JP4084490B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、透明支持体上にディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層を有する光学補償シートに関する。また、本発明は、透明保護膜、偏光膜、透明支持体および光学的異方性層が、この順に積層されている楕円偏光板にも関する。さらに、本発明は、液晶セル、その両側に配置された一対の偏光素子、液晶セルと両方または一方の偏光素子との間に配置された光学補償シートからなる透過型液晶表示装置にも関する。さらにまた、本発明は、液晶セル、光学補償シート、そして偏光素子がこの順に積層されている反射型液晶表示装置にも関する。
【0002】
【従来の技術】
透過型液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光素子からなる。反射型液晶表示装置は、液晶セルおよび偏光素子からなる。
液晶セルは、棒状液晶性分子およびそれを封入するための二枚の基板からなる。基板には、棒状液晶性分子に電圧を加えるための透明電極と棒状液晶性分子を配向させるための配向膜とが設けられている。
液晶セルについて、棒状液晶性分子の配向状態が異なる様々な表示モードが提案されている。透過型液晶表示装置としては、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、STN(Supper Twisted Nematic)あるいはVA(Vertically Aligned)モードが提案されている。反射型液晶表示装置としては、HAN(Hybrid Aligned Nematic)モードが提案されている。
【0003】
米国特許45833825号明細書には、上記のOCBモードの液晶セルを用いた透過型液晶表示装置が開示されている。OCBモードの液晶セルでは、棒状液晶性分子が二枚の配向膜の中間を対称面として対称に配向しており、棒状液晶性分子の長軸方向の傾斜角が二枚の配向膜近傍で最小(ほぼ水平配向)かつ二枚の配向膜の中間で最大(ほぼ垂直配向)となるように連続的に変化している。このように棒状液晶性分子が対称的に配向しているため、OCBモードの液晶セルは、自己光学補償機能を有している。そのため、OCBモードの液晶セルを用いた透過型液晶表示装置は、視野角が広いとの特徴がある。
【0004】
米国特許5410422号明細書には、OCBモードのような対称型液晶セルを用いた透過型液晶表示装置の改良発明が開示されている。米国特許5410422号明細書の図12Bには、公知のOCBモードの液晶セル(図12C)以外の対称型液晶セルとして、棒状液晶性分子が二枚の配向膜の中間を対称面として対称に配向しており、棒状液晶性分子の長軸方向の傾斜角が二枚の配向膜近傍で最大(ほぼ垂直配向)かつ二枚の配向膜の中間で最小(ほぼ水平配向)となるように連続的に変化している液晶セルが図示されている。ただし、米国特許5410422号明細書には、棒状液晶性分子をどのようにして配向させるか、また、液晶表示装置を具体的にどのように構成するかについては、全く記載されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、研究の結果、棒状液晶性分子が二枚の配向膜の中間を対称面として対称に配向しており、棒状液晶性分子の長軸方向の傾斜角が二枚の配向膜近傍で最大(ほぼ垂直配向)かつ二枚の配向膜の中間で最小(ほぼ水平配向)となるように連続的に変化している液晶セルを用いた液晶表示装置を実現することに成功した。上記の配向状態の液晶セルについて、特に名称は定義されていない。本明細書では、仮に、この配向状態の液晶セルをスプレイ(splay )配向セルと称する。
本発明者が、スプレイ配向セルを用いた液晶表示装置の性能を調べたところ、広い視野角を有している。広い視野角は、対称型液晶セルの自己光学補償機能により得られていると考えられる。また、この液晶表示装置を、従来から知られている対称型液晶セルであるOCBモードの液晶セルを用いた液晶表示装置と比較したところ、表示コントラストが高く、応答速度が速いことが判明した。
スプレイ配向セルを用いた液晶表示装置は広い視野角を有するとの特徴があるが、適切な光学補償シートを使用することで、さらに視野角を拡大できることが予想される。しかし、本発明者が調べたところ、従来から提案されている光学補償シートでは、上記の液晶表示装置を有効に光学補償できなかった。また、従来から提案されている光学補償シートを使用すると、正面コントラストが低下する問題が認められた。
そこで、本発明者は、スプレイ配向セルを用いた液晶表示装置に適した新しい光学補償シートの開発に着手した。
【0006】
本発明の目的は、黒表示において液晶セルの棒状液晶性分子の長軸方向と基板面との平均傾斜角が50゜未満である液晶表示装置に適した光学補償シートおよび楕円偏光板を提供することである。
また、本発明の目的は、表示コントラストが高く、視野角が広く、高速表示が可能な液晶表示装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記(1)〜(3)、(8)〜(9)の光学補償シート、下記(4)〜(5)、(10)〜(11)の楕円偏光板、および下記(6)〜(7)、(12)〜(13)の液晶表示装置により達成された。
(1)透明支持体上にディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層を有する光学補償シートであって、透明支持体が、光学的な負の一軸性を実質的に有し、その光学軸が透明支持体の平面に対して実質的に平行であることを特徴とする光学補償シート。
(2)透明支持体が、ポリスチレンフイルムからなる(1)に記載の光学補償シート。
(3)光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体の平面との平均傾斜角が5乃至85゜であって、ディスコティック液晶性分子と透明支持体表面との距離が大きくなると、ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体の平面との傾斜角が小さくなるようにディスコティック液晶性分子が配向している(1)に記載の光学補償シート。
(4)透明保護膜、偏光膜、透明支持体およびディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層が、この順に積層されている楕円偏光板であって、透明支持体が、光学的な負の一軸性を実質的に有し、その光学軸が支持体平面に対して実質的に平行であることを特徴とする楕円偏光板。
(5)透明支持体の光学軸と偏光膜の偏光軸との角度が、実質的に45゜である(4)に記載の楕円偏光板。
【0008】
(6)二枚の基板の間隙に棒状液晶性分子が封入されている液晶セル、その両側に配置された一対の偏光素子、液晶セルと両方または一方の偏光素子との間に配置された光学補償シートからなり、黒表示において液晶セルの棒状液晶性分子の長軸方向と基板面との平均傾斜角が50゜未満である透過型液晶表示装置であって、光学補償シートが、外側から順に、透明支持体およびディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層が積層されており、透明支持体が、光学的な負の一軸性を実質的に有し、その光学軸が透明支持体の平面に対して実質的に平行であることを特徴とする液晶表示装置。
(7)二枚の基板の間隙に棒状液晶性分子が封入されている液晶セル、光学補償シート、そして偏光素子がこの順に積層されており、黒表示において液晶セルの棒状液晶性分子の長軸方向と基板面との平均傾斜角が50゜未満である反射型液晶表示装置であって、光学補償シートが、偏光素子側から順に、透明支持体およびディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層が積層されており、透明支持体が、光学的な負の一軸性を実質的に有し、その光学軸が透明支持体の平面に対して実質的に平行であることを特徴とする液晶表示装置。
【0009】
(8)透明支持体上にディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層を有する光学補償シートであって、光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体の平面との平均傾斜角が5乃至85゜であって、ディスコティック液晶性分子と透明支持体表面との距離が大きくなると、ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体の平面との傾斜角が小さくなるようにディスコティック液晶性分子が配向していることを特徴とする光学補償シート。
(9)光学的異方性層が、さらにセルロースエステルをディスコティック液晶性分子の量の0.1乃至5重量%の範囲の量、または含フッ素界面活性剤をディスコティック液晶性分子の量の0.01乃至30重量%の範囲の量で含む(8)に記載の光学補償シート。
(10)透明保護膜、偏光膜、透明支持体およびディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層が、この順に積層されている楕円偏光板であって、光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体の平面との平均傾斜角が5乃至85゜であって、ディスコティック液晶性分子と透明支持体表面との距離が大きくなると、ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体の平面との傾斜角が小さくなるようにディスコティック液晶性分子が配向していることを特徴とする楕円偏光板。
(11)ディスコティック液晶性分子の円盤面の法線を透明支持体の平面に投影した線の平均方向と偏光膜の偏光軸との角度が、実質的に45゜である(10)に記載の楕円偏光板。
【0010】
(12)二枚の基板の間隙に棒状液晶性分子が封入されている液晶セル、その両側に配置された一対の偏光素子、液晶セルと両方または一方の偏光素子との間に配置された光学補償シートからなり、黒表示において液晶セルの棒状液晶性分子の長軸方向と基板面との平均傾斜角が50゜未満である透過型液晶表示装置であって、光学補償シートが、外側から順に、透明支持体およびディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層が積層されており、光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体の平面との平均傾斜角が5乃至85゜であって、ディスコティック液晶性分子と透明支持体表面との距離が大きくなると、ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体の平面との傾斜角が小さくなるようにディスコティック液晶性分子が配向していることを特徴とする液晶表示装置。
(13)二枚の基板の間隙に棒状液晶性分子が封入されている液晶セル、光学補償シート、そして偏光素子がこの順に積層されており、黒表示において液晶セルの棒状液晶性分子の長軸方向と基板面との平均傾斜角が50゜未満である反射型液晶表示装置であって、光学補償シートが、偏光素子側から順に、透明支持体およびディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層が積層されており、光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体の平面との平均傾斜角が5乃至85゜であって、ディスコティック液晶性分子と透明支持体表面との距離が大きくなると、ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体の平面との傾斜角が小さくなるようにディスコティック液晶性分子が配向していることを特徴とする液晶表示装置。
なお、本明細書において、「実質的に垂直」、「実質的に平行」あるいは「実質的に45゜」とは、厳密な角度から±5°未満の範囲であることを意味する。この範囲は、±4°未満であることが好ましく、±3°未満であることがより好ましく、±2°未満であることがさらに好ましく、±1°未満であることが最も好ましい。
【0011】
【発明の効果】
本発明者は、スプレイ配向セルを用いた液晶表示装置を光学的に補償するため、透明支持体上にディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層を有する光学補償シートを使用することを検討した。その結果、透明支持体と光学的異方性層の少なくとも一方(好ましくは両方)について、従来の光学補償シートを改良する必要であることが判明した。
透明支持体について、従来は、光学的等方性フイルム(例、トリアセチルセルローすフイルム)を使用するか、あるいは光学的な正の一軸性フイルム(例、ポリカーボネート延伸フイルム)を使用していた。しかし、本発明者の研究の結果、光学的な負の一軸性を実質的に有し、その光学軸が透明支持体の平面に対して実質的に平行である透明支持体の使用が、スプレイ配向セルの光学補償に適していることが判明した。
光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子の配向状態について、従来は、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との平均傾斜角が5乃至85゜であって、ディスコティック液晶性分子とポリマーフイルム表面との距離が大きくなると、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との傾斜角が大きくなるように配向(ハイブリッド配向)させることが普通であった。しかし、本発明者の研究の結果、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との平均傾斜角が5乃至85゜であって、ディスコティック液晶性分子とポリマーフイルム表面との距離が大きくなると、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との傾斜角が小さくなるように配向(逆ハイブリッド配向)させる方が、スプレイ配向セルの光学補償に適していることが判明した。
【0012】
本発明者が、以上のような光学補償シートをさらに検討したところ、スプレイ配向セルだけではなく、様々な液晶セルを有効に光学補償できることが判明した。すなわち、黒表示において液晶セルの棒状液晶性分子の長軸方向と基板面との平均傾斜角が50゜未満である液晶表示装置であれば、以上の光学補償シートが有効に使用できる。具体的には、スプレイ配向液晶セルに加えて、TNモード、STNモード、ECBモードあるいはHANモードの液晶セルを有効に光学補償できる。
以上の結果、本発明の光学補償シートを液晶表示装置に用いることで、表示コントラストが高く視野角が広い画像を、高速で表示することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、スプレイ配向液晶セル内の液晶性化合物の配向を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、スプレイ配向液晶セルは、下基板(4a)、下透明電極(3a)、下配向膜(2a)、液晶層(1)、上配向膜(2b)、上透明電極(3b)、そして上基板(4b)の順に配置された構造を有する。
液晶層(1)に使用する棒状液晶性分子(1a〜1h)として、負の誘電率異方性を有する棒状ネマチック液晶性分子を使用する。配向膜(2a、2b)は、棒状液晶性分子(1a〜1h)を垂直に配向させる機能を有する。RDaおよびRDbは、配向膜のラビング方向である。図1に示すように、二つの配向膜のラビング方向は実質的に平行である。透明電極(3a、3b)は、棒状液晶性分子(1a〜1h)に電圧を印加する機能を有する。
【0014】
スプレイ配向液晶セルへの印加電圧が低い時、図1のoffに示すように、液晶セルの下基板(4a)側の棒状液晶性分子(1a〜1d)と上基板(4b)側の棒状液晶性分子(1e〜1h)とは、二枚の配向膜の中間(X−X)を対称面として、実質的に逆の向きに(上下対称に)配向する。また、基板(4a、4b)近傍の棒状液晶性分子(1a、1h)は、長軸方向の傾斜角が最大(ほぼ垂直)となるように配向し、二枚の配向膜の中間(X−X近傍)の棒状液晶性分子(1d、1e)は、長軸方向の傾斜角が最小(ほぼ水平)となるように配向する。それらの中間の棒状液晶性分子(1b、1c、1f、1g)は、長軸方向の傾斜角が連続的に変化している。
図1のonに示すように、印加電圧が高いと、基板(4a、4b)近傍の棒状液晶性分子(1a、1h)は、ほぼ垂直に配向したままである。また、二枚の配向膜の中間(X−X近傍)の棒状液晶性分子(1d、1e)も、ほぼ水平に配向したままである。電圧の増加により配向が変化するのは、それらの中間に位置する棒状液晶性分子(1b、1c、1f、1g)であり、これらはoffの状態よりも水平に配向する。しかし、液晶セルの下基板(4a)側の棒状液晶性分子(1a〜1d)と上基板(4b)側の棒状液晶性分子(1e〜1h)とが、二枚の配向膜の中間(X−X)を対称面として、実質的に逆の向きに(上下対称に)配向することは、offの状態と同様である。
【0015】
図2は、スプレイ配向液晶セルを用いた液晶表示装置の模式図である。
図2に示す液晶表示装置は、スプレイ配向液晶セル(10)、液晶セルの両側に設けられた一対の偏光素子(11a、11b)、液晶セルと偏光板との間に配置された一対の光学補償シート(12a、12b)およびバックライト(BL)からなる。光学補償シート(12a、12b)は、一方にのみ配置してもよい。
スプレイ配向液晶セル(10)は、図1に示した液晶セルに相当する。液晶セル(10)の上下のラビング方向(RDa、RDb)は、同一方向(平行)である。
下偏光素子(11a)の偏光軸の向き(PAa)と液晶セル(10)の配向膜のラビング方向(RDa、RDb)との角度は、45゜である。上偏光素子(11a)の偏光軸の向き(PAb)と液晶セル(10)の配向膜のラビング方向(RDa、RDb)との角度も、45゜である。そして、下偏光素子(11a)の偏光軸の向き(PAa)と上偏光素子(11a)の偏光軸の向き(PAb)とは直交しており、クロスニコル配置になっている。
光学補償シート(12a、12b)に示した矢印(RDc、RDd)は、光学的異方性層のディスコティック液晶性分子のラビング方向に相当する。
【0016】
図3は、光学補償シートによるスプレイ配向液晶セルの光学補償を示す概念図である。
光学補償シートを使用してスプレイ配向液晶セルを光学的に補償すれば、スプレイ配向液晶セルの視野角をさらに拡大できる。光学補償シートは、透明支持体とディスコティック液晶性分子から形成された層からなる。
図3の(a)では、スプレイ配向液晶セル(10)を、ディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層(12a、12b)により光学的に補償する。透明支持体(13a、13b)は、光学的等方性である。
光学的異方性層(12a、12b)のラビング方向(RDc、RDd)を、スプレイ配向液晶セル(10)のラビング方向(RDa、RDb)と逆平行の関係に設定したことにより、液晶セル(10)の棒状液晶性分子と光学的異方性層(12a、12b)のディスコティック液晶性分子とが対応(a〜f)して、光学的に補償する。
【0017】
図3の(b)に示すように、光学的異方性を有する透明支持体上にディスコティック液晶性分子から形成された層を設けた光学補償シートを用いると、さらに有効に、スプレイ配向液晶セルを光学的に補償できる。
図3の(b)では、スプレイ配向液晶セル(10)を、ディスコティック液晶性分子から形成された層(12a、12b)と光学的異方性を有する透明支持体(13a、13b)とが協調して、光学的に補償する。
液晶セル(10)の棒状液晶性分子と光学的異方性層(12a、12b)のディスコティック液晶性分子との対応関係(a〜f)は、図3の(a)と同様である。スプレイ配向液晶セル(10)中央部の実質的に水平に配向している棒状液晶性分子に対しては、さらに透明支持体(13a、13b)の光学的異方性が対応(g、h)するように設計されている。なお、透明支持体(13a、13b)に記入した楕円は、透明支持体の光学的異方性によって生じる屈折率楕円である。
【0018】
図4は、HANモードの液晶セル内の液晶性化合物の配向を模式的に示す断面図である。
図4に示すように、HANモードの液晶セルは、反射板(RP)、下基板(4a)、下透明電極(3a)、下配向膜(2a)、液晶層(1)、下配向膜(2b)、上透明電極(3b)、そして上基板(4b)の順に配置された構造を有する。反射板(RP)を設ける代わりに、下透明電極(3a)を反射電極に変更してもよい。
液晶層(1)に使用する棒状液晶性分子(1a〜1d)として、負の誘電率異方性を有する棒状ネマチック液晶性分子を使用する。下配向膜(2a)は、棒状液晶性分子を水平に配向させる機能を有する。上配向膜(2b)は、棒状液晶性分子を垂直に配向させる機能を有する。RDaは、下配向膜のラビング方向である。透明電極(3)は、棒状液晶性分子(1a〜1d)に電圧を印加する機能を有する。
【0019】
HANモードの液晶セルへの印加電圧が低い時、図4のoffに示すように、液晶セルの下基板(4a)近傍の棒状液晶性分子(1a)は、長軸方向の傾斜角が最小(ほぼ水平)となるように配向し、上基板(4b)近傍の棒状液晶性分子(1d)は、長軸方向の傾斜角が最大(ほぼ垂直)となるように配向する。それらの中間の棒状液晶性分子(1b、1c)は、長軸方向の傾斜角が連続的に変化している。
図4のonに示すように、印加電圧が高いと、下基板(4a)近傍の棒状液晶性分子(1a)は、ほぼ水平に配向したままである。また、上基板(4b)の棒状液晶性分子(1d)も、ほぼ垂直に配向したままである。電圧の増加により配向が変化するのは、それらの中間に位置する棒状液晶性分子(1b、1c)であり、これらはoffの状態よりも水平に配向する。
【0020】
図5は、HANモードの液晶セルを用いた液晶表示装置の模式図である。
図5に示す液晶表示装置は、反射板(RP)、HANモードの液晶セル(10)、光学補償シート(12)、そして偏光素子(11)からなる。
HANモードの液晶セル(10)は、図4に示した液晶セルに相当する。液晶セル(10)に示した矢印(RDa)は、液晶セルのラビング方向である。
偏光素子(11)の偏光軸の向き(PAb)と液晶セル(10)の配向膜のラビング方向(RDa)との角度は、45゜である。
光学補償シート(12)に示した矢印(RDc)は、光学的異方性層のディスコティック液晶性分子のラビング方向に相当する。
【0021】
図6は、光学補償シートによるHANモードの液晶セルの光学補償を示す概念図である。
光学補償シートを使用してHANモードの液晶セルを光学的に補償すれば、HANモードの液晶セルの視野角をさらに拡大できる。光学補償シートは、透明支持体とディスコティック液晶性分子から形成された層からなる。
図6の(a)では、HANモードの液晶セル(10)を、ディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層(12)により光学的に補償する。透明支持体(13)は、光学的等方性である。
光学的異方性層(12a)のラビング方向(RDc)を、HANモードの液晶セル(10)のラビング方向(RDa)と平行の関係に設定したことにより、液晶セル(10)の棒状液晶性分子と光学的異方性層(12a)のディスコティック液晶性分子とが対応(a〜c)して、光学的に補償する。
【0022】
図6の(b)に示すように、光学的異方性を有する透明支持体上にディスコティック液晶性分子から形成された層を設けた光学補償シートを用いると、さらに有効に、HANモードの液晶セルを光学的に補償できる。
図6の(b)では、HANモードの液晶セル(10)を、ディスコティック液晶性分子から形成された層(12)と光学的異方性を有する透明支持体(13)とが協調して、光学的に補償する。
液晶セル(10)の棒状液晶性分子と光学的異方性層(12)のディスコティック液晶性分子との対応関係(a〜c)は、図6の(a)と同様である。HANモードの液晶セル(10)上部の実質的に水平に配向している棒状液晶性分子に対しては、さらに透明支持体(13)の光学的異方性が対応(d)するように設計されている。なお、透明支持体(13)に記入した楕円は、透明支持体の光学的異方性によって生じる屈折率楕円である。
【0023】
[液晶セル]
本発明の光学補償シートは、黒表示において液晶セルの棒状液晶性分子の長軸方向と基板面との平均傾斜角が50゜未満である液晶表示装置に有効に用いられる。具体的には、スプレイ配向液晶セル、あるいは、TNモード、STNモード、ECBモードあるいはHANモードの液晶セルを有効に光学補償できる。スプレイ配向液晶セル、TNモードの液晶セル、ECBモード液晶セルおよびHANモードの液晶セルに特に有効である。
スプレイ配向セル以外の液晶セルについては、既に良く知られており、市販の液晶セルを用いることができる。
以下、スプレイ配向セルについて、さらに説明する。
【0024】
スプレイ配向液晶セルに使用する基板と透明電極は、他の公知の配向モードの液晶セルと同様である。市販品(例えば、ITO透明電極が設けられたガラス基板)を利用してもよい。
配向膜としては、配向膜近傍の棒状液晶性分子を実質的に垂直に配向させる機能を有する垂直配向膜を使用する。
棒状液晶性分子の垂直配向膜には、溶液塗布型(液晶溶解注入型を含む)、プラズマ重合型あるいはスパッタリング型の配向膜がある。溶液塗布型の垂直配向剤の例には、レシチン、ステアリン酸、オクタデシルマロン酸、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルアミンハイドロクロライド、一塩基性カルボン酸クロム錯体(例、ミリスチン酸クロム錯体、パーフルオロノナン酸クロム錯体)および有機シラン(例、N,N−ジメチル−N−オクタデシル−3−アミノプロピルトリメトキシシリルクロライド)が含まれる。プラズマ重合型の垂直配向剤の例には、ヘキサメチルジシロキサン、パーフルオロジメチルシクロヘキサンおよびテトラフルオロエチレンが含まれる。スパッタリング型の垂直配向剤の例には、ポリテトラフルオロエチレンが含まれる。
形成した垂直配向膜に対して、図1に示したようにラビング処理を実施する。スプレイ配向液晶セルでは、傾斜角が最大となる配向膜近傍においても、棒状液晶性分子を完全に垂直(90゜)に配向させず、一定方向にプレチルトさせる。棒状液晶性分子のプレチルト方向は、ラビング処理の方向と一致する。ラビング処理は、公知の配向膜の処理と同様に実施できる。
【0025】
透明電極および垂直配向膜を設けた基板二枚を、ラビング方向が平行になるように、スペーサーを介して貼り合わせる。スペーサーにより生じた間隙に、棒状液晶性分子を注入して、スプレイ配向液晶セルを作製する。
棒状液晶性分子としては、負の誘電率異方性を有するネマチック液晶性分子を使用する。棒状液晶性分子の例には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が含まれる。棒状液晶性分子は、2以上の環、環を結合を連結基およびそれらの置換基からなる。誘電率異方性については、連結基および置換基の影響が大きいことが知られている。負の誘電率異方性を有するネマチック液晶性分子としては、アルキルシクロヘキシルカルボニトリル系化合物が代表的であり、市販品(例えば、メルク社製のMJ95785、MX941296、MJ941296)も利用できる。
スプレイ配向液晶セルのonとoffにおけるレターデーションの差は、光の波長のほぼ半分の値になることが好ましい。
スプレイ配向液晶セルは、onにおいて黒表示となるノーマリーホワイトモードおよびoffにおいて黒表示となるノーマリーブラックモードのいずれでも用いることができる。
【0026】
[偏光素子]
偏光素子は、一般に偏光膜とその両側に配置された透明保護膜からなる。ただし、後述する光学補償シートの透明支持体を、液晶セル側の透明保護膜として機能させることができる。その場合、透明保護膜、偏光膜、透明支持体およびディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層がこの順に積層されている積層体は、楕円偏光板として機能する。光学補償シートの透明支持体とは別に設けられる透明保護膜としては、後述する光学的等方性ポリマーフイルム、特にトリアセチルセルロースフイルムを用いることが好ましい。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。
偏光膜の偏光軸は、フイルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。二枚の偏光素子の偏光軸の向きは、実質的に直交させる。そして、それぞれの偏光軸の向きと液晶セルの配向膜のラビング方向との角度は、実質的に45゜になるように調節する。
【0027】
[光学補償シート]
透過型液晶表示装置では、光学補償シートを、液晶セルと一方または両方の偏光素子との間に一枚または二枚配置する。反射型液晶表示装置では、光学補償シートを、液晶セルと偏光素子との間に一枚配置する。
光学補償シートの光学的性質としては、負の複屈折性を有することが好ましい。また、フイルム法線方向に対する光軸の傾斜角は、液晶セル側で最小となり偏光素子側で最大となるように、変化していることが好ましい。傾斜角の変化は不連続であってもよい。さらに、光軸の傾斜角は、40乃至80゜であることが好ましい。さらにまた、光軸の液晶セルへの正射影の平均方向と、液晶セルのラビング方向とは、実質的に平行(0゜)または実質的に逆平行(180゜)であることが好ましい。
本発明の光学補償シートは、(1)光学的等方性透明支持体とディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層との積層体、または(2)光学的異方性透明支持体とディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層との積層体に分類できる。(2)の光学的異方性透明支持体は、光学的異方性ポリマーフイルムと光学的等方性ポリマーフイルムとの積層体からなっていてもよい。一般には、透明支持体が偏光膜側(外側)、光学的異方性層が液晶セル側(内側)に配置される。
以下、光学的等方性ポリマーフイルム、光学的異方性ポリマーフイルム、そしてディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層の順に説明する。
【0028】
[光学的等方性ポリマーフイルム]
光学的等方性ポリマーフイルムは、光透過率が80%以上であることが好ましい。光学的等方性とは、具体的には、面内レターデーション(Re)が10nm以下であることが好ましく、5nm以下であることがさらに好ましい。また、厚み方向のレターデーション(Rth)は、40nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがさらに好ましい。面内レターデーション(Re)と厚み方向のレターデーション(Rth)は、それぞれ下記式で定義される。
Re=(nx−ny)×d
Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d
式中、nxおよびnyは、ポリマーフイルムの面内屈折率であり、nzはポリマーフイルムの厚み方向の屈折率であり、そしてdはポリマーフイルムの厚さである。
光学的等方性ポリマーとしては、セルロースエステルがセルロースエステルが好ましく、アセチルセルロースがさらに好ましく、トリアセチルセルロースが最も好ましい。ポリマーフイルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。
光学的等方性ポリマーフイルムの厚さは、20乃至500μmであることが好ましく、50乃至200μmであることがさらに好ましい。
光学的等方性ポリマーフイルムとその上に設けられる層(接着層、配向膜あるいは光学的異方性層)との接着を改善するため、ポリマーフイルムに表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。ポリマーフイルムの上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
【0029】
[光学的異方性ポリマーフイルム]
光学的異方性ポリマーフイルムは、光透過率が80%以上であることが好ましい。異方性とは、具体的には、面内レターデーション(Re)が20nm以上であることが好ましく、40nm以上であることがさらに好ましい。また、厚み方向のレターデーション(Rth)は、60nm以上であることが好ましく、80nm以下であることがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層と組み合わせて使用する光学的異方性ポリマーフイルムとしては、従来は、ポリカーボネート、ポリスルホンやポリエーテルスルホンのような主鎖側に芳香族環を有するポリマーからなる光学的な正の一軸性を実質的に有するフイルムが用いられていた。しかし、本発明者がスプレイ配向セルを研究したところ、光学的な負の一軸性を実質的に有するフイルムが、液晶セルの光学補償に適していることが判明した。
光学的な負の一軸性を実質的に有するフイルムは、ポリスチレンのような側鎖側に芳香族環を有するポリマーから形成できる。「光学的な負の一軸性を実質的に有する」ポリマーフイルムには、二軸性を示しても、一方の光学軸が他方の光学軸よりも強く、実質的に一軸性とみなすことができるポリマーフイルムが含まれる。光学軸は、ポリマーフイルムの平面に対して実質的に平行であることが好ましい。言い換えると、図3または図6の(b)に示した屈折率楕円を示すポリマーフイルムを用いることが特に好ましい。
【0030】
光学的異方性ポリマーフイルムは、スチレン系ポリマーから形成することが好ましい。スチレン系ポリマーには、スチレンと他のビニル系モノマー(例、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド)とのコポリマーやスチレン誘導体(スチレンのベンゼン環が置換されたモノマー)のポリマーが含まれる。
ポリマーフイルムは、延伸することにより光学的異方性が得られる。延伸方向と光学軸の方向は、実質的に平行になる。ポリマーフイルムは光学的一軸性を有することが好ましいため、一軸延伸が好ましい。
光学軸の方向は、下記の光学的異方性層のディスコティック液晶性分子のラビング方向と実質的に平行であることが好ましい。
光学的異方性ポリマーフイルムの厚さは、20乃至500μmであることが好ましく、50乃至200μmであることがさらに好ましい。
光学的異方性ポリマーフイルムとその上に設けられる層(接着層、配向膜あるいは光学的異方性層)との接着を改善するため、ポリマーフイルムに表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。ポリマーフイルムの上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
【0031】
[光学的異方性層]
光学的異方性層は、ディスコティック液晶性分子から形成する。
ディスコティック液晶性分子は、配向状態のまま層内で固定することが好ましい。ディスコティック液晶性分子は、重合反応により固定することがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性分子は、様々な文献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., vol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem. Soc. Chem. Comm., page 1794 (1985);J. Zhang et al., J. Am. Chem. Soc., vol. 116, page 2655 (1994))に記載されている。ディスコティック液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
ディスコティック液晶性分子を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、ディスコティック液晶性分子は、下記式(I)で表わされる化合物であることが好ましい。
【0032】
(I)
D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり;Pは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整数である。
式(I)の円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LP(またはPL)は、二価の連結基(L)と重合性基(P)との組み合わせを意味する。
【0033】
【化1】
【0034】
【化2】
【0035】
【化3】
【0036】
【化4】
【0037】
【化5】
【0038】
【化6】
【0039】
【化7】
【0040】
【化8】
【0041】
【化9】
【0042】
式(I)において、二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることがさらに好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。アリーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよい。
二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(P)に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基を意味し、ARはアリーレン基を意味する。
【0043】
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
【0044】
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L21:−S−AL−
L22:−S−AL−O−
L23:−S−AL−O−CO−
L24:−S−AL−S−AL−
L25:−S−AR−AL−
【0045】
なお、STNモードのような棒状液晶性分子がねじれ配向している液晶セルを、光学的に補償するためには、ディスコティック液晶性分子もねじれ配向させることが好ましい。上記AL(アルキレン基またはアルケニレン基)に、不斉炭素原子を導入すると、ディスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。また、不斉炭素原子を含む光学活性を示す化合物(カイラル剤)を光学的異方性層に添加しても、ディスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。
【0046】
式(I)の重合性基(P)は、重合反応の種類に応じて決定する。重合性基(P)の例を以下に示す。
【0047】
【化10】
【0048】
【化11】
【0049】
【化12】
【0050】
【化13】
【0051】
【化14】
【0052】
【化15】
【0053】
重合性基(P)は、不飽和重合性基(P1、P2、P3、P7、P8、P15、P16、P17)またはエポキシ基(P6、P18)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(P1、P7、P8、P15、P16、P17)であることが最も好ましい。
式(I)において、nは4乃至12の整数である。具体的な数字は、ディスコティックコア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のLとPの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
【0054】
二種類以上のディスコティック液晶性分子を併用してもよい。例えば、以上述べたような重合性ディスコティック液晶性分子と非重合性ディスコティック液晶性分子とを併用することができる。
非重合性ディスコティック液晶性分子は、前述した重合性ディスコティック液晶性分子の重合性基(P)を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコティック液晶性分子は、下記式(II)で表わされる化合物であることが好ましい。
(II)
D(−L−R)n
式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり;Rは水素原子またはアルキル基であり;そして、nは4乃至12の整数である。
式(II)の円盤状コア(D)の例は、LP(またはPL)をLR(またはRL)に変更する以外は、前記の重合性ディスコティック液晶分子の例と同様である。
また、二価の連結基(L)の例も、前記の重合性ディスコティック液晶分子の例と同様である。
Rのアルキル基は、炭素原子数が1乃至40であることが好ましく、1乃至30であることがさらに好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好ましく、分岐を有する鎖状アルキル基よりも直鎖状アルキル基の方が好ましい。Rは、水素原子または炭素原子数が1乃至30の直鎖状アルキル基であることが特に好ましい。
【0055】
光学的異方性層は、ディスコティック液晶性分子、あるいは下記の重合性開始剤や任意の添加剤(例、可塑剤、モノマー、界面活性剤、セルロースエステル、1,3,5−トリアジン化合物、カイラル剤)を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することで形成する。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
【0056】
ディスコティック液晶性分子の重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01乃至20重量%であることが好ましく、0.5乃至5重量%であることがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm2 乃至50J/cm2 であることが好ましく、100乃至800mJ/cm2 であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
光学的異方性層の厚さは、0.1乃至20μmであることが好ましく、0.5乃至15μmであることがさらに好ましく、1乃至10μmであることが最も好ましい。
【0057】
光学的異方性層内でのディスコティック液晶性分子の配向状態は、具体的には、液晶性分子の種類、配向膜の種類および光学異方性層内の添加剤(例、可塑剤、バインダー、界面活性剤)の使用によって制御できる。
光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子の配向状態としては、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との平均傾斜角が5乃至85゜であって、ディスコティック液晶性分子とポリマーフイルム表面との距離が大きくなると、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との傾斜角が大きくなるように配向(ハイブリッド配向)させることが普通であった。しかし、本発明者がスプレイ配向セルを研究したところ、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との平均傾斜角が5乃至85゜であって、ディスコティック液晶性分子とポリマーフイルム表面との距離が大きくなると、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との傾斜角が小さくなるように配向(逆ハイブリッド配向)させる方が、液晶セルの光学補償に適していることが判明した。
【0058】
上記の逆ハイブリッド配向を実現するためには、後述するディスコティック液晶性分子用の垂直配向膜を使用し、さらにセルロースエステルまたは含フッ素界面活性剤を光学的異方性層に添加することが好ましい。さらにまた、光学的異方性層の配向膜とは反対側の面に温風を当てながら、ディスコティック液晶性分子を配向させることが好ましい。温風の向きはポリマーフイルム平面と平行で、かつ配向膜のラビング方向とも平行であることが好ましい。
セルロースエステルには、セルロースの低級脂肪酸エステルおよびニトロセルロースが含まれる。セルロースの低級脂肪酸エステルが好ましい。
セルロースの低級脂肪酸エステルにおける「低級脂肪酸」とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2乃至5であることが好ましく、2乃至4であることがさらに好ましい。脂肪酸には置換基(例、ヒドロキシ)が結合していてもよい。二種類以上の脂肪酸がセルロースとエステルを形成していてもよい。セルロースの低級脂肪酸エステルの例には、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースヒドロキシプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネートおよびセルロースアセテートブチレートが含まれる。セルロースアセテートブチレートが特に好ましい。セルロースアセテートブチレートのブチリル化度は、30%以上であることが好ましく、30乃至80%であることがさらに好ましい。セルロースアセテートブチレートのアセチル化度は、30%以下であることが好ましく、1乃至30%であることがさらに好ましい。
セルロースエステルは、ディスコティック液晶性分子の量の0.1乃至5重量%の量で使用することが好ましい。
【0059】
含フッ素界面活性剤は、フッ素原子を含む疎水性基、ノニオン性、アニオン性、カチオン性あるいは両性の親水性基および任意に設けられる連結基からなる。一つの疎水性基と一つの親水性基からなる含フッ素界面活性剤は、下記式(III)で表わされる。
(III)
Rf−L5 −Hy
式中、Rfは、フッ素原子で置換された一価の炭化水素基であり、L5 は、単結合または二価の連結基であり、そして、Hyは親水性基である。
式(III)のRfは、疎水性基として機能する。炭化水素基は、アルキル基またはアリール基であることが好ましい。アルキル基の炭素原子数は3乃至30であることが好ましく、アリール基の炭素原子数は6乃至30であることが好ましい。
炭化水素基に含まれる水素原子の一部または全部は、フッ素原子で置換されている。フッ素原子で、炭化水素基に含まれる水素原子の50%以上を置換することが好ましく、60%以上を置換することがより好ましく、70%以上を置換することがさらに好ましく、80%以上を置換することが最も好ましい。
残りの水素原子は、さらに他のハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)で置換されていてもよい。
Rfの例を以下に示す。
【0060】
Rf1:n−C8 F17−
Rf2:n−C6 F13−
Rf3:Cl−(CF2 −CFCl)3 −CF2 −
Rf4:H−(CF2 )8 −
Rf5:H−(CF2 )10−
Rf6:n−C9 F19−
Rf7:ペンタフルオロフェニル
Rf8:n−C7 F15−
Rf9:Cl−(CF2 −CFCl)2 −CF2 −
Rf10:H−(CF2 )4 −
Rf11:H−(CF2 )6 −
Rf12:Cl−(CF2 )6 −
Rf13:C3 F7 −
【0061】
式(III)において、二価の連結基は、アルキレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環残基、−CO−、−NR−(Rは炭素原子数が1乃至5のアルキル基または水素原子)、−O−、−SO2 −およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。
式(III)のL5 の例を以下に示す。左側が疎水性基(Rf)に結合し、右側が親水性基(Hy)に結合する。ALはアルキレン基、ARはアリーレン基、Hcは二価のヘテロ環残基を意味する。なお、アルキレン基、アリーレン基および二価のヘテロ環残基は、置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
【0062】
L0:単結合
L51:−SO2 −NR−
L52:−AL−O−
L53:−CO−NR−
L54:−AR−O−
L55:−SO2 −NR−AL−CO−O−
L56:−CO−O−
L57:−SO2 −NR−AL−O−
L58:−SO2 −NR−AL−
L59:−CO−NR−AL−
L60:−AL−O−AL−
L61:−Hc−AL−
L62:−SO2 −NR−AL−O−AL−
L63:−AR−
L64:−O−AR−SO2 −NR−AL−
L65:−O−AR−SO2 −NR−
L66:−O−AR−0−
【0063】
式(III)のHyは、ノニオン性親水性基、アニオン性親水性基、カチオン性親水性基あるいは両性親水性基のいずれかである。ノニオン性親水性基が特に好ましい。
式(III)のHyの例を以下に示す。
【0064】
Hy1:−(CH2 CH2 O)n −H(nは5乃至30の整数)
Hy2:−(CH2 CH2 O)n −R1
(nは5乃至30の整数、R1 は炭素原子数が1乃至6のアルキル基)
Hy3:−(CH2 CHOHCH2 )n −H(nは5乃至30の整数)
Hy4:−COOM(Mは水素原子、アルカリ金属原子または解離状態)
Hy5:−SO3 M(Mは水素原子、アルカリ金属原子または解離状態)
Hy6:−(CH2 CH2 O)n −CH2 CH2 CH2 −SO3 M
(nは5乃至30の整数、Mは水素原子またはアルカリ金属原子)
Hy7:−OPO(OH)2
Hy8:−N+ (CH3 )3 ・X- (Xはハロゲン原子)
Hy9:−COONH4
【0065】
ノニオン性親水性基(Hy1、Hy2、Hy3)が好ましく、ポリエチレンオキサイドからなる親水性基(Hy1)が最も好ましい。
式(III)で表わされる含フッ素界面活性剤の具体例を、以上のRf、L5 およびHyの例を引用して示す。
【0066】
FS−1:Rf1−L51(R=C3 H7 )−Hy1(n=6)
FS−2:Rf1−L51(R=C3 H7 )−Hy1(n=11)
FS−3:Rf1−L51(R=C3 H7 )−Hy1(n=16)
FS−4:Rf1−L51(R=C3 H7 )−Hy1(n=21)
FS−5:Rf1−L51(R=C2 H7 )−Hy1(n=6)
FS−6:Rf1−L51(R=C2 H7 )−Hy1(n=11)
FS−7:Rf1−L51(R=C2 H7 )−Hy1(n=16)
FS−8:Rf1−L51(R=C2 H7 )−Hy1(n=21)
FS−9:Rf2−L51(R=C3 H7 )−Hy1(n=6)
FS−10:Rf2−L51(R=C3 H7 )−Hy1(n=11)
FS−11:Rf2−L51(R=C3 H7 )−Hy1(n=16)
FS−12:Rf2−L51(R=C3 H7 )−Hy1(n=21)
FS−13:Rf3−L52(AL=CH2 )−Hy1(n=5)
FS−14:Rf3−L52(AL=CH2 )−Hy1(n=10)
FS−15:Rf3−L52(AL=CH2 )−Hy1(n=15)
FS−16:Rf3−L52(AL=CH2 )−Hy1(n=20)
FS−17:Rf4−L53(R=C3 H7 )−Hy1(n=7)
FS−18:Rf4−L53(R=C3 H7 )−Hy1(n=13)
FS−19:Rf4−L53(R=C3 H7 )−Hy1(n=19)
FS−20:Rf4−L53(R=C3 H7 )−Hy1(n=25)
【0067】
FS−21:Rf5−L52(AL=CH2 )−Hy1(n=11)
FS−22:Rf5−L52(AL=CH2 )−Hy1(n=15)
FS−23:Rf5−L52(AL=CH2 )−Hy1(n=20)
FS−24:Rf5−L52(AL=CH2 )−Hy1(n=30)
FS−25:Rf6−L54(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=11)
FS−26:Rf6−L54(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=17)
FS−27:Rf6−L54(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=23)
FS−28:Rf6−L54(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=29)
FS−29:Rf1−L55(R=C3 H7 、AL=CH2 )−Hy1(n=20)
FS−30:Rf1−L55(R=C3 H7 、AL=CH2 )−Hy1(n=30)
FS−31:Rf1−L55(R=C3 H7 、AL=CH2 )−Hy1(n=40)
FS−32:Rf1−L56−Hy1(n=5)
FS−33:Rf1−L56−Hy1(n=10)
FS−34:Rf1−L56−Hy1(n=15)
FS−35:Rf1−L56−Hy1(n=20)
FS−36:Rf7−L56−Hy1(n=8)
FS−37:Rf7−L56−Hy1(n=13)
FS−38:Rf7−L56−Hy1(n=18)
FS−39:Rf7−L56−Hy1(n=25)
【0068】
FS−40:Rf1−L0−Hy1(n=6)
FS−41:Rf1−L0−Hy1(n=11)
FS−42:Rf1−L0−Hy1(n=16)
FS−43:Rf1−L0−Hy1(n=21)
FS−44:Rf1−L51(R=C3 H7 )−Hy2(n=7、R1 =C2 H5 )
FS−45:Rf1−L51(R=C3 H7 )−Hy2(n=13、R1 =C2 H5 )
FS−46:Rf1−L51(R=C3 H7 )−Hy2(n=20、R1 =C2 H5 )
FS−47:Rf1−L51(R=C3 H7 )−Hy2(n=28、R1 =C2 H5 )
FS−48:Rf8−L52(AL=CH2 )−Hy1(n=5)
FS−49:Rf8−L52(AL=CH2 )−Hy1(n=10)
FS−50:Rf8−L52(AL=CH2 )−Hy1(n=15)
FS−51:Rf8−L52(AL=CH2 )−Hy1(n=20)
FS−52:Rf1−L57(R=C3 H7 、AL=CH2CH2)−Hy3(n=5)
FS−53:Rf1−L57(R=C3 H7 、AL=CH2CH2)−Hy3(n=7)
FS−54:Rf1−L57(R=C3 H7 、AL=CH2CH2)−Hy3(n=9)
FS−55:Rf1−L57(R=C3 H7 、AL=CH2CH2)−Hy3(n=12)
FS−56:Rf9−L0−Hy4(M=H)
FS−57:Rf3−L0−Hy4(M=H)
FS−58:Rf1−L58(R=C3 H7 、AL=CH2 )−Hy4(M=K)
FS−59:Rf4−L59(R=C3 H7 、AL=CH2 )−Hy4(M=Na)
【0069】
FS−60:Rf1−L0−Hy5(M=K)
FS−61:Rf10−L60(AL1 =CH2 、AL2 =CH2CH2)−Hy5(M=Na)
FS−62:Rf11−L60(AL1 =CH2 、AL2 =CH2CH2)−Hy5(M=Na)
FS−63:Rf5−L60(AL1 =CH2 、AL2 =CH2CH2)−Hy5(M=Na)
FS−64:Rf1−L58(R=C3H7、AL=CH2CH2CH2 )−Hy5(M=Na)
FS−65:Rf1−L51(R=C3 H7 )−Hy6(n=5、M=Na)
FS−66:Rf1−L51(R=C3 H7 )−Hy6(n=10、M=Na)
FS−67:Rf1−L51(R=C3 H7 )−Hy6(n=15、M=Na)
FS−68:Rf1−L51(R=C3 H7 )−Hy6(n=20、M=Na)
FS−69:Rf1−L58(R=C2 H5 、AL=CH2 CH2 )−Hy7
FS−70:Rf1−L58(R=H、AL=CH2CH2CH2 )−Hy8(X=I)
FS−71:Rf11−L61(下記Hc、AL=CH2CH2CH2 )−Hy6(Mは解離)
【0070】
【化16】
【0071】
FS−72:Rf1−L62(R=C3H7、AL1=CH2CH2、AL2=CH2CH2CH2)−Hy6(M=Na)
FS−73:Rf12−L0−Hy5(M=Na)
FS−74:Rf13−L63(AR=o-フェニレン)−Hy6(M=K)
FS−75:Rf13−L63(AR=m-フェニレン)−Hy6(M=K)
FS−76:Rf13−L63(AR=p-フェニレン)−Hy6(M=K)
FS−77:Rf6−L64(R=C2H5、AL=CH2CH2)−Hy5(M=H)
FS−78:Rf6−L65(AR=p-フェニレン、R=C2H5)−Hy1(n=9)
FS−79:Rf6−L65(AR=p-フェニレン、R=C2H5)−Hy1(n=14)
FS−80:Rf6−L65(AR=p-フェニレン、R=C2H5)−Hy1(n=19)
FS−81:Rf6−L65(AR=p-フェニレン、R=C2H5)−Hy1(n=28)
FS−82:Rf6−L66(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=5)
FS−83:Rf6−L66(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=10)
FS−84:Rf6−L66(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=15)
FS−85:Rf6−L66(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=20)
【0072】
フッ素原子を含む疎水性基または親水性基を二以上有する含フッ素界面活性剤を用いてもよい。二以上の疎水性基または親水性基を有する含フッ素界面活性剤の例を以下に示す。
【0073】
【化17】
【0074】
FS−86:n1+n2=12、FS−87:n1+n2=18、FS−88:n1+n2=24
【0075】
【化18】
【0076】
FS−89:n1+n2=20、FS−90:n1+n2=18、FS−91:n1+n2=40
【0077】
【化19】
【0078】
FS−92:n=5、FS−93:n=10、FS−94:n=15、FS−95:n=20
【0079】
【化20】
【0080】
二種類以上の含フッ素界面活性剤を併用してもよい。
含フッ素界面活性剤については、様々な文献(例、堀口弘著「新界面活性剤」三共出版(1975)、M.J. Schick, Nonionic Surfactants, Marcell Dekker Inc., New York, (1967)、特開平7−13293号公報)に記載がある。
含フッ素界面活性剤の使用量は、ディスコティック液晶性分子の量の0.01乃至30重量%の範囲であることが好ましく、0.1乃至10重量%であることがさらに好ましく、0.5乃至5重量%であることがさらに好ましい。
【0081】
[ディスコティック液晶性分子用の垂直配向膜]
ディスコティック液晶性分子を垂直に配向させるためには、配向膜の表面エネルギーを低下させることが重要である。具体的には、ポリマーの官能基により配向膜の表面エネルギーを低下させ、これによりディスコティック液晶性分子を立てた状態にする。配向膜の表面エネルギーを低下させる官能基としては、フッ素原子および炭素原子数が10以上の炭化水素基が有効である。フッ素原子または炭化水素基を配向膜の表面に存在させるために、ポリマーの主鎖よりも側鎖にフッ素原子または炭化水素基を導入することが好ましい。
含フッ素ポリマーは、フッ素原子を0.05乃至80重量%の割合で含むことが好ましく、0.1乃至70重量%の割合で含むことがより好ましく、0.5乃至65重量%の割合で含むことがさらに好ましく、1乃至60重量%の割合で含むことが最も好ましい。
炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基またはそれらの組み合わせである。脂肪族基は、環状、分岐状あるいは直鎖状のいずれでもよい。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基であってもよい)またはアルケニル基(シクロアルケニル基であってもよい)であることが好ましい。炭化水素基は、ハロゲン原子のような強い親水性を示さない置換基を有していてもよい。炭化水素基の炭素原子数は、10乃至100であることが好ましく、10乃至60であることがさらに好ましく、10乃至40であることが最も好ましい。
ポリマーの主鎖は、ポリイミド構造またはポリビニルアルコール構造を有することが好ましい。
【0082】
ポリイミドは、一般にテトラカルボン酸とジアミンとの縮合反応により合成する。二種類以上のテトラカルボン酸あるいは二種類以上のジアミンを用いて、コポリマーに相当するポリイミドを合成してもよい。フッ素原子または炭化水素基は、テトラカルボン酸起源の繰り返し単位に存在していても、ジアミン起源の繰り返し単位に存在していても、両方の繰り返し単位に存在していてもよい。
ポリイミドに炭化水素基を導入する場合、ポリイミドの主鎖または側鎖にステロイド構造を形成することが特に好ましい。側鎖に存在するステロイド構造は、炭素原子数が10以上の炭化水素基に相当し、ディスコティック液晶性分子を垂直に配向させる機能を有する。本明細書においてステロイド構造とは、シクロペンタノヒドロフェナントレン環構造またはその環の結合の一部が脂肪族環の範囲(芳香族環を形成しない範囲)で二重結合となっている環構造を意味する。
【0083】
フッ素変性ポリビニルアルコールも垂直配向膜に好ましく用いることができる。フッ素変性ポリビニルアルコールは、フッ素原子を含む繰り返し単位を5乃至80モル%の範囲で含むことが好ましく、7乃至70モル%の範囲で含むことがさらに好ましい。
好ましいフッ素変性ポリビニルアルコールを、下記式(PV)で表す。
(PV)
−(VAl)x−(FRU)y−(VAc)z−
式中、VAlは、ビニルアルコール繰り返し単位であり;FRUは、フッ素原子を含む繰り返し単位であり;VAcは酢酸ビニル繰り返し単位であり;xは、20乃至95モル%(好ましくは24乃至90モル%)であり;yは、5乃至80モル%(好ましくは7乃至70モル%)であり;そして、zは0乃至30モル%(好ましくは2乃至20モル%)である。
好ましいフッ素原子を含む繰り返し単位(FRU)を、下記式(FRU−I)および(FRU−II)で表す。
【0084】
【化21】
【0085】
式中、L1 は、−O−、−CO−、−SO2 −、−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびそれらの組み合わせから選ばれる二価の連結基であり;L2 は、単結合あるいは−O−、−CO−、−SO2 −、−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびそれらの組み合わせから選ばれる二価の連結基であり;そしてRf1 およびRf2 は、それぞれフッ素置換炭化水素基である。
アルキレン基およびアリーレン基はフッ素原子により置換されていてもよい。
上記の組み合わせにより形成される二価の連結基の例を、以下に示す。
【0086】
L1:−O−CO−
L2:−O−CO−アルキレン基−O−
L3:−O−CO−アルキレン基−CO−NH−
L4:−O−CO−アルキレン基−NH−SO2 −アリーレン基−O−
L5:−アリーレン基−NH−CO−
L6:−アリーレン基−CO−O−
L7:−アリーレン基−CO−NH−
L8:−アリーレン基−O−
L9:−O−CO−NH−アリーレン基−NH−CO−
【0087】
フッ素置換炭化水素基の炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基またはそれらの組み合わせである。脂肪族基は、環状、分岐状あるいは直線状のいずれでもよい。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基であってもよい)またはアルケニル基(シクロアルケニル基であってもよい)であることが好ましい。脂肪族基は、フッ素原子以外にも、他のハロゲン原子のような強い親水性を示さない置換基を有していてもよい。炭化水素基の炭素原子数は、1乃至100であることが好ましく、2乃至60であることがさらに好ましく、3乃至40であることが最も好ましい。炭化水素基の水素原子がフッ素原子で置換されている割合は、50乃至100モル%であることが好ましく、70乃至100モル%であることがより好ましく、80乃至100モル%であることがさらに好ましく、90乃至100モル%であることが最も好ましい。
【0088】
炭素原子数が10以上の炭化水素基を有する変性ポリビニルアルコールも垂直配向膜に好ましく用いることができる。炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基またはそれらの組み合わせである。脂肪族基は、環状、分岐状あるいは直鎖状のいずれでもよい。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基であってもよい)またはアルケニル基(シクロアルケニル基であってもよい)であることが好ましい。炭化水素基は、ハロゲン原子のような強い親水性を示さない置換基を有していてもよい。炭化水素基の炭素原子数は、10乃至100であることが好ましく、10乃至60であることがさらに好ましく、10乃至40であることが最も好ましい。
炭化水素基を有する変性ポリビニルアルコールは、炭素原子数が10以上の炭化水素基を有する繰り返し単位を2乃至80モル%の範囲で含むことが好ましく、3乃至70モル%含むことがさらに好ましい。
好ましい炭素原子数が10以上の炭化水素基を有する変性ポリビニルアルコールを、下記式(PV)で表す。
(PV)
−(VAl)x−(HyC)y−(VAc)z−
式中、VAlは、ビニルアルコール繰り返し単位であり;HyCは、炭素原子数が10以上の炭化水素基を有する繰り返し単位であり;VAcは酢酸ビニル繰り返し単位であり;xは、20乃至95モル%(好ましくは25乃至90モル%)であり;yは、2乃至80モル%(好ましくは3乃至70モル%)であり;そして、zは0乃至30モル%(好ましくは2乃至20モル%)である。
好ましい炭素原子数が10以上の炭化水素基を有する繰り返し単位(HyC)を、下記式(HyC−I)および(HyC−II)で表す。
【0089】
【化22】
【0090】
式中、L1 は、−O−、−CO−、−SO2 −、−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびそれらの組み合わせから選ばれる二価の連結基であり;L2 は、単結合あるいは−O−、−CO−、−SO2 −、−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびそれらの組み合わせから選ばれる二価の連結基であり;そしてR1 およびR2 は、それぞれ炭素原子数が10以上の炭化水素基である。
上記の組み合わせにより形成される二価の連結基の例は、前記式(FRU−I)および(FRU−II)で示した例と同様である。
【0091】
垂直配向膜に用いるポリマーの重合度は、200乃至5000であることが好ましく、300乃至3000であることが好ましい。ポリマーの分子量は、9000乃至200000であることが好ましく、13000乃至130000であることがさらに好ましい。
二種類以上のポリマーを併用してもよい。
垂直配向膜の形成において、ラビング処理を実施することが好ましい。ラビング処理は、上記のポリマーを含む膜の表面を、紙や布で一定方向に、数回こすることにより実施する。ラビング処理の方向は、図3に示すように、液晶セルの配向膜のラビング方向と逆平行であることが好ましい。
なお、垂直配向膜を用いて配向膜近傍のディスコティック液晶性分子を垂直に配向させてから、その配向状態のままディスコティック液晶性分子を固定して光学的異方性層を形成し、光学的異方性層のみをポリマーフイルム上に転写してもよい。配向状態で固定されたディスコティック液晶性分子は、配向膜がなくても配向状態を維持することができる。そのため、光学補償シートでは、垂直配向膜は(製造において必須ではあるが)必須の要素ではない。
【0092】
【実施例】
[実施例1]
(スプレイ配向液晶セルの作製)
ITO透明電極が設けられたガラス基板の上に、垂直配向膜(RN783、日産化学(株)製)を設け、ラビング処理を行った。10μmのスペーサーを介して、二枚の基板を配向膜が向かい合うように重ねた。配向膜のラビング方向が平行になるように、基板の向きを調節した。基板の間隙に、負の誘電率異方性を有する棒状ネマチック液晶性分子(MJ95785、メルク社製)を真空注入法により注入し、液晶層を形成した。配向膜近傍の棒状液晶性分子の傾斜角は、80゜であった。液晶性分子のΔnは0.0813であり、液晶層のΔndの値は、813nmであった。
【0093】
(光学補償シートの作製)
厚さ100μmのトリアセチルセルロースフイルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)に、厚さ0.1μmのゼラチン層を設けた。
下記の変性ポリビニルアルコールの溶液をゼラチン層の上に塗布し、80℃の温風で乾燥した後、ラビング処理を行い、配向膜を形成した。
【0094】
【化23】
【0095】
配向膜の上に、以下の組成の塗布液を#12のワイヤーバーコーターを用いて塗布し、金属の枠に貼り付けて120℃の恒温槽中で3分間加熱して、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。
【0096】
【0097】
【化24】
【0098】
塗布層を120℃に加熱した状態で、120W/cmの高圧水銀灯を用いて1分間紫外線を照射し、ディスコティック液晶性化合物の末端ビニル基を重合させ、配向状態を固定した。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学的異方性層を形成し、光学補償シートを作製した。
光学的異方性層中のディスコティック液晶性分子の配向状態を調べたところ、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との平均傾斜角が60゜であって、ディスコティック液晶性分子とポリマーフイルム表面との距離が大きくなると、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との傾斜角が小さくなるように配向(逆ハイブリッド配向)していた。
光学的異方性層の厚さは、4.0μmであった。光学補償シートのレターデーションをエリプソメーター(AEP−100、島津製作所(株)製)で測定したところ、Rthレターデーション値が340nmであった。
【0099】
(偏光素子の作製)
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて、偏光膜を作製した。偏光膜の両側に、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、厚さ100μmのトリアセチルセルロースフイルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を二枚貼り合わせて、偏光素子を作製した。
【0100】
(液晶表示装置の作成)
スプレイ配向液晶セルの両側に、光学補償シートを二枚、トリアセチルセルロースフイルムがセル基板に対面するように貼り付けた。液晶セルのラビング方向と、光学的異方性層のラビング方向とは平行になるように配置した。光学的異方性層の外側に、偏光素子を二枚貼り付けて、液晶表示装置を作成した。偏光素子の偏光軸の方向は互いに直交し、偏光軸と液晶セルのラビング方向とは45゜の角度になるように配置した。
液晶表示装置の液晶セルに、1kHzの矩形波電圧を印加し、白表示2V、黒表示6Vのノーマリーホワイトモードとした。白表示と黒表示との透過率の比をコントラスト比として、上下左右でコントラスト比10が得られる視野角を測定した。結果を第1表に示す。
【0101】
[実施例2]
(光学補償シートの作製)
厚さ100μmのトリアセチルセルロースフイルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)の上に、下記の変性ポリイミドのN−メチル−2−ピロリドン溶液を塗布し、80℃で5分間乾燥し、さらに180℃で60分間加熱した後、ラビング処理を行い、配向膜を形成した。
【0102】
【化25】
【0103】
配向膜の上に、以下の組成の塗布液を#8のバーコーターを用いて塗布し、速度10m/s、温度130℃の風を支持体表面と平行、かつラビング方向とも平行に当てながら、10分間加熱して、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。
【0104】
【0105】
塗布層を130℃に加熱した状態で、高圧水銀灯を用いて600mJ/cm2 の紫外線を照射し、ディスコティック液晶性化合物の末端ビニル基を重合させ、配向状態を固定した。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学的異方性層を形成し、光学補償シートを作製した。
光学的異方性層中のディスコティック液晶性分子の配向状態を調べたところ、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との平均傾斜角が70゜であって、ディスコティック液晶性分子とポリマーフイルム表面との距離が大きくなると、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との傾斜角が小さくなるように配向(逆ハイブリッド配向)していた。
光学補償シートのΔndを測定したところ、400nmであった。
【0106】
(液晶表示装置の作成)
実施例1で作製したスプレイ配向液晶セルの両側に、光学補償シートを二枚、光学的異方性層がセル基板に対面するように貼り付けた。液晶セルのラビング方向と光学的異方性層のラビング方向とは、逆平行になるように配置した。光学補償シートの外側に、実施例1で作製した偏光素子を二枚貼り付けて、液晶表示装置を作成した。偏光素子の偏光軸の方向は互いに直交し、偏光軸と液晶セルのラビング方向とは45゜の角度になるように配置した。
液晶表示装置の液晶セルに、1kHzの矩形波電圧を印加し、白表示2V、黒表示6Vのノーマリーホワイトモードとした。白表示と黒表示との透過率の比をコントラスト比として、上下左右でコントラスト比10が得られる視野角を測定した。結果を第1表に示す。
【0107】
[実施例3]
(光学補償シートの作製)
厚さ60μmのポリスチレンフイルムを光学的異方性ポリマーフイルムとして用いた。ポリスチレンフイルムは、光学的に負の一軸性を示し、光学軸がフイルム面に対して平行であった。また、フイルムのReレターデーションは、200nmであった。
実施例2と同様に、ポリスチレンフイルムの上に配向膜を形成した。配向膜のラビング方向と、ポリスチレンフイルムの光学軸の向きは、平行である。
配向膜の上に、実施例2で用いた組成の塗布液を#4のバーコーターを用いて塗布し、速度10m/s、温度130℃の風を支持体表面と平行、かつラビング方向とも平行に当てながら、10分間加熱して、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。
塗布層を130℃に加熱した状態で、高圧水銀灯を用いて600mJ/cm2 の紫外線を照射し、ディスコティック液晶性化合物の末端ビニル基を重合させ、配向状態を固定した。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学的異方性層を形成し、光学補償シートを作製した。
光学的異方性層中のディスコティック液晶性分子の配向状態を調べたところ、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との平均傾斜角が50゜であって、ディスコティック液晶性分子とポリマーフイルム表面との距離が大きくなると、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との傾斜角が小さくなるように配向(逆ハイブリッド配向)していた。
光学補償シートのΔndを測定したところ、200nmであった。
【0108】
(液晶表示装置の作成)
実施例1で作製したスプレイ配向液晶セルの両側に、光学補償シートを二枚、光学的異方性層がセル基板に対面するように貼り付けた。液晶セルのラビング方向と光学的異方性層のラビング方向とは、逆平行になるように配置した。光学補償シートの外側に、実施例1で作製した偏光素子を二枚貼り付けて、液晶表示装置を作成した。偏光素子の偏光軸の方向は互いに直交し、偏光軸と液晶セルのラビング方向とは45゜の角度になるように配置した。
液晶表示装置の液晶セルに、1kHzの矩形波電圧を印加し、白表示2V、黒表示6Vのノーマリーホワイトモードとした。白表示と黒表示との透過率の比をコントラスト比として、上下左右でコントラスト比10が得られる視野角を測定した。結果を第1表に示す。
【0109】
[実施例4]
(光学的異方性素子の作製)
厚さ60μmのポリカーボネートフイルムを一軸延伸した後、フイルムの厚み方向に延伸して光学的異方性素子を作製した。
光学的異方性素子のReレターデーションは、100nmであった。また、下記式で定義されるNzファクターは、0.5であった。
Nz=(nx−nz)/(nx−ny)
式中、nxおよびnyは、面内の主屈折率であり(nx>ny);nzは、厚さ方向の屈折率であり;そして、dは、厚さである。
【0110】
(液晶表示装置の作成)
実施例1で作製したスプレイ配向液晶セルの両側に、実施例3で作製した光学補償シートを二枚、光学的異方性層がセル基板に対面するように貼り付けた。液晶セルのラビング方向と光学的異方性層のラビング方向とは、逆平行になるように配置した。光学補償シートの一方の外側に、以上のように作製した光学的異方性素子を一枚貼り付けた。液晶セルのラビング方向と光学的異方性素子のnxの方向との角度が45゜になるように配置した。光学的異方性素子の外側に、実施例1で作製した偏光素子を二枚貼り付けて、液晶表示装置を作成した。偏光素子の偏光軸の方向は互いに直交し、偏光軸と液晶セルのラビング方向とは45゜の角度になるように配置した。
液晶表示装置の液晶セルに、1kHzの矩形波電圧を印加し、白表示2V、黒表示6Vのノーマリーホワイトモードとした。白表示と黒表示との透過率の比をコントラスト比として、上下左右でコントラスト比10が得られる視野角を測定した。結果を第1表に示す。
【0111】
[実施例5]
(光学的異方性素子の作製)
厚さ100μmのポリスチレンフイルムを光学的異方性ポリマーフイルムとして用いた。ポリスチレンフイルムは、光学的に負の一軸性を示し、光学軸がフイルム面に対して平行であった。また、波長550nmの光で測定したフイルムのReレターデーションは、200nmであった。
実施例2と同様に、ポリスチレンフイルムの上に配向膜を形成した。配向膜のラビング方向と、ポリスチレンフイルムの光学軸の向きは、平行である。
配向膜の上に、実施例2で用いた組成の塗布液を#3のバーコーターを用いて塗布し、速度10m/s、温度130℃の風を支持体表面と平行、かつラビング方向とも平行に当てながら、10分間加熱して、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。
塗布層を130℃に加熱した状態で、高圧水銀灯を用いて600mJ/cm2 の紫外線を照射し、ディスコティック液晶性化合物の末端ビニル基を重合させ、配向状態を固定した。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学的異方性層を形成し、光学補償シートを作製した。
光学的異方性層中のディスコティック液晶性分子の配向状態を調べたところ、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との平均傾斜角が50゜であって、ディスコティック液晶性分子とポリマーフイルム表面との距離が大きくなると、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との傾斜角が小さくなるように配向(逆ハイブリッド配向)していた。
光学的異方性素子のΔndを測定したところ、160nmであった。
【0112】
(楕円偏光板の作製)
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて、偏光膜を作製した。偏光膜の一方の側に、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記の光学補償シートを、光学的異方性層が外側となるように貼り合わせた。偏光膜の偏光軸と、光学補償シートのラビング方向との角度は、45゜になるように配置した。偏光膜の他方の側に、厚さ100μmのトリアセチルセルロースフイルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を貼り合わせて、楕円偏光板を作製した。
【0113】
(液晶表示装置の作成)
実施例1で作製したスプレイ配向液晶セルの両側に、アクリル系接着剤を用いて、上記の楕円偏光板を、光学的異方性層が液晶セルと対面するように貼り付けて、液晶表示装置を作成した。液晶セルのラビング方向と光学的異方性層のラビング方向とは、逆平行になるように配置した。
液晶表示装置の液晶セルに、1kHzの矩形波電圧を印加し、白表示2V、黒表示6Vのノーマリーホワイトモードとした。白表示と黒表示との透過率の比をコントラスト比として、上下左右でコントラスト比10が得られる視野角を測定した。結果を第1表に示す。
【0114】
【表1】
【0115】
[実施例6]
(ECB液晶セルの作製)
ITO透明電極が設けられたガラス基板の上に、ポリイミド配向膜を設け、ラビング処理を行った。3μmのスペーサーを介して、二枚の基板を配向膜が向かい合うように重ねた。配向膜のラビング方向は逆平行となるように、基板の向きを調節した。基板の間隙に、棒状液晶性分子(ZLI1565、メルク社製)を注入し、液晶層を形成した。液晶性分子のΔnは0.1297であった。
【0116】
(光学補償シートの作製)
厚さ60μmのポリスチレンフイルムを光学的異方性ポリマーフイルムとして用いた。ポリスチレンフイルムは、光学的に負の一軸性を示し、光学軸がフイルム面に対して平行であった。また、フイルムのReレターデーションは、100nmであった。
ポリスチレンフイルムの上に、乾燥膜厚が0.1μmとなるようにゼラチン下塗り層を設けた。ゼラチン下塗り層の上に、実施例1で用いた変性ポリビニルアルコールの溶液をゼラチン層の上に塗布し、80℃の温風で乾燥した後、ラビング処理を行い、配向膜を形成した。配向膜のラビング方向と、ポリスチレンフイルムの光学軸の向きは、平行である。
配向膜の上に、以下の組成の塗布液を#3のワイヤーバーコーターを用いて塗布し、金属の枠に貼り付けて120℃の恒温槽中で3分間加熱して、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。
【0117】
【0118】
塗布層を120℃に加熱した状態で、120W/cmの高圧水銀灯を用いて1分間紫外線を照射し、ディスコティック液晶性化合物の末端ビニル基を重合させ、配向状態を固定した。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学的異方性層(厚さ:1.0μm)を形成し、光学補償シートを作製した。
光学的異方性層中のディスコティック液晶性分子の配向状態を調べたところ、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との平均傾斜角が70゜であった。
光学補償シートのΔndを測定したところ、80nmであった。
【0119】
(液晶表示装置の作成)
ECB液晶セルの両側に、光学補償シートを二枚、ポリスチレンフイルムがセル基板に対面するように貼り付けた。液晶セルのラビング方向と光学的異方性層のラビング方向とは、平行になるように配置した。光学的異方性層の外側に、実施例1で作製した偏光素子を二枚貼り付けて、液晶表示装置を作成した。偏光素子の偏光軸の方向は互いに直交し、偏光軸と液晶セルのラビング方向とは45゜の角度になるように配置した。
液晶表示装置の液晶セルに電圧を印加し、白表示と黒表示との透過率の比をコントラスト比として、上下と左右でコントラスト比10が得られる視野角を測定した。その結果、上下の合計視野角は120゜、左右の合計視野角は140゜であった。
【0120】
[実施例7]
(TN液晶セルの作製)
ITO透明電極が設けられたガラス基板の上に、ポリイミド配向膜を設け、ラビング処理を行った。5μmのスペーサーを介して、二枚の基板を配向膜が向かい合うように重ねた。配向膜のラビング方向が直交するように、基板の向きを調節した。基板の間隙に、棒状液晶性分子(ZL4792、メルク社製)を注入し、液晶層を形成した。液晶性分子のΔnは0.0969であった。
【0121】
(光学補償シートの作製)
厚さ60μmのポリスチレンフイルムを光学的異方性ポリマーフイルムとして用いた。ポリスチレンフイルムは、光学的に負の一軸性を示し、光学軸がフイルム面に対して平行であった。また、フイルムのReレターデーションは、100nmであった。
ポリスチレンフイルムの上に、乾燥膜厚が0.1μmとなるようにゼラチン下塗り層を設けた。ゼラチン下塗り層の上に、実施例1で用いた変性ポリビニルアルコールの溶液をゼラチン層の上に塗布し、80℃の温風で乾燥した後、ラビング処理を行い、配向膜を形成した。配向膜のラビング方向と、ポリスチレンフイルムの光学軸の向きは、平行である。
配向膜の上に、以下の組成の塗布液を#3のバーコーターを用いて塗布し、120℃で10分間加熱して、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。
【0122】
【0123】
【化26】
【0124】
塗布層を130℃に加熱した状態で、高圧水銀灯を用いて600mJ/cm2 の紫外線を照射し、ディスコティック液晶性化合物の末端ビニル基を重合させ、配向状態を固定した。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学的異方性層を形成し、光学補償シートを作製した。
光学的異方性層中のディスコティック液晶性分子の配向状態を調べたところ、ディスコティック液晶性分子の円盤面とポリマーフイルムの平面との平均傾斜角が70゜であった。
光学補償シートのΔndを測定したところ、120nmであった。また、ディスコティック液晶性分子は、45゜ねじれて配向していた。
【0125】
(楕円偏光板の作製)
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて、偏光膜を作製した。偏光膜の一方の側に、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記の光学補償シートを、光学的異方性層が外側となるように貼り合わせた。偏光膜の偏光軸と、ポリスチレンフイルムの光学軸とは、平行になるように配置した。偏光膜の他方の側に、厚さ100μmのトリアセチルセルロースフイルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を貼り合わせて、楕円偏光板を作製した。
【0126】
(液晶表示装置の作成)
TN液晶セルの両側に、楕円偏光板を二枚、光学的異方性層が液晶セル側となるように、アクリル系接着剤を用いて貼り付けて、液晶表示装置を作成した。ポリスチレンフイルムの光学軸と液晶セルのラビング方向ととは、平行になるように配置した。
液晶表示装置の液晶セルに電圧を印加し、白表示と黒表示との透過率の比をコントラスト比として、上下と左右でコントラスト比10が得られる視野角を測定した。その結果、上下の合計視野角は110゜、左右の合計視野角は140゜であった。
【0127】
[実施例8]
(HAN液晶セルの作製)
ITO透明電極が設けたガラス基板と、アルミニウム蒸着により反射電極を設けたガラス基板とを作製した。ITO透明電極が設けたガラス基板の上に、垂直配向膜(RN783、日産化学(株)製)を設けた。アルミニウム反射電極を設けたガラス基板の上には、ポリイミド水平配向膜を設け、ラビング処理を行った。5μmのスペーサーを介して、二枚の基板を配向膜が向かい合うように重ねて、シール材を用いてシールした。基板の間隙に、負の誘電率異方性を有する棒状ネマチック液晶性分子(MJ95785、メルク社製)を真空注入法により注入し、液晶層を形成した。液晶性分子のΔnは0.0813であり、液晶層のΔndの値は、407nmであった。
【0128】
(液晶表示装置の作成)
HAN液晶セルの透明電極を設けた基板の上に、実施例5で作製した光学補償シートを、光学的異方性層が液晶セルの基板と対面するようにアクリル系接着剤で貼り付けた。液晶セルのラビング方向と光学的異方性層のラビング方向とは、平行になるように配置した。光学補償シートの外側に、λ/4板を貼り付け、さらにその外側に実施例1で作製した偏光素子を貼り付けて、液晶表示装置を作成した。λ/4板の遅相軸と偏光素子の偏光軸の方向とは45゜の角度になるように配置した。
液晶表示装置の液晶セルに電圧を印加し、白表示と黒表示との透過率の比をコントラスト比として、上下と左右でコントラスト比10が得られる視野角を測定した。その結果、上下の合計視野角は70゜、左右の合計視野角は80゜であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】スプレイ配向液晶セル内の液晶性化合物の配向を模式的に示す断面図である。
【図2】スプレイ配向液晶セルを用いた液晶表示装置の模式図である。
【図3】光学補償シートによるスプレイ配向液晶セルの光学補償を示す概念図である。
【図4】HANモードの液晶セル内の液晶性化合物の配向を模式的に示す断面図である。
【図5】HANモードの液晶セルを用いた液晶表示装置の模式図である。
【図6】光学補償シートによるHANモードの液晶セルの光学補償を示す概念図である。
【符号の説明】
1 液晶層
1a〜1h 棒状液晶性分子
2a 下配向膜
2b 上配向膜
3a 下透明電極
3b 上透明電極
4a 下基板
4b 上基板
10 液晶セル
11 偏光素子
11a 下偏光素子
11b 上偏光素子
12、12a、12b 光学補償シートまたは光学的異方性層
13 透明支持体
BL バックライト
PAa 下偏光素子の偏光軸の向き
PAb 上偏光素子の偏光軸の向き
RDa、RDb 液晶セルの配向膜のラビング方向
RDc、RDd 光学的異方性素子のラビング方向
RP 反射板
X−X 二枚の配向膜の中間(対称面)
Claims (2)
- 二枚の基板の間隙に棒状液晶性分子が封入されている液晶セル、その両側に配置された一対の偏光素子、液晶セルと両方または一方の偏光素子との間に配置された光学補償シートからなり、黒表示において液晶セルの棒状液晶性分子の長軸方向と基板面との平均傾斜角が50゜未満である透過型液晶表示装置であって、光学補償シートが、外側から順に、透明支持体およびディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層が積層されており、透明支持体が、光学的な負の一軸性を実質的に有し、その光学軸が透明支持体の平面に対して実質的に平行であることを特徴とする液晶表示装置。
- 二枚の基板の間隙に棒状液晶性分子が封入されている液晶セル、光学補償シート、そして偏光素子がこの順に積層されており、黒表示において液晶セルの棒状液晶性分子の長軸方向と基板面との平均傾斜角が50゜未満である反射型液晶表示装置であって、光学補償シートが、偏光素子側から順に、透明支持体およびディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層が積層されており、透明支持体が、光学的な負の一軸性を実質的に有し、その光学軸が透明支持体の平面に対して実質的に平行であることを特徴とする液晶表示装置。
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