JP3571543B2 - ワイヤソーのガイドローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤソーに回転可能に設けられるワイヤ案内用のガイドローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体インゴットからウェハを切り出す手段等として、ワイヤソーが知られている。このワイヤソーでは、切断用ワイヤが多数本並んだ状態で張設され、かつその軸方向に高速駆動された状態で、この軸方向と直交する方向に上記半導体インゴット等からなるワークが切断送りされることにより、このワークから多数枚の薄片が同時に切り出される。
【0003】
このワイヤソーには、ワイヤが嵌入される多数のガイド溝をもった多溝ローラ(ガイドローラ)が設けられるが、このガイドローラの支持構造としては、例えば特開平5−154831号公報に示されるように、ガイドローラの撓みを抑制すべく両端支持構造とし、かつ、ガイドローラの交換等が容易にできるようにガイドローラを脱着可能にしたものが従来から知られている。
【0004】
しかし、この構造では、ガイドローラの交換の際、当該ガイドローラ全体を支持装置から一旦取り外さなければならないため、その作業は非常に大掛かりで面倒となる。そこで近年は、上記ガイドローラを内側ローラと外側ローラとに分割するとともに、外側ローラを周方向に分割し、内側ローラはワイヤソーの支持装置に装着したまま外側ローラのみを交換できるようにしたものが開発されるに至っている(例えば特開平9−216222号公報)。
【0005】
その構造の概略を図8に示す。図示のガイドローラ2は、円筒状の内側ローラ4と、その外側に装着される外側ローラ6とを備え、外側ローラ6は周方向に複数(図例では3つ)に分割されている。外側ローラ6の表面には、周方向に延びる多数本のガイド溝9が軸方向に並べて形成されている。各外側ローラ6の周方向両端部7はその中間部に比べて軸方向全域に亘り一段径方向内側に凹んでおり、この部分にボルト挿通孔8が設けられている。そして、このボルト挿通孔8にボルトを挿通して内側ローラ4側のねじ孔に螺合し、締め付けることにより、外側ローラ6が内側ローラ4にねじ止めされている。また、ガイド溝9に沿ってガイドローラ2に巻かれた切断用ワイヤは、各ボルト8の頭部の上を走るようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記図8に示した構造では、外側ローラ6を内側ローラ4に固定するために、外側ローラ6の周方向端部7を軸方向全域に亘って凹ませているため、この部分ではすべてのワイヤがガイド溝9に案内されずに宙に浮いた状態にある。従って、ワイヤが安定した状態で案内されず、最悪の場合にはワイヤにいわゆる飛びが発生するおそれがある。
【0007】
このような不都合を避ける手段として、ワイヤのガイド溝9が存在しないローラ軸方向端部にのみボルト挿通孔8を設け、この部分でのみボルト締めをすることが考えられるが、このような構造では外側ローラ6の安定した固定はできない。
【0008】
また、図8の構造では、外側ローラ6の周方向端部のみボルト固定するようにしているが、この状態でガイドローラ全体が高速回転すると、その遠心力で外側ローラ6の周方向中間部が径方向外側に膨らむおそれがある。従って、この部分をワイヤのガイドに悪影響を与えず固定することも重要な課題となっている。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み、十分なワイヤ案内機能を確保しながら、内側ローラに対する外側ローラの安定した固定ができるワイヤソーのガイドローラを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、ワイヤソーに回転可能に設けられ、切断用ワイヤを案内するガイド溝を外周面に有するワイヤソーのガイドローラにおいて、回転可能に支持される内側ローラと、この内側ローラの外周面上に固定され、ローラ回転周方向に分割された外側ローラとを備え、この外側ローラの表面に上記ガイド溝を設けるとともに、上記外側ローラにおいて上記ガイド溝が形成されている領域に複数のボルト挿通孔を設け、上記内側ローラに上記ボルト挿通孔に挿通されたボルトが螺合されるねじ孔を設け、このねじ孔にボルトが螺合した状態で当該ボルトが外側ローラの外周面よりも径方向内側に没入するようにし、このボルトの上を切断用ワイヤが走るように構成したものである。
【0011】
この構成によれば、切断用ワイヤがガイド溝に案内されない領域は、各ボルト挿通孔におけるボルト上方の僅かな部分のみであるため、全体としてワイヤは安定した状態で案内されることになる。そして、上記ボルト挿通孔の位置を適宜設定することにより、外側ローラの安定した固定をすることができる。例えば、外側ローラの周方向中間部にボルト挿通孔を設けることも可能であり、これにより、外側ローラの周方向中間部が遠心力で径方向外側に膨らむといった不都合を回避することが可能になる。
また、互いに周方向に隣接するボルト挿通孔の位置をローラ軸方向にずらせば、1本のワイヤが長い領域に亘って連続して非案内状態となるのを回避し、より安定したワイヤの案内をすることが可能になる。
【0012】
また、上記ガイド溝が形成されている領域については、互いにローラ周方向に180°離間しているボルト挿通孔のみローラ軸方向の位置を合致させることにより、ローラ回転時のバランスを良好に保つ一方、それ以外のボルト挿通孔同士はローラ軸方向の位置を相互ずらすといったことも可能になる。
【0013】
上記構造では、上記ボルト挿通孔とねじ孔とが合致するように上記内側ローラに対する各外側ローラの相対位置をローラ回転周方向に位置決めする周方向位置決め手段を設けることにより、各ボルト挿通孔とねじ孔とを合致させる作業が楽になり、作業能率がさらに高まる。
【0014】
また、各外側ローラの表面に合成樹脂層を形成し、この合成樹脂層にガイド溝を形成する場合、この合成樹脂層はローラ駆動時の発熱で膨張しやすく、これにより合成樹脂層の周方向端部同士が突き合わさって盛り上がってしまうおそれがあるが、予め、互いに突合わされる合成樹脂層の周方向端部における少なくとも径方向外側部分同士を周方向に離間させておけば、合成樹脂層の熱膨張を吸収して上記盛り上がりを事前に防ぐことが可能になる。
【0015】
この場合、合成樹脂層の径方向内側端部は、外側ローラの外周面に固定されていて熱膨張による周方向の変位はほとんど生じないので、各外側ローラの合成樹脂層の周方向端部を径方向外側に向かうに従って広がるテーパー面とすることにより、実際の合成樹脂層の変位分布に見合った形状とすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる実施の形態を図1〜図7に示す。
【0017】
図1に示すワイヤソーは、一対のワイヤ繰出し・巻取り装置10A,10B、ガイドプーリ12A,12B、ガイドプーリ14A,14B、ガイドプーリ16A,16B、ワイヤ張力調節装置18A,18B、ガイドプーリ22A,22B、及び4つのガイドローラ24A,24B,26A,26Bを備えている。ガイドローラ24A,24Bは互いに同じ高さ位置に配され、ガイドローラ26A,26Bはそれぞれガイドローラ24A,24Bの下方の位置に配されており、ガイドローラ26Aが駆動モータ25によって回転駆動されるようになっている。
【0018】
各ワイヤ繰出し・巻取り装置10A,10Bは、切断用のワイヤWが巻かれるボビン9A,9Bと、これを回転駆動するボビン駆動モータ11A,11Bとを備えている。一方のワイヤ繰出し・巻取り装置10Aのボビン9Aから繰り出されたワイヤWは、ガイドプーリ12A,14A,16A、ワイヤ張力調節装置18Aのプーリ20A、及びガイドプーリ22Aの順に掛けられ、さらにガイドローラ24A,24B,26B,26Aの外周面のガイド溝43に嵌め込まれながらこれらガイドローラの外側に多数回巻回された後、ガイドプーリ22B、ワイヤ張力調節装置18Bのプーリ20B、ガイドプーリ16B,14B,12Bの順に掛けられ、他方のワイヤ繰出し・巻取り装置10Bのボビン9Bに巻き取られており、両ワイヤ張力調節装置18A,18BによってワイヤWに適当な張力が与えられている。そして、駆動モータ25によるガイドローラ26Aの回転駆動方向と、各ボビン駆動モータ11A,11Bによるボビン9A,9Bの回転駆動方向が正逆に切換えられることにより、ワイヤWがボビン9Aから繰り出されてボビン9Bに巻き取られる状態と、ワイヤWがボビン9Bから繰り出されてボビン9Aに巻き取られる状態とに切換えられるようになっている。
【0019】
すなわち、このワイヤソーにおいては、ガイドローラ24A,24Bの間に多数本のワイヤWが互いに平行な状態で張られながらその軸方向に往復駆動されるようになっている。
【0020】
このガイドローラ24A,24B間に張られたワイヤWの上方には、円柱状のワーク(例えば半導体インゴット)28を移動させるワーク送り装置30が設けられている。このワーク送り装置30は、ワーク保持部32と、ワーク送りモータ34とを備えている。ワーク保持部32は、上記ワーク28をその軸方向とワイヤ並び方向とが合致する向きに保持するものであり、ワーク送りモータ34は、図略のボールネジとの組み合わせにより、上記ワーク保持部32とワーク28とを一体に昇降させる(すなわち切断送りする)ものである。
【0021】
ガイドローラ24A,24B間に張られたワイヤWの上方において、ワーク28の左右両側の位置には、砥粒供給装置36A,36Bが設けられている。これらの砥粒供給装置36A,36Bは、高速駆動される各ワイヤWに対し、加工用砥粒が混合された加工液(スラリー)を同時供給し、ワイヤWの表面に付着させるものである。
【0022】
従って、このワイヤソーでは、ガイドローラ24A,24B間に張られた多数本のワイヤWがその長手方向に同時高速駆動され、かつこれらのワイヤWに砥粒供給装置36A,36Bからスラリーが供給されながら、上記ワイヤWに対してワーク28が下方に切断送りされることにより、このワーク28から一度に多数枚のウェハが同時に切り出される。
【0023】
次に、ガイドローラ24A,24B,26A,26Bの構造を説明する。この実施の形態では、これらガイドローラ24A,24B,26A,26Bの構造がすべて同等であるため、以下、ガイドローラ24Aを例にとって説明する。
【0024】
図2(b)に示すように、ワイヤソーの前後(同図では左右)にはガイドローラ支持壁38が立設され、これら支持壁38に、前後方向に延びるローラ支持軸40の前後両端部が固定されている。そして、このローラ支持軸40の周囲に軸受42を介して図3にも示すような円筒状の内側ローラ44が回転可能に支持されている。
【0025】
なお、この内側ローラ44とローラ支持軸40とを一体とし、このローラ支持軸40を支持壁38に回転可能に支持するようにしてもよい。
【0026】
この内側ローラ44の軸方向中間部には、その全周に亘って他の部分よりも大径の鍔部(凸部)46が形成されている。
【0027】
上記内側ローラ44の周囲には、周方向に複数(図例では2つ)に分割された外側ローラ48A,48Bが固定されている。外側ローラ48A,48Bは半円状の断面を有し、その本体は金属等の比較的硬い材料で形成されているのに対し、その表面にはポリウレタン等の柔らかい合成樹脂からなる合成樹脂層50A,50Bが被着されている。
【0028】
その内周面には上記鍔部46が遊嵌される凹溝(凹部)52が形成されている。そして、図4にも示されるように、凹溝52の前端面(同図では左側面)と鍔部46の前端面とが当接した位置が内側ローラ44に対する外側ローラ48A,48Bの正規の固定位置となるように、鍔部46及び凹溝52の形成位置が設定されている。すなわち、上記凹溝52及び鍔部46の前端面同士の当接によって、外側ローラ48A,48Bの固定位置が軸方向に位置決めされるようになっている。
【0029】
鍔部46上の適所には、径方向外側に突出するピン(突起)54が固定されている。一方、外側ローラ48Aにおける凹溝52の内周面には、上記ピン54が嵌入可能な軸方向の長孔56が形成されており、この長孔56に上記ピン54が嵌入されることにより、内側ローラ44に対する外側ローラ48Aの相対位置が周方向に位置決めされ、ひいては外側ローラ48Bも周方向に位置決めされるようになっている。
【0030】
次に、内側ローラ44に対する外側ローラ48A,48Bの固定構造を説明する。
【0031】
図5は、両外側ローラ48A,48Bの展開図である。同図に示すように、各外側ローラ48A,48Bには、多数のボルト挿通孔60が設けられている。ここで、外側ローラ48A,48Bの周方向(図5では上下方向)についてみると、その両端部61には一列、中間部62には二列に亘ってボルト挿通孔60が設けられている。また、外側ローラ48A,48Bの軸方向(図5では左右方向)についてみると、その両端部63では一直線上に並べてボルト挿通孔60が設けられているのに対し、中間部64では周方向に隣接するボルト挿通孔60同士の位置が軸方向にずらして設けられている。さらに、互いに周方向に180゜離間するボルト挿通孔60については、その軸方向の位置が合わせられている。このレイアウトは、ローラ回転時のバランスを良好に保つべく、ローラ回転軸心と重心とをなるべく合致させるように配慮したものである。
【0032】
図6は、各ボルト挿通孔60の詳細を示したものである。同図に示すように、各ボルト挿通孔60は、ボルト58の軸部58aが挿通される小径部60aと、ボルト58の頭部58bが嵌入される大径部60bとを連続して有している。
【0033】
これに対して内側ローラ44には、この内側ローラ44に対して外側ローラ48A,48Bが軸方向及び周方向に位置決めされた状態(すなわち、図4(a)〜(c)に示すように鍔部46の前端面と凹部52の前端面とが軸方向に当接し、かつ、鍔部46のピン54が凹部52の長孔56に嵌入された状態)で、各ボルト挿通孔60の真下となる位置に、それぞれねじ孔68が設けられており、上記ボルト挿通孔60に挿通されたボルト58がねじ孔68に螺合され、締め付けられることにより、内側ローラ44の表面に外側ローラ48A,48Bが固定されるようになっている。そして、この状態でボルト58の頭部58Bが外側ローラ48A,48Bの表面から径方向内側に没入するように、ボルト挿通孔60の形状が設定されている。
【0034】
外側ローラ48A,48Bの軸方向中間部64においては、その表面の合成樹脂層50A,50Bに、周方向に延びる多数本のガイド溝66が軸方向に並べて形成されている(図6(b))。そして、これらガイド溝66に切断用ワイヤWがはめ込まれながら当該ワイヤWがガイドローラ24Aの表面に掛けられるとともに、ボルト挿通孔60が設けられている位置においては、ボルト頭部58bの上をワイヤWが走るようになっている。
【0035】
図7(a)は、両外側ローラ48A,48Bの周方向端部同士の突合わせ部分の構造を示したものである。図示のように、外側ローラ48A,48Bの周方向端部においては、合成樹脂層50A,50Bの端部にV字状の切り込みが施されて径方向外側に向かって広がるテーパー面50a,50bが形成されている。すなわち、合成樹脂層50A,50Bの径方向内側部分は互いに突合わされているのに対し、外側部分は周方向に相互離間した状態となっている。このため、ローラ使用時の発熱で合成樹脂層50A,50Bの径方向外側部分が周方向に熱膨張しても、これに起因して合成樹脂層50A,50Bの端部同士が突き合わさって盛り上がってしまう不都合が未然に回避されるようになっている。
【0036】
なお、この熱膨張の吸収を行うには、同図(b)に示すように合成樹脂層50A,50Bの端部同士を径方向全域に亘って離間させ、隙間51を確保するようにしてもよい。ただし、合成樹脂層50A,50Bの内側面は外側ローラ48A,48Bの本体外周面に接着等で固定されており、ほとんど周方向には変位しないので、図7(a)に示すような形状にすることにより、実際の合成樹脂層50A,50Bの変位分布に見合った形状を実現することができる。
【0037】
以上説明したガイドローラ24Aの構造によれば、ボルト挿通孔60内に外側ローラ固定用のボルト58を没入させ、その上に切断用ワイヤWを走らせるようにしているので、ワイヤWがガイドされない部分はボルト58の頭部上方のみとなる。従って、ワイヤWが広い領域に亘ってガイドされなくなる不都合を避け、これに起因するワイヤ飛びを防ぎながら、外側ローラ48A,48Bの安定した固定を行うことができる。例えば、図示のように外側ローラ48A,48Bの周方向中間部62にもボルト挿通孔60及びボルト58を設けることが可能であり、これにより、外側ローラ48A,48Bの周方向中間部62が遠心力で径方向外側に膨らむといった不都合を未然に回避することが可能になる。
特に、この実施の形態のように、互いに周方向に隣接するボルト挿通孔60の位置をローラ軸方向にずらすことにより、ワイヤWが連続して不案内状態になることを避け、より安定したワイヤWの案内をすることが可能になる。
【0038】
また、この実施の形態では、ガイド溝66が形成されている領域において、互いに180゜離間しているボルト挿通孔60はその軸方向位置を合わせて回転バランスをとる一方、それ以外の相対位置関係にあるボルト挿通孔60同士はローラ軸方向に位置をずらすことによって、1本のワイヤWが1周当たりにガイドされなくなる領域長さの最大値を必要最小限に抑えることが可能となっている。
【0039】
さらに、この実施の形態では、ピン54と長孔56との嵌合により、外側ローラ48A,48Bの回転周方向の位置決めができるため、これにより、簡単な作業で各ボルト挿通孔60とねじ孔58との位置合わせをすることができ、作業効率を大幅に向上させることができる。この効果は、図示のように鍔部46と凹部52との係合によって軸方向の位置決めを行う構造とすることによって、さらに有効となる。
【0040】
なお、本発明は、ワイヤソーに設けられた全てのガイドローラの支持に適用する必要はなく、少なくとも1つのガイドローラについて適用することにより、 従来ローラよりも優れた効果を得ることができるものである。
【0041】
また、本発明においてボルト挿通孔の具体的な個数や配置は問わず、適宜設定すればよい。そして、その個数や配置に合わせてねじ孔の個数や配置も決めればよい。
【0042】
また、本発明は、スラリーを利用した砥粒式のワイヤソーに限らず、例えば導電性ワークとワイヤとの間に電圧を与えてワークを放電加工する放電式のワイヤソー(例えば特開平9−248719号公報)におけるガイドローラにも上記と同様に適用できるものである。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明は、周方向に分割された外側ローラにおいて上記ガイド溝が形成されている領域に複数のボルト挿通孔を設け、このボルト挿通孔に挿通されたボルトが内側ローラのねじ孔に螺合された状態で当該ボルトが外側ローラの外周面よりも径方向内側に没入するようにし、このボルトの上を切断用ワイヤが走るように構成したものであるので、十分なワイヤ案内機能を確保しながら、内側ローラに対する外側ローラの安定した固定ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるワイヤソーの全体構成図である。
【図2】(a)は(b)のA−A線断面図、(b)は上記ワイヤソーにおけるガイドローラの一部断面側面図である。
【図3】上記ガイドローラの分解斜視図である。
【図4】(a)は(b)のD−D線断面図、(b)は図2(b)のB部の拡大断面図、(c)は(b)のC−C線断面図である。
【図5】上記ガイドローラにおける外側ローラの展開図である。
【図6】(a)は上記ガイドローラにおけるボルト固定部分の拡大平面図、(b)は(a)のE−E線断面図である。
【図7】(a)は外側ローラの突合わせ構造を示す断面正面図、(b)はその変形例を示す断面正面図である。
【図8】従来のガイドローラの一例を示す断面斜視図である。
【符号の説明】
24A,24B,26A,26B ガイドローラ
28 ワーク
44 内側ローラ
48A,48B 外側ローラ
54 ピン
56 長孔
58 ボルト
60 ボルト挿通孔
66 ガイド溝
68 ねじ孔
W ワイヤ
Claims (7)
- ワイヤソーに回転可能に設けられ、切断用ワイヤを案内するガイド溝を外周面に有するワイヤソーのガイドローラにおいて、回転可能に支持される内側ローラと、この内側ローラの外周面上に固定され、ローラ回転周方向に分割された外側ローラとを備え、この外側ローラの表面に上記ガイド溝を設けるとともに、上記外側ローラにおいて上記ガイド溝が形成されている領域に複数のボルト挿通孔を設け、上記内側ローラに上記ボルト挿通孔に挿通されたボルトが螺合されるねじ孔を設け、このねじ孔にボルトが螺合した状態で当該ボルトが外側ローラの外周面よりも径方向内側に没入するようにし、このボルトの上を切断用ワイヤが走るように構成したことを特徴とするワイヤソーのガイドローラ。
- 請求項1記載のワイヤソーのガイドローラにおいて、互いに周方向に隣接するボルト挿通孔の位置をローラ軸方向にずらしたことを特徴とするワイヤソーのガイドローラ。
- 請求項2記載のワイヤソーのガイドローラにおいて、上記ガイド溝が形成されている領域については、互いにローラ周方向に180°離間しているボルト挿通孔のみローラ軸方向の位置を合致させ、それ以外のボルト挿通孔同士はローラ軸方向の位置を相互ずらすようにしたことを特徴とするワイヤソーのガイドローラ。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のワイヤソーのガイドローラにおいて、上記ボルト挿通孔を外側ローラの周方向両端部以外の中間部に設けたことを特徴とするワイヤソーのガイドローラ。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のワイヤソーのガイドローラにおいて、上記ボルト挿通孔とねじ孔とが合致するように上記内側ローラに対する各外側ローラの相対位置をローラ回転周方向に位置決めする周方向位置決め手段を設けたことを特徴とするワイヤソーのガイドローラ。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のワイヤソーのガイドローラにおいて、各外側ローラの表面に合成樹脂層を形成し、この合成樹脂層にガイド溝を形成するとともに、互いに突合わされる合成樹脂層の周方向端部における少なくとも径方向外側部分同士を周方向に離間させたことを特徴とするワイヤソーのガイドローラ。
- 請求項6記載のワイヤソーのガイドローラにおいて、各外側ローラの合成樹脂層の周方向端部を径方向外側に向かうに従って広がるテーパー面としたことを特徴とするワイヤソーのガイドローラ。
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