JP2002124364A - ヒータ及び半導体製造装置 - Google Patents
ヒータ及び半導体製造装置Info
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Abstract
電性・体積抵抗率を有するヒータの提供。 【解決手段】 1対の電極と、該1対の電極からの通電
により加熱される加熱体と、を有し、該1対の電極が、
炭化ケイ素焼結体を介して前記加熱体に接合されたこと
を特徴とするヒータである。接合が、加熱体と1対の電
極との間隙に炭化ケイ素粉末を含有するペーストを充填
し焼結して行われる態様、炭化ケイ素粉末が、少なくと
も1種以上のケイ素化合物を含むケイ素源と、少なくと
も1種以上の加熱により炭素を生成する有機化合物を含
む炭素源と、重合又は架橋触媒と、を溶媒中で溶解し焼
成して得られた態様、加熱体が、炭化ケイ素焼結体で形
成された態様、1対の電極が、炭化ケイ素焼結体で形成
された態様等が好ましい。
Description
半導体を製造するための半導体製造装置、及び、該半導
体製造装置の加熱部材として好適なヒータに関する。
製造装置は、一般に、ウエハ等を載置し該ウエハ等を均
一に加熱する均熱体と、該均熱体を加熱するヒータと、
該ヒータの熱を外部に伝えないようにする断熱体と、を
備えてなる。高品質の半導体を製造するためには、前記
半導体製造装置におけるヒータを精度良く、均一に、か
つ、迅速に、所望の温度に制御し得ることが必要であ
る。このため、従来より、前記ヒータにおける加熱体、
及び、該加熱体に通電する電極として各種のものが検討
されている。例えば、前記加熱体としては、導電性に優
れ、高温に昇温可能でありかつ耐熱性に優れることが望
まれ、炭化ケイ素製等のセラミック製の加熱体が好適に
用いられている。また前記電極としては、電気抵抗が低
く導電率が高いことが望まれ、ボルト/ナットで形成さ
れた各種電極が好適に用いられている。しかしながら、
前記電極を半導体製造用として炉内で使用する場合、金
属類のボルト/ナットは使用できない。このため、電極
として、加熱体と同様の炭化ケイ素等のセラミック製、
あるいはカーボン製のボルト/ナットが用いられてい
た。
はカーボン製のボルト/ナットを用いたものは、締結時
に炭化ケイ素粉末の欠け等のチッピングが生じ易く、生
じたチッピングがパーティクル発生の原因となり、高純
度性が要求される半導体関連の製造装置用部材として問
題があった。また炭化ケイ素以外のセラミック素材によ
る接合も検討されているが、高純度性、導電性の点で問
題があった。
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、欠け等のチッピングの発生
が無く、均一な導電性・体積抵抗率を有するヒータ、及
び、該ヒータを備えることにより高純度で高品質な半導
体ウエハ等を製造することができる半導体製造装置を提
供することを目的とする。
の手段としては、以下の通りである。即ち、 <1> 1対の電極と、該1対の電極からの通電により
加熱される加熱体と、を有し、該1対の電極が、炭化ケ
イ素焼結体を介して前記加熱体に接合されたことを特徴
とするヒータである。 <2> 接合が、加熱体と1対の電極との間隙に炭化ケ
イ素粉末を含有するペーストを充填し焼結して行われる
前記<1>に記載のヒータである。 <3> 炭化ケイ素粉末が、少なくとも1種以上のケイ
素化合物を含むケイ素源と、少なくとも1種以上の加熱
により炭素を生成する有機化合物を含む炭素源と、重合
又は架橋触媒と、を溶媒中で溶解し焼成して得られた前
記<2>に記載のヒータである。
成された前記<1>から<3>のいずれかに記載のヒー
タである。 <5> 1対の電極が、炭化ケイ素焼結体で形成された
前記<1>から<4>のいずれかに記載のヒータであ
る。 <6> 半導体を載置し該半導体を均一に加熱する均熱
体と、該均熱体を加熱するヒータと、該ヒータを覆う断
熱体と、を少なくとも備え、前記ヒータが、前記<1>
から<5>のいずれかに記載のヒータであることを特徴
とする半導体製造装置である。
と、を有してなる。該1対の電極は、炭化ケイ素焼結体
を介して前記加熱体に接合されている。したがって、1
対の電極を加熱体に締結する際に、加熱体の欠け等のチ
ッピングが発生することが無く、得られる半導体ウエハ
等は純度が高い。また、通常加熱体として用いられる組
成と近い組成の素材で接合されているため、ヒータは全
体として均一な導電性・体積抵抗率を有する。本発明の
半導体製造装置は、半導体を載置し該半導体を均一に加
熱する均熱体と、該均熱体を加熱するヒータと、該ヒー
タを覆う断熱体と、を少なくとも備え、前記ヒータが、
本発明のヒータである。したがって、得られる半導体ウ
エハは、高純度で高品質となる。
対の電極と、加熱体と、を有し、必要に応じてその他の
部材を有してなる。
加熱体に接合されている。該1対の電極としては、通電
可能に接続された電源からの電気を、前記加熱体に流す
機能(通電機能)を有し、該1対の電極の内、1つがプ
ラス電極として機能し、他の1つがマイナス電極として
機能する。その結果、一方の電極から流入された電流
は、前記加熱体の中を流れ、該加熱体を加熱しつつ、他
の一方の電極から流出する。このとき、該電極を流れる
電気量の大小により、前記加熱体の昇温・降温が行わ
れ、該電気量を調節することにより前記加熱体の温度制
御が行われる。
加熱体を加熱し得る通電機能を有すれば特に制限はな
く、その形状としては、例えば、軸方向に垂直な断面形
状が円形の棒状(円柱状)、軸方向に垂直な断面形状が
角形等の棒状(角柱状)などが挙げられる。これらの中
でも円柱状が好ましい。
等の出っ張り部分を有しない形状が好ましい。かかる形
状であれば、電極を加熱体に締結した際、出っ張りがで
きないため、取り扱い性等に優れ、装置設計上非常に有
利である。前記1対の電極の構造、大きさ等について
は、前記加熱体の構造、大きさ等に応じて適宜選択する
ことができる。
金属のいずれかで形成されているのが、電気抵抗が低
く、導電性に優れる点で好ましい。また半導体製造装置
の加熱部材として炉内で用いる場合には、セラミックで
形成されているのが好ましい。
イ素焼結体とタングステン基板との複合体、窒化アルミ
ニウム焼結体とタングステン基板との複合体、などが挙
げられる。これらの中でも、電気抵抗が低く、導電性に
優れ、耐熱性に優れ、通常加熱体として用いられる組成
と近い組成でヒータ全体として均一な導電性・体積抵抗
率となる観点から、炭化ケイ素焼結体が特に好ましい。
なお、該炭化ケイ素焼結体の具体例としては、特開平1
0−67565号公報、特開平11−79840号公報
等に記載のものが特に好適に挙げられる。
銅、タングステン、これらの合金、などが挙げられる。
これらの中でも、低コストであり、導電性に優れ、電気
抵抗が低い点でニッケルが特に好ましい。
は、炭化ケイ素焼結体を介して、後述する加熱体に締結
されている。前記接合は、前記加熱体と前記1対の電極
との間隙に、炭化ケイ素粉末を含有するペーストを充填
し焼結して行われるのが好ましい。このように接合され
ることにより、電極を加熱体に締結した際に、欠け等の
チッピングの発生が無く、電極が加熱体に密に締結さ
れ、均一な導電性・体積抵抗率を有するヒータを提供で
きる。
子、これらの混合物)とバインダーとの混合物である
が、該耐熱性材料として炭化ケイ素粉末を含有するの
が、耐熱性に極めて優れる等の点で特に好ましい。
ないが、例えば、少なくとも1種以上のケイ素化合物を
含むケイ素源と、少なくとも1種以上の加熱により炭素
を生成する有機化合物を含む炭素源と、重合又は架橋触
媒と、を溶媒中で溶解し、乾燥した後、得られた粉末を
非酸化性雰囲気下で焼成することにより得られるのが好
ましい。
型、非晶質、これらの混合物等のいずれであってもよ
い。前記β型の炭化ケイ素粉末のグレードとしては、特
に制限はなく、一般に市販されているものでよい。本発
明において、高純度の加熱体を得る場合には、原料の炭
化ケイ素粉末として高純度のものを用いるのが好まし
い。
れるヒータの高密度化・高強度化の観点からは、小さい
ことが好ましく、具体的には、0.01〜10μmが好
ましく、0.05〜5μmがより好ましい。前記粒径
が、0.01μm未満であると、計量、混合等の処理工
程における取扱いが困難になり易く、10μmを超える
と、比表面積が小さく、即ち隣接する粉末との接触面積
が小さくなり、高密度化し難くなるため、いずれも好ま
しくない。
は、例えば、少なくとも1種のケイ素化合物を含むケイ
素源と、加熱により炭素を生成する少なくとも1種の有
機化合物を含む炭素源と、重合又は架橋触媒とを溶媒中
で溶解し、乾燥して得た粉末を非酸化性雰囲気下で焼成
することにより得られる。
のものとを併用することができるが、少なくとも1種は
液状のものから選ばれなくてはならない。前記液状のも
のとしては、アルコキシシラン(モノ−、ジ−、トリ
−、テトラ−)及びテトラアルコキシシランの重合体が
好適に用いられる。前記アルコキシシランの中でも、テ
トラアルコキシシランが好ましく、具体的には、メトキ
シシラン、エトキシシラン、プロポキシシラン、ブトキ
シシラン等が好適に挙げられ、これらの中でもハンドリ
ングの点からはエトキシシランが特に好ましい。前記テ
トラアルコキシシランの重合体の中でも、重合度が2〜
15程度の低分子量重合体(オリゴマー)及びさらに重
合度が高いケイ酸ポリマーで液状のものが好適に挙げら
れる。
適に挙げられる。前記酸化ケイ素としては、SiOのほ
か、シリカゾル(コロイド状超微細シリカ含有液、内部
にOH基やアルコキシル基を含む)、二酸化ケイ素(シ
リカゲル、微細シリカ、石英粉末)等が含まれる。
し、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、均質
性やハンドリング性が良好な観点から、テトラエトキシ
シランのオリゴマー及びテトラエトキシシランのオリゴ
マーと微粉末シリカとの混合物、等が好適である。
く、初期における各不純物の含有量が20ppm以下で
あるのが好ましく、5ppm以下であるのがより好まし
い。
用いてもよく、あるいは、液状のものと固体のものとを
併用してもよい。前記炭素源としては、残炭率が高く、
かつ触媒若しくは加熱により重合又は架橋する有機化合
物が好ましい。前記有機化合物としては、例えば、フェ
ノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、
ポリビニルアルコール等の樹脂のモノマーやプレポリマ
ーが好ましく、その他、セルロース、蔗糖、ピッチ、タ
ール等の液状物が挙げられるが、これらの中でもレゾー
ル型フェノール樹脂が特に好ましい。
し、2以上を併用してもよい。前記炭素源として用いる
有機化合物の純度としては、目的に応じて適宜選択する
ことができるが、高純度の炭化ケイ素粉末が必要な場合
には各金属を5ppm以上含有していない有機化合物を
用いることが好ましい。
源に応じて適宜選択できるが、前記炭素源がフェノール
樹脂やフラン樹脂の場合、トルエンスルホン酸、トルエ
ンカルボン酸、酢酸、しゅう酸、硫酸等の酸類が好まし
く、トルエンスルホン酸が特に好ましい。
源に含まれるケイ素との比(以下「C/Si比」と略
記)は、両者の混合物を1000℃にて炭化して得られ
る炭化物中間体を、元素分析することにより定義され
る。化学量論的には、前記C/Si比が3.0の時に生
成炭化ケイ素中の遊離炭素が0%となるはずであるが、
実際には同時に生成するSiOガスの揮散により低C/
Si比において遊離炭素が発生する。この生成炭化ケイ
素粉末中の遊離炭素量が、得られる炭化ケイ素質円筒体
の製造用途に適当な量となるように、予め配合比を決定
しておくのが好ましい。通常、1気圧近傍で1600℃
以上での焼成では、前記C/Si比を2.0〜2.5に
すると遊離炭素を抑制することができので好ましい。前
記C/Si比が2.5を超えると、前記遊離炭素が顕著
に増加するが、この遊離炭素は粒子の成長を抑制する効
果を持つため、粒子形成の目的に応じて適宜選択しても
よい。但し、雰囲気の圧力を低圧又は高圧で焼成する場
合は、純粋な炭化ケイ素を得るためのC/Si比は変動
するので、この場合は必ずしも前記C/Si比の範囲に
限定するものではない。
重合又は架橋触媒とを溶媒中で溶解し乾燥することによ
り得られるが、例えば、前記ケイ素源と前記炭素源との
混合物を硬化することによっても得られる。前記硬化の
方法としては、加熱により架橋する方法、硬化触媒によ
り硬化する方法、電子線や放射線による方法、などが挙
げられる。
等に応じて適宜選択することができ、フェノール樹脂や
フラン樹脂の場合には、トルエンスルホン酸、トルエン
カルボン酸、酢酸、しゅう酸、塩酸、硫酸、マレイン酸
等の酸類、ヘキサミン等のアミン類、などが挙げられ
る。これらの硬化触媒を用いる場合、該硬化触媒は溶媒
に溶解し又は分散される。前記溶媒としては、低級アル
コール(例えばエチルアルコール等)、エチルエーテ
ル、アセトン等が挙げられる。
化は、窒素又はアルゴン等の非酸化性雰囲気中、800
〜1000℃にて30〜120分間、該粉末を加熱する
ことにより行われる。前記加熱炭化により前記粉末が炭
化物になり、該炭化物を、アルゴン等の非酸化性雰囲気
中、1350℃〜2000℃で焼成することにより、炭
化ケイ素粉末が生成される。
炭化ケイ素粉末の粒径等に応じて適宜選択することがで
き、炭化ケイ素のより効率的な生成の観点からは、前記
温度は1600〜1900℃が好ましい。なお、前記焼
成の後に、不純物を除去し、より高純度の炭化ケイ素粉
末を生成する目的で、2000〜2100℃にて5〜2
0分間加熱処理を行うのが好ましい。
方法としては、本出願人が先に出願した特開平9−48
605号の単結晶の製造方法に記載の原料粉末の製造方
法が挙げられる。即ち、高純度の炭化ケイ素粉末は、高
純度のテトラアルコキシシラン及びテトラアルコキシシ
ラン重合体から選択される少なくとも1種をケイ素源と
し、加熱により炭素を生成する高純度有機化合物を炭素
源とし、これらを均一に混合して得た混合物を非酸化性
雰囲気下で加熱焼成して炭化ケイ素粉末を得る炭化ケイ
素粉末生成工程と、該炭化ケイ素粉末を1700℃以上
2000℃未満の温度に保持し、2000〜2100℃
で5〜20分間行う加熱処理を少なくとも1回行う後処
理工程と、を含む炭化ケイ素粉末の製造方法により得ら
れる。この高純度の炭化ケイ素粉末においては、各不純
物元素の含有量が0.5ppm以下である。
きさが不均一であるため、解粉、分級、等を行うことに
より所望の粒度にすることができる。なお、導電性を付
与する目的で、窒素を導入することができ、該窒素を前
記炭化ケイ素粉末を製造する際に導入する場合は、まず
前記ケイ素源と、前記炭素源と、窒素源からなる有機物
質と、前記重合又は架橋触媒と、を均一に混合すればよ
い。このとき、例えば、フェノール樹脂等の炭素源と、
ヘキサメチレンテトラミン等の窒素源からなる有機物質
と、トルエンスルホン酸等の重合又は架橋触媒とを、エ
タノール等の溶媒に溶解する際に、テトラエトキシシラ
ンのオリゴマー等のケイ素源と充分に混合することが好
ましい。
熱により窒素を発生する物質が好ましく、例えば、高分
子化合物(具体的には、ポリイミド樹脂、及びナイロン
樹脂等)、有機アミン(具体的には、ヘキサメチレンテ
トラミン、アンモニア、トリエチルアミン等、及びこれ
らの化合物、塩類)の各種アミン類が挙げられる。これ
らの中でも、ヘキサメチレンテトラミンが好ましい。ま
た、ヘキサミンを触媒として合成され、その合成工程に
由来する窒素を樹脂1gに対して2.0mmol以上含
有するフェノール樹脂も、該窒素源からなる有機物質と
して好適に用いることができる。これらの窒素源からな
る有機物質は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を
併用してもよい。
ては、前記ケイ素源と前記炭素源と同時に添加する場合
には、前記ケイ素源1g当たり窒素が1mmol以上含
有することが好ましく、前記ケイ素源1gに対して80
μg〜1000μgが好ましい。
ては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、等が挙
げられる。
等のその他の成分を含有してもよい。該溶媒としては、
水、エチルアルコール等の低級アルコール類、エチルエ
ーテル、アセトン、等が挙げられる。前記消泡剤として
は、シリコーン系消泡剤等が挙げられる。前記解膠剤と
しては、導電性を付与する効果をさらに上げる点で、窒
素系の化合物が好ましく、例えばアンモニア、ポリアク
リル酸アンモニウム塩等が好適に挙げられる。
入することができ、該窒素を前記ペースト調製の際に導
入する場合は、まず前記炭化ケイ素粉末と、窒素源から
なる有機物質と、を均一に混合すればよいが、例えば、
ヘキサメチレンテトラミン等の窒素源からなる有機物質
を、水、エチルアルコール等の溶媒に溶解し分散した
後、前記炭化ケイ素粉末と充分に攪拌混合するのが好ま
しい。
述した通りである。前記窒素源からなる有機物質の添加
量としては、前記炭化ケイ素粉末と、少なくとも1種以
上の炭素源からなる有機物質と、同時に添加する場合に
は、前記炭化ケイ素粉末1g当たり窒素が0.7mmo
l以上含有することが好ましく、前記炭化ケイ素粉末1
gに対して200〜2000μgが好ましく、1500
〜2000μgがより好ましい。
は、公知の攪拌混合手段、例えば、ミキサー、遊星ボー
ルミルなどを用いて行うことができる。前記攪拌混合の
時間としては、10〜30時間程度であり、16〜24
時間が好ましい。
一化等を目的として、金属ケイ素の含浸等により行われ
るのが好ましい。また、より接合を確実にするために、
仮焼を行ってもよい。
00℃が好ましく、1300〜1500℃がより好まし
い。前記温度が、1200℃未満であると、炭化ケイ素
粉末同士の接触が充分に促進されず、接着強度が充分と
ならないため、取り扱い性に劣ることがある一方、18
00℃を超えると、炭化ケイ素粉末の粉体成長が激しく
なり、後述の金属ケイ素の含浸が不充分となったり、加
熱体が熱劣化することがある。
とも1種の炭素源からなる有機物質を含浸させた後、こ
れを加熱し、炭素を生成させるのが好ましい。前記有機
物質としては、炭素源、即ち加熱により炭素を生成する
物質からなり、加熱により炭素を生成する有機化合物が
好適に挙げられる。該有機物質は、1種単独で使用して
もよいし、2種以上を併用してもよい。
としては、導電性が付与されているものが好ましく、例
えば、残炭率の高いコールタールピッチ、ピッチター
ル、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、フェ
ノキシ樹脂、あるいは、グルコース等の単糖類や、蔗糖
等の少糖類や、セルロースやデンプン等の多糖類などの
各種糖類、などが挙げられる。
する目的から、常温で液状のもの、溶媒に溶解するも
の、熱可塑性或いは熱融解性のように加熱することによ
り軟化するもの又は液状となるもの、などが好適に挙げ
られる。これらの中でも、強度の向上の観点からは、フ
ェノール樹脂が好ましく、レゾール型フェノール樹脂が
特に好ましい。
して、10〜30%が好ましく、12〜20%がより好
ましい。前記量が、10%未満であると、前記金属ケイ
素の含浸において金属ケイ素を炭化ケイ素(SiC)に
転化させる際、炭素が不足し、反応に預からない金属ケ
イ素(Si)が気孔内に残存するため、耐熱性が不足
し、さらに所望により付与しようとする導電性が得られ
難くなることがある一方、30%を超えると、ペースト
状態とならず、接合が不充分となることがある。
する炭素を、燃焼させることなく、金属ケイ素含浸の際
の反応焼結に供させるために、真空雰囲気又は不活性ガ
ス雰囲気下で行われることが必要である。前記炭素の生
成により、得られるヒータの強度が増し、安定性が高く
なり、内部の気孔に、加熱溶融した金属ケイ素を導入し
易くなる。また、前記有機物質から発生する炭素が、前
記気孔の表面に存在する炭化ケイ素を被覆するため、該
炭素と、該気孔中に含浸される溶融金属ケイ素との反応
が容易にかつ均一に行われる。また、不純物の一部が除
去され、得られるヒータの純度も向上する。更にまた、
前記有機物質から発生する炭素が、気孔の表面に存在す
る炭化ケイ素を被覆するため、該炭素と、該気孔中に含
浸される溶融金属ケイ素との反応が容易にかつ均一に行
われる。
に、加熱溶融させた高純度金属ケイ素を含浸させ、該気
孔において、該高純度金属ケイ素とペーストに含まれる
炭素とを反応させて炭化ケイ素を生成させて該気孔を埋
める。
末、顆粒、塊状等のいずれであってもよく、粒径が2〜
5mmの塊状の金属ケイ素が好適に用いられる。なお、
本発明において「高純度」とは、不純物の含有量が1p
pm未満のものを意味する。
囲気下で行うのが好ましい。該含浸においては、前述の
ように、前記高純度金属ケイ素が、ペースト内の気孔に
吸い上げられる。該気孔において、前記金属ケイ素と前
記ペースト中の遊離炭素とが反応して炭化ケイ素が生成
する。このとき、該気孔の表面には、液状の前記有機物
質の熱分解により生じた炭素が均一に分子レベルの大き
さで存在しているので、該炭素及び前記金属ケイ素(S
i)の炭化ケイ素への転化率が高い。そして、ここで生
成した炭化ケイ素により前記気孔が埋められ、封止され
る。なお、金属ケイ素と炭素との反応は、1420〜2
000℃程度で起こるので、1450〜1700℃に加
熱溶融された高純度金属ケイ素は、前記ペースト中に含
浸された段階で、該ペースト内の遊離炭素と反応する。
く、ペーストの量、ペーストを充填した部分等の形状、
等に応じて適宜決定することができる。
における気孔が金属ケイ素で埋められ(充填され)、封
止されると共に、該ペースト自身が反応焼結されて、よ
り完全な炭化ケイ素質のヒータが得られる。このヒータ
は、金属ケイ素の残存量が極めて少なく、緻密であり、
耐熱性に優れ、高強度でかつ高純度である。なお、前記
ヒータが窒素を導入したものであれば、ここで得られる
ヒータは、良好な導電性を有する。良好な導電性は、前
記ヒータ中の窒素の含有量が150ppm以上、好まし
くは200ppm以上であれば得られる。該窒素は、安
定性の観点からは、固溶状態で前記ヒータに含まれてい
ることが好ましい。
用し得る装置等の中から適宜選択した加熱炉や反応装置
等を使用することができる。
に用いられる公知の加熱体等が好適に挙げられるが、セ
ラミックで形成されたセラミック製の加熱体が耐熱性等
の点で好ましく、その中でも、炭化ケイ素焼結体とタン
グステン基板との複合体、窒化アルミニウム焼結体とタ
ングステン基板との複合体、などが好適に挙げられる。
これらの中でも、電気抵抗が低く、導電性に優れ、耐熱
性に優れる点で炭化ケイ素焼結体が特に好ましい。な
お、該炭化ケイ素焼結体の具体例としては、特開平10
−67565号公報、特開平11−79840号公報等
に記載のものが特に好適に挙げられる。
効果を害しない範囲内において、目的に応じて適宜選択
することができるが、例えば、電源からの電気を流入さ
せるための接続部、などが挙げられる。
明の半導体製造装置におけるヒータに特に好適に使用す
ることができる。
置は、均熱体と、ヒータと、断熱体と、を少なくとも備
え、必要に応じてその他の部材を備える。
き、該半導体を均一に加熱することができる機能を有し
ていればよく、その形状、構造、大きさ、材質等につい
て特に制限はなく、均熱体として公知のものを好適に使
用することができる。
て、高純度で高品質な半導体ウエハ等を製造することが
可能である。
機能を有していればよく、公知の断熱体を好適に使用す
ることができる。該断熱体は、通常、前記ヒータを覆う
ようにして配置される。
じて適宜選択することができるが、例えば、均熱体上に
載置された半導体に各種処理を行うことができるように
半導体製造装置の反応系を真空状態にするための真空手
段、などが挙げられる。前記真空手段としては、前記ヒ
ータを覆う前記断熱体に気密に接続されたカバー部材
と、該カバー部材の内部の空気を吸引して真空状態にす
る真空ポンプとの組合せ、などが挙げられる。
例を説明するための一部拡大断面概略図である。図2
は、図1に示す半導体製造装置におけるヒータ(本発明
のヒータ)を説明するための斜視図である。
加熱体5と、1対の電極10と、均熱体6と、断熱体8
と、を備える。図2に示すように、ヒータ20は、加熱
体5’と1対の電極10’とを有する。加熱体5は、図
2に示すように円板状であり、その外周近傍に、炭化ケ
イ素焼結体からなる1対の電極10が通電可能に接続さ
れている。加熱体5には、1対の電極10からの電気
が、短時間で全体にムラなく流れ、全体が均一に加熱さ
れるようにするため、切れ目が形成されている。加熱体
5は、炭化ケイ素焼結体からなる。均熱体6は、図1に
示すように、ウエハである半導体7を載置可能であり、
加熱体5の一方の表面を覆うようにして配置されてい
る。断熱体8は、加熱体5のもう一方の表面を覆うよう
にして配置されている。断熱体8には、1対の電極10
が貫通可能な孔が設けられており、1対の電極10は断
熱体8を貫通した状態で加熱体5に接続されている。
化ケイ素焼結体2を介して加熱体5に接合されている。
このため、1対の電極10を加熱体5に締結した際に、
欠け等のチッピングの発生が無い。また、1対の電極1
0が加熱体5に密に締結されている。更に、加熱体5及
び1対の電極10も炭化ケイ素焼結体からなるため、得
られるヒータの導電性・体積抵抗率は均一であり、局所
的に導電性、体積抵抗率が他の部分と異なるということ
がない。
均熱体6を加熱し、均熱体6が、その上に載置した半導
体7を均一に加熱する。
するが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるもので
はない。
つの粒度分布極大値を有する高純度β−炭化ケイ素粉末
(遊離炭素:1重量%以下)88重量部、及び、アミン
を含むレゾール型フェノール樹脂12重量部を添加しス
ラリーを得た。得られた各スラリーを60℃で乾燥し、
乳鉢で200メッシュ以下に粉砕した後、ホットプレス
法により350kgf/cm2の圧力下、アルゴンガス
雰囲気下にて2300℃の温度で5時間焼結した後、放
電加工により、図2に示す加熱体5’と同様の形状の炭
化ケイ素焼結体(加熱体)、及び、1対の円柱形状の炭
化ケイ素焼結体(電極)を作製した。
ニウム(解膠剤)0.5gと、ポリビニルアルコール
(重量平均分子量(Mn)=1000)3gと、を水2
5gに添加し、ボールミルにて分散混合し、炭化ケイ素
粉末を含有するペーストを調製した。
の炭化ケイ素焼結体(電極)を組み込み、これらの間隙
に、前記ペーストをスラリー塗布して充填させた後、ア
ルゴン雰囲気下で1600℃まで昇温し、溶融させた高
純度金属シリコン粉末(高純度化学研究所製)を、るつ
ぼから、カーボンコードを用いて、ペースト部分に含浸
させ、30分間保持することにより、ペースト中の炭素
と、毛管現象によりペースト中に浸透した溶融金属ケイ
素と、を反応させ、炭化ケイ素焼結体(加熱体)及び1
対の円柱形状の炭化ケイ素焼結体(電極)の間に、炭化
ケイ素焼結体を介在させ、図2に示すヒータ20と同様
のヒータを得た。得られたヒータ、及び、公知の均熱
体、断熱体を組み合わせ、図1に示す半導体製造装置を
作製した。
炭化ケイ素焼結体(加熱体)及び1対の円柱形状の炭化
ケイ素焼結体(電極)の間の、炭化ケイ素焼結体を介在
させた部分の接合性を目視により観察した。結果を表1
に示す。
cm)を四端子四探針法、抵抗(Ω)を二端子法によ
り、それぞれ測定した。なお、前記四端子四探針法で
は、加熱体、ペースト、及び、電極、のそれぞれに、計
4箇所(加熱体:1箇所、電極:1箇所、ペースト:2
箇所)端子を位置させ抵抗(Ωcm)を測定し、前記二
端子法では、加熱体、及び、電極、のそれぞれに、計2
箇所(加熱体:1箇所、電極:1箇所)端子を位置させ
抵抗(Ω)を測定した。結果を表1に示す。
を800℃温度条件で2時間熱処理した後、炭化ケイ素
焼結体を介在させた部分の界面について、剥離が生じて
いるか否かを目視で観察した。結果を表1に示す。
流・電圧が制御できる電源を、電極より印加した。熱電
対を、加熱体の中央に接しさせ、800℃まで通電し、
通電試験を行った。結果を下記評価基準に従い、表1に
示す。 −−評価基準−− ・◎:通電性に非常に優れる。 ・○:通電性が良好である。 ・×:通電不良(ペーストが均一に通電されず、部分的
に赤くなったり黒くなったりする)。
て、炭化ケイ素焼結体(加熱体)及び1対の炭化ケイ素
焼結体(電極)を作製した。
素粉末100gを、前記炭化ケイ素粉末95gと炭素粉
末5gとの混合粉末に代えたほかは、実施例1と同様に
して炭化ケイ素粉末を含有するペーストを調製した。
1に示す半導体製造装置を作製した。
面の観察、通電試験>実施例1と同様にして、接合性試
験、抵抗の測定、熱処理後の界面の観察、及び、通電試
験を行った。結果を表1に示す。
て、炭化ケイ素焼結体(加熱体)及び1対の炭化ケイ素
焼結体(電極)を作製した。
素粉末100gを、前記炭化ケイ素粉末85gと炭素粉
末15gとの混合粉末に代えたほかは、実施例1と同様
にして炭化ケイ素粉末を含有するペーストを調製した。
1に示す半導体製造装置を作製した。
面の観察、通電試験>実施例1と同様にして、接合性試
験、抵抗の測定、熱処理後の界面の観察、及び、通電試
験を行った。結果を表1に示す。
て、炭化ケイ素焼結体(加熱体)及び1対の炭化ケイ素
焼結体(電極)を作製した。
素粉末100gを、ケイ素粉末100gに代えたほか
は、実施例1と同様にしてペーストを調製した。
化ケイ素焼結体(加熱体)に前記1対の円柱形状の炭化
ケイ素焼結体(電極)を組み込み、これらの間隙に、前
記ペーストを直接含浸させたほかは、実施例1と同様に
して図1に示す半導体製造装置を作製した。
面の観察、通電試験>実施例1と同様にして、接合性試
験、抵抗の測定、熱処理後の界面の観察、及び、通電試
験を行った。結果を表1に示す。
て炭化ケイ素焼結体(加熱体)及び1対の炭化ケイ素焼
結体(電極)を作製した。
素粉末100gを、フェノール樹脂100gに代えたほ
かは、実施例1と同様にしてペーストを調製した。
化ケイ素焼結体(加熱体)に前記1対の円柱形状の炭化
ケイ素焼結体(電極)を組み込み、これらの間隙に、前
記ペーストを原液塗布したほかは、実施例1と同様にし
て図1に示す半導体製造装置を作製した。
面の観察、通電試験>実施例1と同様にして、接合性試
験、抵抗の測定、熱処理後の界面の観察、及び、通電試
験を行った。結果を表1に示す。
化ケイ素焼結体を介在させていない時のヒータの抵抗
(四端子四探針法による測定では、1.7×10E−2
(Ωcm)、二端子法による測定では、3.2(Ω)
(理想値))に近いほど好ましい。
発生が無く、均一な導電性・体積抵抗率を有するヒー
タ、及び、該ヒータを備えることにより高純度で高品質
な半導体ウエハ等を製造することができる半導体製造装
置を提供できる。
説明するための一部拡大断面概略図である。
ータ(本発明のヒータ)を説明するための斜視図であ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 1対の電極と、該1対の電極からの通電
により加熱される加熱体と、を有し、該1対の電極が、
炭化ケイ素焼結体を介して前記加熱体に接合されたこと
を特徴とするヒータ。 - 【請求項2】 接合が、加熱体と1対の電極との間隙に
炭化ケイ素粉末を含有するペーストを充填し焼結して行
われる請求項1に記載のヒータ。 - 【請求項3】 炭化ケイ素粉末が、少なくとも1種以上
のケイ素化合物を含むケイ素源と、少なくとも1種以上
の加熱により炭素を生成する有機化合物を含む炭素源
と、重合又は架橋触媒と、を溶媒中で溶解し焼成して得
られた請求項2に記載のヒータ。 - 【請求項4】 加熱体が、炭化ケイ素焼結体で形成され
た請求項1から3のいずれかに記載のヒータ。 - 【請求項5】 1対の電極が、炭化ケイ素焼結体で形成
された請求項1から4のいずれかに記載のヒータ。 - 【請求項6】 半導体を載置し該半導体を均一に加熱す
る均熱体と、該均熱体を加熱するヒータと、該ヒータを
覆う断熱体と、を少なくとも備え、前記ヒータが、請求
項1から5のいずれかに記載のヒータであることを特徴
とする半導体製造装置。
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