JP2006328342A - 硬化性組成物、硬化物及びこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)2級の水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含有し、且つ微小硬度計による負荷−除荷試験において、下記(1)及び/又は(2)を満たし、且つ下記(3)及び/又は(4)を満たす硬化物を形成しうる硬化性組成物。
(1)変形量が1.35μm以上であること
(2)負荷時の変位が0.25μmの時の荷重Nが0.7gf以下であること
(3)弾性復元率が50%以上であること
(4)回復率が80%以上であること
【選択図】図3
Description
本発明はまた、このような硬化性組成物により形成された硬化物と、この硬化物を有する液晶表示装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨は次の通りである。
(1)変形量が1.35μm以上であること
(2)負荷時の変位が0.25μmの時の荷重Nが0.7gf以下であること
(3)弾性復元率が50%以上であること
(4)回復率が80%以上であること
(3)弾性復元率が50%以上であること
(4)回復率が80%以上であること
(5)底断面積が25μm2以下であること
このような本発明の硬化性組成物によれば、高精度かつ高信頼性で高品質の硬化物、及び液晶表示装置が提供される。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を意味するものとする。また、本発明において、「全固形分」とは、硬化性組成物中の溶媒を除く全ての成分を意味するものとする。
本発明の硬化性組成物は、(A)2級の水酸基を有するエチレン性不飽和化合物(以下「エチレン性不飽和化合物(A)」と称す場合がある。)を含有することを必須とする。また、好ましくは更に(B)二重結合当量が400以下であるエチレン性不飽和化合物(以下「エチレン性不飽和化合物(B)」と称す場合がある。)を含有する。また、必要に応じて、その他の樹脂、重合性モノマー、熱及び/又は光重合開始剤等を含有する。
また、本発明の硬化性組成物は、通常は塗布−乾燥等の手段により基板上に硬化性組成物の層を形成させる為、各成分を溶剤に溶解或いは分散された状態で使用される。
本発明の硬化性組成物を構成するエチレン性化合物は、(A)2級の水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を必須として含有し、好ましくは更に(B)二重結合当量が400以下であるエチレン性不飽和化合物を含有する。
本発明に係る2級の水酸基を有するエチレン性不飽和化合物(A)は、その分子中に2級の水酸基とエチレン性不飽和基を少なくとも一つずつ有する化合物であれば、特に制限は無いが、好ましくは、下記式(i)〜(iii)の部分構造を少なくとも一つ含む化合物を挙げる事が出来る。
共栄化学社製:
ライトエステル HOP,HOP−A,HOB,HO−MPP,G−101P,G−
201P
エポキシエステル M−600A,40EM,70PA,200PA,80MFA,
3002M,3002A,3000M,3000A
日本油脂社製:
ブレンマー GLM,GLM−R,GMR−H,GHR−R,GAM,GAM−R,
G−FA−80,QA,P
新中村化学社製:
NKエステル 702A,701A,TOPOLENE−M,701
NKオリゴ EA−1020,EA−1025,EA−1026,EA−1028,
EA−5520
本発明の硬化性組成物には、2級の水酸基を有するエチレン性不飽和化合物(A)以外のエチレン性不飽和化合物として、二重結合当量が400以下のエチレン性不飽和化合物(B)を含有することが好ましい。
二重結合当量=化合物の重量(g)/化合物の二重結合含有モル数
二重結合当量=硬化性組成物溶液の二重結合当量×固形分濃度
このようなエチレン性不飽和化合物(B)としては例えば下記一般式(I)で表される化合物を挙げることが出来る。
このR12は、下記一般式(II)で表される基であるのが更に好ましい。
直鎖状のものとしては、例えば、アルカン、アルケン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレイミド等の単独又は共重合体、酸変性型エポキシアクリレート類、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース等由来の有機基が挙げられる。
一般式(V)で表されるエポキシ基含有化合物は1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
これらのエチレン性不飽和基含有カルボン酸類(a)は1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
なお、酸解離定数は、Determination of Organic Structures by Physical Methods, Academic Press, New York, 1955 (Brown, H.C.ら)を参照することができる。
本発明において、これらの多価カルボン酸及びその酸無水物は1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
上記化合物は1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
例えば、特開平4−355450号公報等に記載の従来公知の方法により、前記ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン型エポキシ化合物をメチルエチルケトン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等の有機溶剤に溶解させ、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリベンジルアミン等の第3級アミン類、又は、テトラメチルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類、トリフェニルホスフィン等の燐化合物、又は、トリフェニルスチビン等のスチビン類等の触媒の存在下、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、メチルハイドロキノン等の熱重合禁止剤の共存下に、前記エチレン性不飽和基含有カルボン酸類を、エポキシ化合物のエポキシ基の1化学当量に対して通常0.8〜1.5化学当量、好ましくは0.9〜1.1化学当量となる量で加え、通常60〜150℃、好ましくは80〜120℃の温度で付加反応させ、引き続き、前記多価カルボン酸若しくはその無水物を、前記反応で生じた水酸基の1化学当量に対して通常0.05〜1.0化学当量、好ましくは0.5化学当量となる量で加えて、前記条件下で反応を続けて、目的の化合物を得る。
本発明の硬化性組成物に配合されるその他の樹脂としては、前記エチレン性不飽和化合物(A)及びエチレン性不飽和化合物(B)以外の化合物であって、公知のカラーフィルタ用樹脂組成物に用いられている樹脂の1種又は2種以上を用いる事が出来る。そのような樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレイミド等の単独又は共重合体、酸変性型エポキシアクリレート類、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース等が挙げられるが、中で、アルカリ現像性等の面から、カルボキシル基含有ビニル系樹脂、カルボキシル基及びエポキシ基を含有する共重合体、酸変性型エポキシアクリレート類が好適である。
本発明の硬化性組成物は、前記[1−1]章に記載のエチレン性不飽和化合物(A),(B)とは別に、重合性モノマーを含有することが好ましい。なお、本発明における「モノマー」とは、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の「モノマー(単量体)」以外に「二量体」、「三量体」、「オリゴマー」をも包含する概念を意味する。
本発明の硬化性組成物には、該硬化性組成物の硬化の方法に応じて、光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤が含まれていても良い。本発明に係る光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤は活性光線及び/又は熱によりエチレン性不飽和基を重合させる化合物であれば特に限定されるものではなく、公知の光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤重合開始剤を用いる事が出来る。
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル化トリアジン誘導体;
2−トリクロロメチル−5−(2′−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2′−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール誘導体;
2−(2′−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダソール2量体、2−(2′−クロロフェニル)−4,5−ビス(3′−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(2′−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体等のイミダゾール誘導体;
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;
2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体;
ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体;
チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;
p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体;
9-フェニルアクリジン、9-(p-メトキシフェニル)アクリジン等のアクリジン誘導体;
9,10-ジメチルベンズフェナジン等のフェナジン誘導体;
ベンズアンスロン等のアンスロン誘導体;
ジシクロペンタジエニル−Ti−ジクロライド、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジ−フルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イル等のチタノセン誘導体;
特開2000−80068号公報、特願2004−183593号明細書等に記載されている、アセトフェノンオキシム−o−アセテート、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)]、1−[9−エチルー6−(2−ベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン−1−(o−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物。
また本発明の硬化性組成物には、上記成分以外にも、溶剤、着色剤、密着向上剤、塗布性向上剤、現像改良剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、エポキシ化合物、アミノ化合物、重合加速剤等を適宜配合することができる。
本発明の硬化性組成物に用いられる溶剤としては特に制限は無いが、例えば、水、ジイソプロピルエーテル、ミネラルスピリット、n−ペンタン、アミルエーテル、エチルカプリレート、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、イソプレン、エチルイソブチルエーテル、ブチルステアレート、n−オクタン、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、アプコシンナー、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキセン、メチルノニルケトン、プロピルエーテル、ドデカン、Socal solvent No.1及びNo.2、アミルホルメート、ジヘキシルエーテル、ジイソプロピルケトン、ソルベッソ#150、酢酸ブチル(n、sec、t)、ヘキセン、シェル TS28 ソルベント、ブチルクロライド、エチルアミルケトン、エチルベンゾネート、アミルクロライド、エチレングリコールジエチルエーテル、エチルオルソホルメート、メトキシメチルペンタノン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルイソブチレート、ベンゾニトリル、エチルプロピオネート、メチルセロソルブアセテート、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピルアセテート、アミルアセテート、アミルホルメート、ビシクロヘキシル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジペンテン、メトキシメチルペンタノール、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、プロピルプロピオネート、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、カルビトール、シクロヘキサノン、酢酸エチル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ジグライム、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールアセテート、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の溶剤を具体的に挙げることができる。
本発明の硬化性組成物に用いられる着色剤としては、顔料、染料等公知の着色剤を用いる事が出来る。また例えば顔料を用いる際に、その顔料が凝集したりせずに安定して硬化性組成物中に存在できるように、公知の分散剤や分散助剤が併用されても良い。着色剤の含有量は特に制限はないが、通常硬化性組成物の全固形分に対して70重量%以下である。
本発明の硬化性組成物に用いられる塗布性向上剤あるいは現像改良剤としては、例えば公知の、カチオン性、アニオン性、ノニオン性、フッ素系、シリコン系界面活性剤を用いる事が出来る。また現像改良剤として、有機カルボン酸及び/又はその無水物など公知のものを用いる事も出来る。またその含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
また、本発明の硬化性組成物は、その安定性向上等の為、ハイドロキノン、メトキシフェノール等の重合禁止剤や、2,6-ジ-tert-ブチル-4-クレゾール(BHT)等のヒンダードフェノール系の酸化防止剤を含有する事が好ましい。その含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、通常5ppm以上、好ましくは10ppm以上で、通常1000ppm以下、好ましくは600ppm以下の範囲である。この含有量が少なければ安定性が悪化する傾向にあるし、多すぎれば、例えば熱及び/又は光による硬化の際に、硬化が不充分となる可能性があり好ましくない。特に、通常のフォトリソグラフィー法に使用される場合には、硬化性組成物の保存安定性及び感度の両面から鑑みた最適量に設定する必要がある。
また、本発明の硬化性組成物は、基板との密着性を改善するため、シランカップリング剤を配合することも好ましい。シランカップリング剤の種類としては、エポキシ系、(メタ)アクリル系、アミノ系等種々の物が1種を単独で或いは2種以上を混合して使用できるが、特にエポキシ系のシランカップリング剤が好ましい。その含有量は、硬化性組成物中の全固形分に対して、通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下である。
また硬化性や基板との密着性を改善するため、エポキシ化合物を添加することも好ましい。
また、この場合、公知のエポキシ硬化剤が併用されていても良い。
また、本発明の硬化性組成物は、その硬化性(硬化性組成物の硬化速度、硬化物の機械的特性)や基板との密着性を改善するため、アミノ化合物の1種又は2種以上を添加することも好ましい。その含有量は、硬化性組成物中の全固形分に対して、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下である。また、通常0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上である。この含有量が多すぎる場合には、硬化性組成物の保存安定性が悪化する可能性がある。また、含有量が少なすぎる場合には、前記の硬化性や基板との密着性の改善効果が低くなる。
また、特に硬化速度を期待する場合は、上記含有量は通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。また、通常0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上である。この含有量が大きすぎるとパターンの形成性が悪化する可能性がある。
また、本発明の硬化性組成物は、重合硬化の促進の為、重合加速剤の1種又は2種以上を添加することも好ましい。
本発明の硬化性組成物は、特にスペーサー用途で用いる場合は、微小硬度計による負荷−除荷試験において、下記(1)及び/又は(2)を満たし、且つ下記(3)及び/又は(4)を満たす硬化物を形成しうることが特徴である。
(1)変形量が1.35μm以上であること
(2)負荷時の変位が0.25μmの時の荷重Nが0.7gf以下であること
(3)弾性復元率が50%以上であること
(4)回復率が80%以上であること
本発明の硬化性組成物はこのような場合においても硬化物(スペーサー)の弾性復元率及び/又は回復率が高いという点で有意義である。
まず、一個のスペーサーパターンについて、(株)キーエンス社製超深度カラー3D形状測定顕微鏡「VK−9500」を用いてスペーサーパターンの中軸を通る縦断面をプロファイルする。このスペーサーパターンのプロファイル手法について、図1,2を参照して説明する。図1はスペーサーパターンを上から見た際のプロファイルする位置を示す模式図であり、図2はスペーサーパターンの縦断面のプロファイルを示す模式図である。図1,2において、1はスペーサーパターン、2はスペーサーパターンの中軸、3はプロファイル位置、4はスペーサーパターンの縦断面のプロファイル、5は基板面から最高位置までの高さ、6は基板面から最高位置までの高さの90%の高さ、7は上断面の円の直径AA′である。
このように、プロファイルした図形(4)の基板面から最高位置の点Qまでの高さ(5)の90%の高さ(6)における、スペーサーパターンの図形内の基板面に平行な直線AA′の長さ(7)を測定する。このAA′を直径とする円の面積をスペーサーパターンの上断面積とする。
試験条件は、測定温度23℃、直径50μmの平面圧子を使用し、一定速度(0.22gf/sec)でスペーサーに荷重を加え、荷重が5gfに達したところで5秒間保持し、続いて同速度にて除荷を行う。この試験より求められる、図3に示すような荷重−変位曲線より、最大変位H[max]、最終変位H[Last]、負荷時の変位が0.25μmの時の荷重N(gf)(以下「0.25μm変位荷重N」と称す。)を測定する。そして、最大変位H[max]を総変形量とする。
回復率(%)=最終変位H[Last]/(試験前のパターン高さ)×100
弾性復元率(%)=(最大変位H[max]−最終変位H[Last])
/最大変位H[max]×100
弾性復元率は、好ましくは60%以上、更に好ましくは80%以上である。
回復率及び/又は弾性復元率が小さすぎると、パネルの製造時の荷重のムラに硬化物が対応出来ない。
本発明の硬化性組成物はまた、下記(3)及び/又は(4)を満たし、且つ下記(5)を満たす硬化物を形成しうることが特徴である。
(3)弾性復元率が50%以上であること
(4)回復率が80%以上であること
(5)底断面積が25μm2以下であること
本発明の硬化性組成物はこのような場合においても硬化物(スペーサー)の弾性復元率及び/又は回復率が高いという点で有意義である。
底面断面積が大きすぎると、画素の小さい携帯電話機等のパネルには適さない。一方、底面断面積が小さすぎると、十分な弾性復元率及び/又は回復率が得られない。
回復率及び/又は弾性復元率が小さすぎると、パネルの衝撃等の荷重に硬化物が対応出来ない。
本発明の硬化性組成物は、公知のカラーフィルタ用硬化性組成物と同様の方法で使用されるが、以下、特にスペーサー用感光性組成物として使用される場合について説明する。
本発明の硬化性組成物は、通常溶剤に溶解或いは分散された状態で、基板上へ供給される。その供給方法としては、従来公知の方法、例えば、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法などによって行うことができる。中でも、ダイコート法によれば、塗布液使用量が大幅に削減され、かつ、スピンコート法によった際に付着するミストなどの影響が全くない、異物発生が抑制されるなど、総合的な観点から好ましい。塗布量は用途により異なるが、例えばスペーサーの場合には、乾燥膜厚として、通常0.5μm以上、好ましくは1μm以上で、通常10μm以下、好ましくは9μm以下、特に好ましくは7μm以下の範囲である。また、乾燥膜厚あるいは最終的に形成されたスペーサーの高さが、基板全域に渡って均一であることが重要である。スペーサー高さのばらつきが大きい場合には、液晶パネルにムラ欠陥を生ずることとなる。また、硬化性組成物は、インクジェット法や印刷法などにより、パターン状に供給されても良い。
基板上に硬化性組成物を供給した後の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブンを使用した乾燥法によるのが好ましい。また温度を高めず、減圧チャンバー内で乾燥を行う減圧乾燥法を組み合わせても良い。乾燥の条件は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて適宜選択することができる。乾燥時間は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて、通常は40〜130℃の温度で15秒〜5分間の範囲で選ばれ、好ましくは50〜110℃の温度で30秒〜3分間の範囲で選ばれる。
露光は、硬化性組成物の塗布膜上に、ネガのマスクパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線又は可視光線の光源を照射して行う。また、マスクパターンを用いないレーザー光による走査露光方式によっても良い。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、脱酸素雰囲気下で行ったり、本発明の硬化性組成物よりなる光重合性層上にポリビニルアルコール層などの酸素遮断層を形成した後に露光を行っても良い。
上記の露光を行った後、アルカリ性化合物の水溶液、又は有機溶剤を用いる現像によって、基板上に画像パターンを形成することができる。この水溶液には、さらに界面活性剤、有機溶剤、緩衝剤、錯化剤、染料又は顔料を含ませることができる。
現像の後の基板には、必要により前記の露光方法と同様な方法により追露光を行っても良く、また熱硬化処理を行っても良い。この際の熱硬化処理条件は、温度は100〜280℃の範囲、好ましくは150〜250℃の範囲で選ばれ、時間は5〜60分間の範囲で選ばれる。このような熱硬化処理を施すことは特に好ましい。
無水琥珀酸118重量部と市販のペンタエリスリトールトリアクリレート596重量部を、トリエチルアミン2.5重量部、及びハイドロキノン0.25重量部の存在下に85℃で5時間反応させることにより、1分子中に1個のカルボキシル基と2個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート66重量%とペンタエリスリトールテトラアクリレート34重量%とからなる酸価92.7mg−KOH/gの多官能アクリレート混合物を得た(エチレン性不飽和基含有カルボン酸混合物(B0))。
下記構造式で表されるエポキシ化合物(エポキシ当量260)280重量部、上記エチレン性不飽和基含有カルボン酸混合物(B0)442.7重量部、p−メトキシフェノール0.36重量部、トリフェニルホスフィン14.4重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート722.7重量部を反応容器に仕込み、85℃で酸価が5mg−KOH/g以下になるまで撹拌した。酸価が目標に達するまで10時間を要した(酸価4.0mg−KOH/g)。
〈1〉硬化性組成物の調製
2級の水酸基を有するエチレン性不飽和化合物(A)として、表1に示す化合物を6重量部、二重結合当量が400以下のエチレン性不飽和化合物(B)として、上記合成例1,2で得られたエチレン性不飽和化合物(B1)又は(B2)を100重量部、重合性モノマーとしてKAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)を80重量部と、熱及び/又は光重合開始剤としてIrgacure907(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)を6重量部、界面活性剤としてFC430(住友スリーエム社製、フッ素系界面活性剤)を0.2重量部混合し、固形分濃度が35重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させた後、ミリポアフィルタ(2μm)で濾過して、硬化性組成物を得た。
ただし、比較例1,2ではエチレン性不飽和化合物(A)を用いず、比較例2では、燐酸アクリレート(日本化薬社製「KAYARAD PM−21」)6重量部を添加した。
表面にITO膜を形成したガラス基板の該ITO膜上に、スピナーを用いて上記〈1〉で得られた硬化性組成物を塗布した後、80℃で3分間ホットプレート上で加熱乾燥して塗膜を形成した。得られた塗膜に所定パターンマスクを用いて、365nmでの強度が32mW/cm2である紫外線を用いて、露光量が100mJ/cm2となるよう露光した。この際の紫外線照射は空気下で行った。次いで、23℃の0.1重量%水酸化カリウム水溶液で最小現像時間の2倍の時間スプレー現像した後、純水で1分間リンスした。ここで、最小現像時間とは、同現像条件にて、未露光部が完全に溶解される時間を意味する。これらの操作により、不要な部分が除去されてスペーサーパターンの形成された基板を、オーブン中230℃で30分間加熱し硬化させ、高さ4μmで異なるサイズの円柱状スペーサーパターンを得た。
上記〈2〉で得られたスペーサーパターンについて、以下の評価を行い、結果を表2に示した。
得られた円柱状スペーサーパターンについて、光学顕微鏡にて観察を行い、下記基準にて密着性の評価を行った。
底面の直径が50μm2未満のパターンが得られたもの:○
底面の直径が50μm2未満のパターンが得られなかったもの:×
得られた円柱状スペーサーパターン付き基板について、室温にて10分間、2重量%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬した後、水洗して乾燥させた。この基板を光学顕微鏡により観察し、スペーサーパターンの剥がれが認められたものを「×」、剥がれが全く認められなかったものを「○」として評価した。
得られた円柱状スペーサーパターンについて、(株)キーエンス社製超深度カラー3D形状測定顕微鏡「VK−9500」を用いて、図1に示す如く、スペーサーパターンの中軸を通る縦断面をプロファイルした。プロファイルした図形(図2に模式図を示した)の基板面から最高位置の点Qまでの高さの、90%の高さにおける、スペーサーパターンの図形内の基板面に平行な直線AA′の長さを測定した。次に、AA′を直径とする円の面積をスペーサーパターンの上断面積とした。
最大変位H[max]
最終変位H[Last]
0.25μm変位荷重N
回復率(%)=H[last]/(試験前のパターン高さ)×100
弾性復元率(%)=(H[max]−H[last])/H[max]×100
底断面積
を求めた。
2 スペーサーパターンの中軸
3 プロファイル位置
4 スペーサーパターンの縦断面のプロファイル
5 基板面から最高位置までの高さ
6 基板面から最高位置までの高さの90%の高さ
7 上断面の円の直径AA′
Claims (9)
- (A)2級の水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含有し、且つ微小硬度計による負荷−除荷試験において、下記(1)及び/又は(2)を満たし、且つ下記(3)及び/又は(4)を満たす硬化物を形成しうることを特徴とする硬化性組成物。
(1)変形量が1.35μm以上であること
(2)負荷時の変位が0.25μmの時の荷重Nが0.7gf以下であること
(3)弾性復元率が50%以上であること
(4)回復率が80%以上であること - (A)2級の水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含有し、且つ微小硬度計による負荷−除荷試験において、下記(3)及び/又は(4)を満たし、且つ下記(5)を満たす硬化物を形成しうることを特徴とする硬化性組成物。
(3)弾性復元率が50%以上であること
(4)回復率が80%以上であること
(5)底断面積が25μm2以下であること - (A)2級の水酸基を有するエチレン性不飽和化合物と、(B)二重結合当量が400以下であるエチレン性不飽和化合物とを含有することを特徴とする硬化性組成物。
- (B)二重結合当量が400以下であるエチレン性不飽和化合物が、エポキシ基含有化合物より得られる請求項3に記載の硬化性組成物。
- (B)二重結合当量が400以下であるエチレン性不飽和化合物が、カルボキシル基を含有する請求項3又は4に記載の硬化性組成物。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の硬化性組成物により形成されたことを特徴とする硬化物。
- 請求項8に記載の硬化物を有することを特徴とする液晶表示装置。
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