JP2010085792A - 光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 - Google Patents

光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高いコントラストと広い視野角特性を有し、色ずれのない光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置を提供すること
【解決手段】本発明の光学補償フィルムは、少なくとも、支持体と、第一の光学異方性層と、第二の光学異方性層を任意の順に配してなる光学補償フィルムにおいて、前記第一の光学異方性層は、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で配向した棒状液晶性分子を含み、前記第二の光学異方性層は、面内での傾斜角が厚さ方向において異なるハイブリッド配向の液晶性分子を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶性分子から形成された光学異方性を光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置に関する。
液晶化合物を高度に配向固定した光学補償フィルムは、液晶表示装置の光学補償フィルム、輝度向上フィルム、投射型表示装置の光学補償フィルム等、近年になって様々な用途に展開されつつあり、中でも液晶表示装置の光学補償フィルムとしての発展は目覚しいものがある。
液晶表示装置は、液晶セルと偏光板と液晶セルとを備えるように形成され、現在主流であるTNモードのTFT液晶表示装置においては、光学補償フィルムを偏光板と液晶セルの間に挿入し、表示品位を改善するようにしている。
求められる表示品位としては、様々な要素を挙げることができるが、特に、コントラスト、視野角特性、視角に応じたカラーシフト(色ずれ)などについての改善が求められている。
この点について特許文献1には、ネマチック液晶層の配向に対して、円盤状液晶(円盤状液晶)をハイブリッド配向させた状態で固定化する技術が開示され、実用化されている。
特許文献1に記載の液晶表示装置によると、棒状のネマチック液晶を円盤状液晶によって補償しているため、斜め方向からの光線も補償でき、視野角を格段に拡大することが可能である。
しかしながら、最近では、液晶表示装置は、液晶テレビへの需要が増えつつあり、液晶テレビ用途には、高いコントラストを維持し、視角による表示品位の低下をなくすことが要求されており、市場に向けて、より一層優れたコントラスト性と視野角特性を有し、色ずれのない液晶表示装置を提供すべきとの問題がある。
特許第2587398号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高いコントラストと広い視野角特性を有し、色ずれのない光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、従来、一の光学異方性層により得られていた液晶セルと偏光板を補償する光学補償機能のうち、偏光板を補償する光学補償機能を、他の光学異方性層に分離して与えることした。その場合、偏光板を補償する他の光学異方性層としては、ある程度面内位相差を持つことが要求されるが、その光学異方性層に、面内で一の方向に水平配向された棒状液晶性分子を含むよう形成したので、より高いコントラストと広い視野角特性が得られ、色ずれも抑制することができることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも、支持体と、第一の光学異方性層と、第二の光学異方性層とを有する光学補償フィルムにおいて、前記第一の光学異方性層は、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で配向した棒状液晶性分子を含み、前記第二の光学異方性層は、面内での傾斜角が厚さ方向において異なるハイブリッド配向の液晶性分子を含むことを特徴とする光学補償フィルムである。
<2> 第二の光学異方性層が、第一の光学異方性層の遅相軸の向きと平行な遅相軸を有する前記<1>に記載の光学補償フィルムである。
<3> 支持体と第一の光学異方性層とが隣接するように配される前記<1>から<2>のいずれかに記載の光学補償フィルムである。
<4> ハイブリッド配向の液晶性分子が、円盤状液晶性分子である前記<1>から<3>のいずれかに記載の光学補償フィルムである。
<5> 円盤状液晶性分子が、3置換ベンゼンを含む前記<1>から<4>のいずれかに記載の光学補償フィルム。
<6> 支持体が、セルロースアシレートフィルムからなる前記<1>から<5>のいずれかに記載の光学補償フィルムである。
<7> 支持体が、シクロオレフィンポリマーを含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の光学補償フィルムである。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の光学補償フィルムと、該光学補償フィルムにおける第一の光学異方性層の遅相軸の向きに対して平行な透過軸を有する偏光子を備えることを特徴とする偏光板である。
<9> 前記<1>〜<7>のいずれかに記載の光学補償フィルム及び前記<8>に記載の偏光板のいずれかを含み、液晶表示モードがTNモードであることを特徴とする液晶表示装置である。
本発明によれば、前記従来における諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、高いコントラストと広い視野角特性を有し、色ずれのない光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置を提供することができる。
(光学補償フィルム)
本発明の光学補償フィルムは、少なくとも、支持体と、第一の光学異方性層と、第二の光学異方性層とを有して構成される。
<第一の光学異方性層>
前記第一の光学異方性層は、面内で一の方向に水平配向された棒状液晶性分子を含むことを特徴とする。
前記棒状液晶性分子が面内で一の方向に水平配向されるものであると、ハイブリッド配向液晶性分子の光学異方性と棒状液晶性分子の光学異方性とが協調して、従来のハイブリッド配向液晶性分子の光学異方性のみでは不可能であった程度まで、TN型液晶セルの光学的性質に正確に対応(光学的に補償)することができる。このような光学補償シートを用いることで、偏光板の斜め方向からの光漏れが防止され、従来のTN型液晶表示装置よりも視野角を拡大することができる。
本明細書において水平配向とは、透明支持体面と棒状液晶分子の長軸の間の平均傾斜角が5゜未満の状態で配向した状態を示す。
−棒状液晶性分子−
前記棒状液晶性分子としては、面内で一の方向に水平配向されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましい。
なお、棒状液晶性分子には、金属錯体も含まれる。このような棒状液晶性分子としては、例えば、季刊化学の総説第二巻液晶の化学(1994年)(日本化学会編)の第4章、第7章および第1章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第一42委員会編の第3章に記載のものが挙げられる。
前記棒状液晶性分子の複屈折率としては、0.001〜0.7が好ましい。
また、前記棒状液晶性分子としては、重合性基を有することが好ましい。
前記重合性基としては、円特開2000−304930号公報に記載の(Q1)〜(Q17)が挙げられる。
前記第一の光学異方性層における遅相軸の向きとしては、偏光子を補償する観点から、偏光子の透過軸と平行であることが好ましい。
なお、前記遅相軸とは、光学補償フィルムにおける屈折率が最大となる方向を示し、前記透過軸とは、偏光板における特定振動方向の偏光光が偏光子の垂直方向から入斜したときの透過率が最大となる方向を示す。
本明細書において、遅相軸と透過軸とが平行であるとは、第一の光学異方性層の遅相軸をフィルムの面内に投射した際になす方向と偏光子の透過軸の方向が5°以内のずれをもつことを示す。
前記第一の光学異方性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の方法で形成することができる。
前記棒状液晶性分子、重合開始剤、及び任意の添加剤(例、可塑剤、モノマー、界面活性剤、セルロースエステル、1,3,5−トリアジン化合物、カイラル剤)を含む液晶組成物(塗布液)を、配向膜の上に塗布することで形成するのが好ましい。
前記液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましい。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が挙げられる。中でも、アルキルハライドおよびケトンが好ましい。なお、これらは一種単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
前記液晶組成物の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)が挙げられる。
前記液晶性分子の重合反応としては、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、光重合反応がより好ましい。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α−カルボニル化合物(例えば、米国特許2367661号、同2367670号の各明細書に記載のもの)、アシロインエーテル(例えば、米国特許2448828号明細書に記載のもの)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(例えば、米国特許2722512号明細書に記載のもの)多核キノン化合物(例えば、米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載に記載のもの)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(例えば、米国特許3549367号明細書記載に記載のもの)、アクリジンおよびフェナジン化合物(例えば、特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号の明細書に記載のもの)およびオキサジアゾール化合物(例えば、米国特許4212970号明細書記載)が挙げられる。
前記光重合開始剤の使用量としては、塗布液の固形分の0.01質量%〜20質量%が好ましく、0.5質量%〜5質量%がより好ましい。
また、液晶性分子の重合のための光照射としては、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーとしては、20mJ/cm〜50J/cmが好ましく、100mJ/cm〜800mJ/cmがより好ましい。
この際、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
前記第一の光学異方性層のラビング方向としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、支持体の長手方向に対し、平行(0°)〜50°の方向が好ましい。
このような方向であると、支持体を搬送しながら連続的にラビングすることができ、生産性の点で有利である。
<第二の光学異方性層>
前記第二の光学異方性層は、面内での傾斜角が厚さ方向において異なるハイブリッド配向の液晶性分子を含むことを特徴とする。
前記第二の光学異方性層によると、液晶セルを斜め方向から見た場合の位相差を補償し、光漏れを抑制する。
−ハイブリッド配向の液晶性分子−
前記ハイブリッド配向の液晶性分子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、視野角に応じた色味変化の抑制の観点からは、円盤状液晶性分子が好ましい。
−−円盤状液晶性分子−−
前記円盤状液晶性分子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の文献(例えば、C.Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., vol. 71, page111(1981); 日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第一0章第二節(1994); B.Kohne et al., Angew. Chem . Soc. Chem. Comm., page1794(1985); J. Zhang et al., J. Am.Chem. Soc., vol.116, page2655 (1994))に記載されているものが挙げられる。
前記円盤状液晶性分子の重合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開平8−27284号公報に記載のものが挙げられるが、円盤状液晶性分子を重合により固定する観点からは、円盤状液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させるのが好ましい。
ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる場合がある。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入することが好ましい。従って、円盤状液晶性分子は、下記式(I)で表わされる化合物であることが好ましい。
式(I): D(−L−Q)n
式(I)中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Qは重合性基であり、nは4〜12の整数である。
式(I)中の円盤状コア(D)、二価の連結基(L)及び重合性基(Q)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、それぞれ、特開2000−304930号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1〜L25)、(Q1)〜(Q17)が挙げられるが、同公報に記載される円盤状コア(D)、二価の連結基(L)及び重合性基(Q)に関する内容が好ましい。
前記円盤状液晶性分子としては、3置換ベンゼンが特に好ましい。この3置換ベンゼンを用いると、液晶表示装置における色ずれを抑制することができる。
前記3置換ベンゼンとしては、特開2006−76992号公報明細書中の段落番号〔0052〕,特開2007−2220号公報明細書中の段落番号〔0040〕〜〔0063〕に記載の化合物が挙げられる。また、前記3置換ベンゼンの好ましい例には、特開2005−301206号公報明細書中の段落〔0027〕に記載の化合物も含まれる。
前記3置換ベンゼンの具体的な例としては、以下の化合物が挙げられる。
前記第二の光学異方性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記液晶性分子、重合開始剤、及び任意の添加剤(例、可塑剤、モノマー、界面活性剤、セルロースエステル、1,3,5−トリアジン化合物、カイラル剤)を含む液晶組成物(塗布液)を、配向膜の上に塗布することで形成するのが好ましい。
前記液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましい。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が挙げられる。中でも、アルキルハライドおよびケトンが好ましい。なお、これらは一種単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
前記液晶組成物の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)が挙げられる。
前記液晶性分子の重合反応としては、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、光重合反応がより好ましい。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α−カルボニル化合物(例えば、米国特許2367661号、同2367670号の各明細書に記載のもの)、アシロインエーテル(例えば、米国特許2448828号明細書に記載のもの)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(例えば、米国特許2722512号明細書に記載のもの)多核キノン化合物(例えば、米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載に記載のもの)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(例えば、米国特許3549367号明細書記載に記載のもの)、アクリジンおよびフェナジン化合物(例えば、特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号の明細書に記載のもの)およびオキサジアゾール化合物(例えば、米国特許4212970号明細書記載)が挙げられる。
前記光重合開始剤の使用量としては、塗布液の固形分の0.01質量%〜20質量%が好ましく、0.5質量%〜5質量%がより好ましい。
また、液晶性分子の重合のための光照射としては、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーとしては、20mJ/cm〜50J/cmが好ましく、100mJ/cm〜800mJ/cmがより好ましい。
この際、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
なお、前記ハイブリッド配向の液晶性分子の具体的な配向状態は、液晶性分子の種類、配向膜の種類および光学異方性層内の添加剤(例、可塑剤、バインダー、界面活性剤)の使用によって制御できる。液晶性分子は、配向している状態で固定されていることが好ましい。ポリマーバインダーを用いて配向状態を固定することもできるが、重合反応により固定することが好ましい。
前記光学異方性層の厚さとしては、0.1μm〜20μmが好ましく、0.5μm〜15μmがより好ましく、1μm〜10μmが特に好ましい。
前記第二の光学異方性層の遅相軸の向きとしては、前記偏光子の透過軸と平行であることが好ましい。
前記第二の光学異方性層の光学特性は、黒表示時の液晶層の複屈折性を補償するように調整される。また、前記第二の光学異方性層の面内遅相軸は、直線偏光子の透過軸に対して平行(0°〜5°を含む)に配置し、遅相軸と透過軸のなす角度が0.2°〜4.0°となるように配置するのが好ましく、0.3°〜2.0°となるように配置するのが好ましい。
このように前記偏光子の透過軸の向きを基準として、前記第一の光学異方性層の遅相軸と、前記第二の光学異方性層の遅相軸の向きは、平行であるのが好ましい。
<支持体>
前記支持体としては、透明支持体が好ましい。
前記透明支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ガラス板、ポリマーフィルムを挙げることができるが、中でも、ポリマーフィルムが好ましい。
支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。透明支持体は、光学的一軸性または光学的二軸性を有することが好ましい。
前記透明支持体が光学的一軸性支持体である場合、光学的に正、すなわち、光軸方向の屈折率が光軸に垂直な方向の屈折率よりも大きくてもよく、光学的に負、すなわち、光軸方向の屈折率が光軸に垂直な方向の屈折率よりも小さくてもよい。
前記透明支持体が光学的二軸性支持体である場合、前記式の屈折率nx、nyおよびnzは、全て異なる値(nx≠ny≠nz)になる。
前記光学異方性を有する透明支持体の面内レターデーション値(Re値)としては、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、10nm以下であることが特に好ましい。
前記光学異方性を有する透明支持体の厚み方向のレターデーション値(Rth値)としては、10nm〜200nmが好ましく、10nm〜100nmがより好ましく、40nm〜100nmが特に好ましい。
透明支持体の面内レターデーション(Re)と厚み方向のレターデーション(Rth)は、それぞれ下記式で定義される。
Re=(nx−ny)×d
Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d
式中、nxおよびnyは、透明支持体の面内屈折率であり、nzは透明支持体の厚み方向の屈折率であり、そしてdは透明支持体の厚さである。
前記透明支持体を形成する材料としては、特に制限はなく、合成ポリマー(例、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ノルボルネン樹脂、シクロオレフィンポリマー)、セルロースアシレートフィルム等が挙げられ、中でも、セルロースアシレートフィルムあるいはシクロオレフィンポリマーが好ましい。
<配向膜>
前記第一の光学異方性層と、前記第二の光学異方性層には、配向膜を配するように構成することができ、棒状液晶性分子を含む前記第一の光学異方性層には、配向膜が配されるのが好ましい。
なお、前記配向膜は、実質的に光学異方性層と一体のものと考えることができ、前記支持体とこれに隣接する第一の光学異方性層との間には、配向膜が介されていてもよい。
前記配向膜の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機化合物(好ましくはポリマー)をラビング処理して形成する方法、無機化合物を斜方蒸着して形成する方法、マイクログルーブを有する層により形成する方法、ラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)を累積する方法、及び電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜を形成する方法等が挙げられる。中でも、ポリマーのラビング処理により形成されることが好ましい。
前記ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に、数回こすることにより実施する。
前記配向膜に使用するポリマーの種類としては、液晶性分子の配向(特に遅相軸方向)に応じて決定する。
前記ポリマーの種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、様々な液晶表示モードに対応する液晶性分子を用いた光学補償フィルムについての文献に記載のポリマーが挙げられる。
一般に、棒状液晶の長軸は配向膜のラビング方向と平行になるが、特開2002−62427に記載のポリマーを用いた配向膜は、ラビング方向と長軸が直交するよう配向させることが知られている。透明支持体への段階的な塗布により第一の光学異方性層および第二の光学異方性層を形成する場合には、生産性の点からラビング方向が同一であることが好ましく、このような配向膜を適切に使用することで2層の遅相軸の関係を任意に制御することが可能になる。
前記配向膜の厚さとしては、0.01μm〜5μmが好ましく、0.05μm〜1μmがより好ましい。
なお、配向膜を用いて、光学異方性層の液晶性分子を配向させてから、光学異方性層を透明支持体上に転写してもよい。
配向状態で固定された液晶性分子は、配向膜がなくても配向状態を維持することができる。
ただし、液晶性分子と透明支持体との密着性を改善する目的で、界面で液晶性分子と化学結合を形成する配向膜(例えば、特開平9−152509号公報に記載のもの)を用いてもよい。密着性改善の目的で配向膜を使用する場合は、ラビング処理を実施しなくてもよい。
二種類の光学異方性層を透明支持体の同じ側に設ける場合、透明支持体上に形成した光学異方性層を、その上に設ける光学異方性層の配向膜として機能させることも可能である。
(偏光板)
本発明の偏光板は、前記光学補償フィルムを有し、偏光子を含むように構成される。偏光子の透過軸としては、前記の通り、第一の光学異方性層及び第二の光学異方性層の遅相軸と平行であることが好ましい。
なお、本発明の液晶表示装置においては、偏光板と光学補償フィルムとが分離した態様で用いられていてもよい。
<偏光子>
前記偏光子には、ヨウ素系偏光子、二色性染料を用いる染料系偏光子やポリエン系偏光子がある。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
前記偏光子の偏光軸としては、フィルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。偏光子の面内の透過軸は、棒状液晶性分子の長軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向と、実質的に平行になるように配置することが好ましい。
<第一の形態(光学補償フィルム(偏光板)101)>
図1に基づき、本発明の光学補償フィルム(偏光板)101の第一の実施形態(光学補償フィルム(偏光板)101)を説明する。
前記第一の実施形態においては、図1中のZ軸方向に向けて、偏光子5、支持体4、配向膜3、第一の光学異方性層1、及び第二の光学異方性層2が、この順で積層されている。
第一の光学異方性層1の遅相軸方向10aと、第二の光学異方性層2の遅相軸方向10bおよび偏光子5の透過軸12は実質的に平行であり、図1のX軸方向に配されている。
<第二の形態(光学補償フィルム(偏光板)102)>
図2に基づき、本発明の光学補償フィルムの第二の実施形態(光学補償フィルム(偏光板)102)を説明する。
前記第二の実施形態においては、図2中のZ軸方向に向けて、偏光子5、第一の光学異方性層1、配向膜3、支持体4、配向膜3及び第二の光学異方性層2が、この順で積層されている。
第一の光学異方性層1の遅相軸方向10aと、第二の光学異方性層2の遅相軸方向10bおよび偏光子5の透過軸12は実質的に平行であり、図1のX軸方向に配されている。
(液晶表示装置)
TNモードの液晶表示に用いる場合は、本発明の光学補償フィルムを2枚、液晶セルを中心に対称的な位置に配置するのが好ましく、また本発明の偏光板を、上下(視認側とバックライト側)の偏光板として液晶セルを中心として対称的な関係で配置するのが好ましい。TNモードの液晶セルの液晶層は、通常、厚さd(ミクロン)と屈折率異方性Δnとの積Δn・dが0.1〜1.5μm程度である。 本発明は、TNモードの液晶表示装置において特に効果がある。TNモードの液晶セルは、最も広く普及しているカラーTFT液晶ディスプレイに利用されており、様々な文献に記載があり、これらに広く採用できる。
<第一の形態(液晶表示装置201)>
本発明の液晶表示装置の第一の形態(液晶表示装置201)を、図3に基づいて説明する。
前記液晶表示装置201は、液晶セル7と、液晶セル7を挟持する2枚のガラス板6とを有し、図3中のZ軸方向において、2枚のガラス板6のそれぞれに前記光学補償フィルムの第一の形態(光学補償フィルム(偏光板)101)を積層して形成されている。
なお、前記液晶表示装置(201)としては、図3に示す構成に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、他の構成をとることもできる。
例えば、液晶セル7と光学補償フィルム(偏光板)101との間にカラーフィルターを配置してもよい。
また、透過型として使用する場合には、冷陰極あるいは熱陰極蛍光管、あるいは発光ダイオード、フィールドエミッション素子、エレクトロルミネッセント素子を光源とするバックライトを配置することができる。
また、本発明の液晶表示装置は、反射型であってもよく、かかる場合は、前記光学補償フィルム(偏光板)101は観察側(図3中のZ軸上方側)に1枚配置するのみでよく、液晶セル7の背面あるいは液晶セル7下側のガラス板6の内面に反射膜を設置する。もちろん前記光源を用いたフロントライトを液晶セル7の観察側(図3中のZ軸上方側)に設けることも可能である。さらに本発明の液晶表示装置は、透過と反射のモードの両立をはかるため、表示装置の一画素の中で反射部(不図示)と透過部(不図示)を設けた半透過型であってもよい。
本発明の液晶表示装置には、例えば、画像直視型、画像投影型や光変調型が含まれる。本発明は、TFTやMIMのような3端子または2端子半導体素子を用いたアクティブマトリックス液晶表示装置に適用した態様が特に有効である。勿論、STN型に代表されるパッシブマトリックス液晶表示装置に適用した態様も有効である。
<第二の形態(液晶表示装置202)>
本発明の液晶表示装置の第一の形態(液晶表示装置202)を、図4に基づいて説明する。
前記液晶表示装置202は、液晶セル7と、液晶セル7を挟持する2枚のガラス板6とを有し、図3中のZ軸方向において、2枚のガラス板6のそれぞれに前記光学補償フィルムの第一の形態(光学補償フィルム(偏光板)102)を積層して形成されている。
なお、第一の形態(液晶表示装置201)と、第二の形態(液晶表示装置202)とでは、いずれも第一の光学異方性層1と支持体4とが隣接する状態で配されるため、同様の光学特性を得ることができるが、製造効率の観点からは、第一の形態が好ましい。
また、それ以外の諸点について、第一の形態(液晶表示装置201)と同様であるため、説明を省略する。
以下では、本発明の実施例を説明するが、本発明の思想はこれらの実施例に限られるものでない。
(実施例1〜8)
<光学補償フィルムの作製>
以下のようにして、実施例1に係る光学補償フィルムを作製した。
−支持体Aの作製−
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。
得られた内層用ドープ及び外層用ドープを、三層共流延ダイを用いて、0℃に冷却したドラム上に流延した。残留溶剤量が70質量%のフィルムをドラムから剥ぎ取り、両端をピンテンターにて固定して搬送方向のドロー比を110%として搬送しながら80℃で乾燥させ、さらに、残留溶剤量が10%となったところで、110℃で乾燥させた。その後、140℃の温度で30分乾燥し、残留溶剤が0.3質量%のセルロースアシレート(支持体A)(外層:3μm、内層:55μm、外層:3μm)を製造した。作製したセルロースアセテートフィルムについて、光学特性を測定した。
得られたセルロースアシレートフィルム(支持体A)の幅は1,340mmであり、厚さは、61μmであった。KOBRA 21ADHを用いて、波長550nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、2nmであった。また、波長550nmにおけるレターデーション値(Rth)を測定したところ、60nmであった。
このTACフィルムを、温度60℃の誘電式加熱ロール上を通過させ、フィルム表面温度40℃に昇温した後に、下記表2に示す組成のアルカリ溶液(S−1)をロッドコーターを用いて塗布量17mL/mで塗布し、110℃に加熱した(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に10秒滞留させた。続けて、同じくロッドコーターを用いて蒸留水を2.8mL/m塗布し、次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返し、アルカリを洗い落とした後に、70℃の乾燥ゾーンに5秒間滞留させて乾燥し、片面を鹸化処理した。
−配向膜Aの作製−
下記変性ポリビニルアルコール(VA231)を、N−メチルピロリドン/メチルエチルケトンの混合溶媒(質量比=1/4)に溶解して、4質量%溶液を調製した。この溶液を、バーコーターを用いて片面鹸化処理をした支持体Aに1μmの厚さに塗布した。塗布層を120℃で5分間加熱して、乾燥した。得られたフィルムを搬送しながら、支持体の長手方向と平行に塗布層の表面をラビング処理して、配向膜を形成した。
−第一の光学異方性層A−
下記表3の組成の棒状液晶化合物を含む塗布液(R−1)を調製した。
−−棒状液性分子(N26)−−

−−フッ素ポリマー−−
上記塗布液(R−1)を、上記作製した配向膜Aの表面にワイヤーバーで連続的に塗布した。室温から80℃に連続的に加温する工程で溶媒を乾燥させ、その後、125℃の乾燥ゾーンで180秒間加熱し、棒状液晶化合物の分を配向させた。続いて、フィルムの温度を90℃に保持して、高圧水銀灯を用いてUV光を500mJ/cm照射し、液晶化合物の配向を固定化し、厚み0.5μmの第一の光学異方性層Aを形成した。
第一の光学異方性層Aのレターデーションの角度依存性を、エリプソメーター(日本分光(株)製)で測定したところ、面内のレタデーション(Re)は40nm厚み方向のレターデーション(Rth)は20nmであり、棒状液晶性化合物が水平配向していることが確かめられた。また、遅相軸方向はフィルムの長手方向と直交する方向であった。
−第二の光学異方性層A(A−1〜A−8)の作製−
第二の光学異方性層Aの表面をフィルムを搬送しながら長手方向と平行にラビングし、その上に下記表4に示した組成の塗布液をワイヤーバーで塗布した。その後、120℃の恒温槽中で90秒間加熱し、下記表5に示すディスコティック液晶化合物を配向させた。次に、80℃で160W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間紫外線照射し架橋反応を進行させて、第二のディスコティック液晶化合物Aを重合させた。その後、室温まで放冷した。得られた光学異方性層Aの、波長550nmで測定したRe、膜厚を下記表5に示す。また、第二の光学異方性層A中、円盤状液晶化合物の分子は、ハイブリッド配向状態に固定されていて、Re(550)が0nmになる方向が存在せず、かつ、Re(550)の絶対値が最小となる方向が、層の法線方向にも面内にもないことを、フィルム法線方向に対して法線方向から片側50°まで10°ステップで各々その傾斜した方向から波長550nmの光を入射させて全部で11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRから確認した。

前記ディスコティック液晶化合物としては、下記表5に示す通り、上記表4におけるディスコティック液晶化合物1と、ディスコティック液晶化合物2を用いることとし、第二の光学異方性層A−1〜A−8を作製した。
−−空気界面配向制御剤−−
なお、特開2001−166144号公報に化44として記載されたディスコティック液晶性化合物は、以下に示すディスコティック液晶性化合物である。
前記支持体A、前記配向膜A、第一の光学異方性層A、及び第二の光学異方性層A(第二の光学異方性層A−1〜A−8)を、支持体/第一の光学異方性層・配向膜/第二の光学異方性層の順に配し、層構成Aからなる実施例1〜8の光学補償フィルムを作製した。
(実施例9)
<配向膜Bの作製>
片面鹸化した支持体Aに、下記表6に示す変性ポリビニルアルコールを含む塗布液をバーコータにて塗布し、80℃で分間加熱乾燥して0.8μmの膜厚のポリマー層を形成した。
得られたポリマー層を支持体の長手方向と直交する方向にラビング処理を施し、配向膜を形成した。
配向膜Aに代えて配向膜Bを用いたこと以外は、実施例3と同様にして、実施例9の光学補償フィルムを作製した。
(実施例10)
<支持体Bの作製>
下記表7の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
別のミキシングタンクに、下記一般式(6)に示すレターデーション上昇剤16質量部、メチレンクロライド80質量部、及びメタノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
上記組成のセルロースアセテート溶液456.7質量部に、レターデーション上昇剤溶液40.6質量部、及びシリカ微粒子(アイロジル製 R972)0.15質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。
レターデーション上昇剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、5.6質量部であった。また、シリカ微粒子の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.15質量部であった。
得られたドープを、幅2mで長さ65mの長さのバンドを有する流延機を用いて流延した。バンド上での膜面温度が40℃となってから、1分乾燥し、剥ぎ取った後、140℃の乾燥風で、テンターを用いて幅方向に28%延伸した。この後、135℃の乾燥風で20分間乾燥し、残留溶剤量が0.3質量%の支持体Bを製造した。得られた支持体Bの幅は1,340mmであり、厚さは88μmであった。
また、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長550nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、39nmであった。
支持体Aと同様の方法で支持体Bの片面鹸化を施した。
<第一の光学異方性層Bの作製>
光学異方性層の厚みが0.25μmになるように調整したほかは実施例1の第一の光学異方性層Aと同様の方法で第一の光学異方性層Bを作製した。第一の光学異方性層BのReは20nmであった。
支持体Aに代えて支持体Bを用いたこと、第一の光学異方性層Aに代えて第一の光学異方性層Bを用いたこと以外は、実施例9と同様にして、実施例10の光学補償フィルムを作製した。
(実施例11)
<支持体Cの作製>
ノルボルネン系重合体(日本ゼオン社製、ZEONOR1420R)のペレットを、空気を流通させた熱風乾燥器を用いて70℃で2時間乾燥して水分を除去した後、リーフディスク形状のポリマーフィルター(濾過精度30μm)を設置した65mmφのスクリューを備えた樹脂溶融混練機を有するTダイ(Tダイの幅350mm、ダイスリップ部材質が炭化タングステンで#1000番のダイヤモンド砥石で研磨したもので、内面に平均高さRa=0.05μmのクロムメッキを施したもの)式フィルム溶融押出成形機を使用して、押出成形機の温度260℃、ダイス温度260℃で押出し、押出されたシート状の熱可塑性樹脂を3本の冷却ドラム(直径300mm、ドラム温度100℃、引取り速度0.35m/s)に通して冷却し、厚さ90μm、幅300mmの原反フィルム1を得た。
この原反フィルム1を同軸二軸延伸機を使用して、オーブン温度(予熱温度、延伸温度、熱固定温度)133℃、フィルム繰り出し速度1.5m/分、チャックの移動精度±1%以内、縦延伸倍率1.35倍、横延伸倍率1.41倍で同時二軸延伸を行い、支持体Cを得た。そして、支持体Cの両面に、高周波発信機(春日電機社製、高周波電源AGI−024、出力0.8KW)を用いてコロナ放電処理を行い、表面張力が0.055N/mのZF1を得た。得られたZF1は、波長550nmで測定したフィルム幅方向中心部における、面内レターデーションReが0nm、厚さ方向のレターデーションRthが60nmであった。
支持体Aに代えて支持体Cを用いたこと以外は、実施例9と同様にして、実施例4の光学補償フィルムを作製した。
(実施例12)
<層構成2>
支持体Aの両面に実施例1と同様の方法で片面鹸化処理を施し、このうちひとつの面に実施例9と同様の方法で配向膜Bを形成した。
この配向膜Bに対し、第一の光学異方性層Aと同様に塗布液R−1を用い、膜厚が0.95μmになるよう調整したほかは、第一の光学異方性層Aと同様の方法により、第一の光学異方性層Cを作製した。
次いで、支持体Aの他方の面に、ラビング方向を支持体の長手方向としたほかは実施例9に記載の配向膜Bの作成方法と同様の方法で、配向膜Cを形成した。 配向膜Cの上に実施例3と同様の方法で第二の光学異方性層A−3を形成し、第一の光学異方性層・配向膜/支持体/第二の光学異方性層・配向膜からなる層構成Bとし、実施例12の光学補償フィルムを作製した。
(比較例1)
第一の光学異方性層を設けないこと以外は、実施例9と同様にして、比較例1の光学補償フィルムを作製した。
(比較例2)
<第一の光学異方性層Dの作製>
下記の棒状液晶性分子(N21)100重量部、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)1.0重量部および光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.3重量部を、メチレンクロライド900重量部に溶解して、塗布液を調製した。塗布液を第二配向膜の上に塗布、乾燥した。110℃で5分間加熱して、棒状液晶性分子を配向させた。さらに500mJ/cm2の紫外線を照射して、棒状液晶性分子を重合させ、配向状態を固定し第一の光学異方性層Dを作製した。第一の光学異方性層Dについて、エリプソメーターM−150(日本分光株式会社製)を用いて、面内レターデーション(Re)を測定し、その角度依存性から平均傾斜角βを求めたところ、棒状液晶性分子の平均傾斜角は、40°であった。
第一の光学異方性Aに代えて第一の光学異方性層Dを用いたこと以外は、実施例9と同様にして、比較例2の光学補償フィルムを作製した。
(偏光板の作製)
前記実施例1〜12、及び比較例1、2の光学補償フィルムを用いて、以下のように偏光板を作製した。
−偏光子−
厚さ80μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを、ヨウ素濃度0.05質量%のヨウ素水溶液中に30℃で60秒浸漬して染色し、次いでホウ酸濃度4質量%濃度のホウ酸水溶液中に60秒浸漬している間に元の長さの5倍に縦延伸した後、50℃で4分間乾燥させて、厚さ20μmの偏光子を得た。
作製した光学フィルムの第二の光学異方性層が形成されていない側の表面を1.5モル/Lで55℃の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬した後、水で十分に水酸化ナトリウムを洗い流した。その後、0.005モル/Lで35℃の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬して希硫酸水溶液を十分に洗い流し、最後に120℃で十分に乾燥させた。
前記のように鹸化処理を行った光学フィルムを、同じく鹸化処理を行った市販のセルロースアセテートフィルムと組合せて前記の偏光子を挟むようにポリビニルアルコール系接着剤を用いて、鹸化処理面を貼り合せることにより図2に示す層構成を有する偏光板を得た。ここで市販のセルロースアセテートフィルムとしてはフジタックTF80UL(富士フイルム(株)製)を用いた。このとき、偏光子および偏光子両側の保護膜はロール形態で作製されているため各ロールフィルムの長手方向が平行となっており連続的に貼り合わせた。従って光学フィルムロールの長手方向(フィルムの流延方向)と偏光子の吸収軸とは平行な方向となった。
<液晶表示装置の作製>
図3と同様の構成のTNモード液晶表示装置を作製した。具体的には、TNモード液晶セルを使用した液晶表示装置(AL2216W、日本エイサー(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに上記の作製した偏光板を、第一の光学異方性層が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。このとき、観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とが直交するように配置した。この様にして、TNモード液晶表示装置を作製した。
(評価方法)
前記実施例1〜12、及び比較例1、2の光学補償フィルムを用いた液晶表示装置について、コントラスト、視野角特性、色ずれについて、以下の方法で評価を行った。
−視野角特性−
作製した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)〜白表示(L8)まででコントラスト-視野角を測定した。コントラスト比20:1が得られる視野角範囲を表8示す。
−色ずれ−
本発明の液晶表示装置A について、色味変化の程度について、輝度、色味測定装置を用いて測定し、下記の基準で判定した。結果を表8に示す。
○ : 色味変化が全くなく極めて良好であった。
△ : 色味変化が部分的にやや発生するものがあった。
× : 色味変化が顕著に現れた。
なお、配向状態の液晶性分子の傾斜角は、エリプソメーターM−150(日本分光株式会社製)を用いて、面内レターデーション(Re)を測定し、その角度依存性から測定することができる。
また、光学異方性層の遅相軸の向きは、エリプソメーターM−150(日本分光株式会社製)を用いて測定することができる。
以上の評価方法により、実施例1〜12、及び比較例1、2を評価した結果を表8に示す。
本発明によると、優れたコントラスト性と視野角特性を有し、色ずれのない液晶表示装置が得られるため、液晶テレビ用途の液晶表示装置、特にTNモードの液晶表示装置に利用することができる。
図1は、本発明の一の実施形態に係る光学補償フィルム(偏光板)の層構成の概略を示す図である。 図2は、本発明の他の実施形態に係る光学補償フィルム(偏光板)の層構成の概略を示す図である。 図3は、本発明の一の実施形態に係る液晶表示装置の概略を示す図である。 図4は、本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置の概略を示す図である。
符号の説明
1 第一の光学異方性層
2 第二の光学異方性層
3 配向膜
4 支持体
5 偏光子
6 ガラス板
7 液晶セル
10a、10b 遅相軸方向
11a、11b ラビング方向
12 透過軸方向
101、102 光学補償フィルム(偏光板)
201、202 液晶表示装置

Claims (9)

  1. 少なくとも、支持体と、第一の光学異方性層と、第二の光学異方性層とを有する光学補償フィルムにおいて、
    前記第一の光学異方性層は、棒状液晶性分子の長軸方向と透明支持体面との間の平均傾斜角が5゜未満の状態で配向した棒状液晶性分子を含み、
    前記第二の光学異方性層は、面内での傾斜角が厚さ方向において異なるハイブリッド配向の液晶性分子を含むことを特徴とする光学補償フィルム。
  2. 第二の光学異方性層が、第一の光学異方性層の遅相軸の向きと平行な遅相軸を有する請求項1に記載の光学補償フィルム。
  3. 支持体と第一の光学異方性層とが隣接するように配される請求項1から2のいずれかに記載の光学補償フィルム。
  4. ハイブリッド配向の液晶性分子が、円盤状液晶性分子である請求項1から3のいずれかに記載の光学補償フィルム。
  5. 円盤状液晶性分子が、3置換ベンゼンを含む請求項1から4のいずれかに記載の光学補償フィルム。
  6. 支持体が、セルロースアシレートフィルムからなる請求項1から5のいずれかに記載の光学補償フィルム。
  7. 支持体が、シクロオレフィンポリマーを含有する請求項1から6のいずれかに記載の光学補償フィルム。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の光学補償フィルムと、該光学補償フィルムにおける第一の光学異方性層の遅相軸の向きに対して平行な透過軸を有する偏光子を備えることを特徴とする偏光板。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の光学補償フィルム及び請求項8に記載の偏光板のいずれかを含み、液晶表示モードがTNモードであることを特徴とする液晶表示装置。
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