JPH11221749A - ワイヤーソー切断方法及び装置 - Google Patents
ワイヤーソー切断方法及び装置Info
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- JPH11221749A JPH11221749A JP10026976A JP2697698A JPH11221749A JP H11221749 A JPH11221749 A JP H11221749A JP 10026976 A JP10026976 A JP 10026976A JP 2697698 A JP2697698 A JP 2697698A JP H11221749 A JPH11221749 A JP H11221749A
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- ingot
- cutting
- saw cutting
- cut
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B28—WORKING CEMENT, CLAY, OR STONE
- B28D—WORKING STONE OR STONE-LIKE MATERIALS
- B28D5/00—Fine working of gems, jewels, crystals, e.g. of semiconductor material; apparatus or devices therefor
- B28D5/0058—Accessories specially adapted for use with machines for fine working of gems, jewels, crystals, e.g. of semiconductor material
- B28D5/007—Use, recovery or regeneration of abrasive mediums
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/10—Greenhouse gas [GHG] capture, material saving, heat recovery or other energy efficient measures, e.g. motor control, characterised by manufacturing processes, e.g. for rolling metal or metal working
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- Engineering & Computer Science (AREA)
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- Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
- Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ウェーハ切断面にウネリを発生させるワイヤ
の偏摩耗を抑え、良好な形状をもつウェーハをインゴッ
トから切り出す。 【構成】 インゴット9を挟んで平行配置されたグルー
ブローラ1〜3間にワイヤ5を螺旋状に周回させ、一方
向又は双方向に走行するワイヤ5にスラリー11を供給
しながらインゴット9をスライスする際、リール6から
送り出されたワイヤ5がインゴット9に至るまでの間
で、断面円周方向に関するネジレをワイヤ5に与える。
ワイヤ5に付与するネジレ量やネジレ方向は、ワイヤの
走行速度,走行方向等に応じて調整する。 【効果】 ネジリが与えられたワイヤ5は、インゴット
9の切断中に断面円周方向に回転するため、表面一部の
みが摩耗を受けることがなく、円周方向全域がインゴッ
ト9の切断に使用される。そのため、ワイヤ5の直進性
が確保され、ウェーハ切断面に発生しがちなウネリがな
くなる。
の偏摩耗を抑え、良好な形状をもつウェーハをインゴッ
トから切り出す。 【構成】 インゴット9を挟んで平行配置されたグルー
ブローラ1〜3間にワイヤ5を螺旋状に周回させ、一方
向又は双方向に走行するワイヤ5にスラリー11を供給
しながらインゴット9をスライスする際、リール6から
送り出されたワイヤ5がインゴット9に至るまでの間
で、断面円周方向に関するネジレをワイヤ5に与える。
ワイヤ5に付与するネジレ量やネジレ方向は、ワイヤの
走行速度,走行方向等に応じて調整する。 【効果】 ネジリが与えられたワイヤ5は、インゴット
9の切断中に断面円周方向に回転するため、表面一部の
みが摩耗を受けることがなく、円周方向全域がインゴッ
ト9の切断に使用される。そのため、ワイヤ5の直進性
が確保され、ウェーハ切断面に発生しがちなウネリがな
くなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤの偏摩耗を抑
え、形状精度の良好なウェーハをインゴットから切り出
すワイヤソー切断方法及び装置に関する。
え、形状精度の良好なウェーハをインゴットから切り出
すワイヤソー切断方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】引上げ法等で製造したインゴットは、ト
ップ及びテールを切断分離した後、外径研削,オリエン
テーションフラット加工等の工程を経て所定厚みのウェ
ーハにスライスされる。スライシングには、内周刃を備
えたスライサーが知られているが、最近ではウェーハの
大径化に伴ってピアノ線等のワイヤソーによる切断が採
用されるようになってきた。ワイヤソー切断装置は、図
1に示すように3本のグルーブローラ1〜3を備えてお
り、そのうちの1本が駆動モータ4に連結されている。
グルーブローラ1〜3を周回するワイヤ5は、一方のワ
イヤリール6から巻き出され、他方のワイヤリール7に
巻き取られる一方向方式と、ワイヤリール6と7とを往
復しながら次第に一方のリール7に巻き取られる往復走
行方式がある。ワイヤ5には、引っ張られた状態でロー
ラ1〜3を周回するようにテンショナー8で張力が付与
される。
ップ及びテールを切断分離した後、外径研削,オリエン
テーションフラット加工等の工程を経て所定厚みのウェ
ーハにスライスされる。スライシングには、内周刃を備
えたスライサーが知られているが、最近ではウェーハの
大径化に伴ってピアノ線等のワイヤソーによる切断が採
用されるようになってきた。ワイヤソー切断装置は、図
1に示すように3本のグルーブローラ1〜3を備えてお
り、そのうちの1本が駆動モータ4に連結されている。
グルーブローラ1〜3を周回するワイヤ5は、一方のワ
イヤリール6から巻き出され、他方のワイヤリール7に
巻き取られる一方向方式と、ワイヤリール6と7とを往
復しながら次第に一方のリール7に巻き取られる往復走
行方式がある。ワイヤ5には、引っ張られた状態でロー
ラ1〜3を周回するようにテンショナー8で張力が付与
される。
【0003】スライスされるインゴット9は、ホルダ1
0に把持されてグルーブローラ1と2の間に配置され、
ワイヤ5により複数のウェーハにスライスされる。この
とき、スライシング作業を効率よく行わせるため、砥粒
を含むスラリー11がワイヤ5に供給される。スラリー
11は、スラリータンク12から供給管13を経てノズ
ル14からワイヤ5に供給された後、パン15で回収さ
れ、スラリータンク12に返送される。また、スラリー
11を冷却するため、熱交換器16とスラリータンク1
2との間でスラリー11を循環させる。グルーブローラ
1〜3は、周面に所定ピッチで溝が刻設されており、溝
内にワイヤ5が入り込む。そのため、インゴット9の両
側に位置するグルーブローラ1〜2の間では、溝ピッチ
に対応したピッチでワイヤ5が走行する。このピッチに
対応する厚みでウェーハがインゴット9から切り出され
る。
0に把持されてグルーブローラ1と2の間に配置され、
ワイヤ5により複数のウェーハにスライスされる。この
とき、スライシング作業を効率よく行わせるため、砥粒
を含むスラリー11がワイヤ5に供給される。スラリー
11は、スラリータンク12から供給管13を経てノズ
ル14からワイヤ5に供給された後、パン15で回収さ
れ、スラリータンク12に返送される。また、スラリー
11を冷却するため、熱交換器16とスラリータンク1
2との間でスラリー11を循環させる。グルーブローラ
1〜3は、周面に所定ピッチで溝が刻設されており、溝
内にワイヤ5が入り込む。そのため、インゴット9の両
側に位置するグルーブローラ1〜2の間では、溝ピッチ
に対応したピッチでワイヤ5が走行する。このピッチに
対応する厚みでウェーハがインゴット9から切り出され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ワイヤソー切断でイン
ゴット9から切り出されたウェーハの切断面には、ウネ
リ等の形状不良が発生し易い。形状不良の発生原因には
インゴット9の送り機構の精度,グルーブローラ1〜3
の熱膨張,研磨剤の不均一な作用等が掲げられるが、ワ
イヤの断面形状がウェーハ切断面に最も大きな影響を及
ぼす。そのため、ウェーハ切断面に形状不良を起こさな
いように真円に近い断面形状をもつワイヤが使用されて
いる。しかし、インゴットの切断中にワイヤ5が偏摩耗
すると真円形状が崩れ、ウェーハ切断面にウネリが発生
し始める。ワイヤ5の偏摩耗によってウネリが発生する
メカニズムは、次のように考えられている。図2に示す
ように、ワイヤ5がインゴットの切断溝17に嵌り込
み、砥粒18を送り込みながらインゴット9を切断する
場合、図示するような分布をもつ切断抵抗Rがインゴッ
ト9からワイヤ5の周面に作用する。切断抵抗Rにより
切断抵抗合力Pが得られるが、ワイヤ5が偏摩耗してい
る場合、切断抵抗Rの分布がY軸対称にならず、Y軸に
直交する方向(図2ではX軸)に沿った分力δPを発生
させる。
ゴット9から切り出されたウェーハの切断面には、ウネ
リ等の形状不良が発生し易い。形状不良の発生原因には
インゴット9の送り機構の精度,グルーブローラ1〜3
の熱膨張,研磨剤の不均一な作用等が掲げられるが、ワ
イヤの断面形状がウェーハ切断面に最も大きな影響を及
ぼす。そのため、ウェーハ切断面に形状不良を起こさな
いように真円に近い断面形状をもつワイヤが使用されて
いる。しかし、インゴットの切断中にワイヤ5が偏摩耗
すると真円形状が崩れ、ウェーハ切断面にウネリが発生
し始める。ワイヤ5の偏摩耗によってウネリが発生する
メカニズムは、次のように考えられている。図2に示す
ように、ワイヤ5がインゴットの切断溝17に嵌り込
み、砥粒18を送り込みながらインゴット9を切断する
場合、図示するような分布をもつ切断抵抗Rがインゴッ
ト9からワイヤ5の周面に作用する。切断抵抗Rにより
切断抵抗合力Pが得られるが、ワイヤ5が偏摩耗してい
る場合、切断抵抗Rの分布がY軸対称にならず、Y軸に
直交する方向(図2ではX軸)に沿った分力δPを発生
させる。
【0005】分力δPは、ワイヤ5の直進性に悪影響を
及ぼし、走行方向に対して直交する方向にワイヤ5にブ
レを発生させる力として働く。そのため、インゴット9
を切断しているワイヤ5は、図3(a)に示すように走
行方向Dに垂直な方向D1 に変位し易くなる。この状態
で、インゴット9を送り方向D2 に沿って送りながらワ
イヤ5で切断すると、ワイヤ5が垂直方向D1 に振れな
がらインゴット9を切断することになる。その結果、図
3(b)に示すようにワイヤ5のブレを反映したウネリ
19がウェーハの切断面に現れる。本発明は、このよう
な問題を解消すべく案出されたものであり、ネジレを与
えたワイヤでインゴットを切断することにより、ワイヤ
の偏摩耗を抑え、形状精度の良好なウェーハをインゴッ
トから切り出すことを目的とする。
及ぼし、走行方向に対して直交する方向にワイヤ5にブ
レを発生させる力として働く。そのため、インゴット9
を切断しているワイヤ5は、図3(a)に示すように走
行方向Dに垂直な方向D1 に変位し易くなる。この状態
で、インゴット9を送り方向D2 に沿って送りながらワ
イヤ5で切断すると、ワイヤ5が垂直方向D1 に振れな
がらインゴット9を切断することになる。その結果、図
3(b)に示すようにワイヤ5のブレを反映したウネリ
19がウェーハの切断面に現れる。本発明は、このよう
な問題を解消すべく案出されたものであり、ネジレを与
えたワイヤでインゴットを切断することにより、ワイヤ
の偏摩耗を抑え、形状精度の良好なウェーハをインゴッ
トから切り出すことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、その目的を達
成するため、インゴットを挟んで平行配置されたグルー
ブローラ間にワイヤを螺旋状に周回させ、一方向又は双
方向に走行するワイヤにスラリーを供給しながらインゴ
ットをスライスする際、リールから送り出されたワイヤ
がインゴットに至るまでの間で、断面円周方向に関する
ネジレをワイヤに与えることを特徴とする。ワイヤに付
与するネジレ量やネジレ方向は、ワイヤの走行速度,走
行方向等に応じて調整することが好ましい。ワイヤにネ
ジレを付与する機構は、リールから送りだされたワイヤ
がインゴットに達するまでのワイヤ走行路の途中に配置
されている。ネジレ付与機構としては、たとえばワイヤ
走行路を中心として回転可能なリングガイドと、周面が
ワイヤ走行路に接し、シャフトがリングガイドに軸支さ
れたガイドローラとを備えたものが使用される。ガイド
ローラの周面には、ガイドローラの周面を少なくとも一
回り以上周回してワイヤを通過させる螺旋溝が刻設され
ており、リングガイドの回転によって所定のネジレがワ
イヤに付与される。
成するため、インゴットを挟んで平行配置されたグルー
ブローラ間にワイヤを螺旋状に周回させ、一方向又は双
方向に走行するワイヤにスラリーを供給しながらインゴ
ットをスライスする際、リールから送り出されたワイヤ
がインゴットに至るまでの間で、断面円周方向に関する
ネジレをワイヤに与えることを特徴とする。ワイヤに付
与するネジレ量やネジレ方向は、ワイヤの走行速度,走
行方向等に応じて調整することが好ましい。ワイヤにネ
ジレを付与する機構は、リールから送りだされたワイヤ
がインゴットに達するまでのワイヤ走行路の途中に配置
されている。ネジレ付与機構としては、たとえばワイヤ
走行路を中心として回転可能なリングガイドと、周面が
ワイヤ走行路に接し、シャフトがリングガイドに軸支さ
れたガイドローラとを備えたものが使用される。ガイド
ローラの周面には、ガイドローラの周面を少なくとも一
回り以上周回してワイヤを通過させる螺旋溝が刻設され
ており、リングガイドの回転によって所定のネジレがワ
イヤに付与される。
【0007】
【実施の形態】本発明に従ったワイヤソー切断では、ワ
イヤにネジレを与えながら走行させ、このワイヤを用い
てインゴットを切断する。ワイヤに対するネジレ付与機
構20は、たとえば図4に示すように一方のグルーブロ
ーラ2とテンショナー30との間に組み込まれる。ネジ
レ付与機構20は、図5(a)に示すようにモータ21
の出力軸に固着されたプーリ22とリングガイド23と
の間に駆動ベルト24を掛け渡し、リングガイド23の
内側でガイドローラ25を回転可能に支承している。リ
ングガイド23の回転中心は、ワイヤ5の走行路に一致
させている。ガイドローラ25のシャフト26は、リン
グガイド23の中心点を通過するワイヤ5にガイドロー
ラ25の周面が接触する位置関係でリングガイド23に
回転可能に軸支されている。ガイドローラ25の周面に
は、図5(b)に示すように螺旋状の溝27が刻設され
ている。螺旋溝27は、ガイドローラ25の周面をワイ
ヤ5が少なくとも一回りするようにガイドローラ25を
周回している。リール6から送り出されたワイヤ5は、
ガイドローラ25の螺旋溝27に入り込んだ後、ガイド
ローラ25の周囲を一回り又は複数回廻ってグルーブロ
ーラ2に向けて送り出される。このとき、ガイドローラ
25は、モータ21からの動力で回転しているリングガ
イド23で軸支されているので、ワイヤ5を中心として
公転しながらワイヤ5を送り出すことになる。その結
果、図6に示すように、ガイドローラ25を通過したワ
イヤ5には、ガイドローラ25の公転角に相当するネジ
レが付けられる。
イヤにネジレを与えながら走行させ、このワイヤを用い
てインゴットを切断する。ワイヤに対するネジレ付与機
構20は、たとえば図4に示すように一方のグルーブロ
ーラ2とテンショナー30との間に組み込まれる。ネジ
レ付与機構20は、図5(a)に示すようにモータ21
の出力軸に固着されたプーリ22とリングガイド23と
の間に駆動ベルト24を掛け渡し、リングガイド23の
内側でガイドローラ25を回転可能に支承している。リ
ングガイド23の回転中心は、ワイヤ5の走行路に一致
させている。ガイドローラ25のシャフト26は、リン
グガイド23の中心点を通過するワイヤ5にガイドロー
ラ25の周面が接触する位置関係でリングガイド23に
回転可能に軸支されている。ガイドローラ25の周面に
は、図5(b)に示すように螺旋状の溝27が刻設され
ている。螺旋溝27は、ガイドローラ25の周面をワイ
ヤ5が少なくとも一回りするようにガイドローラ25を
周回している。リール6から送り出されたワイヤ5は、
ガイドローラ25の螺旋溝27に入り込んだ後、ガイド
ローラ25の周囲を一回り又は複数回廻ってグルーブロ
ーラ2に向けて送り出される。このとき、ガイドローラ
25は、モータ21からの動力で回転しているリングガ
イド23で軸支されているので、ワイヤ5を中心として
公転しながらワイヤ5を送り出すことになる。その結
果、図6に示すように、ガイドローラ25を通過したワ
イヤ5には、ガイドローラ25の公転角に相当するネジ
レが付けられる。
【0008】リングガイド23の回転数及び回転方向
は、ワイヤ5の単位長さ当りのネジレ回数が所定値とな
るように、ワイヤ5の走行速度,走行方向の反転等に応
じて可変にすることが好ましい。また、ワイヤ5に対す
るネジリ動作に関しては、リングガイド23を連続的に
回転角度を変えていく方法,双方向切断の場合には順方
向に走行しているワイヤ5にネジリを与え、逆方向に走
行しているワイヤに対してはネジリを与えない等、種々
の実施形態が採られる。過剰なネジリを与えるとワイヤ
5が破断する虞れがある。たとえば、直径0.18mm
のワイヤでは長さ150mm当り50回程度捩ると破断
に至ることがある。これに対し、本発明でワイヤ5に付
与するネジレは、この限界ネジレよりも十分に小さい数
回程度で十分である。また、リングガイド23の回転方
向を逆転することによりネジレが緩和され、或いはネジ
レを開放した後では弾性復元力によってワイヤ5が元形
状に復元する。
は、ワイヤ5の単位長さ当りのネジレ回数が所定値とな
るように、ワイヤ5の走行速度,走行方向の反転等に応
じて可変にすることが好ましい。また、ワイヤ5に対す
るネジリ動作に関しては、リングガイド23を連続的に
回転角度を変えていく方法,双方向切断の場合には順方
向に走行しているワイヤ5にネジリを与え、逆方向に走
行しているワイヤに対してはネジリを与えない等、種々
の実施形態が採られる。過剰なネジリを与えるとワイヤ
5が破断する虞れがある。たとえば、直径0.18mm
のワイヤでは長さ150mm当り50回程度捩ると破断
に至ることがある。これに対し、本発明でワイヤ5に付
与するネジレは、この限界ネジレよりも十分に小さい数
回程度で十分である。また、リングガイド23の回転方
向を逆転することによりネジレが緩和され、或いはネジ
レを開放した後では弾性復元力によってワイヤ5が元形
状に復元する。
【0009】ネジレが付けられたワイヤ5は、インゴッ
ト9の切断によって摩耗した表面部分の位置を変えなが
らインゴット9と接触することになる。すなわち、ワイ
ヤ5は、図7(a)に示すように切断溝17と接触する
表面部分が摩耗を受けながらインゴット9を切断する
が、ネジレによってワイヤ5が方向dに回転するため、
切断溝17に対する摩耗した表面部分Wの相対的な位置
関係が変わる。そして、摩耗していないワイヤ5の表面
部分が切断溝17と接触し、インゴット9の切断に働く
ことになる。このようにして、摩耗した表面部分Wが切
断域から常時移動し、ワイヤ5の円周方向全面がインゴ
ット9の切断に使用される。そのため、インゴット9の
切断に長時間使用した後でも、真円に近い形状が保た
れ、直進性の低下が抑えられる。これに対し、ネジレの
ないワイヤ5を送り込みながらインゴット9を切断する
と、主として切断溝17の底面に接触する部分でワイヤ
5が偏摩耗し、ワイヤ5の断面が図7(b)に示すよう
な扁平形状になる。偏摩耗したワイヤ5は、図2,3で
説明したウネリをウェーハ切断面に発生させることにな
る。
ト9の切断によって摩耗した表面部分の位置を変えなが
らインゴット9と接触することになる。すなわち、ワイ
ヤ5は、図7(a)に示すように切断溝17と接触する
表面部分が摩耗を受けながらインゴット9を切断する
が、ネジレによってワイヤ5が方向dに回転するため、
切断溝17に対する摩耗した表面部分Wの相対的な位置
関係が変わる。そして、摩耗していないワイヤ5の表面
部分が切断溝17と接触し、インゴット9の切断に働く
ことになる。このようにして、摩耗した表面部分Wが切
断域から常時移動し、ワイヤ5の円周方向全面がインゴ
ット9の切断に使用される。そのため、インゴット9の
切断に長時間使用した後でも、真円に近い形状が保た
れ、直進性の低下が抑えられる。これに対し、ネジレの
ないワイヤ5を送り込みながらインゴット9を切断する
と、主として切断溝17の底面に接触する部分でワイヤ
5が偏摩耗し、ワイヤ5の断面が図7(b)に示すよう
な扁平形状になる。偏摩耗したワイヤ5は、図2,3で
説明したウネリをウェーハ切断面に発生させることにな
る。
【0010】この対比から明らかなように、ネジレを付
けたワイヤ5を用いてインゴット9を切断するとき、ワ
イヤ5の偏摩耗が抑制されるため直進性が向上し、良好
な形状をもつウェーハがインゴット9から切り出される
ことが判る。また、ワイヤ5の全周がインゴット9の切
断に使用されるため、ワイヤの寿命も長くなる。なお、
図4の装置では、ネジレ付与機構20をテンショナー3
0とグルーブローラ2との間に配置したが、本発明はこ
れに拘束されるものではなく、切断中のインゴット9に
形成されている切断溝17の内部でワイヤ5が回転する
限り、何れの箇所に配置してもよい。また、図示の例で
は、ダンサーロール31を昇降可能に設けた昇降ガイド
32及びトラバーサ35を備えた緩み防止装置を組み込
んでいるが、レバー式のテンショナー(図1)を使用す
ることも勿論可能である。
けたワイヤ5を用いてインゴット9を切断するとき、ワ
イヤ5の偏摩耗が抑制されるため直進性が向上し、良好
な形状をもつウェーハがインゴット9から切り出される
ことが判る。また、ワイヤ5の全周がインゴット9の切
断に使用されるため、ワイヤの寿命も長くなる。なお、
図4の装置では、ネジレ付与機構20をテンショナー3
0とグルーブローラ2との間に配置したが、本発明はこ
れに拘束されるものではなく、切断中のインゴット9に
形成されている切断溝17の内部でワイヤ5が回転する
限り、何れの箇所に配置してもよい。また、図示の例で
は、ダンサーロール31を昇降可能に設けた昇降ガイド
32及びトラバーサ35を備えた緩み防止装置を組み込
んでいるが、レバー式のテンショナー(図1)を使用す
ることも勿論可能である。
【0011】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、ネジレを付けたワイヤでインゴットを切断するた
め、切断時に摩耗したワイヤの表面部分が切断域から移
動し、摩耗していないワイヤの表面部分がインゴットの
切断に使用される。そのため、ワイヤは、断面円周方向
に関して均等な摩耗を受け、直進性が保たれる。したが
って、ワイヤのブレ,ひいてはウェーハ切断面のウネリ
の原因となる偏摩耗が抑えられ、良好な形状をもつウェ
ーハがインゴットから切り出される。また、ワイヤの表
面全域が切断に有効利用されるため、ワイヤの寿命自体
も長くなる。
は、ネジレを付けたワイヤでインゴットを切断するた
め、切断時に摩耗したワイヤの表面部分が切断域から移
動し、摩耗していないワイヤの表面部分がインゴットの
切断に使用される。そのため、ワイヤは、断面円周方向
に関して均等な摩耗を受け、直進性が保たれる。したが
って、ワイヤのブレ,ひいてはウェーハ切断面のウネリ
の原因となる偏摩耗が抑えられ、良好な形状をもつウェ
ーハがインゴットから切り出される。また、ワイヤの表
面全域が切断に有効利用されるため、ワイヤの寿命自体
も長くなる。
【図1】 従来のワイヤソー切断装置の全体概略図
【図2】 偏摩耗したワイヤが切断時に受ける力を説明
する図
する図
【図3】 ワイヤの偏摩耗がウェーハ切断面にウネリを
発生させることを説明する図
発生させることを説明する図
【図4】 本発明に従ってネジレ付与機構を組み込んだ
ワイヤソー切断装置の全体概略図
ワイヤソー切断装置の全体概略図
【図5】 ネジレ付与機構の斜視図(a)及びガイドロ
ーラの側面図(b)
ーラの側面図(b)
【図6】 ネジレ付与機構によってワイヤに付けられる
ネジレの説明図
ネジレの説明図
【図7】 ネジレを付けたワイヤ(a)がインゴットの
切断中に偏摩耗しないことをネジレのないワイヤ(b)
と対比して説明する図
切断中に偏摩耗しないことをネジレのないワイヤ(b)
と対比して説明する図
1〜3:グルーブローラ 5:ワイヤ 6,7:リ
ール 9:インゴット17:切断溝 18:砥粒
19:ウネリ 20:ネジレ付与機構 21:モータ 22:プー
リ 23:リングガイド 24:駆動ベルト 2
5:ガイドローラ 26:シャフト 27:螺旋溝 30:テンショナー 31:ダンサーロール 3
2:昇降ガイド 35:トラバーサ R:切断抵抗 P:切断抵抗合力 δP:切断抵抗
分力 D:ワイヤ走行方向 D1 :ワイヤの振れ方向 D
2 :インゴットの送り方向 W:摩耗したワイヤの表面部分 d:切断中ワイヤの
回転方向
ール 9:インゴット17:切断溝 18:砥粒
19:ウネリ 20:ネジレ付与機構 21:モータ 22:プー
リ 23:リングガイド 24:駆動ベルト 2
5:ガイドローラ 26:シャフト 27:螺旋溝 30:テンショナー 31:ダンサーロール 3
2:昇降ガイド 35:トラバーサ R:切断抵抗 P:切断抵抗合力 δP:切断抵抗
分力 D:ワイヤ走行方向 D1 :ワイヤの振れ方向 D
2 :インゴットの送り方向 W:摩耗したワイヤの表面部分 d:切断中ワイヤの
回転方向
Claims (5)
- 【請求項1】 インゴットを挟んで平行配置されたグル
ーブローラ間にワイヤを螺旋状に周回させ、一方向又は
双方向に走行するワイヤにスラリーを供給しながらイン
ゴットをスライスする際、リールから送り出されたワイ
ヤがインゴットに至るまでの間で、断面円周方向に関す
るネジレをワイヤに与えることを特徴とするワイヤソー
切断方法。 - 【請求項2】 ワイヤの走行速度に応じてネジレ量を調
整する請求項1記載のワイヤソー切断方法。 - 【請求項3】 ワイヤの走行方向に応じてネジレ方向を
反転させる請求項1記載のワイヤソー切断方法。 - 【請求項4】 インゴットを挟んで平衡配置されたグル
ーブローラ間にワイヤを螺旋状に周回させ、一方向又は
双方向に走行するワイヤにスラリーを供給しながらイン
ゴットをスライスする切断装置であって、リールから送
りだされたワイヤがインゴットに達するまでのワイヤ走
行路の途中にネジレ付与機構が配置されていることを特
徴とするワイヤソー切断装置。 - 【請求項5】 請求項4記載のネジレ付与機構は、ワイ
ヤ走行路を中心として回転可能なリングガイドと、周面
がワイヤ走行路に接し、シャフトがリングガイドに軸支
されたガイドローラとを備え、ガイドローラの周面を少
なくとも一回り以上周回してワイヤを通過させる螺旋溝
が前記ガイドローラの周面に刻設されているワイヤソー
切断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10026976A JPH11221749A (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | ワイヤーソー切断方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10026976A JPH11221749A (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | ワイヤーソー切断方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11221749A true JPH11221749A (ja) | 1999-08-17 |
Family
ID=12208201
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10026976A Pending JPH11221749A (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | ワイヤーソー切断方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11221749A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011218519A (ja) * | 2010-04-14 | 2011-11-04 | Toyo Advanced Technologies Co Ltd | 研削装置 |
JP2015223651A (ja) * | 2014-05-27 | 2015-12-14 | 株式会社ディスコ | マルチワイヤ放電加工装置 |
CN109834848A (zh) * | 2019-03-22 | 2019-06-04 | 台州职业技术学院 | 一种线锯切割机和线锯旋转控制方法 |
CN112571248A (zh) * | 2020-12-25 | 2021-03-30 | 天津鑫凯建业科技有限公司 | 金刚石线锯打磨装置 |
-
1998
- 1998-02-09 JP JP10026976A patent/JPH11221749A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011218519A (ja) * | 2010-04-14 | 2011-11-04 | Toyo Advanced Technologies Co Ltd | 研削装置 |
JP2015223651A (ja) * | 2014-05-27 | 2015-12-14 | 株式会社ディスコ | マルチワイヤ放電加工装置 |
CN109834848A (zh) * | 2019-03-22 | 2019-06-04 | 台州职业技术学院 | 一种线锯切割机和线锯旋转控制方法 |
CN109834848B (zh) * | 2019-03-22 | 2024-02-06 | 台州职业技术学院 | 一种线锯切割机和线锯旋转控制方法 |
CN112571248A (zh) * | 2020-12-25 | 2021-03-30 | 天津鑫凯建业科技有限公司 | 金刚石线锯打磨装置 |
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