JP5156034B2 - 接着剤組成物およびそれを用いた熱シール接着用材料 - Google Patents
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Description
[2]前記極性官能基は、水酸基、カルボキシル基、グリシジル基、リン酸基、および、アミド基からなる群から選択される1又は2以上の官能基であることを特徴とする[1]に記載の接着剤組成物。
[3]オレフィン系重合体(A)とアクリル系重合体(B)の合計量を100重量%としたとき、オレフィン系重合体(A)の含有量が99〜1重量%、アクリル系重合体の含有量が1〜99重量%であることを特徴とする[1]または[2]に記載の接着剤組成物。
[4]オレフィン系重合体(A)は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・オクテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、および、プロピレン・1−ブテン・エチレン共重合体からなる群から選択される1または2以上の共重合体を含むことを特徴とする[1]〜[3]いずれかに記載の接着剤組成物。
[5]アクリル系重合体(B)は、前記アクリル系単量体(b−1)を0.1〜100重量%含有する単量体を重合してなる重合体であることを特徴とする[1]〜[4]いずれかに記載の接着剤組成物。
[6]樹脂粒子(I)の重量平均粒子径および樹脂粒子(II)の重量平均粒子径が、いずれも10nm〜500μmであることを特徴とする[1]〜[5]いずれかに記載の接着剤組成物。
[7][1]〜[6]いずれかに記載の接着剤組成物を基材に塗工してなる熱シール接着用材料。
本発明において、オレフィン系重合体(A)は、オレフィン系単量体(a−1)から誘導される構成単位を有するものである。すなわち、オレフィン系重合体は、オレフィン系単量体(a−1)の単独重合体、またはオレフィン系単量体(a−1)と他の単量体の共重合体である。オレフィン系重合体(A)は単一の種類の重合体からなるものであってもよく、2種類以上の重合体が混合したものであってもよい。
または、エチレン・ブタジエン共重合体、エチレン・エチリデンノルボルネン共重合体で代表されるα−オレフィンと共役ジエンまたは非共役等ジエンとの共重合体;
あるいは、エチレン・プロピレン・ブタジエン3元共重合体、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン3元共重合体、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン3元共重合体、エチレン・プロピレン・1,5−ヘキサジエン3元共重合体等で代表される2種類以上のα−オレフィンと共役ジエン、又は、非共役ジエンとの共重合体;
あるいは、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体等のオレフィン系単量体と他の熱可塑性単量体との共重合体等、を挙げることができる。
(1)オレフィン系単量体(a−1)を重合してなるオレフィン系重合体(A)。
(2)オレフィン系単量体(a−1)と、それ以外の共重合可能な単量体(a−3)を重合してなるオレフィン系重合体(A)。
(3)オレフィン系単量体(a−1)と、カルボキシル基含有単量体(a−2)、それ以外の共重合可能な単量体(a−3)を重合してなるオレフィン系重合体(A)。
本発明において、アクリル系重合体(B)は、極性官能基を有するアクリル系単量体(b−1)から誘導される構成単位を有するものである。すなわち、アクリル系重合体(B)は、極性官能基を有するアクリル系単量体(b−1)の単独重合体、または極性官能基を有するアクリル系単量体(b−1)とその他のアクリル系単量体(b−2)の共重合体である。アクリル系重合体(B)は単一の種類の重合体からなるものであってもよく、2種類以上の重合体が混合したものであってもよい。
本発明において、オレフィン系重合体(A)とアクリル系重合体(B)の重量比は、オレフィン系重合体(A)とアクリル系重合体(B)の合計重量を基準として、オレフィン系重合体(A)99〜1重量%、アクリル系重合体(B)1〜99重量%が好ましく、さらに好ましくは、オレフィン系重合体(A)90〜5重量%、アクリル系重合体(B)10〜95重量%であり、最も好ましくはオレフィン系重合体(A)90〜30重量%、アクリル系重合体(B)10〜70重量%である。オレフィン系重合体(A)が少なすぎるとオレフィンの特徴が発現されず、例えば非極性基材への接着性が低下する場合がある。逆にオレフィン系重合体(A)が多すぎると極性基材への接着性が低下する場合がある。
本発明に係る第一の接着剤組成物は、樹脂粒子(I)および樹脂粒子(II)を含み、本発明に係る第二の接着剤組成物は、オレフィン系重合体(A)およびアクリル系重合体(B)を含有する樹脂粒子を含むものである。これらの樹脂粒子の重量平均粒子径は、好ましくは10nm〜500μmが、より好ましくは10nm〜100μm、さらに好ましくは10nm〜10μm、最も好ましくは10nm〜2μmである。粒子径が大きすぎると、長期保存時の粒子分離が顕著になりやすく、さらには透明性や耐水性の低下を起こす場合がある。
本発明において重合時に使用される開始剤は、特に限定されるものではなく、一般に乳化重合に使用されるものを使用することができる。代表的なものを挙げると、過酸化水素;過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;あるいはこれらと鉄イオン等の金属イオン及びナトリウムスルホキシレート、ホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、ロンガリット等の還元剤との組み合わせによるレドックス開始剤等が挙げられ、これらの1種類もしくは2種類以上を用いることができる。開始剤の使用量は、通常、単量体の総量に対し0.1〜5重量%とする。
本発明において、粒子の安定性を向上させるため、通常の乳化重合に使用される界面活性剤を用いることも可能である。かかる界面活性剤の具体例としては、例えば、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、その他反応性界面活性剤などが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を併用することができる。
界面活性剤の使用量は特に制限されないが、通常、重合に用いる単量体の全重量に対し0.02〜5重量%とする。
本発明の接着剤組成物には、各種添加剤、例えば硬化剤、架橋剤、造膜助剤、消泡剤、ハジキ防止剤、レベリング剤、粘着付与剤、硬度付与剤、防腐剤、増粘剤、凍結防止剤、分散剤など、また無機顔料、有機顔料などの各種顔料を添加することも可能である。
本発明の接着剤を塗工する基材の具体例としては、例えば、セロハン、ポリエチレンフィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマーフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム(ナイロンフィルム)、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリル共重合体フィルム等のプラスチックフィルム;また、これらのプラスチックフィルム上に、アルミ、金、銀、銅、ニッケル、亜鉛、チタン、コバルト、インジウム、クロム等の金属を蒸着したものや、酸化アルミ、酸化珪素等を蒸着した、蒸着フィルム;アルミ箔等の金属箔、紙、不織布、木材、合板等が挙げられる。
本発明に係る接着剤組成物は、基材に塗工・乾燥することで、基材に熱シール接着性を付与することができる。
[参考例1]
脱イオン水110部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.1部を反応容器に仕込み、窒素気流下で72℃に昇温した。昇温後、過硫酸カリウム0.5部を反応容器に投じ、これとは別に、スチレン45部、2−エチルヘキシルアクリレート45部、グリシジルメタクリレート10部、n−ドデシルメルカプタン0.1部を脱イオン水40部中にドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.4部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を3時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で3時間保持して重合を完結させた。得られたアクリル系エマルションは不揮発分40%で、8%アンモニア水でpH8に調製した。光散乱測定による重量平均粒子径は100nmであった。
グリシジルメタクリレートの代わりにモノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェートを用い、比率をスチレン53部、2―エチルヘキシルアクリレート45部、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート2部とした以外は参考例1と同様にして接着剤組成物を得た。
参考例1で用いたものと同様のPBERエマルション200部、脱イオン水165部を反応容器に仕込み、窒素気流下で80℃に昇温した。これとは別に、スチレン22.5部、2−エチルヘキシルアクリレート22.5部、グリシジルメタクリレート5部、ベンゾイルパーオキサイド2.0部を脱イオン水20部中にドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を3時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で4時間保持して重合を完結させた。得られたエマルションは不揮発分30%、pH10で、光散乱測定による重量平均粒子径は0.85μmであった。
グリシジルメタクリレートを用いず、スチレン55部、2―エチルヘキシルアクリレート45部としたこと以外は参考例1と同様にして接着剤組成物を得た。
アクリル系エマルションを用いず、PBERエマルションのみを用いて接着剤組成物を得た。
得られた接着剤組成物を以下の方法で評価した。
アルミ箔に乾燥膜厚が3μmになるようにワイヤーバーで接着剤組成物を塗布し、200℃で2分間乾燥した。得られた塗工済みアルミ箔を一昼夜常温放置後、15mm幅の短冊状に切り出し、同形状に切り出したポリプロピレンフィルム(厚さ300μm、住友ベークライト株式会社製、商品名スミライト)と重ね合わせて、200℃の温度で、1kg/cm2の圧力、1秒の時間で熱シールを行った。この試験片を用い、引っ張り速度200mm/分の速度で剥離強度を測定した。評価結果を下記表に示す。
Claims (5)
- 樹脂粒子が水に分散してなるエマルジョンを含む接着剤組成物であって、前記樹脂粒子は、重量平均粒子径が10nm〜500μmであり、オレフィン系単量体(a−1)から誘導される構成単位を有するオレフィン系重合体(A)90〜30重量%と、水酸基、グリシジル基、リン酸基、および、アミド基からなる群から選択される1又は2以上の極性官能基を有するアクリル系単量体(b)から誘導される構成単位を有するアクリル系重合体(B)10〜70重量%〔ただし、オレフィン系重合体(A)とアクリル系重合体(B)の合計量を100重量%とする。〕と、を同一粒子内に含有することを特徴とする接着剤組成物。
- 前記極性官能基が、グリシジル基、および、リン酸基からなる群から選択される1又は2以上の官能基であることを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
- オレフィン系重合体(A)は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・オクテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、および、プロピレン・1−ブテン・エチレン共重合体からなる群から選択される1または2以上の共重合体を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤組成物。
- アクリル系重合体(B)は、前記アクリル系単量体(b−1)を0.1〜100重量%含有する単量体を重合してなる重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤組成物を基材に塗工してなる熱シール接着用材料。
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