JP2004359538A - リン酸リチウム凝集体、その製造方法及びリチウム鉄リン系複合酸化物の製造方法 - Google Patents

リン酸リチウム凝集体、その製造方法及びリチウム鉄リン系複合酸化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【目的】 本発明の目的は、アリルアルコール製造用触媒、機能性無機材料の製造原料の用途、無機固体電解質の原料、特にリチウム二次電池の正極活物質として用いるLiMPO4(MはFe、Mn、Ni、Co及びAlから選ばれる少なくとも1種以上を示す。)の製造原料として有用な微細で反応性及び流動性、更には粉砕等の加工性に優れた高純度なリン酸リチウム凝集体、その製造方法および該リン酸リチウム凝集体を用いるリチウム二次電池の正極活物質として有用なリチウム鉄リン系複合酸化物の製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明にかかるリン酸リチウムは、微細な一次粒子が集合体を形成してなり、該集合体の平均粒径が1〜10μmで、安息角が50度以下であることを特徴とするリン酸リチウム凝集体である。
【選択図】 なし






Description

本発明は、アリルアルコール製造用触媒、機能性無機材料の製造原料の用途、無機固体電解質の原料、特に、リチウム二次電池の正極活物質で用いるLiMPO4(MはFe、Mn、Ni、Co及びAlから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を示す。)の製造原料として有用なリン酸リチウム凝集体、その製造方法及び該リン酸リチウム凝集体を用いたリチウム鉄リン系複合酸化物の製造方法に関するものである。
近年、家庭電器においてポータブル化、コードレス化が急速に進むに従い、ラップトップ型パソコン、携帯電話、ビデオカメラ等の小型電子機器の電源としてリチウムイオン二次電池が実用化されている。このリチウムイオン二次電池については、1980年に水島等によりコバルト酸リチウムがリチウムイオン二次電池の正極活物質として有用であるとの報告{「マテリアル リサーチブレティン」Vol15、P783−789(1980)}がなされて以来、コバルト酸リチウムに関する研究開発が活発に進められており、これまで多くの提案がなされている。
しかしながら、Coは地球上に偏在し、希少な資源であるため、コバルト酸リチウムに代わる新たな正極活物質として、例えば、LiNiO2、LiMn24、LiFeO2、LiFePO4等の開発が進められている。
中でもLiFePO4は、体積密度が3.6g/cm3と大きく、3.4Vの高電位を発生し、理論容量も170mAh/gと大きいという特徴を持つ。そして、Feは資源が豊富で安価であることに加え、LiFePO4は初期状態で電気化学的に脱ドープ可能なLiをFe原子1個当たりに1個含んでいるので、コバルト酸リチウムに代わる新たなリチウム二次電池の正極活物質としての期待は大きい。
LiFePO4又はこのFeの一部を他の金属で置換したLiFePO4を正極活物質とするリチウム二次電池が提案されている(例えば、特許文献1〜6参照)。
一般的な、LiFePO4の製造方法としては、例えば、リン酸第一鉄含水塩を用いて下記反応式(1)
Figure 2004359538
に従って製造する方法、シュウ酸鉄を用いて、下記反応式(2)
Figure 2004359538
に従って製造する方法、又は酢酸鉄を用いて、下記反応式(3)
Figure 2004359538
に従って製造する方法等が提案されている。
この中、リン酸リチウムとリン酸第一鉄含水塩を用いる方法(反応式(1))は、副生物が水のみであるため工業的に特に有利である。
このリン酸リチウムの製造方法は、例えば水酸化リチウム水溶液にリン酸ナトリウムを加える方法(例えば、非特許文献1及び特許文献7参照。)、或いは水酸化リチウム水溶液にリン酸を加える方法(非特許文献1参照。)等が提案されている。
この中、前者の水酸化リチウム水溶液にリン酸ナトリウムを加える方法は、必然的に不純物としてナトリウム含有量が高くなる傾向がある。また、後者の水酸化リチウム水溶液にリン酸を加える方法では、不純物含有量が低いものが得られる。
しかしながら、工業的に入手可能なリン酸リチウムには、電子材料の原料として必要な条件、すなわち純度が高く、反応性、流動性、更には加工性に優れた微細な粒子である、という条件を同時に満足するものは存在していなかった。例えば、不純物含有量の少ないものは市販されているが、その一次粒子の平均粒径は20μm以上の粗粒であり、他の物質との反応性に問題がある.また、平均粒径が10μm以下の微粒で凝集状のものも市販されているが、不純物含有量が多く流動性が悪いため、取り扱いやすさや他の反応原料との混合分散性が悪いという問題があった.
特開平9−134724号公報 特開平9−134725号公報 特開平11−261394号公報 特開2001−110414号公報 特開2001−250555号公報 特開2000−294238号公報 特開昭64−4251号公報 「化学大辞典 9」、共立出版、1993年、p.818、リン酸リチウムの欄参照。
本発明者らは、かかる実情において特に電子材料の原料として有用なリン酸リチウムを得る方法について鋭意研究を重ねた結果、水酸化リチウム水溶液とリン酸水溶液との反応によりリン酸リチウムを製造する方法において、反応に用いる水酸リチウム水溶液の濃度及び反応温度を特定範囲に設定し、かかる条件下で反応を行って得られるリン酸リチウムは、高純度でありながら従来にない微細な凝集体で、尚且つ反応性及び流動性に優れたものとなることを見出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の目的は、アリルアルコール製造用触媒、機能性無機材料の製造原料の用途、無機固体電解質の原料、特にリチウム二次電池の正極活物質として用いるLiMPO4(MはFe、Mn、Ni、Co及びAlから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を示す。)の製造原料として有用な微細で反応性及び流動性、更には粉砕等の加工性に優れた高純度なリン酸リチウム凝集体、その製造方法および該リン酸リチウム凝集体を用いるリチウム二次電池の正極活物質として有用なリチウム鉄リン系複合酸化物の製造方法を提供することにある。
本発明が提供しようとする第1の発明は、微細な一次粒子が集合体を形成してなり、該集合体の平均粒径が1〜10μmで、安息角が50度以下であることを特徴とするリン酸リチウム凝集体である。
前記リン酸リチウム凝集体は、X線回折分析から求められる格子面(010)面の回折ピークの半値幅が0.2°以上であることが好ましく、また、BET比表面積が1〜50m2/gであることが好ましい。また、Na含有量が100ppm以下で、Al、Ca及びSiの含有量が総量で100ppm以下であることが更に好ましい。
また、本発明が提供しようとする第2の発明は、水酸化リチウムをLiOHとして4〜6重量%含む水溶液にリン酸を含む水溶液を添加し70℃以下で反応を行うことを特徴とするリン酸リチウム凝集体の製造方法である。
かかるリン酸リチウム凝集体の製造方法は、リン酸を含む水溶液の導入量が水酸化リチウム(LiOH)に対するリン酸(H3PO4)のモル比で0.98〜1.02であることが好ましい。また、前記水酸化リチウムは水酸化リチウムを含む水溶液を精密濾過した後、晶析を行って得られる精製水酸化リチウムを用いることが好ましい。
また、本発明が提供しようとする第3の発明は、(A)前記第1の発明のリン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩及び導電性炭素質材料又は(B)前記第1の発明のリン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩、Mn、Co、Ni及びAlから選ばれる金属元素を含有する少なくとも1種以上の金属化合物及び導電性炭素質材料とを混合し焼成を行うことを特徴とするリチウム鉄リン系複合酸化物の製造方法である。
かかるリチウム鉄リン系複合酸化物の製造方法は、(A)前記第1の発明のリン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩及び導電性炭素質材料又は(B)前記第1の発明のリン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩、Mn、Co、Ni及びAlから選ばれる金属元素を含有する少なくとも1種以上の金属化合物及び導電性炭素質材料とを混合する第一工程、次いで、得られる混合物を乾式で粉砕処理して反応前駆体を得る第二工程、次いで、該反応前駆体を焼成してリチウム鉄リン系複合酸化物を得る第三工程を含むことが好ましい。
また、前記第二工程後、得られる反応前駆体を加圧成形する工程を設けることが好ましい。
また、生成させるリチウム鉄リン系複合酸化物は平均粒径が0.5μm以下であることが好ましい。
本発明のリン酸リチウム凝集体は、アリルアルコール製造用触媒、機能性無機材料の用途、無機固体電解質の原料、特にリチウム二次電池の正極活物質で用いるLiMPO4(MはFe、 Mn、Ni、Co及びAlから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を示す。)の製造原料の用途に適した微細で、反応性及び流動性がよく更には粉砕等の加工性に優れる。また、本発明の製造方法によれば、該リン酸リチウム凝集体を工業的に有利に製造することができる。また、本発明のリン酸リチウム凝集体を製造原料として用いて得られるリチウム鉄リン系複合酸化物を正極活物質とするリチウム二次電池はLiFePO4の理論放電容量に近い値を示す。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
(リン酸リチウム凝集体)
本発明のリン酸リチウムは、微細な一次粒子が集合体を形成してなる凝集体である。
本発明に係るリン酸リチウム凝集体の一次粒子は、走査型電子顕微鏡写真から求められる粒径が1μm以下、好ましくは0.01〜1μmであり、また、この一次粒子が集合した集合体は走査型電子顕微鏡写真から求められる平均粒径が1〜10μm、好ましくは1〜5μmである。本発明のリン酸リチウム凝集体は、当該範囲の平均粒径の微細な粒子群であることから反応性に優れる。
更に、本発明のリン酸リチウム凝集体は、上記した当該範囲の平均粒径を有することに加えて、安息角が50度以下、好ましくは30〜50度である。本発明のリン酸リチウム凝集体は、安息角が当該範囲であることから、微粒な凝集体ではあるが流動性に優れ、取り扱いや他の反応原料との混合分散性に優れる。
また、本発明に係るリン酸リチウム凝集体は、線源としてCuKα線を用いてX線回折分析したときに2θ=16.8°付近の回折ピーク(010)面の半値幅が0.2°以上、好ましくは0.2〜0.3°であることも特徴の一つである。本発明のリン酸リチウム凝集体は、格子面(010)面の回折ピークの半値幅が当該範囲であることにより、結晶性が低く、柔らかい粒子群であり、更なる粉砕による微細化が可能で加工性にも優れる。
また、本発明に係るリン酸リチウム凝集体の他の好ましい物性としてはBET比表面積が1〜50m2/g、好ましくは15〜50m2/gであることが好ましく、不純物としてNa含有量が100ppm以下、好ましくは80ppmで、Al、Ca及びSiの含有量が総量で100ppm以下、好ましくは80ppm以下であると電子材料用の製造原料として好適に用いることができることから特に好ましい。
次いで、本発明のリン酸リチウム凝集体の製造方法について説明する。
本発明のリン酸リチウム凝集体の製造方法は、水酸化リチウムを含む水溶液とリン酸を含む水溶液との反応によりリン酸リチウムを製造する方法において、用いる水酸化リチウム水溶液の濃度を特定範囲に設定し、更に反応条件において反応温度を特定範囲領域で行うことに大きな特徴がある。
本発明の製造方法で用いる水酸化リチウムを含む水溶液は、水酸化リチウムを水に溶解した水溶液であり、本発明においてこの水酸化リチウムを含む水溶液は水酸化リチウムを4〜6重量%含有する水溶液を用いることが一つの重要な要件である。本発明のリン酸リチウム凝集体の製造方法において水酸化リチウム水溶液の濃度を当該範囲とする理由は、水酸化リチウム水溶液の濃度が4重量%未満では溶液濃度が低すぎ、廃液が大量に発生するため工業的に有利でなく、一方、6重量%を越えると固液分離、乾燥後のリン酸リチウムが固結し、凝集粒子が粗粒となることから好ましくない。
用いることができる水酸リチウムは、工業的に入手可能なものであれば特に制限はなく含水物であっても無水物であってもよいが、高純度のリン酸リチウム凝集体を得る上で不純物含有量が少ないものを用いることが好ましく、特に工業的に入手可能な水酸化リチウムにはNaが20ppm以上、Caが60ppm以上、Alが100ppm以上、Siが100ppm以上含有されているので、これらの不純物を除去した精製水酸化リチウムを用いることが電子材料の用途に適用する場合に好ましい。この精製水酸化リチウムは、水酸化リチウム(以下、「粗製水酸化リチウム」と呼ぶ。)を含む水溶液を精密濾過した後、晶析を行うことによりNa、Ca、Al、Si等の不純物を低減した精製水酸化リチウムであることが好ましい。
この精製水酸化リチウムを得る具体的な操作は、まず、前記粗製水酸化リチウムを溶解した水酸化リチウム溶液を調製する。水溶液中の粗製水酸化リチウムの濃度は、飽和溶解度以下であれば特に制限はないが、水酸化リチウムの溶解度は溶解させる温度に強く依存することから、例えば、80℃の温度で溶解させるにはLiOHとして1〜12重量%、好ましくは9〜12重量%とすることが好ましい。
なお、粗製水酸化リチウムを溶解する水は、少なくとも逆浸透膜、限外ろ過膜、イオン交換膜等を通過させて、Na、K、Ca、Cl、SO4等のイオン性不純物を除去した純水を用いることが、溶解する水に由来する不純物の混入を防止できる点で特に好ましい。なお、逆浸透膜、限外ろ過膜又はイオン交換樹脂に通水される被処理水としては、例えば、工業用水、市水、河川水などの原水を凝集ろ過装置及び活性炭等からなる前処理装置で処理し、原水中の懸濁物及び有機物の大半を除去したもの、あるいは、更に、イオン交換樹脂を用いる純水装置で処理されたものなどが用いられる。
逆浸透膜は、市販の膜モジュールを用いることができ、操作条件等は特に制限はなく常法に従えばよい。具体的には、逆浸透膜の分画分子量は400〜100000、好ましくは1000〜10000であり、材質としては、例えば、酢酸セルロース系、ポリアミド系、架橋ポリアミン系、架橋ポリエーテル系、ポリスルホン、スルホン化ポリスルホン、ポリビニールアルコール等が適宜使用される。膜の形状は平板型、スパイラル型、中空糸型、チューブラー、ブリーフ型など何れであってもよい。
限外濾過膜は、市販の膜モジュールを用いることができ、操作条件等は特に制限はなく常法に従えばよい。具体的には、限外濾過膜の分画分子量は400〜100000、好ましくは1000〜10000であり、材質としては、再生セルロース、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアクリルニトリル、ポリビニールアルコール、燒結金属、セラミック、カーボン等が適宜使用される。膜の形状は平板型、スパイラル型、チューブラー型、中空糸型、ブリーツ型などの何れであってもよい。
次いで、前記で調製した所定の濃度の粗製水酸化リチウムを含む水溶液を精密濾過し、Al、Siの不純物成分を含有する不溶分を除去する。
前記精密濾過は精密濾過膜等の濾過材を用いて実施することができる。用いることができる精密濾過膜は、表面濾過作用を有するスクリーンフィルター、内部濾過作用を有するデプスフィルター等が挙げられるが、本発明において、表面濾過作用を有するスクリーンフィルターが効率よく不溶分を除去することができる点で特に好ましい。精密濾過膜の公称孔径は0.1〜1μm、好ましくは0.2〜0.5μmであり、精密濾過膜の材質は、特に制限されるものではないが、例えばコロジオン、セロファン、アセチルセルロース、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニリデンフロライド等の有機系の膜、あるいは黒鉛、セラミックス、多孔質ガラス等の無機系の膜が挙げられる。また、実験室規模であればPTFEメンブランフィルター等の濾過材が使用できる。スクリーンフィルターの形式は特に制限されるものではないが、カートリッジ式が操作性が容易である点で特に好ましい。これらの精密濾過は、市販の精密濾過装置を用いて、この精密濾過装置に前記で調製した所定の濃度の粗製水酸化リチウム水溶液を導入することにより実施することができる。この精密濾過操作は、減圧または加圧下でおこなうこともできるが、特に制限されるものではなく、通常は、前記で調製した所定の濃度の粗製水酸化リチウム水溶液を送液ポンプにて、温度0〜100℃、好ましくは20〜80℃で、1〜30mL/min、好ましくは5〜15mL/minの流速で精密濾過装置に導入し0.1〜0.5MPa、好ましくは0.2〜0.3MPaの圧力で処理することが好ましい。なお、精密濾過による濾過操作は、水溶液から水酸化リチウムが析出しない温度で濾過操作を行うことが好ましい。
上記した精密濾過処理により、多くの場合、Al、Siの各不純物の含有量を50ppm以下、好ましくは30ppm以下まで低減された水酸化リチウムが得られるが、本発明では、Na、Ca、Si、Alの含有量を更に低減させるため、前記精密濾過処理に引き続き晶析操作を行うことが好ましい。
具体的な晶析操作は、前記の精密濾過を行った水酸化リチウムを含有する水溶液から冷却により水酸化リチウムを析出させる方法又は前記の精密濾過を行った水酸化リチウムを含有する水溶液を加熱して一定量の水分を蒸発させて水酸化リチウムを析出させる方法により行うことができるが、本発明において、後者の加熱して水酸化リチウムを析出させる方法が精製水酸化リチウムの回収効率が良い点で特に好ましい。
加熱して水酸化リチウムを析出させる晶析操作は、前記の精密濾過を行った水酸化リチウムを含有する所定濃度の水溶液を温度80℃以上、好ましくは90〜100℃に加温し、水を10〜70重量%、好ましくは30〜60重量%蒸発除去することにより実施する。この晶析操作において、当該範囲内で水を除去することにより不純物を効率的に除去した精製水酸化リチウムを得ることができる。なお、この加熱による晶析操作は、減圧下に行ってもよい。
かくして得られる精製水酸化リチウムは、少なくともNa、Si、Al、Caの各不純物の含有量が50ppm以下、好ましくは20ppm以下まで低減された水酸化リチウムである。
もう一方の反応原料のリン酸を含む水溶液は、リン酸を水に溶解した水溶液であり、このリン酸を含む水溶液の濃度は特に制限されるものではないがリン酸を5〜50重量%、好ましくは5〜40重量%含有する水溶液として用いると固液分離、乾燥後のリン酸リチウムが固結することなく安定した品質のリン酸リチウム凝集体が得られることから特に好ましい。
用いることができるリン酸は、工業的に入手可能なものであれば特に制限はないが高純度のリン酸リチウム凝集体を得る上で不純物含有量が少ないものを用いることが特に好ましい。
なお、前記水酸化リチウムとリン酸を溶解する水は、少なくとも逆浸透膜、限外ろ過膜、イオン交換膜等を通過させて、Na、K、Ca、Cl、SO4等のイオン性不純物を除去した純水を用いることが、溶解する水に由来する不純物の混入を防止できる点で特に好ましい。
本発明のリン酸リチウム凝集体の製造方法は、前記所定濃度の水酸化リチウム水溶液に前記所定濃度のリン酸水溶液を添加し反応を行う。通常この反応は中和反応で発熱を伴うが、本発明のリン酸リチウムの製造方法において、かかる反応を70℃以下に維持して行うことも一つの重要な要件である。
本発明において反応温度を当該範囲で行う理由は、70℃を越えるとリン酸リチウムの溶解度が上昇し、固液分離・乾燥後のリン酸リチウムが固結し、凝集粒子が粗粒となることから好ましくないからである。また、本発明において、この反応温度が40℃以下、特に好ましくは5〜40℃であると固液分離、乾燥後のリン酸リチウムが固結することなく安定した品質のリン酸リチウム凝集体が得られることから特に好ましい。
リン酸を含む水溶液の添加量は、反応系にリン酸水溶液を導入するに従ってpHが低下しこのpHが10.5となるまで可能であるが、多くの場合、リン酸を含む水溶液の導入量は、水酸化リチウムに対するリン酸のモル比で0.98〜1.02、好ましくは0.99〜1.01、特に好ましくは反応当量の1とすることが反応液中に未反応物を残さずに、固液分離・乾燥後の固結を防止する点で特に好ましい。
添加するリン酸を含む水溶液の添加速度は、特に制限されるものではなく安定した品質のものを得るため一定速度で添加することが好ましい。
反応終了後、常法により固液分離して、析出物を回収し、洗浄、乾燥、必要により粉砕して製品とする。
なお、必要に応じて行われる粉砕は、得られるリン酸リチウム凝集体が乾燥により凝集体粒子同士がもろく結合したものである場合等に適宜行うが、リン酸リチウム凝集体の粒子自体は下記特性を有するものである。即ち、微細な一次粒子からなる集合体で、走査型電子顕微鏡写真から求められる一次粒径が1μm以下、好ましくは0.01〜1μmであり、またその一次粒子の集合体は走査型電子顕微鏡写真から求められる平均粒径が1〜10μm、好ましくは1〜5μmである。
かくして得られるリン酸リチウム凝集体は、上記粒度特性を有することに加え、安息角が50度以下、好ましくは30〜50度であり、好ましくは線源としてCukα線を用いてX線回折分析したときに、(010)面の2θ=16.8°付近の回折ピークの半値幅が0.2°以上、好ましくは0.2〜0.3°で、BET比表面積が1〜50m2/g、好ましくは15〜50m2/gであることが好ましい。また、不純物的には、Na含有量が100ppm以下、好ましくは80ppmで、Al、Ca及びSiの含有量が総量で100ppm以下、好ましくは80ppm以下であることが好ましい。
本発明にかかるリン酸リチウム凝集体は、凝集体でありながら凝集体自身の粒径は上記したとおり微細で反応性及び流動性に優れ、更には、結晶性が低く、更なる粉砕による微細化が可能で加工性にも優れ、高純度である。このようなリン酸リチウム凝集体は、例えば、アリルアルコール製造用触媒、機能性無機材料の製造原料の用途、無機固体電解質の原料、特にリチウム二次電池の正極活物質として用いるLiMPO4(MはFe、Mn、Co、Ni及びAlから選ばれる金属元素を示す。)の製造原料として好適に用いることができる。
(リチウム鉄リン系複合酸化物)
次いで、本発明のリチウム鉄リン系複合酸化物の製造方法について説明する。
本発明のリチウム鉄リン系複合酸化物の製造方法は、前記のリン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩及び導電性炭素材料を混合し焼成を行うか(以下、「Aの製造方法」と呼ぶ。)又は前記のリン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩、Mn、Co、Ni及びAlから選ばれる金属元素を含有する少なくとも1種以上の金属化合物及び導電性炭素材料とを混合し焼成を行う(以下、「Bの製造方法」と呼ぶ。)ことを特徴とするものである。
本発明の前記A及びBのリチウム鉄リン系複合酸化物の製造方法において、特に(A)前記のリン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩及び導電性炭素質材料又は(B)前記のリン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩、Mn、Co、Ni及びAlから選ばれる金属元素を含有する少なくとも1種以上の金属化合物及び導電性炭素質材料とを混合する第一工程、次いで、得られる混合物を粉砕処理して反応前駆体を得る第二工程、次いで、該反応前駆体を焼成してリチウム鉄リン系複合酸化物を得る第三工程を含むことが得られるリチウム鉄リン系複合酸化物をリチウム二次電池の正極活物質として用いる場合において放電容量を向上させることができることから好ましい。
前記Aの製造方法によれば、リチウム二次電池の正極活物質として好適なLiFePO4の粒子表面を導電性炭素材料で被覆したリチウム鉄リン系複合酸化物を得ることができ、また、前記Bの製造方法によればLiFe1-yMeyPO4(MeはMn、Co、Ni及びAlから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を示す。yは0<y<1を示す。)の粒子表面を導電性炭素材料で被覆したリチウム鉄リン系複合酸化物を得ることができる。
前記第一工程において、前記A及びBの製造方法で用いることができるリン酸第一鉄は工業的に入手可能なものであれば特に制限されるものではないが、一般式Fe3(PO42・8H2Oで表されるリン酸第一鉄含水塩で、レーザー回折法により求められる平均粒径が5μm以下、好ましくは1〜5μmで、更に線源としてCuKα線を用いて該リン酸第一鉄含水塩(Fe3(PO42・8H2O)をX線回折分析したときに2θ=13.1近傍のピーク(020)面の半値幅が0.20°以上、好ましくは0.20〜0.40°である結晶性が低く粉砕等の加工性及び反応性に優れたリン酸第一鉄含水塩(Fe3(PO42・8H2O)を用いると後述する反応前駆体の比容積を容易に1.5mL/g以下とすることができることから特に好ましい。
このような物性を有するリン酸第一鉄含水塩(Fe3(PO42・8H2O)は、2価の鉄塩とリン酸を含む水溶液に、アルカリを添加して反応を行うことにより容易に製造することができる。
かかるリン酸第一鉄含水塩の製造方法において用いることができる2価の鉄塩としては、例えば、硫酸第一鉄、酢酸鉄、蓚酸鉄等が挙げられ、これらは、含水物であっても無水物であってもよい。この中、硫酸第一鉄7水和物(FeSO4・7H2O)が安価で高純度のものが工業的に入手しやすいことから特に好ましい。
また、用いることができるリン酸としては、工業的に入手できるものであれば特に制限はない。
また、用いることができるアルカリとしては、特に制限はなく、例えば、アンモニアガス、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、NaHCO3、Na2CO3、LiOH、K2CO3、KHCO3、Ca(OH)2等の無機アルカリ、またはエタノールアミン等の有機アルカリ等が挙げられる。これらのアルカリは1種又は2種以上で用いることができ、この中、水酸化ナトリウムが安価で工業的に入手しやすいことから特に好ましい。
これらの原料の2価の鉄塩、リン酸及びアルカリは不純物含有量の少ないものを用いることが、高純度のリン酸第一鉄含水塩(Fe3(PO42・8H2O)を得る上で特に好ましい。
具体的な反応操作としては、まず、リン酸を2価の鉄塩中の鉄原子に対するモル比で0.60〜0.75、好ましくは0.65〜0.70となるように2価の鉄塩とリン酸を溶解した水溶液を調製する。この場合水溶液の濃度は、2価の鉄塩とリン酸を溶解できる濃度であれば特に制限はないが、通常2価の鉄塩として0.1モル/L以上、好ましくは0.5〜1.0モル/Lとすることが好ましい。
次いで、この水溶液にアルカリを添加し、リン酸第一鉄を析出させる。リン酸第一鉄の析出反応は、このアルカリの添加により速やかに進行する。アルカリの添加量は、2価の鉄塩に対するモル比で1.8〜2.0、好ましくは1.95〜2.0とすることが好ましい。
このアルカリの添加温度は、特に制限はなく、通常5〜80℃、好ましくは15〜35℃である。また、アルカリの滴下速度等は特に制限されるものではないが、安定した品質のものを得るため一定の滴下速度で除々に反応系内に導入することが好ましい。
反応終了後、常法により固液分離して、析出物を回収し、洗浄、乾燥して製品とする。
なお、洗浄は、特に、アルカリとして水酸化ナトリウムを用いた場合には、析出したリン酸第一鉄含水塩(Fe3(PO42・8H2O)のNa含有量が1重量%以下、好ましくは0.8重量%以下となるまで水で十分に洗浄することが好ましい。
また、乾燥は、35℃未満では乾燥に時間がかかり、50℃を超えると2価の鉄の酸化や結晶水の脱離が起こるため35〜50℃で行うことが好ましい。
かくして得られるリン酸第一鉄含水塩(Fe3(PO42・8H2O)は、レーザー回折法により求められる平均粒径が5μm以下、好ましくは1〜5μmで、X線回折分析から求められる格子面(020)面の回折ピークの半値幅が0.20°以上、好ましくは0.20〜0.40°であり、更に好ましい物性としては、不純物としてのNa含有量が1重量%以下、好ましくは0.8重量%以下であることが特に好ましい。
前記A及びBの製造方法で用いることができる導電性炭素材料としては、例えば、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛及び土状黒鉛等の天然黒鉛及び人工黒鉛等の黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類、炭素繊維等が挙げられ、これらは1種又は2種以上で用いることができる。この中、ケッチェンブラックが微粒なものを工業的に容易に入手できるため特に好ましい。
これらの導電性炭素材料の電子顕微鏡写真から求められる平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm以下、特に好ましくは0.01〜0.1μmであるとLiFePO4又はLiFe1-yMeyPO4(MeはMn、Co、Ni及びAlから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を示す。yは0<y<1)の粒子表面に高分散状態で付着させることができることから好ましい。
前記Bの製造方法で用いることができるMn、Co、Ni及びAlから選ばれる金属元素を含有する少なくとも1種以上の金属化合物としては、これらの金属元素を含む酸化物、水酸化物、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、リン酸塩、有機酸塩等が挙げられ、これらの金属化合物の物性としてはレーザー回折法により求められる平均粒径が10μm以下、好ましくは5μm以下であると、混合が十分に行われ反応性が良くなることから特に好ましい。
なお、本発明のリチウム鉄リン系複合酸化物の製造方法において前記の原料のリン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩(Fe3(PO42・8H2O)、導電性炭素材料及び金属化合物は高純度のものを用いることが特にリチウム二次電池の正極活物質として用いる場合に好ましい。
第一工程の操作は、まず、(A)リン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩および導電性炭素材料又は(B)リン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩、導電性炭素材料及びMn、Co、Ni及びAlから選ばれる金属元素を含有する少なくとも1種以上の金属化合物を所定量混合する。
前記Aの製造方法においてリン酸リチウム凝集体とリン酸第一鉄含水塩の配合割合は、リン酸第一鉄含水塩中のFe原子とリン酸リチウム凝集体中のLi原子とのモル比(Li/Fe)で0.9〜1.1、好ましくは1.00〜1.05であるとLiFePO4の単相が得られる点で好ましく、このモル比が0.9未満及び1.1を越えると未反応原料が残存することから好ましくない。
また、前記Bの製造方法においてリン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩およびMn、Co、Ni及びAlから選ばれる金属元素を含有する少なくとも1種以上の金属化合物の配合割合は、リン酸第一鉄含水塩中のFe原子、リン酸リチウム凝集体中のLi原子および金属化合物中の金属元素(Me)のモル比として、Li/(Fe+Me)で0.9〜1.1、好ましくは1.00〜1.05であると、LiFe1-yMeyPO4の単相が得られる点で特に好ましい。
また、導電性炭素材料は、焼成前に比べて焼成後では導電性炭素材料に含まれるC原子の量が若干ながら減少する傾向があることから、導電性炭素材料の配合量がリン酸リチウム凝集体とリン酸第一鉄含水塩又はリン酸リチウム凝集体とリン酸第一鉄含水塩及び金属化合物との総量に対して0.08〜15.5重量%、好ましくは3.8〜9.5重量%であると、導電性炭素材料の被覆量は、LiFePO4又はLiFe1-yMeyPO4(MeはMn、Co、Ni及びAlから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を示す。yは0<y<0を示す。)に対するC原子の含有量で0.1〜20重量%、好ましくは5〜12重量%となる。この導電性炭素材料の配合量が0.08重量%未満ではリチウム鉄リン系複合酸化物に十分な導電性を付与させることができなくなるため得られるリチウム鉄リン系複合酸化物を正極活物質とするリチウム二次電池において内部抵抗が上昇し、一方、15.5重量%を超えると逆に重量或いは体積当たりの放電容量が減少するため好ましくない。
なお、第一工程において、後述する第二工程を実施するに当り予め各原料が均一に混合するようにブレンダー等を用いて乾式で十分に混合しておくことが好ましい。
第二工程は、前記A及びBの製造方法において、これらの原料の混合物を、更に反応性をよくするため粉砕機を用いて乾式で十分に混合及び粉砕処理して反応前駆体を得る工程である。
ここで前記反応前駆体とは(A)リン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩及び導電性炭素材料又は(B)リン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩、導電性炭素材料及びMn、Co、Ni及びAlから選ばれる金属元素を含有する少なくとも1種以上の金属化合物を含有する混合物を後の焼成に先だって反応性をよくするために、各原料を高分散させると共に各原料間の粒子間距離を可能なかぎり近づけ、各原料の接触面積を高めたものである。
本発明においてこの粉砕処理後の混合物は比容積が1.5mL/g以下、好ましくは1.0〜1.4mL/gであると500〜700℃の焼成温度で焼結による粒成長もなく、X線回折分析においてLiFePO4又はLiFe1-yMeyPO4(MeはMn、Co、Ni及びAlから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を示す。yは0<y<1を示す。)の単相の粒子表面に導電性炭素材料を均一に被覆したリチウム鉄リン系複合酸化物が得られることから、当該範囲の比容積の混合物を反応前駆体とすることが好ましい。
なお、本発明における比容積とはJIS−K−5101に記載された見掛け密度又は見掛け比容の方法に基づいて、タップ法により50mLのメスシリンダーにサンプル10gをいれ、500回タップし静置後、容積を読みとり、下記式により求めたものである。
Figure 2004359538
(式中、F;受器内の処理した試料の質量(g)、V;タップ後の試料の容量(mL)を示す。)
更に、本発明のリチウム鉄リン系複合酸化物の製造方法において、前記反応前駆体は、比容積が当該範囲であることに加えて、該反応前駆体中に含まれる原料のリン酸第一鉄含水塩がほぼ非晶質状態であると、粒子径の成長を抑制する目的で500〜700℃の低温で焼成した場合においても反応が完全に進行し、LiFePO4、もしくはLiFe1-yMeyPO4(Meは、Mn、Co、Ni、Alから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を示す。yは0<y<1を示す。)の単相が得られることから特に好ましい。
用いることができる粉砕機としては、強力なせん断力を有する粉砕機が好ましく、このような強力なせん断力を有する粉砕機としては、転動ボールミル、振動ミル、遊星ミル、媒体攪拌ミル等を用いることが好ましい。この種の粉砕機は、容器中にボール、ビーズ等の粉砕媒体が入っており、主として媒体の剪断・摩擦作用によって粉砕を行う粉砕機である。このような装置としては市販されているものを利用することができる。
粒状媒体の粒径は1〜25mmであると粉砕が十分に行えるため好ましい。この粒状媒体の材質は、ジルコニア、アルミナのセラミックビーズが、硬度が高く磨耗に強いこと及び材料の金属汚染を防止することができることから特に好ましい。
また、前記粒状媒体は、空間容積50〜90%で容器内に粒状媒体を収納し、流動媒体による剪断力と摩擦力を適切に管理するため、粉砕機の運転条件を適宜調整して粉砕処理することが好ましい。
また、本発明のリチウム鉄リン系複合酸化物の製造方法において、必要に応じて、上記粉砕処理に加えて該反応前駆体を加圧成形処理して、更に各原料の接触面積を高めると、リチウム二次電池の放電容量とサイクル特性を更に向上させることができる。成形圧は、プレス機、仕込み量等により異なり、特に制限されるものではないが、通常5〜200MPaである。プレス成形機は、打錠機、ブリケットマシン、ローラコンパクター等好適に使用できるがプレスできるものであればよく、特に制限はない。
次いで、第三工程において、第二工程で得られた反応前駆体を焼成する。
焼成温度は500〜700℃、好ましくは550〜650℃である。本発明において、この焼成温度を当該範囲とすることにより得られるリチウム鉄リン系複合酸化物を正極活物質とするリチウム二次電池は、放電容量及び充電サイクル特性を向上させることができる。焼成温度が500℃未満では、反応が十分に進行しないため未反応原料が残存し、一方、700℃を越えると焼結が進行して粒子成長が起こるため好ましくない。
焼成時間は、2〜20時間、好ましくは5〜10時間とすることが好ましい。
焼成は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中又は水素や一酸化炭素等の還元雰囲気中のいずれで行ってもよく、特に制限されるものではないが、窒素、アルゴンガス中で行うことが操作時の安全性の面で好ましい。また、これらの焼成は必要により何度でも行うことができる。
焼成後は、適宜冷却し、必要に応じ粉砕又は分級してLiFePO4又はLiFe1-yMeyPO4(MeはMn、Co、Ni及びAlから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を示す。yは0<y<1を示す。)の粒子表面を導電性炭素材料で均一に被覆したリチウム鉄リン系複合酸化物を得る。なお、FeおよびMe元素の酸化を防止するため、冷却中は反応系内を窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気又は水素や一酸化炭素等の還元雰囲気として行うことが好ましい。また、必要に応じて行われる粉砕は、焼成して得られるリチウム鉄リン系複合酸化物がもろく結合したブロック状のものである場合等に適宜行うが、本発明のリチウム鉄リン系複合酸化物の好ましい実施形態の製造方法によれば、リチウム鉄リン系複合酸化物の粒子自体は下記の特定の平均粒径、BET比表面積を有するものである。即ち、得られるリチウム鉄リン系複合酸化物は、走査型電子顕微鏡写真から求められる平均粒径が0.5μm以下、好ましくは0.05〜0.5μmであり、BET比表面積が10〜100m2/g、好ましくは30〜70m2/gである。
このようにして得られる本発明のリチウム鉄リン系複合酸化物は、正極、負極、セパレータ及びリチウム塩を含有する非水電解質からなるリチウム二次電池の正極活物質として好適に用いることができる。
なお、該リチウム鉄リン系複合酸化物を正極活物質とする場合は、その形態は、平均粒径0.05μm以上0.5μm以下の一次粒子が集合してなる平均粒径1μm以上75μm以下の一次粒子集合体であってもよい。更に、上記一次集合体において全体積の70%以上、好ましくは80%以上が粒径1μm以上20μm以下であることが好ましい。また、該リチウム鉄リン系複合酸化物は大気中で粉砕等を行うと、得られるリチウム鉄リン系複合酸化物には3000ppm以上の水分が含有されるため、正極活物質として用いる前に真空乾燥等の操作を施して該リチウム鉄リン系複合酸化物の水分含有量を2000ppm以下、好ましくは1500ppm以下とすることが好ましい。
また、本発明の製造方法で得られるリチウム鉄リン系複合酸化物は、公知の他のリチウムコバルト系複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物又はリチウムマンガン系複合酸化物と併用して用いることで、従来のリチウムコバルト系複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物又はリチウムマンガン系複合酸化物を用いたリチウム二次電池の安全性を更に向上させることができる。この場合、併用するリチウムコバルト系複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物又はリチウムマンガン系複合酸化物の物性等は特に制限されるものではないが、平均粒径が1〜20μm、好ましくは1〜15μm、さらに好ましくは2〜10μmで、BET比表面積が0.1〜2.0m2/g、好ましくは0.2〜1.5m2/g、さらに好ましくは0.3〜1.0m2/gであるものが好ましい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない
<水酸化リチウム>
なお、本発明の実施例において、市販の水酸化リチウム1水塩に下記の精製操作を施したものを使用した。
この市販の水酸化リチウム試料中の不純物含有量を表1に示す。
なお、この不純物量は、ICP質量分析法及び比濁法によって求めた値である。
Figure 2004359538
上記した粗製水酸化リチウム1水塩1062gを純水5000gに50℃で溶解し水溶液を調製した。なお、純水はイオン交換樹脂を備えた純水製造装置で処理した水を限外濾過モジュール(旭化学工業社製、分画分子量6000)で処理したものであり、以下の水酸化リチウムの精製及び実施例で使用した純水も当該純水と同じ処理をしたものである。
次いで、上記で調製した粗製水酸化リチウムを溶解した水溶液を40℃で孔径0.5μmのPTFE製メンブランフィルターを使用して濾過を行った。
濾過後の濾過液を一部採取し、減圧下に乾燥を行って得られた水酸化リチウム試料中の不純物含有量を表2に示す。
Figure 2004359538
次いで、95℃に加温し、減圧下に水分を抑留しながら4時間晶析を行った。なお、回収した水分は3300gであった。冷却後、常法により固液分離して析出した水酸化リチウムを回収し、次いで、減圧下に乾燥を行って得られた水酸化リチウム(LiOH・H2O)試料中の不純物含有量を表3に示す。
Figure 2004359538
実施例1
反応容器に上記の精製水酸化リチウム1水塩126gを純水に溶解し1500gとし、4.8重量%水酸化リチウム水溶液を調製した(pH 11.6)。
次いでこの反応容器にリン酸(日本化学工業社製;高純度品)を9.8重量%含むリン酸水溶液1000gを83mL/分の速度で反応系の温度を40℃以下に維持しながら全量を約12分間かけて滴下しリン酸リチウムを析出させた(pH 10.5)。
次に、ろ過してリン酸リチウムを回収した。
次いで、回収したリン酸リチウムを温度110℃で20時間乾燥し、乾燥品を得た。得られた乾燥品をX線回折で分析したところJCPDSカード番号(25−1030)と回折パターンが一致していることから、この乾燥品はLi3PO4であることを確認した。
得られたLi3PO4の諸物性値を表5に示す。また、反応条件を表4に示す。
また、得られたLi3PO4を線源としてCuKα線を用いてX線回折分析を行い2θ=16.8近傍の回折ピーク(010)面の半値幅を測定し、その結果を表5に示す。また、得られたLi3PO4のX線回折図を図1に示す。
なお、Na、Ca、Al、Siの含有量は、ICP分光法により求めた。また、一次粒子と一次粒子集合体の粒径は走査型電子顕微鏡により求めた。また、その走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。
実施例2
反応容器に上記の精製水酸化リチウム1水塩126gを純水に溶解し1500gとし、4.8重量%水酸化リチウム水溶液を調製した(pH 11.6)。
次いでこの反応容器にリン酸(日本化学工業社製;高純度品)を38重量%含むリン酸水溶液262gを83mL/分の速度で反応系の温度を40℃以下に維持しながら全量を約3分半かけて滴下しリン酸リチウムを析出させた(pH 10.5)。
次に、ろ過してリン酸リチウムを回収した。
次いで、回収したリン酸リチウムを温度48℃で23時間乾燥し、乾燥品を得た。得られた乾燥品をX線回折で分析したところJCPDSカード番号25−1030と回折パターンが一致していることから、この乾燥品はLi3PO4であることを確認した。
得られたLi3PO4の諸物性値を表5に示す。また、反応条件を表4に示す。
また、得られたLi3PO4を線源としてCuKα線を用いてX線回折分析を行い2θ=16.8近傍の回折ピーク(010)面の半値幅を測定し、その結果を表5に示す。
なお、Na、Ca、Al、Siの含有量と一次粒子と一次粒子集合体の粒径は実施例1と同様に求めた。
実施例3
反応容器に上記の精製水酸化リチウム水溶液1水塩126gを純水に溶解し1500gとし、4.8重量%水酸化リチウム水溶液を調製した(pH 11.6)。次いでこの反応容器にリン酸(日本化学工業社製;高純度品)を9.8重量%含むリン酸水溶液980gを83mL/分の速度で反応系の温度を70℃以下に維持しながら全量を約12分間かけて滴下しリン酸リチウムを析出させた(pH 10.5)。
次に、ろ過してリン酸リチウムを回収した。
次いで、回収したリン酸リチウムを温度110℃で20時間乾燥し、乾燥品を得た。得られた乾燥品をX線回折で分析したところJCPDSカード番号25−1030と回折パターンが一致していることから、この乾燥品はLi3PO4であることを確認した。
得られたLi3PO4の諸物性値を表5に示す。また、反応条件を表4に示す。
また、得られたLi3PO4を線源としてCuKα線を用いてX線回折分析を行い2θ=16.8近傍の回折ピーク(010)面の半値幅を測定し、その結果を表4に示す。
なお、Na、Ca、Al、Siの含有量と一次粒子と一次粒子集合体の粒径は実施例1と同様に求めた。
比較例1
反応容器に上記の精製水酸化リチウム水溶液1水塩126gを純水に溶解し800gとし、9重量%水酸化リチウム水溶液を調製した(pH 12.1)。
次いでこの反応容器にリン酸(日本化学工業社製;高純度品)を9.8重量%含むリン酸水溶液1000gを83mL/分の速度で反応系の温度を40℃以下に維持しながら全量を約12分間かけて滴下しリン酸リチウムを析出させた(pH 10.5)。
次に、ろ過してリン酸リチウムを回収した。
次いで、回収したリン酸リチウムを温度110℃で20時間乾燥し、乾燥品を得た。得られた乾燥品をX線回折で分析したところJCPDSカード番号25−1030と回折パターンが一致していることから、この乾燥品はLi3PO4であることを確認した。
得られたLi3PO4の諸物性値を表5に示す。また、反応条件を表4に示す。
また、得られたLi3PO4を線源としてCuKα線を用いてX線回折分析を行い2θ=16.8近傍の回折ピーク(010)面の半値幅を測定し、その結果を表5に示す。
なお、Na、Ca、Al、Siの含有量と一次粒子と一次粒子集合体の粒径は実施例1と同様に求めた。
比較例2〜3
比較のため市販の2種類のリン酸リチウムの諸物性値を表5に併記した。
Figure 2004359538
Figure 2004359538
注)表5中の「N.D.」は検出限界1ppm以下を示す。
<リチウム鉄リン系複合酸化物の合成>
合成例1;リン酸第一鉄含水塩の合成
Na;13ppm、Ti;1200ppm、Mn;3900ppm、Zn;96ppm、Co;29ppm、Cr;4ppm、Ni;18ppm、Cu;1ppm以下を含有する硫酸第一鉄7水和物(FeSO4・7H2O)907g(3モル)と75%リン酸(H3PO4)261g(2モル)を水3Lに溶解させ、混合溶液を作成した(温度17℃、pH1.6)。この混合溶液に、16 %水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液1500mL(6 モル)を83 mL/minの滴下速度で18分で滴下し、リン酸第一鉄を析出させた(温度31℃、pH6.7)。
次に、ろ過してリン酸第一鉄を回収し、この回収したリン酸第一鉄を水4.5Lで入念に洗浄した。
次いで、洗浄後のリン酸第一鉄を温度50℃で23時間乾燥し、乾燥品490gを得た。得られた乾燥品をX線回折で分析したところJCPDSカード番号30−662と回折パターンが一致していることから、この乾燥品はFe3(PO42・8H2Oであることを確認した(収率98%)。
得られたFe3(PO42・8H2Oの諸物性値を表6に示す。
また、得られたFe3(PO42・8H2Oを線源としてCuKα線を用いてX線回折分析を行い2θ=13.1°近傍のピーク(020)面の半値幅を測定した。
なお、Na、Si、Al、Ca、Ti、Mn、Zn、Cr、Ni、Cu、Coの含有量は、ICP分光法により求めた。また、SO4含有量はICP分光法によるS原子濃度測定結果を換算して求め、該乾燥品のP含有量を吸光光度法により求めた。また、平均粒径はレーザー回折法により求めた。
Figure 2004359538
注)表6中の「N.D.」は検出限界1ppm以下を示す。
合成例2;リン酸マンガンの合成
硫酸マンガン1水和物(MnSO4・H2O)1352 g(8モル)と75%リン酸(H3PO4)697 g(5.3モル)を水25 Lに溶解させ、混合溶液を作成した.(pH 1.3)この混合溶液に、4%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液16 L(16モル)を161mL/minの滴下速度で約100分で滴下し、リン酸マンガンを析出させた(pH6.5).
次に、濾過してリン酸マンガンを回収し、この回収したリン酸マンガンを水40Lで入念に洗浄した.
次いで、洗浄後のリン酸マンガンを温度50℃で23時間乾燥し、乾燥品1241gを得た.得られた乾燥品をX線回折で分析したところ、文献(RUSS.J.Inorg.Chem.23、341、1978)記載のデータと面間隔および回折強度が一致していること、およびMn含有量が34.8重量%、PO4含有量が40.2重量%であることからこの乾燥品はMn3(PO42・6H2Oであることを確認した(収率98%)。
得られたMn3(PO42・6H2Oの諸物性値を表7に示す。
なお、Na、Si、Al、Ca、Ti、Mn、Zn、Cr、Ni、Cu、Coの含有量は、ICP分光法により求めた。また、SO4含有量はICP分光法によるS原子濃度測定結果を換算して求め、該乾燥品のP含有量を吸光光度法により求めた。また、平均粒径はレーザー回折法により求めた。
Figure 2004359538
注)表7中の「N.D.」は検出限界1ppm以下を示す。
実施例4
実施例1で得られたリン酸リチウム凝集体11.9gと合成例1で調製したリン酸第一鉄含水塩結晶(Fe3(PO42・8H2O)50.2g及び粒径が0.05μmのケッチェンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社製、商品名ECP)5.0gをミキサーにより十分混合した。次いで、この混合物を振動ミルを用いて粉砕処理し、反応前駆体を得た。
また、振動ミル粉砕品の比容積は、50mLのメスシリンダーにサンプル10gを入れ、ユアサアイオニクス(株)製、DUAL AUTOTAP装置にセットし、500回タップした後、容積を読みとり下記式により求めた。
Figure 2004359538
(式中、F;受器内の処理した試料の質量(g)、V;タップ後の試料の容量(mL)を示す。)
なお、振動ミルの運転条件は以下の通りである.
・振動数;1000Hz
・処理時間;3分
・原料の仕込量;12g
得られた反応前駆体の主物性を表8に示した。
次に、反応前駆体10gをハンドプレスにより44MPaでプレス成形した。次いで、得られた粉砕品を窒素雰囲気下に600℃で5時間焼成し、冷却後、粉砕してケッチェンブラックを被覆したLiFePO4を得た。得られたケッチェンブラックを被覆したLiFePO4の主物性を表9に示す。
なお、Na、Si、Al、Ca、Ti、Mn、Zn、Cr、Ni、Cu、Coの含有量は、ICP分光法により求めた。また、SO4含有量はICP分光法によるS原子濃度測定結果を換算して求めた。平均粒径は、電子顕微鏡写真により求めた。また、ケッチェンブラックを被覆したLiFePO4中のC原子の含有量を全有機体炭素計(島津製作所社製、TOC−5000A)により測定した。
実施例5
実施例1で得られたリチウム凝集体5.6gと合成例1で調製したリン酸第一鉄含水塩(Fe3(PO42・8H2O)11.4 gと合成例2で調製したリン酸マンガン含水塩(Mn3(PO42・6H2O)10.8g及び粒径が0.1μmのケッチェンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社製、商品名ECP)2.3gをミキサーにより充分混合した.次いで、この混合物を振動ミルを用いて粉砕処理し、反応前駆体を得た。得られた反応前駆体の諸物性を実施例4と同様に測定し、その結果を表8に示した.
なお、振動ミルの運転条件は以下の通りである.
・振動数;1000Hz
・処理時間;3分
・原料の仕込量;12g
次に、反応前駆体10gをハンドプレスにより44MPaでプレス成形した。次いで、このプレス成形品を窒素雰囲気下に600℃で5時間焼成し、冷却後、粉砕しケッチェンブラックを被覆したリン酸(鉄−マンガン)リン系複合酸化物を得た。得られたリン酸(鉄−マンガン)リン系複合酸化物の平均粒径、BET比表面積、Na、Si、Al、Ca、Ti、Mn、Zn、Cr、Ni、Cu、Co、SO4の含有量を実施例4と同様な手法で求めその結果を表9に示す。
Figure 2004359538
Figure 2004359538
注)表9中のC原子の含有量は、LiFePO4又はLiFe0.5Mn0.5PO4に対するC原子の量を示す。
<参考例>
<電池性能試験>
(I)リチウム二次電池の作製;
上記のように製造した実施例4のケッチェンブラックを被覆したLiFePO4を真空乾燥し、カールフィッシャー法から求められる該ケッチェンブラックを被覆したLiFePO4の水分含有量を1500ppm以下とし、このリチウム鉄リン系複合酸化物91重量%、黒鉛粉末6重量%、ポリフッ化ビニリデン3重量%を混合して正極剤とし、これをN−メチル−2−ピロリジノンに分散させて混練ペーストを調製した。該混練ペーストをアルミ箔に塗布したのち乾燥、プレスして直径15mmの円盤に打ち抜いて正極板を得た。
この正極板を用いて、セパレーター、負極、正極、集電板、取り付け金具、外部端子、電解液等の各部材を使用してリチウム二次電池を製作した。このうち、負極は金属リチウム箔を用い、電解液にはエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートの1:1混練液1リットルにLiPF6 1モルを溶解したものを使用した。
(II)電池の性能評価
作製したリチウム二次電池を室温で作動させ、初期放電容量および10サイクル後の放電容量を測定した。また、LiFePO4の理論放電容量(170mAh/g)に対する比を下記の式により算出した。その結果を表10に示す。
Figure 2004359538
Figure 2004359538
表10の結果より、本発明のリン酸リチウム凝集体を用いて、製造したLiFePO4を正極活物質として用いたリチウム二次電池は、LiFePO4の理論放電容量に近い値を示し、極めて高放電容量のリチウム二次電池が得られた。
実施例1で得られたLi3PO4のX線回折図。 実施例1で得られたLi3PO4の電子顕微鏡写真(倍率一万倍)

Claims (11)

  1. 微細な一次粒子が集合体を形成してなり、該集合体の平均粒径が1〜10μmで、安息角が50度以下であることを特徴とするリン酸リチウム凝集体。
  2. X線回折分析から求められる格子面(010)面の回折ピークの半値幅が0.2°以上である請求項1記載のリン酸リチウム凝集体。
  3. BET比表面積が1〜50m2/gである請求項1又は2記載のリン酸リチウム凝集体。
  4. Na含有量が100ppm以下で、Al、Ca及びSiの含有量が総量で100ppm以下である請求項1乃至3記載のリン酸リチウム凝集体。
  5. 水酸化リチウムをLiOHとして4〜6重量%含む水溶液にリン酸を含む水溶液を添加し70℃以下で反応を行うことを特徴とするリン酸リチウム凝集体の製造方法。
  6. リン酸を含む水溶液の導入量が水酸化リチウム(LiOH)に対するリン酸(H3PO4)のモル比で0.98〜1.02である請求項5記載のリン酸リチウム凝集体の製造方法。
  7. 前記水酸化リチウムは水酸化リチウムを含む水溶液を精密濾過した後、晶析を行って得られる精製水酸化リチウムを用いる請求項5又は6記載のリン酸リチウム凝集体の製造方法。
  8. (A)請求項1乃至4の何れか1項に記載のリン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩及び導電性炭素質材料又は(B)請求項1乃至4の何れか1項に記載のリン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩、Mn、Co、Ni及びAlから選ばれる金属元素を含有する少なくとも1種以上の金属化合物及び導電性炭素質材料とを混合し焼成を行うことを特徴とするリチウム鉄リン系複合酸化物の製造方法。
  9. (A)請求項1乃至4の何れか1項に記載のリン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩及び導電性炭素質材料又は(B)請求項1乃至4の何れか1項に記載のリン酸リチウム凝集体、リン酸第一鉄含水塩、Mn、Co、Ni及びAlから選ばれる金属元素を含有する少なくとも1種以上の金属化合物及び導電性炭素質材料とを混合する第一工程、次いで、得られる混合物を乾式で粉砕処理して反応前駆体を得る第二工程、次いで、該反応前駆体を焼成してリチウム鉄リン系複合酸化物を得る第三工程を含むことを特徴とする請求項8記載のリチウム鉄リン系複合酸化物の製造方法。
  10. 前記第二工程後、得られる反応前駆体を加圧成形する工程を設ける請求項9記載のリチウム鉄リン系複合酸化物の製造方法。
  11. 生成させるリチウム鉄リン系複合酸化物は平均粒径が0.5μm以下である請求項8乃至10記載のリチウム鉄リン系複合酸化物の製造方法。
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