JP4724912B2 - 正極活物質の製造方法及び非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムを可逆的にドープ及び脱ドープ可能な正極活物質を用いた正極活物質及びそれを用いた非水電解質二次電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、種々の電子機器の飛躍的進歩とともに、長時間便利に、且つ経済的に使用できる電源として、再充電可能な二次電池の研究が進められている。代表的な二次電池としては、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、非水電解質二次電池等が知られている。
【0003】
上記のような二次電池の中でも特に、非水電解質二次電池であるリチウムイオン二次電池は、高出力、高エネルギー密度などの利点を有している。リチウムイオン二次電池は、少なくともリチウムイオンを可逆的に脱挿入可能な活物質を有する正極と負極と、非水電解質とから構成される。
【0004】
ここで、負極活物質としては、一般に金属リチウム、Li−Al合金等のリチウム合金、ポリアセチレンやポリピロール等のリチウムをドープした導電性高分子、リチウムイオンを結晶中に取り込んだ層間化合物や炭素材料等が用いられている。また、電解液としては、非プロトン性有機溶媒にリチウム塩を溶解させた溶液が用いられている。
【0005】
一方、正極活物質には、金属酸化物、金属硫化物、あるいはポリマーが用いられ、例えばTiS2、MoS2、NbSe2、V2O5等が知られている。これらの材料を用いた非水電解質二次電池の放電反応は、負極においてリチウムイオンが電解液中に溶出し、正極では正極活物質の層間にリチウムイオンがインターカレーションすることによって進行する。逆に、充電する場合には、上記の逆反応が進行し、正極においては、リチウムがインターカレーションする。すなわち、負極からのリチウムイオンが正極活物質に出入りする反応を繰り返すことによって充放電を繰り返すことができる。
【0006】
現在、リチウムイオン二次電池の正極活物質としては、高エネルギー密度、高電圧を有すること等から、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4等が用いられている。しかし、これらの正極活物質は、クラーク数の低い金属元素をその組成中に有しているため、コストが高くつく他、安定供給が難しいという問題がある。また、これらの正極活物質は、毒性も比較的高く、環境に与える影響も大きいことから、これらに代わる新規正極活物質が求められている。
【0007】
これに対し、オリビン構造を有する化合物をリチウムイオン二次電池の正極活物質として用いることが提案されている。例えば、オリビン構造を有する化合物であるLiFePO4は、体積密度が3.6g/cm3と大きく、3.4Vの高電位を発生し、理論容量も170mAh/gと大きい。また、LiFePO4は、初期状態で、電気化学的に脱ドープ可能なLiを、Fe原子1個当たりに1個含んでいるので、リチウムイオン電池の正極活物質として有望な材料である。しかもLiFePO4は、資源的に豊富で安価な材料である鉄をその組成中に有しているため、上述のLiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4等と比較して低コストであり、また、毒性も低いため環境に与える影響も小さい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、LiFePO4の合成法としては、固相反応による合成法がある。固相反応によるLiFePO4の合成法としては、例えば、代表的な合成原料として炭酸リチウムLiCo3と、リン酸二アンモニウムNH4H2PO4と、酢酸鉄(II)Fe(CH3COO)2を利用して下記化1示す反応による合成法や、リン酸リチウムLi3PO4と、リン酸第一鉄n水和物Fe3(PO4)2・nH2O(但し、nは水和数である。)とを利用して下記化2に示す反応による合成法が挙げられる。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
しかしながら、上述したような合成法は、固相反応によって行われるため、合成原料を粉砕及び混合する工程が必用となり、そのための設備として例えばボールミルのような大型設備が必用となり、また、工程が複雑になる。したがって、合成原料粉末を粉砕及び混合する工程の存在は、製造コストの上昇及び生産性の低下のにつながり、これに代わる工程が望まれている。
【0012】
そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案されたものであって、製造コストが安価であり、且つ簡便な正極活物質の合成法及び非水電解質二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る正極活物質の製造方法は、リチウム塩と鉄塩とを含有するリン酸水溶液に水溶性有機還元剤を混合して混合水溶液を調整し、当該混合水溶液にアルカリ溶液を混合してリチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させる共沈工程と、焼成温度350℃〜750℃で共沈体を焼成する焼成工程とを有する。
【0014】
以上のような正極活物質の製造方法は、リチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させ、この共沈体を焼成温度350℃〜750℃で焼成するものであり、固相反応による合成法でないため、正極活物質の合成原料粉末を粉砕、混合する工程が不要とされる。すなわち、正極活物質の合成原料粉末を粉砕、混合するための装置、例えばボールミル等の装置を必用としないため、設備導入によるコスト上昇がない。
【0015】
また、正極活物質の合成原料粉末の粉砕、混合工程がないため、この工程に起因する正極活物質の製造工程の複雑化や生産性の低下といった問題が生じることなく、簡便に正極活物質を製造することが可能とされる。
【0016】
また、固相反応による合成法の場合、正極活物質の合成原料として希少であり高価な材料を用いるため、原料コストが高くなってしまう。それに対して、この正極活物質の製造方法の場合、使用する正極活物質の合成原料としては、一般的な材料を用いるため、原料コストが低く抑えられる。
また、上述の目的を達成するために、本発明に係る正極活物質の製造方法は、リチウム塩と鉄塩とを含有するリン酸水溶液に水溶性有機還元剤を混合し、炭素材料を添加した後、アルカリ溶液を混合してリチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させる共沈工程と、焼成温度350℃〜900℃で上記共沈体を焼成する焼成工程とを有する。
【0017】
また、上述の目的を達成するために、本発明に係る非水電解質二次電池の製造方法は、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、非水電解質とを備え、正極活物質の製造方法が、リチウム塩と鉄塩とを含有するリン酸水溶液に水溶性有機還元剤を混合し、さらにアルカリ溶液を混合してリチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させる共沈工程と、焼成温度350℃〜750℃で共沈体を焼成する焼成工程とを有する。
【0018】
以上のような非水電解質二次電池の製造方法は、正極活物質を製造する際にリチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させ、この共沈体を焼成温度350℃〜750℃で焼成するものであり、固相反応による合成を行わないため、正極活物質の合成原料粉末を粉砕、混合する工程が不要とされる。すなわち、正極活物質の合成原料粉末を粉砕、混合するための装置、例えばボールミル等の装置を必用としないため、設備導入によるコスト上昇がない。
【0019】
また、正極活物質の合成原料粉末の粉砕、混合工程がないため、この工程に起因する正極活物質の製造工程の複雑化や生産性の低下といった問題が生じることなく、簡便に正極活物質を製造することが可能とされるため、非水電解質二次電池の製造が簡便化される。
【0020】
また、固相反応により正極活物質を合成する場合、正極活物質の合成原料として希少であり高価な材料を用いるため、原料コストが高くなってしまう。それに対して、この非水電解質二次電池の製造方法では、正極活物質の合成原料としては、一般的な材料を用いるため、原料コストが低く抑えられる。
また、上述の目的を達成するために、本発明に係る非水電解質二次電池の製造方法は、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池の製造方法であって、リチウム塩と鉄塩とを含有するリン酸水溶液に水溶性有機還元剤を混合し、炭素材料を添加した後、アルカリ溶液を混合してリチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させる共沈工程と、焼成温度350℃〜900℃で上記共沈体を焼成する焼成工程とを有する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0022】
本発明を適用して製造される非水電解液電池1は、図1に示すように、負極2と、負極2を収容する負極缶3と、正極4と、正極4を収容する正極缶5と、正極4と負極2との間に配されたセパレータ6と、絶縁ガスケット7とを備え、負極缶3及び正極缶5内に非水電解液が充填されてなる。
【0023】
負極2は、負極活物質となる例えば金属リチウム箔からなる。また、負極活物質として、リチウムをドープ、脱ドープ可能な材料を用いる場合には、負極2は、負極集電体上に、上記負極活物質を含有する負極活物質層が形成されてなる。負極集電体としては、例えばニッケル箔等が用いられる。
【0024】
リチウムをドープ、脱ドープ可能な負極活物質としては、金属リチウム、リチウム合金、リチウムがドープされた導電性高分子、炭素材料や金属酸化物などの層状化合物を用いることができる。
【0025】
負極活物質層に含有される結着剤としては、この種の非水電解液電池において負極活物質層の結着剤として通常用いられている公知の樹脂材料等を用いることができる。
【0026】
負極缶3は、負極2を収容するものであり、また、非水電解液電池1の外部負極となる。
【0027】
正極4は、例えばアルミニウム箔等からなる正極集電体上に、リチウムを電気化学的に放出することが可能であり、且つ吸蔵することも可逆的に可能である正極活物質を含有する正極活物質層が形成されてなる。ここで、正極活物質層は、正極活物質を主体とし、必要に応じて結着剤や導電材等を含んでなるものである。
【0028】
正極活物質としては、詳細な製造方法は後述するが、オリビン構造を有し、一般式LixFePO4(式中、0<x≦1.0である。)で表される化合物、あるいはこれらの化合物と炭素材料との複合体、すなわちLixFePO4炭素複合体を用いる。
【0029】
以下、LixFePO4としてLiFePO4を用い、これと炭素材料とからなる複合体、すなわちLiFePO4炭素複合体を正極活物質として用いる場合について説明する。
【0030】
LiFePO4炭素複合体は、LiFePO4粒子の表面に、当該LiFePO4粒子の粒径に比べて極めて小とされる粒径を有する炭素材料の粒子が多数個、付着してなるものである。炭素材料は導電性を有するので、炭素材料とLiFePO4とから構成されるLiFePO4炭素複合体は、例えばLiFePO4と比較すると電子伝導性に優れている。すなわち、LiFePO4炭素複合体は、LiFePO4粒子の表面に付着する炭素粒子により電子伝導性が向上するので、LiFePO4本来の容量を十分に引き出される。したがって、正極活物質としてLiFePO4炭素複合体を用いることにより、高容量を有する非水電解液電池1を実現できる。
【0031】
正極活物質層に含有される結着剤としては、この種の非水電解液電池において正極活物質層の結着剤として通常用いられている公知の樹脂材料等を用いることができる。
【0032】
正極缶5は、正極4を収容するものであり、また、非水電解液電池1の外部正極となる。
【0033】
セパレータ6は、正極4と、負極2とを離間させるものであり、この種の非水電解液電池のセパレータとして通常用いられている公知の材料を用いることができ、例えばポリプロピレンなどの高分子フィルムが用いられる。また、リチウムイオン伝導度とエネルギー密度との関係から、セパレータの厚みはできるだけ薄いことが必要である。具体的には、セパレータの厚みは例えば50μm以下が適当である。
【0034】
絶縁ガスケット7は、負極缶3に組み込まれ一体化されている。この絶縁ガスケット7は、負極缶3及び正極缶5内に充填された非水電解液の漏出を防止するためのものである。
【0035】
非水電解液としては、非プロトン性非水溶媒に電解質を溶解させた溶液が用いられる。
【0036】
非水溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等を使用することができる。特に、電圧安定性の点からは、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類を使用することが好ましい。また、このような非水溶媒は、1種類を単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
【0037】
また、非水溶媒に溶解させる電解質としては、例えば、LiPF6、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2等のリチウム塩を使用することができる。これらのリチウム塩の中でも特に、LiPF6、LiBF4を使用することが好ましい。
【0038】
なお、本発明を適用した非水電解質電池として、非水電解液を用いた非水電解液電池1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、非水電解質として、固体電解質を用いた場合にも適用可能である。ここで、固体電解質としては、リチウムイオン導電性を有する材料であれば無機固体電解質、ゲル状電解質等の高分子固体電解質の何れも用いることができる。ここで、無機固体電解質としては、窒化リチウム、ヨウ化リチウム等が挙げられる。また、高分子固体電解質は、電解質塩とそれを溶解する高分子化合物とからなり、その高分子化合物は、ポリ(エチレンオキサイド)や、同架橋体などのエーテル系高分子、ポリ(メタクリレート)エステル系高分子、アクリレート系高分子等を単独、又は分子中に共重合、又は混合して用いることができる。この場合、例えばゲル状電解質のマトリックスとしては、非水電解液を吸収してゲル化するものであれば種々の高分子材料を用いることができる。このような高分子材料としては、例えば、ポリ(ビニリデンフルオロライド)や、ポリ(ビニリデンフルオロライド−CO−ヘキサフルオロプロピレン)等のフッ素系高分子、ポリ(エチレンオキサイド)や、同架橋体などのエーテル系高分子、またポリ(アクリロニトリル)などを用いることができる。そして、これらの中でも特に、酸化還元安定性の観点からフッ素系高分子を用いることが好ましい。
【0039】
上述のように構成される非水電解液電池1の製造方法について、以下に説明する。
【0040】
まず、正極活物質としてLiFePO4と炭素材料との複合体、すなわちLiFePO4炭素複合体を以下に示す製造方法に従って合成する。
【0041】
本発明においては、この正極活物質は、リチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させる共沈工程と、共沈体を焼成する焼成工程とを経ることにより製造する。
【0042】
共沈工程では、リチウム塩と鉄塩とを含有するリン酸水溶液を用いてリチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させる。
【0043】
まず、リチウム塩と鉄塩とを含有するリン酸水溶液に水溶性有機還元剤を混合し、混合水溶液を調製する。ここで、水溶性有機還元剤は、リン酸水溶液中に存在したFeが、リン酸水溶液と水溶性有機還元剤との混合水溶液中で酸化されて生成するFe3+イオンを還元するために混合するものである。このような水溶性有機還元剤としては、アスコルビン酸や、フェノールやピロガノール等のフェノール類誘導体等の還元性を有する水溶性有機化合物を用いることができる。そして、その中でも、アスコルビン酸を好適に用いることができる。
【0044】
つぎに、この混合水溶液にアセトンを所定の分量だけ、例えばこの混合水溶液の0.5体積%程度添加する。これは、引き続き添加するアセチレンブラックの親水性を改善するために添加するものである。
【0045】
次に、アセトンを添加した混合水溶液に炭素材料を所定の分量だけ、例えば生成されると予想される共沈体重量の10重量%程度添加する。ここで、炭素材料は、LiFePO4炭素複合体の原料となるものであり、また、炭素材料を添加して共沈体を焼成することにより、共沈体中に炭素材料が入り込み反応面積を小さくすることができるため、焼成工程におけるLiFePO4粒子の粒子成長を抑制することができ、粒径の小さいLiFePO4炭素複合体を合成することができる。これにより、LiFePO4炭素複合体の重量当たりの比表面積を大きくすることができるため、電子伝導性に優れたLiFePO4炭素複合体を合成することができる。
【0046】
次に、炭素材料を添加した混合水溶液にアルカリ溶液を混合する。ここで、アルカリ溶液は、リチウム塩と鉄塩とを含有するリン酸水溶液と水溶性有機還元剤との混合液の水素イオン濃度(pH)を高くし、リチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させるために混合するものである。このようなアルカリ溶液としては、特に限定されることはなく、例えば水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等を好適に用いることができる。
【0047】
以上のような操作を行うことにより、リチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させることができる。。
【0048】
次に、共沈工程で得られた共沈体をろ過し、水洗し、乾燥させることにより共沈体を回収する。
【0049】
続いて、焼成工程において、回収した共沈体を焼成する。共沈体を焼成することにより、共沈体内で反応を生じさせ、LiFePO4炭素複合体を合成する。
【0050】
ここで、共沈体の焼成を行う際の焼成温度は、350℃〜900℃とすることにが好ましい。焼成温度を350℃〜900℃とすることにより、LiFePO4炭素複合体を確実に単相合成することが可能となる。焼成温度が350℃未満であると、化学反応及び結晶化が十分に進まず、合成原料であるLi3PO4等の不純物相が存在し、均一なLiFePO4炭素複合体を得られない虞がある。一方、焼成温度が900℃を上回ると、結晶化が過剰に進行してLiFePO4炭素複合体におけるLiFePO4粒子が大きくなり、LiFePO4と炭素材料との接触面積が減少し、電子伝導性が下がるため、十分な放電容量を得られない虞がある。さらに、電池性能を考慮した場合、焼成温度は、400℃〜800℃とすることがより好ましい。焼成温度を400℃〜800℃とすることにより、優れた電池特性を有するLiFePO4炭素複合体を確実に単相合成することが可能となる。
【0051】
ところで、焼成時において、合成されたLiFePO4炭素複合体中のFeは2価の状態である。このため、LiFePO4炭素複合体中のFeは、焼成雰囲気中の酸素によって下記化3に示す反応式によりFe3+に速やかに酸化されてしまう。これに起因して、3価のFe化合物等の不純物が生成され、LiFePO4炭素複合体の単相合成が妨げられてしまう。
【0052】
【化3】
【0053】
そこで、焼成雰囲気として窒素、アルゴン等の不活性ガス又は水素や一酸化炭素等の還元性ガスを用いるとともに、焼成雰囲気中の酸素濃度を、LiFePO4炭素複合体中のFeが酸化されない範囲、すなわち1012ppm(体積)以下とすることが好ましい。焼成雰囲気中の酸素濃度を、1012ppm(体積)以下とすることにより、Feの酸化を防止し、LiFePO4炭素複合体の単相合成を確実に行うことが可能となる。
【0054】
焼成雰囲気中の酸素濃度が1012ppm(体積)よりも高い場合には、焼成雰囲気中の酸素量が多すぎるため、LiFePO4炭素複合体中のFeがFe3+に酸化されてしまい、これに起因して不純物が生成してしまうため、LiFePO4炭素複合体の単相合成が妨げられてしまう虞がある。
【0055】
焼成後のLiFePO4炭素複合体の取り出しについては、焼成後のLiFePO4炭素複合体の取り出し温度、すなわちLiFePO4炭素複合体を大気中に暴露する際のLiFePO4炭素複合体の温度は305℃以下とすることが好ましい。また、焼成後のLiFePO4炭素複合体の取り出し温度を204℃以下とすることがより好ましい。LiFePO4炭素複合体の取り出し温度を305℃以下とすることにより、焼成後のLiFePO4炭素複合体中のFeが大気中の酸素により酸化され、不純物が生成されることを防止できる。
【0056】
焼成後にLiFePO4炭素複合体を十分に冷却しない状態で取り出した場合、LiFePO4炭素複合体中のFeが大気中の酸素により酸化され、不純物が生成される虞がある。しかしながら、余り低い温度までLiFePO4炭素複合体を冷却したのでは、作業効率の低下を招く虞がある。
【0057】
したがって、焼成後のLiFePO4炭素複合体の取り出し温度を305℃以下とすることにより、焼成後のLiFePO4炭素複合体中のFeが大気中の酸素により酸化されて不純物が生成されることを防止するとともに、作業効率も維持することが可能となり、電池特性として好ましい特性を有するLiFePO4炭素複合体を効率よく合成することができる。
【0058】
なお、焼成後のLiFePO4炭素複合体の冷却は焼成炉内で行うが、このときの冷却方法は、自然冷却でも良く、また、強制冷却でも良い。ただし、冷却時間の短縮、すなわち、作業効率を考慮した場合には、強制冷却することが好ましい。そして、強制冷却する場合には、焼成炉内を上述した酸素濃度、すなわち1012ppm(体積)以下とするように酸素と不活性ガスとの混合ガス、又は不活性ガスのみを焼成炉内に供給すれば良い。
【0059】
上述した正極活物質の製造方法は、固相反応による合成法でないため、正極活物質の合成原料粉末を粉砕、混合する工程が不要とされる。すなわち、正極活物質の合成原料粉末を粉砕、混合するための装置、例えばボールミル等の装置を必用としないため、設備導入によるコスト上昇が生じない。
【0060】
また、この工程に起因する正極活物質の製造工程の複雑化や生産性の低下といった問題が生じることないため、簡便に正極活物質を製造することができる。
【0061】
また、固相反応による合成法の場合、正極活物質の合成原料として希少であり高価な材料を用いるため、原料コストが高くなってしまう。それに対して、上述した正極活物質の製造方法の場合、正極活物質の合成原料としては、一般的な材料を用いるため、原料コストを低く抑えることができる。したがって、上述した正極活物質の製造方法によれば、LiFePO4炭素複合体を安価に、且つ簡便な方法で確実に単相合成することが可能とされる。
【0062】
上述のようにして得られたLiFePO4炭素複合体を正極活物質として用いた非水電解液電池1は、例えば次のようにして製造される。
【0063】
負極2としては、まず、負極活物質と結着剤とを溶媒中に分散させてスラリーの負極合剤を調製する。次に、得られた負極合剤を集電体上に均一に塗布、乾燥して負極活物質層を形成することにより負極2が作製される。上記負極合剤の結着剤としては、公知の結着剤を用いることができる他、上記負極合剤に公知の添加剤等を添加することができる。また、負極活物質となる金属リチウムをそのまま負極2として用いることもできる。
【0064】
正極4としては、まず、正極活物質となるLiFePO4炭素複合体と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、溶媒中に分散させてスラリー状とする。
【0065】
次に、得られたスラリー状の正極合剤を集電体上に均一に塗布、乾燥して正極活物質層を形成することにより正極4が作製される。上記正極合剤の結着剤としては、公知の結着剤を用いることができる他、上記正極合剤に公知の添加剤等を添加することができる。
【0066】
非水電解液は、電解質塩を非水溶媒中に溶解することにより調製される。
【0067】
そして、負極2を負極缶3に収容し、正極4を正極缶5に収容し、負極2と正極4との間に、ポリプロピレン製多孔質膜等からなるセパレータ6を配する。負極缶3及び正極缶5内に非水電解液を注入し、絶縁ガスケット7を介して負極缶3と正極缶5とをかしめて固定することにより、コイン型の非水電解液電池1が完成する。
【0068】
以上のような非水電解質二次電池の製造方法は、正極活物質を製造する際にリチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させ、この共沈体を焼成するものであり、固相反応による合成を行わないため、正極活物質の合成原料粉末を粉砕、混合する工程が不要とされる。すなわち、正極活物質の合成原料粉末を粉砕、混合するための装置、例えばボールミル等の装置を必用としないため、設備導入によるコスト上昇がない。
【0069】
また、正極活物質の合成原料粉末の粉砕、混合工程がないため、この工程に起因する正極活物質の製造工程の複雑化や生産性の低下といった問題が生じることなく、簡便に正極活物質を製造することが可能とされるため、簡便に非水電解質二次電池を製造することが可能となる。
【0070】
また、固相反応により正極活物質を合成する場合、正極活物質の合成原料として希少な高価な材料を用いるため、原料コストが高くなってしまう。それに対して、この非水電解質二次電池の製造方法では、正極活物質の合成原料としては、一般的な材料を用いるため、原料コストが低く抑えることが可能となる。
【0071】
また、上記においては、正極活物質としてLiFePO4炭素複合体を用いた場合について説明したが、正極活物質としては、これに限定されることはなく、例えばLiFePO4粒子の表面に炭素材料が付着していないLiFePO4を用いても良い。
【0072】
ここで、LiFePO4は、アセトンを添加しないことと、炭素材料を添加しないことを除けば上述したLiFePO4炭素複合体の製造方法と同様にして製造することができる。そして、この場合のLiFePO4の製造方法も固相反応による合成法でないため、正極活物質の合成原料粉末を粉砕、混合する工程が不要とされる。すなわち、正極活物質の合成原料粉末を粉砕、混合するための装置、例えばボールミル等の装置を必用としないため、設備導入によるコスト上昇や、この工程に起因する生産性の低下といった問題が生じることない。また、固相反応による合成法の場合、正極活物質の合成原料として希少であり高価な材料を用いるため、原料コストが高くなってしまう。それに対して、上述した正極活物質の製造方法の場合、使用する正極活物質の合成原料としては、一般的な材料が用いられるため、原料コストを低く抑えることができる。したがって、この正極活物質の製造方法によれば、LiFePO4を安価に、且つ簡便な方法で確実に単相合成することが可能とされる。
【0073】
なお、上述したような本実施の形態に係る非水電解液電池1は、円筒型、角型、コイン型、ボタン型等、その形状については特に限定されることはなく、また、薄型、大型等の種々の大きさにすることができる。
【0074】
【実施例】
以下、本発明を具体的な実験結果に基づいて説明する。ここでは、本発明の効果を調べるべく、正極活物質としてLiFePO4及びLiFePO4炭素複合体を合成し、これらを用いて非水電解質電池を作製し、その特性を評価した。
【0075】
<実施例1>
本発明に係る正極活物質の製造方法を適用して、正極活物質としてLiFePO4を合成した。この正極活物質の製造方法を以下に示す。
【0076】
まず、濃度が10体積%である希釈リン酸水溶液中に水酸化リチウム1水和物、硫酸鉄7水和物を、Li:Feのモル比が1:1となるようにして加え、溶解させて混合液を調製した。
【0077】
次に、この混合液に、代表的な水溶性有機還元剤であるアスコルビン酸を混合液の1重量%分添加する。
【0078】
次に、アスコルビン酸を添加した混合液に、濃度が1mol/lである水酸化ナトリウム水溶液を滴下することにより、沈殿物(共沈物)を生成させた。そして、この沈殿物をろ過後、水洗し、乾燥させることにより沈殿物を回収した。
【0079】
回収した沈殿物を誘導結合高周波プラズマ分光分析を用いて元素分析したところ、沈殿物にはLi、Fe、Pが含有されていることが確認され、また、これらの含有モル比率は、Li:Fe:P=1:1:1となっていることが確認された。
【0080】
その後、回収した沈殿物をセラミックるつぼに入れ、窒素雰囲気中の電気炉にて350℃の温度で5時間焼成することによりLiFePO4を得た。
【0081】
次に、上記において得られたLiFePO4を正極活物質として用いて非水電解質電池を作製した。
【0082】
まず、正極活物質として上記で得られたLiFePO4を85重量部と、導電材としてアセチレンブラックを10重量部と、バインダーとしてフッ素樹脂粉末であるポリ(ビニリデンフルオロライド)5重量部とを混合した後、加圧成形して直径15.5mm、厚み0.1mmのペレット状の正極とした。
【0083】
次いで、リチウム金属箔を正極と略同形に打ち抜くことにより負極とした。
【0084】
次いで、プロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとの等容量混合溶媒に、LiPF6を1mol/lの濃度で溶解させることにより非水電解液を調製した。
【0085】
以上のようにして得られた正極を正極缶に収容し、負極を負極缶に収容し、正極と負極との間にセパレータを配した。正極缶及び負極缶内に非水電解液を注入し、正極缶と負極缶とをかしめて固定することにより、直径20.0mm、厚み1.6mmの2016型のコイン型テストセルを作製した。
【0086】
<実施例2>
正極活物質を合成する際の焼成温度を400℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
【0087】
<実施例3>
正極活物質を合成する際の焼成温度を500℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
【0088】
<実施例4>
正極活物質を合成する際の焼成温度を600℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
【0089】
<実施例5>
正極活物質を合成する際の焼成温度を700℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
【0090】
<実施例6>
正極活物質を合成する際の焼成温度を750℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
【0091】
<比較例1>
正極活物質を合成する際の焼成温度を300℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
【0092】
<比較例2>
正極活物質を合成する際の焼成温度を800℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
【0093】
上記において実施例1乃至実施例6、比較例1及び比較例2で合成した正極活物質に対してX線回折測定を行った。その結果を表1に示す。なお、表1においては、JCPDS−No.401499に記載される粉末X線回折線と適合し、且つ他の回折線が確認されないものをLiFePO4の単相合成が行われたものとして○を記した。そして、JCPDS−No.401499に記載される粉末X線回折線と適合しない、又は適合しても他の回折線が確認されたものは、LiFePO4の単相合成が行われなかったものとして×を記した。
【0094】
【表1】
【0095】
表1より、焼成温度が350℃以上である実施例1乃至実施例6、及び比較例2では、JCPDS−No.401499に記載される粉末X線回折線と適合し、且つ他の回折線が確認されておらず、LiFePO4の単相合成が行われたことが判る。
【0096】
一方、焼成温度が300℃である比較例1では、Li3PO4等の、JCPDS−No.401499に記載される粉末X線回折線以外の回折線が確認されたため、LiFePO4の単相合成が行われなかったことが判る。これは、焼成温度が低いため、LiFePO4の合成反応が進行せず、焼成体中に不純物が残留してしまったためであると考えられる。
【0097】
以上のことより、上記のLiFePO4の合成法においては、焼成温度を350℃以上とすることによりLiFePO4の単相合成を確実に行うことができるといえる。
【0098】
また、実施例1乃至実施例6、比較例1及び比較例2で作製したコイン型テストセルについて、以下のようにして充放電試験を行い、初期放電容量密度を評価した。
【0099】
<充放電試験>
各テストセルに対して定電流充電を行い、電池電圧が4.2Vになった時点で、定電流充電から定電圧充電に切り替えて、電圧を4.2Vに保ったまま充電を行った。そして、電流が0.01mA/cm2以下になった時点で充電を終了させた。その後、放電を行い、電池電圧が2.0Vまで低下した時点で放電を終了させた。なお、充電時、放電時ともに常温(25℃)で行い、このときの電流密度は0.1mA/cm2とした。その結果を結果を表1に合わせて示す。なお、表1における電池評価は初期放電容量密度が140mAh/g以上のものを実用推奨レベルとして○を記し、初期放電容量密度110mAh/g以上140mAh/g未満のものを実用可能レベルとして△を記し、初期放電容量密度が110mAh/g未満のものを実用不可として×を記した。
【0100】
表1から判るように、LiFePO4を合成する際の焼成温度が350℃〜750℃である実施例1乃至実施例6では、初期放電容量密度は、全てにおいて良好な値を示した。
【0101】
一方、LiFePO4を合成する際の焼成温度が300℃である比較例1では、初期放電容量密度は98mAh/gと低い値を示した。これは、焼成温度が低すぎるためLiFEPO4の合成が進行せず、正極活物質であるLiFePO4が単相合成されず、電池反応に寄与する正極活物質量が少ないためであると考えられる。
【0102】
また、LiFePO4を合成する際の焼成温度が800℃である比較例2でも、初期放電容量密度は86mAh/gと低い値を示した。これは、焼成温度が高すぎるため、焼成中のLiFePO4粒子の粒子成長が著しくなり、巨大な粒径を有するLiFePO4が合成され導電材との接触面積が減少したため、電子伝導性の減少により電池の閉回路時の分極が大きくなり、その結果、容量減少が生じたためであると考えられる。
【0103】
以上のことより、LiFePO4を合成する際の焼成温度は、350℃〜750℃とすることが好ましいといえる。しかし、電池特性の観点からは、正極活物質の初期放電容量密度は140mAh/g以上であることが好ましく、このことよりLiFePO4を合成する際の焼成温度は、400℃〜700℃とすることがより好ましいといえる。
【0104】
次に、ポリマー電池を作製し、特性を評価した。
【0105】
<実施例7>
まず、ゲル状電解質を以下に示すようにして作製した。まず、ヘキサフルオロプロピレンが6.9重量%の割合で共重合されたポリフッ化ビニリデンと、非水電解液と、ジメチルカーボネートとを混合し、撹拌、溶解させ、ゾル状の電解質溶液を調製した。次いで、ゾル状の電解質溶液に、ビニレンカーボネート(VC)を0.5重量%の割合で添加してゲル状電解質溶液とした。なお、非水電解液として、エチレンカーボネート(EC)と、プロピレンカーボネート(PC)とを体積比で6:4の割合で混合した混合溶媒にLiPF6を0.85mol/kgの割合で溶解させたものを使用した。
【0106】
次いで、正極を以下に示すようにして作製した。まず、実施例4で作製したLiFePO4を85重量部、導電剤としてグラファイトを10重量部、結着剤としてフッ素樹脂粉末であるポリ(ビニリデンフルオロライド)5重量部とを混合して正極合剤を調製した後、N−メチルピロリドンを加えてスラリー状にしたものを準備した。次に、このスラリーを厚み20μmのアルミ箔に塗布、加熱乾燥後、加圧工程を経て正極塗布箔を作製した。次に、この正極塗布箔の片面にゲル状電解質溶液を塗布後、乾燥して溶剤を除去した後、セルの径に準じて直径15mmの円形に打ち抜き、正極電極とした。
【0107】
次いで、負極を以下に示すようにして作製した。まず、黒鉛粉末にバインダーとしてフッ素樹脂粉末を10重量%混合し、N−メチルピロリドンを加えてスラリー状にしたものを準備した。次に、このスラリーを銅箔に塗布、加熱乾燥後、加圧工程を経てセルの大きさに準じて直径16.5mmの円形に打ち抜き、負極電極とした。
【0108】
以上のようにして得られた正極を正極缶に収容し、負極を負極缶に収容し、正極と負極との間にセパレータを配した。そして、正極缶と負極缶とをかしめて固定することにより、直径20mm、厚み1.6mmの2016型のコイン型リチウムポリマー電池を作製した。
【0109】
<実施例8>
正極を作製する際に、実施例5で作製したLiFePO4を用いたこと以外は、実施例7と同様にしてコイン型リチウムポリマー電池を作製した。
【0110】
以上のようにして作製した実施例7及び実施例8のコイン型リチウムポリマー電池について、以下のようにして充放電サイクル特性試験を行い、初期放電容量密度及び30サイクル後の放電容量維持率を求めた。
【0111】
<充放電サイクル特性試験>
充放電サイクル特性は、充放電を繰り返した後の容量維持率により評価した。
【0112】
コイン型リチウムポリマー電池に対して定電流充電を行い、電池電圧が4.2Vになった時点で、定電流充電から定電圧充電に切り替えて、電圧を4.2Vに保ったまま充電を行った。そして、電流が0.01mA/cm2以下になった時点で充電を終了させた。その後、放電を行い、電池電圧が2.0Vまで低下した時点で放電を終了させた。
【0113】
以上の工程を1サイクルとして、これを30サイクル行い、1サイクル目及び30サイクル目における放電容量を求めた。そして、1サイクル目の放電容量(C1)に対する、30サイクル目の放電容量(C2)の比率((C2/C1)×100)を放電容量維持率として求めた。なお、充電時、放電時ともに常温(25℃)で行い、このときの電流密度は0.1mA/cm2とした。その結果を表2に示す。
【0114】
【表2】
【0115】
表2から判るように、初期放電容量密度、30サイクル後の容量維持率ともに良好な値を示している。このことから、本発明に係る製造方法により製造された正極活物質は、非水電解質として非水電解液の代わりにゲル状電解質を用いてポリマー電池を構成した場合においても良好な電池特性を得ることができるといえる。
【0116】
<実施例9>
本発明に係る正極活物質の製造方法を適用して、正極活物質としてLiFePO4炭素複合体を合成した。この正極活物質の製造方法を以下に示す。
【0117】
まず、濃度が10体積%である希釈リン酸水溶液中に水酸化リチウム1水和物、硫酸鉄7水和物を、Li:Feのモル比が1:1となるようにして加え、溶解させて混合液を調整した。
【0118】
次に、この混合液に、代表的な水溶性有機還元剤であるアスコルビン酸を混合液の1重量%分添加した。
【0119】
次に、アスコルビン酸を添加した混合液の0.5体積%分のアセトンを添加し、さらに、計算から予想される沈殿物(共沈物)重量の10重量%分だけアセチレンブラック粉末を添加した。
【0120】
次に、この混合液に、濃度が1mol/lである水酸化ナトリウム水溶液を滴下することにより、沈殿物(共沈物)を生成させた。そして、この沈殿物をろ過後、水洗し、乾燥させることにより沈殿物を回収した。
【0121】
回収した沈殿物を誘導結合高周波プラズマ分光分析を用いて元素分析したところ、沈殿物にはLi、Fe、Pが含有されていることが確認され、また、これらの含有モル比率は、Li:Fe:P=1:1:1となっていることが確認された。
【0122】
その後、回収した沈殿物をセラミックるつぼに入れ、窒素雰囲気中の電気炉にて350℃の温度で5時間焼成することによりLiFePO4炭素複合体を得た。
【0123】
次に、上記において得られたLiFePO4炭素複合体を正極活物質として用いて非水電解質電池を作製した。
【0124】
まず、正極活物質として上記で得られたLiFePO4炭素複合体を85重量部と、導電材としてアセチレンブラックを10重量部と、バインダーとしてフッ素樹脂粉末であるポリ(ビニリデンフルオロライド)5重量部とを混合した後、加圧成形して直径15.5mm、厚み0.1mmのペレット状の正極とした。
【0125】
次いで、リチウム金属箔を正極と略同形に打ち抜くことにより負極とした。
【0126】
次いで、プロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとの等容量混合溶媒に、LiPF6を1mol/lの濃度で溶解させることにより非水電解液を調製した。
【0127】
以上のようにして得られた正極を正極缶に収容し、負極を負極缶に収容し、正極と負極との間にセパレータを配した。正極缶及び負極缶内に非水電解液を注入し、正極缶と負極缶とをかしめて固定することにより、直径20.0mm、厚み1.6mmの2016型のコイン型テストセルを作製した。
【0128】
<実施例10>
正極活物質を合成する際の焼成温度を400℃としたこと以外は、実施例9と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
【0129】
<実施例11>
正極活物質を合成する際の焼成温度を500℃としたこと以外は、実施例9と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
【0130】
<実施例12>
正極活物質を合成する際の焼成温度を600℃としたこと以外は、実施例9と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
【0131】
<実施例13>
正極活物質を合成する際の焼成温度を700℃としたこと以外は、実施例9と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
【0132】
<実施例14>
正極活物質を合成する際の焼成温度を800℃としたこと以外は、実施例9と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
【0133】
<実施例15>
正極活物質を合成する際の焼成温度を900℃としたこと以外は、実施例9と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
【0134】
<比較例3>
正極活物質を合成する際の焼成温度を300℃としたこと以外は、実施例9と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
【0135】
<比較例4>
正極活物質を合成する際の焼成温度を1000℃としたこと以外は、実施例9と同様にしてコイン型テストセルを作製した。
【0136】
上記において実施例9乃至実施例15、比較例3及び比較例4で合成した正極活物質に対してX線回折測定を行った。その結果を表3に示す。なお、表3においては、JCPDS−No.401499に記載される粉末X線回折線と適合し、且つ他の回折線が確認されないものをLiFePO4炭素複合体の単相合成が行われたものとして○を記した。そして、JCPDS−No.401499に記載される粉末X線回折線と適合しない、又は適合しても他の回折線が確認されたものは、LiFePO4炭素複合体の単相合成が行われなかったものとして×を記した。
【0137】
【表3】
【0138】
表3より、焼成温度が350℃以上である実施例9乃至実施例15及び比較例4では、JCPDS−No.401499に記載される粉末X線回折線と適合し、且つ他の回折線が確認されておらず、LiFePO4炭素複合体の単相合成が行われたことが判る。
【0139】
一方、焼成温度が300℃である比較例3では、Li3PO4等の、JCPDS−No.401499に記載される粉末X線回折線以外の回折線が確認されたため、LiFePO4炭素複合体の単相合成が行われなかったことが判る。これは、焼成温度が低いため、LiFePO4炭素複合体の合成反応が進行せず、焼成体中に不純物が残留してしまったためであると考えられる。
【0140】
以上のことより、上記のLiFePO4炭素複合体を合成するに際しては、焼成温度を350℃以上とすることによりLiFePO4炭素複合体の単相合成を確実に行うことができるといえる。
【0141】
また、実施例9乃至実施例15、比較例3及び比較例4で作製したコイン型テストセルについて、上記と同様にして充放電試験を行い、初期放電容量密度を評価した。その結果を結果を表3合わせて示す。なお、表3における電池評価は、初期放電容量密度が140mAh/g以上のものを実用推奨レベルとして○を記し、初期放電容量密度110mAh/g以上140mAh/g未満のものを実用可能レベルとして△を記し、初期放電容量密度が110mAh/g未満のものを実用不可として×を記した。
【0142】
表3から判るように、LiFePO4炭素複合体を合成する際の焼成温度が350℃〜900℃である実施例9乃至実施例15では、初期放電容量密度は、全てにおいて良好な値を示した。
【0143】
一方、LiFePO4炭素複合体を合成する際の焼成温度が300℃である比較例3では、初期放電容量密度は103mAh/gと低い値を示した。これは、正極活物質であるLiFePO4炭素複合体が単相合成されていないため、電池反応に寄与する正極活物質量が少ないためであると考えられる。
【0144】
また、LiFePO4炭素複合体を合成する際の焼成温度が1000℃である比較例4でも、初期放電容量密度は74mAh/gと低い値を示した。これは、焼成温度が高すぎるため、焼成中のLiFePO4粒子の粒子成長が著しくなり、巨大な粒径を有するLiFePO4炭素複合体が合成され導電材との接触面積が減少したため、電子伝導性の減少により電池の閉回路時の分極が大きくなり、その結果、容量減少が生じたためであると考えられる。
【0145】
以上のことより、LiFePO4炭素複合体を合成する際の焼成温度は、350℃〜900℃とすることが好ましいといえる。しかし、電池特性の観点からは、正極活物質の初期放電容量密度は140mAh/g以上であることが好ましく、このことよりLiFePO4炭素複合体を合成する際の焼成温度は、400℃〜800℃とすることがより好ましいといえる。
【0146】
次に、ポリマー電池を作製し、特性を評価した。
【0147】
<実施例16>
まず、ゲル状電解質を以下に示すようにして作製した。まず、ヘキサフルオロプロピレンが6.9重量%の割合で共重合されたポリフッ化ビニリデンと、非水電解液と、ジメチルカーボネートとを混合し、撹拌、溶解させ、ゾル状の電解質溶液を調製した。次いで、ゾル状の電解質溶液に、ビニレンカーボネート(VC)を0.5重量%の割合で添加してゲル状電解質溶液とした。なお、非水電解液として、エチレンカーボネート(EC)と、プロピレンカーボネート(PC)とを体積比で6:4の割合で混合した混合溶媒にLiPF6を0.85mol/kgの割合で溶解させたものを使用した。
【0148】
次いで、正極を以下に示すようにして作製した。まず、実施例12で作製したLiFePO4炭素複合体を85重量部、導電剤としてグラファイトを10重量部、結着剤としてフッ素樹脂粉末であるポリ(ビニリデンフルオロライド)5重量部とを混合して正極合剤を調製した後、N−メチルピロリドンを加えてスラリー状にしたものを準備した。次に、このスラリーを厚み20μmのアルミ箔に塗布、加熱乾燥後、加圧工程を経て正極塗布箔を作製した。次に、この正極塗布箔の片面にゲル状電解質溶液を塗布後、乾燥して溶剤を除去した後、セルの径に準じて直径15mmの円形に打ち抜き、正極電極とした。
【0149】
次いで、負極を以下に示すようにして作製した。まず、黒鉛粉末にバインダーとしてフッ素樹脂粉末を10重量%混合し、N−メチルピロリドンを加えてスラリー状にしたものを準備した。次に、このスラリーを銅箔に塗布、加熱乾燥後、加圧工程を経てセルの大きさに準じて直径16.5mmの円形に打ち抜き、負極電極とした。
【0150】
以上のようにして得られた正極を正極缶に収容し、負極を負極缶に収容し、正極と負極との間にセパレータを配した。そして、正極缶と負極缶とをかしめて固定することにより、直径20mm、厚み1.6mmの2016型のコイン型リチウムポリマー電池を作製した。
【0151】
<実施例17>
正極を作製する際に、実施例13で作製したLiFePO4炭素複合体を用いたこと以外は、実施例16と同様にしてコイン型リチウムポリマー電池を作製した。
【0152】
以上のようにして作製した実施例16及び実施例17のコイン型リチウムポリマー電池について、上記と同様にして充放電サイクル特性試験を行い、初期放電容量密度及び30サイクル後の放電容量維持率を求めた。その結果を表4に示す。
【0153】
【表4】
【0154】
表4から判るように、初期放電容量密度、30サイクル後の容量維持率ともに良好な値を示している。このことから、本発明に係る製造方法により製造された正極活物質は、非水電解質として非水電解液の代わりにゲル状電解質を用いてポリマー電池を構成した場合においても良好な電池特性を得ることができるといえる。
【0155】
【発明の効果】
本発明に係る正極活物質の製造方法は、リチウム塩と鉄塩とを含有するリン酸水溶液に水溶性有機還元剤を混合して混合水溶液を調製し、当該混合水溶液にアルカリ溶液を混合してリチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させる共沈工程と、共沈体を焼成する焼成工程とを有するものである。
【0156】
以上のような正極活物質の製造方法は、固相反応による合成法でないため、正極活物質の合成原料粉末を粉砕、混合する工程が不要とされるため、設備導入によるコスト上昇がなく、また、簡便に正極活物質を製造することが可能となる。
【0157】
また、正極活物質の合成原料としては、一般的な材料を用いるため、原料コストが低く抑えることができる。
【0158】
したがって、本発明によれば、製造コストが安価であり、且つ簡便な正極活物質の製造方法を提供することが可能となる。
【0159】
本発明に係る非水電解質二次電池の製造方法は、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池の製造方法であって、リチウム塩と鉄塩とを含有するリン酸水溶液に水溶性有機還元剤を混合し、さらにアルカリ溶液を混合してリチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させる共沈工程と、共沈体を焼成する焼成工程とを経て上記正極活物質を製造するものである。
【0160】
以上のような非水電解質二次電池の製造方法では、固相反応による合成法でなく、共沈を用いた合成法により正極活物質を製造することにより、正極活物質の合成原料粉末を粉砕、混合する工程が不要とされるため、設備導入によるコスト上昇がなく、また、簡便に非水電解質二次電池を製造することが可能となる。
【0161】
また、正極活物質の合成原料としては、一般的な材料を用いるため、原料コストが低く抑えることができる。
【0162】
したがって、本発明によれば、製造コストが安価であり、且つ簡便な非水電解質二次電池の製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した非水電解質二次電池の一構成例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 非水電解質電池、2 負極、3 負極缶、4 正極、5 正極缶、6 セパレータ、7 絶縁ガスケット
Claims (8)
- リチウム塩と鉄塩とを含有するリン酸水溶液に水溶性有機還元剤を混合して混合水溶液を調整し、当該混合水溶液にアルカリ溶液を混合してリチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させる共沈工程と、
焼成温度350℃〜750℃で上記共沈体を焼成する焼成工程とを有する正極活物質の製造方法。 - 上記共沈工程と上記焼成工程との間に、上記共沈体を乾燥させる乾燥工程を有する請求項1記載の正極活物質の製造方法。
- リチウム塩と鉄塩とを含有するリン酸水溶液に水溶性有機還元剤を混合し、炭素材料を添加した後、アルカリ溶液を混合してリチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させる共沈工程と、
焼成温度350℃〜900℃で上記共沈体を焼成する焼成工程とを有する正極活物質の製造方法。 - 正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池の製造方法であって、
リチウム塩と鉄塩とを含有するリン酸水溶液に水溶性有機還元剤を混合し、さらにアルカリ溶液を混合してリチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させる共沈工程と、焼成温度350℃〜750℃で上記共沈体を焼成する焼成工程とを経て上記正極活物質を製造する非水電解質二次電池の製造方法。 - 上記共沈工程後に、上記共沈体を乾燥させる乾燥工程を有する請求項4記載の非水電解質二次電池の製造方法。
- 正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池の製造方法であって、
リチウム塩と鉄塩とを含有するリン酸水溶液に水溶性有機還元剤を混合し、炭素材料を添加した後、アルカリ溶液を混合してリチウムと鉄との複合リン酸化物の共沈体を生成させる共沈工程と、
焼成温度350℃〜900℃で上記共沈体を焼成する焼成工程とを有する非水電解質二次電池の製造方法。 - 上記非水電解質が、液系電解質である請求項4乃至請求項6のいずれか1項記載の非水電解質二次電池の製造方法。
- 上記非水電解質が、ポリマー電解質である請求項4乃至請求項6のいずれか1項記載の非水電解質二次電池の製造方法。
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