JP2016136913A - 植物発酵液末の製造方法、植物発酵粉末の製造方法および植物発酵液末 - Google Patents

植物発酵液末の製造方法、植物発酵粉末の製造方法および植物発酵液末 Download PDF

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Abstract

【課題】植物原材料に由来する失活していない食物酵素を含む植物発酵液末の製造方法、および植物発酵液末を提供する。【解決手段】非加熱状態にある植物原材料を、糖とともに第一の容器内に導入し、前記植物原材料から、前記植物原材料に由来する酵素を含む植物エキスを抽出する工程と、得られた前記植物エキスを第一の発酵温度で発酵させて第一の植物発酵液を調製する第一の発酵工程と、得られた前記第一の植物発酵液を第二の発酵温度で発酵させて第二の植物発酵液を調製する第二の発酵工程と、を、この順で含み、前記植物エキスを抽出する工程、前記第一の発酵工程および前記第二の発酵工程における処理温度が、常時、50℃以下となるように保持され、かつ前記第一の発酵温度が10℃以上50℃以下であり、前記第二の発酵温度が、前記第一の発酵温度よりも低い温度であり、前記第一の発酵工程の前段階において、前記植物エキス中に乳酸菌または酵母を混入させる。【選択図】なし

Description

本発明は、植物発酵液末の製造方法、植物発酵粉末の製造方法および植物発酵液末に関する。
近年、多種多様な加工食品が市場に流通している関係で、日々の食生活において、酵素を多く含有している発酵食品、生野菜、魚などを摂取する機会が低減している傾向にある人が多くなってきている。言い換えれば、食物から酵素を摂取する機会が低減している傾向にある人が多くなってきている。上述した傾向にある人は、一般的に、体内に存在する消化酵素量と代謝酵素量とのバランスが崩れやすく、上述した傾向にない人と比べて何かしらの身体的な不調を訴える場合が多い。こうした事情に鑑みて、体質改善効果や健康維持効果を期待できる健康食品について多くの研究がなされている。種々の生鮮食品に由来する食物酵素を取り入れたと称する健康食品についても、これまでに種々の報告がなされている(たとえば、特許文献1等)。
特開2009−178084号公報
食物酵素を取り入れたと称する従来の健康食品としては、ドリンクタイプ、粉末タイプおよびタブレットタイプ等の種々の形態のものがある。しかし、本発明者らは、食物酵素を取り入れたと称する従来の健康食品は、実際には、体質改善効果や健康維持効果を期待できる生鮮食品由来の酵素を含まないものがほとんどであることを知見した。そこで、本発明者らは、従来の健康食品中に体質改善効果や健康維持効果を期待できる生鮮食品由来の酵素が含まれていない要因について鋭意検討した。その結果、従来の健康食品に含まれている食物酵素は、製造原料として含めたものの、当該健康食品の製造工程において何かしらの要因で熱が加わり、失活してしまっている可能性が高いことを見出した。
以上を踏まえ、本発明は、植物原材料に由来する失活していない食物酵素を含む植物発酵液末の製造方法、および植物発酵液末を提供することを課題とする。
本発明によれば、非加熱状態にある植物原材料を、糖とともに第一の容器内に導入し、前記植物原材料から、前記植物原材料に由来する酵素を含む植物エキスを抽出する工程と、
得られた前記植物エキスを第一の発酵温度で発酵させて第一の植物発酵液を調製する第一の発酵工程と、
得られた前記第一の植物発酵液を第二の発酵温度で発酵させて第二の植物発酵液を調製する第二の発酵工程と、
を、この順で含み、
前記植物エキスを抽出する工程、前記第一の発酵工程および前記第二の発酵工程における処理温度が、常時、50℃以下となるように保持され、かつ前記第一の発酵温度が10℃以上50℃以下であり、
前記第二の発酵温度が、前記第一の発酵温度よりも低い温度であり、
前記第一の発酵工程の前段階において、前記植物エキス中に乳酸菌または酵母を混入させる、植物発酵液末の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、植物発酵液を調製する工程と、
前記植物発酵液から水分を除去することにより植物発酵粉体を調製する工程と、
前記植物発酵粉体を多孔質体に吸着させる工程と、
を含み、
前記植物発酵液が、上記植物発酵液末の製造方法により調製された上記の第二の植物発酵液である、植物発酵粉末の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、非加熱状態にある植物原材料に由来する酵素を含む植物発酵液末であって、
次の通り定義されるアミラーゼ力価が、1×10unit/g以上である、植物発酵液末が提供される。
[定義]デンプンを基質とし、40℃、pH5.0の条件において、1%デンプン溶液1mL中の前記デンプンを30分間で、波長670nm、光路長10mmの条件で測定した時のヨウ素呈色度が66%の光透過率を与えるまでに分解するアミラーゼ活性を、1unit/gのアミラーゼ力価とする。
本発明によれば、植物原材料に由来する失活していない食物酵素を含む植物発酵液末の製造方法、および植物発酵液末を提供することができる。
<<植物発酵液末の製造方法>>
本発明における植物発酵液末の製造方法は、非加熱状態にある植物原材料を、糖とともに第一の容器内に導入し、上記植物原材料から、上記植物原材料に由来する酵素を含む植物エキスを抽出する工程と、得られた植物エキスを第一の発酵温度で発酵させて第一の植物発酵液を調製する第一の発酵工程と、得られた第一の植物発酵液を第二の発酵温度で発酵させて第二の植物発酵液を調製する第二の発酵工程と、を、この順で含むものである。そして、上記植物エキスを抽出する工程、上記第一の発酵工程および上記第二の発酵工程における処理温度は、常時、50℃以下となるように保持され、かつ第一の発酵温度が10℃以上50℃以下であり、第二の発酵温度が、前記第一の発酵温度よりも低い温度である。さらに、本発明における植物発酵液末の製造方法は、上記第一の発酵工程の前段階において、上記植物エキス中に乳酸菌または酵母を混入させるものである。こうすることで、植物原材料に由来する失活していない食物酵素を含む植物発酵液末を作製することができる。
上記背景技術の項で述べたとおり、種々の生鮮食品に由来する食物酵素を取り入れたと称する健康食品について、これまでに種々の報告がなされている。また、近年の健康ブームに伴い、食物酵素を取り入れたと称する種々の健康食品(以下、酵素含有食品とも示す。)が、市場に流通している。しかし、本発明者らは、上述した従来の酵素含有食品は、体質改善効果や健康維持効果を期待できる生鮮食品由来の酵素を含まないものがほとんどであることを知見した。そこで、本発明者らは、従来の酵素含有食品中に体質改善効果や健康維持効果を期待できる生鮮食品由来の酵素が含まれていない要因について、鋭意検討した。その結果、従来の酵素含有食品を製造する際に、生鮮食品から抽出された食物酵素に対して何かしらの要因で熱が加わり、食物酵素が失活してしまっている可能性が高いことを見出した。
一般的に、酵素とは、生体内で産生されたタンパク質の内、化学反応に対して触媒作用を示す分子(酵素活性を有する分子)を指す。言い換えれば、酵素は、化学反応に対して触媒作用を示すタンパク質である。酵素は、熱による影響を受けて変性することにより酵素活性を失いやすい分子である。ここで、種々の生鮮食品に由来する食物酵素の有する酵素活性は、50℃より高い温度に加熱することで失活してしまうことが知られている。
しかし、従来の酵素含有食品に係る製造プロセスでは、当該酵素含有食品の形態に関わらず、加熱殺菌処理や加工前処理等を施すべく、結果として50℃より高い温度に加熱している場合がほとんどであった。それ故、従来の酵素含有食品においては、体質改善効果や健康維持効果を期待できる生鮮食品由来の酵素が、結果的に含まれていないという不都合が生じていたものと考えられる。
一方、本発明における植物発酵液末の製造方法は、植物原材料から抽出した酵素含有エキスを発酵させて加工するまでの全工程において、50℃より高い温度の熱量が加わらないよう製造条件を高度に制御するものである。そのため、従来の製造プロセスとは異なり、植物原材料に由来する失活していない食物酵素を含む植物発酵液末を作製できる。
本発明に係る植物発酵液末の製造方法は、50℃以下の温度条件に制御することを前提とした2段階の発酵工程を有している。具体的には、本発明に係る製造方法は、植物原材料から抽出して得られた植物エキスを第一の発酵温度で発酵させる第一の発酵工程と、上記第一の発酵工程により得られた第一の植物発酵液を上記第一の発酵温度よりも低い温度の第二の発酵温度で発酵させる第二の発酵工程と、を有している。こうすることで、上記第一の発酵工程の前段階において、上記植物エキス中に混入させた乳酸菌または酵母とは異なる種類の雑菌の増殖は最小限に抑え、乳酸菌または酵母の細胞内に存在する酵素による影響は最大限に活かすことが可能である。これにより、上記第二の発酵工程により得られる第二の植物発酵液に対して、たとえば、アミノ酸などの旨味成分量を、結果としてより多く含有させることが可能となる。
以下、本発明における植物発酵液末の製造方法について、詳細に説明する。
<植物エキスを抽出する工程>
本発明の製造方法における植物エキスを抽出する工程(以下、本抽出工程とも示す。)においては、非加熱状態にある植物原材料を、糖とともに第一の容器内に導入し、上記植物原材料から、上記植物原材料に由来する酵素を含む植物エキスを抽出する。特に、本発明においては、非加熱状態にある植物原材料を使用することが重要である。こうすることで、仕込み段階において植物原材料中に含まれる酵素が変性してしまうことを防ぐことができる。なお、本発明の製造方法における「非加熱状態にある植物原材料」とは、50℃より高い温度となるような加熱処理を施していない植物原材料のことを指す。そのため、本発明の製造方法に使用する植物原材料の形態は、非加熱状態にあるものであれば、収穫直後の状態、すなわち生の状態であっても、収穫直後の植物原材料を切り刻んだ状態であってもよいし、乾燥状態であってもよい。
本抽出工程において、上述した第一の容器内に対して、植物原材料および糖を導入する順序は、特に限定されず、植物原材料を導入した後に糖を導入してもよいし、糖を導入した後に植物原材料を導入してもよく、植物原材料と糖を同時に導入してもよい。さらには、上述した第一の容器内に対して、植物原材料と糖とを、それぞれ順不同に複数回に分けて第一の容器内に導入してもよい。
本抽出工程においては、糖の浸透圧を利用して、植物原材料から、当該植物原材料に由来する酵素を含む植物エキスを抽出している。本抽出工程において使用できる糖の具体例としては、粗糖、上白糖、白糖、甜菜糖、希少糖、オリゴ糖、和三盆糖および黒糖等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本抽出工程において系内に混入させる糖は、後述する発酵工程において、乳酸菌や酵母の細胞内において生じる乳酸発酵やアルコール発酵により、乳酸、二酸化炭素およびエタノールなどの代謝生成物に分解されることになる。このことから、後述する発酵工程において得られる植物発酵液中には、本抽出工程において系内に混入させる糖が分解されて得られた代謝生成物が含まれているといえる。そして、乳酸菌や酵母による乳酸発酵やアルコール発酵が進むにつれ、後述する発酵工程において得られる植物発酵液中の上記代謝生成物含有量は増えることになる。本発明の製造方法によれば、この代謝生成物が植物発酵液中に含有しているが故、乳酸菌や酵母とは異なる汚染細菌(雑菌)の増殖を抑制することが可能である。そのため、本発明によれば、乳酸菌または酵母の細胞内に存在する酵素による影響を最大限に活かすことが可能であり、後述する第二の発酵工程により得られる第二の植物発酵液に対して、たとえば、アミノ酸などの旨味成分量を、結果としてより多く含有させることが可能となる。
本抽出工程において使用する第一の容器は、乳酸菌または酵母が付着した容器であることが好ましい。こうすることで、本抽出工程において植物エキスを植物原材料から抽出すると同時に、得られた植物エキス中に乳酸菌又は酵母を混入させることが可能となる。そのため、本発明の植物発酵液末の製造効率を向上させることができる。また、上記乳酸菌または酵母が付着した容器としては、酵母または乳酸菌のいずれかが棲みついたヒノキ樽を使用することが好ましい。
本抽出工程における植物エキスの抽出温度は、50℃以下の温度条件に制御することが前提であるが、乳酸菌や酵母とは異なる雑菌の増殖を抑制しつつ、効率よく植物エキスを抽出する観点から、後述する第一の発酵温度より低い温度であることが好ましい。植物エキスの抽出温度は、4℃以上30℃以下に制御することが好ましく、10℃以上25℃以下に制御するとさらに好ましい。
本抽出工程における植物エキスの抽出時間は、植物原材料に由来する酵素が失活することなく植物エキスを抽出できるのであれば、特に限定されないが、効率よく植物エキスを抽出する観点から、7日間以上であることが好ましい。
本抽出工程において使用する植物原材料の具体例としては、りんご、パイナップル、大根、ごぼう、にんじん、たまねぎ、じゃがいも、しいたけ、青パパイヤ、キウイフルーツ、やまいも、かぶ、キャベツ、パセリ、ねぎ、レタス、きゅうり、いちじく、メロン、パパイヤ、マンゴー、バナナ、ぶどう、いちご、アボガド、ザクロ、トマト、芽キャベツ、ラディッシュ、クレソン、カイラン、ブロッコリー、カリフラワー、高菜、わさび、からし菜、ケール、白菜、チンゲンサイ、かいわれ大根、ザーサイ、タアサイ、山東菜、つまみ菜、小松菜、菜の花、ルッコラ、サイシン、カーボロネーロ、ホースラディッシュ、水菜、かつお菜、もも、なし、みかん、すいか、びわ、うめ、にんにく、エシャロット、青じそ、オクラ、みょうが、ゴーヤ、ほうれん草、春菊、サラダ菜、グリーンリーフ、サンチュ、紫キャベツ、ブロッコリースプラウト、アルファルファスプラウト、マスタードスプラウト、緑豆スプラウト、クレススプラウト、赤パプリカ、緑ピーマン、黄色パプリカ、サニーレタス、長いも、わかめ、プラム、レモン、アスパラガス、柿、グレープフルーツ、しょうが、セロリ、ブルーベリー、ラズベリー、れんこん、あしたば、ビート、とうもろこし、クランベリー、ブラックベリー、さくらんぼ、ミニトマト、みつば、ミント、チャービル、モロヘイヤ、ズッキーニ、パッションフルーツ、ライム、さつまいも、オレンジパプリカ、小豆、ひじき、まいたけ、えのきたけ、ぶなしめじ、なめこ、マッシュルーム、ひらたけ、エリンギ、しろまいたけ、なす、らっきょう、いよかん、いんげん、うど、ししとう、わけぎ、大豆もやし、モロッコインゲン、ゆりね、かぼちゃ、ゆず、甘夏、よもぎ、こんぶ、さといも、こごみ、きんかん、たらのめ、にら、のり、ふき、ぽんかん、とうがん、うり、くまざさ、大豆、バジル、ローリエ、マジョラム、オレガノ、タイム、レモングラス、ローズマリー、セージ、アカザ、ウコン、ドクダミ、イチョウ葉、ウコギ、エゾウコギ、タンポポ、カキドオシ、キダチアロエ、エビス草、オオバコ、カワラケツメイ、ツルナ、ツチアケビ、ナルコユリ、レンセンソウ、アカメガシワ、甘茶ヅル、オトギリソウ、甘草、クコ葉、クコの実、スイカズラ、スギナ、ツユ草、ハブ草、マタタビ、ナンテン葉、シナモン、ハトムギ、ハブクサ、松葉、高麗ニンジン、ショウブ、レイシ、アマチャヅル、トチュウ葉、アマドコロ、マカ、トンカットアリ、ラカンカ、ニンドウ、ベニバナ、エンメイ草、セッコツボク、カミツレ、カリン、田七人参、キキョウ根、ナツメ、アシュワガンダー、紅参、アガリクス、ルイボス、アムラの実、アザミ根、キャッツクロー、白米、玄米、もち米、アワ、大麦、キビ、黒ゴマ、白ゴマ、黒豆、黒大豆、小麦、プルーン、山桃、フキノトウ、イタドリ、カワツラケツメイ、コナラ、たんぽぽの根、モモの葉、ケツメイシ、イチジク葉、ビワ葉、シャゼン草、マツ葉、朝鮮人参、ツユクサ、メグスリノキ、カキ葉、シソ葉、チンピ、ショウブ葉、クワ葉、キンカン、イチイの実、アザミ、アケビの実、キダチアロエ葉、スギナ、ツルナ、ナタマメ、ナンテン葉、ハブ茶、ごぼう根、豆もやし、オレンジ、カキの実、麦芽、スモモ、マタタビ、ハッサク、ネーブルオレンジ、夏ミカン、カボス、サボン、アケビ、山ぶどう、ヒジキ、わかめ、青のり、玄米、ユリ根、クルミ、エビスグサの種子、ニンドウ、ツルナ、ミカンの皮、センシンレン、タマネギ外皮、サラシア、トウガラシ、ハッショウマメ、ムイラプアマ、イボナシツヅラフジ、ツボクサ、トゥルシー、フノリ、アンズ、大麦若葉、明日葉等が挙げられる。中でも、植物原材料に由来する酵素をより多く抽出する観点から、りんご、パイナップル、大根、ごぼう、にんじん、たまねぎ、じゃがいも、しいたけ、青パパイヤ、キウイフルーツ、やまいも、かぶ、キャベツ、パセリ、ねぎ、レタス、きゅうり、いちじく、メロン、パパイヤ、マンゴー、バナナ、ぶどう、いちご、ヨモギ、ドクダミ、キダチアロエ、ウコン、高麗人参、クコの実、ハト麦、オトギリソウ、クマザサ、白米、玄米、もち米、アワ、大麦、キビ、トウモロコシ、大豆、黒大豆および小麦からなる群より選択される1種以上を植物原材料として使用することが好ましい。特に、本抽出工程においては、アミラーゼを多く含むとされている大根、水菜、リンゴ、やまいも、カブ、ニンジン、キャベツ、パセリ、ネギ、レタス、キュウリからなる群より選択される1種以上を植物原材料として使用することが好ましい。同様に、酵素を多く含む観点から、植物原材料として野草を使用してもよい。これらの植物原材料は、1種を単独で使用してもよいが、酵素以外の栄養成分を充実させる観点から、複数種をバランスよく組み合わせて使用することが好ましい。なお、植物原材料の組み合わせとして、たとえば、上述した中から15種以上を組み合わせて用いることが考えられる。
また、本抽出工程において得られた植物エキスについては、後述する第一の発酵工程に使用する前段階において、一度、不織布等を用いて濾しておくことが好ましい。こうすることにより、本抽出工程において使用した植物原材料と、得られた植物エキスとを分離することができる。そのため、植物エキスを抽出した後の植物原材料が、後述する第一および第二の発酵工程において腐敗してしまうことを防ぐことが可能となる。
<第一の発酵工程>
本発明の製造方法における第一の発酵工程においては、植物エキスを第一の発酵温度で発酵させて第一の植物発酵液を調製する。こうすることで、系内に存在している植物原材料に由来する酵素量を増大させることができる。ここで、第一の発酵工程においては、本発明に係る製造方法により得られる植物発酵液末の有する酵素力価(詳細については、後述する。)を増大させる観点から、系内(植物エキス)に対して、別途、乳酸菌または酵母を添加しないことが好ましい。こうすることで、菌体あたりの発酵量を増大させつつ、自然界の流れに沿った本来の発酵処理を実施することができる。他方、本発明に係る製造方法により得られる植物発酵液末の製造コストを削減する観点から、第一の発酵工程において、系内(植物エキス)に対して、別途、乳酸菌または酵母を添加することが好ましい。こうすることで、単位時間当たりの発酵量を増大させること、すなわち、系全体の発酵速度を促進させることができる。
ここで、「発酵」とは、系内に存在する成分を微生物の菌体内に存在する酵素により分解する現象を指す。なお、「熟成」とは、系内に存在する成分を、微生物の菌体内に存在する酵素ではない当該系内に存在する他の酵素で分解する現象を指す。
以上を踏まえれば、本発明の製造方法における第一の発酵工程においてなされる発酵処理とは、第一の発酵工程の前段階において植物エキス中に混入させた乳酸菌または酵母の細胞内に存在する酵素によって、植物エキス中に含まれる糖やタンパク質等の成分を分解するものであるといえる。本発明においては、この第一の発酵工程によって、植物原材料に由来する酵素量を増大させるとともに、使用した植物原材料に由来するたとえば、アミノ酸などの旨味成分量を増大させることが可能である。
第一の発酵工程における第一の発酵温度は、10℃以上50℃以下の温度条件に制御することが前提であるが、乳酸菌や酵母による発酵効率を向上させる観点から、30℃以上50℃以下に制御することが好ましく、35℃以上45℃以下に制御するとさらに好ましい。なお、第一の発酵工程においては、植物エキスの液温が、酵母や乳酸菌による発酵に伴い生じた発酵熱による影響で、2〜3℃程度上昇することがある。ただし、植物エキスの液温が、50℃より高い温度とならなければ、系内に存在している植物原材料に由来する酵素が失活することはない。
第一の発酵工程における植物エキスの発酵時間は、植物原材料に由来する酵素が失活することなく発酵させることが可能であり、かつ上述した熟成が生じない条件に制御できるのであれば、特に限定されないが、好ましくは、2か月以上3年以内であり、より好ましくは、2か月以上1年以内であり、最も好ましくは、2か月以上3か月以内である。
<第二の発酵工程>
本発明の製造方法における第二の発酵工程においては、上述した第一の発酵工程により得られた第一の植物発酵液を、第一の発酵温度よりも低い温度の第二の発酵温度で発酵させて第二の植物発酵液を調製する。こうすることで、系内に存在している乳酸菌または酵母とは異なる種類の雑菌の増殖を最小限に抑えた状態で、乳酸菌または酵母の細胞内に存在する酵素による影響を最大限に活かすこと可能となる。これにより、系内に存在している植物原材料に由来する酵素量をより一層増大させることができる。以上のように、第二の発酵工程においては、系内に存在している乳酸菌または酵母とは異なる種類の雑菌の増殖を最小限に抑えた状態で発酵処理を施すことが重要である。そのため、第二の発酵処理については、たとえば、ステンレス製等の抗菌作用を有する容器(第二の容器)を用いて行うことが好ましい。こうすることで、系内に存在している乳酸菌または酵母とは異なる種類の雑菌の増殖をより一層高度に抑制することが可能となる。ここで、第二の発酵工程においては、本発明に係る製造方法により得られる植物発酵液末の有する酵素力価を増大させる観点から、系内(第一の植物発酵液)に対して、別途、乳酸菌または酵母を添加しないことが好ましい。こうすることで、菌体あたりの発酵量を増大させつつ、自然界の流れに沿った本来の発酵処理を実施することができる。他方、本発明に係る製造方法により得られる植物発酵液末の製造コストを削減する観点からは、第二の発酵工程において、系内(第一の植物発酵液)に対して、別途、乳酸菌または酵母を添加することが好ましい。こうすることで、単位時間当たりの発酵量を増大させること、すなわち、系全体の発酵速度を促進させることができる。
本発明においては、系内に存在している乳酸菌または酵母とは異なる種類の雑菌の増殖を最小限に抑えた状態、すなわち乳酸菌または酵母の細胞内に存在する酵素による影響を最大限に活かすことが可能な状態で2度目の発酵処理を行うが故、従来の酵素含有食品と比べて、系内に存在している植物原材料に由来する失活していない酵素量や使用した植物原材料に由来するたとえば、アミノ酸などの旨味成分量に富んだ植物発酵液末を得ることが可能である。
第二の発酵工程における第二の発酵温度は、50℃以下の温度条件に制御することが前提であるが、乳酸菌や酵母による発酵効率を向上させる観点から、4℃以上30℃未満に制御することが好ましく、4℃以上20℃以下に制御するとさらに好ましい。
第二の発酵工程における発酵時間は、上述した熟成が生じない程度に酵素量を増大させることができる程度の条件であればどのような条件を採用してもよいが、好ましくは、3日以上1か月以内であり、より好ましくは、7日以上1か月以内である。
ここで、系内に存在する乳酸菌または酵母は、一般的に、無酸素状態でも生育することが可能な嫌気性細菌であるといわれている。しかし、乳酸菌や酵母の生育状態は、好気性条件下である方が良好であるといわれている。そのため、第二の発酵工程においては、乳酸菌または酵母の細胞内に存在する酵素による影響を最大限に活かす観点から、たとえば、第一の植物発酵液を撹拌したりするなどの処置を施して酸素を導入しながら第二の発酵処理を行うことが好ましい。
<第二の発酵工程の後工程>
本発明に係る製造方法においては、上述した第二の発酵工程により得られた第二の植物発酵液を、たとえば、デキストリンなどの多孔質体に加熱することなく吸着させることにより、植物発酵液末を作製することが好ましい。かかる多孔質体の形態は、特に限定されないが、粉末状であることが好ましい。
くわえて、多孔質体に吸着させる前段階において、失活していない酵素量や使用した植物原材料に由来する旨味成分量に富んだ植物発酵液末を得る観点から、得られた第二の植物発酵液を凝縮した後に、当該第二の植物発酵液を多孔質体に吸着させてもよい。上述した第二の植物発酵液を凝縮する方法としては、第二の植物発酵液から水分を除去する方法などが挙げられる。
本発明に係る製造方法においては、上述した第二の発酵工程の後、得られた第二の植物発酵液を熟成させることなく植物発酵液末を作製することが好ましい。こうすることで、最終生成物である植物発酵液末の形態とした時に、当該植物発酵液末中に含まれる植物原材料に由来する酵素による触媒作用を最大限に発揮することが可能となる。
また、本発明に係る製造方法においては、本発明の目的を損なわない範囲であれば、得られた第二の植物発酵液に対して、最終生成物である植物発酵液末の栄養価を高めるために各種ビタミン類やミネラル分などの添加剤を混合してもよい。また、得られた第二の植物発酵液を多孔質体に吸着させる場合において、上記添加剤を混合するタイミングは、第二の植物発酵液を得た直後から上記第二の植物発酵液を多孔質体に吸着させるまでの間、すなわち上記第二の植物発酵液を多孔質体に吸着させる前段階であってもよいし、第二の植物発酵液を多孔質体に吸着させる際と同時、すなわち第二の植物発酵液とともに添加剤を多孔質体に吸着させてもよく、第二の植物発酵液を多孔質体に吸着させた後段階であってもよい。
本発明に係る製造方法において得られた植物発酵液末は、固体状の形態に加工しても、液状の形態に加工してよい。中でも、本発明に係る植物発酵液末は、粉末状の形態で使用することが好ましく、50℃より高く加熱しないのであれば、タブレット状などの種々の形態に加工して使用してもよい。ただし、本発明に係る植物発酵液末を液状またはペースト状に加工した製品として市場に流通させる場合には、食品衛生法に基づいて当該製品について殺菌処理を施す必要がある。
<<植物発酵粉末の製造方法>>
本発明に係る植物発酵粉末の製造方法は、上述した方法により第二の植物発酵液を調製する工程と、第二の植物発酵液から水分を除去することにより植物発酵粉体を調製する工程と、得られた上記植物発酵粉体を多孔質体に吸着させる工程と、を含むものである。こうすることで、植物原材料に由来する失活していない食物酵素を含む植物発酵粉末を得ることができる。なお、上記多孔質体としては、粉末状のデキストリンなどが挙げられる。
<<植物発酵液末>>
本発明に係る植物発酵液末は、非加熱状態にある植物原材料に由来する酵素を含むものである。この植物発酵液末は、上述した製造方法によって作製されるものであるため、植物原材料に由来する失活していない食物酵素を含むものである。そのため、本発明に係る植物発酵液末は、従来の酵素含有食品とは異なり、酵素力価を有したものであるといえる。
ここで、「酵素力価」とは、酵素の有する触媒活性量を定量的に示す尺度である。言い換えれば、「酵素力価」とは、単位重量の試料中に含まれている酵素の機能を、所定の条件下において測定した触媒活性値に置き換えて表現したものである。このように酵素の有する機能を含有量ではなく、活性値で表す理由としては、以下の2つが挙げられる。第一の理由としては、試料中に含まれる酵素量は、微量であり正確に測定することは困難である点が挙げられる。第二の理由としては、試料中に含まれている酵素によって得られる効果は、単位重量の試料当たりの酵素活性量に比例する点が挙げられる。
上述した「酵素力価」は、「一定の条件下、1分間に特定の基質1molを変化させるために要する酵素量」を1unit(ユニット)とした時、単位重量の試料あたりに何Uの酵素が含まれているかという値を、unit/gという単位を用いて表す指標である。
本発明に係る植物発酵液末は、次の通り定義されるアミラーゼ力価が、1×10unit/g以上であるが、好ましくは、2×10unit/g以上であり、さらに好ましくは、3×10unit/g以上である。なお、食物酵素を多量に含む植物原材料であるといわれている非加熱状態にある大根について、上述した条件で測定したアミラーゼ力価は、30unit/gである。以上を踏まえれば、本発明に係る植物発酵液末は、食物酵素を多量に含む植物原材料といわれている大根と比べてみても、単位重量あたりに少なくとも約300倍以上の失活していない食物酵素を含むものであるといえる。このように、本発明に係る植物発酵液末は、非加熱状態にある植物原材料を、たとえば、サラダなどの形態で食した場合には摂取できない程度に多量な失活していない食物酵素を含むものである。また、アミラーゼ力価は、高ければ高いほど好ましく、1×10unit/g以下程度あれば、消費者の体内環境がどのような状態であったとしても十分な効果を奏する。
[定義]デンプンを基質とし、40℃、pH5.0の条件において、1%デンプン溶液1mL中のデンプンを30分間で、波長670nm、光路長10mmの条件で測定した時のヨウ素呈色度が66%の光透過率を与えるまでに分解するアミラーゼ活性を、1unit/gのアミラーゼ力価とする。
本発明に係る植物発酵液末は、次の通り定義される中性プロテアーゼ力価が、好ましくは、50unit/g以上であり、より好ましくは、75unit/g以上であり、さらに好ましくは、100unit/g以上である。なお、食物酵素を多量に含む植物原材料であるといわれている非加熱状態にある大根については、定量下限を50unit/gとした場合、上述と同様に定義される中性プロテアーゼ力価が検出されない。また、中性プロテアーゼ力価は、高ければ高いほど好ましく、1×10unit/g以下程度あれば、消費者の体内環境がどのような状態であったとしても十分な効果を奏する。
[定義]乳製カゼインを基質とし、38℃、pH6.0の条件において、反応初期の1分間に1μgのL−チロシンに相当する非タンパク性のフェノール試薬呈色物質の増加をもたらす活性を、1unit/gの中性プロテアーゼ力価とする。
本発明に係る植物発酵液末は、次の通り定義される酸性プロテアーゼ力価が、好ましくは、5unit/g以上であり、さらに好ましくは、7unit/g以上である。なお、食物酵素を多量に含む植物原材料であるといわれている非加熱状態にある大根については、定量下限を50unit/gとした場合、上述と同様に定義される酸性プロテアーゼ力価が検出されない。また、酸性プロテアーゼ力価は、高ければ高いほど好ましく、1×10unit/g以下程度あれば、消費者の体内環境がどのような状態であったとしても十分な効果を奏する。
[定義]乳製カゼインを基質とし、38℃、pH3.0の条件において、反応初期の1分間に1μgのL−チロシンに相当する非タンパク性のフェノール試薬呈色物質の増加をもたらす活性を、1unit/gの酸性プロテアーゼ力価とする。
本発明に係る植物発酵液末は、単位重量の試料あたりに失活していない酵素を多量に含む酵素含有食品である。そのため、本発明に係る植物発酵液末を消費者が摂取した場合には、消化促進効果や、腸内環境改善効果等の種々の体質改善乃至健康維持効果を奏することが期待される。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
まず、酵母および乳酸菌が棲みついたヒノキ樽に、以下に示す非加熱状態にある植物原材料152種と、粗糖を充填した後、25℃(環境温度)の条件で15日間静置した。その後、ヒノキ樽から植物原材料を取り出し、樽内に残存している溶液を植物エキスとした。
植物原材料は、りんご、パイナップル、大根、ごぼう、にんじん、たまねぎ、じゃがいも、しいたけ、青パパイヤ、キウイフルーツ、やまいも、かぶ、キャベツ、パセリ、ねぎ、レタス、きゅうり、いちじく、メロン、パパイヤ、マンゴー、バナナ、ぶどう、いちご、アボガド、ザクロ、トマト、芽キャベツ、ラディッシュ、クレソン、カイラン、ブロッコリー、カリフラワー、高菜、わさび、からし菜、ケール、白菜、チンゲンサイ、かいわれ大根、ザーサイ、タアサイ、山東菜、つまみ菜、小松菜、菜の花、ルッコラ、サイシン、カーボロネーロ、ホースラディッシュ、水菜、かつお菜、もも、なし、みかん、すいか、びわ、うめ、にんにく、エシャロット、青じそ、オクラ、みょうが、ゴーヤ、ほうれん草、春菊、サラダ菜、グリーンリーフ、サンチュ、紫キャベツ、ブロッコリースプラウト、アルファルファスプラウト、マスタードスプラウト、緑豆スプラウト、クレススプラウト、赤パプリカ、緑ピーマン、黄色パプリカ、サニーレタス、長いも、わかめ、プラム、レモン、アスパラガス、柿、グレープフルーツ、しょうが、セロリ、ブルーベリー、ラズベリー、れんこん、あしたば、ビート、とうもろこし、クランベリー、ブラックベリー、さくらんぼ、ミニトマト、みつば、ミント、チャービル、モロヘイヤ、ズッキーニ、パッションフルーツ、ライム、さつまいも、オレンジパプリカ、小豆、ひじき、まいたけ、えのきたけ、ぶなしめじ、なめこ、マッシュルーム、ひらたけ、エリンギ、しろまいたけ、なす、らっきょう、いよかん、いんげん、うど、ししとう、わけぎ、大豆もやし、モロッコインゲン、ゆりね、かぼちゃ、ゆず、甘夏、よもぎ、こんぶ、さといも、こごみ、きんかん、たらのめ、にら、のり、ふき、ぽんかん、とうがん、うり、くまざさ、大豆、バジル、ローリエ、マジョラム、オレガノ、タイム、レモングラス、ローズマリー、セージの152種をバランスよく使用した。
次に、得られた植物エキスが入ったヒノキ樽を、40℃(環境温度)の条件で2か月間静置し、第一の植物発酵液を調製した。なお、上述したようにヒノキ樽を2か月間静置している際には、ヒノキ樽に入っている植物エキスの液温が、酵母及び乳酸菌による発酵に伴い生じた発酵熱による影響で、2〜3℃程度上昇することがあった。
次いで、第一の植物発酵液をステンレス製の容器に移し、上記第一の植物発酵液を撹拌しながら、25℃(環境温度)の条件で1週間保存し、第二の植物発酵液を調製した。その後、得られた第二の植物発酵液を、デキストリン粉末に吹き付けて実施例1の植物発酵液末を作製した。
(比較例1〜6)
比較例の食品としては、市販されている酵素含有食品を用いた(市販食品1〜6)。
(参考例1)
参考例1の食品としては、非加熱状態にある大根を用いた。
(参考例2)
参考例2の食品としては、30種の野菜が原材料として記載されている市販の野菜ジュースを用いた。
実施例および比較例の飲料水に対し、以下に示す測定及び評価を行った。
(評価項目)
アミラーゼ力価:実施例、比較例1〜6および参考例1〜2に係る各種食品の有するアミラーゼ力価は、一般財団法人 日本食品分析センターに依頼して測定を行った。なお、上記法人による分析結果は、1unit/gのアミラーゼ力価を、次の通り定義したものである。
[定義]デンプンを基質とし、40℃、pH5.0の条件において、1%デンプン溶液1mL中のデンプンを30分間で、波長670nm、光路長10mmの条件で測定した時のヨウ素呈色度が66%の光透過率を与えるまでに分解するアミラーゼ活性を、1unit/gのアミラーゼ力価とする。
酸性プロテアーゼ力価:実施例、比較例1〜6および参考例1〜2に係る各種食品の有する酸性プロテアーゼ力価は、一般財団法人 日本食品分析センターに依頼して測定を行った。なお、上記法人による分析結果は、1unit/gの酸性プロテアーゼ力価を、次の通り定義したものである。
[定義]乳製カゼインを基質とし、38℃、pH3.0の条件において、反応初期の1分間に1μgのL−チロシンに相当する非タンパク性のフェノール試薬呈色物質の増加をもたらす活性を、1unit/gの酸性プロテアーゼ力価とする。
中性プロテアーゼ力価:実施例、比較例1〜6および参考例1〜2に係る各種食品の有する中性プロテアーゼ力価は、一般財団法人 日本食品分析センターに依頼して測定を行った。なお、上記法人による分析結果は、1unit/gの中性プロテアーゼ力価を、次の通り定義したものである。
[定義]乳製カゼインを基質とし、38℃、pH6.0の条件において、反応初期の1分間に1μgのL−チロシンに相当する非タンパク性のフェノール試薬呈色物質の増加をもたらす活性を、1unit/gの中性プロテアーゼ力価とする。
アミノ酸スコア:実施例の植物発酵液末と、比較例1の市販食品1について遊離アミノ酸含有量を、一般財団法人 日本食品分析センターに依頼して測定を行った。上記法人による分析結果から、1985年にFAO/WHO/UNUにより提案された国際基準に基づいてアミノ酸スコアを算出した。なお、上記法人による分析は、アルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、トリプトファン、シスチンの全18種の遊離アミノ酸を対象としたものである。
上記評価項目に関する評価結果を、各食品の形態とあわせて以下の表1および表2に示す。
Figure 2016136913
Figure 2016136913
表1から分かるように、実施例1の植物発酵液末は、比較例の市販食品と異なって、植物原材料に由来する失活していない食物酵素を多量に含むものであった。また、実施例1の植物発酵液末は、食物酵素を多量に含む植物原材料といわれている大根と比べて、単位重量あたりに約1600倍の失活していない食物酵素(アミラーゼ)を含むものであった。この結果より、実施例1の植物発酵液末は、非加熱状態にある(未調理の)大根1本の重量を1000gとした場合、1gあたりに大根約1.6本分の失活していない食物酵素(アミラーゼ)を含むものであるといえる。

Claims (16)

  1. 非加熱状態にある植物原材料を、糖とともに第一の容器内に導入し、前記植物原材料から、前記植物原材料に由来する酵素を含む植物エキスを抽出する工程と、
    得られた前記植物エキスを第一の発酵温度で発酵させて第一の植物発酵液を調製する第一の発酵工程と、
    得られた前記第一の植物発酵液を第二の発酵温度で発酵させて第二の植物発酵液を調製する第二の発酵工程と、
    を、この順で含み、
    前記植物エキスを抽出する工程、前記第一の発酵工程および前記第二の発酵工程における処理温度が、常時、50℃以下となるように保持され、かつ前記第一の発酵温度が10℃以上50℃以下であり、
    前記第二の発酵温度が、前記第一の発酵温度よりも低い温度であり、
    前記第一の発酵工程の前段階において、前記植物エキス中に乳酸菌または酵母を混入させる、植物発酵液末の製造方法。
  2. 前記第二の発酵工程の後工程において、前記第二の植物発酵液を熟成させることなく植物発酵液末を作製する、請求項1に記載の植物発酵液末の製造方法。
  3. 前記第一の発酵工程においては、前記植物エキスに対して、乳酸菌または酵母を添加しない、請求項1または2に記載の植物発酵液の製造方法。
  4. 前記第二の発酵工程においては、前記第一の植物発酵液に対して、乳酸菌または酵母を添加しない、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の植物発酵液末の製造方法。
  5. 前記第一の容器が、乳酸菌または酵母が付着した容器である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の植物発酵液末の製造方法。
  6. 前記第二の発酵工程が、抗菌作用を有する第二の容器内で行われる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の植物発酵液末の製造方法。
  7. 前記糖が、粗糖、上白糖、白糖、甜菜糖、希少糖、オリゴ糖、和三盆糖および黒糖からなる群より選択される1種または2種以上である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の植物発酵液末の製造方法。
  8. 前記第一の発酵温度が、30℃以上50℃以下である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の植物発酵液末の製造方法。
  9. 前記第二の発酵温度が、4℃以上30℃未満である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の植物発酵液末の製造方法。
  10. 前記植物エキスを抽出する工程における、前記植物エキスの抽出温度が、前記第一の発酵温度よりも低い温度である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の植物発酵液末の製造方法。
  11. 前記植物原材料が、りんご、パイナップル、大根、ごぼう、にんじん、たまねぎ、じゃがいも、しいたけ、青パパイヤ、キウイフルーツ、やまいも、かぶ、キャベツ、パセリ、ねぎ、レタス、きゅうり、いちじく、メロン、パパイヤ、マンゴー、バナナ、ぶどう、いちご、ヨモギ、ドクダミ、キダチアロエ、ウコン、高麗人参、クコの実、ハト麦、オトギリソウ、クマザサ、白米、玄米、もち米、アワ、大麦、キビ、トウモロコシ、大豆、黒大豆および小麦からなる群より選択される1種以上を含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の植物発酵液末の製造方法。
  12. 前記植物原材料が野草を含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の植物発酵液末の製造方法。
  13. 前記第一の発酵工程における発酵時間は、2か月以上である、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の植物発酵液末の製造方法。
  14. 植物発酵液を調製する工程と、
    前記植物発酵液から水分を除去することにより植物発酵粉体を調製する工程と、
    前記植物発酵粉体を多孔質体に吸着させる工程と、
    を含み、
    前記植物発酵液が、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の植物発酵液末の製造方法により調製された前記第二の植物発酵液である、植物発酵粉末の製造方法。
  15. 非加熱状態にある植物原材料に由来する酵素を含む植物発酵液末であって、
    次の通り定義されるアミラーゼ力価が、1×10unit/g以上である、植物発酵液末。
    [定義]デンプンを基質とし、40℃、pH5.0の条件において、1%デンプン溶液1mL中の前記デンプンを30分間で、波長670nm、光路長10mmの条件で測定した時のヨウ素呈色度が66%の光透過率を与えるまでに分解するアミラーゼ活性を、1unit/gのアミラーゼ力価とする。
  16. 次の通り定義される中性プロテアーゼ力価が50unit/g以上である、請求項15に記載の植物発酵液末。
    [定義]乳製カゼインを基質とし、38℃、pH6.0の条件において、反応初期の1分間に1μgのL−チロシンに相当する非タンパク性のフェノール試薬呈色物質の増加をもたらす活性を、1unit/gの中性プロテアーゼ力価とする。
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