、ウ
ェービングベルト74の挿通方向に沿って凸条31,3
2が平行に形成されている。この第2実施例では、シー
トベルト挿通孔22の下縁部に対応する被覆部材30に
は11条程度の凸条31が形成されており、上縁部に対
応する被覆部材30には9条程度の凸条32が形成され
ている。
【0032】なお、この第2実施例では、シートベルト
挿通孔22の下縁部に対応する被覆部材30に凸条31
が形成され、上縁部に対応する被覆部材30に凸条32
が形成されているが、上縁部側の凸条32は省略しても
構わないものである。
【0033】図3(a)は、図2(a)に示した凸条3
1,32の断面形状の一例を示すものである。この図3
(a)に示す例では凸条31,32の断面は、同じ向き
の円弧が隣接する形状であり、凸状の幅W1は4mm程
度、高さH1は0.8mm程度、円弧の半径R1は2m
m程度となっている。図3(b)は図2(a)に示した
凸条31,32の断面形状の他の例を示すものである。
この図3(b)に示す例では凸条31,32の断面は、
交互に反対向きの円弧が隣接する形状であり、下向きの
円弧によって形成される溝と溝との幅W2は4mm程
度、高さH2は0.8mm程度、円弧の半径R2,R3
は共に1mm程度となっている。図3(c)は図2
(a)に示した凸条31,32の断面形状の更に他の例
を示すものである。この図3(c)に示す例では凸条3
1,32の断面は、同じ向きの台形が隣接する形状であ
り、凸状の幅W3は4mm程度、高さH1は0.8mm
程度となっている。図3(c)に示した凸状31,32
は、平坦な被覆部材30にV溝33を刻むことによって
も形成することができる。
【0034】このように、シートベルト挿通孔22の上
縁部と下縁部に対応する被覆部材30に凸条31,32
をウェービングベルト74の長手方向に沿って形成する
と、被覆部材30とウェービングベルト74との接触面
積が少なくなり、ウェービングベルト74に対する摩擦
を少なくすることができる。この結果、ウェービングベ
ルト74がシートベルト挿通孔22内を移動する時の摩
擦が減り、ウェービングベルト74からの芳香剤等の滑
剤の剥離が少なくなって、リトラクタへの巻取り不良が
起こり難くなる。
【0035】また、凸条31,32がウェービングベル
ト74の長手方向に設けられているので、自動車の衝突
時にウェービングベルト74の繰出しが停止した場合で
も、このウェービングベルト74がシートベルト挿通孔
22の片側に急激に片寄ることがなくなり、瞬時にウェ
ービングベルト74と被覆部材30との間に大きな摩擦
が生ずることがなく、このため、ウェービングベルト7
4と被覆部材30との間が高温になってウェービングベ
ルト74が変質することもなく、リトラクタのウェービ
ングベルト74の巻取り不良が起こるのも防止すること
ができる。
【0036】更に、シートベルト挿通孔22の上縁部と
下縁部の両方、または少なくとも下縁部のみに対応する
被覆部材30に凸条31あるいは凸状32を設けること
により、塵、埃等が凸条31と凸条31との間、あるい
は凸条32と凸条32との間の溝部に落ちるので、ウェ
ービングベルト74に対する被覆部材30の当接部が汚
れにくくなり、静電気の発生も抑えられる(被覆部材3
0に静電気防止材を添加すれば更に静電気の発生が抑え
られる)ので、ウェービングベルト74がシートベルト
吊持具10内を移動し易くなる。この結果、ウェービン
グベルト74のリトラクタからの引き出し、リトラクタ
への巻き取りがスムーズに行われる。
【0037】図4は上記第2実施例の第1の他の例とし
て示したシートベルト吊持具10の図であって、図2
(b)に示したシートベルト吊持具10のb部に相当す
る部分の拡大断面図である。この例では、シートベルト
挿通孔22の下縁部に対応する被覆部材30に、凸状3
1の延長方向に直交する細長い溝34が形成されてい
る。この溝34はシートベルト挿通孔22に挿通される
ウェービングベルト74の折り返し部74aに対向する
部位に1条だけ設けられているが、図4に一点鎖線で示
すように、複数本の溝34′を更にこの溝34に平行に
設けても良いものである。上述した溝34,34′は、
やはりウェービングベルト74と合成樹脂製の被覆部材
30との間の摩擦を少なくすることができる。
【0038】図5(a)は図4に示したシートベルト吊
持具10の図であって、図2(a)のa−a線に沿う断
面図に相当する部分の拡大断面図である。また、図5
(b),(c)は図5(a)における凸条31と凸条3
1との間の溝35の形状を変更した例を示す拡大断面図
である。
【0039】図6は上記第2実施例の第2の他の例とし
て示したシートベルト吊持具10の構成を示すものであ
る。このシートベルト吊持具10の構成は図2(a)で
説明したシートベルト吊持具10の構成と殆ど同じであ
り、異なる点は、被覆部材30の凸条31の延長方向の
両端部分の近傍に、更にウェービングベルト74の長手
方向に沿った細い溝36が形成されている点のみであ
る。この細い溝36も、ウェービングベルト74と被覆
部材30との摩擦を少なくする対策(ガムアップ対策と
いう)の一つである。
【0040】図7(a)は上記第2実施例の第3の他の
例として示したシートベルト吊持具10の正面図であ
る。また、図7(b)は図7(a)のC−C線に沿う断
面図を示している。この第3の他の例ではシートベルト
挿通孔22の上縁部に対応する被覆部材30には凸条3
2が設けられておらず、下縁部に対応する被覆部材30
にのみ凸条31が形成されている。更に、この例ではベ
ース部材20のシートベルト挿通孔22の形状に合わせ
て、被覆部材30が略U字状に設けられている。また、
シートベルト挿通孔22の下端部に対応する被覆部材3
0には、図7(b)に示すように、ウェービングベルト
74の折り返し部74a(図4参照)に対向する部位に
溝34が1条だけ設けられている。
【0041】図7(c)は図7(a)のD部の形状を説
明する部分拡大図であり、シートベルト挿通孔22の両
端部分に対応する被覆部材30にそれぞれ設けられた逃
げ穴37の形状を詳細に説明するものである。逃げ穴3
7の入口部の幅W6は2〜3mmであり、中央部の逃げ
穴37の幅W4+W5はほぼ7mm程度、逃げ穴37の
内側の円弧の半径R5は6mm程度、逃げ穴37の外側
の円弧の半径は6mm程度となっている。また、逃げ穴
37の入口部の内側の円弧の半径は7mm程度となって
いる。
【0042】図8は上記第2実施例の第4の他の例とし
て示したシートベルト吊持具10の斜視図であり、図2
(a)で説明した前述の第2実施例のシートベルト吊持
具10と同じ構成部材に付いては、同じ符号を付してそ
の説明を省略する。この第4の他の例のシートベルト吊
持具10が図2(a)のシートベルト吊持具10と異な
る点は、シートベルト挿通孔22の下縁部に対応する被
覆部材30に、ウェービングベルト74の長手方向に沿
った複数の凸条ではなく、ウェービングベルト74の長
手方向に沿って並ぶ複数のドーム状の突起38が連続し
て並べて設けられている点のみである。
【0043】このように複数のドーム状の突起38を、
被覆部材30に連続して並べて設けても、ウェービング
ベルト74と被覆部材30との接触面積を減らすことが
でき、ウェービングベルト74に対する摩擦を少なくす
ることができる。この結果、ウェービングベルト74が
シートベルト挿通孔22内を移動する時の摩擦が減り、
ウェービングベルト74からの芳香材の剥離が少なくな
って、リトラクタへの巻取り不良が起こり難くなる。な
お、突起38の形状は球面に限定されるものではない。
【0044】次ぎに、この発明の第3実施例を図9を参
照して説明する。ただし、図1に示す第1実施例と共通
する要素には同一の符号を付し、その説明を簡略化す
る。図9は、本発明の第3実施例のシートベルト吊持具
10であって、図1のY−Y線に沿う断面図に相当する
断面図である。この第3実施例が第1実施例と異なる点
は、縁部22aにおける膨出部23がシートベルト保持
部20bの一方の面側にのみ膨出している点である。
【0045】すなわち、膨出部23は、シートベルト保
持部20bの一方の面側にのみ膨出しており、その膨出
している側も、膨出していない側も、ウェービングベル
ト74の折り返される方向に沿って、滑らかな曲面状に
形成されている。すなわち、縁部22aは、その角部が
膨出部23によって、滑らかに湾曲する曲面状に形成さ
れている。なお、この実施例の場合、膨出部23は、シ
ートベルト挿通孔22の全周にわたって同じ形状に形成
されている。
【0046】上記ベース部材20は、各種工程からなる
冷間加工により鋼板から成形されている。そして、特に
シートベルト挿入孔22の縁部22aは、最終工程にお
いて下金型及び上金型によって加工され、鋼板の一方の
面側に滑らかな曲面状に突出する膨出部23を有するも
のとなる。
【0047】上記のように構成されたシートベルト吊持
具10においても、第1実施例と同様の作用効果を奏す
る。
【0048】なお、上記第1実施例及び第2実施例にお
いては、膨出部23をほぼ楕円形状に膨出するように形
成したが、この膨出部23は円形状に膨出するように形
成してもよく、また他の滑らかな曲面状に形成してもよ
い。したがって、請求項における「ほぼ楕円形状」は、
円形状及び他の滑らかな曲面状を含むものと解釈される
べきである。さらに、膨出部23をシートベルト挿通孔
22の全周にわたって形成したが、膨出部23はウェー
ビングベルト74の折り返される部分に対応する位置に
のみ設けるように構成してもよい(図10参照)。ま
た、第3実施例で示した膨出部23についても、ウェー
ビングベルト74の折り返される部分にのみ設けるよう
に構成してもよい(図10参照)。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、シートベルト挿通孔の少なくともシートベ
ルトを折り返す位置に対応するベース部材の板面の肉を
盛り上がらせて曲線状に盛り上がる断面形状の膨出部を
形成しているから、被覆部材が万一割れ、シートベルト
がシートベルト挿通孔の縁部に当たるようなことがあっ
ても、シートベルト挿通孔の縁部によってシートベルト
が切れるようなことがない。すなわち、被覆部材が万一
破損した場合でも、シートベルト挿通孔の縁部によって
シートベルトが切れるのを防止することができ、安全性
の向上を図ることができる。
【0050】また、膨出部が曲線状に盛り上がる断面形
になっているから、この膨出部に接する被覆部材にお
ける応力集中が極めて小さなものとなる。このため、被
覆部材は実質的に強度が増加したことになるから、この
強度の増加した分、被覆部材の厚さを減少させることが
できる。しかも、膨出部によって、この膨出部と被覆部
材との接触面積が増え、この結果、膨出部から被覆部材
に作用する面圧が下ることになる。この点からも、被覆
部材の強度を実質的に増加させることができ、その強度
の増加した分、被覆部材の厚さを低減させることができ
る。したがって、被覆部材の強度の低下を来すことな
く、同被覆部材の材料費を削減することができ、これに
よりコストの低減を図ることができる。
【0051】さらに、被覆部材が万一破損した場合で
も、シートベルトが切れることがないから、被覆部材の
強度上の安全率を低減することができる。したがって、
被覆部材をさらに薄く形成することができ、材料費の削
減によって、さらにコストの低減を図ることができる。
【0052】そして特に、膨出部の断面形状がベース部
材の一方及び他方の面から突出し、かつ一方の面と他方
の面とをつなぐ方向に延びる長軸を有するようなほぼ楕
円状に形成されているから、膨出部と被覆部材との接触
面積がさらに増え、この結果、膨出部から被覆部材に作
用する面圧をさらに下げることができる。したがって、
被覆部材の強度の低下を来すことなく、同被覆部材の材
料費を削減することができ、これによりコストの低減を
図ることができる。
【0053】請求項に係る発明によれば、請求項1に
係る発明と同様の作用効果を奏するとともに、少なくと
もシートベルトの当たる部分の被覆部材が膨出部からほ
ぼ一定の厚さに形成されているから、被覆部材に対する
応力集中がさらに低くなる。したがって、被覆部材の強
度の低下を来すことなく、同被覆部材の材料費を削減す
ることができ、これによりコストの低減を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例として示したシートベルト
吊持具の図であって、(a)は斜視図、(b)は(a)
のY−Y線に沿う断面図、(c)はベース部材を示す正
面図である。
【図2】本発明の第2実施例として示したシートベルト
吊持具の図であって、(a)は斜視図、(b)は(a)
のZ−Z線に沿う断面図である。
【図3】同シートベルト吊持具に形成した凸条の図であ
って、(a)は同凸条の第1の断面形状を示す説明図、
(b)は同凸条の第2の断面形状を示す説明図、(c)
は同凸条の第3の断面形状を示す説明図である。
【図4】上記第2実施例の第1の他の例として示したシ
ートベルト吊持具の図であって、図2(b)のb部に相
当する位置の拡大断面図である。
【図5】同第1の他の例のシートベルト吊持具10の図
であって、(a)は図2(a)のa−a線に沿う断面に
相当する位置の拡大断面図である。また、(b)及び
(c)は(a)における凸条と凸条との間の溝の形状を
変更した例を示す拡大断面図である。
【図6】上記第2実施例の第2の他の例として示したシ
ートベルト吊持具を示す正面図である。
【図7】上記第2実施例の第3の他の例として示したシ
ートベルト吊持具の図であって、(a)は正面図、
(b)は(a)のC−C線に沿う断面図、(c)は
(a)のD部を示す拡大図である。
【図8】上記第2実施例の第4の他の例として示したシ
ートベルト吊持具の斜視図である。
【図9】本発明の第3実施例として示したシートベルト
吊持具の図であって、図1のY−Y線に沿う位置に相当
する位置の断面図である。
【図10】第1実施例〜第3実施例で示したシートベル
ト挿通孔の縁部の他の例を示す図であって、(a)はベ
ース部材を示す正面図、(b)は(a)のE−E線に沿
う断面図である。
【図11】3点式シートベルトの構成を説明する図であ
って、(a)は同3点式シートベルトの全体の構成を示
す斜視図、(b)は従来のシートベルト吊持具を示す斜
視図、(a)は(b)のX−X線に沿う断面図である。
【符号の説明】
10 本発明のシートベルト吊持具 20 ベース部材 21 ボルト挿通孔 22 シートベルト挿通孔 22a 縁部 23 膨出部 30 被覆部材 74 ウェービングベルト(シートベルト) T 突起
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−188117(JP,A) 特開 平6−278566(JP,A) 実開 平2−120272(JP,U) 実開 昭59−150451(JP,U) 実開 平1−149849(JP,U) 実開 昭52−148622(JP,U) 実開 平4−38862(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繰出し可能に設けられているとともに、
    緊急時に繰出しを停止するように設けられたシートベル
    トの途中部を、折り返すようにして摺動自在に吊持する
    シートベルト吊持具であって、 前記シートベルトを挿通するシートベルト挿通孔を有す
    る金属板製のベース部材と、 このベース部材の少なくとも前記シートベルト挿通孔の
    周囲を被覆する合成樹脂製の被覆部材とを備えてなり、 前記シートベルト挿通孔は、少なくともシートベルトの
    折り返される部分に対応するベース部材の板面の肉を盛
    り上がらせて曲線状に盛り上がる断面形状の膨出部を形
    成したものであり、 前記膨出部は、断面形状がベース部材の一方及び他方の
    面から突出し、かつ一方の面と他方の面とをつなぐ方向
    に延びる長軸を有するようなほぼ楕円状に形成されてい
    ことを特徴とするシートベルト吊持具。
  2. 【請求項2】 被覆部材は、少なくともシートベルトの
    当たる部分が膨出部からほぼ一定の厚さに形成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のシートベルト吊持
    具。
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