JP2000056310A - 光学補償シートおよびstn型液晶表示装置 - Google Patents

光学補償シートおよびstn型液晶表示装置

Info

Publication number
JP2000056310A
JP2000056310A JP10233562A JP23356298A JP2000056310A JP 2000056310 A JP2000056310 A JP 2000056310A JP 10233562 A JP10233562 A JP 10233562A JP 23356298 A JP23356298 A JP 23356298A JP 2000056310 A JP2000056310 A JP 2000056310A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
group
optically anisotropic
discotic liquid
anisotropic layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10233562A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Yokoyama
茂樹 横山
Ken Kawada
憲 河田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP10233562A priority Critical patent/JP2000056310A/ja
Publication of JP2000056310A publication Critical patent/JP2000056310A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスコティック液晶性分子を実質的に垂直
かつ均一な方向に安定に配向させて、STN型液晶表示
装置に適した光学補償シートを得る。 【解決手段】 含フッ素界面活性剤をディスコティック
液晶性分子を含む光学的異方性層に添加し、ディスコテ
ィック液晶性分子を50乃至90度の範囲の平均傾斜角
で配向させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明支持体上にディス
コティック液晶性分子から形成された光学的異方性層を
有する光学補償シートおよびSTN型液晶表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】STN型液晶表示装置は、STN型液晶
セル、二枚の偏光板およびSTN型液晶セルと偏光板と
の間に設けられる一枚または二枚の光学補償シート(位
相差板)からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子、それ
を封入するための二枚の基板および棒状液晶性分子に電
圧を加えるための電極層からなる。STN型液晶セルで
は、棒状液晶性分子を180乃至360度に配向させる
ための配向膜が、二枚の基板に設けられる。光学補償シ
ートがないSTN型液晶表示装置では、棒状液晶分子の
複屈折性のため、表示画像がイエローグリーンまたはイ
エローに着色する。表示画像の着色は、白黒表示でもカ
ラー表示でも不都合である。光学補償シートは、このよ
うな着色を解消して、明るい鮮明な画像を得るために用
いられる。光学補償シートにはまた、液晶セルの視野角
を拡大する機能を付与する場合もある。光学補償シート
としては、延伸複屈折フイルムが従来から使用されてい
る。延伸複屈折フイルムを用いたSTN型液晶表示装置
用の光学補償シートについては、特開平7−10428
4号、同7−13021号の各公報に記載がある。
【0003】延伸複屈折フイルムからなる光学補償シー
トに代えて、透明支持体上にディスコティック液晶性分
子を含む光学的異方性層を有する光学補償シートを使用
することが提案されている。光学的異方性層は、ディス
コティック液晶性分子を配向させ、その配向状態を固定
することにより形成する。ディスコティック液晶性分子
は、一般に大きな複屈折率を有する。そして、ディスコ
ティック液晶性分子には、多様な配向形態がある。ディ
スコティック液晶性分子を用いることで、従来の延伸複
屈折フイルムでは得ることができない光学的性質を有す
る光学補償シートを製造することが可能になる。ディス
コティック液晶性分子を用いた光学補償シートについて
は、特開平6−214116号公報、米国特許5583
679号、同5646703号、ドイツ特許公報391
1620A1号の各明細書に記載がある。ただし、これ
らの光学補償シートは、主な用途としてTN型液晶表示
装置を想定して設計されている。
【0004】ディスコティック液晶性分子を用いた光学
補償シートを、STN型液晶表示装置に利用することが
考えられる。STN型液晶表示装置では、90゜よりも
大きく超ねじれ配向させた棒状液晶性分子を複屈折モー
ドで用いる。STN型液晶表示装置には、能動素子(薄
膜トランジスターやダイオード)がない単純マトリック
ス電極構造でも、時分割駆動により大きな画像の鮮明な
表示が可能であるとの特徴がある。ディスコティック液
晶性分子を用いてSTN型液晶セルを光学補償するため
には、ディスコティック液晶性分子を垂直に配向させる
(好ましくは、さらに、ねじれ配向させる)必要があ
る。特開平9−26572号公報には、ディスコティッ
ク液晶性分子をねじれ配向させた光学補償シートが開示
されている。さらに同公報の図面には、ディスコティッ
ク液晶性分子を垂直に配向させた状態が示されている。
ただし、同公報に開示されている配向膜のうち、ディス
コティック液晶性分子の垂直配向膜として実質的に有効
であるのは、同公報の実施例2に記載されている磁場配
向膜(SiO2 スパッタリング膜に磁場を印加しながら
加熱したもの)のみである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平9−26572
号公報に開示されている磁場配向膜では、ディスコティ
ック液晶性分子を、垂直かつ均一な方向に安定に配向さ
せることは難しい。ディスコティック液晶性分子の垂直
配向膜よりも、液晶セルに使用する棒状液晶性分子の垂
直配向膜の方が研究が進んでいる。例えば、棒状液晶性
分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印
加時に実質的に水平に配向させる垂直配向(Vertical Al
ignment)液晶モードの液晶セルでは、棒状液晶性分子を
垂直に配向させる配向膜が必要である。棒状液晶性分子
を配向させるために、様々な垂直配向膜が提案されてい
る。棒状液晶性分子とディスコティック液晶性分子で
は、分子構造も光学的性質も全く異なる。垂直配向につ
いても、ディスコティック液晶性分子では、棒状液晶性
分子とは異なり、単に垂直に配向させるだけではなく、
ディスコティック液晶性分子の円盤面を一定の方向にそ
ろえる必要がある(方向性が必要)。本発明者が研究を
進めたところ、棒状液晶性分子の垂直配向膜として知ら
れている配向膜を使用するだけでは、ディスコティック
液晶性分子を垂直かつ均一な方向に配向させることは難
しかった。
【0006】本発明の目的は、特にSTN型液晶表示装
置に適した光学補償シートを提供することである。ま
た、本発明の目的は、ディスコティック液晶性分子が垂
直かつ均一な方向に安定に配向している光学補償シート
を提供することでもある。さらに、本発明の目的は、表
示画像の着色が解消され、明るい鮮明な画像が得られる
STN型液晶表示装置を提供することでもある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(5)の光学補償シートおよび下記(6)のS
TN型液晶表示装置により達成された。 (1)透明支持体およびディスコティック液晶性分子か
ら形成された光学的異方性層を有する光学補償シートで
あって、光学的異方性層が含フッ素界面活性剤を含み、
ディスコティック液晶性分子が50乃至90度の範囲の
平均傾斜角で配向していることを特徴とする光学補償シ
ート。 (2)光学的異方性層が含フッ素界面活性剤をディスコ
ティック液晶性分子の量の0.01乃至30重量%の範
囲の量で含む(1)に記載の光学補償シート。 (3)透明支持体と光学的異方性層との間に、含フッ素
ポリマーを含む配向膜が設けられている(1)に記載の
光学補償シート。 (4)透明支持体と光学的異方性層との間に、側鎖に炭
素原子数が10以上の炭化水素基を有するポリマーを含
む配向膜が設けられている(1)に記載の光学補償シー
ト。 (5)ディスコティック液晶性分子がねじれ配向してお
り、ねじれ角が180乃至360度の範囲である(1)
に記載の光学補償シート。
【0008】(6)STN型液晶セル、その両側に配置
された二枚の偏光板およびSTN型液晶セルと一方また
は両方の偏光板との間に配置された一枚または二枚の光
学補償シートからなるSTN型液晶表示装置であって、
光学補償シートが透明支持体およびディスコティック液
晶性分子から形成された光学的異方性層を偏光板側から
この順に有し、光学的異方性層が含フッ素界面活性剤を
含み、ディスコティック液晶性分子が50乃至90度の
範囲の平均傾斜角で配向していることを特徴とするST
N型液晶表示装置。
【0009】
【発明の効果】本発明者は研究の結果、含フッ素界面活
性剤を光学的異方性層に添加することで、ディスコティ
ック液晶性分子を実質的に垂直かつ均一な方向に安定に
配向させることに成功した。ディスコティック液晶性分
子を垂直かつ均一な方向に安定に配向させる手段が得ら
れたことで、STN型液晶表示装置に適した光学補償シ
ートを製造することが可能になった。ディスコティック
液晶性分子を垂直に配向させた光学補償シートを用いる
ことで、STN型液晶表示装置の表示画像の着色が解消
され、明るい鮮明な画像を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、STN型液晶表示装置の
電圧無印加(off)の画素部分における液晶セル内の
棒状液晶性分子の配向状態と光学的異方性層内のディス
コティック液晶性分子の配向状態とを模式的に示す断面
図である。図1に示すように、液晶セル(1)は、上基
板(11)の下側の配向膜(12)と下基板(15)の
上側の配向膜(14)との間に棒状液晶性分子(13a
〜e)からなる液晶(13)を封入した構造を有する。
配向膜(12、14)は棒状液晶性分子(13a〜e)
を図1に示すように、ねじれ配向させる機能を有する。
なお、図1では省略したが、液晶セルの上基板(11)
と下基板(15)は、それぞれ、電極層を有する。電極
層は、棒状液晶性分子(13a〜e)に電圧を印加する
機能を有する。STN型液晶セルの印加電圧が0である
と(電圧無印加時)、図1に示すように、棒状液晶性分
子(13a〜e)は、配向膜(12、14)の面と平行
(水平方向に)に配向している。そして、棒状液晶性分
子(13a〜e)は、厚み方向に沿ってねじれながら、
水平面内で螺旋を巻く(図1では、13aから13eま
で時計回りにほぼ240゜)ような方向に配向してい
る。なお、STN型液晶セルの電圧印加(on)時に
は、液晶セル内の棒状液晶性分子は、実質的に垂直に配
向(電場方向と平行に再配列)する。
【0011】液晶セル(1)の下側に、光学補償シート
(2)が配置されている。図1に示す光学補償シート
(2)は、透明支持体(23)上に、垂直配向膜(2
2)および光学的異方性層(21)をこの順で有する。
光学的異方性層(21)は、ディスコティック液晶性分
子(21a〜e)を配向させ、その配向状態で分子を固
定して得られた層である。本発明では、図1に示すよう
に、ディスコティック液晶性分子(21a〜e)を、垂
直配向膜(22)の面に垂直に配向させる。そして、図
1に示すように、ディスコティック液晶性分子(21a
〜e)は、厚み方向に沿ってねじれながら、水平面内で
螺旋を巻く(図1では、21aから21eまで時計回り
にほぼ240゜)ような方向に配向させることが好まし
い。
【0012】図2は、液晶セルの棒状液晶性分子の屈折
率楕円体と光学補償シートのディスコティック液晶性分
子の屈折率楕円体との関係を示す模式図である。液晶セ
ル(1)の液晶の屈折率楕円体(13)は、配向膜に平
行な面内の屈折率(13x、13y)と液晶セルの厚み
方向の屈折率(13z)により形成される。STN型液
晶セルでは、配向膜に平行な面内の一方向の屈折率(1
3x)が大きな値となり、それに垂直な方向の面内の屈
折率(13y)と液晶セルの厚み方向の屈折率(13
z)は、小さな値となる。そのため、屈折率楕円体(1
3)は、図2に示すようなラグビーボールを横に寝かせ
た形状になる。このように球状ではない屈折率楕円体を
有する液晶セル(1)を、斜め方向から見るとレターデ
ーションが生じる。このレターデーションは、光学補償
シート(2)を用いて相殺する。
【0013】光学補償シート(2)の光学的異方性層の
屈折率楕円体(21)も、垂直配向膜に平行な面内の屈
折率(21x、21y)と光学的異方性層の厚み方向の
屈折率(21z)により形成される。本発明では、ディ
スコティック液晶性分子を垂直に配向させることで、垂
直配向膜に平行な面内の一方向の屈折率(21x)が小
さな値となり、それに垂直な方向の面内の屈折率(21
y)と光学的異方性層の厚み方向の屈折率(21z)
は、大きな値となる。そのため、屈折率楕円体(21)
は、図2に示すような円盤を立てた形状になる。以上の
関係から、13xと21xとの和、13yと21yとの
和および13zと21zとの和が、ほぼ同じ値となる。
その結果おして、液晶セル(1)に生じたレターデーシ
ョンが、光学補償シート(2)により相殺される。
【0014】図3は、代表的なSTN型液晶表示装置の
断面模式図である。図3に示す液晶表示装置は、STN
型液晶セル(1)、液晶セルの両側に設けられた一対の
偏光板(3)、液晶セルと偏光板との間に配置された一
対の光学補償シート(2)およびバックライト(BL)
からなる。光学補償シート(2)は、一方にのみ配置し
てもよい。液晶セル(1)は、上基板(11)の下側の
配向膜(12)と下基板(15)の上側の配向膜(1
4)との間に液晶(13)を封入した構造を有する。光
学補償シート(2)は、透明支持体(23)上に、垂直
配向膜(22)および光学的異方性層(21)をこの順
で有する。偏光板(3)は、偏光膜(31)と保護膜
(32)からなる。図3に示す装置では、光学補償シー
ト(2)の透明支持体(23)が、偏光膜(31)の他
方の側の保護膜としても機能している。
【0015】[透明支持体]光学補償シートの透明支持
体としては、光学的異方性が小さいポリマーフイルムを
用いることが好ましい。支持体が透明であるとは、光透
過率が80%以上であることを意味する。光学的異方性
が小さいとは、具体的には、面内レターデーション(R
e)が10nm以下であることが好ましく、5nm以下
であることがさらに好ましい。また、厚み方向のレター
デーション(Rth)は、40nm以下であることが好ま
しく、20nm以下であることがさらに好ましい。面内
レターデーション(Re)と厚み方向のレターデーショ
ン(Rth)は、それぞれ下記式で定義される。 Re=(nx−ny)×d Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d 式中、nxおよびnyは、透明支持体の面内屈折率であ
り、nzは透明支持体の厚み方向の屈折率であり、そし
てdは透明支持体の厚さである。
【0016】ポリマーの例には、セルロースエステル、
ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートが含ま
れる。セルロースエステルが好ましく、アセチルセルロ
ースがさらに好ましく、トリアセチルセルロースが最も
好ましい。ポリマーフイルムは、ソルベントキャスト法
により形成することが好ましい。透明支持体の厚さは、
20乃至500μmであることが好ましく、50乃至2
00μmであることがさらに好ましい。透明支持体とそ
の上に設けられる層(接着層、垂直配向膜あるいは光学
的異方性層)との接着を改善するため、透明支持体に表
面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線
(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。透明支持
体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
【0017】[垂直配向膜]ディスコティック液晶性分
子を垂直に配向させるためには、配向膜の表面エネルギ
ーを低下させることが重要である。具体的には、ポリマ
ーの官能基により配向膜の表面エネルギーを低下させ、
これによりディスコティック液晶性分子を立てた状態に
する。配向膜の表面エネルギーを低下させる官能基とし
ては、フッ素原子および炭素原子数が10以上の炭化水
素基が有効である。フッ素原子または炭化水素基を配向
膜の表面に存在させるために、ポリマーの主鎖よりも側
鎖にフッ素原子または炭化水素基を導入することが好ま
しい。含フッ素ポリマーは、フッ素原子を0.05乃至
80重量%の割合で含むことが好ましく、0.1乃至7
0重量%の割合で含むことがより好ましく、0.5乃至
65重量%の割合で含むことがさらに好ましく、1乃至
60重量%の割合で含むことが最も好ましい。炭化水素
基は、脂肪族基、芳香族基またはそれらの組み合わせで
ある。脂肪族基は、環状、分岐状あるいは直鎖状のいず
れでもよい。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル
基であってもよい)またはアルケニル基(シクロアルケ
ニル基であってもよい)であることが好ましい。炭化水
素基は、ハロゲン原子のような強い親水性を示さない置
換基を有していてもよい。炭化水素基の炭素原子数は、
10乃至100であることが好ましく、10乃至60で
あることがさらに好ましく、10乃至40であることが
最も好ましい。ポリマーの主鎖は、ポリイミド構造また
はポリビニルアルコール構造を有することが好ましい。
【0018】ポリイミドは、一般にテトラカルボン酸と
ジアミンとの縮合反応により合成する。二種類以上のテ
トラカルボン酸あるいは二種類以上のジアミンを用い
て、コポリマーに相当するポリイミドを合成してもよ
い。フッ素原子または炭化水素基は、テトラカルボン酸
起源の繰り返し単位に存在していても、ジアミン起源の
繰り返し単位に存在していても、両方の繰り返し単位に
存在していてもよい。ポリイミドに炭化水素基を導入す
る場合、ポリイミドの主鎖または側鎖にステロイド構造
を形成することが特に好ましい。側鎖に存在するステロ
イド構造は、炭素原子数が10以上の炭化水素基に相当
し、ディスコティック液晶性分子を垂直に配向させる機
能を有する。本明細書においてステロイド構造とは、シ
クロペンタノヒドロフェナントレン環構造またはその環
の結合の一部が脂肪族環の範囲(芳香族環を形成しない
範囲)で二重結合となっている環構造を意味する。テト
ラカルボン酸起源の繰り返し単位(イミド構造の窒素原
子はジアミン由来)の例を以下に示す。
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】ジアミン起源の繰り返し単位の例を以下に
示す。
【0032】
【化13】
【0033】
【化14】
【0034】
【化15】
【0035】
【化16】
【0036】
【化17】
【0037】
【化18】
【0038】
【化19】
【0039】
【化20】
【0040】
【化21】
【0041】
【化22】
【0042】
【化23】
【0043】
【化24】
【0044】
【化25】
【0045】
【化26】
【0046】
【化27】
【0047】
【化28】
【0048】
【化29】
【0049】
【化30】
【0050】
【化31】
【0051】
【化32】
【0052】
【化33】
【0053】
【化34】
【0054】
【化35】
【0055】
【化36】
【0056】
【化37】
【0057】
【化38】
【0058】
【化39】
【0059】
【化40】
【0060】ポリイミドの末端に、繰り返し単位とは異
なる基が結合していてもよい。末端基の例を以下に示
す。
【0061】
【化41】
【0062】
【化42】
【0063】
【化43】
【0064】
【化44】
【0065】
【化45】
【0066】以下に、垂直配向膜に用いることができる
ポリイミドの例を、テトラカルボン酸起源の繰り返し単
位(A)、ジアミン起源の繰り返し単位(B)および末
端基(E)の番号を引用しながら示す。コポリマー中の
繰り返し単位の割合は、モル%である。
【0067】 PI1:−A1−B1− PI2:−A2−B2− PI3:−A3−B3− PI4:−A4−B1− PI5:−A5−B1− PI6:−(A6−B4)90−(A6−B5)10− PI7:−(A6−B4)80−(A6−B5)20− PI8:−(A6−B4)65−(A6−B5)35− PI9:−(A4−B6)−E1 PI10:−A1−B76− PI11:−(A1−B8)60−(A1−B4)40− PI12:−(A1−B8)50−(A1−B4)50− PI13:−(A1−B8)25−(A1−B4)25
【0068】 PI14:−(A2−B9)95−(A11−B9)5 − PI15:−(A2−B9)64−(A11−B9)36− PI16:−(A2−B9)45−(A11−B9)55− PI17:−A2−B10− PI18:−(A7−B11)70−(A8−B11)30− PI19:−(A7−B11)55−(A8−B11)45− PI20:−(A7−B11)20−(A8−B11)80− PI21:−(A9−B12)78−(A9−B13)28− PI22:−(A9−B12)63−(A9−B13)37− PI23:−(A9−B12)22−(A9−B13)78− PI24:−(A10−B14)67−(A8−B15)33− PI25:−(A10−B14)50−(A8−B15)50− PI26:−(A10−B14)22−(A8−B15)78
【0069】 PI27:−(A10−B16)85−(A10−B5)15− PI28:−(A10−B16)98−(A10−B5)2 − PI29:−(A10−B16)64−(A10−B5)36− PI30:−(A10−B17)99−(A12−B17)1 − PI31:−(A10−B17)81−(A12−B17)19− PI32:−(A10−B17)51−(A12−B17)49− PI33:−(A2−B18)30−(A8−B18)70− PI34:−(A2−B18)55−(A8−B18)45− PI35:−(A2−B18)1 −(A8−B18)99− PI36:−(A10−B19)−E2 PI37:−A8−B20− PI38:−A11−B21− PI39:−A12−B22−
【0070】 PI40:−A8−B23− PI41:−(A8−B24)70−(A8−B5)30− PI42:−(A8−B24)56−(A8−B5)44− PI43:−(A8−B24)44−(A8−B5)56− PI44:−(A13−B25)60−(A14−B25)40− PI45:−(A13−B25)50−(A14−B25)50− PI46:−(A13−B25)40−(A14−B25)60− PI47:−(A12−B26)90−(A12−B27)10− PI48:−(A12−B26)99−(A12−B27)1 − PI49:−(A12−B26)75−(A12−B27)25− PI50:−(A12−B28)−E3 PI51:−(A1−B1)−E4
【0071】 PI61:−A15−B29− PI62:−(A15−B29)80−(A15−B5)20− PI63:−(A8−B29)50−(A15−B29)50− PI64:−A8−B30− PI65:−(A8−B30)90−(A8−B5)10− PI66:−A3−B29− PI67:−(A8−B29)40−(A8−B31)60− PI68:−A8−B32− PI69:−(A8−B32)85−(A8−B5)15− PI70:−A12−B33−
【0072】 PI71:−(A11−B34)50−(A12−B34)50− PI72:−A8−B35− PI73:−(A11−B36)75−(A12−B36)25− PI74:−A11−B37− PI75:−(A16−B38)85−(A16−B39)15− PI76:−(A8−B40)60−(A16−B40)40− PI77:−A8−B41− PI78:−(A8−B41)30−(A11−B41)30−(A
8−B39)20−(A11−B39)20− PI79:E5−(A8−B42)−E6 PI80:E7−(A16−B32)−E8
【0073】 PI81:−(A8−B29)65−(A8−B5)35− PI82:−A13−B43− PI83:−A12−B44− PI84:−(A12−B45)40−(A11−B45)60− PI85:−A12−B46− PI86:−A12−B47− PI87:−A17−B48− PI88:−A12−B27−
【0074】フッ素変性ポリビニルアルコールも垂直配
向膜に好ましく用いることができる。フッ素変性ポリビ
ニルアルコールは、フッ素原子を含む繰り返し単位を5
乃至80モル%の範囲で含むことが好ましく、7乃至7
0モル%の範囲で含むことがさらに好ましい。好ましい
フッ素変性ポリビニルアルコールを、下記式(PV)で
表す。 (PV) −(VAl)x−(FRU)y−(VAc)z− 式中、VAlは、ビニルアルコール繰り返し単位であ
り;FRUは、フッ素原子を含む繰り返し単位であり;
VAcは酢酸ビニル繰り返し単位であり;xは、20乃
至95モル%(好ましくは24乃至90モル%)であ
り;yは、5乃至80モル%(好ましくは7乃至70モ
ル%)であり;そして、zは0乃至30モル%(好まし
くは2乃至20モル%)である。好ましいフッ素原子を
含む繰り返し単位(FRU)を、下記式(FRU−I)
および(FRU−II)で表す。
【0075】
【化46】
【0076】式中、L1 は、−O−、−CO−、−SO
2 −、−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびそ
れらの組み合わせから選ばれる二価の連結基であり;L
2 は、単結合あるいは−O−、−CO−、−SO2 −、
−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびそれらの
組み合わせから選ばれる二価の連結基であり;そしてR
1 およびRf2 は、それぞれフッ素置換炭化水素基で
ある。アルキレン基およびアリーレン基はフッ素原子に
より置換されていてもよい。上記の組み合わせにより形
成される二価の連結基の例を、以下に示す。
【0077】 L1:−O−CO− L2:−O−CO−アルキレン基−O− L3:−O−CO−アルキレン基−CO−NH− L4:−O−CO−アルキレン基−NH−SO2 −アリ
ーレン基−O− L5:−アリーレン基−NH−CO− L6:−アリーレン基−CO−O− L7:−アリーレン基−CO−NH− L8:−アリーレン基−O− L9:−O−CO−NH−アリーレン基−NH−CO−
【0078】フッ素置換炭化水素基の炭化水素基は、脂
肪族基、芳香族基またはそれらの組み合わせである。脂
肪族基は、環状、分岐状あるいは直線状のいずれでもよ
い。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基であっ
てもよい)またはアルケニル基(シクロアルケニル基で
あってもよい)であることが好ましい。脂肪族基は、フ
ッ素原子以外にも、他のハロゲン原子のような強い親水
性を示さない置換基を有していてもよい。炭化水素基の
炭素原子数は、1乃至100であることが好ましく、2
乃至60であることがさらに好ましく、3乃至40であ
ることが最も好ましい。炭化水素基の水素原子がフッ素
原子で置換されている割合は、50乃至100モル%で
あることが好ましく、70乃至100モル%であること
がより好ましく、80乃至100モル%であることがさ
らに好ましく、90乃至100モル%であることが最も
好ましい。
【0079】炭素原子数が10以上の炭化水素基を有す
る変性ポリビニルアルコールも垂直配向膜に好ましく用
いることができる。炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基
またはそれらの組み合わせである。脂肪族基は、環状、
分岐状あるいは直鎖状のいずれでもよい。脂肪族基は、
アルキル基(シクロアルキル基であってもよい)または
アルケニル基(シクロアルケニル基であってもよい)で
あることが好ましい。炭化水素基は、ハロゲン原子のよ
うな強い親水性を示さない置換基を有していてもよい。
炭化水素基の炭素原子数は、10乃至100であること
が好ましく、10乃至60であることがさらに好まし
く、10乃至40であることが最も好ましい。炭化水素
基を有する変性ポリビニルアルコールは、炭素原子数が
10以上の炭化水素基を有する繰り返し単位を2乃至8
0モル%の範囲で含むことが好ましく、3乃至70モル
%含むことがさらに好ましい。好ましい炭素原子数が1
0以上の炭化水素基を有する変性ポリビニルアルコール
を、下記式(PV)で表す。 (PV) −(VAl)x−(HyC)y−(VAc)z− 式中、VAlは、ビニルアルコール繰り返し単位であ
り;HyCは、炭素原子数が10以上の炭化水素基を有
する繰り返し単位であり;VAcは酢酸ビニル繰り返し
単位であり;xは、20乃至95モル%(好ましくは2
5乃至90モル%)であり;yは、2乃至80モル%
(好ましくは3乃至70モル%)であり;そして、zは
0乃至30モル%(好ましくは2乃至20モル%)であ
る。好ましい炭素原子数が10以上の炭化水素基を有す
る繰り返し単位(HyC)を、下記式(HyC−I)お
よび(HyC−II)で表す。
【0080】
【化47】
【0081】式中、L1 は、−O−、−CO−、−SO
2 −、−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびそ
れらの組み合わせから選ばれる二価の連結基であり;L
2 は、単結合あるいは−O−、−CO−、−SO2 −、
−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびそれらの
組み合わせから選ばれる二価の連結基であり;そしてR
1 およびR2 は、それぞれ炭素原子数が10以上の炭化
水素基である。上記の組み合わせにより形成される二価
の連結基の例は、前記式(FRU−I)および(FRU
−II)で示した例と同様である。
【0082】垂直配向膜に用いるポリマーの重合度は、
200乃至5000であることが好ましく、300乃至
3000であることが好ましい。ポリマーの分子量は、
9000乃至200000であることが好ましく、13
000乃至130000であることがさらに好ましい。
二種類以上のポリマーを併用してもよい。垂直配向膜の
形成において、ラビング処理を実施することが好まし
い。ラビング処理は、上記のポリマーを含む膜の表面
を、紙や布で一定方向に、数回こすることにより実施す
る。なお、垂直配向膜を用いてディスコティック液晶性
分子を垂直に配向させてから、その配向状態のままディ
スコティック液晶性分子を固定して光学的異方性層を形
成し、光学的異方性層のみを透明支持体上に転写しても
よい。垂直配向状態で固定されたディスコティック液晶
性分子は、垂直配向膜がなくても配向状態を維持するこ
とができる。そのため、本発明の光学補償シートでは、
垂直配向膜は(光学補償シートの製造において必須では
あるが)必須の要素ではない。
【0083】[光学的異方性層]光学的異方性層はディ
スコティック液晶性分子および含フッ素界面活性剤を含
む。光学的異方性層では、上記の垂直配向膜と後述する
含フッ素界面活性剤とを用いて、ディスコティック液晶
性分子を、垂直配向膜と光学的異方性層との界面に対し
て、実質的に垂直(50乃至90度の範囲の平均傾斜
角)に配向させる。ディスコティック液晶性分子は、垂
直配向状態のまま光学的異方性層内で固定することが好
ましい。ディスコティック液晶性分子は、重合反応によ
り固定することがさらに好ましい。ディスコティック液
晶性分子は、様々な文献(C. Destrade et al., Mol. C
rysr. Liq. Cryst., vol. 71, page 111 (1981) ;日本
化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第
5章、第10章第2節(1994);B. Kohne et al., Ange
w. Chem. Soc. Chem. Comm., page 1794 (1985);J. Zh
ang et al., J. Am.Chem. Soc., vol. 116, page 2655
(1994))に記載されている。ディスコティック液晶性分
子の重合については、特開平8−27284公報に記載
がある。ディスコティック液晶性分子を重合により固定
するためには、ディスコティック液晶性分子の円盤状コ
アに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。
ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反
応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、
円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従
って、重合性基を有するディスコティック液晶性分子
は、下記式(I)で表わされる化合物であることが好ま
しい。
【0084】(I) D(−L−P)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Pは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整
数である。式(I)の円盤状コア(D)の例を以下に示
す。以下の各例において、LP(またはPL)は、二価
の連結基(L)と重合性基(P)との組み合わせを意味
する。
【0085】
【化48】
【0086】
【化49】
【0087】
【化50】
【0088】
【化51】
【0089】
【化52】
【0090】
【化53】
【0091】
【化54】
【0092】式(I)において、二価の連結基(L)
は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−
CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み
合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であること
が好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、ア
ルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−
O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少
なくとも二つ組み合わせた基であることがさらに好まし
い。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレ
ン基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群
より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基
であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数
は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基
の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。ア
リーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好
ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレ
ン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シア
ノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよ
い。
【0093】二価の連結基(L)の例を以下に示す。左
側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(P)
に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基
を意味し、ARはアリーレン基を意味する。 L1:−AL−CO−O−AL− L2:−AL−CO−O−AL−O− L3:−AL−CO−O−AL−O−AL− L4:−AL−CO−O−AL−O−CO− L5:−CO−AR−O−AL− L6:−CO−AR−O−AL−O− L7:−CO−AR−O−AL−O−CO− L8:−CO−NH−AL− L9:−NH−AL−O− L10:−NH−AL−O−CO−
【0094】 L11:−O−AL− L12:−O−AL−O− L13:−O−AL−O−CO− L14:−O−AL−O−CO−NH−AL− L15:−O−AL−S−AL− L16:−O−CO−AR−O−AL−CO− L17:−O−CO−AR−O−AL−O−CO− L18:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−C
O− L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−A
L−O−CO− L20:−S−AL− L21:−S−AL−O− L22:−S−AL−O−CO− L23:−S−AL−S−AL− L24:−S−AR−AL−
【0095】AL(アルキレン基またはアルケニレン
基)に、不斉炭素原子を導入すると、ディスコティック
液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。
不斉炭素原子を含むAL*の例を以下に挙げる。左側が
円盤状コア(D)側であり、右側が重合性基(P)側で
ある。*印を付けた炭素原子(C)が不斉炭素原子であ
る。光学活性は、SとRのいずれでもよい。
【0096】AL*1:−CH2 CH2 −C*HCH3
−CH2 CH2 CH2 − AL*2:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 − AL*3:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 − AL*4:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*5:−CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3
−CH2 − AL*6:−CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −C*H
CH3 − AL*7:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
− AL*8:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 − AL*9:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 − AL*10:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2
【0097】AL*11:−CH2 CH2 CH2 CH2
C*HCH3 − AL*12:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 − AL*13:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 − AL*14:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 − AL*15:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 − AL*16:−CH2 −C*HCH3 − AL*17:−C*HCH3 −CH2 − AL*18:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 CH2 − AL*19:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 CH2 − AL*20:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 CH2 CH2
【0098】AL*21:−CH2 CH2 CH2 −C*H
CH3 −CH2 CH2 CH2 − AL*22:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*23:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*24:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*25:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*26:−C*HCH3 −(CH2 8 − AL*27:−CH2 −C*HCH3 −(CH2 8 − AL*28:−CH2 −C*HCH2 CH3 − AL*29:−CH2 −C*HCH2 CH3 −CH2 − AL*30:−CH2 −C*HCH2 CH3 −CH2 CH
2
【0099】AL*31:−CH2 −C*HCH2 CH3
−CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*32:−CH2 −C*H(n−C3 7 )−CH2
CH2 − AL*33:−CH2 −C*H(n−C3 7 )−CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*34:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2
CH2 − AL*35:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*36:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 − AL*37:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 CH2
2 − AL*38:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 − AL*39:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 CH2
CH2
【0100】AL*40:−CH2 −C*HOCH3 −C
2 CH2 − AL*41:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2
2 CH2 − AL*42:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 − AL*43:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*44:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 − AL*45:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 CH
2 CH2
【0101】式(I)の重合性基(P)は、重合反応の
種類に応じて決定する。重合性基(P)の例を以下に示
す。
【0102】
【化55】
【0103】
【化56】
【0104】
【化57】
【0105】
【化58】
【0106】
【化59】
【0107】
【化60】
【0108】重合性基(P)は、不飽和重合性基(P
1、P2、P3、P7、P8、P14、P15、P1
6)またはエポキシ基(P6)であることが好ましく、
不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン
性不飽和重合性基(P1、P7、P8、P14、P1
5、P16)であることが最も好ましい。式(I)にお
いて、nは4乃至12の整数である。具体的な数字は、
ディスコティックコア(D)の種類に応じて決定され
る。なお、複数のLとPの組み合わせは、異なっていて
もよいが、同一であることが好ましい。二種類以上のデ
ィスコティック液晶性分子(例えば、二価の連結基に不
斉炭素原子を有する分子と有していない分子)を併用し
てもよい。
【0109】ディスコティック液晶性分子の二価の連結
基(L)に不斉炭素原子を導入する代わりに、不斉炭素
原子を含む光学活性を示す化合物(カイラル剤)を光学
的異方性層に添加しても、ディスコティック液晶性分子
を螺旋状にねじれ配向させることができる。不斉炭素原
子を含む化合物としては、様々な天然または合成化合物
が使用できる。不斉炭素原子を含む化合物中には、ディ
スコティック液晶性分子と同じまたは類似の重合性基を
導入してもよい。重合性基を導入すると、ディスコティ
ック液晶性分子を垂直配向後に固定するのと同時に、同
じまたは類似の重合反応により不斉炭素原子を含む化合
物も光学的異方性層内で固定することができる。
【0110】本発明では、ディスコティック液晶性分子
を一定の方向に均一かつ安定に垂直配向させるため、含
フッ素界面活性剤を光学的異方性層に添加する。含フッ
素界面活性剤は、フッ素原子を含む疎水性基、ノニオン
性、アニオン性、カチオン性あるいは両性の親水性基お
よび任意に設けられる連結基からなる。一つの疎水性基
と一つの親水性基からなる含フッ素界面活性剤は、下記
式(II)で表わされる。 (II) Rf−L5 −Hy 式中、Rfは、フッ素原子で置換された一価の炭化水素
基であり、L5 は、単結合または二価の連結基であり、
そして、Hyは親水性基である。式(II)のRfは、疎
水性基として機能する。炭化水素基は、アルキル基また
はアリール基であることが好ましい。アルキル基の炭素
原子数は3乃至30であることが好ましく、アリール基
の炭素原子数は6乃至30であることが好ましい。炭化
水素基に含まれる水素原子の一部または全部は、フッ素
原子で置換されている。フッ素原子で、炭化水素基に含
まれる水素原子の50%以上を置換することが好まし
く、60%以上を置換することがより好ましく、70%
以上を置換することがさらに好ましく、80%以上を置
換することが最も好ましい。残りの水素原子は、さらに
他のハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)で置換さ
れていてもよい。Rfの例を以下に示す。
【0111】 Rf1:n−C817− Rf2:n−C613− Rf3:Cl−(CF2 −CFCl)3 −CF2 − Rf4:H−(CF28 − Rf5:H−(CF210− Rf6:n−C919− Rf7:ペンタフルオロフェニル Rf8:n−C715− Rf9:Cl−(CF2 −CFCl)2 −CF2 − Rf10:H−(CF24 − Rf11:H−(CF26 − Rf12:Cl−(CF26 − Rf13:C37
【0112】式(II)において、二価の連結基は、アル
キレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環残基、−CO
−、−NR−(Rは炭素原子数が1乃至5のアルキル基
または水素原子)、−O−、−SO2 −およびそれらの
組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である
ことが好ましい。式(II)のL5 の例を以下に示す。左
側が疎水性基(Rf)に結合し、右側が親水性基(H
y)に結合する。ALはアルキレン基、ARはアリーレ
ン基、Hcは二価のヘテロ環残基を意味する。なお、ア
ルキレン基、アリーレン基および二価のヘテロ環残基
は、置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
【0113】 L0:単結合 L51:−SO2 −NR− L52:−AL−O− L53:−CO−NR− L54:−AR−O− L55:−SO2 −NR−AL−CO−O− L56:−CO−O− L57:−SO2 −NR−AL−O− L58:−SO2 −NR−AL− L59:−CO−NR−AL− L60:−AL−O−AL− L61:−Hc−AL− L62:−SO2 −NR−AL−O−AL− L63:−AR− L64:−O−AR−SO2 −NR−AL− L65:−O−AR−SO2 −NR− L66:−O−AR−0−
【0114】式(II)のHyは、ノニオン性親水性基、
アニオン性親水性基、カチオン性親水性基あるいは両性
親水性基のいずれかである。ノニオン性親水性基が特に
好ましい。式(II)のHyの例を以下に示す。
【0115】Hy1:−(CH2 CH2 O)n −H(n
は5乃至30の整数) Hy2:−(CH2 CH2 O)n −R1(nは5乃至3
0の整数、R1 は炭素原子数が1乃至6のアルキル基) Hy3:−(CH2 CHOHCH2n −H(nは5乃
至30の整数) Hy4:−COOM(Mは水素原子、アルカリ金属原子
または解離状態) Hy5:−SO3 M(Mは水素原子、アルカリ金属原子
または解離状態) Hy6:−(CH2 CH2 O)n −CH2 CH2 CH2
−SO3 M(nは5乃至30の整数、Mは水素原子また
はアルカリ金属原子) Hy7:−OPO(OH)2 Hy8:−N+ (CH33 ・X- (Xはハロゲン原
子) Hy9:−COONH4
【0116】ノニオン性親水性基(Hy1、Hy2、H
y3)が好ましく、ポリエチレンオキサイドからなる親
水性基(Hy1)が最も好ましい。式(II)で表わされ
る含フッ素界面活性剤の具体例を、以上のRf、L5
よびHyの例を引用して示す。
【0117】FS−1:Rf1−L51(R=C37
−Hy1(n=6) FS−2:Rf1−L51(R=C37 )−Hy1(n
=11) FS−3:Rf1−L51(R=C37 )−Hy1(n
=16) FS−4:Rf1−L51(R=C37 )−Hy1(n
=21) FS−5:Rf1−L51(R=C27 )−Hy1(n
=6) FS−6:Rf1−L51(R=C27 )−Hy1(n
=11) FS−7:Rf1−L51(R=C27 )−Hy1(n
=16) FS−8:Rf1−L51(R=C27 )−Hy1(n
=21) FS−9:Rf2−L51(R=C37 )−Hy1(n
=6) FS−10:Rf2−L51(R=C37 )−Hy1(n
=11) FS−11:Rf2−L51(R=C37 )−Hy1(n
=16) FS−12:Rf2−L51(R=C37 )−Hy1(n
=21) FS−13:Rf3−L52(AL=CH2 )−Hy1(n
=5) FS−14:Rf3−L52(AL=CH2 )−Hy1(n
=10) FS−15:Rf3−L52(AL=CH2 )−Hy1(n
=15) FS−16:Rf3−L52(AL=CH2 )−Hy1(n
=20) FS−17:Rf4−L53(R=C37 )−Hy1(n
=7) FS−18:Rf4−L53(R=C37 )−Hy1(n
=13) FS−19:Rf4−L53(R=C37 )−Hy1(n
=19) FS−20:Rf4−L53(R=C37 )−Hy1(n
=25)
【0118】FS−21:Rf5−L52(AL=CH2
−Hy1(n=11) FS−22:Rf5−L52(AL=CH2 )−Hy1(n
=15) FS−23:Rf5−L52(AL=CH2 )−Hy1(n
=20) FS−24:Rf5−L52(AL=CH2 )−Hy1(n
=30) FS−25:Rf6−L54(AR=p-フェニレン)−Hy
1(n=11) FS−26:Rf6−L54(AR=p-フェニレン)−Hy
1(n=17) FS−27:Rf6−L54(AR=p-フェニレン)−Hy
1(n=23) FS−28:Rf6−L54(AR=p-フェニレン)−Hy
1(n=29) FS−29:Rf1−L55(R=C37 、AL=CH
2 )−Hy1(n=20) FS−30:Rf1−L55(R=C37 、AL=CH
2 )−Hy1(n=30) FS−31:Rf1−L55(R=C37 、AL=CH
2 )−Hy1(n=40) FS−32:Rf1−L56−Hy1(n=5) FS−33:Rf1−L56−Hy1(n=10) FS−34:Rf1−L56−Hy1(n=15) FS−35:Rf1−L56−Hy1(n=20) FS−36:Rf7−L56−Hy1(n=8) FS−37:Rf7−L56−Hy1(n=13) FS−38:Rf7−L56−Hy1(n=18) FS−39:Rf7−L56−Hy1(n=25)
【0119】 FS−40:Rf1−L0−Hy1(n=6) FS−41:Rf1−L0−Hy1(n=11) FS−42:Rf1−L0−Hy1(n=16) FS−43:Rf1−L0−Hy1(n=21) FS−44:Rf1−L51(R=C37 )−Hy2(n
=7、R1 =C25 ) FS−45:Rf1−L51(R=C37 )−Hy2(n
=13、R1 =C25 ) FS−46:Rf1−L51(R=C37 )−Hy2(n
=20、R1 =C25 ) FS−47:Rf1−L51(R=C37 )−Hy2(n
=28、R1 =C25 ) FS−48:Rf8−L52(AL=CH2 )−Hy1(n
=5) FS−49:Rf8−L52(AL=CH2 )−Hy1(n
=10) FS−50:Rf8−L52(AL=CH2 )−Hy1(n
=15) FS−51:Rf8−L52(AL=CH2 )−Hy1(n
=20) FS−52:Rf1−L57(R=C37 、AL=CH2C
H2)−Hy3(n=5) FS−53:Rf1−L57(R=C37 、AL=CH2C
H2)−Hy3(n=7) FS−54:Rf1−L57(R=C37 、AL=CH2C
H2)−Hy3(n=9) FS−55:Rf1−L57(R=C37 、AL=CH2C
H2)−Hy3(n=12) FS−56:Rf9−L0−Hy4(M=H) FS−57:Rf3−L0−Hy4(M=H) FS−58:Rf1−L58(R=C37 、AL=CH
2 )−Hy4(M=K) FS−59:Rf4−L59(R=C37 、AL=CH
2 )−Hy4(M=Na)
【0120】 FS−60:Rf1−L0−Hy5(M=K) FS−61:Rf10−L60(AL1 =CH2 、AL2 =CH2C
H2)−Hy5(M=Na) FS−62:Rf11−L60(AL1 =CH2 、AL2 =CH2C
H2)−Hy5(M=Na) FS−63:Rf5−L60(AL1 =CH2 、AL2 =CH2C
H2)−Hy5(M=Na) FS−64:Rf1−L58(R=C3H7、AL=CH2CH2CH
2 )−Hy5(M=Na) FS−65:Rf1−L51(R=C37 )−Hy6(n
=5、M=Na) FS−66:Rf1−L51(R=C37 )−Hy6(n
=10、M=Na) FS−67:Rf1−L51(R=C37 )−Hy6(n
=15、M=Na) FS−68:Rf1−L51(R=C37 )−Hy6(n
=20、M=Na) FS−69:Rf1−L58(R=C25 、AL=CH2
CH2 )−Hy7 FS−70:Rf1−L58(R=H、AL=CH2CH2CH2
−Hy8(X=I) FS−71:Rf11−L61(下記Hc、AL=CH2CH2CH
2 )−Hy6(Mは解離)
【0121】
【化61】
【0122】FS−72:Rf1−L62(R=C3H7、AL1=CH2C
H2、AL2=CH2CH2CH2)−Hy6(M=Na) FS−73:Rf12−L0−Hy5(M=Na) FS−74:Rf13−L63(AR=o-フェニレン)−Hy
6(M=K) FS−75:Rf13−L63(AR=m-フェニレン)−Hy
6(M=K) FS−76:Rf13−L63(AR=p-フェニレン)−Hy
6(M=K) FS−77:Rf6−L64(R=C2H5、AL=CH2CH2)−
Hy5(M=H) FS−78:Rf6−L65(AR=p-フェニレン、R=C2
H5)−Hy1(n=9) FS−79:Rf6−L65(AR=p-フェニレン、R=C2
H5)−Hy1(n=14) FS−80:Rf6−L65(AR=p-フェニレン、R=C2
H5)−Hy1(n=19) FS−81:Rf6−L65(AR=p-フェニレン、R=C2
H5)−Hy1(n=28) FS−82:Rf6−L66(AR=p-フェニレン)−Hy
1(n=5) FS−83:Rf6−L66(AR=p-フェニレン)−Hy
1(n=10) FS−84:Rf6−L66(AR=p-フェニレン)−Hy
1(n=15) FS−85:Rf6−L66(AR=p-フェニレン)−Hy
1(n=20)
【0123】フッ素原子を含む疎水性基または親水性基
を二以上有する含フッ素界面活性剤を用いてもよい。二
以上の疎水性基または親水性基を有する含フッ素界面活
性剤の例を以下に示す。
【0124】
【化62】
【0125】FS−86:n1+n2=12、FS−87:n1+n2
=18、FS−88:n1+n2=24
【0126】
【化63】
【0127】FS−89:n1+n2=20、FS−90:n1+n2
=18、FS−91:n1+n2=40
【0128】
【化64】
【0129】FS−92:n=5、FS−93:n=10、F
S−94:n=15、FS−95:n=20
【0130】
【化65】
【0131】二種類以上の含フッ素界面活性剤を併用し
てもよい。含フッ素界面活性剤については、様々な文献
(例、堀口弘著「新界面活性剤」三共出版(1975)、M.J.
Schick, Nonionic Surfactants, Marcell Dekker In
c.,New York, (1967)、特開平7−13293号公報)
に記載がある。含フッ素界面活性剤の使用量は、ディス
コティック液晶性分子の量の0.01乃至30重量%の
範囲であることが好ましく、0.1乃至10重量%であ
ることがさらに好ましく、0.5乃至5重量%であるこ
とがさらに好ましい。
【0132】光学的異方性層は、ディスコティック液晶
性分子および含フッ素界面活性剤、さらに必要に応じて
不斉炭素原子を含む化合物、あるいは下記の重合性開始
剤や他の添加剤を含む塗布液を、垂直配向膜の上に塗布
することで形成する。塗布液の調製に使用する溶媒とし
ては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例に
は、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、ス
ルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化
合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキ
サン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロ
ロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチ
ル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、
エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキ
シエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトン
が好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティン
グ法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグ
ラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実
施できる。垂直配向させたディスコティック液晶性分子
は、配向状態を維持して固定する。固定化は、ディスコ
ティック液晶性分子に導入した重合性基(P)の重合反
応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重
合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光
重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合
開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許23
67661号、同2367670号の各明細書記載)、
アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書
記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米
国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合
物(米国特許3046127号、同2951758号の
各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーと
p−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3
549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナ
ジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特
許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾー
ル化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含
まれる。
【0133】光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分
の0.01乃至20重量%であることが好ましく、0.
5乃至5重量%であることがさらに好ましい。ディスコ
ティック液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を
用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/
cm2 乃至50J/cm2 であることが好ましく、10
0乃至800mJ/cm2 であることがさらに好まし
い。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を
実施してもよい。光学的異方性層の厚さは、0.1乃至
10μmであることが好ましく、0.5乃至5μmであ
ることがさらに好ましく、1乃至5μmであることが最
も好ましい。光学的異方性層内のディスコティック液晶
性分子の平均傾斜角度は、50乃至90度である。傾斜
角度は、なるべく均一であることが好ましい。ただし、
傾斜角度が光学的異方性層の厚み方向に沿って連続して
変化しているならば、若干の変動があっても問題ない。
ディスコティック液晶性分子のねじれの角度(ツイスト
角)は、STN型液晶セルのツイスト角(一般に180
乃至360゜、好ましくは180゜を越えて270゜ま
で)に応じて、類似(なるべく±10゜以内)の角度と
なるように調整することが好ましい。従って、ディスコ
ティック液晶性分子のねじれ角は、180乃至360度
の範囲であることが好ましい。
【0134】光学補償シートをSTN型液晶表示装置に
用いる場合、光学的異方性層の複屈折率の波長依存性
(Δn(λ))は、STN型液晶セルの液晶の複屈折率
の波長依存性に近い値であることが好ましい。光学的異
方性層に用いるディスコティック液晶性分子は、その構
造上、液晶セルに用いる棒状液晶性化合物に比べて波長
依存性が大きくなる傾向がある。光学的異方性層の複屈
折率の波長依存性を、液晶セルの液晶の複屈折率の波長
依存性に近い値に調整するためには、ディスコティック
液晶性分子の種類の選択が重要である。ディスコティッ
ク液晶性分子の平均傾斜角度は、ディスコティック液晶
性分子の種類、可塑剤あるいはバインダーの使用、界面
活性剤(特に前述した含フッ素界面活性剤)の使用によ
り制御することもできる。また、可塑剤、バインダーあ
るいは界面活性剤を使用することで、厚み方向の配向状
態の変化を制御することもできる。可塑剤は、ディスコ
ティック液晶性化合物と相溶性を有することが好まし
い。また、重合性基を有する可塑剤(重合性可塑剤)を
用いて、ディスコティック液晶性化合物の重合反応にお
いて、可塑剤も重合させることが好ましい。可塑剤は、
ディスコティック液晶性化合物の量の0.1乃至50重
量%の範囲で使用することが好ましい。バインダーとし
ては、セルロース系ポリマーが好ましく用いられる。
【0135】[液晶表示装置]前述したように、本発明
は、STN型液晶セルを用いる液晶表示装置において特
に有効である。STN型液晶表示装置は、STN型液晶
セル、液晶セルの両側に配置された一対の光学補償シー
トまたは液晶セルの片側に配置された光学補償シートお
よびそれらの両側に配置された一対の偏光板からなる。
液晶セルの棒状液晶性分子の配向方向とディスコティッ
ク液晶性分子の配向方向との関係は、光学補償シートに
最も近い液晶セルの棒状液晶性分子のディレクタ(棒状
分子の長軸方向)と、液晶セルに最も近い光学補償シー
トのディスコティック液晶性分子のディレクタ(円盤状
コア平面の法線方向)とが、液晶セルの法線方向から見
て、実質的に同じ向き(±10゜未満)になるように配
置することがも好ましい。図3に示すように、光学補償
シートの透明支持体を、偏光膜の他方の側の保護膜とし
ても機能させることができる。その場合は、透明支持体
の遅相軸(屈折率が最大となる方向)と偏光膜の透過軸
とが実質的に平行(±10゜未満)になるように配置す
ることが好ましい。
【0136】
【実施例】[実施例1]厚さ0.85mmのガラス板を
透明支持体として用いた。含フッ素ポリイミド(PI
1)をN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、溶液をバ
ーコーターを用いて透明支持体の上に塗布した。塗布層
を、80℃で5分間乾燥し、さらに180℃で60分間
加熱した。塗布層の表面をラビング処理して、垂直配向
膜を形成した。垂直配向膜の厚さは、0.51μmであ
った。垂直配向膜の上に、以下の組成の塗布液を100
0rpmのスピンコーターを用いて塗布し、室温で乾燥
した。
【0137】 ──────────────────────────────────── 光学的異方性層塗布液 ──────────────────────────────────── 下記のディスコティック液晶性化合物(1) 100重量部 第1表に示す含フッ素界面活性剤 0.1〜1重量部 光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 0.2重量部 メチルエチルケトン 500重量部 ────────────────────────────────────
【0138】
【化66】
【0139】塗布層の厚さは2.6μmであった。塗布
層を130℃で加熱して、ディスコティック液晶性化合
物を均一に配向させた。高圧水銀灯を用いて600mJ
/cm2 の紫外線を照射し、ディスコティック液晶性化
合物のビニル基を重合させ、配向状態を固定した。この
ようにして、ディスコティック液晶性化合物が垂直かつ
ねじれて配向している光学的異方性層を形成し、光学補
償シートを作成した。得られた光学補償シートに対し
て、あらゆる方向からのレターデーション値をエリプソ
メーター(AEP−100、島津製作所(株)製)を用
いて波長632.8nmで測定し、その光学特性を評価
した。さらに、比較用として含フッ素界面活性剤を全く
添加しないサンプルを作成して同様に評価した。以上の
結果を第1表に示す。
【0140】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 試料 含フッ素界面活性剤 ディスコテイック液晶 レターデーション 番号 種類 添加量 性分子の光軸傾斜角度 (Δnd) ──────────────────────────────────── 1 FS−3 0.1重量部 89.1゜ −193nm 2 FS−3 0.5重量部 89.0゜ −189nm 3 FS−3 1重量部 88.8゜ −181nm 4 FS−3 5重量部 89.5゜ −175nm 5 FS−3 10重量部 89.8゜ −178nm 6 FS−7 1重量部 87.6゜ −180nm 7 FS−14 1重量部 88.1゜ −183nm 8 FS−23 1重量部 85.9゜ −185nm 9 FS−36 1重量部 87.8゜ −179nm 10 FS−73 1重量部 86.5゜ −182nm 11 FS−76 1重量部 89.0゜ −183nm 12 なし − 均一配向せず 測定不能 ────────────────────────────────────
【0141】[実施例2]ガラス板支持体を厚さ100
μm、サイズ270mm×100mmのトリアセチルセ
ルロースフイルム(フジタック、富士写真フイルム
(株)製)に変更した以外は、実施例1の試料番号3と
同様にして光学補償シートを作成した。作成した光学補
償シートを用いて、図3に示す構造のSTN型液晶表示
装置を作成した。液晶セルと光学補償シートとが接する
面で、液晶セルの棒状液晶性分子の配向方向と光学補償
シートのディスコティック液晶性分子の配向方向とを一
致させた。出射側偏光板の吸収軸と液晶セルの出射側の
棒状液晶性分子の配向方向との角度は、45゜に調節し
た。入射側偏光板の吸収軸と出射側偏光板の吸収軸とは
直交するように配置した。得られたSTN型液晶表示装
置に電圧を印加したところ、ノーマリーブラックモード
になった。視覚特性を測定したところ、コントラスト比
が5以上の角度範囲が左右で120゜以上、上下で15
0゜以上得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】STN型液晶表示装置の電圧無印加(off)
の画素部分における液晶セル内の棒状液晶性分子の配向
状態と光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子
の配向状態とを模式的に示す断面図である。
【図2】液晶セルの棒状液晶性分子の屈折率楕円体と光
学補償シートのディスコティック液晶性分子の屈折率楕
円体との関係を示す模式図である。
【図3】代表的なSTN型液晶表示装置の断面模式図で
ある。
【符号の説明】 1 液晶セル 2 光学補償シート 3 偏光板 11 液晶セルの上基板 12、14 液晶セルの配向膜 13 液晶またはその屈折率楕円体 13a〜13e 棒状液晶性化合物 15 液晶セルの下基板 21 光学的異方性層またはその屈折率楕円体 21a〜21e ディスコティック液晶性分子 22 垂直配向膜 23 透明支持体 31 偏光膜 32 保護膜 BL バックライト
フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BA42 BB03 BC02 BC22 2H090 HB09Y HB10Y HB15Y HC05 JB03 JB11 JB13 KA08 KA18 LA06 MA01 MA11 MB01 MB14 2H091 FA11X FA11Z FB02 FB12 FC12 FC23 FD06 FD14 FD24 GA06 HA10 KA02 LA18 LA20 4H027 BA08 BB04 BD12 BE06 DM02 DQ02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体およびディスコティック液晶
    性分子から形成された光学的異方性層を有する光学補償
    シートであって、光学的異方性層が含フッ素界面活性剤
    を含み、ディスコティック液晶性分子が50乃至90度
    の範囲の平均傾斜角で配向していることを特徴とする光
    学補償シート。
  2. 【請求項2】 光学的異方性層が含フッ素界面活性剤を
    ディスコティック液晶性分子の量の0.01乃至30重
    量%の範囲の量で含む請求項1に記載の光学補償シー
    ト。
  3. 【請求項3】 透明支持体と光学的異方性層との間に、
    含フッ素ポリマーを含む配向膜が設けられている請求項
    1に記載の光学補償シート。
  4. 【請求項4】 透明支持体と光学的異方性層との間に、
    側鎖に炭素原子数が10以上の炭化水素基を有するポリ
    マーを含む配向膜が設けられている請求項1に記載の光
    学補償シート。
  5. 【請求項5】 ディスコティック液晶性分子がねじれ配
    向しており、ねじれ角が180乃至360度の範囲であ
    る請求項1に記載の光学補償シート。
  6. 【請求項6】 STN型液晶セル、その両側に配置され
    た二枚の偏光板およびSTN型液晶セルと一方または両
    方の偏光板との間に配置された一枚または二枚の光学補
    償シートからなるSTN型液晶表示装置であって、光学
    補償シートが透明支持体およびディスコティック液晶性
    分子から形成された光学的異方性層を偏光板側からこの
    順に有し、光学的異方性層が含フッ素界面活性剤を含
    み、ディスコティック液晶性分子が50乃至90度の範
    囲の平均傾斜角で配向していることを特徴とするSTN
    型液晶表示装置。
JP10233562A 1998-08-04 1998-08-04 光学補償シートおよびstn型液晶表示装置 Pending JP2000056310A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10233562A JP2000056310A (ja) 1998-08-04 1998-08-04 光学補償シートおよびstn型液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10233562A JP2000056310A (ja) 1998-08-04 1998-08-04 光学補償シートおよびstn型液晶表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000056310A true JP2000056310A (ja) 2000-02-25

Family

ID=16957022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10233562A Pending JP2000056310A (ja) 1998-08-04 1998-08-04 光学補償シートおよびstn型液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000056310A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6890608B2 (en) * 2002-03-29 2005-05-10 Fuji Photo Film Co., Ltd. Optical compensatory sheet, liquid-crystal display and elliptical polarizing plate employing same
JP2009242564A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Dic Corp 重合性液晶組成物
KR20130090778A (ko) 2010-06-10 2013-08-14 후지필름 가부시키가이샤 광학 필름, 편광판, 및 화상 표시 장치
KR20140135739A (ko) 2012-03-15 2014-11-26 후지필름 가부시키가이샤 광학 적층체를 갖는 유기 el 디스플레이 소자
US20240255684A1 (en) * 2020-01-15 2024-08-01 Fujifilm Corporation Optical system

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6890608B2 (en) * 2002-03-29 2005-05-10 Fuji Photo Film Co., Ltd. Optical compensatory sheet, liquid-crystal display and elliptical polarizing plate employing same
JP2009242564A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Dic Corp 重合性液晶組成物
KR20130090778A (ko) 2010-06-10 2013-08-14 후지필름 가부시키가이샤 광학 필름, 편광판, 및 화상 표시 장치
US8896774B2 (en) 2010-06-10 2014-11-25 Fujifilm Corporation Optical film, polarizing plate and image display device
KR20140135739A (ko) 2012-03-15 2014-11-26 후지필름 가부시키가이샤 광학 적층체를 갖는 유기 el 디스플레이 소자
US9588271B2 (en) 2012-03-15 2017-03-07 Fujifilm Corporation Organic EL display element having optical stack
US20240255684A1 (en) * 2020-01-15 2024-08-01 Fujifilm Corporation Optical system

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100490967B1 (ko) 액정 디스플레이 및 광보상 시이트
US5646703A (en) Liquid crystal display
JP2866372B2 (ja) 液晶表示装置および光学補償シート
JP4284221B2 (ja) 液晶表示装置
US20060139535A1 (en) Method of manufacturing a liquid-crystal display device
EP0854376B1 (en) Optical film
US20050285998A1 (en) Optical compensation film, ellipsoidal polarizing plate, and liquid crystal display
JP4094792B2 (ja) 光学補償シート、楕円偏光板および液晶表示装置
JP2001330725A (ja) 光学補償シート、楕円偏光板および液晶表示装置
JP4084490B2 (ja) 液晶表示装置
JP2002098828A (ja) 液晶配向膜、その製造方法、光学補償シート、stn型液晶表示装置およびディスコティック液晶性分子を配向させる方法
JP2001056469A (ja) 液晶配向膜、液晶性分子を配向させる方法、光学補償シートおよびstn型液晶表示装置
JPH10332933A (ja) 光学異方素子
JP2002072210A (ja) 液晶表示装置
JP2000056310A (ja) 光学補償シートおよびstn型液晶表示装置
JPH0990434A (ja) 垂直配向ねじれネマチック液晶表示装置
JP2000104073A (ja) 垂直配向膜、光学補償シート、stn型液晶表示装置およびディスコティック液晶性分子を配向させる方法
KR101029934B1 (ko) 액정 디스플레이
JP3288697B2 (ja) 電気光学系
JP2005283612A (ja) 液晶表示装置
JP2005037809A (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP2000105316A (ja) 光学補償シ―ト、stn型液晶表示装置およびディスコティック液晶性分子を配向させる方法
JP2000250043A (ja) 液晶表示装置
JP2000155216A (ja) 配向膜、光学補償シ―ト、stn型液晶表示装置およびディスコティック液晶性分子を配向させる方法
JP3896403B2 (ja) 光学補償シート、stn型液晶表示装置およびディスコティック液晶性分子を配向させる方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060501

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070605

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070717