JP4116205B2 - 光学補償シート、stn型液晶表示装置およびディスコティック液晶性分子を配向させる方法 - Google Patents
光学補償シート、stn型液晶表示装置およびディスコティック液晶性分子を配向させる方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶を配向させるために支持体上に設けられている液晶配向膜に関する。また、本発明は、支持体平面に対して、50乃至90度の範囲の平均傾斜角で液晶性分子を配向させる方法にも関する。さらに、本発明は、透明支持体上にディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層を有する光学補償シートにも関する。さらにまた、本発明は、STN型液晶表示装置にも関する。
【0002】
【従来の技術】
STN型液晶表示装置は、STN型液晶セル、二枚の偏光板およびSTN型液晶セルと偏光板との間に設けられる光学補償シート(位相差板)からなる構成を有する。液晶セルは、棒状液晶性分子、それを封入するための二枚の基板および棒状液晶性分子に電圧を加えるための電極層からなる。STN型液晶セルでは、棒状液晶性分子を配向させるための配向膜が、二枚の基板に設けられる。さらに、カイラル剤を用いて、棒状液晶性分子を90度以上、特に180乃至360度にねじれ配向させる。
【0003】
光学補償シートがないSTN型液晶表示装置では、棒状液晶分子の複屈折性のため、表示画像がブルーまたはイエローに着色する。表示画像の着色は、モノクロ表示でもカラー表示でも不都合である。光学補償シートは、このような着色を解消して、明るい鮮明な画像を得るために用いられる。光学補償シートにはまた、液晶セルの視野角を拡大する機能を付与する場合もある。光学補償シートとしては、延伸複屈折フイルムが従来から使用されていた。延伸複屈折フイルムを用いたSTN型液晶表示装置用の光学補償シートについては、特開平7−104284号、同7−13021号の各公報に記載がある。
【0004】
延伸複屈折フイルムからなる光学補償シートに代えて、透明支持体上にディスコティック液晶性分子を含む光学的異方性層を有する光学補償シートを使用することが提案されている。光学的異方性層は、ディスコティック液晶性分子を配向させ、その配向状態を固定することにより形成する。ディスコティック液晶性分子は、一般に大きな複屈折率を有する。そして、ディスコティック液晶性分子には、多様な配向形態がある。ディスコティック液晶性分子を用いることで、従来の延伸複屈折フイルムでは得ることができない光学的性質を有する光学補償シートを製造することが可能になる。ディスコティック液晶性分子を用いた光学補償シートについては、特開平6−214116号公報、米国特許第5583679号明細書、同5646703号明細書、ドイツ公開特許公報第3911620A1号明細書に記載がある。ただし、これらの光学補償シートは、主な用途としてTN型液晶表示装置を想定して設計されている。
【0005】
STN型液晶表示装置では、前述のように、90度よりも大きく超ねじれ配向させた棒状液晶性分子を複屈折モードで用いる。STN型液晶表示装置には、能動素子(薄膜トランジスターやダイオード)がない単純マトリックス電極構造でも、時分割駆動によって大容量の鮮明な表示が可能であるとの特徴がある。
ディスコティック液晶性分子を用いてSTN型液晶セルを光学補償するためには、ディスコティック液晶性分子を実質的に垂直に配向(ホモジニアス配向)させる必要がある。ディスコティック液晶性分子は、さらに、ねじれ配向させることが好ましい。
【0006】
特開平9−26572号公報には、ディスコティック液晶性分子をねじれ配向させた光学補償シートが開示されている。さらに、同公報の図面には、ディスコティック液晶性分子を実質的に垂直に配向させた状態が示されている。同公報に開示されている方法では、ガラス基板にディスコティック液晶性分子を含む材料を塗布・乾燥後、基板に平行に磁場を印加することによって、ディスコティック液晶性分子を実質的に垂直に配向させている。
【0007】
しかし、上記の方法では、ディスコティック液晶性分子の配向に特別の装置を必要とし、また、その配向についても高い再現性を得るのは困難であると考えられる。
【0008】
液晶セルに使用する棒状液晶性分子を、配向膜を用いて実質的に垂直に配向(ホメオトロピック配向)させる研究も進められている。しかし、棒状液晶性分子用の配向膜を使用するのみでは、ディスコティック液晶性分子を配向膜界面から空気界面まで実質的に垂直に配向させることは難しいと考えられる。従って、特別の装置を用いることなく、ディスコティック液晶性分子を配向膜界面から空気界面まで実質的に垂直に配向させることのできる方法の開発が求められている。また、液晶素子の耐久性を向上させるべく、配向膜にその機能を持たせる工夫も必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、液晶性分子(特にディスコティック液晶性分子)を実質的に垂直に配向させ、さらに液晶素子の耐久性を向上させる機能を付与できる方法として、光学的異方性層との密着機能を有し、垂直配向を可能にする液晶配向膜を提供することにある。
また、本発明の目的は、液晶性分子を垂直かつ均一な方向に安定に配向させる方法を提供することにもある。
さらに、本発明の目的は、特にSTN型液晶表示装置に適した光学補償シートを提供することでもある。
さらにまた、本発明の目的は、高コントラストの鮮明な画像が得られるSTN型液晶表示装置を提供することにもある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、透明支持体上に設けられている液晶配向膜であって、液晶配向膜が下記式で表される繰り返し単位を有するポリマーを含むことを特徴とする液晶配向膜:
【0011】
【化4】
【0012】
[式中、Xは、芳香族環、脂肪族環または複素環を含む四価の基を表し;Yは、芳香族環を含む二価の基を表す;但し、XおよびYの内少なくとも一つは、置換基として炭素原子数が10乃至100の炭化水素基を有する;L0は、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−NH−、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表し;Qは、重合性基を表し;R1は、−L0−Qあるいは−O−Mを表し;Mは、水素原子、アルカリ金属原子、および置換基を有していてもよいアンモニウム基からなる群より選ばれる原子もしくは基を表す]にある。
【0013】
本発明の液晶配向膜の好ましい態様は、炭素原子数が10乃至100の炭化水素基が、ステロイド基を有することを特徴とする液晶配向膜である。
【0014】
本発明は、また、透明支持体上に、液晶配向膜およびディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層をこの順に有する光学補償シートであって、液晶配向膜が下記式:
【0015】
【化5】
【0016】
[式中、Xは、芳香族環、脂肪族環または複素環を含む四価の基を表し;Yは、芳香族環を含む二価の基を表す;但し、XおよびYの内少なくとも一つは、置換基として炭素原子数が10乃至100の炭化水素基を有する;L0は、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−NH−、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表し;Qは、重合性基を表し;R1は、−L0−Qあるいは−O−Mを表し;Mは、水素原子、アルカリ金属原子、および置換基を有していてもよいアンモニウム基からなる群より選ばれる原子もしくは基を表す]
で表される繰り返し単位を有するポリマーを含み、ディスコティック液晶性分子が透明支持体表面に対して50乃至90度の範囲の平均傾斜角で配向していることを特徴とする光学補償シートにもある。
【0017】
本発明の光学補償シートの好ましい態様は、光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子がねじれ配向しており、ねじれ角が90乃至360度の範囲にあることを特徴とする光学補償シートである。
【0018】
本発明は、さらに、STN型液晶セル、その両側のそれぞれに配置された偏光板、およびSTN型液晶セルと一方または両方の偏光板との間に配置された光学補償シートからなるSTN型液晶表示装置であって、光学補償シートが透明支持体、液晶配向膜およびディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層を偏光板側からこの順に有し、液晶配向膜が下記式:
【0019】
【化6】
【0020】
[式中、Xは、芳香族環、脂肪族環または複素環を含む四価の基を表し;Yは、芳香族環を含む二価の基を表す;但し、XおよびYの内少なくとも一つは、置換基として炭素原子数が10乃至100の炭化水素基を有する;L0は、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−NH−、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表し;Qは、重合性基を表し;R1は、−L0−Qあるいは−O−Mを表し;Mは、水素原子、アルカリ金属原子、および置換基を有していてもよいアンモニウム基からなる群より選ばれる原子もしくは基を表す]
で表される繰り返し単位を有するポリマーを含み、光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子が、90乃至360度の範囲のねじれ配向をしながら、透明支持体表面に対して50乃至90の範囲の平均傾斜角で配向していることを特徴とするSTN型液晶表示装置にもある。
【0021】
本発明は、さらにまた、下記式:
【0022】
【化7】
【0023】
[式中、Xは、芳香族環、脂肪族環または複素環を含む四価の基を表し;Yは、芳香族環を含む二価の基を表す;但し、XおよびYの内少なくとも一つは、置換基として炭素原子数が10乃至100の炭化水素基を有する;L0は、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−NH−、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表し;Qは、重合性基を表し;R1は、−L0−Qあるいは−O−Mを表し;Mは、水素原子、アルカリ金属原子、および置換基を有していてもよいアンモニウム基からなる群より選ばれる原子もしくは基を表す]
で表される繰り返し単位を有するポリマーを含む液晶配向膜を用いて、透明支持体表面に対して50乃至90度の範囲の平均傾斜角でディスコティック液晶性分子を配向させる方法にもある。
【0024】
本明細書において、ディスコティック液晶性分子の平均傾斜角は、ディスコティック液晶性分子の円盤面と支持体の面(あるいは配向膜の面)との平均角度を意味する。そして、ディスコティック液晶性分子が50乃至90度の範囲の平均傾斜角で配向している状態を、ディスコティック液晶性分子が実質的に垂直に配向していると称する。
【0025】
【発明の効果】
本発明者は研究の結果、重合性基を有するテトラカルボン酸とジアミンとの部分縮合体を繰り返し単位とするポリマーを液晶配向膜に用いて、配向膜表面に対して液晶性分子を実質的に垂直に配向させることに成功した。
上記のポリマーを有する液晶配向膜は、従来の配向膜よりも垂直配向膜としての機能が優れており、液晶性分子を実質的に垂直かつ均一な方向に安定に配向させることができる。
従来の垂直配向膜は、垂直配向膜を有する二枚の基板の間に液晶性分子を注入することで、液晶性分子を垂直に配向させていた。しかし、垂直配向膜を有する基板が1枚の場合は、基板と反対側の界面(空気界面)近傍の液晶性分子の傾斜角が小さくなり、液晶性分子の垂直配向が不充分であった。本発明の液晶配向膜を用いると、一枚の基板をのみを用いても液晶性分子の垂直配向が達成できる。また、二枚の基板を用いる場合には、従来よりも良好な垂直配向を達成できる。
また、本発明の垂直配向膜を使用することによって、上記ポリマーと重合性基を有する液晶性分子とを、垂直配向膜と光学的異方性層との界面を介して化学的に結合させることができるため、垂直配向膜と透明支持体あるいは光学的異方性層との密着性を向上させる。これにより、液晶配向膜を用いた液晶素子の耐久性を改善することができる。
ディスコティック液晶性分子を実質的に垂直かつ均一な方向に安定に配向させる手段、および密着性をさらに向上させる手段が得られたことで、STN型液晶表示装置に適した光学補償シートを製造することが可能になった。ディスコティック液晶性分子を実質的に垂直に配向させた(好ましくは、さらにねじれ配向させた)光学補償シートを用いることで、高コントラストの鮮明な画像を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、STN型液晶表示装置の電圧無印加(オフ)の画素部分における液晶セル内の棒状液晶性分子の配向状態と光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子の配向状態とを模式的に示す断面図である。
図1に示すように、液晶セルは、上基板(11)の下側の配向膜(12)と下基板(15)の上側の配向膜(14)との間に、棒状液晶性分子(13a〜13e)を封入して形成した液晶層を有する。配向膜(12、14)と液晶層に添加したカイラル剤との機能により、棒状液晶性分子(13a〜13e)は、図1に示すように、ねじれ配向している。
なお、図1では省略したが、液晶セルの上基板(11)と下基板(15)は、それぞれ、電極層を有する。電極層は、棒状液晶性分子(13a〜13e)に電圧を印加する機能を有する。
STN型液晶セルの印加電圧が0であると(電圧無印加時)、図1に示すように、棒状液晶性分子(13a〜13e)は、配向膜(12、14)の面とほぼ平行(水平方向に)に配向している。そして、棒状液晶性分子(13a〜13e)は、厚み方向に沿ってねじれながら、水平面内で螺旋を巻く(図1では、13aから13eまで反時計回りにほぼ240度)ような方向に配向している。
なお、STN型液晶セルの電圧印加(オン)時には、液晶セル内の中央部分の棒状液晶性分子(13b〜13d)は、電圧無印加(オフ)時と比較して、より垂直に配向(電場方向と平行に再配列)する。配向膜(12、14)近傍の棒状液晶性分子(13a、13e)の配向状態は、電圧を印加しても実質的に変化しない。
【0027】
液晶セルの下側に、光学補償シートが配置されている。図1に示す光学補償シートは、透明支持体(23)上に、配向膜(22)および光学的異方性層をこの順で有する。光学的異方性層は、ディスコティック液晶性分子(21a〜21e)を配向させ、その配向状態で分子を固定して得られた層である。
本発明では、図1に示すように、ディスコティック液晶性分子(21a〜21e)の円盤面を、配向膜(22)の面に対して実質的に垂直に配向させる。そして、図1に示すように、ディスコティック液晶性分子(21a〜21e)は、厚み方向に沿ってねじれながら、水平面内で螺旋を巻く(図1では、21aから21eまで時計回りにほぼ240度)ような方向に配向させることが好ましい。
図1では、棒状液晶性分子とディスコティック液晶性分子とが、13aと21e、13bと21d、13cと21c、13dと21b、そして13eと21aのそれぞれが対応する関係になっている。すなわち、棒状液晶性分子13aをディスコティック液晶性分子21eが光学的に補償し、以下同様に、棒状液晶性分子13eを、ディスコティック液晶性分子21aが光学的に補償する。それぞれの対応関係については、図2で説明する。
【0028】
図2は、液晶セルの棒状液晶性分子と、それを光学補償する関係にある光学補償シートのディスコティック液晶性分子について、それぞれの屈折率楕円体を示す模式図である。
液晶セルの棒状液晶性分子の屈折率楕円体(13)は、配向膜に平行な面内の屈折率(13x、13y)と液晶セルの厚み方向の屈折率(13z)により形成される。STN型液晶セルでは、配向膜に平行な面内の一方向の屈折率(13x)が大きな値となり、それに垂直な方向の面内の屈折率(13y)と液晶セルの厚み方向の屈折率(13z)は、小さな値となる。そのため、屈折率楕円体(13)は、図2に示すようなラグビーボールを横に寝かせた形状になる。このように球状ではない屈折率楕円体を有する液晶セルでは、複屈折性に角度依存性が生じる。この角度依存性を、光学補償シートを用いて解消する。
【0029】
この棒状液晶性分子を光学補償する関係にある光学補償シートのディスコティック液晶性分子の屈折率楕円体(21)も、配向膜に平行な面内の屈折率(21x、21y)と光学的異方性層の厚み方向の屈折率(21z)により形成される。本発明では、ディスコティック液晶性分子を実質的に垂直に配向させることで、配向膜に平行な面内の一方向の屈折率(21x)が小さな値となり、それに垂直な方向の面内の屈折率(21y)と光学的異方性層の厚み方向の屈折率(21z)は、大きな値となる。そのため、屈折率楕円体(21)は、図2に示すような円盤を立てた形状になる。
以上の関係から、液晶セル(1)に生じたレターデーションを、光学補償シート(2)により相殺することができる。すなわち、棒状液晶性分子の屈折率(13x、13y、13z)、ディスコティック液晶性分子の屈折率(21x、21y、21z)、ディレクターの方向が同じである棒状液晶性分子層の厚み(13t)およびディスコティック液晶性分子層の厚み(21t)を、以下の式を満足するように液晶表示装置を設計すれば、液晶セルの角度依存性を解消できる。
│(13x−13y)×13t│=│(21x−21y)×21t│
│(13x−13z)×13t│=│(21x−21z)×21t│
【0030】
図3は、STN型液晶表示装置の層構成を示す模式図である。
図3の(a)に示す液晶表示装置では、バックライト(BL)側から順に、下偏光板(3a)、下光学補償シート(2a)、STN型液晶セル(1)、そして上偏光板(3b)の順に配置されている。
図3の(b)に示す液晶表示装置では、バックライト(BL)側から順に、下偏光板(3a)、下光学補償シート(2a)、上光学補償シート(2b)、STN型液晶セル(1)、そして上偏光板(3b)の順に配置されている。
図3の(c)に示す液晶表示装置では、バックライト(BL)側から順に、下偏光板(3a)、STN型液晶セル(1)、上光学補償シート(2b)、そして上偏光板(3b)の順に配置されている。
図3の(d)に示す液晶表示装置では、バックライト(BL)側から順に、下偏光板(3a)、STN型液晶セル(1)、下光学補償シート(2a)、上光学補償シート(2b)、そして上偏光板(3b)の順に配置されている。
図3の(e)に示す液晶表示装置では、バックライト(BL)側から順に、下偏光板(3a)、下光学補償シート(2a)、STN型液晶セル(1)、上光学補償シート(2b)、そして上偏光板(3b)の順に配置されている。
【0031】
図3には、矢印として、下偏光板(3a)の透過軸(TAa)、下光学補償シート(2a)の配向膜近傍のディスコティック液晶性分子の円盤面の法線(ディレクター)方向(DDa)、下光学補償シート(2a)の液晶セル近傍のディスコティック液晶性分子の円盤面の法線(ディレクター)方向(DDb)、液晶セル(1)の下配向膜のラビング方向(RDa)、液晶セル(1)の上配向膜のラビング方向(RDb)、上光学補償シート(2a)の液晶セル近傍のディスコティック液晶性分子の円盤面の法線(ディレクター)方向(DDc)、上光学補償シート(2a)の配向膜近傍のディスコティック液晶性分子の円盤面の法線(ディレクター)方向(DDd)、および上偏光板(3b)の透過軸(TAb)を示した。それぞれの正確な角度については、図4および図5において説明する。
【0032】
図4は、STN型液晶表示装置の各要素について、好ましい光学的方向を示す平面図である。図4は、正面コントラストを重視した配置である。
図4の(a)は、図3の(a)に示すように、下偏光板とSTN型液晶セルとの間に光学補償シートを一枚有する場合である。
図4の(b)は、図3の(b)に示すように、下偏光板とSTN型液晶セルとの間に光学補償シートを二枚有する場合である。
図4の(c)は、図3の(c)に示すように、STN型液晶セルと上偏光板との間に光学補償シートを一枚有する場合である。
図4の(d)は、図3の(d)に示すように、STN型液晶セルと上偏光板との間に光学補償シートを二枚有する場合である。
図4の(e)は、図3の(e)に示すように、下偏光板とSTN型液晶セルとの間に光学補償シートを一枚およびSTN型液晶セルと上偏光板との間に光学補償シートを一枚の合計二枚有する場合である。
Xは基準(0度)となる方向であり、それぞれの矢印の意味は、図3で説明した通りである。なお、下偏光板の透過軸(TAa)と上偏光板の透過軸(TAb)とを入れ替えた配置にしてもよい。
【0033】
図5は、STN型液晶表示装置の各要素について、別の好ましい光学的方向を示す平面図である。図5は、色味を重視した配置である。
図5の(a)は、図3の(a)に示すように、下偏光板とSTN型液晶セルとの間に光学補償シートを一枚有する場合である。
図5の(b)は、図3の(b)に示すように、下偏光板とSTN型液晶セルとの間に光学補償シートを二枚有する場合である。
図5の(c)は、図3の(c)に示すように、STN型液晶セルと上偏光板との間に光学補償シートを一枚有する場合である。
図5の(d)は、図3の(d)に示すように、STN型液晶セルと上偏光板との間に光学補償シートを二枚有する場合である。
図5の(e)は、図3の(e)に示すように、下偏光板とSTN型液晶セルとの間に光学補償シートを一枚およびSTN型液晶セルと上偏光板との間に光学補償シートを一枚の合計二枚有する場合である。
Xは基準(0度)となる方向であり、それぞれの矢印の意味は、図3で説明した通りである。なお、下偏光板の透過軸(TAa)と上偏光板の透過軸(TAb)とを入れ替えた配置にしてもよい。
【0034】
次に、液晶表示装置の各構成要件について詳細に説明する。
[支持体]
支持体の種類は、配向させた液晶性分子の用途に応じて決定する。
液晶性分子を液晶セルに用いる場合、透明電極層(例、ITO)が設けられたガラス基板が支持体として普通に用いられる。透明電極層の上に上記の液晶配向膜を形成した支持体を二枚準備し、液晶配向膜が対面するように配置し、その間隙に(後述する)棒状液晶性分子を封入して、液晶セルを形成する。間隙は、スペーサーにより形成する。
液晶性分子を光学補償シートに用いる場合、ポリマーフイルムからなる透明支持体が普通に用いられる。透明支持体としては、光学的異方性が小さいポリマーフイルムを用いることが好ましい。支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。光学的異方性が小さいとは、具体的には、面内レターデーション(Re)が20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがさらに好ましく、5nm以下であることが最も好ましい。また、厚み方向のレターデーション(Rth)は、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがさらに好ましく、30nm以下であることが最も好ましい。面内レターデーション(Re)と厚み方向のレターデーション(Rth)は、それぞれ下記式で定義される。
Re=(nx−ny)×d
Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d
式中、nxおよびnyは、透明支持体の面内屈折率であり、nzは透明支持体の厚み方向の屈折率であり、そしてdは透明支持体の厚さである。
【0035】
ポリマーの例には、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートが含まれる。セルロースエステルが好ましく、アセチルセルロースがさらに好ましく、トリアセチルセルロースが最も好ましい。ポリマーフイルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。
透明支持体の厚さは、20乃至500μmであることが好ましく、50乃至200μmであることがさらに好ましい。
透明支持体とその上に設けられる層(接着層、垂直配向膜あるいは光学的異方性層)との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
【0036】
[配向膜]
本発明では、重合性基を含むテトラカルボン酸とジアミンとの部分縮合体を繰り返し単位として含むポリアミック酸あるいはポリアミック酸塩を液晶配向膜に用いる。重合性基をテトラカルボン酸由来のカルボキシル基の少なくとも一つに導入することによって、該部分縮合体を繰り返し単位とするポリマーと重合性基を有する液晶性分子とを、液晶配向膜と光学的異方性層との界面を介して化学的に結合させることができ、液晶配向膜と光学的異方性層との密着性を向上させることができる。これにより、液晶配向膜を用いた液晶素子の耐久性の向上を図ることができる。重合性基の種類は、後述する液晶性分子の重合性基の種類に応じて決定する。
重合性基を含むテトラカルボン酸とジアミンとの部分縮合体である繰り返し単位は、下記式(I)で表される。
【0037】
【化8】
【0038】
【化9】
【0039】
上記式中、Xは、芳香族環、脂肪族環または複素環を含む四価の基を表す。Yは、芳香族環を含む二価の基を表す。本発明者の研究によれば、液晶性分子(特にディスコティック液晶性分子)を垂直に配向させるためには、ポリマーの官能基により配向膜の表面エネルギーを低下させ、これにより液晶性分子を立てた状態にする。配向膜の表面エネルギーを低下させる官能基としては、炭素原子数が10乃至100の炭化水素基が有効である。従って、XおよびYの内少なくとも一方は、置換基として、炭素原子数が10乃至100の炭化水素基を有する。
【0040】
R1は、−L0−Qあるいは−O−Mを表す。L0は、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−NH−、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。L0は、−O−、−NH−、−O−アルキレン−、−NH−アルキレン−、−O−アルキレン−O−、−NH−アルキレン−O−、−O−アルキレン−CO−O−、−NH−アルキレン−CO−O−、−NH−アルキレン−CO−NH−、−O−アルキレン−O−CO−、−O−アリーレン−O−アルキレン−O−CO−、−O−アリーレン−O−アルキレン−O−、−O−アリーレン、−NH−アルキレン−O−CO−、および−NH−アリーレン−O−アルキレン−O−CO−であることが好ましい。
Qは、後述する[光学的異方性層]で記載する重合性基を表す。重合性基の種類は、後述するディスコティック液晶性分子の重合性基(Q)の種類に応じて決定する。液晶性分子の重合性基(Q)は、後述するように、不飽和重合性基(後述する例示のQ1〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリジニル基(Q9)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q1〜Q6)であることが最も好ましい。配向膜のポリマーの重合性基も同様に、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが最も好ましい。
Mは、水素原子、アルカリ金属原子、および置換基を有していてもよいアンモニウム基からなる群より選ばれる原子もしくは基を表す。
水性溶媒で配向膜が形成できる点を考慮すると、R1は、−O−Mを表すことが好ましく、Mは、水素原子以外の基または原子を表すことが好ましい。
ポリマーは、二以上の重合性基を有していてもよい。
【0041】
上記芳香族環の例には、ベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、アズレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、アセナフチレン環、ビフェニレン環、ナフタセン環、トリフェニレン環およびピレン環が含まれる。芳香族環としては、ベンゼン環であることが好ましく、二つのベンゼン環がエチニレンにより結合したトラン基であることが特に好ましい。
上記複素環は最多二重結合を含むことが好ましい。複素環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環およびピラジン環が含まれる。複素環としては、ピラン環であることが好ましい。
上記脂肪族環は、飽和脂肪族環であることが好ましい。飽和脂肪族環の例には、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環およびシクロヘプタン環が含まれる。飽和脂肪族環としては、シクロヘキサン環であることが好ましい。
上記アルキレン基は、分岐または環状構造を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至30であることが好ましく、1乃至20であることがより好ましく、1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至12であることが最も好ましい。
上記アルケニレン基は、分岐または環状構造を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至6であることが最も好ましい。
上記アルキニレン基は、分岐または環状構造を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至6であることが最も好ましい。
上記アリーレン基は、フェニレンまたはナフチレンであることが好ましく、フェニレンであることがさらに好ましく、p−フェニレンであることが最も好ましい。アリーレン基は、置換基を有していてもよい。
アルカリ金属原子としては、ナトリウムあるいはカリウムであることが好ましい。
置換基を有していてもよいアンモニウム基としては、 NH(C2H5)3、NH(CH2CHOHCH3)3、NH3C2H5、NH3(n−C3H7)、NH3(n−C4H9)、NH2(C2HOH)2 、NH2(C2H5)2 、NH2(i−C3H7)2 、NH2(n−C3H7)2 、NH2CH3(n−C4H9) 、NH2(CH3)2 、NH2(n−C4H9)2 、NHC2H5(i−C3H7)およびNHCH3(n−C4H9)2 を挙げることができる。
【0042】
炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基またはそれらの組み合わせである。脂肪族基は、環状、分岐状あるいは直鎖状のいずれでもよい。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基であってもよい)またはアルケニル基(シクロアルケニル基であってもよい)であることが好ましい。炭化水素基は、ハロゲン原子のような強い親水性を示さない置換基を有していてもよい。炭化水素基の炭素原子数は、10乃至100であることが好ましく、10乃至60であることがさらに好ましく、10乃至40であることが最も好ましい。
炭化水素基は、ステロイド構造を有することが好ましい。ステロイド構造は、炭素原子数が10乃至100の炭化水素基に相当し、ディスコティック液晶性分子を垂直に配向させる機能を有する。本明細書においてステロイド構造とは、シクロペンタノヒドロフェナントレン環構造またはその環の結合の一部が脂肪族環の範囲(芳香族環を形成しない範囲)で二重結合となっている環構造を意味する。
また、炭化水素基は、フッ素置換炭化水素基を有することも好ましい。
【0043】
重合性基を有するテトラカルボン酸とジアミンとの部分縮合体を繰り返し単位として含むポリアミック酸あるいはポリアミック酸塩の具体例を、部分縮合体の繰り返し単位がテトラカルボン酸起源の繰り返し単位とジアミン起源の繰り返し単位とから構成されることから、以下に、重合性基を有するテトラカルボン酸起源の繰り返し単位(I)で示し、ジアミン起源の繰り返し単位については、後述する。テトラカルボン酸およびYは、前記一般式(I)において、それぞれ、X、Yを構造の主骨格にして表される。以下の例は、二個のカルボキシル基が何れも−L0−Qによって置換されている場合である。
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】
【化12】
【0047】
【化13】
【0048】
【化14】
【0049】
ポリアミック酸あるいはポリアミック酸塩の重合度は、200乃至5000であることが好ましく、300乃至3000であることが特に好ましい。ポリアミック酸あるいはポリアミック酸塩の分子量は、9000乃至200000であることが好ましく、13000乃至130000であることが特に好ましい。二種類以上のポリアミック酸あるいはポリアミック酸塩を併用してもよい。ここで、ポリアミック酸およびポリアミック酸塩は、下記のようにして得ることができる。ポリアミック酸は、テトラカルボン酸とジアミンとの部分縮合反応により合成する。すなわち、テトラカルボン酸の四個のカルボン酸基の内の二個とジアミンとを反応させてアミド結合を形成する。また、ポリアミック酸塩は、上記のようにして合成されたポリアミック酸を塩基で中和することにより得られる。塩基としては、アルカリ金属の水酸化物(例、KOH、NaOH)、アンモニアおよび有機塩基が好ましく用いられる。有機塩基としては、脂肪族アミンが好ましい。ポリイミドは、テトラカルボン酸の四個のカルボキシル基とジアミンとを反応させてイミド結合を形成する。
【0050】
ポリアミック酸(あるいはポリアミック酸塩)は、テトラカルボン酸とジアミンとの部分縮合を行う以前の、重合性基を有するテトラカルボン酸のみを繰り返し単位(実際には、テトラカルボン酸起源を繰り返し単位)として、このものと上記記載のポリアミック酸(あるいはポリアミック酸塩)とコポリマーを形成していてもよい。上記記載のポリアミック酸(あるいはポリアミック酸塩)をポリイミドに変換し、このものとコポリマーを形成してもよい。コポリマーの形成に用いられる上記のポリアミック酸(あるいはポリアミック酸塩)は、二個のカルボキシル基の少なくとも一方に重合性基が導入されているもの、または、二個のカルボキシル基の何れにも重合性基が導入されていないもの、の何れであってもよい。
【0051】
重合性基を有するテトラカルボン酸起源の繰り返し単位と、テトラカルボン酸とジアミンとの部分縮合体とのコポリマー(PA)は、下記式で表されることが好ましい。
(PA) −(PAA)x−(I)y−
式中、PAAは、テトラカルボン酸とジアミンとの部分縮合体であり、Iは、上記記載の重合性基を有するテトラカルボン酸起源の繰り返し単位である。xは、5乃至99モル%(好ましくは、3乃至95モル%)であり、yは、1乃至95モル%(好ましくは、1至70モル%)である。
好ましい繰り返し単位(PAA)を下記式で示す。
【0052】
【化15】
【0053】
上記式中、XおよびYは、何れも一般式(I)に記載したX、Yと同様の意味である。R2およびR3は、互いに独立に、一般式(I)におけるR1と同様の意味を有する。
【0054】
テトラカルボン酸起源の繰り返し単位(I)中の二個のカルボキシル基の何れにも重合性基が導入されている場合には、テトラカルボン酸とジアミンとの部分縮合体(PAA)は、R2あるいはR3のどちらか一方が−O−Mである縮合体であることが好ましく、R2およびR3が共に−O−Mである縮合体であることが特に好ましい。コポリマーはポリアミック酸塩のコポリマーであることが好ましい。そのため、Mは、アルカリ金属原子あるいは置換基を有していてもよいアンモニウム基であることが好ましい。
【0055】
テトラカルボン酸とジアミンとの部分縮合体(PAA)の具体例を、以下にテトラカルボン酸起源の繰り返し単位(イミド構造の窒素原子はジアミン由来)とジアミン起源の繰り返し単位とに分けて順に示す。
まず、好ましいテトラカルボン酸起源の繰り返し単位の例を以下に示す。
【0056】
【化16】
【0057】
【化17】
【0058】
【化18】
【0059】
【化19】
【0060】
【化20】
【0061】
(A8)M:Na
(A9)M:NH(C2 H5 )3
(A10)M:NH(CH2 CHOHCH3 )3
(A11)M:NH3 C2 H5
(A12)M:NH3 n−C3 H7
(A13)M:NH3 n−C4 H9
(A14)M:NH2 (C2 H4 OH)2
(A15)M:NH2 (C2 H5 )2
(A16)M:NH2 (i−C3 H7 )2
(A17)M:NH2 (n−C3 H7 )2
(A18)M:NH2 CH3 n−C4 H9
(A19)M:NH2 (CH3 )2
(A20)M:NH2 (n−C4 H9 )2
(A21)M:NHC2 H5 i−C3 H7
(A22)M:NHCH3 (n−C4 H9 )2
【0062】
ジアミン起源の繰り返し単位の例を以下に示す。
【0063】
【化21】
【0064】
【化22】
【0065】
【化23】
【0066】
【化24】
【0067】
【化25】
【0068】
【化26】
【0069】
【化27】
【0070】
【化28】
【0071】
【化29】
【0072】
【化30】
【0073】
前記式(PA)の末端に、繰り返し単位とは異なる基が結合していてもよい。末端基の例を以下に示す。
【0074】
【化31】
【0075】
【化32】
【0076】
カルボキシル基の少なくとも一つに重合性基が導入されたポリアミッ酸塩のコポリマーの例を、テトラカルボン酸起源の繰り返し単位(A)、ジアミン起源の繰りし単位(B)、重合性基を有するテトラカルボン酸起源の繰り返し単位(I)および末端基(E)の番号を引用しながら示す。コポリマー中の繰り返し単位の割合は、モル%である。
【0077】
PA1:−(A9−B1)98−(I8)2−
PA2:−(A1−B1)95−(I1)5−
PA3:−(A1−B1)90−(A1−B2)7−(I1)3−
PA4:−(A2−B4)98−(I2)2−
PA5:−(A3−B8)98−(I3)2−
PA6:−(A2−B11)98.5−(I2)1.5−
PA7:−(A2−B11)50−(A4−B21)48−(I2)2−
PA8:−(A4−B11)96−(I4)4−
PA10:−(A5−B13)98.5−(I5)1.5−
PA11:−(A6−B23)97−(I6)3−
PA12:−(A6−B23)97−(I6)3−
PA13:−(A7−B1)98−(I7)2−
PA14:−(A7−B6)98−(I7)2−
PA15:−(A8−B12)98.5−(I8)1.5−
PA16:−(A9−B19)98−(I8)2−
PA17:−(A10−B22)98−(I8)2−
PA18:−(A11−B25)98.5−(I8)1.5−
PA19:E1−(A4−B1)97−(I4)3−E4
PA20:E3−(A6−B21)98−(I6)3−E6
【0078】
PA21:−(A9−B1)98−(I9)2−
PA22:−(A9−B1)98−(I10)2−
PA23:−(A9−B1)98−(I11)2−
PA24:−(A9−B1)98−(I12)2−
PA25:−(A9−B1)98−(I13)2−
PA26:−(A9−B1)98−(I14)2−
PA27:−(A9−B1)98−(I15)2−
PA28:−(A9−B1)98−(I16)2−
PA29:−(A9−B1)98−(I17)2−
【0079】
上記記載の重合性基を有するポリアミック酸塩のコポリマーは、例えば、カルボキシル基を公知の方法で活性化し、これと、塩基の存在下にて重合性基を有するイソシアネート体、アルコール体、アミン体等とを反応させることによって容易に合成することができる。カルボキシル基とのアミド結合、カルボキシル基とのエステル結合等には、他の公知の反応を使用することもできる。
【0080】
液晶配向膜に用いるポリマーを架橋させてもよい。架橋反応は、液晶配向膜の塗布液の塗布と同時または塗布後に実施することが好ましい。
ポリマーの架橋は、架橋剤を用いて形成できる。架橋剤の例には、エポキシ化合物(例、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)、アルデヒド(例、ホルムアルデヒド、グリオキサール、グルタルアルデヒド、マロンアルデヒド、フタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、スクシンアルデヒド、イソフタルアルデヒド、ジアルデヒド澱粉)、N−メチロール化合物(例、ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒダントイン)、ジオキサン(例、2,3−ジヒドロキシジオキサン)、カルベニウム、2−ナフタレートスルホナート、1,1−ビスピロリジノ−1−クロロピリジニウム、1−モルホリノカルボニル−3−(スルホナトアミノメチル)、活性ビニル化合物(例、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホン)メタン、N,N’−メチレンビス−[β−(ビニスルホニル)プロピオンアミド)、活性ハロゲン化合物(例、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン)およびイソオキサゾール類が含まれる。ポリマーがポリイミドまたはポリアミック酸(またはその塩)である場合は、架橋剤としてエポキシ化合物を用いることが好ましい。
【0081】
ポリアミック酸(またはその塩)の塗布液を支持体上に塗布することにより、液晶配向膜を形成することができる。配向膜の厚さは、0.1乃至10μmであることが好ましい。
配向膜の形成において、ラビング処理を実施することが好ましい。ラビング処理は、上記のポリアミック酸(またはその塩)を含む膜の表面を、紙や布で一定方向に、数回こすることにより実施する。
配向膜を用いて液晶性分子を実質的に垂直に配向させてから、その配向状態のまま液晶性分子を固定して光学的異方性層を形成し、光学的異方性層を透明支持体上に転写してもよい。配向状態で固定された液晶性分子は、配向膜がなくても配向状態を維持することができる。本発明の配向膜は、ディスコティック液晶性分子に用いると特に効果がある。
【0082】
[液晶層]
配向膜により配向させる液晶性分子は、液晶層を形成する。上記の配向膜は、50乃至90度の範囲の平均傾斜角で液晶性分子を実質的に垂直に配向させる機能を有する。
液晶性分子としては、棒状液晶性分子またはディスコティック液晶性分子が好ましい。棒状液晶性分子の傾斜角は棒状液晶性分子の長軸方向と基板平面との角度を意味し、ディスコティック液晶性分子の傾斜角は、ディスコティック液晶性分子の円盤面と基板平面との角度を意味する。
液晶素子を、液晶セルとして用いる場合、棒状液晶性分子を用いることが特に好ましい。
棒状液晶性分子としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
棒状液晶性分子を実質的に垂直に配向させた液晶セルとしては、VA(Vertically Aligned)モードの液晶セルが代表的である。VAモードの液晶セルを用いた液晶表示装置については、日経マイクロデバイスNo.136、147頁(1996)、特開平2−176625号公報および特許番号第2866372号公報に記載がある。
【0083】
[光学的異方性層]
光学的異方性層はディスコティック液晶性分子を含む。
光学的異方性層では、上記の配向膜を用いて、ディスコティック液晶性分子の円盤面を、配向膜に対して、実質的に垂直(50乃至90度の範囲の平均傾斜角)に配向させる。ディスコティック液晶性分子は、垂直(ホモジニアス)配向状態のまま光学的異方性層内で固定することが好ましい。ディスコティック液晶性分子は、重合反応により固定することがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性分子は、様々な文献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., vol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem. Soc. Chem. Comm., page 1794 (1985);J. Zhang et al., J. Am. Chem. Soc., vol. 116, page 2655 (1994))に記載されている。ディスコティック液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
ディスコティック液晶性分子を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有するディスコティック液晶性分子は、下記式で表わされる化合物であることが好ましい。
【0084】
D(−L−Q)n
式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり;Qは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整数である。
上記式の円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味する。
【0085】
【化33】
【0086】
【化34】
【0087】
【化35】
【0088】
【化36】
【0089】
【化37】
【0090】
【化38】
【0091】
【化39】
【0092】
【化40】
【0093】
上記式において、二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることがさらに好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。アリーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよい。
二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基を意味し、ARはアリーレン基を意味する。
【0094】
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
【0095】
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L21:−S−AL−
L22:−S−AL−O−
L23:−S−AL−O−CO−
L24:−S−AL−S−AL−
L25:−S−AR−AL−
【0096】
AL(アルキレン基またはアルケニレン基)に、不斉炭素原子を導入すると、ディスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。不斉炭素原子を含むAL*の例を以下に挙げる。左側が円盤状コア(D)側であり、右側が重合性基(Q)側である。*印を付けた炭素原子(C)が不斉炭素原子である。光学活性は、SとRのいずれでもよい。
【0097】
AL*1:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 −
AL*2:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 −
AL*3:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*4:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*5:−CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 −
AL*6:−CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −
AL*7:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*8:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 −
AL*9:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 −
AL*10:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 −
AL*11:−CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −
AL*12:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 −
AL*13:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 −
AL*14:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 −
AL*15:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −
【0098】
AL*16:−CH2 −C*HCH3 −
AL*17:−C*HCH3 −CH2 −
AL*18:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*19:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*20:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*21:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 −
AL*22:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*23:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*24:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*25:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*26:−C*HCH3 −(CH2 )8 −
AL*27:−CH2 −C*HCH3 −(CH2 )8 −
AL*28:−CH2 −C*HCH2CH3 −
AL*29:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 −
AL*30:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 CH2 −
【0099】
AL*31:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*32:−CH2 −C*H(n−C3 H7 )−CH2 CH2 −
AL*33:−CH2 −C*H(n−C3 H7 )−CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*34:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2 CH2 −
AL*35:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*36:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 −
AL*37:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*38:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 −
AL*39:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*40:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2 −
AL*41:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*42:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 −
AL*43:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*44:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 −
AL*45:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 CH2 CH2 −
【0100】
前記式の重合性基(Q)は、重合反応の種類に応じて決定する。重合性基(Q)の例を以下に示す。
【0101】
【化41】
【0102】
重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリジニル基(Q9)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q1〜Q6)であることが最も好ましい。
前記式において、nは、4乃至12の整数である。具体的な数字は、ディスコティックコア(D)の種類に応じて決定される。尚、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
二種類以上のディスコティック液晶性分子を併用してもよい。例えば、二価の連結基に不斉炭素原子を有する分子と有していない分子を併用することができる。また、重合性基(Q)を有する分子と有していない分子を併用してもよい。不斉炭素原子を有し重合性基を有していない分子と、重合性基を有し不斉炭素原子を有していない分子を併用することが特に好ましい。この場合は、重合性基を有し不斉炭素原子を有していない分子のみがディスコティック液晶性分子として機能し、不斉炭素原子を有し重合性基を有していない分子はカイラル剤(後述)として機能していると考えることもできる。
【0103】
非重合性ディスコティック液晶性分子は、前述した重合性ディスコティック液晶性分子の重合性基(Q)を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコティック液晶性分子は、下記式で表わされる化合物であることが好ましい。
D(−L−R)n
式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり;Rは水素原子またはアルキル基であり;そして、nは4乃至12の整数である。
上記式の円盤状コア(D)の例は、LQ(またはQL)をLR(またはRL)に変更する以外は、前記の重合性ディスコティック液晶分子の例と同様である。
また、二価の連結基(L)の例も、前記の重合性ディスコティック液晶分子の例と同様である。
Rのアルキル基は、炭素原子数が1乃至40であることが好ましく、1乃至30であることがさらに好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好ましく、分岐を有する鎖状アルキル基よりも直鎖状アルキル基の方が好ましい。Rは、水素原子または炭素原子数が1乃至30の直鎖状アルキル基であることが特に好ましい。
【0104】
ディスコティック液晶性分子の二価の連結基(L)に不斉炭素原子を導入する代わりに、不斉炭素原子を含む光学活性を示す化合物(カイラル剤)を光学的異方性層に添加しても、ディスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。不斉炭素原子を含む化合物としては、様々な天然または合成化合物が使用できる。不斉炭素原子を含む化合物中には、ディスコティック液晶性分子と同じまたは類似の重合性基を導入してもよい。重合性基を導入すると、ディスコティック液晶性分子を実質的に垂直(ホモジニアス)配向させた後に、固定するのと同時に、同じまたは類似の重合反応により不斉炭素原子を含む化合物も光学的異方性層内で固定することができる。
【0105】
ディスコティック液晶性分子を空気界面側においても、実質的に垂直(ホモジニアス)かつ均一に配向させるため、含フッ素界面活性剤またはセルロースエステルを光学的異方性層に添加することができる。
含フッ素界面活性剤は、フッ素原子を含む疎水性基、ノニオン性、アニオン性、カチオン性あるいは両性の親水性基および任意に設けられる連結基からなる。一つの疎水性基と一つの親水性基からなる含フッ素界面活性剤は、下記式で表わされる。
Rf−L5 −Hy
式中、Rfは、フッ素原子で置換された一価の炭化水素基であり、L5 は、単結合または二価の連結基であり、そして、Hyは親水性基である。
上記のRfは、疎水性基として機能する。炭化水素基は、アルキル基またはアリール基であることが好ましい。アルキル基の炭素原子数は3乃至30であることが好ましく、アリール基の炭素原子数は6乃至30であることが好ましい。
炭化水素基に含まれる水素原子の一部または全部は、フッ素原子で置換されている。フッ素原子で、炭化水素基に含まれる水素原子の50%以上を置換することが好ましく、60%以上を置換することがより好ましく、70%以上を置換することがさらに好ましく、80%以上を置換することが最も好ましい。
残りの水素原子は、さらに他のハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)で置換されていてもよい。
Rfの例を以下に示す。
【0106】
Rf1:n−C8 F17−
Rf2:n−C6 F13−
Rf3:Cl−(CF2 −CFCl)3 −CF2 −
Rf4:H−(CF2 )8 −
Rf5:H−(CF2 )10−
Rf6:n−C9 F19−
Rf7:ペンタフルオロフェニル
Rf8:n−C7 F15−
Rf9:Cl−(CF2 −CFCl)2 −CF2 −
Rf10:H−(CF2 )4 −
Rf11:H−(CF2 )6 −
Rf12:Cl−(CF2 )6 −
Rf13:C3 F7 −
【0107】
前記式において、二価の連結基は、アルキレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環残基、−CO−、−NR−(Rは炭素原子数が1乃至5のアルキル基または水素原子)、−O−、−SO2 −およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。
前記式のL5 の例を以下に示す。左側が疎水性基(Rf)に結合し、右側が親水性基(Hy)に結合する。ALはアルキレン基、ARはアリーレン基、Hcは二価のヘテロ環残基を意味する。なお、アルキレン基、アリーレン基および二価のヘテロ環残基は、置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
【0108】
L0:単結合
L51:−SO2 −NR−
L52:−AL−O−
L53:−CO−NR−
L54:−AR−O−
L55:−SO2 −NR−AL−CO−O−
L56:−CO−O−
L57:−SO2 −NR−AL−O−
L58:−SO2 −NR−AL−
L59:−CO−NR−AL−
L60:−AL−O−AL−
L61:−Hc−AL−
L62:−SO2 −NR−AL−O−AL−
L63:−AR−
L64:−O−AR−SO2 −NR−AL−
L65:−O−AR−SO2 −NR−
L66:−O−AR−O−
【0109】
前記式のHyは、ノニオン性親水性基、アニオン性親水性基、カチオン性親水性基あるいは両性親水性基のいずれかである。ノニオン性親水性基が特に好ましい。
前記式のHyの例を以下に示す。
【0110】
Hy1:−(CH2 CH2 O)n −H(nは5乃至30の整数)
Hy2:−(CH2 CH2 O)n −R1
(nは5乃至30の整数、R1 は炭素原子数が1乃至6のアルキル基)
Hy3:−(CH2 CHOHCH2 )n −H(nは5乃至30の整数)
Hy4:−COOM(Mは水素原子、アルカリ金属原子または解離状態)
Hy5:−SO3 M(Mは水素原子、アルカリ金属原子または解離状態)
Hy6:−(CH2 CH2 O)n −CH2 CH2 CH2 −SO3 M
(nは5乃至30の整数、Mは水素原子またはアルカリ金属原子)
Hy7:−OPO(OH)2
Hy8:−N+ (CH3 )3 ・X- (Xはハロゲン原子)
Hy9:−COONH4
【0111】
ノニオン性親水性基(Hy1、Hy2、Hy3)が好ましく、ポリエチレンオキサイドからなる親水性基(Hy1)が最も好ましい。
フッ素原子を含む疎水性基または親水性基を二以上有する含フッ素界面活性剤を用いてもよい。二種類以上の含フッ素界面活性剤を併用してもよい。
含フッ素界面活性剤については、様々な文献(例、堀口弘著「新界面活性剤」三共出版(1975)、M.J. Schick, Nonionic Surfactants, Marcell Dekker Inc., New York, (1967)、特開平7−13293号公報)に記載がある。
含フッ素界面活性剤は、ディスコティック液晶性分子の量の0.01乃至30重量%の範囲であることが好ましく、0.05乃至10重量%であることがさらに好ましく、0.1乃至5重量%であることがさらに好ましい。
【0112】
セルロースエステルとしては、セルロースの低級脂肪酸エステルを用いることが好ましい。
セルロースの低級脂肪酸エステルにおける「低級脂肪酸」とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2乃至5であることが好ましく、2乃至4であることがさらに好ましい。脂肪酸には置換基(例、ヒドロキシ)が結合していてもよい。二種類以上の脂肪酸がセルロースとエステルを形成していてもよい。セルロースの低級脂肪酸エステルの例には、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースヒドロキシプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネートおよびセルロースアセテートブチレートが含まれる。セルロースアセテートブチレートが特に好ましい。セルロースアセテートブチレートのブチリル化度は、30%以上であることが好ましく、30乃至80%であることがさらに好ましい。セルロースアセテートブチレートのアセチル化度は、30%以下であることが好ましく、1乃至30%であることがさらに好ましい。
セルロースエステルは、0.005乃至0.5g/m2 の範囲の量で使用することが好ましく、0.01乃至0.45g/m2 の範囲であることがより好ましく、0.02乃至0.4/m2 の範囲であることがさらに好ましく、0.03乃至0.35/m2 の範囲であることが最も好ましい。また、ディスコティック液晶性分子の量の0.1乃至5重量%の量で使用することも好ましい。
【0113】
光学的異方性層は、ディスコティック液晶性分子、さらに必要に応じて不斉炭素原子を含む化合物、含フッ素界面活性剤、セルロースエステル、あるいは下記の重合開始剤や他の添加剤を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することで形成する。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
【0114】
塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法)により実施できる。
実質的に垂直(ホモジニアス)配向させたディスコティック液晶性分子は、配向状態を維持して固定する。固定化は、ディスコティック液晶性分子に導入した重合性基(Q)の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
【0115】
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01乃至20重量%であることが好ましく、0.5乃至5重量%であることがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm2 乃至50J/cm2 であることが好ましく、100乃至2000mJ/cm2 であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
光学的異方性層の厚さは、0.1乃至50μmであることが好ましく、1乃至30μmであることがさらに好ましく、5乃至20μmであることが最も好ましい。なお、液晶表示装置に光学補償シートを二枚用いる場合は、一枚使用する場合に必要とされる光学的異方性層の厚さ(上記の好ましい範囲)の半分の厚さでよい。
光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子の平均傾斜角度は、50乃至90度である。傾斜角度は、なるべく均一であることが好ましい。ただし、傾斜角度が光学的異方性層の厚み方向に沿って連続して変化しているならば、若干の変動があっても問題ない。
【0116】
ディスコティック液晶性分子のねじれの角度(ツイスト角)は、STN型液晶セルのツイスト角(一般に180乃至360度、好ましくは180度を越えて270度まで)に応じて、類似(なるべく±10度以内)の角度となるように調整することが好ましい。液晶表示装置に光学補償シートを一枚用いる場合は、ディスコティック液晶性分子のねじれ角は、180乃至360度の範囲であることが好ましい。液晶表示装置に光学補償シートを二枚用いる場合は、ディスコティック液晶性分子のねじれ角は、90乃至180度の範囲であることが好ましい。
光学補償シートをSTN型液晶表示装置に用いる場合、光学的異方性層の複屈折率の波長依存性(Δn(λ))は、STN型液晶セルの液晶の複屈折率の波長依存性に近い値であることが好ましい。
【0117】
[液晶表示装置]
前述したように、本発明は、STN型液晶セルを用いる液晶表示装置において特に有効である。
STN型液晶表示装置は、STN型液晶セル、液晶セルの片側または両側に配置された一枚または二枚の光学補償シートおよびそれらの両側に配置された一対の偏光板からなる。
液晶セルの棒状液晶性分子の配向方向とディスコティック液晶性分子の配向方向との関係は、光学補償シートに最も近い液晶セルの棒状液晶性分子のディレクタ(棒状分子の長軸方向)と、液晶セルに最も近い光学補償シートのディスコティック液晶性分子のディレクタ(円盤状コア平面の法線方向)とが、液晶セルの法線方向から見て、実質的に同じ向き(±10度未満)になるように配置することが好ましい。
光学補償シートの透明支持体を、偏光膜の液晶セル側の保護膜としても機能させることができる。その場合は、透明支持体の遅相軸(屈折率が最大となる方向)と偏光膜の透過軸とが実質的に垂直または実質的に平行(±10度未満)になるように配置することが好ましい。
【0118】
【実施例】
[実施例1]
(ポリアミック酸塩の調製)
下記式で表されるポリアミック酸塩(PA1)の水溶液を、対応するポリアミック酸1g(カルボン酸量:2.71mg当量)を0.1Nトリエチレンアミン水溶液50mLに溶解して調製した。
【0119】
【化42】
【0120】
(配向膜の作製)
厚さ100μm、サイズ270mm×100mmのトリアセチルセルロースフイルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明支持体として用いた。
上記で調製したポリアミック酸塩(PA1)の水溶液をバーコーターを用いて透明支持体の上に1μmの厚さに塗布した。
【0121】
塗布層を、80℃の温風で10分間乾燥し、さらに120℃で30分間加熱した。その表面をラビング処理して、配向膜を形成した。
配向膜の上に、以下の組成の塗布液をエクストルージョン法により塗布した。
【0122】
(光学補償シートの作製)
配向膜の上に、以下の組成の塗布液を1000rpmのスピンコーターを用いて塗布し、室温で乾燥した。
【0123】
【0124】
【化43】
【0125】
【化44】
【0126】
塗布層を130℃で2分間加熱して、ディスコティック液晶性化合物を実質的に垂直に配向させた。その温度で、4秒間紫外線を照射し、ディスコティック液晶性化合物を重合させ、配向状態を固定した。このようにして、ディスコティック液晶性化合物が垂直かつねじれて配向している光学的異方性層を形成し、光学補償シートを作製した。
得られた光学補償シートの△ndを波長550nmにおいて測定したところ、440nmであった。また、ディスコティック液晶性化合物のツイスト角は120度であった。
また、セロハンテープを光学的異方性層に貼り付け、テープを光学的異方性層と平行に引っ張って剥がしたところ、剥がしたテープの表面には、いかなる層も付着してなかった。
【0127】
別に、光学的異方性層塗布液からディスコティック液晶性化合物(1)を除いた以外は同様にして、ディスコティック液晶性化合物が実質的に垂直に配向しているが、ねじれていない光学補償シートを作成した。このシートについて、エリプソメーターを用いて、面内レターデーション(Re)を測定し、その角度依存性から支持体表面に対する平均傾斜角を求めたところ、85度であった。
【0128】
[実施例2]
以下の組成の光学的異方性層塗布液を用いた以外は、実施例1と同様に光学補償シートを作製して評価した。
【0129】
【0130】
【化45】
【0131】
【化46】
【0132】
得られた光学補償シートの△ndを波長550nmにおいて測定したところ、880nmであった。また、ディスコティック液晶性化合物のツイスト角は240度であった。
さらに、ディスコティック液晶性分子の配向状態を偏光顕微鏡で確認したところ、すべての分子が均一に配向(モノドメイン配向)していた。
【0133】
[実施例3]
(STN型液晶表示装置の作製)
ツイスト角が240度、△ndが880nmのSTN液晶セルの下側に、実施例2で作製した光学補償シートを1枚、光学的異方性層側を向かい合わせ、光学的異方性層のディスコティック液晶性分子のディレクター(ディスコティック液晶性分子の円盤面の法線方向)が一致するように貼り合わせた。この光学補償シートと液晶セルを貼り合わせる面において、ディスコティック液晶性分子と液晶セルの棒状液晶性分子のディレクターが一致するように、光学補償シートを液晶セルに取り付けた。さらに、一対の偏光板をクロスニコル配置で取り付け、STN型液晶表示装置を作製した。
作製したSTN型液晶表示装置と、光学補償シートを取り付けなかったSTN型液晶表示装置とを比較したところ、光学補償シートによる顕著な視野角改善効果が認められた。
【0134】
[実施例4]
ポリアミック酸塩(PA1)に代えて、下記式で表されるポリアミック酸塩(PA15)を同量用いた以外は、実施例1と同様にして光学補償シートを作製して評価した。ディスコティック液晶性分子の平均傾斜角は80度であった。
【0135】
【化47】
【0136】
また、セロハンテープを光学的異方性層に貼り付け、テープを光学的異方性層と平行に引っ張って剥がしたところ、剥がしたテープの表面には、いかなる層も付着してなかった。
【0137】
[実施例5]
ポリアミック酸塩(PA1)に代えて、下記式で表されるポリアミック酸塩(PA22)を同量用いた以外は、実施例1と同様にして光学補償シートを作製して評価した。ディスコティック液晶性分子の平均傾斜角は85度であった。
【0138】
【化48】
【0139】
また、セロハンテープを光学的異方性層に貼り付け、テープを光学的異方性層と平行に引っ張って剥がしたところ、剥がしたテープの表面には、いかなる層も付着してなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】STN型液晶表示装置の電圧無印加(オフ)の画素部分における液晶セル内の棒状液晶性分子の配向状態と光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子の配向状態とを模式的に示す断面図である。
【図2】液晶セルの棒状液晶性分子と、それを光学補償する関係にある光学補償シートのディスコティック液晶性分子について、それぞれの屈折率楕円体を示す模式図である。
【図3】STN型液晶表示装置の層構成を示す模式図である。
【図4】STN型液晶表示装置の各要素について、好ましい光学的方向を示す平面図である。
【図5】STN型液晶表示装置の各要素について、別の好ましい光学的方向を示す平面図である。
【符号の説明】
1 液晶セル
2、2a、2b 光学補償シート
3、3a、3b 偏光板
11 液晶セルの上基板
12、14 液晶セルの配向膜
13 棒状液晶性分子の屈折率楕円体
13a〜13e 棒状液晶性分子
13t 棒状液晶性分子層の厚み
13x、13y 棒状液晶性分子の配向膜に平行な面内の屈折率
13z 棒状液晶性分子の厚み方向の屈折率
15 液晶セルの下基板
21 ディスコティック液晶性分子の屈折率楕円体
21a〜21e ディスコティック液晶性分子
21t ディスコティック液晶性分子層の厚み
21x、21y ディスコティック液晶性分子の配向膜に平行な面内の屈折率
21z ディスコティック液晶性分子の厚み方向の屈折率
22 配向膜
23 透明支持体
BL バックライト
DDa、DDb、DDc、DDd ディスコティック液晶性分子の円盤面の法線方向
RDa、RDb 液晶セルの配向膜のラビング方向
TAa、TAb 偏光板の透過軸
X 基準となる方向
Claims (6)
- 透明支持体上に、液晶配向膜およびディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層をこの順に有する光学補償シートであって、液晶配向膜が下記式:
で表される繰り返し単位を有するポリマーを含み、ディスコティック液晶性分子が透明支持体表面に対して50乃至90度の範囲の平均傾斜角で配向していることを特徴とする光学補償シート。 - 炭素原子数が10乃至100の炭化水素基が、ステロイド基を有することを特徴とする請求項1に記載の光学補償シート。
- ディスコティック液晶性分子が重合性基を有し、ディスコティック液晶性分子の重合性基と、液晶配向膜に含まれるポリマーの重合性基とが重合反応により化学的に結合している請求項1に記載の光学補償シート。
- 光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子がねじれ配向しており、ねじれ角が90乃至360度の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の光学補償シート。
- STN型液晶セル、その両側のそれぞれに配置された偏光板、およびSTN型液晶セルと一方または両方の偏光板との間に配置された光学補償シートからなるSTN型液晶表示装置であって、光学補償シートが透明支持体、液晶配向膜およびディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層を偏光板側からこの順に有し、液晶配向膜が下記式:
で表される繰り返し単位を有するポリマーを含み、光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子が、90乃至360度の範囲のねじれ配向をしながら、透明支持体表面に対して50乃至90の範囲の平均傾斜角で配向していることを特徴とするSTN型液晶表示装置。 - 下記式:
で表される繰り返し単位を有するポリマーを含む液晶配向膜を用いて、透明支持体表面に対して50乃至90度の範囲の平均傾斜角でディスコティック液晶性分子を配向させる方法。
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