JP2002098828A - 液晶配向膜、その製造方法、光学補償シート、stn型液晶表示装置およびディスコティック液晶性分子を配向させる方法 - Google Patents

液晶配向膜、その製造方法、光学補償シート、stn型液晶表示装置およびディスコティック液晶性分子を配向させる方法

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JP2002098828A JP2000252599A JP2000252599A JP2002098828A JP 2002098828 A JP2002098828 A JP 2002098828A JP 2000252599 A JP2000252599 A JP 2000252599A JP 2000252599 A JP2000252599 A JP 2000252599A JP 2002098828 A JP2002098828 A JP 2002098828A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスコティック液晶性分子を実質的に
垂直かつ均一な方向に安定に配向させて、STN型液晶
表示装置に適した光学補償シートを得る。 【解決手段】 炭素原子数が10乃至100の炭化水素
基または炭素原子数が1乃至100のフッ素原子置換炭
化水素基を有する(メタ)アクリル酸コポリマーを配向
膜に添加して、ディスコティック液晶性分子を50乃至
90度の範囲の平均傾斜角で配向させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶配向膜および
その製造方法に関する。また、本発明は、透明支持体上
に配向膜およびディスコティック液晶性分子から形成さ
れた光学的異方性層をこの順に有する光学補償シートに
も関する。さらに本発明は、STN型液晶表示装置にも
関する。さらにまた本発明は、50乃至90度の範囲の
平均傾斜角でディスコティック液晶性分子を配向させる
方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】STN型液晶表示装置は、STN型液晶
セル、二枚の偏光板およびSTN型液晶セルと偏光板と
の間に設けられる一枚または二枚の光学補償シート(位
相差板)からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子、それ
を封入するための二枚の基板および棒状液晶性分子に電
圧を加えるための電極層からなる。STN型液晶セルで
は、棒状液晶性分子を配向させるための配向膜が、二枚
の基板に設けられる。さらに、カイラル剤を用いて、棒
状液晶性分子を180乃至360度にねじれ配向させ
る。光学補償シートがないSTN型液晶表示装置では、
棒状液晶分子の複屈折性のため、表示画像がブルーまた
はイエローに着色する。表示画像の着色は、モノクロ表
示でもカラー表示でも不都合である。光学補償シート
は、このような着色を解消して、明るい鮮明な画像を得
るために用いられる。光学補償シートにはまた、液晶セ
ルの視野角を拡大する機能を付与する場合もある。光学
補償シートとしては、延伸複屈折フイルムが従来から使
用されている。延伸複屈折フイルムを用いたSTN型液
晶表示装置用の光学補償シートについては、特開平7−
104284号、同7−13021号の各公報に記載が
ある。
【0003】延伸複屈折フイルムからなる光学補償シー
トに代えて、透明支持体上にディスコティック液晶性分
子を含む光学的異方性層を有する光学補償シートを使用
することが提案されている。光学的異方性層は、ディス
コティック液晶性分子を配向させ、その配向状態を固定
することにより形成する。ディスコティック液晶性分子
は、一般に大きな複屈折率を有する。そして、ディスコ
ティック液晶性分子には、多様な配向形態がある。ディ
スコティック液晶性分子を用いることで、従来の延伸複
屈折フイルムでは得ることができない光学的性質を有す
る光学補償シートを製造することが可能になる。ディス
コティック液晶性分子を用いた光学補償シートについて
は、特開平6−214116号公報、米国特許5583
679号、同5646703号、ドイツ特許公報391
1620A1号の各明細書に記載がある。ただし、これ
らの光学補償シートは、主な用途としてTN型液晶表示
装置を想定して設計されている。
【0004】ディスコティック液晶性分子を用いた光学
補償シートを、STN型液晶表示装置に利用することが
考えられる。STN型液晶表示装置では、90゜よりも
大きく超ねじれ配向させた棒状液晶性分子を複屈折モー
ドで用いる。STN型液晶表示装置には、能動素子(薄
膜トランジスターやダイオード)がない単純マトリック
ス電極構造でも、時分割駆動によって大容量の鮮明な表
示が可能であるとの特徴がある。ディスコティック液晶
性分子を用いてSTN型液晶セルを光学補償するために
は、ディスコティック液晶性分子を実質的に垂直に配向
(ホモジニアス配向)させる必要がある。ディスコティ
ック液晶性分子は、さらに、ねじれ配向させることが好
ましい。特開平9−26572号公報には、ディスコテ
ィック液晶性分子をねじれ配向させた光学補償シートが
開示されている。さらに同公報の図面には、ディスコテ
ィック液晶性分子を実質的に垂直に配向させた状態が示
されている。同公報に開示されている方法では、ガラス
基板にディスコティック液晶性分子を含む材料を塗布、
乾燥し、基板に平行に磁場を印加することによって、デ
ィスコティック液晶性分子を実質的に垂直に配向させて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平9−26572
号公報に開示されている技術では、ディスコティック液
晶性分子の配向(磁場配向)に特別な装置を必要とす
る。また、その配向状態についても高い再現性を得るこ
とは困難である。一方、液晶セルに使用する棒状液晶性
分子を実質的に垂直に配向(ホメオトロピック配向)さ
せる技術も研究されている。例えば、棒状液晶性分子を
電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に
実質的に水平に配向させる垂直配向(Vertical Alignmen
t)液晶モードの液晶セルでは、棒状液晶性分子を実質的
に垂直に配向させる配向膜が必要である。棒状液晶性分
子については、様々な配向膜が提案されている。しか
し、棒状液晶性分子の配向膜を使用するのみでは、ディ
スコティック液晶性分子でを配向膜界面から空気界面ま
で実質的に垂直に配向させることは難しい。従って、特
別な装置を用いることなく、ディスコティック液晶性分
子を配向膜界面から空気界面まで実質的に垂直に配向さ
せる方法が求められている。
【0006】本発明の目的は、液晶性分子(特にディス
コティック液晶性分子)を実質的に垂直に配向させる機
能を有する配向膜を提供することである。また、本発明
の目的は、特にSTN型液晶表示装置に適した光学補償
シートを提供することである。さらに、本発明の目的
は、高コントラストの鮮明な画像が得られるSTN型液
晶表示装置を提供することでもある。さらにまた、本発
明の目的は、ディスコティック液晶性分子を垂直かつ均
一な方向に安定に配向させる方法を提供することでもあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(2)の液晶配向膜、下記(3)〜(4)の液
晶配向膜の製造方法、下記(5)〜(6)の光学補償シ
ート、下記(7)のSTN型液晶表示装置および下記
(8)のディスコティック液晶性分子を配向させる方法
により達成された。 (1)支持体上に設けられている液晶配向膜であって、
下記式(I)で表される繰り返し単位と、下記式(II)
または(III)で表される繰り返し単位とを含むアクリル
酸コポリマーまたはメタクリル酸コポリマーからなるこ
とを特徴とする液晶配向膜:
【0008】
【化6】
【0009】[式中、R1 は、水素原子またはメチルで
あり;R2 は、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子
数が1乃至6のアルキル基であり;Mは、プロトン、ア
ルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンであり;L
0 は、−O−、−CO−、−NH−、−SO2 −、アル
キレン基、アルケニレン基、アリーレン基およびそれら
の組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であ
り;R0 は、炭素原子数が10乃至100の炭化水素基
または炭素原子数が1乃至100のフッ素原子置換炭化
水素基であり;Cyは、脂肪族環基、芳香族基または複
素環基であり;mは、10乃至99モル%であり;そし
て、nは、1乃至90モル%である]。 (2)アクリル酸コポリマーまたはメタクリル酸コポリ
マーが、式(I)で表される繰り返し単位と、式(II)
で表される繰り返し単位とを含み、式(II)において、
0 が少なくとも二個の芳香族環または芳香族性複素環
を含む炭素原子数が10乃至100の炭化水素基である
(1)に記載の液晶配向膜。
【0010】(3)支持体上に、前記式(I)で表され
る繰り返し単位と、前記式(II)または(III)で表され
る繰り返し単位とを含むアクリル酸コポリマーまたはメ
タクリル酸コポリマーの溶液を塗布して塗布膜を形成す
る工程;塗布膜を乾燥する工程;塗布膜の表面をラビン
グ処理する工程;そして、ラビング処理後の塗布膜を5
0乃至300℃の範囲の温度に加熱する工程からなるこ
とを特徴とする液晶配向膜の製造方法。 (4)ラビング処理後の塗布膜を100乃至250℃に
加熱したホットプレートに接触させることにより、塗布
膜を加熱する工程を実施する(3)に記載の製造方法。
【0011】(5)透明支持体上に、配向膜およびディ
スコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層
をこの順序で有する光学補償シートであって、配向膜が
前記式(I)で表される繰り返し単位と、前記式(II)
または(III)で表される繰り返し単位とを含むアクリル
酸コポリマーまたはメタクリル酸コポリマーからなり、
ディスコティック液晶性分子が50乃至90度の範囲の
平均傾斜角で配向していることを特徴とする光学補償シ
ート。 (6)ディスコティック液晶性分子がねじれ配向してお
り、ねじれ角が90乃至360度の範囲である(5)に
記載の光学補償シート。
【0012】(7)STN型液晶セル、その両側に配置
された二枚の偏光板およびSTN型液晶セルと一方また
は両方の偏光板との間に配置された一枚または二枚の光
学補償シートからなるSTN型液晶表示装置であって、
光学補償シートが透明支持体、配向膜およびディスコテ
ィック液晶性分子から形成された光学的異方性層を偏光
板側からこの順に有し、配向膜が前記式(I)で表され
る繰り返し単位と、前記式(II)または(III)で表され
る繰り返し単位とを含むアクリル酸コポリマーまたはメ
タクリル酸コポリマーからなり、ディスコティック液晶
性分子が50乃至90度の範囲の平均傾斜角で配向し、
さらにねじれ配向しており、ねじれ角が90乃至360
度の範囲であることを特徴とするSTN型液晶表示装
置。
【0013】(8)前記式(I)で表される繰り返し単
位と、前記式(II)または(III)で表される繰り返し単
位とを含むアクリル酸コポリマーまたはメタクリル酸コ
ポリマーを含む配向膜を用いて、50乃至90度の範囲
の平均傾斜角でディスコティック液晶性分子を配向させ
る方法。本明細書において、液晶性分子の平均傾斜角
は、ディスコティック液晶性分子の円盤面(または棒状
液晶性分子の長軸方向)と支持体の面との平均角度を意
味する。そして、液晶性分子が50乃至90度の範囲の
平均傾斜角で配向している状態を、液晶性分子が実質的
に垂直に配向していると称する。
【0014】
【発明の効果】本発明者は研究の結果、炭素原子数が1
0乃至100の炭化水素基を含む側鎖、フッ素置換炭化
水素基を含む側鎖、または主鎖に直結している環状構造
を有する(メタ)アクリル酸コポリマーを配向膜に用い
て、液晶性分子を実質的に垂直かつ均一な方向に安定に
配向させることに成功した。この配向膜は、ディスコテ
ィック液晶性分子を配向させるために用いると特に効果
がある。ディスコティック液晶性分子を実質的に垂直か
つ均一な方向に安定に配向させる手段が得られたこと
で、STN型液晶表示装置に適した光学補償シートを製
造することが可能になった。ディスコティック液晶性分
子を実質的に垂直に配向させた(好ましくは、さらにね
じれ配向させた)光学補償シートを用いることで、ST
N型液晶表示装置の表示画像の着色が解消され、高コン
トラストの鮮明な画像を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、STN型液晶表示装置の
電圧無印加(off)の画素部分における液晶セル内の
棒状液晶性分子の配向状態と光学的異方性層内のディス
コティック液晶性分子の配向状態とを模式的に示す断面
図である。図1に示すように、液晶セルは、上基板(1
1)の下側の配向膜(12)と下基板(15)の上側の
配向膜(14)との間に、棒状液晶性分子(13a〜1
3e)を封入して形成した液晶層を有する。配向膜(1
2、14)と液晶層に添加したカイラル剤との機能によ
り、棒状液晶性分子(13a〜13e)は、図1に示す
ように、ねじれ配向している。なお、図1では省略した
が、液晶セルの上基板(11)と下基板(15)は、そ
れぞれ、電極層を有する。電極層は、棒状液晶性分子
(13a〜13e)に電圧を印加する機能を有する。S
TN型液晶セルの印加電圧が0であると(電圧無印加
時)、図1に示すように、棒状液晶性分子(13a〜1
3e)は、配向膜(12、14)の面とほぼ平行(水平
方向に)に配向している。そして、棒状液晶性分子(1
3a〜13e)は、厚み方向に沿ってねじれながら、水
平面内で螺旋を巻く(図1では、13aから13eまで
反時計回りにほぼ240゜)ような方向に配向してい
る。なお、STN型液晶セルの電圧印加(on)時に
は、液晶セル内の中央部分の棒状液晶性分子(13b〜
13d)は、電圧無印加(off)時と比較して、より
垂直に配向(電場方向と平行に再配列)する。配向膜
(12、14)近傍の棒状液晶性分子(13a、13
e)の配向状態は、電圧を印加しても実質的に変化しな
い。
【0016】液晶セルの下側に、光学補償シートが配置
されている。図1に示す光学補償シートは、透明支持体
(23)上に、配向膜(22)および光学的異方性層を
この順で有する。光学的異方性層は、ディスコティック
液晶性分子(21a〜21e)を配向させ、その配向状
態で分子を固定して得られた層である。本発明では、図
1に示すように、ディスコティック液晶性分子(21a
〜21e)の円盤面を、配向膜(22)の面に対して実
質的に垂直に配向させる。そして、図1に示すように、
ディスコティック液晶性分子(21a〜21e)は、厚
み方向に沿ってねじれながら、水平面内で螺旋を巻く
(図1では、21aから21eまで時計回りにほぼ24
0゜)ような方向に配向させることが好ましい。図1で
は、棒状液晶性分子とディスコティック液晶性分子と
が、13aと21e、13bと21d、13cと21
c、13dと21b、そして13eと21aのそれぞれ
が対応する関係になっている。すなわち、棒状液晶性分
子13aをディスコティック液晶性分子21eが光学的
に補償し、以下同様に、棒状液晶性分子13eを、ディ
スコティック液晶性分子21aが光学的に補償する。そ
れぞれの対応関係については、図2で説明する。
【0017】図2は、液晶セルの棒状液晶性分子と、そ
れを光学補償する関係にある光学補償シートのディスコ
ティック液晶性分子について、それぞれの屈折率楕円体
を示す模式図である。液晶セルの棒状液晶性分子の屈折
率楕円体(13)は、配向膜に平行な面内の屈折率(1
3x、13y)と液晶セルの厚み方向の屈折率(13
z)により形成される。STN型液晶セルでは、配向膜
に平行な面内の一方向の屈折率(13x)が大きな値と
なり、それに垂直な方向の面内の屈折率(13y)と液
晶セルの厚み方向の屈折率(13z)は、小さな値とな
る。そのため、屈折率楕円体(13)は、図2に示すよ
うなラグビーボールを横に寝かせた形状になる。このよ
うに球状ではない屈折率楕円体を有する液晶セルでは、
複屈折性に角度依存性が生じる。この角度依存性を、光
学補償シートを用いて解消する。
【0018】この棒状液晶性分子を光学補償する関係に
ある光学補償シートのディスコティック液晶性分子の屈
折率楕円体(21)も、配向膜に平行な面内の屈折率
(21x、21y)と光学的異方性層の厚み方向の屈折
率(21z)により形成される。本発明では、ディスコ
ティック液晶性分子を実質的に垂直に配向させること
で、配向膜に平行な面内の一方向の屈折率(21x)が
小さな値となり、それに垂直な方向の面内の屈折率(2
1y)と光学的異方性層の厚み方向の屈折率(21z)
は、大きな値となる。そのため、屈折率楕円体(21)
は、図2に示すような円盤を立てた形状になる。以上の
関係から、液晶セル(1)に生じたレターデーション
を、光学補償シート(2)により相殺することができ
る。すなわち、棒状液晶性分子の屈折率(13x、13
y、13z)、ディスコティック液晶性分子の屈折率
(21x、21y、21z)、ディレクターの方向が同
じである棒状液晶性分子層の厚み(13t)およびディ
スコティック液晶性分子層の厚み(21t)を、以下の
式を満足するように液晶表示装置を設計すれば、液晶セ
ルの角度依存性を解消できる。 │(13x−13y)×13t│=│(21x−21
y)×21t│ │(13x−13z)×13t│=│(21x−21
z)×21t│
【0019】図3は、STN型液晶表示装置の層構成を
示す模式図である。図3の(a)に示す液晶表示装置
は、バックライト(BL)側から順に、下偏光板(3
a)、下光学補償シート(2a)、STN型液晶セル
(1)、そして上偏光板(3b)の順に配置されてい
る。図3の(b)に示す液晶表示装置は、バックライト
(BL)側から順に、下偏光板(3a)、下光学補償シ
ート(2a)、上光学補償シート(2b)、STN型液
晶セル(1)、そして上偏光板(3b)の順に配置され
ている。図3の(c)に示す液晶表示装置は、バックラ
イト(BL)側から順に、下偏光板(3a)、STN型
液晶セル(1)、上光学補償シート(2b)、そして上
偏光板(3b)の順に配置されている。図3の(d)に
示す液晶表示装置は、バックライト(BL)側から順
に、下偏光板(3a)、STN型液晶セル(1)、下光
学補償シート(2a)、上光学補償シート(2b)、そ
して上偏光板(3b)の順に配置されている。図3の
(e)に示す液晶表示装置は、バックライト(BL)側
から順に、下偏光板(3a)、下光学補償シート(2
a)、STN型液晶セル(1)、上光学補償シート(2
b)、そして上偏光板(3b)の順に配置されている。
【0020】図3には、矢印として、下偏光板(3a)
の透過軸(TAa)、下光学補償シート(2a)の配向
膜近傍のディスコティック液晶性分子の円盤面の法線
(ディレクター)方向(DDa)、下光学補償シート
(2a)の液晶セル近傍のディスコティック液晶性分子
の円盤面の法線(ディレクター)方向(DDb)、液晶
セル(1)の下配向膜のラビング方向(RDa)、液晶
セル(1)の上配向膜のラビング方向(RDb)、上光
学補償シート(2a)の液晶セル近傍のディスコティッ
ク液晶性分子の円盤面の法線(ディレクター)方向(D
Dc)、上光学補償シート(2a)の配向膜近傍のディ
スコティック液晶性分子の円盤面の法線(ディレクタ
ー)方向(DDd)、および上偏光板(3b)の透過軸
(TAb)を示した。それぞれの正確な角度について
は、図4および図5において説明する。
【0021】図4は、STN型液晶表示装置の各要素に
ついて、好ましい光学的方向を示す平面図である。図4
は、正面コントラストを重視した配置である。図4の
(a)は、図3の(a)に示すように、下偏光板とST
N型液晶セルとの間に光学補償シートを一枚有する場合
である。図4の(b)は、図3の(b)に示すように、
下偏光板とSTN型液晶セルとの間に光学補償シートを
二枚有する場合である。図4の(c)は、図3の(c)
に示すように、STN型液晶セルと上偏光板との間に光
学補償シートを一枚有する場合である。図4の(d)
は、図3の(d)に示すように、STN型液晶セルと上
偏光板との間に光学補償シートを二枚有する場合であ
る。図4の(e)は、図3の(e)に示すように、下偏
光板とSTN型液晶セルとの間に光学補償シートを一枚
およびSTN型液晶セルと上偏光板との間に光学補償シ
ートを一枚の合計二枚有する場合である。Xは基準(0
゜)となる方向であり、それぞれの矢印の意味は、図3
で説明した通りである。なお、下偏光板の透過軸(TA
a)と上偏光板の透過軸(TAb)とを入れ替えた配置
にしてもよい。
【0022】図5は、STN型液晶表示装置の各要素に
ついて、別の好ましい光学的方向を示す平面図である。
図5は、色味を重視した配置である。図5の(a)は、
図3の(a)に示すように、下偏光板とSTN型液晶セ
ルとの間に光学補償シートを一枚有する場合である。図
5の(b)は、図3の(b)に示すように、下偏光板と
STN型液晶セルとの間に光学補償シートを二枚有する
場合である。図5の(c)は、図3の(c)に示すよう
に、STN型液晶セルと上偏光板との間に光学補償シー
トを一枚有する場合である。図5の(d)は、図3の
(d)に示すように、STN型液晶セルと上偏光板との
間に光学補償シートを二枚有する場合である。図5の
(e)は、図3の(e)に示すように、下偏光板とST
N型液晶セルとの間に光学補償シートを一枚およびST
N型液晶セルと上偏光板との間に光学補償シートを一枚
の合計二枚有する場合である。Xは基準(0゜)となる
方向であり、それぞれの矢印の意味は、図3で説明した
通りである。なお、下偏光板の透過軸(TAa)と上偏
光板の透過軸(TAb)とを入れ替えた配置にしてもよ
い。
【0023】[支持体]支持体としては、透明で光学的
異方性が小さいポリマーフイルムを用いることが好まし
い。支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上で
あることを意味する。光学的異方性が小さいとは、具体
的には、面内レターデーション(Re)が20nm以下
であることが好ましく、10nm以下であることがさら
に好ましく、5nm以下であることが最も好ましい。ま
た、厚み方向のレターデーション(Rth)は、100n
m以下であることが好ましく、50nm以下であること
がさらに好ましく、30nm以下であることが最も好ま
しい。面内レターデーション(Re)と厚み方向のレタ
ーデーション(Rth)は、それぞれ下記式で定義され
る。 Re=(nx−ny)×d Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d 式中、nxおよびnyは、透明支持体の面内屈折率であ
り、nzは透明支持体の厚み方向の屈折率であり、そし
てdは透明支持体の厚さである。
【0024】ポリマーの例には、セルロースエステル、
ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートが含ま
れる。セルロースエステルが好ましく、アセチルセルロ
ースがさらに好ましく、トリアセチルセルロースが最も
好ましい。ポリマーフイルムは、ソルベントキャスト法
により形成することが好ましい。透明支持体の厚さは、
20乃至500μmであることが好ましく、50乃至2
00μmであることがさらに好ましい。透明支持体とそ
の上に設けられる層(接着層、垂直配向膜あるいは光学
的異方性層)との接着を改善するため、透明支持体に表
面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線
(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。透明支持
体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
【0025】[配向膜]配向膜は、下記式(I)で表さ
れる繰り返し単位と、下記式(II)または下記(III)で
表される繰り返し単位とを含むアクリル酸コポリマー
(式(I)におけるR1 が水素原子)またはメタクリル
酸コポリマー(式(I)におけるR1 がメチル)からな
る。本発明者の研究によれば、液晶性分子(特にディス
コティック液晶性分子)を実質的に垂直に配向させるた
めには、配向膜に含まれるポリマーの側鎖の機能が重要
である。具体的には、ポリマーの官能基により配向膜の
表面エネルギーを低下させ、これにより液晶性分子を立
てた状態にする。配向膜の表面エネルギーを低下させる
官能基としては、炭素原子数が10乃至100の炭化水
素基またはフッ素原子置換炭化水素基(式(II)におけ
るR0 )、あるいは主鎖に直結している環状基(式(II
I)におけるCy)が有効である。これらの官能基を配向
膜の表面に存在させるために、ポリマーの側鎖末端に炭
化水素基またはフッ素原子置換炭化水素基を導入する
か、環状基を主鎖に直結させる。
【0026】
【化7】
【0027】式(I)において、R1 は、水素原子(ア
クリル酸コポリマー)またはメチル(メタクリル酸コポ
リマー)である。式(I)において、Mは、プロトン、
アルカリ金属(例、Na、K)イオンまたはアンモニウ
ムイオンである。アンモニウムイオンは、有機基(例、
メチル)により置換(1級〜4級)されていてもよい。
アンモニウムイオンの例には、NH4 、NH3 CH3
NH2 (CH3 2 、NH(CH3 3 およびN(CH
34 が含まれる。式(I)のCOOMが、このような
親水性基であることによって、(メタ)アクリル酸コポ
リマーは水溶性を示す。よって、水性溶媒を用いて配向
膜を形成することができる。式(I)において、mは、
10乃至99モル%である。mは、10乃至95モル%
であることが好ましく、25乃至90モル%であること
がさらに好ましい。
【0028】式(II)において、R2 は、水素原子、ハ
ロゲン原子または炭素原子数が1乃至6のアルキル基で
ある。R2 は、水素原子または炭素原子数が1乃至6の
アルキル基であることが好ましく、水素原子、メチルま
たはエチルであることがさらに好ましく、水素原子また
はメチルであることが最も好ましい。
【0029】式(II)において、L0 は、−O−、−C
O−、−NH−、−SO2 −、アルキレン基、アルケニ
レン基、アリーレン基およびそれらの組み合わせからな
る群より選ばれる二価の連結基である。L0 は、−CO
−L00−である(−CO−が主鎖に結合し、L00は、−
O−、−CO−、−NH−、−SO2 −、アルキレン
基、アルケニレン基、アリーレン基およびそれらの組み
合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である)こ
とが特に好ましい。
【0030】L0 は、−CO−O−、−CO−O−アル
キレン基−、−CO−O−アルキレン基−アルケニレン
基−、−CO−O−アルキレン基−アリーレン基−、−
CO−O−アルキレン基−O−、−CO−O−アルキレ
ン基−O−CO−、−CO−O−アルキレン基−NH−
SO2 −アリーレン基−O−、−CO−O−アルキレン
基−O−CO−アルキレン基−O−、−CO−O−アル
キレン基−CO−NH−、−CO−O−アルキレン基−
NH−SO2 −、−CO−O−アルキレン基−O−CO
−アリーレン基−、−CO−NH−、−CO−NH−ア
リーレン基−、−CO−NH−アリーレン基−CO−O
−、−CO−O−アリーレン基−O−CO−アルキレン
基−O−アリーレン基−、−CO−O−アリーレン基
−、−CO−NH−アリーレン基−NH−CO−、−C
O−NH−アリーレン基−O−、−CO−O−アルキレ
ン基−CO−O−、−CO−O−アルキレン基−CO
−、−CO−O−アリーレン基−CO−O−または−C
O−NH−アルキレン基−NH−CO−O−であること
が好ましく、−CO−O−、−CO−O−アルキレン基
−NH−SO2 −アリーレン基−O−、−CO−NH
−、−CO−NH−アリーレン基−O−、−CO−O−
アルキレン基−、−CO−O−アルキレン基−アリーレ
ン基−または−CO−O−アルキレン基−O−CO−ア
リーレン基−であることがさらに好ましく、−CO−O
−または−CO−NH−であることが最も好ましい。な
お、これらの連結基は、左側が主鎖に結合し、右側がR
0 に結合する。
【0031】上記アルキレン基は、分岐または環状構造
を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1
乃至30であることが好ましく、1乃至15であること
がさらに好ましく、1乃至12であることが最も好まし
い。上記アルケニレン基は、分岐または環状構造を有し
ていてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、2乃至3
0であることが好ましく、2乃至16であることがさら
に好ましく、2乃至4であることが最も好ましい。上記
アリーレン基は、フェニレンまたはナフチレンであるこ
とが好ましく、フェニレンであることがさらに好まし
く、p−フェニレンであることが最も好ましい。アリー
レン基は、置換基を有していてもよい。アリーレン基の
置換基の例には、ハロゲン原子、カルボキシル、シア
ノ、ニトロ、カルバモイル、スルファモイル、アルキル
基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ
基、アシル基、アシルオキシ基、アルキル置換カルバモ
イル基、アルキル置換スルファモイル基、アミド基、ス
ルホンアミド基およびアルキルスルホニル基が含まれ
る。
【0032】式(II)において、R0 は、炭素原子数が
10乃至100の炭化水素基または炭素原子数が1乃至
100のフッ素原子置換炭化水素基である。炭化水素基
は、脂肪族基、芳香族基またはそれらの組み合わせであ
る。脂肪族基は、環状、分岐状あるいは直鎖状のいずれ
でもよい。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基
であってもよい)またはアルケニル基(シクロアルケニ
ル基であってもよい)であることが好ましい。炭化水素
基は、ハロゲン原子のような強い親水性を示さない置換
基を有していてもよい。炭化水素基の炭素原子数は、1
0乃至80であることが好ましく、10乃至60である
ことがさらに好ましく、10乃至40であることが最も
好ましい。
【0033】炭化水素基は、ステロイド構造を有するこ
とが好ましい。ステロイド構造には、配向膜の表面エネ
ルギーを低下させる機能に加えて、排除体積効果もあ
る。排除体積効果を配向膜に付与すると、表面エネルギ
ーの低下効果と相乗して、液晶性分子を立てた状態にす
る。本明細書においてステロイド基とは、シクロペンタ
ノヒドロフェナントレン環基またはその環の結合の一部
が二重結合となっている環基を意味する。ステロイド基
を有する炭化水素基の炭素原子数は、18乃至100で
あることが好ましく、19乃至60であることがさらに
好ましく、20乃至40であることが最も好ましい。ま
た、炭化水素基は、少なくとも二個の芳香族環または芳
香族性複素環を含むことも好ましい。少なくとも二個の
芳香族環または芳香族性複素環を含む炭化水素基および
それを側鎖に有する繰り返し単位については後述する。
【0034】フッ素原子置換炭化水素基の炭化水素基
は、脂肪族基、芳香族基またはそれらの組み合わせであ
る。脂肪族基は、環状、分岐状あるいは直線状のいずれ
でもよい。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基
であってもよい)またはアルケニル基(シクロアルケニ
ル基であってもよい)であることが好ましい。脂肪族基
は、フッ素原子以外にも、他のハロゲン原子のような強
い親水性を示さない置換基を有していてもよい。フッ素
原子置換炭化水素基の炭素原子数は、5乃至80である
ことが好ましく、10乃至60であることがさらに好ま
しく、10乃至40であることが最も好ましい。炭化水
素基の水素原子がフッ素原子で置換されている割合は、
50乃至100モル%であることが好ましく、70乃至
100モル%であることがより好ましく、80乃至10
0モル%であることがさらに好ましく、90乃至100
モル%であることが最も好ましい。
【0035】式(II)において、nは、1乃至90モル
%である。nは、5乃至80モル%であることが好まし
く、10乃至70モル%であることがさらに好ましい。
以下に、R0 が炭素原子数が10乃至100の炭化水素
基(少なくとも二個の芳香族環または芳香族性複素環を
含む炭化水素基を除く)である式(II)で表される繰り
返し単位(HyC)の例を示す。
【0036】
【化8】
【0037】
【化9】
【0038】
【化10】
【0039】
【化11】
【0040】
【化12】
【0041】
【化13】
【0042】
【化14】
【0043】
【化15】
【0044】
【化16】
【0045】
【化17】
【0046】
【化18】
【0047】
【化19】
【0048】
【化20】
【0049】
【化21】
【0050】
【化22】
【0051】
【化23】
【0052】
【化24】
【0053】
【化25】
【0054】
【化26】
【0055】
【化27】
【0056】
【化28】
【0057】
【化29】
【0058】以下に、R0 が炭素原子数が10乃至10
0の炭化水素基(少なくとも二個の芳香族環または芳香
族性複素環を含む炭化水素基を除く)である式(II)で
表される繰り返し単位(HyC)を含む(メタ)アクリ
ル酸コポリマーの例を示す。AAはアクリル酸から誘導
される繰り返し単位であり、MAはメタクリル酸から誘
導される繰り返し単位である。繰り返し単位の割合は、
モル%である。
【0059】 PA1:−(AA)60−(HyC1)40− PA2:−(AA)70−(HyC1)30− PA3:−(AA)60−(HyC2)40− PA4:−(AA)75−(HyC2)25− PA5:−(AA)65−(HyC3)35− PA6:−(AA)80−(HyC3)30− PA7:−(AA)60−(HyC4)40− PA8:−(AA)70−(HyC4)30− PA9:−(AA)70−(HyC5)30− PA10:−(AA)80−(HyC5)20− PA11:−(AA)60−(HyC6)40− PA12:−(AA)70−(HyC6)30− PA13:−(AA)60−(HyC7)40− PA14:−(AA)70−(HyC7)30− PA15:−(AA)60−(HyC8)40− PA16:−(AA)85−(HyC8)15− PA17:−(AA)60−(HyC9)40− PA18:−(AA)70−(HyC9)30− PA19:−(AA)60−(HyC10)40− PA20:−(AA)70−(HyC10)30−
【0060】 PA21:−(AA)60−(HyC11)40− PA22:−(AA)85−(HyC11)15− PA23:−(AA)60−(HyC12)40− PA24:−(AA)50−(HyC12)50− PA25:−(AA)60−(HyC13)40− PA26:−(AA)50−(HyC13)50− PA27:−(AA)60−(HyC14)40− PA28:−(AA)70−(HyC14)30− PA29:−(AA)50−(HyC15)50− PA30:−(AA)60−(HyC15)40− PA31:−(AA)80−(HyC16)20− PA32:−(AA)70−(HyC16)30− PA33:−(AA)85−(HyC17)15− PA34:−(AA)70−(HyC17)30− PA35:−(AA)60−(HyC18)40− PA36:−(AA)70−(HyC18)30− PA37:−(AA)80−(HyC19)20− PA38:−(AA)70−(HyC19)30− PA39:−(AA)60−(HyC20)40− PA40:−(AA)70−(HyC20)30−
【0061】 PA41:−(AA)60−(HyC21)40− PA42:−(AA)70−(HyC21)30− PA43:−(AA)60−(HyC22)40− PA44:−(AA)70−(HyC22)30− PA45:−(AA)90−(HyC23)10− PA46:−(AA)80−(HyC23)20− PA47:−(AA)90−(HyC24)10− PA48:−(AA)80−(HyC24)20− PA49:−(AA)85−(HyC25)15− PA50:−(AA)70−(HyC25)30− PA51:−(AA)60−(HyC26)40− PA52:−(AA)70−(HyC26)30− PA53:−(AA)65−(HyC27)35− PA54:−(AA)60−(HyC27)40− PA55:−(AA)75−(HyC28)25− PA56:−(AA)60−(HyC28)40− PA57:−(AA)60−(HyC29)40− PA58:−(AA)70−(HyC29)30− PA59:−(AA)60−(HyC30)40− PA60:−(AA)70−(HyC30)30−
【0062】 PA61:−(AA)60−(HyC31)40− PA62:−(AA)70−(HyC31)30− PA63:−(AA)80−(HyC32)20− PA64:−(AA)70−(HyC32)30− PA65:−(AA)80−(HyC33)20− PA66:−(AA)70−(HyC33)30− PA67:−(AA)60−(HyC34)40− PA68:−(AA)70−(HyC34)30− PA69:−(AA)90−(HyC35)10− PA70:−(AA)80−(HyC35)20− PA71:−(AA)60−(HyC36)40− PA72:−(AA)50−(HyC36)50− PA73:−(AA)60−(HyC37)40− PA74:−(AA)70−(HyC37)30− PA75:−(AA)90−(HyC38)10− PA76:−(AA)80−(HyC38)20− PA77:−(AA)60−(HyC39)40− PA78:−(AA)70−(HyC39)30− PA79:−(AA)80−(HyC40)20− PA80:−(AA)70−(HyC40)30−
【0063】 PA81:−(AA)60−(HyC41)40− PA82:−(AA)70−(HyC41)30− PA83:−(AA)60−(HyC42)40− PA84:−(AA)70−(HyC42)30− PA85:−(MA)70−(HyC1)30− PA86:−(MA)60−(HyC2)40− PA87:−(MA)70−(HyC3)30− PA88:−(MA)60−(HyC4)40− PA89:−(MA)70−(HyC5)30− PA90:−(MA)60−(HyC6)40− PA91:−(MA)70−(HyC7)30− PA92:−(MA)60−(HyC8)40− PA93:−(MA)70−(HyC9)30− PA94:−(MA)60−(HyC10)40− PA95:−(MA)70−(HyC11)30− PA96:−(MA)60−(HyC12)40− PA97:−(MA)70−(HyC13)30− PA98:−(MA)60−(HyC14)40− PA99:−(MA)70−(HyC15)30− PA100:−(MA)60−(HyC16)40−
【0064】 PA101:−(MA)70−(HyC17)30− PA102:−(MA)60−(HyC18)40− PA103:−(MA)70−(HyC19)30− PA104:−(MA)60−(HyC20)40− PA105:−(MA)60−(HyC21)40− PA106:−(MA)60−(HyC22)40− PA107:−(MA)60−(HyC23)40− PA108:−(MA)60−(HyC24)40− PA109:−(MA)60−(HyC25)40− PA110:−(MA)60−(HyC26)40− PA111:−(MA)60−(HyC27)40− PA112:−(MA)60−(HyC28)40− PA113:−(MA)60−(HyC29)40− PA114:−(MA)60−(HyC30)40− PA115:−(MA)60−(HyC31)40− PA116:−(MA)60−(HyC32)40− PA117:−(MA)60−(HyC33)40− PA118:−(MA)60−(HyC34)40− PA119:−(MA)60−(HyC35)40− PA120:−(MA)60−(HyC36)40− PA121:−(MA)60−(HyC37)40− PA122:−(MA)60−(HyC38)40− PA123:−(MA)60−(HyC39)40− PA124:−(MA)60−(HyC40)40− PA125:−(MA)60−(HyC41)40− PA126:−(MA)60−(HyC42)40−
【0065】以下に、R0 が炭素原子数が1乃至100
のフッ素原子置換炭化水素基である式(II)で表される
繰り返し単位(FRU)の例を示す。
【0066】
【化30】
【0067】
【化31】
【0068】
【化32】
【0069】
【化33】
【0070】
【化34】
【0071】
【化35】
【0072】
【化36】
【0073】
【化37】
【0074】
【化38】
【0075】
【化39】
【0076】以下に、R0 が1乃至100のフッ素原子
置換炭化水素基である式(II)で表される繰り返し単位
(FRU)を含む(メタ)アクリル酸コポリマーの例を
示す。AAはアクリル酸から誘導される繰り返し単位で
あり、MAはメタクリル酸から誘導される繰り返し単位
である。繰り返し単位の割合は、モル%である。
【0077】 PA201:−(AA)60−(FRU1)40− PA202:−(AA)70−(FRU1)30− PA203:−(AA)60−(FRU2)40− PA204:−(AA)70−(FRU2)30− PA205:−(AA)70−(FRU3)30− PA206:−(AA)80−(FRU3)20− PA207:−(AA)70−(FRU4)30− PA208:−(AA)80−(FRU4)20− PA209:−(AA)60−(FRU5)40− PA210:−(AA)70−(FRU5)30− PA211:−(AA)60−(FRU6)40− PA212:−(AA)70−(FRU6)30− PA213:−(AA)60−(FRU7)40− PA214:−(AA)70−(FRU7)30− PA215:−(AA)60−(FRU8)40− PA216:−(AA)50−(FRU8)50− PA217:−(AA)60−(FRU9)40− PA218:−(AA)70−(FRU9)30− PA219:−(AA)60−(FRU10)40− PA220:−(AA)70−(FRU10)30−
【0078】 PA221:−(AA)60−(FRU11)40− PA222:−(AA)50−(FRU11)50− PA223:−(AA)60−(FRU12)40− PA224:−(AA)70−(FRU12)30− PA225:−(AA)80−(FRU13)20− PA226:−(AA)75−(FRU13)25− PA227:−(AA)60−(FRU14)40− PA228:−(AA)70−(FRU14)30− PA229:−(AA)85−(FRU15)15− PA230:−(AA)75−(FRU15)25− PA231:−(AA)60−(FRU16)40− PA232:−(AA)70−(FRU16)30− PA233:−(AA)60−(FRU17)40− PA234:−(AA)70−(FRU17)30− PA235:−(AA)60−(FRU18)40− PA236:−(AA)50−(FRU18)50− PA237:−(AA)60−(FRU19)40− PA238:−(AA)70−(FRU19)30− PA239:−(AA)60−(FRU20)40− PA240:−(AA)70−(FRU20)30−
【0079】 PA241:−(MA)60−(FRU1)40− PA242:−(MA)60−(FRU2)40− PA243:−(MA)60−(FRU3)40− PA244:−(MA)60−(FRU4)40− PA245:−(MA)60−(FRU5)40− PA246:−(MA)60−(FRU6)40− PA247:−(MA)60−(FRU7)40− PA248:−(MA)60−(FRU8)40− PA249:−(MA)60−(FRU9)40− PA250:−(MA)60−(FRU10)40− PA251:−(MA)60−(FRU11)40− PA252:−(MA)60−(FRU12)40− PA253:−(MA)60−(FRU13)40− PA254:−(MA)60−(FRU14)40− PA255:−(MA)60−(FRU15)40− PA256:−(MA)60−(FRU16)40− PA257:−(MA)60−(FRU17)40− PA258:−(MA)60−(FRU18)40− PA259:−(MA)60−(FRU19)40− PA260:−(MA)60−(FRU20)40−
【0080】重合性基を(メタ)アクリル酸コポリマー
に導入してもよい。重合性基を有する(メタ)アクリル
酸コポリマーと重合性基を有する液晶性分子とを併用す
ると、(メタ)アクリル酸コポリマーと液晶性分子と
を、液晶層と配向膜との界面を介して化学的に結合させ
ることができる。これにより、配向膜を用いた液晶素子
の耐久性を改善することができる。重合性基は、後述す
る液晶性分子の重合性基(Q)と重合反応させて、液晶
性分子と(メタ)アクリル酸コポリマーとを、液晶層と
液晶配向膜との界面を介して化学的に結合させる。従っ
て、重合性基の種類は、後述する液晶性分子の重合性基
(Q)の種類に応じて決定する。液晶性分子の重合性基
(Q)は、後述するように、不飽和重合性基(後述する
例示のQ1〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリ
ジニル基(Q9)であることが好ましく、不飽和重合性
基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合
性基(Q1〜Q6)であることが最も好ましい。(メ
タ)アクリル酸コポリマーの重合性基も同様に、不飽和
重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であること
が好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好まし
く、エチレン性不飽和重合性基であることが最も好まし
い。
【0081】主鎖と重合性基とは、直結せずに、連結基
を介して連結することが好ましい。連結基の例には、−
CO−、−CO−O−、−CO−NH−、−CO−NH
−アルキレン基−、−CO−NH−アルキレン基−O
−、−CO−NH−アルキレン基−CO−O−、−CO
−NH−アルキレン基−O−CO−、−CO−NH−ア
ルキレン基−CO−NH−、−CO−アルキレン基−O
−CO−、−CO−アリーレン基−O−アルキレン基−
O−CO−、−CO−アリーレン基−O−アルキレン基
−O−、−CO−アリーレン基−O−アルキレン基−お
よび−CO−アルキレン基−O−CO−が含まれる(左
側が主鎖に結合し、右側が重合性基に結合する)。上記
アルキレン基は、分岐または環状構造を有していてもよ
い。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至30であるこ
とが好ましく、1乃至20であることがより好ましく、
1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至12で
あることが最も好ましい。上記アリーレン基は、フェニ
レンまたはナフチレンであることが好ましく、フェニレ
ンであることがさらに好ましく、p−フェニレンである
ことが最も好ましい。アリーレン基は、置換基を有して
いてもよい。アリーレン基の置換基の例には、ハロゲン
原子(F、Cl、Br)、カルボキシル、シアノ、ニト
ロ、カルバモイル、スルファモイル、アルキル基、シク
ロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル
基、アシルオキシ基、アルキル置換カルバモイル基、ア
ルキル置換スルファモイル基、アミド基、スルホンアミ
ド基およびアルキルスルホニル基が含まれる。
【0082】上記アルキル基は、分岐を有していてもよ
い。アルキル基の炭素原子数は、1乃至20であること
が好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1
乃至10であることがさらに好ましく、1乃至6である
ことが最も好ましい。上記シクロアルキル基は、シクロ
ヘキシルであることが好ましい。上記アルコキシ基は、
分岐を有していてもよい。アルコキシ基の炭素原子数
は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であ
ることがより好ましく、1乃至10であることがさらに
好ましく、1乃至6であることが最も好ましい。上記ア
ルキルチオ基は、分岐を有していてもよい。アルキルチ
オ基の炭素原子数は、1乃至20であることが好まし
く、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10
であることがさらに好ましく、1乃至6であることが最
も好ましい。上記アシル基の炭素原子数は、2乃至20
であることが好ましく、2乃至15であることがより好
ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃
至6であることが最も好ましい。上記アシルオキシ基の
炭素原子数は、2乃至20であることが好ましく、2乃
至15であることがより好ましく、2乃至10であるこ
とがさらに好ましく、2乃至6であることが最も好まし
い。
【0083】上記アルキル置換カルバモイル基の炭素原
子数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至15
であることがより好ましく、2乃至10であることがさ
らに好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。ア
ルキル置換カルバモイル基のアルキル部分は、さらに置
換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。上記ア
ルキル置換スルファモイル基の炭素原子数は、2乃至2
0であることが好ましく、2乃至15であることがより
好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2
乃至6であることが最も好ましい。アルキル置換スルフ
ァモイル基のアルキル部分は、さらに置換基(例、アル
コキシ基)を有していてもよい。上記アミド基の炭素原
子数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至15
であることがより好ましく、2乃至10であることがさ
らに好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。上
記スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃至20である
ことが好ましく、1乃至15であることがより好まし
く、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至6
であることが最も好ましい。上記アルキルスルホニル基
の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1
乃至15であることがより好ましく、1乃至10である
ことがさらに好ましく、1乃至6であることが最も好ま
しい。アルキルスルホニル基のアルキル部分は、さらに
置換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。
【0084】側鎖は、二以上の重合性基を有していても
よい。重合性基は、側鎖に重合性基を有する繰り返し単
位として(メタ)アクリル酸コポリマーに導入するか、
あるいは、前記の炭化水素基またはフッ素原子置換炭化
水素基を有する繰り返し単位に重合性基を導入する。側
鎖に重合性基を有する繰り返し単位、そして炭化水素基
またはフッ素原子置換炭化水素基と重合性基とを有する
繰り返し単位の順に説明する。側鎖に重合性基を有する
繰り返し単位は、下記式(IV)で表されることが好まし
い。
【0085】
【化40】
【0086】式(IV)において、R3 は、水素原子また
はメチルである。式(IV)において、L11は、−NH−
アルキレン基−O−CO−、−アルキレン基−O−CO
−、−O−アルキレン基−O−CO−、−O−アリーレ
ン基−O−アルキレン基−O−CO−、−O−アリーレ
ン基−O−アルキレン基−、−O−アリーレン基−O
−、−NH−アルキレン基−O−CO−、−NH−アル
キレン基−O−および−NH−アルキレン基−からなる
群より選ばれる連結基である。−NH−アルキレン基−
O−CO−、−アルキレン基−O−CO−、−O−アル
キレン基−O−CO−、−O−アリーレン基−O−アル
キレン基−O−CO−、−O−アリーレン基−O−およ
び−NH−アルキレン基−O−CO−が好ましく、−N
H−アルキレン基−O−CO−が特に好ましい。上記ア
ルキレン基は、分岐または環状構造を有していてもよ
い。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至30であるこ
とが好ましく、1乃至20であることがより好ましく、
1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至12で
あることが最も好ましい。上記アリーレン基は、フェニ
レンまたはナフチレンであることが好ましく、フェニレ
ンであることがさらに好ましく、p−フェニレンである
ことが最も好ましい。アリーレン基は、置換基を有して
いてもよい。アリーレン基の置換基の例は、前述したア
リーレン基の置換基の例と同様である。式(IV)におい
て、Qは、重合性基である。重合性基は、前述したよう
に、液晶性分子の重合性基(Q)と同様の基であること
が好ましい。以下に、側鎖に重合性基を有する繰り返し
単位の例を示す。
【0087】
【化41】
【0088】
【化42】
【0089】
【化43】
【0090】
【化44】
【0091】
【化45】
【0092】側鎖に重合性基を有する繰り返し単位を
(メタ)アクリル酸コポリマーに導入する場合、(メ
タ)アクリル酸コポリマーは側鎖に重合性基を有する繰
り返し単位を0.1乃至10モル%含むことが好まし
く、3乃至5モル%の範囲で含むことがさらに好まし
い。
【0093】前記の炭化水素基またはフッ素原子置換炭
化水素基を有する繰り返し単位に、上記の重合性基を導
入することもできる。重合性基は、炭化水素基またはフ
ッ素原子置換炭化水素基の置換基であることが好まし
く、最も末端側の炭化水素基またはフッ素原子置換炭化
水素基の置換基であることがさらに好ましい。炭化水素
基またはフッ素原子置換炭化水素基と重合性基とは、直
結せずに、連結基を介して連結することが好ましい。連
結基の例には、−O−、−CO−、−O−CO−、−C
O−O−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−SO
2 −NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−
NH−SO2 −、−アルキレン基−、−アルケニレン基
−、−アルキニレン基−、−O−アルキレン基−および
−アルキレン基−O−が含まれる(左側が炭化水素基に
結合し、右側が重合性基に結合する)。上記アルキレン
基は、分岐または環状構造を有していてもよい。アルキ
レン基の炭素原子数は、1乃至30であることが好まし
く、1乃至20であることがより好ましく、1乃至15
であることがさらに好ましく、1乃至12であることが
最も好ましい。上記アルケニレン基およびアルキニレン
基は、分岐または環状構造を有していてもよい。アルケ
ニレン基およびアルキニレン基の炭素原子数は、2乃至
30であることが好ましく、2乃至20であることがよ
り好ましく、2乃至15であることがさらに好ましく、
2乃至12であることが最も好ましい。炭化水素基また
はフッ素原子置換炭化水素基は、二以上の重合性基を置
換基として有していてもよい。
【0094】側鎖に炭化水素基またはフッ素原子置換炭
化水素基と重合性基とを有する繰り返し単位は、下記式
(V)で表されることが好ましい。
【0095】
【化46】
【0096】式(V)において、R4 は、水素原子また
はメチルである。式(V)において、L21は、−CO
−、−SO2 −、−NH−、アルキレン基、アルケニレ
ン基、アリーレン基およびそれらの組み合わせから選ば
れる二価の連結基である。L21については、式(II)に
おけるL0 と同様である。式(V)において、L22は、
炭素原子数が10乃至100の二価の炭化水素基または
炭素原子数が1乃至100の二価のフッ素原子置換炭化
水素基である。L 22については、置換基としてp個の−
23−Qが結合していることを除き、式(II)における
0 と同様である。式(V)において、L23は、単結
合、−O−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、
−O−CO−O−、−CO−NH−、−SO2 −NH
−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NH−S
2 −、−アルキレン基−、−アルケニレン基−、−ア
ルキニレン基−、−O−アルキレン基−および−アルキ
レン基−O−からなる群より選ばれる連結基である。上
記アルキレン基、アルケニレン基およびアルキニレン基
については、前述した通りである。式(V)において、
Qは、重合性基である。重合性基は、前述したように、
液晶性分子の重合性基(Q)と同様の基であることが好
ましい。式(V)において、pは、1、2または3であ
る。pは、1または2であることが好ましく、1である
ことがさらに好ましい。
【0097】側鎖に炭素原子数が10乃至100の炭化
水素基または炭素原子数が10乃至100のフッ素原子
置換炭化水素基と重合性基とを有する繰り返し単位を用
いる場合、(メタ)アクリル酸コポリマーは側鎖に炭素
原子数が10乃至100の炭化水素基または炭素原子数
が10乃至100のフッ素置換炭化水素基と重合性基と
を有する繰り返し単位を1乃至90モル%含むことが好
ましく、3乃至50モル%の範囲で含むことがさらに好
ましい。
【0098】以上の繰り返し単位を組み合わせた(メ
タ)アクリル酸コポリマーを用いてもよい。例えば、側
鎖に炭化水素基またはフッ素原子置換炭化水素基を有す
る繰り返し単位と、側鎖に炭化水素基またはフッ素原子
置換炭化水素基と重合性基とを有する繰り返し単位とを
有する(メタ)アクリル酸コポリマー、側鎖に重合性基
を有する繰り返し単位と、側鎖に炭化水素基またはフッ
素原子置換炭化水素基と重合性基とを有する繰り返し単
位とを有する(メタ)アクリル酸コポリマー、あるい
は、側鎖に炭化水素基またはフッ素原子置換炭化水素基
を有する繰り返し単位、側鎖に重合性基を有する繰り返
し単位および側鎖に炭化水素基またはフッ素原子置換炭
化水素基と重合性基とを有する繰り返し単位を有する
(メタ)アクリル酸コポリマーを用いることもできる。
【0099】側鎖に炭素原子数10乃至100の炭化水
素基あるいは炭素原子数1乃至100のフッ素原子置換
炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸コポリマーは、
公知の方法により製造することができる。例えば、ポリ
(メタ)アクリル酸のカルボキシル基と、側鎖に対応す
る基の末端水酸基とのエステル結合によって得ることが
できる。また、ポリ(メタ)アクリル酸のカルボキシル
基と、側鎖に対応する基の末端アミノ基とのアミド結合
によっても得ることができる。
【0100】前述したように、炭化水素基は、少なくと
も二個の芳香族環または芳香族性複素環を含むことが好
ましい。炭化水素基は、二個、三個または四個の芳香族
環または芳香族性複素環を含むことがさらに好ましい。
二個、三個または四個の芳香族環または芳香族性複素環
を含む炭化水素基を側鎖に有する繰り返し単位は、下記
式(VI)で表されることが好ましい。
【0101】
【化47】
【0102】式(VI)において、R2 は、水素原子、ハ
ロゲン原子または炭素原子数が1乃至6のアルキル基で
ある。R2 は、水素原子または炭素原子数が1乃至6の
アルキル基であることが好ましく、水素原子、メチルま
たはエチルであることがさらに好ましく、水素原子また
はメチルであることが最も好ましい。式(VI)におい
て、L1 は、−O−、−CO−、−NH−、−アルキレ
ン基−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれ
る二価の連結基である。L1 は、−CO−L10−である
(−CO−が主鎖に結合し、L10は、−O−、−CO
−、−NH−、−アルキレン基−およびそれらの組み合
わせからなる群より選ばれる二価の連結基である)こと
が特に好ましい。L1 は、−CO−O−、−CO−NH
−、−CO−O−アルキレン基−、−CO−O−アルキ
レン基−O−または−CO−O−アルキレン基−CO−
O−であることが好ましく、−CO−O−または−CO
−NH−であることがさらに好ましい。式(VI)におい
て、L2 、L3 およびL4 は、それぞれ独立に、−エチ
ニレン基−(−C≡C−)、単結合、−CO−、−O−
CO−、−CO−O−、−アルキレン基−O−、−CO
−NH−、−O−CO−O−、−NHSO2 −または−
NHCO−O−である。L2 、L3 およびL4 は、少な
くとも一つが、単結合または−エチニレン基−(−C≡
C−)であることが好ましい。上記アルキレン基は、分
岐または環状構造を有していてもよい。アルキレン基の
炭素原子数は、1乃至30であることが好ましく、1乃
至15であることがさらに好ましく、1乃至12である
ことが最も好ましい。
【0103】式(VI)において、Ar1 、Ar2 、Ar
3 およびAr4 は、それぞれ独立に、置換基を有してい
てもよい芳香族環または芳香族性複素環である。上記芳
香族環または芳香族性複素環は、芳香族環であることが
好ましく、環構成炭素原子数が6乃至18の芳香族環で
あることが好ましい。芳香族環の例には、ベンゼン環、
ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピ
レン環およびナフタセン環が含まれる。芳香族性複素環
の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。
ベンゼン環もしくはナフタレン環が好ましく、ベンゼン
環が最も好ましい。芳香族環または芳香族性複素環が有
していてもよい置換基には、ハロゲン原子、カルボキシ
ル、シアノ、ニトロ、カルバモイル、スルファモイル、
アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキ
ルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキル置換カ
ルバモイル基、アルキル置換スルファモイル基、アミド
基、スルホンアミド基およびアルキルスルホニル基が含
まれる。
【0104】式(VI)において、qおよびrは、それぞ
れ、0または1である。qが0または1で、rが0(芳
香環または芳香族性複素環の数が2または3)であるこ
とが好ましく、qおよびrは、何れも0(芳香環または
芳香族性複素環の数が2)であることが特に好ましい。
式(VI)において、nは、1乃至90モル%である。n
は、5乃至80モル%であることが好ましく、10乃至
70モル%であることがさらに好ましい。以下に、二
個、三個または四個の芳香族環または芳香族性複素環を
含む炭化水素基を側鎖に有する繰り返し単位の(L2
3 またはL4 が−C≡C−である場合を除く)例を示
す。
【0105】
【化48】
【0106】
【化49】
【0107】
【化50】
【0108】
【化51】
【0109】
【化52】
【0110】
【化53】
【0111】
【化54】
【0112】
【化55】
【0113】
【化56】
【0114】
【化57】
【0115】
【化58】
【0116】
【化59】
【0117】
【化60】
【0118】
【化61】
【0119】
【化62】
【0120】
【化63】
【0121】
【化64】
【0122】
【化65】
【0123】
【化66】
【0124】
【化67】
【0125】
【化68】
【0126】
【化69】
【0127】
【化70】
【0128】
【化71】
【0129】
【化72】
【0130】
【化73】
【0131】
【化74】
【0132】以下に、二個、三個または四個の芳香族環
または芳香族性複素環を含む炭化水素基を側鎖に有する
繰り返し単位(L2 、L3 またはL4 が−C≡C−であ
る場合を除く)を含む(メタ)アクリル酸コポリマーの
例を示す。AAはアクリル酸から誘導される繰り返し単
位であり、MAはメタクリル酸から誘導される繰り返し
単位である。繰り返し単位の割合は、モル%である。
【0133】 PA301:−(AA)60−(VI−1)40− PA302:−(AA)70−(VI−2)30− PA303:−(AA)60−(VI−5)40− PA304:−(AA)65−(VI−9)55− PA305:−(AA)70−(VI−11)30− PA306:−(AA)80−(VI−15)20− PA307:−(AA)70−(VI−15)30− PA308:−(AA)60−(VI−15)40− PA309:−(AA)70−(VI−16)30− PA310:−(AA)60−(VI−16)40− PA311:−(AA)50−(VI−16)50− PA312:−(AA)70−(VI−18)30− PA313:−(AA)60−(VI−18)40− PA314:−(AA)50−(VI−18)50− PA315:−(AA)60−(VI−23)40− PA316:−(AA)60−(VI−25)40− PA317:−(AA)60−(VI−32)40− PA318:−(AA)60−(VI−35)40− PA319:−(AA)60−(VI−37)40− PA320:−(AA)60−(VI−45)40− PA321:−(AA)60−(VI−55)40−
【0134】 PA322:−(MA)60−(VI−1)40− PA323:−(MA)70−(VI−2)30− PA324:−(MA)60−(VI−5)40− PA325:−(MA)65−(VI−9)35− PA326:−(MA)70−(VI−11)30− PA327:−(MA)80−(VI−15)20− PA328:−(MA)70−(VI−15)30− PA329:−(MA)60−(VI−15)40− PA330:−(MA)70−(VI−16)30− PA331:−(MA)60−(VI−16)40− PA332:−(MA)50−(VI−16)50− PA333:−(MA)70−(VI−18)30− PA334:−(MA)60−(VI−18)40− PA335:−(MA)60−(VI−18)40− PA336:−(MA)60−(VI−23)40− PA337:−(MA)60−(VI−25)40− PA338:−(MA)60−(VI−32)40− PA339:−(MA)60−(VI−35)40− PA340:−(MA)60−(VI−37)40− PA341:−(MA)60−(VI−45)40− PA342:−(MA)60−(VI−55)40−
【0135】二個、三個または四個の芳香族環または芳
香族性複素環を含む炭化水素基を側鎖に有する繰り返し
単位は、トラン構造(L2 、L3 またはL4 が−C≡C
−であり、−C≡C−の両側の環が芳香族環である構
造)を有することが好ましい。以下に、トラン構造を含
む二個、三個または四個の芳香族環または芳香族性複素
環を含む炭化水素基を側鎖に有する繰り返し単位の例を
示す。
【0136】
【化75】
【0137】
【化76】
【0138】
【化77】
【0139】
【化78】
【0140】
【化79】
【0141】
【化80】
【0142】
【化81】
【0143】
【化82】
【0144】
【化83】
【0145】
【化84】
【0146】
【化85】
【0147】
【化86】
【0148】
【化87】
【0149】
【化88】
【0150】
【化89】
【0151】
【化90】
【0152】
【化91】
【0153】
【化92】
【0154】
【化93】
【0155】
【化94】
【0156】
【化95】
【0157】
【化96】
【0158】以下に、トラン構造を含む二個、三個また
は四個の芳香族環または芳香族性複素環を含む炭化水素
基を側鎖に有する繰り返し単位を含む(メタ)アクリル
酸コポリマーの例を示す。AAはアクリル酸から誘導さ
れる繰り返し単位であり、MAはメタクリル酸から誘導
される繰り返し単位である。繰り返し単位の割合は、モ
ル%である。
【0159】 PA401:−(AA)60−(VI−101)40− PA402:−(AA)70−(VI−101)30− PA403:−(AA)60−(VI−102)40− PA404:−(AA)65−(VI−107)35− PA405:−(AA)70−(VI−111)30− PA406:−(AA)80−(VI−114)20− PA407:−(AA)70−(VI−120)30− PA408:−(AA)60−(VI−123)40− PA409:−(AA)70−(VI−125)30− PA410:−(AA)60−(VI−125)40− PA411:−(AA)50−(VI−125)50− PA412:−(AA)70−(VI−126)30− PA413:−(AA)60−(VI−128)40− PA414:−(AA)50−(VI−132)50− PA415:−(AA)70−(VI−133)30− PA416:−(AA)60−(VI−133)40− PA417:−(AA)70−(VI−138)30− PA418:−(AA)60−(VI−138)40− PA419:−(AA)60−(VI−139)40− PA420:−(AA)60−(VI−141)40− PA421:−(AA)60−(VI−143)40−
【0160】 PA422:−(MA)60−(VI−101)40− PA423:−(MA)70−(VI−101)30− PA424:−(MA)60−(VI−102)40− PA425:−(MA)65−(VI−107)35− PA426:−(MA)70−(VI−111)30− PA427:−(MA)80−(VI−114)20− PA428:−(MA)70−(VI−120)30− PA429:−(MA)60−(VI−123)40− PA430:−(MA)70−(VI−125)30− PA431:−(MA)60−(VI−125)40− PA432:−(MA)50−(VI−125)50− PA433:−(MA)70−(VI−126)30− PA434:−(MA)60−(VI−128)40− PA435:−(MA)50−(VI−132)50− PA436:−(MA)70−(VI−133)30− PA437:−(MA)60−(VI−133)40− PA438:−(MA)70−(VI−138)30− PA439:−(MA)60−(VI−138)40− PA440:−(MA)60−(VI−139)40− PA441:−(MA)60−(VI−141)40− PA442:−(MA)60−(VI−143)40−
【0161】二個、三個または四個の芳香族環または芳
香族性複素環を含む炭化水素基を側鎖に有する繰り返し
単位に、前記の重合性基を導入することもできる。重合
性基は、芳香族環または芳香族性複素環の置換基である
ことが好ましく、最も末端側の芳香族環または芳香族性
複素環の置換基であることが特に好ましい。芳香族環ま
たは芳香族性複素環と重合性基とは、直結せずに、連結
基を介して連結することが好ましい。連結基の例には、
−O−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O
−CO−O−、−CO−NH−、−SO2 −NH−、−
NH−CO−、−NH−CO−O−、−NH−SO
2 −、−アルキレン基−、−アルケニレン基−、−アル
キニレン基−、−O−アルキレン基−および−アルキレ
ン基−O−が含まれる(左側が芳香族環または芳香族性
複素環に結合し、右側が重合性基に結合する)。上記ア
ルキレン基は、分岐または環状構造を有していてもよ
い。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至30であるこ
とが好ましく、1乃至20であることがより好ましく、
1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至12で
あることが最も好ましい。上記アルケニレン基およびア
ルキニレン基は、分岐または環状構造を有していてもよ
い。アルケニレン基およびアルキニレン基の炭素原子数
は、2乃至30であることが好ましく、2乃至20であ
ることがより好ましく、2乃至15であることがさらに
好ましく、2乃至12であることが最も好ましい。芳香
族環または芳香族性複素環は、二以上の重合性基を置換
基として有していてもよい。側鎖に芳香族環または芳香
族性複素環を2乃至4個と重合性基とを有する繰り返し
単位は、下記式(VII)で表されることが好ましい。
【0162】
【化97】
【0163】式(VII)において、R5 は、水素原子また
はメチルである。式(VII)において、L21は、単結合、
−CO−、−CO−NH−、−アルキレン基−、−CO
−NH−アルキレン基−、−CO−NH−アルキレン基
−O−、−CO−NH−アルキレン基−CO−O−およ
び−CO−NH−アルキレン基−CO−NH−からなる
群より選ばれる連結基である。−CO−、−CO−NH
−および−アルキレン基−であることが好ましく、−C
O−NH−であることが特に好ましい。上記アルキレン
基は、分岐または環状構造を有していてもよい。アルキ
レン基の炭素原子数は、1乃至30であることが好まし
く、1乃至20であることがより好ましく、1乃至15
であることがさらに好ましく、1乃至12であることが
特に好ましい。
【0164】式(VII)において、L22、L23、L24およ
びL25は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−CO
−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、
−CO−NH−、−SO2 −NH−、−NH−CO−、
−NH−CO−O−、−NH−SO2 −、−アルキレン
基−、−アルケニレン基−、−アルキニレン基−、−O
−アルキレン基−および−アルキレン基−O−からなる
群より選ばれる連結基である。L22、L23およびL24
うち少なくとも一つは、単結合または−アルキニレン基
−であることが好ましい。
【0165】式(VII)において、Ar21、Ar22、Ar
23およびAr24は、それぞれ独立に、芳香族環または芳
香族性複素環である。ベンゼン環であることが好まし
い。Ar21、Ar22およびAr23は、p−フェニレンで
あることが特に好ましい。芳香環または芳香族性複素環
は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、式(V
I)の芳香環または芳香族性複素環の置換基の例と同様
である。式(VII)において、qおよびrは、それぞれ、
0または1である。qが0または1で、rが0(芳香環
または芳香族性複素環の数が2または3)であることが
好ましく、qおよびrは、何れも0(芳香環または芳香
族性複素環の数が2)であることが特に好ましい。式
(VII)において、pは、1、2または3である。pは、
1または2であることが好ましく、1であることがさら
に好ましい。以下に、側鎖に芳香族環または芳香族性複
素環を2乃至4個と重合性基とを有する繰り返し単位の
例を示す。
【0166】
【化98】
【0167】
【化99】
【0168】
【化100】
【0169】
【化101】
【0170】
【化102】
【0171】
【化103】
【0172】前記式(III)において、R2 は、水素原
子、ハロゲン原子または炭素原子数が1乃至6のアルキ
ル基である。R2 は、水素原子または炭素原子数が1乃
至6のアルキル基であることが好ましく、水素原子、メ
チルまたはエチルであることがさらに好ましく、水素原
子またはメチルであることが最も好ましい。
【0173】式(III)において、Cyは、脂肪族環基、
芳香族基または複素環基である。脂肪族環基の脂肪族環
は、5員乃至7員環であることが好ましく、5員環また
は6員環であることがさらに好ましく、6員環であるこ
とが最も好ましい。脂肪族環の例には、シクロヘキサン
環、シクロヘキセン環およびビシクロ[2.2.1]ヘ
プタ−2−エン環が含まれる。脂肪族環に、他の脂肪族
環、芳香族環または複素環が縮合していてもよい。芳香
族基の芳香族環の例には、ベンゼン環、ナフタレン環、
アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環およびナ
フタセン環が含まれる。芳香族環に、脂肪族環または複
素環が縮合していてもよい。複素環基の複素環は、5員
乃至7員環であることが好ましく、5員環または6員環
であることがさらに好ましい。複素環は、芳香族性を有
することが好ましい。芳香族性複素環は、一般に不飽和
であり、好ましくは最多二重結合を有する。複素環の例
には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾ
ール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、イミ
ダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、ピラン環、ピ
リジン環、ピリダジン環、ピリミジン環およびピラジン
環が含まれる。複素環に、他の複素環、脂肪族環または
芳香族環が縮合していてもよい。
【0174】脂肪族環基、芳香族基および複素環基は、
置換基を有していてもよい。置換基の例には、アルキル
基(例、メチル、エチル、t−ブチル)、置換アルキル
基(例、クロロメチル、ヒドロキシメチル、塩化トリメ
チルアンモニオ)、アルコキシ基(例、メトキシ)、ハ
ロゲン原子(F、Cl、Br)、カルボキシル、アシル
基(例、ホルミル)、アミノ、スルホ、アリール基
(例、フェニル)、アリールオキシ基(例、フェノキ
シ)およびオキソが含まれる。式(III)において、n
は、1乃至90モル%である。nは、5乃至80モル%
であることが好ましく、10乃至70モル%であること
がさらに好ましい。以下に式(III)で表される繰り返し
単位の例を示す。
【0175】
【化104】
【0176】
【化105】
【0177】
【化106】
【0178】
【化107】
【0179】
【化108】
【0180】以下に、式(III)で表される繰り返し単位
を含む(メタ)アクリル酸コポリマーの例を示す。AA
はアクリル酸から誘導される繰り返し単位であり、MA
はメタクリル酸から誘導される繰り返し単位である。繰
り返し単位の割合は、モル%である。
【0181】 PA501:−(AA)70−(III-1)30− PA502:−(AA)60−(III-1)40− PA503:−(AA)50−(III-1)50− PA504:−(AA)40−(III-1)60− PA505:−(AA)60−(III-2)40− PA506:−(AA)60−(III-3)40− PA507:−(AA)60−(III-4)40− PA508:−(AA)60−(III-5)40− PA509:−(AA)40−(III-6)40− PA510:−(AA)50−(III-7)50− PA511:−(AA)70−(III-8)30−
【0182】 PA512:−(AA)60−(III-9)40− PA513:−(AA)60−(III-10)40− PA514:−(AA)60−(III-11)40− PA515:−(AA)50−(III-12)50− PA516:−(AA)50−(III-13)50− PA517:−(AA)70−(III-14)30− PA518:−(AA)50−(III-15)50− PA519:−(AA)60−(III-16)40− PA520:−(AA)60−(III-17)40− PA521:−(AA)60−(III-18)40− PA522:−(AA)60−(III-19)40−
【0183】 PA523:−(AA)75−(III-20)25− PA524:−(AA)60−(III-20)40− PA525:−(AA)70−(III-21)30− PA526:−(AA)80−(III-22)20− PA527:−(AA)70−(III-22)30− PA528:−(AA)60−(III-22)40− PA529:−(AA)70−(III-23)30− PA530:−(AA)70−(III-24)30− PA531:−(AA)80−(III-25)20− PA532:−(AA)70−(III-25)30− PA533:−(AA)60−(III-25)40−
【0184】 PA534:−(AA)60−(III-26)40− PA535:−(AA)70−(III-27)30− PA536:−(AA)80−(III-28)20− PA537:−(AA)70−(III-29)30− PA538:−(AA)60−(III-30)40− PA539:−(AA)70−(III-31)30− PA540:−(AA)70−(III-32)30− PA541:−(AA)60−(III-33)40− PA542:−(AA)70−(III-34)30− PA543:−(AA)70−(III-35)30−
【0185】 PA601:−(MA)70−(III-1)30− PA602:−(MA)60−(III-1)40− PA603:−(MA)50−(III-1)50− PA604:−(MA)40−(III-1)60− PA605:−(MA)60−(III-2)40− PA606:−(MA)60−(III-3)40− PA607:−(MA)60−(III-4)40− PA608:−(MA)60−(III-5)40− PA609:−(MA)40−(III-6)40− PA610:−(MA)50−(III-7)50− PA611:−(MA)70−(III-8)30−
【0186】 PA612:−(MA)60−(III-9)40− PA613:−(MA)60−(III-10)40− PA614:−(MA)60−(III-11)40− PA615:−(MA)50−(III-12)50− PA616:−(MA)50−(III-13)50− PA617:−(MA)70−(III-14)30− PA618:−(MA)50−(III-15)50− PA619:−(MA)60−(III-16)40− PA620:−(MA)60−(III-17)40− PA621:−(MA)60−(III-18)40− PA622:−(MA)60−(III-19)40−
【0187】 PA623:−(MA)75−(III-20)25− PA624:−(MA)60−(III-20)40− PA625:−(MA)70−(III-21)30− PA626:−(MA)80−(III-22)20− PA627:−(MA)70−(III-22)30− PA628:−(MA)60−(III-22)40− PA629:−(MA)70−(III-23)30− PA630:−(MA)70−(III-24)30− PA631:−(MA)80−(III-25)20− PA632:−(MA)70−(III-25)30− PA633:−(MA)60−(III-25)40−
【0188】 PA634:−(MA)60−(III-26)40− PA635:−(MA)70−(III-27)30− PA636:−(MA)80−(III-28)20− PA637:−(MA)70−(III-29)30− PA638:−(MA)60−(III-30)40− PA639:−(MA)70−(III-31)30− PA640:−(MA)70−(III-32)30− PA641:−(MA)60−(III-33)40− PA642:−(MA)70−(III-34)30− PA643:−(MA)70−(III-35)30−
【0189】式(III)で表される繰り返し単位を含む
(メタ)アクリル酸コポリマーも、重合性基を有するこ
とができる。重合性基は、側鎖に重合性基を有する繰り
返し単位として(メタ)アクリル酸コポリマーに導入す
るか、あるいは、式(III)で表される繰り返し単位の脂
肪族環基、芳香族基および複素環基に置換基として導入
する。側鎖に重合性基を有する繰り返し単位について
は、前記式(IV)で説明した通りである。式(III)で表
される繰り返し単位の脂肪族環基、芳香族基および複素
環基に、置換基として重合性基を導入する場合、重合性
基は環状構造に直結させず、二価の連結基を介して結合
させることが好ましい。二価の連結基の定義および例
は、式(VII)のL25と同様である。式(III)で表される
繰り返し単位の脂肪族環基、芳香族基および複素環基
に、置換基として重合性基を導入した繰り返し単位(VII
I)の例を示す。
【0190】
【化109】
【0191】
【化110】
【0192】
【化111】
【0193】
【化112】
【0194】
【化113】
【0195】以下に、式(III)で表される繰り返し単位
を含み重合性基を有する(メタ)アクリル酸コポリマー
の例を示す。AAはアクリル酸から誘導される繰り返し
単位であり、MAはメタクリル酸から誘導される繰り返
し単位である。繰り返し単位の割合は、モル%である。
【0196】PA701:−(AA)70−(III-1)
25−(IV−12)5− PA702:−(AA)70−(III-1)25−(IV−
1)5− PA703:−(AA)50−(III-1)40−(IV−
12)10− PA704:−(AA)40−(III-1)55−(IV−
12)5− PA705:−(AA)60−(III-2)35−(IV−
12)5− PA706:−(AA)60−(III-3)35−(IV−
12)5− PA707:−(AA)60−(III-4)35−(IV−
12)5− PA708:−(AA)60−(III-5)35−(IV−
12)5− PA709:−(AA)60−(III-6)35−(IV−
12)5− PA710:−(AA)50−(III-7)45−(IV−
12)5− PA711:−(AA)70−(III-8)25−(IV−
12)5−
【0197】PA712:−(AA)60−(III-9)
35−(IV−1)5− PA713:−(AA)60−(III-10)35−(IV−
3)5− PA714:−(AA)60−(III-11)35−(IV−
4)5− PA715:−(AA)50−(III-12)47−(IV−
8)3− PA716:−(AA)50−(III-13)40−(VIII-
6)10− PA717:−(AA)70−(III-14)25−(VIII-
7)5− PA718:−(AA)50−(III-15)45−(IV−
12)5− PA719:−(AA)60−(III-16)35−(IV−
12)5− PA720:−(AA)60−(III-17)35−(IV−
12)5− PA721:−(AA)60−(III-18)35−(IV−
12)5− PA722:−(AA)60−(III-19)35−(IV−
1)5−
【0198】PA723:−(AA)70−(III-20)
25−(IV−12)5− PA724:−(AA)50−(III-20)40−(IV−
12)10− PA725:−(AA)70−(III-21)25−(IV−
12)5− PA726:−(AA)75−(III-22)20−(IV−
12)5− PA727:−(AA)70−(III-22)25−(IV−
12)5− PA728:−(AA)60−(III-22)35−(IV−
12)5− PA729:−(AA)70−(III-23)25−(IV−
12)5− PA730:−(AA)70−(III-24)25−(IV−
12)5− PA731:−(AA)70−(III-25)25−(IV−
1)5− PA732:−(AA)70−(III-25)25−(IV−
12)5− PA733:−(AA)60−(III-25)40−(IV−
12)10−
【0199】PA734:−(AA)60−(III-26)
35−(IV−12)5− PA735:−(AA)70−(III-27)25−(IV−
12)5− PA736:−(AA)75−(III-28)20−(IV−
12)5− PA737:−(AA)70−(III-29)25−(IV−
1)5− PA738:−(AA)60−(III-30)35−(IV−
2)5− PA739:−(AA)70−(III-31)25−(IV−
3)5− PA740:−(AA)70−(III-32)25−(IV−
4)5− PA741:−(AA)60−(III-33)35−(IV−
7)5− PA742:−(AA)70−(III-34)25−(IV−
8)5− PA743:−(AA)70−(III-35)25−(IV−
9)5−
【0200】PA801:−(MA)70−(III-1)
25−(IV−12)5− PA802:−(MA)60−(III-1)35−(IV−
1)5− PA803:−(MA)50−(III-1)40−(IV−
12)10− PA804:−(MA)40−(III-1)55−(IV−
12)5− PA805:−(MA)60−(III-2)35−(IV−
12)5− PA806:−(MA)60−(III-3)35−(IV−
12)5− PA807:−(MA)60−(III-4)35−(IV−
12)5− PA808:−(MA)60−(III-5)35−(IV−
12)5− PA809:−(MA)60−(III-6)35−(IV−
12)5− PA810:−(MA)50−(III-7)45−(IV−
12)5− PA811:−(MA)70−(III-8)25−(IV−
12)5−
【0201】PA812:−(MA)60−(III-9)
35−(IV−1)5− PA813:−(MA)60−(III-10)35−(IV−
3)5− PA814:−(MA)60−(III-11)35−(IV−
4)5− PA815:−(MA)50−(III-12)47−(IV−
8)3− PA816:−(MA)50−(III-13)40−(VIII-
6)10− PA817:−(MA)70−(III-14)25−(VIII-
7)5− PA818:−(MA)50−(III-15)45−(IV−
12)5− PA819:−(MA)60−(III-16)35−(IV−
12)5− PA820:−(MA)60−(III-17)35−(IV−
12)5− PA821:−(MA)60−(III-18)35−(IV−
12)5− PA822:−(MA)60−(III-19)35−(IV−
1)5−
【0202】PA823:−(MA)70−(III-20)
25−(IV−12)5− PA824:−(MA)50−(III-20)40−(IV−
12)10− PA825:−(MA)70−(III-21)25−(IV−
12)5− PA826:−(MA)75−(III-22)20−(IV−
12)5− PA827:−(MA)70−(III-22)25−(IV−
12)5− PA828:−(MA)60−(III-22)35−(IV−
12)5− PA829:−(MA)70−(III-23)25−(IV−
12)5− PA830:−(MA)70−(III-24)25−(IV−
12)5− PA831:−(MA)70−(III-25)25−(IV−
1)5− PA832:−(MA)70−(III-25)25−(IV−
12)5− PA833:−(MA)60−(III-25)30−(IV−
12)10−
【0203】PA834:−(MA)60−(III-26)
35−(IV−12)5− PA835:−(MA)70−(III-27)25−(IV−
12)5− PA836:−(MA)75−(III-28)20−(IV−
12)5− PA837:−(MA)70−(III-29)25−(IV−
1)5− PA838:−(MA)60−(III-30)35−(IV−
2)5− PA839:−(MA)70−(III-31)25−(IV−
3)5− PA840:−(MA)70−(III-32)25−(IV−
4)5− PA841:−(MA)60−(III-33)35−(IV−
7)5− PA842:−(MA)70−(III-34)25−(IV−
8)5− PA843:−(MA)70−(III-35)25−(IV−
9)5−
【0204】二種類以上の(メタ)アクリル酸コポリマ
ーを併用してもよい。(メタ)アクリル酸コポリマーを
架橋させて使用することもできる。架橋反応は、配向膜
の塗布液の塗布と同時または塗布後に実施することが好
ましい。例えば、架橋剤を用いて、(メタ)アクリル酸
コポリマーのカルボキシル基と架橋剤との架橋反応によ
り、(メタ)アクリル酸コポリマーを架橋させることが
できる。架橋剤については、山下晋三、金子東助編「架
橋剤ハンドブック」(大成社)に詳細が記載されてい
る。架橋剤の例には、メチロールフェノール樹脂、アミ
ノ樹脂(例えば、メラミン、ベンゾクアナミンあるいは
尿素に、ホルムアルデヒドあるいはアルコールを付加重
合させてなる樹脂)、アミン化合物、トリアジン化合
物、イソシアナート化合物、エポキシ化合物、金属酸化
物、金属ハロゲン化合物、有機金属ハロゲン化合物、有
機酸金属塩、金属アルコキシド、およびオキサゾリン基
を含む化合物が含まれる。架橋剤の使用量は、配向膜の
塗布量の0.1乃至20重量%であることが好ましく、
0.5乃至15重量%であることがさらに好ましい。な
お、未反応のまま配向膜中に残存する架橋剤の量は、配
向膜の塗布量の1.0重量%以下であることが好まし
く、0.5重量%以下であることがさらに好ましい。
【0205】配向膜は、(メタ)アクリル酸コポリマー
を塗布して塗布層を形成し、塗布層の表面をラビング処
理することにより得られる。ラビング処理は、ポリマー
塗布層の表面を、紙や布で一定方向(通常は長手方向)
に、数回こすることにより実施する。なお、(メタ)ア
クリル酸コポリマーの前駆体を塗布し、塗布後に縮合反
応を行わせる目的で、ラビング処理前に加熱処理を実施
する場合もある。配向膜の厚さは、0.01乃至10μ
mであることが好ましく、0.05乃至5μmであるこ
とがさらに好ましく、0.1乃至1μmであることが最
も好ましい。なお、配向膜を用いて、光学的異方性層の
棒状液晶性分子を配向させてから、光学的異方性層を透
明支持体上に転写してもよい。配向状態で固定された棒
状液晶性分子は、配向膜がなくても配向状態を維持する
ことができる。本発明の配向膜は、ディスコティック液
晶性分子に用いると特に効果がある。
【0206】配向膜は、透明支持体上に、(メタ)アク
リル酸コポリマーの溶液からなる塗布液を塗布して塗布
膜を形成する工程;その塗布膜を乾燥する工程;乾燥し
た塗布膜の表面をラビング処理する工程;そして、ラビ
ング処理した後の塗布膜を加熱する工程、によって製造
することが好ましい。ラビング処理後の塗布膜の加熱で
は、加熱温度が、50乃至300℃の範囲であることが
好ましく、50乃至250℃の範囲であることがさらに
好ましく、100乃至250℃の範囲であることがさら
に好ましい。加熱方法としては、透明支持体上の塗布膜
を上記温度に設定した加熱用担体に接触させる方法、塗
布膜を有する透明支持体を上記温度に設定した箱状容器
内に放置する方法、上記温度の気体(大気であることが
好ましい)を透明支持体上の塗布膜に直接、ラビング方
向に沿って吹き付ける方法等を用いることができる。加
熱用担体としては、ホットプレートを用いることが好ま
しい。加熱処理の時間は、処理温度によって決定され
る。加熱処理は、温度が低いほど、長い時間を要する。
100℃で加熱処理を行う場合には、1乃至30分の範
囲、130℃で行う場合には、30秒乃至10分の範
囲、160℃で行う場合には、10秒乃至3分の範囲の
時間を要する。ラビング処理後に加熱処理を開始するま
での時間は、1週間以内であることが好ましく、3日以
内であることがさらに好ましく、3時間以内であること
が最も好ましい。
【0207】液晶配向膜は、支持体上に、前記のアクリ
ル酸コポリマーまたはメタクリル酸コポリマーの溶液を
塗布して塗布膜を形成する工程;塗布膜を乾燥する工
程;塗布膜の表面をラビング処理する工程;そして、ラ
ビング処理後の塗布膜を50乃至300℃の範囲の温度
に加熱する工程により製造することが好ましい。ラビン
グ処理後に加熱処理を行うと、表示品質の面で、(1)
光学的異方性層を形成するディスコティック液晶性分子
の配向に与える効果と、(2)配向膜そのものの物理的
性質に与える効果と得られる。 (1)ディスコティック液晶性分子の配向に与える効果 ディスコティック液晶性分子の配向に与える効果として
は、一般的に、ディスコティック液晶性分子の透明支持
体平面に対する平均傾斜角の制御、およびディスコティ
ック液晶性分子の配向規制力が挙げられる。特に、後者
の配向規制の点で、光学的異方性層内のディスコティッ
ク液晶性分子全体を均一に配向(モノドメイン配向)さ
せることは重要である。ドメイン同士の境界に配向欠陥
が発生することは、光学的性質を低下させる要因となる
からである。本発明の配向膜を用いると、配向欠陥がほ
とんど認められない。また、ディスコティック液晶性分
子を低い温度にて、あるいは短時間で垂直配向させるこ
とができる。 (2)配向膜そのものの物理的性質に与える効果 加熱処理によって、ポリマーの分子間相互作用(あるい
は分子内相互作用)が増大し、分子鎖が剛直となる結
果、膜の強度が向上するものと考えられる。また、塗布
膜中に含まれている残留イオン物質を排除する効果も期
待される。
【0208】[液晶層]配向膜により配向させる液晶性
分子は、液晶層を形成する。上記の配向膜は、50乃至
90度の範囲の平均傾斜角で液晶性分子を実質的に垂直
に配向させる機能を有する。液晶性分子としては、棒状
液晶性分子またはディスコティック液晶性分子が好まし
い。棒状液晶性分子の傾斜角は棒状液晶性分子の長軸方
向と基板平面との角度を意味し、ディスコティック液晶
性分子の傾斜角は、ディスコティック液晶性分子の円盤
面と基板平面との角度を意味する。液晶素子を、液晶セ
ルとして用いる場合、棒状液晶性分子を用いることが特
に好ましい。棒状液晶性分子としては、アゾメチン類、
アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエス
テル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン
酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン
類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換
フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン
類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が
好ましく用いられる。棒状液晶性分子を実質的に垂直に
配向させた液晶セルとしては、VA(Vertically Align
ed)モードの液晶セルが代表的である。VAモードの液
晶セルを用いた液晶表示装置については、日経マイクロ
デバイスNo.136、147頁(1996)、特開平
2−176625号公報および特許番号第286637
2号公報に記載がある。
【0209】[光学的異方性層]液晶素子を、光学補償
シートとして用いる場合、液晶層は光学補償シートの光
学的異方性層として機能する。光学的異方性層には、棒
状液晶性分子またはディスコティック液晶性分子を好ま
しく用いることができる。ディスコティック液晶性分子
を用いることが特に好ましい。ディスコティック液晶性
分子を用いる光学的異方性層では、上記の配向膜を用い
て、ディスコティック液晶性分子の円盤面を、配向膜に
対して、実質的に垂直(50乃至90度の範囲の平均傾
斜角)に配向させる。ディスコティック液晶性分子は、
垂直(ホモジニアス)配向状態のまま光学的異方性層内
で固定することが好ましい。ディスコティック液晶性分
子は、重合反応により固定することがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性分子は、様々な文献(C. Destr
ade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., vol. 71, page
111 (1981) ;日本化学会編、季刊化学総説、No.2
2、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B. K
ohne et al., Angew. Chem. Soc. Chem. Comm., page 1
794 (1985);J. Zhang et al., J. Am.Chem. Soc., vo
l. 116, page 2655 (1994))に記載されている。ディス
コティック液晶性分子の重合については、特開平8−2
7284公報に記載がある。ディスコティック液晶性分
子を重合により固定するためには、ディスコティック液
晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合
させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直
結させると、重合反応において配向状態を保つことが困
難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連
結基を導入する。従って、重合性基を有するディスコテ
ィック液晶性分子は、下記式で表わされる化合物である
ことが好ましい。
【0210】D(−L−Q)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Qは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整
数である。上記式の円盤状コア(D)の例を以下に示
す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価
の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味
する。
【0211】
【化114】
【0212】
【化115】
【0213】
【化116】
【0214】
【化117】
【0215】
【化118】
【0216】
【化119】
【0217】
【化120】
【0218】上記式において、二価の連結基(L)は、
アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO
−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わ
せからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好
ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケ
ニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−
および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なく
とも二つ組み合わせた基であることがさらに好ましい。
二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン
基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群よ
り選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基で
あることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数
は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基
の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。ア
リーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好
ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレ
ン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シア
ノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよ
い。二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤
状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合す
る。ALはアルキレン基またはアルケニレン基を意味
し、ARはアリーレン基を意味する。
【0219】L1:−AL−CO−O−AL− L2:−AL−CO−O−AL−O− L3:−AL−CO−O−AL−O−AL− L4:−AL−CO−O−AL−O−CO− L5:−CO−AR−O−AL− L6:−CO−AR−O−AL−O− L7:−CO−AR−O−AL−O−CO− L8:−CO−NH−AL− L9:−NH−AL−O− L10:−NH−AL−O−CO− L11:−O−AL− L12:−O−AL−O− L13:−O−AL−O−CO−
【0220】 L14:−O−AL−O−CO−NH−AL− L15:−O−AL−S−AL− L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO− L17:−O−CO−AR−O−AL−CO− L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO− L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−C
O− L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−A
L−O−CO− L21:−S−AL− L22:−S−AL−O− L23:−S−AL−O−CO− L24:−S−AL−S−AL− L25:−S−AR−AL−
【0221】AL(アルキレン基またはアルケニレン
基)に、不斉炭素原子を導入すると、ディスコティック
液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。
不斉炭素原子を含むAL*の例を以下に挙げる。左側が
円盤状コア(D)側であり、右側が重合性基(Q)側で
ある。*印を付けた炭素原子(C)が不斉炭素原子であ
る。光学活性は、SとRのいずれでもよい。
【0222】AL*1:−CH2 CH2 −C*HCH3
−CH2 CH2 CH2 − AL*2:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 − AL*3:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 − AL*4:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*5:−CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3
−CH2 − AL*6:−CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −C*H
CH3 − AL*7:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
− AL*8:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 − AL*9:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 − AL*10:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2
【0223】AL*11:−CH2 CH2 CH2 CH2
C*HCH3 − AL*12:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 − AL*13:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 − AL*14:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 − AL*15:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 − AL*16:−CH2 −C*HCH3 − AL*17:−C*HCH3 −CH2 − AL*18:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 CH2 − AL*19:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 CH2 − AL*20:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 CH2 CH2
【0224】AL*21:−CH2 CH2 CH2 −C*H
CH3 −CH2 CH2 CH2 − AL*22:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*23:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*24:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*25:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*26:−C*HCH3 −(CH2 8 − AL*27:−CH2 −C*HCH3 −(CH2 8 − AL*28:−CH2 −C*HCH2CH3 − AL*29:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 − AL*30:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 CH
2
【0225】AL*31:−CH2 −C*HCH2CH3
−CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*32:−CH2 −C*H(n−C3 7 )−CH2
CH2 − AL*33:−CH2 −C*H(n−C3 7 )−CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*34:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2
CH2 − AL*35:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*36:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 − AL*37:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 CH2
2 − AL*38:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 − AL*39:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 CH2
CH2
【0226】 AL*40:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2 − AL*41:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2
2 CH2 − AL*42:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 − AL*43:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*44:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 − AL*45:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 CH
2 CH2
【0227】前記式の重合性基(Q)は、重合反応の種
類に応じて決定する。重合性基(Q)の例を以下に示
す。
【0228】
【化121】
【0229】重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1
〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリジニル基
(Q9)であることが好ましく、不飽和重合性基である
ことがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q
1〜Q6)であることが最も好ましい。前記式におい
て、nは4乃至12の整数である。具体的な数字は、デ
ィスコティックコア(D)の種類に応じて決定される。
なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよ
いが、同一であることが好ましい。二種類以上のディス
コティック液晶性分子を併用してもよい。例えば、二価
の連結基に不斉炭素原子を有する分子と有していない分
子を併用することができる。また、重合性基(Q)を有
する分子と有していない分子を併用してもよい。不斉炭
素原子を有し重合性基を有していない分子と、重合性基
を有し不斉炭素原子を有していない分子を併用すること
が特に好ましい。この場合は、重合性基を有し不斉炭素
原子を有していない分子のみがディスコティック液晶性
分子として機能し、不斉炭素原子を有し重合性基を有し
ていない分子はカイラル剤(後述)として機能している
と考えることもできる。
【0230】非重合性ディスコティック液晶性分子は、
前述した重合性ディスコティック液晶性分子の重合性基
(Q)を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物
であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコテ
ィック液晶性分子は、下記式で表わされる化合物である
ことが好ましい。 D(−L−R)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Rは水素原子またはアルキル基であり;そして、n
は4乃至12の整数である。上記式の円盤状コア(D)
の例は、LQ(またはQL)をLR(またはRL)に変
更する以外は、前記の重合性ディスコティック液晶分子
の例と同様である。また、二価の連結基(L)の例も、
前記の重合性ディスコティック液晶分子の例と同様であ
る。Rのアルキル基は、炭素原子数が1乃至40である
ことが好ましく、1乃至30であることがさらに好まし
い。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好まし
く、分岐を有する鎖状アルキル基よりも直鎖状アルキル
基の方が好ましい。Rは、水素原子または炭素原子数が
1乃至30の直鎖状アルキル基であることが特に好まし
い。
【0231】ディスコティック液晶性分子の二価の連結
基(L)に不斉炭素原子を導入する代わりに、不斉炭素
原子を含む光学活性を示す化合物(カイラル剤)を光学
的異方性層に添加しても、ディスコティック液晶性分子
を螺旋状にねじれ配向させることができる。不斉炭素原
子を含む化合物としては、様々な天然または合成化合物
が使用できる。不斉炭素原子を含む化合物中には、ディ
スコティック液晶性分子と同じまたは類似の重合性基を
導入してもよい。重合性基を導入すると、ディスコティ
ック液晶性分子を実質的に垂直(ホモジニアス)配向さ
せた後に、固定するのと同時に、同じまたは類似の重合
反応により不斉炭素原子を含む化合物も光学的異方性層
内で固定することができる。
【0232】ディスコティック液晶性分子を空気界面側
においても、実質的に垂直(ホモジニアス)かつ均一に
配向させるため、含フッ素界面活性剤またはセルロース
エステルを光学的異方性層に添加することができる。含
フッ素界面活性剤は、フッ素原子を含む疎水性基、ノニ
オン性、アニオン性、カチオン性あるいは両性の親水性
基および任意に設けられる連結基からなる。一つの疎水
性基と一つの親水性基からなる含フッ素界面活性剤は、
下記式で表わされる。 Rf−L5−Hy 式中、Rfは、フッ素原子で置換された一価の炭化水素
基であり、L5は、単結合または二価の連結基であり、
そして、Hyは親水性基である。上記のRfは、疎水性
基として機能する。炭化水素基は、アルキル基またはア
リール基であることが好ましい。アルキル基の炭素原子
数は3乃至30であることが好ましく、アリール基の炭
素原子数は6乃至30であることが好ましい。炭化水素
基に含まれる水素原子の一部または全部は、フッ素原子
で置換されている。フッ素原子で、炭化水素基に含まれ
る水素原子の50%以上を置換することが好ましく、6
0%以上を置換することがより好ましく、70%以上を
置換することがさらに好ましく、80%以上を置換する
ことが最も好ましい。残りの水素原子は、さらに他のハ
ロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)で置換されてい
てもよい。Rfの例を以下に示す。
【0233】Rf1:n−C8 17− Rf2:n−C6 13− Rf3:Cl−(CF2 −CFCl)3 −CF2 − Rf4:H−(CF2 8 − Rf5:H−(CF2 10− Rf6:n−C9 19− Rf7:ペンタフルオロフェニル Rf8:n−C7 15− Rf9:Cl−(CF2 −CFCl)2 −CF2 − Rf10:H−(CF2 4 − Rf11:H−(CF2 6 − Rf12:Cl−(CF2 6 − Rf13:C3 7
【0234】前記式において、二価の連結基は、アルキ
レン基、アリーレン基、二価のヘテロ環残基、−CO
−、−NR−(Rは炭素原子数が1乃至5のアルキル基
または水素原子)、−O−、−SO2 −およびそれらの
組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である
ことが好ましい。前記式のL5の例を以下に示す。左側
が疎水性基(Rf)に結合し、右側が親水性基(Hy)
に結合する。ALはアルキレン基、ARはアリーレン
基、Hcは二価のヘテロ環残基を意味する。なお、アル
キレン基、アリーレン基および二価のヘテロ環残基は、
置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
【0235】L0:単結合 L51:−SO2 −NR− L52:−AL−O− L53:−CO−NR− L54:−AR−O− L55:−SO2 −NR−AL−CO−O− L56:−CO−O− L57:−SO2 −NR−AL−O− L58:−SO2 −NR−AL− L59:−CO−NR−AL− L60:−AL−O−AL− L61:−Hc−AL− L62:−SO2 −NR−AL−O−AL− L63:−AR− L64:−O−AR−SO2 −NR−AL− L65:−O−AR−SO2 −NR− L66:−O−AR−O−
【0236】前記式のHyは、ノニオン性親水性基、ア
ニオン性親水性基、カチオン性親水性基あるいは両性親
水性基のいずれかである。ノニオン性親水性基が特に好
ましい。前記式のHyの例を以下に示す。
【0237】Hy1:−(CH2 CH2 O)n −H(n
は5乃至30の整数) Hy2:−(CH2 CH2 O)n −R1(nは5乃至3
0の整数、R1は炭素原子数が1乃至6のアルキル基) Hy3:−(CH2 CHOHCH2 )n −H(nは5乃
至30の整数) Hy4:−COOM(Mは水素原子、アルカリ金属原子
または解離状態) Hy5:−SO3 M(Mは水素原子、アルカリ金属原子
または解離状態) Hy6:−(CH2 CH3 O)n −CH2 CH2 CH2
−SO3 M(nは5乃至30の整数、Mは水素原子また
はアルカリ金属原子) Hy7:−OPO(OH)3 Hy8:−N+ (CH3 3 ・X- (Xはハロゲン原
子) Hy9:−COONH4
【0238】ノニオン性親水性基(Hy1、Hy2、H
y3)が好ましく、ポリエチレンオキサイドからなる親
水性基(Hy1)が最も好ましい。フッ素原子を含む疎
水性基または親水性基を二以上有する含フッ素界面活性
剤を用いてもよい。二種類以上の含フッ素界面活性剤を
併用してもよい。含フッ素界面活性剤については、様々
な文献(例、堀口弘著「新界面活性剤」三共出版(197
5)、M.J. Schick, Nonionic Surfactants, Marcell Dek
ker Inc.,New York, (1967)、特開平7−13293号
公報)に記載がある。含フッ素界面活性剤は、ディスコ
ティック液晶性分子の量の0.01乃至30重量%の範
囲であることが好ましく、0.05乃至10重量%であ
ることがさらに好ましく、0.1乃至5重量%であるこ
とがさらに好ましい。
【0239】セルロースエステルとしては、セルロース
の低級脂肪酸エステルを用いることが好ましい。セルロ
ースの低級脂肪酸エステルにおける「低級脂肪酸」と
は、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子
数は、2乃至5であることが好ましく、2乃至4である
ことがさらに好ましい。脂肪酸には置換基(例、ヒドロ
キシ)が結合していてもよい。二種類以上の脂肪酸がセ
ルロースとエステルを形成していてもよい。セルロース
の低級脂肪酸エステルの例には、セルロースアセテー
ト、セルロースプロピオネート、セルロースブチレー
ト、セルロースヒドロキシプロピオネート、セルロース
アセテートプロピオネートおよびセルロースアセテート
ブチレートが含まれる。セルロースアセテートブチレー
トが特に好ましい。セルロースアセテートブチレートの
ブチリル化度は、30%以上であることが好ましく、3
0乃至80%であることがさらに好ましい。セルロース
アセテートブチレートのアセチル化度は、30%以下で
あることが好ましく、1乃至30%であることがさらに
好ましい。セルロースエステルは、0.005乃至0.
5g/m2 の範囲の量で使用することが好ましく、0.
01乃至0.45g/m2 の範囲であることがより好ま
しく、0.02乃至0.4/m2 の範囲であることがさ
らに好ましく、0.03乃至0.35/m2 の範囲であ
ることが最も好ましい。また、ディスコティック液晶性
分子の量の0.1乃至5重量%の量で使用することも好
ましい。
【0240】光学的異方性層は、ディスコティック液晶
性分子、さらに必要に応じて不斉炭素原子を含む化合
物、含フッ素界面活性剤、セルロースエステル、あるい
は下記の重合開始剤や他の添加剤を含む塗布液を、配向
膜の上に塗布することで形成する。塗布液の調製に使用
する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有
機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルム
アミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシ
ド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素
(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、
クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸
メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチル
エチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、
1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハラ
イドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を
併用してもよい。
【0241】塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出
しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング
法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティン
グ法、バーコーティング法)により実施できる。実質的
に垂直(ホモジニアス)配向させたディスコティック液
晶性分子は、配向状態を維持して固定する。固定化は、
ディスコティック液晶性分子に導入した重合性基(Q)
の重合反応により実施することが好ましい。重合反応に
は、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を
用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好まし
い。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米
国特許2367661号、同2367670号の各明細
書記載)、アシロインエーテル(米国特許244882
8号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン
化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核
キノン化合物(米国特許3046127号、同2951
758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾール
ダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ
(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン
およびフェナジン化合物(特開昭60−105667号
公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオ
キサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細
書記載)が含まれる。
【0242】光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分
の0.01乃至20重量%であることが好ましく、0.
5乃至5重量%であることがさらに好ましい。ディスコ
ティック液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を
用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/
cm2 乃至50J/cm2 であることが好ましく、10
0乃至2000mJ/cm2 であることがさらに好まし
い。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を
実施してもよい。光学的異方性層の厚さは、0.1乃至
50μmであることが好ましく、1乃至30μmである
ことがさらに好ましく、5乃至20μmであることが最
も好ましい。なお、液晶表示装置に光学補償シートを二
枚用いる場合は、一枚使用する場合に必要とされる光学
的異方性層の厚さ(上記の好ましい範囲)の半分の厚さ
でよい。光学的異方性層内のディスコティック液晶性分
子の平均傾斜角度は、50乃至90度である。傾斜角度
は、なるべく均一であることが好ましい。ただし、傾斜
角度が光学的異方性層の厚み方向に沿って連続して変化
しているならば、若干の変動があっても問題ない。
【0243】ディスコティック液晶性分子のねじれの角
度(ツイスト角)は、STN型液晶セルのツイスト角
(一般に180乃至360度、好ましくは180度を越
えて270度まで)に応じて、類似(なるべく±10度
以内)の角度となるように調整することが好ましい。液
晶表示装置に光学補償シートを一枚用いる場合は、ディ
スコティック液晶性分子のねじれ角は、180乃至36
0度の範囲であることが好ましい。液晶表示装置に光学
補償シートを二枚用いる場合は、ディスコティック液晶
性分子のねじれ角は、90乃至180度の範囲であるこ
とが好ましい。光学補償シートをSTN型液晶表示装置
に用いる場合、光学的異方性層の複屈折率の波長依存性
(Δn(λ))は、STN型液晶セルの液晶の複屈折率
の波長依存性に近い値であることが好ましい。
【0244】[液晶表示装置]前述したように、本発明
は、STN型液晶セルを用いる液晶表示装置において特
に有効である。STN型液晶表示装置は、STN型液晶
セル、液晶セルの片側または両側に配置された一枚また
は二枚の光学補償シートおよびそれらの両側に配置され
た一対の偏光板からなる。液晶セルの棒状液晶性分子の
配向方向とディスコティック液晶性分子の配向方向との
関係は、光学補償シートに最も近い液晶セルの棒状液晶
性分子のディレクタ(棒状分子の長軸方向)と、液晶セ
ルに最も近い光学補償シートのディスコティック液晶性
分子のディレクタ(円盤状コア平面の法線方向)とが、
液晶セルの法線方向から見て、実質的に同じ向き(±1
0度未満)になるように配置することが好ましい。光学
補償シートの透明支持体を、偏光膜の液晶セル側の保護
膜としても機能させることができる。その場合は、透明
支持体の遅相軸(屈折率が最大となる方向)と偏光膜の
透過軸とが実質的に垂直または実質的に平行(±10度
未満)になるように配置することが好ましい。
【0245】
【実施例】[実施例1]厚さ100μm、サイズ270
mm×100mmのトリアセチルセルロースフイルム
(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明支持
体として用いた。下記のアクリル酸コポリマー(PA
1)およびトリエチルアミンを、トリエチルアミンがア
クリル酸コポリマーに対して20重量%となるように、
メタノールと水との混合溶媒(容量比=30/70)に
溶解し、5重量%溶液を調製した。この溶液ををバーコ
ーターを用いて透明支持体の上に1μmの厚さに塗布し
た。塗布層を、100℃の温風で5分間乾燥し、その表
面をラビング処理して、配向膜を形成した。
【0246】
【化122】
【0247】配向膜の上に、以下の組成の塗布液をエク
ストルージョン法により塗布した。
【0248】 ──────────────────────────────────── 光学的異方性層塗布液 ──────────────────────────────────── 下記のディスコティック液晶性化合物(1) 80重量部 下記のディスコティック液晶性化合物(2) 20重量部 下記の含フッ素界面活性剤 0.1重量部 光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 0.2重量部 メチルエチルケトン 185重量部 ────────────────────────────────────
【0249】
【化123】
【0250】
【化124】
【0251】
【化125】
【0252】塗布層を130℃で2分間加熱して、ディ
スコティック液晶性化合物を実質的に垂直に配向させ
た。その温度で、4秒間紫外線を照射し、ディスコティ
ック液晶性化合物を重合させ、配向状態を固定した。こ
のようにして、ディスコティック液晶性化合物が垂直か
つねじれて配向している光学的異方性層を形成し、光学
補償シートを作成した。配向膜のラビング軸に対して4
5度の角度で、透明支持体側から光学補償シートに偏光
を入射し、光学機器(Multi Chanel Photo Analyzer、
大塚電子(株)製)を用いて出射光の偏光解析を行い、
ツイスト角を求めたところ、230〜250度であっ
た。
【0253】別に、光学的異方性層塗布液からディスコ
ティック液晶性化合物(2)を除いた以外は同様にし
て、ディスコティック液晶性化合物が実質的に垂直に配
向しているが、ねじれていない光学補償シートを作成し
た。このシートについて、エリプソメーターを用いて、
面内レターデーション(Re)を測定し、その角度依存
性から平均傾斜角を求めたところ、80〜85度であっ
た。さらに別に、水平配向膜を用いてアンチパラレルセ
ルを作成し、セル内に上記のディスコティック液晶性化
合物(1)および(2)を封入した。得られた液晶セル
について、エリプソメーターを用いて、面内レターデー
ション(Re)を測定し、その値をセルの厚みで割るこ
とによりΔnを求めたところ、0.07であった。
【0254】[実施例2]アクリル酸コポリマー(PA
1)に代えて、下記のアクリル酸コポリマー(PA2
0)を同量用いた以外は、実施例1と同様に光学補償シ
ートを作成して評価した。ディスコティック液晶性化合
物の平均傾斜角は、75度であった。
【0255】
【化126】
【0256】[実施例3]アクリル酸コポリマー(PA
1)に代えて、下記のアクリル酸コポリマー(PA4
0)を同量用いた以外は、実施例1と同様に光学補償シ
ートを作成して評価した。ディスコティック液晶性化合
物の平均傾斜角は、70度であった。
【0257】
【化127】
【0258】[実施例4]アクリル酸コポリマー(PA
1)に代えて、下記のアクリル酸コポリマー(PA5
0)を同量用いた以外は、実施例1と同様に光学補償シ
ートを作成して評価した。ディスコティック液晶性化合
物の平均傾斜角は、70度であった。
【0259】
【化128】
【0260】[実施例5]実施例1で作成した光学補償
シートを用いて、図3の(e)に示す構造のSTN型液
晶表示装置を作成した。液晶セルと光学補償シートとが
接する面で、液晶セルの棒状液晶性分子の配向方向と光
学補償シートのディスコティック液晶性分子の配向方向
とを一致させた。出射側偏光板の吸収軸と液晶セルの出
射側の棒状液晶性分子の配向方向との角度は、45度に
調節した。入射側偏光板の吸収軸と出射側偏光板の吸収
軸とは直交するように配置した。得られたSTN型液晶
表示装置に電圧を印加したところ、ノーマリーブラック
モードになった。視覚特性を測定したところ、コントラ
スト比が5以上の角度範囲が左右で120度以上、上下
で150度以上得られた。
【0261】[実施例6]以下の組成の光学的異方性層
塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして光学補償
シートを作成して評価したところ、実施例1と同様の結
果が得られた。
【0262】 ──────────────────────────────────── 光学的異方性層塗布液 ──────────────────────────────────── 下記のディスコティック液晶性化合物(3) 63重量部 実施例1で用いたディスコティック液晶性化合物(2) 27重量部 下記の重合性可塑剤 10重量部 光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 1重量部 セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミ カル社製) 0.5重量部 メチルエチルケトン 184.5重量部 ────────────────────────────────────
【0263】
【化129】
【0264】
【化130】
【0265】[実施例7]厚さ100μm、サイズ27
0mm×100mmのトリアセチルセルロースフイルム
(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明支持
体として用いた。下記のアクリル酸コポリマー(PA4
1)およびトリエチルアミンを、トリエチルアミンがア
クリル酸コポリマーに対して20重量%となるように、
メタノールと水との混合溶媒(容量比=30/70)に
溶解し、5重量%溶液を調製した。この溶液ををバーコ
ーターを用いて透明支持体の上に1μmの厚さに塗布し
た。塗布層を、100℃の温風で5分間乾燥し、その表
面をラビング処理して、配向膜を形成した。
【0266】
【化131】
【0267】配向膜の上に、実施例1と同様にして光学
的異方性層を形成し、光学補償シートを作成した。配向
膜のラビング軸に対して45度の角度で、透明支持体側
から光学補償シートに偏光を入射し、光学機器(Multi
Chanel Photo Analyzer、大塚電子(株)製)を用いて
出射光の偏光解析を行い、ツイスト角を求めたところ、
230〜250度であった。
【0268】別に、光学的異方性層塗布液からディスコ
ティック液晶性化合物(2)を除いた以外は同様にし
て、ディスコティック液晶性化合物が垂直配向している
が、ねじれていない光学補償シートを作成した。このシ
ートについて、エリプソメーターを用いて、面内レター
デーション(Re)を測定し、その角度依存性から平均
傾斜角を求めたところ、80〜85度であった。さらに
別に、水平配向膜を用いてアンチパラレルセルを作成
し、セル内に上記のディスコティック液晶性化合物
(1)および(2)を封入した。得られた液晶セルにつ
いて、エリプソメーターを用いて、面内レターデーショ
ン(Re)を測定し、その値をセルの厚みで割ることに
よりΔnを求めたところ、0.07であった。
【0269】[実施例8]アクリル酸コポリマー(PA
41)に代えて、下記のアクリル酸コポリマー(PA5
1)を同量用いた以外は、実施例7と同様に光学補償シ
ートを作成して評価した。ディスコティック液晶性化合
物の平均傾斜角は、75度であった。
【0270】
【化132】
【0271】[実施例9]アクリル酸コポリマー(PA
41)に代えて、下記のアクリル酸コポリマー(PA6
0)を同量用いた以外は、実施例7と同様に光学補償シ
ートを作成して評価した。ディスコティック液晶性化合
物の平均傾斜角は、70度であった。
【0272】
【化133】
【0273】[実施例10]アクリル酸コポリマー(P
A41)に代えて、下記のアクリル酸コポリマー(PA
71)を同量用いた以外は、実施例7と同様に光学補償
シートを作成して評価した。ディスコティック液晶性化
合物の平均傾斜角は、80度であった。
【0274】
【化134】
【0275】[実施例11]実施例7で作成した光学補
償シートを用いて、図3の(e)に示す構造のSTN型
液晶表示装置を作成した。液晶セルと光学補償シートと
が接する面で、液晶セルの棒状液晶性分子の配向方向と
光学補償シートのディスコティック液晶性分子の配向方
向とを一致させた。出射側偏光板の吸収軸と液晶セルの
出射側の棒状液晶性分子の配向方向との角度は、45度
に調節した。入射側偏光板の吸収軸と出射側偏光板の吸
収軸とは直交するように配置した。得られたSTN型液
晶表示装置に電圧を印加したところ、ノーマリーブラッ
クモードになった。視覚特性を測定したところ、コント
ラスト比が5以上の角度範囲が左右で120度以上、上
下で150度以上得られた。
【0276】[実施例12]以下の組成の光学的異方性
層塗布液を用いた以外は、実施例7と同様にして光学補
償シートを作成して評価したところ、実施例7と同様の
結果が得られた。
【0277】 ──────────────────────────────────── 光学的異方性層塗布液 ──────────────────────────────────── 実施例6で用いたディスコティック液晶性化合物(3) 63重量部 実施例1で用いたディスコティック液晶性化合物(2) 27重量部 実施例6で用いた重合性可塑剤 10重量部 光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 1重量部 セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミ カル社製) 0.5重量部 メチルエチルケトン 184.5重量部 ────────────────────────────────────
【0278】[実施例13]厚さ100μm、サイズ2
70mm×100mmのトリアセチルセルロースフイル
ム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明支
持体として用いた。下記のアクリル酸コポリマー(PA
201)およびトリエチルアミンを、トリエチルアミン
がアクリル酸コポリマーに対して20重量%となるよう
に、メタノールと水との混合溶媒(容量比=30/7
0)に溶解して、5重量%溶液を調製した。この溶液を
バーコーターを用いて透明支持体の上に1μmの厚さに
塗布した。塗布層を、100℃の温風で5分間乾燥し、
その表面をラビング処理して、配向膜を形成した。
【0279】
【化135】
【0280】配向膜の上に、実施例1と同様にして光学
的異方性層を形成し、光学補償シートを作成した。配向
膜のラビング軸に対して45度の角度で、透明支持体側
から光学補償シートに偏光を入射し、光学機器(Multi
Chanel Photo Analyzer、大塚電子(株)製)を用いて
出射光の偏光解析を行い、ツイスト角を求めたところ、
230〜250度であった。
【0281】別に、光学的異方性層塗布液からディスコ
ティック液晶性化合物(2)を除いた以外は同様にし
て、ディスコティック液晶性化合物が垂直配向している
が、ねじれていない光学補償シートを作成した。このシ
ートについて、エリプソメーターを用いて、面内レター
デーション(Re)を測定し、その角度依存性から平均
傾斜角を求めたところ、80〜85゜であった。さらに
別に、水平配向膜を用いてアンチパラレルセルを作成
し、セル内に上記のディスコティック液晶性化合物
(1)および(2)を封入した。得られた液晶セルにつ
いて、エリプソメーターを用いて、面内レターデーショ
ン(Re)を測定し、その値をセルの厚みで割ることに
よりΔnを求めたところ、0.07であった。
【0282】[実施例14]アクリル酸コポリマー(P
A201)に代えて、下記のアクリル酸コポリマー(P
A210)を同量用いた以外は、実施例13と同様に光
学補償シートを作成して評価した。ディスコティック液
晶性化合物の平均傾斜角は、70゜であった。
【0283】
【化136】
【0284】[実施例15]アクリル酸コポリマー(P
A201)に代えて、下記のアクリル酸コポリマー(P
A225)を同量用いた以外は、実施例13と同様に光
学補償シートを作成して評価した。ディスコティック液
晶性化合物の平均傾斜角は、60゜であった。
【0285】
【化137】
【0286】[実施例16]アクリル酸コポリマー(P
A201)に代えて、下記のアクリル酸コポリマー(P
A240)を同量用いた以外は、実施例13と同様に光
学補償シートを作成して評価した。ディスコティック液
晶性化合物の平均傾斜角は、75゜であった。
【0287】
【化138】
【0288】[実施例17]実施例13で作成した光学
補償シートを用いて、図3の(e)に示す構造のSTN
型液晶表示装置を作成した。液晶セルと光学補償シート
とが接する面で、液晶セルの棒状液晶性分子の配向方向
と光学補償シートのディスコティック液晶性分子の配向
方向とを一致させた。出射側偏光板の吸収軸と液晶セル
の出射側の棒状液晶性分子の配向方向との角度は、45
度に調節した。入射側偏光板の吸収軸と出射側偏光板の
吸収軸とは直交するように配置した。得られたSTN型
液晶表示装置に電圧を印加したところ、ノーマリーブラ
ックモードになった。視覚特性を測定したところ、コン
トラスト比が5以上の角度範囲が左右で120度以上、
上下で150度以上得られた。
【0289】[実施例18]以下の組成の光学的異方性
層塗布液を用いた以外は、実施例13と同様にして光学
補償シートを作成して評価したところ、実施例13と同
様の結果が得られた。
【0290】 ──────────────────────────────────── 光学的異方性層塗布液 ──────────────────────────────────── 実施例6で用いたディスコティック液晶性化合物(3) 63重量部 実施例1で用いたディスコティック液晶性化合物(2) 27重量部 実施例6で用いた重合性可塑剤 10重量部 光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 1重量部 セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミ カル社製) 0.5重量部 メチルエチルケトン 184.5重量部 ────────────────────────────────────
【0291】[実施例19]厚さ100μm、サイズ2
70mm×100mmのトリアセチルセルロースフイル
ム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明支
持体として用いた。下記のアクリル酸コポリマー(PA
310)およびトリエチルアミンを、トリエチルアミン
がアクリル酸コポリマーに対して20重量%となるよう
に、メタノールと水との混合溶媒(容積比=30/7
0)に溶解し、5重量%溶液を調製した。この溶液を、
バーコーターを用いて透明支持体の上に1μmの厚さに
塗布した。塗布層を、100℃の温風で5分間乾燥し、
その表面をラビング処理して、配向膜を形成した。
【0292】
【化139】
【0293】配向膜の上に、実施例1と同様にして光学
的異方性層を形成し、光学補償シートを作成した。得ら
れた光学補償シートの△ndを波長550nmにおいて
測定したところ、440nmであった。また、ディスコ
ティック液晶性分子のツイスト角は、120度であっ
た。別に、光学的異方性層塗布液からディスコティック
液晶性化合物(2)を除いた以外は同様にして、ディス
コティック液晶性化合物が垂直配向しているが、ねじれ
ていない光学補償シートを作成した。このシートについ
て、エリプソメーターを用いて、面内レターデーション
(Re)を測定し、その角度依存性から平均傾斜角を求
めたところ、85〜90度であった。
【0294】[実施例20]以下の組成の光学的異方性
層塗布液を用いた以外は、実施例19と同様にして光学
補償シートを作成して評価した。
【0295】 ──────────────────────────────────── 光学的異方性層塗布液 ──────────────────────────────────── 下記のディスコティック液晶性化合物(4) 91重量部 下記のカイラル剤 2.0重量部 アセチル化度2.0%、ブチリル化度52.0%、数平均分子量30000の セルロースアセテートブチレート(CAB−551−0.2、イーストマンケミ カル社製) 0.25重量部 アセチル化度3.0%、ブチリル化度50.0%、数平均分子量40000の セルロースアセテートブチレート(CAB−531−1、イーストマンケミカル 社製) 0.25重量部 エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#36 0、大阪有機化学(株)製) 9重量部 光重合開始剤(イルガキュア369、日本チバガイギー(株)製) 3重量部 メチルエチルケトン 120重量部 ────────────────────────────────────
【0296】
【化140】
【0297】
【化141】
【0298】得られた光学補償シートの△ndを波長5
50nmにおいて測定したところ、880nmであっ
た。また、ディスコティック液晶性分子のツイスト角
は、240度であった。さらに、ディスコティック液晶
性分子の配向状態を偏光顕微鏡で確認したところ、すべ
ての分子が均一に配向(モノドメイン配向)していた。
【0299】別に、光学的異方性層塗布液からカイラル
剤を除いた以外は同様にして、ディスコティック液晶性
化合物が実質的に垂直に配向しているが、ねじれていな
い光学補償シートを作成した。このシートについて、エ
リプソメーターを用いて、面内レターデーション(R
e)を測定し、その角度依存性から平均傾斜角を求めた
ところ、85〜90度であった。
【0300】[実施例21]アクリル酸コポリマー(P
A310)に代えて、下記のアクリル酸コポリマー(P
A313)を同量用いた以外は、実施例20と同様に光
学補償シートを作製して評価した。ディスコティック液
晶性化合物の平均傾斜角は、85度であった。
【0301】
【化142】
【0302】[実施例22]アクリル酸コポリマー(P
A310)に代えて、下記のアクリル酸コポリマー(P
A319)を同量用いた以外は、実施例20と同様に光
学補償シートを作製して評価した。ディスコティック液
晶性化合物の平均傾斜角は、85度であった。
【0303】
【化143】
【0304】[実施例23]アクリル酸コポリマー(P
A310)に代えて、下記のメタクリル酸コポリマー
(PA331)を同量用いた以外は、実施例20と同様
に光学補償シートを作製して評価した。ディスコティッ
ク液晶性化合物の平均傾斜角は、80度であった。
【0305】
【化144】
【0306】[実施例24] (液晶表示装置の作製)ツイスト角が240度、△nd
が880nmのSTN液晶セルの下側に、実施例19で
作製した光学補償シートを2枚、光学的異方性層側を向
かい合わせ、光学的異方性層のディスコティック液晶性
分子のディレクター(ディスコティック液晶性分子の円
盤面の法線方向)が一致するように貼り合わせた。この
光学補償シートと液晶セルを貼り合わせる面において、
ディスコティック液晶性分子と液晶セルの棒状液晶性分
子のディレクターが一致するように、光学補償シートを
液晶セルに取り付けた。さらに、一対の偏光板をクロス
ニコル配置で取り付け、STN型液晶表示装置を作製し
た。得られたSTN型液晶表示装置に電圧を印加したと
ころ、ノーマリーブラックモードになった。視覚特性を
測定したところ、コントラスト比が5以上の角度範囲が
左右で120度以上、上下で150度以上得られた。
【0307】[実施例25] (液晶表示装置の作製)ツイスト角が240度、△nd
が880nmのSTN液晶セルの下側に、実施例20で
作製した光学補償シートを1枚、光学的異方性層側を向
かい合わせて貼り合わせた。この光学補償シートと液晶
セルを貼り合わせる面において、ディスコティック液晶
性分子と液晶セルの棒状液晶性分子のディレクターが一
致するように、光学補償シートを液晶セルに取り付け
た。さらに、一対の偏光板をクロスニコル配置で取り付
け、STN型液晶表示装置を作製した。得られたSTN
型液晶表示装置に電圧を印加したところ、ノーマリーブ
ラックモードになった。視覚特性を測定したところ、コ
ントラスト比が5以上の角度範囲が左右で120度以
上、上下で150度以上得られた。
【0308】[実施例26]厚さ100μm、サイズ2
70mm×100mmのトリアセチルセルロースフイル
ム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明支
持体として用いた。下記のアクリル酸コポリマー(PA
410)およびトリエチルアミンを、トリエチルアミン
がアクリル酸コポリマーに対して20重量%となるよう
に、メタノールと水との混合溶媒(容積比=30/7
0)に溶解し、5重量%溶液を調製した。この溶液を、
バーコーターを用いて透明支持体の上に1μmの厚さに
塗布した。塗布層を、100℃の温風で5分間乾燥し、
その表面をラビング処理して、配向膜を形成した。
【0309】
【化145】
【0310】配向膜の上に、実施例1と同様にして光学
的異方性層を形成し、光学補償シートを作成した。得ら
れた光学補償シートの△ndを波長550nmにおいて
測定したところ、440nmであった。配向膜のラビン
グ軸に対して45度の角度で、透明支持体側から光学補
償シートに偏光を入射し、ツイスト角を求めたところ、
120度であった。
【0311】別に、光学的異方性層塗布液からディスコ
ティック液晶性化合物(2)を除いた以外は同様にし
て、ディスコティック液晶性化合物が実質的に垂直に配
向しているが、ねじれていない光学補償シートを作成し
た。このシートについて、エリプソメーターを用いて、
面内レターデーション(Re)を測定し、その角度依存
性から平均傾斜角を求めたところ、85〜90度であっ
た。
【0312】[実施例27]アクリル酸コポリマー(P
A410)に代えて、下記のアクリル酸コポリマー(P
A416)を同量用いた以外は、実施例26と同様に光
学補償シートを作成して評価した。
【0313】
【化146】
【0314】得られた光学補償シートの△ndを波長5
50nmにおいて測定したところ、880nmであっ
た。また、ディスコティック液晶性分子のツイスト角
は、240度であった。ディスコティック液晶性分子の
平均傾斜角は、80度であった。
【0315】[実施例28]アクリル酸コポリマー(P
A416)に代えて、下記のアクリル酸コポリマー(P
A420)を同量用いた以外は、実施例27と同様に光
学補償シートを作成して評価した。ディスコティック液
晶性分子の平均傾斜角は、80度であった。
【0316】
【化147】
【0317】[実施例29]アクリル酸コポリマー(P
A416)に代えて、下記のメタクリル酸コポリマー
(PA441)を同量用いた以外は、実施例27と同様
に光学補償シートを作成して評価した。ディスコティッ
ク液晶性分子の平均傾斜角は、85〜90度であった。
【0318】
【化148】
【0319】[実施例30] (液晶表示装置の作製)ツイスト角が240度、△nd
が880nmのSTN液晶セルの下側に、実施例26で
作製した光学補償シートを2枚、光学的異方性層側を向
かい合わせ、光学的異方性層のディスコティック液晶性
分子のディレクター(ディスコティック液晶性分子の円
盤面の法線方向)が一致するように貼り合わせた。この
光学補償シートと液晶セルを貼り合わせる面において、
ディスコティック液晶性分子と液晶セルの棒状液晶性分
子のディレクターが一致するように、光学補償シートを
液晶セルに取り付けた。さらに、一対の偏光板をクロス
ニコル配置で取り付け、STN型液晶表示装置を作製し
た。得られたSTN型液晶表示装置に電圧を印加したと
ころ、ノーマリーブラックモードになった。視覚特性を
測定したところ、コントラスト比が5以上の角度範囲が
左右で120度以上、上下で150度以上得られた。
【0320】[実施例31] (液晶表示装置の作製)ツイスト角が240度、△nd
が880nmのSTN液晶セルの下側に、実施例27で
作製した光学補償シートを1枚、光学的異方性層側を向
かい合わせ、光学的異方性層のディスコティック液晶性
分子のディレクター(ディスコティック液晶性分子の円
盤面の法線方向)が一致するように貼り合わせた。この
光学補償シートと液晶セルを貼り合わせる面において、
ディスコティック液晶性分子と液晶セルの棒状液晶性分
子のディレクターが一致するように、光学補償シートを
液晶セルに取り付けた。さらに、一対の偏光板をクロス
ニコル配置で取り付け、STN型液晶表示装置を作製し
た。得られたSTN型液晶表示装置に電圧を印加したと
ころ、ノーマリーブラックモードになった。視覚特性を
測定したところ、コントラスト比が5以上の角度範囲が
左右で120度以上、上下で150度以上得られた。
【0321】[実施例32] (配向膜の作製)厚さ100μm、サイズ270mm×
100mmのトリアセチルセルロース(フジタック、富
士写真フィルム(株)製)を透明支持体として用いた。
実施例19で用いたアクリル酸コポリマー(PA31
0)およびトリエチルアミン(アクリル酸コポリマーの
20重量%)を、メタノールと水との混合溶媒(容積比
=30/70)に溶解して、5重量%溶液を調製した。
上記溶液をバーコータを用いて、透明支持体上に1μm
の厚さ(乾燥前の厚さ)に塗布した。塗布層に、100
℃に加熱した空気を5分間吹き付け、塗布層を乾燥し
た。次いで、塗布層表面を長手方向に沿ってラビング処
理した後、直ちに130℃に加熱したホットプレートに
5分間接触させ、配向膜を形成した。
【0322】(光学補償シートの作製)実施例20で用
いたディスコティック液晶性化合物(4)1.0gに、
アセチル化度2.0%、ブチリル化度52.0%、数平
均分子量30000のセルロースアセテートブチレート
(CAB−551−0.2、イーストマンケミカル社
製)10mg、実施例6で用いた重合性可塑剤100m
g、実施例20で用いたカイラル剤20mgおよび下記
の光重合開始剤30mgを加え、これをメチルエチルケ
トンに溶解して、固形分30重量%の光学的異方性層塗
布溶液を調製した。
【0323】
【化149】
【0324】次いで、上記の光学的異方性層塗布溶液を
前記配向膜上にバーコータを用いて塗布し、ディスコテ
ィック液晶性化合物の塗布層を形成させた。この塗布層
を、表面温度を125℃に加熱した金属ローラに支持体
側にて5分間接触させた後、表面温度30℃の金属ロー
ラに1分間接触させ、ディスコティック液晶性化合物を
実質的に垂直に配向させた。紫外線照射装置(URUT
OTA−VIOLETPRODUCTS(株)製、UV
L−58(16W))を使用し、10秒間紫外線を照射
し、光学的異方性層を形成した。この光学補償シートの
光学的異方性層を偏光顕微鏡下で観察したところ、モノ
ドメインで配向していることが分かった。得られた光学
補償シートの面内レターデーション(△nd)を波長5
50nmにおいて測定したところ、820nmであっ
た。また、ディスコティック液晶性分子のツイスト角
は、240度であった。膜厚(d)は、別途測定を行っ
たところ、6.7μmであった。
【0325】[実施例33] (液晶表示装置の作製)実施例32で作製した光学補償
シートを用いて、図3(e)に示す構造のSTN型液晶
表示装置を作製した。液晶セルと光学補償シートとが接
する面で、液晶セルの棒状液晶性分子の配向方向と光学
補償シートのディスコティック液晶性分子の配向方向と
を一致させた。出射側偏光板の吸収軸と液晶セルの出射
側の棒状液晶性分子の配向方向との角度は、45度に調
節した。入射側偏光板の吸収軸と出射側偏光板の吸収軸
とは直交するように配置した。得られたSTN型液晶表
示装置に電圧を印加したところ、ノーマリーブラックモ
ードになった。視角特性を測定したところ、コントラス
ト比が5以上の角度範囲が左右で120度以上、上下で
150度以上得られた。
【0326】[実施例34〜40]アクリル酸コポリマ
ー(PA310)に代えて、下記のアクリル酸コポリマ
ー(PA505)、(PA523)、(PA532)、
(PA701)、(PA727)、(PA731)およ
び(PA732)をそれぞれ同量用いた以外は、実施例
33および34と同様にして、配向膜、光学補償シート
および液晶表示装置を作製したところ、それぞれ、実施
例32および33と同様の結果が得られた。
【0327】
【化150】
【0328】
【化151】
【0329】
【化152】
【0330】
【化153】
【0331】
【化154】
【0332】
【化155】
【0333】
【化156】
【図面の簡単な説明】
【図1】STN型液晶表示装置の電圧無印加(オフ)の
画素部分における液晶セル内の棒状液晶性分子の配向状
態と光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子の
配向状態とを模式的に示す断面図である。
【図2】液晶セルの棒状液晶性分子と、それを光学補償
する関係にある光学補償シートのディスコティック液晶
性分子について、それぞれの屈折率楕円体を示す模式図
である。
【図3】STN型液晶表示装置の層構成を示す模式図で
ある。
【図4】STN型液晶表示装置の各要素について、好ま
しい光学的方向を示す平面図である。
【図5】STN型液晶表示装置の各要素について、別の
好ましい光学的方向を示す平面図である。
【符号の説明】
1 液晶セル 2、2a、2b 光学補償シート 3、3a、3b 偏光板 11 液晶セルの上基板 12、14 液晶セルの配向膜 13 棒状液晶性分子の屈折率楕円体 13a〜13e 棒状液晶性分子 13t 棒状液晶性分子層の厚み 13x、13y 棒状液晶性分子の配向膜に平行な面内
の屈折率 13z 棒状液晶性分子の厚み方向の屈折率 15 液晶セルの下基板 21 ディスコティック液晶性分子の屈折率楕円体 21a〜21e ディスコティック液晶性分子 21t ディスコティック液晶性分子層の厚み 21x、21y ディスコティック液晶性分子の配向膜
に平行な面内の屈折率 21z ディスコティック液晶性分子の厚み方向の屈折
率 22 配向膜 23 透明支持体 BL バックライト DDa、DDb、DDc、DDd ディスコティック液
晶性分子の円盤面の法線方向 RDa、RDb 液晶セルの配向膜のラビング方向 TAa、TAb 偏光板の透過軸 X 基準となる方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 216/14 C08F 216/14 220/06 220/06 220/22 220/22 226/02 226/02 226/06 226/06 228/02 228/02 228/06 228/06 236/02 236/02 G02F 1/133 500 G02F 1/133 500 1/1335 510 1/1335 510 1/13363 1/13363 1/1337 1/1337 500 500 (31)優先権主張番号 特願2000−174829(P2000−174829) (32)優先日 平成12年6月12日(2000.6.12) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−219572(P2000−219572) (32)優先日 平成12年7月19日(2000.7.19) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 西川 秀幸 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA01 BA46 BB03 BB46 BB49 BB51 BC05 BC09 BC14 BC22 2H089 QA16 RA05 RA10 TA04 TA09 TA14 TA15 2H090 HB07Y KA05 KA08 LA06 LA09 MA01 MB01 2H091 FA11X FA11Z GA06 GA13 HA07 HA10 LA30 4J100 AA15Q AA20R AB00R AB02R AB04Q AB04R AB07Q AB07R AB08R AB09R AB10R AC21Q AE02Q AE35Q AJ02P AK03P AK08P AL04Q AL05Q AL08Q AL24Q AL26Q AL62Q AL66Q AL91Q AL91R AM17Q AM21Q AM23Q AN04Q AP01Q AQ00R AQ06R AQ08R AQ11R AQ15R AQ19R AQ26R AQ28R AS00Q AS15R BA02Q BA02R BA03Q BA03R BA04Q BA05R BA06Q BA11Q BA12Q BA13R BA15Q BA15R BA16Q BA16R BA18R BA23Q BA29R BA34Q BA35Q BA38Q BA38R BA40Q BA41Q BA53Q BA56R BA59Q BB01Q BB01R BB03Q BB07Q BB10Q BB11Q BB17Q BB18Q BC04Q BC12Q BC26Q BC43Q BC43R BC44Q BC48Q BC49Q BC54Q BC54R BC65Q BC73Q CA05 JA39

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に設けられている液晶配向膜で
    あって、下記式(I)で表される繰り返し単位と、下記
    式(II)または(III)で表される繰り返し単位とを含む
    アクリル酸コポリマーまたはメタクリル酸コポリマーか
    らなることを特徴とする液晶配向膜: 【化1】 [式中、R1 は、水素原子またはメチルであり;R
    2 は、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数が1乃
    至6のアルキル基であり;Mは、プロトン、アルカリ金
    属イオンまたはアンモニウムイオンであり;L0 は、−
    O−、−CO−、−NH−、−SO2 −、アルキレン
    基、アルケニレン基、アリーレン基およびそれらの組み
    合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であり;R
    0 は、炭素原子数が10乃至100の炭化水素基または
    炭素原子数が1乃至100のフッ素原子置換炭化水素基
    であり;Cyは、脂肪族環基、芳香族基または複素環基
    であり;mは、10乃至99モル%であり;そして、n
    は、1乃至90モル%である]。
  2. 【請求項2】 アクリル酸コポリマーまたはメタクリル
    酸コポリマーが、式(I)で表される繰り返し単位と、
    式(II)で表される繰り返し単位とを含み、式(II)に
    おいて、R0 が少なくとも二個の芳香族環または芳香族
    性複素環を含む炭素原子数が10乃至100の炭化水素
    基である請求項1に記載の液晶配向膜。
  3. 【請求項3】 支持体上に、下記式(I)で表される繰
    り返し単位と、下記式(II)または(III)で表される繰
    り返し単位とを含むアクリル酸コポリマーまたはメタク
    リル酸コポリマーの溶液を塗布して塗布膜を形成する工
    程;塗布膜を乾燥する工程;塗布膜の表面をラビング処
    理する工程;そして、ラビング処理後の塗布膜を50乃
    至300℃の範囲の温度に加熱する工程からなることを
    特徴とする液晶配向膜の製造方法: 【化2】 [式中、R1 は、水素原子またはメチルであり;R
    2 は、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数が1乃
    至6のアルキル基であり;Mは、プロトン、アルカリ金
    属イオンまたはアンモニウムイオンであり;L0 は、−
    O−、−CO−、−NH−、−SO2 −、アルキレン
    基、アルケニレン基、アリーレン基およびそれらの組み
    合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であり;R
    0 は、炭素原子数が10乃至100の炭化水素基または
    炭素原子数が1乃至100のフッ素原子置換炭化水素基
    であり;Cyは、脂肪族環基、芳香族基または複素環基
    であり;mは、10乃至99モル%であり;そして、n
    は、1乃至90モル%である]。
  4. 【請求項4】 ラビング処理後の塗布膜を100乃至2
    50℃に加熱したホットプレートに接触させることによ
    り、塗布膜を加熱する工程を実施する請求項3に記載の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 透明支持体上に、配向膜およびディスコ
    ティック液晶性分子から形成された光学的異方性層をこ
    の順序で有する光学補償シートであって、配向膜が下記
    式(I)で表される繰り返し単位と、下記式(II)また
    は(III)で表される繰り返し単位とを含むアクリル酸コ
    ポリマーまたはメタクリル酸コポリマーからなり、ディ
    スコティック液晶性分子が50乃至90度の範囲の平均
    傾斜角で配向していることを特徴とする光学補償シー
    ト: 【化3】 [式中、R1 は、水素原子またはメチルであり;R
    2 は、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数が1乃
    至6のアルキル基であり;Mは、プロトン、アルカリ金
    属イオンまたはアンモニウムイオンであり;L0 は、−
    O−、−CO−、−NH−、−SO2 −、アルキレン
    基、アルケニレン基、アリーレン基およびそれらの組み
    合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であり;R
    0 は、炭素原子数が10乃至100の炭化水素基または
    炭素原子数が1乃至100のフッ素原子置換炭化水素基
    であり;Cyは、脂肪族環基、芳香族基または複素環基
    であり;mは、10乃至99モル%であり;そして、n
    は、1乃至90モル%である]。
  6. 【請求項6】 ディスコティック液晶性分子がねじれ配
    向しており、ねじれ角が90乃至360度の範囲である
    請求項5に記載の光学補償シート。
  7. 【請求項7】 STN型液晶セル、その両側に配置され
    た二枚の偏光板およびSTN型液晶セルと一方または両
    方の偏光板との間に配置された一枚または二枚の光学補
    償シートからなるSTN型液晶表示装置であって、光学
    補償シートが透明支持体、配向膜およびディスコティッ
    ク液晶性分子から形成された光学的異方性層を偏光板側
    からこの順に有し、配向膜が下記式(I)で表される繰
    り返し単位と、下記式(II)または(III)で表される繰
    り返し単位とを含むアクリル酸コポリマーまたはメタク
    リル酸コポリマーからなり、ディスコティック液晶性分
    子が50乃至90度の範囲の平均傾斜角で配向し、さら
    にねじれ配向しており、ねじれ角が90乃至360度の
    範囲であることを特徴とするSTN型液晶表示装置: 【化4】 [式中、R1 は、水素原子またはメチルであり;R
    2 は、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数が1乃
    至6のアルキル基であり;Mは、プロトン、アルカリ金
    属イオンまたはアンモニウムイオンであり;L0 は、−
    O−、−CO−、−NH−、−SO2 −、アルキレン
    基、アルケニレン基、アリーレン基およびそれらの組み
    合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であり;R
    0 は、炭素原子数が10乃至100の炭化水素基または
    炭素原子数が1乃至100のフッ素原子置換炭化水素基
    であり;Cyは、脂肪族環基、芳香族基または複素環基
    であり;mは、10乃至99モル%であり;そして、n
    は、1乃至90モル%である]。
  8. 【請求項8】 下記式(I)で表される繰り返し単位
    と、下記式(II)または(III)で表される繰り返し単位
    とを含むアクリル酸コポリマーまたはメタクリル酸コポ
    リマーを含む配向膜を用いて、50乃至90度の範囲の
    平均傾斜角でディスコティック液晶性分子を配向させる
    方法: 【化5】 [式中、R1 は、水素原子またはメチルであり;R
    2 は、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数が1乃
    至6のアルキル基であり;Mは、プロトン、アルカリ金
    属イオンまたはアンモニウムイオンであり;L0 は、−
    O−、−CO−、−NH−、−SO2 −、アルキレン
    基、アルケニレン基、アリーレン基およびそれらの組み
    合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であり;R
    0 は、炭素原子数が10乃至100の炭化水素基または
    炭素原子数が1乃至100のフッ素原子置換炭化水素基
    であり;Cyは、脂肪族環基、芳香族基または複素環基
    であり;mは、10乃至99モル%であり;そして、n
    は、1乃至90モル%である]。
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