JP2002117848A - 正極活物質の製造方法及び非水電解質電池の製造方法 - Google Patents
正極活物質の製造方法及び非水電解質電池の製造方法Info
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Abstract
物と炭素材料との複合体を確実に単相合成し、優れた電
池特性を有する正極活物質の製造方法及び非水電解質電
池の製造方法を提供する。 【解決手段】 一般式LixFe1-yMyPO4で表される
化合物の合成原料を混合する混合工程と、上記混合工程
で得られた混合物にミリングを施すミリング工程と、上
記ミリング工程でミリングを施した混合物を所定の密度
に圧縮する圧縮工程と、上記圧縮工程で圧縮された混合
物を焼成する焼成工程とを備え、上記焼成前の何れかの
工程で炭素材料を添加し、上記圧縮工程において、上記
混合物の密度を1.71g/cm3以上2.45g/c
m3以下とする。
Description
にドープ及び脱ドープ可能な正極活物質及びこの正極活
物質を用いた非水電解質電池に関する。
もに、長時間便利に、且つ経済的に使用できる電源とし
て、再充電可能な二次電池の研究が進められている。代
表的な二次電池としては、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、
非水電解質二次電池等が知られている。
水電解質二次電池であるリチウムイオン二次電池は、高
出力、高エネルギー密度等の利点を有している。
チウムイオンを可逆的に脱挿入可能な活物質を有する正
極及び負極と、非水電解質とから構成されており、その
充電反応は、正極においてリチウムイオンが電解液中に
デインターカレーションし、負極では負極活物質中にリ
チウムイオンがインターカレーションすることによって
進行する。逆に、放電する場合には、上記の逆反応が進
行し、正極においては、リチウムイオンがインターカレ
ーションする。すなわち、正極からのリチウムイオンが
負極活物質に出入りする反応を繰り返すことによって充
放電を繰り返すことができる。
質としては、高エネルギー密度、高電圧を有すること等
から、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4等が用
いられている。しかし、これらの正極活物質は、クラー
ク数の低い金属元素をその組成中に有しているため、コ
ストが高くつく他、安定供給が難しいという問題があ
る。また、これらの正極活物質は、毒性も比較的高く、
環境に与える影響も大きいことから、これらに代わる新
規正極活物質が求められている。
ePO4をリチウムイオン二次電池の正極活物質として
用いることが提案されている。LiFePO4は、体積
密度が3.6g/cm3と大きく、3.4Vの高電位を
発生し、理論容量も170mAh/gと大きい。また、
LiFePO4は、初期状態で、電気化学的に脱ドープ
可能なLiを、Fe原子1個当たりに1個含んでいるの
で、リチウムイオン二次電池の正極活物質として有望な
材料である。しかもLiFePO4は、資源的に豊富で
安価な材料である鉄をその組成中に有しているため、上
述のLiCoO 2、LiNiO2、LiMn2O4等と比較
して低コストであり、また、毒性も低いため環境に与え
る影響も小さい。
率は低いため、LiFePO4を正極活物質として用い
た場合、電池の内部抵抗が増大することがある。その結
果、電池の内部抵抗の増大に起因して電池の閉回路時の
分極電位が大きくなり、電池容量が減少してしまうとい
う問題がある。また、LiFePO4の真密度は従来の
正極材料と比較して低いため、LiFePO4を正極活
物質として用いた場合、活物質充填率を十分に高めるこ
とができず、電池のエネルギー密度を十分に高めること
ができないという問題がある。
に優れる正極活物質として、オリビン構造を有し、一般
式LixFePO4(ただし、0<x≦1である。)で表
される化合物と炭素材料との複合体(以下、LiFeP
O4炭素複合体と称する。)を正極活物質として使用す
ることが提案されている。
であるLixFePO4炭素複合体中に不純物が残留して
いる場合、不純物は、電池反応には寄与しないため、電
池特性が低下してしまう。そこで、電池特性の向上を図
るためには、不純物の残留していないLixFePO4炭
素複合体を製造する、すなわちLixFePO4炭素複合
体の単相合成をする必用がある。
としては、LixFePO4の合成原料を混合し、ミリン
グを施し、所定の温度で焼成し、且つ何れかの時点で炭
素材料を添加する方法が提案されている。
円滑に進行させることは困難であり、LixFePO4炭
素複合体の単相合成を確実に行う手法は確立されていな
い。したがって、単相合成されたLixFePO4炭素複
合体を用いた非水電解質電池も実現されていない。
鑑みて創案されたものであり、一般式LixFe1-yMy
PO4で表される化合物と炭素材料との複合体を確実に
単相合成し、優れた電池容量を有する正極活物質の製造
方法及び高電池容量を有する非水電解質電池の製造方法
を提供することを目的とする。
めに、本発明に係る正極活物質の製造方法は、一般式L
ixFe1-yMyPO4(ただし、Mは、Mn、Cr、C
o、Cu、Ni、V、Mo、Ti、Zn、Al、Ga、
Mg、B及びNbからなる群より選ばれた少なくとも1
種を表す。また、0.05≦x≦1.2、0≦y≦0.
8である。)で表される化合物の合成原料を混合する混
合工程と、混合工程で得られた混合物にミリングを施す
ミリング工程と、ミリング工程でミリングを施した混合
物を所定の密度に圧縮する圧縮工程と、圧縮工程で圧縮
された混合物を焼成する焼成工程とを備え、焼成前の何
れかの工程で炭素材料を添加し、圧縮工程において、混
合物の密度を1.71g/cm3以上2.45g/cm3
以下とすることを特徴とするものである。
ミリング工程と焼成工程との間にミリングを施した混合
物、すなわち正極活物質の合成原料を所定の密度、すな
わち1.71g/cm3以上2.45g/cm3以下とす
る圧縮工程を備えている。これにより、焼成工程に投入
される混合物同士、すなわち正極活物質の合成原料同士
の間の空間が減少し、合成原料同士が接触する接触面積
が十分に確保される。そして、合成原料同士の接触面積
を十分に確保した状態で焼成を施すことにより、合成反
応の反応効率が向上し、正極活物質、すなわちLixF
e1-yMyPO4と炭素の複合体の単相合成が確実に行わ
れる。したがって、この正極活物質の製造方法によれ
ば、高電池容量を有する正極活物質の作製が可能とされ
る。
明に係る非水電解質電池の製造方法は、正極活物質を有
する正極と、負極活物質を有する負極と、非水電解質と
を備える非水電解質電池の製造方法であって、一般式L
ixFe1-yMyPO4(ただし、Mは、Mn、Cr、C
o、Cu、Ni、V、Mo、Ti、Zn、Al、Ga、
Mg、B及びNbからなる群より選ばれた少なくとも1
種を表す。また、0.05≦x≦1.2、0≦y≦0.
8である。)で表される化合物の合成原料を混合する混
合工程と、混合工程で得られた混合物にミリングを施す
ミリング工程と、ミリング工程でミリングを施した混合
物を所定の密度に圧縮する圧縮工程と、圧縮工程で圧縮
された混合物を焼成する焼成工程とを経るとともに焼成
前の何れかの工程で炭素材料を添加し、圧縮工程におい
て、混合物の密度を1.71g/cm3以上2.45g
/cm3以下とすることにより正極活物質を製造するこ
とを特徴とするものである。
は、正極活物質を製造する際に、ミリング工程と焼成工
程との間にミリングを施した混合物、すなわち正極活物
質の合成原料を所定の密度、すなわち1.71g/cm
3以上2.45g/cm3以下とする圧縮工程を備えてい
る。これにより、焼成工程に投入される混合物同士、す
なわち正極活物質の合成原料同士の間の空間が減少し、
合成原料同士が接触する接触面積が十分に確保される。
そして、合成原料同士の接触面積を十分に確保した状態
で焼成を施すことにより、合成反応の反応効率が向上
し、正極活物質、すなわちLixFe1-yMyPO4と炭素
の複合体の単相合成が確実に行われる。したがって、こ
の非水電解質電池の製造方法によれば、高電池容量を有
する正極活物質を得ることができるため、高電池容量を
備えた非水電解質電池が実現される。
て説明する。なお、本発明は、以下の記述に限定される
ものではなく、本発明を逸脱しない範囲で適宜変更可能
である。
池1は、図1に示すように、負極2と、負極2を収容す
る負極缶3と、正極4と、正極4を収容する正極缶5
と、正極4と負極2との間に配されたセパレータ6と、
絶縁ガスケット7とを備え、負極缶3及び正極缶5内に
非水電解液が充填されてなる。
チウム箔からなる。また、負極活物質として、リチウム
をドープ、脱ドープ可能な材料を用いる場合には、負極
2は、負極集電体上に、上記負極活物質を含有する負極
活物質層が形成されてなる。負極集電体としては、例え
ばニッケル箔等が用いられる。
物質としては、金属リチウム、リチウム合金、リチウム
がドープされた導電性高分子、炭素材料や金属酸化物な
どの層状化合物を用いることができる。
は、この種の非水電解液電池において負極活物質層の結
着剤として通常用いられている公知の樹脂材料等を用い
ることができる。
り、また、非水電解液電池1の外部負極となる。
る正極集電体上に、リチウムを電気化学的に放出するこ
とが可能であり、且つ吸蔵することも可逆的に可能であ
る正極活物質を含有する正極活物質層が形成されてな
る。ここで、正極活物質層は、正極活物質を主体とし、
必要に応じて結着剤や導電材等を含んでなるものであ
る。
述するが、オリビン構造を有し、一般式LixFe1-yM
yPO4(ただし、Mは、Mn、Cr、Co、Cu、N
i、V、Mo、Ti、Zn、Al、Ga、Mg、B及び
Nbからなる群より選ばれた少なくとも1種を表す。ま
た、0.05≦x≦1.2、0≦y≦0.8である。)
で表される化合物と炭素材料との複合体、すなわちLi
xFe1-yMyPO4炭素複合体を用いる。
ePO4を用い、これと炭素材料とからなる複合体、す
なわちLiFePO4炭素複合体を正極活物質として用
いる場合について説明する。
O4粒子の表面に、当該LiFePO 4粒子の粒径に比べ
て極めて小とされる粒径を有する炭素材料の粒子が多数
個、付着してなるものである。炭素材料は導電性を有す
るので、炭素材料とLiFePO4とから構成されるL
iFePO4炭素複合体は、例えばLiFePO4と比較
すると電子伝導性に優れている。すなわち、LiFeP
O4炭素複合体は、LiFePO4粒子の表面に付着する
炭素粒子により電子伝導性が向上するので、LiFeP
O4本来の容量を十分に引き出される。したがって、正
極活物質としてLiFePO4炭素複合体を用いること
により、高容量を有する非水電解液電池1を実現でき
る。
量当たりの炭素含有量は、3重量%以上であることが好
ましい。LiFePO4炭素複合体における単位重量当
たりの炭素含有量が3重量%未満である場合、LiFe
PO4粒子の表面に付着している炭素粒子の量が十分で
ないため、電子伝導性向上の効果を十分に得ることがで
きない虞がある。
材料としては、ラマン分光法において、グラファイト
(以下、Grと称する。)のラマンスペクトルの波数1
340〜1360cm-1に出現する回折線に対する波数
1570〜1590cm-1に出現する回折線の強度面積
比A(D/G)が0.3以上であるものを好適に用いる
ことができる。
に示すようにラマン分光法により測定された波数157
0〜1590cm-1に出現するGピークと波数1340
〜1360cm-1に出現するDピークとのバックグラン
ドを含まないラマンスペクトル強度面積比A(D/G)
と定義する。また、バックグランドを含まないとは、ノ
イズ部分は含まないことを意味する。
の数あるピークの中に波数1570〜1590cm-1に
現れるGピークと波数1340〜1360cm-1に現れ
るDピークと呼ばれる2つのピークが観察される。この
うち、Dピークは、本来Gピーク由来のピークではな
く、構造が歪んで構造の対称性が低くなったときに現れ
るラマン不活性のピークである。それゆえ、Dピーク
は、Grの歪んだ構造の尺度となり、DピークとGピー
クとの強度面積A(D/G)は、Grのa軸方向結晶子
サイズLaの逆数と直線的関係を有することが知られて
いる。
は、アセチレンブラック等の非晶質系炭素材料を好まし
く用いることができる。
G)が0.3以上である炭素材料は、例えば粉砕器で粉
砕する等の処理を施すことで得ることができる。そし
て、粉砕時間を制御することにより、容易に任意のA
(D/G)を有する炭素材料を得ることができる。
ボールミル等の強力な粉砕器を用いて粉砕することで構
造が容易に破壊されて非晶質化が進み、それにしたがっ
て強度面積比A(D/G)は増大する。つまり、粉砕器
の運転時間を制御することによって任意のA(D/
G)、すなわち0.3以上である炭素材料を容易に得る
ことが可能となる。したがって、粉砕を施すことによ
り、炭素材料として晶質炭素系材料等も好ましく用いる
ことができる。
度は、2.2g/cm3以上であることが好ましい。L
iFePO4炭素複合体は、その粉体密度が2.2g/
cm3以上となる程度に合成原料に対してミリングが施
されると、十分に微細化されたものとなる。したがっ
て、正極活物質の充填率が向上し、高容量を有する非水
電解液電池1を実現できる。また、LiFePO4炭素
複合体は、上記粉体密度を満たすように微小化されてい
るので、LiFePO4の比表面積も増大しているとい
える。つまり、LiFePO4と炭素材料との接触面積
を十二分に確保することができ、電子伝導性を向上させ
ることが可能となる。
2.2g/cm3未満である場合、LiFePO4炭素複
合体は十分に圧縮されてないため、正極4における活物
質充填率の向上が図れない虞がある。
ウアーエメットテラー(以下、BETと称する。)比表
面積は、10.3m2/g以上であることが好ましい。
LiFePO4炭素複合体のBET比表面積を10.3
m2/g以上とすると、単位重量当たりにおけるLiF
ePO4の比表面積を十分に大きいものとすることがで
き、LiFePO4と炭素材料との接触面積を大きくす
ることができる。したがって、正極活物質の電子伝導性
を確実に向上させることができる。
粒径は、3.1μm以下であることが好ましい。LiF
ePO4炭素複合体の1次粒径を3.1μm以下とする
ことにより、単位重量当たりにおけるLiFePO4の
比表面積を十分に大きいものとすることができ、LiF
ePO4と炭素材料との接触面積を大きくすることがで
きる。したがって、正極活物質の電子伝導性を確実に向
上させることができる。
は、この種の非水電解液電池において正極活物質層の結
着剤として通常用いられている公知の樹脂材料等を用い
ることができる。
り、また、非水電解液電池1の外部正極となる。
間させるものであり、この種の非水電解液電池のセパレ
ータとして通常用いられている公知の材料を用いること
ができ、例えばポリプロピレンなどの高分子フィルムが
用いられる。また、リチウムイオン伝導度とエネルギー
密度との関係から、セパレータの厚みはできるだけ薄い
ことが必要である。具体的には、セパレータの厚みは例
えば50μm以下が適当である。
れ一体化されている。この絶縁ガスケット7は、負極缶
3及び正極缶5内に充填された非水電解液の漏出を防止
するためのものである。
媒に電解質を溶解させた溶液が用いられる。
ボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネー
ト、ビニレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、スル
ホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキ
シエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル
−1,3−ジオキソラン、プロピオン酸メチル、酪酸メ
チル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、
ジプロピルカーボネート等を使用することができる。特
に、電圧安定性の点からは、プロピレンカーボネート、
エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレ
ンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネ
ート等の鎖状カーボネート類を使用することが好まし
い。また、このような非水溶媒は、1種類を単独で用い
ても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
は、例えば、LiPF6、LiClO4、LiAsF6、
LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2等
のリチウム塩を使用することができる。これらのリチウ
ム塩の中でも特に、LiPF 6、LiBF4を使用するこ
とが好ましい。
して、非水電解液を用いた非水電解液電池1を例に挙げ
て説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、非水電解質として、固体電解質を用いた場合にも適
用可能である。ここで、固体電解質としては、リチウム
イオン導電性を有する材料であれば無機固体電解質、ゲ
ル状電解質等の高分子固体電解質の何れも用いることが
できる。ここで、無機固体電解質としては、窒化リチウ
ム、ヨウ化リチウム等が挙げられる。また、高分子固体
電解質は、電解質塩とそれを溶解する高分子化合物とか
らなり、その高分子化合物は、ポリ(エチレンオキサイ
ド)や、同架橋体などのエーテル系高分子、ポリ(メタ
クリレート)エステル系高分子、アクリレート系高分子
等を単独、又は分子中に共重合、又は混合して用いるこ
とができる。この場合、例えばゲル状電解質のマトリッ
クスとしては、非水電解液を吸収してゲル化するもので
あれば種々の高分子材料を用いることができる。このよ
うな高分子材料としては、例えば、ポリ(ビニリデンフ
ルオロライド)や、ポリ(ビニリデンフルオロライド−
CO−ヘキサフルオロプロピレン)等のフッ素系高分
子、ポリ(エチレンオキサイド)や、同架橋体などのエ
ーテル系高分子、またポリ(アクリロニトリル)などを
用いることができる。そして、これらの中でも特に、酸
化還元安定性の観点からフッ素系高分子を用いることが
好ましい。
の製造方法について、以下に説明する。
炭素材料との複合体を、以下に示す製造方法に従って合
成する。
ePO4の合成原料を混合して混合物とした後にミリン
グを施し、さらにこの混合物を圧縮した上で焼成し、且
つ上記の焼成前の何れかの時点で炭素材料を添加する。
LixFePO4の合成原料としては、Li3PO4と、F
e3(PO4)2又はその水和物であるFe3(PO4)2・
nH2O(ただし、nは水和数である。)とを用いる。
(Li3PO4)と、下記に示すようにして合成されるリ
ン酸第一鉄八水和物(Fe3(PO4)2・8H2O)とを
用い、この合成原料に炭素材料を添加した後に種々の工
程を行うことにより、LiFePO4炭素複合体を合成
する場合について説明する。
料とを混合して混合物とする混合工程を行う。次いで、
混合工程で得られた混合物にミリングを施すミリング工
程を行う。次いで、ミリングを施した混合物を圧縮する
圧縮工程を行う。そして最後に圧縮工程で圧縮した混合
物を焼成する焼成工程を行う。
チウムとリン酸第一鉄八水和物とを所定比で混合し、さ
らに炭素材料を添加して混合物とする。
物は、硫酸鉄七水和物(FeSO4・7H2O)を水に溶
かしてなる水溶液に、リン酸水素二ナトリウム一二水和
物(2Na2HPO4・12H2O)を添加し、所定の時
間放置することにより合成される。リン酸第一鉄八水和
物の合成反応は、下記化1に示す反応式で表される。
は、その合成工程上、ある程度のFe 3+が含まれてい
る。合成原料にFe3+が残存すると、焼成により3価の
Fe化合物が生成されるため、LiFePO4炭素複合
体の単相合成が妨げられてしまう。このため、焼成前の
合成原料に還元剤を添加し、焼成時に合成原料中に含ま
れているFe3+をFe2+に還元する必要がある。
還元能力には限界があり、合成原料中のFe3+の含有率
が多すぎる場合、Fe3+が還元されきれずにLiFeP
O4炭素複合体中に残存してしまうことがある。
に対するFe3+の含有率を、61重量%以下とすること
が好ましい。合成原料であるリン酸第一鉄八水和物中の
鉄総量に対するFe3+の含有率を61重量%以下と予め
制限することにより、焼成時においてFe3+を残存させ
ることなく、すなわちFe3+に起因する不純物を生成さ
せることなく、LiFePO4炭素複合体の単相合成を
確実に行うことができる。
の放置時間が長いほど、生成物中のFe3+の含有率が多
くなるので、放置時間を所定の時間に制御することによ
り、任意のFe3+の含有率を有するリン酸第一鉄八水和
物を生成させることができる。また、リン酸第一鉄八水
和物中の鉄総量に対するFe3+の含有率は、メスバウア
測定法により測定することができる。
合成原料のリン酸第一鉄八水和物中に含まれるFe2+が
大気中の酸素や焼成等によりFe3+に酸化されたとして
も、焼成時にFe3+をFe2+に還元する還元剤として働
く。したがって、合成原料にFe3+が残存していたとし
ても、不純物の生成が防止され、LiFePO4炭素複
合体の単相合成が可能となる。さらに、炭素材料は、合
成原料に含まれるFe 2+のFe3+への酸化を防止する酸
化防止剤として働く。すなわち、炭素材料は、焼成前又
は焼成時において大気中及び焼成炉内に存在する酸素に
より、Fe2+がFe3+へ酸化されてしまうことを防止す
る。
極活物質の電子伝導性を向上させる導電材としての働き
をするとともに、還元剤及び酸化防止剤として働く。な
お、この炭素材料は、LiFePO4炭素複合体の構成
要素となるので、LiFePO4炭素複合体の合成後に
除去する必要がない。したがって、LiFePO4炭素
複合体の製造が効率化される。
量あたりの炭素含有量は、3重量%以上とすることが好
ましい。LiFePO4炭素複合体の単位重量あたりの
炭素含有量を3重量%以上とすることにより、LiFe
PO4が本来有する容量及びサイクル特性を十分に引き
出すことが可能となる。
合物に、粉砕・混合を同時に行うミリングを施す。ここ
で、ミリングとは、ボールミルを用いた強力な粉砕・混
合をいう。また、ボールミルとしては、例えばビーズミ
ル、アトライターの公知のボールミルを用いる。
すことにより、合成原料及び炭素材料を均一に混合する
ことができる。また、ミリングを施すことにより合成原
料を微細化すると、合成原料の比表面積を増大させるこ
とができる。したがって、原料同士の接触点が増大し、
引き続く焼成工程における合成反応を速やかに進行させ
ることが可能となる。
すに際しては、粒子径3μm以上の粒子の粒度分布が体
積基準の積算頻度にして22%以下となるようにするこ
とが好ましい。合成原料の粒度分布を上記範囲とするこ
とにより、合成原料は、表面積として、合成反応に十分
な表面活性を得ることができる広さを有することとな
る。これにより、焼成温度が例えば600℃という合成
原料の融点以下という低い温度であっても、反応効率が
良好であり、LiFePO4炭素複合体の単相合成を確
実に行うことができる。
度が2.2g/cm3以上となるように、ミリングを施
すことが好ましい。上記粉体密度となるように合成原料
を微小化することにより、LiFePO4の比表面積を
大きくすることができる。これにより、LiFePO4
と炭素材料との接触面積を大きくすることができ、正極
活物質の電子伝導性を向上させることが可能となる。
ミリングを施すことにより、高容量である非水電解液電
池1を実現する正極活物質を製造することができる。
加圧することにより圧縮し、圧縮後の混合物の密度(以
下、プレス密度という。)1.71g/cm3以上2.
45g/cm3以下とする。混合物のプレス密度を1.
71g/cm3以上2.45g/cm3とすることにより
LiFePO4の合成原料同士の間の空間を減らし、合
成原料同士が接触する接触面積を十分に確保することが
できる。そして、合成原料同士の接触面積を十分に確保
した状態で焼成を施すことにより、合成反応の反応効率
を向上させることができ、LiFePO4炭素複合体の
単相合成を確実に行うことができる。プレス密度が1.
71g/cm3未満の場合には、合成原料同士の接触面
積を十分に確保することができず、焼成工程での合成反
応において良好な反応効率を得ることができない。ま
た、プレス密度が2.45g/cm3を越える場合、焼
成工程における合成反応が過度に進行してしまい、Li
FePO4粒子は著しく粒子成長してしまう。その結
果、LiFePO4炭素複合体の比表面積は小さくな
り、導電材との、もしくは正極活物質同士の接触面積が
小さいものとなるので、正極活物質の電子伝導性が悪く
なってしまう。
は、ミリング工程と焼成工程との間にミリングを施した
混合物、すなわち正極活物質の合成原料を所定の密度、
すなわち1.71g/cm3以上2.45g/cm3以下
とする圧縮工程を備えているため、正極活物質、すなわ
ちLiFePO4炭素複合体の単相合成を確実に行うこ
とが可能となる。
圧縮する手段は特に限定されるものではなく、従来公知
の手法を用いることができる。
を焼成する。混合物を焼成することにより、リン酸リチ
ウムとリン酸第一鉄八水和物とを反応させ、LiFeP
O4を合成する。
示す反応式で表される。なお、下記化に示す反応式にお
いては、Li3PO4と、Fe3(PO4)2又はその水和
物であるFe3(PO4)2・nH2O(ただし、nは水和
数である。)とを反応させた場合を示す。
に、合成原料としてFe3(PO4)2を用いた場合、副
生成物が生じない。また、Fe3(PO4)2・nH2Oを
用いた場合、副生成物として無毒である水のみが生じ
る。
ウム、リン酸二水素アンモニウム及び酢酸鉄(II)を
所定比で混合し、焼成し、下記化3に示す反応によって
LiFePO4を合成していた。
に、従来のLiFePO4の合成方法では、焼成時に有
毒なアンモニアや酢酸等の副生成物が生じていた。この
ため、これら有毒な副生成物を処理するための大規模な
集気装置等の設備が必要となり、製造コスト上昇の原因
となっていた。また、これらの副生成物が大量に生じる
ため、LiFePO4の収率が低下していた。
と、Fe3(PO4)2又はその水和物であるFe3(PO
4)2・nH2O(ただし、nは水和数である。)とを用
いることにより、有毒な副生成物を生じることなく、目
的物質であるLiFePO4を得られる。言い換える
と、従来の製造方法に比べて、焼成時における安全性が
著しく向上する。また、従来では有毒な副生成物を処理
するために大規模な処理設備が必要だったが、上述した
製造方法では、副生成物が無毒である水なので、処理工
程を大幅に簡略化でき、処理設備を縮小できる。したが
って、従来の副生成物であるアンモニア等を処理する際
に比べて、製造コストを大幅に削減することができる。
さらにまた、上記化2に示す反応式から明らかなよう
に、副生成物の生成が少量であるので、LiFePO4
の収率を大幅に向上させることができる。
の合成方法により400℃〜900℃とすることが可能
であるが、電池性能を考慮すると、600℃程度とする
ことが好ましい。焼成温度が400℃未満であると、化
学反応及び結晶化が十分に進まず、合成原料であるLi
3PO4等の不純物相が存在し、均一なLiFePO4を
得られない虞がある。一方、焼成温度が900℃を上回
ると、結晶化が過剰に進行してLiFePO4の粒子が
大きくなり、LiFePO4と炭素材料との接触面積が
減少し、電子伝導性が下がるため、十分な放電容量を得
られない虞がある。
4炭素複合体中のFeは2価の状態である。このため、
合成温度である600℃程度の温度においては、LiF
ePO4炭素複合体中のFeは、焼成雰囲気中の酸素に
よって下記化4に示す反応式によりFe3+に速やかに酸
化されてしまう。これに起因して、3価のFe化合物等
の不純物が生成され、LiFePO4炭素複合体の単相
合成が妨げられてしまう。
等の不活性ガス又は水素や一酸化炭素等の還元性ガスを
用いるとともに、焼成雰囲気中の酸素濃度を、LiFe
PO 4炭素複合体中のFeが酸化されない範囲、すなわ
ち1012ppm(体積)以下とすることが好ましい。
焼成雰囲気中の酸素濃度を、1012ppm(体積)以
下とすることにより、600℃程度の合成温度において
もFeの酸化を防止し、LiFePO4炭素複合体の単
相合成を確実に行うことが可能となる。
(体積)よりも高い場合には、焼成雰囲気中の酸素量が
多すぎるため、LiFePO4炭素複合体中のFeがF
e3+に酸化されてしまい、これに起因して不純物が生成
してしまうため、LiFePO4炭素複合体の単相合成
が妨げられてしまう虞がある。
出しについては、焼成後のLiFePO4炭素複合体の
取り出し温度、すなわちLiFePO4炭素複合体を大
気中に暴露する際のLiFePO4炭素複合体の温度は
305℃以下とすることが好ましい。また、焼成後のL
iFePO4炭素複合体の取り出し温度を204℃以下
とすることがより好ましい。LiFePO4炭素複合体
の取り出し温度を305℃以下とすることにより、焼成
後のLiFePO4炭素複合体中のFeが大気中の酸素
により酸化され、不純物が生成されることを防止でき
る。
に冷却しない状態で取り出した場合、LiFePO4炭
素複合体中のFeが大気中の酸素により酸化され、不純
物が生成される虞がある。しかしながら、余り低い温度
までLiFePO4炭素複合体を冷却したのでは、作業
効率の低下を招く虞がある。
複合体の取り出し温度を305℃以下とすることによ
り、焼成後のLiFePO4炭素複合体中のFeが大気
中の酸素により酸化されて不純物が生成されることを防
止するとともに、作業効率も維持することが可能とな
り、電池特性として好ましい特性を有するLiFePO
4炭素複合体を効率よく合成することができる。
の冷却は焼成炉内で行うが、このときの冷却方法は、自
然冷却でも良く、また、強制冷却でも良い。ただし、冷
却時間の短縮、すなわち、作業効率を考慮した場合に
は、強制冷却することが好ましい。そして、強制冷却す
る場合には、焼成炉内を上述した酸素濃度、すなわち1
012ppm(体積)以下とするように酸素と不活性ガ
スとの混合ガス、又は不活性ガスのみを焼成炉内に供給
すれば良い。
炭素複合体を正極活物質として用いた非水電解液電池1
は、例えば次のようにして製造される。
剤とを溶媒中に分散させてスラリーの負極合剤を調製す
る。次に、得られた負極合剤を集電体上に均一に塗布、
乾燥して負極活物質層を形成することにより負極2が作
製される。上記負極合剤の結着剤としては、公知の結着
剤を用いることができる他、上記負極合剤に公知の添加
剤等を添加することができる。また、負極活物質となる
金属リチウムをそのまま負極2として用いることもでき
る。
LiFePO4炭素複合体と結着剤とを混合して正極合
剤を調製し、溶媒中に分散させてスラリー状とする。
電体上に均一に塗布、乾燥して正極活物質層を形成する
ことにより正極4が作製される。上記正極合剤の結着剤
としては、公知の結着剤を用いることができる他、上記
正極合剤に公知の添加剤等を添加することができる。
解することにより調製される。
4を正極缶5に収容し、負極2と正極4との間に、ポリ
プロピレン製多孔質膜等からなるセパレータ6を配す
る。負極缶3及び正極缶5内に非水電解液を注入し、絶
縁ガスケット7を介して負極缶3と正極缶5とをかしめ
て固定することにより、コイン型の非水電解液電池1が
完成する。
池1は、単相合成されたLiFePO4複合体を正極活
物質として用いているため、高電池容量を備えた非水電
解質電池とされる。
非水電解液電池1は、円筒型、角型、コイン型、ボタン
型等、その形状については特に限定されることはなく、
また、薄型、大型等の種々の大きさにすることができ
る。
説明する。ここでは、本発明の効果を調べるべく、Li
FePO4炭素複合体を合成し、得られたLiFePO4
炭素複合体を正極活物質として用いて非水電解質電池を
作製し、その特性を評価した。
O4複合体を合成した。この正極活物質の製造方法を以
下に示す。
H2Oとを、リチウムと鉄との元素比率が1:1となる
ように混合し、アセチレンブラック粉末を焼成物全体の
10重量%となるように添加して混合物とした。次に、
混合物及び直径10mmのアルミナ製ボールを、質量比
で混合物:アルミナ製ボール=1:200として体積容
500ccのアルミナ製容器に投入し、ボールミル用回
転架台に設置し、ボールミルを用いて下記に示す条件で
この混合物にミリングを施した。
て直径15.5mmのステンレスダースに投入し、手動
の油圧プレス機で2.0t/cm2の圧力で加圧してペ
レット状に成形した。ここで、混合物のプレス密度は、
このペレットの厚さから体積を計算し、秤量したペレッ
トの重量より求めた。
れ、窒素雰囲気中の電気炉にて600℃の温度で5時間
焼成することによりLiFePO4炭素複合体を得た。
合体を用い、LiFePO4炭素複合体を85重量部、
導電剤としてアセチレンブラックを10重量部、結着剤
としてフッ素樹脂粉末であるポリ(ビニリデンフルオロ
ライド)5重量部を混合した後、加圧成形してペレット
状の正極とした。
打ち抜くことにより負極とした。
ルカーボネートとの等容量混合溶媒に、LiPF6を1
mol/lの濃度で溶解させることにより非水電解液を
調製した。
収容し、負極を負極缶に収容し、正極と負極との間にセ
パレータを配した。正極缶及び負極缶内に非水電解液を
注入し、正極缶と負極缶とをかしめて固定することによ
り、直径20.0mm、厚み1.6mmの2016型の
コイン型テストセルを作製した。
形する際の圧力を2.1t/cm2としたこと以外は、
実施例1と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
形する際の圧力を2.2t/cm2としたこと以外は、
実施例1と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
形する際の圧力を2.3t/cm2としたこと以外は、
実施例1と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
形する際の圧力を2.4t/cm2としたこと以外は、
実施例1と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
形する際の圧力を1.5t/cm2としたこと以外は、
実施例1と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
形する際の圧力を1.6t/cm2としたこと以外は、
実施例1と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
形する際の圧力を1.7t/cm2としたこと以外は、
実施例1と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
形する際の圧力を1.8t/cm2としたこと以外は、
実施例1と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
形する際の圧力を1.9t/cm2としたこと以外は、
実施例1と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
例1乃至比較例5で合成した正極活物質に対してX線回
折測定を行った。その結果を表1に示す。なお、表1に
おいては、JCPDS−No.401499に記載され
る粉末X線回折線と適合し、且つ他の回折線が確認され
ないものをLiFePO4の単相合成が行われたものと
して○を記した。そして、JCPDS−No.4014
99に記載される粉末X線回折線と適合しない、又は適
合しても他の回折線が確認されたものは、LiFePO
4の単相合成が行われなかったものとして×を記した。
する際の成形圧力が2.0t/cm 2以上、すなわちプ
レス密度が1.71g/cm3以上である実施例1乃至
実施例5では、JCPDS−No.401499に記載
される粉末X線回折線と適合し、且つ他の回折線が確認
されておらず、LiFePO4炭素複合体の単相合成が
行われたことが判る。
際の成形圧力が1.9t/cm2以下、すなわちプレス
密度が1.65g/cm3以下である比較例1乃至比較
例5では、図3に示すように焼成体中にLi3PO4やL
i3Fe2(PO4)3などのJCPDS−No.4014
99に記載される粉末X線回折線以外の回折線が確認さ
れたため、LiFePO4炭素複合体の単相合成が行わ
れなかったことが判る。これは、プレス密度が低すぎる
ため、LiFePO4炭素複合体の合成原料同士の接触
面積が十分に確保できていないため、LiFePO4の
合成反応が進行せず、焼成体中に不純物が残留してしま
ったためであると考えられる。
素複合体の合成法において、焼成工程に投入するLiF
ePO4炭素複合体の合成原料のプレス密度を1.71
g/cm3以上とすることによりLiFePO4炭素複合
体の単相合成を確実に行うことができるといえる。
乃至実施例5及び比較例1乃至比較例5のコイン型テス
トセルについて、以下のようにして充放電試験を行い、
初期放電容量密度を評価した。
流充電を行い、電池電圧が4.2Vになった時点で、定
電流充電から定電圧充電に切り替えて、電圧を4.2V
に保ったまま充電を行った。そして、電流が0.01m
A/cm2以下になった時点で充電を終了させた。その
後、放電を行い、電池電圧が2.0Vまで低下した時点
で放電を終了させた。なお、充電時、放電時ともに常温
(25℃)で行い、このときの電流密度は0.1mA/
cm2とした。その結果を結果を表1に合わせて示す。
合物を成形する際の成形圧力が2.0t/cm2以上、
すなわちプレス密度が1.71g/cm3以上である実
施例1乃至実施例5では、初期放電容量密度は、全てに
おいて良好な値を示した。
際の成形圧力が1.9t/cm2以下、すなわちプレス
密度が1.65g/cm3以下である比較例1乃至比較
例5では、初期放電容量密度は全て低い値を示した。こ
れは、プレス密度が低すぎるためLiFePO4の合成
が進行せず、正極活物質であるLiFePO4炭素複合
体が単相合成されず、電池反応に寄与する正極活物質量
が少ないためであると考えられる。
FePO4炭素複合体の合成原料のプレス密度を1.7
1g/cm3以上とすることによりLiFePO4炭素複
合体の単相合成を確実に行うことができるため、初期放
電容量密度に優れた正極活物質を得ることができ、初期
放電容量密度に優れた非水電解質電池を実現できるとい
える。
際の成形圧力を大幅に高めた場合について検討した。
形する際の圧力を高めるためにスレンレスダイスの直径
を10mmとし、成形圧力を4.8t/cm2としたこ
と以外は、実施例1と同様にしてコイン型テストセルを
作製した。
形する際の圧力を高めるためにスレンレスダイスの直径
を10mmとし、成形圧力を5.0t/cm2としたこ
と以外は、施例1と同様にしてコイン型テストセルを作
製した。
形する際の圧力を高めるためにスレンレスダイスの直径
を10mmとし、成形圧力を5.3t/cm2としたこ
と以外は、実施例1と同様にしてコイン型テストセルを
作製した。
形する際の圧力を高めるためにスレンレスダイスの直径
を10mmとし、成形圧力を5.5t/cm2としたこ
と以外は、実施例1と同様にしてコイン型テストセルを
作製した。
6及び比較例7で合成した正極活物質に対してX線回折
測定を行った。その結果を表2に示す。なお、表2にお
いては、上記と同様にJCPDS−No.401499
に記載される粉末X線回折線と適合し、且つ他の回折線
が確認されないものをLiFePO4の単相合成が行わ
れたものとして○を記した。そして、JCPDS−N
o.401499に記載される粉末X線回折線と適合し
ない、又は適合しても他の回折線が確認されたものは、
LiFePO4の単相合成が行われなかったものとして
×を記した。
PDS−No.401499に記載される粉末X線回折
線と適合し、且つ他の回折線が確認されておらず、Li
FePO4炭素複合体の単相合成が行われたことが判
る。これは、プレス密度が高いため、LiFePO4炭
素複合体の合成原料同士の接触面積が十分に確保でき、
LiFePO4の合成反応が良好に進行し、焼成体中に
不純物が残留していないためであると考えられる。
6、実施例7、比較例6及び比較例7のコイン型テスト
セルについて、上記と同様にして充放電試験を行い、初
期放電容量密度を評価した。その結果を表2に合わせて
示す。
する際の成形圧力が5.0t/cm 2、すなわちプレス
密度が2.45g/cm3以下である実施例6及び実施
例7では、良好な初期放電容量密度を示していることが
判る。
際の成形圧力が5.3t/cm2、すなわちプレス密度
が2.48g/cm3以上である比較例6及び比較例7
では、初期放電容量密度が低くなっていることが判る。
これは、ミリングを施した混合物を成形する際の成形圧
力を5.3t/cm2、すなわちプレス密度を2.48
g/cm3まで高めてしまうと、LiFePO4炭素複合
体の合成原料同士の接触面積が大きくなりすぎてしま
い、LiFePO4の合成反応が過度に進行し、LiF
ePO4粒子が著しく成長してしまう。その結果、Li
FePO4炭素複合体の比表面積が小さくなることによ
りLiFePO4炭素複合体と導電材との接触面積が減
少してしまい、LiFePO4炭素複合体の電子伝導性
が低下したためであると考えられる。
FePO4炭素複合体の合成原料のプレス密度を1.7
1g/cm3以上2.45g/cm3以下とすることによ
りLiFePO4炭素複合体の単相合成を確実に行うこ
とができるため、初期放電容量密度に優れた正極活物質
を得ることができ、初期放電容量密度に優れた非水電解
質電池を実現できるといえる。
素複合体以外のLixFe1-yMyPO 4炭素複合体を合成
し、これを用いた電池の特性評価を行った。
O4炭素複合体の代わりに、LiFe0.2Mn0.8PO4を
用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型テスト
セルを作製し、上記と同様にして充放電試験を行ったと
ころ、上述した実施例1乃至実施例7と同様の効果が確
認された。
O4炭素複合体の代わりに、LiFe0.2Cr0.8PO4を
用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型テスト
セルを作製し、上記と同様にして充放電試験を行ったと
ころ、上述した実施例1乃至実施例7と同様の効果が確
認された。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.2Co0.8PO4
を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型テス
トセルを作製し、上記と同様にして充放電試験を行った
ところ、上述した実施例1乃至実施例7と同様の効果が
確認された。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.2Cu0.8PO4
を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型テス
トセルを作製し、上記と同様にして充放電試験を行った
ところ、上述した実施例1乃至実施例7と同様の効果が
確認された。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.2Ni0.8PO4
を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型テス
トセルを作製し、上記と同様にして充放電試験を行った
ところ、上述した実施例1乃至実施例7と同様の効果が
確認された。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.25V0.75PO4
PO4を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン
型テストセルを作製し、上記と同様にして充放電試験を
行ったところ、上述した実施例1乃至実施例7と同様の
効果が確認された。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.25Mo0.7 5P
O4を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型
テストセルを作製し、上記と同様にして充放電試験を行
ったところ、上述した実施例1乃至実施例7と同様の効
果が確認された。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.25Ti0.7 5P
O4を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型
テストセルを作製し、上記と同様にして充放電試験を行
ったところ、上述した実施例1乃至実施例7と同様の効
果が確認された。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.3Zn0.7PO4
を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型テス
トセルを作製し、上記と同様にして充放電試験を行った
ところ、上述した実施例1乃至実施例7と同様の効果が
確認された。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.3Al0.7PO4
を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型テス
トセルを作製し、上記と同様にして充放電試験を行った
ところ、上述した実施例1乃至実施例7と同様の効果が
確認された。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.3Ga0.7PO4
を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型テス
トセルを作製し、上記と同様にして充放電試験を行った
ところ、上述した実施例1乃至実施例7と同様の効果が
確認された。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.25Mg0.7 5P
O4を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型
テストセルを作製し、上記と同様にして充放電試験を行
ったところ、上述した実施例1乃至実施例7と同様の効
果が確認された。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.25B0.75PO4
を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型テス
トセルを作製し、上記と同様にして充放電試験を行った
ところ、上述した実施例1乃至実施例7と同様の効果が
確認された。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.25Nb0.7 5P
O4を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型
テストセルを作製し、上記と同様にして充放電試験を行
ったところ、上述した実施例1乃至実施例7と同様の効
果が確認された。
した。
に示すようにして作製した。まず、ヘキサフルオロプロ
ピレンが6.9重量%の割合で共重合されたポリフッ化
ビニリデンと、非水電解液と、ジメチルカーボネートと
を混合し、撹拌、溶解させ、ゾル状の電解質溶液を調製
した。次いで、ゾル状の電解質溶液に、ビニレンカーボ
ネート(VC)を0.5重量%の割合で添加してゲル状
電解質溶液とした。なお、非水電解液として、エチレン
カーボネート(EC)と、プロピレンカーボネート(P
C)とを体積比で6:4の割合で混合した混合溶媒にL
iPF6を0.85mol/kgの割合で溶解させたも
のを使用した。
した。まず、実施例1で作製したLiFePO4炭素複
合体を85重量部、導電剤としてアセチレンブラックを
10重量部、結着剤としてフッ素樹脂粉末であるポリ
(ビニリデンフルオロライド)5重量部とを混合して正
極合剤を調製した後、N−メチルピロリドンを加えてス
ラリー状にしたものを準備した。次に、このスラリーを
厚み20μmのアルミ箔に塗布、加熱乾燥後、加圧工程
を経て正極塗布箔を作製した。次に、この正極塗布箔の
片面にゲル状電解質溶液を塗布後、乾燥して溶剤を除去
した後、セルの径に準じて直径15mmの円形に打ち抜
き、正極電極とした。
した。まず、黒鉛粉末にバインダーとしてフッ素樹脂粉
末を10重量%混合し、N−メチルピロリドンを加えて
スラリー状にしたものを準備した。次に、このスラリー
を銅箔に塗布、加熱乾燥後、加圧工程を経てセルの大き
さに準じて直径16.5mmの円形に打ち抜き、負極電
極とした。
収容し、負極を負極缶に収容し、正極と負極との間にセ
パレータを配した。そして、正極缶と負極缶とをかしめ
て固定することにより、直径20mm、厚み1.6mm
の2016型のコイン型リチウムポリマー電池を作製し
た。
例5で作製したLiFePO4炭素複合体を用いたこと
以外は、実施例22と同様にしてコイン型リチウムポリ
マー電池を作製した。
実施例23のコイン型リチウムポリマー電池について、
以下のようにして充放電サイクル特性試験を行い、初期
放電容量密度及び30サイクル後の放電容量維持率を求
めた。
ル特性は、充放電を繰り返した後の容量維持率により評
価した。
電流充電を行い、電池電圧が4.2Vになった時点で、
定電流充電から定電圧充電に切り替えて、電圧を4.2
Vに保ったまま充電を行った。そして、電流が0.01
mA/cm2以下になった時点で充電を終了させた。そ
の後、放電を行い、電池電圧が2.0Vまで低下した時
点で放電を終了させた。
0サイクル行い、1サイクル目及び30サイクル目にお
ける放電容量を求めた。そして、1サイクル目の放電容
量(C1)に対する、30サイクル目の放電容量(C
2)の比率((C2/C1)×100)を放電容量維持
率として求めた。なお、充電時、放電時ともに常温(2
5℃)で行い、このときの電流密度は0.1mA/cm
2とした。その結果を表3に示す。
5の正極活物質を用いた実施例22及び実施例23は、
初期放電容量密度、30サイクル後の容量維持率ともに
良好な値を示している。このことから、本発明に係る正
極活物質は、非水電解質として非水電解液の代わりにゲ
ル状電解質を用いた場合においても放電容量の向上とい
う効果を得られることが確認された。
素複合体以外のLixFe1-yMyPO 4炭素複合体を合成
し、これを用いたポリマー電池の特性評価を行った。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.2Mn0.8PO4
炭素複合体を用いて、ミリングを施した混合物を成形す
る際の成形圧力を2.0t/cm2、すなわちプレス密
度を1.71g/cm3としたこと以外は実施例22と
同様にしてコイン型リチウムポリマー電池を作製し、上
記と同様にして充放電サイクル試験を行ったところ、上
述した実施例22及び実施例23と同様の効果が確認さ
れた。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.2Cr0.8PO4
炭素複合体を用いて、ミリングを施した混合物を成形す
る際の成形圧力を2.0t/cm2、すなわちプレス密
度を1.71g/cm3としたこと以外は実施例22と
同様にしてコイン型リチウムポリマー電池を作製し、上
記と同様にして充放電サイクル試験を行ったところ、上
述した実施例22及び実施例23と同様の効果が確認さ
れた。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.2Co0.8PO4
炭素複合体を用いて、ミリングを施した混合物を成形す
る際の成形圧力を2.0t/cm2、すなわちプレス密
度を1.71g/cm3としたこと以外は実施例22と
同様にしてコイン型リチウムポリマー電池を作製し、上
記と同様にして充放電サイクル試験を行ったところ、上
述した実施例22及び実施例23と同様の効果が確認さ
れた。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.2Cu0.8PO4
炭素複合体を用いて、ミリングを施した混合物を成形す
る際の成形圧力を2.0t/cm2、すなわちプレス密
度を1.71g/cm3としたこと以外は実施例22と
同様にしてコイン型リチウムポリマー電池を作製し、上
記と同様にして充放電サイクル試験を行ったところ、上
述した実施例22及び実施例23と同様の効果が確認さ
れた。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.2Ni0.8PO4
炭素複合体を用いて、ミリングを施した混合物を成形す
る際の成形圧力を2.0t/cm2、すなわちプレス密
度を1.71g/cm3としたこと以外は実施例22と
同様にしてコイン型リチウムポリマー電池を作製し、上
記と同様にして充放電サイクル試験を行ったところ、上
述した実施例22及び実施例23と同様の効果が確認さ
れた。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.25V0.75PO4
炭素複合体を用いて、ミリングを施した混合物を成形す
る際の成形圧力を2.0t/cm2、すなわちプレス密
度を1.71g/cm3としたこと以外は実施例22と
同様にしてコイン型リチウムポリマー電池を作製し、上
記と同様にして充放電サイクル試験を行ったところ、上
述した実施例22及び実施例23と同様の効果が確認さ
れた。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.25Mo0.7 5P
O4炭素複合体を用いて、ミリングを施した混合物を成
形する際の成形圧力を2.0t/cm2、すなわちプレ
ス密度を1.71g/cm3としたこと以外は実施例2
2と同様にしてコイン型リチウムポリマー電池を作製
し、上記と同様にして充放電サイクル試験を行ったとこ
ろ、上述した実施例22及び実施例23と同様の効果が
確認された。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.25Ti0.7 5P
O4炭素複合体を用いて、ミリングを施した混合物を成
形する際の成形圧力を2.0t/cm2、すなわちプレ
ス密度を1.71g/cm3としたこと以外は実施例2
2と同様にしてコイン型リチウムポリマー電池を作製
し、上記と同様にして充放電サイクル試験を行ったとこ
ろ、上述した実施例22及び実施例23と同様の効果が
確認された。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.3Zn0.7PO4
炭素複合体を用いて、ミリングを施した混合物を成形す
る際の成形圧力を2.0t/cm2、すなわちプレス密
度を1.71g/cm3としたこと以外は実施例22と
同様にしてコイン型リチウムポリマー電池を作製し、上
記と同様にして充放電サイクル試験を行ったところ、上
述した実施例22及び実施例23と同様の効果が確認さ
れた。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.3Al0.7PO4
炭素複合体を用いて、ミリングを施した混合物を成形す
る際の成形圧力を2.0t/cm2、すなわちプレス密
度を1.71g/cm3としたこと以外は実施例22と
同様にしてコイン型リチウムポリマー電池を作製し、上
記と同様にして充放電サイクル試験を行ったところ、上
述した実施例22及び実施例23と同様の効果が確認さ
れた。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.3Ga0.7PO4
炭素複合体を用いて、ミリングを施した混合物を成形す
る際の成形圧力を2.0t/cm2、すなわちプレス密
度を1.71g/cm3としたこと以外は実施例22と
同様にしてコイン型リチウムポリマー電池を作製し、上
記と同様にして充放電サイクル試験を行ったところ、上
述した実施例22及び実施例23と同様の効果が確認さ
れた。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.25Mg0.7 5P
O4炭素複合体を用いて、ミリングを施した混合物を成
形する際の成形圧力を2.0t/cm2、すなわちプレ
ス密度を1.71g/cm3としたこと以外は実施例2
2と同様にしてコイン型リチウムポリマー電池を作製
し、上記と同様にして充放電サイクル試験を行ったとこ
ろ、上述した実施例22及び実施例23と同様の効果が
確認された。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.25B0.75PO4
炭素複合体を用いて、ミリングを施した混合物を成形す
る際の成形圧力を2.0t/cm2、すなわちプレス密
度を1.71g/cm3としたこと以外は実施例22と
同様にしてコイン型リチウムポリマー電池を作製し、上
記と同様にして充放電サイクル試験を行ったところ、上
述した実施例22及び実施例23と同様の効果が確認さ
れた。
PO4炭素複合体の代わりに、LiFe0.25Nb0.7 5P
O4炭素複合体を用いて、ミリングを施した混合物を成
形する際の成形圧力を2.0t/cm2、すなわちプレ
ス密度を1.71g/cm3としたこと以外は実施例2
2と同様にしてコイン型リチウムポリマー電池を作製
し、上記と同様にして充放電サイクル試験を行ったとこ
ろ、上述した実施例22及び実施例23と同様の効果が
確認された。
一般式LixFe1-yMyPO4(ただし、Mは、Mn、C
r、Co、Cu、Ni、V、Mo、Ti、Zn、Al、
Ga、Mg、B及びNbからなる群より選ばれた少なく
とも1種を表す。また、0.05≦x≦1.2、0≦y
≦0.8である。)で表される化合物の合成原料を混合
する混合工程と、上記混合工程で得られた混合物にミリ
ングを施すミリング工程と、上記ミリング工程でミリン
グを施した混合物を所定の密度に圧縮する圧縮工程と、
上記圧縮工程で圧縮された混合物を焼成する焼成工程と
を備え、上記焼成前の何れかの工程で炭素材料を添加
し、上記圧縮工程において、上記混合物の密度を1.7
1g/cm3以上2.45g/cm3以下とするものであ
る。
造方法では、ミリング工程と焼成工程との間にミリング
を施した混合物、すなわち正極活物質の合成原料を所定
の密度、すなわち1.71g/cm3以上2.45g/
cm3以下とする圧縮工程を備えているため、正極活物
質、すなわちLiFePO4炭素複合体の単相合成が確
実に行うことができる。
よれば、正極活物質の単相合成が可能とされ、高電池容
量を有する正極活物質の製造方法を提供することが可能
となる。
方法は、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有す
る負極と、非水電解質とを備える非水電解質電池の製造
方法であって、一般式LixFe1-yMyPO4(ただし、
Mは、Mn、Cr、Co、Cu、Ni、V、Mo、T
i、Zn、Al、Ga、Mg、B及びNbからなる群よ
り選ばれた少なくとも1種を表す。また、0.05≦x
≦1.2、0≦y≦0.8である。)で表される化合物
の合成原料を混合する混合工程と、上記混合工程で得ら
れた混合物にミリングを施すミリング工程と、上記ミリ
ング工程でミリングを施した混合物を所定の密度に圧縮
する圧縮工程と、上記圧縮工程で圧縮された混合物を焼
成する焼成工程とを経るとともに上記焼成前の何れかの
工程で炭素材料を添加し、上記圧縮工程において、上記
混合物の密度を1.71g/cm3以上2.45g/c
m3以下とすることにより上記正極活物質を製造するも
のである。
の製造方法では、正極活物質を製造する際に、ミリング
工程と焼成工程との間にミリングを施した混合物、すな
わち正極活物質の合成原料を所定の密度、すなわち1.
71g/cm3以上2.45g/cm3以下とする圧縮工
程を備えているため、正極活物質、すなわちLiFeP
O4炭素複合体の単相合成が確実に行うことができる。
よれば、正極活物質の単相合成が可能とされ、高電池容
量を有する正極活物質が得られるため、高電池容量を備
えた非水電解質電池の製造方法を提供することが可能と
なる。
例を示す縦断面図である。
図である。
である。
極、5 正極缶、6 セパレータ、7 絶縁ガスケット
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式LixFe1-yMyPO4(ただし、
Mは、Mn、Cr、Co、Cu、Ni、V、Mo、T
i、Zn、Al、Ga、Mg、B及びNbからなる群よ
り選ばれた少なくとも1種を表す。また、0.05≦x
≦1.2、0≦y≦0.8である。)で表される化合物
の合成原料を混合する混合工程と、上記混合工程で得ら
れた混合物にミリングを施すミリング工程と、上記ミリ
ング工程でミリングを施した混合物を所定の密度に圧縮
する圧縮工程と、上記圧縮工程で圧縮された混合物を焼
成する焼成工程とを備え、 上記焼成前の何れかの工程で炭素材料を添加し、 上記圧縮工程において、上記混合物の密度を1.71g
/cm3以上2.45g/cm3以下とすることを特徴と
する正極活物質の製造方法。 - 【請求項2】 正極活物質を有する正極と、負極活物質
を有する負極と、非水電解質とを備える非水電解質電池
の製造方法であって、 一般式LixFe1-yMyPO4(ただし、Mは、Mn、C
r、Co、Cu、Ni、V、Mo、Ti、Zn、Al、
Ga、Mg、B及びNbからなる群より選ばれた少なく
とも1種を表す。また、0.05≦x≦1.2、0≦y
≦0.8である。)で表される化合物の合成原料を混合
する混合工程と、上記混合工程で得られた混合物にミリ
ングを施すミリング工程と、上記ミリング工程でミリン
グを施した混合物を所定の密度に圧縮する圧縮工程と、
上記圧縮工程で圧縮された混合物を焼成する焼成工程と
を経るとともに上記焼成前の何れかの工程で炭素材料を
添加し、 上記圧縮工程において、上記混合物の密度を1.71g
/cm3以上2.45g/cm3以下とすることにより上
記正極活物質を製造することを特徴とする非水電解質電
池の製造方法。 - 【請求項3】 上記非水電解質として液系電解質を用い
ることを特徴とする請求項2記載の非水電解質電池の製
造方法。 - 【請求項4】 上記非水電解質としてポリマー電解質を
用いることを特徴とする請求項2記載の非水電解質電池
の製造方法。
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