JP2002116052A - 計測装置 - Google Patents

計測装置

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JP2002116052A
JP2002116052A JP2000310586A JP2000310586A JP2002116052A JP 2002116052 A JP2002116052 A JP 2002116052A JP 2000310586 A JP2000310586 A JP 2000310586A JP 2000310586 A JP2000310586 A JP 2000310586A JP 2002116052 A JP2002116052 A JP 2002116052A
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弘幸 近藤
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンジ切替えをともなうような急激な入力変
化に対して計測精度を向上できる計測装置を実現する。 【解決手段】 制御手段14は、計測手段12で計測さ
れた電圧や電流が現在の計測レンジより小さな計測レン
ジのデータになれば時間計測手段13で時間計測を開始
し、所定期間設定手段15で設定された所定期間小さな
計測レンジのデータが連続すれば、計測レンジ切替手段
4や5を制御して計測レンジを現在の計測レンジより1
段階小さい計測レンジに切替える。この切替え後からさ
らに所定期間小さな計測レンジのデータが連続すれば、
計測レンジ切替手段4や5を制御して計測レンジをさら
に1段階小さい計測レンジに切替える。また、入力信号
が現在の計測レンジの最高値以上のレベルとなり、制御
手段14に入力される電圧や電流のデータが現在の計測
レンジの最高値になれば即時に最大レンジ6や9に切替
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、計測対象物からの
入力信号を計測するための複数の計測レンジを備え、レ
ンジ切替えを自動的に制御する電流計,電圧計,電力計,
電力量計などの計測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、レンジ切替えを自動的に制御する
計測装置は特開平5−180874号公報に記載された
ものが知られている。図8は従来の計測装置の全体的な
構成を示したブロック図であり、図9はその部分詳細図
である。
【0003】図8では、従来の計測装置の例として位相
値高速計測装置41を示し、3相交流回路のR,S,T
各相に設けられたそれぞれのポテンシャルトランス(P
T)からは、3相R,S,T相それぞれの電圧に対応し
た電圧信号が出力される。また、3相交流回路のR,
S,T各相に設けられたそれぞれのカレントトランス
(CT)からは、3相R,S,T相それぞれの電流に対
応した電流信号が出力される。上記それぞれのポテンシ
ャルトランス(PT)はインターフェース(I/F)4
2に接続されており、それぞれのポテンシャルトランス
(PT)から出力された電圧信号はインターフェース
(I/F)42に入力される。また、上記それぞれのカ
レントトランス(CT)はインターフェース(I/F)
43に接続されており、それぞれのカレントトランス
(CT)から出力された電流信号はインターフェース
(I/F)43に入力される。
【0004】インターフェース(I/F)42にはA/
Dコンバータ44が接続されており、インターフェース
(I/F)43にはA/Dコンバータ45が接続されて
いて、A/Dコンバータ44はインターフェース(I/
F)42から出力された信号をディジタル信号に変換し
て出力するとともに、A/Dコンバータ45はインター
フェース(I/F)43から出力された信号をディジタ
ル信号に変換して出力する。そしてA/Dコンバータ4
4とA/Dコンバータ45は、バスラインBLを介して
中央処理装置(CPU)46に接続されており、上記の
両ディジタル信号が中央処理装置(CPU)46に出力
される。
【0005】また、中央処理装置(CPU)46にはバ
スラインBLを介してROM47とSRAM48とが接
続されている。尚、ROM47には、3相交流電圧、電
流高速計測のための演算及び計測レンジ自動切換制御の
プログラムが格納されている。更に、中央処理装置(C
PU)46にはバスラインBLを介して年、月、日のカ
レンダーデータと時刻データとを出力する時計機能を備
えた時計データ出力部49が接続されておりディジタル
信号に変換された上記電圧信号、及び電流信号が上記S
RAM48に記憶されるとき、時計データ出力部49か
らの時刻データも記憶される。
【0006】なお、シリアルポート50は外部のホスト
コンピュータに対するシリアルインターフェースであ
り、RS232Cコネクタが接続される。また、シリア
ルポート51は外部のパーソナルコンピュータに対する
シリアルインターフェースであり、RS232Cコネク
タが接続される。その他、外部のパーソナルコンピュー
タ等との接続に用いられるシリアルインターフェースと
してRS422コネクタが接続されるシリアルポート5
2が設けられている。また、インターフェース53に
は、外部の温度センサ、圧力センサ等からのアナログ信
号が入力される。インターフェース54には、外部の過
電流リレーおよび過電圧リレー等が作動したときのそれ
ぞれのリレーからのドライ接点信号が入力される。さら
に、インターフェース55は、異常検出信号を出力する
もので、その信号はオープンコレクター等の無接点信号
で出力される。
【0007】中央処理装置(CPU)46は、ディジタ
ル化された上記電圧信号及び電流信号が上記時刻データ
とともにSRAM48に記憶されると、3相交流回路の
R,S,T各相の実際の電圧、電流を各相同時に高速演
算する。そして演算したR,S,T各相の実際の電圧、
電流対応データを順次SRAM48に記憶する。
【0008】中央処理装置(CPU)46により3相交
流回路のR,S,T各相の実際の電圧、電流が各相同時
に高速演算され、順次SRAM48に記憶されていく過
程で、例えば故障等により、ある相の電流が通常計測時
の500パーセント程度になり、その相に設けられたカ
レントトランス(CT)からの電流信号が予め設定され
たレンジ切換判定値を越えた場合に、中央処理装置(C
PU)46は後述のレンジ切換回路を切り換えて計測レ
ンジを上げる制御をする。
【0009】図9は図8における高速入力部HSIの詳
細ブロック図である。図9に示すように、R相に設けら
れたポテンシャルトランス(PT)は、端子TB1のT
1とT2に接続され、S相に設けられたポテンシャルト
ランス(PT)は、端子TB1のT3とT4に接続さ
れ、T相に設けられたポテンシャルトランス(PT)
は、端子TB1のT5とT6に接続されている。また、
R相に設けられたカレントトランス(CT)は、端子T
B2のT1とT2に接続され、S相に設けられたカレン
トトランス(CT)は、端子TB2のT3とT4に接続
され、T相に設けられたカレントトランス(CT)は、
端子TB2のT5とT6に接続されている。
【0010】3相交流回路のR,S,T各相に設けられ
たそれぞれのポテンシャルトランス(PT)から出力さ
れた電圧信号は、アイソレーションアンプAMP1〜A
MP3を介して入力アンプIM1〜IM3に入力され、
所定の増幅度で増幅されたあと、A/Dコンバータ44
でディジタル信号に変換され、バスラインBLに出力さ
れる。また、3相交流回路のR,S,T各相に設けられ
たそれぞれのカレントトランス(CT)から出力された
電流信号は、アイソレーションアンプAMP4〜AMP
6を介して入力アンプIM4〜IM6に入力され、所定
の増幅度で増幅されたあと、A/Dコンバータ45でデ
ィジタル信号に変換され、バスラインBLに出力され
る。
【0011】尚、クロックCKは上記電圧信号及び電流
信号を入力するときの入力タイミングを取るもので、例
えば250マイクロ秒間隔でクロック信号を出力する。
【0012】入力アンプIM4〜IM6にはアナログス
イッチAS1〜AS3が接続されており、それぞれのア
ナログスイッチAS1〜AS3には、入力アンプIM4
〜IM6のゲインを切換えるための可変抵抗器r2,r
3が接続されている。可変抵抗器r2は通常計測時に選
択されるものであるのに対して、可変抵抗器r3はカレ
ントトランス(CT)からの電流信号が予め設定された
レンジ切換判定値を越えた場合に選択される。そしてそ
れぞれのアナログスイッチAS1〜AS3に対する切換
指令は中央処理装置(CPU)46により行われる。
【0013】尚、図9の例では電流信号入力回路に上記
計測レンジ切換回路が接続されているが、電圧信号入力
回路にも上記同様の計測レンジ切換回路を設けることが
できる。また、上記可変抵抗器r2,r3に限らず、可
変抵抗器を増やせばきめ細かなレンジ切換ができる。
【0014】図10は、中央処理装置(CPU)46に
よる計測レンジ切換制御を示したフローチャートであ
る。なお、ここでは、電流信号入力回路および電圧信号
入力回路のいずれにも計測レンジ切換回路が設けられて
いるものとして説明する。
【0015】ステップS1において、3相交流回路の
R,S,T各相の電圧、電流を3相同時に高速計測する
過程での計測レンジ切換制御モジュールを開始する。ス
テップS2において、3相交流回路のR,S,T各相に
設けられたそれぞれのポテンシャルトランス(PT)か
らの電圧信号とカレントトランス(CT)からの電流信
号とを入力し、順次SRAM48(図10中Xとして示
している)に記憶する。ステップS3において、SRA
M48に記憶された上記電圧信号、電流信号それぞれを
予め設定した電圧計測のレンジ切換判定値、及び電流計
測のレンジ切換判定値と比較する。その比較の結果、S
RAM48に記憶された上記電圧信号、電流信号それぞ
れが上記電圧計測のレンジ切換判定値、及び電流計測の
レンジ切換判定値を越えていない場合には計測レンジを
切換える必要がないため、ステップS6に直接移行す
る。一方、例えば上記電流信号がレンジ切換判定値を越
えている場合には電流の計測レンジを切換える必要があ
るため、ステップS4において、アナログスイッチAS
1〜AS3に対してレンジ切換信号を出力する。その結
果、ステップS5に示すようにアナログスイッチAS1
〜AS3が適切な計測レンジに切り換えられ、入力アン
プIM4〜IM6のゲインが変化される。
【0016】ステップS6において、レンジ切換状態に
応じて入力された電圧信号、電流信号データそれぞれの
構成ビットの先頭に重み判定用ビットデータを付加す
る。そしてステップS7において、上記データをSRA
M48の保存エリアに書き込むことにより、S8におい
てこのモジュールを終了する。
【0017】またレンジを3段階(最大レンジ,中レン
ジ,最小レンジ)とすると、入力変化に対するレンジ切
替えは図11のようになる。図11では、入力が小さく
なればすぐに最適な計測レンジに切替え、切替えた直後
に大きな入力が入ればまたすぐに1段大きな計測レンジ
に切替え、それでもまだ大きな信号入力が継続していれ
ばさらにもう1段大きな計測レンジに切替えるようにし
ている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、図11のような最小レンジから最大レンジ
に切替わるような急激な入力変化があるとレンジ切替え
が頻繁に行われ、最小レンジから最大レンジへ切替わる
までに中レンジを経る回数分、入力波形が頭打ちの飽和
状態となるため入力信号として小さくなり計測精度に影
響する。
【0019】また、積算する計量を行う場合にはさらに
計測誤差が拡大する。
【0020】本発明は、上記従来の課題に鑑み、レンジ
切替えをともなうような急激な入力変化に対して計測精
度を向上することができる計測装置を提供することを目
的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1記載の計測装置は、それぞれの計測
所望範囲が異なり計測対象物からの入力信号を計測する
ための複数の計測レンジと、計測レンジを切替える計測
レンジ切替手段と、計測レンジ切替手段により選択され
た計測レンジからの出力信号を計測する計測手段と、計
測手段で計測された計測値をもとに計測レンジ切替手段
を制御する制御手段とを備え、制御手段は、計測手段で
計測された計測値が現在の計測レンジの計測所望範囲の
最高値になったときに、最も高い計測所望範囲の計測レ
ンジに切替えるように計測レンジ切替え手段を制御する
とともに、計測手段で計測された計測値が現在の計測レ
ンジの計測所望範囲を下回り、その下回る状態が所定時
間継続したときに現在の計測レンジの計測所望範囲より
1段階下の計測所望範囲の計測レンジに切替えるように
計測レンジ切替手段を制御するようにした構成を有して
いる。
【0022】また、本発明の請求項2記載の計測装置
は、それぞれの計測所望範囲が異なり計測対象物からの
入力信号を計測するための複数の計測レンジと、計測レ
ンジを切替える計測レンジ切替手段と、計測レンジ切替
手段により選択された計測レンジからの出力信号を計測
する計測手段と、計測手段で計測された計測値をもとに
計測レンジ切替手段を制御する制御手段とを備え、制御
手段は、計測手段で計測された計測値が現在の計測レン
ジの計測所望範囲の最高値になったときに、最も高い計
測所望範囲の計測レンジに切替えるように計測レンジ切
替え手段を制御するとともに、計測手段で計測された計
測値が現在の計測レンジの計測所望範囲を下回り、その
下回る状態が所定時間継続したときに所定時間内におけ
る計測値の最大値を計測所望範囲内に含む計測レンジに
切替えるように計測レンジ切替手段を制御するようにし
た構成を有している。
【0023】また、本発明の請求項3記載の計測装置
は、それぞれの計測所望範囲が異なり計測対象物からの
入力信号を計測するための複数の計測レンジと、計測レ
ンジを切替える計測レンジ切替手段と、計測レンジ切替
手段により選択された計測レンジからの出力信号を計測
する計測手段と、計測手段で計測された計測値をもとに
計測レンジ切替手段を制御する制御手段とを備え、制御
手段は、計測手段で計測された計測値が現在の計測レン
ジの計測所望範囲の最高値になったときに、最も高い計
測所望範囲の計測レンジに切替えるように計測レンジ切
替え手段を制御するとともに、計測手段で計測された計
測値が現在の計測レンジの計測所望範囲を下回り現在の
計測レンジより1段階以上下の各段階における計測レン
ジの計測所望範囲の値となったときからその計測所望範
囲以下である状態が所定時間継続したときに各段階にお
ける計測レンジに切替えるように計測レンジ切替手段を
制御するようにした構成を有している。
【0024】また、本発明の請求項4記載の計測装置
は、請求項1,2または3に記載の計測装置において、
入力信号を複数とし、各入力信号について、複数の計測
レンジと、計測レンジ切替手段と、計測手段と、制御手
段とを設けたことを特徴とする。
【0025】また、本発明の請求項5記載の計測装置
は、請求項1,2または3に記載の計測装置において、
入力信号を電流信号とし、計測対象物からの他の入力信
号として電圧信号を計測手段へ直接入力し、計測手段は
電圧信号と計測レンジを介して入力される電流信号とか
ら電力量の計量も行うようにしたことを特徴とする。
【0026】また、本発明の請求項6記載の計測装置
は、請求項1,2または3に記載の計測装置において、
入力信号を電流信号とし、計測対象物からの他の入力信
号として電圧信号を計測手段へ直接入力し、計測手段は
電圧信号と計測レンジを介して入力される電流信号とか
ら無効電力量の計量も行うようにしたことを特徴とす
る。
【0027】また、本発明の請求項7記載の計測装置
は、請求項1,2または3に記載の計測装置において、
入力信号を電圧信号と電流信号とし、電圧信号と電流信
号の各々について、複数の計測レンジと、計測レンジ切
替手段と、計測手段と、制御手段とを設けるとともに、
電圧信号の計測手段および電流信号の計測手段の計測値
から電力量を計量するようにしたことを特徴とする。
【0028】また、本発明の請求項8記載の計測装置
は、請求項1,2または3に記載の計測装置において、
入力信号を電圧信号と電流信号とし、電圧信号と電流信
号の各々について、複数の計測レンジと、計測レンジ切
替手段と、計測手段と、制御手段とを設けるとともに、
電圧信号の計測手段および電流信号の計測手段の計測値
から無効電力量を計量するようにしたことを特徴とす
る。
【0029】また、本発明の請求項9記載の計測装置
は、請求項1から8のいずれかに記載の計測装置におい
て、制御手段に所定時間を設定する設定手段を設けたこ
とを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の計測装置
は、制御手段が、計測手段で計測された計測値が現在の
計測レンジの計測所望範囲の最高値になったときに、最
も高い計測所望範囲の計測レンジに切替えるように計測
レンジ切替え手段を制御するとともに、計測手段で計測
された計測値が現在の計測レンジの計測所望範囲を下回
り、その下回る状態が所定時間継続したときに現在の計
測レンジの計測所望範囲より1段階下の計測所望範囲の
計測レンジに切替えるように計測レンジ切替手段を制御
するようにしたことにより、変化の激しい入力信号の入
力波形のつぶれている期間を少なくして精度よく計測す
ることができ、不定期に発生するスポット溶接のような
短期間の急激な負荷変動の計測を行う場合には非常に有
効となる。
【0031】また、本発明の請求項2記載の計測装置
は、制御手段が、計測手段で計測された計測値が現在の
計測レンジの計測所望範囲の最高値になったときに、最
も高い計測所望範囲の計測レンジに切替えるように計測
レンジ切替え手段を制御するとともに、計測手段で計測
された計測値が現在の計測レンジの計測所望範囲を下回
り、その下回る状態が所定時間継続したときに所定時間
内における計測値の最大値を計測所望範囲内に含む計測
レンジに切替えるように計測レンジ切替手段を制御する
ようにしたことにより、請求項1と同様の効果のある優
れた計測装置を実現できるものであり、さらに計測手段
で計測された計測値が現在の計測レンジの計測所望範囲
より2段階以上下の計測所望範囲に急激に低下し、かつ
その低下中に、現在の計測レンジの計測所望範囲と低下
後の計測所望範囲との間の値を計測値としてとる間もな
い急激な変化であって、現在の計測レンジの計測所望範
囲より2段階以上下の計測所望範囲となった状態が所定
時間継続したときは、現在の計測レンジから2段階以上
下の計測レンジに(その間の計測レンジに切り替えられ
ることなく)切り替えられるため、入力が急激に大きく
低下したときにより早い適切な計測レンジ切替え応答が
行え、小さな入力に対する計測精度をより向上すること
ができる。
【0032】また、本発明の請求項3記載の計測装置
は、制御手段が、計測手段で計測された計測値が現在の
計測レンジの計測所望範囲の最高値になったときに、最
も高い計測所望範囲の計測レンジに切替えるように計測
レンジ切替え手段を制御するとともに、計測手段で計測
された計測値が現在の計測レンジの計測所望範囲を下回
り現在の計測レンジより1段階以上下の各段階における
計測レンジの計測所望範囲の値となったときからその計
測所望範囲以下である状態が所定時間継続したときに各
段階における計測レンジに切替えるように計測レンジ切
替手段を制御するようにしたことにより、請求項1と同
様の効果のある優れた計測装置を実現できるものであ
り、さらに時間計測を並行化することにより小さな入力
に対してより早い適切な計測レンジ切替え応答が行える
ので、小さな入力に対する計測精度をより向上すること
ができる。
【0033】また、本発明の請求項4記載の計測装置
は、請求項1,2または3に記載の計測装置において、
入力信号を複数とし、各入力信号について、複数の計測
レンジと、計測レンジ切替手段と、計測手段と、制御手
段とを設けたことを特徴とし、複数の入力信号の計測精
度を向上することができる。
【0034】また、本発明の請求項5記載の計測装置
は、請求項1,2または3に記載の計測装置において、
入力信号を電流信号とし、計測対象物からの他の入力信
号として電圧信号を計測手段へ直接入力し、計測手段は
電圧信号と計測レンジを介して入力される電流信号とか
ら電力量の計量も行うようにしたことを特徴とし、瞬時
値の計測よりも波形のつぶれが影響する積算値(電力
量)を精度よく計量することができる。
【0035】また、本発明の請求項6記載の計測装置
は、請求項1,2または3に記載の計測装置において、
入力信号を電流信号とし、計測対象物からの他の入力信
号として電圧信号を計測手段へ直接入力し、計測手段は
電圧信号と計測レンジを介して入力される電流信号とか
ら無効電力量の計量も行うようにしたことを特徴とし、
瞬時値の計測よりも波形のつぶれが影響する積算値(無
効電力量)を精度よく計量することができる。
【0036】また、本発明の請求項7記載の計測装置
は、請求項1,2または3に記載の計測装置において、
入力信号を電圧信号と電流信号とし、電圧信号と電流信
号の各々について、複数の計測レンジと、計測レンジ切
替手段と、計測手段と、制御手段とを設けるとともに、
電圧信号の計測手段および電流信号の計測手段の計測値
から電力量を計量するようにしたことを特徴とし、請求
項5と比較して、さらに電圧信号にも複数の計測レンジ
を備えて切替え制御することにより、電圧の精度も向上
させることができ、電力量をさらに精度よく計量するこ
とができる。
【0037】また、本発明の請求項8記載の計測装置
は、請求項1,2または3に記載の計測装置において、
入力信号を電圧信号と電流信号とし、電圧信号と電流信
号の各々について、複数の計測レンジと、計測レンジ切
替手段と、計測手段と、制御手段とを設けるとともに、
電圧信号の計測手段および電流信号の計測手段の計測値
から無効電力量を計量するようにしたことを特徴とし、
請求項6と比較して、さらに電圧信号にも複数の計測レ
ンジを備えて切替え制御することにより、電圧の精度も
向上させることができ、無効電力量をさらに精度よく計
量することができる。
【0038】また、本発明の請求項9記載の計測装置
は、請求項1から8のいずれかに記載の計測装置におい
て、制御手段に所定時間を設定する設定手段を設けたこ
とを特徴とし、計測する入力信号の特性に応じた所定時
間の設定が可能になり、さらに精度よく計測することが
できる。
【0039】以下、本発明の実施の形態について説明す
る。
【0040】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態における計測装置を示すブロック図であ
る。図1において、1は、計測対象となる電源コード、
2は、計測対象の電圧信号を入力するための計器用変圧
器であるPT、3は、計測対象の電流信号を入力するた
めの計器用変流器であるCT、4は、PT2から入力さ
れる電圧信号を複数レンジに切替える計測レンジ切替手
段、5は、CT3から入力される電流信号を複数レンジ
に切替える計測レンジ切替手段、6と9は、定格入力付
近の大きな信号入力を計測するのに適した最大レンジ、
7と10は、定格入力に対して半分付近の信号入力を計
測するのに適した中レンジ、8と11は、微小信号入力
を計測するのに適した最小レンジ、12は、計測レンジ
切替手段4と5で選択されたレンジの出力から電圧、電
流、電力、電力量、無効電力、無効電力量等を計測する
計測手段、13は、時間を計測する時間計測手段、14
は、計測手段12で計測された電圧と電流をもとに計測
レンジ切替手段4と5を制御してレンジ選択切替を行
い、時間計測手段13で計測された時間によりレンジを
切替えるタイミングの制御も行う制御手段、15は、時
間計測手段13で時間計測して制御手段14で制御する
所定期間(所定時間)を設定する所定期間設定手段であ
る。なお、最大レンジ6,9、中レンジ7,10、最小
レンジ8,11は、それぞれオペアンプとゲイン抵抗で
構成され、最大レンジ6,9、中レンジ7,10、最小
レンジ8,11のそれぞれはゲイン抵抗の抵抗値が異な
るものである。
【0041】以上のように構成された計測装置につい
て、その動作を説明する。
【0042】まず、計測対象となる電源コード1に接続
されたPT2から電圧信号が計測レンジ切替手段4に入
力され、最初はどのぐらいのレベルの入力信号なのかわ
からないので最大レンジ6にレンジが切替えられてい
る。一方、CT3から電流信号が計測レンジ切替手段5
に入力され、最初はどのぐらいのレベルの入力信号なの
かわからないので最大レンジ9にレンジが切替えられて
いる。最大レンジ6からの電圧信号と最大レンジ9から
の電流信号が計測手段12に入力され、電圧、電流、電
力、電力量、無効電力、無効電力量、力率、皮相電力等
が計測され、この電圧と電流のデータから制御手段14
は、現在の計測レンジより小さな計測レンジのデータに
なれば時間計測手段13で時間計測を開始し、所定期間
設定手段15で設定された所定期間小さな計測レンジの
データが連続すれば、計測レンジ切替手段4や5を制御
して計測レンジを現在の計測レンジより1段階小さい計
測レンジに切替える。この切替え後からさらに所定期間
小さな計測レンジのデータが連続すれば、計測レンジ切
替手段4や5を制御して計測レンジをさらに1段階小さ
い計測レンジに切替える。また、入力信号が現在の計測
レンジの最高値以上のレベルとなり、制御手段14に入
力される電圧や電流のデータが現在の計測レンジの最高
値になれば即時に最大レンジ6や9に切替える。なお、
各計測レンジの計測所望範囲の最高値は、一般に飽和状
態から多少の裕度をみて設計しており(すなわち最高値
よりも若干高い入力で飽和状態となる)、急激な入力上
昇時には飽和状態となるが、緩やかな入力上昇時には飽
和直前で切替えられる。
【0043】上記の動作において、電圧信号の計測レン
ジの切替えと電流信号の計測レンジの切替えとはそれぞ
れ独立して制御する。すなわち、制御手段14は、計測
手段12で計測した電圧のデータが、現在の計測レンジ
より小さな計測レンジのデータである状態が所定期間連
続したときに計測レンジ切替手段4を制御して小さな計
測レンジに切替える。また、現在の計測レンジの最高値
のデータになれば、即時に計測レンジ切替手段4を制御
して最大レンジ6に切替える。同様に、制御手段14
は、計測手段12で計測した電流のデータが、現在の計
測レンジより小さな計測レンジのデータである状態が所
定期間連続したときに計測レンジ切替手段5を制御して
小さな計測レンジに切替える。また、現在の計測レンジ
の最高値のデータになれば、即時に計測レンジ切替手段
5を制御して最大レンジ9に切替える。
【0044】本実施の形態における入力信号波形と計測
レンジを切替えるタイミングの例を図2と図3に示す。
図2および図3において、AはPT2やCT3の出力で
ある入力信号波形を示し、Bは計測レンジの切替えによ
る計測可能な最大レベルの推移を示す。図2と図3で
は、所定期間設定手段15で設定する所定期間が異な
り、図2より図3の方が所定期間を長くしている。
【0045】例えば最大レンジ9は、図2,図3の入力
レベルが範囲a(=最大レンジの計測所望範囲)内の入
力信号を計測するのに適した計測レンジであるが、図
2,図3の「最大レンジの最高値」以下の入力信号であ
れば最大レンジ9を用いて計測手段12で計測すること
が可能である。また、例えば中レンジ10は、図2,図
3の入力レベルが範囲b(=中レンジの計測所望範囲)
内の入力信号を計測するのに適した計測レンジである
が、図2,図3の「中レンジの最高値」以下の入力信号
であれば中レンジ10を用いて計測手段12において計
測することが可能である。また、例えば最小レンジ11
は、図2,図3の入力レベルが範囲c(=最小レンジの
計測所望範囲)内の入力信号を計測するのに適した計測
レンジであり、最小レンジ11を用いて図2,図3の
「最小レンジの最高値」以下の入力信号を計測手段12
において計測することが可能である。なお、各レンジの
計測所望範囲の最高値は、前述したように、実際は裕度
をもって設計しているが、ここでは説明の簡単化のた
め、裕度がないものとして説明している。
【0046】したがって、入力信号波形Aが計測可能な
最大レベルを示すBよりも高い期間では、計測手段12
で計測される電圧や電流はBで示された計測可能な最大
レベルが計測値となり、頭打ちの状態となる(入力波形
がつぶれている期間)。
【0047】従来の計測装置のように、一般的に入力が
小さくなればすぐに最適な計測レンジに切替えると、負
荷変動の激しいところでは切替えた直後に大きな入力が
入ればまたすぐに1段大きな計測レンジに切替え、それ
でもまだ大きな信号入力が継続していればさらにもう1
段大きな計測レンジに切替えるということを繰り返すこ
とになり、図2や図3と同様に示した図11のように、
大きな入力が入った時に計測値を求めてその値により計
測レンジ切替え制御を行うためどうしても切替え時に小
さい計測レンジの期間中、入力波形が頭打ちとなり飽和
状態でつぶれている期間が存在する。電圧、電流等の瞬
時値計測においてはそんなに影響はないが、電力量、無
効電力量等の積算値においてはちょうど入力波形がつぶ
れている期間の積算分が少なくなり精度に影響する。
【0048】そこで、本実施の形態では、計測手段12
で計測した電圧や電流のデータが、現在の計測レンジよ
り小さな計測レンジのデータになっても所定期間は現在
の計測レンジを維持し、現在の計測レンジより小さな計
測レンジのデータとなった状態が所定期間連続したとき
に小さな計測レンジに切替えるようにするとともに、現
在の計測レンジの最高値のデータになれば、即時に計測
レンジ切替手段4や5を制御して最大レンジ6や9に切
替えることにより、図11に比べて図2のように入力波
形のつぶれている期間が減少する。さらに図3のように
所定期間を長くすると、入力波形のつぶれている期間が
さらに減少する。このように、変化の激しい入力信号の
入力波形のつぶれている期間を少なくすることにより、
計測精度を向上することができる。
【0049】また、上記説明では、計測手段12で計測
した電圧や電流の計測値が現在の計測レンジより小さな
計測レンジのデータとなり、その状態が所定期間連続し
たときに現在の計測レンジより1段階下の計測レンジに
切替えるように制御したが、この制御に代えて、計測手
段12で計測した計測値が現在の計測レンジより小さな
計測レンジのデータとなり、その状態が所定期間(所定
時間)連続したときにその所定期間内における計測値の
最大値を計測所望範囲内に含む計測レンジに切替えるよ
うに制御しても、図2や図3の入力信号波形Aの場合
は、同様の動作および効果を得ることができる。さらに
この場合、計測手段12で計測された計測値が現在の計
測レンジの計測所望範囲より2段階以上下の計測所望範
囲に急激に低下し(ここで計測レンジ数は3個以上)、
かつその低下中に、現在の計測レンジの計測所望範囲と
低下後の計測所望範囲との間の値を計測値としてとる間
もない急激な変化であって、現在の計測レンジの計測所
望範囲より2段階以上下の計測所望範囲となった状態が
所定時間継続したときは、現在の計測レンジから2段階
以上下の計測レンジに(その間の計測レンジに切り替え
られることなく)切り替えられるため、入力が急激に大
きく低下したときにより早い適切な計測レンジ切替え応
答が行え、小さな入力に対する計測精度をより向上する
ことができる。この場合、例えば、図1の構成におい
て、現在の計測レンジが最大レンジ6,9であり、入力
信号が急激に低下し、中レンジ7,10の計測所望範囲
bの値を計測する間もなく、最小レンジ8,11の計測
所望範囲cの値となり、その最小レンジ8,11の計測
所望範囲c内の状態が所定期間継続した場合には、中レ
ンジ7,10への切り替えを経ずに最大レンジ6,9か
ら最小レンジ8,11に切り替わる。
【0050】また、図2や図3では小さな計測レンジへ
の連続した所定期間後の切替えは、1つの所定期間の計
測レンジが終了した後に次の所定期間の時間計測を行う
が、図2に対する図4や、図3に対する図5は、1つの
所定期間の時間計測中にさらに小さな計測レンジの範囲
の入力となればその時点から並行して別の所定期間の時
間計測を行うようにしている。こうすることで小さな入
力に対してより早い適切な計測レンジ切替え応答が行え
るので、小さな入力に対する計測精度をより向上するこ
とができる。
【0051】このようにすることで不定期に発生するス
ポット溶接のような短期間の急激な負荷変動の計測を行
う場合には非常に有効となる。
【0052】なお、入力回路は何回路でもよく、1つの
入力信号に対する計測レンジ数が3個以上の場合に本実
施の形態における効果が得られる。
【0053】なお、入力信号としては、電力関連の信号
や交流信号に限定されるものではなく、その他のトラン
スデューサ信号等や直流信号を用いることができる。
【0054】(第2の実施の形態)図6は本発明の第2
の実施の形態における計測装置を示すブロック図であ
る。図6において、16は、計測対象となる電源コー
ド、17は、計測対象の電圧信号を入力するための計器
用変圧器であるPT、18は、計測対象の電流信号を入
力するための計器用変流器であるCT、19は、CT1
8から入力される電流信号を複数レンジに切替える計測
レンジ切替手段、20は、定格入力付近の大きな信号入
力を計測するのに適した最大レンジ、21は、定格入力
に対して半分付近の信号入力を計測するのに適した中レ
ンジ、22は、微小信号入力を計測するのに適した最小
レンジ、23は、PT17の電圧信号出力と計測レンジ
切替手段19で選択されたレンジの出力から電圧、電
流、電力、電力量、無効電力、無効電力量等を計測する
計測手段、24は、時間を計測する時間計測手段、25
は、計測手段23で計測された電流をもとに計測レンジ
切替手段19を制御してレンジ選択切替を行い、時間計
測手段24で計測された時間によりレンジを切替えるタ
イミングの制御も行う制御手段、26は、時間計測手段
24で時間計測して制御手段25で制御する所定期間
(所定時間)を設定する所定期間設定手段である。
【0055】以上のように構成された計測装置につい
て、その動作を説明する。
【0056】第1の実施の形態の図1ではPT2からの
電圧信号は電流信号同様計測レンジ切替え処理を行って
計測手段12で計測されるが、本実施の形態の図6では
PT17からの電圧信号は計測レンジ切替え処理を行わ
れることなくそのまま計測手段23で計測される。した
がって動作としては電圧信号入力だけは常に単一の固定
計測レンジになっているだけでその他の動作は第1の実
施の形態と同様であるので説明は省略する。
【0057】ここで電圧信号入力のみ計測レンジ切替え
を行わないのは、通常電力関連の計測を行う場合、電圧
は100Vや200Vとほぼ一定であるため、複数レン
ジを備えても計測レンジ切替えがほとんど動作すること
がないため精度に影響があまりなく、あまり有効に活用
されないことが多いためであり、それならばその部分を
省略してシンプルにすることによりコストダウンを図る
ことができるからである。
【0058】また、第2の実施の形態において、図7に
示すように、計測レンジと計測レンジ切替手段とを図6
とは逆に配置してもよい。図7において、27は、計測
対象となる電源コード、28は、計測対象の電圧信号を
入力するための計器用変圧器であるPT、29は、計測
対象の電流信号を入力するための計器用変流器であるC
T、30は、定格入力付近の大きな信号入力を計測する
のに適した最大レンジ、31は、定格入力に対して半分
付近の信号入力を計測するのに適した中レンジ、32
は、微小信号入力を計測するのに適した最小レンジ、3
3は、最大レンジ30と中レンジ31と最小レンジ32
から入力される複数レンジの電流信号を切替える計測レ
ンジ切替手段、34は、PT28の電圧信号出力と計測
レンジ切替手段33で選択されたレンジの出力から電
圧、電流、電力、電力量、無効電力、無効電力量等を計
測する計測手段、35は、時間を計測する時間計測手
段、36は、計測手段34で計測された電流をもとに計
測レンジ切替手段33を制御してレンジ選択切替を行
い、時間計測手段35で計測された時間によりレンジを
切替えるタイミングの制御も行う制御手段、37は、時
間計測手段35で時間計測して制御手段36で制御する
所定期間(所定時間)を設定する所定期間設定手段であ
る。
【0059】以上のように構成された計測装置につい
て、その動作を説明する。
【0060】図6ではCT18からの電流信号を計測レ
ンジ切替手段19で選択されたレンジへ入力していた
が、図7ではCT29からの電流信号は各レンジにそれ
ぞれ入力され、その各レンジ30〜32の出力のうち1
つが計測レンジ切替手段33で選択されて計測手段34
へ入力される。したがって動作としてはその部分が違う
だけでその他の動作は図6と同様であるので説明は省略
する。
【0061】なお、図6に対する図7のように、図1に
おいても、計測レンジ(6〜8)と計測レンジ切替手段
4とを逆に配置し、計測レンジ(9〜11)と計測レン
ジ切替手段5とを逆に配置した構成としてもよい。
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1記載の計
測装置は、計測手段で計測された計測値が現在の計測レ
ンジの計測所望範囲の最高値になったときに、最も高い
計測所望範囲の計測レンジに切替えるとともに、計測手
段で計測された計測値が現在の計測レンジの計測所望範
囲を下回り、その下回る状態が所定時間継続したときに
現在の計測レンジの計測所望範囲より1段階下の計測所
望範囲の計測レンジに切替えるようにしたことにより、
変化の激しい入力信号の入力波形のつぶれている期間を
少なくして精度よく計測することができ、不定期に発生
するスポット溶接のような短期間の急激な負荷変動の計
測を行う場合には非常に有効となるという優れた効果を
奏する。
【0063】また、本発明の請求項2記載の計測装置
は、計測手段で計測された計測値が現在の計測レンジの
計測所望範囲の最高値になったときに、最も高い計測所
望範囲の計測レンジに切替えるとともに、計測手段で計
測された計測値が現在の計測レンジの計測所望範囲を下
回り、その下回る状態が所定時間継続したときに所定時
間内における計測値の最大値を計測所望範囲内に含む計
測レンジに切替えるようにしたことにより、請求項1と
同様の効果のある優れた計測装置を実現できるものであ
り、さらに計測手段で計測された計測値が現在の計測レ
ンジの計測所望範囲より2段階以上下の計測所望範囲に
急激に低下し、かつその低下中に、現在の計測レンジの
計測所望範囲と低下後の計測所望範囲との間の値を計測
値としてとる間もない急激な変化であって、現在の計測
レンジの計測所望範囲より2段階以上下の計測所望範囲
となった状態が所定時間継続したときは、現在の計測レ
ンジから2段階以上下の計測レンジに(その間の計測レ
ンジに切り替えられることなく)切り替えられるため、
入力が急激に大きく低下したときにより早い適切な計測
レンジ切替え応答が行え、小さな入力に対する計測精度
をより向上することができるという優れた効果を奏す
る。
【0064】また、本発明の請求項3記載の計測装置
は、計測手段で計測された計測値が現在の計測レンジの
計測所望範囲の最高値になったときに、最も高い計測所
望範囲の計測レンジに切替えるとともに、計測手段で計
測された計測値が現在の計測レンジの計測所望範囲を下
回り現在の計測レンジより1段階以上下の各段階におけ
る計測レンジの計測所望範囲の値となったときからその
計測所望範囲以下である状態が所定時間継続したときに
各段階における計測レンジに切替えるようにしたことに
より、請求項1と同様の効果のある優れた計測装置を実
現できるものであり、さらに時間計測を並行化すること
により小さな入力に対してより早い適切な計測レンジ切
替え応答が行えるので、小さな入力に対する計測精度を
より向上することができるという優れた効果を奏する。
【0065】また、本発明の請求項4記載の計測装置
は、請求項1,2または3に記載の計測装置において、
入力信号を複数とし、各入力信号について、複数の計測
レンジと、計測レンジ切替手段と、計測手段と、制御手
段とを設けたことを特徴とし、複数の入力信号の計測精
度を向上することができる。また、入力信号を複数とす
ることにより処理の共用化を図ることが可能となり、低
コストで複数の信号計測ができるという優れた効果を奏
する。
【0066】また、本発明の請求項5記載の計測装置
は、請求項1,2または3に記載の計測装置において、
入力信号を電流信号とし、計測対象物からの他の入力信
号として電圧信号を計測手段へ直接入力し、計測手段は
電圧信号と計測レンジを介して入力される電流信号とか
ら電力量の計量も行うようにしたことを特徴とし、瞬時
値の計測よりも波形のつぶれが影響する積算値(電力
量)を精度よく計量することができるという優れた効果
を奏する。
【0067】また、本発明の請求項6記載の計測装置
は、請求項1,2または3に記載の計測装置において、
入力信号を電流信号とし、計測対象物からの他の入力信
号として電圧信号を計測手段へ直接入力し、計測手段は
電圧信号と計測レンジを介して入力される電流信号とか
ら無効電力量の計量も行うようにしたことを特徴とし、
瞬時値の計測よりも波形のつぶれが影響する積算値(無
効電力量)を精度よく計量することができるという優れ
た効果を奏する。
【0068】また、本発明の請求項7記載の計測装置
は、請求項1,2または3に記載の計測装置において、
入力信号を電圧信号と電流信号とし、電圧信号と電流信
号の各々について、複数の計測レンジと、計測レンジ切
替手段と、計測手段と、制御手段とを設けるとともに、
電圧信号の計測手段および電流信号の計測手段の計測値
から電力量を計量するようにしたことを特徴とし、請求
項5と比較して、さらに電圧信号にも複数の計測レンジ
を備えて切替え制御することにより、電圧の精度も向上
させることができ、電力量をさらに精度よく計量するこ
とができるという優れた効果を奏する。
【0069】また、本発明の請求項8記載の計測装置
は、請求項1,2または3に記載の計測装置において、
入力信号を電圧信号と電流信号とし、電圧信号と電流信
号の各々について、複数の計測レンジと、計測レンジ切
替手段と、計測手段と、制御手段とを設けるとともに、
電圧信号の計測手段および電流信号の計測手段の計測値
から無効電力量を計量するようにしたことを特徴とし、
請求項6と比較して、さらに電圧信号にも複数の計測レ
ンジを備えて切替え制御することにより、電圧の精度も
向上させることができ、無効電力量をさらに精度よく計
量することができるという優れた効果を奏する。
【0070】また、本発明の請求項9記載の計測装置
は、請求項1から8のいずれかに記載の計測装置におい
て、制御手段に所定時間を設定する設定手段を設けたこ
とを特徴とし、計測する入力信号の特性に応じた所定時
間の設定が可能になり、さらに精度よく計測することが
できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における計測装置の
ブロック図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における入力信号波
形と計測レンジを切替えるタイミングの例を示す図。
【図3】本発明の第1の実施の形態における入力信号波
形と計測レンジを切替えるタイミングの例を示す図。
【図4】本発明の第1の実施の形態における入力信号波
形と計測レンジを切替えるタイミングの例を示す図。
【図5】本発明の第1の実施の形態における入力信号波
形と計測レンジを切替えるタイミングの例を示す図。
【図6】本発明の第2の実施の形態における計測装置の
ブロック図。
【図7】本発明の第2の実施の形態における計測装置の
ブロック図。
【図8】従来の計測装置の全体を示すブロック図。
【図9】従来の計測装置の要部を示すブロック図。
【図10】従来の計測装置の動作を示すフローチャー
ト。
【図11】従来例における入力信号波形と計測レンジを
切替えるタイミングの例を示す図。
【符号の説明】
1,16,27 電源コード 2,17,28 PT 3,18,29 CT 4,5,19,33 計測レンジ切替手段 6,9,20,30 最大レンジ 7,10,21,31 中レンジ 8,11,22,32 最小レンジ 12,23,34 計測手段 13,24,35 時間計測手段 14,25,36 制御手段 15,26,37 所定期間設定手段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれの計測所望範囲が異なり計測対
    象物からの入力信号を計測するための複数の計測レンジ
    と、前記計測レンジを切替える計測レンジ切替手段と、
    前記計測レンジ切替手段により選択された前記計測レン
    ジからの出力信号を計測する計測手段と、前記計測手段
    で計測された計測値をもとに前記計測レンジ切替手段を
    制御する制御手段とを備え、 前記制御手段は、前記計測手段で計測された計測値が現
    在の計測レンジの計測所望範囲の最高値になったとき
    に、最も高い計測所望範囲の計測レンジに切替えるよう
    に前記計測レンジ切替え手段を制御するとともに、前記
    計測手段で計測された計測値が前記現在の計測レンジの
    計測所望範囲を下回り、その下回る状態が所定時間継続
    したときに前記現在の計測レンジの計測所望範囲より1
    段階下の計測所望範囲の計測レンジに切替えるように前
    記計測レンジ切替手段を制御するようにした計測装置。
  2. 【請求項2】 それぞれの計測所望範囲が異なり計測対
    象物からの入力信号を計測するための複数の計測レンジ
    と、前記計測レンジを切替える計測レンジ切替手段と、
    前記計測レンジ切替手段により選択された前記計測レン
    ジからの出力信号を計測する計測手段と、前記計測手段
    で計測された計測値をもとに前記計測レンジ切替手段を
    制御する制御手段とを備え、 前記制御手段は、前記計測手段で計測された計測値が現
    在の計測レンジの計測所望範囲の最高値になったとき
    に、最も高い計測所望範囲の計測レンジに切替えるよう
    に前記計測レンジ切替え手段を制御するとともに、前記
    計測手段で計測された計測値が前記現在の計測レンジの
    計測所望範囲を下回り、その下回る状態が所定時間継続
    したときに前記所定時間内における計測値の最大値を計
    測所望範囲内に含む計測レンジに切替えるように前記計
    測レンジ切替手段を制御するようにした計測装置。
  3. 【請求項3】 それぞれの計測所望範囲が異なり計測対
    象物からの入力信号を計測するための複数の計測レンジ
    と、前記計測レンジを切替える計測レンジ切替手段と、
    前記計測レンジ切替手段により選択された前記計測レン
    ジからの出力信号を計測する計測手段と、前記計測手段
    で計測された計測値をもとに前記計測レンジ切替手段を
    制御する制御手段とを備え、 前記制御手段は、前記計測手段で計測された計測値が現
    在の計測レンジの計測所望範囲の最高値になったとき
    に、最も高い計測所望範囲の計測レンジに切替えるよう
    に前記計測レンジ切替え手段を制御するとともに、前記
    計測手段で計測された計測値が前記現在の計測レンジの
    計測所望範囲を下回り前記現在の計測レンジより1段階
    以上下の各段階における計測レンジの計測所望範囲の値
    となったときからその計測所望範囲以下である状態が所
    定時間継続したときに前記各段階における計測レンジに
    切替えるように前記計測レンジ切替手段を制御するよう
    にした計測装置。
  4. 【請求項4】 前記入力信号を複数とし、各入力信号に
    ついて、前記複数の計測レンジと、前記計測レンジ切替
    手段と、前記計測手段と、前記制御手段とを設けたこと
    を特徴とする請求項1,2または3に記載の計測装置。
  5. 【請求項5】 前記入力信号を電流信号とし、前記計測
    対象物からの他の入力信号として電圧信号を前記計測手
    段へ直接入力し、前記計測手段は前記電圧信号と前記計
    測レンジを介して入力される電流信号とから電力量の計
    量も行うようにしたことを特徴とする請求項1,2また
    は3に記載の計測装置。
  6. 【請求項6】 前記入力信号を電流信号とし、前記計測
    対象物からの他の入力信号として電圧信号を前記計測手
    段へ直接入力し、前記計測手段は前記電圧信号と前記計
    測レンジを介して入力される電流信号とから無効電力量
    の計量も行うようにしたことを特徴とする請求項1,2
    または3に記載の計測装置。
  7. 【請求項7】 前記入力信号を電圧信号と電流信号と
    し、前記電圧信号と電流信号の各々について、前記複数
    の計測レンジと、前記計測レンジ切替手段と、前記計測
    手段と、前記制御手段とを設けるとともに、前記電圧信
    号の計測手段および前記電流信号の計測手段の計測値か
    ら電力量を計量するようにしたことを特徴とする請求項
    1,2または3に記載の計測装置。
  8. 【請求項8】 前記入力信号を電圧信号と電流信号と
    し、前記電圧信号と電流信号の各々について、前記複数
    の計測レンジと、前記計測レンジ切替手段と、前記計測
    手段と、前記制御手段とを設けるとともに、前記電圧信
    号の計測手段および前記電流信号の計測手段の計測値か
    ら無効電力量を計量するようにしたことを特徴とする請
    求項1,2または3に記載の計測装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段に前記所定時間を設定する
    設定手段を設けたことを特徴とする請求項1から8のい
    ずれかに記載の計測装置。
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