JP2002101403A - 棟内catvシステム及びダウンコンバータ - Google Patents

棟内catvシステム及びダウンコンバータ

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JP2002101403A
JP2002101403A JP2000287128A JP2000287128A JP2002101403A JP 2002101403 A JP2002101403 A JP 2002101403A JP 2000287128 A JP2000287128 A JP 2000287128A JP 2000287128 A JP2000287128 A JP 2000287128A JP 2002101403 A JP2002101403 A JP 2002101403A
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transmission line
building
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JP2000287128A
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Toshihiro Sugiura
敏博 杉浦
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Maspro Denkoh Corp
Original Assignee
Maspro Denkoh Corp
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  • Two-Way Televisions, Distribution Of Moving Picture Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 端末側ではアップコンバータにて上り信号を
高周波に周波数変換し、外部システムへの接続点ではダ
ウンコンバータにて上り信号を元の周波数に変換する棟
内CATVシステムにおいて、各コンバータで周波数変
換に用いる基準信号を伝送線上に送出する装置を仕様の
異なるシステムで利用できるようにする。 【解決手段】 ダウンコンバータ10に、周波数変換用
の基準信号を発生する基準発振回路36を設け、この基
準信号をBPF41,LPF42を介して、端末側の伝
送線L上に送出させる。また、ダウンコンバータ10内
の基準信号の伝送路には、基準信号の信号レベルを調整
するための減衰量可変型のアッテネータ43を設ける。
この結果、端末側のアップコンバータ20では、ダウン
コンバータ10と同じ基準信号を用いて周波数変換で
き、しかも、アップコンバータ20には、基準信号を適
正レベルで伝送できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部の双方向CA
TVシステムからの引込線を建造物内に引き込み、建造
物内の伝送線を介して双方向CATVシステムから入力
された下り信号を建造物内の複数の端末装置まで伝送す
ると共に、各端末端子から入力された上り信号を引込線
を介して外部の双方向CATVシステムに送出する棟内
CATVシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の棟内CATVシステムでは、建
造物内の各部で発生した雑音が加入者側の端末端子等を
介して伝送線に重畳される。そして、この雑音の内、上
り信号と同じ周波数成分のものは、流合雑音として、上
り信号と一緒に外部の双方向CATVシステムに出力さ
れてしまう。
【0003】そこで、従来では、外部の双方向CATV
システムへ流出する流合雑音を低減するため、ケーブル
モデム等の加入者側端末装置にて生成された上り信号
(双方向CATVシステムで伝送可能な周波数(例えば
10〜55MHz)の信号)を、アップコンバータに
て、元の周波数よりも高く、しかも、下り信号の伝送周
波数(例えば70〜770MHz)と重複することのな
い、UHF帯(例えば821MHz〜866MHz)の
上り信号(以下、棟内上り信号という)に周波数変換し
て、引込線まで伝送し、棟内の伝送線から引込線へ上り
信号を出力する直前で、棟内上り信号を、ダウンコンバ
ータを用いて、元の周波数(換言すれば、双方向CAT
Vシステムでの上り信号の伝送周波数)に変換すること
が考えられている。
【0004】ところで、このように、棟内CATVシス
テムの端末側で、上り信号を棟内上り信号に周波数変換
し、棟内CATVシステムと外部の双方向CATVシス
テムとの接続点で、棟内上り信号を元の上り信号に周波
数変換するようにした場合、棟内CATVシステムから
外部の双方向CATVシステムに出力される流合雑音を
低減することはできるものの、端末側で周波数変換に用
いられるアップコンバータと、棟内CATVシステムと
外部の双方向CATVシステムとの接続点で周波数変換
に用いられるダウンコンバータとが、夫々、専用の発振
回路からの出力を用いて周波数変換を行うように構成す
ると、各発振回路で得られる周波数変換用の基準信号の
周波数にずれが生じ、ダウンコンバータにおいて、棟内
上り信号を、端末装置が生成した元の上り信号に変換す
ることができなくなる虞がある。
【0005】そこで、従来では、ダウンコンバータに
て、棟内上り信号から元の上り信号を正確に復元できる
ようにするため、アップコンバータ及びダウンコンバー
タが周波数変換に用いる基準信号として、双方向CAT
Vシステムで下り信号のレベル調整等のために使用され
るパイロット信号を用いることも考えられている。つま
り、アップコンバータ及びダウンコンバータが、双方向
CATVシステム側のパイロット信号を基準信号として
各上り信号を周波数変換するように構成することで、各
コンバータでの基準信号の周波数を完全に一致させ、ダ
ウンコンバータ側で、棟内上り信号を元の上り信号に正
確に復元できるようにするのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
に、アップコンバータ及びダウンコンバータが、周波数
変換用の基準信号として、下り信号に含まれるパイロッ
ト信号を用いるように構成すると、双方向CATVシス
テム側で保守点検等のために一時的にパイロット信号の
送信を停止した場合や、棟内CATVシステムがパイロ
ット信号を伝送しない双方向CATVシステムに接続さ
れた場合に、アップコンバータ及びダウンコンバータが
正常動作しなくなり、棟内CATVシステムの端末装置
側で生成された上り信号を、双方向CATVシステムの
センタ装置側に伝送できなくなってしまう。
【0007】そこで、本願出願人は、こうした問題を解
決するために、棟内CATVシステムの伝送線に、パイ
ロット信号とは異なる一定周波数の基準信号を流し、ア
ップコンバータ及びダウンコンバータが、その基準信号
に基づき、上記各上り信号を周波数変換するようにした
棟内CATVシステムを提案した(特願2000−41
099号)。
【0008】この提案の棟内CATVシステムによれ
ば、アップコンバータ及びダウンコンバータは、外部の
双方向CATVシステムから伝送されてくるパイロット
信号を利用することなく、棟内CATVシステム専用の
基準信号を用いて、上り信号及び棟内上り信号を周波数
変換するので、外部システム側でのパイロット信号の停
波等の影響を受けることなく、端末装置側で生成された
上り信号を外部システムのセンタ装置に確実に伝送する
ことができる。
【0009】ところで、上記提案の棟内CATVシステ
ムでは、伝送線に基準信号を流すために、基準信号を発
生する基準信号発生手段や基準信号を伝送線上に送出す
る基準信号送出手段をダウンコンバータに組み込み、伝
送線を介してダウンコンバータから端末側に基準信号を
伝送するか、或いは、基準信号発生手段と基準信号送出
手段とからなる専用の基準信号発生装置を伝送線に直接
接続し、この基準信号発生装置から伝送線上に基準信号
を送出するようにしているが、伝送線には基準信号発生
手段(具体的には発振回路等)が発生した基準信号をそ
のまま送出するようにしていたので、棟内CATVシス
テムの仕様が変更された場合等には、基準信号発生装置
としての機能を有するダウンコンバータや単独で構成さ
れた基準信号発生装置をそのまま利用することができな
いといった問題があった。
【0010】つまり、上記提案の棟内CATVシステム
において、基準信号送出手段から伝送線上に送出される
基準信号の信号レベルは、発振回路等からなる基準信号
発生手段の信号発生能力により決定される。このため、
加入者の増加、建造物の増築等によって、棟内CATV
システムを構成する伝送線の線路長が長くなったり、伝
送線に設けられる分配器や分岐器といった伝送用機器が
増加すると、各端末側にアップコンバータが動作可能な
信号レベルの基準信号を伝送できなくなり、結果的に、
基準信号発生装置として機能するダウンコンバータや単
独で構成された基準信号発生装置を、棟内CATVシス
テムの仕様に対応したものに変更しなければならなくな
る。
【0011】本発明はこうした問題に鑑みなされたもの
であり、端末側にアップコンバータを設け、外部システ
ムからの引込線側にダウンコンバータを設けることによ
り、端末からの上り信号を周波数の高い棟内上り信号に
周波数変換して伝送する棟内CATVシステムにおい
て、各コンバータで周波数変換に用いる基準信号を伝送
線上に送出する基準信号発生装置を仕様の異なるシステ
ムで利用できるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】かかる目
的を達成するためになされた請求項1に記載の棟内CA
TVシステムにおいては、外部の双方向CATVシステ
ムから引込線を介して入力された下り信号を、建造物内
の伝送線を介して複数の端末端子まで伝送すると共に、
アップコンバータを介して端末端子に入力された棟内上
り信号を、建造物内の伝送線を介して、外部の双方向C
ATVシステムからの引込線まで伝送し、しかも、この
引込線から外部の双方向CATVシステムには、引込線
と建造物内の伝送線との間に設けられたダウンコンバー
タを用いて棟内上り信号を端末装置が出力した元の周波
数の上り信号に周波数変換した上り信号を送出するよう
にされている。
【0013】そして、本発明の棟内CATVシステムに
は、ダウンコンバータにて棟内上り信号を元の上り信号
に正確に周波数変換できるようにするために、基準信号
発生手段にて、当該システムの伝送線を上り方向及び下
り方向に(換言すれば双方向に)流れる各種伝送信号の
周波数とは異なる周波数で一定周波数の基準信号を生成
し、この基準信号を、基準信号送出手段を介して、建造
物内の伝送線上に送出するように構成された基準信号発
生装置が設けられている。
【0014】このため、本発明の棟内CATVシステム
によれば、外部の双方向CATVシステムから入力され
る下り信号にパイロット信号が重畳されていない場合で
あっても、ダウンコンバータ及びアップコンバータが共
通の基準信号を用いて、棟内上り信号或いは上り信号を
周波数変換することができるようになり、ダウンコンバ
ータでは、端末装置からアップコンバータに入力された
元の上り信号を正確に復元することが可能となる。
【0015】ところで、基準信号発生装置において、基
準信号発生手段が発生した基準信号を基準信号送出手段
を介してそのまま伝送線上に送出するようにすると、伝
送線の線路長が長く伝送線に設けられる伝送機器の数も
多い大規模な棟内CATVシステムでは、伝送路での基
準信号の伝送損失が大きくなって、端末側のアップコン
バータに入力される基準信号の信号レベルが低くなり過
ぎることがあり、逆に、伝送線の線路長が短く伝送線に
設けられる伝送機器の数も少ない小規模な棟内CATV
システムでは、伝送路での基準信号の伝送損失が小さく
なって、端末側のアップコンバータに入力される基準信
号の信号レベルが高くなり過ぎることがある。
【0016】そこで、本発明では、基準信号発生装置内
に、基準信号送出手段が伝送線上に送出する基準信号の
信号レベルを外部操作により調整するための基準信号レ
ベル調整手段を設けることにより、基準信号送出手段か
ら伝送線上に送出される基準信号の信号レベルを、棟内
CATVシステムの規模に応じて最適な信号レベルに調
整できるようにしている。
【0017】このため、本発明の棟内CATVシステム
によれば、端末側に設けられる各アップコンバータに対
して、適正レベルの基準信号を入力することが可能とな
り、基準信号の信号レベルがアップコンバータの許容範
囲から外れて、アップコンバータ側で上り信号を棟内上
り信号に周波数変換できなくなるのを防止できる。
【0018】また、基準信号発生装置としては、これを
構成する基準信号発生手段、基準信号送出手段、及び基
準信号レベル調整手段を内蔵したダウンコンバータによ
り構成することもできるし、独立した基準信号発生装置
として単体で構成することもできるが、本発明によれ
ば、基準信号発生装置から伝送線上に送出される基準信
号の信号レベルを調整できることから、同一仕様の基準
信号発生装置を、仕様(詳しくは線路長や伝送機器の
数)が異なる各種棟内CATVシステムで利用すること
が可能となり、基準信号発生装置の利用範囲を拡大でき
る。
【0019】また、加入者の増加、建造物の増築等によ
って、棟内CATVシステムの仕様が変更されても、そ
のシステムの仕様に応じて基準信号発生装置を変更する
必要はないので、システム変更に伴い生じる費用を低減
することもできる。ここで、基準信号の周波数は、棟内
CATVシステムの伝送線を双方向に流れる各種伝送信
号の周波数と重複しない周波数であればよく、例えば、
当該システムにおいて予め設定されている下り信号の伝
送周波数帯と棟内上り信号の伝送周波数帯との間の周波
数帯内、若しくは、棟内上り信号の伝送周波数帯よりも
更に高い周波数帯内の一周波数に設定してもよい。
【0020】しかし、このような周波数帯内に基準信号
の周波数を設定すると、伝送線上での基準信号の伝送損
失が大きくなるため、基準信号の周波数としては、棟内
CATVシステムにおいて下り信号の伝送周波数帯とし
て設定された周波数帯域内で下り信号とは重複しない周
波数に設定するか、或いは、伝送線上を上り方向及び下
り方向に流れる各種伝送信号の周波数よりも低い周波数
に設定するとよい。
【0021】また、本発明の棟内CATVシステムは、
端末装置から出力された上り信号をアップコンバータに
て一旦周波数が高い棟内上り信号に周波数変換し、これ
を、システム内の伝送線を介して、引込線側まで伝送す
ることにより、建造物内で発生した雑音が上り信号と共
に外部の双方向CATVシステムに送出されるのを防止
するものであるが、当該システムにおいて伝送線を上り
方向に流すことのできる信号を棟内上り信号のみに制限
すると、端末側のシステム加入者が、端末装置を使っ
て、外部の双方向CATVシステムのセンタ装置との間
で通信を行うためには、必ずアップコンバータを所有し
なければならなくなり、サービスの低下につながる虞が
ある。
【0022】そこで、棟内CATVシステムは、端末装
置から出力され、アップコンバータにて周波数変換され
ていない低周波数の上り信号については、引込線までそ
のまま伝送できるように構成することが望ましい。そし
て、棟内CATVシステムをこのように構成すれば、高
周波の棟内上り信号と低周波の上り信号とを共に上り方
向に伝送することができるため、アップコンバータを所
有しない加入者であっても、端末装置を使って、外部の
双方向CATVシステムのセンタ装置との間で通信を行
うことが可能となり、システム内での通信サービスを向
上できる。
【0023】また、このように棟内上り信号と上り信号
とを共に伝送できるようにする際には、例えば、CAT
Vシステムを使ったインターネットのように、高速なデ
ータ伝送が双方向に行われ、伝送品質が要求される通信
には、アップコンバータ及びダウンコンバータを用いて
上り信号を周波数変換するようにし、例えば、電気やガ
スの使用量をセンタ装置側に伝送する自動検針用のデー
タ伝送のように、データ伝送に誤りがあった際にセンタ
装置からの要求によってデータを再送信するようにして
も、使用者が不便を感じることのない通信には、端末装
置からの上り信号を周波数変換することなくそのまま伝
送するようにするとよい。
【0024】但し、このような双方向通信を行う場合、
アップコンバータ及びダウンコンバータを使って伝送さ
れる上り信号と、アップコンバータ及びダウンコンバー
タを用いることなくそのまま伝送される上り信号とを、
互いに異なる周波数に設定する必要はある。
【0025】つまり、棟内CATVシステムにおいて、
上り信号をそのまま伝送するようにした際には、その上
り信号の周波数の雑音成分がそのまま外部の双方向CA
TVシステムに送出されることになるので、この上り信
号とアップコンバータ及びダウンコンバータを使って伝
送される上り信号との周波数を同一周波数に設定する
と、アップコンバータ及びダウンコンバータによる効果
を発揮できないことになる。このため、上記のように、
棟内CATVシステムにおいて、棟内上り信号と上り信
号とを共に伝送できるようにする際には、棟内上り信号
に周波数変換される上り信号と、周波数変換されること
なく伝送線をそのまま伝送される上り信号とを、互いに
異なる周波数に設定しなければならない。
【0026】またこのように各上り信号を異なる周波数
に設定する際には、周波数変換されることなく伝送線を
そのまま伝送される上り信号の周波数を、棟内上り信号
に周波数変換される上り信号よりも高くするとよい。つ
まり、建造物内で発生する雑音は、比較的周波数が低い
ことから、上記のように、周波数変換されることなく伝
送線をそのまま伝送される上り信号の周波数を高くすれ
ば、この上り信号と同一周波数の雑音が外部の双方向C
ATVシステムに送出されるのを抑制できる。
【0027】一方、本発明の棟内CATVシステムは、
外部の双方向CATVシステムに接続されて、そのシス
テムのセンタ装置との間で上り・下りの各信号を双方向
に送受信するものであるが、例えば、外部の双方向CA
TVシステムが放送衛星(BS)や通信衛星(CS)か
らの放送信号の配信を行わない場合、これらの放送信号
を受信したい加入者は、受信用のアンテナ(パラボラア
ンテナ・平面アンテナ等)をベランダ等に個別に設置し
なければならない。
【0028】そこで、こうした双方向CATVシステム
に接続される棟内CATVシステムでは、建造物に所望
の放送信号を受信する受信アンテナを設置し、その受信
アンテナからの受信信号を、伝送線を介して、外部の双
方向CATVシステムからの下り信号と共に各端末端子
まで伝送できるように構成するとよい。つまり、このよ
うにすれば、外部の双方向CATVシステムがBS,C
S等の放送信号の配信を行わない場合でも、棟内CAT
Vシステムの加入者は、個別に受信アンテナを設置する
ことなくこれらの放送を視聴できるようになり、加入者
へのサービスを向上できる。
【0029】次に、基準信号発生装置において、基準信
号送出手段から伝送線上に送出される基準信号の信号レ
ベルを調整する信号レベル調整手段としては、例えば、
基準信号発生手段が発生した基準信号を増幅する増幅回
路と、この増幅回路の増幅率を手動で調整するための利
得調整回路とから構成してもよく、或いは、増幅率一定
の増幅回路と、この増幅回路の前段又は後段で基準信号
を減衰させるアッテネータとから構成し、このアッテネ
ータでの基準信号の減衰量を外部操作によって調整でき
るようにしてもよいが、より好ましくは、基準信号発生
手段を、高レベルの基準信号を発生可能な発振回路にて
構成することにより、信号レベル調整手段を、減衰量を
手動で調整可能なアッテネータだけで構成することが望
ましい。つまり、このようにすれば、信号レベル調整手
段を増幅回路を用いて構成する必要がなく、基準信号発
生装置の構成を簡素化して、そのコストを低減できる。
【0030】そして、このように、アッテネータだけで
信号レベル調整手段を構成する場合には、請求項2に記
載のように、信号レベル調整手段を、減衰量を外部操作
により調整可能な一対のアッテネータにて構成し、一方
のアッテネータを、基準信号の最大出力レベル設定用と
して基準信号発生装置の裏面又は内部に配置し、他方の
アッテネータを、基準信号の出力レベル調整用として基
準信号発生装置の表面(例えば操作パネル)に配置する
ようにするとよい。
【0031】つまり、このようにすれば、基準信号発生
装置の工場出荷時等に、装置の裏面若しくは内部に取り
付けられたアッテネータの減衰量を調整することによ
り、基準信号発生装置からの基準信号の最大出力レベル
を設定し、工場出荷後、システム管理者等が装置の表面
に配置されたアッテネータの減衰量を調整することによ
り、基準信号発生装置からの基準信号の出力レベルを、
棟内CATVシステムに適した信号レベルに設定する、
といったことが可能となる。
【0032】一方、請求項3記載のダウンコンバータ
は、本発明(請求項1又は2)の棟内CATVシステム
を構築するためのものであり、基準信号発生手段、基準
信号送出手段、及び基準信号レベル調整手段を内蔵して
いる。つまり、このダウンコンバータは、上述の基準信
号発生装置として機能する。
【0033】そして、このダウンコンバータにおいて
は、引込線を介して外部の双方向CATVシステムから
入力された下り信号を、下り信号通過経路を介して、建
造物内の伝送線上に送出すると共に、周波数変換手段
が、当該ダウンコンバータに内蔵された基準信号発生手
段が発生した基準信号を用いて、棟内上り信号を元の上
り信号に周波数変換し、その周波数変換後の上り信号
を、引込線上に送出し、更に、基準信号送出手段が、基
準信号発生手段が発生した基準信号を伝送線上に送出す
る。また、このように伝送線上に送出される基準信号の
信号レベルは、基準信号レベル調整手段を介して自由に
調整できる。
【0034】従って、このダウンコンバータを用いれ
ば、本発明の棟内CATVシステムを容易に構築でき
る。また、このダウンコンバータによれば、内蔵した基
準信号発生手段からの基準信号を用いて棟内上り信号を
元の上り信号に周波数変換することから、ダウンコンバ
ータ自体が故障しない限りは、棟内上り信号を元の上り
信号に周波数変換することができるようになり、基準信
号発生手段、基準信号送出手段及び基準信号レベル調整
手段を内蔵した専用の基準信号発生装置を用いてシステ
ムを構築した場合に比べて、システム構成を簡素化し、
且つシステム全体のコストダウンを図ることができる。
【0035】つまり、専用の基準信号発生装置を用いて
伝送線上に基準信号を送出するようにした場合、ダウン
コンバータには、この装置から伝送線を介して伝送され
てきた基準信号を抽出する回路を設ける必要があり、し
かも、伝送線には、基準信号発生装置を設けなければな
らないが、請求項3記載のダウンコンバータを用いれ
ば、基準信号発生装置を別途設ける必要がなく、しか
も、ダウンコンバータに基準信号抽出用の回路を設ける
必要がないので、システム構成を簡素化し、システム全
体のコストダウンを図ることができるようになるのであ
る。
【0036】尚、このようにダウンコンバータに基準信
号発生装置としての機能を組み込み、ダウンコンバータ
を、アップコンバータに対する基準信号の発信源とする
場合、ダウンコンバータ内の基準信号発生手段が発生し
た基準信号をそのままの周波数で伝送線上に送出するよ
うにしてもよいが、例えば、基準信号送出手段が、基準
信号発生手段が発生する基準信号を分周又は逓倍するこ
とにより伝送用の基準信号を生成し、その基準信号を伝
送線上に送出するように構成してもよい。
【0037】つまり、このようにしても、ダウンコンバ
ータからは、周波数変換手段が棟内上り信号を周波数変
換するのに用いた基準信号に対応する特定周波数の基準
信号を送出することができ、アップコンバータ側で、こ
の基準信号を逓倍又は分周することにより元の基準信号
を復元するようにすれば、ダウンコンバータとアップコ
ンバータとで周波数変換に用いる基準信号を一致させる
ことができる。
【0038】また、ダウンコンバータにおいて、周波数
変換手段は、基準信号発生手段が発生した基準信号を用
いて棟内上り信号を上り信号に周波数変換するが、基準
信号発生手段が発生する基準信号の周波数を低周波に設
定した場合には、棟内上り信号を元の上り信号に周波数
変換できないことから、基準信号から周波数変換用の高
周波信号を生成し、これと棟内上り信号とを混合するこ
とにより、棟内上り信号を元の上り信号に周波数変換す
ることになる。尚、この場合、アップコンバータ側でも
同様に基準信号から周波数変換用の高周波信号を生成す
ることになる。
【0039】そして、このように、周波数変換手段が、
基準信号発生手段が発生した基準信号を用いて周波数変
換用の高周波信号を生成する場合には、基準信号送出手
段を、周波数変換手段が生成した周波数変換用の高周波
信号を分周又は逓倍することにより伝送用の基準信号を
生成し、その基準信号を伝送線上に送出するように構成
してもよい。つまり、このようにしても、ダウンコンバ
ータとアップコンバータとで周波数変換に用いる基準信
号を一致させることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。図1は、本発明が適用された実施例の棟内
CATVシステム全体の構成を表す構成図である。
【0041】図1に示す如く、本実施例の棟内CATV
システムは、外部の双方向CATVシステムの伝送線
(CATV伝送線)2から分岐装置4を介して分岐され
た引込線6を、保安器8を介して、マンション,アパー
ト等の建造物内に引き込み、その建造物内に配線された
同軸ケーブルからなる伝送線L、及び、この伝送線Lに
設けられた双方向増幅器12,分岐器14,分配器16
等を介して、引込線6から入力された双方向CATVシ
ステムの下り信号(伝送周波数帯:70MHz〜770
MHz)を、建造物内の各加入者宅に設置された直列ユ
ニット等からなる複数の端末端子18まで伝送すると共
に、加入者側の各種端末装置から後述のアップコンバー
タ20を介して端末端子18に入力された棟内上り信号
を、引込線6まで伝送するものである。
【0042】そして、本実施例の棟内CATVシステム
では、加入者側で、外部の双方向CATVシステムのセ
ンタ装置を介してインターネットを楽しむ場合や、セン
タ装置に対して有料番組の視聴予約やテレビショッピン
グ等のためのデータを送信する際には、その加入者側の
端末端子18に、アップコンバータ20及びケーブルモ
デム22を介して、データ通信用の情報端末装置(パー
ソナルコンピュータ等)24を接続する。
【0043】この結果、情報端末装置24から出力され
たデータ通信用の送信データは、ケーブルモデム22に
て、外部の双方向CATVシステムで伝送可能な所定周
波数帯(本実施例では、10MHz〜55MHz)の上
り信号に変換され、更に、この上り信号は、アップコン
バータ20にて、所定周波数帯(本実施例では、821
MHz〜866MHz)の棟内上り信号に周波数変換さ
れて、端末端子18に入力される。
【0044】このため、棟内CATVシステムの伝送線
Lと、外部の双方向CATVシステムからの引込線6と
の接続部分には、各端末端子18から伝送線Lを介して
伝送されてきた棟内上り信号を、外部の双方向CATV
システムで伝送可能な元の上り信号に周波数変換するた
めのダウンコンバータ10が設けられている。
【0045】尚、図1において、符号26は、アップコ
ンバータ20が接続されない端末端子18(若しくはア
ップコンバータ20に設けられた下り信号の出力端子)
に接続され、伝送線Lを介して伝送されてきた外部の双
方向CATVシステムからの下り信号を受信して、所望
チャンネルのテレビ放送を復調・再生するテレビ受信機
を表す。
【0046】次に、本実施例の棟内CATVシステムで
用いられるダウンコンバータ10,双方向増幅器12,
及びアップコンバータ20の夫々の構成を、図2を用い
て説明する。「ダウンコンバータ」図2に示すように、
ダウンコンバータ10には、外部の双方向CATVシス
テムからの引込線6を接続するための外部接続端子T1
と、建造物10内の伝送線Lを接続するための内部接続
端子T2とが備えられている。
【0047】そして、外部接続端子T1に入力された下
り信号は、ハイパスフィルタ(以下、HPFと記載す
る)31を介して、一旦、ダウンコンバータ10内に取
り込まれ、ローパスフィルタ(以下、LPFと記載す
る)32,HPF33,及び内部接続端子T2を介し
て、端末側の伝送線L上に送出される。
【0048】尚、HPF31は、下り信号を通過させ、
周波数変換後の上り信号の通過を阻止するためのもので
あり、カットオフ周波数が例えば70MHzに設定され
ている。また、LPF32は、下り信号を通過させ、周
波数変換前の棟内上り信号の通過を阻止するためのもの
であり、カットオフ周波数が例えば770MHzに設定
されている。また、HPF33は、下り信号よりも周波
数が低い後述の基準信号が通過するのを阻止するための
ものであり、カットオフ周波数が例えば70MHzに設
定されている。従って、本実施例のダウンコンバータ1
0においては、HPF31と,LPF32と、HPF3
3とにより、本発明の下り信号通過経路が形成されるこ
とになる。
【0049】次に、内部接続端子T2に入力される端末
側からの棟内上り信号は、HPF33及びHPF34を
介して、アップコンバータ20内に取り込まれる。HP
F34は、LPF32から出力される下り信号の回り込
みを防止し、棟内上り信号のみを選択的に取り込むため
のものであり、カットオフ周波数が例えば821MHz
に設定されている。そして、HPF34を介してダウン
コンバータ10内に取り込まれた棟内上り信号は、周波
数変換用のミキサ35に入力される。
【0050】ミキサ35は、PLL回路38により発振
周波数が一定(例えば876MHz)に制御された周波
数可変型の局部発振回路36からの信号(周波数変換用
の高周波信号)を受けて、棟内上り信号を、双方向CA
TVシステム用の上り信号に周波数変換するものであ
る。そして、このミキサ35にて周波数変換された上り
信号は、増幅回路39にて所定レベルまで増幅された
後、LPF40及び外部接続端子T1を介して、引込線
6側に送出される。尚、LPF40は、外部接続端子T
1に入力された下り信号の通過を阻止し、周波数変換後
の上り信号のみを通過させるためのものであり、そのカ
ットオフ周波数は、例えば55MHzに設定されてい
る。
【0051】一方、PLL回路38は、局部発振回路3
6から出力される周波数変換用の高周波信号と基準信号
との位相が一致するように局部発振回路36の発振周波
数を制御するためのものであるが、本実施例では、この
PLL回路38が局部発振回路36の発振周波数を制御
するのに用いる基準信号を、ダウンコンバータ10内の
基準発振回路37にて生成するようにされている。尚、
この基準発振回路37は、本発明の基準信号発生手段と
して機能するものである。
【0052】そして、基準発振回路37は、下り信号の
伝送周波数帯よりも周波数が低い一定周波数(70MH
z未満)の基準信号を発生し、PLL回路38は、この
基準信号を分周すると共に、局部発振回路36からの出
力を分周し、これら分周後の各信号の位相を一致させる
ための制御信号を生成して、局部発振回路36に出力す
ることで、局部発振回路36からの出力を、基準信号に
対応した一定周波数(876MHz)に制御する。
【0053】また、基準発振回路37が発生した基準信
号を内部接続端子T2から伝送線L上に送出するため
に、基準発振回路37の出力端子には、PLL回路38
だけでなく、基準信号のみを通過させる狭帯域のバンド
パスフィルタ(以下、BPFと記載する)41が接続さ
れている。そして、このBPF41を通過した基準信号
は、アッテネータ(ATT)43、LPF42、及び内
部接続端子T2を介して、伝送線L上に送出される。
【0054】尚、LPF42のカットオフ周波数は、例
えば70MHzに設定されており、伝送線Lを介して内
部接続端子T2に入力される棟内上り信号やHPF33
から内部接続端子T2を介して伝送線L上に送出される
下り信号が、BPF41側に回り込むのを阻止できるよ
うにされている。
【0055】そして、本実施例では、このLPF42と
BPF41とアッテネータ(ATT)43と内部接続端
子T2とが、本発明の基準信号送出手段として機能し、
棟内上り信号を基準信号を用いて上り信号に周波数変換
するために設けられた局部発振回路36、PLL回路3
8、及びミキサ35が、本発明の周波数変換手段として
機能する。
【0056】次に、アッテネータ43は、外部操作によ
って減衰量を調整可能な減衰量可変型のアッテネータで
あり、本発明の基準信号レベル調整手段としても機能す
る。そして、このアッテネータ43は、図3に示すよう
に、基準信号が通過する伝送路に所謂L型の可変減衰回
路43a、43bを前・後2段直列に接続することによ
り構成されている。
【0057】尚、各可変減衰回路43a,43bは、基
準信号の伝送路に直列に接続された抵抗R11,R21
と、一端が各抵抗R11,R12の下流側に接続され、
他端が抵抗R12,R22を介して接地された可変抵抗
VR1,VR2とを備え、可変抵抗VR1,VR2の可
動接点を各抵抗R11,R12の上流側に接続すること
により構成されている。このため、各可変減衰回路43
a,43bは、可変抵抗(所謂ボリューム)VR1,V
R2を外部から操作することにより、基準信号に対する
減衰量を調整できる。
【0058】そして、これら一対の可変減衰回路43
a,43bの内、上流側の可変減衰回路43aを構成す
る可変抵抗VR1は、ダウンコンバータ10の操作パネ
ルに外部に露出するように配置され、下流側の可変減衰
回路43bを構成する可変抵抗VR2は、外部から操作
し難いようにダウンコンバータ10の裏面パネルに配置
されている。尚、この可変抵抗VR2は、ダウンコンバ
ータ10の筐体内部に配置してもよい。 「双方向増幅器」次に、双方向増幅器12には、図2に
示すように、伝送線Lを介してダウンコンバータ10の
内部接続端子T2に接続される入力端子T3と、双方向
増幅器12よりも端末側の伝送線Lに接続するための出
力端子T4とが備えられている。
【0059】そして、ダウンコンバータ10の内部接続
端子T2から伝送線Lを介して入力端子T3に入力され
る下り信号及び基準信号は、LPF51を介して、双方
向増幅器12内に取り込まれる。またこれら各信号の
内、下り信号は、HPF52を介して、増幅回路53に
入力され、この増幅回路53にて所定レベルまで増幅さ
れた後、HPF54,LPF55及び出力端子T4を介
して、端末側の伝送線L上に送出され、基準信号は、L
PF59,LPF60,LPF55及び出力端子T4を
介して、端末側の伝送線L上に送出される。
【0060】ここで、入力端子T3に接続されるLPF
51は、双方向増幅器12内を通過した棟内上り信号が
下り信号や基準信号と共に出力端子T4側に回り込むの
を阻止し、ダウンコンバータ10側より入力端子T3に
入力された下り信号及び基準信号だけを通過させるため
のものであり、カットオフ周波数が例えば770MHz
に設定されている。
【0061】また、増幅回路53の前段及び後段に夫々
設けられるHPF52及びHPF54は、基準信号の通
過を阻止し、下り信号だけを通過可能とする下り信号通
過経路を形成するためのものであり、カットオフ周波数
が例えば70MHzに設定されている。
【0062】また、LPF59及びLPF60は、下り
信号の通過を阻止し、基準信号だけを通過可能とする基
準信号通過経路を形成するためのものであり、これらの
カットオフ周波数は例えば70MHzに設定されてい
る。また、出力端子T4に接続されるLPF55は、端
末側の伝送線Lから出力端子T4に入力される棟内上り
信号が、HPF54を通って増幅回路53側に回り込む
のを阻止し、HPF54及びLPF60を通過した下り
信号及び基準信号を出力端子T4側に通過させるための
ものであり、カットオフ周波数が例えば770MHzに
設定されている。
【0063】次に、端末側の伝送線Lから出力端子T4
に入力される棟内上り信号は、HPF56を介して、増
幅回路57に入力され、この増幅回路57にて所定レベ
ルまで増幅された後、HPF58,入力端子T3を介し
て、ダウンコンバータ10側の伝送線上に送出される。
【0064】尚、増幅回路57の前段及び後段に夫々設
けられるHPF56及びHPF58は、下り信号や基準
信号が増幅回路57内に侵入するのを阻止し、棟内上り
信号だけを通過可能とする棟内上り信号通過経路を形成
するためのものであり、これらのカットオフ周波数は例
えば821MHzに設定されている。「アップコンバー
タ」図2に示すように、アップコンバータ20には、同
軸ケーブル等を介して端末端子18に接続するための第
1接続端子T5と、上り信号を出力してくるケーブルモ
デム22等の通信用端末装置に接続するための第2接続
端子T6と、テレビ受像機26等の再生用端末装置に接
続するための第3接続端子T7とが備えられている。
【0065】そして、端末端子18から第1接続端子T
5に入力された下り信号は、HPF71を介して、アッ
プコンバータ20内に取り込まれ、LPF72及び第3
接続端子T7を介して、テレビ受像機26等の再生用端
末装置に出力される。また、LPF72から第3接続端
子T7に至る下り信号の通過経路上には、下り信号の一
部を分岐させる方向性結合器からなる分岐回路73が設
けられており、この分岐回路73にて分岐された下り信
号は、方向性結合器からなる混合回路74を介して、第
2接続端子T6まで導かれ、第2接続端子T6からケー
ブルモデム22等の通信用端末装置に出力される。
【0066】尚、HPF71は、端末端子18から第1
接続端子T5に入力された基準信号の通過を阻止し、下
り信号及び周波数変換後の棟内上り信号を通過させるた
めのものであり、カットオフ周波数が例えば70MHz
に設定されている。また、LPF72は、周波数変換後
の棟内上り信号の通過を阻止し、第1接続端子T5に入
力された下り信号のみを通過させるためのものであり、
カットオフ周波数が例えば770MHzに設定されてい
る。従って、本実施例のアップコンバータ20には、H
PF71,LPF72,分岐回路73,及び混合回路7
4によって、下り信号通過経路が、2系統形成されてい
ることになる。
【0067】次に、ケーブルモデム22等の通信用端末
装置から第2接続端子T6に入力された上り信号は、混
合回路74を通って、周波数変換用のミキサ75に入力
される。ミキサ75は、PLL回路79により発振周波
数が一定(例えば876MHz)に制御された周波数可
変型の局部発振回路76からの信号を受けて、上り信号
を棟内上り信号に周波数変換するものである。
【0068】そして、このミキサ75にて周波数変換さ
れた棟内上り信号は、増幅回路77にて所定レベルまで
増幅された後、HPF78,HPF71及び第1接続端
子T5を介して、端末端子18側に送出される。尚、H
PF78は、第1接続端子T5に入力された下り信号の
通過を阻止し、周波数変換後の棟内上り信号のみを通過
させるためのものであり、そのカットオフ周波数は、例
えば821MHzに設定されている。
【0069】一方、PLL回路79は、局部発振回路7
6から出力される周波数変換用の信号と基準信号との位
相が一致するように局部発振回路76の発振周波数を制
御するためのものである。そして、この基準信号は、ダ
ウンコンバータ10内の基準発振回路37にて生成さ
れ、ダウンコンバータ10から伝送線L及び双方向増幅
器12等の各種伝送用機器を介して各加入者側の端末端
子18まで伝送されてくる。
【0070】このため、アップコンバータ20には、端
末端子18を介して第1接続端子T5に入力された基準
信号を選択的に取り込み、PLL回路79に入力するた
めに、LPF80及びBPF81が設けられ、これら各
フィルタ(LPF80,BPF81)により抽出した基
準信号を、周波数変換用の基準信号として、PLL回路
79に入力するようにされている。
【0071】尚、LPF80は、第1接続端子T5に入
力された下り信号や周波数変換後の棟内上り信号が通過
するのを阻止し、第1接続端子T5に入力された基準信
号のみを取り込むためのものであり、そのカットオフ周
波数は例えば70MHzに設定されている。また、BP
F81は、LPF80を通過した信号の内、基準信号の
みをPLL回路79に入力できるようにするためのもの
であり、基準信号の周波数に対応した狭帯域のBPFと
して構成されている。
【0072】また、PLL回路79は、ダウンコンバー
タ10に設けられたPLL回路38と同様、BPF81
から入力される基準信号を分周すると共に、局部発振回
路76からの出力を分周し、これら分周後の各信号の位
相を一致させるための制御信号を生成して、局部発振回
路76に出力することで、局部発振回路76からの出力
を、基準信号に対応した一定周波数(876MHz)に
制御する。
【0073】以上説明したように、本実施例の棟内CA
TVシステムにおいては、アップコンバータ20にて周
波数変換された棟内上り信号を、ダウンコンバータ10
にて元の上り信号に正確に周波数変換できるようにする
ために、ダウンコンバータ10内に基準信号発生手段と
しての基準発振回路37を設け、この基準発振回路37
が発生した基準信号を、伝送線Lを介して加入者側の各
端末端子18まで伝送するようにされている。
【0074】このため、本実施例の棟内CATVシステ
ムによれば、各端末端子18に接続されるアップコンバ
ータ20がケーブルモデム22等の通信用端末装置から
出力される上り信号を棟内上り信号に周波数変換するの
に使用する基準信号と、ダウンコンバータ10が棟内上
り信号を元の上り信号に周波数変換するのに使用する基
準信号とを一致させることができ、ダウンコンバータ1
0側で棟内上り信号から元の上り信号を正確に復元し
て、外部の双方向CATVシステムの伝送線2に送出す
ることができる。
【0075】また、ダウンコンバータ10において、基
準発振回路37からの基準信号を内部接続端子T2まで
伝送する伝送路上には、BPF41,LPF42からな
る基準信号通過用のフィルタに加えて、外部操作によっ
て減衰量を調整可能なアッテネータ43が設けられてい
る。このため、アッテネータ43を操作することによ
り、ダウンコンバータ10から内部接続端子T2を介し
て伝送線L上に送出される基準信号の信号レベルを調整
できることになり、その信号レベルを、ダウンコンバー
タ10が設置される棟内CATVシステムの規模に対応
した適正レベルに設定できる。
【0076】よって、本実施例の棟内CATVシステム
によれば、端末側に設けられる各アップコンバータに対
して、適正レベルの基準信号を入力することが可能とな
り、基準信号の信号レベルがアップコンバータの許容範
囲から外れて、アップコンバータ側で上り信号を棟内上
り信号に周波数変換できなくなるのを防止できる。
【0077】また、このように、ダウンコンバータ10
は、内部接続端子T2から伝送線L上に送出する基準信
号の信号レベルを調整できることから、伝送線Lの線路
長や分岐器14,分配器16といった伝送機器の数が異
なる棟内CATVシステムで利用することが可能とな
り、その利用範囲を拡大できる。また、加入者の増加、
建造物の増築等によって、棟内CATVシステムの仕様
が変更されても、そのシステムの仕様に応じてダウンコ
ンバータ10を変更する必要がないので、システム変更
に伴い生じる費用を低減することもできる。
【0078】また、本実施例では、ダウンコンバータ1
0からの基準信号の出力レベルを調整するためのアッテ
ネータ43を、L型2段の可変減衰回路43a,43b
から構成し、一方の可変減衰回路43bを構成する可変
抵抗VR2を、ダウンコンバータ10の裏面パネルに設
け、他方の可変減衰回路43aを構成する可変抵抗VR
1を、ダウンコンバータの操作パネルに設けるようにし
ている。
【0079】このため、本実施例によれば、一方の可変
減衰回路43bを、工場出荷時にダウンコンバータ10
からの基準信号の最大出力レベルを設定するための最大
出力レベル設定用とし、他方の可変減衰回路43aを、
工場出荷後に、棟内CATVシステムの管理者等がダウ
ンコンバータ10からの基準信号の出力レベルを調整す
るための信号レベル調整用とすることができ、ダウンコ
ンバータ10からの基準信号の最大出力レベル、及び、
ダウンコンバータ10使用時の基準信号の出力レベル
を、夫々、容易に設定することが可能となる。
【0080】また本実施例において、基準信号の周波数
は、伝送線Lを双方向に流れる下り信号及び棟内上り信
号の伝送周波数帯とは異なることから、これら各伝送信
号の特性が基準信号の影響を受けて劣化するようなこと
はなく、各伝送信号の伝送品質を確保することができ
る。また、基準信号の周波数は、これらの伝送信号の伝
送周波数帯よりも低い周波数に設定されていることか
ら、伝送線Lでの伝送損失は他の伝送信号に比べて小さ
くなり、伝送線Lの線路長や伝送機器の数等によって変
化するアップコンバータ20への基準信号の入力レベル
の変動を抑制できる。
【0081】また本実施例では、基準信号発生装置とし
ての機能をダウンコンバータ10に持たせているので、
基準信号を発生して伝送線L上に送出するための基準信
号重畳用機器を伝送線Lに設置する必要はない。このた
め棟内CATVシステムを実際に構築する際の施工費用
を低減することができる。
【0082】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種
々の態様を採ることができる。例えば、上記実施例で
は、ダウンコンバータ10に、基準発振回路37,BP
F41,アッテネータ43,及びLPF42を設けるこ
とにより、ダウンコンバータ10を基準信号発生装置と
して機能させるものとして説明したが、こうした基準信
号発生装置としての機能は、例えば、図4(a)に示す
ように、ダウンコンバータ10とは別体で構成した基準
発振回路37と信号挿入器28とからなる基準信号重畳
用機器にて実現してもよい。
【0083】尚、信号挿入器28は、基準信号送出手段
及び基準信号レベル調整手段としての機能を実現するた
めのものであり、図4(b)に示すように、基準発振回
路37から基準信号入力端子Tinに入力された基準信号
を、減衰量可変型のアッテネータ94及び95と、例え
ばカットオフ周波数が70MHzのLPF92及び93
と、当該信号挿入器28を伝送線Lに直列に接続するた
めの端子T8及びT9とを介して、端末側及びダウンコ
ンバータ側の伝送線L上に夫々送出し、伝送線Lを流れ
る下り信号及び棟内上り信号については、端子T8−T
9間に設けられたHPF91(カットオフ周波数:例え
ば70MHz)を介して通過させるように構成すればよ
い。
【0084】つまり、信号挿入器28をこのように構成
すれば、基準発振回路37が発生した基準信号をダウン
コンバータ10と端末側のアップコンバータ20とに夫
々伝送でき、しかも、ダウンコンバータ10及びアップ
コンバータ20に入力される基準信号の信号レベルを、
基準信号レベル調整手段としてのアッテネータ94,9
5を介して、夫々、適正レベルに調整できる。
【0085】そして、このように基準信号発生装置をダ
ウンコンバータ10とは別体で構成した際には、図4
(c)に示すように、図2に示したダウンコンバータ1
0から、基準発振回路37及びアッテネータ43を削除
し、伝送線Lから内部接続端子T2に入力された基準信
号を、LPF42,BPF41を介してPLL回路38
に入力するようにすればよい。
【0086】一方、上記実施例では、ダウンコンバータ
10から出力される基準信号の信号レベルを調整するア
ッテネータ43は、抵抗と可変抵抗とで構成されたL型
の可変減衰回路を用いて構成するものとして説明した
が、この種の可変減衰回路では、減衰量調整のために可
変抵抗による分圧抵抗が変化するので、減衰量が調整さ
れることによりアッテネータ43の特性インピーダンス
も変化する。そして、上記実施例では、このアッテネー
タ43が下り信号が流れる伝送路に直接接続されている
ので、アッテネータ43の特性インピーダンスの変化に
よって、伝送路の特性インピーダンスも変化してしま
い、下り信号の伝送特性が低下することも考えられる。
【0087】このため、L型の可変減衰回路を基準信号
レベル調整用のアッテネータとして利用する場合、アッ
テネータの特性インピーダンスの変化に伴い、下り信号
の伝送特性が低下するようであれば、図5に示すよう
に、アッテネータ120を下り信号が流れる伝送路に直
接接続するのではなく、下り信号の伝送路に分岐回路1
30(分配回路でもよい)を設け、アッテネータ120
の一端を、分岐回路130の分岐端子(分配回路であれ
ば分配端子)に接続することにより、アッテネータ12
0を分岐回路(若しくは分配回路)を介して下り信号の
伝送路に接続するようにすればよい。
【0088】そして、このようにすれば、基準発振回路
100からBPF,LPF等からなるフィルタ110を
介して伝送されてきた基準信号を、アッテネータ12
0、分岐回路130、及び、伝送線Lへの接続端子T1
0を介して、伝送線L上に送出することができ、しか
も、アッテネータ120は、分岐回路130を介して下
り信号の伝送路に接続されるので、アッテネータ120
の特性インピーダンスの変化によって下り信号の伝送路
の特性インピーダンスが変化するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の棟内CATVシステムの構成を表す
構成図である。
【図2】 図1のシステムで用いられるダウンコンバー
タ,双方向増幅器,アップコンバータの構成を夫々表す
ブロック図である。
【図3】 図1のシステムで用いられるダウンコンバー
タに組み込まれたアッテネータの構成を表す電気回路図
である。
【図4】 基準信号を信号挿入器を用いて伝送線上に送
出するようにした場合の棟内CATVシステムの説明図
である。
【図5】 下り信号が流れる伝送路へのアッテネータの
接続例を表す説明図である。
【符号の説明】
L…伝送線、6…引込線、8…保安器、10…ダウンコ
ンバータ、12…双方向増幅器、14…分岐器、16…
分配器、18…端末端子、20…アップコンバータ、2
2…ケーブルモデム、24…情報端末装置、26…テレ
ビ受像機、28…信号挿入器、35…ミキサ、36…局
部発振回路、37,100…基準発振回路、38…PL
L回路、31,34,33,91…HPF(ハイパスフ
ィルタ)、32,40,42,92,93…LPF(ロ
ーパスフィルタ)、41…BPF(バンドパスフィル
タ)、43,94,95,120…アッテネータ,11
0…フィルタ、130…分岐回路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部の双方向CATVシステムからの引
    込線を建造物内に引き込み、該建造物内の伝送線を介し
    て、前記引込線から入力された下り信号を建造物内の複
    数の端末端子まで伝送すると共に、 端末装置から出力された前記下り信号よりも周波数が低
    い上り信号を前記下り信号よりも周波数が高い棟内上り
    信号に周波数変換するアップコンバータを介して前記端
    末端子に入力された棟内上り信号を、前記伝送線を介し
    て前記引込線まで伝送し、 更に、前記伝送線と前記引込線との間に設けられたダウ
    ンコンバータを介して、前記棟内上り信号を、前記端末
    装置が出力した元の周波数の上り信号に周波数変換し
    て、前記引込線上に送出する棟内CATVシステムにお
    いて、 前記伝送線を上り方向及び下り方向に流れる各種伝送信
    号の周波数とは異なる周波数で一定周波数の基準信号を
    発生する基準信号発生手段と、 該基準信号発生手段が発生した基準信号を前記伝送線上
    に送出する基準信号送出手段と、 該基準信号送出手段が前記伝送線上に送出する前記基準
    信号の信号レベルを外部操作により調整するための基準
    信号レベル調整手段と、 を備えた基準信号発生装置を設け、前記端末側のアップ
    コンバータ及び前記引込線側のダウンコンバータが、前
    記一定周波数の基準信号を用いて、前記上り信号及び前
    記棟内上り信号を夫々周波数変換できるようにしたこと
    を特徴とする棟内CATVシステム。
  2. 【請求項2】 前記基準信号発生装置において、前記信
    号レベル調整手段は、減衰量を外部操作により調整可能
    な一対のアッテネータからなり、一方のアッテネータ
    は、前記基準信号の最大出力レベル設定用として当該装
    置の裏面若しくは内部に配置され、他方のアッテネータ
    は、前記基準信号の出力レベル調整用として当該装置の
    表面に配置されていることを特徴とする請求項2記載の
    棟内CATVシステム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の棟内CAT
    Vシステムにおいて、前記引込線と前記伝送線との間に
    設けられるダウンコンバータであって、 前記引込線を介して外部の双方向CATVシステムから
    入力された下り信号を前記伝送線上に送出するための下
    り信号通過経路と、 前記伝送線を流れる前記上り・下りの各信号の周波数と
    は異なる周波数で一定周波数の基準信号を発生する基準
    信号発生手段と、 前記伝送線を介して入力される上り方向の伝送信号の中
    から前記棟内上り信号を取り出し、該棟内上り信号を、
    前記基準信号発生手段が発生した基準信号を用いて前記
    端末装置が出力した元の上り信号に周波数変換し、該周
    波数変換後の上り信号を前記引込線上に送出する周波数
    変換手段と、 該基準信号発生手段が発生した基準信号を前記伝送線上
    に送出する基準信号送出手段と、 該基準信号送出手段が前記伝送線上に送出する前記基準
    信号の信号レベルを外部操作により調整するための基準
    信号レベル調整手段と、 を備えたことを特徴とするダウンコンバータ。
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