JP2002105418A - 接着剤組成物およびそれを用いた熱シール接着用材料 - Google Patents

接着剤組成物およびそれを用いた熱シール接着用材料

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JP2002105418A JP2000294014A JP2000294014A JP2002105418A JP 2002105418 A JP2002105418 A JP 2002105418A JP 2000294014 A JP2000294014 A JP 2000294014A JP 2000294014 A JP2000294014 A JP 2000294014A JP 2002105418 A JP2002105418 A JP 2002105418A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】極性および非極性の両基材に対して熱シール性
に優れた熱シール層を付与すること。 【解決手段】樹脂粒子(I)および樹脂粒子(II)を少
なくとも含む樹脂粒子が水に分散してなるエマルション
を含有する接着剤組成物であって、樹脂粒子(I)は、
オレフィン系単量体(a−1)から誘導される構成単位
を有するオレフィン系重合体(A)を含んでなり、樹脂
粒子(II)は、極性官能基を有するアクリル系単量体
(b−1)から誘導される構成単位を有するアクリル系
重合体(B)を含んでなることを特徴とする接着剤組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極性基材および非
極性基材の両者に対して良好な接着性を有する接着剤組
成物、および、これを各種プラスチックフィルム、蒸着
フィルム、アルミ箔、紙、不織布等の基材に塗布してな
る熱シール等による接着機能を有する材料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】現在、各種プラスチックフィルム、蒸着
フィルム、アルミ箔、紙、不織布等の基材を張り合わせ
るため、種々の接着剤組成物が広く用いられている。ま
た、接着剤組成物をプラスチックフィルム、アルミ箔等
に塗工・乾燥し、樹脂被膜を形成させたものは、熱シー
ル接着用材料として包装用途等で広く使用されている。
【0003】プラスチックフィルムの具体例としては、
例えば、セロハンフィルム、ポリエチレンフィルム、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマーフ
ィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィ
ルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコ
ールフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体フ
ィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィ
ルム、ポリアクリロニトリル共重合体フィルム等をあげ
ることができる。また、蒸着フィルムとしては例えばこ
れらプラスチックフィルム上に、アルミ、金、銀、銅、
ニッケル、亜鉛、チタン、コバルト、インジウム、クロ
ム等の金属を蒸着したものや、酸化アルミ、酸化珪素を
蒸着したフィルム等があげられる。
【0004】近年、食品包装、医療包装をはじめとする
種々の分野において、より高品質、かつ低価格のラミネ
ート包装体、プラスチックフィルムをラミネートした製
品、塗装物品などが求められており、接着剤について
も、ポリオレフィン等の非極性基材と、各種金属やポリ
エステル等の極性基材との両者に対して従来よりも優れ
た密着性を有することが要望されている。
【0005】しかし、一般に、オレフィン系重合体の接
着剤組成物は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン系基材に代表される非極性基材に対する密着
性に優れ、その塗膜は強靱性に優れるが、ナイロン、ポ
リスチレン、ポリアクリル、ポリエチレンテレフタラー
ト、各種金属といった極性基材に対する密着性に乏し
く、また低温での造膜性に劣るという問題がある。
【0006】また、アクリル系重合体の接着剤組成物
は、オレフィン系重合体のそれと相反して、極性基材と
の密着性および低温での造膜性に優れるが、ポリオレフ
ィン系基材のような非極性基材に対する密着性に乏し
く、その塗膜は強靱性に劣るという課題がある。
【0007】このような課題を解決するため、特開昭5
7−4054号公報にはエチレン含有量が5〜30重量
%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体の水性エマルシ
ョンの存在下でアクリル系単量体を水性の重合開始剤に
よって重合させる方法が開示されているが、この方法で
得られたエマルション組成物は、エチレン含有量が少な
く、酢酸ビニル含有量が多いためポリオレフィンに接着
しにくい傾向がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、極性基材お
よび非極性基材の両者に対して良好な接着性を有する水
分散系の接着剤組成物、および、これを各種プラスチッ
クフィルム、蒸着フィルム、アルミ箔、紙、不織布等の
基材に塗布してなる熱シール等による接着機能を有する
材料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決すべく鋭意検討した結果、極性基材および非極
性基材双方に対して良好な密着性を有する水性の接着剤
組成物が、特定のオレフィン系重合を含む樹脂粒子
(I)と、特定のアクリル系重合体を含む樹脂粒子(I
I)とを水に分散したエマルションを含有させることに
よって得られることを見いだし、本発明を完成させた。
【0010】即ち、本発明は、以下の[1]〜[14]
に記載した事項により特定される。 [1]樹脂粒子(I)および樹脂粒子(II)を少なくと
も含む樹脂粒子が水に分散してなるエマルションを含有
する接着剤組成物であって、樹脂粒子(I)は、オレフ
ィン系単量体(a−1)から誘導される構成単位を有す
るオレフィン系重合体(A)を含んでなり、樹脂粒子
(II)は、極性官能基を有するアクリル系単量体(b−
1)から誘導される構成単位を有するアクリル系重合体
(B)を含んでなることを特徴とする接着剤組成物。 [2]前記極性官能基は、水酸基、カルボキシル基、グ
リシジル基、リン酸基、および、アミド基からなる群か
ら選択される1又は2以上の官能基であることを特徴と
する[1]に記載の接着剤組成物。 [3]オレフィン系重合体(A)とアクリル系重合体
(B)の合計量を100重量%としたとき、オレフィン
系重合体(A)の含有量が99〜1重量%、アクリル系
重合体の含有量が1〜99重量%であることを特徴とす
る[1]または[2]に記載の接着剤組成物。 [4]オレフィン系重合体(A)は、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチル−
1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−
4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重
合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・オク
テン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、およ
び、プロピレン・1−ブテン・エチレン共重合体からな
る群から選択される1または2以上の共重合体を含むこ
とを特徴とする[1]乃至[3]いずれかに記載の接着
剤組成物。 [5]アクリル系重合体(B)は、前記アクリル系単量
体(b−1)を0.1〜100重量%含有する単量体を
重合してなる重合体であることを特徴とする[1]乃至
[4]いずれかに記載の接着剤組成物。 [6]樹脂粒子(I)の重量平均粒子径および樹脂粒子
(II)の重量平均粒子径が、いずれも10nm〜500
μmであることを特徴とする[1]乃至[5]いずれか
に記載の接着剤組成物。 [7][1]乃至[6]いずれかに記載の接着剤組成物
を基材に塗工してなる熱シール接着用材料。 [8]樹脂粒子が水に分散してなるエマルジョンを含む
接着剤組成物であって、前記樹脂粒子は、オレフィン系
単量体(a−1)から誘導される構成単位を有するオレ
フィン系重合体(A)と、極性官能基を有するアクリル
系単量体(b)から誘導される構成単位を有するアクリ
ル系重合体(B)と、を同一粒子内に含有することを特
徴とする接着剤組成物。 [9]前記極性官能基は、水酸基、カルボキシル基、グ
リシジル基、リン酸基、および、アミド基からなる群か
ら選択される1又は2以上の官能基であることを特徴と
する[8]に記載の接着剤組成物。 [10]オレフィン系重合体(A)とアクリル系重合体
(B)の合計量を100重量%としたとき、オレフィン
系重合体(A)の含有量が99〜1重量%、アクリル系
重合体の含有量が1〜99重量%であることを特徴とす
る[8]または[9]に記載の接着剤組成物。 [11]オレフィン系重合体(A)は、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチル
−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ
−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共
重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・オ
クテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、お
よび、プロピレン・1−ブテン・エチレン共重合体から
なる群から選択される1または2以上の共重合体を含む
ことを特徴とする[8]乃至[10]いずれかに記載の
接着剤組成物。 [12]アクリル系重合体(B)は、前記アクリル系単
量体(b−1)を0.1〜100重量%含有する単量体
を重合してなる重合体であることを特徴とする[8]乃
至[11]いずれかに記載の接着剤組成物。 [13]樹脂粒子(I)の重量平均粒子径および樹脂粒
子(II)の重量平均粒子径が、いずれも10nm〜5
00μmであることを特徴とする[8]乃至[12]い
ずれかに記載の接着剤組成物。 [14][8]乃至[13]いずれかに記載の接着剤組
成物を基材に塗工してなる熱シール接着用材料。
【0011】上記[1]〜[7]の接着剤組成物は、特
定のオレフィン系重合体を含む樹脂粒子(I)と、特定
のアクリル系重合体を含む樹脂粒子(II)とを水に分散
したエマルションを含有する構成を採用している。ま
た、上記[8]〜[14]の接着剤組成物は、同一粒子
内に特定のオレフィン系重合体と特定のアクリル系重合
体を含有した構成を採用している。このため、単にアク
リル系重合体およびオレフィン系重合体を併用する技術
と異なり、従来技術に比し、極性基材および非極性基材
の双方に対して、顕著に優れた密着性を実現することが
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る第一の接着剤組成物
は、樹脂粒子(I)および樹脂粒子(II)を少なくとも
含む樹脂粒子が水に分散してなるエマルションを含有す
るものである。この接着剤組成物は、樹脂粒子(I)が
水に分散してなるエマルションと、樹脂粒子(II)が水
に分散してなるエマルションとをそれぞれ別個に調製し
た後、これらをさらに混合し、さらに所望の添加剤等を
添加する方法で製造することができる。樹脂粒子(I)
および樹脂粒子(II)を同一バッチで重合し、これらを
含むエマルションを作製した後、所望の添加剤等を添加
する方法により製造することもできる。
【0013】樹脂粒子(I)は、オレフィン系単量体
(a−1)から誘導される構成単位を有するオレフィン
系重合体(A)を含むものであり、オレフィン系重合体
(A)から主としてなるものであることが望ましい。こ
こで、「オレフィン系重合体(A)から主としてなる」
とは、オレフィン系重合体(A)を樹脂粒子(I)に含
まれる樹脂全体に対し70重量%以上、好ましくは80
重量%以上含有することをいう。樹脂粒子(I)が水に
分散したエマルションの製造方法は、例えば特公平7−
008933号、特公平7−096647号、特公平5
−039975号等に開示されている。
【0014】樹脂粒子(I)は、後述するようにカルボ
キシル基を含むものとすることができるが、この場合、
樹脂粒子(I)に含有されるカルボキシル基は、樹脂粒
子(I)に含有される全てのカルボキシル基を基準とし
て、5mol%〜200mol%が塩基性化合物で中和
されていることが好ましい。5mol%未満では、水中
に樹脂粒子を安定に存在させることが困難になる場合が
ある。また、200mol%を超える場合にはエマルシ
ョン組成物が高粘度となり、作業性が低下する場合があ
る。特に樹脂粒子を水中に安定に分散させるためには、
より好ましくは50mol%〜150mol%、さらに
好ましくは85mol%〜150mol%である。塩基
性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
の無機塩基性化合物;アンモニアやトリエチルアミン、
トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等の
アミン類で代表される有機塩基性化合物等が挙げられ
る。
【0015】樹脂粒子(II)は、極性官能基を有するア
クリル系単量体(b−1)から誘導される構成単位を有
するアクリル系重合体(B)を含むものであり、アクリ
ル系重合体(B)から主としてなるものであることが望
ましい。ここで、「アクリル系重合体(B)から主とし
てなる」とは、アクリル系重合体(B)を樹脂粒子(I
I)に含まれる樹脂全体に対し70重量%以上、好まし
くは90重量%以上含有することをいう。樹脂粒子(I
I)が水に分散したエマルションは、公知の乳化重合法
を用いて極性官能基を有するアクリル系単量体(b−
1)を含む単量体を重合することで作製することができ
る。具体的には、開始剤存在下、各種単量体を一括し
て、もしくは分割して、あるいは連続的に滴下して加え
ることで行われる。重合温度は、一般的には0〜100
℃、実用的には30〜90℃の温度である。
【0016】本発明に係る第二の接着剤組成物は、オレ
フィン系単量体(a−1)から誘導される構成単位を有
するオレフィン系重合体(A)と、極性官能基を有する
アクリル系単量体(b−1)から誘導される構成単位を
有するアクリル系重合体(B)とを同一粒子内に含有す
る樹脂粒子が分散してなるものである。このエマルショ
ンにおいては、各々の樹脂同士がグラフト反応などによ
って化学的に結合している状態、或いは電気的吸引など
によって物理的に結合している状態もその概念に含むこ
とができる。
【0017】オレフィン系重合体(A)とアクリル系重
合体(B)を同一粒子内に含有する樹脂粒子が水に分散
したエマルションの製造方法は、特に限定されるもので
はないが、例えば、オレフィン系エマルション、すなわ
ち、オレフィン系重合体(A)の粒子が水に分散したエ
マルションの存在下で、アクリル系単量体(b)を重合
することにより、オレフィン系重合体(A)の粒子内に
アクリル重合体(B)を生成せしめることにより製造す
ることができる。
【0018】重合に用いる各種の単量体はこれを一括し
て、又は、分割して、あるいは、連続的に滴下して加
え、前記した開始剤存在下に、一般的には0〜100℃
で、実用的には30〜90℃で、重合される。
【0019】[オレフィン系重合体(A)]本発明にお
いて、オレフィン系重合体(A)は、オレフィン系単量
体(a−1)から誘導される構成単位を有するものであ
る。すなわち、オレフィン系重合体は、オレフィン系単
量体(a−1)の単独重合体、またはオレフィン系単量
体(a−1)と他の単量体の共重合体である。オレフィ
ン系重合体(A)は単一の種類の重合体からなるもので
あってもよく、2種類以上の重合体が混合したものであ
ってもよい。オレフィン系重合体(A)の具体例として
は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ3−メチル−1−ブテ
ン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−
1−ペンテン;あるいは、エチレン・プロピレン共重合
体、エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−
ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン・エチレン共
重合体で代表されるエチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ヘ
プテン、1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン等の
α−オレフィンの単独重合体、又は、これらのうちの2
種類又は3種類以上のランダムあるいはブロック共重合
体;または、エチレン・ブタジエン共重合体、エチレン
・エチリデンノルボルネン共重合体で代表されるα−オ
レフィンと共役ジエンまたは非共役等ジエンとの共重合
体;あるいは、エチレン・プロピレン・ブタジエン3元
共重合体、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエ
ン3元共重合体、エチレン・プロピレン・エチリデンノ
ルボルネン3元共重合体、エチレン・プロピレン・1,
5−ヘキサジエン3元共重合体等で代表される2種類以
上のα−オレフィンと共役ジエン、又は、非共役ジエン
との共重合体;あるいは、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・
不飽和カルボン酸共重合体等のオレフィン系単量体と他
の熱可塑性単量体との共重合体等、を挙げることができ
る。
【0020】特に熱シール接着後に良好な剥離強度を発
現するものとして、α−オレフィンと共役ジエンまたは
非共役等ジエンとの共重合体、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体が挙げら
れ、好ましくはエチレン・1−ブテン共重合体、エチレ
ン・プロピレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重
合体、エチレン・オクテン共重合体、及び、エチレン・
1−ブテン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレ
ン・エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体
であり、さらに好ましくはエチレン・1−ブテン共重合
体、エチレン・プロピレン共重合体、プロピレン・1−
ブテン共重合体、エチレン・オクテン共重合体、及び、
エチレン・1−ブテン・プロピレン共重合体である。
【0021】本発明において、オレフィン系重合体
(A)の態様としては、以下の、、及びがある。 オレフィン系単量体(a−1)を重合してなるオレ
フィン系重合体(A)。 オレフィン系単量体(a−1)と、それ以外の共重
合可能な単量体(a−3)を重合してなるオレフィン系
重合体(A)。 オレフィン系単量体(a−1)と、カルボキシル基
含有単量体(a−2)、それ以外の共重合可能な単量体
(a−3)を重合してなるオレフィン系重合体(A)。
【0022】本発明において、オレフィン系単量体(a
−1)は、特に制限されるものではないが、例えば、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテ
ン、4−メチルー1−1ヘキセン、4,4ジメチルー1
−ヘキセン、1−ノネン、1−オクテン、1−ヘプテ
ン、1−ヘキセン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ド
デセン、1−トリデセン、1−テトラデセン等のα−オ
レフィン;ブタジエン、エチリデンノルボルネン、ジシ
クロペンタジエン、1,5−ヘキサジエン等の共役ジエ
ン、非共役ジエン等が挙げられ、これらの単量体は、1
種類又は2種類以上を選択することができる。
【0023】本発明において、カルボキシル基含有単量
体(a−2)、すなわち、オレフィン系重合体(A)の
重合に供するカルボキシル基含有単量体(a−2)は、
オレフィン系単量体と共重合可能な単量体であれば、特
に制限されるものではない。カルボキシル基含有単量体
(a−2)の具体例としては、例えば、メタアクリル
酸、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン
酸、フマル酸等が挙げられ、これらの単量体は、1種類
又は2種類以上を選択することができる。良好なヒート
シール性を発現するために、より好ましい単量体として
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸である。
【0024】本発明において、それ以外の共重合可能な
単量体(a−3)、すなわち、オレフィン系重合体
(A)の重合に供するそれ以外の共重合可能な単量体
(a−3)は、オレフィン系単量体と共重合可能な単量
体であれば、特に制限されるものではないが、例えば、
酢酸ビニル、ビニルアルコール等が挙げられ、これらの
単量体は、1種類又は2種類以上を選択することができ
る。良好なヒートシール性を発現するためのより好まし
い単量体とは、酢酸ビニルである。
【0025】オレフィン系単量体(a−1)、カルボキ
シル基含有単量体(a−2)、それ以外の共重合可能な
単量体(a−3)の比率は、オレフィン系単量体(a−
1)、カルボキシル基含有単量体(a−2)、それ以外
の共重合可能な単量体(a−3)の合計重量を基準とし
て、好ましくは、オレフィン系単量体(a−1)100
〜35.0重量%、カルボキシル基含有単量体(a−
2)0〜65.0重量%、それ以外の共重合可能な単量
体(a−3)0〜50.0重量%であり、より好ましく
は、オレフィン系単量体(a−1)100〜50.0重
量%、カルボキシル基含有単量体(a−2)0〜50.
0重量%、それ以外の共重合可能な単量体(a−3)0
〜20.0重量%であり、さらに好ましくは、オレフィ
ン系単量体(a−1)100〜70.0重量%、カルボ
キシル基含有単量体(a−2)0〜30.0重量%、そ
れ以外の共重合可能な単量体(a−3)0.0重量%で
ある。オレフィン系単量体(a−1)が、少なすぎる
と、接着性の低下が生ずる場合がある。
【0026】[アクリル系重合体(B)]本発明におい
て、アクリル系重合体(B)は、極性官能基を有するア
クリル系単量体(b−1)から誘導される構成単位を有
するものである。すなわち、アクリル系重合体(B)
は、極性官能基を有するアクリル系単量体(b−1)の
単独重合体、または極性官能基を有するアクリル系単量
体(b−1)とその他のアクリル系単量体(b−2)の
共重合体である。アクリル系重合体(B)は単一の種類
の重合体からなるものであってもよく、2種類以上の重
合体が混合したものであってもよい。
【0027】極性官能基を有するアクリル系単量体(b
―1)の具体例としては、例えば、水酸基を有するヒド
ロキエチルアクリレート、ヒドロキプロピルアクリレー
ト、ヒドロキエチルメタクリレート、ヒドロキプロピル
メタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等
のヒドロキシアルキルアクリレート類;カルボキシル基
を有するアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタ
コン酸、フマル酸、マレイン酸等;グリシジル基を有す
るグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート
等;リン酸基を有するモノ(2−メタクリロイルオキシ
エチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイ
ルオキシエチル)アシッドホスフェート等;アミド基を
有するアクリルアミド、メタクリルアミド等;その他の
官能基を有する単量体としてアクリロニトリル、メタク
リロニトリル等が挙げられ、これらの1種、又は、2種
以上を選択することができる。
【0028】その他のアクリル系単量体(b−2)の具
体例としては、アクリル酸エステル類、メタアクリル酸
エステル類、特に炭素原子数1〜12のアルキルエステ
ルが好ましいが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチ
ル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリ
ル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ラウリル等が挙
げられ、これらの1種、又は、2種以上を選択すること
ができる。また、これらアクリル系単量体以外に、他の
共重合可能な単量体、例えばスチレン、α−メチルスチ
レン等の芳香族系単量体等を用いてもよい。
【0029】良好なヒートシール性を発現するため、よ
り好ましい極性官能基を有するアクリル系単量体(b―
1)としては、水酸基を有するヒドロキエチルアクリレ
ート、ヒドロキプロピルアクリレート、ヒドロキエチル
メタクリレート、ヒドロキプロピルメタクリレート、4
−ヒドロキシブチルアクリレート等、カルボキシル基を
有するアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等、グリ
シジル基を有するグリシジルアクリレート、グリシジル
メタクリレート等、リン酸基を有するモノ(2−メタク
リロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ
(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェー
ト等、アミド基を有するアクリルアミド、メタクリルア
ミド等である。
【0030】より好ましくは、水酸基を有するヒドロキ
エチルアクリレート、ヒドロキプロピルアクリレート、
ヒドロキエチルメタクリレート、ヒドロキプロピルメタ
クリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等、カ
ルボキシル基を有するアクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸等、グリシジル基を有するグリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート等、リン酸基を有するモ
ノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフ
ェート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッ
ドホスフェート等である。
【0031】もっとも好ましくはグリシジル基を有する
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート
等、リン酸基を有するモノ(2−メタクリロイルオキシ
エチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイ
ルオキシエチル)アシッドホスフェート等である。
【0032】アクリル系重合体(B)に重合に供するこ
とができる他の単量体(b−2)としては、例えば、メ
チルメタアクリレート、スチレン、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、n−
ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブ
チルアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、i−
ブチルメタアクリレート、t−ブチルメタアクリレー
ト、エチルアクリレート、メチルアクリレート、エチル
メタアクリレート、メチルメタアクリレートが好まし
い。
【0033】より好ましくは、例えば、メチルメタアク
リレート、スチレン、アクリル酸2−エチルヘキシル、
n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t
−ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルア
クリレートである。
【0034】最も好ましくは、メチルメタアクリレー
ト、スチレン、アクリル酸2−エチルヘキシルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレー
ト、t−ブチルアクリレートである。
【0035】本発明において、アクリル系重合体(B)
は、アクリル系単量体(b−1)を、好ましくは0.1
〜100重量%、より好ましくは1〜80重量%含有す
る単量体(混合物)を重合してなる重合体であることが
好ましい。
【0036】[オレフィン系重合体(A)とアクリル系
重合体(B)の重量比]本発明において、オレフィン系
重合体(A)とアクリル系重合体(B)の重量比は、オ
レフィン系重合体(A)とアクリル系重合体(B)の合
計重量を基準として、オレフィン系重合体(A)99〜
1重量%、アクリル系重合体(B)1〜99重量%が好
ましく、さらに好ましくは、オレフィン系重合体(A)
90〜5重量%、アクリル系重合体(B)10〜95重
量%であり、最も好ましくはオレフィン系重合体(A)
90〜30重量%、アクリル系重合体(B)10〜70
重量%である。オレフィン系重合体(A)が少なすぎる
とオレフィンの特徴が発現されず、例えば非極性基材へ
の接着性が低下する場合がある。逆にオレフィン系重合
体(A)が多すぎると極性基材への接着性が低下する場
合がある。
【0037】[樹脂粒子の平均粒子径]本発明に係る第
一の接着剤組成物は、樹脂粒子(I)および樹脂粒子
(II)を含み、本発明に係る第二の接着剤組成物は、オ
レフィン系重合体(A)およびアクリル系重合体(B)
を含有する樹脂粒子を含むものである。これらの樹脂粒
子の重量平均粒子径は、好ましくは10nm〜500μ
mが、より好ましくは10nm〜100μm、さらに好
ましくは10nm〜10μm、最も好ましくは10nm
〜2μmである。粒子径が大きすぎると、長期保存時の
粒子分離が顕著になりやすく、さらには透明性や耐水性
の低下を起こす場合がある。
【0038】[開始剤]本発明において重合時に使用さ
れる開始剤は、特に限定されるものではなく、一般に乳
化重合に使用されるものを使用することができる。代表
的なものを挙げると、過酸化水素;過硫酸アンモニウム
や過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;ク
メンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有
機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合
物;あるいはこれらと鉄イオン等の金属イオン及びナト
リウムスルホキシレート、ホルムアルデヒド、ピロ亜硫
酸ソーダ、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン
酸、ロンガリット等の還元剤との組み合わせによるレド
ックス開始剤等が挙げられ、これらの1種類もしくは2
種類以上を用いることができる。開始剤の使用量は、通
常、単量体の総量に対し0.1〜5重量%とする。
【0039】また、必要に応じてt−ドデシルメルカプ
タン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、
アリルスルフォン酸、メタアリルスルフォン酸及びこれ
等のソーダ塩等のアリル化合物などを分子量調節剤とし
て使用することも可能である。
【0040】[界面活性剤]本発明において、粒子の安
定性を向上させるため、通常の乳化重合に使用される界
面活性剤を用いることも可能である。かかる界面活性剤
の具体例としては、例えば、アニオン系界面活性剤、非
イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、その他反
応性界面活性剤などが挙げられ、これらの1種もしくは
2種以上を併用することができる。
【0041】非イオン系界面活性剤 非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキ
シエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、t
ert−オクチルフェノキシエチルポリエトキシエタノ
ール、ノニルフェノキシエチルポリエトキシエタノール
等が挙げられる。
【0042】アニオン系界面活性剤 アニオン系界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキル
ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキル
ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコ
ハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン
酸カリウム、ナトリウムジオクチルスルホサクシネー
ト、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
ナトリウムジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ステ
アリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、tert
−オクチルフェノキシエトキシポリエトキシエチル硫酸
ナトリウム塩等が挙げられる。
【0043】カチオン系界面活性剤 カチオン系界面活性剤としては、ラウリルトリメチルア
ンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニ
ウムクロライド等が挙げられる。
【0044】界面活性剤の使用量は特に制限されない
が、通常、重合に用いる単量体の全重量に対し0.02
〜5重量%とする。
【0045】[添加剤]本発明の接着剤組成物には、各
種添加剤、例えば硬化剤、架橋剤、造膜助剤、消泡剤、
ハジキ防止剤、レベリング剤、粘着付与剤、硬度付与
剤、防腐剤、増粘剤、凍結防止剤、分散剤など、また無
機顔料、有機顔料などの各種顔料を添加することも可能
である。
【0046】本発明に係る接着剤組成物は、アルミ箔等
の金属箔からなる極性基材と、プラスチックフィルム等
の非極性基材との接着に好適に用いられる。このような
基材間の接着に用いた場合、重合体(A)および重合体
(B)の相乗作用により顕著に優れた接着性が発現す
る。
【0047】[基材]本発明の接着剤を塗工する基材の
具体例としては、例えば、セロハン、ポリエチレンフィ
ルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオ
ノマーフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミド
フィルム(ナイロンフィルム)、ポリエステルフィル
ム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィ
ルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン・ビニ
ルアルコール共重合体フィルム、ポリカーボネートフィ
ルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリル共
重合体フィルム等のプラスチックフィルム;また、これ
らのプラスチックフィルム上に、アルミ、金、銀、銅、
ニッケル、亜鉛、チタン、コバルト、インジウム、クロ
ム等の金属を蒸着したものや、酸化アルミ、酸化珪素等
を蒸着した、蒸着フィルム;アルミ箔等の金属箔、紙、
不織布、木材、合板等が挙げられる。
【0048】本発明の接着剤は、アルミ箔等に代表され
る極性基材と、ポリプロピレンフィルムに代表される非
極性基材との双方に良好な密着性を有するため、各種プ
ラスチックフィルム同士の接着や、各種プラスチックフ
ィルムとアルミ箔、紙、不織布、木材、合板、集成材等
の接着に好適に使用できる。
【0049】アルミ箔等の金属箔と、ポリプロピレンフ
ィルムのようなプラスチックフィルムを張り合わせる場
合、通常、熱シール接着が用いられる。
【0050】本発明に係る接着剤組成物は、基材に塗工
・乾燥することで、基材に熱シール接着性を付与するこ
とができる。
【0051】本発明に係る接着剤組成物は、グラビア塗
装、ロール塗装、浸漬塗装、噴霧塗装などの適当な方法
で、所望の基材へ塗工され、乾燥可能な温度条件、例え
ば80〜200℃程度の温度で乾燥される。基材との密
着性を高めるためにプライマーを予め塗工したり、前処
理を行うことも可能である。例えば、プラスチックフィ
ルムに塗工する場合、基材フィルムにコロナ放電処理や
化成処理を行ったり、チタネートやポリエチレンイミン
等のプライマーを塗布することも可能である。また、プ
ラスチックフィルムはその製造時に、延伸を行うことが
多々あるが、接着剤組成物を延伸前のフィルム上に塗工
し、その後延伸させることも可能である。また縦方向と
横方向の2軸方向での延伸を行う場合、一方の延伸をし
た後、熱シール接着剤組成物を塗工し、さらにその後、
もう一方の延伸を行うことも可能である。
【0052】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明す
る。実施例中、部数および%は、とくにことわりがない
限りすべて重量基準である。
【0053】[実施例1]脱イオン水110部、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ0.1部を反応容器に仕込
み、窒素気流下で72℃に昇温した。昇温後、過硫酸カ
リウム0.5部を反応容器に投じ、これとは別に、スチ
レン45部、2−エチルヘキシルアクリレート45部、
グリシジルメタクリレート10部、n−ドデシルメルカ
プタン0.1部を脱イオン水40部中にドデシルベンゼ
ンスルホン酸ソーダ0.4部を使って乳化させた乳化混
合物を作り、この乳化混合物を3時間で反応容器に滴下
して、その後、更に同温度で3時間保持して重合を完結
させた。得られたアクリル系エマルションは不揮発分4
0%で、8%アンモニア水でpH8に調製した。光散乱
測定による重量平均粒子径は100nmであった。
【0054】上記のように調製したアクリル系エマルシ
ョン100部と、ポリオレフィン系エマルションとして
プロピレン−ブテン−エチレン共重合体(PBER)エ
マルション(不揮発分40%、三井化学株式会社製)1
00部を混合して、エマルションを調製し、接着剤組成
物を得た。
【0055】[実施例2]グリシジルメタクリレートの
代わりにモノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシ
ッドホスフェートを用い、比率をスチレン53部、2―
エチルヘキシルアクリレート45部、モノ(2−メタク
リロイルオキシエチル)アシッドホスフェート2部とし
た以外は実施例1と同様にして接着剤組成物を得た。
【0056】[実施例3]実施例1で用いたものと同様
のPBERエマルション200部、脱イオン水165部
を反応容器に仕込み、窒素気流下で80℃に昇温した。
これとは別に、スチレン22.5部、2−エチルヘキシ
ルアクリレート22.5部、グリシジルメタクリレート
5部、ベンゾイルパーオキサイド2.0部を脱イオン水
20部中にドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2部
を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物
を3時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で
4時間保持して重合を完結させた。得られたエマルショ
ンは不揮発分30%、pH10で、光散乱測定による重
量平均粒子径は0.85μmであった。
【0057】実施例1および実施例3で得られた接着剤
組成物について、それぞれ、85000rpm、1時間
の条件で超遠心分離を行った。その結果、実施例1のも
のはオレフィン樹脂層、水層、アクリル樹脂層の3層に
分離したのに対し、実施例3のものは、水層と樹脂層の
2層に分離した。実施例3のものはアクリル樹脂とオレ
フィン樹脂が同一粒子内に存在しているために分離しな
かったものと考えられる。
【0058】[比較例1]グリシジルメタクリレートを
用いず、スチレン55部、2―エチルヘキシルアクリレ
ート45部としたこと以外は実施例1と同様にして接着
剤組成物を得た。
【0059】[比較例2]アクリル系エマルションを用
いず、PBERエマルションのみを用いて接着剤組成物
を得た。
【0060】得られた接着剤組成物を以下の方法で評価
した。
【0061】[評価例]アルミ箔に乾燥膜厚が3μmに
なるようにワイヤーバーで接着剤組成物を塗布し、20
0℃で2分間乾燥した。得られた塗工済みアルミ箔を一
昼夜常温放置後、15mm幅の短冊状に切り出し、同形
状に切り出したポリプロピレンフィルム(厚さ300μ
m、住友ベークライト株式会社製、商品名スミライト)
と重ね合わせて、200℃の温度で、1kg/cm2
圧力、1秒の時間で熱シールを行った。この試験片を用
い、引っ張り速度200mm/分の速度で剥離強度を測
定した。評価結果を下記表に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明に係る接着剤組成物は、各種プラ
スチックフィルム、金属箔、紙、不織布等、極性および
非極性の両基材に対し良好な接着性を有し、また、各種
基材に塗工することによって、極性および非極性の両基
材に対して熱シール性に優れた熱シール層を付与するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 忠 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 星野 太 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 4J004 AA02 AA07 AA10 AB03 CA02 CA04 CA05 CA06 CA08 CB01 CB02 CD01 CD06 CD07 CD08 GA01 4J040 DA021 DA041 DA101 DA111 DA121 DA131 DB041 DB081 DF011 DF061 DF081 DF101 DG001 DJ021 DL041 EC231 GA05 GA07 GA11 GA22 GA27 JA03 JA09 JB01 LA03 LA06 MA02 MA08 MA09 MA10 MB02 MB03 NA08

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂粒子(I)および樹脂粒子(II)を
    少なくとも含む樹脂粒子が水に分散してなるエマルショ
    ンを含有する接着剤組成物であって、樹脂粒子(I)
    は、オレフィン系単量体(a−1)から誘導される構成
    単位を有するオレフィン系重合体(A)を含んでなり、
    樹脂粒子(II)は、極性官能基を有するアクリル系単量
    体(b−1)から誘導される構成単位を有するアクリル
    系重合体(B)を含んでなることを特徴とする接着剤組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記極性官能基は、水酸基、カルボキシ
    ル基、グリシジル基、リン酸基、および、アミド基から
    なる群から選択される1又は2以上の官能基であること
    を特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 オレフィン系重合体(A)とアクリル系
    重合体(B)の合計量を100重量%としたとき、オレ
    フィン系重合体(A)の含有量が99〜1重量%、アク
    リル系重合体の含有量が1〜99重量%であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 オレフィン系重合体(A)は、ポリエチ
    レン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−
    メチル−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテ
    ン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロ
    ピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチ
    レン・オクテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重
    合体、および、プロピレン・1−ブテン・エチレン共重
    合体からなる群から選択される1または2以上の共重合
    体を含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記
    載の接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 アクリル系重合体(B)は、前記アクリ
    ル系単量体(b−1)を0.1〜100重量%含有する
    単量体を重合してなる重合体であることを特徴とする請
    求項1乃至4いずれかに記載の接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 樹脂粒子(I)の重量平均粒子径および
    樹脂粒子(II)の重量平均粒子径が、いずれも10nm
    〜500μmであることを特徴とする請求項1乃至5い
    ずれかに記載の接着剤組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の接着
    剤組成物を基材に塗工してなる熱シール接着用材料。
  8. 【請求項8】 樹脂粒子が水に分散してなるエマルジョ
    ンを含む接着剤組成物であって、前記樹脂粒子は、オレ
    フィン系単量体(a−1)から誘導される構成単位を有
    するオレフィン系重合体(A)と、極性官能基を有する
    アクリル系単量体(b)から誘導される構成単位を有す
    るアクリル系重合体(B)と、を同一粒子内に含有する
    ことを特徴とする接着剤組成物。
  9. 【請求項9】 前記極性官能基は、水酸基、カルボキシ
    ル基、グリシジル基、リン酸基、および、アミド基から
    なる群から選択される1又は2以上の官能基であること
    を特徴とする請求項8に記載の接着剤組成物。
  10. 【請求項10】 オレフィン系重合体(A)とアクリル
    系重合体(B)の合計量を100重量%としたとき、オ
    レフィン系重合体(A)の含有量が99〜1重量%、ア
    クリル系重合体の含有量が1〜99重量%であることを
    特徴とする請求項8または9に記載の接着剤組成物。
  11. 【請求項11】 オレフィン系重合体(A)は、ポリエ
    チレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−3
    −メチル−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテ
    ン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロ
    ピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチ
    レン・オクテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重
    合体、および、プロピレン・1−ブテン・エチレン共重
    合体からなる群から選択される1または2以上の共重合
    体を含むことを特徴とする請求項8乃至10いずれかに
    記載の接着剤組成物。
  12. 【請求項12】 アクリル系重合体(B)は、前記アク
    リル系単量体(b−1)を0.1〜100重量%含有す
    る単量体を重合してなる重合体であることを特徴とする
    請求項8乃至11いずれかに記載の接着剤組成物。
  13. 【請求項13】 樹脂粒子(I)の重量平均粒子径およ
    び樹脂粒子(II)の重量平均粒子径が、いずれも10n
    m〜500μmであることを特徴とする請求項8乃至1
    2いずれかに記載の接着剤組成物。
  14. 【請求項14】 請求項8乃至13いずれかに記載の接
    着剤組成物を基材に塗工してなる熱シール接着用材料。
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