JP2000104073A - 垂直配向膜、光学補償シート、stn型液晶表示装置およびディスコティック液晶性分子を配向させる方法 - Google Patents

垂直配向膜、光学補償シート、stn型液晶表示装置およびディスコティック液晶性分子を配向させる方法

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JP2000104073A
JP2000104073A JP10292846A JP29284698A JP2000104073A JP 2000104073 A JP2000104073 A JP 2000104073A JP 10292846 A JP10292846 A JP 10292846A JP 29284698 A JP29284698 A JP 29284698A JP 2000104073 A JP2000104073 A JP 2000104073A
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liquid crystal
group
crystal molecules
alignment film
discotic liquid
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JP10292846A
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English (en)
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Masayuki Negoro
雅之 根来
Ken Kawada
憲 河田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶性分子(特にディスコティック液晶性分
子)を実質的に垂直に配向させる機能を有する垂直配向
膜を得る。 【解決手段】 液晶性分子を50乃至90度の範囲の平
均傾斜角で配向させる機能を有する垂直配向膜に、フッ
素置換スルホンアミド基を有する変性ポリビニルアルコ
ールを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶性分子を実質的に
垂直に配向させる機能を有する垂直配向膜、透明支持体
上に配向膜およびディスコティック液晶性分子から形成
された光学的異方性層をこの順に有する光学補償シー
ト、STN型液晶表示装置、およびディスコティック液
晶性分子を配向させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】STN型液晶表示装置は、STN型液晶
セル、二枚の偏光板およびSTN型液晶セルと偏光板と
の間に設けられる一枚または二枚の光学補償シート(位
相差板)からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子、それ
を封入するための二枚の基板および棒状液晶性分子に電
圧を加えるための電極層からなる。STN型液晶セルで
は、棒状液晶性分子を180乃至360度に配向させる
ための配向膜が、二枚の基板に設けられる。光学補償シ
ートがないSTN型液晶表示装置では、棒状液晶分子の
複屈折性のため、表示画像がイエローグリーンまたはイ
エローに着色する。表示画像の着色は、白黒表示でもカ
ラー表示でも不都合である。光学補償シートは、このよ
うな着色を解消して、明るい鮮明な画像を得るために用
いられる。光学補償シートにはまた、液晶セルの視野角
を拡大する機能を付与する場合もある。光学補償シート
としては、延伸複屈折フイルムが従来から使用されてい
る。延伸複屈折フイルムを用いたSTN型液晶表示装置
用の光学補償シートについては、特開平7−10428
4号、同7−13021号の各公報に記載がある。
【0003】延伸複屈折フイルムからなる光学補償シー
トに代えて、透明支持体上にディスコティック液晶性分
子を含む光学的異方性層を有する光学補償シートを使用
することが提案されている。光学的異方性層は、ディス
コティック液晶性分子を配向させ、その配向状態を固定
することにより形成する。ディスコティック液晶性分子
は、一般に大きな複屈折率を有する。そして、ディスコ
ティック液晶性分子には、多様な配向形態がある。ディ
スコティック液晶性分子を用いることで、従来の延伸複
屈折フイルムでは得ることができない光学的性質を有す
る光学補償シートを製造することが可能になる。ディス
コティック液晶性分子を用いた光学補償シートについて
は、特開平6−214116号公報、米国特許5583
679号、同5646703号、ドイツ特許公報391
1620A1号の各明細書に記載がある。ただし、これ
らの光学補償シートは、主な用途としてTN型液晶表示
装置を想定して設計されている。
【0004】ディスコティック液晶性分子を用いた光学
補償シートを、STN型液晶表示装置に利用することが
考えられる。STN型液晶表示装置では、90゜よりも
大きく超ねじれ配向させた棒状液晶性分子を複屈折モー
ドで用いる。STN型液晶表示装置には、能動素子(薄
膜トランジスターやダイオード)がない単純マトリック
ス電極構造でも、時分割駆動により大きな画像の鮮明な
表示が可能であるとの特徴がある。ディスコティック液
晶性分子を用いてSTN型液晶セルを光学補償するため
には、ディスコティック液晶性分子を垂直に配向させる
(好ましくは、さらに、ねじれ配向させる)必要があ
る。特開平9−26572号公報には、ディスコティッ
ク液晶性分子をねじれ配向させた光学補償シートが開示
されている。さらに同公報の図面には、ディスコティッ
ク液晶性分子を垂直に配向させた状態が示されている。
ただし、同公報に開示されている配向膜のうち、ディス
コティック液晶性分子の垂直配向膜として実質的に有効
であるのは、同公報の実施例2に記載されている磁場配
向膜(SiO2 スパッタリング膜に磁場を印加しながら
加熱したもの)のみである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平9−26572
号公報に開示されている磁場配向膜では、ディスコティ
ック液晶性分子を、垂直かつ均一な方向に安定に配向さ
せることは難しい。ディスコティック液晶性分子の垂直
配向膜よりも、液晶セルに使用する棒状液晶性分子の垂
直配向膜の方が研究が進んでいる。例えば、棒状液晶性
分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印
加時に実質的に水平に配向させる垂直配向(Vertical Al
ignment)液晶モードの液晶セルでは、棒状液晶性分子を
垂直に配向させる配向膜が必要である。棒状液晶性分子
を配向させるために、様々な垂直配向膜が提案されてい
る。棒状液晶性分子とディスコティック液晶性分子で
は、分子構造も光学的性質も全く異なる。垂直配向につ
いても、ディスコティック液晶性分子では、棒状液晶性
分子とは異なり、単に垂直に配向させるだけではなく、
ディスコティック液晶性分子の円盤面を一定の方向にそ
ろえる必要がある(方向性が必要)。本発明者が研究を
進めたところ、棒状液晶性分子の垂直配向膜として知ら
れている配向膜の大部分は、ディスコティック液晶性分
子を垂直かつ均一な方向に配向させる機能を示さなかっ
た。
【0006】本発明の目的は、液晶性分子(特にディス
コティック液晶性分子)を実質的に垂直に配向させる機
能を有する垂直配向膜を提供することである。また、本
発明の目的は、特にSTN型液晶表示装置に適した光学
補償シートを提供することである。さらに、本発明の目
的は、表示画像の着色が解消され、明るい鮮明な画像が
得られるSTN型液晶表示装置を提供することでもあ
る。さらにまた、本発明の目的は、ディスコティック液
晶性分子を垂直かつ均一な方向に安定に配向させる方法
を提供することでもある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)の垂直配向膜、下記(2)〜(4)の光学補償シ
ート、下記(5)のSTN型液晶表示装置および下記
(6)のディスコティック液晶性分子を配向させる方法
により達成された。 (1)液晶性分子を50乃至90度の範囲の平均傾斜角
で配向させる機能を有する垂直配向膜であって、フッ素
置換スルホンアミド基を有する変性ポリビニルアルコー
ルを含むことを特徴とする垂直配向膜。 (2)透明支持体上に、配向膜およびディスコティック
液晶性分子から形成された光学的異方性層をこの順に有
する光学補償シートであって、配向膜がフッ素置換スル
ホンアミド基を有する変性ポリビニルアルコールを含む
垂直配向膜であり、ディスコティック液晶性分子が50
乃至90度の範囲の平均傾斜角で配向していることを特
徴とする光学補償シート。 (3)変性ポリビニルアルコールが、フッ素置換スルホ
ンアミド基を有する繰り返し単位を2乃至80モル%の
範囲で含む(2)に記載の光学補償シート。 (4)ディスコティック液晶性分子がねじれ配向してお
り、ねじれ角が180乃至360度の範囲である(2)
に記載の光学補償シート。
【0008】(5)STN型液晶セル、その両側に配置
された二枚の偏光板およびSTN型液晶セルと一方また
は両方の偏光板との間に配置された一枚または二枚の光
学補償シートからなるSTN型液晶表示装置であって、
光学補償シートが偏光板側から透明支持体、配向膜およ
びディスコティック液晶性分子から形成された光学的異
方性層をこの順に有し、配向膜がフッ素置換スルホンア
ミド基を有する変性ポリビニルアルコールを含む垂直配
向膜であり、ディスコティック液晶性分子が50乃至9
0度の範囲の平均傾斜角で配向していることを特徴とす
るSTN型液晶表示装置。 (6)フッ素置換スルホンアミド基を有する変性ポリビ
ニルアルコールを含む垂直配向膜を用いて、50乃至9
0度の範囲の平均傾斜角でディスコティック液晶性分子
を配向させる方法。
【0009】
【発明の効果】本発明者は研究の結果、フッ素置換スル
ホンアミド基を有する変性ポリビニルアルコールを垂直
配向膜に用いて、液晶性分子を垂直かつ均一な方向に安
定に配向させることに成功した。この垂直配向膜は、デ
ィスコティック液晶性分子を配向させるために使用する
と特に効果がある。ディスコティック液晶性分子を垂直
かつ均一な方向に安定に配向させる手段が得られたこと
で、STN型液晶表示装置に適した光学補償シートを製
造することが可能になった。ディスコティック液晶性分
子を垂直に配向させた光学補償シートを用いることで、
STN型液晶表示装置の表示画像の着色が解消され、明
るい鮮明な画像を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、STN型液晶表示装置の
電圧無印加(off)の画素部分における液晶セル内の
棒状液晶性分子の配向状態と光学的異方性層内のディス
コティック液晶性分子の配向状態とを模式的に示す断面
図である。図1に示すように、液晶セル(1)は、上基
板(11)の下側の配向膜(12)と下基板(15)の
上側の配向膜(14)との間に棒状液晶性分子(13a
〜e)からなる液晶(13)を封入した構造を有する。
配向膜(12、14)は棒状液晶性分子(13a〜e)
を図1に示すように、ねじれ配向させる機能を有する。
なお、図1では省略したが、液晶セルの上基板(11)
と下基板(15)は、それぞれ、電極層を有する。電極
層は、棒状液晶性分子(13a〜e)に電圧を印加する
機能を有する。STN型液晶セルの印加電圧が0である
と(電圧無印加時)、図1に示すように、棒状液晶性分
子(13a〜e)は、配向膜(12、14)の面と平行
(水平方向に)に配向している。そして、棒状液晶性分
子(13a〜e)は、厚み方向に沿ってねじれながら、
水平面内で螺旋を巻く(図1では、13aから13eま
で時計回りにほぼ240゜)ような方向に配向してい
る。なお、STN型液晶セルの電圧印加(on)時に
は、液晶セル内の棒状液晶性分子は、実質的に垂直に配
向(電場方向と平行に再配列)する。
【0011】液晶セル(1)の下側に、光学補償シート
(2)が配置されている。図1に示す光学補償シート
(2)は、透明支持体(23)上に、垂直配向膜(2
2)および光学的異方性層(21)をこの順で有する。
光学的異方性層(21)は、ディスコティック液晶性分
子(21a〜e)を配向させ、その配向状態で分子を固
定して得られた層である。本発明では、図1に示すよう
に、ディスコティック液晶性分子(21a〜e)を、垂
直配向膜(22)の面に垂直に配向させる。そして、図
1に示すように、ディスコティック液晶性分子(21a
〜e)は、厚み方向に沿ってねじれながら、水平面内で
螺旋を巻く(図1では、21aから21eまで時計回り
にほぼ240゜)ような方向に配向させることが好まし
い。
【0012】図2は、液晶セルの棒状液晶性分子の屈折
率楕円体と光学補償シートのディスコティック液晶性分
子の屈折率楕円体との関係を示す模式図である。液晶セ
ル(1)の液晶の屈折率楕円体(13)は、配向膜に平
行な面内の屈折率(13x、13y)と液晶セルの厚み
方向の屈折率(13z)により形成される。STN型液
晶セルでは、配向膜に平行な面内の一方向の屈折率(1
3x)が大きな値となり、それに垂直な方向の面内の屈
折率(13y)と液晶セルの厚み方向の屈折率(13
z)は、小さな値となる。そのため、屈折率楕円体(1
3)は、図2に示すようなラグビーボールを横に寝かせ
た形状になる。このように球状ではない屈折率楕円体を
有する液晶セル(1)を、斜め方向から見るとレターデ
ーションが生じる。このレターデーションは、光学補償
シート(2)を用いて相殺する。
【0013】光学補償シート(2)の光学的異方性層の
屈折率楕円体(21)も、垂直配向膜に平行な面内の屈
折率(21x、21y)と光学的異方性層の厚み方向の
屈折率(21z)により形成される。本発明では、ディ
スコティック液晶性分子を垂直に配向させることで、垂
直配向膜に平行な面内の一方向の屈折率(21x)が小
さな値となり、それに垂直な方向の面内の屈折率(21
y)と光学的異方性層の厚み方向の屈折率(21z)
は、大きな値となる。そのため、屈折率楕円体(21)
は、図2に示すような円盤を立てた形状になる。以上の
関係から、13xと21xとの和、13yと21yとの
和および13zと21zとの和が、ほぼ同じ値となる。
その結果おして、液晶セル(1)に生じたレターデーシ
ョンが、光学補償シート(2)により相殺される。
【0014】図3は、代表的なSTN型液晶表示装置の
断面模式図である。図3に示す液晶表示装置は、STN
型液晶セル(1)、液晶セルの両側に設けられた一対の
偏光板(3)、液晶セルと偏光板との間に配置された一
対の光学補償シート(2)およびバックライト(BL)
からなる。光学補償シート(2)は、一方にのみ配置し
てもよい。液晶セル(1)は、上基板(11)の下側の
配向膜(12)と下基板(15)の上側の配向膜(1
4)との間に液晶(13)を封入した構造を有する。光
学補償シート(2)は、透明支持体(23)上に、垂直
配向膜(22)および光学的異方性層(21)をこの順
で有する。偏光板(3)は、偏光膜(31)と保護膜
(32)からなる。図3に示す装置では、光学補償シー
ト(2)の透明支持体(23)が、偏光膜(31)の他
方の側の保護膜としても機能している。
【0015】[透明支持体]光学補償シートの透明支持
体としては、光学的異方性が小さいポリマーフイルムを
用いることが好ましい。支持体が透明であるとは、光透
過率が80%以上であることを意味する。光学的異方性
が小さいとは、具体的には、面内レターデーション(R
e)が10nm以下であることが好ましく、5nm以下
であることがさらに好ましい。また、厚み方向のレター
デーション(Rth)は、40nm以下であることが好ま
しく、20nm以下であることがさらに好ましい。面内
レターデーション(Re)と厚み方向のレターデーショ
ン(Rth)は、それぞれ下記式で定義される。 Re=(nx−ny)×d Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d 式中、nxおよびnyは、透明支持体の面内屈折率であ
り、nzは透明支持体の厚み方向の屈折率であり、そし
てdは透明支持体の厚さである。
【0016】ポリマーの例には、セルロースエステル、
ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートが含ま
れる。セルロースエステルが好ましく、アセチルセルロ
ースがさらに好ましく、トリアセチルセルロースが最も
好ましい。ポリマーフイルムは、ソルベントキャスト法
により形成することが好ましい。透明支持体の厚さは、
20乃至500μmであることが好ましく、50乃至2
00μmであることがさらに好ましい。透明支持体とそ
の上に設けられる層(接着層、垂直配向膜あるいは光学
的異方性層)との接着を改善するため、透明支持体に表
面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線
(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。透明支持
体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
【0017】[垂直配向膜]本発明では、フッ素置換ス
ルホンアミド基を有する変性ポリビニルアルコールを垂
直配向膜に使用する。好ましいフッ素置換スルホンアミ
ド基を、下記式(FS)で表す。 (FS) −NR−SO2 −Rf 式中、Rfは、フッ素置換炭化水素基であり、そしてR
は、炭素原子数が1乃至5のアルキル基または水素原子
である。フッ素置換炭化水素基の炭化水素基は、脂肪族
基、芳香族基またはそれらの組み合わせである。脂肪族
基は、環状、分岐状あるいは直線状のいずれでもよい。
脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基であっても
よい)またはアルケニル基(シクロアルケニル基であっ
てもよい)であることが好ましい。脂肪族基は、フッ素
原子以外にも、他のハロゲン原子のような強い親水性を
示さない置換基を有していてもよい。炭化水素基の炭素
原子数は、1乃至100であることが好ましく、2乃至
60であることがさらに好ましく、3乃至40であるこ
とが最も好ましい。炭化水素基の水素原子がフッ素原子
で置換されている割合は、50乃至100モル%である
ことが好ましく、70乃至100モル%であることがよ
り好ましく、80乃至100モル%であることがさらに
好ましく、90乃至100モル%であることが最も好ま
しい。フッ素置換スルホンアミド基は、変性ポリビニル
アルコールの側鎖に存在することが好ましい。本発明者
の研究によれば、ディスコティック液晶性分子を垂直に
配向させるためには、配向膜に含まれるポリマーの主鎖
よりも側鎖の機能が重要である。具体的には、ポリマー
の官能基により配向膜の表面エネルギーを低下させ、こ
れによりディスコティック液晶性分子を立てた状態にす
る。配向膜の表面エネルギーを低下させる官能基とし
て、フッ素置換スルホンアミド基が有効である。フッ素
置換スルホンアミド基を配向膜の表面に存在させるため
に、変性ポリビニルアルコールの主鎖ではなく側鎖にフ
ッ素置換スルホンアミド基を導入することが好ましい。
【0018】変性ポリビニルアルコールは、フッ素置換
スルホンアミド基を有する繰り返し単位を0.05乃至
80モル%の範囲で含むことが好ましく、0.5乃至7
0モル%含むことがさらに好ましい。好ましい変性ポリ
ビニルアルコールを、下記式(PV)で表す。 (PV) −(VAl)x−(FSRU)y−(VAc)z− 式中、VAlは、ビニルアルコール繰り返し単位であ
り;FSRUは、フッ素置換スルホンアミド基を有する
繰り返し単位であり;VAcは酢酸ビニル繰り返し単位
であり;xは、20乃至99モル%(好ましくは24乃
至98モル%)であり;yは、0.05乃至80モル%
(好ましくは0.5乃至70モル%)であり;そして、
zは0乃至30モル%(好ましくは2乃至20モル%)
である。好ましいフッ素置換スルホンアミド基を有する
繰り返し単位(FSRU)を、下記式(FSRU−I)
および(FSRU−II)で表す。
【0019】
【化1】
【0020】式中、L1 は、−O−、−CO−、−SO
2 −、−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびそ
れらの組み合わせから選ばれる二価の連結基であり;L
2 は、単結合あるいは−O−、−CO−、−SO2 −、
−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびそれらの
組み合わせから選ばれる二価の連結基であり;そしてF
1 およびFS2 は、それぞれ、フッ素置換スルホンア
ミド基である。上記の組み合わせにより形成される二価
の連結基の例を、以下に示す。
【0021】L1:−O−CO− L2:−O−CO−アルキレン基−O− L3:−O−CO−アルキレン基−CO−NH− L4:−O−CO−アルキレン基−NH−SO2 −アリ
ーレン基−O− L5:−アリーレン基−NH−CO− L6:−アリーレン基−CO−O− L7:−アリーレン基−CO−NH− L8:−アリーレン基−O− L9:−O−CO−NH−アリーレン基−NH−CO− L10:−O−CO−NH−アリーレン基−CO−O− L11:−O−CO−NH−アリーレン基−O− L12:−O−CO−NH− L13:−O−CO−(O−アルキレン基)n− (nは
1乃至30の整数) L14:−O−CO−NH−アルキレン基− L15:−O−CO−NH−アルキレン基−(O−アルキ
レン基)n− (nは1乃至30の整数) L16:−O−CO−NH−アリーレン基−CO−O−ア
ルキレン基− L17:−O−CO−NH−アリーレン基−CO−O−ア
ルキレン基−(O−アルキレン基)n− (nは1乃至
30の整数) L18:−O−CO−アリーレン基−O−アルキレン基− L19:−アリーレン基−CO−O−アルキレン基− L20:−アリーレン基−CO−アリーレン基−O−アル
キレン基− L21:−アリーレン基−NH−CO−アルキレン基− L22:−アリーレン基−NH−CO−アリーレン基−O
−アルキレン基−
【0022】フッ素置換スルホンアミド基を有する繰り
返し単位の例を以下に示す。
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】
【化13】
【0035】変性ポリビニルアルコールの末端に、繰り
返し単位とは異なる基が結合していてもよい。末端基の
例には、アルキルチオ基が含まれる。以下に、垂直配向
膜に用いる変性ポリビニルアルコールの例を示す。繰り
返し単位の割合は、モル%である。
【0036】PV1:−(VAl)80−(FSRU1)
8 −(VAc)12− PV2:−(VAl)69−(FSRU1)19−(VA
c)12− PV3:−(VAl)70−(FSRU1)10−(VA
c)20− PV4:−(VAl)74−(FSRU2)20−(VA
c)6 − PV5:−(VAl)65−(FSRU2)27−(VA
c)12− PV6:−(VAl)70−(FSRU2)10−(VA
c)20− PV7:−(VAl)78−(FSRU3)10−(VA
c)12−S−n−C1225 PV8:−(VAl)85−(FSRU3)13−(VA
c)2 −S−n−C1225 PV9:−(VAl)67−(FSRU3)21−(VA
c)12−S−n−C1225 PV10:−(VAl)58−(FSRU4)40−(VA
c)2 − PV11:−(VAl)40−(FSRU4)54−(VA
c)6 − PV12:−(VAl)24−(FSRU4)64−(VA
c)12− PV13:−(VAl)50−(FSRU5)38−(VA
c)12− PV14:−(VAl)53−(FSRU5)45−(VA
c)2 − PV15:−(VAl)31−(FSRU5)61−(VA
c)8 − PV16:−(VAl)80−(FSRU6)8 −(VA
c)12− PV17:−(VAl)76−(FSRU6)12−(VA
c)12− PV18:−(VAl)81−(FSRU6)15−(VA
c)4 − PV19:−(VAl)55−(FSRU7)44−(VA
c)1 − PV20:−(VAl)42−(FSRU7)56−(VA
c)2 − PV21:−(VAl)27−(FSRU7)61−(VA
c)12
【0037】PV22:−(VAl)40−(FSRU8)
48−(VAc)12− PV23:−(VAl)33−(FSRU8)59−(VA
c)8 − PV24:−(VAl)28−(FSRU8)70−(VA
c)2 − PV25:−(VAl)68−(FSRU9)20−(VA
c)12− PV26:−(VAl)65−(FSRU9)15−(VA
c)20− PV27:−(VAl)64−(FSRU9)28−(VA
c)8 − PV28:−(VAl)78−(FSRU10)21−(VA
c)1 −S−n−C1225 PV29:−(VAl)66−(FSRU10)30−(VA
c)4 −S−n−C1225 PV30:−(VAl)53−(FSRU10)35−(VA
c)12−S−n−C1225 PV31:−(VAl)63−(FSRU11)25−(VA
c)12− PV32:−(VAl)80−(FSRU11)18−(VA
c)2 − PV33:−(VAl)46−(FSRU11)34−(VA
c)20− PV34:−(VAl)60−(FSRU12)28−(VA
c)12− PV35:−(VAl)53−(FSRU12)35−(VA
c)12− PV36:−(VAl)52−(FSRU12)40−(VA
c)8 − PV37:−(VAl)88−(FSRU13)10−(VA
c)2 − PV38:−(VAl)67−(FSRU13)21−(VA
c)12− PV39:−(VAl)62−(FSRU13)30−(VA
c)8 − PV40:−(VAl)81−(FSRU14)18−(VA
c)1 − PV41:−(VAl)73−(FSRU14)25−(VA
c)2 − PV42:−(VAl)58−(FSRU14)30−(VA
c)12
【0038】PV43:−(VAl)74−(FSRU15)
25−(VAc)1 − PV44:−(VAl)68−(FSRU15)30−(VA
c)2 − PV45:−(VAl)52−(FSRU15)40−(VA
c)8 − PV46:−(VAl)63−(FSRU16)35−(VA
c)2 − PV47:−(VAl)55−(FSRU16)41−(VA
c)4 − PV48:−(VAl)33−(FSRU16)55−(VA
c)12− PV49:−(VAl)53−(FSRU17)35−(VA
c)12−S−n−C1225 PV50:−(VAl)40−(FSRU17)40−(VA
c)20−S−n−C1225 PV51:−(VAl)48−(FSRU17)48−(VA
c)4 −S−n−C1225 PV52:−(VAl)74−(FSRU18)25−(VA
c)1 − PV53:−(VAl)61−(FSRU18)31−(VA
c)8 − PV54:−(VAl)48−(FSRU18)40−(VA
c)12− PV55:−(VAl)86−(FSRU19)12−(VA
c)2 − PV56:−(VAl)78−(FSRU19)18−(VA
c)4 − PV57:−(VAl)68−(FSRU19)24−(VA
c)8 − PV58:−(VAl)76−(FSRU20)22−(VA
c)2 − PV59:−(VAl)58−(FSRU20)30−(VA
c)12− PV60:−(VAl)50−(FSRU20)35−(VA
c)15− PV61:−(VAl)78−(FSRU21)10−(VA
c)12− PV62:−(VAl)70−(FSRU21)18−(VA
c)12− PV63:−(VAl)57−(FSRU21)31−(VA
c)12
【0039】変性ポリビニルアルコールの重合度は、2
00乃至5000であることが好ましく、300乃至3
000であることがさらに好ましい。変性ポリビニルア
ルコールの分子量は、9000乃至200000である
ことが好ましく、13000乃至130000であるこ
とがさらに好ましい。二種類以上の変性ポリビニルアル
コールを併用してもよい。垂直配向膜の形成において、
ラビング処理を実施することが好ましい。ラビング処理
は、上記の変性ポリビニルアルコールを含む膜の表面
を、紙や布で一定方向に、数回こすることにより実施す
る。垂直配向膜を用いて液晶性分子を垂直に配向させて
から、その配向状態のまま液晶性分子を固定して光学的
異方性層を形成し、光学的異方性層を透明支持体上に転
写してもよい。垂直配向状態で固定された液晶性分子
は、垂直配向膜がなくても配向状態を維持することがで
きる。なお、棒状液晶性分子の配向方向は、棒状液晶性
分子の長軸方向を意味する。また、ディスコティック液
晶性分子の配向方向は、ディスコティック液晶性分子の
円盤面の方向を意味する。本発明の垂直配向膜は、ディ
スコティック液晶性分子の垂直配向に用いると特に効果
がある。
【0040】[光学的異方性層]光学的異方性層はディ
スコティック液晶性分子を含む。光学的異方性層では、
上記の垂直配向膜を用いて、ディスコティック液晶性分
子を垂直配向膜と光学的異方性層との界面に対して実質
的に垂直(50乃至90度の範囲の平均傾斜角)に配向
させる。ディスコティック液晶性分子は、垂直配向状態
のまま光学的異方性層内で固定することが好ましい。デ
ィスコティック液晶性分子は、重合反応により固定する
ことがさらに好ましい。ディスコティック液晶性分子
は、様々な文献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Li
q. Cryst., vol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会
編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、
第10章第2節(1994);B. Kohne et al., Angew. Che
m. Soc. Chem. Comm., page 1794 (1985);J. Zhang et
al., J. Am.Chem. Soc., vol. 116, page 2655 (199
4))に記載されている。ディスコティック液晶性分子の
重合については、特開平8−27284公報に記載があ
る。ディスコティック液晶性分子を重合により固定する
ためには、ディスコティック液晶性分子の円盤状コア
に、置換基として重合性基を結合させる必要がある。た
だし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応
において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円
盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従っ
て、重合性基を有するディスコティック液晶性分子は、
下記式(I)で表わされる化合物であることが好まし
い。
【0041】(I) D(−L−P)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Pは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整
数である。式(I)の円盤状コア(D)の例を以下に示
す。以下の各例において、LP(またはPL)は、二価
の連結基(L)と重合性基(P)との組み合わせを意味
する。
【0042】
【化14】
【0043】
【化15】
【0044】
【化16】
【0045】
【化17】
【0046】
【化18】
【0047】
【化19】
【0048】
【化20】
【0049】式(I)において、二価の連結基(L)
は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−
CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み
合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であること
が好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、ア
ルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−
O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少
なくとも二つ組み合わせた基であることがさらに好まし
い。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレ
ン基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群
より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基
であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数
は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基
の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。ア
リーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好
ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレ
ン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シア
ノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよ
い。
【0050】二価の連結基(L)の例を以下に示す。左
側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(P)
に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基
を意味し、ARはアリーレン基を意味する。 L1:−AL−CO−O−AL− L2:−AL−CO−O−AL−O− L3:−AL−CO−O−AL−O−AL− L4:−AL−CO−O−AL−O−CO− L5:−CO−AR−O−AL− L6:−CO−AR−O−AL−O− L7:−CO−AR−O−AL−O−CO− L8:−CO−NH−AL− L9:−NH−AL−O− L10:−NH−AL−O−CO−
【0051】L11:−O−AL− L12:−O−AL−O− L13:−O−AL−O−CO− L14:−O−AL−O−CO−NH−AL− L15:−O−AL−S−AL− L16:−O−CO−AR−O−AL−CO− L17:−O−CO−AR−O−AL−O−CO− L18:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−C
O− L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−A
L−O−CO− L20:−S−AL− L21:−S−AL−O− L22:−S−AL−O−CO− L23:−S−AL−S−AL− L24:−S−AR−AL−
【0052】AL(アルキレン基またはアルケニレン
基)に、不斉炭素原子を導入すると、ディスコティック
液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。
不斉炭素原子を含むAL*の例を以下に挙げる。左側が
円盤状コア(D)側であり、右側が重合性基(P)側で
ある。*印を付けた炭素原子(C)が不斉炭素原子であ
る。光学活性は、SとRのいずれでもよい。
【0053】AL*1:−CH2 CH2 −C*HCH3
−CH2 CH2 CH2 − AL*2:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 − AL*3:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 − AL*4:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*5:−CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3
−CH2 − AL*6:−CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −C*H
CH3 − AL*7:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
− AL*8:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 − AL*9:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 − AL*10:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2
【0054】AL*11:−CH2 CH2 CH2 CH2
C*HCH3 − AL*12:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 − AL*13:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 − AL*14:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 − AL*15:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 − AL*16:−CH2 −C*HCH3 − AL*17:−C*HCH3 −CH2 − AL*18:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 CH2 − AL*19:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 CH2 − AL*20:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 CH2 CH2
【0055】AL*21:−CH2 CH2 CH2 −C*H
CH3 −CH2 CH2 CH2 − AL*22:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*23:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*24:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*25:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*26:−C*HCH3 −(CH2 8 − AL*27:−CH2 −C*HCH3 −(CH2 8 − AL*28:−CH2 −C*HCH2 CH3 − AL*29:−CH2 −C*HCH2 CH3 −CH2 − AL*30:−CH2 −C*HCH2 CH3 −CH2 CH
2
【0056】AL*31:−CH2 −C*HCH2 CH3
−CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*32:−CH2 −C*H(n−C3 7 )−CH2
CH2 − AL*33:−CH2 −C*H(n−C3 7 )−CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*34:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2
CH2 − AL*35:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*36:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 − AL*37:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 CH2
2 − AL*38:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 − AL*39:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 CH2
CH2
【0057】AL*40:−CH2 −C*HOCH3 −C
2 CH2 − AL*41:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2
2 CH2 − AL*42:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 − AL*43:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*44:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 − AL*45:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 CH
2 CH2
【0058】式(I)の重合性基(P)は、重合反応の
種類に応じて決定する。重合性基(P)の例を以下に示
す。
【0059】
【化21】
【0060】
【化22】
【0061】
【化23】
【0062】
【化24】
【0063】
【化25】
【0064】
【化26】
【0065】重合性基(P)は、不飽和重合性基(P
1、P2、P3、P7、P8、P14、P15、P1
6)またはエポキシ基(P6)であることが好ましく、
不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン
性不飽和重合性基(P1、P7、P8、P14、P1
5、P16)であることが最も好ましい。式(I)にお
いて、nは4乃至12の整数である。具体的な数字は、
ディスコティックコア(D)の種類に応じて決定され
る。なお、複数のLとPの組み合わせは、異なっていて
もよいが、同一であることが好ましい。二種類以上のデ
ィスコティック液晶性分子(例えば、二価の連結基に不
斉炭素原子を有する分子と有していない分子)を併用し
てもよい。
【0066】ディスコティック液晶性分子の二価の連結
基(L)に不斉炭素原子を導入する代わりに、不斉炭素
原子を含む光学活性を示す化合物(カイラル剤)を光学
的異方性層に添加しても、ディスコティック液晶性分子
を螺旋状にねじれ配向させることができる。不斉炭素原
子を含む化合物としては、様々な天然または合成化合物
が使用できる。不斉炭素原子を含む化合物中には、ディ
スコティック液晶性分子と同じまたは類似の重合性基を
導入してもよい。重合性基を導入すると、ディスコティ
ック液晶性分子を垂直配向後に固定するのと同時に、同
じまたは類似の重合反応により不斉炭素原子を含む化合
物も光学的異方性層内で固定することができる。
【0067】ディスコティック液晶性分子を一定の方向
に均一かつ安定に垂直配向させるため、含フッ素界面活
性剤を光学的異方性層に添加することが好ましい。含フ
ッ素界面活性剤は、フッ素原子を含む疎水性基、ノニオ
ン性、アニオン性、カチオン性あるいは両性の親水性基
および任意に設けられる連結基からなる。一つの疎水性
基と一つの親水性基からなる含フッ素界面活性剤は、下
記式(II)で表わされる。 (II) Rf−L5 −Hy 式中、Rfは、フッ素原子で置換された一価の炭化水素
基であり、L5 は、単結合または二価の連結基であり、
そして、Hyは親水性基である。式(II)のRfは、疎
水性基として機能する。炭化水素基は、アルキル基また
はアリール基であることが好ましい。アルキル基の炭素
原子数は、3乃至30であることが好ましい。アリール
基の炭素原子数は、6乃至30であることが好ましい。
炭化水素基に含まれる水素原子の一部または全部は、フ
ッ素原子で置換されている。フッ素原子で、炭化水素基
に含まれる水素原子の50%以上を置換することが好ま
しく、60%以上を置換することがより好ましく、70
%以上を置換することがさらに好ましく、80%以上を
置換することが最も好ましい。残りの水素原子は、さら
に他のハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)で置換
されていてもよい。Rfの例を以下に示す。
【0068】Rf1:n−C817− Rf2:n−C613− Rf3:Cl−(CF2 −CFCl)3 −CF2 − Rf4:H−(CF28 − Rf5:H−(CF210− Rf6:n−C919− Rf7:ペンタフルオロフェニル Rf8:n−C715− Rf9:Cl−(CF2 −CFCl)2 −CF2 − Rf10:H−(CF24 − Rf11:H−(CF26 − Rf12:Cl−(CF26 − Rf13:C37
【0069】式(II)において、二価の連結基は、アル
キレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環残基、−CO
−、−NR−(Rは炭素原子数が1乃至5のアルキル基
または水素原子)、−O−、−SO2 −およびそれらの
組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である
ことが好ましい。式(II)のL5 の例を以下に示す。左
側が疎水性基(Rf)に結合し、右側が親水性基(H
y)に結合する。ALはアルキレン基、ARはアリーレ
ン基、Hcは二価のヘテロ環残基を意味する。なお、ア
ルキレン基、アリーレン基および二価のヘテロ環残基
は、置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
【0070】L0:単結合 L51:−SO2 −NR− L52:−AL−O− L53:−CO−NR− L54:−AR−O− L55:−SO2 −NR−AL−CO−O− L56:−CO−O− L57:−SO2 −NR−AL−O− L58:−SO2 −NR−AL− L59:−CO−NR−AL− L60:−AL−O−AL− L61:−Hc−AL− L62:−SO2 −NR−AL−O−AL− L63:−AR− L64:−O−AR−SO2 −NR−AL− L65:−O−AR−SO2 −NR− L66:−O−AR−O−
【0071】式(II)のHyは、ノニオン性親水性基、
アニオン性親水性基、カチオン性親水性基あるいは両性
親水性基のいずれかである。ノニオン性親水性基が特に
好ましい。式(II)のHyの例を以下に示す。
【0072】Hy1:−(CH2 CH2 O)n −H(n
は5乃至30の整数) Hy2:−(CH2 CH2 O)n −R1(nは5乃至3
0の整数、R1 は炭素原子数が1乃至6のアルキル基) Hy3:−(CH2 CHOHCH2n −H(nは5乃
至30の整数) Hy4:−COOM(Mは水素原子、アルカリ金属原子
または解離状態) Hy5:−SO3 M(Mは水素原子、アルカリ金属原子
または解離状態) Hy6:−(CH2 CH2 O)n −CH2 CH2 CH2
−SO3 M(nは5乃至30の整数、Mは水素原子また
はアルカリ金属原子) Hy7:−OPO(OH)2 Hy8:−N+ (CH33 ・X- (Xはハロゲン原
子) Hy9:−COONH4
【0073】ノニオン性親水性基(Hy1、Hy2、H
y3)が好ましく、ポリエチレンオキサイドからなる親
水性基(Hy1)が最も好ましい。フッ素原子を含む疎
水性基または親水性基を二以上有する含フッ素界面活性
剤を用いてもよい。二種類以上の含フッ素界面活性剤を
併用してもよい。含フッ素界面活性剤については、様々
な文献(例、堀口弘著「新界面活性剤」三共出版(197
5)、M.J. Schick, Nonionic Surfactants, Marcell Dek
ker Inc.,New York, (1967)、特開平7−13293号
公報)に記載がある。含フッ素界面活性剤は、ディスコ
ティック液晶性分子の量の0.01乃至30重量%の範
囲であることが好ましく、0.05乃至10重量%であ
ることがさらに好ましく、0.1乃至5重量%であるこ
とがさらに好ましい。
【0074】光学的異方性層は、ディスコティック液晶
性分子および必要に応じて上記のような不斉炭素原子を
含む化合物、フッ素界面活性剤、あるいは下記の重合性
開始剤や他の添加剤を含む塗布液を、垂直配向膜の上に
塗布することで形成する。塗布液の調製に使用する溶媒
としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の
例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミ
ド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘ
テロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼ
ン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホル
ム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢
酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケト
ン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジ
メトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよび
ケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用しても
よい。塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコー
ティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバ
ースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)に
より実施できる。垂直配向させたディスコティック液晶
性分子は、配向状態を維持して固定する。固定化は、デ
ィスコティック液晶性分子に導入した重合性基(P)の
重合反応により実施することが好ましい。重合反応に
は、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を
用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好まし
い。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米
国特許2367661号、同2367670号の各明細
書記載)、アシロインエーテル(米国特許244882
8号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン
化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核
キノン化合物(米国特許3046127号、同2951
758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾール
ダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ
(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン
およびフェナジン化合物(特開昭60−105667号
公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオ
キサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細
書記載)が含まれる。
【0075】光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分
の0.01乃至20重量%であることが好ましく、0.
5乃至5重量%であることがさらに好ましい。ディスコ
ティック液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を
用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/
cm2 乃至50J/cm2 であることが好ましく、10
0乃至800mJ/cm2 であることがさらに好まし
い。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を
実施してもよい。光学的異方性層の厚さは、0.1乃至
20μmであることが好ましく、0.5乃至10μmで
あることがさらに好ましく、1乃至5μmであることが
最も好ましい。光学的異方性層内のディスコティック液
晶性分子の平均傾斜角度は、50乃至90度である。傾
斜角度は、なるべく均一であることが好ましい。ただ
し、傾斜角度が光学的異方性層の厚み方向に沿って連続
して変化しているならば、若干の変動があっても問題な
い。なお、ディスコティック液晶性分子の傾斜角度は、
ディスコティック液晶性分子の円盤面と配向膜平面とが
なす角度(言い換えると、ディスコティック液晶の光軸
と配向膜平面の法線とがなす角度)である。ディスコテ
ィック液晶性分子のねじれの角度(ツイスト角)は、S
TN型液晶セルのツイスト角(一般に180乃至360
゜、好ましくは180゜を越えて270゜まで)に応じ
て、類似(なるべく±10゜以内)の角度となるように
調整することが好ましい。従って、ディスコティック液
晶性分子のねじれ角は、180乃至360度の範囲であ
ることが好ましい。
【0076】光学補償シートをSTN型液晶表示装置に
用いる場合、光学的異方性層の複屈折率の波長依存性
(Δn(λ))は、STN型液晶セルの液晶の複屈折率
の波長依存性に近い値であることが好ましい。光学的異
方性層に用いるディスコティック液晶性分子は、その構
造上、液晶セルに用いる棒状液晶性化合物に比べて波長
依存性が大きくなる傾向がある。光学的異方性層の複屈
折率の波長依存性を、液晶セルの液晶の複屈折率の波長
依存性に近い値に調整するためには、ディスコティック
液晶性分子の種類の選択が重要である。ディスコティッ
ク液晶性分子の平均傾斜角度は、ディスコティック液晶
性分子の種類、可塑剤あるいはバインダーの使用、界面
活性剤(特に前述した含フッ素界面活性剤)の使用によ
り制御することもできる。また、可塑剤、バインダーあ
るいは界面活性剤を使用することで、厚み方向の配向状
態の変化を制御することもできる。可塑剤は、ディスコ
ティック液晶性化合物と相溶性を有することが好まし
い。また、重合性基を有する可塑剤(重合性可塑剤)を
用いて、ディスコティック液晶性化合物の重合反応にお
いて、可塑剤も重合させることが好ましい。可塑剤は、
ディスコティック液晶性化合物の量の0.1乃至50重
量%の範囲で使用することが好ましい。バインダーとし
ては、セルロース系ポリマーが好ましく用いられる。
【0077】[液晶表示装置]前述したように、本発明
は、STN型液晶セルを用いる液晶表示装置において特
に有効である。STN型液晶表示装置は、STN型液晶
セル、液晶セルの両側に配置された一対の光学補償シー
トまたは液晶セルの片側に配置された光学補償シートお
よびそれらの両側に配置された一対の偏光板からなる。
液晶セルの棒状液晶性分子の配向方向とディスコティッ
ク液晶性分子の配向方向との関係は、光学補償シートに
最も近い液晶セルの棒状液晶性分子のディレクタ(棒状
分子の長軸方向)と、液晶セルに最も近い光学補償シー
トのディスコティック液晶性分子のディレクタ(円盤状
コア平面の法線方向)とが、液晶セルの法線方向から見
て、実質的に同じ向き(±10゜未満)になるように配
置することがも好ましい。図3に示すように、光学補償
シートの透明支持体を、偏光膜の他方の側の保護膜とし
ても機能させることができる。その場合は、透明支持体
の遅相軸(屈折率が最大となる方向)と偏光膜の透過軸
とが実質的に平行(±10゜未満)になるように配置す
ることが好ましい。
【0078】
【実施例】[実施例1]厚さ100μm、サイズ270
mm×100mmのトリアセチルセルロースフイルム
(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明支持
体として用いた。フッ素置換スルホンアミド基を有する
変性ポリビニルアルコール(PV1)をメタノールと水
との混合溶媒(容量比=50/50)に溶解して、5重
量%溶液を調製した。この溶液ををバーコーターを用い
て透明支持体の上に1μmの厚さに塗布した。塗布層
を、80℃の温風で10分間乾燥し、その表面をラビン
グ処理して、垂直配向膜を形成した。垂直配向膜の上
に、以下の組成の塗布液をエクストルージョン法により
塗布した。
【0079】 ──────────────────────────────────── 光学的異方性層塗布液 ──────────────────────────────────── 下記のディスコティック液晶性化合物(1) 80重量部 下記のディスコティック液晶性化合物(2) 20重量部 下記の含フッ素界面活性剤 0.1重量部 光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 0.2重量部 メチルエチルケトン 185重量部 ────────────────────────────────────
【0080】
【化27】
【0081】
【化28】
【0082】
【化29】
【0083】塗布層を130℃で2分間加熱して、ディ
スコティック液晶性化合物を垂直に配向させた。その温
度で、4秒間紫外線を照射し、ディスコティック液晶性
化合物を重合させ、垂直配向状態を固定した。このよう
にして、ディスコティック液晶性化合物が垂直かつねじ
れて配向している光学的異方性層を形成し、光学補償シ
ートを作成した。垂直配向膜のラビング軸に対して45
゜の角度で、透明支持体側から光学補償シートに偏光を
入射し、光学機器(Multi Chanel Photo Analizer 、大
塚電子(株)製)を用いて出射光の偏光解析を行い、ツ
イスト角を求めたところ、230〜250゜であった。
【0084】別に、光学的異方性層塗布液からディスコ
ティック液晶性化合物(2)を除いた以外は同様にし
て、ディスコティック液晶性化合物が垂直配向している
が、ねじれていない光学補償シートを作成した。このシ
ートについて、エリプソメーターを用いて、面内レター
デーション(Re)を測定し、その角度依存性から平均
傾斜角を求めたところ、70〜85゜であった。さらに
別に、水平配向膜を用いてアンチパラレルセルを作成
し、セル内に上記のディスコティック液晶性化合物
(1)および(2)を封入した。得られた液晶セルにつ
いて、エリプソメーターを用いて、面内レターデーショ
ン(Re)を測定し、その値をセルの厚みで割ることに
よりΔnを求めたところ、0.07であった。
【0085】[実施例2]変性ポリビニルアルコール
(PV1)に代えて、変性ポリビニルアルコール(PV
51)を同量用いた以外は、実施例1と同様に光学補償
シートを作成して評価した。ディスコティック液晶性化
合物の平均傾斜角は、75゜であった。
【0086】[実施例3]変性ポリビニルアルコール
(PV1)に代えて、変性ポリビニルアルコール(PV
7)を同量用いた以外は、実施例1と同様に光学補償シ
ートを作成して評価した。ディスコティック液晶性化合
物の平均傾斜角は、65゜であった。
【0087】[実施例4]変性ポリビニルアルコール
(PV1)に代えて、変性ポリビニルアルコール(PV
16)を同量用いた以外は、実施例1と同様に光学補償
シートを作成して評価した。ディスコティック液晶性化
合物の平均傾斜角は、70゜であった。
【0088】[比較例1]無機垂直配向膜形成材料(E
XP−OA004、日産化学工業(株)製)をメタノー
ルで希釈し、固形分を2重量%とした。これをガラス板
上に0.4μmとなるようにバーコーターで塗布し、1
40゜で10分間乾燥して、配向膜を形成した。配向膜
をラビングした後、アンチパラセルを二つ作成した。一
方のセルには、棒状液晶性分子(MBBA)を挿入し
た。他方のセルには、実施例1で用いた光学的異方性層
塗布液からメチルエチルケトンを蒸発させて固めたもの
(ディスコティック液晶性分子)を挿入した。それぞれ
のセルについて、液晶性分子の配向状態を調べた。棒状
液晶性分子を挿入したセルでは、棒状液晶性分子がガラ
ス板に垂直な方向にネマチック配向していた。これに対
して、ディスコティック液晶性分子を挿入したセルで
は、平均傾斜角が30゜であり、垂直配向(50〜90
゜)にはならなかった。使用した無機垂直配向膜形成材
料は、棒状液晶性分子用の垂直配向膜として市販されて
おり、最も普通に使用されている。他の市販の棒状液晶
性分子用垂直配向膜を用いた実験結果から、市販の棒状
液晶性分子用垂直配向膜は、ディスコティック液晶性分
子を垂直に配向させる機能が不充分であることが判明し
た。
【0089】[実施例5]実施例1で作成した光学補償
シートを用いて、図3に示す構造のSTN型液晶表示装
置を作成した。液晶セルと光学補償シートとが接する面
で、液晶セルの棒状液晶性分子の配向方向と光学補償シ
ートのディスコティック液晶性分子の配向方向とを一致
させた。出射側偏光板の吸収軸と液晶セルの出射側の棒
状液晶性分子の配向方向との角度は、45゜に調節し
た。入射側偏光板の吸収軸と出射側偏光板の吸収軸とは
直交するように配置した。得られたSTN型液晶表示装
置に電圧を印加したところ、ノーマリーブラックモード
になった。視覚特性を測定したところ、コントラスト比
が5以上の角度範囲が左右で120゜以上、上下で15
0゜以上得られた。
【0090】[実施例6]以下の組成の光学的異方性層
塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして光学補償
シートを作成して評価したところ、実施例1と同様の結
果が得られた。
【0091】 ──────────────────────────────────── 光学的異方性層塗布液 ──────────────────────────────────── 下記のディスコティック液晶性化合物(3) 63重量部 実施例1で用いたディスコティック液晶性化合物(2) 27重量部 下記の重合性可塑剤 10重量部 光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 1重量部 セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミ カル社製) 0.5重量部 メチルエチルケトン 184.5重量部 ────────────────────────────────────
【0092】
【化30】
【0093】
【化31】
【図面の簡単な説明】
【図1】STN型液晶表示装置の電圧無印加(off)
の画素部分における液晶セル内の棒状液晶性分子の配向
状態と光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子
の配向状態とを模式的に示す断面図である。
【図2】液晶セルの棒状液晶性分子の屈折率楕円体と光
学補償シートのディスコティック液晶性分子の屈折率楕
円体との関係を示す模式図である。
【図3】代表的なSTN型液晶表示装置の断面模式図で
ある。
【符号の説明】
1 液晶セル 2 光学補償シート 3 偏光板 11 液晶セルの上基板 12、14 液晶セルの配向膜 13 液晶またはその屈折率楕円体 13a〜13e 棒状液晶性化合物 15 液晶セルの下基板 21 光学的異方性層またはその屈折率楕円体 21a〜21e ディスコティック液晶性分子 22 垂直配向膜 23 透明支持体 31 偏光膜 32 保護膜 BL バックライト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08F 16/06 C08F 16/06 C08L 29/04 C08L 29/04 Z Fターム(参考) 2H089 HA29 QA15 QA16 RA10 TA04 TA14 4H027 BA08 BB04 DM02 DQ02 4J002 BE021 BE061 BF011 BF061 GF00 GP00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶性分子を50乃至90度の範囲の平
    均傾斜角で配向させる機能を有する垂直配向膜であっ
    て、フッ素置換スルホンアミド基を有する変性ポリビニ
    ルアルコールを含むことを特徴とする垂直配向膜。
  2. 【請求項2】 透明支持体上に、配向膜およびディスコ
    ティック液晶性分子から形成された光学的異方性層をこ
    の順に有する光学補償シートであって、配向膜がフッ素
    置換スルホンアミド基を有する変性ポリビニルアルコー
    ルを含む垂直配向膜であり、ディスコティック液晶性分
    子が50乃至90度の範囲の平均傾斜角で配向している
    ことを特徴とする光学補償シート。
  3. 【請求項3】 変性ポリビニルアルコールが、フッ素置
    換スルホンアミド基を有する繰り返し単位を2乃至80
    モル%の範囲で含む請求項2に記載の光学補償シート。
  4. 【請求項4】 ディスコティック液晶性分子がねじれ配
    向しており、ねじれ角が180乃至360度の範囲であ
    る請求項2に記載の光学補償シート。
  5. 【請求項5】 STN型液晶セル、その両側に配置され
    た二枚の偏光板およびSTN型液晶セルと一方または両
    方の偏光板との間に配置された一枚または二枚の光学補
    償シートからなるSTN型液晶表示装置であって、光学
    補償シートが偏光板側から透明支持体、配向膜およびデ
    ィスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性
    層をこの順に有し、配向膜がフッ素置換スルホンアミド
    基を有する変性ポリビニルアルコールを含む垂直配向膜
    であり、ディスコティック液晶性分子が50乃至90度
    の範囲の平均傾斜角で配向していることを特徴とするS
    TN型液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 フッ素置換スルホンアミド基を有する変
    性ポリビニルアルコールを含む垂直配向膜を用いて、5
    0乃至90度の範囲の平均傾斜角でディスコティック液
    晶性分子を配向させる方法。
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