JP2002116421A - 旋光器及びそれを用いた光デバイス - Google Patents

旋光器及びそれを用いた光デバイス

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JP2002116421A
JP2002116421A JP2000304592A JP2000304592A JP2002116421A JP 2002116421 A JP2002116421 A JP 2002116421A JP 2000304592 A JP2000304592 A JP 2000304592A JP 2000304592 A JP2000304592 A JP 2000304592A JP 2002116421 A JP2002116421 A JP 2002116421A
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magnetic field
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Masaharu Hoshikawa
雅春 星川
Hiromitsu Umezawa
浩光 梅澤
Hiroshi Rikukawa
弘 陸川
Mikio Kitaoka
幹雄 北岡
Hideki Kawakami
英輝 川上
Shohei Abe
昇平 阿部
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FDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速切り換え動作が可能で、小型且つ安価な
旋光器、アレイ構造やマトリクス形式に容易に対応可能
な光スイッチ、アレイ構造に容易に対応可能な可変光ア
ッテネータを得る。 【解決手段】 貫通穴を有する積層コイル10a,…,
10cと、その貫通穴内あるいはその近傍に配置したフ
ァラデー素子11を具備し、コイルにより発生する磁界
がファラデー素子に印加されるようにした旋光器14で
ある。ファラデー素子は、その主面に垂直な方向に光が
通過し、その方向に磁界が印加されるように配置され
る。コイルの外周の少なくとも一部に高透磁率磁性材料
からなる磁気保持部材12を配置するのが望ましい。フ
ァラデー素子として、残留磁化を有する磁性ガーネット
結晶を用いると、自己保持機能を有する旋光器が得られ
る。このような旋光器は光スイッチなどに利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、旋光器及びそれを
用いる光デバイスに関し、更に詳しく述べると、貫通穴
を有するコイルの該貫通穴内あるいはその近傍にファラ
デー素子を配置することにより、ヨークを不要として小
型化及び各種特性の向上を図った旋光器、及びそれを用
いた光スイッチ、光アッテネータなどの光デバイスに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】旋光器は、入力する光の偏波面の角度を
回転制御するデバイスであり、光スイッチ、光アッテネ
ータ、あるいは偏波スクランブラなどに使用されてい
る。従来の旋光器は、ファラデー素子と、該ファラデー
素子に磁界を印加する電磁石とから構成されており、該
電磁石は、一部が開いた環状(C型形状)のヨークにコ
イルを巻線した構造である。ヨークの一部が開いている
部位に磁気光学結晶からなるファラデー素子を挿入し、
コイルにより発生する磁界がヨークで導かれてファラデ
ー素子に印加されるように構成されている。
【0003】コイルへの励磁電流を遮断しても入力光の
偏波面の角度が戻らないような自己保持機能を有する旋
光器の場合には、ヨークに半硬質磁性材料を用い、ファ
ラデー素子に軟磁性の磁気光学結晶を用いる。従って、
この場合、旋光器の自己保持機能は、ヨークである半硬
質磁性材料の特性によるものである。
【0004】また入力光の偏波面を任意の角度に回転制
御可能な旋光器として、可変旋光器がある。これは、フ
ァラデー素子と、該ファラデー素子に可変磁界を印加す
る電磁石と、固定磁界を印加する永久磁石とから構成さ
れている。この場合も、電磁石は一部が開いた環状(C
型形状)のヨークにコイルを巻線した構造である。ヨー
クの一部が開いている部位に磁気光学結晶からなるファ
ラデー素子を挿入し、コイルにより発生する可変磁界が
ヨークで導かれ、永久磁石による固定磁界も加わって、
その合成磁界がファラデー素子に印加されるように構成
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来構造
の旋光器は、ヨークに巻線を施した構造の電磁石を用い
るために大型で且つ高価であり、しかも印加磁界方向の
切り換えに長い時間(典型的には300μ秒程度)が必
要であった。この切り換え時間はヨーク材の特性によっ
て決まるため、高速切り換えが困難であった。また、上
記のように大きなヨークを必要とするため集積化には不
向きであった。旋光器が大型で高価となるために、それ
を用いる各種の光デバイスも必然的に大型で高価となっ
ていた。
【0006】本発明の目的は、高速切り換え動作が可能
で、小型且つ安価な旋光器を提供することである。本発
明の他の目的は、高速切り換えが可能で、小型且つ安価
であり、アレイ構造やマトリクス形式に容易に対応可能
な光スイッチを提供することである。本発明の更に他の
目的は、小型で且つ安価な可変旋光器を提供することで
ある。本発明の目的は、小型で且つ安価であり、アレイ
構造にも容易に対応可能な可変光アッテネータを提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、貫通穴を有す
るコイルと、その貫通穴内あるいはその近傍に配置した
ファラデー素子を具備し、前記コイルにより発生する磁
界がファラデー素子に印加されるようにした旋光器であ
る。ファラデー素子は、その主面に垂直な方向に光が通
過し、その方向に磁界が印加されるように配置される。
【0008】ここでコイルは、電気絶縁層と導体パター
ンが交互に積層され、各導体パターンの端部が順次接続
されることで矩形枠状の電気絶縁体中で積層方向に重畳
されている積層コイルが望ましい。またコイルの外周の
少なくとも一部に高透磁率磁性材料からなる磁気保持部
材を配置するのが望ましい。ファラデー素子として、残
留磁化を有する磁性ガーネット結晶を用いると、自己保
持機能(コイル励磁電流を遮断してもファラデー回転角
を維持する機能)を有する旋光器が得られる。用途によ
っては、ファラデー素子として残留磁化を持たない軟磁
性ガーネット結晶を組み込む場合もある。
【0009】また本発明は、複数の貫通穴を有し、各貫
通穴の周囲にそれぞれコイル部が形成されている積層コ
イルと、各貫通穴内あるいはその近傍に配置したファラ
デー素子と、積層コイルの外周の少なくとも一部に配置
した高透磁率磁性材料からなる磁気保持部材を具備し、
前記コイル部により発生する磁界が対応するファラデー
素子に印加されるようにした旋光器アレイである。
【0010】更に本発明は、上記の旋光器と、光相反回
転子と、それらの光路の前後にそれぞれ配置した偏光分
離合成素子を組み合わせることにより、コイル励磁電流
の切り換えによって光路を切り換える光スイッチであ
る。例えば、上記の旋光器と、1/2波長板と、それら
の光路の前後にそれぞれ配置した偏光ビームスプリッタ
を具備する構成、あるいは上記の旋光器と、1/2波長
板と、それらの光路の前後にそれぞれ配置した複屈折素
子を具備する構成などがある。
【0011】上記のような光スイッチを、複数、2次元
又は3次元的に並列配置することで光スイッチアレイが
構成でき、格子状に多段接続することでマトリクス光ス
イッチが構成できる。
【0012】また本発明は、貫通穴を有するコイルと、
その貫通穴内あるいはその近傍に配置したファラデー素
子と、該ファラデー素子の外側に近接して配置した永久
磁石を具備し、前記コイルにより発生する可変磁界と永
久磁石による固定磁界との合成磁界がファラデー素子に
印加されるようにした可変旋光器である。勿論、前記可
変磁界と固定磁界とは異なる方向に作用するような関係
とする。コイルは前記のような積層コイルが望ましく、
またコイルの外周の少なくとも一部に磁気保持部材を配
置するのが望ましい。ファラデー素子としては、残留磁
化を持たず永久磁石による固定磁界で磁化が飽和する軟
磁性ガーネット結晶を用いるのがよい。
【0013】本発明は、上記のような可変旋光器と、そ
の光路の前後に配置した偏光素子を具備している可変光
アッテネータである。このような可変光アッテネータを
複数個並設することで可変光アッテネータアレイが構成
できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る旋光器の最適構成の
一つは、矩形枠状をなす積層コイルの貫通穴内に、残留
磁化を有する磁性ガーネット結晶を用いたファラデー素
子を収容し、積層コイルの外周の一部に高透磁率磁性材
料からなる磁気保持部材を配置し、前記積層コイルによ
り発生する磁界がファラデー素子に印加されるようにす
ることである。ファラデー素子は、その主面が積層コイ
ルと平行となり、光が主面に垂直に通過するように組み
込む。貫通穴内に組み込むことで、印加磁界も大きく且
つより一層の小型化が可能となる。
【0015】積層コイルとファラデー素子の組み合わせ
は任意であり、1個の積層コイルの貫通穴にファラデー
素子を収容する構成でもよいし、複数の積層コイルを重
ねてそれらの連通する貫通穴の内部にファラデー素子を
収容する構成などでもよい。コイルに励磁電流を供給す
ることで、ファラデー素子に磁界が印加され、該ファラ
デー素子に入力する光の偏波面が回転する。ファラデー
素子として小さな磁界で磁化が飽和し残留磁化を有する
材料を用いると、コイルにより誘起される小さな磁界で
ファラデー回転角が飽和する旋光器が得られる。コイル
への励磁電流の向きを反転させることで、ファラデー素
子に印加する磁界の向きを反転させることができ、これ
によりファラデー回転角が、例えば±45度可変の旋光
器が得られる。
【0016】積層コイルは、多数を同時に作製すること
が可能なため安価であり、これを用いることで旋光器の
低コスト化が可能となる。貫通穴を有する積層コイルの
みでは印加磁界が小さいが、コイル外周部に高透磁率材
料からなる磁気保持部材を配置することにより、コイル
で発生した磁界が外側に拡がらず、ファラデー素子への
印加磁界を大きくできる。例えば、透磁率1000程度
の磁性材料を配置すると、印加される磁界強度は約1.
5倍になる。磁気保持部材としては、例えば断面コの字
型のチャンネル材を用いて、その溝部分をコイルの側部
に嵌め込む構造が望ましい。
【0017】コイルは、上記のような積層コイルの他、
セメントワイヤを用いて巻線し固めた構造でもよいし、
線材を巻き付けて樹脂モールドした構造などでもよい。
【0018】本発明に係る可変旋光器の最適構成の一つ
は、矩形枠状をなす積層コイルの貫通穴内に、残留磁化
を持たない軟磁性ガーネット結晶を用いたファラデー素
子を収容し、積層コイルの外周の一部に、高透磁率磁性
材料からなる磁気保持部材を配置すると共に永久磁石を
配置し、前記積層コイルにより発生する可変磁界と永久
磁石による固定磁界とがファラデー素子に印加されるよ
うにすることである。
【0019】コイルに励磁電流を流さない時は、光の伝
搬方向に対して垂直方向に磁化するように配置した永久
磁石による磁界により、ファラデー素子は面内方向に飽
和している。コイルに励磁電流を流すことにより、光の
伝搬方向(ファラデー素子の主面に垂直方向)に電流の
大きさに依存した磁界が生じる。ファラデー素子は、こ
れら2つの外部磁界の合成磁界の方向に磁化され、且つ
常に飽和する大きさなので、ファラデー回転角はファラ
デー素子の磁化の強さの光の伝搬方向成分に依存する。
つまりコイルに流す励磁電流の大きさによりファラデー
回転角が変化するため、偏波面が可変の旋光器が得られ
る。ここで常に飽和させた状態でファラデー回転角を変
化させるのは、飽和させておくことで磁区の発生が抑制
でき、挿入損失を低く抑えられるからである。
【0020】
【実施例】図1は本発明に係る旋光器の一実施例を示す
分解斜視図、図2は組立斜視図である。図3はそのx−
x位置での断面を示しており、Aは磁界印加手段のみ、
Bは旋光器全体の形状を表している。
【0021】矩形枠状の3個の積層コイル10a,10
b,10cを、それらの中央の貫通穴が連通するように
重ね、各コイル部を直列に接続し、該貫通穴内にファラ
デー素子11を収容する。ここで各積層コイル10a,
…,10cは、電気絶縁層と導体パターンが交互に積層
され、各導体パターンの端部が順次接続されることで矩
形枠状の電気絶縁体中で積層方向に重畳されている構造
である。3個の積層コイル10a,…,10cは、外形
の寸法が等しく、貫通穴の寸法は外側の積層コイル10
a,10cは等しいが中間の積層コイル10bはそれら
よりもやや大きめに設計されている。そして中間の積層
コイル10bの大きめの貫通穴にファラデー素子11を
収容し、外側の積層コイル10a,10cで挾む。つま
り、これらの積層コイルはファラデー素子ホルダとして
も機能している。
【0022】更に、そのように組み合わせ結合したコイ
ル構造体の外周に高透磁率磁性材料からなる磁気保持部
材12を配置する。磁気保持部材12は断面コの字型の
チャンネル材であり、その溝部にコイル構造体の外周部
分を嵌入する。この実施例では2個の磁気保持部材12
を対向配置している。
【0023】内部導体にAg、Ag−Pd、Ag−Cu
系材料を、絶縁層にNi−Zn系フェライトを用い、1
層当たり4ターンの導体パターンを20層積層すること
により合計80ターンとした2個の外側の積層コイル1
0a,10cと、1層当たり2ターンの導体パターンを
20層積層することにより合計40ターンとした1個の
中間の積層コイル10bを組み合わせた。外側の積層コ
イルは外形寸法が3×3mm、貫通穴寸法が2.25×
2.25mmであり、中間の積層コイルは外形寸法が同じ
く3×3mm、貫通穴寸法が2.5×2.5mmである。こ
れら3個の積層コイルを組み合わせることにより合計2
00ターンとした。積層体を形成する方法としては、大
別すると、セラミックスをシート状に成形して、その上
に導体パターンをスクリーン印刷し、そのセラミックス
シートを積層し圧着一体化する方法(シート積層法)
と、セラミックスパターンと導体パターンを交互にスク
リーン印刷することで積層する方法(印刷積層法)があ
るがいずれでもよい。積層後、焼結する。磁気保持部材
12としてはMn−Zn系ソフトフェライトを用いる。
これによって0.1Aの励磁電流で貫通穴中央に12k
A/m以上の磁界を印加することができる。
【0024】ファラデー素子11として、(GdBi)
3 (FeAlGa)5 12結晶を使用し、前記積層コイ
ル10a,…,10cと組み合わせた。ファラデー素子
11は、図4に示すようなファラデー回転角−印加磁界
特性を呈し、8kA/mの印加磁界でファラデー回転角
が飽和し(±45度)、その後は印加磁界をゼロにして
もファラデー回転角は飽和したままの状態が保たれる
(残留磁化を有する)ものである。
【0025】この旋光器14では、積層コイルに供給す
る励磁電流(パルス)の向きを切り換えることで印加磁
界の方向が変わり、磁界が印加されるファラデー素子の
特性によって、通過する光の偏波面の回転角の符号を反
転することができる。その切り換え速度は、20μ秒以
下である。
【0026】図5は本発明に係る光スイッチユニットの
一例を示す説明図である。光スイッチユニットは、偏光
分離膜20,21が互いに平行の関係となるように設置
した一対の偏光ビームスプリッタ22,23と、両偏光
ビームスプリッタ間に配置した可変偏波回転部24(旋
光器14と1/2波長板25)と、P偏光を吸収する偏
光子26を具備している。偏光ビームスプリッタ22,
23は、断面が直角二等辺三角形の柱状体を、間に偏光
分離膜20,21を介して貼り合わせたような6面体形
状である。偏光分離膜20,21と旋光器14と1/2
波長板25は1列に配列され、一方の偏光ビームスプリ
ッタ22の隣接する2面に対向して入力ポート1と入力
ポート2が、他方の偏光ビームスプリッタ23の隣接す
る2面に対向して出力ポート1と出力ポート2が図示の
ように位置している。旋光器14は、前記した通りの構
造であり、波長1550nmの光に対して±45度に切り
換え可能に調整されている。1/2波長板25は、入力
する光の偏波面をその光学軸に対して対称的に回転させ
る機能を有するから、ここでは入射する光の偏波面を丁
度45度回転させるような向きに光学軸が設定されてい
る。
【0027】旋光器14による光の偏波面回転方向は、
コイルによる印加磁界の方向によって決まるのに対して
1/2波長板25による光の偏波面回転方向は一定方向
であるため、それらを組み合わせた可変偏波回転部24
では、コイルへの励磁電流の向きによって、光の偏波面
方向が合計で回転しなかったり90度回転したりし、P
偏光とS偏光とで入れ換わったり不変であったりする。
【0028】コイルへの励磁電流の向きにより可変偏波
回転部24における偏波面の回転角が0度となるように
設定する。入力ポート1から入射したS偏光は、偏光分
離膜20で反射して可変偏波回転部24に向かい、0度
の偏波面回転を受け(即ち、偏波面が回転せず)S偏光
のままであり、偏光分離膜21で反射して出力ポート1
へと出射する。入力ポート2から入射したP偏光は、偏
光分離膜20を透過して可変偏波回転部24に向かい、
0度の偏波面回転を受け(即ち、偏波面が回転せず)P
偏光のままであり、偏光分離膜21を透過して出力ポー
ト2へと出射する。
【0029】コイルへの励磁電流の向きを逆にしてファ
ラデー素子への印加磁界方向を反対にし、可変偏波回転
部48における偏波面の回転角が90度となるように切
り換える。入力ポート1から入射したS偏光は、偏光分
離膜20で反射して可変偏波回転部24に向かい、90
度の偏波面回転を受けてP偏光となり、偏光分離膜21
を透過して出力ポート2へと出射する。入力ポート2か
ら入射したP偏光は、偏光分離膜20を透過して可変偏
波回転部24に向い、90度の偏波面回転を受けてS偏
光となり、偏光分離膜21で反射して出力ポート1へと
出射する。
【0030】従って、この光スイッチユニットは、コイ
ルへの0.1Aの励磁パルス電流の切り換え動作によっ
て、入力ポート1→出力ポート1及び入力ポート2→出
力ポート2というバー状態と、入力ポート1→出力ポー
ト2及び入力ポート2→出力ポート1というクロス状態
とに切り換えることができ、それ単独で2×2型光スイ
ッチとして動作する。その切り換え速度は20μ秒以
下、挿入損失は0.2dB以下、出力ポート2でのクロ
ストークは−30dB以下である。更に、出力ポート1
に、P偏光を吸収する偏光子26を配置していることに
より、出力ポート1でのクロストークは−40dB以下
となる。また、この構成は、入出力の幾何学的伝播方向
と伝播する偏光状態が一致するために、多段化に適する
基本ユニットである。なお、出力ポート2に関しては、
光スイッチユニットを多段化した場合に、続くユニット
の最初の偏光ビームスプリッタによりパラレルニコル状
態、つまり2段の状態となるため、−50dB以下のク
ロストークが得られる。
【0031】この光スイッチユニットを用いて光スイッ
チを構成するには、特に図示していないが、各ポート
に、それぞれ光路分離合成用複屈折素子とその一方の光
路に挿入した1/2波長板からなる偏光制御部を配置し
てもよい。偏光制御部は、ランダム偏光をP偏光又はS
偏光に変換し、あるいはP偏光又はS偏光をランダム偏
光に戻す機能を果たし、ランダム偏光を入出力とする光
スイッチが得られる。
【0032】図6は本発明に係るマトリクス光スイッチ
の一例を示す説明図である。原理的には、図5に示すよ
うな光スイッチユニットをM×N個(但し、M、Nのう
ちどちらか一方は1以上の整数、他方は2以上の整数:
ここではM=N=4)のマトリクス(格子状)に配列
し、光スイッチユニット間に偏光素子30と光吸収体3
1を設け、マトリクスの隣接する2辺に沿ってそれぞれ
M個の入力ポートとN個の出力ポートを配設して構成す
る。また出力側の各ポートにも偏光素子32を配置す
る。
【0033】マトリクス光スイッチの製作には、2種類
の偏光ビームスプリッタ34、35を用いるのがよい。
第1の偏光ビームスプリッタ34は、断面形状が平行四
辺形である柱状体の両端に断面形状が直角二等辺三角形
である柱状体を偏光分離膜36を介して接着して、全体
が直方体状をなしている構造である。第2の偏光ビーム
スプリッタ35は、断面形状が直角二等辺三角形である
柱状体を偏光分離膜36を介して接着して、全体が立方
体状をなしている構造である。両端に第2の偏光ビーム
スプリッタ35が位置するように、間に可変偏波回転部
24を介して配置する。なお、可変偏波回転部24は、
図5に示したように±45度可変の旋光器14と1/2
波長板25を組み合わせたものである。これらを一定間
隔だけ離して並べ、間に偏光素子30と光吸収体31を
配置する。
【0034】このような構成によって4×4型マトリク
ス光スイッチが得られる。入力ポート1からの入力光
は、それぞれの可変偏波回転部24による偏波面回転角
によって出力ポート1〜出力ポート4のいずれかに結合
する。入力ポート2〜入力ポート4についても同様であ
る。切り換え速度20μ秒以下、挿入損失8dB以下、
クロストーク−45dBである。
【0035】多段構成のマトリクス光スイッチを作製す
る場合、ある光スイッチユニットの外に逃がした漏れ光
が別の光スイッチユニットに漏れ込むとマトリクス光ス
イッチ全体としての遮断特性が不足する。本実施例で
は、ある光スイッチユニットの外に逃がした漏れ光は光
吸収体で吸収されるため、別の光スイッチユニットに漏
れ込むのを防止できる。旋光器は、従来のようなヨーク
を用いていないので、図6の紙面に垂直な方向に突出部
分がないために、図示の2次元的なマトリクスを紙面に
垂直な方向に積み重ねて3次元的に拡張でき、例えば4
組積み重ねることで(4×4)×4マトリクス光スイッ
チアレイが得られる。
【0036】図7は本発明に係る光スイッチの他の実施
例を示す説明図、図8はその光路説明図であり、2×2
型の光スイッチである。図7は、各光部品の配列状況と
各光部品間での偏波状況を示している。なお、各光部品
中における矢印は、光学軸の方向もしくはファラデー回
転の方向を示している。また、説明を分かり易くするた
めに、次のような座標軸を設定する。光部品の配列方向
をz方向(図面では奥行き方向)とし、それに対して直
交する2方向をx方向(図面では水平方向)、y方向
(図面では垂直方向)とする。また回転方向は、z方向
を見て時計回りをプラス側とする。
【0037】偏波方向が直交関係にある同じ光路の光を
x方向に分離しx方向で異なる光路の光を合成する第1
の分離合成用複屈折素子40、偏波方向に応じて常光は
直進し異常光は−y方向に光路をシフトする第1の光路
制御用複屈折素子41、同様に偏波方向に応じて常光は
直進し異常光は+y方向に光路をシフトする第2の光路
制御用複屈折素子42、偏波方向が直交関係にある同じ
光路の光をx方向に分離しx方向で異なる光路の光を合
成する第2の分離合成用複屈折素子43を、この順序で
間隔をおいてz方向に配設する。
【0038】z方向を見て第1の分離合成用複屈折素子
40と第1の光路制御用複屈折素子41との間に、偏波
方向を直交から平行に(逆方向では平行から直交に)変
換する第1の偏波回転切換手段44を設ける。この第1
の偏波回転切換手段44は、±45度可変の旋光器45
と、左右両側光路で光学軸が対称となるように並設した
2枚の1/2波長板46の組み合わせからなる。同様
に、第2の光路制御用複屈折素子42と第2の分離合成
用複屈折素子43との間に、偏波方向を平行から直交に
(逆方向では直交から平行に)変換する第2の偏波回転
切換手段47を配置する。この第2の偏波回転切換手段
47も、左右両側光路で光学軸が対称となるように並設
した2枚の1/2波長板48と±45度可変の旋光器4
9の組み合わせからなる。なお、2個の旋光器45,4
9は、図2に示すのと同様の構造であり、コイルへの励
磁電流の向きを切り換えることによって印加磁界の方向
を制御し、ファラデー回転角を+45度あるいは−45
度に切り換える。ここでは、両方の旋光器45,49
を、そのファラデー回転方向が同じになるように一緒に
切り換える構造になっている。また、2枚の1/2波長
板46,48は、図9のAに示すように、左側光路は光
学軸がx方向から−22.5度傾き、右側光路は光学軸
がx方向から22.5度傾いて、互いにy軸に関し対称
となるように一体化したものである。
【0039】更に、z方向を見て、第1の光路制御用複
屈折素子41と第2の光路制御用複屈折素子42との間
に、一部の光路の光を反射する両面ミラーを備え、バイ
パス光は偏波方向を維持し反射光は偏波方向を90度回
転する偏波反射制御手段50を設置する。ここで偏波反
射制御手段50は、一部の光路の光を反射する両面ミラ
ー51と、その前後に配置された45度ファラデー回転
子52,53とからなり、両方の45度ファラデー回転
子52,53は、両面ミラー51と同様に中段の光路
(y方向で中央の光路)のみに設置されている。従っ
て、中段の光路は両面ミラー51によってz方向で完全
に分断されていることになる。なお、両方の45度ファ
ラデー回転子52,53は、永久磁石により印加される
一定方向の磁界により偏波面が+45度回転するもので
ある。
【0040】z方向を見て、第1の分離合成用複屈折素
子40の側に、y方向にずらせて上段に第1入力ポート
I1、中段に第1出力ポートO1を、第2の分離合成用
複屈折素子43の側に、y方向にずらせて中段に第2入
力ポートI2、上段に第2出力ポートO2を設定する。
【0041】詳細な動作説明は省略するが、まず旋光器
45,49をファラデー回転方向がプラスとなる向きに
印加磁界を設定する(図8のBの上図参照)と、上段の
第1入力ポートI1からz方向に入力する光は、上段の
第2出力ポートO2から出力する。中段の第2入力ポー
トI2から−z方向に入力する光は、中段の第1出力ポ
ートO1から出力する。次に、旋光器45,49をファ
ラデー回転方向がマイナスとなる向きに印加磁界を設定
する(図8のBの下図参照)と、上段の第1入力ポート
I1からz方向に入力する光は、中段の第1出力ポート
O1から出力する。中段の第2入力ポートI2から−z
方向に入力する光は、上段の第2出力ポートO2から出
力する。このようにして2×2型の光スイッチが実現で
きる。中段の光路は両面ミラーによりz方向で完全に分
断されているために、光路が重複している部分がなく、
光の漏れ込みは生じない。このような光スイッチは、各
部材が直線的に配列されており、且つ全ての光が光軸に
平行に入出力するために、複数並設して光スイッチアレ
イを構成するのに適している。
【0042】図10は、そのような光スイッチアレイの
説明図である。基本的には図7の光スイッチを8個並設
した構造である。分離合成用複屈折素子60は2ユニッ
ト分を1個にまとめた構造であり、偏光器62、1/2
波長板64及びミラー66は8列分を1個にまとめた構
造である。ファラデー回転子68は8個を並設してい
る。なお、図面を簡略化するために、図10では光スイ
ッチアレイのほぼ半分は図示するのを省略している。こ
の構造は2次元的に配列したものであるが、必要があれ
ば、それらを積み重ねて3次元的に配列することも可能
である。
【0043】上記光スイッチアレイで用いた旋光器アレ
イの例を図11に示す。複数(この例では4個)の矩形
貫通穴を有し、それぞれの貫通穴の周囲にコイル部を形
成した積層コイル70を作製する。3個の積層コイル7
0を貫通穴が連通するように重ねて、同一貫通穴周囲の
対応するコイル部を直列に接続し、中間の積層コイルの
各貫通穴にファラデー素子71を収容し、外側の積層コ
イルで挾み保持する。そのように組み合わせたコイル構
造体の長辺側に高透磁率磁性材料からなる磁気保持部材
72を配置する。磁気保持部材72は断面コの字型のチ
ャンネル材であり、その溝部にコイル構造体の外縁部分
が嵌入する。ここでは2個の磁気保持部材72を対向配
置している。このようにすると、隣り合うファラデー素
子71同士の間隔を小さくでき、部品点数を削減でき
る。
【0044】図12は本発明に係る可変旋光器の一実施
例を示す説明図である。矩形枠状をなす積層コイル80
の貫通穴内に、残留磁化を持たない軟磁性ガーネット結
晶からなるファラデー素子81を収容し、積層コイル8
0の外周の一部に、高透磁率磁性材料からなる磁気保持
部材82を配置すると共に永久磁石83を配置する。積
層コイル80及び磁気保持部材82の構造は、前記図1
及び図2に関連して述べた旋光器と同様であってよい。
【0045】内部導体にAg、Ag−Pd、Ag−Cu
系材料を、絶縁層にNi−Zn系フェライトを用い、1
層当たり4ターンの導体パターンを30層積層すること
により合計120ターンとした2個の外側の積層コイル
と、1層当たり2ターンの導体パターンを30層積層す
ることにより合計60ターンとした1個の中間の積層コ
イルを組み合わせた。外側の積層コイルは外形寸法が3
×3mm、貫通穴寸法が2.25×2.25mmであり、中
間の積層コイルは外形寸法が同じく3×3mm、貫通穴寸
法が2.5×2.5mmである。これら3個の積層コイル
を組み合わせることにより合計300ターンとした。磁
気保持部材としてはMn−Zn系ソフトフェライトを用
いた。これによって0.1Aの励磁電流で貫通穴中央に
16kA/m以上の磁界を印加することができた。
【0046】ファラデー素子として(GdBi)3 (F
eAlGa)5 12結晶を使用し、前記積層コイルと組
み合わせた。この磁性ガーネット結晶は、大気中で11
00℃、8時間の熱処理により残留磁化を持たず軟磁性
を呈する。このファラデー素子のファラデー回転角−印
加磁界特性を、図13に示す。5kA/mの印加磁界で
ファラデー回転角が飽和し(110度)、それ以下の印
加磁界では印加磁界の強さに比例してファラデー回転角
は変化する。永久磁石は、その固定磁界のみによりファ
ラデー素子が磁化飽和するように設定した。このように
して、前記積層コイルにより発生する可変磁界はファラ
デー素子の主面に垂直方向(光の伝搬方向)に、永久磁
石による固定磁界はファラデー素子の主面内方向(光の
伝搬方向に対して垂直方向)に印加される。積層コイル
に供給する励磁電流の値を0Aから0.1Aの間で制御
することで、ファラデー回転角を80度以上の範囲内で
変化させることができる。
【0047】コイルに励磁電流を流さない時は、永久磁
石による磁界によってファラデー素子は面内方向に磁化
飽和している。コイルに励磁電流を流すことにより、そ
の電流の大きさに依存した磁界が生じる。ファラデー素
子は、これら2つの外部磁界の合成方向に磁化され、且
つ常に飽和する大きさなので、ファラデー回転角はファ
ラデー素子の磁化の強さの光の伝搬方向成分に依存す
る。つまりコイルに流す励磁電流の大きさによりファラ
デー回転角が変化するため、偏波面が可変の旋光器が得
られる。ここで、常に飽和させた状態でファラデー回転
角を変化させるのは、飽和させておくことで磁区の発生
が抑制でき、挿入損失を低く抑えられるからである。
【0048】図14は、このような可変偏光器を用いた
可変光アッテネータの例を示す説明図である。可変旋光
器85の前後に偏光素子(ルチル単結晶)86,88を
適当な方位で配置し、入力光の偏光状態を可変旋光器に
より制御することで、減衰量が可変の光アッテネータを
構成できる。ここでは積層コイルに供給する励磁電流を
0.1Aとした時に最大減衰量が得られるように偏光素
子(ルチル単結晶)86,88の結晶軸方位を決定し
た。これにより、励磁電流が0.1Aのときに最大減衰
量−38dB、励磁電流を流さないときに最小挿入損失
−0.5dBが得られた。上記の可変旋光器は、小型化
可能な構造であり、光線方向に対して垂直な方向に突出
部分が少ないために、複数並設することで可変光アッテ
ネータアレイが容易に構成できる。
【0049】図15は、可変光アッテネータの他の例を
示す説明図である。旋光器90は永久磁石を持たず積層
コイル80のみの磁界が印加される構成である。残留磁
化を持たないファラデー素子は、印加磁界強度が微弱な
場合、磁区が形成され、光の散乱因子となる。この可変
光アッテネータは、これを応用し、磁界印加手段として
の積層コイル80と、残留磁化をもたない90度ファラ
デー素子81と、クロスニコルとした2枚の偏光素子
(ルチル単結晶板)86,88を組み合わせた構成であ
る。積層コイル80に電流を流さない場合にはファラデ
ー素子81に磁界は印加されず磁区が形成される。また
ファラデー回転も生じない。磁区による散乱に起因する
挿入損失は−10dB程度であるが、偏光素子(ルチル
単結晶板)86,88をクロスニコル配置としてあるた
め正味の挿入損失は−40dB以下が得られる。また積
層コイルに0.1Aの励磁電流を流したとき、挿入損失
は最小の0.5dBとなった。
【0050】この形式の光アッテネータを複数並置して
光アッテネータアレイとする場合には、図11に示すよ
うな構造の旋光器アレイが利用できる。
【0051】
【発明の効果】本発明は上記のように、コイルの貫通穴
内あるいはその近傍にファラデー素子を配置し、コイル
により発生する磁界がファラデー素子に印加される旋光
器であるから、従来技術で用いていたような大きなヨー
クが不要となり、そのため小型化・低コスト化でき、切
り換え時間を短縮できる。また、その外周側に磁気保持
部材を配置することで、コイルによる印加磁界を大きく
できる。ファラデー素子として残留磁化を有する材料を
使用することで、自己保持機能を持たせることも可能と
なるため、パルス駆動により省エネルギー化できる。
【0052】本発明は、上記のような旋光器を組み込ん
だ光スイッチであるので、小型化・低コスト化でき、切
り換え時間を短くでき、特に集積化に適した構造とな
る。そのため、小型の光スイッチアレイやマトリクス光
スイッチを容易に得ることができる。
【0053】更に本発明は上記のように、コイルの貫通
穴内にファラデー素子を配置し、前記コイルにより発生
する磁界がファラデー素子に印加されるようにすると共
に、永久磁石を配置した可変旋光器であるから、従来の
大きなヨークが不要となり、小型化・低コスト化でき
る。その外周側に磁気保持部材を配置することで、コイ
ルによる印加磁界を大きくできる。
【0054】本発明は、上記のような可変旋光器を組み
込んだ光スイッチであるので、小型化・低コスト化で
き、集積化に適した構造となる。そのため、小型の可変
光アッテネータや可変光アッテネータアレイを容易に得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偏光器の一実施例を示す分解斜視
図。
【図2】その組立斜視図。
【図3】そのx−x位置での断面説明図。
【図4】ファラデー素子の特性例を示す説明図。
【図5】光スイッチユニットの一例を示す説明図。
【図6】それを応用したマトリクス光スイッチの一例を
示す説明図。
【図7】光スイッチの一例を示す説明図。
【図8】その動作説明図。
【図9】その1/2波長板とファラデー回転子の説明
図。
【図10】旋光器アレイの一例を示す説明図。
【図11】光スイッチアレイの一例を示す説明図。
【図12】可変旋光器の一例を示す説明図。
【図13】そのファラデー素子の特性例を示す説明図。
【図14】可変光アッテネータの一例を示す説明図。
【図15】可変光アッテネータの他の例を示す説明図。
【符号の説明】
10a,10b,10c 積層コイル 11 ファラデー素子 12 磁気保持部材 14 旋光器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 陸川 弘 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 北岡 幹雄 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 川上 英輝 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 阿部 昇平 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 Fターム(参考) 2H079 AA03 BA01 BA02 DA13 EA11 EB18 GA05 HA11 HA15 KA06 KA20 2H099 AA01 BA00 CA02 CA05 CA08 DA05 2K002 AB05 BA11 CA02 DA01 EA11 EA26 GA07 GA10

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通穴を有するコイルと、その貫通穴内
    あるいはその近傍に配置したファラデー素子を具備し、
    前記コイルにより発生する磁界がファラデー素子に印加
    されるようにした旋光器。
  2. 【請求項2】 コイルは、電気絶縁層と導体パターンが
    交互に積層され、各導体パターンの端部が順次接続され
    ることで矩形枠状の電気絶縁体中で積層方向に重畳され
    ている積層コイルである請求項1記載の旋光器。
  3. 【請求項3】 コイルの外周の少なくとも一部に高透磁
    率磁性材料からなる磁気保持部材を配置した請求項1又
    は2記載の旋光器。
  4. 【請求項4】 ファラデー素子が、残留磁化を有する磁
    性ガーネット結晶からなり自己保持機能を有する請求項
    1乃至3のいずれかに記載の旋光器。
  5. 【請求項5】 ファラデー素子が、残留磁化を持たない
    軟磁性ガーネット結晶からなる請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の旋光器。
  6. 【請求項6】 複数の貫通穴を有し、各貫通穴の周囲に
    それぞれコイル部が形成されている積層コイルと、各貫
    通穴内あるいはその近傍に配置したファラデー素子と、
    積層コイルの外周の少なくとも一部に配置した高透磁率
    磁性材料からなる磁気保持部材を具備し、前記コイル部
    により発生する磁界が対応するファラデー素子に印加さ
    れるようにした旋光器アレイ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至4のいずれかに記載の旋光
    器と、光相反回転子と、それらの光路の前後にそれぞれ
    配置した偏光分離合成素子を具備し、コイル励磁電流の
    切り換えにより光路を切り換える光スイッチ。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至4のいずれかに記載の旋光
    器と、1/2波長板と、それらの光路の前後にそれぞれ
    配置した偏光ビームスプリッタを具備し、コイル励磁電
    流の切り換えにより光路を切り換える光スイッチ。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至4のいずれかに記載の旋光
    器と、1/2波長板と、それらの光路の前後にそれぞれ
    配置した複屈折素子を具備し、コイル電流の切り換えに
    より光路を切り換える光スイッチ。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至9のいずれかに記載の光
    スイッチを、複数、2次元又は3次元的に並列配置した
    光スイッチアレイ。
  11. 【請求項11】 請求項8記載の光スイッチを、格子状
    に多段接続したマトリクス光スイッチ。
  12. 【請求項12】 貫通穴を有するコイルと、その貫通穴
    内あるいはその近傍に配置したファラデー素子と、該コ
    イルの外周に近接して配置した永久磁石を具備し、前記
    コイルにより発生する可変磁界と永久磁石による固定磁
    界との合成磁界がファラデー素子に印加されるようにし
    た可変旋光器。
  13. 【請求項13】 コイルは、電気絶縁層と導体パターン
    が交互に積層され、各導体パターンの端部が順次接続さ
    れることで矩形枠状の電気絶縁体中で積層方向に重畳さ
    れている積層コイルである請求項12記載の可変旋光
    器。
  14. 【請求項14】 コイルの外周の少なくとも一部に高透
    磁率磁性材料からなる磁気保持部材を配置した請求項1
    2又は13記載の可変旋光器。
  15. 【請求項15】 ファラデー素子が、残留磁化を持たず
    永久磁石による固定磁界で磁化が飽和する磁性ガーネッ
    ト結晶からなる請求項12乃至14のいずれかに記載の
    可変旋光器。
  16. 【請求項16】 請求項12乃至15のいずれかに記載
    の可変旋光器と、その光路の前後に配置した偏光素子を
    具備している可変光アッテネータ。
  17. 【請求項17】 請求項5に記載の可変旋光器と、その
    光路の前後に配置した偏光素子を具備している可変光ア
    ッテネータ。
  18. 【請求項18】 請求項16又は17に記載の可変光ア
    ッテネータを複数個並設した可変光アッテネータアレ
    イ。
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