JP2002119238A - キャベツ発酵エキスの製造方法 - Google Patents

キャベツ発酵エキスの製造方法

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JP2002119238A
JP2002119238A JP2000311868A JP2000311868A JP2002119238A JP 2002119238 A JP2002119238 A JP 2002119238A JP 2000311868 A JP2000311868 A JP 2000311868A JP 2000311868 A JP2000311868 A JP 2000311868A JP 2002119238 A JP2002119238 A JP 2002119238A
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fermentation
lactic acid
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Shinji Tsuzaki
慎二 津崎
Kinya Takagaki
欣也 高垣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビタミンUを多く含有し、かつ嗜好性に優れ
たキャベツ発酵飲料を提供すること。 【解決手段】 キャベツをスラリー化し、これに食塩を
添加することなく中温発酵させ、好ましくはさらに低温
発酵させることにより、キャベツの栄養成分であるビタ
ミンUを多く含有するキャベツ発酵エキスを製造するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はキャベツ発酵エキス
の製造方法に関する。さらに詳しくは、キャベツに食塩
を添加することなく発酵して得られる、キャベツ発酵エ
キスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、外食の普及あるいはインスタント
食品の普及等により、手軽に食事ができる反面、人間の
健康維持に必要な新鮮なビタミン類、ミネラル等の栄養
素が不足がちである。これらの栄養素が不足すると、糖
尿病、高血圧等の生活習慣病にかかりやすくなるため、
野菜の積極的な摂取が提唱されている。このような状況
下、野菜を加工して、野菜類を簡便に摂取する試みがな
されており、野菜ジュースがその研究の対象とされてき
たが、独特の青臭さあるいはくせ味を有することから、
未だ敬遠されがちである。
【0003】そのような野菜の中でも、キャベツは、ア
メリカ国立ガン研究所(NCI)より公表されたガン予
防効果が期待される食品「デザイナーフーズ」におい
て、最も抗ガン寄与率が高いグループの1つに位置付け
られていると共に、抗潰瘍効果を有するビタミンUを含
む素材として近年注目されつつある。
【0004】特開平11−75789号公報には、赤キ
ャベツの発酵野菜ジュースの製造方法が記載されている
が、これはキャベツに食塩を添加して、加圧下または嫌
気性条件下で発酵させたものであった。食塩の添加は、
増殖する菌類の制御や野菜特有の青臭みを抑える効果が
あるが、高血圧症の人等は、塩分の摂取を制限されてお
り、塩分の添加は健康食品としては、好ましくない。
【0005】そこで、キャベツに食塩を添加せずに、キ
ャベツとキャベツに天然に付着している菌の生成する栄
養成分を豊富に含有し、かつ嗜好性に優れたキャベツ発
酵エキスを製造する方法が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、キャベツに
食塩を添加せずに発酵して得られる、キャベツとキャベ
ツに天然に付着している菌の生成する栄養成分を豊富に
含有し、かつ嗜好性に優れたキャベツ発酵エキスの製造
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、キャベツ発酵
エキスの製造方法であって、(a)キャベツを粉砕して
スラリー化する工程、(b)前記スラリー化したキャベ
ツに、食塩を添加せずに、20〜50℃で中温発酵する
工程、および(c)前記中温発酵したキャベツを、遠心
および/または濾過してキャベツ発酵エキスを回収する
工程、を包含する方法に関する。
【0008】好ましい実施態様においては、前記中温発
酵する工程が、乳酸菌を添加して行われる。
【0009】さらに好ましい実施態様においては、本発
明の方法は、5〜20℃で低温発酵する工程をさら包含
する。
【0010】別の好ましい実施態様においては、前記中
温発酵する工程および/または低温発酵する工程が嫌気
性条件下で行われる。
【0011】また、好ましい実施態様においては、さら
に、前記キャベツ発酵エキスを乾燥する工程を包含し、
この乾燥工程が、凍結乾燥または噴霧乾燥である。
【0012】また、1つの実施態様においては、前記方
法は、キャベツ発酵エキスを濃縮する工程を包含する。
【0013】さらに、他の好ましい実施態様において
は、前記添加する乳酸菌がラクトバチルス・プランタラ
ム(Lactobacillus plantarum)である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、キャベツに食塩を添加
せずに発酵して、キャベツとキャベツに天然に付着して
いる菌の生成する栄養成分を豊富に含有し、かつ嗜好性
に優れたキャベツ発酵エキスの製造方法に関する。
【0015】本発明に用いられるキャベツとしては、食
用に用いられるキャベツであれば、種類を問わない。赤
キャベツも、赤色を保ったまま発酵できるので好適に用
いられ得る。キャベツの品種も問わないが、貯蔵性が高
く葉が比較的硬い品種よりも、アーリーボールのような
葉の軟らかい品種が、ビタミンU含量のより高いキャベ
ツ発酵エキスを得るには、好ましい。
【0016】本発明の方法では、これらのキャベツを単
独また2種以上組み合わせて、発酵させてもよい。ある
いは発酵後に、普通のキャベツ発酵液と赤キャベツの発
酵液とを混合することもできる。
【0017】以下、本発明を説明する。先ず、キャベツ
を、カッター、スライサー等で適当な大きさに切断した
後、ミキサー、ジューサー、ブレンダー、マスコロイダ
ー等で粉砕してスラリー化する。スラリー化により、キ
ャベツはどろどろした粥状(液体と固体粒子との懸濁
液)になる。スラリー化は、キャベツの栄養成分がエキ
ス中に回収できるよう、できるだけ小さく粉砕すること
が好ましい。
【0018】ザウエルクラウトの製造においては、通
常、キャベツは2mm前後に切断されるが、本発明で
は、好ましくは0.2mm以下、より好ましくは0.1
mm以下、さらにより好ましくは0.05mm以下まで
粉砕する。より小さくすることにより、撹拌等が可能に
なり、発酵のコントロールが可能となるだけでなく、キ
ャベツの有効成分の1つであるビタミンUをより多く含
むキャベツ発酵エキスが得られる。
【0019】通常、キャベツを発酵させる場合には、食
塩が添加されるが、本発明では食塩を添加しない。そこ
で、必要に応じて、浸透圧調整作用と乳酸菌以外の細菌
の静菌作用を有効に機能させるため、浸透圧調整作用と
乳酸菌以外の細菌の静菌作用とを有する物質を、食塩の
代わりに添加することができる。このような物質として
は、乳酸菌が代謝できないが浸透圧を高める糖類(乳酸
菌非代謝性糖類)、例えば、ペントース(キシロース、
アラビノース、リボース等)、あるいは澱粉のような還
元性高分子炭水化物、またはキャベツに付着している乳
酸菌が好まない乳糖、あるいはガラクトース等も用いら
れる。なお、還元性高分子炭水化物は、クロストリディ
ウム等の嫌気性菌あるいは腐敗菌等が生育してくる可能
性があるので、使用には注意が必要である。添加する量
は、浸透圧を考慮して決定すればよい。
【0020】続いて、スラリー化したキャベツを、発酵
槽で先ず中温(20〜50℃、好ましくは25〜45
℃)発酵するが、乳酸発酵のためには、これを嫌気性条
件下で行うことが好ましい。嫌気性条件は、スラリー化
したキャベツを脱気することにより、または発酵槽を密
封するか、窒素ガス、二酸化炭素ガス等のガスで発酵槽
を満たすか、減圧することにより、あるいはそれらを組
み合わせることにより得られる。また、嫌気条件下で発
酵することによりキャベツ発酵エキスの風味も良くな
る。
【0021】発酵開始前に、pH低下剤を加え、低pH
で発酵を開始することもできる。これは、乳酸菌が優先
的に増殖できる環境を作り出すためである。pH低下剤
としては、塩酸、グルコン酸、あるいはソルビン酸等が
挙げられるが、キャベツ発酵エキスの酸味を抑制し、か
つ乳酸菌(例えば、ビフィズス菌)の生育を促すために
は、グルコン酸が好ましい。これらのpH低下剤は、ス
ラリー化したキャベツに対して約0.1重量%〜1.2
重量%程度加えることが好ましく、グルコン酸で1重量
%、他の有機酸で0.3重量%程度加えることが好まし
い。あるいはpH低下剤は、所望の菌が増殖しやすいp
Hとなるように添加すれば良く、例えば、ラクトバチル
ス・プランタラムでは、pH4.0程度に調整してから
発酵を開始すれば、短期間でその発酵を終了できる。
【0022】また、乳酸菌の優先的な生育のために、グ
ルタミン酸またはその塩を加えることもできる。添加す
るグルタミン酸の量はキャベツに対して0.05〜1重
量%程度、好ましくは0.2重量%程度である。
【0023】また、発酵開始前に、キャベツの細胞壁を
分解する酵素を添加することができる。これらの酵素と
しては、ペクチン分解酵素(例えば、ポリガラクツロナ
ーゼ、ペクチンリアーゼ、ペクチンエステラーゼ、プロ
トペクチナーゼ等)、あるいはセルロース分解酵素(例
えば、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ等)等が挙げられ
る。これらの酵素は混合して用いることができ、プロト
ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、およびセルラーゼを含
む製剤が好適に用いられる。これらは、キャベツの重量
に対して0.001%〜約0.2%程度添加されるが、
酵素の精製度により異る。このような酵素の添加によ
り、キャベツの細胞内に含まれる栄養分が発酵液中に多
く溶出されて、栄養分の高い発酵エキスが得られるばか
りでなく、これらの酵素がキャベツの細胞壁(膜)へ作
用する結果、セロビオース、セロオリゴ糖等を多く含む
飲料が提供され、キャベツ発酵エキスに機能性が付与さ
れるという効果が得られる。特に、抗潰瘍性作用を有す
るビタミンU、核酸成分、またはグルタミン酸等が含ま
れ、栄養分が豊かになる。ポリガラクツロナーゼを用い
る場合、発酵が開始するとpHが徐々に下がり出すが、
この酵素の最適pHはアルカリ側にあるので、pHが下
がる前に反応させることが好ましい。
【0024】さらに、発酵開始前に、乳酸菌代謝性の糖
を添加することができる。この糖の添加は、糖分含量が
少ないキャベツを発酵させる場合に有用である。従っ
て、糖分が3重量%以上含まれるキャベツを発酵させる
場合には糖を添加しなくてもよい。しかし、糖の添加は
発酵の促進と飲料への甘味の付加という効果を生じ得る
ので、加えてもよい。添加される糖としては、乳酸菌の
生育と発酵に用いられる糖であれば、どのような糖でも
よく、例えば、庶糖、ぶどう糖、果糖、麦芽糖等が挙げ
られるが、これらに限定されない。これらの糖は、好ま
しくは、糖分がキャベツの糖分と合わせて約3重量%に
なるように加えられるが、これ以上になっても構わな
い。
【0025】また、発酵の開始時に乳酸菌を添加しても
よい。この乳酸菌はスターターとして機能し得る。この
ような乳酸菌としては、ロイコノストック・メセントロ
イデス(Leuconostoc mesenteroides)、ラクトバチル
ス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、また
はラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)
等が、単独でまたは組み合わされて用いられる。単独で
用いる場合、ラクトバチルス・プランタラムを用いる
と、その酸耐性、生育温度と増殖速度の面から、簡便に
発酵できかつ栄養分の高いキャベツ発酵エキスが得られ
るため好適である。
【0026】上記処理および準備が終了したら発酵工程
に入る。中温発酵は、20〜50℃、好ましくは25〜
45℃の中温で、1〜30日間行う。発酵温度は、乳酸
菌等の所望の菌の生育条件を考慮して決定する。発酵時
間は、発酵温度と併せて決定すればよいが、酸度を指標
とする場合は、0.5〜2%程度が好ましく、1.0〜
1.5%がより好ましい。2%を超えると酸味がきつく
なる。
【0027】上記中温発酵の後、さらに低温発酵させる
とキャベツ発酵エキスは青臭みが抑えられ、またビタミ
ンUを多く含むため好適である。低温発酵は、5〜20
℃、好ましく5〜15℃で、1〜30日間行う。
【0028】上記発酵の前後に、当業者が通常用いる手
段により、酢酸発酵、クエン酸発酵あるいはアルコール
発酵させても良い。
【0029】発酵の停止は、糖を加えて行うことも可能
である。このような糖としては、乳酸菌が代謝できない
糖アルコール(例えば、ソルビトール)、オリゴ糖(例
えば、マルトオリゴ糖、キトオリゴ糖、フラクトオリゴ
糖)などが挙げられる。このようなオリゴ糖は、発酵液
の飲料としての機能の向上に寄与し得る。
【0030】発酵終了後、発酵液からキャベツ発酵エキ
スを回収する。エキスの回収には公知の方法、例えば、
遠心分離、濾過等が適用され得る。
【0031】さらに必要に応じて、このエキスを加熱処
理あるいは滅菌処理をして保存できる。減菌処理する場
合は、各種の栄養分を保持するために、できるだけ低温
で滅菌処理することが好ましい。なお、ビタミンUは、
アルカリ側で加熱処理をしない限り、安定に保たれる。
【0032】このようにして得られるキャベツ発酵エキ
スは、キャベツ由来の栄養成分と乳酸菌生成物等とを含
む健康飲料として、そのままか、あるいは種々の調味
料、例えば、グラニュー糖、蜂蜜、ソルビット等の甘味
料、アルコール、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、香料、
色素等を加えて、好みの味に調整とすることができる。
【0033】また、得られた本発明のキャベツ発酵エキ
スと他の発酵ジュースや野菜ジュース等、例えば人参ジ
ュース、あるいは人参、セロリー、パセリ等の混合キャ
ベツジュースとを混合すれば、更に栄養価の高いジュー
スとすることができる。混合割合は任意である。また、
この混合ジュースは120℃、4分の完全殺菌をしない
でも、100℃以下の殺菌条件で殺菌できる。例えば、
85℃達温の殺菌条件でも十分に殺菌できる。あるい
は、本発明のキャベツ発酵エキスは、本発明の異なる製
法により得られたエキスと、または発酵していない野菜
ジュース等と混合し食品に含ませることもできる。例え
ば、寒天等に混合してゼリーとすることもでき、シャー
ベット、フローズンヨーグルトあるいはアイスクリーム
とすることもできる。
【0034】1つの実施態様において、本発明のキャベ
ツ発酵エキスは、乾燥形態として食品素材とすることが
できる。例えば、上記のようにして得られたキャベツ発
酵エキスを乾燥、粉末化してキャベツ発酵エキス末(キ
ャベツ発酵エキスの一形態)とすることができる。
【0035】乾燥は、当業者に公知の種々の方法が用い
られるが、凍結乾燥、噴霧乾燥が好ましく用いられる。
噴霧乾燥を行う場合、必要に応じてデキストリン、シク
ロデキストリン、デンプン、マルトースのような賦形剤
を添加して行われる。
【0036】また、本発明のキャベツ発酵エキスは、濃
縮してペースト状の食品素材(キャベツ発酵エキスペー
スト)とすることもできる。濃縮には、加熱濃縮、真空
(減圧)濃縮、加熱によらない凍結濃縮などの種々の方
法が用いられる。
【0037】これらのキャベツ発酵エキスも、気流殺
菌、高圧殺菌、加熱殺菌などの当業者が用いる方法によ
り殺菌される。
【0038】このようにして得られるキャベツ発酵エキ
スは、必要に応じて、ローヤルゼリー、ビタミン、ミネ
ラル、キチン・キトサン、レシチン等の他の食品素材と
組み合わせられる。そしてさらに、ハードカプセル、ソ
フトカプセル等のカプセル剤、錠剤もしくは丸剤として
か、または粉末状、顆粒状、茶状、ティーバック状もし
くは飴状などに形成される。これらは、その形状または
好みに応じて、そのままか、あるいは水、お湯、もしく
は牛乳などに溶いてか、または成分を浸出して飲むこと
ができる。
【0039】以下、本発明を説明するが、本発明がこの
実施例に限定されないことはいうまでもない。
【0040】
【実施例】(比較例1)特開平11−75789号公報
に記載の方法により、キャベツ発酵エキスを製造した。
すなわち、キャベツの芯を除き、外面を洗浄して、1m
m程度に細切したキャベツ2kgに、0.75重量%と
なるよう食塩を添加し、よく塩もみして6kgの圧力を
かけて漬け込んだ。これを30℃にて、9日間発酵させ
た後、圧搾し、遠心、さらに濾過して固形物を除いて、
キャベツ発酵エキスを得た。
【0041】(比較例2)特開平11−75789に記
載の方法によりキャベツ発酵エキスを製造した。すなわ
ち、キャベツの芯を除き、外面を洗浄して、1mm程度
に細切したキャベツ2kgに、0.75重量%となるよ
う食塩を添加し、よく塩もみした後、減圧下、30℃に
て、9日間発酵させた。これを圧搾し、遠心、さらに濾
過して固形物を除いて、キャベツ発酵エキスを得た。
【0042】(実施例1〜8)キャベツの外葉を除き、
外面を洗浄した後、カッター、スライサーにより粗砕し
た後、マスコロイダー(増幸産業)を用いて、スラリー
化した。このスラリー化したキャベツを原料として、表
1に記載の種々の条件で処理して得られたキャベツ発酵
液を遠心、濾過して固形物を除いて、キャベツ発酵エキ
スを得た。
【0043】なお、表1中、それぞれの用語は、以下を
意味する。 未処理:キャベツをスラリー化した後、発酵することな
く、直ちに圧搾し、遠心、さらに濾過して、キャベツエ
キスとしたものをいい、各種条件について、+と記して
いる場合、以下のように処理したことを示す。 乳酸菌:ラクトバチルス・プランタラムの乾燥粉末をキ
ャベツのスラリーに対して0.005%となるように添
加した。 嫌気:スラリー化したキャベツを脱気して、嫌気性条件
とした。 中温:30℃で6日間、攪拌しながら中温発酵した(但
し、比較例は9日間)。 低温:10℃で3日間、攪拌しながら低温発酵した。
【0044】比較例1、2および実施例1〜7で製造し
たキャベツ発酵エキスの生成乳酸濃度(重量%)、ビタ
ミンU濃度(mg/100g)を測定した結果を表1に
示す。
【0045】また、官能評価は、以下の方法にて行っ
た。比較例1、2および実施例1〜8で得られたキャベ
ツ発酵エキス(300ml)に、グラニュー糖32g、
蜂蜜23g、ソルビット40g、アルコール4.5ml
およびクエン酸0.75gを混合し、遠心して上清を回
収した。これを50人のパネラーに飲んでもらい、比較
例1と比べた際の飲みやすさについて評価してもらっ
た。評価は、比較例1と比較して、大変飲みやすい・・
2点、飲みやすい・・1点、あまり変らない・・0点、
飲みにくい・・−1点、大変飲みにくい・・−2点とし
て採点してもらい、その平均値として表した。結果を栄
養成分の測定結果と併せて、表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1の結果は、無塩または低温発酵を行う
ことにより、抗潰瘍効果を有するビタミンUを多く含有
するキャベツ発酵エキスが製造できることを示す。ま
た、食塩を添加せずに発酵して得られたキャベツ発酵エ
キスは、従来の製法によるものと比較して、より多くの
ビタミンUを含む。特に低温発酵工程を併用して得られ
るキャベツ発酵エキスは、さらに多くのビタミンUを含
む上、飲み易くなり、嗜好性に優れることがわかった。
また、乳酸菌を添加することにより、風味も改良され
た。
【0048】(実施例9:キャベツ発酵エキス末の製
造)実施例8の方法により得られたキャベツ発酵エキス
を凍結乾燥した後、ブレンダーを用いて、100メッシ
ュを通過する程度に粉末化して、キャベツ発酵エキス末
を得た。このキャベツ発酵エキス末は、必要に応じて結
合剤や賦形剤を添加して、錠剤や顆粒に成形することが
できた。
【0049】
【発明の効果】キャベツをスラリー化し、これに食塩を
添加することなく中温で、好ましくはさらに低温発酵さ
せることにより、キャベツの栄養成分を多く含有するキ
ャベツ発酵エキスを製造することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 2/02 A23L 2/08 2/08 A61K 35/78 C A61K 35/78 A23L 2/00 F Fターム(参考) 4B016 LC07 LE02 LE04 LE05 LG10 LK18 LP01 LP02 LP08 LP13 4B017 LC03 LE03 LG07 LK21 4B018 LB01 LB03 LB07 LB08 LE03 LE04 LE05 MD53 MD86 ME02 MF01 MF06 MF13 4C088 AB15 BA08 CA25 MA52 NA09 ZA68 ZB26 ZC22

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャベツ発酵エキスの製造方法であっ
    て、(a)キャベツを粉砕してスラリー化する工程、
    (b)前記スラリー化したキャベツに、食塩を添加せず
    に、20〜50℃で中温発酵する工程、および(c)前
    記中温発酵したキャベツを、遠心および/または濾過し
    てキャベツ発酵エキスを回収する工程、を包含する方
    法。
  2. 【請求項2】 前記中温発酵する工程が、乳酸菌を添加
    して行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 5〜20℃で低温発酵する工程をさら包
    含する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記中温発酵する工程および/または低
    温発酵する工程が、嫌気性条件下で行われる、請求項1
    から3のいずれかの項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記キャベツ発酵エキスを乾燥する工程
    を包含する、請求項1から4のいずれかの項に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 前記乾燥する工程が、凍結乾燥または噴
    霧乾燥である、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記キャベツ発酵エキスを濃縮する工程
    を包含する、請求項1から4のいずれかの項に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 前記添加する乳酸菌がラクトバチルス・
    プランタラム(Lactobacillus plantarum)である、請
    求項2から7のいずれかの項に記載の方法。
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