JP2002108004A - 磁性トナー - Google Patents

磁性トナー

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JP2002108004A JP2001229641A JP2001229641A JP2002108004A JP 2002108004 A JP2002108004 A JP 2002108004A JP 2001229641 A JP2001229641 A JP 2001229641A JP 2001229641 A JP2001229641 A JP 2001229641A JP 2002108004 A JP2002108004 A JP 2002108004A
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Akira Hashimoto
昭 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境に左右されず安定した帯電特性を示し、
品質の高い画像を与えることのできる磁性トナーを提供
することにある。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂,酸化鉄及び硫黄原
子を有する重合体を含有する磁性トナー粒子と、該磁性
トナー粒子に混合されている無機微粉体を有する磁性ト
ナーにおいて、 i)該磁性トナーの重量平均粒径(D4)が3〜10μ
mであり、 ii)該磁性トナーの平均円形度が、0.970以上で
あり、 iii)該磁性トナーの磁場79.6kA/m(100
0エルステッド)における磁化の強さが10〜50Am
/kg(emu/g)であることを特徴とする磁性ト
ナーである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、磁気記録法、トナージェット方式記録法などを
利用した記録方法に用いる磁性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により静電荷像担持体(以下、感光体ともいう)
上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像
を行って可視像とし、必要に応じて紙などの転写材にト
ナー像を転写した後、熱・圧力等により転写材上にトナ
ー画像を定着して複写物を得るものである。
【0003】電気的潜像をトナーにより可視化する方法
としては、カスケード現像法、磁気ブラシ現像法、加圧
現像方法、キャリアとトナーからなる二成分系現像剤を
用いる磁気ブラシ現像法、トナー担持体が感光体と非接
触でトナーをトナー担持体から感光体へ飛翔させる非接
触一成分現像法、トナー担持体を感光体に圧接させ電界
によってトナーを転移させる接触一成分現像法、さらに
は、磁性トナーを用い、中心に磁極を配した回転スリー
ブを用い感光体上とスリーブ上の間を電界にて飛翔させ
る、いわゆるジャンピング法も用いられている。
【0004】ジャンピング法としては例えば、特開昭5
4−43027号公報においては、現像剤担持体上に絶
縁性磁性現像剤を薄く塗布し、これを摩擦帯電せしめ、
次いでこれを磁界の作用下で静電潜像にきわめて近接さ
せ、かつ接触することなく対向させ、現像する方法が開
示されている。この方法によれば、絶縁性磁性現像剤を
現像剤担持体上に薄く塗布することにより現像剤の十分
な摩擦帯電を可能とし、しかも現像剤を磁力によって支
持しつつ静電潜像に接することなく現像が行われるた
め、非画像部への現像剤の転移、いわゆるカブリが抑制
されて高精細な画像を得ることが可能となる。
【0005】このような一成分現像方式は、二成分方式
のようにガラスビーズや鉄粉等のキャリア粒子が不要な
ため、現像装置自体を小型化・軽量化できる。さらに
は、二成分現像方式は現像剤中のトナー濃度を一定に保
つ必要があるため、トナー濃度を検知し必要量のトナー
を補給する装置が必要である。よって、ここでも現像装
置が大きく重くなる。一成分現像方式ではこのような装
置は必要とならないため、やはり小さく軽くできるため
好ましい。
【0006】また、プリンター装置などの電子写真装置
は、技術の方向としてより高解像度即ち、従来300、
600dpiであったものが1200、2400dpi
となってきている。従って現像方式もこれにともなっ
て、より高精細が要求されてきている。また、複写機に
おいても高機能化が進んでおり、そのためデジタル化の
方向に進みつつある。この方向は、静電荷像をレーザー
で形成する方法が主である為、やはり高解像度の方向に
進んでおり、ここでもプリンターと同様に高解像・高精
細の現像方式が要求されてきている。
【0007】このためトナーの小粒径化が進んでおり、
特開平1−112253号公報、1−191156号公
報、2−214156号公報、2−284158号公
報、3−181952号公報、4−162048号公報
などでは特定の粒度分布の粒径の小さいトナーが提案さ
れている。しかし、トナーを小粒径化するとトナー粒子
の帯電性のバラツキが大きくなりやすく、前記目的を達
成するためには、そのコントロールが重要になってく
る。
【0008】さらに、高湿下・低湿下でも帯電性を同様
に維持することは困難になる方向であり、そのコントロ
ールがより重要になってくる。
【0009】一方、現像工程で感光体上に形成されたト
ナー像は転写工程で記録材に転写されるが、感光体上に
残った画像部の転写残トナー及び非画像部のカブリトナ
ーはクリーニング工程でクリーニングされ、廃トナー容
器にトナーは蓄えられる。このクリーニング工程につい
ては、従来ブレードクリーニング、ファーブラシクリー
ニング、ローラークリーニング等が用いられていた。装
置面からみると、かかるクリーニング装置を具備するた
めに装置が必然的に大きくなり装置のコンパクト化を目
指すときのネックになっていた。さらには、エコロジー
の観点より、トナーの有効活用と言う意味で廃トナーの
少ないシステムが望まれており、転写効率が高くカブリ
の少ないトナーが求められている。
【0010】前述の転写効率は、トナーの円形度(ある
いは球形度)が低いと、トナーがドラムと接触する面積
が大きくなったり、凹凸が大きくなりエッジ部へ電荷集
中が起こりその部分に対応して生じる鏡像力が増大した
りすることによるドラムからの離型性低下により悪化す
ることは広く知られている。すなわち、転写効率を向上
させるためには、トナーの円形度を高くする必要があ
る。
【0011】トナーの円形度を高くするには、トナーの
製造方法によってその達成方法が異なる。市販されてい
るトナーの製造方法は、粉砕法と重合法とに大別され
る。粉砕法は結着樹脂、着色剤等を溶融混合し、均一に
分散した後、微粉砕装置により粉砕し、分級機により分
級して、所望の粒径を有するトナーとして製造されるも
のである。粉砕法によって得られるトナーは、その製造
方法に起因してトナー表面は粉砕によって生じる破断面
であるために凹凸が存在する。そのため、粉砕しただけ
では円形度を十分に高くすることが出来ず、後処理工程
として機械的衝撃や熱処理するなどの表面改質処理で球
形化する必要が生じる。また、重合法は、結着樹脂成分
となる乳化重合した樹脂粒子を含有する水系媒体中にて
樹脂粒子と着色剤や離型剤等を所望の粒径に会合凝集さ
せる会合凝集トナーと、結着樹脂成分となる重合性単量
体中に着色剤、離型剤、重合開始剤などを分散溶解した
重合性単量体組成物を水系媒体中にてせん断力により所
望の粒径の液滴とした後に懸濁重合する懸濁重合トナー
の2種の製法がある。会合凝集トナーも、その製造方法
に起因して表面に凹凸が存在するため、後処理工程とし
て凝集後のトナーを加熱する、あるいは新たに重合性単
量体組成物を添加してシード重合をするなどの後工程に
よる表面改質処理を必要とする。懸濁重合トナーは、液
滴中を重合するためにその形状は他の製法に比べて真球
状に近いものとなり凹凸も少ないため後処理工程を要す
ることなく円形度の高いトナーを得ることが出来る。
【0012】そのため、円形度の高いトナーを得るため
には懸濁重合法によるトナーが適している。しかしなが
ら、懸濁重合により磁性トナーを製造する際には、トナ
ー中に磁性体を含有するため、その流動性及び帯電特性
は著しく低下する。これは、磁性粒子は一般的に親水性
であるためにトナー表面に存在しやすいためであり、こ
の問題を解決するためには磁性体の有する表面特性の改
質が重要となる。
【0013】重合トナー中の磁性体分散性向上のための
表面改質に関しては、数多く提案されている。例えば、
特開昭59−200254号公報、特開昭59−200
256号公報、特開昭59−200257号公報、特開
昭59−224102号公報等に磁性体の各種シランカ
ップリング剤処理技術が提案されており、特開昭63−
250660号公報、特開平10−239897号公報
では、ケイ素元素含有磁性粒子をシランカップリング剤
で処理する技術が開示されている。
【0014】しかしながら、これらの処理によりトナー
中の分散性はある程度向上するものの、磁性体表面の疎
水化を均一に行うことが困難であるという問題があり、
したがって、磁性体同士の合一や疎水化されていない磁
性体粒子の発生を避けることができず、トナー中の分散
性を良好なレベルにまで向上させるには不十分である。
【0015】また、このようなトナーを用いると磁性体
の存在量分布が適当でないために、トナーの着色力や画
質が環境間あるいは通紙枚数により変化する幅が大きい
などの弊害がある。そのため、それらの課題を克服した
トナーが求められている。
【0016】一方、特開平7−209904号公報にお
いて、トナー粒子表面からの磁性体粒子の露出を完全に
抑制した現像剤の技術が開示されている。
【0017】さらに、特開平7−209904号公報に
おいて開示されているトナー構成を要約すれば、トナー
粒子表面付近に磁性体粒子の存在しない樹脂層が一定量
以上の厚みで形成されている構造から成るものであり、
これは、磁性体粒子が存在しないトナー表層部分がかな
りの割合で存在することを意味している。しかしながら
言い換えると、このような現像剤は、例えば平均粒径が
10μmと小さい場合、磁性体粒子が存在しうる容積が
小さくなるため、十分な量の磁性体粒子を内包しにくい
ということでもある。しかも、こういった現像剤では、
現像剤の内部に磁性体粒子を押し込めることになるた
め、内部で磁性体粒子が凝集してしまい十分な着色力を
得ることが出来ない。
【0018】さらには、スルホン酸基、あるいは類似の
官能基を必須成分として含有する単量体を用いたトナー
として特開昭63−184762号公報、特開平3−5
6974号公報、特開平8−179564号公報、特開
平11−184165、特開平11−288129号公
報、特開平11−327208号公報、特開2000−
56518号公報において開示されているが、磁性トナ
ーの具体的な例示は一切なされていない。
【0019】また、特開昭59−126545号公報に
は磁性体とスルホン酸モノマー、あるいはスルホン酸塩
モノマーとを反応させて磁性体の分散性を向上させる製
造方法が開示されている。しかし、この方法では表面に
多くの磁性体が存在するためトナー表面の磁性体量制御
が未だ不十分であり、得られるトナーの粒度分布もブロ
ードとなるし、トナーとしての帯電量も不足する。その
結果、画像濃度、画像カブリおよびトナーの転写性にお
いて満足できるものではない。
【0020】さらに、特開2000−258953号公
報にはトナーバインダー、ワックス、着色剤からなるト
ナー材料溶液を水系媒体中に分散することにより形成さ
れた粒子の表面に負帯電性基を含有する樹脂を被覆する
技術が開示されているが、磁性トナーの具体的な例示は
一切なされていない。
【0021】以上のように、特定の磁性トナーと本発明
における含硫黄重合体のような樹脂を組み合わせた技術
の開示は見当たらない。さらに本発明者らの知見では、
含硫黄重合体は従来の金属錯体のような荷電制御剤に比
べて抵抗が高いため、電荷がリークしにくい傾向があり
帯電量過多となる成分が生成する場合がある。そのよう
な成分が生成しやすい低温低湿環境においては、感光体
との間の鏡像力が増大することによって転写残となるト
ナーが存在し、クリーニング部材に到達した際にはそこ
をすり抜けて通過してしまい、感光体に対する帯電部材
の機能を僅かながらも損ねてしまうことが懸念される。
また、帯電量過多となる成分が生成する際には、時とし
て反対極性の成分も同時に生成し、前述の現象を助長す
ることが同様に懸念される。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来技術の問題点を解決した磁性トナーを提供するこ
とにある。
【0023】すなわち本発明の目的は、環境に左右され
ず安定した帯電特性を示し、品質の高い画像を与えるこ
とのできる磁性トナーを提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、トナーが
使用される様々な環境の影響を受けることなく良好な現
像性、高転写性を示し、高画質を長期に亘り維持するこ
とが可能なトナーについて鋭意検討した結果、以下の特
徴を有するトナーによりこれを解決できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0025】本発明は、少なくとも結着樹脂,酸化鉄及
び硫黄原子を有する重合体を含有する磁性トナー粒子
と、該磁性トナー粒子に混合されている無機微粉体を有
する磁性トナーにおいて、 i)該磁性トナーの重量平均粒径(D4)が3〜10μ
mであり、 ii)該磁性トナーの平均円形度が、0.970以上で
あり、 iii)該磁性トナーの磁場79.6kA/m(100
0エルステッド)における磁化の強さが10〜50Am
/kg(emu/g)であることを特徴とする磁性ト
ナーに関する。
【0026】また、本発明は、少なくとも結着樹脂,酸
化鉄及び硫黄原子を有する重合体を含有する磁性トナー
粒子と、該磁性トナー粒子に混合されている無機微粉体
を有する磁性トナーにおいて、該磁性トナーの重量平均
粒径(D4)が3〜10μmであり、X線光電子分光分
析により測定されるトナー表面に存在する炭素元素の含
有量(A)に対する鉄元素の含有量(B)の比(B/
A)が0.001未満であり、トナーの投影面積円相当
径をCとし、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナ
ーの断面観察における酸化鉄とトナー表面との距離の最
小値をDとしたとき、D/C≦0.02の関係を満足す
るトナーが50個数%以上であることを特徴とする磁性
トナーに関する。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁性トナーについ
て説明する。
【0028】本発明の磁性トナーは、平均粒径および表
面に存在する特定の元素量を規定することによりトナー
の帯電量が均一になり、潜像に忠実に現像される。ま
た、特定のヘテロ元素量を規定することにより、環境間
の帯電量変化がより安定化される。そのため、画像濃度
の高い良好な画像が常に得られる。さらに、帯電量およ
び真球状に極めて近い形状により、転写効率が高く、そ
の結果としてトナー消費量を低減させることが可能であ
る。
【0029】一方、平均円形度、モード円形度が非常に
高い場合に磁性トナーが現像部で細い穂を形成し、磁性
トナー1個1個の帯電を均一にすることで、かぶりの非
常に少ない良好な画像を得ることが可能である。
【0030】また、本発明のトナーにおいても外添剤の
選択により粉体特性を調整することが出来る。この粉体
特性の調整によりトナーの転写効率の改善効果もあり、
トナー消費量の低減を達成することも可能である。
【0031】本発明のトナーは硫黄原子を有する重合体
とトナーの重量平均粒径と平均円形度あるいは特定の酸
化鉄の分布により構成される。本発明の目的である高精
細な画像を得るためには、重量平均粒径3〜10μmの
範囲が必須である。この粒径範囲のトナー粒子を現像す
る上で前記の粒径範囲と硫黄原子を有する重合体とを組
み合わせると、両者の相乗効果が発現され、カブリ、転
写効率が大きく向上する。
【0032】しかし、本発明の目的の一つである低温低
湿環境での帯電性不良による画像不良を改良するには、
前述の構成だけでは不十分である。そのため、特定の平
均円形度としたり、特定の酸化鉄分布とすることで本発
明の目的を達成できることを見出した。
【0033】通常、平均円形度を高くすると転写残量が
減少する一方でクリーニング性が低下し、すり抜けたト
ナーが帯電部材に到達すると感光体への帯電性に悪影響
を及ぼすことは知られているが、本発明の硫黄原子を有
する重合体を含有するトナーにおいて平均円形度範囲を
設定すると、クリーニング部材をすり抜けて帯電部材に
到達しても帯電部材を汚染せず、画質の低下などの悪影
響を及ぼさないことを発明者らは見出した。これは、硫
黄原子を有する重合体を含有する特定の平均円形度のト
ナーにおいて顕著であり、転写残量が少ないことに加え
て、高電圧を印加する帯電部にて硫黄原子を有する重合
体を介してトナーの電荷の授受が行われ、反対極性成分
が減少する上に帯電量がある程度平均化されることによ
り帯電部材への付着が低減されるものと発明者らは推測
している。このときトナー粒子の平均円形度が高いと、
帯電部材に対する付着が抑制される相乗効果が得られ
る。その詳細は不明だが、本発明者らの知見からトナー
粒子と帯電部材との接触面積が減少するだけでなく、帯
電部材が高電圧を印加していることと密接な関係がある
ものと考えている。さらに、トナーの構成要件の一つを
平均円形度に変えて特定の酸化鉄分布としたときには、
平均円形度により得られる効果はないものの、実質上表
面には存在しないが、表面近傍に存在する酸化鉄が硫黄
原子を有する重合体を介して行われる帯電部からのトナ
ーの電荷の授受を効果的に促進し、同程度の効果が得ら
れるものと発明者らは考えている。
【0034】さらに、着色力を向上させ、低消費量を達
成するという目的に対しては、本発明の硫黄原子を含有
する重合体と酸化鉄の相互作用により酸化鉄の分散性が
向上したことと、本発明のトナーの低カブリと高転写効
率といった性質との相乗効果により達成できたものと考
えている。
【0035】本発明者らは、前述のように本発明の磁性
トナーに硫黄原子を含有する重合体(以下、含硫黄重合
体と略す。)が存在することによりトナーが帯電し、ト
ナーの表面に存在する硫黄原子が密接に帯電に関与して
いることを見出した。さらに、表面に存在する硫黄元素
の含有量と窒素元素の含有量とが一定の関係式を満足す
るときにトナーの帯電量が均一になり、環境安定性がよ
り優れたものになることを見出した。
【0036】本発明における含硫黄重合体とは、後述す
るゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチ
レン換算分子量において1000以上の範囲にピークト
ップを有し、かつ前記の範囲に溶出される成分中に硫黄
原子が含有されているものを示す。硫黄原子の価数や結
合状態は、後述するX線光電子分光分析により測定され
るトナー表面に存在する結合エネルギー166〜172
eVにピークトップを有していることが好ましい。その
中でも、4価または6価が好ましく、6価がより好まし
い。また、結合状態は、スルホン、スルホン酸、スルホ
ン酸塩、硫酸エステル、硫酸エステル塩などが好まし
く、スルホン酸、スルホン酸塩、硫酸エステル、硫酸エ
ステル塩がより好ましい。
【0037】本発明のトナーは、後述するX線光電子分
光分析により測定されるトナー粒子表面に存在する硫黄
元素の含有量(E)に対する窒素元素の含有量(F)の
比(F/E)が、0.25≦F/E≦4の関係を満足す
ることが好ましい。前記の表面に存在する窒素原子は、
X線光電子分光分析により測定されるトナー表面に存在
する結合エネルギー396〜403eVにピークトップ
を有していることが好ましい。その中でも、窒素原子を
含有する官能基が、アミン、アミドなどが好ましい。よ
り好ましくは、アミドなどが挙げられる。
【0038】前述の関係を満足することにより、本発明
のトナーは使用される様々な環境の影響を受けることな
く良好な現像性、高転写性を示し、高画質を長期に亘り
維持することが可能になる。
【0039】本発明のトナーが、良好な現像性を満足す
るためには含硫黄重合体の存在は必要不可欠であり、そ
の効果を最大限に発現するためにはトナーの帯電に最も
関与する表面に存在することが必須である。また、発明
者らの検討により、様々な使用環境においてその現像性
を維持するためには窒素原子が必要不可欠であることが
判明した。その理由として、窒素原子は帯電の立ち上が
り時には非共有電子対の働きにより帯電を促進する効果
を発現し、その一方で、高帯電量になりすぎる、即ちチ
ャージアップする場合には硫黄原子との相互作用により
帯電を抑制する効果を発現しているものと発明者らは考
えている。このときに、F/Eが0.25未満である
と、帯電の立ち上がりを促進する効果が得られにくくな
り、高湿環境や低湿環境での帯電量が低くなる傾向が強
くなる。一方、F/Eが4を超えると窒素原子による帯
電を抑制する効果が強くなりすぎて、帯電量が不足する
傾向が強くなる。
【0040】このF/Eを制御する方法として、(E)
の値を制御する上では、使用する含硫黄重合体中の硫黄
含有量や結合状態を変化させたり、含硫黄重合体量を調
節したりすることが挙げられる。それ以外の方法では、
含硫黄重合体の極性をその他の材料よりも適度に高くす
ることによっても達成することができる。一方、(F)
の値を制御する上では、窒素原子を含有する物質中の窒
素原子を含む官能基の種類や窒素含有量、あるいは物質
量によって制御することが可能である。それ以外の方法
では、含窒素化合物の極性をその他の材料よりも適度に
高くすることによっても達成することができる。
【0041】また、このF/Eの値は、同一の化合物、
重合体等に含有されている硫黄原子および窒素原子であ
っても、それぞれ、別に含有されているものを混合して
F/Eを達成しても何ら差し支えはない。
【0042】本発明において0.8≦F/E≦3.0の
範囲となれば、前述の効果がより良好なものとなるため
好ましい。
【0043】本発明の磁性トナーにおいては、後述のX
線光電子分光分析によりトナー粒子表面に存在する硫黄
元素の含有量の好適な範囲を規定することが可能であ
る。具体的には、X線光電子分光分析により測定される
トナー表面に存在する炭素元素の含有量(A)に対する
結合エネルギー166〜172eVにピークトップを有
する硫黄元素の含有量(E)の比(E/A)が0.00
03〜0.0050の範囲が好ましく、用いられる酸化
鉄の平均粒径や、結着樹脂中に含まれる硫黄元素の含有
量、用いられる硫黄原子を有する重合体量により好適な
範囲に制御することが可能である。0.0003未満で
は十分な帯電量を得られない傾向が強まり、0.005
0を超えると帯電量の湿度依存性が大きくなる傾向が強
くなる。
【0044】さらに、トナー粒子表面に存在する窒素元
素の含有量の好適な範囲を規定することが可能である。
具体的には、X線光電子分光分析により測定されるトナ
ー表面に存在する結合エネルギー283〜293eVに
ピークトップを有する炭素元素の含有量(A)に対する
結合エネルギー396〜403eVにピークトップを有
する窒素元素の含有量(F)の比(F/A)が0.00
05〜0.0100の範囲が好ましい。0.0005未
満では十分な帯電量を得られない傾向が強まり、0.0
100を超えると帯電量の湿度依存性が大きくなる傾向
が強くなる。
【0045】本発明の含硫黄重合体は、本発明に用いら
れる含硫黄重合体を製造するための含硫黄単量体として
は、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタク
リルスルホン酸等或いは、下記構造を有するマレイン酸
アミド誘導体、マレイミド誘導体、スチレン誘導体があ
り、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミドがより好
ましい。
【0046】
【外1】
【0047】本発明に係る含硫黄重合体は、上記単量体
の単重合体であっても構わないが、上記単量体と他の単
量体との共重合体であっても構わない。上記単量体と共
重合体をなす単量体としては、ビニル系重合性単量体が
あり、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量
体を使用することが出来る。
【0048】本発明のトナーの円形度、所望の平均粒径
を得る上では、上記単量体のうちスルホン酸を有する共
重合体が好ましい。
【0049】本発明の含硫黄重合体に含まれる含硫黄単
量体量は、0.01〜20質量%の範囲が、帯電量と平
均円形度を達成する上で好ましい。同様の理由により、
0.05〜10質量%の範囲がより好ましく、0.1〜
5質量%の範囲がさらに好ましい。
【0050】単官能性重合性単量体としては、スチレ
ン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシル
スチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニル
スチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシル
スチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレ
ンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチル
アクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プ
ロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso
−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレー
ト、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルア
クリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォス
フェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェート
エチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルア
クリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート
の如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレー
ト、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert
−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、
n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニル
メタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタク
リレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレー
トの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モ
ノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビ
ニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテ
ル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニ
ルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられ
る。
【0051】多官能性重合性単量体としては、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、トリエチレングリコール
ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、トリプロピレングリコールジア
クリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレー
ト、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキ
シ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタ
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリ
コールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタ
クリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,
2’−ビス(4−メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェ
ニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリ
レート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレー
ト、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニル
エーテル等が挙げられる。
【0052】含硫黄重合体としては、上述の如き単量体
を用いることができるが、スチレン誘導体を単量体とし
て含有していることが、より好ましい。
【0053】含硫黄重合体の製造方法は、塊状重合、溶
液重合、乳化重合、懸濁重合、分散重合、イオン重合等
があるが、操作性などの面から溶液重合が好ましい。
【0054】該スルホン酸基を有する重合体は、 X(SO n・mYk+ (X:前記重合性単量体に由来する重合体部位を表し、
Y+:カウンターイオンを表し、kはカウンターイオン
の価数であり、m及びnは整数であり、n=k×mであ
る。) の如き構造を有する。カウンターイオンとしては、水素
イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウ
ムイオン、アンモニウムイオンなどであることが好まし
い。
【0055】含硫黄重合体において、スルホン酸基を有
する重合体の酸価(mgKOH/g)は3乃至80が好
ましい。より好ましくは5乃至40が良い。さらに好ま
しくは10乃至30が良い。
【0056】酸価が3未満の場合には、本発明で言及す
るような十分な荷電制御作用が得られず、かつ環境特性
が悪い。酸価が50を超える場合には、この様な重合体
を含有する組成物を用いて、懸濁重合で粒子を造る場
合、トナー粒子がいびつな形状を有する様になり、円形
度が小さくなってしまい、含有する離型剤がトナー表面
に現れ、現像性の低下をひきおこす。
【0057】該含硫黄重合体は結着樹脂100質量部当
り0.01乃至20質量部含有されていることが良い。
好ましくは0.01乃至15質量部が良い。さらに好ま
しくは0.1乃至10質量部が良い。
【0058】上記極性基含有単量体の含有量が0.05
質量部未満の場合には、本発明で言及するような十分な
荷電制御作用が得られにくく、20質量部を超えると、
平均円形度が低下し、現像性や転写性の低下を引き起こ
す。
【0059】トナー中の含硫黄重合体の含有量は、キャ
ピラリー電気泳動法などを用いて測定することができ
る。
【0060】含硫黄重合体の分子量は重量平均分子量
(Mw)が2000乃至100000が好ましい。重量
平均分子量(Mw)が2000未満の場合には、トナー
の流動性が悪くなり、転写性が悪化する。100000
を超える場合には、トナーの製造時において単量体への
溶解に時間がかかることに加え、顔料の分散性も悪くな
り、トナーの着色力が低下してしまう。
【0061】含硫黄重合体のガラス転移点(Tg)は5
0℃乃至100℃が好ましい。ガラス転移点が50℃未
満の場合には、トナーの流動性、保存性に劣り、さらに
転写性も劣るようになる。ガラス転移点が100℃を超
える場合には、トナー印字率の多い画像の時の定着性に
劣る。
【0062】含硫黄重合体の揮発分は0.01%乃至
2.0%が好ましい。揮発分を0.01%未満とするた
めには、揮発分除去工程が複雑になり、揮発分が2.0
%を超える場合には、高温高湿下での帯電、特に放置後
の帯電に関して劣る様になる。該重合体揮発分は、高温
(135℃)で1時間加熱したときに減少する重量の割
合である。
【0063】なお、含硫黄重合体のトナーからの分離抽
出は特に制限されるものではなく、任意の方法が扱え
る。
【0064】本発明の磁性トナーは、トナー粒子に対す
る遊離鉄含有粒子の個数割合を示す、鉄及び鉄化合物の
遊離率が0.05乃至3.00%であることが、より好
ましい。3.00%以下であることは、磁性粉体のトナ
ー表面への遊離がおおむね抑制されていることを意味
し、このようなトナーは流動性が良好で、高湿下におい
ても磁性粉体を介した電荷の緩和が抑制され、均一な摩
擦帯電性を有している。一方鉄及び鉄化合物の遊離率が
0.05%より少ないと、実質的に磁性体はトナーから
遊離していないことを意味する。このような鉄及び鉄化
合物の遊離率が低いトナーは電荷のリークサイトが存在
しないため高い帯電量を有するものの、低湿下において
は摩擦帯電量が過剰となり、満足な画像が得られにく
い。例えば、特開平7−209904号公報において
は、粒子内部の特定の部分のみに磁性体粒子が含有され
ている特殊なトナーが開示されているが、このようなト
ナーを用いて低湿下において耐久印字試験を行うと、チ
ャージアップに起因する画像濃度の低下や高帯電量に起
因する転写性の悪化が生じてしまう。即ち、鉄及び鉄化
合物の遊離率が0.05乃至3.00%に制御されてい
ることも本発明のトナーの望ましい物性である。鉄及び
鉄化合物の遊離率が0.05乃至2.00%であれば、
摩擦帯電特性並びに画像特性は、より一層向上する。
【0065】以下、本発明の磁性トナーの特徴である、
平均円形度について説明する。
【0066】本発明の磁性トナーは、平均円形度が、
0.970以上であるのが好ましい。平均円形度が0.
970以上のトナー(トナー粒子群で構成される粉体)
から構成されるトナーは転写性に非常に優れている。こ
れはトナー粒子と感光体との接触面積が小さく、鏡像力
やファンデルワールス力等に起因するトナー粒子の感光
体への付着力が低下するためと考えられる。従って、こ
のようなトナーを用いれば転写効率が高く、トナー消費
量の低減に寄与する。
【0067】さらに、平均円形度が0.970以上のト
ナー粒子は表面のエッジ部がほとんど無いため、一つの
粒子内での電荷の局在化が起こりにくいため、帯電量分
布も狭くなる傾向にあり、潜像に対して忠実に現像され
る。しかし、平均円形度が高い場合でも主として存在す
る粒子の円形度が低いと効果が不十分な場合もあるた
め、特に、後に説明するモード円形度が0.99以上で
あると、円形度が0.99以上の粒子が主として存在す
ることから、上記の効果が顕著に表れるので好ましい。
【0068】本発明における平均円形度は、粒子の形状
を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであ
り、本発明では東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置
「FPIA−1000」を用いて測定を行い、3μm以
上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円径
度(ai)を下式(1)によりそれぞれもとめ、さらに
下式(2)で示すように測定された全粒子の円形度の総
和を、全粒子数(m)で除した値を平均円形度(a)と
定義する。
【0069】
【外2】
【0070】
【外3】
【0071】また、モード円形度とは、円形度を0.4
0から1.00まで0.01毎に61分割し、測定した
各粒子の円形度をそれぞれ各分割範囲に割り振り、円形
度頻度分布において頻度値が最大となるピークの円形度
である。
【0072】なお、本発明で用いている測定装置である
「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、
平均円形度およびモード円形度の算出に当たって、粒子
を得られた円形度によって、円形度0.40〜1.00
を61分割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を
用いて平均円形度及びモード円形度の算出を行う算出を
行う算出法を用いている。しかしながら、この算出式で
算出される平均円形度及びモード円形度の値の差は、非
常に少なく、実質的に無視出来る程度のものであり、本
発明においては、算出時間の短縮化や算出演算式の簡略
化の如きデータの取り扱い上の理由で、上述した各粒子
の円形度を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更
したこのような算出式を用いても良い。
【0073】測定手段としては以下の通りである。界面
活性剤を約0.1mg溶解している水10mlに現像剤
5mgを分散させて分散液を調製し、超音波(20KH
z、50W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5
000〜2万個/μlとして前記装置により測定を行
い、3μm以上の円相当径の粒子群の平均円形度及びモ
ード円形度を求める。
【0074】本発明における平均円形度とは、現像剤の
凹凸の度合いの指標であり、現像剤が完全な球形の場合
1.000を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は
小さな値となる。
【0075】なお、本測定において3μm以上の円相当
径の粒子群についてのみ円形度を測定する理由は、3μ
m未満の円相当径の粒子群にはトナー粒子とは独立して
存在する外部添加剤の粒子群も多数含まれるため、その
影響によりトナー粒子群についての円形度が正確に見積
もれないからである。
【0076】次に、磁性トナー粒子の表面に存在する炭
素元素の含有量(A)に対する鉄元素の含有量(B)の
比(B/A)について説明する。本発明の磁性トナー粒
子は、磁性体として少なくとも磁性酸化鉄を含有する。
そして、本発明の磁性トナーは、X線光電子分光分析に
より測定される該磁性トナー粒子の表面に存在する炭素
元素の含有量(A)に対する鉄元素の含有量(B)の比
(B/A)が、0.001未満であることが好ましい。
この比(B/A)は、0.0005未満であるのがより
好ましく、0.0003未満であるのがさらに好まし
い。
【0077】本発明のトナーにおいてはトナー粒子が高
い帯電量を持つことが好ましく、そのためには表面に電
荷のリークサイトとなる磁性体が露出していないことが
好ましい。
【0078】通常、トナー粒子表面に磁性体が露出して
いる磁性トナーを用いた場合、露出した磁性体による電
荷放出が起こる。現像される前に電荷放出すると、すな
わち著しく帯電量が低いと非画像部に現像されて画像カ
ブリとなってしまう。一方、現像後に電荷放出が起こる
と像担持体から転写体へ転写されずに像担持体上に残
り、転写中抜けなどの画質低下につながるため好ましく
ない。しかしながら、上述のように(B/A)が0.0
01未満である、すなわちトナー粒子表面の磁性体露出
量が極めて低い磁性トナーを用いれば、低画像カブリ、
潜像に忠実な高画質の画像を得ることが出来る。
【0079】トナー粒子表面に存在する結合エネルギー
283〜293eVにピークトップを有する炭素元素の
含有量(A)に対する、結合エネルギー706〜730
eVにピークトップを有する鉄元素の含有量(B)の比
(B/A)は、以下のように、ESCA(X線光電子分
光分析)により表面組成分析を行うことにより測定でき
る。
【0080】本発明では、ESCAの装置および測定条
件は、下記の通りである。 使用装置:PHI社製 1600S型 X線光電子分光
装置 測定条件:X線源 MgKα(400W) 分光領域 800μmφ 本発明では、測定された各元素のピーク強度から、PH
I社提供の相対感度因子を用いて表面原子濃度を算出し
た。
【0081】本測定はトナーを超音波洗浄し、トナー粒
子表面に付着している外添剤を除去した後、磁気力にて
分離し、乾燥し測定することが好ましい。
【0082】次に、磁性トナーの粒径について説明す
る。
【0083】本発明のトナーは、更に高画質化のため、
より微小な潜像ドットを忠実に現像するためには、本発
明の磁性トナーの重量平均径は3μm〜10μmである
ことが必要である。この磁性トナーの重量平均径は、4
μm〜8μmであることが好ましい。重量平均径が3μ
m未満のトナーにおいては、転写効率の低下から感光体
上の転写残トナーが多くなり、接触帯電工程での感光体
の削れやトナー融着の抑制が難しくなる。さらに、トナ
ー全体の表面積が増えることに加え、粉体としての流動
性及び攪拌性が低下し、個々のトナー粒子を均一に帯電
させることが困難となることからカブリや転写性が悪化
傾向となり、削れや融着以外にも画像の不均一ムラの原
因となりやすいため、本発明で使用するトナーには好ま
しくない。また、トナーの重量平均径が10μmを越え
る場合には、文字やライン画像に飛び散りが生じやす
く、高解像度が得られにくい。さらに装置が高解像度に
なっていくと8μm以上のトナーは1ドットの再現が悪
化する傾向にある。
【0084】本発明のトナーの重量平均粒径及び数平均
粒径はコールターカウンターTA−II型あるいはコー
ルターマルチサイザー(コールター社製)等種々の方法
で測定可能である。具体的には、下記のように測定でき
る。コールターマルチサイザー(コールター社製)を用
い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス
(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピュータ
ー(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウム
を用いて1%NaCl水溶液を調整する。たとえば、I
SOTON R−II(コールターサイエンティフィッ
クジャパン社製)が使用できる。測定手順は以下の通り
である。前記電解水溶液を100〜150ml加え、更
に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解
液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い前記コ
ールターマルチサイザーによりアパーチャーを用いて、
2μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定して体積分
布と個数分布とを算出する。それから、本発明に係わる
所の体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D
4)及び個数分布から求めた個数基準の平均粒径、すな
わち個数平均粒径(D1)を求める。
【0085】なお、粒子内部の特定の部分のみに磁性体
粒子が含有されている特殊なトナーは、従来の技術の項
にて述べたように、特開平7−209904号公報にお
いても既に開示されている。しかしながら、特開平7−
209904号公報においては、開示されているトナー
の平均円形度に関する言及がなされていない。また、こ
ういった磁性トナーで長期にわたり印刷を行うと、磁性
体を多く含み現像されにくい粒子、即ち粒径の大きなト
ナー粒子が残りやすく、画像濃度及び画質の低下、さら
には定着性の悪化にもつながるため、このような磁性ト
ナーは好ましくない。
【0086】上記の説明から導かれるように、トナー粒
子中における好ましい磁性体分散状態とは、磁性体粒子
が凝集せずになるべくトナー粒子全体に均一に存在する
状態である。即ち、磁性トナーの投影面積円相当径をC
とし、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた該磁性トナ
ーの断面観察において、磁性体とトナー粒子表面との距
離の最小値をDとしたとき、D/C≦0.02の関係を
満たすトナー粒子の個数が50%以上であることも、ま
た本発明の磁性トナーに好ましい態様の一つである。
【0087】本発明において、該磁性トナーの投影面積
円相当径をCとし、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い
た該磁性トナーの断面観察における磁性粒子表面とトナ
ー粒子表面との距離の最小値をDとしたときに、D/C
≦0.02の関係を満たすトナー粒子数が50%以上で
あることが好ましく、65%以上がより好ましく、75
%以上がさらに好ましい。
【0088】その理由は、以下のとおりである。
【0089】D/C≦0.02を満たさない場合には、
トナー粒子において少なくともD/C=0.02境界線
よりも外側には磁性粒子が全く存在しないことになる。
仮に前述のような粒子を球形として想定すると、1つの
トナー粒子を全空間とした場合に磁性体が存在しない空
間は、トナー粒子の表面に少なくとも11.5%は存在
することになる。実際には、最近接位置に磁性粒子が均
一に整列してトナー粒子内部に内壁を作るように存在す
るわけではないので12%以上になることは明らかであ
る。
【0090】1粒子あたりこれだけの空間に磁性粒子が
存在しないと、 トナー粒子内部に磁性体が偏り、磁性体の凝集が起こ
る可能性が極めて高まる。その結果として着色力の低下
を招く。 磁性粉体の含有量に応じてトナー粒子の比重が高くな
るものの、トナー粒子表面は結着樹脂やワックス成分が
偏在する。そのため、仮に何らかの手段で最表面に表面
層をトナー粒子表面に設けても、トナー粒子やトナーの
製造時にトナー粒子に応力などがかかる場合、融着や変
形が起こりやすくなり、製造時での扱いが複雑になった
り、変形により得られるトナーの粉体特性に分布が生
じ、電子写真特性に悪影響を及ぼしたり、トナーの貯蔵
時でのブロッキング性が悪化する可能性が高まる。 トナー粒子表面が結着樹脂およびワックスのみで、内
部が磁性粒子が偏在する粒子構造では、トナー粒子外部
が柔らかく内部が硬い構造となるために外添剤の埋め込
みが非常に起こりやすく、トナーの耐久性が悪化する。
といった弊害を招く恐れが高まる。
【0091】D/C≦0.02となる粒子数が50%未
満であると前述のような着色力の低下、ブロッキング性
の悪化および耐久性の悪化などの弊害は顕著になる傾向
にある。
【0092】そのため、本発明ではD/C≦0.02を
満足する粒子の個数が50%以上であることが好ましい
ものである。
【0093】本発明において、TEMによる具体的なD
/Cの測定方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中
へ観察すべき粒子を十分に分散させた後に温度40℃の
雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を、そのま
ま、あるいは凍結してダイヤモンド歯を備えたミクロト
ームにより薄片状のサンプルとして観察する方法が好ま
しい。
【0094】該当する粒子数の割合の具体的な決定方法
については、以下のとおりである。TEMにてD/Cを
決定するための粒子は、顕微鏡写真での断面積から円相
当径を求め、その値が後述するコールターカウンターに
よって測定される個数平均粒径(D1)の±10%の幅
に含まれるものを該当粒子とし、その該当粒子につい
て、磁性粒子表面との距離の最小値(D)を計測し、D
/Cを計算する。このようにして計算されたD/C値が
0.02以下の粒子の割合を、下記式により求めるもの
と定義する。このときの顕微鏡写真は精度の高い測定を
行うために、1万〜2万倍の倍率が好適である。本発明
では、透過型電子顕微鏡(日立製H−600型)を装置
として用い、加速電圧100kVで観察し、拡大倍率が
1万倍の顕微鏡写真を用いて観察・測定した。
【0095】
【外4】
【0096】本発明の磁性トナーに用いられる好ましい
磁性粉体(酸化鉄)の粒度としては、体積平均粒径が
0.1〜0.3μmであり、かつ0.03μm以上0.
1μm未満の粒子の個数%が40%以下であることが好
ましい。
【0097】均粒径が0.1μm未満の磁性粉体を用い
た磁性トナーから画像を得ると、画像の色味が赤味にシ
フトし、画像の黒色度が不足したり、ハーフトーン画像
ではより赤味が強く感じられる傾向が強くなるなど一般
的に好ましいものではない。また、このようなトナーを
カラー画像に用いた場合には、色再現性が得られにくく
なったり、色空間の形状がいびつになる傾向があるため
好ましくない。さらに、磁性粉体の表面積が増大するた
めに分散性が悪化し、製造時に要するエネルギーが増大
し、効率的ではない。また、磁性粉体の添加量から得ら
れるべき画像の濃度が不足することもあり好ましいもの
ではない。
【0098】一方、磁性粉体の平均粒径が0.3μmを
超えると、一粒子あたりの質量が大きくなるため、製造
時にバインダーとの比重差の影響でトナー表面に露出す
る確率が高まったり、製造装置の摩耗などが著しくなる
可能性が高まったり、分散物の沈降安定性などが低下す
るため好ましくない。
【0099】また、トナー中において該磁性粉体の0.
03μm以上0.1μm未満の粒子の個数%が40%を
超えると、磁性粉体の表面積が増大して分散性が低下
し、トナー中にて凝集塊を生じやすくなりトナーの帯電
性を損なったり、着色力が低下したりする可能性が高ま
るために40%以下が好ましい。さらに、30%以下と
すると、その傾向はより小さくなるため、より好まし
い。
【0100】なお、0.03μm未満の磁性粉体は、粒
子径が小さいことに起因してトナー製造時に受ける応力
が小さいため、トナー粒子の表面へ出る確率が低くな
る。さらに、仮に粒子表面に露出してもリークサイトと
して作用することはほとんど無く実質上影響は無い。そ
のため、本発明では、0.03μm以上0.1μm未満
の粒子に注目し、その個数%を定義するものである。
【0101】また、磁性粉体中の0.3μm超の粒子が
10個数%を超えると、着色力が低下し、画像濃度が低
下する傾向となるので、好ましくない。より好ましくは
5個数%以下とするのが良い。
【0102】本発明においては、前述の粒度分布の条件
を満たすよう、磁性体の製造条件を設定したり、予め粉
砕及び分級の如き粒度分布の調整を行ったりしたものを
使用することが好ましい。分級方法としては、例えば、
遠心分離やシックナーといった沈降分離を利用したもの
や、例えばサイクロンを利用した湿式分級装置などの手
段が好適である。
【0103】磁性粉体の粒度の決定方法としては、エポ
キシ樹脂中へ観察すべき磁性体粉末あるいはトナー粒子
を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間
硬化させ得られた硬化物を、ミクロトームにより薄片上
のサンプルとして、透過型電子顕微鏡(TEM)におい
て1万倍ないしは4万倍の拡大倍率の写真で視野中の1
00個の磁性体粒子を観察し、その投影面積を求め、得
られた面積の円相当径を計算して体積平均粒径を求める
ことが好ましい。さらに、その結果を元に0.03μm
以上0.1μm未満の粒子と、0.3μm超の粒子の個
数%を計算する。
【0104】このような磁性粉体は、コバルト、ニッケ
ル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウムなどの
元素を含んでもよく、四三酸化鉄、γ−酸化鉄等、酸化
鉄を主成分とするものであり、これらを1種または2種
以上併用して用いられる。
【0105】こういった磁性粉体の形状はSEMなどに
よって確認することができる。すなわち、SEMにより
磁性粉体粒子の形状を観察し、粒子個数割合が最も多い
形状をもってその試料の粉体形状とする。
【0106】本発明の磁性トナー粒子は重合法によって
得られる粒子であるのが好ましい。本発明に係わるトナ
ーは、粉砕法によって製造することも可能であるが、こ
の粉砕法で得られるトナー粒子は一般に不定形のもので
あり、本発明に係わるトナーの必須要件である平均円形
度が0.970以上、(好ましくはモード円形度が0.
99以上)という物性を得るためには機械的・熱的ある
いは何らかの特殊な処理を行うことが必要となる。さら
に粉砕法は、本質的にトナー粒子表面に磁性酸化鉄粒子
が露出してしまうため、本発明の画像形成方法に不可欠
な条件である、X線光電子分光分析により測定される表
面に存在する炭素元素の含有量(A)に対する鉄元素の
含有量(B)の比(B/A)が、0.001未満である
トナーを得ることが困難である。
【0107】そこで、上述の諸問題を解決するため、本
発明においては、トナー粒子を重合法により製造するこ
とが好ましい。トナーの重合法としては、直接重合法、
懸濁重合法、乳化重合法、乳化会合重合法、シード重合
法等が挙げられるが、これらの中では、粒径と粒子形状
のバランスのとりやすさという点で、特に懸濁重合法に
より製造することが好ましい。この懸濁重合法において
は重合性単量体および着色剤(更に必要に応じて重合開
始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤)を均一に
溶解または分散せしめて単量体組成物とした後、この単
量体組成物を分散安定剤を含有する連続層(例えば水
相)中に適当な撹拌器を用いて分散し同時に重合反応を
行わせ、所望の粒径を有するトナーを得るものである。
この懸濁重合法で得られるトナー(以後重合トナー)
は、個々のトナー粒子形状がほぼ球形に揃っているた
め、平均円形度が0.970以上、特にモード円形度が
0.99以上という物性要件を満たすトナーが得られや
すく、さらにこういったトナーは帯電量の分布も比較的
均一となるため高い転写性を有している。
【0108】さらに、懸濁重合して得られた微粒子に再
度、重合性単量体と重合開始剤を添加して表面層を設け
るコア・シェル構造も必要に応じて設計することが可能
である。
【0109】しかしながら、重合トナー中に通常の磁性
体を含有させても、粒子表面からの磁性体の露出を抑え
ることは難しい。さらにはトナー粒子の流動性及び帯電
特性が著しく低下するだけでなく、懸濁重合トナーの製
造時に磁性体と水との相互作用が強いことにより、平均
円形度が0.970以上のトナーが得られ難い。これ
は、磁性体粒子は一般的に親水性であるためにトナー
表面に存在しやすいこと、水溶媒撹拌時に磁性体が乱
雑に動き、それに単量体から成る懸濁粒子表面が引きず
られ、形状が歪んで円形になりにくいこと、等が原因と
考えられる。こういった問題を解決するためには磁性体
粒子の有する表面特性の改質が重要である。重合トナー
に使用される磁性体の表面改質に関しては、数多く提案
されている。例えば、特開昭59−200254号公
報、特開昭59−200256号公報、特開昭59−2
00257号公報、特開昭59−224102号公報等
に磁性体の各種シランカップリング剤処理技術が提案さ
れており、特開昭63−250660号公報では、ケイ
素元素含有磁性粒子をシランカップリング剤で処理する
技術が開示されている。
【0110】しかしながら、これらの処理によりトナー
粒子表面からの磁性体の露出はある程度抑制されるもの
の、磁性体表面の疎水化を均一に行うことが困難である
という問題があり、したがって、磁性体同士の合一や疎
水化されていない磁性体粒子の発生を避けることができ
ず、磁性体の露出を完全に抑制するには不十分である。
また、疎水化磁性酸化鉄を用いる例として特公昭60−
3181号公報にアルキルトリアルコキシシランで処理
した磁性酸化鉄を含有するトナーが提案されている。こ
の磁性酸化鉄の添加により、確かにトナーの電子写真諸
特性は向上しているものの、磁性酸化鉄の表面活性は元
来小さく、処理の段階で合一粒子が生じたり、疎水化が
不均一であったりで、必ずしも満足のいくものではな
く、本発明の画像形成方法に適用するにはさらなる改良
が必要である。さらに、処理剤等を多量に使用したり、
高粘性の処理剤等を使用した場合、疎水化度は確かに上
がるものの、粒子同士の合一等が生じて分散性は逆に悪
化してしまう。このような磁性体を用いて製造されたト
ナーは、摩擦帯電性が不均一であり、それに起因してカ
ブリや転写性が良くないものとなる。
【0111】そこで、本発明の画像形成方法に関わる磁
性トナーに使用される磁性体においては、その粒子表面
を疎水化する際、水系媒体中で、磁性体粒子を一次粒径
となるよう分散しつつカップリング剤を加水分解しなが
ら表面処理する方法を用いることが特に好ましい。この
疎水化処理方法は気相中で処理するより、磁性体粒子同
士の合一が生じにくく、また疎水化処理による磁性体粒
子間の帯電反発作用が働き、磁性体はほぼ一次粒子の状
態で表面処理される。
【0112】カップリング剤を水系媒体中で加水分解し
ながら磁性体表面を処理する方法は、クロロシラン類や
シラザン類のようにガスを発生するようなカップリング
剤を使用する必要もなく、さらに、これまで気相中では
磁性体粒子同士が合一しやすくて、良好な処理が困難で
あった高粘性のカップリング剤も使用できるようにな
り、疎水化の効果は非常に大きい。
【0113】本発明に係わる磁性体の表面処理において
使用できるカップリング剤としては、例えば、シランカ
ップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
より好ましく用いられるのはシランカップリング剤であ
り、下記の一般式(I)で示されるものである。
【0114】Rm−Si−Yn (I) [式中、Rはアルコオキシ基を示し、mは1〜3の整数
を示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、
メタクリル基の如き炭化水素基を示し、nは1〜3の整
数を示す。] 具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリ
メトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソ
ブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシ
ラン、ヒドロキシプロピリトリメトキシシラン、フェニ
ルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシ
シラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げ
ることができる。
【0115】特に、下記の一般式(II)で示されるア
ルキルトリアルコキシシランカップリング剤を使用して
水系媒体中で磁性粒子を疎水化処理するのが良い。
【0116】 Cp2p+1−Si−(OCq2q+13 (II) [式中、pは2〜20の整数を示し、qは1〜3の整数
を示す。] 上記式(II)におけるpが、2より小さいと、疎水化
処理は容易となるが、疎水性を十分に付与することが困
難であり、トナー粒子からの磁性粒子の露出を抑制する
のが難しくなる。またpが20より大きいと、疎水性は
十分になるが、磁性体粒子同士の合一が多くなり、トナ
ー中へ磁性体粒子を十分に分散性させることが困難にな
り、カブリや転写性が悪化傾向となる。
【0117】また、qが、3より大きいとシランカップ
リング剤の反応性が低下して疎水化が十分に行われにく
くなる。
【0118】特に、式中のpが2〜20の整数(より好
ましくは、3〜15の整数)を示し、qが1〜3の整数
(より好ましくは、1又は2の整数)を示すアルキルト
リアルコキシシランカップリング剤を使用するのが良
い。
【0119】その処理量は磁性体100質量部に対し
て、0.05〜20質量部、好ましくは0.1〜10質
量部とするのが良い。
【0120】ここで、水系媒体とは、水を主要成分とし
ている媒体である。具体的には、水系媒体として水その
もの、水に少量の界面活性剤を添加したもの、水にpH
調製剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加したものが
挙げられる。界面活性剤としては、特に限定されるもの
ではないが、ポリビニルアルコール等のノンイオン系界
面活性剤を使用するのが好ましい。界面活性剤は、水に
対して0.1〜5wt%添加するのが好ましい。pH調
製剤としては、例えば、塩酸のような無機酸が挙げられ
る。有機溶剤としては、例えば、メタノール等が挙げら
れ、水に対して0〜500wt%添加するのが好まし
い。
【0121】撹拌は、例えば撹拌羽根を有する混合機
(具体的には、アトライター、TKホモミキサーの如き
高剪断力混合装置)で、磁性体粒子が水系媒体中で、一
次粒子になるように充分におこなうのが良い。
【0122】こうして得られる磁性体は粒子の凝集が見
られず、個々の粒子表面が均一に疎水化処理されている
ため、本発明の含硫黄重合体と組み合わせるとそれぞれ
の相乗効果により、特に重合トナー用の材料として用い
た場合、トナー粒子中への分散性が極めて良好となる。
しかもトナー粒子表面からの露出が非常に少なく、ほぼ
球形に近い、粒度分布の非常に狭い重合トナー粒子が得
られる。従って、こういった磁性体を用いることによ
り、平均円形度が0.970以上、特にはモード円形度
が0.99以上で、X線光電子分光分析により測定され
るトナーの表面に存在する炭素元素の含有量(A)に対
する鉄元素の含有量(B)の比(B/A)が0.001
未満という磁性トナーを得ることが可能となる。
【0123】これらの磁性体の磁気特性としては、磁場
795.8kA/m下で飽和磁化が10〜200Am
/kg、残留磁化が1〜100Am/kg、抗磁力が
1〜30kA/mであるものが用いられる。これらの磁
性体は結着樹脂100質量部に対し、20〜200質量
部で用いられる。このような磁性体の中でもマグネタイ
トを主とするものが特に好ましい。
【0124】本発明において磁性トナーの磁化の強さ
は、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社
製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA
/mで測定した。また、磁性体の磁気特性は、25℃の
室温にて外部磁場796kA/mで測定した。
【0125】また、本発明の磁性トナーは、磁場79.
6kA/m(1000エルステッド)における磁化の強
さが10〜50Am/kg(emu/g)である磁性
トナーであることが必要である。
【0126】本発明において磁場79.6kA/mにお
ける磁化の強さを規定する理由は、磁性体の磁気特性を
表わす量としては、磁気飽和における磁化の強さ(飽和
磁化)が用いられるが、本発明においては画像形成装置
内で実際に磁性トナーに作用する磁場における磁性トナ
ーの磁化の強さが重要であるためである。画像形成装置
に磁性トナーが適用される場合、磁性トナーに作用する
磁場は、画像装置外への磁場の漏洩を大きくしないため
或いは磁場発生源のコストを低く抑えるために、市販さ
れている多くの画像形成装置において数十から百数十k
A/mであり、画像形成装置内で実際に磁性トナーに作
用する磁場の代表的な値として磁場79.6kA/m
(1000エルステッド)を選択し、磁場79.6kA
/mにおける磁化の強さを規定した。
【0127】現像装置内に磁気力発生手段を設けること
で、磁性トナーではトナーの漏れを防止でき、トナーの
搬送性或いは攪拌性を高められるばかりでなく、トナー
担持体上に磁力が作用するように磁気力発生手段を設け
ることで、磁性トナーが穂立ちを形成するためにトナー
の飛散を防止することが容易となる。しかし、トナーの
磁場79.6kA/mにおける磁化の強さが10Am
/kg未満であると、上記の効果が得られず、トナー担
持体上に磁力を作用させるとトナーの穂立ちが不安定と
なり、トナーへの帯電付与が均一に行えないことによる
カブリ、画像濃度ムラ、転写残トナーの回収不良等の画
像不良を生じる易くなる。また、磁気力によるトナーの
トナー担持体への搬送も不十分になりやすい。トナーの
磁場79.6kA/mにおける磁化の強さが50Am
/kgよりも大きいと、トナーに磁力を作用させると磁
気凝集によりトナーの流動性が著しく低下し、転写性が
低下することで転写残トナーが増加し、画質の低下を生
じ易くなる。さらに磁化の強さを大きくする為に磁性体
量を増量すると定着性の悪化を引き起こし易い。また、
本発明のトナーのように0.970以上の平均円形度、
0.99以上のモード円形度を有することによって、ト
ナー担持体上でのトナーの穂立ちが細く密になることに
よって、帯電が均一化され更にかぶりが大幅に減少す
る。
【0128】さらにまた、磁性体以外に他の着色剤を併
用しても良い。併用し得る着色材料としては、磁性ある
いは非磁性無機化合物、公知の染料及び顔料が挙げられ
る。具体的には、例えば、コバルト、ニッケルなどの強
磁性金属粒子、またはこれらにクロム、マンガン、銅、
亜鉛、アルミニウム、希土類元素などを加えた合金、ヘ
マタイトなどの粒子、チタンブラック、ニグロシン染料
/顔料、カーボンブラック、フタロシアニン等が挙げら
れる。これらもまた、表面を処理して用いても良い。
【0129】本発明の磁性トナーは、結着樹脂100質
量部に対して0.5〜50質量部の離型剤を含有するこ
とも好ましい。結着樹脂としては、後述するように例え
ば、各種のワックス等が例示できる。
【0130】転写材上に転写されたトナー像はその後、
熱・圧力等のエネルギーにより転写材上に定着され、半
永久的画像が得られる。この際、熱ロール式定着やフィ
ルム式定着が一般に良く用いられる。
【0131】前述のように、重量平均粒径が10μm以
下のトナー粒子を用いれば非常に高精細な画像を得るこ
とができるが、粒径の細かいトナー粒子は紙等の転写材
を使用した場合に紙の繊維の隙間に入り込み、熱定着用
ローラーからの熱の受け取りが不十分となり、低温オフ
セットが発生しやすい。しかしながら、本発明に係わる
トナーにおいて、適正量の離型剤を含有させることによ
り、高解像性と耐オフセット性を両立させつつることが
可能となる。
【0132】本発明に係わるトナーに使用可能な離型剤
としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリン
ワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びその
誘導体、モンタンワックスびその誘導体、フィッシャー
トロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、
ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及び
その誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス
等天然ワックス及びその誘導体などである。これらの誘
導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重
合物、グラフト変性物を含む。さらには、高級脂肪族ア
ルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、あ
るいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワック
ス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワッ
クス、動物性ワックス等が挙げられる。これらのワック
スの中では、示差熱分析における吸熱ピークが40℃〜
110℃であるものが好ましく、更には45℃〜90℃
であるものが好ましい。
【0133】離型剤を使用する際の含有量としては、結
着樹脂100質量部に対して0.5〜50質量部の範囲
が好ましい。含有量が0.5質量部未満では低温オフセ
ット抑制効果に乏しく、50質量部を超えてしまうと長
期間の保存性が悪化すると共に、他のトナー材料の分散
性が悪くなり、トナーの流動性の悪化や画像特性の低下
につながる。
【0134】ワックス成分の最大吸熱ピーク温度の測定
は、「ASTM D 3418−8」に準じて行う。測
定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用い
る。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を
用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用い
る。測定サンプルにはアルミニウム製のパンを用い、対
照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測
定を行う。
【0135】また、含硫黄重合体のガラス転移温度(T
g)は、2度目の昇温時のDSCカーブより、吸熱ピー
ク前の基線と吸熱ピーク後の基線の中線と、立ち上がり
曲線での交点をもってしてTgとした。
【0136】本発明の磁性トナーには、荷電特性を安定
化するために荷電制御剤を併用しても良い。荷電制御剤
としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが
速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制
御剤が好ましい。さらに、トナーを直接重合法を用いて
製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体へ
の可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
しかしながら、本発明の磁性トナーには、荷電制御剤の
添加は必須ではなく、トナーの層厚規制部材やトナー担
持体との摩擦帯電を積極的に利用することでトナー中に
必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0137】次に本発明の磁性トナーの懸濁重合法によ
る製造方法を説明する。
【0138】本発明のトナーを懸濁重合法で製造する場
合、使用される重合性単量体系を構成する重合性単量体
としては以下のものが挙げられる。
【0139】重合性単量体としては、スチレン・o−メ
チルスチレン・m−メチルスチレン・p−メチルスチレ
ン・p−メトキシスチレン・p−エチルスチレン等のス
チレン系単量体、アクリル酸メチル・アクリル酸エチル
・アクリル酸n−ブチル・アクリル酸イソブチル・アク
リル酸n−プロピル・アクリル酸n−オクチル・アクリ
ル酸ドデシル・アクリル酸2−エチルヘキシル・アクリ
ル酸ステアリル・アクリル酸2−クロルエチル・アクリ
ル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸
メチル・メタクリル酸エチル・メタクリル酸n−プロピ
ル・メタクリル酸n−ブチル・メタクリル酸イソブチル
・メタクリル酸n−オクチル・メタクリル酸ドデシル・
メタクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸ステア
リル・メタクリル酸フェニル・メタクリル酸ジメチルア
ミノエチル・メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメ
タクリル酸エステル類その他のアクリロニトリル・メタ
クリロニトリル・アクリルアミド等の単量体が挙げられ
る。
【0140】これらの単量体は単独、または混合して使
用し得る。上述の単量体の中でも、スチレンまたはスチ
レン誘導体を単独で、あるいはほかの単量体と混合して
使用することがトナーの現像特性及び耐久性の点から好
ましい。
【0141】本発明に係わる重合トナーの製造において
は、単量体系に樹脂を添加して重合しても良い。
【0142】例えば、単量体では水溶性のため水性懸濁
液中では溶解して乳化重合を起こすため使用できないア
ミノ基、カルボン酸基、水酸基、グリシジル基、ニトリ
ル基等、親水性官能基含有の単量体成分をトナー中に導
入したい時には、これらとスチレンあるいはエチレン等
ビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック共重合体
あるいはグラフト共重合体等、共重合体の形にして、あ
るいはポリエステル、ポリアミド等の重縮合体、ポリエ
ーテル、ポリイミン等重付加重合体の形で使用が可能と
なる。こうした極性官能基を含む高分子重合体をトナー
中に共存させると、前述のワックス成分を相分離させ、
より内包化が強力となり、耐オフセット性、耐ブロッキ
ング性、低温定着性の良好なトナーを得ることができ
る。
【0143】また、材料の分散性や定着性、あるいは画
像特性の改良等を目的として上記以外の樹脂を単量体系
中に添加しても良く、用いられる樹脂としては、例え
ば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン
及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重
合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−
ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、ス
チレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチル
アミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル
共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、ス
チレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタ
クリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビ
ニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチル
エーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソ
プレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチ
レン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共
重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタク
リレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアク
リル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェ
ノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族
系石油樹脂などが単独或いは混合して使用できる。
【0144】これら樹脂の添加量としては、単量体10
0質量部に対し1〜20質量部が好ましい。1質量部未
満では添加効果が小さく、一方20質量部を超えると重
合トナーの種々の物性設計が難しくなる。
【0145】さらに、単量体を重合して得られるトナー
の分子量範囲とは異なる分子量の重合体を単量体中に溶
解して重合すれば、分子量分布の広い、耐オフセット性
の高いトナーを得ることができる。
【0146】本発明に係わる重合トナーの製造において
使用される重合開始剤としては、重合反応時に半減期
0.5〜30時間であるものを、重合性単量体100質
量部に対し0.5〜20質量部の添加量で重合反応を行
うと、分子量1万〜10万の間に極大を有する重合体を
得、トナーに望ましい強度と適当な溶融特性を与えるこ
とができる。重合開始剤例としては、2,2’−アゾビ
ス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シ
クロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾ
ビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジア
ゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパ
ーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレ
ート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、メチル
エチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキ
シカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4
−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド等の過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
【0147】本発明に係わる重合トナーを製造する際
は、架橋剤を添加しても良く、好ましい添加量として
は、0.001〜15質量%である。
【0148】本発明に関わる重合トナーを製造する際
は、分子量調整剤を使用することができる。分子量調整
剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−
ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタンなど
のメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素などのハロ
ゲン化炭化水素類;α―メチルスチレンダイマーなどを
挙げることができる。これらの分子量調整剤は、重合開
始前あるいは重合途中に添加することができる。分子量
調整剤は、重合性単量体100質量部に対して、通常、
0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の
割合で用いられる。
【0149】本発明に関わる重合トナーの製造方法で
は、一般に上述のトナー組成物、すなわち重合性単量体
中に、含硫黄重合体、磁性粉体、離型剤、可塑剤、荷電
制御剤、架橋剤、場合によって着色剤等トナーとして必
要な成分及びその他の添加剤、例えば重合反応で生成す
る重合体の粘度を低下させるために入れる有機溶媒、高
分子重合体、分散剤等を適宜加えて、ホモジナイザー、
ボールミル、コロイドミル、超音波分散機等の分散機に
よって均一に溶解または分散せしめた単量体系を、分散
安定剤を含有する水系媒体中に懸濁する。この時、高速
撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用
して一気に所望のトナー粒子のサイズとするほうが、得
られるトナー粒子の粒径がシャープになる。重合開始剤
添加の時期としては、重合性単量体中に他の添加剤を添
加する時同時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する
直前に混合しても良い。また、造粒直後、重合反応を開
始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開
始剤を加えることもできる。
【0150】造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状
態が維持され且つ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の
撹拌を行えば良い。
【0151】本発明に係わる重合トナーを製造する場合
には、分散安定剤として公知の界面活性剤や有機あるい
は無機分散剤が使用でき、中でも無機分散剤が有害な超
微粉を生じ難く、その立体障害性により分散安定性を得
ているので反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、
洗浄も容易でトナーに悪影響を与え難いので、好ましく
使用できる。こうした無機分散剤の例としては、燐酸カ
ルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸
亜鉛等の燐酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム等の炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸化カルシウム、水酸
化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベント
ナイト、アルミナ等の無機酸化物が挙げられる。
【0152】これらの無機分散剤は、重合性単量体10
0質量部に対して0.2〜20質量部を単独で使用して
も良く、粒度分布を調整する目的で0.001〜0.1
質量部の界面活性剤を併用しても良い。界面活性剤とし
ては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラ
デシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、
オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウ
リル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリ
ン酸カリウム等が挙げられる。
【0153】これら無機分散剤を用いる場合には、その
まま使用しても良いが、より細かい粒子を得るため、水
系媒体中にて該無機分散剤粒子を生成させることができ
る。例えば、燐酸カルシウムの場合、高速撹拌下、燐酸
ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを混合し
て、水不溶性の燐酸カルシウムを生成させることがで
き、より均一で細かな分散が可能となる。この時、同時
に水溶性の塩化ナトリウム塩が副生するが、水系媒体中
に水溶性塩が存在すると、重合性単量体の水への溶解が
抑制されて、乳化重合による超微粒トナーが発生し難く
なるので、より好都合である。重合反応終期に残存重合
性単量体を除去する時には障害となることから、水系媒
体を交換するか、イオン交換樹脂で脱塩したほうが良
い。無機分散剤は、重合終了後酸あるいはアルカリで溶
解して、ほぼ完全に取り除くことができる。
【0154】前記重合工程においては、重合温度は40
℃以上、一般には50〜90℃の温度に設定して重合を
行う。この温度範囲で重合を行うと、内部に封じられる
べき離型剤やワックスの類が、相分離により析出して内
包化がより完全となる。残存する重合性単量体を消費す
るために、重合反応終期ならば、反応温度を90〜15
0℃にまで上げることは可能である。重合トナー粒子は
重合終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行
い、無機微粉体を混合し表面に付着させることで、トナ
ーを得ることができる。また、製造工程に分級工程を入
れ、粗粉や微粉をカットすることも、望ましい形態の一
つである。
【0155】本発明のトナーを粉砕法により製造する場
合は、公知の方法が用いられるが、例えば、結着樹脂、
含硫黄重合体、磁性粉体、離型剤、荷電制御剤、場合に
よって着色剤等トナーとして必要な成分及びその他の添
加剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器に
より十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクスト
ルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を
お互いに相溶せしめた中に磁性粉体等の他のトナー材料
を分散又は溶解せしめ、冷却固化、粉砕後、分級、必要
に応じて表面処理を行ってトナー粒子を得、必要に応じ
て微粉体等を添加混合することによって本発明のトナー
を得ることができる。分級及び表面処理の順序はどちら
が先でもよい。分級工程においては生産効率上、多分割
分級機を用いることが好ましい。粉砕工程は、機械衝撃
式、ジェット式等の公知の粉砕装置を用いた方法により
行うことができる。本発明に係わる特定の円形度を有す
るトナーを得るためには、さらに熱をかけて粉砕した
り、あるいは補助的に機械的衝撃を加える処理をするこ
とが好ましい。また、微粉砕(必要に応じて分級)され
たトナー粒子を熱水中に分散させる湯浴法や熱気流中を
通過させる方法などを用いても良い。
【0156】機械的衝撃力を加える手段としては、例え
ば川崎重工社製のクリプトロンシステムやターボ工業社
製のターボミル等の機械衝撃式粉砕機を用いる方法、ま
た、ホソカワミクロン社製のメカノフュージョンシステ
ムや奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステ
ム等の装置のように、高速回転する羽根によりトナーを
ケーシングの内側に遠心力により押しつけ、圧縮力・摩
擦力等の力によりトナーに機械的衝撃力を加える方法が
挙げられる。
【0157】機械的衝撃法を用いる場合においては、処
理温度をトナーのガラス転移点Tg付近の温度(Tg±
10℃)を加える熱機械的衝撃が、凝集防止や生産性の
観点から好ましい。さらに好ましくは、トナーのガラス
転移点Tg±5℃の範囲の温度で行うことが、転写効率
を向上させるのに特に有効である。
【0158】さらにまた、本発明のトナーは、特公昭5
6−13945号公報等に記載のディスク又は多流体ノ
ズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを得
る方法や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水
系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合方法又
は水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生
成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法
等を用いトナーを製造する方法でも製造が可能である。
【0159】本発明のトナーを粉砕法により製造する場
合の結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリビニルトル
エンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレ
ン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共
重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレ
ン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸
エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合
体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン
−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル
酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重
合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共
重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、ス
チレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビ
ニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレ
イン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合
体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレー
ト、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シ
リコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジ
ン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環
族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、パラフィンワック
ス、カルナバワックスなどが単独或いは混合して使用で
きる。特に、スチレン系共重合体及びポリエステル樹脂
が現像特性や定着性等の点で好ましい。
【0160】本発明のトナーにおいては、必要に応じて
荷電制御剤をトナー粒子と混合して用いることも可能で
ある。この手法によっても、現像システムに応じた最適
の摩擦帯電量のコントロールが可能となる。
【0161】本発明のトナーは、流動化剤として平均一
次粒子径4〜80nmの無機微粉末が、トナー全体に対
し0.1〜4質量%添加されていることも非常に好まし
い使用形態である。無機微粉末は、トナーの流動性改良
及びトナー母粒子の帯電均一化のために添加されるが、
無機微粉末を疎水化処理するなどの処理によってトナー
の帯電量の調整、環境安定性の向上等の機能を付与する
ことも好ましい。
【0162】無機微粉末の平均一次粒子径が80nmよ
りも大きい場合、良好なトナーの流動性が得られず、ト
ナー粒子への帯電付与が不均一になり易く、低湿下での
摩擦帯電性の不均一化につながるため、カブリの増大、
画像濃度の低下あるいは耐久性の低下等の問題を避けら
れない。無機微粉末の平均一次粒径が4nmよりも小さ
い場合には、無機微粒子どうしの凝集性が強まり、一次
粒子ではなく解砕処理によっても解れ難い強固な凝集性
を持つ粒度分布の広い凝集体として挙動し易く、この凝
集体の現像、像担持体或いはトナー担持体等を傷つける
こと、などによる画像欠陥を生じ易くなる。トナー粒子
の帯電分布をより均一とするためには、無機微粉末の平
均一次粒径は6〜35nmであることがより良い。
【0163】無機微粉末の平均一次粒子径は、走査型電
子顕微鏡により拡大撮影したトナーの写真で、更に走査
型電子顕微鏡に付属させたXMA等の元素分析手段によ
って無機微粉末の含有する元素でマッピングされたトナ
ーの写真を対照しつつ、トナー表面に付着或いは遊離し
て存在している無機微粉末の一次粒子を100個以上測
定し、個数平均径を求めることで測定法できる。
【0164】また、無機微粉末の含有量は、蛍光X線分
析を用い、標準試料から作成した検量線を用いて定量で
きる。
【0165】本発明のトナーに添加する無機微粉末とし
ては、シリカ,アルミナ,チタニアなどが使用できる。
【0166】例えば、シリカとしてはケイ素ハロゲン化
物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒ
ュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等
から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能で
あるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール
基が少なく、またNaO,SO 2−等の製造残滓の
少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにお
いては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム,
塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン
化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸
化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含
する。
【0167】こういった平均一次粒径が4〜80nmの
無機微粉末の添加量は、トナー母粒子100質量部に対
して0.1〜4.0質量部であることが好ましく、添加
量が0.1質量部未満ではその効果が十分ではなく、
4.0質量部を超えると定着性が悪くなる。
【0168】無機微粉末は、疎水化処理されたものであ
ることが高湿環境下での特性を向上させる点から好まし
い。トナーに添加された無機微粉末が吸湿すると、トナ
ーとしての帯電量が著しく低下し、現像性や転写性の低
下が生じ易くなる。
【0169】疎水化処理の処理剤としては、シリコーン
ワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイ
ル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シラン
カップリング剤、その他有機硅素化合物、有機チタン化
合物の如き処理剤を単独で或いは併用して処理しても良
い。
【0170】その中でも、シリコーンオイルにより処理
したものが好ましく、より好ましくは、無機微粉末を疎
水化処理すると同時或いは処理した後に、シリコーンオ
イルにより処理したものが高湿環境下でもトナー粒子の
帯電量を高く維持し、選択現像性を低減する上でよい。
【0171】無機微粉末の処理条件としては、例えば第
一段反応としてシリル化反応を行い表面の活性水素基を
化学結合により消失させた後、第二段反応としてシリコ
ーンオイルにより表面に疎水性の薄膜を形成することが
できる。シリル化剤の使用量としては、無機微粉末10
0質量部に対し5〜50質量部が好ましい。5質量部未
満では無機微粒子表面の活性水素基を消失させるのに十
分でなく、50質量部を超えると余分なシリル化剤どう
しの反応で生成するシロキサン化合物が糊の役割となっ
て無機微粒子どうしの凝集が起こり、画像欠陥を生じ易
くなる。
【0172】上記シリコーンオイルは、25℃における
粘度が10〜200,000mm/sのものが、さら
には3,000〜80,000mm/sのものが好ま
しい。10mm/s未満では、無機微粉末に安定性が
無く、熱および機械的な応力により、画質が劣化する傾
向がある。200,000mm/sを超える場合は、
均一な処理が困難になる傾向がある。
【0173】シリコーンオイルの処理方法としては、例
えばシラン化合物で処理された無機微粉末とシリコーン
オイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接
混合してもよいし、無機微粉末にシリコーンオイルを噴
霧する方法を用いてもよい。あるいは適当な溶剤にシリ
コーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、無機微粉
末を加え混合し溶剤を除去する方法でもよい。無機微粉
末の凝集体の生成が比較的少ない点で噴霧機を用いる方
法がより好ましい。
【0174】シリコーンオイルの処理量は無機微粉末1
00質量部に対し1〜23質量部、好ましくは5〜20
質量部が良い。シリコーンオイルの量が少なすぎると良
好な疎水性が得られず、多すぎるとやはり無機微粒子の
凝集が起こりやすい。
【0175】本発明のトナーは、上記の無機微粉末に加
えて、トナーの体積平均粒径よりも小さい導電性微粉末
を添加して用いることにより、より優れた画像特性及び
耐久性を示す。
【0176】その添加効果の理由としては、トナーの摩
擦帯電量分布のシャープ化という機能に由来するものと
考えられる。本発明のトナーは鉄及び鉄化合物の遊離量
が制御されているが、使用される画像形成システムによ
っては、低湿下における電荷移動をより向上させる必要
が生じる可能性もある。その際、本発明のトナーに導電
性微粉末を添加すると、帯電量の高いトナーから低いト
ナーへの電荷移動というエントロピー的に好ましい均一
化反応が起こりやすくなり、摩擦帯電性が一層均一にな
る。
【0177】導電性微粉末のトナー全体に対する含有量
は、トナー100質量部当り0.05〜10質量部であ
ることが好ましい。導電性微粉末のトナー全体に対する
含有量が0.05質量部よりも少ないと、低湿下におけ
る均一化反応速度が十分でない。一方、10質量部を超
えると、高湿下において十分な帯電量を維持することが
困難になり、カブリや転写性が低下し、耐久性が悪化し
やすい。好ましくは0.05〜5質量部がよい。
【0178】また、導電性微粉末の好ましい体積抵抗値
は、10Ω・cm以下である。導電性微粉末の体積抵
抗値が10Ω・cmよりも大きいと、やはり均一化反
応速度が十分ではない。さらには10Ω・cm以下と
すれば、低湿下においても帯電量の分布が非常にシャー
プ化される。一方、導電性微粉末の抵抗が低すぎる場
合、高湿下での摩擦帯電量が低下気味となる懸念がある
ため、好ましくは10 Ω・cm以上が良い。
【0179】導電性微粉末の体積平均粒子径は0.05
〜5μmであることが好ましい。平均粒子径が0.05
μm未満では、均一化反応速度の促進効果が低い。これ
は、トナー粒子どうしの接触部に導電性微粉末が存在す
る確立が減るため高帯電量のトナーから低帯電量のトナ
ーへの電荷移動がそれほど促進されないためではないか
と推測している。より好ましくは、粒度分布における
0.5μm未満の粒子数が70体積%以下が良い。
【0180】また、導電性微粉末の平均粒子径が5μm
よりも大きいと、トナー粒子とのファンデルワールス力
が低下し、トナー粒子から遊離してトナー担持体に付着
しやすく、トナーの摩擦帯電を阻害する。より好ましく
は、粒度分布における5μm超の粒子数が7個数%以下
が良い。
【0181】これらの観点から、導電性微粉末の体積平
均粒子径は好ましくは0.1〜4μmが良く、トナー担
持体への付着を抑制するために非磁性の材料であること
が好ましい。
【0182】また、導電性微粉末は、透明、白色或いは
淡色の導電性微粉末であれば、導電性微粉末が転写材上
に転写される場合もカブリとして目立たないため好まし
い。潜像形成工程における露光光の妨げとならない意味
でも導電性微粉末は透明、白色或いは淡色の導電性微粉
末であることがよく、より好ましくは、導電性微粉末の
露光光に対する透過率が30%以上であることが良い。
【0183】本発明においては、粒子の光透過性につい
ては以下の手順で測定した。片面に接着層を有する透明
のフィルムの導電性微粉末を一層分固定した状態で透過
率を測定する。光はシートの鉛直方向から照射しフィル
ム背面に透過した光を集光し光量を測定した。フィルム
のみと粒子を付着したときの光量から正味の光量として
粒子の透過率を算出した。実際にはX−Rite社製3
10T透過型濃度計を用いて測定した。
【0184】本発明における導電性微粉末としては、例
えばカーボンブラック、グラファイトなどの炭素微粉
末;銅、金、銀、アルミニウム、ニッケルなどの金属微
粉末;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化すず、酸化アルミニ
ウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、
酸化バリウム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化タングス
テンなどの金属酸化物;硫化モリブデン、硫化カドミウ
ム、チタン酸カリなどの金属化合物、あるいはこれらの
複合酸化物などが必要に応じて粒度及び粒度分布を調整
することで使用できる。これらの中でも酸化亜鉛、酸化
すず、酸化チタン等の無機酸化物微粒子が特に好まし
い。
【0185】また、導電性無機酸化物の抵抗値を制御す
る等の目的で、アンチモン、アルミニウムなどの元素を
ドープした金属酸化物、導電性材料を表面に有する微粒
子なども使用できる。例えば酸化スズ・アンチモンで表
面処理された酸化チタン微粒子、アンチモンでドープさ
れた酸化第二スズ微粒子、あるいは酸化第二スズ微粒子
などである。
【0186】市販の酸化スズ・アンチモン処理された導
電性酸化チタン微粒子としては、例えばEC−300
(チタン工業株式会社)、ET−300、HJ−1、H
I−2(以上、石原産業株式会社)、W−P(三菱マテ
リアル株式会社)などが挙げられる。
【0187】市販のアンチモンドープの導電性酸化スズ
としては、例えばT−1(三菱マテリアル株式会社)や
SN−100P(石原産業株式会社)などが、また市販
の酸化第二スズとしては、SH−S(日本化学産業株式
会社)などが挙げられる。
【0188】上記導電性微粉末の体積平均粒径及び粒度
分布の測定法を例示する。コールター社製、LS-23
0型レーザー回折式粒度分布測定装置にリキッドモジュ
ールを取り付けて0.04〜2000μmの粒径を測定
範囲とし、得られる体積基準の粒度分布より導電性微粉
末の体積平均粒径を算出する。測定手順としては、純水
10ccに微量の界面活性剤を添加し、これに導電性微
粉末の試料10mgを加え、超音波分散機(超音波ホモ
ジナイザー)にて10分間分散した後、測定時間90
秒、測定回数1回で測定する。
【0189】トナーからの測定においては、純水100
gに対して、微量の界面活性剤を添加してトナーを2〜
10gを加え、超音波分散機(超音波ホモジナイザー)
にて10分間分散した後、遠心分離機等により、トナー
粒子と上記導電性微粉末を分離する。磁性トナーの場合
は磁石を利用することもできる。分離した分散液を測定
時間90秒、測定回数1回で測定する。
【0190】本発明において、導電性微粉末の粒度及び
粒度分布の調整方法としては、導電性微粉末の一次粒子
が製造時において所望の粒度及び粒度分布が得られるよ
うに製造法・製造条件を設定する方法以外にも、一次粒
子の小さな粒子を凝集させる方法、一次粒子の大きな粒
子を粉砕する方法或いは分級による方法等が可能であ
る。更には、所望の粒度及び粒度分布の基材粒子の表面
の一部もしくは全部に導電性粒子を付着或いは固定化す
る方法、所望の粒度及び粒度分布の粒子に導電性成分が
分散された形態を有する導電性微粒子を用いる方法等も
可能であり、これらの方法を組み合わせて導電性微粉末
の粒度及び粒度分布を調整することも可能である。
【0191】導電性微粉末の粒子が凝集体として構成さ
れている場合の粒径は、その凝集体としての平均粒径と
して定義される。導電性微粉末は、一次粒子の状態で存
在するばかりでなく二次粒子の凝集した状態で存在する
ことも問題はない。
【0192】本発明において、導電性微粉末の抵抗測定
は、錠剤法により測定し正規化して求めた。即ち、底面
積2.26cmの円筒内に約0.5gの粉体試料を入
れ、上下電極に147N(15kg)の加圧を行うと同
時に100Vの電圧を印加し抵抗値を計測、その後正規
化して比抵抗を算出した。
【0193】本発明の磁性トナーには、クリーニング性
向上等の目的で、一次粒径30nmを超える(好ましく
は比表面積が50m/g未満)、より好ましくは一次
粒径50nm以上(好ましくは比表面積が30m/g
未満)の無機又は有機の球状に近い微粒子をさらに添加
することも好ましい形態のひとつである。例えば球状シ
リカ粒子、球状ポリメチルシルセスキオキサン粒子、球
状樹脂粒子等が好ましく用いられる。
【0194】本発明に用いられる現像剤には、実質的な
悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフ
ロン(登録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフ
ッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;あるいは酸化セリ
ウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末
などの研磨剤;あるいは例えば酸化チタン粉末、酸化ア
ルミニウム粉末などの流動性付与剤;ケーキング防止
剤;また、逆極性の有機微粒子及び無機微粒子を現像性
向上剤として少量用いることもできる。これらの添加剤
も表面を疎水化処理して用いることも可能である。
【0195】本発明の磁性トナーに用いられる酸化鉄
(磁性粉体)は、例えばマグネタイトの場合、下記方法
で製造される。
【0196】第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量ま
たは当量以上の水酸化ナトリウムの如きアルカリを加
え、鉄元素に対して0.05〜5.0質量%のリン元素
となるよう水溶性リン化合物(例えばヘキサメタリン酸
ソーダ、第一リン酸アンモニウム等のリン酸塩、正リン
酸塩、亜リン酸塩等のリン酸塩)水溶液、場合によって
鉄元素に対して0〜5.0質量%の珪素元素となるよう
水溶性珪素化合物(例えば水ガラス、珪酸ソーダ、珪酸
カリウム)水溶液を加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を
調製する。調製した水溶液のpHをpH7以上(好まし
くはpH7〜10)に維持しながら空気を吹き込み、水
溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反
応をおこない、磁性粒子を生成する。
【0197】酸化反応の終期に液のpHを調整し、磁性
酸化鉄が一次粒子になるよう十分に撹拌し、カップリン
グ剤を添加して十分に混合撹拌し、撹拌後に濾過し、乾
燥し、軽く解砕することで表面処理磁性粉体が得られ
る。あるいは、酸化反応終了後、洗浄、濾過して得られ
た酸化鉄粒子を、乾燥せずに別の水系媒体中に再分散さ
せた後、再分散液のpHを調整し、十分撹拌しながらシ
ランカップリング剤を添加し、カップリング処理を行っ
ても良い。
【0198】第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン
製造に副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生す
る硫酸鉄の利用が可能であり、更に塩化鉄等が可能であ
る。
【0199】水溶液法による磁性酸化鉄の製造方法は一
般に反応時の粘度の上昇を防ぐこと、及び、硫酸鉄の溶
解度から鉄濃度0.5〜2mol/lが用いられる。硫
酸鉄の濃度は一般に薄いほど製品の粒度が細かくなる傾
向を有する。また、反応に際しては、空気量が多い程、
そして反応温度が低いほど微粒化しやすい。
【0200】このようにして製造された表面処理磁性粉
末を用いることにより、本発明の優れた磁性トナーが得
られ高画質及び高安定性が可能となる。
【0201】以下、本発明の磁性トナーが適用可能な画
像形成方法について述べる。
【0202】本発明の磁性トナーは、画像形成方法とし
て感光体表面が高分子結着剤を主体として構成される場
合に有効である。例えば、セレン、アモルファスシリコ
ンなどの無機感光体の上に樹脂を主体とした保護膜を設
ける場合、又は、機能分離型有機像担持体の電荷輸送層
として、電荷輸送材と樹脂からなる表面層をもつ場合、
さらにその上に上記のような保護層を設ける場合等があ
る。
【0203】このような表面層に離型性を付与する手段
としては、膜を構成する樹脂自体に表面エネルギーの低
いものを用いる、撥水、親油性を付与するような添加剤
を加える、高い離型性を有する材料を粉体状にして分散
する、などが挙げられる。の例としては、樹脂の構造
中にフッ素含有基、シリコーン含有基等を導入すること
により達成する。としては、界面活性剤等を添加剤と
すればよい。としては、フッ素原子を含む化合物、す
なわちポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、
フッ化カーボン等が挙げられる。
【0204】これらの手段によって感光体表面の水に対
する接触角を85度以上とすることができ、トナーの転
写性及び感光体の耐久性を一層向上させることができ
る。好ましくは90度以上がよい。この中でも特にポリ
4フッ化エチレンが好適である。本発明においては、
の含フッ素樹脂などの離型性粉体の最表面層への分散が
好適である。
【0205】これらの粉体を表面に含有させるために
は、バインダー樹脂中に該粉体を分散させた層を感光体
最表面に設けるか、あるいは、元々樹脂を主体として構
成されている有機感光体であれば、新たに表面層を設け
なくても、最上層に該粉体を分散させれば良い。添加量
は、表面層総質量に対して1〜60質量部、さらには2
〜50質量部が好ましい。1質量部より少ないとトナー
の転写性及び感光体の耐久性改善の効果が不十分であ
り、60質量部を超えると膜の強度が低下したり、感光
体への入射光量が著しく低下したりするため、好ましく
ない。
【0206】本発明に用いられる感光体の好ましい様態
のひとつを以下に説明する。
【0207】導電性基体としては、アルミニウム・ステ
ンレス等の金属、アルミニウム合金・酸化インジウム−
酸化錫合金等による被膜層を有するプラスチック、導電
性粒子を含侵させた紙・プラスチック、導電性ポリマー
を有するプラスチック等の円筒状シリンダー及びフィル
ムが用いられる。
【0208】これら導電性基体上には、感光層の接着性
向上・塗工性改良・基体の保護・基体上に欠陥の被覆・
基体からの電荷注入性改良・感光層の電気的破壊に対す
る保護等を目的として下引き層を設けても良い。下引き
層は、ポリビニルアルコール・ポリ−N−ビニルイミダ
ゾール・ポリエチレンオキシド・エチルセルロース・メ
チルセルロース・ニトロセルロース・エチレン−アクリ
ル酸コポリマー・ポリビニルブチラール・フェノール樹
脂・カゼイン・ポリアミド・共重合ナイロン・ニカワ・
ゼラチン・ポリウレタン・酸化アルミニウム等の材料に
よって形成される。その膜厚は通常0.1〜10μm、
好ましくは0.1〜3μm程度である。
【0209】電荷発生層は、アゾ系顔料・フタロシアニ
ン系顔料・インジゴ系顔料・ペリレン系顔料・多環キノ
ン系顔料・スクワリリウム色素・ピリリウム塩類・チオ
ピリリウム塩類・トリフェニルメタン系色素や、セレン
・非晶質シリコン等の無機物質などの電荷発生物質を適
当な結着剤に分散し塗工あるいは蒸着等により形成され
る。結着剤としては、広範囲な結着性樹脂から選択で
き、例えば、ポリカーボネート樹脂・ポリエステル樹脂
・ポリビニルブチラール樹脂・ポリスチレン樹脂・アク
リル樹脂・メタクリル樹脂・フェノール樹脂・シリコー
ン樹脂・エポキシ樹脂・酢酸ビニル樹脂等が挙げられ
る。電荷発生層中に含有される結着剤の量は80質量%
以下、好ましくは0〜40質量%に選ぶ。また、電荷発
生層の膜厚は5μm以下、特には0.05〜2μmが好
ましい。
【0210】電荷輸送層は、電界の存在下で電荷発生層
から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有
している。電荷輸送層は、電荷輸送物質を必要に応じて
結着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工することによって
形成され、その膜厚は一般的には5〜40μmである。
電荷輸送物質としては、主鎖または側鎖にビフェニレン
・アントラセン・ビレン・フェナントレンなどの構造を
有する多環芳香族化合物、インドール・カルバゾール・
オキサジアゾール・ピラゾリンなどの含窒素環式化合
物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、セレン・セレ
ン−テルル・非晶質シリコン・硫化カドニウム等が挙げ
られる。
【0211】また、これら電荷輸送物質を分散させる結
着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂・ポリエステル
樹脂・ポリメタクリル酸エステル・ポリスチレン樹脂・
アクリル樹脂・ポリアミド樹脂等の樹脂、ポリ−N−ビ
ニルカルバゾール・ポリビニルアントラセン等の有機光
導電性ポリマー等が挙げられる。
【0212】また、表面層として、保護層を設けてもよ
い。保護層の樹脂としては、ポリエステル・ポリカーボ
ネート・アクリル樹脂・エポキシ樹脂・フェノール樹
脂、あるいはこれらの樹脂の硬化剤等が単独あるいは2
種以上組み合わされて用いられる。
【0213】また、保護層の樹脂中に導電性微粒子を分
散してもよい。導電性微粒子の例としては、金属・金属
酸化物等が挙げられ、好ましくは、酸化亜鉛・酸化チタ
ン・酸化スズ・酸化アンチモン・酸化インジウム・酸化
ビスマス・酸化スズ被膜酸化チタン・スズ被膜酸化イン
ジウム・アンチモン被膜酸化スズ・酸化ジルコニウム等
の超微粒子がある。これらは単独で用いても2種以上を
混合して用いても良い。一般的に保護層に粒子を分散さ
せる場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐために入
射光の波長よりも粒子の粒径の方が小さいことが必要で
あり、本発明における保護層に分散される導電性・絶縁
性粒子の粒径としては0.5μm以下であることが好ま
しい。また、保護層中での含有量は、保護層総質量に対
して2〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がより
好ましい。保護層の膜厚は、0.1〜10μmが好まし
く、1〜7μmがより好ましい。
【0214】表面層の塗工は、樹脂分散液をスプレーコ
ーティング、ビームコーティングあるいは浸透(ディッ
ピング)コーティングすることによって行うことができ
る。
【0215】本発明の磁性トナーは、接触転写工程を有
する画像形成方法においても好ましく適用される。ここ
で、好ましい接触転写工程について説明する。像担持体
からトナー画像の転写を受ける記録媒体は転写ドラム等
の中間転写体であってもよい。記録媒体を中間転写体と
する場合、中間転写体から紙などの転写材に再度転写す
ることでトナー画像が得られる。
【0216】接触転写工程とは、感光体と転写材を介し
て転写手段を当接しながら現像画像を転写材に静電転写
するものであるが、転写手段の当接圧力としては線圧
2.9N/m(3g/cm)以上であることが好まし
く、より好ましくは19.6N/m(20g/cm)以
上である。当接圧力としての線圧が2.9N/m(3g
/cm)未満であると、転写材の搬送ずれや転写不良の
発生が起こりやすくなるため好ましくない。
【0217】また、接触転写工程における転写手段とし
ては、転写ローラーあるいは転写ベルトを有する装置が
使用される。図3に転写ローラーの構成の一例を示す。
感光ドラム100に当接する転写ローラー34は少なく
とも芯金34aと導電性弾性層34bからなり、導電性
弾性層はカーボン等の導電材を分散させたウレタンやE
PDM等の、体積抵抗10〜1010Ωcm程度の弾
性体で作られており、転写バイアス電源35により転写
バイアスが印加されている。
【0218】このような接触転写方法を感光体の表面が
有機化合物である様な画像形成装置に用いることも好ま
しい。即ち、有機化合物が感光体の表面層を形成してい
る場合には、無機材料を用いた他の感光体よりもトナー
粒子に含まれる結着樹脂との接着性が強く、転写性がよ
り低下する傾向にあるためである。
【0219】このような感光体の表面物質としては、た
とえばシリコーン樹脂、塩化ビニリデン、エチレン−塩
化ビニル、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−メ
チルメタクリレート、スチレン、ポリエチレンテレフタ
レートおよびポリカーボネート等が挙げられるが、これ
らに限定されることはなく他のモノマーあるいは前述の
結着樹脂間での共重合体およびブレンド体等も使用する
ことができる。
【0220】また、本発明のトナーと接触転写方法との
組み合わせは、直径が50mm以下の小径の感光体を有
する画像形成装置に対し特に有効に用いられる。即ち、
小径感光体の場合には、同一の線圧に対する曲率が大き
く、当接部における圧力の集中が起こりやすいためであ
る。ベルト感光体でも同一の現象があると考えられる
が、転写部での曲率半径が25mm以下の画像形成装置
に対しても有効である。
【0221】また本発明のトナーは、カブリの無い高画
質を得るためにトナー担持体上にトナー担持体−感光体
の最近接距離(S−D間)よりも小さい層厚で塗布し、
交番電界を印加して現像を行う現像工程で現像されるこ
とも好ましい。すなわち、トナー担持体上の磁性トナー
を規制する層厚規制部材によってトナー担持体上のトナ
ー層厚よりも感光体とトナー担持体の最近接間隙が広く
なるように設定して用いる。
【0222】ここでトナー担持体としては、アルミニウ
ム、ステンレススチールの如き金属又は合金で形成され
た導電性円筒(現像ローラー)が好ましく使用される。
充分な機械的強度及び導電性を有する樹脂組成物で導電
性円筒が形成されていても良く、導電性のゴムローラー
を用いても良い。また、上記のような円筒状に限られ
ず、回転駆動する無端ベルトの形態をしても良い。
【0223】本発明のトナーは、トナー担持体上に5〜
30g/mの層を形成することが好ましい。トナー担
持体上のトナー量が5g/mよりも小さいと、十分な
画像濃度が得られにくく、トナーの帯電が過剰になるこ
とによるトナー層のムラを生じる。トナー担持体上のト
ナー量が30g/mよりも多くなると、トナー飛散を
生じ易くなる。
【0224】こういったトナー担持体の表面粗さは、J
IS中心線平均粗さ(Ra)で0.2〜3.5μmの範
囲にあることが好ましい。
【0225】Raが0.2μm未満ではトナー担持体上
の帯電量が高くなり、現像性が不充分となる。Raが
3.5μmを超えると、トナー担持体上のトナーコート
層にムラが生じ、画像上で濃度ムラとなる。さらに好ま
しくは、0.5〜3.0μmの範囲にあることが好まし
い。
【0226】このトナー担持体の表面粗度Raは、JI
S表面粗さ「JIS B 0601」に基づき、表面粗
さ測定器(サーフコーダSE−30H、株式会社小坂研
究所社製)を用いて測定される中心線平均粗さに相当す
る。具体的には、粗さ曲線からその中心線の方向に測定
長さaとして2.5mmの部分を抜き取り、この抜き取
り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸、粗さ曲線
をy=f(x)で表したとき、次式によって求められる
値をミクロメートル(μm)で表したものを言う。
【0227】
【外5】
【0228】さらに、本発明の磁性トナーは高い帯電能
力を有するために、現像に際してはトナーの総帯電量を
コントロールすることが望ましく、そのためトナー担持
体の表面は導電性微粒子及び/又は滑剤を分散した樹脂
層で被覆されていることが好ましい。
【0229】トナー担持体の被覆層において、樹脂材料
に含まれる導電性微粒子は、11.7MPa(120k
g/cm)で加圧した後の抵抗値が0.5Ω・cm以
下であるものが好ましい。
【0230】導電性微粒子としては、カーボン微粒子、
カーボン微粒子と結晶性グラファイトとの混合物、また
は結晶性グラファイトが好ましい。導電性微粒子は、粒
径0.005〜10μmを有するものが好ましい。
【0231】樹脂材料は、例えば、スチレン系樹脂、ビ
ニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド
樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂の如
き熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ア
ルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウ
レタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹
脂の如き熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂を使用する
ことができる。
【0232】中でもシリコーン樹脂、フッ素樹脂のよう
な離型性のあるもの、あるいはポリエーテルスルホン、
ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリア
ミド、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、
スチレン系樹脂のような機械的性質に優れたものがより
好ましい。特に、フェノール樹脂が好ましい。
【0233】導電性微粒子は、樹脂成分10質量部当
り、3〜20質量部使用するのが好ましい。
【0234】カーボン微粒子とグラファイト粒子を組み
合わせて使用する場合は、グラファイト10質量部当
り、カーボン微粒子1〜50質量部を使用するのが好ま
しい。
【0235】導電性微粉末が分散されているスリーブの
樹脂コート層の体積抵抗率は10 〜10Ω・cm
が好ましい。
【0236】また本発明のトナーを用いる際、トナー担
持体上のトナーを規制する部材がトナーを介してトナー
担持体に当接されていることによって規制されること
が、トナーを温湿度環境の影響を受けにくく、トナー飛
散の起こりにくい均一な帯電を得る観点から特に好まし
い。
【0237】また、トナーを担持するトナー担持体表面
は、像担持体である感光体表面の移動方向と同方向に移
動していてもよいし、逆方向に移動していてもよい。そ
の移動方向が同方向である場合は感光体の移動速度に対
して、比で100%以上であることが望ましい。100
%未満であると、画像品質が悪い。移動速度比が高まれ
ば高まるほど、現像部位に供給されるトナーの量は多
く、潜像に対しトナーの脱着頻度が多くなり、不要な部
分は掻き落とされ必要な部分には付与されるという繰り
返しにより、潜像に忠実な画像が得られる。具体的に
は、トナー担持体表面の移動速度が感光体表面の移動速
度に対し、1.05〜3.0倍の速度であることが好ま
しい。
【0238】また、トナー担持体は感光体に対して10
0〜1000μmの離間距離を有して対向して設置され
ることが好ましく良い。トナー担持体の感光体に対する
離間距離が100μmよりも小さいと、離間距離の振れ
に対するトナーの現像特性の変化が大きくなるため、安
定した画像性を満足する画像形成装置を量産することが
困難となる。トナー担持体の感光体に対する離間距離が
1000μmよりも大きいと、感光体上の潜像に対する
トナーの追従性が低下するために、解像性の低下、画像
濃度の低下等の画質低下を招く。好ましくは120〜5
00μmが良い。
【0239】本発明のトナーを用いる際、トナー担持体
に対して交番電界を印加して現像を行う現像工程で現像
されることが好ましく、印加現像バイアスは直流電圧に
交番電圧(交流電圧)を重畳してもよい。
【0240】交番電圧の波形としては、正弦波、矩形
波、三角波等、適宜使用可能である。また、直流電源を
周期的にオン/オフすることによって形成されたパルス
波であっても良い。このように交番電圧の波形として
は、周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使
用できる。
【0241】トナーを担持するトナー担持体と像担持体
との間に、少なくともピークトゥーピークの電界強度で
3×10〜1×10V/m、周波数100〜500
0Hzの交番電界を現像バイアスとして印加することが
好ましく良い。
【0242】本発明のトナーを適用するのに好ましい形
態である接触帯電方法では、帯電部材が感光体に当接さ
れており、オゾンが発生しないことで環境保全上好まし
い形態となっている。
【0243】一つの形態として帯電ローラーを用いたと
きの好ましいプロセス条件としては、ローラーの当接圧
が4.9〜490N/m(5〜500g/cm)で、直
流電圧あるいは直流電圧に交流電圧を重畳したものが用
いられる。直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いる
場合は、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=
50〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±5kVが好ま
しい。
【0244】この他の帯電手段としては、帯電ブレード
を用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。こ
れらの接触帯電手段も、高電圧が不要になったり、オゾ
ンの発生が低減するといった効果がある。
【0245】接触帯電手段としての帯電ローラー及び帯
電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、そ
の表面に離型性被膜を設けてもよい。離型性被膜として
は、ナイロン系樹脂、PVdF(ポリフッ化ビニリデ
ン)、PVdC(ポリ塩化ビニリデン)、フッ素アクリ
ル樹脂などが適用可能である。
【0246】次に、本発明のトナーを適用するのに好ま
しい画像形成方法を図に沿って具体的に説明する。図1
において、100は感光ドラムで、その周囲に一次帯電
ローラー117、現像器140、転写帯電ローラー11
4、クリーナー116、レジスタローラー124等が設
けられている。そして感光体100は一次帯電ローラー
117によって−700Vに帯電される(印加電圧は交
流電圧−2.0kVpp、直流電圧−700Vdc)。
そして、レーザー発生装置121によりレーザー光12
3を感光体100に照射することによって露光される。
感光体100上の静電潜像は現像器140によって一成
分磁性トナーで現像され、転写材Pを介して感光体に当
接された転写ローラー114により転写材P上へ転写さ
れる。トナー画像をのせた転写材Pは搬送ベルト125
等により定着器126へ運ばれ、転写材P上に画像が定
着される。また、一部感光体上に残されたトナーはクリ
ーニング手段116によりクリーニングされる。現像器
140は感光体100に近接してアルミニウム,ステン
レス等非磁性金属で作られた円筒状のトナー担持体10
2(以下、現像スリーブと称す)が配設され、感光体1
00と現像スリーブ102との間隙は、図示されないス
リーブ/感光体間隙保持部材等により約300μmに維
持されている。図4において、現像スリ一ブ内にはマグ
ネットローラー104が現像スリーブ102と同心的に
固定、配設されている。但し現像スリーブ102は回転
可能である。マグネットローラー104には図示の如く
複数の磁極が具備されており、S1は現像、N1はトナ
ーコート量規制、S2はトナーの取り込み/搬送、N2
はトナーの吹き出し防止に影響している。現像スリーブ
102に付着して搬送される磁性トナー量を規制する部
材として、弾性ブレード103が配設され弾性ブレード
103の現像スリーブ102に対する当接圧により現像
領域に搬送されるトナー量が制御される。現像領域で
は、感光体100と現像スリーブ102との間に直流及
び交流の現像バイアスが印加され、現像スリーブ上トナ
ーは静電潜像に応じて感光体100上に飛翔し可視像と
なる。
【0247】本発明における各種物性データの測定方法
を以下に既述する。 (1)トナー表面に存在する炭素元素の含有量(A)に
対する鉄元素の含有量(B)の比(B/A)の測定方法 本発明に於けるトナー表面に存在する炭素元素の含有量
(A)に対する鉄元素の含有量(B)の比(B/A)
は、ESCA(X線光電子分光分析)により表面組成分
析を行い算出した。本発明では、ESCAの装置及び測
定条件は、下記の通りである。 使用装置:PHI社(Physical Electr
onics Industries,Inc.)製 1
600S型 X線光電子分光装置 測定条件:X線源 MgKα(400W) 分光領域8
00μmφ 本発明では、測定された各元素のピーク強度から、PH
I社提供の相対感度因子を用いて表面原子濃度(原子
%)を算出した。各元素の測定ピークトップ範囲は以下
の通りである。 C:283〜293eV Fe:706〜730eV S:166〜172eV N:396〜403eV 測定試料としては、トナーを用いるが、トナーに外添剤
が添加されている場合には、イソプロパノールの如きト
ナーを溶解しない溶媒を用いて、トナーを洗浄し、外添
剤を取り除いた後に測定を行う。 (2)トナーの断面観察に於ける磁性粒子の分散性(D
/C)の測定方法 本発明の磁性トナーの投影面積円相当径をCとし、透過
型電子顕微鏡(TEM)を用いた該磁性トナーの断面観
察に於ける磁性粒子表面とトナー粒子表面との距離の最
小値をDとした時の、D/Cの測定はTEMを用いて行な
った。TEMによる具体的な観察方法としては、常温硬
化性のエポキシ樹脂中へ観察すべき粒子を十分に分散さ
せた後に温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られ
た硬化物を、そのまま、或いは凍結してダイヤモンド歯
を備えたミクロトームにより薄片状のサンプルとして観
察する方法が好ましい。該当する粒子数の割合の具体的
な決定方法については、以下の通りである。TEMにて
D/Cを決定する為の粒子は、顕微鏡写真での断面積か
ら円相当径を求め、その値が個数平均粒径(D1)の±1
0%の幅に含まれるものを該当粒子とし、その該当粒子
について、磁性粒子表面と該磁性トナー粒子表面との距
離の最小値(D)を計測し、D/Cを計算する。こうし
て計算されたD/C値が0.02以下の粒子の割合を、
下記式により求めるものと定義する。この時の顕微鏡写
真は精度の高い測定を行う為に、1万〜2万倍の倍率が
好適である。本発明では、透過型電子顕微鏡(日立製H
−600型)を装置として用い、加速電圧100kVで
観察し、拡大倍率が1万倍の顕微鏡写真を用いて観察・
測定した。該磁性トナーの個数平均粒径(D1)は、コー
ルターカウンターにて決定するのが良い。 (3)トナー粒子の鉄及び鉄化合物の遊離率の測定 鉄及び鉄化合物の遊離率について説明する。鉄及び鉄化
合物の遊離率とはパーティクルアナライザー(PT10
00:横河電機(株)製)により測定されたものであ
り、遊離率が0.05〜3.00%であることが本発明
の必須構成要素であり、好ましくは0.05〜2.00
%、さらに好ましくは0.05〜1.50%、特には
0.05〜0.8%が好ましい。
【0248】パーティクルアナライザーはJapan
Hardcopy97論文集の65〜68ぺージに記載
の原理で測定を行う。具体的には、該装置はトナー等の
微粒子を一個づつプラズマヘ導入し、微粒子の発光スペ
クトルから発光物の元素、粒子数、粒子の粒径を知るこ
とができる。
【0249】この中で、遊離率とは、結着樹脂の構成元
素である炭素原子の発光と、鉄原子の発光の同時性から
次式により求めたものと定義する。
【0250】鉄及び鉄化合物の遊離率=鉄原子のみの発
光回数/(炭素原子と同時に発光した鉄原子の発光回数
+鉄原子のみの発光回数) ここで、炭素原子と鉄原子の同時発光とは、炭素原子の
発光から2.6msec以内に発光した鉄原子の発光を
同時発光とし、それ以降の鉄原子の発光は鉄原子のみの
発光とする。本発明ではマグネタイトを主体とする磁性
粉体を多く含有しているため、炭素原子と鉄原子が同時
発光するということは、トナー中に磁性粉体が分散して
いることを意味し、鉄原子のみの発光は、磁性粉体がト
ナーから遊離していることを意味すると言い換えること
も可能である。
【0251】具体的な測定方法としては、チャンネル1
で炭素原子(測定波長247.860nm)、チャンネ
ル4で鉄原子(測定波長259.94nm)を測定し、
一回のスキャンで炭素原子の発光数が1000個未満と
なるようにサンプリングを行い、炭素原子の発光数が総
数で10000以上となるまでスキャンを繰り返し、発
光数を積算する。このデータを元に、上記計算式を用
い、鉄及び鉄化合物の遊離率を算出する。 (4)スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミドを含む共
重合体の分子量測定方法含硫黄重合体の重量平均分子量
は、テトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)によって測定されるポリ
スチレン換算値として求めた。具体的には、以下の方法
に従った。検出器としてRIを用いた。<試料調製>試
料約10mgを5mlのテトラヒドロフラン溶媒に溶解
し、25℃、16時間放置後、孔径0.45μmのメン
ブランフィルターで濾過し、試料とした。 <測定条件> 温度:35℃ 溶媒:テトラヒドロフラン 流速:1.0ml/min 濃度:0.2重量% 試料注入量:100μl カラム:昭和電工(株)製、ショウデックス GPC
KF806M(30cm×2本) 検量線作成用の標準ポリスチレン試料として、東ソー社
製TSK スタンダードポリスチレン F−850、F
−450、F−288、F−128、F−80、F−4
0、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A
−5000、A−2500、A−1000、A−500
を用いて検量線を作成した。
【0252】装置は、高速GPC HPLC8120
GPC(東ソー社製)を使用した。
【0253】
【実施例】以下、本発明を製造例及び実施例により具体
的に説明するが、これは本発明をなんら限定するもので
はない。なお、以下の配合における部数は全て質量部で
ある。
【0254】(極性重合体の製造例1)還流管,撹拌
機,温度計,窒素導入管,滴下装置及び減圧装置を備え
た加圧可能な反応容器に、溶媒としてメタノール250
部、2−ブタノン150部及び2−プロパノール100
部、モノマーとしてスチレン72部、アクリル酸2−エ
チルヘキシル18部、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸10部を添加して撹拌しながら還流
温度まで加熱した。重合開始剤であるt−ブチルペルオ
キシ−2−エチルヘキサノエート1部を2−ブタノン2
0部で希釈した溶液を30分かけて滴下して5時間撹拌
を継続し、更にt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキ
サノエート1部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を
30分かけて滴下して、更に5時間撹拌して重合を終了
した。
【0255】重合溶媒を減圧留去した後に得られた重合
体を目開き100μmのスクリーンを装着したカッター
ミルを用いて100μm以下に粗粉砕した。得られた極
性重合体はTg約54℃であった。得られた極性重合体
を極性重合体1とする。
【0256】(極性重合体の製造例2〜4)極性重合体
の製造例1において、使用するモノマーを表1に示す内
容に変更する以外は同様の手法により、極性重合体2〜
4を製造した。
【0257】(極性重合体の比較製造例1)極性重合体
の製造例1において、使用するモノマーを表1に示す内
容に変更する以外は同様の手法により、極性重合体5を
製造した。
【0258】
【表1】
【0259】(表面処理磁性粉体の製造例1)硫酸第一
鉄水溶液中に、鉄イオンに対して1.0〜1.1当量の
苛性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を
調製した。
【0260】水溶液のpHを9前後に維持しながら、空
気を吹き込み、80〜90℃で酸化反応を行い、磁性粒
子のスラリー液を得た。洗浄・濾過した後この含水スラ
リー液を一旦取り出した。この時、含水サンプルを少量
採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サンプ
ルを乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させた後、再分
散液のpHを約6に調整し、十分撹拌しながらシランカ
ップリング剤(n−C 1021Si(OCH33)を磁性
酸化鉄100部に対し2.0部(磁性粒子の量は含水サ
ンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、
カップリング処理を行った。生成した疎水性磁性粒子を
常法により洗浄・濾過・乾燥し、次いで若干凝集してい
る粒子を解砕処理して、表面処理磁性粉体1を得た。得
られた磁性粉体の物性を、以下の製造例で得られた磁性
粉体のものと併せて表2に示す。
【0261】(磁性粉体の製造例1)表面処理磁性粉体
の製造例1と同様に酸化反応を進め、酸化反応後に生成
した磁性酸粒子を洗浄・濾過後乾燥し、凝集している粒
子を解砕処理して磁性粉体1を得た。
【0262】(表面処理磁性粉体の製造例2)上記磁性
粉体の製造例1で得られた磁性粉体1を、別の水系媒体
中に再分散させた後、再分散液のpHを約6に調整し、
十分撹拌しながらシランカップリング剤(n−C1021
Si(OCH33)を100部の磁性粉体1に対し2.
0部添加し、カップリング処理を行った。得られた磁性
粒子スラリーを常法により洗浄・濾過・乾燥し、次いで
凝集している粒子を解砕処理して、表面処理磁性粉体2
を得た。
【0263】(表面処理磁性粉体の製造例3)磁性粉粉
体の製造例1で得られた磁性粉体1を、100部の磁性
粉体1に対し2.0部のシランカップリング剤(n−C
1021Si(OCH33)で気相中にて表面処理するこ
とにより、表面処理磁性粉体3を得た。
【0264】(表面処理磁性粉体の製造例4)表面処理
磁性体の製造例1において、磁性酸化鉄粒子の合成時の
硫酸第一鉄水溶液量を減らし、空気の吹き込み量を増加
させて、表面処理磁性粉体4を得た。
【0265】(表面処理磁性粉体の製造例5)表面処理
磁性粉体の製造例1において、磁性酸化鉄粒子の合成時
の硫酸第一鉄水溶液量を増やし、空気の吹き込み量を減
少させる以外は同様にして表面処理磁性粉体5を得た。
【0266】(表面処理磁性粉体の製造例6)表面処理
磁性粉体の製造例1において、磁性酸化鉄粒子の合成時
の空気の吹き込み量を増やして表面処理磁性粉体6を得
た。
【0267】(表面処理磁性粉体の製造例7)表面処理
磁性粉体の製造例1において、シランカップリング剤
(n−C1021Si(OCH33)をシランカップリン
グ剤(n−C613Si(OCH33)に変える以外は
同様にして表面処理磁性粉体7を得た。
【0268】(表面処理磁性粉体の製造例8)表面処理
磁性粉体の製造例1において、シランカップリング剤
(n−C1021Si(OCH33)の使用量を0.1部
に変える以外は同様にして表面処理磁性粉体8を得た。
【0269】
【表2】
【0270】(導電性微粉末1)体積平均粒径3.7μ
m、粒度分布における0.5μm未満が6.6体積%、
5μm超が8個数%の微粒子酸化亜鉛(抵抗80Ω・c
m、一次粒子径0.1〜0.3μmの酸化亜鉛一次粒子
を圧力により造粒して得られたもの、白色)を導電性微
粉末1とする。
【0271】この導電性微粉末1は、走査型電子顕微鏡
にて3000倍及び3万倍で観察したところ、0.1〜
0.3μmの酸化亜鉛一次粒子と1〜10μmの凝集体
からなっていた。
【0272】実施例1の画像形成装置で画像露光に用い
られるレーザービームスキャナーの露光光波長740n
mにあわせて、波長740nmの光源を用いて、この波
長域における透過率をX−Rite社製310T透過型
濃度計を用い測定したところ、この導電性微粉末1の透
過率はおよそ35%であった。
【0273】(導電性微粉末2)導電性微粒末1を風力
分級して得られた、体積平均粒径2.4μm、粒度分布
における0.5μm未満が4.1体積%、5μm超が1
個数%の微粒子酸化亜鉛(抵抗1500Ω・cm、透過
率35%)を導電性微粉末2とする。
【0274】この導電性微粉末2は、走査型電子顕微鏡
にて観察したところ、0.1〜0.3μmの酸化亜鉛一
次粒子と1〜5μmの凝集体からなっていたが、導電性
微粉末1と比較すると、一次粒子は減少していた。
【0275】(導電性微粉末3)導電性微粒末1を風力
分級して得られた、体積平均粒径1.5μm、粒度分布
における0.5μm未満が35体積%、5μm超が0個
数%の微粒子酸化亜鉛(抵抗1500Ω・cm、透過率
35%)を導電性微粉末3とする。
【0276】この導電性微粉末3は、走査型電子顕微鏡
にて観察したところ、0.1〜0.3μmの酸化亜鉛一
次粒子と1〜4μmの凝集体からなっていたが、導電性
微粉末2と比較すると、一次粒子は増加していた。
【0277】(導電性微粉末4)体積平均粒径0.3μ
m、粒度分布における0.5μm未満が80体積%、5
μm超が0個数%の微粒子酸化亜鉛(抵抗100Ω・c
m、一次粒子径0.1〜0.3μm、白色、透過率35
%、純度99%以上)を導電性微粉末4とする。
【0278】この導電性微粉末4は、走査型電子顕微鏡
にて観察したところ、凝集体の少ない0.1〜0.3μ
mの酸化亜鉛一次粒子からなっていた。
【0279】(導電性微粉末5)酸化スズ・アンチモン
で表面処理された体積平均粒径2.8μmのホウ酸アル
ミニウムを風力分級によって粗粒子を除いた後に、水系
に分散して濾過を繰り返し行うことで微粒子を除き、体
積平均粒径3.2μm、粒度分布における0.5μm未
満が0.4体積%、5μm超が1個数%の灰白色の導電
性粒子を得た。これを導電性微粉末5とする。
【0280】導電性微粉末1〜5の代表的物性値を下記
表3に示す。
【0281】
【表3】
【0282】黒色粉体の製造例1 イオン交換水709部に0.1mol/リットル−Na
3PO4水溶液451部を投入し60℃に加温した後、
1.0mol/リットル−CaCl2水溶液67.7部
を徐々に添加してリン酸カルシウム塩を含む水系媒体を
得た。 スチレン 80部 n−ブチルアクリレート 20部 ビスフェノールAのP.O.及びE.O.付加物とフマル酸の縮合反応より得ら れる不飽和ポリエステル樹脂 0.5部 極性重合体1 2部 負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 1部 表面処理磁性粉体1 90部 上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用
いて均一に分散混合した。
【0283】この単量体組成物を60℃に加温し、そこ
にベヘニン酸ベヘニルを主体とするエステルワックス
(DSCにおける吸熱ピークの極大値72℃)6部を添
加混合し、これに、重合開始剤2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)[t1/2=140
分,60℃条件下]7部及びジメチル−2,2’−アゾ
ビスイソブチレート[t1/2=270分,60℃条件
下;t1/2=80分,80℃条件下]2部を溶解した。
【0284】前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投
入し、60℃,N2雰囲気下においてTK式ホモミキサ
ー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで1
5分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌し
つつ、60℃で7時間反応させた。その後液温を80℃
とし更に3時間撹拌を続けた。反応終了後、懸濁液を冷
却し、塩酸を加えてリン酸カルシウム塩を溶解し、濾
過,水洗,乾燥して重量平均粒径6.7μmの黒色粉体
1を得た。
【0285】得られた黒色粉体1の物性を、以下の黒色
粉体の製造例にて得られた黒色粉体の物性と併せ、表4
に示す。
【0286】黒色粉体の製造例2〜4 黒色粉体の製造例1において、極性重合体1に代えて極
性重合体2〜4を用いる以外は同様の手法により、黒色
粉体2〜4を得た。
【0287】黒色粉体の比較製造例1 黒色粉体の製造例1において、極性重合体1に代えて極
性重合体5を用いる以外は同様の手法により、黒色粉体
5を得た。
【0288】黒色粉体の比較製造例2 黒色粉体の製造例1において、極性重合体1を使用しな
い以外は同様の手法により、黒色粉体6を得た。
【0289】黒色粉体の製造例5 黒色粉体の製造例1において、極性重合体1を16部用
いる以外は同様の手法により、黒色粉体7を得た。
【0290】黒色粉体の製造例6〜10 黒色粉体の製造例1において、表面処理磁性粉体1に代
えて表面処理磁性粉体2〜6を用いる以外は同様の手法
により、黒色粉体8〜12を得た。
【0291】黒色粉体の比較製造例3 黒色粉体の製造例1において、表面処理磁性粉体1に代
えて磁性粉体1を用いる以外は同様の手法により、黒色
粉体13を得た。
【0292】黒色粉体の比較製造例4 黒色粉体の製造例1において、Na3PO4水溶液の投入
量及びCaCl2水溶液の添加量を増量して水系媒体中
のリン酸カルシウム塩量を変更し、さらにドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムを用いることにより、重量平
均粒径が2.9μmの黒色粉体14を得た。
【0293】黒色粉体の比較製造例5 黒色粉体の製造例1において、表面処理磁性粉体1の使
用量を9部とする以外は同様の手法により、黒色粉体1
5を得た。
【0294】黒色粉体の製造例11 黒色粉体の製造例1において、表面処理磁性粉体1の使
用量を202部とする以外は同様の手法により、黒色粉
体16を得た。
【0295】黒色粉体の製造例12,13 黒色粉体の製造例1において、エステルワックスの使用
量を表4に示す内容に変更する以外は同様の手法によ
り、黒色粉体17,18を得た。
【0296】黒色粉体の製造例14 黒色粉体の製造例1において、エステルワックスに代え
てポリエチレンを主体とするワックス(DSCにおける
吸熱ピークの極大値115℃)を用いる以外は同様の手
法により、黒色粉体19を得た。
【0297】黒色粉体の製造例15 イオン交換水709部に0.1mol/リットル−Na
3PO4水溶液451部を投入し60℃に加温した後、
1.0mol/リットル−CaCl2水溶液67.7部
を徐々に添加してリン酸カルシウム塩を含む水系媒体を
得た。 スチレン 80部 n−ブチルアクリレート 20部 黒色粉体の製造例1で使用した不飽和ポリエステル樹脂 0.6部 負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 1.2部 表面処理磁性体1 107部 上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用
いて均一に分散混合した。
【0298】この単量体組成物を60℃に加温し、そこ
に黒色粉体の製造例1で使用したエステルワックス7.
2部を添加混合し、これに、重合開始剤2,2’−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[t1/2=1
40分,60℃条件下]7.2部及びジメチル−2,
2’−アゾビスイソブチレート[t1/2=270分,6
0℃条件下;t1/2=80分,80℃条件下]2部を溶
解した。
【0299】前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投
入し、60℃,N2雰囲気下においてTK式ホモミキサ
ー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで1
5分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌し
つつ、60℃で3時間反応させた。その後液温を80℃
とし更に1時間撹拌を続けた。
【0300】次に、この水系懸濁液中に スチレン 16部 n−ブチルアクリレート 4部 極性重合体1 2.4部 2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.4部 ベヘニン酸ナトリウム 0.1部 水 20部 の混合物を添加し、再度、液温を80℃として6時間撹
拌を続けた。
【0301】反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加え
てリン酸カルシウム塩を溶解し、濾過,水洗,乾燥して
重量平均粒径7.5μmの黒色粉体20を得た。
【0302】 黒色粉体の比較製造例6 スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体(質量比80/20) 100部 黒色粉体の製造例1で使用した不飽和ポリエステル樹脂 0.5部 極性重合体1 2部 負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 1部 表面処理磁性粉体1 90部 現像剤の製造例1で使用したエステルワックス 6部 上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した
二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物を
ハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をターボミル(ター
ボ工業社製)で微粉砕後、得られた微粉砕物を風力分級
して重量平均粒径7.6μmの黒色粉体21を得た。
【0303】黒色粉体の製造例16 上記の黒色粉体の比較製造例6で得られた黒色粉体21
を、衝撃式表面処理装置(処理温度55℃、回転式処理
ブレード周速90m/sec.)を用いて球形化処理す
ることにより、黒色粉体22を得た。
【0304】
【表4】
【0305】磁性トナーの製造例1 黒色粉体1の100部に対し、一次粒径12nmのシリ
カにヘキサメチルジシラザン処理した後シリコーンオイ
ルで処理し、処理後のBET値が140m2/gの疎水
性シリカ微粉体1部を、ヘンシェルミキサー(三井三池
化工機(株))で混合して、磁性トナー1を調製した。
【0306】磁性トナー1の処方を、以下に示す磁性ト
ナーの製造例及び比較製造例で得られた磁性トナーのも
のと併せ、表5に示す。
【0307】磁性トナーの製造例2〜5 黒色粉体2〜4,7の100部に対し、磁性トナーの製
造例1で用いた疎水性シリカ微粉体1部を混合して、磁
性トナー2〜5を調製した。
【0308】磁性トナーの製造例6 黒色粉体8の100部に対し、磁性トナーの製造例1で
用いた疎水性シリカ微粉体0.6部を混合して、磁性ト
ナー6を調製した。
【0309】磁性トナーの製造例7〜10 黒色粉体9〜12の100部に対し、磁性トナーの製造
例1で用いた疎水性シリカ微粉体1部を混合して、磁性
トナー7〜10を調製した。
【0310】磁性トナーの製造例11 黒色粉体16の100部に対し、磁性トナーの製造例1
で用いた疎水性シリカ微粉体0.5部を混合して、磁性
トナー11を調製した。
【0311】磁性トナーの製造例12 黒色粉体17の100部に対し、磁性トナーの製造例1
で用いた疎水性シリカ微粉体1部を混合して、磁性トナ
ー12を調製した。
【0312】磁性トナーの製造例13,14 黒色粉体18,19の100部に対し、磁性トナーの製
造例1で用いた疎水性シリカ微粉体0.6部を混合し
て、磁性トナー13,14を調製した。
【0313】磁性トナーの製造例15,16 黒色粉体20,22の100部に対し、磁性トナーの製
造例1で用いた疎水性シリカ微粉体1部を混合して、磁
性トナー15,16を調製した。
【0314】磁性トナーの製造例17〜19 黒色粉体1の100部に対し、ヘキサメチルジシラザン
で表面を処理し処理後のBET値が200m2/gの疎
水性シリカ微粉体1部、iso−ブチルトリメトキシシ
ランで表面を処理し処理後のBET値が100m2/g
の疎水性酸化チタン微粉体1部、または表面をiso−
ブチルトリメトキシシランで処理し処理後のBET値が
150m2/gの疎水性アルミナ微粉体1部を混合し
て、磁性トナー17〜19を調製した。
【0315】磁性トナーの製造例20 黒色粉体1の100部に対し、磁性トナーの製造例1で
用いた疎水性シリカ微粉体を1部及び導電性微粉末1を
2部混合して、磁性トナー20を調製した。
【0316】磁性トナーの製造例21〜24 黒色粉体1の100部に対し、磁性トナーの製造例1で
用いた疎水性シリカ微粉体を1部及び導電性微粉末2〜
5を2部混合して、磁性トナー21〜24を調製した。
【0317】磁性トナーの比較製造例1〜3 黒色粉体5,6,13の100部に対し、磁性トナーの
製造例1で用いた疎水性シリカ微粉体0.6部を混合し
て、比較磁性トナー1〜3を調製した。
【0318】磁性トナーの比較製造例4,5 黒色粉体14,15の100部に対し、磁性トナーの製
造例1で用いた疎水性シリカ微粉体1.5部を混合し
て、比較磁性トナー4,5を調製した。
【0319】磁性トナーの比較製造例6 黒色粉体21の100部に対し、磁性トナーの製造例1
で用いた疎水性シリカ微粉体1部を混合して、比較磁性
トナー6を調製した。
【0320】
【表5】
【0321】(感光体製造例1)感光体としては30φ
のAlシリンダーを基体とした。これに、図2に示すよ
うな構成の層を順次浸漬塗布により積層して、感光体を
作製した。
【0322】(1)導電性被覆層:酸化錫及び酸化チタ
ンの粉末をフェノール樹脂に分散したものを主体とす
る。膜厚15μm。
【0323】(2)下引き層:変性ナイロン及び共重合
ナイロンを主体とする。膜厚0.6μm。
【0324】(3)電荷発生層:長波長域に吸収を持つ
アゾ顔料をブチラール樹脂に分散したものを主体とす
る。膜厚0.6μm。
【0325】(4)電荷輸送層:ホール搬送性トリフェ
ニルアミン化合物をポリカーボネート樹脂(オストワル
ド粘度法による分子量2万)に8:10の質量比で溶解
したものを主体とし、さらにポリ4フッ化エチレン粉体
(粒径0.2μm)を総固形分に対して10質量%添加
し、均一に分散した。膜厚25μm。水に対する接触角
は95度であった。
【0326】なお、接触角の測定は、純水を用い、装置
は、協和界面科学(株)、接触角計CA−X型を用い
た。
【0327】<実施例1>画像形成装置として、LBP
−1760(キヤノン社製)を改造し、概ね図1に示さ
れるものを用いた。
【0328】静電荷像担持体としては感光体製造例1の
有機感光体(OPC)ドラムを用いた。この感光体に、
一次帯電部材として導電性カーボンを分散しナイロン樹
脂で被覆されたゴムローラー帯電器を、58.8N/m
(60g/cm)の線圧で当接させ、直流電圧−700
Vdcに交流電圧1.5kVppを重畳したバイアスを
印加して感光体上を一様に帯電する。一次帯電に次い
で、レーザー光で画像部分を露光することにより静電潜
像を形成する。この時、暗部電位Vd=−700V、明
部電位VL=−160Vとした。
【0329】感光ドラムと現像スリーブとの間隙は31
0μmとし、トナー担持体として下記の構成の層厚約7
μm,JIS中心線平均粗さ(Ra)1.0μmの樹脂
層を、表面をブラストした直径16φのアルミニウム円
筒上に形成した現像スリーブを使用し、現像磁極85m
T(850ガウス)、トナー規制部材として厚み1.0
mm,自由長1.0mmのシリコーンゴム製ブレードを
29.4N/m(30g/cm)の線圧で当接させた。 フェノール樹脂 100部 グラファイト(粒径約7μm) 90部 カーボンブラック 10部 次いで、現像バイアスとして直流バイアス成分Vdc=
−500V、重畳する交流バイアス成分Vpp=150
0V、f=1900Hzを用いた。また、現像スリーブ
の周速は感光体周速(94mm/sec)に対して順方
向に110%のスピード(103mm/sec)とし
た。
【0330】また、図3のような転写ローラー(導電性
カーボンを分散したエチレン−プロピレンゴム製、導電
性弾性層の体積抵抗値108Ωcm、表面ゴム硬度24
°、直径20mm、当接圧59N/m(60g/c
m))を、図3中A方向の感光体周速(94mm/se
c)に対して等速とし、転写バイアスは直流1.5kV
とした。
【0331】定着方法としてはLBP−1760のオイ
ル塗布機能のない、フィルムを介してヒーターにより加
熱加圧定着する方式の定着装置を用いた。この時加圧ロ
ーラーはフッ素系樹脂の表面層を有するものを使用し、
ローラーの直径は30mmであった。また、定着温度は
180℃、ニップ幅を7mmに設定した。
【0332】まず、磁性トナーとして磁性トナー1を使
用し、15℃,10%RH環境下において画出し試験を
行った。転写材としては90g/m2の紙を使用した。
その結果、初期において高い転写性を示し、文字やライ
ンの転写中抜けもなく、非画像部へのカブリのない良好
な画像が得られた。
【0333】次に、潜像電位の低いハーフトーン濃度で
幅1cmの横帯が3cmおきに並んだ画像パターンで耐
久性の評価を行った。
【0334】画像評価は以下のように行った。
【0335】転写効率は、ベタ黒画像転写後の感光体上
の転写残トナーをマイラーテープによりテーピングして
はぎ取り、紙上に貼ったもののマクベス濃度の値をC、
転写後定着前のトナーの載った紙上にマイラーテープを
貼ったもののマクベス濃度をD、未使用の紙上に貼った
マイラーテープのマクベス濃度をEとした時、近似的に
以下の式で計算した。
【0336】
【外6】
【0337】転写効率は90%以上であれば問題の無い
画像である。
【0338】また、耐久初期の解像力は、潜像電界によ
って電界が閉じやすく、再現しにくい600dpiにお
ける小径孤立1ドットの再現性によって評価した。 A:100個中の欠損が5個以下 B:100個中の欠損が6〜10個 C:100個中の欠損が11〜20個 D:100個中の欠損が20個超 非画像部分のカブリの測定は、東京電色社製のREFL
ECTMETER MOOEL TC−6DSを使用し
て測定した。フィルターは、グリーンフィルターーを用
い、カブリは下記の式より算出した。
【0339】カブリ(反射率)(%)=標準紙上の反射
率(%)−サンプル非画像部の反射率(%) カブリは、2.0%以下であれば良好な画像である。
【0340】画像濃度はマクベス濃度計RD918(マ
クベス社製)で測定した。
【0341】初期画像濃度は画出し20枚目の濃度とし
た。
【0342】定着オフセット性は、初期から耐久100
枚までの画像サンプルの裏側に発生する汚れを観察し、
発生枚数を数えた。
【0343】帯電工程の帯電性評価は、耐久時に発生す
る非画像部上の汚れ及びハーフトーン画像部上の濃度ム
ラ(いずれも帯電性の不良によるトナー現像に起因す
る)を観察し、画像不良が発生した耐久枚数を比較する
ことにより行った。発生した耐久枚数が多いほど(また
は発生しないことが)耐久性の良好なトナーである。
【0344】得られた結果を表6に示す。表6から分か
るように、磁性トナー1は初期の画像特性が良好で、耐
久2000枚でも帯電不良が見られず、非常に良好な耐
久性を示した。
【0345】次に、30℃,80%RH環境下において
も画出し試験を行ったが、やはり同様に良好な画像特性
及び耐久性を示した。
【0346】<実施例2〜24>磁性トナーとして、磁
性トナー2〜24を使用し、実施例1と同様の画像形成
方法で画出し試験及び耐久性評価を行った。その結果、
初期の画像特性も問題無く、耐久2000枚時まで特に
問題の無い結果が得られた。
【0347】結果を表6に示す。
【0348】<比較例1〜6>磁性トナーとして、比較
磁性トナー1〜6を使用し、実施例1と同様の画像形成
方法で画出し試験及び耐久性評価を行った。その結果、
初期から画像特性が良くなく、耐久試験と共に一層の悪
化及び帯電性の不良化による画像不良が発生し、場合に
よっては耐久性評価を中断せざるを得なかった。
【0349】結果を表6に示す。
【0350】
【表6】
【0351】(極性重合体の製造例6)還流管,撹拌
機,温度計,窒素導入管,滴下装置及び減圧装置を備え
た加圧可能な反応容器に、溶媒としてメタノール150
部、2−ブタノン250部及び2−プロパノール100
部、モノマーとしてスチレン84部、アクリル酸2−エ
チルヘキシル13部、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸(AMPS)3部を添加して撹拌し
ながら還流温度まで加熱した。重合開始剤であるt−ブ
チルペルオキシ−イソブチレート2部を2−ブタノン2
0部で希釈した溶液を30分かけて滴下して5時間撹拌
を継続し、更にt−ブチルペルオキシ−イソブチレート
1部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を30分かけ
て滴下して、更に5時間撹拌して重合を終了した。
【0352】重合溶媒を減圧留去した後に得られた重合
体を目開き100μmのスクリーンを装着したカッター
ミルを用いて100μm以下に粗粉砕した。得られた極
性重合体はTg約70℃であった。得られた極性重合体
を極性重合体6とする。
【0353】(極性重合体の製造例7〜16)極性重合
体の製造例6において、使用するモノマーを表7に示す
内容に変更し、開始剤量を調整する以外は同様の手法に
より、極性重合体7〜16を製造した。
【0354】(極性重合体の比較製造例2)極性重合体
の製造例6において、使用するモノマーを表7に示す内
容に変更する以外は同様の手法により、極性重合体17
を製造した。
【0355】
【表7】
【0356】(黒色粉体の製造例A1)イオン交換水7
09部に0.1mol/リットル−Na3PO4水溶液4
51部を投入し60℃に加温した後、1.0mol/リ
ットル−CaCl2水溶液67.7部を徐々に添加して
リン酸カルシウム塩を含む水系媒体を得た。 スチレン 80部 アクリル酸2-エチルヘキシル 20部 ジビニルベンゼン 0.5部 極性重合体6 5部 表面処理磁性粉体1 85部 上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用
いて均一に分散混合した。
【0357】この単量体組成物を60℃に加温し、そこ
にベヘニン酸ベヘニルを主体とするエステルワックス
(DSCにおける吸熱ピークの極大値72℃)6部を添
加混合し、これに、重合開始剤2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)[t1/2=140
分,60℃条件下]7部及びジメチル−2,2’−アゾ
ビスイソブチレート[t1/2=270分,60℃条件
下;t1/2=80分,80℃条件下]2部を溶解した。
【0358】前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投
入し、60℃,N2雰囲気下においてTK式ホモミキサ
ー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで1
2分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌し
つつ、60℃で7時間反応させた。その後液温を80℃
とし更に3時間撹拌を続けた。反応終了後、懸濁液を冷
却し、塩酸を加えてリン酸カルシウム塩を溶解し、濾
過,水洗,乾燥して重量平均粒径7.0μmの黒色粉体
A1を得た。
【0359】得られた黒色粉体A1の物性を、以下の黒
色粉体の製造例にて得られた黒色粉体のものと併せ、表
8に示す。
【0360】(黒色粉体の製造例A2〜A11)黒色粉
体の製造例A1において、極性重合体6に代えて極性重
合体7〜16を用いる以外は同様の手法により、黒色粉
体A2〜A11を得た。
【0361】(黒色粉体の製造例A12〜A16)黒色
粉体の製造例A1において、極性重合体1の添加量を表
8に示す内容に変える以外は同様の手法により、黒色粉
体A12〜A16を得た。
【0362】(黒色粉体の製造例A17〜A22)黒色
粉体の製造例1において、表面処理磁性粉体1に代えて
表面処理磁性粉体2〜7を用いる以外は同様の手法によ
り、黒色粉体A17〜A22を得た。
【0363】(黒色粉体の製造例A23)イオン交換水
709部に0.1mol/リットル−Na3PO4水溶液
451部を投入し60℃に加温した後、1.0mol/
リットル−CaCl2水溶液67.7部を徐々に添加し
てリン酸カルシウム塩を含む水系媒体を得た。 スチレン 80部 アクリル酸2−エチルヘキシル 20部 極性重合体1 5部 表面処理磁性体1 90部 上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用
いて均一に分散混合した。
【0364】この単量体組成物を60℃に加温し、そこ
に黒色粉体の製造例1で使用したエステルワックス7.
2部を添加混合し、これに、重合開始剤2,2’−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[t1/2=1
40分,60℃条件下]7.2部及びジメチル−2,
2’−アゾビスイソブチレート[t1/2=270分,6
0℃条件下;t1/2=80分,80℃条件下]2部を溶
解した。
【0365】前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投
入し、60℃,N2雰囲気下においてTK式ホモミキサ
ー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで1
5分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌し
つつ、60℃で3時間反応させた。その後液温を80℃
とし更に1時間撹拌を続けた。
【0366】次に、この水系懸濁液中に スチレン 5部 過硫酸カリウム 1部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.1部 脱イオン水 100部 の混合物を超音波分散機にて分散後、添加し、再度、液
温を80℃として6時間撹拌を続けた。
【0367】反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加え
てリン酸カルシウム塩を溶解し、濾過,水洗,乾燥して
重量平均粒径7.1μmの黒色粉体A23を得た。
【0368】(黒色粉体の製造例A24)黒色粉体の製
造例1において、表面処理磁性粉体1の使用量を202
部とする以外は同様の手法により、黒色粉体A24を得
た。
【0369】(黒色粉体の製造例A25)黒色粉体の製
造例1において、エステルワックスに代えてポリエチレ
ンを主体とするワックス(DSCにおける吸熱ピークの
極大値115℃)を用いる以外は同様の手法により、黒
色粉体A25を得た。
【0370】(黒色粉体の製造例A26,A27)黒色
粉体の製造例1において、エステルワックスの使用量を
表8に示す内容に変更する以外は同様の手法により、黒
色粉体A26,A27を得た。
【0371】(黒色粉体の比較製造例B1)黒色粉体の
製造例A1において、極性重合体6に代えて極性重合体
17を用いる以外は同様の手法により、黒色粉体A28
を得た。
【0372】(黒色粉体の比較製造例B2)黒色粉体の
製造例A1において、表面処理磁性粉体1に代えて表面
処理磁性粉体8を用いる以外は同様の手法により、黒色
粉体A29を得た。
【0373】(黒色粉体の比較製造例B3)黒色粉体の
製造例A1において、Na3PO4水溶液の投入量及びC
aCl2水溶液の添加量を調整して水系媒体中のリン酸
カルシウム塩量を変更し、さらにドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウムを用いることにより、重量平均粒径が
2.8μmの黒色粉体A30を得た。
【0374】(黒色粉体の比較製造例B4)黒色粉体の
製造例A1において、Na3PO4水溶液の投入量及びC
aCl2水溶液の添加量を調整して水系媒体中のリン酸
カルシウム塩量を変更し、重量平均粒径が10.6μm
の黒色粉体A31を得た。
【0375】(黒色粉体の比較製造例B5)黒色粉体の
製造例A1において、表面処理磁性粉体1の使用量を9
部とする以外は同様の手法により、黒色粉体A32を得
た。
【0376】 (黒色粉体の比較製造例B6) スチレン/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体(質量比80/20) 10 0部 極性重合体1 2部 表面処理磁性粉体1 90部 現像剤の製造例1で使用したエステルワックス 6部 上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した
二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物を
ハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をターボミル(ター
ボ工業社製)で微粉砕後、得られた微粉砕物を風力分級
して重量平均粒径7.2μmの黒色粉体A33を得た。
【0377】
【表8】
【0378】(磁性トナーの製造例A1)黒色粉体A1
の100部に対し、一次粒径12nmのシリカにヘキサ
メチルジシラザン処理した後シリコーンオイルで処理
し、処理後のBET値が120m2/gの疎水性シリカ
微粉体1部を、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))で混合して、磁性トナーA1を調製した。
【0379】磁性トナー1の処方を、以下に示す磁性ト
ナーの製造例及び比較製造例で得られた磁性トナーのも
のと併せ、表9に示す。
【0380】(磁性トナーの製造例A2)黒色粉体A2
の100部に対し、磁性トナーの製造例A1で用いた疎
水性シリカ微粉体1部を混合して、磁性トナーA2を調
製した。
【0381】(磁性トナーの製造例A3)黒色粉体3の
100部に対し、磁性トナーの製造例A1で用いた疎水
性シリカ微粉体0.6部を混合して、磁性トナーA3を
調製した。
【0382】(磁性トナーの製造例A4〜A5)黒色粉
体A4〜A5の100部に対し、磁性トナーの製造例A
1で用いた疎水性シリカ微粉体1部を混合して、磁性ト
ナーA4〜A5を調製した。
【0383】(磁性トナーの製造例A6)黒色粉体A6
の100部に対し、磁性トナーの製造例A1で用いた疎
水性シリカ微粉体1.2部を混合して、磁性トナーA6
を調製した。
【0384】(磁性トナーの製造例A7〜A27)黒色
粉体A7の100部に対し、磁性トナーの製造例A1で
用いた疎水性シリカ微粉体1部を混合して、磁性トナー
A7〜A27を調製した。
【0385】(磁性トナーの製造例A28〜A30)黒
色粉体A1の100部に対し、ヘキサメチルジシラザン
で表面を処理し処理後のBET値が180m2/gの疎
水性シリカ微粉体1部、iso−ブチルトリメトキシシ
ランで表面を処理し処理後のBET値が90m2/gの
疎水性酸化チタン微粉体1部、または表面をiso−ブ
チルトリメトキシシランで処理し処理後のBET値が1
40m2/gの疎水性アルミナ微粉体1部を混合して、
磁性トナーA28〜A30を調製した。
【0386】(磁性トナーの製造例A31)黒色粉体A
1の100部に対し、磁性トナーの製造例A1で用いた
疎水性シリカ微粉体を1部及び導電性微粉末1を2部混
合して、磁性トナーA31を調製した。
【0387】(磁性トナーの製造例A32〜A35)黒
色粉体A1の100部に対し、磁性トナーの製造例A1
で用いた疎水性シリカ微粉体を1部及び導電性微粉末2
〜5を2部混合して、磁性トナーA32〜A35を調製
した。
【0388】(磁性トナーの製造例A36)黒色粉体A
1の100部に対し、一次粒径12nmのシリカにヘキ
サメチルジシラザン処理した後シリコーンオイルで処理
し、処理後のBET値が120m2/gの疎水性シリカ
微粉体1部と一次粒径80nmのシリカにヘキサメチル
ジシラザン処理した疎水性シリカ微粉体0.2部とを、
ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合し
て、磁性トナーA36を調製した。
【0389】(磁性トナーの比較製造例B1〜B2)黒
色粉体A28,A29の100部に対し、磁性トナーの
製造例A1で用いた疎水性シリカ微粉体1部を混合し
て、比較磁性トナーB1〜B2を調製した。
【0390】(磁性トナーの比較製造例B3)黒色粉体
A30の100部に対し、磁性トナーの製造例A1で用
いた疎水性シリカ微粉体1.5部を混合して、比較磁性
トナーB3を調製した。
【0391】(磁性トナーの比較製造例B4)黒色粉体
A31の100部に対し、磁性トナーの製造例A1で用
いた疎水性シリカ微粉体0.7部を混合して、比較磁性
トナーB4を調製した。
【0392】(磁性トナーの比較製造例B5〜B6)黒
色粉体A32,A33の100部に対し、磁性トナーの
製造例A1で用いた疎水性シリカ微粉体1部を混合し
て、比較磁性トナーB5〜B6を調製した。
【0393】
【表9】
【0394】<実施例25〜60>磁性トナーとして、
磁性トナーA1〜A36を使用した。また、実施例1に
おいて、感光ドラムと現像スリーブとの間隙を280μ
mに、シリコーンゴム製ブレードの材質をウレタンに、
現像バイアスの交流バイアス成分Vpp=2100V
に、現像スリーブ周速は感光体周速(140mm/se
c)に対して順方向に110%のスピード(154mm
/sec)に、転写ローラーはの周速は感光体周速に対
して等速(140mm/sec)と変える以外は実施例
1と同様の方法で画出し試験及び耐久性評価を行った。
その結果、初期の画像特性も問題無く、耐久2000枚
時まで特に問題の無い結果が得られた。
【0395】結果を表10に示す。
【0396】<比較例7〜12>磁性トナーとして、比
較磁性トナーB1〜B6を使用し、実施例25と同様の
画像形成方法で画出し試験及び耐久性評価を行った。そ
の結果、初期から画像特性が良くなく、耐久試験と共に
一層の悪化及び帯電性の不良化による画像不良が発生
し、場合によっては耐久性評価を中断せざるを得なかっ
た。
【0397】結果を表10に示す。
【0398】
【表10】
【0399】(実施例61〜93)磁性トナーとして、
磁性トナー1〜4、20〜24、A1〜A16、A2
2、A26、A31〜A36を使用した。また、試験環
境を15℃、10%RHから30℃、80%RHに、転
写材を75g/m2の紙に、印字パターンを印字面積比
率4%の横線画像に変える以外は実施例25と同様の条
件で評価した。
【0400】(実施例94)実施例60の評価条件に
て、印字することなく現像器の空回転を60分間実施し
た後に、磁性トナーA1を用いて同様の評価を行った。
【0401】評価結果を表12に示す。
【0402】(実施例95)磁性トナーA1を磁性トナ
ーA36に変える以外は実施例94と同様の評価を行っ
た。
【0403】評価結果を表12に示す。
【0404】なお、本発明のトナーを常温常湿環境下に
おいて評価したところ、低温低湿環境、あるいは高温高
湿環境の画像特性と比較して、いずれのトナーも同等以
上の特性を有していた。
【0405】画像評価は以下のように行った。 (1)画像濃度 通常の複写機用普通紙(75g/m)の転写材を用い
て、画出し試験において初期から500枚おきに200
0枚までにベタ黒画像を出力し、その濃度を測定するこ
とにより評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度
計 RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度
が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定し
た。 A:非常に良好 1.40以上 B:良好 1.35以上、1.40未満 C:実用上問題なし 1.00以上、1.35未満 D:やや難あり 1.00未満 (2)画像カブリ 「REFLECTMETER MODEL TC−6D
S」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画
像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブ
リ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。フィル
ターは、グリーンフィルターを用いた。 A:非常に良好 1.0%未満 B:良好 1.0%以上乃至2.0%未満 C:実用上問題なし 2.0%以上乃至3.0%未満 D:やや難あり 3.0%以上 (3)転写性 前述の方法により測定した。転写効率は90%以上であ
れば問題の無い画像である。 A:非常に良好(97%以上) B:良好 (94〜97%未満) C:実用可 (90〜94%未満) D:実用不可 (90%未満) (4)トナー消費量 画出し試験において、初期の現像器重量と2000枚出
力後の現像器重量から下式にて求めた。 (トナー消費量)={(初期の現像器重量)−(200
0枚出力後の現像器重量)}/2000 評価した結果を表11に示す。
【0406】
【表11】
【0407】
【発明の効果】上記構成の本発明の磁性トナーは、過酷
環境下においても良好な画像特性が得られ、実用上問題
のない定着性を有する。また、本発明の磁性トナーは転
写工程後の感光体上の残トナー量が少なく、従って、接
触帯電工程からなる画像形成構成において、過酷環境下
で本発明の磁性トナーを用いても、帯電性の不良による
画像不良が発生せず、高精細な画像を長期間安定して与
えることができる。
【0408】さらに、上記構成の本発明の磁性トナー
は、着色力が高く消費量が少ない。また、高画質の画像
を得ることが出来る。さらに、高温高湿下や低温低湿下
においても、高画質の画像を長期間安定して与えること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた画像形成装置の一例を
示す概略図である。
【図2】感光体の構成の一例を示す説明図である。
【図3】接触転写部材の一例を示す説明図である。
【図4】現像器の構成の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
34a 芯金 34b 弾性層 100 感光体(像担持体、被帯電体) 102 現像スリーブ(トナー担持体) 114 転写ローラー(転写部材) 116 クリーナー 117 帯電ローラー(接触帯電部材) 121 レーザービームスキャナー(潜像形成手段、露
光装置) 124 給紙ローラー 125 搬送部材 126 定着装置 140 現像装置 141 撹拌部材 P 転写材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 302 301 (72)発明者 柳瀬 恵理子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 馬籠 道久 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 橋本 昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 鏑木 武志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 瀧口 剛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA02 AA03 AA06 AA08 CA04 CA12 CA14 CA26 CB03 CB07 CB13 EA01 EA03 EA05 EA06 EA10

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂,酸化鉄及び硫黄原
    子を有する重合体を含有する磁性トナー粒子と、該磁性
    トナー粒子に混合されている無機微粉体を有する磁性ト
    ナーにおいて、 i)該磁性トナーの重量平均粒径(D4)が3〜10μ
    mであり、 ii)該磁性トナーの平均円形度が、0.970以上で
    あり、 iii)該磁性トナーの磁場79.6kA/m(100
    0エルステッド)における磁化の強さが10〜50Am
    /kg(emu/g)であることを特徴とする磁性ト
    ナー。
  2. 【請求項2】 少なくとも結着樹脂,酸化鉄及び硫黄原
    子を有する重合体を含有する磁性トナー粒子と、該磁性
    トナー粒子に混合されている無機微粉体を有する磁性ト
    ナーにおいて、該磁性トナーの重量平均粒径(D4)が
    3〜10μmであり、X線光電子分光分析により測定さ
    れるトナー表面に存在する炭素元素の含有量(A)に対
    する鉄元素の含有量(B)の比(B/A)が0.001
    未満であり、トナーの投影面積円相当径をCとし、透過
    型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナーの断面観察にお
    ける酸化鉄とトナー表面との距離の最小値をDとしたと
    き、D/C≦0.02の関係を満足するトナーが50個
    数%以上であることを特徴とする磁性トナー。
  3. 【請求項3】 X線光電子分光分析により測定されるト
    ナー表面に存在する炭素元素の含有量(A)に対する鉄
    元素の含有量(B)の比(B/A)が0.001未満で
    あり、トナーの投影面積円相当径をCとし、透過型電子
    顕微鏡(TEM)を用いたトナーの断面観察における酸
    化鉄とトナー表面との距離の最小値をDとしたとき、D
    /C≦0.02の関係を満足するトナーが50個数%以
    上であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナ
    ー。
  4. 【請求項4】 X線光電子分光分析により測定される硫
    黄元素の原子個数%(E)に対する窒素元素の原子個数
    %(F)の比(F/E)が0.25≦F/E≦4の関係
    を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載の磁性トナー。
  5. 【請求項5】 X線光電子分光分析により測定される硫
    黄元素の原子個数%(E)に対する窒素元素の原子個数
    %(F)の比(F/E)が0.8≦F/E≦3.0の関
    係を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の磁性トナー。
  6. 【請求項6】 X線光電子分光分析により測定されるト
    ナー表面に存在する炭素元素の原子個数%(A)に対す
    る硫黄元素の原子個数%(E)の比(E/A)が0.0
    003〜0.0050であることを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれかに記載の磁性トナー。
  7. 【請求項7】 X線光電子分光分析により測定されるト
    ナー表面に存在する炭素元素の原子個数%(A)に対す
    る窒素元素の原子個数%(F)の比(F/A)が0.0
    005〜0.0100であることを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれかに記載の磁性トナー。
  8. 【請求項8】 比(B/A)が0.0005未満である
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の磁
    性トナー。
  9. 【請求項9】 比(B/A)が0.0003未満である
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の磁
    性トナー。
  10. 【請求項10】 該磁性トナーの鉄及び鉄化合物の遊離
    率が0.05乃至3.00%であることを特徴とする請
    求項1乃至9のいずれかに記載の磁性トナー。
  11. 【請求項11】 D/C≦0.02の関係を満たすトナ
    ーが65個数%以上であることを特徴とする請求項1乃
    至10のいずれかに記載の磁性トナー。
  12. 【請求項12】 D/C≦0.02の関係を満たすトナ
    ーが75個数%以上であることを特徴とする請求項1乃
    至10のいずれかに記載の磁性トナー。
  13. 【請求項13】 該重合体がスルホン酸基を含有する重
    合体であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれ
    かに記載の磁性トナー。
  14. 【請求項14】 該重合体がスルホン酸基(−SO
    X:X=H,アルカリ金属)含有(メタ)アクリルア
    ミド基を含有することを特徴とする請求項1乃至13の
    いずれかに記載の磁性トナー。
  15. 【請求項15】 該重合体のガラス転移温度(Tg)が
    50〜100℃であることを特徴とする請求項1乃至1
    4のいずれかに記載の磁性トナー。
  16. 【請求項16】 該重合体の重量平均分子量が2000
    〜100000であることを特徴とする請求項1乃至1
    5のいずれかに記載の磁性トナー。
  17. 【請求項17】 前記含硫黄重合体にスルホン酸基(−
    SOX:X=H,アルカリ金属)含有(メタ)アクリ
    ルアミドが0.01〜20重量%含有されることを特徴
    とする請求項13乃至16のいずれかに記載の磁性トナ
    ー。
  18. 【請求項18】 前記含硫黄重合体にスルホン酸基(−
    SOX:X=H,アルカリ金属)含有(メタ)アクリ
    ルアミドが0.05〜10重量%含有されることを特徴
    とする請求項13乃至16のいずれかに記載の磁性トナ
    ー。
  19. 【請求項19】 前記含硫黄重合体にスルホン酸基(−
    SOX:X=H,アルカリ金属)含有(メタ)アクリ
    ルアミドが0.1〜5重量%含有されることを特徴とす
    る請求項13乃至16のいずれかに記載の磁性トナー。
  20. 【請求項20】 前記含硫黄重合体がその他の結着樹脂
    100質量部に対して0.05〜20質量部含有される
    ことを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の
    磁性トナー。
  21. 【請求項21】 該トナーが、結着樹脂に対して0.5
    〜50質量%のワックスを含有していることを特徴とす
    る請求項1乃至20のいずれかに記載の磁性トナー。
  22. 【請求項22】 該ワックスは、示差走査熱量計により
    測定されるDSC曲線において、昇温時に40〜110
    ℃の領域に最大吸熱ピークを有することを特徴とする請
    求項21に記載の磁性トナー。
  23. 【請求項23】 該ワックスは、示差走査熱量計により
    測定されるDSC曲線において、昇温時に45〜90℃
    の領域に最大吸熱ピークを有することを特徴とする請求
    項22に記載の磁性トナー。
  24. 【請求項24】 該酸化鉄が、水系媒体中で、カップリ
    ング剤により表面処理されたものであることを特徴とす
    る請求項1乃至23のいずれかに記載の磁性トナー。
  25. 【請求項25】 モード円形度が0.99以上であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載の磁
    性トナー。
  26. 【請求項26】 平均一次粒径4〜80nmの無機微粉
    末を、トナー全体に対し0.1〜4質量%含有すること
    を特徴とする請求項1乃至25のいずれかに記載の磁性
    トナー。
  27. 【請求項27】 該無機微粉末が、少なくともシリカ、
    酸化チタン、アルミナ、またはそれらの複酸化物の中か
    ら選ばれる一種であることを特徴とする請求項26に記
    載の磁性トナー。
  28. 【請求項28】 該無機微粉末が疎水化処理されている
    ことを特徴とする請求項26または27のいずれかに記
    載の磁性トナー。
  29. 【請求項29】 該無機微粉末が少なくともシリコーン
    オイルで疎水化処理されていることを特徴とする請求項
    26乃至28のいずれかに記載の磁性トナー。
  30. 【請求項30】 該無機微粉末が少なくともシラン化合
    物及びシリコーンオイルで疎水化処理されていることを
    特徴とする請求項26乃至28のいずれかに記載の磁性
    トナー。
  31. 【請求項31】 トナー表面に、無機微粉末及び該無機
    微粉末よりも大きい導電性微粉末を有することを特徴と
    する請求項1乃至30のいずれかに記載の磁性トナー。
  32. 【請求項32】 該導電性微粉末の体積抵抗が10Ω
    cm以下であることを特徴とする請求項31に記載の磁
    性トナー。
  33. 【請求項33】 該導電性微粉末の体積抵抗が10Ω
    cm以下であることを特徴とする請求項31に記載の磁
    性トナー。
  34. 【請求項34】 該導電性微粉末が非磁性であることを
    特徴とする請求項31乃至33のいずれかに記載の磁性
    トナー。
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