JP2014118052A - スルーアンカおよびシートベルト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スルーアンカのモールド成形を可能としながら、ウエビングに錆が付着することを防止できるスルーアンカおよびシートベルト装置を提供することを目的とする。
【解決手段】シートベルト装置100は、車室内の壁に取り付けられ、リトラクタ160から到来する帯状のウエビング150を車内側に折り返すスルーアンカ170を備え、スルーアンカは、ウエビングを挿通する挿通孔206が形成されたインサート金具200と、インサート金具の表面にモールド成形され、インサート金具と一体化している被覆樹脂層202と、インサート金具を挟んで対向する位置にて被覆樹脂層がインサート金具の表面に至るまで切り欠かれた孔部212、220とを有し、孔部は、被覆樹脂層の表面に形成された開口部222と、インサート金具の表面を露出させ、露出した部分が開口部よりも小さい底部224とを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、乗員拘束用のウエビングを挿通するスルーアンカおよびこれを備えたシートベルト装置に関するものである。
車両の座席には、シートベルト装置が設置されている。シートベルト装置は、ウエビングを用いて乗員を拘束する安全装置であって、急停止や衝突などにより車両に大きな減速度が作用したときに、乗員が慣性力によって前方に飛び出すことを抑止する。
ウエビングは、ウエビングを巻き取っているリトラクタから車内上方に引き出され、車体に固定されたスルーアンカを通って、車内下方に折り返される。折り返されたウエビングの先端部には、車室下方に固定されるアンカプレートが取り付けられている。
また、スルーアンカとアンカプレートとの間には、ウエビングを挿通してウエビング上を摺動可能なタングプレートが配置されている。さらに、車両用シートの側部(車両中央側)には、バックルが設けられている。
シートベルト装置では、乗員がタングプレートを把持し、リトラクタからウエビングを引き出して、バックルにタングプレートを挿し込むことで装着状態となり、乗員をウエビングにて拘束する。
このようなシートベルト装置のスルーアンカは、例えば、金属プレートと被覆樹脂層とを含んでいる。金属プレートは、リトラクタにより巻き取られまたは引き出されるウエビングを挿通させる挿通孔を有する。被覆樹脂層は、金属プレートを樹脂でモールドすることにより成形される。
また、金属プレートの挿通孔の下部には、ウエビング摺動部が位置している。ウエビング摺動部は、ウエビングが接触し摺動する領域であり、被覆樹脂層からなる。被覆樹脂層を成形する場合には、金属プレートを支持部材で支持し、金属プレートの位置を安定させる必要がある。このため、金属プレートのうち、支持部材と接する部分は、樹脂でモールドされず、被覆樹脂層の孔部となる。
特許文献1には、金属プレートの挿通孔の周囲にモールド成形された樹脂からなるウエビング摺動部と、カバー部材とを備えたスルーアンカが記載されている。カバー部材は、金属プレートおよびウエビング摺動部に組み付けられ、これらを被覆する。特許文献1では、カバー部材を用いることで、上記被覆樹脂層の孔部を隠すことができる。
なお二色成形によりウエビング摺動部を設ける場合には、1回目の成形時に被覆樹脂層に孔部が生じても、2回目の成形時に孔部とは異なる位置で金属プレートあるいは被覆樹脂層を支持部材で支持することで、上記孔部を隠すことができる。
特開2012−101642号公報
特許文献1に記載のスルーアンカでは、上記被覆樹脂層の孔部を隠すために、カバー部材が必要となる。また、二色成形を行う場合には、異なる樹脂を用いたモールド成形を2回行う必要がある。
本発明者は、モールド成形が1度で済み、カバー部材などの別部材を不要とし、さらに樹脂を1種類しか使用しないスルーアンカを検討したところ、以下の問題点を見出した。
すなわち、被覆樹脂層の孔部をそのまま放置すると、孔部の底部となる金属プレートの露出部分が錆びてしまい、この錆が剥がれ落ちてウエビングに付着する。ウエビングに錆が付着すると、ウエビングの摺動時での摩擦が大きくなり、ウエビングの摺動方向の移動が困難となり、ウエビングの引き出しや巻き取りが阻害される。さらに、錆の付着したウエビングがリトラクタに巻き取られると、リトラクタ内部に錆が入り込みウエビングの引き出しあるいは巻き取りに悪影響を与える可能性もある。
本発明は、このような課題に鑑み、スルーアンカのモールド成形を可能としながら、ウエビングに錆が付着することを防止できるスルーアンカおよびシートベルト装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるスルーアンカの代表的な構成は、車両用シートの側部近傍で車室側面に回転自在に固定されていて、リトラクタにより巻き取られまたは引き出される乗員拘束用のウエビングを車室側面から車内側に折り返して摺動させるスルーアンカであって、ウエビングを挿通する挿通孔が形成された金属プレートと、金属プレートの表面にモールド成形され、金属プレートと一体化している被覆樹脂層と、金属プレートを挟んで対向する位置にて被覆樹脂層が金属プレートの表面に至るまで切り欠かれた孔部とを有し、孔部は、被覆樹脂層の表面に形成された開口部と、金属プレートの表面を露出させ、露出した部分が開口部よりも小さい底部とを有することを特徴とする。
上記構成によれば、金属プレートの表面に至るまで切り欠かれた孔部が、金属プレートを挟んで対向している。このため、金属プレートの両面を適宜の支持部材で挟み込んで支持し、金属プレートを固定した状態でモールド成形が可能となる。なお支持部材で支持した部分は、モールド成形されず孔部となる。また、孔部の底部では金属プレートの表面が露出しているものの、露出した部分の大きさは被覆樹脂層の表面に形成された開口部よりも小さい。このため、金属プレートの露出した部分に錆が発生し難くなる。その結果、金属プレートに発生した錆が剥がれ落ちてウエビングに付着することを防止できる。
したがって、上記スルーアンカによれば、金属プレートを固定した状態で被覆樹脂層を金属プレートの表面に確実にモールド成形できる。さらに、孔部が存在してもウエビングに錆が付着しないので、ウエビングの摺動時での摩擦が大きくならず、ウエビングの摺動方向の移動が容易となり、スムーズなウエビングの引き出しあるいは巻き取りが可能となる。
上記の孔部は、被覆樹脂層の表面から金属プレートの表面に向かって径が小さくなるテーパー形状であるとよい。これにより、孔部は、金属プレートの表面に向かって先細りの形状となる。ここで、先細りの形状は形成し易い。よって、モールド成形時に金属プレートを支持する支持部材を作成し易い。また、先細りの形状であるので、金属プレートを支持部材で支持する際の位置決めが容易であり、さらに支持部材によって支持し易い。
上記のスルーアンカは、挿通孔の下部に位置し、ウエビングが接触し摺動する摺動部をさらに有し、摺動部は、被覆樹脂層と同一樹脂で一体成形されているとよい。これにより、金属プレートを被覆樹脂層でモールド成形する際、1種類の樹脂だけを使用し、しかもモールド成形も1度で済むので、製造コストが増加しない。
上記の孔部は、摺動部の下部に位置し、摺動部で摺動するウエビングの幅のほぼ中央に位置しているとよい。これにより、金属プレートを支持部材によって安定して支持できる。
上記の摺動部は、挿通孔の下縁に沿って交互に配列された凹部と凸部とを含む溝部を有するとよい。これにより、車両の緊急時などに、ウエビングが幅方向に移動しようとしても、ウエビングが溝に接触し、ウエビングの幅方向への移動が抑制される。よって、溝が形成された摺動部によれば、ウエビングがスルーアンカの挿通孔の片側に片寄る、ジャミングを防止できる。
上記課題を解決するために、本発明にかかるシートベルト装置の代表的な構成は、上述のスルーアンカを備えたことを特徴とする。上記スルーアンカを備えたことで、孔部が存在してもウエビングに錆が付着せず、ウエビングの引き出しや巻き取りが阻害されない。よって、車両の緊急時などにシートベルト装置の性能が損なわれることがない。
本発明によれば、スルーアンカのモールド成形を可能としながら、ウエビングに錆が付着することを防止できるスルーアンカおよびシートベルト装置を提供することができる。
本発明の実施形態におけるシートベルト装置が適用される車両の一部を示す図である。 図1のシートベルト装置に適用されるスルーアンカを拡大して示す図である。 図2のスルーアンカを車内側から見た状態を示す正面図である。 図3のスルーアンカの断面図である。 他のスルーアンカを例示する断面図である。 比較例のスルーアンカを例示する断面図である。 他の比較例のスルーアンカを拡大して示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の実施形態におけるシートベルト装置100が適用される車両110の一部を示す図である。図中では、車両110内の右側前部座席となる車両用シート120とともにシートベルト装置100を示している。
車両110は、例えば、シートベルト装置100と、車両用シート120と、車両用シート120の車外側に位置するサイドドア130と、センターピラー140とを備えている。なお、センターピラー140は、車室内の壁部の一部であり、サイドドア130の車両後方側に位置している。
シートベルト装置100は、車両用シート120に設置された安全装置であって、乗員拘束用の帯状のウエビング150を用いて、乗員を車両用シート120に拘束する。このシートベルト装置100には、図示されていないが、車両緊急時にウエビング150を急速に巻き取るプリテンショナが備えられている。
ウエビング150は、車内下方に位置するリトラクタ160により巻き取られまたは引き出されていて、スルーアンカ170を通って、センターピラー140側(車室側面)から車内側に折り返されている。スルーアンカ170は、例えばボルト172によって、センターピラー140の上部に回転自在に固定されている。
スルーアンカ170により折り返されたウエビング150の端部にはアンカプレート180が縫合されている。なお図中では、アンカプレート180は固定されていないが、実際にはボルトなどによりサイドドア130と車両用シート120との間の車体下方に取り付けられる。スルーアンカ170とアンカプレート180との間には、ウエビング150が挿通されウエビング150上を摺動可能なタングプレート190が設けられている。
シートベルト装置100では、タングプレート190を乗員が把持し、車両中央部に取り付けられたバックル192にタングプレート190を挿し込むことで装着状態となり、乗員をウエビング150にて拘束する。
図2は、図1のシートベルト装置に適用されるスルーアンカを拡大して示す図である。図3は、図2のスルーアンカを車内側から見た状態を示す正面図である。
スルーアンカ170は、図示のように、金属プレート(インサート金具200)と被覆樹脂層202とを含む。インサート金具200は、例えば打ち抜き加工により形成された金属板であり、上部にはスルーアンカ170を車体に対して回動自在に固定するために上記ボルト172が挿通されるボルト孔204が形成されている。インサート金具200の下部には、ウエビング150を挿通する挿通孔206が形成されている。被覆樹脂層202は、例えばインサート金具200の表面にモールド成形され一体化している。
スルーアンカ170は、挿通孔206の下縁に位置し、被覆樹脂層202からなる摺動部208を有する。摺動部208は、リトラクタ160から到来する図2に仮想線で示すウエビング150が接触して摺動する領域となる。また、ウエビング150の摺動方向は、図2に示すように、矢印にて示した引き出しまたは巻き取りの方向であり、ウエビング150の幅方向とほぼ直交している。なお、ウエビング150の幅方向は、図示のように車両前後方向に沿っていて、スルーアンカ170の挿通孔206の長手方向、あるいは挿通孔206の下縁に沿った方向とほぼ一致している。
摺動部208は、図3に示すように、挿通孔206の下縁に沿って交互に配置された凸部210aと凹部210bとを含む溝部210を有する。このため、車両110の緊急時などに、ウエビング150が幅方向に移動しようとしても、ウエビング150が溝部210に接触することで生じる反力によって、ウエビング150の幅方向への移動が抑制される。つまり、摺動部208は、溝部210を有することにより、ウエビング150がスルーアンカ170の挿通孔206の片側に片寄るジャミングを防止可能である。
また、スルーアンカ170は、図2および図3に示すように、摺動部208の下方に位置し被覆樹脂層202が切り欠かれた孔部212を有する。孔部212は、摺動部208で摺動するウエビング150の幅のほぼ中央に設けられている。以下、図4を参照して孔部212について説明する。
図4は、図3のスルーアンカ170の断面図である。図4(a)は、スルーアンカ170のA−A断面図である。図4(b)は、図4(a)のスルーアンカ170の断面とともに、摺動部208を摺動するウエビング150を示している。
被覆樹脂層202は、図4(a)に例示するように、インサート金具200の車内側の第1面214および車体側の第2面216にモールド成形され、インサート金具200と一体化している。被覆樹脂層202をモールド成形する場合には、図4(a)に鎖線で例示する支持部材218a、218bによって、インサート金具200の第1面214および第2面216を支持し、インサート金具200の位置を安定させる。
続いて、インサート金具200の位置を安定させた状態で、不図示の金型内部に溶融樹脂を流し込み、その後、この溶融樹脂が固化することで被覆樹脂層202を成形する。その結果、インサート金具200のうち、支持部材218a、218bと接する部分は、樹脂でモールドされず、被覆樹脂層202が切り欠かれた孔部212、220として形成される。なお孔部212、220は、インサート金具200の第1面214側、第2面216側にそれぞれ形成されたものである。
なお被覆樹脂層202の材質としては、ポリアセタール(POM材)、ポリアミド(PA材)またはポリプロピレン(PP材)、ポリカーボネート(PC)、スチレン・アクリロニトル・ブタジエン(ABS)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)などが挙げられる。
支持部材218a、218bは、図4(a)に示すように、インサート金具200の第1面214および第2面216に接しながら、インサート金具200を挟み込むように支持している。つまり、支持部材218a、218bは、インサート金具200を挟んで対向する位置にある。これにより、インサート金具200は、支持部材218a、218bによって安定して支持される。また、孔部212、220も、インサート金具200の第1面214および第2面216で対向した位置に形成されている。
以下、孔部212についてのみ説明するが、孔部220も形状や機能など孔部212と同様である。孔部212は、図示のように、被覆樹脂層202の表面からインサート金具200の第1面214に至るように形成されている。孔部212は、開口部222と、底部224と、側面部226とを備える。
開口部222は、被覆樹脂層202の表面に形成されていて、例えば径を示す寸法L1が3mmである。底部224は、インサート金具200の第1面214が露出した部分であり、例えば径を示す寸法L2が0.5mm程度であり、開口部222よりも小さい。側面部226は、被覆樹脂層202の表面からインサート金具200の第1面214に向かって傾斜している。なお開口部222から底部224までの距離を示す寸法L3は、例えば1mmである。
このように、孔部212は、被覆樹脂層202の表面からインサート金具200の第1面214に向かって径が小さくなるテーパー形状となっている。同様に、支持部材218a、218bの形状もテーパー形状であり、インサート金具200の第1面214に向かって先細りの形状となっている。先細りの形状である支持部材218a、218bは、製造し易く、また、インサート金具200を支持する際の位置決めが容易であり、さらに支持も容易となる。
ところで、図4(b)に示すように、被覆樹脂層202の孔部212をそのまま放置すると、孔部212の底部224となるインサート金具200の露出した部分が錆びる可能性がある。図中では、インサート金具200の露出部分に発生した錆228を例示している。この錆228が剥がれ落ちてウエビング150に付着してしまうと、ウエビング150の摺動時での摩擦が大きくなり、摺動方向への移動が困難となる。その結果、ウエビング150の引き出しや巻き取りが阻害される。
さらに、錆228の付着したウエビング150がリトラクタ160(図1参照)に巻き取られると、リトラクタ160内部に錆228が入り込み、ウエビング150の引き出しあるいは巻き取りに悪影響を与える可能性もある。
本実施形態のスルーアンカ170は、孔部212の底部224でインサート金具200の表面が露出しているものの、露出した部分の大きさは被覆樹脂層202の表面に形成された開口部222よりも小さい。このため、インサート金具200の露出した部分に錆228が発生し難くなる。その結果、インサート金具200に発生した錆228が剥がれ落ちてウエビング150に付着することを防止できる。
図5は、他のスルーアンカ170Aを例示する断面図である。なお図5の断面図は、図4(a)に対応させて示している。スルーアンカ170Aでは、支持部材230a、230bおよび孔部212A、220Aが側面部226Aの途中までは径が一定であり、その後、インサート金具200の第1面214に向かって径が小さくなる形状を有している。
上記孔部212A、220Aのように、被覆樹脂層202の表面からインサート金具200の第1面214および第2面216に至るテーパー形状ではない場合であっても、開口部222よりも底部224が小さい形状であれば、上記孔部212と同様に錆228の発生を抑制できる。
図6は、比較例のスルーアンカ10を例示する断面図である。なお図6(a)および図6(b)は、図4(a)および図4(b)にそれぞれ対応させて示している。比較例のスルーアンカ10は、支持部材12a、12bおよび孔部14a、14bの形状が円柱状であり、開口部16の大きさと底部18の大きさとが同じである点で、上記スルーアンカ170と異なる。
このスルーアンカ170では、図6(b)に示すように、底部18に錆20が発生し、この錆20が剥がれ落ちてウエビング150に付着する可能性が高く、ウエビング150の引き出しや巻き取りが阻害されてしまう。
図7は、他の比較例のスルーアンカ10Aを拡大して示す図である。スルーアンカ10Aは、挿通孔20Aの下縁に位置する摺動部30Aに、車両緊急時に溝が形成されない点で、本実施形態のスルーアンカ170と異なる。
比較例のスルーアンカ10Aに挿通されたウエビング150は、リトラクタ(ここでは不図示)に急激に引き出されると、図示のように挿通孔30Aの片側(車両前方)に片寄ってしまう。このように、比較例のスルーアンカ10Aでは、摺動部30Aの表面に溝が形成されてないので、ウエビング150が幅方向に移動し易く、車両の緊急時でのジャミングを防止することが困難である。
これに対して、本実施形態におけるスルーアンカ170を備えたシートベルト装置100では、上記したように、支持部材218a、218bによってインサート金具200を安定して支持しながらモールド成形が可能となる。さらに、開口部222よりも底部224が小さい孔部212を有することで、ウエビング150に錆が付着せず、ウエビング150の摺動時での摩擦が大きくならず、スムーズなウエビング150の引き出しあるいは巻き取りが可能となる。
また、スルーアンカ170では、被覆樹脂層202に摺動部208が含まれていて、いずれも同一樹脂で成形されている。このため、スルーアンカ170は、樹脂を1種類のみ使用し、モールド成形が1度で済み、生産性を高めることができる。さらに、摺動部208が溝部210を有するので、ジャミングを防止可能である。
上記実施形態では、被覆樹脂層202に形成された孔部212の底部224の径を0.5mm程度としたが、これに限られず、支持部材218a、218bによりインサート金具200を支持可能であれば、底部224の径をより小さくしてもよい。このようにすれば、スルーアンカ170のモールド成形を可能としながら、インサート金具200の露出する部分がより小さくなるので、錆の発生をより抑制できる。
また、孔部212は、摺動部208で摺動するウエビング150の幅のほぼ中央に設けられていたが、これに限られず、モールド成形時にインサート金具200を支持部材218a、218bによって安定して支持可能であれば、他の位置に設けてもよい。このようにすれば、モールド成形時での自由度を高めることができる。なおこの場合であっても、孔部212、220は、インサート金具200を挟んで対向するように設け、インサート金具200の第1面214、第2面216を支持部材218a、218bによって挟み込んで支持すればよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上記実施形態においては本発明にかかるスルーアンカ170およびこれを備えたシートベルト装置100を、自動車に適用した例を説明したが、自動車以外にも航空機や船舶などに適用することも可能であり、同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、乗員拘束用のウエビングを挿通するスルーアンカおよびこれを備えたシートベルト装置に利用することができる。
100…シートベルト装置、110…車両、120…車両用シート、130…サイドドア、140…センターピラー、150…ウエビング、160…リトラクタ、170…スルーアンカ、172…ボルト、180…アンカプレート、190…タングプレート、192…バックル、200…インサート金具、202…被覆樹脂、204…ボルト孔、206…挿通孔、208…摺動部、210…溝部、210a…凸部、210b…凹部、212、220…孔部、214…第1面、216…第2面、218a、218b…支持部材、222…開口部、224…底部、226…側面部、228…錆

Claims (6)

  1. 車両用シートの側部近傍で車室側面に回転自在に固定されていて、リトラクタにより巻き取られまたは引き出される乗員拘束用のウエビングを車室側面から車内側に折り返して摺動させるスルーアンカであって、
    前記ウエビングを挿通する挿通孔が形成された金属プレートと、
    前記金属プレートの表面にモールド成形され、該金属プレートと一体化している被覆樹脂層と、
    前記金属プレートを挟んで対向する位置にて前記被覆樹脂層が前記金属プレートの表面に至るまで切り欠かれた孔部とを有し、
    前記孔部は、前記被覆樹脂層の表面に形成された開口部と、前記金属プレートの表面を露出させ、該露出した部分が前記開口部よりも小さい底部とを有することを特徴とするスルーアンカ。
  2. 前記孔部は、前記被覆樹脂層の表面から前記金属プレートの表面に向かって径が小さくなるテーパー形状であることを特徴とする請求項1に記載のスルーアンカ。
  3. 当該スルーアンカは、前記挿通孔の下部に位置し、前記ウエビングが接触し摺動する摺動部をさらに有し、
    前記摺動部は、前記被覆樹脂層と同一樹脂で一体成形されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスルーアンカ。
  4. 前記孔部は、前記摺動部の下部に位置し、該摺動部で摺動する前記ウエビングの幅のほぼ中央に位置していることを特徴とする請求項3に記載のスルーアンカ。
  5. 前記摺動部は、前記挿通孔の下縁に沿って交互に配列された凹部と凸部とを含む溝部を有することを特徴とする請求項3または4に記載のスルーアンカ。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のスルーアンカを備えたことを特徴とするシートベルト装置。
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