JP2015223651A - マルチワイヤ放電加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤの放電加工による劣化を抑え、ワイヤが断線し難くするマルチワイヤ放電加工装置を提供すること。【解決手段】マルチワイヤ放電加工装置1によれば、ワイヤRを送り出す複数のガイドローラと、ワイヤRを反転させる反転ローラ36とを備え、反転ローラ36が、ガイドローラ34の正転ローラ34aから送り出されたワイヤRの向きを反転させて、ガイドローラ34の逆転ローラ34bに送り出すことで、インゴットIを放電加工するワイヤRの周方向で対向する2方向の曲面を放電加工に利用する。【選択図】図3

Description

本発明は、マルチワイヤ放電加工装置に関する。
従来、円柱状インゴットからウエーハを切り出す場合等における切断手段として、砥粒を用いたワイヤーソーが知られている。このワイヤーソーでは、複数のガイドローラ間に巻回された切断用ワイヤをその長手方向に高速駆動しながら、そのワイヤに対してワークを切断送りすることにより、このワークから多数枚の薄片が同時に切り出される。切り出されたウエーハは、ワイヤーソーによって発生したスクラッチを研削して除去しつつ平坦化して、表面にデバイスを形成し半導体ウエーハとなる。
しかし、このようなワイヤーソーでは、ガイドローラ間に形成された複数本の切断ワイヤ部分に対し、加工用砥粒が混合された加工液(スラリー)を同時供給する必要があり、その取扱いは容易でない。また、ワイヤがワークに直接接触するため、切断中にワイヤが断線するおそれがあり、このような断線が生じた場合には復旧までに長時間を要する不都合がある。
そこで、マルチワイヤ放電加工装置が発案された(特許文献1)。放電加工によりワイヤとインゴットは接触していないため、インゴットにかかる負荷が非常に低く、スラリーによるスクラッチ等の傷の発生もないという効果がある。
特開2000−94221号公報
しかしながら、ワイヤとインゴットの間で発生する放電加工により、ワイヤは部分的に焼けて消失するので、局所的に放電が続くとワイヤが焼けて切断してしまう恐れがある。このため、ワイヤが切断しない程度にパルス数やパルス幅が調整され、それによって加工レートが制限されてしまっている。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ワイヤの放電加工による劣化を抑え、ワイヤが断線し難くするマルチワイヤ放電加工装置を提供することである。
上述した課題を解決するために、本発明に係るマルチワイヤ放電加工装置は、間隔をおいて配設され、隣接して並列する第一のガイドローラと第二のガイドローラとを含む複数のガイドローラと、複数の前記ガイドローラに軸方向に間隔をあけて複数回巻き掛けられて互いに並列し、前記第一のガイドローラと前記第二のガイドローラとの間でインゴットを複数の切断片に切断するワイヤと、前記ガイドローラに巻回されるワイヤの巻回向きを反転させる反転ローラと、前記ワイヤを供給するワイヤ供給手段と、前記ワイヤを巻き取るワイヤ巻き取り手段と、前記ワイヤに高周波パルス電力を供給する高周波パルス電源と、インゴットを固定する基台部と、を備えるマルチワイヤ放電加工装置であって、前記第一のガイドローラは、軸方向前方で、右回りに回転する第一の回転ローラと、軸方向後方で、左回りに回転する第二の回転ローラと、を備え、前記第二のガイドローラは、軸方向前方で、右回りに回転する第三の回転ローラと、軸方向後方で、左回りに回転する第四の回転ローラと、を備え、前記ワイヤは、前記第一の回転ローラと前記第三の回転ローラとの間で右回りに巻回された後、前記反転ローラを経由して、前記第二の回転ローラと前記第四の回転ローラとの間で左回りに巻回され、右回りに巻回された前記ワイヤは周方向において一方の周面からインゴットに切り込み、左回りに巻回された前記ワイヤは他方の周面からインゴットに切り込むことで、前記ワイヤの2つの周面を放電加工に利用できることを特徴とするものである。
本発明のマルチワイヤ放電加工装置によれば、ワイヤの向きを途中で反転させる事で、ワイヤの周方向で対向する2方向の曲面を放電加工に利用することができるため、ワイヤの放電加工による劣化を抑え、断線し難くすることができるという効果を奏する。また、加工できる面が2面となるので、巻回数を増やす事も可能となり、加工後廃棄されるワイヤを無駄なく利用することができるという効果を奏する。
図1は、マルチワイヤ放電加工装置の構成例を示す斜視図である。 図2は、ガイドローラの構成例を示す正面図である。 図3は、反転ローラの機能例を示す上面図である。 図4は、ワイヤの使用例を示す模式図である。 図5は、マルチワイヤ放電加工装置の動作例を示すフローチャートである。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態〕
実施形態に係るマルチワイヤ放電加工装置について説明する。図1は、マルチワイヤ放電加工装置の構成例を示す斜視図である。図1に示すマルチワイヤ放電加工装置1は、ワイヤRを繰り出して供給する繰り出しボビン2と、繰り出しボビン2により繰り出されたワイヤRを6箇所で案内する円柱状のガイドローラ30〜35と、ワイヤRを反転させる反転ローラ36と、ワイヤRを巻き取る巻き取りボビン4とを備える。繰り出しボビン2はワイヤ供給手段として機能し、巻き取りボビン4はワイヤ巻き取り手段として機能する。繰り出しボビン2には、放電加工に用いられる黄銅などの金属線であるワイヤRが巻き回されている。6箇所のガイドローラ30〜35は所定の間隔をおいて配設される。
繰り出しボビン2から1本のワイヤRを受け取るガイドローラ30とワイヤRを巻き取りボビン4に向けて送り出すガイドローラ35とは隣接して配設されている。4箇所のガイドローラ31〜34は、上述のガイドローラ30,35と並べて配設されると共に、矩形の形状をなすようにそれぞれが矩形の角に配設される。隣接して並列するガイドローラ31とガイドローラ32で形成される線分と、隣接して並列するガイドローラ34とガイドローラ33で形成される線分は平行になるようにガイドローラ31〜34は配設されている。ガイドローラ34は第一のガイドローラとして機能し、ガイドローラ33は第二のガイドローラとして機能する。
ワイヤRは、ガイドローラ31〜34に軸方向に間隔をあけて複数回巻き掛けられて互いに並列し、ガイドローラ34とガイドローラ33との間でインゴットIを複数の切断片に切断する。
ガイドローラ34の近傍には反転ローラ36が配設されている。反転ローラ36はワイヤRが左回りに巻回され、ガイドローラ31〜34に巻回されるワイヤRの巻回向きを反転させる。例えば、反転ローラ36は、ガイドローラ34から送り出されたワイヤRを巻き回して当該ワイヤRを反転させてガイドローラ34に送り返す。
ガイドローラ31〜34は、繰り出しボビン2から繰り出されてガイドローラ30から送り出されたワイヤRを複数回巻き回して正転方向Uに送り出すと共に、反転ローラ36により反転されたワイヤRを複数回巻き回して逆転方向Vに送り出し、ガイドローラ35を介してワイヤRを巻き取りボビン4に送り出す。
繰り出しボビン2、ガイドローラ30,35、巻き取りボビン4、反転ローラ36は、図示しない回転モーターによって回転駆動される。なお、必ずしもガイドローラ30,35をモーター駆動とする必要はなく空転するローラとしてもよい。
ガイドローラ31〜34の長手方向に間隔をあけて複数回巻回されたワイヤRは、一対の隣接するガイドローラ33とガイドローラ34との間に形成された並列する切断ワイヤ部5を構成する。
切断ワイヤ部5は、ガイドローラ33とガイドローラ34で一定のテンションを有して張設され、所定の間隔でガイドローラ33,34の長手方向に配設された複数本のワイヤRから構成されている。これらのワイヤRは、鉛直方向(Z軸方向)に対して直角(Y軸方向)になるように張設されている。
切断ワイヤ部5に対向した位置には、インゴットIを設置するインゴット設置手段6が設けられている。インゴットIは、SiC(Silicon Carbide)単結晶である。インゴット設置手段6は切断ワイヤ部5の上面側に設置され、基台部61と、支持部材62とを備える。基台部61は切断ワイヤ部5のワイヤRに対面して配設され、円柱状のインゴットIの長手方向及び短手方向の長さよりも若干大きく形成された直方体形状であり、支持部材62を介してインゴットIを固定する。基台部61は、X軸方向に対して平行に延在される不図示のボールねじに係合され、パルスモータ等で構成される駆動源によって切断ワイヤ部5のワイヤRの進行方向(Y軸方向)に直角であるX軸方向に移動自在に取り付けられている。これにより、切断ワイヤ部5のワイヤRによりインゴットIの切断を開始する位置を調整できるようになる。また、基台部61は、Z軸方向に対して平行に延在される不図示のボールねじに係合され、パルスモータ等で構成される駆動源によって切断ワイヤ部5のワイヤRに接近および離反するZ軸方向に移動自在に取り付けられている。これにより、切断ワイヤ部5のワイヤRによりインゴットIを切断する切断方向への進行を調整できるようになる。なお、上記駆動源は、制御手段8に接続され、制御手段8によりパルスモーターの回転が制御される。
基台部61の下面側には支持部材62が固定されている。支持部材62の下面側には導電性接着剤63が塗布され、当該導電性接着剤63を介してインゴットIが支持部材62に接着される。インゴットIを切断ワイヤ部5のワイヤRにより切断する場合、ワイヤRがインゴットIを通過して支持部材62を若干切り込むようにしてインゴットIを切断する。すなわち、インゴットIと共に支持部材62の一部も同時に切断する。これにより、インゴットIを確実に切断することができる。
マルチワイヤ放電加工は、誘電体である水や油などの加工液の中で実施され、切断ワイヤ部5は加工液が満たされた加工槽9の中に浸漬される。加工槽9の中で、貯留された加工液に浸漬された切断ワイヤ部5のワイヤRがインゴットIを加工する。
加工槽9の中には、ウエーハWを収容するための籠10が配置されている。籠10は、インゴット設置手段6の真下に配置され、インゴットIの長手方向及び短手方向の長さよりも大きく形成され、一定の深さを有している。基台部61に固定されたインゴットIから分離されたウエーハWは、加工槽9の中に配置された籠10に沈下して収容される。
マルチワイヤ放電加工装置1は、切断ワイヤ部5に給電する給電手段7を備える。給電手段7は、給電子71と、高周波パルス電源72とを備える。給電子71は、切断ワイヤ部5のワイヤRに当接して配置されると共に、高周波パルス電源72に接続されている。高周波パルス電源72は、給電子71を介して切断ワイヤ部5のワイヤRに高周波パルス電力を供給する。高周波パルス電源72は制御手段8に接続され、電力を供給する周波数等が制御される。
高周波パルス電源72から高周波パルス電力を給電子71に供給すると、給電子71に当接された切断ワイヤ部5のワイヤRは、正面に配置されたインゴットIに対して放電を行う。例えば、加工液中で絶縁状態にあるインゴットIとワイヤRの間隔が数十ミクロン位まで近づくと、両者の絶縁が破壊されて放電が発生する。この放電によってインゴットIが加熱されて溶融され、さらに加工液の温度が急激に上昇することにより加工液が気化し、体積膨張により溶融箇所を飛散させる。このように、高周波パルス電力を切断ワイヤ部5のワイヤRに供給することで、インゴットIを溶融すると共に飛散させる処理を断続的に行ってインゴットIを切断する。
次に、ガイドローラ31〜34及び反転ローラ36について詳細に説明する。図2は、ガイドローラの構成例を示す正面図である。図3は、反転ローラの機能例を示す上面図である。図4は、ワイヤの使用例を示す模式図である。図2に示すガイドローラ34は軸方向前方で右回りに回転し、ワイヤRを正転方向Uに送り出す正転ローラ34aと、軸方向後方で左回りに回転し、ワイヤRを逆転方向Vに送り出す逆転ローラ34bとを有している。正転ローラ34aは第一の回転ローラとして機能し、逆転ローラ34bは第二の回転ローラとして機能する。正転ローラ34a及び逆転ローラ34bには、ワイヤRが案内されるガイド溝Pが円周方向に一定の間隔をあけて5箇所に形成されている。正転ローラ34aは図示しない回転モーターによって正転方向Uに駆動される。例えば、回転モーターの回転軸と正転ローラ34aの回転軸34cとがギヤにより噛合され、回転モーターの駆動により回転軸34cに固定された正転ローラ34aが回転する。
逆転ローラ34bは空転可能に配設されている。例えば、逆転ローラ34bは、空転する際に支持軸34dに対して摩擦抵抗を少なくするために、ベアリングなどの機構を採用することが考えられる。逆転ローラ34bに形成されたガイド溝Pに巻回されたワイヤRが引き出されることにより、引き出し量に応じて逆転ローラ34bは逆転方向Vに空転する。
ガイドローラ33は、ガイドローラ34と同様に構成されている。例えば、ガイドローラ33は軸方向前方で右回りに回転し、ワイヤRを正転方向Uに送り出す正転ローラ33aと、軸方向後方で左回りに回転し、ワイヤRを逆転方向Vに送り出す逆転ローラ33bとを有している。正転ローラ33aは第三の回転ローラとして機能し、逆転ローラ33bは第四の回転ローラとして機能する。正転ローラ33aは空転可能に配設され、逆転ローラ33bは回転モーターにより駆動される。
ガイドローラ31は、ガイドローラ34と同様に構成されている。例えば、ガイドローラ31は軸方向前方で右回りに回転し、ワイヤRを正転方向Uに送り出す正転ローラ31aと、軸方向後方で左回りに回転し、ワイヤRを逆転方向Vに送り出す逆転ローラ31bとを有している。正転ローラ31aは空転し、逆転ローラ31bは回転モーターにより駆動される。
ガイドローラ32は、ガイドローラ34と同様に構成されている。例えば、ガイドローラ32は軸方向前方で右回りに回転し、ワイヤRを正転方向Uに送り出す正転ローラ32aと、軸方向後方で左回りに回転し、ワイヤRを逆転方向Vに送り出す逆転ローラ32bとを有している。正転ローラ32aは回転モーターにより駆動され、逆転ローラ32bは空転する。
図3に示すように、ワイヤRは、ガイドローラ34の正転ローラ34aとガイドローラ33の正転ローラ33aとの間で右回りに巻回された後、反転ローラ36を経由して、ガイドローラ34の逆転ローラ34bとガイドローラ33の逆転ローラ33bとの間で左回りに巻回される。例えば、ワイヤRは、ガイドローラ34の正転ローラ34aとガイドローラ33の正転ローラ33aにそれぞれ形成されたガイド溝Pに合わせて複数回巻回され、正転ローラ34aの後端部34e側のガイド溝Pに巻回された後、反転ローラ36に送り出されている。ワイヤRは、反転ローラ36で1周巻回されて逆転ローラ34bの前端部34f側のガイド溝Pに巻回され、ガイドローラ33の逆転ローラ33bに送り出されている。
なお、ワイヤRは、正転ローラ31a〜34aの前端部側から後端部側に向けてガイド溝Pに沿って順次巻回される。例えば、図3に示すように、正転ローラ34aの前端部34g側から後端部34e側に向けてガイド溝Pに沿って順次巻回される。また、ワイヤRは、逆転ローラ31b〜34bの前端部側から後端部側に向けてガイド溝Pに沿って順次巻回される。例えば、図3に示すように、逆転ローラ34bの前端部34f側から後端部34h側に向けてガイド溝Pに沿って順次巻回される。ガイドローラ31の逆転ローラ31bの後端部側に巻回されたワイヤRは、巻き取りボビン4に巻き取られて回収される。このように、正転ローラ31a〜34aの前端部側のガイド溝Pに巻回されたワイヤRが最も劣化していないワイヤRとなり、逆転ローラ31b〜34bの後端部側のガイド溝Pに巻回されたワイヤRが最も劣化しているワイヤRとなる。
正転ローラ34aと正転ローラ33aによって右回りに巻回されたワイヤRは、図4に示すように、周方向において一方の周面r1からインゴットIに切り込む。また、逆転ローラ34bと逆転ローラ33bによって左回りに巻回されたワイヤRは、一方の周面r1の裏側に位置する他方の周面r2からインゴットIに切り込むことで、ワイヤRの2つの周面を放電加工に利用できる。このように、ワイヤRは、放電により劣化した部分が反転されて、放電により劣化していない他方の周面r2からインゴットIに切り込むことができるようになる。これにより、ワイヤRの放電を一方の周面r1のみを使用して局所的に行わないので、ワイヤRの劣化を抑えることができるようになる。
例えば、図4に示すワイヤR1〜R4は、正転ローラ33aと正転ローラ34aにより支持されているものであり、ワイヤR5〜R8は、逆転ローラ33bと逆転ローラ34bにより支持されているものである。ワイヤR1〜R4は、例えばワイヤR1の拡大図に示されるように劣化部Kが生成されていない。これに対して、ワイヤR5〜R8は反転ローラ36により反転されたものであるので、例えばワイヤR7の拡大図に示されるように、放電による劣化部Kが一方の周面r1に生成されている。しかしながら、反転されたワイヤR5〜R8は、放電加工に使用している他方の周面r2には劣化部Kが生成されていないので、ワイヤR1〜R4と同等の精度で放電加工処理ができる。このように、ワイヤRの周方向で対向する2方向の曲面を放電加工に利用することができるので、ワイヤRの放電加工による劣化を抑え、断線し難くすることができる。なお、図4に示すワイヤR1〜R8は、放電によってインゴットIを加熱し溶融し、さらに加工液の温度を急激に上昇させることにより加工液を気化し、体積膨張による気泡Bによって溶融箇所を飛散させている。
本発明では、ワイヤRが正転ローラ34a(第一の回転ローラ)と正転ローラ33a(第三の回転ローラ)との間で右回りに巻回された後、反転ローラ36を経由して、逆転ローラ34b(第二の回転ローラ)と逆転ローラ33b(第四の回転ローラ)との間で左回りに巻回されるとは、正転ローラ34aと正転ローラ33aとの間で一方の方向に巻回された後、反転ローラ36によりワイヤRの巻回方向が変更され、逆転ローラ34bと逆転ローラ33bとの間で他方の方向に巻回されることを意味するものであり、ワイヤRの巻回方向が、正転ローラ33a,34aが右回りで、逆転ローラ33b,34bが左回りに限定されるものではない。
次に、マルチワイヤ放電加工装置1の動作例について説明する。図5は、マルチワイヤ放電加工装置の動作例を示すフローチャートである。図5に示すステップST1で、インゴットIの位置合わせを行う。例えば、インゴットIを基台部61に固定後、制御手段8により、切断ワイヤ部5のワイヤRに対してインゴットIが切断される位置に設定されるように基台部61をX軸方向に移動させる。次に、ステップST2に移行する。
ステップST2で、インゴットIを切断する。例えば、正転ローラ33aと正転ローラ34aで張設された4本のワイヤRの一方の周面r1がインゴットIに対面し、逆転ローラ33bと逆転ローラ34bで張設された4本のワイヤRの他方の周面r2がインゴットIに対面した状態で、インゴットIが固定された基台部61をZ軸方向(接近方向)へ移動させる。これにより、インゴットIは、ワイヤRの放電によって加熱されて溶融され、さらに加工液の温度が急激に上昇することにより加工液が気化し、体積膨張により溶融箇所が飛散される。このように、インゴットIは、ワイヤRによって溶融されると共に飛散される処理を断続的に行われて切断され、ウエーハWが形成される。ウエーハWの厚み方向(X軸方向)に基台部61を移動させてウエーハWを支持部材62から切り離し、ウエーハWを籠10の中に沈下させる。ウエーハWが籠10の中に沈下された後、基台部61をZ軸方向(離反方向)へ移動させて、ワイヤRを基台部61から離反させる。なお、マルチワイヤ放電加工を実施している間は、繰り出しボビン2から常に一定量、新しいワイヤRが繰り出されている。
以上のように、実施形態に係るマルチワイヤ放電加工装置1によれば、ワイヤRの向きを途中で反転させる事で、ワイヤRの周方向で対向する2方向の曲面を放電加工に利用することができるため、ワイヤRの放電加工による劣化を抑え、ワイヤRを断線し難くすることができるという効果を奏する。また、加工できる面が2面となるので、巻回数を増やす事も可能となり、加工後廃棄されるワイヤRを無駄なく利用することができるという効果を奏する。また、ワイヤRの巻回数を増やす事ができるので、1度にインゴットIから形成できるウエーハの枚数を増やすことができ、作業効率を向上できる。
なお、インゴットは、SiC単結晶以外にも、単結晶ダイヤであってもよい。
1 マルチワイヤ放電加工装置
2 繰り出しボビン
30〜35 ガイドローラ
31a〜34a 正転ローラ
31b〜34b 逆転ローラ
34c 回転軸
34d 支持軸
34e 後端部
34f 前端部
34g 前端部
34h 後端部
36 反転ローラ
4 巻き取りボビン
5 切断ワイヤ部
61 基台部
72 高周波パルス電源
9 加工槽
10 籠
I インゴット
W ウエーハ
U 正転方向
V 逆転方向
K 劣化部

Claims (3)

  1. 間隔をおいて配設され、隣接して並列する第一のガイドローラと第二のガイドローラとを含む複数のガイドローラと、
    複数の前記ガイドローラに軸方向に間隔をあけて複数回巻き掛けられて互いに並列し、前記第一のガイドローラと前記第二のガイドローラとの間でインゴットを複数の切断片に切断するワイヤと、
    前記ガイドローラに巻回されるワイヤの巻回向きを反転させる反転ローラと、
    前記ワイヤを供給するワイヤ供給手段と、
    前記ワイヤを巻き取るワイヤ巻き取り手段と、
    前記ワイヤに高周波パルス電力を供給する高周波パルス電源と、
    インゴットを固定する基台部と、を備えるマルチワイヤ放電加工装置であって、
    前記第一のガイドローラは、
    軸方向前方で、右回りに回転する第一の回転ローラと、
    軸方向後方で、左回りに回転する第二の回転ローラと、を備え、
    前記第二のガイドローラは、
    軸方向前方で、右回りに回転する第三の回転ローラと、
    軸方向後方で、左回りに回転する第四の回転ローラと、を備え、
    前記ワイヤは、
    前記第一の回転ローラと前記第三の回転ローラとの間で右回りに巻回された後、前記反転ローラを経由して、前記第二の回転ローラと前記第四の回転ローラとの間で左回りに巻回され、
    右回りに巻回された前記ワイヤは周方向において一方の周面からインゴットに切り込み、左回りに巻回された前記ワイヤは他方の周面からインゴットに切り込むことで、前記ワイヤの2つの周面を放電加工に利用できることを特徴とするマルチワイヤ放電加工装置。
  2. 前記反転ローラには、前記ワイヤが左回りに巻回されることを特徴とする請求項1に記載のマルチワイヤ放電加工装置。
  3. 前記第一のガイドローラは、前記第一の回転ローラが回転モーターによって駆動され、前記第二の回転ローラが空転可能に配設され、
    前記第二のガイドローラは、前記第四の回転ローラが回転モーターによって駆動され、前記第三の回転ローラが空転可能に配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマルチワイヤ放電加工装置。
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