JP2002088693A - ステキヒトサイズ度が30分以上である壁紙及びその製造方法 - Google Patents

ステキヒトサイズ度が30分以上である壁紙及びその製造方法

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JP2002088693A
JP2002088693A JP2000273155A JP2000273155A JP2002088693A JP 2002088693 A JP2002088693 A JP 2002088693A JP 2000273155 A JP2000273155 A JP 2000273155A JP 2000273155 A JP2000273155 A JP 2000273155A JP 2002088693 A JP2002088693 A JP 2002088693A
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JP2000273155A
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Osamu Sasaki
修 佐々木
Yosuke Kitagawa
陽介 北川
Ryuichi Hoshikawa
隆一 星川
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Matsui Shikiso Chemical Co Ltd
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Matsui Shikiso Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 壁紙に要求される十分な品質、即ち耐透水
性、防汚性、意匠性等を満足する高品質壁紙を提供する
こと、特に耐透水性を飛躍的に向上させることにより、
耐透水性不良に基づく目開きの防止やオープンタイムが
改善された極めて施工性に優れたものとするとともに、
意匠性にも優れた高品質壁紙を提供すること。 【解決手段】 ベースシート上に、発泡剤及び架橋性樹
脂組成物からなる発泡層、不織布層次いで防汚性樹脂層
の順で積層してなる壁紙であって、発泡層の発泡剤が、
膨張性カプセル発泡剤50〜95重量%、分解ガス発生
性発泡剤50〜5重量%からなるものであること、及び
発泡層の架橋成分が不織布層に浸透し、両層において架
橋反応が生起することにより、発泡層及び不織布層が実
質的に一体化していることを特徴とするステキヒトサイ
ズ度が30分以上である壁紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な高品質壁紙
及びその製造方法に関する。より詳しくは、耐透水性、
施工性、耐層間剥離性、防汚性、意匠性等に優れた特性
を有する壁紙及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の構造を有した壁紙が知
られている。例えば、ベースシート上に水性樹脂エマル
ジョンを塗工した水性壁紙や、ベースシート上に塩化ビ
ニルプラスチゾルを塗工した塩ビ壁紙等が存在するが、
これらの壁紙において、発泡剤を含有させて、立体感を
付与することが行われている。
【0003】しかしながら、上記塩ビ壁紙においては、
通気性不良の点で問題を有するとともに、昨今環境ホル
モンとして問題視されている各種の可塑剤を多量に含ん
でおり、環境衛生上好ましくない。
【0004】一方、水性壁紙は、この塩ビ壁紙が有する
問題を解決するものとして、最近非常に多数のものが提
案されており、例えば、エチレン−酢酸ビニル系樹脂や
アクリル系樹脂等の水性エマルジョンを使用したものが
ある(特開平6−47875号、特開平7−18850
2号等)。
【0005】しかし、これらの水性壁紙は、耐透水性が
著しく劣るため、壁面への施工時に目開きの問題が発生
したり、オープンタイムが十分でなく、よって極めて施
工性に劣るとともに、防汚性や意匠性の点でも問題を有
していた。
【0006】一方これらの問題のうち、意匠性の問題点
を改善することを目的として、上記水性壁紙にセルロー
ス系繊維と熱融着性繊維とからなる不織布を貼り合わせ
た構成のものが提案されているが(特開2000−15
4499号)、耐透水性の点においては依然として問題
が存し、施工性が極めて劣るとともに、貼り合わされた
不織布が逆に汚れを吸着し、防汚性の面においては却っ
て逆効果となること、及び該不織布が層間剥離しやすく
外観を害するということが指摘されている。
【0007】また、単にベースと不織布を貼り合わせ、
発泡剤を用いないものも知られているが(特開平11−
217799号)、立体効果に欠け意匠性に乏しいとと
もに、上記同様不織布が汚れやすいという問題点が存す
る。
【0008】そして、上記のような従来例における発泡
剤をみると、膨張性カプセル発泡剤や分解ガス発生性発
泡剤は例示されているものの、分解ガス発生性発泡剤は
耐圧性に欠け形状保持性が高くないという欠点があるの
で、実際には、膨張性カプセル発泡剤を用いている場合
が多いが、その膨張率は余り高くないため、意匠性は十
分なものではない。
【0009】そこで、壁紙に要求される上記の品質につ
いて、十分満足するような高品質壁紙の開発が待たれて
いるのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点を一掃するためになされたものであり、その目的とす
るところは、壁紙に要求される十分な品質、即ち耐透水
性、防汚性、意匠性等を満足する高品質壁紙を提供する
こと、特に耐透水性を飛躍的に向上させることにより、
耐透水性不良に基づく目開きの防止やオープンタイムが
改善された極めて施工性に優れたものとするとともに、
意匠性にも優れた高品質壁紙を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意研究を重ねたところ、ベースシー
ト上に発泡層、不織布層次いで防汚性樹脂層を順次積層
してなる壁紙であって、発泡層に架橋性成分を含有さ
せ、架橋成分の架橋反応により各層間の一体化を図ると
ともに、発泡剤として膨張性カプセル発泡剤と分解ガス
発生性発泡剤とを併用して高発泡なものとすると、特に
耐透水性や意匠性等に優れた高品質壁紙が得られること
を見出し、更に研究を重ねた結果、本発明を完成した。
【0012】即ち、本発明は、以下の構成を有する高品
質壁紙及びその製造方法に関する。
【0013】1. ベースシート上に、発泡剤及び架橋
性樹脂組成物からなる発泡層、不織布層次いで防汚性樹
脂層の順で積層してなる壁紙であって、発泡層の発泡剤
が、膨張性カプセル発泡剤50〜95重量%、分解ガス
発生性発泡剤50〜5重量%からなるものであること、
及び発泡層の架橋成分が不織布層に浸透し、両層におい
て架橋反応が生起することにより、発泡層及び不織布層
が実質的に一体化していることを特徴とするステキヒト
サイズ度が30分以上である壁紙。
【0014】2. 発泡層の架橋性樹脂組成物が、架橋
性アクリル系樹脂及びエチレン−酢酸ビニル系樹脂から
なる水性樹脂混合物であって、該樹脂の混合割合が架橋
性アクリル系樹脂20〜90重量%、エチレン−酢酸ビ
ニル系樹脂80〜10重量%である樹脂成分、及び架橋
剤の二成分を必須成分とするものである上記1記載のス
テキヒトサイズ度が30分以上である壁紙。
【0015】3. 防汚性樹脂層が、防汚成分及び樹脂
成分の二成分を必須成分とする樹脂組成物からなるもの
である上記1又は2記載のステキヒトサイズ度が30分
以上である壁紙。
【0016】4. 防汚性樹脂層が、架橋性樹脂組成物
からなるものであって、発泡層、不織布層及び防汚性樹
脂層中の架橋成分の架橋反応により、該3層が実質的に
一体化していることを特徴とする上記1、2又は3記載
のステキヒトサイズ度が30分以上である壁紙。
【0017】5. 防汚性樹脂層の架橋性樹脂組成物
が、防汚成分、架橋性樹脂及び/又は架橋剤を必須成分
とするものである上記4記載のステキヒトサイズ度が3
0分以上である壁紙。
【0018】6. 防汚性樹脂層がガスバリヤー性のも
のである上記1、2、3、4又は5記載のステキヒトサ
イズ度が30分以上である壁紙。
【0019】7. 架橋剤がブロックイソシアネート化
合物である上記1、2、3、4、5又は6記載のステキ
ヒトサイズ度が30分以上である壁紙。
【0020】8. 発泡層が分解ガス発生性発泡剤用安
定剤を含有したものである上記1、2、3、4、5、6
又は7記載のステキヒトサイズ度が30分以上である壁
紙。
【0021】9. 発泡層が発泡剤とともに充填剤を含
有したものである上記1、2、3、4、5、6、7又は
8記載のステキヒトサイズ度が30分以上である壁紙。
【0022】10. 防汚性樹脂層表面がエンボス加工
されたものである上記1、2、3、4、5、6、7、8
又は9記載のステキヒトサイズ度が30分以上である壁
紙。
【0023】11. 不織布層表面又は防汚性樹脂層表
面が着色加工されたものである上記1、2、3、4、
5、6、7、8、9又は10記載のステキヒトサイズ度
が30分以上である壁紙。
【0024】12. ベースシート上に発泡層、不織布
層次いで防汚性樹脂層の順で順次積層し、発泡層の架橋
成分が不織布層に浸透した後、加熱処理を施し、発泡と
架橋を同時に、又は発泡後、架橋を行うことを特徴とす
る上記1記載のステキヒトサイズ度が30分以上である
壁紙の製造方法。
【0025】13. ベースシート上に発泡層を形成し
た後、これが未だ湿潤状態にある時に、不織布層をラミ
ネートすることにより積層することを特徴とする上記1
2記載のステキヒトサイズ度が30分以上である壁紙の
製造方法。
【0026】14. 加熱処理後あるいは加熱処理と同
時にエンボス処理を施すことを特徴とする上記12又は
13記載のステキヒトサイズ度が30分以上である壁紙
の製造方法。
【0027】15. 不織布層表面に対する防汚性樹脂
層の形成時期が、加熱処理を施す前、加熱処理を施した
後、又はエンボス処理を施した後の中から選ばれた何れ
かの時期に施行されることを特徴とする上記12、13
又は14記載のステキヒトサイズ度が30分以上である
壁紙の製造方法。
【0028】16. 着色加工の施行時期が、防汚性樹
脂層を形成する前又はその形成後の何れかの時期に施行
されることを特徴とする上記12、13、14又は15
記載のステキヒトサイズ度が30分以上である壁紙の製
造方法。
【0029】なお、大部分の紙にはインキ、水などの液
体の浸透に対する抵抗性を付与するためにサイズを施し
ている。このサイズの効果の程度がサイズ度であり、筆
記用紙、印刷用紙、包装用紙、加工用紙などに重要な性
質である。サイズ度試験法は物理的試験、化学的方法、
電気的方法などその種類は非常に多く、実際の使用目的
に合った方法が採用されている。
【0030】その一つの方法として、下記のJIS規格(J
IS P 8122)による、ステキヒトサイズ度があるが、本
発明にいう「ステキヒトサイズ度」は、この測定法によ
るものである。
【0031】「5cm各の試験片の四角を折り、2%チ
オシアン酸アンモニウム溶液(20±1℃)に浮べ、同
時に1%塩化第二鉄塩溶液1滴を落とす。その瞬間から
3個の赤色はん点が現れるまでの時間(秒)を測定し、
サイズ度とする。測定は試験片の両面について各5回行
う。結果は秒数を、秒以下を四捨五入して表示する。」
本発明は、以下の新事実の発見に基づいて、なされたも
のである。
【0032】1)要求される耐透水性とステキヒトサイ
ズ度とに相関関係が存すること、 2)従って、ステキヒトサイズ度を30分以上に設定す
ることにより、十分なる耐透水性が得られること、 3)これにより、極めて優れた施工性が得られること、 4)このステキヒトサイズ度の条件を満足するために
は、発泡層に一定割合の樹脂を配合させ、且つ架橋剤に
よりその樹脂を架橋させる必要があること、 5)該樹脂と架橋剤を不織布層に浸透させることによ
り、耐透水性が向上するばかりか、層間剥離が完全に防
止されるとともに防汚性をも付与されること、 6)防汚性樹脂層を設けることにより、当該防汚性がよ
り完全なものとなるとともに、そのガスバリヤー性によ
り、分解ガス発生性発泡剤のガス気散が防止し得るの
で、該発泡剤のより有効利用が図れること、 7)上記の防汚性樹脂層のガスバリヤー性と相俟って、
発泡剤として、膨張性カプセル発泡剤と分解ガス発生性
発泡剤とを併用すると、発泡効率が向上し、意匠性に優
れたものが得られること、 8)以上のことに留意すると、極めて高品質且つ施工性
に優れた壁紙が得られること。
【0033】本発明の特徴とするところは、ベースシー
ト上に、発泡層、不織布層次いで防汚性樹脂層の順で順
次積層してなる壁紙であって、発泡層に、特定の架橋性
樹脂組成物、即ち、架橋性アクリル系樹脂及びエチレン
−酢酸ビニル系樹脂からなる水性樹脂混合物で、該樹脂
の混合割合が架橋性アクリル系樹脂20〜90重量%、
エチレン−酢酸ビニル系樹脂80〜10重量%である樹
脂成分及び架橋剤の二成分を必須成分として含有させ
て、発泡層の架橋成分を不織布層に浸透させ、両層中で
架橋成分の架橋反応によって、両層の一体化を図ること
により、ステキヒトサイズ度が30分以上のものとする
とともに、発泡層の発泡剤として、膨張性カプセル発泡
剤と分解ガス発生性発泡剤とを併用することにより、発
泡効率を向上させて、高品質の壁紙を得るところにあ
る。
【0034】本発明によれば、上記の新規な構成の採用
により、耐透水性、施工性、耐層間剥離性、防汚性、強
靱性、意匠性等に優れた高品質の壁紙を得ることができ
たが、本発明において、このような高品質の壁紙が得ら
れる理由について、以下述べる。
【0035】本発明の特徴点は、「発泡層の架橋成分
が、積層された不織布層に浸透し、両層中において、該
架橋成分の架橋性アクリル系樹脂成分と架橋剤との間で
架橋反応が生起し、両層は実質的に一体化される現象が
起こる。この一体化現象は、防汚性樹脂層にも架橋成分
を存在させると、防汚性樹脂層を加えた3層間において
も生起する。」という一体化現象の生起、及び発泡層
の発泡剤として、「膨張性カプセル発泡剤と分解ガス発
生性発泡剤とを併用することにより、発泡効率を向上さ
せる。」ことにある。
【0036】上記の特徴点及びは本発明で初めて見
出された新事実であるが、該事実からもたらされる結果
(効果)は、次の通りである。
【0037】(i)不織布層(防汚性樹脂層)は、剥離
し難くなり、強靱なものとなるとともに、耐透水性や防
汚性等が飛躍的に向上することになる。
【0038】(ii)しかし、このような架橋反応によ
り、不織布層の特性は変化するものの、該反応により、
不織布自体は変化するわけではないから、不織布自体の
特性が失われることはなく、また、不織布に付与される
凹凸模様も当然保持されるので、壁紙の風合や立体感等
は通常のものより更に向上する結果となる。
【0039】(iii)一般に、不織布には汚れを吸収す
る作用があるため、不織布は汚れやすいが、不織布層に
おける架橋反応の結果、不織布の特性が変化し、このよ
うな不織布の汚れやすさが防止されるとともに、ボード
等からのヤニ等のにじみ等が防止される。そして、この
効果は、防汚性樹脂層を設けることにより、その相乗効
果として更に助長されたものとなる。
【0040】(iv)また、発泡層、不織布層及び防汚性
樹脂層の3層が一体化した場合には、該防汚性樹脂層の
耐層間剥離性や強度が向上するので、その防汚性能は破
壊されることがない。
【0041】(v)そして、壁紙全体としての耐透水性
が飛躍的に向上するので、壁紙の施工時に発生する問題
が起きない。即ち、継ぎ目の目開きの問題や施工糊のオ
ープンタイム(早期の乾き過ぎ)の問題等は発生しな
い。従って、施工性が飛躍的に向上したものとなる。
【0042】(vi)防汚性樹脂層のガスバリヤー性と相
俟って、発泡剤として、膨張性カプセル発泡剤と分解ガ
ス発生性発泡剤とを特定割合で併用すると、両発泡剤の
性能が十分発揮され、発泡効率が向上し、高膨張率が達
成されるので、意匠性が向上する。
【0043】以上のことが正しいことは、後述する、実
施例や比較例の結果をみれば明らかであるが、何れにし
ても、本発明では、壁紙に要求される品質、即ち、耐透
水性、耐層間剥離性、強靱性、防汚性、塗工性、施工
性、意匠性等の全てにおいて優れた品質を具備するとい
う、全く新規な高品質壁紙を得ている点において、本発
明は価値ある発明であると言えよう。
【0044】以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0045】本発明の高品質壁紙は、(1)ベースシー
ト上に、(2)特定の発泡剤及び架橋性樹脂組成物から
なる発泡層、(3)不織布層、次いで(4)防汚性樹脂
層の順で順次積層したものであって、(5)ステキヒト
サイズ度が特定値以上であることを基本とする。そこ
で、これらの構成等について、以下説明する。
【0046】(1) ベースシート 本発明で使用するベースシートとしては、従来公知の壁
紙の基材を構成するもの等、何れのものを使用しても差
し支えなく、何等限定されるものではない。
【0047】このようなベースシートとしては、例え
ば、紙、合成紙、難燃紙、不燃紙、無機質紙、ラミネー
ト紙、合成樹脂フィルム、不織布等を挙げることができ
る。
【0048】このベースシート上に付設する発泡層の形
成適性等を考慮すれば、紙、合成紙、難燃紙、不燃紙、
無機質紙、ラミネート紙等を使用することが好ましく、
更に、防火特性等を考慮すると、難燃紙、不燃紙、無機
質紙等を使用することがより好ましい。
【0049】(2) 発泡層 本発泡層は、本発明の中核をなすものであり、加熱処理
を施すことにより発泡し、壁紙に立体効果を付与する通
常の作用を有するとともに、本発明の特徴である、不織
布との一体化に資するものでもある。
【0050】本発明の発泡層は、(i)特定の発泡剤、
及び(ii)(イ)特定の樹脂成分及び(ロ)架橋剤の二
成分を必須成分とする架橋性水性樹脂組成物からなるも
のである。
【0051】そこで、このような発泡層を構成する、
(i)発泡剤、及び(ii)架橋性樹脂組成物について、
以下説明する。
【0052】(i) 発泡剤 本発泡剤としては、膨張性カプセル発泡剤と分解ガ
ス発生性発泡剤とを特定の割合、即ち、膨張性カプセル
発泡剤50〜95重量%、分解ガス発生性発泡剤50〜
5重量%の割合で併用することが必須の要件であるが、
この要件は、本発明の特徴の一つである。
【0053】従来から使用されている膨張性カプセル発
泡剤及び分解ガス発生性発泡剤は、それぞれ、以下のよ
うな利点、欠点を有している。
【0054】膨張性カプセル発泡剤は、形状保持性が高
いという利点があるが、膨張率が低いため、高価なもの
を多量に使用することとなり、経済的に不利であるばか
りか、該カプセルが多量に存在することにより、発泡層
自体と不織布層の一体化を阻害する原因になるという欠
点がある。
【0055】一方、分解ガス発生性発泡剤は、膨張率が
高く、このため使用量が相対的に少量ですむことから経
済的に安価であるという利点があるが、この発泡体(セ
ル)はあくまで中空(がらんどう)で且つ大きく、セル
強度が弱いものであるから、エンボスの保形性が劣り、
またガス気散のため発泡効果が消失するという欠点があ
る。
【0056】しかしながら、発泡剤とを特定割合で
併用すると、防汚性樹脂層のガスバリヤー性と相俟っ
て、形状保持性が高められたり、分解ガス発生性発泡剤
のガス気散が防止される等して、両発泡剤の性能が十分
に発揮され、発泡効率が向上し、意匠性に優れたものが
得られることが分かった。
【0057】しかし、上記の発泡剤の使用割合を逸脱す
ると、上記の各発泡剤を単独使用した場合のような欠点
が生じることになり、本発明の所期の目的を達成するこ
とができなくなるので、該割合を遵守することが必要で
ある。
【0058】何れにしても、本発明では、膨張性カプセ
ル発泡剤と分解ガス発生性発泡剤とを特定割合で併用す
ることにより、発泡効率は向上し、その高膨張性によ
り、意匠性に優れた壁紙を得ることができる。
【0059】以下、膨張性カプセル発泡剤と分解ガ
ス発生性発泡剤について、説明する。
【0060】 膨張性カプセル発泡剤 本膨張性カプセル発泡剤としては、従来公知のもの等が
特に限定なく使用され得る。
【0061】例えば、アクリル酸エステル、塩化ビニリ
デン、アクリロニトリル、ウレタン等のホモポリマーあ
るいはコポリマーから構成される熱可塑性樹脂を皮膜と
する微小粒子中に、エタン、ブタン、ペンタン、ネオペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系の揮発性膨
張成分が内包されたものであり、粒径が大略1〜100
μmであって、膨張成分の沸点以上に加熱した場合に、
その体積を数倍〜数千倍程度に増大させる性質を有して
いるものが、好適に使用される。
【0062】尚、これらの発泡カプセルは、加熱処理に
よりその体積が増大する限り、未発泡状態のものであっ
ても、予備発泡状態のものであっても、何れのものも、
発泡剤として配合することができる。
【0063】 分解ガス発生性発泡剤 本分解ガス発生性発泡剤としては、従来公知のもの等が
特に限定なく使用される。
【0064】例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロ
ソペンタメチレンテトラミン、パラトルエンスルホニル
ヒドラジド、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニ
ルヒドラジド)、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム
等を挙げることができるが、これらのみに限定されるも
のではない。
【0065】分解ガス発生性発泡剤は、低温度(例え
ば、150℃)から徐々にガスを発生し始めるので、分
解ガス発生性発泡剤用安定剤を使用するのがよい。該安
定剤を使用すると、所望温度(例えば、180℃)にな
った時に、一斉にガス化することができるという利点が
ある。
【0066】このような安定剤としては、バリウム−亜
鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系安定剤、ナトリウム−
亜鉛系安定剤、カリウム−亜鉛系安定剤等が挙げられ
る。
【0067】そして、発泡層中の発泡剤の配合割合につ
いては、特に限定なく、所望の発泡効果(体積膨張効
果)に合わせて選択することができるが、通常、後述の
樹脂100重量部に対して、1〜100重量部程度の範
囲内で任意に選択することができる。
【0068】(ii) 架橋性樹脂組成物 架橋性樹脂組成物は、(イ)特定の樹脂成分、及び
(ロ)架橋剤の二成分を必須成分とする組成物からなる
ものである。該組成物により、本発明の特徴の一つであ
る、発泡層と不織布層(更には、防汚性樹脂層)の一体
化現象が生起することになるので、該組成物の選定も重
要な事項である。
【0069】以下、本発明の(イ)樹脂成分、及び
(ロ)架橋剤について説明する。
【0070】(イ)樹脂成分 本樹脂成分は、(a)架橋性アクリル系樹脂、及び
(b)エチレン−酢酸ビニル系樹脂からなる樹脂混合物
で、該樹脂の混合割合が、架橋性アクリル系樹脂20〜
90重量%、エチレン−酢酸ビニル系樹脂80〜10重
量%であることが必須の要件である。
【0071】即ち、架橋性アクリル系樹脂が少ないと耐
透水性が悪くなり、逆に多いと立体感に欠けるものとな
るとともにベースシート上の塗工適性が劣り、筋斑やク
ラック等が発生すること、また、エチレン−酢酸ビニル
系樹脂が少ないと立体感に欠けるものとなり、多いと耐
透水性が悪くなり、何れにせよ、本発明にいう好適なス
テキヒトサイズ度が得られなくなる。
【0072】以下、本樹脂成分を構成する、(a)架橋
性アクリル系樹脂、及び(b)エチレン−酢酸ビニル系
樹脂について説明する。
【0073】尚、これらの樹脂成分は、水性分散物、好
ましくは水性エマルジョンとして添加されるものであ
る。
【0074】(a)架橋性アクリル系樹脂 本架橋性アクリル系樹脂は、耐透水性を付加するために
使用するものであるが、特に、架橋剤と架橋反応し、耐
透水性の向上に資するという、重要な役目を負うもので
ある。そして、これにより、本発明に必要となる好適な
ステキヒトサイズ度が得られることとなる。
【0075】また、本架橋性アクリル系樹脂は、架橋剤
とともに、後述の不織布層に浸透し、発泡層と不織布層
の両層において、該架橋剤との架橋反応を生起する結
果、両層の一体化を図ることにより、該不織布層の強化
や防汚性にも資するという重要な役目も負っている。
【0076】従って、架橋性アクリル系樹脂としては、
架橋剤と反応可能な官能基を有するものであれば、何れ
のものでも使用することができる。
【0077】このような官能基としては、例えば、水酸
基、カルボキシル基、エポキシ基、メチロール基、アミ
ノメチロール基、ビニル基、アリル基、アミノ基、アル
コキシシラン基、シリコン基、シアノ基、アマイド基等
が挙げられる。
【0078】このような官能基を有するアクリル系樹脂
としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルを主体
として、これにアクリル系の架橋性ある官能性モノマー
((メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、アミ
ノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、
(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシエチルモノ(メタ)アクリレート
等)を共重合させたところの、反応性(メタ)アクリル
樹脂;ポリアクリロニトリル樹脂;ポリアクリルアミド
樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸樹脂等が挙げられる。こ
れらの樹脂は、単独でも、併用してもよい。
【0079】なお、上記のような官能基を有する架橋性
アクリル系樹脂を使用している限り、該官能基を有さな
いアクリル系樹脂を併用することは可能である。
【0080】(b)エチレン−酢酸ビニル系樹脂 本エチレン−酢酸ビニル系樹脂は、前記発泡剤の作用に
よる立体効果を担保する作用を担うものであり、かかる
作用が劣る上記のアクリル系樹脂を相補する役割を負う
ものである。
【0081】本エチレン−酢酸ビニル系樹脂としては、
従来公知のもの等、何れのものを使用してもよい。
【0082】例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、並びにこ
れらの共重合体と(メタ)アクリル酸エステル系、ウレ
タン系、ポリエステル系との共重合体等を挙げることが
でき、その他、各種の天然ゴム類や合成ゴム類等がこれ
らの樹脂に配合されたもの等も挙げることができるが、
これらのみに限定されるものではない。本発明では、こ
れらを各単独で、あるいは2種以上のものを混合して使
用することができる。
【0083】(ロ)架橋剤 本架橋剤は、前述したように、(a)の架橋性アクリル
系樹脂とともに、不織布層に浸透し、発泡層と不織布層
の両層(更には、防汚性樹脂層を加えた3層)におい
て、該樹脂との架橋反応を生起させる結果、本発明が最
大の特徴とするステキヒトサイズ度が30分以上という
臨界値の達成に資するとともに、これら両層の一体化を
図ることにより、該不織布の強化や防汚性にも資すると
いう重要な役目も負っている。
【0084】本架橋剤としては、(a)の架橋性アクリ
ル系樹脂と架橋反応を行うような官能基を有するもので
あれば、その種類を問わない。
【0085】例えば、イソシアネート化合物、エポキシ
化合物、アミノ化合物、イミノ化合物、カルボキシ化合
物、アルコール化合物、フェノール化合物、不飽和化合
物、多価金属化合物等が挙げられる(なお、「化合物」
には、低分子化合物、オリゴ化合物、高分子化合物等が
包含される。)。
【0086】このような架橋剤は、架橋反応の対象物で
ある、上記の架橋性アクリル系樹脂の種類に応じて、適
宜選択すればよいが、特に、ブロックイソシアネート化
合物を用いるのがよい。ブロックイソシアネート化合物
は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブ
ロック化剤でマスクした構造の化合物である。
【0087】このブロックイソシアネート化合物は、ポ
リイソシアネート化合物とブロック化剤を種々組み合わ
せることにより得ることができるが、該ブロックイソシ
アネート化合物を加熱すると、ブロック化剤が解離し
て、架橋に必要となる活性イソシアネート基が発生す
る。
【0088】従って、架橋に必要となる活性イソシアネ
ート基の発生時期(温度)は、ブロックイソシアネート
化合物により定まる。即ち、目的とする架橋反応(一体
化現象)の時期(温度)は、ブロックイソシアネート化
合物により自由に設定することができる。
【0089】ところで、本発明の発泡剤は加熱して発泡
させる必要があるが、該加熱処理時に、当然、上記の反
応、即ち、ブロックイソシアネート化合物からブロック
化剤が解離して、架橋に必要となる活性イソシアネート
基が発生する反応が生起し、その結果、該イソシアネー
ト基が前記の架橋性アクリル系樹脂と架橋して、本発明
の一体化現象が生起する可能性がある。
【0090】そこで、本発明の場合、発泡時期と架橋時
期との兼ね合いが重要になる。なぜならば、架橋が先で
あると、架橋により樹脂が固まると、肝心の発泡が抑制
される恐れがあるから、本発明では、発泡と架橋を同時
に、又は発泡後に、架橋反応を生起させるのがよい。
【0091】このように、本発明において、発泡と架橋
を同時に、又は発泡後に、架橋反応を生起させるために
は、架橋剤として、上記のような特性を有するブロック
イソシアネート化合物を使用するのが好都合である。
【0092】特に、前述したように、分解ガス発生性発
泡剤は、発泡倍率は高いものの、低温度から徐々にガス
を発生し始めるので、本発明では、発泡剤として、この
ような分解ガス発生性発泡剤を併用するだけに、架橋剤
として、ブロックイソシアネート化合物を使用するのが
有利である。
【0093】このようなブロックイソシアネート化合物
を構成するポリイソシアネート化合物及びブロック化剤
としては、例えば、以下のものが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0094】ポリイソシアネート化合物:2,4−又は
2,6−トリレンジイソシアネート或いはこれらの混合
物、m−又はp−キシレンジイソシアネート、或いはこ
れらの混合物、p−フェニレンジイソシアネート、ジフ
ェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート、ポリメチ
レンポリフェニルポリイソシアネート、テトラメチレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン
−4,4´−ジイソシアネート等の脂肪族、脂環族、又
は芳香族ポリイソシアネート類が挙げられる。
【0095】ブロック化剤:メタノール、エタノール、
n−ブタノール、2−エチルヘキサノール等の脂肪族ア
ルコール;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセ
ロソルブ化合物;アセトノキシム、メチルエチルケトン
オキシム等のオキシム化合物;ε−カプロラクタム、γ
−カプロラクタム等のラクタム化合物;フェノール、ク
レゾール等のフェノール化合物;エチルイソプロピルア
ミン、ジイソプロピルアミン等のアミン化合物;マロン
酸ジエチル、アセト酢酸メチル等の活性メチレン化合物
等が挙げられる。
【0096】(ハ)添加剤 本架橋性樹脂組成物は、上述の各成分以外にも、所望に
より、公知の添加剤を任意に配合することができる。
【0097】この様な添加剤としては、充填剤を先ず挙
げることができる。
【0098】該充填剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、沈降性硫酸バリウム、ドロマイト、酸化チタン、水
酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、カオリン、ケ
イ藻土、ベントナイト、化学石膏等を用いることができ
るが、これらのみに限定されるものではない。
【0099】その他、分散剤、難燃剤、可塑剤、撥水
剤、抗菌剤、防腐剤、防カビ剤、吸着剤、脱臭剤、着色
剤、香料等、各種のものを使用することができる。
【0100】(ニ)塗工方法 本発泡層は、ベースシート上に、上述の発泡剤含有の水
性架橋性樹脂組成物を塗工することにより形成される。
【0101】本発明においては、水性組成物の塗工方法
は特に限定されないが、例えば、ナイフコーティング
法、エアーナイフコーティング法、グラビアコーティン
グ法、リバースコーティング法、ロールコーティング
法、スポンジロールコーティング法、リバースロールコ
ーティング法、バーコーティング法、コンマコーティン
グ法、スプレーコーティング法、フラットスクリーン
法、ロータリースクリーン法等の公知の手法により、ベ
ースシート上に、上記のコート剤を、通常25〜100
0g/m2、好ましくは50〜500g/m2の塗布量で
塗工形成することができる。
【0102】(3) 不織布層 本不織布層は、壁紙に良好な風合いや優れた立体感等を
付与するために設けるものであるとともに、本発明の最
大の特徴である、上述した(2)の発泡層上に積層さ
れ、該発泡層中の架橋成分(架橋性アクリル系樹脂と架
橋剤)を本不織布層に浸透させて、両成分の架橋反応を
生起させ、両層の一体化を図るという点において、大変
重要な役目を負っている。
【0103】本発明では、このような架橋反応の生起に
より、不織布層と発泡層との境界はなくなり、両層は実
質的に一体化するとともに、両層の特性は変化し、従来
にはない、耐透水性、耐層間剥離性、防汚性等に優れた
特性を有する高品質の壁紙を得ることができる。
【0104】本発明の不織布層としては、後述のラミネ
ート工程、加熱(発泡、架橋)工程、あるいはエンボス
工程の何れか1以上の工程において適用される熱によ
り、その全体又は一部が溶融又は軟化する特性(以下、
本発明では、この特性を「熱可融性」と表現するものと
する)を有するものが好ましく、より好ましくは、60
℃以上180℃以下の融点又は軟化点を有するものを、
その好適な一例として挙げることができる。当該融点又
は軟化点が上記数値を下回る場合、製造工程中あるいは
その後においてブロッキングが発生しやすくなる一方、
上記数値を上回る場合には、エンボス工程時の付形性が
十分に達成されなくなることがある。
【0105】本発明の不織布層は、かかる特性を有する
ことにより、発泡層との一体化が向上するとともに、特
にエンボス工程時の付形性に優れたものとなり、シャー
プなエンボス柄を有する立体的効果に卓越した外観を呈
することを可能としている。
【0106】しかも、不織布層本来の優れた風合いをも
何等損ねられることなく発揮され得るため、本発明が特
徴とするところの良好な風合いと優れた立体的効果の両
立が、達成される。
【0107】この様な不織布層としては、該層を構成す
る構成繊維自体が上述の熱の適用により熱可融性となる
ものが含まれることは勿論のこと、これ以外にも、該層
に含まれるバインダー成分が同条件下で熱可融性となる
ものや、これら両者が共存するもの等を広く包含するも
のである。
【0108】この様な熱可融性の構成繊維種を例示する
と、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、アクリ
ル、ウレタン、アセテート、ビニロン等を挙げることが
できるが、これらのみに限定されるものではない。本発
明においては、風合い等の機能的要因やコスト等の経済
的要因を考慮すると、ポリエステル、ナイロン、ポリオ
レフィンの中から選ばれる少なくとも何れか1種のもの
を使用することが好適である。
【0109】一方、上述のバインダー成分としては、そ
れが繊維状の形態で添加されていたり、パウダー状の形
態で添加されていたり、またあるいは、溶液又は分散液
の形態で添加されていたりする様な、その添加の形態に
よっては何等限定されるものではなく、それが上述の熱
の適用により熱可融性となるものであれば何れのもので
も使用可能である。
【0110】例えば、低融点変性ポリエステルやポリオ
レフィンで構成された短繊維、もしくはそれらを鞘成分
とし、芯成分に高融点乃至不融性の繊維形成ポリマーを
用いてなる複合繊維型短繊維、あるいは種々の形態で添
加されるアクリル系、スチレン−ブタジエン共重合系、
ビニルアセテート−エチレン共重合系、ビニルアセテー
ト−アクリル共重合系、ポリ酢酸ビニル系、アクリロニ
トリル系、ナイロン系、ポリエステル系、ポリオレフィ
ン系等の接着成分を挙げることができるが、これらのみ
に限定されるものではない。
【0111】尚、本発明の不織布層は、上述の如き熱可
融性成分を含む限り、他に熱可融性を示さない構成繊維
種を自由に含むことができ、所望される任意の特性を有
する不織布層を提供することができる。
【0112】この様な熱可融性を示さない構成繊維種と
しては、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維、
無機繊維、ガラス繊維、パルプ等、広範囲のものを挙げ
ることができる。例えば、レーヨン、パルプ、セルロー
ス、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ウレタン、ア
セテート、アラミド、ビニロン、フロロカーボン、ポリ
エーテルエーテルケトン等を挙げることができるが、こ
れらのみに限定されるものではない。
【0113】そして、本発明の不織布層は、上述の各構
成成分以外にも、所望により、酸化チタン、炭酸カルシ
ウム等の体質顔料や各種フィラー類を任意に添加できる
ほか、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、撥水剤、防
汚剤、着色剤、香料、発泡剤等の添加剤を添加すること
もできる。
【0114】また、不織布層は、同一もしくは異種のも
のが2層以上積層されたものであっても差し支えない。
【0115】この様な不織布層を構成する不織布として
は、例えば、スパンボンド法、メルトブロー法、フラッ
シュ紡糸法、乾式法、湿式法、エアーレイド法、乾式パ
ルプ法等の各種の方法によりウェブを製造し、必要によ
りこのウェブをサーマルボンド法、ケミカルボンド法、
ニードルパンチ法、水流絡合法(スパンレース法)、ス
テッチボンド法等の各種の方法により結合させたもの等
を挙げることができる。
【0116】また、これらの不織布は、上記した複合繊
維により構成されているものや、上述の製造方法を2種
以上組み合わせて製造されたもの、あるいは同一または
異種のウェブを2層以上積層した構造のものも包含され
得る。
【0117】以上のように、不織布として、上述した熱
可融性のものが好ましいが、目的によっては、紙類から
なるものも勿論使用可能である。
【0118】上記の紙類としては、パルプ紙、再生繊維
紙、半合成繊維紙、合成繊維紙又は和紙等、特に限定な
く何れのものも好適に使用することができる。
【0119】尚、本発明においては、これらのものを便
宜上紙類と表現しているが、当然、不織布として分類さ
れるものもその範中に包含するものである。
【0120】本発明においては、上記の紙類の中でも、
レーヨン短繊維を少なくとも含んでなる、所謂、レーヨ
ン紙を使用することが特に好ましい。勿論、これらのレ
ーヨン紙には、天然セルロースやパルプ、あるいは他の
合成繊維種等が混入されているものや、各種のバインダ
ー成分が添加されているものも包含され得る。
【0121】これらの紙類の構成繊維(短繊維)種とし
ては、上記例示したものと同様のものが挙げられるとと
もに、これらの構成繊維種に対して、各種のバインダー
成分が添加されてもよく、また、酸化チタン、炭酸カル
シウム等の体質顔料や各種フィラー類を任意に添加でき
るほか、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、防汚剤、
撥水剤、着色剤、香料、発泡剤等の添加剤が添加されて
いても、何等差し支えない。
【0122】なお、これらの紙類(又は不織布)を製造
する方法については、何等限定されることはない。
【0123】また、これらの紙類と前記熱可融性の不織
布とを、2層以上に貼り合わせた構造のものも、勿論採
用し得る。
【0124】(4) 防汚性樹脂層 本防汚性樹脂層は、前述の通り、発泡層及び不織布層の
一体化により飛躍的に向上した不織布層の防汚性をより
一層向上させ、壁面貼着後の実使用レベルでの各種の汚
れを完全に防止する役割を担うものである。
【0125】また、本防汚性樹脂層は、前述したよう
に、そのガスバリヤー性により、本発明の発泡剤の一つ
である分解ガス発生性発泡剤のガス気散を防止する作用
も有し、壁紙の意匠性の向上にも資するものである。
【0126】そして、本発明の壁紙が、従来の各種壁紙
に比し、特段に優れた防汚性を示すのは、発泡層及び不
織布層を一体化させること、並びに本防汚性樹脂層を形
成させること、の相乗作用に他ならない。
【0127】このような本防汚性樹脂層は、防汚成分と
樹脂成分との2成分を必須成分とする組成物により不織
布層表面に塗工形成されるものである。ただし後述の通
り、不織布層表面が着色加工されている場合には、その
上に塗工形成されても良く、また本防汚性樹脂層上にか
かる着色加工を施すこともできる。
【0128】上記防汚成分としては、例えば、フッ素樹
脂、シリコーン樹脂、各種ワックス類等を挙げることが
でき、主として撥水作用を示すものを好適な例として挙
げることができる。
【0129】また、上記樹脂成分としては、発泡層を形
成するのと同様の架橋性アクリル系樹脂やエチレン−酢
酸ビニル系樹脂等が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
【0130】しかし、これらの樹脂類の中でも、特に架
橋性アクリル系樹脂を使用することが好ましく、これを
前記した架橋剤により架橋させたものとすることが特に
好ましい。この場合には、発泡層と不織布層だけではな
く、該両層と防汚性樹脂層の3層間での実質的一体化が
生起することになる。その結果、耐透水性等は更に向上
することとなるが、該3層の一体化により、防汚性樹脂
層の耐層間剥離性や強度等が向上するので、その防汚性
能は破壊されないものとなる。
【0131】更に、これらの成分とともに、酸化チタン
等の光触媒を併用すれば、汚れに対する自浄作用が付与
されるとともに、抗菌作用や消臭作用をも付与すること
ができ、好適な態様として挙げることができる。
【0132】本防汚性樹脂層は、上述の組成物を、好ま
しくは水性組成物として、発泡層を塗工形成するのと同
様の方法により塗工形成される。
【0133】(5) ステキヒトサイズ度 前述したように、ステキヒトサイズ度は紙等の耐透水性
を示す指標であるが、本発明の壁紙は、このステキヒト
サイズ度が30分以上のものである。
【0134】このステキヒトサイズ度が30分未満のも
のは、耐透水性が低いため、壁紙を施工したときに、目
開きやオープンタイムの問題あるいはアクの滲み出しの
問題が発生し、施工性に問題があるので、その商品価値
は低くなる。
【0135】例えば、前述したように、環境問題から最
近人気の出て来ている従来の、エチレン−酢酸ビニル系
樹脂からなるものは、そのステキヒトサイズ度が10分
程度であり、その耐透水性は極めて低く、施工性に問題
がある。
【0136】一方、本発明の壁紙は、このステキヒトサ
イズ度が30分以上であり、耐透水性が極めて高いの
で、上記のような問題は全く発生せず、施工性に問題は
全くなく、その商品価値を低下させない。
【0137】このように、本発明において、このように
ステキヒトサイズ度が高いものが得られる理由は、発泡
層の構成成分として、架橋性成分を使用したためである
ことは、前述した通りである。
【0138】(6) 積層体の加工処理 本発明の高品質壁紙は、ベースシート上に、発泡層、不
織布層次いで防汚性樹脂層の順で積層し、発泡層の架橋
成分を不織布層に浸透させた後、該積層体に、発泡処理
や架橋処理等の処理を最終的に施すことにより製造する
ことができる。
【0139】本発明の発泡処理又は架橋処理は、別々に
行ってもよいが、同時に行うのが有利である。その場
合、50℃〜300℃、好ましくは100℃〜200℃
の温度で、0.1分〜5分間、好ましくは30秒〜3分
間、曝露することによって行い、目的とする発泡、又は
架橋を生起させることができる。
【0140】他の方法としては、発泡層、不織布を積層
させたベースシートを、乾燥させるが、発泡剤を発泡さ
せず、また架橋させない第1の温度に第1の時間加熱し
て、次に、第2の温度に第2の時間加熱して、発泡剤を
発泡させ、且つ、架橋反応を生起させる方法もある。
【0141】上記のいずれの場合でも、架橋による発泡
の抑制を防ぐためには、発泡と架橋は、発泡と架橋を同
時に、好ましくは発泡後、架橋を生起させるのがよい。
このように、発泡と架橋の時期をコントロールするに
は、架橋剤として、ブロックイソシアネート化合物を使
用するのがよいことは前述した通りである。
【0142】本発明の不織布層を発泡層へ積層する方法
としては、特に限定されることはなく、何れの方法が採
用されていても差し支えない。
【0143】しかしながら、発泡層の架橋成分を不織布
層へ効率よく浸透させることを考慮すると、前記の発泡
層が、塗工後、未だ湿潤状態にある時に行う方法等を採
用することが好適である。
【0144】そして、その後、上記積層体を一旦乾燥さ
せるか、あるいは乾燥させずに、直接、該不織布層上に
防汚性樹脂層を塗工積層させ、引き続き、前記条件で加
熱処理を施すことによって、前記発泡層を発泡(体積膨
張)させるとともに、架橋反応を生起させ、本発明の壁
紙に立体効果、耐透水性、防汚性等が付与される。
【0145】そして、より好ましくは、この加熱処理後
あるいは該加熱処理と同時に、エンボスロール等を用い
てエンボス処理を施すことにより、極めて立体効果に優
れた本発明の壁紙を得ることができる。
【0146】尚、前記の防汚性樹脂層の塗工形成は、上
記の加熱処理後や、エンボス処理後に行っても差し支え
なく、あるいは、予め不織布層の表面に塗工形成させた
ものを用いて、前記の積層工程に供する態様としても、
本発明の要旨を逸脱するものではない。
【0147】(7) 着色処理 本発明においては、不織布層表面あるいは防汚性樹脂層
表面に対して種々の処理を施すことができる。例えば、
着色加工が挙げられる。
【0148】該着色加工としては、例えば、通常の染料
や顔料、その他サーモクロミック剤、フォトクロミック
剤、エレクトロクロミック剤、蓄光顔料、蛍光顔料、パ
ール顔料、メタリック顔料、紫外線発光顔料、ガラス
粉、金属粉等の着色成分を含んでなる着色剤をその表面
に塗工形成することにより、優れた装飾効果を付与する
ことができる。
【0149】かかる着色加工は、全面着色されたもので
あっても、また部分着色により図柄模様が形成されたも
のであっても良く、例えば、グラビアコーティング法や
ロータリースクリーン法等により施行することができ
る。
【0150】その他、香料や香料含有マイクロカプセル
を含んでなる着香剤を用いて、その表面を処理すること
により、芳香効果を付与することも可能である。
【0151】そして、この様な着色加工等の施行時期
は、前述の積層がされる前に予め施工されていても良
く、またあるいは、該積層後加熱処理が施される前や該
加熱処理後又はエンボス処理後に施すこともできる。
【0152】(8) 用途 本発明の高品質壁紙は、室内の壁面や天井面あるいは床
面を装飾する用途に用いられることは勿論のこと、襖紙
をはじめ各種の装飾シートや乗物の内装材としての用途
にも供することができる。
【0153】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げ、本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0154】尚、以下の記載において「部」とあるのは
「重量部」を示すものとする。
【0155】
【実施例1】ベースシートたる120g/m2の難燃紙
(紀州製紙)上に、架橋性樹脂組成物として、エチレン
−酢酸ビニル共重合樹脂(以下、EVA樹脂と記す)水
性エマルジョン(パンフレックス4500(固型分55
%):(株)クラレ)20部、架橋性官能基である水酸
基及びカルボキシル基を有するアクリル樹脂水性エマル
ジョン(YS−002(固型分40%):(株)ライト
ケミカル)30部及びブロックイソシアネートからなる
架橋剤(プロミネートXC−910:(株)武田薬品工
業)1.5部からなるもの;発泡剤として、膨張性カプ
セル発泡剤(マイクロスフェアーF−85:松本油脂
(株))7部、分解ガス発生性発泡剤(4,4′−オキ
シビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド))0.5部及
び分解ガス発生性発泡剤用安定剤(アデカスタブFL−
44:旭電化工業(株))0.2部からなるもの;添加
剤として、炭酸カルシウム20部、水酸化アルミニウム
15部、酸化チタン5部及び分散剤1部からなるもの;
からなる水性塗料を、コンマコーターを用いて120g
/m2(Wet重量)の厚みで塗工して発泡層を形成し、次
いで塗料が未だ湿潤状態の時、15g/m2の不織布
(熱可融性ポリエステル100%)を貼り合わせ、12
0℃で2分間の乾燥を施し、ベースシート上に発泡層次
いで不織布層を積層埋没一体化した、積層体を得た。
【0156】尚、該水性塗料の塗工性については、全く
筋斑及びクラックがなく問題がなかった。
【0157】次いで、得られた積層体の不織布層上に、
グラビア印刷機を用いて花柄模様を印刷することにより
印刷加工を施した後、その全面に、同印刷機を用いて、
水性防汚処理剤として、パラフィン系防汚成分配合アク
リル系樹脂エマルジョン(混合パラフィンワックスエマ
ルジョン(固形分56.5%)25部:架橋性官能基で
ある水酸基及びカルボキシル基を有するアクリル樹脂水
性エマルジョン(YS−002;固形分40%:(株)
ライトケミカル)10部:ブロックイソシアネートから
なる架橋剤(プロミネートXC−910:(株)武田薬
品工業)0.5部)からなるものを、15g/m2(Wet
重量)の厚みで塗工して、防汚性樹脂層を形成させ、得
られた積層体を120℃で30秒の乾燥を行った。
【0158】その後引き続き、乾燥させた積層体を、1
80℃で60秒の加熱を行い、該積層体を発泡、架橋さ
せた後、エンボスロールにて凹凸模様を施し、目的とす
る壁紙を得た。
【0159】得られた壁紙のステキヒトサイズ度は93
分であり、発泡層、不織布層及び防汚性樹脂層が架橋成
分の架橋により実質的に一体化した構成(特に、不織布
がその表面のみを残し、丁度、発泡層中に埋没した状
態)となっており、該層が層間剥離する様なことは一切
なく、且つ極めて優れた耐透水性、防汚性を有する壁紙
であった。また、発泡層が加熱により6.0倍に発泡隆
起して、立体的で不織布の持つ軟らかい表面タッチの極
めて美装な壁紙であった。
【0160】そして、得られた該壁紙裏面に、施工糊
(合成デンプン)を100g/m2の厚みで塗工し、市
販のベニヤ板上に貼り合わせたところ、継ぎ目の目開き
がなく寸法安定牲に優れ、またオープンタイムについて
も問題なく、施工性に優れた壁紙であった。
【0161】更に、施工された壁紙が結露がある環境、
及び湿度の高い環境において3ヶ月経過した後において
も、ベニヤのアクが壁紙表面に滲み出る事がなく、しか
もコーヒー等の日常防汚機能についても優れたものであ
った。
【0162】
【実施例2】実施例1で用いた水性塗料の樹脂エマルジ
ョンを、EVA樹脂エマルジョン(スミカフレックスS
−401(固型分55%):住友化学工業(株))10
部、架橋性官能基として水酸基及びカルボキシル基を有
するアクリル樹脂水性エマルジョン(YS−002(固
型分40%):(株)ライトケミカル)40部とした以
外は、全て実施例1と同様の方法によって目的とする壁
紙を得た。
【0163】得られた壁紙のステキヒトサイズ度は13
0分であり、発泡層、不織布層及び防汚性樹脂層が架橋
成分の架橋により実質的に一体化した構成(特に、不織
布がその表面のみを残し、丁度、発泡層中に埋没した状
態)となっており、該層が層間剥離する様なことは一切
なく、且つ極めて優れた耐透水性、防汚性を有する壁紙
であった。
【0164】また、得られた壁紙の性能は、用いた水性
塗料(発泡塗料)の発泡隆起倍率が5.0倍と極めて立
体的な壁紙であるとともに、実施例1で得た壁紙同様
に、目開き、オープンタイム等の施工性に問題なく、又
施工後にベニヤのアクが滲み出る事がなく、更に結露水
が滲み出す事もなかった。
【0165】
【実施例3】実施例1で用いた水性塗料の樹脂エマルジ
ョンを、EVA樹脂エマルジョン(ポリゾールAD−5
(固型分56%):(株)昭和高分子工業)35部、架
橋性官能基であるアミノ基及び水酸基を有するアクリル
樹脂水性エマルジョン(パラボンドA(固型分40
%):パラケムジャパン(株))15部の水性エマルジ
ョンに;不織布層を、15g/m2の和紙に;且つ防汚
性樹脂層の水性防汚処理剤を、フッ素樹脂系防汚成分配
合アクリル系樹脂エマルジョン(フッ素樹脂系防汚成分
(リケンパランFG−15N;固形分30%:三木理研
工業(株))8部:架橋性官能基としてエポキシ基及び
カルボキシル基を有するアクリル樹脂エマルジョン(ヨ
ドゾールAD−59;固形分47%:(株)日本エヌエ
スシー)14部:オキサゾリン系反応性ポリマーである
架橋剤(エポクロスK−1020E:(株)日本触媒)
0.7部)に、それぞれ、変更した以外は、全て実施例
1と同様の方法によって、目的とする壁紙を得た。
【0166】得られた壁紙のステキヒトサイズ度は39
分であり、発泡層、不織布層及び防汚性樹脂層が架橋成
分の架橋により実質的に一体化した構成(特に、和紙が
その表面のみを残し、丁度、発泡層中に埋没した状態)
となっており、該層が層間剥離する様なことは一切な
く、且つ極めて優れた耐透水性、防汚性を有する壁紙で
あった。
【0167】また、得られた壁紙の性能は、発泡層が加
熱により5.5倍に発泡隆起し、極めて立体的なもので
あるとともに、実施例1で得た壁紙同様に、施工性に問
題なく、且つベニヤのアク等の滲み出しもなかった。し
かも、施工時に職人が汚れた手で壁紙表面を汚した場合
においても、雑巾等で拭き取る事が出来、優れた防汚効
果を示した。
【0168】一方、得られた壁紙表面は、実施例1で得
た、表面が不織布(熱可融性ポリエステル100%)に
比べ硬い風合いとなったが、和紙表面が平滑な事から優
れたグラビア印刷適正による、意匠性と防汚性に優れた
壁紙であった。
【0169】
【実施例4】ベースシートである110g/m2の普通
紙((株)中越製紙)上に、架橋性樹脂組成物として、
EVA樹脂水性エマルジョン(パンフレックスOM45
00(固型分55%):(株)クラレ)20部、架橋性
官能基である水酸基及びカルボキシル基を有するアクリ
ル樹脂水性エマルジョン(ヨドゾールMD−61(固型
分40%)、:日本エヌエスシー(株))30部、オキ
サゾリン基含有ポリマーからなる架橋剤(エポクロスK
−1030E:(株)日本触媒)1.5部からなるも
の;発泡剤として、膨張性カプセル発泡剤(マイクロス
フェアーF−85:松本油脂(株))4部、分解ガス発
生性発泡剤(4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニ
ルヒドラジド)3.5部及び分解ガス発生性発泡剤用安
定剤(アデカスタブFL−44:旭電化工業(株))
0.3部からなるもの;添加剤として、炭酸カルシウム
14.5部、水酸化アルミニウム20部、酸化チタン5
部及び分散剤1部からなるもの;からなる水性塗料を、
リバースコーターを用いて100g/m2(Wet重量)の
厚みで塗工して発泡層を形成し、次いで塗料が未だ湿潤
状態の時、不織布層として20g/m2の不織布(レー
ヨン50%、熱可融性ポリエステル50%)を貼り合わ
せ、120℃で、2分間の乾燥を施した後、80℃に加
熟した押さえロールで加圧して表面を平滑にした、ベー
スシート上に発泡層、その上に不織布層を積層した積層
体を得た。
【0170】尚、該水性塗料の塗工性については、全く
筋斑、クラックがなく問題なかった。
【0171】次いで、得られた積層体の不織布層上に、
グラビア印刷機を用いて格子模様を印刷し、その上部
に、ロータリー印刷機を用いて、水性防汚処理剤とし
て、パラフィン系防汚成分配合アクリル樹脂エマルジョ
ン(混合パラフィンワックスエマルジョン(固形分5
6.5%)8部:架橋性官能基である水酸基及びアミノ
基を有するアクリル系樹脂エマルジョン(パラボンド
A;固形分40%:パラケムジャパン(株))12部:
エポキシ系反応性ポリマーからなる架橋剤(エポルジョ
ンEA−3:(株)日本エヌエスシー)0.8部)から
なるものを、40g/m 2(Wet重量)の厚みで塗工し
て、防汚性樹脂層を形成させ、積層体を得た。次いで、
この積層体を120℃で45秒の乾燥を行った。
【0172】その後引き続き、乾燥された積層体を18
0℃で60秒の加熱を行い、該積層体を発泡、架橋させ
た後、エンボスロールにて凹凸模様を施し、目的とする
壁紙を得た。
【0173】得られた壁紙のステキヒトサイズ度は10
2分であり、発泡層、不織布層及び防汚性樹脂層が架橋
成分の架橋により実質的に一体化した構成(特に、不織
布がその表面のみを残し、丁度、発泡層中に埋没した状
態)となっており、該層が層間剥離する様なことは一切
なく、且つ極めて優れた耐透水性、防汚性を有する壁紙
であった。
【0174】また、得られた壁紙は、発泡層が加熱後、
8.5倍に発泡隆起し、極めて立体的でエンボス保形性
に優れた物であり、しかもその表面は、不織布の持つ軟
らかい温かみのある美装な物であった。
【0175】次に、得られた該壁紙の裏面に、施工糊
(合成デンプン)を100g/m2の厚みで塗工し、セ
メントモルタル上に貼り合わせたところ、継ぎ目の目開
きがなく寸法安定性に優れ、オープンタイムについても
問題のない、施工性に優れた壁紙であった。しかも、施
工時に職人が壁紙表面を汚したり、或いは施工後コーヒ
ーや水性ペンで壁紙が汚れたとしても、洗剤によって除
去することができ、極めて防汚性に優れた壁紙であっ
た。加えて、壁紙施工後3ケ月間経過後においても結露
等によって、セメントモルタルのアク等が滲み出してく
る事がなかった。
【0176】
【実施例5】実施例4で用いた水性塗料に配合する、発
泡剤2種を膨張性カプセル発泡剤(マイクロスフェアー
F−85:松本油脂(株)3部、分解ガス発生性発泡剤
(4,4´−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)2.5部に変更し、且つ実施例4で用いた不織布
を、18g/m2の雲竜模様の施されたレーヨン100
%の不織布に変更した以外は、全て実施例4と同様の方
法により目的とする壁紙を得た。
【0177】得られた壁紙は、雲竜模様の地模様の上
に、グラビア印刷された格子模様が浮き出て見え、より
一層立体的な壁紙となった。しかも、貼り合わせた不織
布素材をレーヨン100%に変えた事により、一層柔ら
かな風合いの表面タッチの壁紙となった。
【0178】又、得られた壁紙の性能はステキヒトサイ
ズ度が95分と耐透水性に優れ、且つ、発泡層、不織布
層及び防汚性樹脂層が架橋成分の架橋により実質的に一
体化した構成(特に、不織布がその表面のみを残し、丁
度、発泡層中に埋没した状態)となっており、該層が層
間剥離することもなかった。
【0179】また、発泡層が加熱後、7.0倍に発泡隆
起し、極めて立体的で保形性に優れた物であり、しかも
少ない発泡剤量によって高発泡率の壁紙が得られ経済性
に優れた物であった。その他の施工性或いは防汚性能に
ついても優れた物であった。
【0180】
【比較例1】実施例1で用いた水性塗料の樹脂エマルジ
ョンを、EVA樹脂エマルジョン(パンフレックスOM
4500(固型分55%):(株)クラレ)50部に変
えた以外は、全て実施例1と同様の方法にて目的とする
壁紙を得た。
【0181】得られた壁紙のステキヒトサイズ度は10
分であり、極めて悪い耐透水性の壁紙であった。
【0182】次いで、該壁紙の裏面に施工糊(合成デン
プン)を100g/m2の厚みで塗工し、市販のベニヤ
板上に貼り付けたところ、継ぎ目部分に約0.5mmの目
開きが生じ、且つオープンタイムが短く、うまくベニヤ
板上に貼り付けることができなかった。
【0183】更に、施工された壁紙を実施例1同様に結
露のある環境及び湿度の高い環境に3ケ月間放置したと
ころ、壁紙表面にベニヤのアクが滲み出て、黄色くシミ
状の模様が発生した。
【0184】この比較例の結果から、発泡層の架橋成分
として、架橋性の樹脂、即ち、架橋性のアクリル系樹脂
を用いない場合には、架橋反応が生起しないため、壁紙
のステキヒトサイズ度は30分より低いものとなり、耐
透水性、施工性等に問題が発生することが分かる。
【0185】
【比較例2】実施例1で用いた水性塗料の樹脂エマルジ
ョンを、EVA樹脂エマルジョンを使用せず、架橋性官
能基として水酸基及びカルボキシル基を有するアクリル
樹脂エマルジョン(YS−002(固型分40%):
(株)ライトケミカル)50部に変えた以外は、全て実
施例1と同様の方法で目的とする壁紙を得た。
【0186】得られた壁紙は、ステキヒトサイズ度は1
35分と優れていたが、発泡効果に劣り、満足のいく意
匠性が得られなかった。
【0187】この比較例の結果から、発泡層の樹脂とし
ては、EVA樹脂を併用しないと、発泡効果に劣り、満
足のいく意匠性が得られないことが分かる。
【0188】
【比較例3】実施例1で用いた水性塗料に配合する架橋
剤(プロミネートXC−910)を除いた以外は、全て
実施例1と同様の方法によって、目的とする壁紙を得
た。
【0189】得られた壁紙のステキヒトサイズ度は24
分であり、目的とする耐透水性の壁紙は得られなかっ
た。
【0190】続いて、実施例1同様に施工テストを行っ
た結果、継ぎ目部分の目開きが0.2mm発生し、オープ
ンタイムもやや短い結果であった。更に、施工後3ヶ月
後に、ややベニヤのアクによって壁紙表面にシミが出来
た事に加え、発泡層と不織布層が部分的に層間剥離し、
不織布層の浮きが生じた。
【0191】この比較例の結果から、発泡層の架橋成分
として、架橋剤を用いない場合には、架橋反応が生起し
ないため、壁紙のステキヒトサイズ度は30分より低い
ものとなり、耐透水性や施工性及び発泡層と不織布層の
層間剥離性に問題が発生することが分かる。
【0192】
【比較例4】実施例1において、水性防汚処理剤を施さ
ない事を除き、全て実施例1同様の方法で目的とする壁
紙を作成した。得られた壁紙のステキヒトサイズ度は7
8分であり、耐透水性は特に問題のない壁紙であった
が、発泡層の加熱後の発泡隆起倍率が3.0倍と、水性
防汚処理剤を施した実施例1の方法に比べ約1/2に低
下した。
【0193】次いで、該壁紙の裏面に施工糊(合成デン
プン)を100g/m2の厚みで塗工し、セメントモル
タル上に貼り合わせたところ、特に目開き、オープンタ
イムについては問題なかったが、職人が汚れた手で壁紙
表面に接触し汚した場合に、その汚れが洗剤等によって
も除去する事が困難であった。
【0194】この比較例から、水性防汚処理剤を施さな
い物は、壁紙表面のガスバリヤー性が低い事から、加熱
発泡時に分解ガス発生性発泡剤の分解ガスが、発泡層に
留まらず気散することから発泡倍率が低くなり、目的の
発泡倍率の壁紙が得られない事が判る。又、壁紙表面が
極めて汚れ易く、例えば、施工糊(デンプン系)、コー
ヒー、ちり、水性サインペン等の汚れにおいて、実施例
1の物は完全に拭き取れたが、一方、本比較例のものは
拭き取り性が悪く、しみが残り実用化できない壁紙であ
る事が判る。
【0195】
【比較例5】実施例1で用いた、水性塗料に配合する発
泡剤2種の内、膨張性カプセル発泡剤を用いず、分解ガ
ス発生性発泡剤(4,4´−オキシビス(ベンゼンスル
ホニルヒドラジド))4.0部、及び分解ガス発生性発
泡剤用安定剤(アデカスタブFL−44:旭電化工業
(株))0.4部に変更した以外は、全て実施例1と同
様の方法にて、目的とする壁紙を得た。
【0196】用いた水性塗料の加熱後の発泡隆起倍率は
6.0倍と、実施例1の発泡剤の配合量の約1/2であ
りながら、同率の発泡倍率が得られたが、しかし、得ら
れた壁紙を100mのロール状に巻き取り3日間放置し
たところ、該発泡倍率が場所により1.5〜3倍に低下
している事が判った。
【0197】次いで、該壁紙の裏面に施工糊(合成デン
プン)を100g/m2の厚みで塗工し、セメントモル
タル上に貼り合わせたところ、得られた壁紙のステキヒ
トサイズ度は、95分であり、特に目開き、オープンタ
イムに関する施工性には問題なかったが、施工時の加圧
により壁紙のエンボス模様が変化し、保形性の悪い壁紙
であった。
【0198】この比較例の結果から、発泡層に用いる発
泡剤が分解ガス発生性発泡剤のみである場合には、加熱
後の発泡セルが大きく且つ軟らかい物である事から、そ
の後の加圧により、発泡後のセルが変形し発泡倍率が低
下すると共に、エンボス模様が変化し、保形性の悪い壁
紙となる事が判る。
【0199】
【比較例6】実施例1で用いた水性塗料に配合する発泡
体2種の内、分解ガス発生性発泡剤、及び分解ガス発生
性発泡剤用安定剤を配合せず、膨張性カプセル発泡剤
(マイクロスフェアーF−85:松本油脂(株))12
部に変更した以外は、全て実施例1と同様の方法によっ
て、目的とする壁紙を得た。
【0200】得られた壁紙のステキヒトサイズ度は82
分、及び発泡層の加熱後の発泡倍率は、6.0であり、
目的とするところの耐透水性、及び立体感のある壁紙が
得られたが、発泡層に配合する発泡剤の配合量が、実施
例1に比べて1.5倍であり、経済的に高くつく壁紙と
なった。加えて、得られた壁紙は、加熱発泡後において
膨張性カプセル発泡剤の配合量が多いため、不織布層に
浮きが生じた。又、発泡剤を2種混合した実施例1に比
べて、エンボス模様のシャープ性に欠け、しかもエンボ
ス自体が入りにくいものであった。
【0201】この比較例から、発泡剤が膨張性カプセル
発泡剤単独では、分解ガス発生性発泡剤を併用する場合
に比べ、発泡効率が低く経済性に乏しく、エンボス模様
のシャープ性に欠け、しかもエンボス自体が入りにくい
ものである事が判る。
【0202】
【比較例7】実施例1で用いた水性塗料に配合する、発
泡剤2種を膨張性カプセル発泡剤(マイクロスフェアー
F−85:松本油脂(株))3.5部、分解ガス発生性
発泡剤(4,4´−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒ
ドラジド))4.0部に変更した以外は、全て実施例1
と同様の方法により目的とする壁紙を得た。
【0203】発泡層の加熱後の発泡隆起倍率は10.0
倍と、実施例1の発泡剤の配合量と同量でありながら、
高発泡倍率の壁紙が得られたが、得られた壁紙を100
mのロール状に巻き取り、3日間放置したところ、該発
泡倍率が場所により3〜4倍に低下している事が判っ
た。
【0204】次いで、該壁紙の裏面に施工糊(合成デン
プン)を100g/m2の厚みで塗工し、市販のベニヤ
上に貼り合わせたところ、得られた壁紙のステキヒトサ
イズ度は、84分であり、特に目開き、オープンタイム
に関する施工性には問題なかったが、施工時の加圧によ
り壁紙のエンボス模様が変化し、保形性の悪い壁紙であ
った。
【0205】この比較例の結果から、発泡層に用いる2
種の発泡剤の比率が、膨張性カプセル発泡剤50〜95
部、分解ガス発生性発泡剤50〜5部の範囲を外れた物
については、加熱後の発泡セルが大きく且つ軟らかい皮
膜となり、その後の加圧により、発泡後のセルが変形し
発泡倍率が低下すると共に、エンボス模様が変化し、保
形性の悪い壁紙となる事が判る。
【0206】
【比較例8】実施例1において、水性塗料を120℃で
2分間乾燥させた後に、不織布層を加熱溶融させて貼り
合わせることを除き、他は全く実施例1と同様にして壁
紙を得た。
【0207】得られた壁紙は、不織布層が層間剥離し易
く、また十分な防汚性能も有さないものであった。更
に、この壁紙は、不織布と発泡層が一体化していないこ
とから、施工1ヶ月後にしてエンボス模様が1/2に消
失し、平滑な壁紙となった。
【0208】この比較例の結果から、発泡層の架橋成分
を不織布層に浸透させない、即ち、発泡層中の架橋性成
分が不織布層に浸透した後、架橋させないと、両層の一
体化が生起しないので、所期の目的が達成されないこと
が分かる。
【0209】以上の実施例及び比較例の結果をまとめる
と、表1〜表3の通りである。
【0210】
【表1】 *1:発泡層単独の、加熱発泡処理前後の厚み比、即
ち、以下の通りである。
【0211】発泡倍率=(発泡後の発泡層の厚み)/
(発泡前の発泡層の厚み) *2:加圧し放置後、発泡倍率が1.5〜3倍に低下す
る。
【0212】*3:加圧し放置後、発泡倍率が3〜4倍
に低下する。
【表2】 ◎・・・特に良好 ○・・・良好 △・・・やや難あり ×・・・不可
【表3】 なお、評価は、JIS L-0805 汚染用グレースケールによ
った。
【0213】以上の表1〜3の結果から、本発明の特徴
点である、一体化現象を生起させると、耐透水性や耐層
間剥離性等に優れたものが得られること、又、発泡剤と
して膨張性カプセル発泡剤と分解ガス発生性発泡剤を併
用すると、安価で立体感に優れ、且つ保形性に優れた壁
紙が得られること等が分かる。その結果、本発明では理
想的な高品質の壁紙が得られることが、より一層明らか
になったものと確信する。
【0214】
【発明の効果】本発明では、発泡層の樹脂成分として
特定割合のアクリル系樹脂とエチレン−酢酸ビニル系樹
脂を混合使用するとともに架橋剤を併用し、且つ、発泡
層の樹脂成分と架橋剤とが、積層された不織布層に浸透
し、両層において、該樹脂成分のアクリル系樹脂成分と
架橋剤との間で架橋反応が生起し、両層は実質的に一体
化される現象を起こし、この一体化現象は、防汚性樹脂
層にも架橋成分を存在させると、発泡層、不織布層及び
防汚性樹脂層の3層間においても生起すること、発泡
剤として膨張性カプセル発泡剤と分解ガス発生性発泡剤
を併用すること、を特徴とするものであるが、その結
果、以下のような優れた効果をもたらす。
【0215】(1)耐透水性が飛躍的に向上し、壁面へ
の施工時に継ぎ目の目開きの問題や施工糊のオープンタ
イム(早期の乾き過ぎ)の問題が一切発生することがな
く、極めて施工性に優れたものとなる。
【0216】(2)不織布層は、剥離し難くなり、強靱
なものとなるとともに、防汚性が飛躍的に向上する。
【0217】(3)一般に、不織布には汚れを吸収する
作用があるため、不織布は汚れやすいが、不織布層にお
ける架橋反応の結果、不織布の特性が変化し、このよう
な不織布の汚れやすさが防止される。
【0218】(4)更に、この防汚効果は、防汚性樹脂
層の形成と相まって、特段に優れたものとなるが、発泡
層、不織布層及び防汚性樹脂層の3層が一体化した場合
には、該防汚性樹脂層の耐層間剥離性や強度が向上する
ので、その防汚性能は破壊されることがない。
【0219】(5)不織布自体の特性が失われず、ま
た、不織布に付与された凹凸模様も当然保持されるの
で、壁紙の風合や立体感等は向上する。
【0220】(6)膨張性カプセル発泡剤と分解ガス発
生性発泡剤を併用すると、防汚性樹脂層のガスバリヤー
性と相俟って、両発泡剤の性能が十分に発揮され、発泡
効率が向上し、高膨張率が達成されるので、意匠性が向
上する安価で立体感に優れ、且つ保形性に優れた壁紙が
得られる。
【0221】以上のように、本発明は、壁紙に要求され
る品質、即ち、耐透水性、施工性、耐層間剥離性、強靱
性、立体感、防汚性、意匠性等の全てにおいて優れた品
質を具備しているという、全く理想的な高品質壁紙を得
ている点において、極めて価値の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/00 C08L 33/00 4L055 D06N 7/02 D06N 7/02 (72)発明者 星川 隆一 京都府京都市山科区西野離宮町29番地 株 式会社松井色素化学工業所技術部内 Fターム(参考) 4F055 AA17 BA13 EA03 EA24 EA26 FA04 FA06 FA07 FA10 FA37 FA38 GA02 GA26 HA06 4F074 AA22 AA46 BA03 BA04 BA13 BA17 BA35 BA37 BA39 BA40 BA91 BA95 BB01 CC32Y DA20 DA37 DA54 4F100 AK01B AK01D AK25B AK25D AK41C AK68B AL05B AL05D AT00A BA04 BA07 BA10A BA10D CA01B CA02B CA02C CA23B CC00B CC00D DD01D DG10A DG15C DJ01B EJ02 EJ05 EJ39D GB08 HB31D JB06 JB12B JD02D JJ07A JL06 JL06D JL10D JL11 JM01B JM01D 4J002 BB06X BE03X BG07W DE227 DF007 EC018 EJ008 EN008 EQ017 ER008 ER017 EU187 FB286 FD148 FD326 FD327 GF00 GK00 GL00 4J034 DP03 DP12 DP17 DP18 HA07 HC03 HC12 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC71 HC73 HD03 HD04 HD05 QB11 QC01 QC03 RA05 RA09 RA10 4L055 AG11 AG12 AG17 AG19 AG35 AG59 AG64 AG71 AG93 AH01 AH34 AJ01 AJ08 BE09 BE15 EA10 FA20 FA22 FA30 GA23

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースシート上に、発泡剤及び架橋性樹
    脂組成物からなる発泡層、不織布層次いで防汚性樹脂層
    の順で積層してなる壁紙であって、発泡層の発泡剤が、
    膨張性カプセル発泡剤50〜95重量%、分解ガス発生
    性発泡剤50〜5重量%からなるものであること、及び
    発泡層の架橋成分が不織布層に浸透し、両層において架
    橋反応が生起することにより、発泡層及び不織布層が実
    質的に一体化していることを特徴とするステキヒトサイ
    ズ度が30分以上である壁紙。
  2. 【請求項2】 発泡層の架橋性樹脂組成物が、架橋性ア
    クリル系樹脂及びエチレン−酢酸ビニル系樹脂からなる
    水性樹脂混合物であって、該樹脂の混合割合が架橋性ア
    クリル系樹脂20〜90重量%、エチレン−酢酸ビニル
    系樹脂80〜10重量%である樹脂成分、及び架橋剤の
    二成分を必須成分とするものである請求項1記載のステ
    キヒトサイズ度が30分以上である壁紙。
  3. 【請求項3】 防汚性樹脂層が、防汚成分及び樹脂成分
    の二成分を必須成分とする樹脂組成物からなるものであ
    る請求項1又は2記載のステキヒトサイズ度が30分以
    上である壁紙。
  4. 【請求項4】 防汚性樹脂層が、架橋性樹脂組成物から
    なるものであって、発泡層、不織布層及び防汚性樹脂層
    中の架橋成分の架橋反応により、該3層が実質的に一体
    化していることを特徴とする請求項1、2又は3記載の
    ステキヒトサイズ度が30分以上である壁紙。
  5. 【請求項5】 防汚性樹脂層の架橋性樹脂組成物が、防
    汚成分、架橋性樹脂及び/又は架橋剤を必須成分とする
    ものである請求項4記載のステキヒトサイズ度が30分
    以上である壁紙。
  6. 【請求項6】 防汚性樹脂層がガスバリヤー性のもので
    ある請求項1、2、3、4又は5記載のステキヒトサイ
    ズ度が30分以上である壁紙。
  7. 【請求項7】 架橋剤がブロックイソシアネート化合物
    である請求項1、2、3、4、5又は6記載のステキヒ
    トサイズ度が30分以上である壁紙。
  8. 【請求項8】 発泡層が分解ガス発生性発泡剤用安定剤
    を含有したものである請求項1、2、3、4、5、6又
    は7記載のステキヒトサイズ度が30分以上である壁
    紙。
  9. 【請求項9】 発泡層が発泡剤とともに充填剤を含有し
    たものである請求項1、2、3、4、5、6、7又は8
    記載のステキヒトサイズ度が30分以上である壁紙。
  10. 【請求項10】 防汚性樹脂層表面がエンボス加工され
    たものである請求項1、2、3、4、5、6、7、8又
    は9記載のステキヒトサイズ度が30分以上である壁
    紙。
  11. 【請求項11】 不織布層表面又は防汚性樹脂層表面が
    着色加工されたものである請求項1、2、3、4、5、
    6、7、8、9又は10記載のステキヒトサイズ度が3
    0分以上である壁紙。
  12. 【請求項12】 ベースシート上に発泡層、不織布層次
    いで防汚性樹脂層の順で順次積層し、発泡層の架橋成分
    が不織布層に浸透した後、加熱処理を施し、発泡と架橋
    を同時に、又は発泡後、架橋を行うことを特徴とする請
    求項1記載のステキヒトサイズ度が30分以上である壁
    紙の製造方法。
  13. 【請求項13】 ベースシート上に発泡層を形成した
    後、これが未だ湿潤状態にある時に、不織布層をラミネ
    ートすることにより積層することを特徴とする請求項1
    2記載のステキヒトサイズ度が30分以上である壁紙の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 加熱処理後あるいは加熱処理と同時に
    エンボス処理を施すことを特徴とする請求項12又は1
    3記載のステキヒトサイズ度が30分以上である壁紙の
    製造方法。
  15. 【請求項15】 不織布層表面に対する防汚性樹脂層の
    形成時期が、加熱処理を施す前、加熱処理を施した後、
    又はエンボス処理を施した後の中から選ばれた何れかの
    時期に施行されることを特徴とする請求項12、13又
    は14記載のステキヒトサイズ度が30分以上である壁
    紙の製造方法。
  16. 【請求項16】 着色加工の施行時期が、防汚性樹脂層
    を形成する前又はその形成後の何れかの時期に施行され
    ることを特徴とする請求項12、13、14又は15記
    載のステキヒトサイズ度が30分以上である壁紙の製造
    方法。
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