JP2002120755A - 自動車の前部車体構造 - Google Patents

自動車の前部車体構造

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JP2002120755A
JP2002120755A JP2000312814A JP2000312814A JP2002120755A JP 2002120755 A JP2002120755 A JP 2002120755A JP 2000312814 A JP2000312814 A JP 2000312814A JP 2000312814 A JP2000312814 A JP 2000312814A JP 2002120755 A JP2002120755 A JP 2002120755A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ペリメータフレームを備えた自動車の前部車体
構造において、該ペリメータフレームの前部から車体前
方に突出する衝撃吸収部材を設けることで、正面衝突初
期にペリメータフレーム前部の衝撃吸収部材により車体
減速度(つぶれ初期の減速度)を高め、エネルギ吸収荷重
を増大して、乗員に付勢される荷重値の低減を図ること
ができ、また衝突初期の荷重をフロントサイドフレーム
とペリメータフレームとの両方で受けてフロントサイド
フレームの不所望の曲がりを防止することができる自動
車の前部車体構造の提供を目的とする。 【解決手段】左右一対のフロントサイドフレーム11,
11と、少なくとも前部が上記フロントサイドフレーム
11,11前部に取付けられたペリメータフレーム21
とを備えた自動車の前部車体構造であって、上記ペリメ
ータフレーム21の前部から車体前方に突出する衝撃吸
収部材32,32を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、左右一対のフロ
ントサイドフレームを備えた自動車の前部車体構造に関
し、特に正面衝突時に乗員に作用する減速度を低減する
ことができる自動車の前部車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上述例の自動車の前部車体構造と
しては、例えば特開2000−53022号公報に記載
のものがある。すなわち、図11、図12に示すように
車体前部において前後方向に延びる左右一対のフロント
サイドフレーム91,91を設け、これら両フロントサ
イドフレーム91,91の外部には斜め前方外部に延び
る副ビーム92,92(斜め方向ビーム)を取付け、ノー
マル時(衝突前の通常時)においてはバンパレインフォー
スメント93と副ビーム92,92前端との間に間隔9
4,94を形成したものである。
【0003】そして、この従来構造によれば、車両の正
面衝突時に衝突荷重をバンパレインフォースメント93
を介してフロントサイドフレーム91,91に伝達し、
衝突初期においてはフロントサイドフレーム91,91
の前部(バンパレインフォースメント93に対する結合
部近傍)が圧壊する比較的変形荷重の大きい変形が開始
され、車体減速度が急峻に立上がる。
【0004】このフロントサイドフレーム91,91の
圧縮変形により上記間隔94,94がなくなり、バンパ
レインフォースメント93からの入力荷重は斜め方向に
延びる副ビーム92,92に伝達されるので、フロント
サイドフレーム91,91は該副ビーム92,92から
の側方荷重を受けて図12に示すように車幅方向内方へ
折り曲がり変形し、車体減速度が減少する。
【0005】そこで、上述車体減速度が急速に低下する
領域でシートベルトの伸びがピークに達するように設定
することで、乗員減速度を大幅に低減すべく構成したも
のである。
【0006】上記従来の自動車の前部車体構造にはペリ
メータフレームは設けられていないが、仮にフロントサ
イドフレーム91,91の下部にエンジンやフロントサ
スペンションを支持するようなペリメータフレームを取
付けた場合には、ペリメータフレームの取付位置により
フロントサイドフレーム91,91の図12に実線で示
すような折り曲がりが阻害され、良好なフロントサイド
フレーム91,91の折曲状態が確保されなくなり、乗
員に付勢される荷重値を充分に低下させることとが困難
となる問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、ペリメー
タフレームを備えた自動車の前部車体構造において、該
ペリメータフレームの前部から車体前方に突出する衝撃
吸収部材を設けることで、正面衝突初期にペリメータフ
レーム前部の衝撃吸収部材により車体減速度(つぶれ初
期の減速度)を高め、エネルギ吸収荷重を増大して、乗
員に付勢される荷重値の低減を図ることができ、また衝
突初期の荷重をフロントサイドフレームとペリメータフ
レームとの両方で受けてフロントサイドフレームの不所
望の曲がりを防止することができる自動車の前部車体構
造の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明による自動車の
前部車体構造は、左右一対のフロントサイドフレーム
と、少なくとも前部が上記フロントサイドフレーム前部
に取付けられたペリメータフレームとを備えた自動車の
前部車体構造であって、上記ペリメータフレームの前部
から車体前方に突出する衝撃吸収部材を設けたものであ
る。
【0009】上記構成の衝撃吸収部材は、オフセット衝
突(車体前部の何れかの片側で衝突エネルギを受けるよ
うな衝突)にも対応できる強度をもったフレーム部材に
設定することができる。
【0010】上記構成によれば、正面衝突初期にペリメ
ータフレーム前部の上記衝撃吸収部材により車体減速度
(つぶれ初期の減速度)を高め、エネルギ吸収荷重を増大
して、乗員に付勢される荷重値の低減を図ることができ
る。
【0011】つまり、衝突荷重をペリメータフレーム側
の衝撃吸収部材とフロントサイドフレームとの双方で受
けることができるので、衝突初期の耐力が向上して、つ
ぶれ初期の減速度を高めることができる。
【0012】また、衝突初期の荷重とフロントサイドフ
レームとペリメータフレームとの両方で受けてフロント
サイドフレームの不所望の曲がりを防止することができ
る。因に、衝突初期においてフロントサイドフレームが
不所望に曲がると、つぶれ初期の減速度が低下する。
【0013】この発明の一実施態様においては、上記左
右一対のフロントサイドフレームの先端に衝撃吸収部材
を設け、左右の衝撃吸収部材間をバンパレインフォース
メントで連結したものである。上記構成によれば、衝撃
吸収部材の配設部分がクラッシュスペースとなるので、
ストロークをかせぎつつエネルギ吸収を行なうことがで
きる。
【0014】この発明の一実施態様においては、上記ペ
リメータフレーム側の衝撃吸収部材は、上記フロントサ
イドフレーム側の衝撃吸収部材の下方に設けられたもの
である。
【0015】上記構成によれば、上述の両衝撃吸収部材
が上下に対応する部分に配置されているので、衝撃の初
期から両衝撃吸収部材(換言すればペリメータフレーム
とフロントサイドフレームとの双方)により確実に荷重
を受けもつことができる。
【0016】この発明の一実施態様においては、上記ペ
リメータフレーム前部の衝撃吸収部材はその下面が先端
になる程、上方位置となる先細状に形成されたものであ
る。上記構成によれば、アプローチアングル(approach
angle、前オーバハング角のことで、自動車の前部下端
から前輪タイヤ外周への接平面が地面と成す最小角度の
こと)を確保しつつ、上述の衝撃吸収構造を達成するこ
とができる。
【0017】この発明の一実施態様においては、上記ペ
リメータフレーム側の衝撃吸収部材と上記フロントサイ
ドフレーム側の衝撃吸収部材とは互に略平行に延出され
たものである。上記構成によれば、衝撃荷重の入力方向
が両衝撃吸収部材において互に平行となるので、フロン
トサイドフレームの不要な曲がりを防止することができ
る。
【0018】この発明の一実施態様においては、上記ペ
リメータフレームは該ペリメータフレームに設けられた
衝撃吸収部材の後部において、車幅方向に延びる部材で
連結されたものである。
【0019】上記構成によれば、ペリメータフレームの
衝突時における左右方向の曲がりや広がりを、上記車幅
方向に延びる部材にて防止することができる。
【0020】この発明の一実施態様においては、上記ペ
リメータフレームの前部をフロントサイドフレーム前部
に取付けるマウント部を設け、上記マウント部の後部を
ペリメータフレームとが補強部材で連結されたものであ
る。上記構成によれば、上述の補強部材で衝突荷重をペ
リメータフレームに良好に伝達することができる。
【0021】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は自動車の前部車体構造を示し、図1〜図
3において車両の前後方向に延びる左右一対の鋼板製の
フロントサイドフレーム11,11を設け、これら各フ
ロントサイドフレーム11,11の後部にはフロアフレ
ーム部12,12を一体的に形成している。
【0022】上述のフロントサイドフレーム11,11
の前端部には接合フランジ部13,13を設ける一方、
後端部には接合フランジ部14,14を有する衝撃吸収
部材15,15を設けて、これら両接合フランジ部1
3,14を連結固定することで、フロントサイドフレー
ム11,11の先端に上述の衝撃吸収部材15,15を
取付けている。また左右一対の衝撃吸収部材15,15
相互間には車幅方向に延びるバンパレインフォースメン
ト16を張架している。
【0023】ここで、上述のバンパレインフォースメン
ト16およびフロントサイドフレーム11は何れも閉断
面構造を有する強度部材であり、また上述の衝撃吸収部
材15はクラッシュカン等により構成される。
【0024】上述のフロントサイドフレーム11の後部
上方には図2に示すように、車幅方向に延びるダッシュ
ロアパネル17が設けられ、このダッシュロアパネル1
7よりも前部がエンジンルーム18に設定され、ダッシ
ュロアパネル17よりも後部が車室19に設定されてい
る。
【0025】さらに上述のフロントサイドフレーム11
の下部にはエンジン20(図2参照)およびフロントサス
ペンションを支持する鋼板製のペリメータフレーム21
(perimeter frame、枠型フレーム)が設けられている。
【0026】このペリメータフレーム21は図1、図6
に示すように、フロントサイドフレーム11,11の前
部間において車幅方向に延びる前側部材22と、ダッシ
ュロアパネル17の近傍位置においてフロントサイドフ
レーム11,11間に車幅方向に延びる後側部材23
と、右側のフロントサイドフレーム11の下方において
車両の略前後方向に延びる右側部材24と、左側のフロ
ントサイドフレーム11の下方において車両の略前後方
向に延びる左側部材25とを、略井桁状に一体形成した
枠型フレームであって、上記各部材22,23,24,
25はそれぞれ閉断面構造に構成されている。
【0027】ここで、上述のペリメータフレーム21に
おける右側部材24および左側部材25の前後両部には
それぞれマウント部26,26,27,27(但し、マ
ウントラバーを有さないマウント部)が設けられ、前側
のマウント部26,26はその上下方向に対向するフロ
ントサイドフレーム11,11の前側下部にリジットに
取付けられ、後側のマウント部27,27は車体側のダ
ッシュロアレインフォースメントまたはトルクボックス
にリジットに取付けられている。
【0028】また、図3に斜め下方から見た状態の斜視
図で示すように、ペリメータフレーム21において前側
部材22の右部下面と、右側部材24の中間部下面との
間には平板28を張架し、同様に前側部材22の左部下
面と、左側部材25の中間部下面との間にも平板29を
張架している。さらに左右の各部材24,25の後部下
面には平板30,30を張架すると共に、後側部材23
の下部にも平板31を張架している。
【0029】しかも、上述のペリメータフレーム21を
構成する右側部材24および左側部材25の前部には車
体前方の突出する衝撃吸収部材32,32を一体または
一体的に取付けている。
【0030】このペリメータフレーム21側の衝撃吸収
部材32はオフセット衝突(全衝突エネルギを片側で受
ける必要がある衝突)にも対応できる強度をもったフレ
ーム部材により構成されている。
【0031】また、上述の各衝撃吸収部材32,32は
フロントサイドフレーム11,11の前部に取付けた衝
撃吸収部材15,15と上下方向で対向するようにその
下方に設けられると共に、これら上下の各衝撃吸収部材
15,32のは互に略平行となるように延出されてい
る。またペリメータフレーム21側の衝撃吸収部材32
の延出位置はバンパレインフォースメント16の前端部
と略対応するように前方位置に設定されている。
【0032】さらにペリメータフレーム21前部の衝撃
吸収部材32は図1、図2、図3から明かなように、そ
の下面が先端になる程、上方位置となる先細状に形成さ
れている。つまり上述の衝撃吸収部材32の下面は前高
後低状に傾斜するスラント面に形成されており、所定の
アプローチアングルを確保すべく構成している。
【0033】ところで、ペリメータフレーム21の前部
は上述のマウント部26,26を用いてフロントサイド
フレーム11の前部下面に取付けられているが、このマ
ウント部26の後部と右側部材24および左側部材25
とを側面視逆L字状の補強部材33,33(いわゆるガ
セットプレート)で連結して、衝突荷重をペリメータフ
レーム21を構成するこれらの右側部材24、左側部材
25に伝達すべく構成している。
【0034】また、上述のペリメータフレーム21は該
ペリメータフレーム21に設けられた衝撃吸収部材3
2,32の直後部において車幅方向に延びる前述の前側
部材22で連結されている。
【0035】要するに、上述のペリメータフレーム21
の前部にバンパレインフォースメント16と対応する位
置まで車体前方へ突出するフレーム部材製の衝撃吸収部
材32,32を設け、この衝撃吸収部材32トフロント
サイドフレーム11との双方で衝突荷重を受けるように
構成して、衝突初期の耐力を向上し、つぶれ初期の減速
度を高めるように成したものである。
【0036】このように構成した自動車の前部車体構造
の作用を以下に説明する。上記構成の車体構造において
は、フロントサイドフレーム11の吸収荷重に加えてペ
リメータフレーム21の吸収荷重が加算されるので、図
4にこの実施例の特性aと衝撃吸収部材15,32を有
さない比較例の特性bとを対比して示すように、この実
施例ではつぶれ初期の減速度を大幅に向上させることが
できる。
【0037】ここで、図4は横軸に車体つぶれをとり、
縦軸に車体に作用する減速度いわゆる車体Gをとった特
性図で、図中のαはフロントサイドフレーム11よりも
前側の部材のつぶれ領域を示し、βはフロントサイドフ
レーム11のつぶれ領域を示す。
【0038】車両が正面衝突すると、その衝突荷重はバ
ンパレインフォースメント16および衝撃吸収部材15
を介して左右一対のフロントサイドフレーム11に入力
されると共に、ペリメータフレーム21側の衝撃吸収部
材32を介してペリメータフレーム21にも入力され
る。
【0039】このように衝撃荷重を両者11,21で受
けることにより、図4に実線の特性aで示すように、つ
ぶれ初期の減速度を高めることができ、この結果、衝突
エネルギの吸収量を同様に高めることができて、乗員に
付勢される荷重値の大幅な低減を達成することができ
る。
【0040】このように図1〜図3で示した実施例の自
動車の前部車体構造は、左右一対のフロントサイドフレ
ーム11,11と、少なくとも前部が上記フロントサイ
ドフレーム11,11の前部に取付けられたペリメータ
フレーム21とを備えた自動車の前部車体構造であっ
て、上記ペリメータフレーム21の前部から車体前方に
突出するフレーム部材製の衝撃吸収部材32,32を設
けたものである。
【0041】この構成によれば、正面衝突初期にペリメ
ータフレーム21前部の上記衝撃吸収部材32,32に
より図4に特性aで示すように、車体減速度(つぶれ初
期の減速度)を高め、エネルギ吸収荷重を増大して、乗
員に付勢される荷重値の低減を図ることができる。
【0042】つまり、衝突荷重をペリメータフレーム2
1側の衝撃吸収部材32,32とフロントサイドフレー
ムとの双方で受けることができるので、衝突初期の耐力
が向上して、つぶれ初期の減速度を高めることができ
る。
【0043】また、衝突初期の荷重とフロントサイドフ
レーム11,11とペリメータフレーム21との両方で
略真っ直ぐに受けてフロントサイドフレームの不所望の
曲がりを防止することができる。
【0044】さらに、上記左右一対のフロントサイドフ
レーム11,11の先端に衝撃吸収部材15,15を設
け、左右の衝撃吸収部材15,15間をバンパレインフ
ォースメント16で連結したものであるから、衝撃吸収
部材15,15の配設部分がクラッシュスペースとなる
ので、ストロークをかせぎつつエネルギ吸収を行なうこ
とができる。
【0045】加えて、上記ペリメータフレーム21側の
衝撃吸収部材32,32は、上記フロントサイドフレー
ム11側の衝撃吸収部材15,15の下方に設けられた
ものである。つまり、上述の両衝撃吸収部材15,32
が上下に対応する部分に配置されているので、衝撃の初
期から両衝撃吸収部材15,32(換言すればペリメー
タフレーム21とフロントサイドフレーム11との双
方)により確実に荷重を受けもつことができる。
【0046】また、上記ペリメータフレーム21前部の
衝撃吸収部材32はその下面が先端になる程、上方位置
となる先細状に形成されたものであるから、アプローチ
アングルを確保しつつ、上述の衝撃吸収構造を達成する
ことができる。
【0047】さらに、上記ペリメータフレーム21側の
衝撃吸収部材32と上記フロントサイドフレーム11側
の衝撃吸収部材15とは互に略平行に延出されたもので
あるから、衝撃荷重の入力方向が両衝撃吸収部材15,
32において互に平行となり、この結果、フロントサイ
ドフレーム11の不要な曲がりを防止することができ
る。
【0048】そのうえ、上記ペリメータフレーム21は
該ペリメータフレーム21に設けられた衝撃吸収部材3
2の後部において、車幅方向に延びる前側部材22で連
結されたものであるから、ペリメータフレーム21の衝
突時における左右方向の曲がりや広がりを、上記車幅方
向に延びる前側部材22にて防止することができる。
【0049】また、上記ペリメータフレーム21の前部
をフロントサイドフレーム11の前部に取付けるマウン
ト部26を設け、上記マウント部26の後部をペリメー
タフレーム21なかんずく左右の両部材25,24とが
補強部材33で連結されたものであるから、上述の補強
部材33で衝突荷重をペリメータフレーム21それ自体
に良好に伝達することができる。
【0050】図5〜図9は自動車の前部車体構造の他の
実施例を示し、この実施例においては、図1〜図3で示
した先の実施例の構成に加えて、鋼板製のフロントサイ
ドフレーム11および鋼板製のペリメータフレーム21
の所定部に、初期荷重を高め、かつ低歪みで破断し得る
特性をもつように焼入れ処理部35,36(なお、図示
の便宜上、ハッチングを施して示す)を形成したもので
ある。
【0051】ここで、フロントサイドフレーム11側に
おける焼入れ処理部35の形成箇所は該フロントサイド
フレーム11の前後方向においてエンジン支持部(図2
に示すエンジンマウント34が取付けられる箇所参照)
とダッシュロアパネル17との間に設定され、この焼入
れ処理部35は所定の幅でフロントサイドフレーム11
の上下方向全体に形成されている。
【0052】さらに詳しくは、上述の焼入れ処理部35
は図9に底面図で示すように、前車輪37の操舵と干渉
しないようにフロントサイドフレーム11が細く形成さ
れた部分に設定されている。
【0053】また、このペリメータフレーム21側にお
ける焼入れ処理部36の形成箇所は、上述のフロントサ
イドフレーム11の焼入れ処理部35と同様に、ペリメ
ータフレーム21の前後方向においてエンジン支持部と
ダッシュロアパネル17との間に設定され、この焼入れ
処理部36は所定の幅で部材24,25の上下方向全体
に形成されている。また、フロントサイドフレーム11
側の焼入れ処理部35とペリメータフレーム21側の焼
入れ処理部36とが上下方向で略対向するように形成さ
れている。
【0054】上述の各焼入れ処理部35,36はフロン
トサイドフレーム11、およびペリメータフレーム21
の右側部材24、左側部材25に対して部分焼入れ処理
により形成され、例えば車両前後方向における焼入れ幅
が約40〜50mm程度で、破断歪みが約10%程度とな
るように形成される。
【0055】この焼入れ処理部35,36を形成するこ
とで、フロントサイドフレーム11およびペリメータフ
レーム21の所定部を高強度化することができ、車両衝
突時のつぶれ初期の荷重をさらに高めることができると
共に、上述の焼入れ処理部35,36は低歪みで破断す
るので、衝突時にフロントサイドフレーム11およびペ
リメータフレーム21を大きく座屈(図6〜図9の仮想
線参照)させることができる。
【0056】図10は焼入れ処理を施した鋼板材料と、
焼入れ処理を施さない通常の鋼板材料との材料特性を比
較して示す図で、横軸に歪みをとり、縦軸に応力をとっ
ている。
【0057】同図から明らかなように点線dで示す通常
の鋼板は応力が小さく、材料破断までに要する時間が比
較的長いのに対して、実線cで示す焼入れ処理が施され
た鋼板材料は初期応力が高く、強度が向上し、この分、
衝突時に強い荷重に耐えることができ、かつ材料破断ま
でに要する時間が比較的短くなる。上述の焼入れ処理部
35,36が形成されたフロントサイドフレーム11お
よびペリメータフレーム21は図10に実線cで示す材
料特性を有することになる。
【0058】このように、フロントサイドフレーム11
の所定部に焼入れ処理部35を形成すると、この焼入れ
処理部35にてフロントサイドフレーム11,11の前
後方向の初期荷重がさらに高められ、かつ低歪みで破断
し得る金属構造となるので、車両の正面衝突時において
フロントサイドフレーム11,11の焼入れ処理部35
は所定の高荷重まで破断せず、該焼入れ処理部35によ
り衝突初期のつぶれ初期荷重およびエネルギ吸収荷重を
より一層高めることができ、しかも焼入れ処理部35の
低歪みによる破断後においては、フロントサイドフレー
ム11,11の座屈(図7、図8、図9の仮想線参照)と
クラッシュスペースの拡大(破断によりその後の変形が
容易となること)により、衝突車体つぶれ後半での減速
度の上昇を防止して、乗員に付勢される荷重値を低減す
ることができる。
【0059】また、エンジン20およびフロントサスペ
ンションを支持するペリメータフレーム21にも焼入れ
処理部36を形成すると、このペリメータフレーム21
も低歪みで破断、座屈(図6の仮想線参照)するので、フ
ロントサイドフレーム11は所期の特性を確保すること
ができる。
【0060】さらに、フロントサイドフレーム11側の
焼入れ処理部35とペリメータフレーム21側の焼入れ
処理部36とが同一箇所または略同一箇所に設定される
と、衝突時においてはフロントサイドフレーム11およ
びペリメータフレーム21の双方が略同一位置にて破断
され、つぶれ後半での変形挙動の拘束が少なく、フロン
トサイドフレーム11およびペリメータフレーム21の
変形が容易となる。
【0061】なお、図5〜図9で示したこの実施例にお
いても、その他の構成、作用、効果については図1〜図
3で示した先の実施例とほぼ同様であるから、図5〜図
9において前図と同一の部分には同一符号を付して、そ
の詳しい説明を省略するが、図7において38はタイヤ
ハウス、39はサスペンションタワー部、40はホイー
ルエプロンレインフォースメントである。
【0062】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の衝撃吸収部材の後部において車幅
方向に延びる部材は、実施例の前側部材22に対応する
ものであるが、この発明は、上述の実施例の構成のみに
限定されるものではない。
【0063】
【発明の効果】この発明によれば、ペリメータフレーム
を備えた自動車の前部車体構造において、該ペリメータ
フレームの前部から車体前方に突出する衝撃吸収部材を
設けたので、正面衝突初期にペリメータフレーム前部の
衝撃吸収部材により車体減速度(つぶれ初期の減速度)を
高め、エネルギ吸収荷重を増大して、乗員に付勢される
荷重値の低減を図ることができ、また衝突初期の荷重を
フロントサイドフレームとペリメータフレームとの両方
で受けてフロントサイドフレームの不所望の曲がりを防
止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の自動車の前部車体構造を示す斜視
図。
【図2】 図1の側面図。
【図3】 自動車の前部車体構造を斜め下方から見た状
態で示す斜視図。
【図4】 車体つぶれに対する車体減速度の変化を示す
特性図。
【図5】 自動車の前部車体構造の他の実施例を示す斜
視図。
【図6】 ペリメータフレームの斜視図。
【図7】 フロントサイドフレームの衝突前・衝突後の
状態を示す部分斜視図。
【図8】 図7の要部側面図。
【図9】 フロントサイドフレームの衝突前・衝突後の
状態を示す底面図。
【図10】 焼入れ処理の有無による材料特性の差異を
示す説明図。
【図11】 従来の自動車の前部車体構造を示す平面
図。
【図12】 従来構造の衝突時の状態を示す平面図。
【符号の説明】
11…フロントサイドフレーム 15,32…衝撃吸収部材 16…バンパレインフォースメント 21…ペリメータフレーム 22…前側部材 26…マウント部 33…補強部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 裕子 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 中本 晶子 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3D003 AA05 BB01 CA09 CA18 DA14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】左右一対のフロントサイドフレームと、少
    なくとも前部が上記フロントサイドフレーム前部に取付
    けられたペリメータフレームとを備えた自動車の前部車
    体構造であって、上記ペリメータフレームの前部から車
    体前方に突出する衝撃吸収部材を設けた自動車の前部車
    体構造。
  2. 【請求項2】上記左右一対のフロントサイドフレームの
    先端に衝撃吸収部材を設け、左右の衝撃吸収部材間をバ
    ンパレインフォースメントで連結した請求項1記載の自
    動車の前部車体構造。
  3. 【請求項3】上記ペリメータフレーム側の衝撃吸収部材
    は、上記フロントサイドフレーム側の衝撃吸収部材の下
    方に設けられた請求項2記載の自動車の前部車体構造。
  4. 【請求項4】上記ペリメータフレーム前部の衝撃吸収部
    材はその下面が先端になる程、上方位置となる先細状に
    形成された請求項1,2または3記載の自動車の前部車
    体構造。
  5. 【請求項5】上記ペリメータフレーム側の衝撃吸収部材
    と上記フロントサイドフレーム側の衝撃吸収部材とは互
    に略平行に延出された請求項2,3または4記載の自動
    車の前部車体構造。
  6. 【請求項6】上記ペリメータフレームは該ペリメータフ
    レームに設けられた衝撃吸収部材の後部において、車幅
    方向に延びる部材で連結された請求項2,3,3,4ま
    たは5記載の自動車の前部車体構造。
  7. 【請求項7】上記ペリメータフレームの前部をフロント
    サイドフレーム前部に取付けるマウント部を設け、上記
    マウント部の後部をペリメータフレームとが補強部材で
    連結された請求項1,2,3,4,5または6記載の自
    動車の前部車体構造。
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