JP2002086339A - ワイヤソー - Google Patents
ワイヤソーInfo
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- JP2002086339A JP2002086339A JP2000273814A JP2000273814A JP2002086339A JP 2002086339 A JP2002086339 A JP 2002086339A JP 2000273814 A JP2000273814 A JP 2000273814A JP 2000273814 A JP2000273814 A JP 2000273814A JP 2002086339 A JP2002086339 A JP 2002086339A
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- roller
- passage
- wire
- rollers
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- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 加工用ローラの温度を略一定に保ち、加工用
ローラの熱変形を少なくして加工精度を向上させること
ができるワイヤソーを提供する。 【解決手段】 加工用ローラ15,16,17と、この
加工用ローラ15,16,17を支持するスピンドル3
0,31との連結部の外周に、加工液が通る通路71を
設け、連結部の内部から効率よく冷却できるようにし
て、加工用ローラ15,16,17の内部温度を一定の
温度範囲内に保持できるようにし、加工用ローラ15,
16,17の熱変形を抑制して加工精度を向上させる。
ローラの熱変形を少なくして加工精度を向上させること
ができるワイヤソーを提供する。 【解決手段】 加工用ローラ15,16,17と、この
加工用ローラ15,16,17を支持するスピンドル3
0,31との連結部の外周に、加工液が通る通路71を
設け、連結部の内部から効率よく冷却できるようにし
て、加工用ローラ15,16,17の内部温度を一定の
温度範囲内に保持できるようにし、加工用ローラ15,
16,17の熱変形を抑制して加工精度を向上させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行するワイヤ列
にワークを押し当てて多数のウェーハに切断するワイヤ
ソーに関するものである。
にワークを押し当てて多数のウェーハに切断するワイヤ
ソーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ワイヤソーは、複数の加工用ローラが所
定間隔おきに配設され、それらのローラの外周には複数
の環状溝が所定のピッチで形成されている。また、各加
工用ローラ間において、各環状溝にはそれぞれ1本のワ
イヤが順に巻回されて、ワイヤ列が形成されている。そ
して、ワークとワイヤとの間に遊離砥粒を含む水性また
は油性のスラリを供給しながら、ワイヤ列にワークを押
し当ててワークを切断し、一定の厚さのウェーハを多数
枚同時に形成するものである。
定間隔おきに配設され、それらのローラの外周には複数
の環状溝が所定のピッチで形成されている。また、各加
工用ローラ間において、各環状溝にはそれぞれ1本のワ
イヤが順に巻回されて、ワイヤ列が形成されている。そ
して、ワークとワイヤとの間に遊離砥粒を含む水性また
は油性のスラリを供給しながら、ワイヤ列にワークを押
し当ててワークを切断し、一定の厚さのウェーハを多数
枚同時に形成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、加工用ローラ
を回転可能に支持しているローラ支持装置の軸受部で発
生する熱により、切断中にローラ支持装置の温度が変動
する。この温度変動が生じると加工用ローラも膨張ある
いは収縮を引き起こし、これによりワイヤ列のピッチが
変動したりし、加工精度が低下する場合がある。すなわ
ち軸受部は冷却液により冷却されているとともに、加工
用ローラもスラリにより冷却されているが、軸受部の過
熱等により、それらの冷却状態のバランスが崩れると、
加工用ローラが膨張あるいは収縮する。
を回転可能に支持しているローラ支持装置の軸受部で発
生する熱により、切断中にローラ支持装置の温度が変動
する。この温度変動が生じると加工用ローラも膨張ある
いは収縮を引き起こし、これによりワイヤ列のピッチが
変動したりし、加工精度が低下する場合がある。すなわ
ち軸受部は冷却液により冷却されているとともに、加工
用ローラもスラリにより冷却されているが、軸受部の過
熱等により、それらの冷却状態のバランスが崩れると、
加工用ローラが膨張あるいは収縮する。
【0004】本発明は、このような従来の技術に存在す
る問題点に着目してなされたものであり、その目的とす
るところは、加工用ローラの温度を略一定に保ち、加工
精度を向上させることができる構造を有したワイヤソー
を提供することにある。
る問題点に着目してなされたものであり、その目的とす
るところは、加工用ローラの温度を略一定に保ち、加工
精度を向上させることができる構造を有したワイヤソー
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の加
工用ローラ間にワイヤを周回させてワイヤ列を形成し、
加工用ローラの回転によりワイヤ列を走行させるととも
に、ワイヤ列にワークを押付けながら、ワイヤとワーク
との間に加工液を供給することにより、ワークをウェー
ハ状に切断するワイヤソーにおいて、前記ローラと、そ
のローラを支持するスピンドルとの連結部の外周に前記
加工液が通る通路を設けたものである。
を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の加
工用ローラ間にワイヤを周回させてワイヤ列を形成し、
加工用ローラの回転によりワイヤ列を走行させるととも
に、ワイヤ列にワークを押付けながら、ワイヤとワーク
との間に加工液を供給することにより、ワークをウェー
ハ状に切断するワイヤソーにおいて、前記ローラと、そ
のローラを支持するスピンドルとの連結部の外周に前記
加工液が通る通路を設けたものである。
【0006】従って、前記ローラと、そのローラを支持
するスピンドルとの連結部の外周に設けた通路を通る加
工液により連結部が良く冷却されて、スピンドル側から
ローラに伝わる熱の影響を低減することができる。すな
わち、スピンドル側からの熱でローラ側に大きな熱変動
が起きるのを無くして熱変形を抑えることができる。
するスピンドルとの連結部の外周に設けた通路を通る加
工液により連結部が良く冷却されて、スピンドル側から
ローラに伝わる熱の影響を低減することができる。すな
わち、スピンドル側からの熱でローラ側に大きな熱変動
が起きるのを無くして熱変形を抑えることができる。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のワイヤソーにおいて、前記通路をローラに設けたもの
である。従って、加工液が通る通路をローラ側に設けて
いるので、ローラ側が直接効率良く冷却されることにな
る。これにより、ローラ側の熱変動をさらに抑えること
ができる。
のワイヤソーにおいて、前記通路をローラに設けたもの
である。従って、加工液が通る通路をローラ側に設けて
いるので、ローラ側が直接効率良く冷却されることにな
る。これにより、ローラ側の熱変動をさらに抑えること
ができる。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載のワイヤソーにおいて、前記通路をスピンドル
に設けたものである。従って、加工液が通る通路をスピ
ンドル側に設けて、スピンドルを冷却するようにしてい
るので、スピンドル側からローラ側に高い熱が伝えられ
るのを防ぐことができる。これにより、スピンドル側か
らローラ側に影響される熱を抑え、ローラ側の温度を安
定させて熱変動を抑えることができる。
2に記載のワイヤソーにおいて、前記通路をスピンドル
に設けたものである。従って、加工液が通る通路をスピ
ンドル側に設けて、スピンドルを冷却するようにしてい
るので、スピンドル側からローラ側に高い熱が伝えられ
るのを防ぐことができる。これにより、スピンドル側か
らローラ側に影響される熱を抑え、ローラ側の温度を安
定させて熱変動を抑えることができる。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載のワイヤソーにおいて、前記ローラに前
記通路をローラの弦の方向に設け、少なくとも一端を開
口した孔により前記通路を構成したものである。従っ
て、加工液が通る通路をローラに孔として形成し、孔の
通路をローラの弦の方向に延びるようにして設けてい
る。そのため、孔より通路内に入った加工液はローラの
内部を冷却することができる。また、孔を弦の方向に延
びるようにして設けているので、孔を簡単に形成するこ
とができる。
いずれかに記載のワイヤソーにおいて、前記ローラに前
記通路をローラの弦の方向に設け、少なくとも一端を開
口した孔により前記通路を構成したものである。従っ
て、加工液が通る通路をローラに孔として形成し、孔の
通路をローラの弦の方向に延びるようにして設けてい
る。そのため、孔より通路内に入った加工液はローラの
内部を冷却することができる。また、孔を弦の方向に延
びるようにして設けているので、孔を簡単に形成するこ
とができる。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載のワイヤソーにおいて、前記通路をロー
ラの外周に環状に形成した溝により構成したものであ
る。従って、加工液が通る通路をローラの外周に環状に
形成した溝で設けている。溝内に入った加工液はローラ
の外周に沿って通路内を流れ、その溝内(通路内)から
ローラの内部を冷却することができる。また、通路を溝
としてローラの外周に設けているので通路を簡単に形成
することができる。
いずれかに記載のワイヤソーにおいて、前記通路をロー
ラの外周に環状に形成した溝により構成したものであ
る。従って、加工液が通る通路をローラの外周に環状に
形成した溝で設けている。溝内に入った加工液はローラ
の外周に沿って通路内を流れ、その溝内(通路内)から
ローラの内部を冷却することができる。また、通路を溝
としてローラの外周に設けているので通路を簡単に形成
することができる。
【0011】請求項6に記載の発明は、請求項2、請求
項4又は請求項5の何れかに記載のワイヤソーにおい
て、前記ローラを芯金と、その芯金に外嵌されたワイヤ
保持用の溝を有する円筒体とを備え、前記通路を芯金に
設けたものである。従って、ローラを冷却するための通
路を、ローラを形成している芯金の外周に設けているの
で、ローラを内側から冷却することができる。しかも、
冷却の対象が芯金であるため、冷却を有効に行うことが
できる。
項4又は請求項5の何れかに記載のワイヤソーにおい
て、前記ローラを芯金と、その芯金に外嵌されたワイヤ
保持用の溝を有する円筒体とを備え、前記通路を芯金に
設けたものである。従って、ローラを冷却するための通
路を、ローラを形成している芯金の外周に設けているの
で、ローラを内側から冷却することができる。しかも、
冷却の対象が芯金であるため、冷却を有効に行うことが
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
を具体化したワイヤソーの一実施の形態を図1〜図3に
従って説明する。
を具体化したワイヤソーの一実施の形態を図1〜図3に
従って説明する。
【0013】図1に示すように装置基台11上には、切
断機構13が1対のブラケット14(一方のみ図示)を
介して装設されている。この切断機構13は、複数のロ
ーラ支持装置50(図2参照)と、そのローラ支持装置
50に支持され、平行に延びる複数の加工用ローラ1
5,16,17とを備えている。加工用ローラ15,1
6,17には、図2に示すように、その外周面に複数の
環状溝15a,16a,17aが所定のピッチで形成さ
れている。
断機構13が1対のブラケット14(一方のみ図示)を
介して装設されている。この切断機構13は、複数のロ
ーラ支持装置50(図2参照)と、そのローラ支持装置
50に支持され、平行に延びる複数の加工用ローラ1
5,16,17とを備えている。加工用ローラ15,1
6,17には、図2に示すように、その外周面に複数の
環状溝15a,16a,17aが所定のピッチで形成さ
れている。
【0014】上記加工用ローラ15,16,17の各環
状溝15a,16a,17a間には1本の線材よりなる
ワイヤ18が連続的に巻回されて、ワイヤ列18Aが形
成されている。そして、ワイヤ走行用モータにより伝達
機構(ともに図示しない)を介して加工用ローラ15,
16,17が回転される。そして、これらの加工用ロー
ラ15,16,17の回転によって、ワイヤ18が所定
の速度で走行される。
状溝15a,16a,17a間には1本の線材よりなる
ワイヤ18が連続的に巻回されて、ワイヤ列18Aが形
成されている。そして、ワイヤ走行用モータにより伝達
機構(ともに図示しない)を介して加工用ローラ15,
16,17が回転される。そして、これらの加工用ロー
ラ15,16,17の回転によって、ワイヤ18が所定
の速度で走行される。
【0015】上記切断機構13の上方には、図1及び図
2に示すようにスラリパイプ20が配設されている。ス
ラリパイプ20からは加工用ローラ15,16間のワイ
ヤ列18A上に、加工液としての遊離砥粒を含む水性ま
たは油性のスラリ52が供給される。ここで、ワイヤ列
18A上に供給されたスラリは、回収されて所定温度に
冷却された後、再びワイヤ列18Aに供給される。装置
基台11に立設したコラム12には、ワーク送り台を構
成しているワーク支持機構21が上下動可能に支持さ
れ、その下部にはインゴットであるワーク22が装着さ
れている。そして、図示しないモータによりワーク支持
機構21が上下動され、下降されたときに、ワーク22
がワイヤ列18Aに押し付けられて、前記スラリ52中
の砥粒のラッピング作用により、ワーク22がウェーハ
状に切断される。
2に示すようにスラリパイプ20が配設されている。ス
ラリパイプ20からは加工用ローラ15,16間のワイ
ヤ列18A上に、加工液としての遊離砥粒を含む水性ま
たは油性のスラリ52が供給される。ここで、ワイヤ列
18A上に供給されたスラリは、回収されて所定温度に
冷却された後、再びワイヤ列18Aに供給される。装置
基台11に立設したコラム12には、ワーク送り台を構
成しているワーク支持機構21が上下動可能に支持さ
れ、その下部にはインゴットであるワーク22が装着さ
れている。そして、図示しないモータによりワーク支持
機構21が上下動され、下降されたときに、ワーク22
がワイヤ列18Aに押し付けられて、前記スラリ52中
の砥粒のラッピング作用により、ワーク22がウェーハ
状に切断される。
【0016】切断機構13の一対のブラケット14の3
箇所には、それぞれ支持筒27が固定され、その支持筒
27内には、内筒28が固定されている。内筒28内に
は、軸受部29を介してスピンドル30、31が回転可
能に支持されている。従って、3対のスピンドル30、
31が対向配置されている。支持筒27と内筒28との
間には軸受部29の部分を冷却するための冷却液が通る
冷却通路59が形成されている。
箇所には、それぞれ支持筒27が固定され、その支持筒
27内には、内筒28が固定されている。内筒28内に
は、軸受部29を介してスピンドル30、31が回転可
能に支持されている。従って、3対のスピンドル30、
31が対向配置されている。支持筒27と内筒28との
間には軸受部29の部分を冷却するための冷却液が通る
冷却通路59が形成されている。
【0017】3対の対向するスピンドル30、31間に
は、それぞれ加工用ローラ15,16,17が一体とな
って、回転可能に支持されている。加工用ローラ15,
16,17は、略円筒状をした金属製の芯金60と、外
周面に環状溝15a,16a,17aが形成されたウレ
タン樹脂製のスリーブ62とを備えている。芯金60
は、スリーブ62が外周に被着固定された円筒部64
と、この円筒部64の両端部に固定された金属製のハブ
部65とから構成されている。
は、それぞれ加工用ローラ15,16,17が一体とな
って、回転可能に支持されている。加工用ローラ15,
16,17は、略円筒状をした金属製の芯金60と、外
周面に環状溝15a,16a,17aが形成されたウレ
タン樹脂製のスリーブ62とを備えている。芯金60
は、スリーブ62が外周に被着固定された円筒部64
と、この円筒部64の両端部に固定された金属製のハブ
部65とから構成されている。
【0018】そして、一方のスピンドル30及び加工用
ローラ15,16,17の軸芯を貫通したドローボルト
51が他方のスピンドル31の軸芯のねじ孔38に螺合
されて、加工用ローラ15,16,17がスピンドル3
0,31間に締結支持されている。芯金60のハブ部6
5には、テーパー状をなす凹部34が形成されていると
ともに、スピンドル30,31の端面には、この凹部3
4と凹凸の関係で対応するテーパー状の凸部33が形成
されている。そして、そのお互いのテーパー斜面を突き
当てて、芯出しをしている。
ローラ15,16,17の軸芯を貫通したドローボルト
51が他方のスピンドル31の軸芯のねじ孔38に螺合
されて、加工用ローラ15,16,17がスピンドル3
0,31間に締結支持されている。芯金60のハブ部6
5には、テーパー状をなす凹部34が形成されていると
ともに、スピンドル30,31の端面には、この凹部3
4と凹凸の関係で対応するテーパー状の凸部33が形成
されている。そして、そのお互いのテーパー斜面を突き
当てて、芯出しをしている。
【0019】上記ハブ部65には、図3に示しているよ
うに、芯金60とスピンドル30,31の間に露出して
いる部分に対応して、その内部に、周面に開口71aを
持つ冷却用の通路71が形成されている。その通路71
は、加工用ローラ15の弦の方向に4つ、これらが互い
に90度ずつ順に変位した状態で形成されている。そし
て、スラリパイプ20の両端部20aがハブ部65の部
分を越えて延びており、その通路71には、後述するス
ラリ52が何れかの開口71aから流入して別の開口7
1aより流出するようにして流れ、このときハブ部65
内の熱を奪って、ハブ部65を内側から冷却する。これ
により、スピンドル30,31から加工用ローラ15,
16,17側に伝達される熱を抑えるともに、加工用ロ
ーラ15,16,17に発生する熱を放出させ、加工用
ローラ15,16,17内における熱の変動を抑えて、
熱変形を防止する。
うに、芯金60とスピンドル30,31の間に露出して
いる部分に対応して、その内部に、周面に開口71aを
持つ冷却用の通路71が形成されている。その通路71
は、加工用ローラ15の弦の方向に4つ、これらが互い
に90度ずつ順に変位した状態で形成されている。そし
て、スラリパイプ20の両端部20aがハブ部65の部
分を越えて延びており、その通路71には、後述するス
ラリ52が何れかの開口71aから流入して別の開口7
1aより流出するようにして流れ、このときハブ部65
内の熱を奪って、ハブ部65を内側から冷却する。これ
により、スピンドル30,31から加工用ローラ15,
16,17側に伝達される熱を抑えるともに、加工用ロ
ーラ15,16,17に発生する熱を放出させ、加工用
ローラ15,16,17内における熱の変動を抑えて、
熱変形を防止する。
【0020】本実施の形態におけるワイヤソーの動作を
次に説明する。ワイヤソーの運転が開始されると、ワイ
ヤ18が、切断機構13の加工用ローラ15,16,1
7間において走行される。また、スラリパイプ20によ
り、加工用ローラ15,16間のワイヤ列18A上に遊
離砥粒を含むスラリ52が供給され、ワーク切断に供さ
れる。このとき、軸受部29においては、冷却通路59
を通る冷却液がスピンドル30,31の温度を制御す
る。一方、スラリパイプ20の両端部20aによりハブ
部65上にスラリ52が供給されて、スラリ52の一部
が開口71aから通路71内に流れ、ハブ部65を外側
と内側の両方から冷却する。
次に説明する。ワイヤソーの運転が開始されると、ワイ
ヤ18が、切断機構13の加工用ローラ15,16,1
7間において走行される。また、スラリパイプ20によ
り、加工用ローラ15,16間のワイヤ列18A上に遊
離砥粒を含むスラリ52が供給され、ワーク切断に供さ
れる。このとき、軸受部29においては、冷却通路59
を通る冷却液がスピンドル30,31の温度を制御す
る。一方、スラリパイプ20の両端部20aによりハブ
部65上にスラリ52が供給されて、スラリ52の一部
が開口71aから通路71内に流れ、ハブ部65を外側
と内側の両方から冷却する。
【0021】これにより、スピンドル30,31自体の
発熱が抑えられるとともに、スピンドル30,31から
ハブ部65に伝達される熱は、スラリパイプ20の両端
部20aより供給されるスラリ52の冷却で抑えられ
る。なお、加工用ローラ15,16,17での発熱はス
ラリパイプ20から供給されるスラリ52により抑えら
れる。これにより、加工用ローラ15,16,17の熱
変動を抑えて、加工の開始から終了まで、ほぼ一定の温
度を持たせた状態で加工を行うことができる。
発熱が抑えられるとともに、スピンドル30,31から
ハブ部65に伝達される熱は、スラリパイプ20の両端
部20aより供給されるスラリ52の冷却で抑えられ
る。なお、加工用ローラ15,16,17での発熱はス
ラリパイプ20から供給されるスラリ52により抑えら
れる。これにより、加工用ローラ15,16,17の熱
変動を抑えて、加工の開始から終了まで、ほぼ一定の温
度を持たせた状態で加工を行うことができる。
【0022】本実施の形態によって得られる効果につい
て、以下に説明する。 ・本実施の形態におけるワイヤソーは、加工用ローラ1
5,16,17と、その加工用ローラ15,16,17
を支持するスピンドル30,31との連結部となるハブ
部65に設けた通路71を通る加工液(スラリ52)に
より連結部が良く冷却される。これにより、スピンドル
30,31側から加工用ローラ15,16,17側に伝
わる熱の影響を低減することができ、スピンドル30,
31側からの熱により加工用ローラ15,16,17側
に大きな熱変動が起きるのを無くして熱変形を抑えるこ
とができる。この熱変形を抑えることにより、加工精度
の良いワイヤソーを実現することができることとなる。
て、以下に説明する。 ・本実施の形態におけるワイヤソーは、加工用ローラ1
5,16,17と、その加工用ローラ15,16,17
を支持するスピンドル30,31との連結部となるハブ
部65に設けた通路71を通る加工液(スラリ52)に
より連結部が良く冷却される。これにより、スピンドル
30,31側から加工用ローラ15,16,17側に伝
わる熱の影響を低減することができ、スピンドル30,
31側からの熱により加工用ローラ15,16,17側
に大きな熱変動が起きるのを無くして熱変形を抑えるこ
とができる。この熱変形を抑えることにより、加工精度
の良いワイヤソーを実現することができることとなる。
【0023】・また、加工液が通る通路71をハブ部6
5に孔として形成し、その孔としての通路71を加工用
ローラ15,16,17の弦の方向に延びるようにして
設けている。このため、開口71aより通路71内に入
った加工液は弦の方向に通路内を流れ、ハブ部65の内
部から冷却することができる。さらに、通路71となる
孔を弦の方向に延びるようにして直線的に設けているの
で、孔を簡単に形成することができる。これにより、構
造を複雑にすること無く、簡単な構造で、加工用ローラ
15,16,17側の熱変動を無くすことができるワイ
ヤソーを実現することができることとなる。
5に孔として形成し、その孔としての通路71を加工用
ローラ15,16,17の弦の方向に延びるようにして
設けている。このため、開口71aより通路71内に入
った加工液は弦の方向に通路内を流れ、ハブ部65の内
部から冷却することができる。さらに、通路71となる
孔を弦の方向に延びるようにして直線的に設けているの
で、孔を簡単に形成することができる。これにより、構
造を複雑にすること無く、簡単な構造で、加工用ローラ
15,16,17側の熱変動を無くすことができるワイ
ヤソーを実現することができることとなる。
【0024】(第2の実施形態)この実施の形態におい
ては、図4に示すように、芯金60の両端部を外方へ突
出させ、その突出部の外周に冷却用の通路として溝72
を設けたものである。その溝72は、片側に2ずつ合計
4つ設けられているが、なお、他の構成は図1乃至図3
に示した構成と同じなので、同じ部材には同じ符号を付
して重複した説明は省略する。
ては、図4に示すように、芯金60の両端部を外方へ突
出させ、その突出部の外周に冷却用の通路として溝72
を設けたものである。その溝72は、片側に2ずつ合計
4つ設けられているが、なお、他の構成は図1乃至図3
に示した構成と同じなので、同じ部材には同じ符号を付
して重複した説明は省略する。
【0025】そして、このように構成されたワイヤソー
では、ワイヤ列18A上に供給されたスラリ52の一部
が、ハブ部65上に供給されたスラリ52の一部が開口
71aから通路71内を流れると同時に、溝72内を流
れ、溝72内から芯金60を冷却する。すなわちハブ部
65を外側と内側の両方から冷却する。そのため、この
実施例においては、加工用ローラ15,16,17とス
ピンドル30,31との連結部分は、内外を流れるスラ
リ52により効率良く冷却される。
では、ワイヤ列18A上に供給されたスラリ52の一部
が、ハブ部65上に供給されたスラリ52の一部が開口
71aから通路71内を流れると同時に、溝72内を流
れ、溝72内から芯金60を冷却する。すなわちハブ部
65を外側と内側の両方から冷却する。そのため、この
実施例においては、加工用ローラ15,16,17とス
ピンドル30,31との連結部分は、内外を流れるスラ
リ52により効率良く冷却される。
【0026】これにより、本実施の形態においては、加
工用ローラ15,16,17の熱変動を抑えて、ほぼ一
定の温度を保持させた状態で加工を行うことができる。
従って、第2の実施の形態におけるワイヤソーは、第1
の実施の形態で述べた効果に加えて、次のような効果が
期待できる。
工用ローラ15,16,17の熱変動を抑えて、ほぼ一
定の温度を保持させた状態で加工を行うことができる。
従って、第2の実施の形態におけるワイヤソーは、第1
の実施の形態で述べた効果に加えて、次のような効果が
期待できる。
【0027】・溝72内に入った加工液(スラリ52)
は芯金60の外周に沿ってその溝72内を流れ、その溝
72内から芯金60の内部を直接冷却することができる
ので、表面だけでなく、内部を効率的に冷やすことがで
きる。
は芯金60の外周に沿ってその溝72内を流れ、その溝
72内から芯金60の内部を直接冷却することができる
ので、表面だけでなく、内部を効率的に冷やすことがで
きる。
【0028】・冷却用の通路として溝72を芯金60の
外周に設けているので、冷却用の通路を簡単に形成する
ことができる。これにより、構造を複雑にすること無
く、簡単な構造で、加工用ローラ15,16,17側に
発生する熱を抑えて熱変動を無くし、加工精度の良いワ
イヤソーを実現することができる。
外周に設けているので、冷却用の通路を簡単に形成する
ことができる。これにより、構造を複雑にすること無
く、簡単な構造で、加工用ローラ15,16,17側に
発生する熱を抑えて熱変動を無くし、加工精度の良いワ
イヤソーを実現することができる。
【0029】なお、上記実施の形態は以下のように変更
してもよい。 ・第1の実施の形態において、通路の数は少なくとも1
つあれば幾つでも良く、通路の数を適宜変更すること。
してもよい。 ・第1の実施の形態において、通路の数は少なくとも1
つあれば幾つでも良く、通路の数を適宜変更すること。
【0030】・第2の実施の形態において、冷却用の溝
の数は、1つ以上であれば幾つでも良く、また必ずしも
1周が連続していなくてもよい。 ・第2の実施の形態において、冷却用の通路71を設け
ずに、溝72のみを設けた構造とすること。
の数は、1つ以上であれば幾つでも良く、また必ずしも
1周が連続していなくてもよい。 ・第2の実施の形態において、冷却用の通路71を設け
ずに、溝72のみを設けた構造とすること。
【0031】・上記各実施の形態において、通路をスピ
ンドル側に設けるようにすること。
ンドル側に設けるようにすること。
【図1】本発明の第1の実施形態のワイヤソーを示す正
面図。
面図。
【図2】ワイヤソーにおける要部の断面図。
【図3】図2における3−3線断面図。
【図4】本発明の第2の実施形態のワイヤソーの要部の
一部破断断面図。
一部破断断面図。
15,16,17…加工用ローラ、18…ワイヤ、18
A…ワイヤ列、22…ワーク、30,31…スピンド
ル、52…加工液としてのスラリ、60…芯金、62…
円筒体としてのスリーブ、71…通路、71a…開口、
72…溝。
A…ワイヤ列、22…ワーク、30,31…スピンド
ル、52…加工液としてのスラリ、60…芯金、62…
円筒体としてのスリーブ、71…通路、71a…開口、
72…溝。
Claims (6)
- 【請求項1】 複数の加工用ローラ間にワイヤを周回さ
せてワイヤ列を形成し、加工用ローラの回転によりワイ
ヤ列を走行させるとともに、ワイヤ列にワークを押付け
ながら、ワイヤとワークとの間に加工液を供給すること
により、ワークをウェーハ状に切断するワイヤソーにお
いて、 前記ローラと、そのローラを支持するスピンドルとの連
結部の外周に前記加工液が通る通路を設けたことを特徴
とするワイヤソー。 - 【請求項2】 前記通路をローラに設けた請求項1に記
載のワイヤソー。 - 【請求項3】 前記通路をスピンドルに設けた請求項1
または2に記載のワイヤソー。 - 【請求項4】 前記ローラに前記通路をローラの弦の方
向に設け、少なくとも一端を開口した孔により前記通路
を構成した請求項1〜3のいずれかに記載のワイヤソ
ー。 - 【請求項5】 前記通路をローラの外周に環状に形成し
た溝により構成した請求項1〜3のいずれかに記載のワ
イヤソー。 - 【請求項6】 前記ローラを芯金と、その芯金に外嵌さ
れたワイヤ保持用の溝を有する円筒体とを備え、前記通
路を芯金に設けた請求項2、請求項4又は請求項5の何
れかに記載のワイヤソー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000273814A JP2002086339A (ja) | 2000-09-08 | 2000-09-08 | ワイヤソー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000273814A JP2002086339A (ja) | 2000-09-08 | 2000-09-08 | ワイヤソー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002086339A true JP2002086339A (ja) | 2002-03-26 |
Family
ID=18759683
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000273814A Pending JP2002086339A (ja) | 2000-09-08 | 2000-09-08 | ワイヤソー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002086339A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102689368A (zh) * | 2011-03-23 | 2012-09-26 | 硅电子股份公司 | 由工件切分晶圆的方法 |
CN102689369A (zh) * | 2011-03-23 | 2012-09-26 | 硅电子股份公司 | 由工件切分晶圆的方法 |
CN103586987A (zh) * | 2013-11-05 | 2014-02-19 | 中国电子科技集团公司第四十五研究所 | 温控轴辊 |
CN104690840A (zh) * | 2013-12-06 | 2015-06-10 | 硅电子股份公司 | 借助线锯从工件切分出晶片的方法 |
-
2000
- 2000-09-08 JP JP2000273814A patent/JP2002086339A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012200861A (ja) * | 2011-03-23 | 2012-10-22 | Siltronic Ag | 加工物からウェハをスライスする方法 |
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US9073135B2 (en) | 2011-03-23 | 2015-07-07 | Siltronic Ag | Method for slicing wafers from a workpiece |
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