JP4084519B2 - 光学補償シート、楕円偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

光学補償シート、楕円偏光板および液晶表示装置 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶性分子から形成された光学異方性層を有する光学補償シート、およびそれを用いた楕円偏光板と液晶表示装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、液晶セル、偏光素子および光学補償シート(位相差板)からなる。透過型液晶表示装置では、二枚の偏光素子を液晶セルの両側に取り付け、一枚または二枚の光学補償シートを液晶セルと偏光素子との間に配置する。反射型液晶表示装置では、反射板、液晶セル、一枚の光学補償シート、そして一枚の偏光素子の順に配置する。
液晶セルは、棒状液晶性分子、それを封入するための二枚の基板および棒状液晶性分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子の配向状態の違いで、透過型については、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence )、反射型については、TN、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest-Host)のような様々な表示モードが提案されている。
【0003】
光学補償シートは、画像着色を解消したり、視野角を拡大するために、様々な液晶表示装置で用いられている。光学補償シートとしては、延伸複屈折ポリマーフイルムが従来から使用されていた。
延伸複屈折フイルムからなる光学補償シートに代えて、透明支持体上に液晶性分子から形成された光学異方性層を有する光学補償シートを使用することが提案されている。液晶性分子には多様な配向形態があるため、液晶性分子を用いることで、従来の延伸複屈折ポリマーフイルムでは得ることができない光学的性質を実現することが可能になった。
【0004】
光学補償シートの光学的性質は、液晶セルの光学的性質、具体的には上記のような表示モードの違いに応じて決定する。液晶性分子を用いると、液晶セルの様々な表示モードに対応する様々な光学的性質を有する光学補償シートを製造することができる。
液晶性分子を用いた光学補償シートでは、様々な表示モードに対応するものが既に提案されている。例えば、TNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平6−214116号公報、米国特許5583679号、同5646703号、ドイツ特許公報3911620A1号の各明細書に記載がある。また、IPSモードまたはFLCモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平10−54982号公報に記載がある。さらに、OCBモードまたはHANモードの液晶セル用光学補償シートは、米国特許5805253号および国際特許出願WO96/37804号の各明細書に記載がある。さらにまた、STNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平9−26572号公報に記載がある。そして、VAモードの液晶セル用光学補償シートは、特許番号第2866372号公報に記載がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の延伸複屈折ポリマーフイルムに代えて、液晶性分子を用いることで、従来よりも正確に液晶セルを光学的に補償することが可能になった。しかし、本発明者の研究によれば、液晶性分子を用いても、液晶セルを問題なく完全に光学的に補償することは非常に難しい。
例えば、特開平6−214116号公報、米国特許5583679号、同5646703号、ドイツ特許公報3911620A1号の各明細書に記載があるTNモードの液晶セル用光学補償シートでは、ディスコティック液晶性分子の傾斜角が液晶性分子と透明支持体面との距離に伴って変化するようにディスコティック液晶性分子を配向させている。しかし、本発明者が従来の光学補償シートを検討したところ、偏光板の斜め方向からの光漏れが認められ、視野角が充分に(理論的に期待できる程度まで)拡大していない。
本発明の目的は、液晶セルを正確に光学的に補償することができる光学補償シートを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記(1)〜(9)、(17)〜(21)の光学補償シート、下記(10)〜(13)、(22)、(23)の楕円偏光板、よび下記(14)〜(16)、(24)の液晶表示装置により達成された。
(1)透明支持体、ディスコティック液晶性分子から形成された第1光学異方性層および棒状液晶性分子から形成された第2光学異方性層を有し、第2光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向している光学補償シート。
(2)第1光学異方性層、透明支持体、そして第2光学異方性層の順序で積層されている(1)に記載の光学補償シート。
(3)透明支持体、第1光学異方性層、そして第2光学異方性層の順序で積層されている(1)に記載の光学補償シート。
(4)第1光学異方性層において、ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態でディスコティック液晶性分子が配向している(1)に記載の光学補償シート。
【0007】
(5)第1光学異方性層において、ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜以上の状態でディスコティック液晶性分子が配向しており、該傾斜角がディスコティック液晶性分子と透明支持体面との距離に伴って変化している(1)に記載の光学補償シート。
(6)第1光学異方性層のディスコティック液晶性分子の円盤面の法線を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向と、第2光学異方性層の棒状液晶性分子の長軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向とが、実質的に平行または直交している(5)に記載の光学補償シート。
(7)透明支持体、ディスコティック液晶性分子から形成された第1光学異方性層および棒状液晶性分子から形成された第2光学異方性層を有し、透明支持体が光学的一軸性または光学的二軸性を有し、透明支持体の面内の遅相軸と、第2光学異方性層の棒状液晶性分子の長軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向とが、実質的に平行または直交している光学補償シート。
(8)第2光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向している(7)に記載の光学補償シート。
(9)第1光学異方性層において、ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態でディスコティック液晶性分子が配向している(7)に記載の光学補償シート。
【0008】
(10)透明支持体、ディスコティック液晶性分子から形成された第1光学異方性層、棒状液晶性分子から形成された第2光学異方性層、偏光膜および透明保護膜を有し、偏光膜の面内の透過軸と、第2光学異方性層の棒状液晶性分子の長軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向とが、実質的に平行または直交している楕円偏光板。
(11)第1光学異方性層、透明支持体、第2光学異方性層、偏光膜、そして透明保護膜の順序で積層されている(10)に記載の楕円偏光板。
(12)透明保護膜、偏光膜、透明支持体、第1光学異方性層、そして第2光学異方性層の順序で積層されている(10)に記載の楕円偏光板。
(13)第2光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向している(10)に記載の楕円偏光板。
(14)VAモードの液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光素子からなる液晶表示装置であって、偏光素子の少なくとも一方が、透明支持体、ディスコティック液晶性分子から形成された第1光学異方性層、棒状液晶性分子から形成された第2光学異方性層、偏光膜および透明保護膜を有する楕円偏光板であり、第2光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向していることを特徴とする液晶表示装置。
(15)TNモードの液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光素子からなる液晶表示装置であって、偏光素子の少なくとも一方が、透明支持体、ディスコティック液晶性分子から形成された第1光学異方性層、棒状液晶性分子から形成された第2光学異方性層、偏光膜および透明保護膜を有する楕円偏光板であり、第2光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向していることを特徴とする液晶表示装置。
(16)ECBモードの液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光素子からなる液晶表示装置であって、偏光素子の少なくとも一方が、透明支持体、ディスコティック液晶性分子から形成された第1光学異方性層、棒状液晶性分子から形成された第2光学異方性層、偏光膜および透明保護膜を有する楕円偏光板であり、第2光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向していることを特徴とする液晶表示装置。
【0009】
(17)透明支持体およびディスコティック液晶性分子と棒状液晶性分子とから形成された光学異方性層を有し、光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向している光学補償シート。
(18)光学異方性層において、ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態でディスコティック液晶性分子が配向している(17)に記載の光学補償シート。
(19)透明支持体が光学的一軸性または光学的二軸性を有する(17)に記載の光学補償シート。
(20)透明支持体およびディスコティック液晶性分子と棒状液晶性分子とから形成された光学異方性層を有し、透明支持体の面内の遅相軸と、光学異方性層の棒状液晶性分子の長軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向とが、実質的に平行または直交している光学補償シート。
(21)光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向している(20)に記載の光学補償シート。
(22)透明保護膜、偏光膜、透明支持体、そしてディスコティック液晶性分子と棒状液晶性分子とから形成された光学異方性層が、この順序で積層され、偏光膜の面内の透過軸と、光学異方性層の棒状液晶性分子の長軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向とが、実質的に平行または直交している楕円偏光板。
(23)光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向している(22)に記載の楕円偏光板。
(24)VAモードの液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光素子からなる液晶表示装置であって、偏光素子の少なくとも一方が、透明保護膜、偏光膜、透明支持体、そしてディスコティック液晶性分子と棒状液晶性分子とから形成された光学異方性層が、この順序で積層されている楕円偏光板であり、光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向していることを特徴とする液晶表示装置。
【0010】
【発明の効果】
本発明者は研究の結果、ディスコティック液晶性分子から形成された第1光学異方性層と、棒状液晶性分子から形成された第2光学異方性層との二つの光学異方性層を設ける(本発明の第1の態様)か、あるいはディスコティック液晶性分子と棒状液晶性分子とから形成された光学異方性層を設ける(本発明の第2の態様)ことで、液晶セルを正確に光学的に補償することに成功した。
従来の技術では、ディスコティック液晶性分子および棒状液晶性分子の一方の液晶性分子のみを用いて、光学補償シートを作製していた。液晶性分子には多様な配向形態があるが、一種類の液晶性分子では光学的性質の多様性に限界がある。本発明では、光学的性質が全く異なる二種類の液晶性分子を併用することで、液晶セルの光学的性質に正確に対応(光学的に補償)することができる。
例えば、TNモードの液晶セルに対しては、従来の光学補償シートに用いられていた傾斜角がディスコティック液晶性分子と透明支持体面との距離に伴って変化するようにディスコティック液晶性分子が配向している光学異方性層に加えて、平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向している光学異方性層を設けると、従来よりも正確に光学的に補償することができる。
また、VAモードの液晶セルに対しては、平均傾斜角が5゜未満の状態で配向しているディスコティック液晶性分子と平均傾斜角が5゜未満の状態で配向している棒状液晶性分子とを併用すると、非常に正確に光学的に補償することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、透過型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。
図1の(a)に示す透過型液晶表示装置は、バックライト(BL)側から順に、透明保護膜(1a)、偏光膜(2a)、第2光学異方性層(3a)、透明支持体(4a)、第1光学異方性層(5a)、液晶セルの下基板(6a)、棒状液晶性分子(7)、液晶セルの上基板(6b)、第1光学異方性層(5b)、透明支持体(4b)、第2光学異方性層(3b)、偏光膜(2b)、そして透明保護膜(1b)からなる。
第2光学異方性層、透明支持体および第1光学異方性層(3a〜5aおよび5b〜3b)が光学補償シートを構成する。そして、透明保護膜、偏光膜、第2光学異方性層、透明支持体および第1光学異方性層(1a〜5aおよび5b〜1b)が楕円偏光板を構成する。
図1の(b)に示す透過型液晶表示装置は、バックライト(BL)側から順に、透明保護膜(1a)、偏光膜(2a)、第2光学異方性層(3a)、透明支持体(4a)、第1光学異方性層(5a)、液晶セルの下基板(6a)、棒状液晶性分子(7)、液晶セルの上基板(6b)、透明保護膜(1b)、偏光膜(2b)、そして透明保護膜(1c)からなる。
第2光学異方性層、透明支持体および第1光学異方性層(3a〜5a)が光学補償シートを構成する。そして、透明保護膜、偏光膜、第2光学異方性層、透明支持体および第1光学異方性層(1a〜5a)が楕円偏光板を構成する。
【0012】
図1の(c)に示す透過型液晶表示装置は、バックライト(BL)側から順に、透明保護膜(1a)、偏光膜(2a)、透明保護膜(1b)、液晶セルの下基板(6a)、棒状液晶性分子(7)、液晶セルの上基板(6b)、第1光学異方性層(5b)、透明支持体(4b)、第2光学異方性層(3b)、偏光膜(2b)、そして透明保護膜(1c)からなる。
第2光学異方性層、透明支持体および第1光学異方性層(5b〜3b)が光学補償シートを構成する。そして、透明保護膜、偏光膜、第2光学異方性層、透明支持体および第1光学異方性層(5b〜1c)が楕円偏光板を構成する。
図2は、反射型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。
図2に示す反射型液晶表示装置は、下から順に、液晶セルの下基板(6a)、反射板(RP)、棒状液晶性分子(7)、液晶セルの上基板(6b)、第1光学異方性層(5)、透明支持体(4)、第2光学異方性層(3)、偏光膜(2)、そして透明保護膜(1)からなる。
第2光学異方性層、透明支持体および第1光学異方性層(5〜3)が光学補償シートを構成する。そして、透明保護膜、偏光膜、第2光学異方性層、透明支持体および第1光学異方性層(5〜1)が楕円偏光板を構成する。
【0013】
図1および図2に示す光学補償シートまたは楕円偏光板は、ディスコティック液晶性分子から形成された第1光学異方性層と棒状液晶性分子から形成された第2光学異方性層とを有する第1の態様に属する。第1の態様の光学補償シートでは、透明支持体、第1光学異方性層および第2光学異方性層の積層順序について、特に制限はない。従って、図1および図2に示す(偏光膜)→第2光学異方性層→透明支持体→第1光学異方性層→(液晶セル)の積層順序以外にも、(偏光膜)→第1光学異方性層→透明支持体→第2光学異方性層→(液晶セル)、(偏光膜)→透明支持体→第2光学異方性層→第1光学異方性層→(液晶セル)あるいは(偏光膜)→透明支持体→第1光学異方性層→第2光学異方性層→(液晶セル)のような積層順序も可能である。
なお、第1および第2光学異方性層に加えて、さらに(第3、第4の)光学異方性層を設けてもよい。
第2の態様では、図1および図2に示す光学補償シートまたは楕円偏光板における第2光学異方性層を削除し、ディスコティック液晶性分子と棒状液晶性分子とから形成された光学異方性層を、図1および図2に示す第1光学異方性層の位置に設ける。
【0014】
[光学異方性層]
第1の態様の第1光学異方性層は、ディスコティック液晶性分子から形成する。第1の態様の第2光学異方性層は、棒状液晶性分子から形成する。第2の態様の光学異方性層は、ディスコティック液晶性分子と棒状液晶性分子とから形成する。
液晶性分子(ディスコティック液晶性分子および棒状液晶性分子)の具体的な配向状態は、液晶セルの表示モードの種類に応じて決定する。液晶性分子の配向状態は、液晶性分子の種類、配向膜の種類および光学異方性層内の添加剤(例、可塑剤、バインダー、界面活性剤)の使用によって制御できる。
液晶性分子は、配向している状態で固定されていることが好ましい。ポリマーバインダーを用いて配向状態を固定することもできるが、重合反応により固定することが好ましい。
【0015】
VAモードの液晶セルのように、棒状液晶性分子の大部分が実質的に垂直に配向している液晶セルを光学的に補償するためには、ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態でディスコティック液晶性分子を配向させることが好ましい。
TNモードの液晶セルのように、棒状液晶性分子の大部分が実質的に斜めに配向している液晶セルを光学的に補償するためには、ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜以上の状態でディスコティック液晶性分子が配向させることが好ましい。平均傾斜角は、5゜乃至50゜であることがより好ましく、10゜乃至45゜であることがさらに好ましい。ディスコティック液晶性分子の傾斜角は、ディスコティック液晶性分子と透明支持体面との距離に伴って変化していることが好ましい。
STNモードの液晶セルのように、棒状液晶性分子の大部分が実質的に水平に配向している液晶セルを光学的に補償するためには、ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体面との間の平均傾斜角が50゜以上の状態でディスコティック液晶性分子が配向させることが好ましい。平均傾斜角は、60゜乃至90゜であることがさらに好ましい。
【0016】
以上のように、第1にディスコティック液晶性分子を用いて、液晶セルを実質的に(液晶セル内の棒状液晶性分子の大部分を)光学的に補償し、第2に(補助的に)棒状液晶性分子を用いて、液晶セルを正確に光学的に補償することが好ましい。
棒状液晶性分子は、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で配向させることが好ましい。
ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜以上の状態でディスコティック液晶性分子が配向させる場合、ディスコティック液晶性分子の円盤面の法線を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向と、棒状液晶性分子の長軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向とを、実質的に平行または直交するように配向させることが好ましい。
また、棒状液晶性分子の長軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向は、透明支持体(が光学的一軸性または光学的二軸性を有する場合)の面内の遅相軸と、実質的に平行または直交しているように配置することが好ましい。
本明細書において、実質的に平行または直交とは、厳密な平行または直交している状態との角度の差が10゜未満であることを意味する。角度の差は、8゜未満であることが好ましく、6゜未満であることがより好ましく、4゜未満であることがさらに好ましく、2゜未満であることがさらにまた好ましく、1゜未満であることが最も好ましい。
【0017】
液晶セルの表示モードによっては、棒状液晶性分子がコレステリック配向していてもよい。棒状液晶性分子がコレステリック配向する場合、選択反射域は可視領域外であることが好ましい。
ディスコティック液晶性分子は、様々な文献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., vol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem. Soc. Chem. Comm., page 1794 (1985);J. Zhang et al., J. Am. Chem. Soc., vol. 116, page 2655 (1994))に記載されている。ディスコティック液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
ディスコティック液晶性分子を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、ディスコティック液晶性分子は、下記式(I)で表わされる化合物であることが好ましい。
【0018】
(I)D(−L−Q)n
式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり;Qは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整数である。
上記式の円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味する。
【0019】
【化1】
Figure 0004084519
【0020】
【化2】
Figure 0004084519
【0021】
【化3】
Figure 0004084519
【0022】
【化4】
Figure 0004084519
【0023】
【化5】
Figure 0004084519
【0024】
【化6】
Figure 0004084519
【0025】
【化7】
Figure 0004084519
【0026】
上記式において、二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることがさらに好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。アリーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよい。
二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基を意味し、ARはアリーレン基を意味する。
【0027】
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
【0028】
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L21:−S−AL−
L22:−S−AL−O−
L23:−S−AL−O−CO−
L24:−S−AL−S−AL−
L25:−S−AR−AL−
【0029】
なお、STNモードのような棒状液晶性分子がねじれ配向している液晶セルを、光学的に補償するためには、ディスコティック液晶性分子もねじれ配向させることが好ましい。上記AL(アルキレン基またはアルケニレン基)に、不斉炭素原子を導入すると、ディスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。また、不斉炭素原子を含む光学活性を示す化合物(カイラル剤)を光学異方性層に添加しても、ディスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。
【0030】
式(I)の重合性基(Q)は、重合反応の種類に応じて決定する。重合性基(Q)の例を以下に示す。
【0031】
【化8】
Figure 0004084519
【0032】
重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリジニル基(Q9)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q1〜Q6)であることが最も好ましい。
式(I)において、nは4乃至12の整数である。具体的な数字は、ディスコティックコア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
【0033】
二種類以上のディスコティック液晶性分子を併用してもよい。例えば、以上述べたような重合性ディスコティック液晶性分子と非重合性ディスコティック液晶性分子とを併用することができる。
非重合性ディスコティック液晶性分子は、前述した重合性ディスコティック液晶性分子の重合性基(Q)を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコティック液晶性分子は、下記式(Ia)で表わされる化合物であることが好ましい。
(Ia)D(−L−R)n
式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり;Rは水素原子またはアルキル基であり;そして、nは4乃至12の整数である。
式(Ia)の円盤状コア(D)の例は、LQ(またはQL)をLR(またはRL)に変更する以外は、前記の重合性ディスコティック液晶分子の例と同様である。
また、二価の連結基(L)の例も、前記の重合性ディスコティック液晶分子の例と同様である。
Rのアルキル基は、炭素原子数が1乃至40であることが好ましく、1乃至30であることがさらに好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好ましく、分岐を有する鎖状アルキル基よりも直鎖状アルキル基の方が好ましい。Rは、水素原子または炭素原子数が1乃至30の直鎖状アルキル基であることが特に好ましい。
【0034】
ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体面との平均傾斜角が5°未満の状態でディスコティック液晶性分子を配向させる場合、ディスコティック液晶性分子と相分離できる化合物を一定の範囲の量で使用することが好ましい。ディスコティック液晶性分子と相分離できる化合物には、セルロースの低級脂肪酸エステル、含フッ素界面活性剤および1,3,5−トリアジン環を有する化合物が含まれる。
【0035】
セルロースの低級脂肪酸エステルにおける「低級脂肪酸」とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2乃至5であることが好ましく、2乃至4であることがさらに好ましい。脂肪酸には置換基(例、ヒドロキシ)が結合していてもよい。二種類以上の脂肪酸がセルロースとエステルを形成していてもよい。セルロースの低級脂肪酸エステルの例には、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースヒドロキシプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネートおよびセルロースアセテートブチレートが含まれる。セルロースアセテートブチレートが特に好ましい。セルロースアセテートブチレートのブチリル化度は、30%以上であることが好ましく、30乃至80%であることがさらに好ましい。セルロースアセテートブチレートのアセチル化度は、30%以下であることが好ましく、1乃至30%であることがさらに好ましい。
セルロースの低級脂肪酸エステルは、ディスコティック液晶性分子の量の0.01乃至1重量%の量で使用することが好ましく、0.1乃至1重量%の量で使用することがさらに好ましく、0.3乃至0.9重量%の量で使用することが最も好ましい。
セルロースの低級脂肪酸エステルの塗布量は、1乃至500mg/m2 の範囲であることが好ましく、3乃至300mg/m2 の範囲であることがさらに好ましく、5乃至200mg/m2 の範囲であることが最も好ましい。
【0036】
含フッ素界面活性剤は、フッ素原子を含む疎水性基、ノニオン性、アニオン性、カチオン性あるいは両性の親水性基および任意に設けられる連結基からなる。一つの疎水性基と一つの親水性基からなる含フッ素界面活性剤は、下記式(II)で表わされる。
【0037】
(II) Rf−L3 −Hy
式中、Rfは、フッ素原子で置換された一価の炭化水素残基であり;L3 は、単結合または二価の連結基であり;そして、Hyは親水性基である。
式(II)のRfは、疎水性基として機能する。炭化水素残基は、アルキル基またはアリール基であることが好ましい。アルキル基の炭素原子数は3乃至30であることが好ましく、アリール基の炭素原子数は6乃至30であることが好ましい。
炭化水素残基に含まれる水素原子の一部または全部は、フッ素原子で置換されている。フッ素原子で、炭化水素残基に含まれる水素原子の50%以上を置換することが好ましく、60%以上を置換することがより好ましく、70%以上を置換することがさらに好ましく、80%以上を置換することが最も好ましい。
残りの水素原子は、さらに他のハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)で置換されていてもよい。
Rfの例を以下に示す。
【0038】
Rf1:n−C817
Rf2:n−C613
Rf3:Cl−(CF2 −CFCl)3 −CF2
Rf4:H−(CF28
Rf5:H−(CF210
Rf6:n−C919
Rf7:ペンタフルオロフェニル
Rf8:n−C715
Rf9:Cl−(CF2 −CFCl)2 −CF2
Rf10:H−(CF24
Rf11:H−(CF26
Rf12:Cl−(CF26
Rf13:C37
【0039】
式(II)において、二価の連結基は、アルキレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環残基、−CO−、−NR−(Rは炭素原子数が1乃至5のアルキル基または水素原子)、−O−、−SO2 −およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。
式(II)のL3 の例を以下に示す。左側が疎水性基(Rf)に結合し、右側が親水性基(Hy)に結合する。ALはアルキレン基、ARはアリーレン基、Hcは二価のヘテロ環残基を意味する。なお、アルキレン基、アリーレン基および二価のヘテロ環残基は、置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
【0040】
L0:単結合
L31:−SO2 −NR−
L32:−AL−O−
L33:−CO−NR−
L34:−AR−O−
L35:−SO2 −NR−AL−CO−O−
L36:−CO−O−
L37:−SO2 −NR−AL−O−
L38:−SO2 −NR−AL−
L39:−CO−NR−AL−
L40:−AL1 −O−AL2
L41:−Hc−AL−
L42:−SO2 −NR−AL1 −O−AL2
L43:−AR−
L44:−O−AR−SO2 −NR−AL−
L45:−O−AR−SO2 −NR−
L46:−O−AR−O−
【0041】
式(II)のHyは、ノニオン性親水性基、アニオン性親水性基、カチオン性親水性基あるいはそれらの組み合わせ(両性親水性基)のいずれかである。ノニオン性親水性基が特に好ましい。
式(II)のHyの例を以下に示す。
【0042】
Hy1:−(CH2 CH2 O)n −H(nは5乃至30の整数)
Hy2:−(CH2 CH2 O)n −R1
(nは5乃至30の整数、R1 は炭素原子数が1乃至6のアルキル基)
Hy3:−(CH2 CHOHCH2n −H(nは5乃至30の整数)
Hy4:−COOM(Mは水素原子、アルカリ金属原子または解離状態)
Hy5:−SO3 M(Mは水素原子、アルカリ金属原子または解離状態)
Hy6:−(CH2 CH2 O)n −CH2 CH2 CH2 −SO3
(nは5乃至30の整数、Mは水素原子またはアルカリ金属原子)
Hy7:−OPO(OH)2
Hy8:−N+ (CH33 ・X- (Xはハロゲン原子)
Hy9:−COONH4
【0043】
ノニオン性親水性基(Hy1、Hy2、Hy3)が好ましく、ポリエチレンオキサイドからなる親水性基(Hy1)が最も好ましい。
式(II)で表わされる含フッ素界面活性剤の具体例を、以上のRf、L3 およびHyの例を引用して示す。
【0044】
FS−1:Rf1−L31(R=C37 )−Hy1(n=6)
FS−2:Rf1−L31(R=C37 )−Hy1(n=11)
FS−3:Rf1−L31(R=C37 )−Hy1(n=16)
FS−4:Rf1−L31(R=C37 )−Hy1(n=21)
FS−5:Rf1−L31(R=C25 )−Hy1(n=6)
FS−6:Rf1−L31(R=C25 )−Hy1(n=11)
FS−7:Rf1−L31(R=C25 )−Hy1(n=16)
FS−8:Rf1−L31(R=C27 )−Hy1(n=21)
FS−9:Rf2−L31(R=C37 )−Hy1(n=6)
FS−10:Rf2−L31(R=C37 )−Hy1(n=11)
FS−11:Rf2−L31(R=C37 )−Hy1(n=16)
FS−12:Rf2−L31(R=C37 )−Hy1(n=21)
FS−13:Rf3−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=5)
FS−14:Rf3−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=10)
FS−15:Rf3−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=15)
FS−16:Rf3−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=20)
FS−17:Rf4−L33(R=C37 )−Hy1(n=7)
FS−18:Rf4−L33(R=C37 )−Hy1(n=13)
FS−19:Rf4−L33(R=C37 )−Hy1(n=19)
FS−20:Rf4−L33(R=C37 )−Hy1(n=25)
【0045】
FS−21:Rf5−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=11)
FS−22:Rf5−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=15)
FS−23:Rf5−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=20)
FS−24:Rf5−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=30)
FS−25:Rf6−L34(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=11)
FS−26:Rf6−L34(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=17)
FS−27:Rf6−L34(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=23)
FS−28:Rf6−L34(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=29)
FS−29:Rf1−L35(R=C37 、AL=CH2 )−Hy1(n=20)
FS−30:Rf1−L35(R=C37 、AL=CH2 )−Hy1(n=30)
FS−31:Rf1−L35(R=C37 、AL=CH2 )−Hy1(n=40)
FS−32:Rf1−L36−Hy1(n=5)
FS−33:Rf1−L36−Hy1(n=10)
FS−34:Rf1−L36−Hy1(n=15)
FS−35:Rf1−L36−Hy1(n=20)
FS−36:Rf7−L36−Hy1(n=8)
FS−37:Rf7−L36−Hy1(n=13)
FS−38:Rf7−L36−Hy1(n=18)
FS−39:Rf7−L36−Hy1(n=25)
【0046】
FS−40:Rf1−L0−Hy1(n=6)
FS−41:Rf1−L0−Hy1(n=11)
FS−42:Rf1−L0−Hy1(n=16)
FS−43:Rf1−L0−Hy1(n=21)
FS−44:Rf1−L31(R=C37 )−Hy2(n=7、R1 =C25
FS−45:Rf1−L31(R=C37 )−Hy2(n=13、R1 =C25
FS−46:Rf1−L31(R=C37 )−Hy2(n=20、R1 =C25
FS−47:Rf1−L31(R=C37 )−Hy2(n=28、R1 =C25
FS−48:Rf8−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=5)
FS−49:Rf8−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=10)
FS−50:Rf8−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=15)
FS−51:Rf8−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=20)
FS−52:Rf1−L37(R=C37 、AL=CH2CH2)−Hy3(n=5)
FS−53:Rf1−L37(R=C37 、AL=CH2CH2)−Hy3(n=7)
FS−54:Rf1−L37(R=C37 、AL=CH2CH2)−Hy3(n=9)
FS−55:Rf1−L37(R=C37 、AL=CH2CH2)−Hy3(n=12)
FS−56:Rf9−L0−Hy4(M=H)
FS−57:Rf3−L0−Hy4(M=H)
FS−58:Rf1−L38(R=C37 、AL=CH2 )−Hy4(M=K)
FS−59:Rf4−L39(R=C37 、AL=CH2 )−Hy4(M=Na)
【0047】
FS−60:Rf1−L0−Hy5(M=K)
FS−61:Rf10−L40(AL1 =CH2 、AL2 =CH2CH2)−Hy5(M=Na)
FS−62:Rf11−L40(AL1 =CH2 、AL2 =CH2CH2)−Hy5(M=Na)
FS−63:Rf5−L40(AL1 =CH2 、AL2 =CH2CH2)−Hy5(M=Na)
FS−64:Rf1−L38(R=C3H7、AL=CH2CH2CH2 )−Hy5(M=Na)
FS−65:Rf1−L31(R=C37 )−Hy6(n=5、M=Na)
FS−66:Rf1−L31(R=C37 )−Hy6(n=10、M=Na)
FS−67:Rf1−L31(R=C37 )−Hy6(n=15、M=Na)
FS−68:Rf1−L31(R=C37 )−Hy6(n=20、M=Na)
FS−69:Rf1−L38(R=C25 、AL=CH2 CH2 )−Hy7
FS−70:Rf1−L38(R=H、AL=CH2CH2CH2 )−Hy8(X=I)
FS−71:Rf11−L41(下記Hc、AL=CH2CH2CH2 )−Hy6(Mは解離)
【0048】
【化9】
Figure 0004084519
【0049】
FS−72:Rf1−L42(R=C3H7、AL1=CH2CH2、AL2=CH2CH2CH2)−Hy6(M=Na)
FS−73:Rf12−L0−Hy5(M=Na)
FS−74:Rf13−L43(AR=o-フェニレン)−Hy6(M=K)
FS−75:Rf13−L43(AR=m-フェニレン)−Hy6(M=K)
FS−76:Rf13−L43(AR=p-フェニレン)−Hy6(M=K)
FS−77:Rf6−L44(R=C2H5、AL=CH2CH2)−Hy5(M=H)
FS−78:Rf6−L45(AR=p-フェニレン、R=C2H5)−Hy1(n=9)
FS−79:Rf6−L45(AR=p-フェニレン、R=C2H5)−Hy1(n=14)
FS−80:Rf6−L45(AR=p-フェニレン、R=C2H5)−Hy1(n=19)
FS−81:Rf6−L45(AR=p-フェニレン、R=C2H5)−Hy1(n=28)
FS−82:Rf6−L46(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=5)
FS−83:Rf6−L46(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=10)
FS−84:Rf6−L46(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=15)
FS−85:Rf6−L46(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=20)
【0050】
フッ素原子を含む疎水性基または親水性基を二以上有する含フッ素界面活性剤を用いてもよい。二以上の疎水性基または親水性基を有する含フッ素界面活性剤の例を以下に示す。
【0051】
【化10】
Figure 0004084519
【0052】
FS−86:n1+n2=12、FS−87:n1+n2=18、FS−88:n1+n2=24
【0053】
【化11】
Figure 0004084519
【0054】
FS−89:n1+n2=20、FS−90:n1+n2=30、FS−91:n1+n2=40
【0055】
【化12】
Figure 0004084519
【0056】
FS−92:n=5、FS−93:n=10、FS−94:n=15、FS−95:n=20
【0057】
【化13】
Figure 0004084519
【0058】
二種類以上の含フッ素界面活性剤を併用してもよい。
界面活性剤については、様々な文献(例、堀口弘著「新界面活性剤」三共出版(1975)、M.J. Schick, Nonionic Surfactants, Marcell Dekker Inc., New York, (1967)、特開平7−13293号公報)に記載がある。
含フッ素界面活性剤は、ディスコティック液晶性分子の量の2乃至30重量%の量で使用することが好ましく、3乃至25重量%の量で使用することがさらに好ましく、5乃至10重量%の量で使用すること最も好ましい。
含フッ素界面活性剤の塗布量は、25乃至1000mg/m2 の範囲であることが好ましく、30乃至500mg/m2 の範囲であることがさらに好ましく、35乃至200mg/m2 の範囲であることが最も好ましい。
【0059】
1,3,5−トリアジン環を有する化合物は、下記式(III)で表される化合物であることが好ましい。
【0060】
【化14】
Figure 0004084519
【0061】
式中、X1 、X2 およびX3 は、それぞれ独立に、単結合、−NR−(Rは炭素原子数が1乃至30のアルキル基または水素原子)、−O−または−S−であり;そして、R31、R32およびR33は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基である。
式(III)で表される化合物は、メラミン化合物であることが特に好ましい。メラミン化合物では、式(III)において、X1 、X2 またはX3 が−NR−であるか、あるいは、X1 、X2 またはX3 が単結合であり、かつR31、R32およびR33が窒素原子に遊離原子価をもつ複素環基である。メラミン化合物については、式(IV)を引用して、さらに詳細に説明する。
−NR−のRは、水素原子であることが特に好ましい。
31、R32およびR33は、アリール基であることが特に好ましい。
【0062】
上記アルキル基は、環状アルキル基よりも鎖状アルキル基である方が好ましい。分岐を有する鎖状アルキル基よりも、直鎖状アルキル基の方が好ましい。アルキル基の炭素原子数は、1乃至30であることが好ましく、2乃至30であることがより好ましく、4乃至30であることがさらに好ましく、6乃至30であることが最も好ましい。アルキル基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、エポキシエチルオキシ)およびアシルオキシ基(例、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ)が含まれる。
上記アルケニル基は、環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基である方が好ましい。分岐を有する鎖状アルケニル基よりも、直鎖状アルケニル基の方が好ましい。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至30であることが好ましく、3乃至30であることがより好ましく、4乃至30であることがさらに好ましく、6乃至30であることが最も好ましい。アルケニル基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、エポキシエチルオキシ)およびアシルオキシ基(例、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ)が含まれる。
【0063】
上記アリール基は、フェニルまたはナフチルであることが好ましく、フェニルであることが特に好ましい。
アリール基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、カルボキシル、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル、アルキル置換スルファモイル基、アルケニル置換スルファモイル基、アリール置換スルファモイル基、スルホンアミド基、カルバモイル、アルキル置換カルバモイル基、アルケニル置換カルバモイル基、アリール置換カルバモイル基、アミド基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基およびアシル基が含まれる。
上記アルキル基は、前述したアルキル基と同様の定義を有する。アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキル置換スルファモイル基、スルホンアミド基、アルキル置換カルバモイル基、アミド基、アルキルチオ基とアシル基のアルキル部分も、前述したアルキル基と同様である。
上記アルケニル基は、前述したアルケニル基と同様の定義を有する。アルケニルオキシ基、アシルオキシ基、アルケニルオキシカルボニル基、アルケニル置換スルファモイル基、スルホンアミド基、アルケニル置換カルバモイル基、アミド基、アルケニルチオ基およびアシル基のアルケニル部分も、前述したアルケニル基と同様である。
上記アリール基の例には、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、4−メトキシフェニル、3,4−ジエトキシフェニル、4−オクチルオキシフェニルおよび4−ドデシルオキシフェニルが含まれる。アリールオキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリール置換スルファモイル基、スルホンアミド基、アリール置換カルバモイル基、アミド基、アリールチオ基およびアシル基の部分の例は、上記アリール基の例と同様である。
【0064】
1 、X2 またはX3 が−NR−、−O−または−S−である場合の複素環基は、芳香族性を有することが好ましい。芳香族性を有する複素環は、一般に不飽和複素環であり、好ましくは最多の二重結合を有する複素環である。複素環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。複素環のヘテロ原子は、N、SまたはOであることが好ましく、Nであることが特に好ましい。芳香族性を有する複素環としては、ピリジン環(複素環基としては、2−ピリジルまたは4−ピリジル)が特に好ましい。複素環基は、置換基を有していてもよい。複素環基の置換基の例は、上記アリール部分の置換基の例と同様である。
1 、X2 またはX3 が単結合である場合の複素環基は、窒素原子に遊離原子価をもつ複素環基であることが好ましい。窒素原子に遊離原子価をもつ複素環基は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、5員環であることが最も好ましい。複素環基は、複数の窒素原子を有していてもよい。また、複素環基は、窒素原子以外のヘテロ原子(例、O、S)を有していてもよい。複素環基は、置換基を有していてもよい。複素環基の置換基の例は、上記アリール部分の置換基の例と同様である。以下に、窒素原子に遊離原子価をもつ複素環基の例を示す。
【0065】
【化15】
Figure 0004084519
【0066】
【化16】
Figure 0004084519
【0067】
【化17】
Figure 0004084519
【0068】
【化18】
Figure 0004084519
【0069】
31、R32およびR33の少なくとも一つは、炭素原子数が9乃至30のアルキレン部分またはアルケニレン部分を含むことが好ましい。炭素原子数が9乃至30のアルキレン部分またはアルケニレン部分は、直鎖状であることが好ましい。アルキレン部分またはアルケニレン部分は、アリール基の置換基に含まれていることが好ましい。
また、R31、R32およびR33の少なくとも一つは、重合性基を置換基として有することが好ましい。1,3,5−トリアジン環を有する化合物は、少なくとも二つの重合性基を有することが好ましい。また、重合性基は、R31、R32またはR33の末端に位置することが好ましい。
1,3,5−トリアジン環を有する化合物に重合性基を導入することで、1,3,5−トリアジン環を有する化合物とディスコティック液晶性分子とが重合している状態で光学異方性層に含ませることができる。
重合性基を置換基として有するR31、R32またはR33を、下記式(Rp)で示す。
【0070】
(Rp) −L5 (−Q)n
式中、L5 は、(n+1)価の連結基であり;Qは、重合性基であり;そして、nは1乃至5の整数である。
式(RpI)において、(n+1)価の連結基(L5 )は、アルキレン基、アルケニレン基、n+1価の芳香族基、二価のヘテロ環残基、−CO−、−NR−(Rは炭素原子数が1乃至30のアルキル基または水素原子)、−O−、−S−および−SO2 −からなる群より選ばれる基を少なくとも二つ組み合わせた連結基であることが好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。芳香族基の炭素原子数は、6乃至10であることが好ましい。
式(Rp)のL5 の例を以下に示す。左側が式(III)のX1 、X2 またはX3 に結合(X1 、X2 またはX3 が単結合の場合は、1,3,5−トリアジン環に直結)し、右側が(L53〜L59ではn個の)重合性基(Q)に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基、Hcは二価のヘテロ環残基、ARは芳香族基を意味する。なお、アルキレン基、アルケニレン基、ヘテロ環残基および芳香族基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子)を有していてもよい。
【0071】
L51:−AL−O−CO−
L52:−AL−O−
L53:−AR(−O−AL−O−CO−)n
L54:−AR(−O−AL−O−)n
L55:−AR(−O−CO−AL−O−CO−)n
L56:−AR(−CO−O−AL−O−CO−)n
L57:−AR(−O−CO−AR−O−AL−O−CO−)n
L58:−AR(−NR−SO2 −AL−O−CO−)n
L59:−AR(−SO2 −NR−AL−O−CO−)n
【0072】
式(Rp)における重合性基(Q)の例は、ディスコティック液晶性分子の重合性基の例(Q1〜Q17)と同様である。重合性基は、1,3,5−トリアジン環を有する化合物とディスコティック液晶性分子とを重合させるために使用する。よって、1,3,5−トリアジン環を有する化合物の重合性基とディスコティック液晶性分子の重合性基とは、類似の官能基であることが好ましい。従って、ディスコティック液晶性分子の重合性基と同様に、1,3,5−トリアジン環を有する化合物の重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリジニル基(Q9)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q1〜Q6)であることが最も好ましい。
nが複数(2乃至5)である場合、連結基(L5 )はn+1価の芳香族基を含み芳香族基において分岐することが好ましい。nは、1乃至3の整数であることが好ましい。
【0073】
1,3,5−トリアジン環を有する化合物の(メラミン化合物を除く)具体例を以下に示す。
【0074】
【化19】
Figure 0004084519
【0075】
TR−1:R31、R32、R33:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−2:R31、R32、R33:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
TR−3:R31、R32:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2 ;R33:-(CH2)12-CH3
TR−4:R31、R32:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R33:-(CH2)12-CH3
TR−5:R31:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R32、R33:-(CH2)12-CH3
TR−6:R31:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R32、R33:-(CH2)12-CH3
TR−7:R31、R32:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2 ;R33:-(CH2)12-CH3
TR−8:R31:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2 ;R32、R33:-(CH2)12-CH3
TR−9:R31、R32、R33:-(CH2)9-O-EpEt
TR−10:R31、R32、R33:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-EpEt
TR−11:R31、R32:-(CH2)9-O-EpEt;R33:-(CH2)12-CH3
TR−12:R31、R32、R33:-(CH2)9-O-CH=CH2
TR−13:R31、R32:-(CH2)9-O-CH=CH2;R33:-(CH2)12-CH3
(註)EpEt:エポキシエチル
【0076】
【化20】
Figure 0004084519
【0077】
TR−14:X1、X2、X3:-O-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−15:X1、X2、X3:-O-;R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−16:X1、X2、X3:-O-;R32、R35、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
TR−17:X1、X2、X3:-O-;
R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
TR−18:X1、X2、X3:-O-;R31、R33、R34、R36、R37、R39:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−19:X1、X2、X3:-O-;
R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−20:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−21:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;
R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−22:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;
R37、R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−23:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;
R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−24:X1:-O-;X2、X3:-NH-;R31、R33:-O-(CH2)12-CH3;
R35、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−25:X1:-O-;X2、X3:-NH-;R31、R32:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;
R35、R38:-O-(CH2)11-CH3
TR−26:X1:-O-;X2、X3:-NH-;R31、R32、R33:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;
R35、R38:-O-(CH2)11-CH3
【0078】
TR−27:X1、X2:-NH-;X3:-S-;R32、R35:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;
R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−28:X1、X2:-NH-;X3:-S-;R31、R32、R34、R35:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;
R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−29:X1、X2:-NH-;X3:-S-;R32、R35:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;
R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−30:X1、X2:-NH-;X3:-S-;
R31、R32、R34、R35:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;
R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−31:X1、X2:-NH-;X3:-S-;R31、R33、R34、R36:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;
R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−32:X1、X2:-NH-;X3:-S-;
R31、R32、R33、R34、R35、R36:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;
R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−33:X1、X2:-O-;X3:-S-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−34:X1、X2:-O-;X3:-S-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;
R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−35:X1、X2:-O-;X3:-S-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;
R37、R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−36:X1、X2:-O-;X3:-S-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;
R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−37:X1:-O-;X2、X3:-S-;R31、R33:-O-(CH2)12-CH3;
R35、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−38:X1:-O-;X2、X3:-S-;R31、R32:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;
R35、R38:-O-(CH2)11-CH3
TR−39:X1:-O-;X2、X3:-S-;R31、R32、R33:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;
R35、R38:-O-(CH2)11-CH3
【0079】
TR−40:X1、X2、X3:-S-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−41:X1、X2、X3:-S-;R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−42:X1、X2、X3:-S-;R32、R35、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
TR−43:X1、X2、X3:-S-;
R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
TR−44:X1、X2、X3:-S-;R31、R33、R34、R36、R37、R39:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−45:X1、X2、X3:-S-;
R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−46:X1、X2:-S-;X3:-NH-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−47:X1、X2:-S-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;
R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−48:X1、X2:-S-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;
R37、R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−49:X1、X2:-S-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;
R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−50:X1:-O-;X2:-NH-;X3:-S-;R31、R33:-O-(CH2)12-CH3;
R35:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−51:X1:-O-;X2:-NH-;X3:-S-;R31、R32:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;
R35:-O-(CH2)11-CH3;R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−52:X1:-O-;X2:-NH-;X3:-S-;R31、R32、R33:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;
R35:-O-(CH2)11-CH3;R38:-O-(CH2)12-CH3
【0080】
TR−53:X1、X2、X3:-O-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-EpEt
TR−54:X1、X2、X3:-O-;R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)9-O-EpEt
TR−55:X1、X2、X3:-O-;R32、R35、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-EpEt
TR−56:X1、X2、X3:-O-;
R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-EpEt
TR−57:X1、X2、X3:-O-;R31、R33、R34、R36、R37、R39:-O-(CH2)9-O-EpEt
TR−58:X1、X2、X3:-O-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-CH=CH2
TR−59:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-EpEt
TR−60:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-EpEt;
R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−61:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-EpEt;
R37、R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−62:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-EpEt;
R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−63:X1:-O-;X2、X3:-NH-;R31、R33:-O-(CH2)12-CH3;
R35、R38:-O-(CH2)9-O-EpEt
TR−64:X1:-O-;X2、X3:-NH-;R31、R32:-O-(CH2)6-O-EpEt;
R35、R38:-O-(CH2)11-CH3
TR−65:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-CH=CH2
(註)定義のないR:無置換(水素原子)
EpEt:エポキシエチル
【0081】
1,3,5−トリアジン環を有する化合物は、下記式(IV)で表されるメラミン化合物であることが好ましい。
【0082】
【化21】
Figure 0004084519
【0083】
式中、R41、R43およびR45は、それぞれ独立に、炭素原子数が1乃至30のアルキル基または水素原子であり、R42、R44およびR46は、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基であるか、あるいは、R41とR42、R43とR44またはR45とR46が結合して、複素環を形成する。
41、R43およびR45は、炭素原子数が1乃至20のアルキル基または水素原子であることが好ましく、炭素原子数が1乃至10のアルキル基または水素原子であることがより好ましく、炭素原子数が1乃至6のアルキル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
42、R44およびR46は、アリール基であることが特に好ましい。
上記アルキル基、アルケニル基、アリール基および複素環基の定義および置換基は、前記式(III)で説明した各基の定義および置換基と同様である。
41とR42、R43とR44またはR45とR46が結合して形成する複素環は、前記式(III)で説明した窒素原子に遊離原子価をもつ複素環基と同様である。
【0084】
42、R44およびR46の少なくとも一つは、炭素原子数が9乃至30のアルキレン部分またはアルケニレン部分を含むことが好ましい。炭素原子数が9乃至30のアルキレン部分またはアルケニレン部分は、直鎖状であることが好ましい。アルキレン部分またはアルケニレン部分は、アリール基の置換基に含まれていることが好ましい。
また、R42、R44およびR46の少なくとも一つは、重合性基を置換基として有することが好ましい。メラミン化合物は、少なくとも二つの重合性基を有することが好ましい。また、重合性基は、R42、R44およびR46の末端に位置することが好ましい。
メラミン化合物に重合性基を導入することで、メラミン化合物とディスコティック液晶性分子とが重合している状態で光学異方性層に含ませることができる。
重合性基を置換基として有するR42、R44およびR46は、前述した式(Rp)で示される基と同様である。
【0085】
メラミン化合物の具体例を以下に示す。
【0086】
【化22】
Figure 0004084519
【0087】
MM−1:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-(CH2)9-CH3
MM−2:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-(CH2)11-CH3
MM−3:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-(CH2)15-CH3
MM−4:R44、R54、R64:-O-(CH2)9-CH3
MM−5:R44、R54、R64:-O-(CH2)15-CH3
MM−6:R43、R53、R63:-O-CH3;R44、R54、R64:-O-(CH2)17-CH3
MM−7:R44、R54、R64:-CO-O-(CH2)11-CH3
MM−8:R44、R54、R64:-SO2-NH-(CH2)17-CH3
MM−9:R43、R53、R63:-O-CO-(CH2)15-CH3
MM−10:R42、R52、R62:-O-(CH2)17-CH3
MM−11:R42、R52、R62:-O-CH3;R43、R53、R63:-CO-O-(CH2)11-CH3
MM−12:R42、R52、R62:-Cl;R43、R53、R63:-CO-O-(CH2)11-CH3
MM−13:R42、R52、R62:-O-(CH2)11-CH3;R45、R55、R65:-SO2-NH-iso-C3H7
【0088】
MM−14:R42、R52、R62:-Cl;R45、R55、R65:-SO2-NH-(CH2)15-CH3
MM−15:R42、R46、R52、R56、R62、R66:-Cl;R45、R55、R65:-SO2-NH-(CH2)19-CH3
MM−16:R43、R54:-O-(CH2)9-CH3;R44、R53、R63、R64:-O-(CH2)11-CH3
MM−17:R44:-O-(CH2)11-CH3;R54:-O-(CH2)15-CH3;R64:-O-(CH2)17-CH3
MM−18:R42、R45、R52、R55、R62、R65:-O-CH3;R44、R54、R64:-NH-CO-(CH2)14-CH3
MM−19:R42、R45、R52、R55、R62、R65:-O-(CH2)3-CH3;
R44、R54、R64:-O-(CH2)15-CH3
MM−20:R42、R52、R62:-NH-SO2-(CH2)15-CH3;R44、R45、R54、R55、R64、R65:-Cl
MM−21:R42、R43、R52、R53、R62、R63:-F;R44、R54、R64:-CO-NH-(CH2)15-CH3;
R45、R46、R55、R56、R65、R66:-Cl
MM−22:R42、R52、R62:-Cl;R44、R54、R64:-CH3;
R45、R55、R65:-NH-CO-(CH2)12-CH3
MM−23:R42、R52、R62:-OH;R44、R54、R64:-CH3;R45、R55、R65:-O-(CH2)15-CH3
MM−24:R42、R45、R52、R55、R62、R65:-O-CH3;R44、R54、R64:-(CH2)11-CH3
MM−25:R42、R52、R62:-NH-SO2-CH3;R45、R55、R65:-CO-O-(CH2)11-CH3
MM−26:R42、R52、R62:-S-(CH2)11-CH3;R45、R55、R65:-SO2-NH2
【0089】
MM−27:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-(CH2)12-O-CO-CH=CH2
MM−28:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-(CH2)8-O-CO-CH=CH2
MM−29:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-CO-(CH2)7-O-CO-CH=CH2
MM−30:R44、R54、R64:-CO-O-(CH2)12-O-CO-C(CH3)=CH2
MM−31:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-CO-p-Ph-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
MM−32:R42、R44、R52、R54、R62、R64:-NH-SO2-(CH2)8-O-CO-CH=CH2;
R45、R55、R65:-Cl
MM−33:R42、R52、R62:-NH-SO2-CH3;R45、R55、R65:-CO-O-(CH2)12-O-CO-CH=CH2
【0090】
MM−34:R44、R54、R64:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
MM−35:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
MM−36:R44、R54、R64:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
MM−37:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
MM−38:R43、R45、R53、R55、R63、R65:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
MM−39:R43、R44、R45、R53、R54、R55、R63、R64、R65:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
MM−40:R44、R54:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R64:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
MM−41:R44、R54:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R64:-O-(CH2)12-CH3
MM−42:R44、R54:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R63、R64:-O-(CH2)12-CH3
MM−43:R44、R54:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R63、R64:-O-CO-(CH2)11-CH3
MM−44:R43、R45:-O-(CH2)12-CH3;R54、R64:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
MM−45:R43、R44:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R54、R64:-O-(CH2)11-CH3
MM−46:R43、R44、R45:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R54、R64:-O-(CH2)11-CH3
(註)定義のないR:無置換(水素原子)
p-Ph:p−フェニレン
【0091】
【化23】
Figure 0004084519
【0092】
MM−47:R46、R56、R66:-SO2-NH-(CH2)15-CH3;R48、R58、R68:-O-(CH2)11-CH3
MM−48:R45、R55、R65:-SO2-NH-(CH2)17-CH3
MM−49:R46、R56、R66:-SO2-NH-(CH2)15-CH3
MM−50:R45、R55、R65:-O-(CH2)17-CH3;R47、R57、R67:-SO2-NH-CH3
MM−51:R43、R53、R63:-O-(CH2)15-CH3
MM−52:R41、R51、R61:-O-(CH2)17-CH3
MM−53:R46、R56、R66:-SO2-NH-Ph;R48、R58、R68:-O-(CH2)11-CH3
MM−54:R45、R55、R65:-O-(CH2)21-CH3;R47、R57、R67:-SO2-NH-Ph
MM−55:R41、R51、R61:-p-Ph-(CH2)11-CH3
MM−56:R46、R48、R56、R58、R66、R68:-SO2-NH-(CH2)7-CH3
MM−57:R46、R56、R66:-SO2-NH-(CH2)10-O-CO-CH=CH2;
R48、R58、R68:-O-(CH2)12-CH3
MM−58:R45、R55、R65:-O-(CH2)12-O-CO-CH=CH2;R47、R57、R67:-SO2-NH-Ph
MM−59:R43、R53、R63:-O-(CH2)16-O-CO-CH=CH2
(註)定義のないR:無置換(水素原子)
Ph:フェニル
p-Ph:p−フェニレン
【0093】
【化24】
Figure 0004084519
【0094】
MM−60:R45、R55、R65:-NH-CO-(CH2)14-CH3
MM−61:R42、R52、R62:-O-(CH2)17-CH3
MM−62:R44、R54、R64:-O-(CH2)15-CH3
MM−63:R45、R55、R65:-SO2-NH-(CH2)15-CH3
MM−64:R43、R53、R63:-CO-NH-(CH2)17-CH3;R44、R54、R64:-OH
MM−65:R45、R55、R65:-O-(CH2)15-CH3;R46、R56、R66:-SO2-NH-(CH2)11-CH3
MM−66:R47、R57、R67:-O-(CH2)21-CH3
MM−67:R44、R54、R64:-O-p-Ph-(CH2)11-CH3
MM−68:R46、R56、R66:-SO2-NH-(CH2)15-CH3
MM−69:R43、R53、R63:-CO-NH-(CH2)17-CH3;
R44、R54、R64:-O-(CH2)12-O-CO-CH=CH2
MM−70:R45、R55、R65:-O-(CH2)8-O-CO-CH=CH2;
R46、R56、R66:-SO2-NH-(CH2)11-CH3
MM−71:R43、R46、R53、R56、R63、R66:-SO2-NH-(CH2)8-0-CO-CH=CH2
(註)定義のないR:無置換(水素原子)
p-Ph:p−フェニレン
【0095】
【化25】
Figure 0004084519
【0096】
MM−72:R41、R43、R45:-CH3
MM−73:R41、R43、R45:-C2H5
MM−74:R41、R43:-C2H5;R45:-CH3
MM−75:R41、R43、R45:-(CH2)3-CH3
【0097】
【化26】
Figure 0004084519
【0098】
MM−76:R42、R44、R46:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
MM−77:R42、R44、R46:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
MM−78:R42、R44:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2 ;R46:-(CH2)12-CH3
MM−79:R42、R44:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R46:-(CH2)12-CH3
MM−80:R42:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R44、R46:-(CH2)12-CH3
MM−81:R42:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R44、R46:-(CH2)12-CH3
MM−82:R42、R44:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2 ;R46:-(CH2)12-CH3
MM−83:R42:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2 ;R44、R46:-(CH2)12-CH3
MM−84:R42、R44、R46:-(CH2)9-O-EpEt
MM−85:R42、R44、R46:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-EpEt
MM−86:R42、R44:-(CH2)9-O-EpEt;R46:-(CH2)12-CH3
MM−87:R42、R44、R46:-(CH2)9-O-CH=CH2
MM−88:R42、R44:-(CH2)9-O-CH=CH2;R46:-(CH2)12-CH3
(註)EpEt:エポキシエチル
【0099】
【化27】
Figure 0004084519
【0100】
MM−89:R41、R42、R43、R44、R45、R46:-(CH2)9-CH3
MM−90:R41、R43、R45:-CH3;R42、R44、R46:-(CH2)17-CH3
MM−91:R41、R42、R43、R44:-(CH2)7-CH3;R45、R46:-(CH2)5-CH3
MM−92:R41、R42、R43、R44、R45、R46:-CyHx
MM−93:R41、R42、R43、R44、R45、R46:-(CH2)2-O-C2H5
MM−94:R41、R43、R45:-CH3;R42、R44、R46:-(CH2)12-O-CO-CH=CH2
MM−95:R41、R42、R43、R44、R45、R46:-(CH2)8-O-CO-CH=CH2
(註)CyHx:シクロヘキシル
【0101】
【化28】
Figure 0004084519
【0102】
メラミン化合物として、メラミンポリマーを用いてもよい。メラミンポリマーは、下記式(V)で示すメラミン化合物とカルボニル化合物との重合反応により合成することが好ましい。
【0103】
【化29】
Figure 0004084519
【0104】
式中、R71、R72、R73、R74、R75およびR76は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基である。
上記アルキル基、アルケニル基、アリール基および複素環基の定義および置換基は、前記式(III)で説明した各基の定義および置換基と同様である。
メラミン化合物とカルボニル化合物との重合反応は、通常のメラミン樹脂(例、メラミンホルムアルデヒド樹脂)の合成方法と同様である。市販のメラミンポリマー(メラミン樹脂)を用いてもよい。
メラミンポリマーの分子量は、2千以上40万以下であることが好ましい。
【0105】
71、R72、R73、R74、R75およびR76の少なくとも一つは、炭素原子数が9乃至30のアルキレン部分またはアルケニレン部分を含むことが好ましい。炭素原子数が9乃至30のアルキレン部分またはアルケニレン部分は、直鎖状であることが好ましい。アルキレン部分またはアルケニレン部分は、アリール基の置換基に含まれていることが好ましい。
また、R71、R72、R73、R74、R75およびR76の少なくとも一つは、重合性基を置換基として有することが好ましい。また、重合性基は、R71、R72、R73、R74、R75およびR76の末端に位置することが好ましい。
メラミンポリマーに重合性基を導入することで、メラミンポリマーとディスコティック液晶性分子とが重合している状態で光学異方性層に含ませることができる。
重合性基を置換基として有するR71、R72、R73、R74、R75およびR76は、前述した式(Rp)で示される基と同様である。
重合性基は、カルボニル化合物(R71、R72)とメラミン化合物(R73、R74、R75、R76)の一方に導入すればよい。メラミン化合物が重合性基を有する場合は、カルボニル化合物はホルムアルデヒドのような簡単な化学構造の化合物が好ましく用いられる。カルボニル化合物が重合性基を有する場合は、メラミン化合物は、(無置換)メラミンのような簡単な化学構造の化合物が好ましく用いられる。
【0106】
重合性基を有するカルボニル化合物の例を以下に示す。
【0107】
【化30】
Figure 0004084519
【0108】
CO−1:R72:-H;R82:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−2:R72:-H;R81、R82:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−3:R72:-H;R82:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
CO−4:R72:-H;R81、R82:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
CO−5:R72:-H;R81、R83:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−6:R72:-H;R81、R82、R83:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−7:R72:-CH3;R82:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−8:R72:-(CH2)11-CH3;R82:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
CO−9:R72:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R82:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
CO−10:R72:-(CH2)9-O-CO-EpEt;R82:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
CO−11:R72:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R81、R83:-O-(CH2)12-CH3
(註)定義のないR:無置換(水素原子)
EpEt:エポキシエチル
【0109】
【化31】
Figure 0004084519
【0110】
CO−12:R81、R82、R83、R84:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2
CO−13:R82、R83:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
(註)定義のないR:無置換(水素原子)
【0111】
【化32】
Figure 0004084519
【0112】
CO−14:R71:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R72:-H
CO−15:R71:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R72:-H
CO−16:R71:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R72:-CH3
CO−17:R71:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R72:-CH3
CO−18:R71:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R72:-Ph
CO−19:R71:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R72:-Ph
CO−20:R71:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R72:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−21:R71:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R72:-(CH2)12-CH3
CO−22:R71:-(CH2)9-O-EpEt;R72:-H
CO−23:R71:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-EpEt;R72:-H
CO−24:R71、R72:-(CH2)9-O-EpEt
CO−25:R71、R72:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−26:R71、R72:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
(註)Ph:フェニル
EpEt:エポキシエチル
【0113】
メラミン化合物側に重合性基を有するメラミンポリマーの例を以下に示す。
【0114】
【化33】
Figure 0004084519
【0115】
MP−1:R73、R75、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)8-CH3
MP−2:R71:-CH3;R73、R75、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;
R74:-CH2-NH-CO-(CH2)8-CH3
MP−3:R71、R72:-CH3;R73、R75、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;
R74:-CH2-NH-CO-(CH2)8-CH3
MP−4:R71:-Ph;R73、R75、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;
R74:-CH2-NH-CO-(CH2)8-CH3
MP−5:R73、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;
R74:-CH2-NH-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-O-CH3
MP−6:R73、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;
R74:-CH2-NH-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-OH
MP−7:R73、R76:-CH2-NH-CO-C2H5;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)16-CH3;
R75:-CH2-O-CH3
MP−8:R73、R76:-CH2-NH-CO-C2H5;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)16-CH3;
R75:-CH2-OH
MP−9:R73、R76:-CH2-O-CO-CH=CH2;
R74:-CH2-O-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-O-CH3
MP−10:R73、R76:-CH2-O-CO-CH=CH2;
R74:-CH2-O-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-OH
MP−11:R73、R76:-CH2-O-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;
R74:-CH2-NH-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-O-CH3
MP−12:R73、R76:-CH2-O-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;
R74:-CH2-NH-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-OH
MP−13:R73、R74、R75、R76:-CH2-O-(CH2)11-O-CO-CH=CH2
MP−14:R73、R75、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;R74:-CH2-O-(CH2)16-CH3
(註)定義のないR:無置換(水素原子)
Ph:フェニル
【0116】
二種類以上の1,3,5−トリアジン環を有する化合物(メラミン化合物およびメラミンポリマーを含む)を併用してもよい。
1,3,5−トリアジン環を有する化合物は、ディスコティック液晶性分子の量の0.01乃至20重量%の量で使用することが好ましく、0.1乃至15重量%の量で使用することがさらに好ましく、0.5乃至10重量%の量で使用することが最も好ましい。
1,3,5−トリアジン環を有する化合物の塗布量は、1乃至1000mg/m2 の範囲であることが好ましく、2乃至300mg/m2 の範囲であることがさらに好ましく、3乃至100mg/m2 の範囲であることが最も好ましい。
【0117】
棒状液晶性分子としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。なお、棒状液晶性分子には、金属錯体も含まれる。
棒状液晶性分子については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994年)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。
棒状液晶性分子の複屈折率は、0.001乃至0.7であることが好ましい。棒状液晶性分子は、重合性基を有することが好ましい。重合性基の例は、ディスコティック液晶性分子の重合性基(Q)の例と同様である。
棒状液晶性分子は、短軸方向に対してほぼ対称となる分子構造を有することが好ましい。そのためには、棒状分子構造の両端に重合性基を有することが好ましい。
以下に、棒状液晶性分子の例を示す。
【0118】
【化34】
Figure 0004084519
【0119】
【化35】
Figure 0004084519
【0120】
【化36】
Figure 0004084519
【0121】
【化37】
Figure 0004084519
【0122】
【化38】
Figure 0004084519
【0123】
【化39】
Figure 0004084519
【0124】
【化40】
Figure 0004084519
【0125】
【化41】
Figure 0004084519
【0126】
【化42】
Figure 0004084519
【0127】
【化43】
Figure 0004084519
【0128】
【化44】
Figure 0004084519
【0129】
【化45】
Figure 0004084519
【0130】
【化46】
Figure 0004084519
【0131】
光学異方性層は、液晶性分子あるいは下記の重合性開始剤や任意の添加剤(例、可塑剤、モノマー、界面活性剤、セルロースエステル、1,3,5−トリアジン化合物、カイラル剤)を含む液晶組成物(塗布液)を、配向膜の上に塗布することで形成する。
液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
液晶組成物の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
【0132】
液晶性分子の重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01乃至20重量%であることが好ましく、0.5乃至5重量%であることがさらに好ましい。
液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm2 乃至50J/cm2 であることが好ましく、100乃至800mJ/cm2 であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
光学異方性層の厚さは(複数の光学異方性層を設ける場合は、それぞれ独立に)、0.1乃至20μmであることが好ましく、0.5乃至15μmであることがさらに好ましく、1乃至10μmであることが最も好ましい。
【0133】
[透明支持体]
光学補償シートの透明支持体として、ガラス板またはポリマーフイルム、好ましくはポリマーフイルムが用いられる。支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。
透明支持体として、一般には、光学等方性のポリマーフイルムが用いられている。光学等方性とは、具体的には、面内レターデーション(Re)が10nm未満であることが好ましく、5nm未満であることがさらに好ましい。また、光学等方性透明支持体では、厚み方向のレターデーション(Rth)も、10nm未満であることが好ましく、5nm未満であることがさらに好ましい。透明支持体の面内レターデーション(Re)と厚み方向のレターデーション(Rth)は、それぞれ下記式で定義される。
Re=(nx−ny)×d
Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d
式中、nxおよびnyは、透明支持体の面内屈折率であり、nzは透明支持体の厚み方向の屈折率であり、そしてdは透明支持体の厚さである。
【0134】
液晶表示モードの種類によっては、透明支持体として光学異方性のポリマーフイルムが用いられる場合もある。すなわち、光学異方性層の光学異方性に透明支持体の光学異方性も加えて、液晶セルの光学異方性に対応する(光学的に補償する)場合もある。そのような場合、透明支持体は、光学的一軸性または光学的二軸性を有することが好ましい。光学的一軸性支持体の場合、光学的に正(光軸方向の屈折率が光軸に垂直な方向の屈折率よりも大)であっても負(光軸方向の屈折率が光軸に垂直な方向の屈折率よりも小)であってもよい。光学的二軸性支持体の場合、前記式の屈折率nx、nyおよびnzは、全て異なる値(nx≠ny≠nz)になる。
光学異方性透明支持体の面内レターデーション(Re)は、10乃至1000nmであることが好ましく、15乃至300nmであることがさらに好ましく、20乃至200nmであることが最も好ましい。光学異方性透明支持体の厚み方向のレターデーション(Rth)は、10乃至1000nmであることが好ましく、15乃至300nmであることがより好ましく、20乃至200nmであることがさらに好ましい。
【0135】
透明支持体を形成する材料は、光学等方性支持体とするか、光学異方性支持体とするかに応じて決定する。光学等方性支持体の場合は、一般にガラスまたはセルロースエステルが用いられる。光学異方性支持体の場合は、一般に合成ポリマー(例、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ノルボルネン樹脂)が用いられる。ただし、欧州特許0911656A2号明細書に記載されている(1)レターデーション上昇剤の使用、(2)セルロースアセテートの酢化度の低下、あるいは(3)冷却溶解法によるフイルムの製造により、光学異方性の(レターデーションが高い)セルロースエステルフイルムを製造することもできる。
ポリマーフイルムからなる透明支持体は、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。
【0136】
光学異方性透明支持体を得るためには、ポリマーフイルムに延伸処理を実施することが好ましい。
光学的一軸性支持体を製造する場合は、通常の一軸延伸処理または二軸延伸処理を実施すればよい。
光学的二軸性支持体を製造する場合は、アンバランス二軸延伸処理を実施することが好ましい。アンバランス二軸延伸では、ポリマーフイルムをある方向に一定倍率(例えば3乃至100%、好ましくは5乃至30%)延伸し、それと垂直な方向にそれ以上の倍率(例えば6乃至200%、好ましくは10乃至90%)延伸する。二方向の延伸処理は、同時に実施してもよい。
延伸方向(アンバランス二軸延伸では延伸倍率の高い方向)と延伸後のフイルムの面内の遅相軸とは、実質的に同じ方向になることが好ましい。延伸方向と遅相軸との角度は、10゜未満であることが好ましく、5゜未満であることがさらに好ましく、3゜未満であることが最も好ましい。
【0137】
透明支持体の厚さは、10乃至500μmであることが好ましく、50乃至200μmであることがさらに好ましい。
透明支持体とその上に設けられる層(接着層、配向膜あるいは光学異方性層)との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。
透明支持体に紫外線吸収剤を添加してもよい。
透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。接着層については、特開平7−333433号公報に記載がある。接着層の厚さは、0.1乃至2μmであることが好ましく、0.2乃至1μmであることがさらに好ましい。
【0138】
[配向膜]
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。ポリマーのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に、数回こすることにより実施する。
配向膜に使用するポリマーの種類は、液晶性分子の配向(特に平均傾斜角)に応じて決定する。
液晶性分子を比較的水平(平均傾斜角:0乃至50゜)に配向させるためには、配向膜の表面エネルギーを低下させないポリマー(通常の配向膜用ポリマー)を用いる。
液晶性分子を比較的垂直(平均傾斜角:50乃至90゜)に配向させるためには、配向膜の表面エネルギーを低下させるポリマーを用いる。配向膜の表面エネルギーを低下させるためには、ポリマーの側鎖に炭素原子数が10乃至100の炭化水素基を導入することが好ましい。
【0139】
具体的なポリマーの種類については、前述した様々な表示モードに対応する液晶性分子を用いた光学補償シートについての文献に記載がある。
配向膜の厚さは、0.01乃至5μmであることが好ましく、0.05乃至1μmであることがさらに好ましい。
なお、配向膜を用いて、光学異方性層の液晶性分子を配向させてから、光学異方性層を透明支持体上に転写してもよい。配向状態で固定された液晶性分子は、配向膜がなくても配向状態を維持することができる。
また、平均傾斜角が5゜未満の配向の場合は、ラビング処理をする必要はなく、配向膜も不要である。ただし、液晶性分子と透明支持体との密着性を改善する目的で、界面で液晶性分子と化学結合を形成する配向膜(特開平9−152509号公報記載)を用いてもよい。密着性改善の目的で配向膜を使用する場合は、ラビング処理を実施しなくてもよい。
二種類の光学異方性層を透明支持体の同じ側に設ける場合、透明支持体上に形成した光学異方性層を、その上に設ける光学異方性層の配向膜として機能させることも可能である。
【0140】
[偏光膜]
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸は、フイルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
偏光膜の面内の透過軸は、棒状液晶性分子の長軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向と、実質的に平行または直交するように配置することが好ましい。
【0141】
[透明保護膜]
透明保護膜としては、透明なポリマーフイルムが用いられる。保護膜が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。
透明保護膜としては、一般にセルロースエステルフイルム、好ましくはトリアセチルセルロースフイルムが用いられる。セルロースエステルフイルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。
透明保護膜の厚さは、20乃至500μmであることが好ましく、50乃至200μmであることがさらに好ましい。
【0142】
[液晶表示装置]
本発明は、様々な表示モードの液晶セルに適用できる。前述したように、液晶性分子を用いた光学補償シートは、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence )およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)モードの液晶セルに対応するものが既に提案されている。本発明は、TNモード、VAモードおよびECBモードの液晶表示装置において特に効果がある。
TNモードの液晶セルは、最も広く普及しているカラーTFT液晶ディスプレイに利用されており、様々な文献に記載がある。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
【0143】
【実施例】
[実施例1]
(第1下塗り層/透明支持体/第2下塗り層の作製)
セルローストリアセテートフイルムを透明支持体として用いた。
透明支持体の一方の面に、セルロースジアセテートを塗布して第1下塗り層を形成した。
透明支持体の他方の面に、ゼラチンを塗布して第2下塗り層を形成した。
【0144】
(第1下塗り層/透明支持体/第2下塗り層/配向膜の作製)
第2下塗り層の上に、ポリビニルアルコール(ポバールMP203、クラレ(株)製)の2重量%水溶液を塗布、乾燥し、さらにラビング処理を実施して、厚さ0.5μmの配向膜を形成した。
【0145】
(第1光学異方性層/第1下塗り層/透明支持体/第2下塗り層/配向膜の作製)
下記のディスコティック液晶性分子(1)90重量部、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)10重量部、メラミンホルムアルデヒド/アクリル酸コポリマー(アルドリッチ試薬)0.6重量部、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)3.0重量部および光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解して、固形分濃度が38重量%の塗布液を調製した。
【0146】
【化47】
Figure 0004084519
【0147】
塗布液を第1下塗り層の上に塗布、乾燥した。130℃で2分間加熱して、ディスコティック液晶性分子を配向させた。直ちに室温に冷却し、500mJ/cm2 の紫外線を照射して、ディスコティック液晶性分子を重合させ、配向状態を固定した。形成した第1光学異方性層の厚さは、1.7μmであった。
第1光学異方性層のレターデーションの角度依存性を、エリプソメーター(日本分光(株)製)で測定した。その結果、ディスコティック液晶性分子の平均傾斜角は0.2゜、厚み方向のレターデーション(Rth)は88nmであった。
【0148】
(第1光学異方性層/第1下塗り層/透明支持体/第2下塗り層/配向膜/第2光学異方性層からなる光学補償シートの作製)
棒状液晶性分子(N26)90重量部、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)10重量部、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)3.0重量部および光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解して、固形分濃度が38重量%の塗布液を調製した。
塗布液を配向膜の上に塗布、乾燥した。130℃で2分間加熱して、棒状液晶性分子を配向させた。直ちに室温に冷却し、500mJ/cm2 の紫外線を照射して、棒状液晶性分子を重合させ、配向状態を固定した。形成した第2光学異方性層の厚さは、0.5μmであった。
このようにして、光学補償シートを作製した。
別に、第1下塗り層/透明支持体/第2下塗り層/配向膜/第2光学異方性層の層構成で、第2光学異方性層のレターデーションの角度依存性を、エリプソメーター(日本分光(株)製)で測定した。その結果、面内レターデーション(Re)が50nmであり、棒状液晶性分子は水平(ホモジニアス)配向していた。
【0149】
(第1光学異方性層/第1下塗り層/透明支持体/第2下塗り層/配向膜/第2光学異方性層/偏光膜/透明保護膜からなる楕円偏光板の作製)
光学補償シートに透明保護膜と偏光膜とを積層して、楕円偏光板を作製した。
第2光学異方性層の光学軸(棒状液晶性分子の長軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向)と偏光膜の偏光軸とは平行になるように配置した。
【0150】
(液晶表示装置の作製)
市販のVA液晶表示装置(LCD5000)から楕円偏光板を削除し、代わりに作製した楕円偏光板を貼り付けた。
作製したVA液晶表示装置について、全方位のコントラストデータを測定したところ、コントラスト比20:1が得られる視野角は、上下左右160゜であった。これに対して、市販のVA液晶表示装置(LCD5000)において、コントラスト比20:1が得られる視野角は、上下左右120゜であった。
また、液晶表示装置の点灯直後と、2時間点灯後の黒表示事態でのムラを測定したところ、点灯直後と2時間点灯後では全く変化が認められなかった。
【0151】
[実施例2]
(透明支持体/下塗り層の作製)
セルローストリアセテートフイルムを透明支持体として用いた。
透明支持体の一方の面に、セルロースジアセテートを塗布して下塗り層を形成した。下塗り層の厚さは、0.5μmであった。
【0152】
(透明支持体/下塗り層/第1光学異方性層の作製)
実施例1で用いたディスコティック液晶性分子(1)90重量部、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)10重量部、メラミンホルムアルデヒド/アクリル酸コポリマー(アルドリッチ試薬)0.6重量部、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)3.0重量部および光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1.0を、メチルエチルケトンに溶解して、固形分濃度が38重量%の塗布液を調製した。
塗布液を下塗り層の上に塗布、乾燥した。130℃で2分間加熱して、ディスコティック液晶性分子を配向させた。直ちに室温に冷却し、500mJ/cm2 の紫外線を照射して、ディスコティック液晶性分子を重合させ、配向状態を固定した。形成した第1光学異方性層の厚さは、1.7μmであった。
【0153】
(透明支持体/下塗り層/第1光学異方性層/第2光学異方性層からなる光学補償シートの作製)
棒状液晶性分子(N26)90重量部、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)10重量部、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)3.0重量部および光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解して、固形分濃度が38重量%の塗布液を調製した。
第1光学異方性層の表面をラビング処理し、塗布液を第1光学異方性層の上に塗布、乾燥した。130℃で2分間加熱して、棒状液晶性分子を配向させた。直ちに室温に冷却し、500mJ/cm2 の紫外線を照射して、棒状液晶性分子を重合させ、配向状態を固定した。形成した第2光学異方性層の厚さは、0.5μmであった。
このようにして、光学補償シートを作製した。
【0154】
(透明保護膜/偏光膜/透明支持体/下塗り層/第1光学異方性層/第2光学異方性層からなる楕円偏光板の作製)
光学補償シートに透明保護膜と偏光膜とを積層して、楕円偏光板を作製した。
第2光学異方性層の光学軸(棒状液晶性分子の長軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向)と偏光膜の偏光軸とは平行になるように配置した。
【0155】
(液晶表示装置の作製)
市販のVA液晶表示装置(LCD5000)から楕円偏光板を削除し、代わりに作製した楕円偏光板を貼り付けた。
作製したVA液晶表示装置について、全方位のコントラストデータを測定したところ、コントラスト比20:1が得られる視野角は、上下左右160゜であった。これに対して、市販のVA液晶表示装置(LCD5000)において、コントラスト比20:1が得られる視野角は、上下左右120゜であった。
【0156】
[実施例3]
(透明支持体/下塗り層の作製)
平均酢化度60.9%のセルロースアセテートフイルムを透明支持体として用いた。
透明支持体の一方の面に、ゼラチンを塗布して下塗り層を形成した。
【0157】
(透明支持体/下塗り層/配向膜の作製)
下塗り層の上に、下記の変性ポリビニルアルコール2重量%およびグルタルアルデヒド0.1重量%の水溶液を塗布、乾燥し、さらにラビング処理を実施して、厚さ0.5μmの配向膜を形成した。
【0158】
【化48】
Figure 0004084519
【0159】
(透明支持体/下塗り層/配向膜/光学異方性層からなる光学補償シートの作製)
実施例1で用いたディスコティック液晶性分子(1)80重量部、棒状液晶性分子(N26)10重量部、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)10重量部、メラミンホルムアルデヒド/アクリル酸コポリマー(アルドリッチ試薬)0.6重量部、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)3.0重量部および光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1.0重量部を、メチルエチルケトン170重量部に溶解して、塗布液を調製した。
塗布液を配向膜の上に塗布、乾燥した。130℃で1分間加熱して、ディスコティック液晶性分子と棒状液晶性分子とを配向させた。さらに紫外線を照射して、ディスコティック液晶性分子と棒状液晶性分子とを重合させ、配向状態を固定した。形成した光学異方性層の厚さは、1.2μmであった。
波長633nmにおける光学異方性層のレターデーションを、エリプソメーター(M150、日本分光(株)製)で測定した。その結果、厚み方向のレターデーション(Rth)は160nm、面内レターデーション(Re)は40nmであった。
【0160】
[実施例4]
(透明支持体の作製)
平均酢化度60.9%のセルロースアセテート45重量部、下記のレターデーション上昇剤2.35重量部、リン酸トリフェニル2.75重量部およびリン酸ビフェニルジフェニル2.20重量部を、塩化メチレン232.75重量部、メタノール42.57重量部およびn−ブタノール8.50重量部に溶解した。得られた溶液をドラム流延機を用いて流延し、乾燥後の厚さが100μmのセルロースアセテートフイルムを作製した。
【0161】
【化49】
Figure 0004084519
【0162】
セルロースアセテートフイルムを実質倍率20%で延伸して、透明支持体を作製した。
波長633nmにおける透明支持体のレターデーションを、エリプソメーター(M150、日本分光(株)製)で測定した。その結果、厚み方向のレターデーション(Rth)は85nm、面内レターデーション(Re)は40nmであった。
【0163】
(透明支持体/下塗り層の作製)
平均酢化度60.9%のセルロースアセテートフイルムを透明支持体として用いた。
透明支持体の一方の面に、ゼラチンを塗布して下塗り層を形成した。
【0164】
(透明支持体/下塗り層/配向膜の作製)
下塗り層の上に、実施例3で用いた変性ポリビニルアルコール2重量%およびグルタルアルデヒド0.1重量%の水溶液を塗布、乾燥し、さらにラビング処理を実施して、厚さ0.5μmの配向膜を形成した。
【0165】
(透明支持体/下塗り層/配向膜/光学異方性層からなる光学補償シートの作製)
実施例1で用いたディスコティック液晶性分子(1)80重量部、棒状液晶性分子(N26)10重量部、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)10重量部、メラミンホルムアルデヒド/アクリル酸コポリマー(アルドリッチ試薬)0.6重量部、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)3.0重量部および光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1.0重量部を、メチルエチルケトン170重量部に溶解して、塗布液を調製した。
塗布液を配向膜の上に塗布、乾燥した。130℃で1分間加熱して、ディスコティック液晶性分子と棒状液晶性分子とを配向させた。さらに紫外線を照射して、ディスコティック液晶性分子と棒状液晶性分子とを重合させ、配向状態を固定した。形成した光学異方性層の厚さは、1.2μmであった。
波長633nmにおける光学異方性層のレターデーションを、エリプソメーター(M150、日本分光(株)製)で測定した。その結果、厚み方向のレターデーション(Rth)は160nm、面内レターデーション(Re)は40nmであった。
【0166】
[実施例5]
(透明支持体/下塗り層の作製)
厚さ100μmのセルローストリアセテートフイルムを透明支持体として用いた。
透明支持体の一方の面に、厚さ0.1μmのゼラチン下塗り層を設けた。
【0167】
(透明支持体/下塗り層/第1配向膜の作製)
下塗り層の上に、実施例3で用いた変性ポリビニルアルコールを塗布し、80℃の温風で乾燥した後、ラビング処理を行い第1配向膜を形成した。第1配向膜のラビング方向は、透明支持体の流延方向と平行であった。
【0168】
(透明支持体/下塗り層/第1配向膜/第1光学異方性層の作製)
実施例1で用いたディスコティック液晶性化合物(1)1.8g、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)0.2g、セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製)0.04g、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)0.06gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.02gを、3.43gのメチルエチルケトンに溶解して、塗布液を調製した。
第1配向膜の上に、塗布液を#3のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて固定した状態で、120℃の恒温槽中で3分間加熱し、ディスコティック液晶性分子を配向させた。120℃の温度を維持しながら、120W/cmの高圧水銀灯用いて、1分間紫外線を照射し、ディスコティック液晶性分子のビニル基を重合させ、配向状態を固定した。その後、室温まで冷却した。
形成した第1光学異方性層の厚さは、1.5μmであった。エリプソメータ−によりレターデーションの角度依存性を測定することにより、ディスコティック液晶性分子の平均傾斜角を求めたところ、36度であった。また、第1光学異方性層の厚み方向のレターデーション(Rth)は、70nmであった。
【0169】
(第2配向膜/透明支持体/下塗り層/第1配向膜/第1光学異方性層の作製)透明支持体の反対側の面に、市販のポリイミド配向膜溶液(SE−5291、日産化学(株)製)を#5のバーコーターを用いて塗布し、80℃で15分間、さらに130℃で60分間加熱し、ラビング処理を行い厚さ0.5μmの第2配向膜を形成した。第2配向膜のラビング方向は、第1配向膜のラビング方向と直交させた。
【0170】
(第2光学異方性層/第2配向膜/透明支持体/下塗り層/第1配向膜/第1光学異方性層からなる光学補償シートの作製)
棒状液晶性分子(N26)100重量部、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)1.0重量部および光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.3重量部を、メチレンクロライド900重量部に溶解して、塗布液を調製した。
塗布液を第2配向膜の上に塗布、乾燥した。110℃で5分間加熱して、棒状液晶性分子を配向させた。さらに500mJ/cm2 の紫外線を照射して、棒状液晶性分子を重合させ、配向状態を固定した。
第2光学異方性層について、エリプソメーターを用いて、面内レターデーション(Re)を測定し、その角度依存性から平均傾斜角を求めたところ、Reが52nm、棒状液晶性分子の平均傾斜角は、ほぼ0゜であった。
【0171】
(楕円偏光板の作製)
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて、偏光膜を作製した。
偏光膜の片面と、作製した光学補償シートの第2光学異方性層面とを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り付けた。偏光膜の透過軸と第2配向膜のラビング方向とは、直交するように配置した。
偏光膜の反対側の面に、厚さ100μmのトリアセチルセルロースフイルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明保護膜として、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り付けた。このようにして、楕円偏光板を作製した。
【0172】
(液晶表示装置の作製)
ITO透明電極が設けられたガラス基板の上に、ポリイミド配向膜を設け、ラビング処理を行った。4.5μmのスペーサーを介して、二枚の基板を配向膜が向き合うように重ねた。二枚の基板は、配向膜のラビング方向が直交するように配置した。基板の間隙に、棒状液晶性分子(ZLI−4792、メルク社製)を注入し、棒状液晶層を形成した。
以上のように作製したTN液晶セルの両側に、作製した楕円偏光板を二枚、第1光学異方性層が基板と対面するように貼り付けて、液晶表示装置を作製した。第1配向膜のラビング方向と、それに隣接する液晶セルの配向膜のラビング方向とは、反平行になるように配置した。
液晶表示装置の液晶セルに、55Hzの矩形波電圧を印加し、白表示2V、黒表示5Vにおける白表示と黒表示との透過率をコントラスト比として、上下左右でコントラスト比10が得られる視野角を測定した。上下方向の視野角は110度であり、左右方向の視野角は140度であった。
【0173】
[比較例1]
(液晶表示装置の作製)
実施例1で作製したTN液晶セルの両側に、市販の偏光板(HLC2−5618HC、サンリッツ社製)を二枚貼り付けて、液晶表示装置を作製した。配向膜の透過軸方向と、それに隣接する液晶セルの配向膜のラビング方向とは、平行になるように配置した。
液晶表示装置の液晶セルに、55Hzの矩形波電圧を印加し、白表示2V、黒表示5Vにおける白表示と黒表示との透過率をコントラスト比として、上下左右でコントラスト比10が得られる視野角を測定した。上下方向の視野角は40度であり、左右方向の視野角は90度であった。
【0174】
[実施例6]
(下塗り層/透明支持体/下塗り層の作製)
室温において、平均酢化度60.9%のセルロースアセテート45重量部、実施例4で用いたレターデーション上昇剤1.35重量部、メチレンクロリド232.72重量部、メタノール42.57重量部およびn−ブタノール8.50重量部を混合して溶液(ドープ)を調製した。
得られたドープを、有効長6mのバンド流延機を用いて、流延方向に1%、幅方向に1%延伸ながら乾燥し、厚さ100μmの透明支持体を得た。
得られた透明支持体について、エリプソメーターを用いて測定したところ、流延方向に面内レターデーション(Re)が5nmであり、厚み方向のレターデーション(Rth)が80nmであった。
透明支持体の両面に、厚さ0.1μmのゼラチン下塗り層を設けた。
【0175】
(下塗り層/透明支持体/下塗り層/第1配向膜の作製)
下塗り層の上に、実施例3で用いた変性ポリビニルアルコールを塗布し、80℃の温風で乾燥した後、ラビング処理を行い第1配向膜を形成した。第1配向膜のラビング方向は、透明支持体の流延方向と平行であった。
【0176】
(下塗り層/透明支持体/下塗り層/第1配向膜/第1光学異方性層の作製)
実施例1で用いたディスコティック液晶性化合物(1)1.8g、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)0.2g、セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製)0.04g、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)0.06gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.02gを、3.43gのメチルエチルケトンに溶解して、塗布液を調製した。
第1配向膜の上に、塗布液を#4のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて固定した状態で、120℃の恒温槽中で3分間加熱し、ディスコティック液晶性分子を配向させた。120℃の温度を維持しながら、120W/cmの高圧水銀灯用いて、1分間紫外線を照射し、ディスコティック液晶性分子のビニル基を重合させ、配向状態を固定した。その後、室温まで冷却した。
形成した第1光学異方性層の厚さは、2.0μmであった。エリプソメータ−によりレターデーションの角度依存性を測定することにより、ディスコティック液晶性分子の平均傾斜角を求めたところ、38度であった。また、第1光学異方性層の厚み方向のレターデーション(Rth)は、93nmであった。
【0177】
(第2配向膜/下塗り層/透明支持体/下塗り層/第1配向膜/第1光学異方性層の作製)
透明支持体の反対側の面に、市販のポリイミド配向膜溶液(SE−5291、日産化学(株)製)を#5のバーコーターを用いて塗布し、80℃で15分間、さらに130℃で60分間加熱し、ラビング処理を行い厚さ0.5μmの第2配向膜を形成した。第2配向膜のラビング方向は、第1配向膜のラビング方向と直交させた。
【0178】
(第2光学異方性層/第2配向膜/下塗り層/透明支持体/下塗り層/第1配向膜/第1光学異方性層からなる光学補償シートの作製)
棒状液晶性分子(N26)100重量部、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)1.0重量部および光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.3重量部を、メチレンクロライド900重量部に溶解して、塗布液を調製した。
塗布液を第2配向膜の上に塗布、乾燥した。110℃で5分間加熱して、棒状液晶性分子を配向させた。さらに500mJ/cm2 の紫外線を照射して、棒状液晶性分子を重合させ、配向状態を固定した。
第2光学異方性層について、エリプソメーターを用いて、面内レターデーション(Re)を測定し、その角度依存性から平均傾斜角を求めたところ、Reが52nm、棒状液晶性分子の平均傾斜角は、ほぼ0゜であった。
【0179】
(楕円偏光板の作製)
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて、偏光膜を作製した。
偏光膜の片面と、作製した光学補償シートの第2光学異方性層面とを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り付けた。偏光膜の透過軸と第2配向膜のラビング方向とは、平行になるように配置した。
偏光膜の反対側の面に、厚さ100μmのトリアセチルセルロースフイルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明保護膜として、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り付けた。このようにして、楕円偏光板を作製した。
【0180】
(液晶表示装置の作製)
ITO透明電極が設けられたガラス基板の上に、ポリイミド配向膜を設け、ラビング処理を行った。4.5μmのスペーサーを介して、二枚の基板を配向膜が向き合うように重ねた。二枚の基板は、配向膜のラビング方向が直交するように配置した。基板の間隙に、棒状液晶性分子(ZLI−4792、メルク社製)を注入し、棒状液晶層を形成した。
以上のように作製したTN液晶セルの両側に、作製した楕円偏光板を二枚、第1光学異方性層が基板と対面するように貼り付けて、液晶表示装置を作製した。第1配向膜のラビング方向と、それに隣接する液晶セルの配向膜のラビング方向とは、反平行になるように配置した。
液晶表示装置の液晶セルに、55Hzの矩形波電圧を印加し、白表示2V、黒表示5Vにおける白表示と黒表示との透過率をコントラスト比として、上下左右でコントラスト比10が得られる視野角を測定した。上下方向の視野角は130度であり、左右方向の視野角は150度であった。
【0181】
[実施例7]
(透明支持体/下塗り層の作製)
室温において、平均酢化度60.9%のセルロースアセテート45重量部、ジトリメチロールプロパンテトラアセテート4.95重量部、メチレンクロリド232.72重量部、メタノール42.57重量部およびn−ブタノール8.50重量部を混合して溶液(ドープ)を調製した。
得られたドープを、有効長6mのバンド流延機を用いて、乾燥膜厚が100μmとなるように流延して、乾燥し、透明支持体を得た。
得られた透明支持体について、エリプソメーターを用いて測定したところ、流延方向に面内レターデーション(Re)が0nmであり、厚み方向のレターデーション(Rth)が10nmであった。
透明支持体の一方の面に、厚さ0.1μmのゼラチン下塗り層を設けた。
【0182】
(透明支持体/下塗り層/第1配向膜の作製)
下塗り層の上に、実施例3で用いた変性ポリビニルアルコールを塗布し、80℃の温風で乾燥した後、ラビング処理を行い第1配向膜を形成した。第1配向膜のラビング方向は、透明支持体の流延方向と平行であった。
【0183】
(透明支持体/下塗り層/第1配向膜/第1光学異方性層の作製)
実施例1で用いたディスコティック液晶性化合物(1)1.8g、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)0.2g、セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製)0.08g、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)0.06gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.02gを、3.43gのメチルエチルケトンに溶解して、塗布液を調製した。
第1配向膜の上に、塗布液を#3のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて固定した状態で、120℃の恒温槽中で3分間加熱し、ディスコティック液晶性分子を配向させた。120℃の温度を維持しながら、120W/cmの高圧水銀灯用いて、1分間紫外線を照射し、ディスコティック液晶性分子のビニル基を重合させ、配向状態を固定した。その後、室温まで冷却した。
形成した第1光学異方性層の厚さは、1.5μmであった。エリプソメータ−によりレターデーションの角度依存性を測定することにより、ディスコティック液晶性分子の平均傾斜角を求めたところ、40度であった。また、第1光学異方性層の厚み方向のレターデーション(Rth)は、78nmであった。
【0184】
(第2配向膜/透明支持体/下塗り層/第1配向膜/第1光学異方性層の作製)透明支持体の反対側の面に、市販のポリイミド配向膜溶液(SE−5291、日産化学(株)製)を#5のバーコーターを用いて塗布し、80℃で15分間、さらに130℃で60分間加熱し、ラビング処理を行い厚さ0.5μmの第2配向膜を形成した。第2配向膜のラビング方向は、第1配向膜のラビング方向とは45゜の角度で交差させた。
【0185】
(第2光学異方性層/第2配向膜/下塗り層/透明支持体/下塗り層/第1配向膜/第1光学異方性層からなる光学補償シートの作製)
棒状液晶性分子(N26)100重量部、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)1.0重量部および光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.3重量部を、メチレンクロライド900重量部に溶解して、塗布液を調製した。
塗布液を第2配向膜の上に、#5のバーを用いて塗布、乾燥した。110℃で5分間加熱して、棒状液晶性分子を配向させた。さらに500mJ/cm2 の紫外線を照射して、棒状液晶性分子を重合させ、配向状態を固定した。
第2光学異方性層について、エリプソメーターを用いて、面内レターデーション(Re)を測定し、その角度依存性から平均傾斜角を求めたところ、Reが90nm、棒状液晶性分子の平均傾斜角は、ほぼ0゜であった。
【0186】
(楕円偏光板の作製)
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて、偏光膜を作製した。
偏光膜の片面と、作製した光学補償シートの第2光学異方性層面とを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り付けた。偏光膜の透過軸と第2配向膜のラビング方向とは、平行になるように配置した。
偏光膜の反対側の面に、厚さ100μmのトリアセチルセルロースフイルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明保護膜として、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り付けた。このようにして、楕円偏光板を作製した。
【0187】
(液晶表示装置の作製)
ITO透明電極が設けられたガラス基板の上に、ポリイミド配向膜を設け、ラビング処理を行った。3.7μmのスペーサーを介して、二枚の基板を配向膜が向き合うように重ねた。二枚の基板は、配向膜のラビング方向が反平行になるように配置した。基板の間隙に、棒状液晶性分子(ZLI−4792、メルク社製)を注入し、棒状液晶層を形成した。
以上のように作製したECB液晶セルの両側に、作製した楕円偏光板を二枚、第1光学異方性層が基板と対面するように貼り付けて、液晶表示装置を作製した。第1配向膜のラビング方向と、それに隣接する液晶セルの配向膜のラビング方向とは、反平行になるように配置した。
液晶表示装置の液晶セルに、55Hzの矩形波電圧を印加し、白表示2V、黒表示5Vにおける白表示と黒表示との透過率をコントラスト比として、上下左右でコントラスト比10が得られる視野角を測定した。上下方向の視野角は140度であり、左右方向の視野角は160度であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】透過型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。
【図2】反射型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。
【符号の説明】
BR バックライト
RP 反射板
1、1a、1b、1c 透明保護膜
2、2a、2b 偏光膜
3、3a、3b 第2光学異方性層
4、4a、4b 透明支持体
5、5a、5b 第1光学異方性層
6a 液晶セルの下基板
6b 液晶セルの上基板
7 棒状液晶性分子

Claims (24)

  1. 透明支持体、ディスコティック液晶性分子から形成された第1光学異方性層および棒状液晶性分子から形成された第2光学異方性層を有し、第2光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向している光学補償シート。
  2. 第1光学異方性層、透明支持体、そして第2光学異方性層の順序で積層されている請求項1に記載の光学補償シート。
  3. 透明支持体、第1光学異方性層、そして第2光学異方性層の順序で積層されている請求項1に記載の光学補償シート。
  4. 第1光学異方性層において、ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態でディスコティック液晶性分子が配向している請求項1に記載の光学補償シート。
  5. 第1光学異方性層において、ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜以上の状態でディスコティック液晶性分子が配向しており、該傾斜角がディスコティック液晶性分子と透明支持体面との距離に伴って変化している請求項1に記載の光学補償シート。
  6. 第1光学異方性層のディスコティック液晶性分子の円盤面の法線を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向と、第2光学異方性層の棒状液晶性分子の長軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向とが、実質的に平行または直交している請求項5に記載の光学補償シート。
  7. 透明支持体、ディスコティック液晶性分子から形成された第1光学異方性層および棒状液晶性分子から形成された第2光学異方性層を有し、透明支持体が光学的一軸性または光学的二軸性を有し、透明支持体の面内の遅相軸と、第2光学異方性層の棒状液晶性分子の長軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向とが、実質的に平行または直交している光学補償シート。
  8. 第2光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向している請求項7に記載の光学補償シート。
  9. 第1光学異方性層において、ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態でディスコティック液晶性分子が配向している請求項7に記載の光学補償シート。
  10. 透明支持体、ディスコティック液晶性分子から形成された第1光学異方性層、棒状液晶性分子から形成された第2光学異方性層、偏光膜および透明保護膜を有し、偏光膜の面内の透過軸と、第2光学異方性層の棒状液晶性分子の長軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向とが、実質的に平行または直交している楕円偏光板。
  11. 第1光学異方性層、透明支持体、第2光学異方性層、偏光膜、そして透明保護膜の順序で積層されている請求項10に記載の楕円偏光板。
  12. 透明保護膜、偏光膜、透明支持体、第1光学異方性層、そして第2光学異方性層の順序で積層されている請求項10に記載の楕円偏光板。
  13. 第2光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向している請求項10に記載の楕円偏光板。
  14. VAモードの液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光素子からなる液晶表示装置であって、偏光素子の少なくとも一方が、透明支持体、ディスコティック液晶性分子から形成された第1光学異方性層、棒状液晶性分子から形成された第2光学異方性層、偏光膜および透明保護膜を有する楕円偏光板であり、第2光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向していることを特徴とする液晶表示装置。
  15. TNモードの液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光素子からなる液晶表示装置であって、偏光素子の少なくとも一方が、透明支持体、ディスコティック液晶性分子から形成された第1光学異方性層、棒状液晶性分子から形成された第2光学異方性層、偏光膜および透明保護膜を有する楕円偏光板であり、第2光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向していることを特徴とする液晶表示装置。
  16. ECBモードの液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光素子からなる液晶表示装置であって、偏光素子の少なくとも一方が、透明支持体、ディスコティック液晶性分子から形成された第1光学異方性層、棒状液晶性分子から形成された第2光学異方性層、偏光膜および透明保護膜を有する楕円偏光板であり、第2光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向していることを特徴とする液晶表示装置。
  17. 透明支持体およびディスコティック液晶性分子と棒状液晶性分子とから形成された光学異方性層を有し、光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向している光学補償シート。
  18. 光学異方性層において、ディスコティック液晶性分子の円盤面と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態でディスコティック液晶性分子が配向している請求項17に記載の光学補償シート。
  19. 透明支持体が光学的一軸性または光学的二軸性を有する請求項17に記載の光学補償シート。
  20. 透明支持体およびディスコティック液晶性分子と棒状液晶性分子とから形成された光学異方性層を有し、透明支持体の面内の遅相軸と、光学異方性層の棒状液晶性分子の長軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向とが、実質的に平行または直交している光学補償シート。
  21. 光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向している請求項20に記載の光学補償シート。
  22. 透明保護膜、偏光膜、透明支持体、そしてディスコティック液晶性分子と棒状液晶性分子とから形成された光学異方性層が、この順序で積層され、偏光膜の面内の透過軸と、光学異方性層の棒状液晶性分子の長軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向とが、実質的に平行または直交している楕円偏光板。
  23. 光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向している請求項22に記載の楕円偏光板。
  24. VAモードの液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光素子からなる液晶表示装置であって、偏光素子の少なくとも一方が、透明保護膜、偏光膜、透明支持体、そしてディスコティック液晶性分子と棒状液晶性分子とから形成された光学異方性層が、この順序で積層されている楕円偏光板であり、光学異方性層において、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で棒状液晶性分子が配向していることを特徴とする液晶表示装置。
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