JP3415544B2 - 棟内catvシステム、ダウンコンバータ、アップコンバータ、及び増幅装置 - Google Patents

棟内catvシステム、ダウンコンバータ、アップコンバータ、及び増幅装置

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JP3415544B2 JP2000041099A JP2000041099A JP3415544B2 JP 3415544 B2 JP3415544 B2 JP 3415544B2 JP 2000041099 A JP2000041099 A JP 2000041099A JP 2000041099 A JP2000041099 A JP 2000041099A JP 3415544 B2 JP3415544 B2 JP 3415544B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部の双方向CA
TVシステムからの引込線を建造物内に引き込み、建造
物内の伝送線を介して双方向CATVシステムから入力
された下り信号を建造物内の複数の端末装置まで伝送す
ると共に、各端末端子から入力された上り信号を引込線
を介して外部の双方向CATVシステムに送出する棟内
CATVシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の棟内CATVシステムでは、建
造物内の各部で発生した雑音が加入者側の端末端子等を
介して伝送線に重畳される。そして、この雑音の内、上
り信号と同じ周波数成分のものは、流合雑音として、上
り信号と一緒に外部の双方向CATVシステムに出力さ
れてしまう。
【0003】そこで、従来では、外部の双方向CATV
システムへ流出する流合雑音を低減するため、ケーブル
モデム等の加入者側端末装置にて生成された上り信号
(双方向CATVシステムで伝送可能な周波数(例えば
10〜55MHz)の信号)を、アップコンバータに
て、元の周波数よりも高く、しかも、下り信号の伝送周
波数(例えば70〜770MHz)と重複することのな
い、UHF帯(例えば821MHz〜866MHz)の
上り信号(以下、棟内上り信号という)に周波数変換し
て、引込線まで伝送し、棟内の伝送線から引込線へ上り
信号を出力する直前で、棟内上り信号を、ダウンコンバ
ータを用いて、元の周波数(換言すれば、双方向CAT
Vシステムでの上り信号の伝送周波数)に変換すること
が考えられている。
【0004】ところで、このように、棟内CATVシス
テムの端末側で、上り信号を棟内上り信号に周波数変換
し、棟内CATVシステムと外部の双方向CATVシス
テムとの接続点で、棟内上り信号を元の上り信号に周波
数変換するようにした場合、棟内CATVシステムから
外部の双方向CATVシステムに出力される流合雑音を
低減することはできるものの、端末側で周波数変換に用
いられるアップコンバータと、棟内CATVシステムと
外部の双方向CATVシステムとの接続点で周波数変換
に用いられるダウンコンバータとが、夫々、専用の発振
回路からの出力を用いて周波数変換を行うように構成す
ると、各発振回路で得られる周波数変換用の高周波信号
周波数にずれが生じ、ダウンコンバータにおいて、棟
内上り信号を、端末装置が生成した元の上り信号に変換
することができなくなる虞がある。
【0005】そこで、従来では、ダウンコンバータに
て、棟内上り信号から元の上り信号を正確に復元できる
ようにするため、アップコンバータ及びダウンコンバー
タが周波数変換に用いる高周波信号として、双方向CA
TVシステムで下り信号のレベル調整等のために使用さ
れるパイロット信号を用いることも考えられている。つ
まり、アップコンバータ及びダウンコンバータが、双方
向CATVシステム側のパイロット信号を用いて各上り
信号を周波数変換するように構成することで、各コンバ
ータで周波数変換に用いられる高周波信号の周波数を完
全に一致させ、ダウンコンバータ側で、棟内上り信号を
元の上り信号に正確に復元できるようにするのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のよう
に、アップコンバータ及びダウンコンバータが、周波数
変換用の高周波信号として、下り信号に含まれるパイロ
ット信号を用いるように構成すると、双方向CATVシ
ステム側で保守点検等のために一時的にパイロット信号
の送信を停止した場合や、棟内CATVシステムがパイ
ロット信号を伝送しない双方向CATVシステムに接続
された場合に、アップコンバータ及びダウンコンバータ
が正常動作しなくなり、棟内CATVシステムの端末装
置側で生成された上り信号を、双方向CATVシステム
のセンタ装置側に伝送できなくなってしまう。
【0007】本発明はこうした問題に鑑みなされたもの
であり、端末側ではアップコンバータを用いて上り信号
を周波数が高い棟内上り信号に周波数変換し、外部の双
方向CATVシステムに接続される引込線側では、ダウ
ンコンバータを用いて棟内上り信号を元の上り信号に周
波数変換するようにした棟内CATVシステムにおい
て、外部の双方向CATVシステムからの下り信号に重
畳されたパイロット信号を周波数変換用の高周波信号と
して使用することなく、ダウンコンバータにて元の上り
信号を正確に復元できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】かかる目
的を達成するためになされた請求項1に記載の棟内CA
TVシステムにおいては、前述した従来の棟内CATV
システムと同様、外部の双方向CATVシステムから引
込線を介して入力された下り信号を、建造物内の伝送線
を介して複数の端末端子まで伝送すると共に、アップコ
ンバータを介して端末端子に入力された棟内上り信号
を、建造物内の伝送線を介して、外部の双方向CATV
システムからの引込線まで伝送し、しかも、この引込線
から外部の双方向CATVシステムには、引込線と建造
物内の伝送線との間に設けられたダウンコンバータを用
いて棟内上り信号を端末装置が出力した元の周波数の上
り信号に周波数変換した上り信号を送出するようにされ
ている。
【0009】また、本発明の棟内CATVシステムの伝
送線上には、ダウンコンバータにて棟内上り信号を元の
上り信号に正確に周波数変換できるようにするために、
基準信号発生手段と基準信号送出手段とからなる基準信
号重畳用機器が設けられており、この基準信号重畳用機
器では、基準信号発生手段にて、当該システムの伝送線
を上り方向及び下り方向に(換言すれば双方向に)流れ
る各種伝送信号の周波数とは異なる周波数で一定周波数
の基準信号を生成し、この基準信号を、基準信号送出手
により、建造物内の伝送線上に送出する。そして、ア
ップコンバータ及びダウンコンバータは、夫々、PLL
回路を用いて、基準信号重畳用機器を構成している基準
信号送出手段が伝送線上に送出した基準信号から周波数
変換用の高周波信号を生成し、その生成した高周波信号
に基づき上り信号及び棟内上り信号を夫々周波数変換す
る。
【0010】このため、本発明の棟内CATVシステム
によれば、外部の双方向CATVシステムから入力され
る下り信号にパイロット信号が重畳されていない場合で
あっても、ダウンコンバータ及びアップコンバータが共
通の基準信号を用いて、棟内上り信号或いは上り信号を
周波数変換することができるようになり、ダウンコンバ
ータでは、端末装置からアップコンバータに入力された
元の上り信号を正確に復元することが可能となる。
【0011】また特に本発明では、基準信号発生手段が
発生する基準信号の周波数を、当該システムの伝送線を
双方向に流れる各種伝送信号の周波数とは異なる周波数
に設定していることから、当該システムで双方向に伝送
される伝送信号の特性が基準信号の影響を受けて劣化す
るようなことはなく、上り・下りの各信号の伝送品質を
確保することができる。
【0012】また、ダウンコンバータ及びアップコンバ
ータにて、周波数変換のために基準信号を取り出す際に
は、基準信号の周波数に対応したバンドパスフィルタを
用いて、基準信号を簡単且つ正確に取り出すことがで
き、ダウンコンバータやアップコンバータに、基準信号
抽出のための複雑な回路を設ける必要がないため、基準
信号として下り信号に含まれるパイロット信号を使用す
るようにした場合に比べて、ダウンコンバータやアップ
コンバータがコストアップになるといったことはない。
【0013】
【0014】
【0015】ここで、基準信号送出手段が伝送線上に送
出する基準信号の周波数は、当該システムの伝送線を双
方向に流れる各種伝送信号の周波数と重複しない周波数
であればよく、例えば、当該システムにおいて予め設定
されている下り信号の伝送周波数帯と棟内上り信号の伝
送周波数帯との間の周波数帯内、若しくは、棟内上り信
号の伝送周波数帯よりも更に高い周波数帯内の一周波数
に設定してもよい。
【0016】しかし、このような周波数帯内に基準信号
の周波数を設定すると、伝送線上での基準信号の伝送損
失が大きくなり、ダウンコンバータや各端末側に設けら
れた多数のアップコンバータに対して基準信号を良好に
伝送できなくなる虞がある。このため、基準信号送出手
段が伝送線上に送出する基準信号の周波数としては、
求項2に記載のように、当該システムにおいて下り信号
の伝送周波数帯として設定された周波数帯域内で下り信
号とは重複しない周波数に設定するか、或いは、請求項
3に記載のように、伝送線上を上り方向及び下り方向に
流れる各種伝送信号の周波数よりも低い周波数に設定す
るとよい。
【0017】つまり、請求項2に記載のように、伝送線
上を流れる基準信号の周波数を、下り信号の伝送周波数
帯域内に設定すれば、基準信号が伝送線上に設けられる
増幅器を通過する際に下り信号と一緒に増幅されること
になり、基準信号の伝送損失を補うために増幅器等に専
用の増幅回路を組み込むことなく、基準信号を適正なレ
ベルで伝送することができるようになる。
【0018】また、請求項3に記載のように、伝送線上
を流れる基準信号の周波数を、伝送線上を流れる他の伝
送信号(下り信号及び上り信号)の周波数よりも低い周
波数に設定すれば、基準信号の伝送線上での伝送損失を
少なくして、基準信号を良好に伝送できるようになる。
【0019】尚、この場合、基準信号の周波数は、下り
信号の伝送周波数帯域内に設定してもよく、或いは、下
り信号の伝送周波数帯域よりも更に低い周波数に設定し
てもよいが、特に、請求項2と請求項3と組み合わせる
ことにより、基準信号の周波数を下り信号の伝送周波数
帯域内に設定すれば、伝送線上に設けられる増幅器を利
用して基準信号を下り信号と一緒に増幅できるので、基
準信号をより良好に伝送できるようになる。
【0020】また、基準信号の周波数を、下り信号の伝
送周波数帯域よりも低い周波数に設定する場合には、基
準信号の伝送損失を少なくするために、基準信号の周波
数をできるだけ低く設定することが望ましく、具体的に
は、請求項4に記載のように、5MHz〜26MHzの
範囲内に設定するとよい。
【0021】これは、棟内CATVシステムには、下り
信号としてテレビ放送信号のみを伝送するシステム、テ
レビ放送信号に加えてFMラジオ放送信号を伝送するシ
ステム、FMラジオ放送信号及びテレビ放送信号に加え
て音楽等の有線放送信号を伝送するシステム等、下り信
号の伝送周波数帯域が異なる様々なシステムが存在し、
下り信号の伝送周波数帯域の下限周波数が最も低くなる
のは、有線放送を伝送するシステムであるためである。
つまり、このシステムでは、下り信号の伝送周波数帯域
が、例えば26MHz〜770MHzというように、そ
の下限周波数が26MHzであることから、このような
システムでも、基準信号の周波数を、下り信号の伝送周
波数帯域よりも低い周波数に設定して、基準信号の伝送
損失を低減できるようにするには、基準信号の周波数
を、5MHz〜26MHzの範囲内に設定すればよいこ
とになる。
【0022】尚、基準信号の周波数の下限を5MHzと
したのは、現在、棟内CATVシステムで伝送可能な信
号の下限周波数が5MHzであるためであり、例えば、
伝送可能な信号の下限周波数が10MHzのシステムで
あれば、基準信号の周波数を10MHz以上に設定すれ
ばよい。また、将来、伝送可能な信号の下限周波数が5
MHz未満のシステムが実用化されれば、基準信号の周
波数を5MHz未満に設定してもよい。
【0023】また、本発明の棟内CATVシステムは、
端末装置から出力された上り信号をアップコンバータに
て一旦周波数が高い棟内上り信号に周波数変換し、これ
を、システム内の伝送線を介して、引込線側まで伝送す
ることにより、建造物内で発生した雑音が上り信号と共
に外部の双方向CATVシステムに送出されるのを防止
するものであるが、当該システムにおいて伝送線を上り
方向に流すことのできる信号を棟内上り信号のみに制限
すると、端末側のシステム加入者が、端末装置を使っ
て、外部の双方向CATVシステムのセンタ装置との間
で通信を行うためには、必ずアップコンバータを所有し
なければならなくなり、サービスの低下につながる虞が
ある。
【0024】そこで、本発明の棟内CATVシステム
は、請求項5に記載のように、端末装置から出力され、
アップコンバータにて周波数変換されていない低周波数
の上り信号については、引込線までそのまま伝送できる
ように構成することが望ましい。そして、棟内CATV
システムをこのように構成すれば、高周波の棟内上り信
号と低周波の上り信号とを共に上り方向に伝送すること
ができるため、アップコンバータを所有しない加入者で
あっても、端末装置を使って、外部の双方向CATVシ
ステムのセンタ装置との間で通信を行うことが可能とな
り、システム内での通信サービスを向上できる。
【0025】そして、このように棟内上り信号と上り信
号とを共に伝送できるようにする際には、例えば、CA
TVシステムを使ったインタネットのように、高速なデ
ータ伝送が双方向に行われ、伝送品質が要求される通信
には、アップコンバータ及びダウンコンバータを用いて
上り信号を周波数変換するようにし、例えば、電気やガ
スの使用量をセンタ装置側に伝送する自動検針用のデー
タ伝送のように、データ伝送に誤りがあった際にセンタ
装置からの要求によってデータを再送信するようにして
も、使用者が不便を感じることのない通信には、端末装
置からの上り信号を周波数変換することなくそのまま伝
送するようにするとよい。
【0026】但し、このような双方向通信を行う場合、
アップコンバータ及びダウンコンバータを使って伝送さ
れる上り信号と、アップコンバータ及びダウンコンバー
タを用いることなくそのまま伝送される上り信号とを、
互いに異なる周波数に設定する必要はある。
【0027】つまり、棟内CATVシステムにおいて、
上り信号をそのまま伝送するようにした際には、その上
り信号の周波数の雑音成分がそのまま外部の双方向CA
TVシステムに送出されることになるので、この上り信
号とアップコンバータ及びダウンコンバータを使って伝
送される上り信号との周波数を同一周波数に設定する
と、アップコンバータ及びダウンコンバータによる効果
を発揮できないことになる。
【0028】このため、上記のように、棟内CATVシ
ステムにおいて、棟内上り信号と上り信号とを共に伝送
できるようにする際には、棟内上り信号に周波数変換さ
れる上り信号と、周波数変換されることなく伝送線をそ
のまま伝送される上り信号とを、互いに異なる周波数に
設定しなければならない。
【0029】またこのように各上り信号を異なる周波数
に設定する際には、周波数変換されることなく伝送線を
そのまま伝送される上り信号の周波数を、棟内上り信号
に周波数変換される上り信号よりも高くするとよい。つ
まり、建造物内で発生する雑音は、比較的周波数が低い
ことから、上記のように、周波数変換されることなく伝
送線をそのまま伝送される上り信号の周波数を高くすれ
ば、この上り信号と同一周波数の雑音が外部の双方向C
ATVシステムに送出されるのを抑制できる。
【0030】一方、本発明の棟内CATVシステムは、
外部の双方向CATVシステムに接続されて、そのシス
テムのセンタ装置との間で上り・下りの各信号を双方向
に送受信するものであるが、例えば、外部の双方向CA
TVシステムが放送衛星(BS)や通信衛星(CS)か
らの放送信号の配信を行わない場合、これらの放送信号
を受信したい加入者は、受信用のアンテナ(パラボラア
ンテナ・平面アンテナ等)をベランダ等に個別に設置し
なければならない。
【0031】そこで、こうした双方向CATVシステム
に接続される棟内CATVシステムでは、請求項6に
載のように、建造物に所望の放送信号を受信する受信ア
ンテナを設置し、その受信アンテナからの受信信号を、
伝送線を介して、外部の双方向CATVシステムからの
下り信号と共に各端末端子まで伝送できるように構成す
るとよい。つまり、請求項7記載の棟内CATVシステ
ムによれば、外部の双方向CATVシステムがBS,C
S等の放送信号の配信を行わない場合でも、棟内CAT
Vシステムの加入者は、個別に受信アンテナを設置する
ことなくこれらの放送を視聴できるようになり、加入者
へのサービスを向上できる。
【0032】次に、請求項7に記載のダウンコンバータ
は、請求項1に記載の棟内CATVシステムにおいて、
基準信号送出手段から伝送線上に送出された一定周波数
の基準信号を用いて、棟内上り信号を元の上り信号に周
波数変換するためのものである。そして、このダウンコ
ンバータにおいては、引込線を介して外部の双方向CA
TVシステムから入力された下り信号を、第1下り信号
通過経路を介して、建造物内の伝送線上に送出する。
【0033】また、このダウンコンバータにおいては、
第1基準信号抽出手段が、伝送線を介して入力される上
り方向の伝送信号の中から、基準信号送出手段が送出し
た一定周波数の基準信号を抽出し、第1周波数変換手段
が、PLL回路を用いて、その抽出した基準信号から周
波数変換用の高周波信号を生成すると共に、伝送線を介
して入力される上り方向の伝送信号の中から棟内上り信
号を取り出し、その棟内上り信号と基準信号から生成し
た周波数変換用の高周波信号とを混合することにより、
棟内上り信号を端末装置が出力した元の上り信号に周波
数変換し、その周波数変換後の上り信号を、引込線側に
送出する。
【0034】このため、請求項7に記載のダウンコンバ
ータによれば、引込線を介して外部の双方向CATVシ
ステムから入力された下り信号を端末側に伝送できると
共に、端末側よりアップコンバータを介して伝送されて
きた棟内上り信号を、元の周波数の上り信号に周波数変
換して、外部の双方向CATVシステムに送出すること
ができる。
【0035】ところで、請求項7に記載のダウンコンバ
ータでは、基準信号送出手段から伝送線上に送出された
基準信号を第1基準信号抽出手段にて抽出し、これを用
いて棟内上り信号を元の上り信号に周波数変換するが、
例えば、伝送線上に基準信号を送出する基準信号送出手
段や基準信号を発生する基準信号発生手段が故障した
り、或いは保守点検等のために一時的に動作を停止して
いるときには、伝送線に基準信号が流れず、棟内上り信
号を周波数変換することができなくなる。
【0036】そこで、請求項7に記載のダウンコンバー
タにおいては、更に、請求項8に記載のように、第1基
準信号抽出手段にて基準信号を抽出できたか否かを判定
する第1判定手段を設け、この第1判定手段にて基準信
号を抽出できないと判定された際には、第1特定伝送信
号抽出手段にて、第1下り信号通過経路を流れる下り信
号の中から、周波数が固定された特定伝送信号(例えば
前述のパイロット信号等)を抽出し、この特定伝送信号
を基準信号として、第1周波数変換手段に出力するよう
にするとよい。
【0037】つまり、ダウンコンバータをこのように構
成すれば、伝送線上に設けた基準信号送出手段や基準信
号発生手段が正常動作していない時に、下り信号に含ま
れるパイロット信号等の特定伝送信号を用いて棟内上り
信号を周波数変換することができるようになる。
【0038】従って、このダウンコンバータを、下り信
号の一つとしてパイロット信号等の特定伝送信号が伝送
される双方向CATVシステムに接続される棟内CAT
Vシステムに適用すれば、ダウンコンバータが棟内上り
信号を元の上り信号に周波数変換できなくなる確率(換
言すれば棟内CATVシステムにおいて上り信号を棟内
上り信号として伝送できなくなる確率)を少なくするこ
とができる。
【0039】尚、ダウンコンバータをこのように構成し
た際には、端末側に設けられるアップコンバータについ
ても、下り信号に含まれるパイロット信号等の特定伝送
信号を用いて上り信号を棟内上り信号に周波数変換でき
るようにする必要があり、このためには、アップコンバ
ータを、後述の請求項13に記載のように構成すればよ
い。
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】次に、請求項9に記載のダウンコンバータ
は、前述した請求項7又は請求項8記載のダウンコンバ
ータに対して、更に、伝送線を介して入力される上り方
向の伝送信号の内、アップコンバータにて周波数変換さ
れていない低周波数の上り信号を引込線上に送出するた
めの第1上り信号通過経路を設けたものである。
【0049】そして、この請求項9に記載のダウンコン
バータによれば、端末側からアップコンバータを使用す
ることなく伝送されてきた低周波数の上り信号をそのま
ま引込線上に送出できることから、請求項5に記載の棟
内CATVシステムを構築することができる。
【0050】また次に、請求項10に記載のダウンコン
バータは、前述した請求項7〜請求項9いずれか記載の
ダウンコンバータにおいて、第1下り信号通過経路に、
この経路を通過する下り信号を増幅する下り信号増幅手
段を設けると共に、第1周波数変換手段への棟内上り信
号の入力経路又は第1周波数変換手段からの上り信号の
出力経路に、その経路を通過する棟内上り信号又は上り
信号を増幅する上り信号増幅手段を設けたものである。
【0051】そして、この請求項10に記載のダウンコ
ンバータによれば、ダウンコンバータを通過する下り信
号及び上り信号を夫々増幅することができ、増幅装置と
しての機能を有することになるので、棟内CATVシス
テムにおいて通常用いられる伝送信号増幅用の増幅装置
を不要とすることができる。
【0052】よって、このダウンコンバータを用いれ
ば、棟内CATVシステムを構築する際の伝送用機器
(詳しくは増幅装置)を削減でき、棟内CATVシステ
ムの施工費用を低減することができる。次に、請求項1
1に記載のダウンコンバータは、請求項6記載の棟内C
ATVシステムをより簡単に構築できるようにするため
になされたものであり、建造物に設置された受信アンテ
ナからの受信信号を入力する受信信号入力端子と、この
受信信号入力端子に入力された受信信号を下り信号と共
に伝送線上に送出するための受信信号通過経路とを備え
る。
【0053】即ち、外部の双方向CATVシステムから
の下り信号だけでなく、建造物に設置した受信アンテナ
からの受信信号をも端末側に伝送する棟内CATVシス
テムを構築する場合、外部の双方向CATVシステムか
らの下り信号と受信アンテナからの受信信号とを混合器
等で混合して、端末側の伝送線上に送出する必要がある
が、このような混合器を棟内CATVシステムに設ける
のは、コストアップとなる。
【0054】しかし、請求項11に記載のダウンコンバ
ータによれば、外部の双方向CATVシステムからの下
り信号だけでなく、受信信号入力端子に入力された受信
アンテナからの受信信号についても、端末側に出力する
ことができる。従って、請求項6記載の棟内CATVシ
ステムを構築する場合に、この請求項11に記載のダウ
ンコンバータを使用するようにすれば、受信アンテナか
らの受信信号と下り信号とを混合するための混合器を伝
送線上に別途設ける必要がなく、棟内CATVシステム
を構築するに当たって必要な経費を低減することができ
るようになる。
【0055】一方、請求項12に記載のアップコンバー
タは、請求項1〜請求項6いずれか記載の棟内CATV
システムにおいて、端末装置から出力された上り信号を
棟内上り信号に周波数変換し、その周波数変換後の棟内
上り信号を端末端子を介して伝送線上に送出するための
ものである。そして、このアップコンバータにおいて
は、伝送線を介して端末端子まで伝送されてきた下り信
号を、第2下り信号通過経路を介して、端末装置側に送
出する。
【0056】また、このアップコンバータにおいては、
第2基準信号抽出手段が、伝送線を介して端末端子まで
伝送されてきた下り方向の伝送信号の中から、基準信号
送出手段が送出した一定周波数の基準信号を抽出し、
2周波数変換手段が、PLL回路を用いて、その抽出さ
れた基準信号から周波数変換用の高周波信号を生成し、
その生成した高周波信号と端末装置から出力された上り
信号とを混合することにより、上り信号を棟内上り信号
に周波数変換し、その周波数変換後の棟内上り信号を、
端末端子を介して棟内CATVシステムの伝送線上に送
出する。
【0057】このため、請求項12に記載のアップコン
バータによれば、伝送線を介して端末端子まで伝送され
てきた下り信号を端末装置に入力できると共に、端末装
置から出力された上り信号を、棟内上り信号に周波数変
換して、端末端子から伝送線上に送出することができ
る。
【0058】また、この請求項12に記載のアップコン
バータにおいては、伝送線を介して端末端子まで伝送さ
れてきた下り方向の伝送信号の中から、基準信号送出手
段が送出した一定周波数の基準信号を抽出し、これを用
いて上り信号を棟内上り信号に周波数変換することか
ら、本発明(請求項1〜請求項6)の棟内CATVシス
テムを構築するに当たって、前述の請求項7〜請求項1
いずれか記載のダウンコンバータと組み合わせて使用
することにより、ダウンコンバータ側で棟内上り信号を
元の上り信号に高精度に復元させることが可能となる。
【0059】次に、請求項13に記載のアップコンバー
タは、前述の請求項8に記載のダウンコンバータと同
様、伝送線上に設けた基準信号送出手段や基準信号発生
手段が正常動作していない時に、下り信号に含まれるパ
イロット信号等の特定伝送信号を用いて上り信号を棟内
上り信号に周波数変換できるようにしたものであり、上
述した請求項12に記載のアップコンバータに対して、
更に、第2基準信号抽出手段にて基準信号を抽出できた
か否かを判定する第2判定手段を設け、この第2判定手
段にて基準信号を抽出できないと判定されると、第2特
定伝送信号抽出手段にて、第2下り信号通過経路を流れ
る下り信号の中から、周波数が固定された特定伝送信号
を抽出し、この特定伝送信号を基準信号として第2周波
数変換手段に出力するようにされている。
【0060】従って、請求項13に記載のアップコンバ
ータによれば、基準信号送出手段及び基準信号発生手段
としての機能を有する基準信号重畳用機器を伝送線に接
続した棟内CATVシステムを構築する際に、前述の
求項8に記載のダウンコンバータと一緒に使用すること
により、端末装置から出力された上り信号を外部の双方
向CATVシステムまで伝送できなくなる確率を少なく
することができる。
【0061】
【0062】
【0063】一方、請求項14に記載の増幅装置は、本
発明(請求項1〜請求項6)の棟内CATVシステムの
伝送線上に設けられて、この伝送線を流れる伝送信号を
増幅するためのものである。そして、この増幅装置に
は、伝送線を介してダウンコンバータ側から伝送されて
きた下り信号を端末側に送出するための第3下り信号通
過経路と、伝送線を介して端末側より伝送されてきた棟
内上り信号をダウンコンバータ側に送出するための棟内
上り信号通過経路とが形成されており、これら各経路上
に夫々設けられた下り信号増幅手段及び棟内上り信号増
幅手段によって、下り信号及び棟内上り信号を夫々増幅
するようにされている。
【0064】また、この増幅装置には、上記2種類の経
路に加えて、ダウンコンバータ側の伝送線と端末側の伝
送線とを基準信号が通過可能に接続する第1基準信号通
過経路が形成されている。これは、本発明(請求項1〜
請求項6)の棟内CATVシステムにおいて、伝送線上
を流れる基準信号の周波数が、他の伝送信号の伝送周波
数帯とは異なる周波数に設定されている場合、基準信号
は、棟内CATVシステムを構成する増幅装置以外の受
動機器(分岐器や分配器等)ではそのまま通過すること
ができるが、増幅装置では、増幅すべき上り・下りの各
信号を選択的に通過させる経路が形成され、その経路上
に、信号増幅用の回路(増幅手段)が設けられることか
ら、こうした一般的な増幅装置では、基準信号を伝送す
ることができなくなってしまうためである。
【0065】つまり、請求項14に記載の増幅装置で
は、第3下り信号通過経路、下り信号増幅手段、棟内上
り信号通過経路、及び棟内上り信号増幅手段を備えた一
般的な増幅装置に対して、更に、基準信号専用の通過経
路(第1基準信号通過経路)を形成することにより、基
準信号を双方向に伝送できるようにしているのである。
【0066】よって、本発明(請求項1〜請求項6)の
棟内CATVシステムを構築するに当たって、請求項1
4に記載の増幅装置をシステムの伝送線上に設けるよう
にすれば、下り信号及び棟内上り信号を夫々増幅するこ
とができるだけでなく、各コンバータでの周波数変換用
の基準信号を低損失で通過させることができ、各コンバ
ータに対して基準信号を良好に伝送することが可能とな
る。
【0067】尚、上記基準信号通過経路には、基準信号
増幅用の増幅回路を設けるようにしてもよい。そして、
このようにすれば伝送線上で生じる基準信号の伝送損失
を補うことができ、基準信号を良好に伝送することが可
能となる。また、請求項6記載の棟内CATVシステム
では、外部の双方向CATVシステムからの下り信号に
加えて、受信アンテナからの受信信号も、伝送線上を下
り方向に伝送されることになるが、この場合には、受信
信号も下り信号の一種であることから、第3下り信号通
過経路を通過させるようにしてもよく、或いは、第3下
り信号通過経路を、外部の双方向CATVシステムから
の下り信号を通過させる経路と、受信アンテナからの受
信信号を通過させる経路との、2つの経路にて構成して
もよい。
【0068】次に、請求項15に記載の増幅装置は、上
請求項14に記載の増幅装置に対して、更に、ダウン
コンバータ側の伝送線と端末側の伝送線とを、アップコ
ンバータにて周波数変換されていない低周波数の上り信
号が通過可能に接続する第2上り信号通過経路を形成し
たものである。
【0069】そして、この請求項15に記載の増幅装置
によれば、端末側からアップコンバータを使用すること
なく伝送されてきた低周波数の上り信号をそのまま通過
させることができることから、請求項5に記載の棟内C
ATVシステムを構築することができる。
【0070】また次に、請求項16に記載の増幅装置
は、請求項14又は請求項15に記載の増幅装置に対し
て、更に、1又は複数の分岐端子を設けたものであり、
所謂分岐増幅装置を構成している。そして、こうした分
岐増幅装置では、下り信号を端末側の伝送線上に送出す
るだけでなく、分岐端子に接続された伝送線上にも送出
する必要があることから、下り信号増幅手段にて増幅さ
れた下り信号の一部を分岐して分岐端子から出力させる
下り信号分岐手段が設けられている。
【0071】また、端末側より分岐端子に入力された棟
内上り信号についても、ダウンコンバータ側の伝送線上
に送出する必要があることから、分岐端子に入力された
棟内上り信号を、棟内上り信号増幅手段の入力側の棟内
上り信号通過経路まで伝送する棟内上り信号入力手段が
設けられている。
【0072】そして、本発明(請求項1〜請求項6)の
棟内CATVシステムを構築するには、増幅装置の入出
力端子に伝送線を介して接続されるダウンコンバータ及
びアップコンバータだけでなく、伝送線を介して分岐端
子に接続されるアップコンバータに対しても基準信号を
伝送する必要があるので、請求項16に記載の増幅装置
においては、更に、分岐端子と基準信号通過経路とを基
準信号が通過可能に接続する第2基準信号通過経路が形
成されている。
【0073】この結果、請求項16に記載の増幅装置に
よれば、上り・下りの各信号を双方向に増幅可能な分岐
増幅装置としての機能を有するだけでなく、棟内CAT
Vシステムの伝送線に接続される全てのコンバータに基
準信号を伝送することができ、本発明(請求項1〜請求
項6)の棟内CATVシステムを構築するのに最適な分
岐増幅装置となる。
【0074】また、この増幅装置によれば、ダウンコン
バータ側の伝送線に接続される入力端子、端末側の伝送
線に接続される出力端子及び分岐端子が、夫々、第1及
び第2の基準信号通過経路を介して互いに接続され、こ
れら各端子間で基準信号を自由に通過させることができ
る。
【0075】このため、基準信号発生手段及び基準信号
送出手段としての機能を有する基準信号重畳用機器を単
体で構成した際には、その設置位置を自由に選択するこ
とができる。つまり、棟内CATVシステムを構成する
伝送線であれば、増幅装置の入力端子或いは出力端子に
接続される伝送線(幹線)であっても、増幅装置の分岐
端子に接続される伝送線(分岐線)であっても、基準信
号重畳用機器を接続することができる。
【0076】尚、上記請求項14〜請求項16記載の増
幅装置は、本発明(請求項1〜請求項6)の棟内CAT
Vシステムを構築する際に必ず用いる必要はなく、適宜
使用すればよい。例えば、ダウンコンバータとして、上
り・下りの各信号を増幅する増幅手段を備えた請求項1
に記載のダウンコンバータを使用した際には、ダウン
コンバータ単体で上り・下りの各伝送信号の伝送損失を
補償させることが可能であることから、増幅装置を設け
ることなく棟内CATVシステムを構築することができ
る。
【0077】また、基準信号の周波数が下り信号の伝送
周波数帯に設定されている場合には、本発明(請求項1
4〜請求項16)の増幅装置のように基準信号の通過経
路(第2基準信号通過経路)を備えていない一般的な増
幅装置を用いて、本発明の棟内CATVシステムを構築
することもできる。
【0078】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。尚、以下の説明においては、本発明の前提
となる参考例について説明した後、本発明を適用した実
施例について説明することとする。 [参考例] 図1は、この参考例の棟内CATVシステム全体の構成
を表す構成図である。
【0079】図1に示す棟内CATVシステムは、外部
の双方向CATVシステムの伝送線(CATV伝送線)
2から分岐装置4を介して分岐された引込線6を、保安
器8を介して、マンション,アパート等の建造物内に引
き込み、その建造物内に配線された同軸ケーブルからな
る伝送線L、及び、この伝送線Lに設けられた双方向増
幅器12,分岐器14,分配器16等を介して、引込線
6から入力された双方向CATVシステムの下り信号
(伝送周波数帯:70MHz〜770MHz)を、建造
物内の各加入者宅に設置された直列ユニット等からなる
複数の端末端子18まで伝送すると共に、加入者側の各
種端末装置から後述のアップコンバータ20を介して端
末端子18に入力された棟内上り信号を、引込線6まで
伝送するものである。尚、双方向増幅器12は、本発明
の増幅装置に相当する。
【0080】そして、この棟内CATVシステムでは、
加入者側で、外部の双方向CATVシステムのセンタ装
置を介してインタネットを楽しむ場合や、センタ装置に
対して有料番組の視聴予約やテレビショッピング等のた
めのデータを送信する際には、その加入者側の端末端子
18に、アップコンバータ20及びケーブルモデム22
を介して、データ通信用の情報端末装置(パーソナルコ
ンピュータ等)24を接続する。
【0081】この結果、情報端末装置24から出力され
たデータ通信用の送信データは、ケーブルモデム22に
て、外部の双方向CATVシステムで伝送可能な所定周
波数帯(この参考例では、10MHz〜55MHz)の
上り信号に変換され、更に、この上り信号は、アップコ
ンバータ20にて、所定周波数帯(この参考例では、
21MHz〜866MHz)の棟内上り信号に周波数変
換されて、端末端子18に入力される。
【0082】このため、棟内CATVシステムの伝送線
Lと、外部の双方向CATVシステムからの引込線6と
の接続部分には、各端末端子18から伝送線Lを介して
伝送されてきた棟内上り信号を、外部の双方向CATV
システムで伝送可能な元の上り信号に周波数変換するた
めのダウンコンバータ10が設けられている。
【0083】尚、図1において、符号26は、アップコ
ンバータ20が接続されない端末端子18(若しくはア
ップコンバータ20に設けられた下り信号の出力端子)
に接続され、伝送線Lを介して伝送されてきた外部の双
方向CATVシステムからの下り信号を受信して、所望
チャンネルのテレビ放送を復調・再生するテレビ受信機
を表す。
【0084】次に、この棟内CATVシステムで用いら
れるダウンコンバータ10,双方向増幅器12,及びア
ップコンバータ20の夫々の構成を、図2を用いて説明
する。 「ダウンコンバータ」 図2に示すように、ダウンコンバータ10には、外部の
双方向CATVシステムからの引込線6を接続するため
の外部接続端子T1と、建造物10内の伝送線Lを接続
するための内部接続端子T2とが備えられている。
【0085】そして、外部接続端子T1に入力された下
り信号は、ハイパスフィルタ(以下、HPFと記載す
る)31を介して、一旦、ダウンコンバータ10内に取
り込まれ、ローパスフィルタ(以下、LPFと記載す
る)32,HPF33,及び内部接続端子T2を介し
て、端末側の伝送線L上に送出される。
【0086】尚、HPF31は、下り信号を通過させ、
周波数変換後の上り信号の通過を阻止するためのもので
あり、カットオフ周波数が例えば70MHzに設定され
ている。また、LPF32は、下り信号を通過させ、周
波数変換前の棟内上り信号の通過を阻止するためのもの
であり、カットオフ周波数が例えば770MHzに設定
されている。また、HPF33は、下り信号よりも周波
数が低い後述の基準信号が通過するのを阻止するための
ものであり、カットオフ周波数が例えば70MHzに設
定されている。従って、ダウンコンバータ10において
は、HPF31と,LPF32と、HPF33とによ
り、本発明の第1下り信号通過経路が形成されることに
なる。
【0087】次に、内部接続端子T2に入力される端末
側からの棟内上り信号は、HPF33及びHPF34を
介して、アップコンバータ20内に取り込まれる。HP
F34は、LPF32から出力される下り信号の回り込
みを防止し、棟内上り信号のみを選択的に取り込むため
のものであり、カットオフ周波数が例えば821MHz
に設定されている。そして、HPF34を介してダウン
コンバータ10内に取り込まれた棟内上り信号は、周波
数変換用のミキサ35に入力される。
【0088】ミキサ35は、PLL回路38により発振
周波数が一定(例えば876MHz)に制御された周波
数可変型の局部発振回路36からの信号(周波数変換用
の高周波信号)を受けて、棟内上り信号を、双方向CA
TVシステム用の上り信号に周波数変換するものであ
る。そして、このミキサ35にて周波数変換された上り
信号は、上り信号増幅手段としての増幅回路39にて所
定レベルまで増幅された後、LPF40及び外部接続端
子T1を介して、引込線6側に送出される。尚、LPF
40は、外部接続端子T1に入力された下り信号の通過
を阻止し、周波数変換後の上り信号のみを通過させるた
めのものであり、そのカットオフ周波数は、例えば55
MHzに設定されている。
【0089】一方、PLL回路38は、局部発振回路3
6から出力される周波数変換用の高周波信号と基準信号
との位相が一致するように局部発振回路36の発振周波
数を制御するためのものであるが、この参考例では、
のPLL回路38が局部発振回路36の発振周波数を制
御するのに用いる基準信号を、ダウンコンバータ10内
の基準発振回路37にて生成するようにされている。
尚、この基準発振回路37は、本発明の基準信号発生手
段として機能するものである。
【0090】そして、基準発振回路37は、下り信号の
伝送周波数帯よりも周波数が低い一定周波数(70MH
z未満)の基準信号を発生し、PLL回路38は、この
基準信号を分周すると共に、局部発振回路36からの出
力を分周し、これら分周後の各信号の位相を一致させる
ための制御信号を生成して、局部発振回路36に出力す
ることで、局部発振回路36からの出力を、基準信号に
対応した一定周波数(876MHz)に制御する。
【0091】また、基準発振回路37が発生した基準信
号を内部接続端子T2から伝送線L上に送出するため
に、基準発振回路37の出力端子には、PLL回路38
だけでなく、基準信号のみを通過させる狭帯域のバンド
パスフィルタ(以下、BPFと記載する)42が接続さ
れている。そして、このBPF42を通過した基準信号
は、LPF41及び内部接続端子T2を介して、伝送線
L上に送出される。
【0092】尚、LPF41のカットオフ周波数は、例
えば70MHzに設定されており、伝送線Lを介して内
部接続端子T2に入力される棟内上り信号やHPF33
から内部接続端子T2を介して伝送線L上に送出される
下り信号が、BPF42側に回り込むのを阻止できるよ
うにされている。そして、この参考例では、このLPF
41とBPF42が、本発明の基準信号送出手段として
機能する。また、ダウンコンバータ10においては、棟
内上り信号を基準信号を用いて上り信号に周波数変換す
るために設けられた局部発振回路36、PLL回路3
8、及びミキサ35が、本発明の第1周波数変換手段と
して機能する。 「双方向増幅器」 図2に示すように、双方向増幅器12には、伝送線Lを
介してダウンコンバータ10の内部接続端子T2に接続
される入力端子T3と、双方向増幅器12よりも端末側
の伝送線Lに接続するための出力端子T4とが備えられ
ている。
【0093】そして、ダウンコンバータ10の内部接続
端子T2から伝送線Lを介して入力端子T3に入力され
る下り信号及び基準信号は、LPF51を介して、双方
向増幅器12内に取り込まれる。またこれら各信号の
内、下り信号は、HPF52を介して、下り信号増幅手
段としての増幅回路53に入力され、この増幅回路53
にて所定レベルまで増幅された後、HPF54,LPF
55及び出力端子T4を介して、端末側の伝送線L上に
送出され、基準信号は、LPF59,LPF60,LP
F55及び出力端子T4を介して、端末側の伝送線L上
に送出される。
【0094】ここで、入力端子T3に接続されるLPF
51は、双方向増幅器12内を通過した棟内上り信号が
下り信号や基準信号と共に出力端子T4側に回り込むの
を阻止し、ダウンコンバータ10側より入力端子T3に
入力された下り信号及び基準信号だけを通過させるため
のものであり、カットオフ周波数が例えば770MHz
に設定されている。
【0095】また、増幅回路53の前段及び後段に夫々
設けられるHPF52及びHPF54は、基準信号の通
過を阻止し、下り信号だけを通過可能とする本発明の第
3下り信号通過経路を形成するためのものであり、カッ
トオフ周波数が例えば70MHzに設定されている。
【0096】また、LPF59及びLPF60は、下り
信号の通過を阻止し、基準信号だけを通過可能とする本
発明の第1基準信号通過経路を形成するためのものであ
り、これらのカットオフ周波数は例えば70MHzに設
定されている。また、出力端子T4に接続されるLPF
55は、端末側の伝送線Lから出力端子T4に入力され
る棟内下り信号が、HPF54を通って増幅回路53側
に回り込むのを阻止し、HPF54及びLPF60を通
過した下り信号及び基準信号を出力端子T4側に通過さ
せるためのものであり、カットオフ周波数が例えば77
0MHzに設定されている。
【0097】次に、端末側の伝送線Lから出力端子T4
に入力される棟内上り信号は、HPF56を介して、棟
内上り信号増幅手段としての増幅回路57に入力され、
この増幅回路57にて所定レベルまで増幅された後、H
PF58,入力端子T3を介して、ダウンコンバータ1
0側の伝送線上に送出される。
【0098】尚、増幅回路57の前段及び後段に夫々設
けられるHPF56及びHPF58は、下り信号や基準
信号が増幅回路57内に侵入するのを阻止し、棟内上り
信号だけを通過可能とする本発明の棟内上り信号通過経
路を形成するためのものであり、これらのカットオフ周
波数は例えば821MHzに設定されている。 「アップコンバータ」図2に示すように、アップコンバ
ータ20には、同軸ケーブル等を介して端末端子18に
接続するための第1接続端子T5と、上り信号を出力し
てくるケーブルモデム22等の通信用端末装置に接続す
るための第2接続端子T6と、テレビ受像機26等の再
生用端末装置に接続するための第3接続端子T7とが備
えられている。
【0099】そして、端末端子18から第1接続端子T
5に入力された下り信号は、HPF71を介して、アッ
プコンバータ20内に取り込まれ、LPF72及び第3
接続端子T7を介して、テレビ受像機26等の再生用端
末装置に出力される。また、LPF72から第3接続端
子T7に至る下り信号の通過経路上には、下り信号の一
部を分岐させる方向性結合器からなる分岐回路73が設
けられており、この分岐回路73にて分岐された下り信
号は、方向性結合器からなる混合回路74を介して、第
2接続端子T6まで導かれ、第2接続端子T6からケー
ブルモデム22等の通信用端末装置に出力される。
【0100】尚、HPF71は、端末端子18から第1
接続端子T5に入力された基準信号の通過を阻止し、下
り信号及び周波数変換後の棟内上り信号を通過させるた
めのものであり、カットオフ周波数が例えば70MHz
に設定されている。また、LPF72は、周波数変換後
の棟内上り信号の通過を阻止し、第1接続端子T5に入
力された下り信号のみを通過させるためのものであり、
カットオフ周波数が例えば770MHzに設定されてい
る。従って、アップコンバータ20には、HPF71,
LPF72,分岐回路73,及び混合回路74によっ
て、本発明の第2下り信号通過経路が、2系統形成され
ていることになる。
【0101】次に、ケーブルモデム22等の通信用端末
装置から第2接続端子T6に入力された上り信号は、混
合回路74を通って、周波数変換用のミキサ75に入力
される。ミキサ75は、PLL回路79により発振周波
数が一定(例えば876MHz)に制御された周波数可
変型の局部発振回路76からの信号を受けて、上り信号
を棟内上り信号に周波数変換するものである。
【0102】そして、このミキサ75にて周波数変換さ
れた棟内上り信号は、棟内上り信号増幅手段としての増
幅回路77にて所定レベルまで増幅された後、HPF7
8,HPF71及び第1接続端子T5を介して、端末端
子18側に送出される。尚、HPF78は、第1接続端
子T5に入力された下り信号の通過を阻止し、周波数変
換後の棟内上り信号のみを通過させるためのものであ
り、そのカットオフ周波数は、例えば821MHzに設
定されている。
【0103】一方、PLL回路79は、局部発振回路7
6から出力される周波数変換用の信号と基準信号との位
相が一致するように局部発振回路76の発振周波数を制
御するためのものである。そして、この基準信号は、ダ
ウンコンバータ10内の基準発振回路37にて生成さ
れ、ダウンコンバータ10から伝送線L及び双方向増幅
器12等の各種伝送用機器を介して各加入者側の端末端
子18まで伝送されてくる。
【0104】このため、アップコンバータ20には、端
末端子18を介して第1接続端子T5に入力された基準
信号を選択的に取り込み、PLL回路79に入力するた
めに、第2基準信号抽出手段としてのLPF80及びB
PF81が設けられ、これら各フィルタ(LPF80,
BPF81)により抽出した基準信号を、周波数変換用
の基準信号として、PLL回路79に入力するようにさ
れている。
【0105】尚、LPF80は、第1接続端子T5に入
力された下り信号や周波数変換後の棟内上り信号が通過
するのを阻止し、第1接続端子T5に入力された基準信
号のみを取り込むためのものであり、そのカットオフ周
波数は例えば70MHzに設定されている。また、BP
F81は、LPF80を通過した信号の内、基準信号の
みをPLL回路79に入力できるようにするためのもの
であり、基準信号の周波数に対応した狭帯域のBPFと
して構成されている。
【0106】また、PLL回路79は、ダウンコンバー
タ10に設けられたPLL回路38と同様、BPF81
から入力される基準信号を分周すると共に、局部発振回
路76からの出力を分周し、これら分周後の各信号の位
相を一致させるための制御信号を生成して、局部発振回
路76に出力することで、局部発振回路76からの出力
を、基準信号に対応した一定周波数(876MHz)に
制御する。そして、アップコンバータ20においては、
上り信号を基準信号を用いて棟内上り信号に周波数変換
するために設けられた局部発振回路76、PLL回路7
9、及びミキサ75が、本発明の第2周波数変換手段と
して機能する。
【0107】以上説明したように、参考例の棟内CAT
Vシステムにおいては、アップコンバータ20にて周波
数変換された棟内上り信号を、ダウンコンバータ10に
て元の上り信号に正確に周波数変換できるようにするた
めに、基準信号発生手段としての基準発振回路37を設
け、この基準発振回路37が発生した基準信号を、伝送
線Lを介して加入者側の各端末端子18まで伝送するよ
うにされている。
【0108】このため、上述した棟内CATVシステム
によれば、各端末端子18に接続されるアップコンバー
タ20がケーブルモデム22等の通信用端末装置から出
力される上り信号を棟内上り信号に周波数変換するのに
使用する基準信号と、ダウンコンバータ10が棟内上り
信号を元の上り信号に周波数変換するのに使用する基準
信号とを一致させることができ、下り信号に基準信号と
して使用できる特定伝送信号(パイロット信号等)が含
まれていない場合であっても、ダウンコンバータ10側
で棟内上り信号から元の上り信号を正確に復元して、外
部の双方向CATVシステムの伝送線2に送出すること
ができる。
【0109】また基準信号の周波数は、当該システムの
伝送線Lを双方向に流れる下り信号及び棟内上り信号の
伝送周波数帯とは異なることから、これら各伝送信号の
特性が基準信号の影響を受けて劣化するようなことはな
く、各伝送信号の伝送品質を確保することができる。ま
た、基準信号の周波数は、これらの伝送信号の伝送周波
数帯よりも低い周波数に設定されていることから、伝送
線Lでの伝送損失は他の伝送信号に比べて小さくなる。
このため、例えば、端末側で基準信号の信号レベルが小
さくなってしまい、基準信号増幅用の増幅回路が別途必
要となる、というようなことも防止できる。
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】[実施例] 以上説明した参考例では、 ダウンコンバータ10に、基
準信号発生手段としての基準発振回路37、及び基準信
号送出手段としてのLPF41及びBPF42を設ける
ものとしたが、本発明では、こうした基準信号発生手段
及び基準信号送出手段としての機能は、例えば、図3
(a)に示す実施例のように、ダウンコンバータ10と
は別体で構成した基準発振回路37と信号挿入器28と
からなる基準信号重畳用機器にて実現される。
【0115】尚、信号挿入器28は、基準信号送出手段
としての機能を実現するためのものであり、図3(b)
に示すように、基準発振回路37から基準信号入力端子
Tinに入力された基準信号を、例えばカットオフ周波数
が70MHzのLPF92及び93と、当該信号挿入器
28を伝送線Lに直列に接続するための端子T8及びT
9とを介して、端末側及びダウンコンバータ側の伝送線
L上に夫々送出し、伝送線Lを流れる下り信号及び棟内
上り信号については、端子T8−T9間に設けられたH
PF91(カットオフ周波数:例えば70MHz)を介
して通過させるように構成すればよい。
【0116】また、上記参考例に本発明を適用して基準
信号重畳用機器をダウンコンバータ10とは別体で構成
した際には、図3(c)に示すように、図2に示したダ
ウンコンバータ10から、基準発振回路37を削除し、
伝送線Lから内部接続端子T2に入力された基準信号
を、LPF41,BPF42を介してPLL回路38に
入力するようにすればよい。尚この場合、LPF41及
びBPF42は、本発明の第1基準信号抽出手段として
機能することになる。
【0117】一方、上記参考例では、伝送線L上に双方
向増幅器12を設けた棟内CATVシステムについて説
明したが、この双方向増幅器12の代わりに、分岐端子
を備えた分岐増幅器13を設けた棟内CATVシステム
を構築する際には、分岐増幅器13を図4(b)に示す
ように構成すればよい。
【0118】即ち、図4(b)に示す分岐増幅器13
は、図2に示した双方向増幅器12に対して4個の分岐
端子Tb1,Tb2,Tb3,Tb4が設けられてお
り、増幅回路53にて増幅された下り信号の一部を分岐
回路61にて分岐し、その分岐した下り信号を、HPF
62,LPF63を介して分配回路64まで導き、分配
回路64にて4分配し、その分配後の下り信号を、各分
岐端子Tb1〜Tb4から端末側の伝送線(分岐線)L
上に送出するようにしたものである。
【0119】そして、分岐増幅器13においては、各分
岐端子Tb1〜Tb4に接続された端末側の伝送線(分
岐線)Lからも棟内上り信号が入力されることから、各
分岐端子Tb1〜Tb4に入力された棟内上り信号を、
分配回路64,HPF66を介して分岐増幅器13内に
取り込み、その取り込んだ棟内上り信号を、混合回路6
5を介して増幅回路57まで導き、増幅回路57にて増
幅した後、HPF58及び入力端子T3を介して、ダウ
ンコンバータ10側の伝送線L上に送出できるようにさ
れている。
【0120】また、各分岐端子Tb1〜Tb4に入力さ
れた棟内上り信号をダウンコンバータ10にて元の上り
信号に周波数変換するには、分岐端子Tb1〜Tb4か
ら端末側のアップコンバータ20にも基準信号を伝送す
る必要があるため、LPF59−60間の第1基準信号
通過経路上には、混合回路67が設けられ、この混合回
路67とLPF68を介して、第1基準信号通過経路を
HPF62とLPF63との接続点に接続することによ
り、第1基準信号通過経路と各分岐端子Tb1〜Tb4
との間に第2基準信号通過経路を形成して基準信号が双
方向に通過できるようにしている。
【0121】尚、HPF62は、基準信号の通過を阻止
し、下り信号を通過させるためのものであり、カットオ
フ周波数が例えば70MHzに設定されている。また、
LPF68は、下り信号の通過を阻止し、基準信号を通
過させるためのものであり、カットオフ周波数が例えば
70MHzに設定されている。また、LPF63は、棟
内上り信号の通過を阻止し、基準信号及び下り信号を通
過させるためのものであり、カットオフ周波数が例えば
770MHzに設定されている。また、HPF66は、
基準信号及び下り信号の通過を阻止し、棟内上り信号を
通過させるためのものであり、カットオフ周波数が例え
ば821MHzに設定されている。
【0122】このように構成された分岐増幅器13にお
いては、ダウンコンバータ10側の伝送線Lから入力端
子T3に入力された下り信号が、増幅回路53にて増幅
された後、出力端子T4及び分岐端子Tb1〜Tb4か
ら端末側の伝送線L上に夫々送出されると共に、端末側
の伝送線Lから出力端子T4或いは分岐端子Tb1〜T
b4に入力された棟内上り信号が、増幅回路57にて増
幅された後、入力端子T3からダウンコンバータ10側
の伝送線L上に送出される。
【0123】また、基準信号は、入力端子T3−出力端
子T4間を通過できるだけでなく、入力端子T3−分岐
端子Tb1〜Tb4間、或いは出力端子T4−分岐端子
Tb1〜Tb4間を通過でき、更に、分配回路64を介
して各分岐端子Tb1〜Tb4間でも通過できる。
【0124】従って、分岐増幅器13をこのように構成
すれば、図1に示した棟内CATVシステムのように、
ダウンコンバータ10から基準信号を出力するように構
成した場合や、図3(a)に示した棟内CATVシステ
ムのように、信号挿入器28等を使って、増幅器(図3
では分岐端子を備えていない双方向増幅器12)の入力
端子T3或いは出力端子T4に接続される伝送線(幹
線)L上に基準信号を送出するように構成した場合は勿
論のこと、図4(a)に示すように、分岐増幅器13の
分岐端子Tb1〜Tb4に接続される伝送線(分岐線)
Lの一つに信号挿入器28を接続し、この伝送線(分岐
線)Lに基準信号を送出するようにした場合にも、棟内
CATVシステムの伝送線Lに接続される全てのアップ
コンバータ20及びダウンコンバータ10に、同一周波
数の基準信号にて上り信号を周波数変換させることがで
きる。
【0125】尚、上記分岐増幅器13において、分岐回
路61,HPF62,LPF63,分配回路64は、本
発明の下り信号分岐手段として機能し、分配回路64,
HPF66,混合回路65は、本発明の棟内上り信号入
力手段として機能する。ところで、図3(a)に示した
棟内CATVシステムのように、基準発振回路37が発
生した基準信号を、伝送線L上に設けた信号挿入器28
を介して、伝送線L上に送出するようにした場合、基準
発振回路37や信号挿入器28が故障したり、或いは保
守点検等のために一時的に動作を停止しているときに
は、ダウンコンバータ10やアップコンバータ20が正
常に機能しているにも関わらず、上り信号を伝送するこ
とができなくなる。
【0126】そこで、このような場合には、ダウンコン
バータ10及びアップコンバータ20がその旨を検知し
て、基準発振回路37からの基準信号を受信できない場
合には、外部の双方向CATVシステムからの下り信号
に含まれるパイロット信号等の特定伝送信号(周波数が
固定された信号)を抽出し、これを周波数変換用の基準
信号としてPLL回路38,79に供給するようにして
もよい。
【0127】以下、このように構成したダウンコンバー
タ10及びアップコンバータ20について図5(a),
(b)を用いて説明する。尚、図5に示すダウンコンバ
ータ10及びアップコンバータ20は、基本的には、
(c)に示したダウンコンバータ10及び図2に示し
たアップコンバータ20と同じであるため、以下の説明
では異なる点についてのみ説明する。
【0128】まず、図5(a)に示すダウンコンバータ
10は、HPF31−LPF32間の下り信号の通過経
路に分岐回路45を設けて、下り信号の一部を分岐さ
せ、その下り信号に含まれる所定周波数(例えば、45
1.25MHz)のパイロット信号を狭帯域のBPF4
6を介して抽出し、その抽出したパイロット信号をスイ
ッチ47を介して、PLL回路38に入力できるように
されている。
【0129】スイッチ47は、BPF46により下り信
号から抽出されたパイロット信号と、第1基準信号抽出
手段としてのBPF42にて抽出された基準信号とを選
択的にPLL回路38に入力するためのものであり、通
常は、基準信号をPLL回路38に入力するようにされ
ている。
【0130】そして、図5(a)に示すダウンコンバー
タ10には、BPF42から基準信号が出力されている
か否かを判定する第1判定手段としての基準信号検出回
路48が設けられており、この基準信号検出回路48
は、BPF42から基準信号が出力されていないときに
だけ、スイッチ47を通常とは異なる方向(具体的に
は、BPF46にて抽出されたパイロット信号をPLL
回路38に入力する側)に切り換え、パイロット信号を
PLL回路38に入力させる。
【0131】また、この基準信号検出回路48は、単に
スイッチ47を切り換えるだけでなく、PLL回路38
が制御する局部発振回路36の発振周波数が通常時と同
じ一定周波数(例えば876MHz)となるように、P
LL回路38が局部発振回路36からの出力を取り込む
際の分周数やパイロット信号を取り込む際の逓倍数を予
め設定された所定値に切り換えるための分周数切換信号
を、PLL回路38に出力する。
【0132】従って、図5(a)に示したダウンコンバ
ータ10によれば、信号挿入器28から伝送線L上に基
準信号が送出されていない場合には、下り信号に含まれ
るパイロット信号を利用して棟内上り信号を元の下り信
号に周波数変換することができる。尚、図5(a)に示
したダウンコンバータ10においては、分岐回路45,
BPF46,スイッチ47が、本発明の第1特定伝送信
号抽出手段として機能する。
【0133】一方、図5(b)に示すアップコンバータ
20は、LPF72−第3接続端子T7間の下り信号の
通過経路に分岐回路83を設けて、下り信号の一部を分
岐させ、その下り信号に含まれるパイロット信号を狭帯
域のBPF84を介して抽出し、その抽出したパイロッ
ト信号をスイッチ85を介して、PLL回路79に入力
できるようにされている。
【0134】スイッチ85は、BPF84により下り信
号から抽出されたパイロット信号と、第2基準信号抽出
手段としてのBPF81にて抽出された基準信号とを選
択的にPLL回路79に入力するためのものであり、ダ
ウンコンバータ10側のスイッチ47と同様、通常は、
基準信号をPLL回路79に入力するようにされてい
る。
【0135】そして、図5(b)に示すアップコンバー
タ20には、BPF81から基準信号が出力されている
か否かを判定する第2判定手段としての基準信号検出回
路86が設けられており、この基準信号検出回路86
は、BPF81から基準信号が出力されていないときに
だけ、スイッチ85を通常とは異なる方向(具体的に
は、BPF84にて抽出されたパイロット信号をPLL
回路79に入力する側)に切り換え、パイロット信号を
PLL回路79に入力させる。
【0136】また、この基準信号検出回路86は、単に
スイッチ85を切り換えるだけでなく、PLL回路79
が制御する局部発振回路76の発振周波数が通常時と同
じ一定周波数(例えば876MHz)となるように、P
LL回路79が局部発振回路76からの出力を取り込む
際の分周数やパイロット信号を取り込む際の逓倍数を予
め設定された所定値に切り換えるための分周数切換信号
を、PLL回路79に出力する。
【0137】従って、図5(b)に示したアップコンバ
ータ20によれば、信号挿入器28から伝送線L上に基
準信号が送出されていない場合には、ダウンコンバータ
10と同様に、下り信号に含まれるパイロット信号を利
用して上り信号を棟内下り信号に周波数変換することが
できる。尚、図5(b)に示したアップコンバータ20
においては、分岐回路83,BPF84,スイッチ85
が、本発明の第2特定伝送信号抽出手段として機能す
る。
【0138】そして、図5(a)及び(b)に示したダ
ウンコンバータ10及びアップコンバータ20を用いて
棟内CATVシステムを構築すれば、基準発振回路37
や信号挿入器28の故障時や一時的な動作停止時に、ダ
ウンコンバータ10及びアップコンバータ20は、下り
信号に含まれる共通のパイロット信号を利用して上り信
号を周波数変換することができるので、棟内CATVシ
ステムにおいて、上り信号を伝送できなくなる確率をよ
り低減することが可能となる。
【0139】また次に、上記実施例では、ダウンコンバ
ータ10は、下り信号をそのまま通過させるものとして
説明したが、例えば、図6に示すように、HPF31−
LPF32間の下り信号の通過経路上に、下り信号増幅
手段としての増幅回路49を設け、ダウンコンバータ1
0内で下り信号を所定レベルまで増幅するようにしても
よい。
【0140】そして、このようにすれば、ダウンコンバ
ータ10に設けた下り信号用の増幅回路49と上り信号
用の増幅回路39とで、下り信号及び上り信号を夫々所
定レベルまで増幅することができるようになるため、前
述の双方向増幅器12や分岐増幅器13を伝送線L上に
設けることなく棟内CATVシステムを構築することが
可能となる。
【0141】また、上記実施例の棟内CATVシステム
では、伝送線L上に、下り信号と、棟内上り信号と、基
準信号との3種類の信号を、夫々異なる伝送周波数帯で
伝送するものとして説明したが、例えば、各種端末装置
から出力される上り信号の内、周囲の雑音等により伝送
品質が著しく低下する上り信号については、アップコン
バータ20を用いて棟内上り信号に周波数変換した後、
伝送線L上を流し、雑音等が侵入しても伝送品質が低下
することのない上り信号については、アップコンバータ
20を用いて周波数変換することなく、伝送線L上をそ
のまま流すようにしてもよい。
【0142】そこで、次に、棟内CATVシステムをこ
のように構成する場合に用いるダウンコンバータ10の
構成を図7を用いて説明する。尚、図7に示すダウンコ
ンバータ10は、基本的には、下り信号増幅用の増幅回
路49を設けた図6に示すダウンコンバータ10と同じ
であり、以下の説明では、それと異なる点についてのみ
説明する。
【0143】また、このようにアップコンバータ20に
て周波数変換した棟内上り信号と、周波数変換していな
い上り信号との2種類の上り信号を伝送線Lに流す場
合、ダウンコンバータ10の外部接続端子T1側で、ダ
ウンコンバータ10をそのまま通過した上り信号が、周
波数変換後の上り信号を増幅する増幅回路39側に回り
込んだり、逆に、周波数変換後の上り信号が、周波数変
換しない上り信号の経路に回り込んで、内部接続端子T
2から端末側に流れることのないよう、アップコンバー
タ20にて棟内上り信号に周波数変換される上り信号
と、周波数変換されない上り信号とは、異なる周波数に
設定する必要はある。
【0144】そこで、以下の説明では、アップコンバー
タ20にて棟内上り信号に周波数変換される上り信号の
周波数は、10MHz〜30MHzに設定され、周波数
変換されない上り信号の周波数は、30MHz〜55M
Hzに設定されているものとして説明する。
【0145】また、基準信号の周波数は、周波数変換さ
れない上り信号の周波数とは重複しないようにする必要
があることから、以下の説明では、基準信号の周波数は
10MHz未満に設定されているものとする。図7に示
すように、このダウンコンバータ10では、外部接続端
子T1に入力された下り信号は、上記実施例と同じHP
F31を介して、一旦、ダウンコンバータ10内に取り
込まれ、増幅回路49で増幅された後、BPF50aに
入力される。このBPF50aは、下り信号が、内部接
続端子T2から入力される上り信号よりも周波数が高
く、棟内上り信号よりも周波数が低いことから、これら
各上り信号の通過を阻止し、下り信号のみを通過させる
ためのものであり、信号通過帯域は例えば70MHz〜
770MHzに設定されている。そして、このBPF5
0aを通過した下り信号は、HPF33′及び内部接続
端子T2を介して、端末側の伝送線L上に送出される。
【0146】尚、HPF33′は、上記上り信号よりも
周波数が低い基準信号が通過するのを阻止するためのも
のであり、カットオフ周波数が例えば10MHzに設定
される。従って、本実施例のダウンコンバータ10にお
いては、HPF31と,BPF50aと、HPF33′
とにより、本発明の第1下り信号通過経路が形成される
ことになる。
【0147】次に、内部接続端子T2に入力される端末
側からの棟内上り信号は、HPF33′及びHPF34
を介して、アップコンバータ20内に取り込まれる。そ
して、HPF34を介してダウンコンバータ10内に取
り込まれた棟内上り信号は、ミキサ35にて低周波(1
0MHz〜30MHz)の上り信号に周波数変換され、
増幅回路39にて増幅された後、LPF40′及び外部
接続端子T1を介して、引込線6側に送出される。尚、
LPF40′は、下り信号及び周波数変換しない高周波
の上り信号(30MHz〜55MHz)の通過を阻止
し、周波数変換後の上り信号のみを通過させるためのも
のであり、そのカットオフ周波数は、例えば30MHz
に設定されている。
【0148】また次に、内部接続端子T2に入力される
端末側からの上り信号は、HPF33′及びLPF50
bを介して、アップコンバータ20内に取り込まれる。
そして、LPF50bを介してダウンコンバータ10内
に取り込まれた上り信号は、増幅回路39′にて増幅さ
れた後、BPF50c及び外部接続端子T1を介して、
引込線6側に送出される。
【0149】尚、LPF50bは、下り信号及び棟内上
り信号の通過を阻止し、周波数変換しない高周波(30
MHz〜55MHz)の上り信号のみを通過させるため
のものであり、そのカットオフ周波数は、前述のLPF
32と同様、例えば55MHzに設定されている。ま
た、BPF50cは、下り信号及び周波数変換後の低周
波(10MHz〜30MHz)の上り信号の通過を阻止
し、周波数変換されていない高周波(30MHz〜55
MHz)の上り信号のみを通過させるためのものであ
り、信号通過帯域は例えば30MHz〜55MHzに設
定されている。従って、このダウンコンバータ10にお
いては、HPF33′と、LPF50bと、BPF50
cとにより、本発明の第1上り信号通過経路が形成され
ることになる。
【0150】また、図7に示すダウンコンバータ10
おいて、LPF41は、周波数10MHz未満の基準信
号を通過させ、それ以外の信号の通過を阻止するため
に、カットオフ周波数が例えば10MHzに設定されて
おり、またBPF42の信号通過帯域は、基準信号の周
波数に対応した狭帯域に設定されている。
【0151】このように、図7に示したダウンコンバー
タ10においては、下り信号を通過させ、棟内上り信号
を元の上り信号に周波数変換して引込線6側に送出でき
るだけでなく、端末側から伝送されてきた周波数変換さ
れていない上り信号をそのまま引込線6側に送出するこ
とができる。よって、このダウンコンバータ10を用い
れば、下り信号と、棟内上り信号と、基準信号との3種
類の信号に加えて、アップコンバータ20にて周波数変
換していない上り信号をも、伝送線L上に流すことがで
きる。
【0152】そして、このように4種類の伝送信号を伝
送可能な棟内CATVシステムによれば、アップコンバ
ータ20を所有しない加入者であっても、所定の端末装
置を使って、外部の双方向CATVシステムのセンタ装
置との間で通信を行うことが可能となり、システム内で
の通信サービスを向上できる。
【0153】尚、図7に示したダウンコンバータ10を
用いて棟内CATVシステムを構築する場合、伝送線L
上に双方向増幅器12或いは分岐増幅器13を設ける際
には、基準信号の通過経路を本発明の第2上り信号通過
経路として機能させることができるので、上述した双方
向増幅器12或いは分岐増幅器13をそのまま使用でき
る。また、アップコンバータ20については、LPF8
0及びBPF81のカットオフ周波数及び信号通過帯域
を、ダウンコンバータ10のLPF41及びBPF42
と同じ特性に設定すればよい。また次に上記説明では、
外部の双方向CATVシステムとの間で上り・下りの各
信号を双方向に送受信する棟内CATVシステム及びこ
のシステムを構築するのに使用されるダウンコンバータ
等の伝送用機器について説明したが、例えば、図8に示
すように、棟内CATVシステムの設置対象となる建造
物に、各加入者共用の受信アンテナを設置し、この受信
アンテナからの受信信号についても、棟内CATVシス
テムの伝送線を介して各加入者側に配信するようにする
こともできる。
【0154】
【0155】即ち、図8に示す棟内CATVシステム
は、基本的には、上記説明した棟内CATVシステムと
同様に構成されており、異なる点は、受信アンテナとし
て、建造物の屋上等に設置されたBSアンテナ100を
備え、このBSアンテナ100からの受信信号をダウン
コンバータ10を介して端末側に伝送できるようにした
点である。
【0156】尚、BSアンテナ100は、衛星放送(B
S)からの送信電波を受信し、受信電波を所定周波数帯
(1035MHz〜1335MHz)の受信信号(以
下、BS−IF信号という)に変換して出力する周知の
ものであり、パラボラアンテナから構成されている。 「ダウンコンバータ」図10は、本実施例の棟内CAT
Vシステムで使用されるダウンコンバータ10の構成を
表している。
【0157】そして、この棟内CATVシステムで使用
されるダウンコンバータ10には、外部の双方向CAT
Vシステムからの引込線を接続するための外部接続端子
T1に加えて、BSアンテナ100からのBS−IF信
号を入力するための受信信号入力端子が備えられ、これ
各端子に入力された下り信号及びBS−IF信号を、
内部接続端子T2から建造物10内の伝送線L上に送出
できるようにされている。
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】一方、アップコンバータ20においては、
伝送線Lを介して第1接続端子T5に入力されたBS−
IF信号は、避雷器(アレスタ;以下、ARRとい
)、及び、BS−IF信号のみを通過させるHPFを
介して、アップコンバータ20内に取り込まれ、その
後、同特性のHPF及びARRを介して、第2接続端子
T6から端末側に出力される。
【0166】また、伝送線Lを介して第1接続端子T5
に入力された下り信号は、ARR、BS−IF信号遮断
・他の伝送信号通過用のLPF、及び、棟内上り信号遮
断・下り信号通過用のLPFを介して、アップコンバー
タ20内に取り込まれ、内部の下り信号通過経路に入力
される。そして、この下り信号通過経路を通過した下り
信号は、上り信号遮断・下り信号通過用のHPF、BS
−IF信号遮断・他の伝送信号通過用のLPF、及びA
Rを介して、第2接続端子T6から端末側に出力され
る。
【0167】
【0168】
【0169】
【0170】
【0171】
【0172】
【0173】
【0174】そして、このように構成された棟内CAT
Vシステムによれば、外部の双方向CATVシステムが
BS放送を配信しない場合でも、棟内CATVシステム
の加入者は、個別にBSアンテナを設置することなく、
BS放送を視聴できるようになり、加入者へのサービス
を向上できる。
【0175】
【0176】
【0177】また次に、本実施例では、BS放送の受信
信号(BS−IF信号)を端末側に伝送するために、ダ
ウンコンバータ10にBS−IF信号と下り信号との混
合機能を持たせ、ダウンコンバータ10に接続された伝
送線Lを介して、これら各信号を端末側に伝送するよう
にしているので、BS−IF信号専用の伝送線を設置し
たり、或いは、BS−IF信号と下り信号とを混合する
混合器を別途設置したりする必要はなく、こうした棟内
CATVシステムを安価に構築できる。
【0178】尚、上記説明では、受信アンテナとしてB
Sアンテナ100を備えたシステムについて説明した
が、例えば、通信衛星(CS)からの放送信号を受信し
たい加入者が多い場合には、CSアンテナを設置して、
伝送するようにすればよい。そして、この場合にも、本
実施例のダウンコンバータ10を用いれば、CS放送の
受信信号と下り信号とを混合する混合器等を設けること
なく、棟内CATVシステムを構築できる。
【0179】
【0180】
【0181】また次に、以上の説明では、下り信号とし
て、FMラジオ放送信号とテレビ放送信号とを伝送でき
るように、下り信号の伝送周波数帯域を70MHz〜7
70MHzに設定した棟内CATVシステムについて説
明したが、本発明は、例えば、下り信号として、FMラ
ジオ放送信号(伝送周波数帯:76MHz〜90MH
z)及びテレビ放送信号(伝送周波数帯90MHz〜7
70MHz)に加えて、音楽等を配信する有線放送信号
(伝送周波数帯:26MHz〜76MHz)をも伝送で
きるように、下り信号の伝送周波数帯域を26MHz〜
770MHzに設定した棟内CATVシステムであって
も、適用できるのはいうまでもない。
【0182】そして、この棟内CATVシステムの場合
には、伝送線L上を流す基準信号の周波数を、例えば、
5MHz〜26MHzの範囲内に設定すれば、第1実施
例と同様に、基準信号の周波数を下り信号の伝送周波数
帯よりも低くして、基準信号が伝送線Lを通過する際に
生じる伝送損失を低減することができる。尚、この棟内
CATVシステムの場合、伝送線L上に設けられる双方
向増幅器等での下り信号の通過帯域は、26MHz〜7
70MHzとなる。
【0183】また、例えば、下り信号として、FMラジ
オ放送信号(伝送周波数帯:76MHz〜90MH
z)、テレビ放送信号(伝送周波数帯90MHz〜77
0MHz)、及び有線放送信号(伝送周波数帯:26M
Hz〜76MHz)を伝送する棟内CATVシステムに
おいて、第2実施例と同様に、基準信号についても下り
信号の一つとして伝送できるようにするには、棟内CA
TVシステムでの下り信号の伝送周波数帯域を、例えば
10MHz〜770MHzに設定し、伝送用基準信号の
周波数を、上記各伝送信号よりも周波数が低い10MH
z〜26MHzの範囲内(例えば、10.7MHz)に
設定するとよい。
【0184】そして、このような棟内CATVシステム
を構築した場合には、伝送線L上に設ける双方向増幅器
等での下り信号の通過帯域を10MHz〜770MHz
にする必要はあるものの、双方向増幅器において、基準
信号を下り信号と一緒に増幅できることから、上記第2
実施例と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例の棟内CATVシステムの構成を表す
構成図である。
【図2】 図1のシステムで用いられるダウンコンバー
タ,双方向増幅器,アップコンバータの構成を夫々表す
ブロック図である。
【図3】 実施例の 棟内CATVシステムの説明図であ
る。
【図4】 図2に示した双方向増幅器の代わりに用いら
れる分岐増幅器の構成を表すブロック図である。
【図5】 基準信号としてパイロット信号を利用できる
ようにしたダウンコンバータ及びアップコンバータの構
成を表すブロック図である。
【図6】 下り信号の増幅回路を設けたダウンコンバー
タの構成を表すブロック図である。
【図7】 周波数変換していない上り信号が通過できる
ようにしたダウンコンバータの構成を表すブロック図で
ある。
【図8】 棟内 CATVシステムの他の構成を表す構成
図である。
【符号の説明】
L…伝送線、6…引込線、8…保安器、10…ダウンコ
ンバータ、12…双方向増幅器、14…分岐器、16…
分配器、18…端末端子、20…アップコンバータ、2
2…ケーブルモデム、24…情報端末装置、26…テレ
ビ受像機、28…信号挿入器、35,75…ミキサ、3
6,76…局部発振回路、37…基準発振回路、38,
79…PLL回路、39,53,57,77…増幅回
路、31,34,33,52,54,56,58,7
1,78…HPF(ハイパスフィルタ)、32,40,
41,51,55,59,60,80…LPF(ローパ
スフィルタ)、42,81…BPF(バンドパスフィル
タ)。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−62935(JP,A) 特開 平10−174084(JP,A) 特開 平3−19472(JP,A) 特開 平5−268605(JP,A) 特開 平10−215445(JP,A) 特開 平9−83830(JP,A) 特開 平3−74987(JP,A) 特開 平3−6981(JP,A) 特表 平9−510071(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 7/10,7/16 - 7/173 H04N 5/00 101

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部の双方向CATVシステムからの引
    込線を建造物内に引き込み、該建造物内の伝送線を介し
    て、前記引込線から入力された下り信号を建造物内の複
    数の端末端子まで伝送すると共に、 端末装置から出力された前記下り信号よりも周波数が低
    い上り信号を前記下り信号よりも周波数が高い棟内上り
    信号に周波数変換するアップコンバータを介して前記端
    末端子に入力された棟内上り信号を、前記伝送線を介し
    て前記引込線まで伝送し、 更に、前記伝送線と前記引込線との間に設けられたダウ
    ンコンバータを介して、前記棟内上り信号を、前記端末
    装置が出力した元の周波数の上り信号に周波数変換し
    て、前記引込線上に送出する棟内CATVシステムにお
    いて、 前記伝送線上に、 前記伝送線を上り方向及び下り方向に流れる各種伝送信
    号の周波数とは異なる周波数で一定周波数の基準信号を
    発生する基準信号発生手段と、該基準信号発生手段が発
    生した基準信号を前記伝送線上に送出する基準信号送出
    手段とを備え、当該棟内CATVシステムを構成する各
    種伝送用機器とは独立して構成された基準信号重畳用機
    器、 を設けると共に、 前記端末側のアップコンバータ及び前記引込線側のダウ
    ンコンバータを、夫々、 PLL回路を用いて、前記基準信号送出手段が前記伝送
    線上に送出した前記基準信号から周波数変換用に予め定
    められた一定周波数の高周波信号を生成し、該生成した
    高周波信号と前記上り信号及び前記棟内上り信号とを夫
    々混合することにより、前記上り信号及び前記棟内上り
    信号を夫々周波数変換するように構成したことを特徴と
    する棟内CATVシステム。
  2. 【請求項2】 前記基準信号送出手段が前記伝送線上に
    送出する基準信号の周波数は、当該システムにおいて前
    記下り信号の伝送周波数帯として設定された周波数帯域
    内で前記下り信号とは重複しない周波数に設定されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の棟内CATVシステ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記基準信号送出手段が前記伝送線上に
    送出する基準信号の周波数は、前記伝送線上を上り方向
    及び下り方向に流れる各種伝送信号の周波数よりも低い
    周波数に設定されていることを特徴とする請求項1又は
    請求項2記載の棟内CATVシステム。
  4. 【請求項4】 前記基準信号送出手段が前記伝送線上に
    送出する基準信号の周波数は、当該システムにおいて前
    記下り信号の伝送周波数帯として設定された周波数帯域
    よりも低い5MHz〜26MHzの範囲内に設定されて
    いることを特徴とする請求項3記載の棟内CATVシス
    テム。
  5. 【請求項5】 前記棟内CATVシステムは、前記端末
    装置から出力され、前記アップコンバータにて周波数変
    換されていない低周波数の上り信号については、前記引
    込線までそのまま伝送可能であることを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載の棟内CATVシステム。
  6. 【請求項6】 前記建造物に設置された受信アンテナを
    備え、該受信アンテナからの受信信号を前記伝送線を介
    して前記下り信号と共に前記複数の端末端子まで伝送可
    能に構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項5
    ずれか記載の棟内CATVシステム。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の棟内CATVシステムに
    おいて、前記引込線と前記伝送線との間に設けられるダ
    ウンコンバータであって、 前記引込線を介して外部の双方向CATVシステムから
    入力された下り信号を前記伝送線上に送出するための第
    1下り信号通過経路と、 前記伝送線を介して入力される上り方向の伝送信号の中
    から、前記一定周波数の基準信号を抽出する第1基準信
    号抽出手段と、 PLL回路を用いて、前記第1基準信号抽出手段にて抽
    出された基準信号から周波数変換用に予め定められた一
    定周波数の高周波信号を生成すると共に、前記伝送線を
    介して入力される上り方向の伝送信号の中から前記棟内
    上り信号を取り出し、該棟内上り信号と前記生成した周
    波数変換用の高周波信号とを混合することにより、該棟
    内上り信号を周波数変換し、該周波数変換後の上り信号
    を前記引込線上に送出する第1周波数変換手段と、 を備えたことを特徴とするダウンコンバータ。
  8. 【請求項8】 前記第1基準信号抽出手段にて基準信号
    を抽出できたか否かを判定する第1判定手段と、 該第1判定手段にて前記基準信号を抽出できないと判定
    すると、前記第1下り信号通過経路を流れる下り信号の
    中から、周波数が固定された特定伝送信号を抽出し、該
    特定伝送信号を前記基準信号として前記第1周波数変換
    手段に出力する第1特定伝送信号抽出手段と、 を備えたことを特徴とする請求項7記載のダウンコンバ
    ータ。
  9. 【請求項9】 前記伝送線を介して入力される上り方向
    の伝送信号の内、前記アップコンバータにて周波数変換
    されていない低周波数の上り信号を前記引込線上に送出
    するための第1上り信号通過経路を備えたことを特徴と
    する請求項7又は請求項8記載のダウンコンバータ。
  10. 【請求項10】 前記第1下り信号通過経路に、該経路
    を通過する前記下り信号を増幅する下り信号増幅手段を
    設けると共に、 前記第1周波数変換手段への棟内上り信号の入力経路又
    は前記第1周波数変換手段からの上り信号の出力経路
    に、該経路を通過する前記棟内上り信号又は前記上り信
    号を増幅する上り信号増幅手段を設けたことを特徴とす
    請求項7〜請求項9いずれか記載のダウンコンバー
    タ。
  11. 【請求項11】 当該ダウンコンバータが設けられる建
    造物に設置された受信アンテナからの受信信号を入力す
    る受信信号入力端子と、 該受信信号入力端子に入力された受信信号を前記下り信
    号と共に前記伝送線上に送出するための受信信号通過経
    路と、 を備えたことを特徴とする請求項7〜請求項10いずれ
    か記載のダウンコンバータ。
  12. 【請求項12】 請求項1〜請求項6いずれか記載 の棟
    内CATVシステムにおいて、前記端末端子と前記端末
    装置との間に設けられるアップコンバータであって、 前記伝送線を介して前記端末端子まで伝送されてきた下
    り信号を前記端末装置側に送出するための第2下り信号
    通過経路と、 前記伝送線を介して前記端末端子まで伝送されてきた下
    り方向の伝送信号の中から、前記一定周波数の基準信号
    を抽出する第2基準信号抽出手段と、 PLL回路を用いて、該第2基準信号抽出手段にて抽出
    された基準信号から周波数変換用に予め定められた一定
    周波数の高周波信号を生成し、該生成した高周波信号と
    前記端末装置から出力された上り信号とを混合すること
    により、該上り信号を周波数変換し、該周波数変換後の
    棟内上り信号を前記端末端子を介して前記伝送線上に送
    出する第2周波数変換手段と、 を備えたことを特徴とするアップコンバータ。
  13. 【請求項13】 前記第2基準信号抽出手段にて基準信
    号を抽出できたか否かを判定する第2判定手段と、 該第2判定手段にて前記基準信号を抽出できないと判定
    すると、前記第2下り信号通過経路を流れる下り信号の
    中から、周波数が固定された特定伝送信号を抽出し、該
    特定伝送信号を前記基準信号として前記第2周波数変換
    手段に出力する第2特定伝送信号抽出手段と、 を備えたことを特徴とする請求項12記載のアップコン
    バータ。
  14. 【請求項14】 請求項1〜請求項6いずれか記載 の棟
    内CATVシステムにおいて、前記ダウンコンバータか
    ら前記各端末端子側に至る伝送線上に設けられて、該伝
    送線を流れる伝送信号を増幅する増幅装置であって、 前記伝送線を介して前記ダウンコンバータ側から伝送さ
    れてきた下り信号を端末側に送出するための第3下り信
    号通過経路と、 該第3下り信号通過経路上に設けられ、前記下り信号を
    増幅する下り信号増幅手段と、 前記伝送線を介して前記端末側より伝送されてきた棟内
    上り信号を前記ダウンコンバータ側に送出するための棟
    内上り信号通過経路と、 該棟内上り信号通過経路上に設けられ、前記棟内上り信
    号を増幅する棟内上り信号増幅手段と、 前記ダウンコンバータ側の伝送線と前記端末側の伝送線
    とを前記基準信号が通過可能に接続する第1基準信号通
    過経路と、 を備えたことを特徴とする増幅装置。
  15. 【請求項15】 前記ダウンコンバータ側の伝送線と前
    記端末側の伝送線とを、前記アップコンバータにて周波
    数変換されていない低周波数の上り信号が通過可能に接
    続する第2上り信号通過経路を備えたことを特徴とする
    請求項14記載の増幅装置。
  16. 【請求項16】 1又は複数の分岐端子と、 前記下り信号増幅手段にて増幅された下り信号の一部を
    分岐して前記分岐端子から出力させる下り信号分岐手段
    と、 前記分岐端子に入力された棟内上り信号を、前記棟内上
    り信号増幅手段の入力側の棟内上り信号通過経路まで伝
    送する棟内上り信号入力手段と、 前記分岐端子と前記第1基準信号通過経路とを前記基準
    信号が通過可能に接続する第2基準信号通過経路と、 を備えたことを特徴とする請求項14又は請求項15記
    の増幅装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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