JP4734060B2 - 新規微生物、この新規微生物による発酵物、及びこの発酵物が含まれる飲食品 - Google Patents

新規微生物、この新規微生物による発酵物、及びこの発酵物が含まれる飲食品 Download PDF

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Description

本発明は、新規微生物、この新規微生物によって果菜類の処理物を発酵させた発酵物、及びこの発酵物が含まれる飲食品に関する。また、本発明は、この発酵物の製造方法、果菜類の処理物の嗜好性を向上させる方法に関する。
生活習慣の変化や食生活の欧米化によって、現代人の食生活は大きく変化し、野菜の摂取不足が問題となっている。この野菜の摂取不足を解消する代表的手段として、野菜を用いた加工飲食品が挙げられる。しかしながら、野菜特有の風味(例えば、苦味やえぐ味)が原因で、多くの加工飲食品はその嗜好性に問題を残している。
この加工食品の嗜好性を向上させるために、様々な取り組みがなされている。その一つとして注目されているのが、野菜の搾汁等を乳酸菌によって発酵させることで、野菜特有の風味を抑え、加工飲食品の嗜好性を向上させる方法である。
乳酸菌は、食品の保存性改善作用、風味改善作用、整腸作用を有することから、発酵乳、乳酸菌飲料、チーズ、浸物、整腸剤等に応用されている。これらの乳酸菌を応用した発酵飲食品は、風味が改善され、発酵産物である乳酸による飲食品中pHの低下で保存性が改善されていながらも、野菜の栄養価が維持されているという利点を有する。乳酸菌を応用した発酵飲食品では、用いる乳酸菌の種類により飲食品の風味が種々異なり、飲食品の種類等に応じて所望の嗜好性を与えることのできる乳酸菌やその組み合わせが検討されている(特許文献1〜3参照)。また、特許文献4〜7には、菜果汁乳酸菌飲料を得ることが提案されている。
特公昭58−15109号公報 特開昭60−248131号公報 特開平3−292869号公報 特開平5−84066号公報 特開平4−320669号公報 特開平4−341167号公報 特公平7−100025号公報
しかしながら、特許文献1〜3の乳酸菌は、風味改善、菌の生残性等の観点から選ばれてはいるものの、未だ、風味改善が不十分であったり、十分な風味改善を得ることのできる被発酵原料の選択肢の数が少なかったりという問題を有している。
例えば、特許文献1におけるラクトバチルス・ブレビスでは、トマトジュースやトマトジュースに他の緑黄色野菜ジュースを混合した野菜ミックスジュースの加熱臭の除去と、ジアセチルを産生しない点に重きが置かれており、緑黄色野菜本来の風味をより飲みやすい味にする試みはなされていない。
また、特許文献2のラクトバチルス・ブルガリクスとストレプトコッカス・サーモフィルスでは、発酵速度を高めるために、野菜の処理物に脱脂粉乳等の乳製品を加えて発酵させているから、その分、飲食品中の野菜含有量が少なくなる。また、野菜の処理物に乳製品を加えなければ、風味の改善がなされない。
そして、特許文献3のラクトバチルス・カゼイを単独で用いて発酵させると、酢酸臭が生じて、飲食品の嗜好性が低下する。
特許文献4〜7の乳酸菌はサイレージ(silage)から分離され、一般に食習慣のない菌株であるとともに、得られる飲料の風味改善が十分でない。特に、臭いの強い果菜類を用いる場合には、飲料の風味改善が更に十分でない。
また、発酵物等を製品化するにあたっては、その工業的製造を容易に行うために、その嗜好性の他にも種々の問題点(例えば、以下に示す発酵適性や操作性等)を解決しなければならない。
例えば、発酵物はそのpHが適度に低下されたものでなければならない。嗜好性の点では発酵物等のpHが低下しすぎることは好ましくないが、発酵物等のpHがある程度(例えば4.5未満)まで低下しないと、目的外の菌が増殖して、発酵物が腐敗するおそれがある(発酵適性が悪い)からである。
また、発酵物はその中に沈殿物が存在しないものでなければならない。発酵物に沈殿物が存在すると、製品外観上好ましくないだけでなく、プレート殺菌の際にプレート内に沈殿物が詰まるという操作上の問題が生じたり、沈殿を除去するための遠心分離機やろ過装置が必要になったりする(操作性が悪い)場合がある。
更に、発酵物は粘度が高くないものでなければならない。発酵物の粘度が高いと、発酵物の操作性が悪化するだけでなく、プレート殺菌の際にプレートに焦げが付着し、殺菌効率が低下したり、プレートを詰まらせたりする(操作性が悪い)ことがある。
そして、発酵物はその中にガスが多量に存在しないものでなければならない。発酵物中にガスが多量に存在すると、調合時にガスが発生するために作業効率が著しく低下したり、プレート殺菌時にガスが発生するために殺菌温度が安定しなかったり、プレートに焦げが付着しやすくなったりする(操作性が悪い)。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被発酵原料として果菜類の処理物を含みつつ、嗜好性に優れた飲食品の工業的製造を容易に行うことができる発酵物を生産でき、且つ、食習慣があり安全性の高い新規乳酸菌を提供することにある。
また、本発明の目的は、被発酵原料として果菜類の処理物を含みつつ、嗜好性に優れた飲食品の工業的製造を容易に行うことができる発酵物、及びその発酵物の製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、その工業的製造が容易で、被発酵原料として果菜類の処理物を含みつつ、嗜好性に優れた飲食品を提供することにあり、飲食品の嗜好性を向上させることができる方法を提供することにある。
本発明者らは、以上のような目的を達成するために鋭意研究を行った。その結果、漬物から分離されたあるラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)によれば、果菜類の処理物を被発酵原料として用いても、嗜好性に優れた飲食品の工業的製造を容易に行うことができる発酵物を生産できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 受託番号がFERM P−20560であるラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)に属する新規微生物。
(1)の発明である、受託番号がFERM P−20560であるラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)に属する新規微生物は、漬物から分離された乳酸菌である。このため、(1)の微生物は食習慣があり安全性が高い。
この微生物は単独で用いられてもよく、また、嗜好性に優れた飲食品の工業的製造を容易に行うことができる発酵物を生産できる限りにおいて、他の菌種や菌株と併用されてもよい。
この明細書において「果菜類」とは、野菜及び果物の総称を意味する。また、この明細書において「処理物」とは、果菜類が発酵可能な形態に処理された物を意味し、例えば、切断物、破砕物、磨砕物、搾汁、搾汁濃縮物などが含まれる。この切断物等は単独で使用されてもよく、併用されてもよい。
(2) 果菜類の処理物を(1)記載の新規微生物により発酵させて得られる発酵物。
(1)記載の微生物により果菜類の処理物を発酵させて得られる、(2)の発明によれば、例えば、以下のような有利な効果が得られる。
(2)の発酵物は、そのpHが例えば4.5未満に低下している。このため、発酵処理中に目的外の菌が増殖して、発酵物が腐敗するおそれが小さい(発酵適性が高い)。また、(2)の発酵物には沈殿物が存在しない。このため、製品外観上の問題もなく、プレート殺菌の際に果菜物がつまるという操作上の問題も生じにくい(操作性が良い)。(2)の発酵物の粘度は高くないから、(2)の発酵物はその操作性が良く、プレート殺菌処理の際にプレートにこげが生じにくい(操作性が良い)。更に、(2)の発酵物中にはガスが多量に存在しない。このため、調合操作が容易で、プレート殺菌の際プレートにガスが発生しないため、殺菌温度を一定に保つことができる(操作性が良い)。
従って、(2)の発酵物を用いれば、飲食品の工業的製造を容易に行うことができる。
また、(2)の発酵物は、適度な酸味(例えば、pH4前後)を呈するとともに、官能的に優れた風味を有している。このため、需要者はこの乳酸菌発酵物を極めて容易に摂取できる。従って、この乳酸菌発酵物は、種々の飲食品の素材として、好適に用いることができる。
(3) 前記果菜類の処理物は、果菜類の搾汁又は搾汁濃縮物である(2)記載の発酵物。
果菜類の処理物としては、特に限定されるものではないが、例えば、果菜類の搾汁又は搾汁濃縮物を用いることにより、乳酸菌発酵物が含まれる飲料の工業的製造を容易に行うことができる。従って、(3)の発明によれば、(2)の発明が有する効果に加えて、乳酸菌発酵物が含まれる飲料の工業的製造を、更に容易に行うことができる。
(4) (2)又は(3)記載の発酵物が含まれる飲食品。
このように工業的製造が容易な(4)記載の飲食品は、更に、被発酵原料がたとえケール等の臭いの強い果菜類の処理物を含んでいても、例えば、その香り、酸味、後味等が需要者の嗜好に沿ったものとなる。従って、(4)の発明によれば、その工業的製造が容易で、被発酵原料が果菜類の処理物を含みつつ、嗜好性に優れた飲食品を提供することができる。
なお、この飲食品の形態は特に制限されず、幅広い種類の飲食品に適用することができる。
(5) 果菜類の処理物を(1)記載の新規微生物により発酵させることを特徴とする発酵物の製造方法。
(6) 前記果菜類の処理物は、果菜類の搾汁又は搾汁濃縮物である(5)記載の発酵物の製造方法。
(7) (2)記載の発酵物を飲食品に含ませることにより、この飲食品の嗜好性を向上させる方法。
本発明によれば、被発酵原料として果菜類の処理物を含みつつ、嗜好性に優れた飲食品の工業的製造を容易に行うことができる発酵物を生産でき、且つ食習慣があり安全性の高い新規乳酸菌を提供することができる。
また、本発明によれば、被発酵原料として果菜類の処理物を含みつつ、嗜好性に優れた飲食品の工業的製造を容易に行うことができる発酵物、及びその発酵物の製造方法を提供することができる。
更に、本発明によれば、その工業的製造が容易で、被発酵原料として果菜類の処理物を含みつつ、嗜好性に優れた飲食品を提供することができ、飲食品の嗜好性を向上させることができる方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
[発酵用乳酸菌]
本発明の乳酸菌は、伝統的発酵食品である漬物から分離された微生物である。この乳酸菌の菌学的性質は以下の通りである。
a)形態的性質等
(1)形態:桿菌
b)生理学的性質
(1)グラム染色:+
(2)胞子:−
(3)運動性:−
(4)酵素に対する態度:通性嫌気性
(5)カタラーゼ:−
(6)生成乳酸:D+DL
(7)グルコースからのガスの生成:−
(8)グルコネイトからのガスの生成:+
(9)15℃での生育:+
(10)45℃での生育:−
c)糖の発酵性
L−アラビノース:+
D−キシロース:−
ラムノース:−
ソルボース:−
リボース:+
グルコース:+
マンノース:+
フルクトース:+
ガラクトース:+
シュークロース:+
マルトース:+
セロビオース:+
ラクトース:+
トレハロース:+
メリビオース:+
ラフィノース:+
メレチトース:+
スターチ:−
マンニトール:+
ソルビトール:+
エスクリン:+
サリシン:+
アミグダリン:+
グルコネイト:+
d)菌体内DNAのGC含量 44(mol%);HPLC法による
以上の諸性質から、本発明の微生物は、ラクトバチルス・プランタラムに属するものと同定された。さらに、この微生物の有する16SリボソームRNA塩基配列を解析したところ、ラクトバチルス・プランタラムにのみ強い相同性が得られ、且つ、既知のいずれの微生物とも完全な(100%)相同性を有していなかった。従って、本発明の微生物は、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobaccilus plantarum)に属する新規微生物であることが示された。この新規微生物は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに受託されている(受託番号FERM P−20560)。
[発酵物及びその製造方法]
本発明の発酵物は、果菜類の処理物をこの新規微生物により発酵させて得られる。
<果菜類>
この果菜類としては、種々の可食性植物、野菜類(特に限定されるものではないが、例えば、ニンジン、トマト、ホウレン草、パセリ、シソ葉、大葉、芽キャベツ、小松菜、カボチャ、大根葉、ピーマン、ケール、ブロッコリー、カンショ葉、春菊、セリなどの緑黄色野菜類、セロリ、キャベツ、アスパラガス、キュウリ、スイカ等の他の野菜類等その他の野菜類)、果物類(例えば、リンゴ、バナナ、パパイヤ、アボガド、ミカン、グレープフルーツ、レモン、パイナップル、ピーチ、柿、イチゴ、ブドウ、メロン、ココナッツ等)等を挙げることができる。本発明においては、これらを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、必要に応じて、これらの果菜類を、じゃがいも、さつまいも等のイモやデンプン類と併用してもよい。
<処理物>
処理物としては、特に限定されるものではないが、例えば、切断物、粉砕物、磨砕物、搾汁、搾汁濃縮物等を挙げることができる。これらは、単独で、又は二種以上組み合わせて使用できる。
発酵物が含まれる飲料を製造する観点からは、処理物として、搾汁や搾汁濃縮物を用いることが好ましい。搾汁や搾汁濃縮物を処理物として用いる場合には、微生物の生育、発酵速度の向上等の点から、この搾汁等の濃度をBrix3〜30程度の範囲とすることが好ましい。
前記果菜類の処理物は、通常、ブランチング処理及び/又は殺菌処理に供された後、前記乳酸菌による発酵に供される。
ブランチング処理は、前記果菜類やその処理物、特に切断物を加熱処理し、酵素活性を失活させることにより行うことができる。また、ブランチング処理の後、例えばスクリュープレスやデカンタ等の方法により、搾汁を得ることができる。また、殺菌処理は、ブランチング処理された前記果菜類やその処理物、特に搾汁や搾汁濃縮物について行うことができる。
ブランチング処理及び/又は殺菌処理の方法は、風味を損なわない範囲で適宜選択されればよい。ブランチング処理は、慣用の方法、例えば、必要に応じてオートクレーブを用い、70〜100℃で短時間処理することにより行うことができる。殺菌処理は、慣用の方法、例えば、70〜140℃程度の温度で2秒〜30分間加熱滅菌する方法、高圧処理を行う方法等により行うことができる。
<発酵>
発酵は、搾汁等の果菜類の処理物に、特に限定されないが、例えば前記新規微生物を凍結乾燥したものをスターターとして、直接接種して開始することができる。また発酵は、適当な培地(例えば、MRS培地その他の乳酸菌用培地同処理物)を用いて前培養(例えば、30〜37℃で、1日〜2日程度)を経た前記新規微生物を、果菜類の処理物に接種して開始することもできる。MRS培地としては、通常の市販品を用いればよく、例えば「Lactobacilli MRS medium(商品名)」(ディフコ社製)等を挙げることができる。
発酵は、慣用の方法、例えば、果菜物の処理物において10〜10/mlとなるようスターターを接種し、25〜40℃(例えば、25〜38℃)、好ましくは27〜38℃(例えば、27〜35℃)程度の範囲において行うことができる。発酵時間としては、果菜類の処理物の種類等に応じて、例えば、数時間〜数日間程度の範囲から選択できる。
<その他>
本発明の果菜類の処理物の発酵においては、必要に応じて、他の微生物、例えば、乳酸菌(ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノサスなど)やエンテロコッカス属微生物(エンテロコッカス・フェカーリスなど)、酵母等を、本発明の新規微生物と併用することができる。
また、前記果菜類の処理物には、必要に応じて、種々の添加剤、例えば、ビタミン、アミノ酸、ミネラル、植物繊維、糖類、蜂蜜などの甘味料、香料、牛乳、脱脂粉乳などの乳成分、果汁等を添加してもよい。また、前記果菜類の処理物を発酵させて得られる発酵物に、前記添加剤を添加してもよい。
<飲食品>
このようにして得られる本発明の発酵物は、そのまま飲食用に供することができる。また、常法に従い、この発酵物を用いて各種の飲食品を製造することもできる。本発明の飲食品は、本発明の発酵物を含む限り、その形態が特に制限されず、例えば、ジュース、ゲル状飲料等の飲料、ゼリー、半固形食品、グミ、スプレッド食品、ソフトキャンデー等の食品を挙げることができる。
次に実施例と比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、受託番号がFERM P−20560であるラクトバチルス・プランタラム(Lactobaccilus plantarum)に属する新規微生物により果菜類の処理物を発酵させる、という本質を損なわない限りにおいて、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
<実施例1>
受託番号がFERM P−20560であるラクトバチルス・プランタラムに属する新規微生物を用いて、種々の果菜類の処理物を発酵させ、発酵物を得た。次いで、得られた発酵物が含まれる飲食品を作成した。その手順は以下の通りであった。
[果菜類の処理物の調整]
果菜類として、ケール、ニンジン、キャベツ、ブロッコリー、ホウレン草を単独で用いて、以下の手順により、それぞれの処理物を得た。
ニンジンについては、まず、ニンジンに加圧蒸気を施した後、剥皮、洗浄、切断を行った。次いで、この被切断物を85℃の湯中で5分間ブランチングを行った後、さらにカッターで切断した後搾汁し、搾汁を得た。更に、この搾汁に、121℃で30秒間の殺菌を行い、遠心分離することで搾汁中の固形分を除去した後、逆浸透(RO)濃縮及び減圧濃縮により、Brix40にまで濃縮し、濃縮物を得た。濃縮物を適宜Brix18にまで希釈し、これを105℃で20分間加熱殺菌し、果菜類の処理物を調製した。
ニンジン以外の果菜類については、加圧蒸気を施して剥皮する作業を行わなかったこと及び濃縮後のBrixが異なることを除き、上記ニンジンと同様の手順で、果菜類の処理物を調整した。
[発酵]
受託番号がFERM P−20560であるラクトバチルス・プランタラムに属する新規微生物を、「Lactobacilli MRS medium(商品名)」(ディフコ社製)に接種し、30℃で24時間培養した(前培養)。
この培養液を滅菌水で洗浄し、滅菌水で懸濁した後、約10細胞数/mlの細胞密度になるよう、この懸濁液を前記処理物に接種した。この接種後の処理物を30℃で2日間静置することにより、この微生物を培養し(本培養)、前記処理物の発酵物を作成した。
[飲食品の作成]
この発酵物を95℃で15秒間程度殺菌した後、これを冷却し、滅菌水でBrix6に希釈し、飲料を作成した。
<比較例1>
微生物として、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidbacterium bifidum)JCM1255を用いた他は、実施例1と同様の手順で行った。
<比較例2>
微生物として、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)JCM5803を用いた他は、実施例1と同様の手順で行った。
<比較例3>
微生物として、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)JCM1132を用いた他は、実施例1と同様の手順で行った。
<比較例4>
微生物として、ラクトバチルス・カゼイ サブスピーシーズ カゼイ(Lactobacillus casei subsp casei)JCM1134を用いた他は、実施例1と同様の手順で行った。
<比較例5>
微生物として、ラクトバチルス・カゼイ サブスピーシーズ カゼイ(Lactobacillus casei subssp casei)No.49(アサヒビール社保管)を用いた他は、実施例1と同様の手順で行った。
<比較例6>
微生物として、ラクトバチルス・カゼイ サブスピーシーズ カゼイ(Lactobacillus casei subsp casei)No.84(アサヒビール社保管)を用いた他は、実施例1と同様の手順で行った。
<比較例7>
微生物として、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)JCM1149を用いた他は、実施例1と同様の手順で行った。
<比較例8>
微生物として、ラクトコッカス・ラクティス サブスピーシーズ ラクティス(Lactobacillus lactis subsp lactis)JCM5805を用いた他は、実施例1と同様の手順で行った。
<比較例9>
微生物として、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)JCM6124を用いた他は、実施例1と同様の手順で行った。
<比較例10>
微生物として、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)JCM8797を用いた他は、実施例1と同様の手順で行った。
<比較例11>
微生物として、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)JCM5890を用いた他は、実施例1と同様の手順で行った。
<比較例12>
微生物として、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)JCM5705を用いた他は、実施例1と同様の手順で行った。
<比較例13>
微生物として、ウェイセラ・パラメセンテロイデス(Weissella paramesenteroides)JCM9890を用いた他は、実施例1と同様の手順で行った。
<評価>
[保存性(発酵適性)評価]
実施例1及び比較例1〜13の過程で得られた発酵物のpHを測定し、以下の基準で保存性(発酵適性)評価を行った。結果を表1に示す。
○・・・pH4.5未満
△・・・pH4.5以上5.0未満
×・・・pH5.0以上
Figure 0004734060
表1に示されるように、実施例1と比較例7においては、果菜類としていずれを用いた場合においても、発酵適性が高かった。一方で、比較例1〜6、8〜13においては、総ての果菜類において発酵適性が高いものはなかった。
[操作性評価]
実施例1及び比較例1〜13の過程で得られた発酵物内の沈殿物やガスの有無、発酵物に粘り気があるか否かについて、目視により、以下の基準によって評価した。結果を表2に示す。
○・・・発酵物内に沈殿物やガスが目視されず、発酵物に粘り気もない。
×・・・沈殿物及び/又はガスが目視される、発酵物に粘り気がある、のいずれか一つ以上に該当する。
Figure 0004734060
表2に示されるように、実施例1においては、果菜類としていずれを用いた場合においても、操作性が良かった。一方で、比較例2と比較例9では、果菜類としてケール又はニンジンを用いたときに、比較例12では、果菜類としてニンジンを用いたときに、発酵物の操作性が悪かった。
発酵適性評価及び操作性評価の結果から、受託番号がFERM P−20560であるラクトバチルス・プランタラムに属する新規微生物を用いて果菜類の処理物を発酵させた場合には、他の菌種や菌株に比べて、発酵物が含まれる飲食品の工業的製造を、容易に行うことができる発酵物を生産できることが分かった。
[嗜好性評価]
実施例1及び比較例1〜13で得られた飲料について、香りの好み、酸味の好み、後味の良さ、総合的評価の4項目について、モニター10人によるが評点の平均値を計算した。なお、評点は、1点(悪い)〜7点(良い)の基準であった。結果を表3〜7に示す。
Figure 0004734060
Figure 0004734060
Figure 0004734060
Figure 0004734060
Figure 0004734060
香りの好みの評点は、果菜類としていずれを用いた場合においても、実施例1が最も高かった。
酸味の好みの評点は、果菜類としてニンジンを用いた場合を除き、実施例1が最も高かった。また、果菜類としてニンジンを用いた場合、実施例1は比較例13に次いで評点が高かった。
後味の好みの評点は、果菜類としてホウレン草を用いた場合を除き、実施例1が最も高いことが分かった。また、果菜類としてホウレン草を用いた場合、実施例1は比較例5及び11に次いで評点が高かった。
総合評価の評点は、果菜類としていずれを用いた場合においても、実施例1が最も高かった。
嗜好性評価の結果から、受託番号がFERM P−20560であるラクトバチルス・プランタラムに属する新規微生物を用いれば、被発酵原料としていずれの果菜類、たとえケール等の臭いの強い果菜類の処理物を含んでいても、他の菌種や菌株に比べて顕著に、嗜好性に優れた飲料(飲食品の一例である)を製造できることが分かった。
本発明の受託番号がFERM P−20560であるラクトバチルス・プランタラムに属する新規微生物は、食習慣があり安全性の高い乳酸菌であり、この微生物を用いれば、被発酵原料として果菜類の処理物を含みつつ、嗜好性に優れた飲食品の工業的製造を容易に行うことができる。

Claims (7)

  1. 受託番号がFERM P−20560であるラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)に属する新規微生物。
  2. 果菜類の処理物を請求項1記載の新規微生物により発酵させて得られる発酵物。
  3. 前記果菜類の処理物は、果菜類の搾汁又は搾汁濃縮物である請求項2記載の発酵物。
  4. 請求項2又は3記載の発酵物が含まれる飲食品。
  5. 果菜類の処理物を請求項1記載の新規微生物により発酵させることを特徴とする発酵物の製造方法。
  6. 前記果菜類の処理物は、果菜類の搾汁又は搾汁濃縮物である請求項5記載の発酵物の製造方法。
  7. 請求項2記載の発酵物を飲食品に含ませることにより、この飲食品の嗜好性を向上させる方法。
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