JP2002075613A - 誘導加熱装置用加熱コイル - Google Patents

誘導加熱装置用加熱コイル

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JP2002075613A
JP2002075613A JP2000263413A JP2000263413A JP2002075613A JP 2002075613 A JP2002075613 A JP 2002075613A JP 2000263413 A JP2000263413 A JP 2000263413A JP 2000263413 A JP2000263413 A JP 2000263413A JP 2002075613 A JP2002075613 A JP 2002075613A
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insulating material
induction heating
heating device
peripheral portion
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Motonari Hirota
泉生 弘田
Takeshi Kitaizumi
武 北泉
Yu Fukuda
祐 福田
Hideki Omori
英樹 大森
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B40/00Technologies aiming at improving the efficiency of home appliances, e.g. induction cooking or efficient technologies for refrigerators, freezers or dish washers

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で、かつ損失低減のできる安価な
加熱コイルを実現し、小形かつ低コストの誘導加熱装置
を提供することを目的としている。 【解決手段】 電気導体12を渦巻き状に巻回し、導体
間に少なくとも比透磁率が1を超える電気絶縁材料13
を設けることにより、加熱コイルが発生する高周波磁界
を電気絶縁材料13に選択的に集中させることにより、
電気導体12間に発生する近接効果を大幅に低減し、電
気導体12に流れる高周波電流の分布を均一化して、損
失低減を図り、簡素な構成で安価な誘導加熱装置用加熱
コイルとしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般家庭及びレスト
ラン、あるいは工場などで使用される誘導加熱装置に関
するもので、さらに詳しくはその加熱コイルに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の誘導加熱装置の加熱構造を誘導加
熱調理器を例に取り上げ、図26〜28を用いて説明す
る。図26は従来の誘導加熱調理器の断面図で、1は加
熱コイル2から発生する高周波磁界によって誘導加熱さ
れる被加熱物、2は被加熱物1を誘導加熱する加熱コイ
ル、3は加熱コイル2に高周波電流を供給するインバー
タ回路で図には特に記載していないが、加熱コイル2と
接続されている。4は被加熱物1がその上面に載置され
るプレートでその材質はセラミックである。5は筐体、
6は加熱コイル2を載置するコイル台、7はコイル台6
に埋設されている磁性体で、材質はフェライトである。
磁性体7は加熱コイル2から発生する高周波磁界を効率
よく被加熱物1に供給させる目的で用いられている。8
は冷却装置で、加熱コイル2の冷却のために加熱コイル
2側面から軸流ファンなどを用いて強制空冷にて冷却し
ている。
【0003】コイル台6を上から見た図を図27に、ま
た下から見た図を図28に示す。図28に示すように磁
性体7は、複数の棒体からなり、コイル台6の下面に放
射状に配置されている。
【0004】加熱コイル2のコイル線は、直径0.3m
m〜0.5mm程度の素線を30本程度撚り合わせたも
ので構成されている。素線の材質は銅で、その表面は絶
縁物によって覆われており、それぞれの素線が電気的に
接続されないようになっている。それぞれの素線は加熱
コイル2の始端及び終端にて電気的に接続している。加
熱コイル2のコイル線をこのような細い素線を用いてい
る理由は、加熱コイル2に流れる周波数20〜30kH
z程度の高周波電流が、表皮効果によりコイル線表面に
電流が集中するため、コイル線の表面積を大とする必要
があるからである。また撚り合わせている理由は、加熱
コイル2が発生する高周波磁界により加熱コイル2のコ
イル線間に作用する近接効果によって、コイル線に流れ
る電流分布が不均一となることを防ぐこと、及び加熱コ
イル2と被加熱物1との間に働く近接効果により、加熱
コイル2の表面(被加熱物1側)に電流が集中すること
を防ぐためである。
【0005】このような素線を撚り合わせた構成を用い
ない場合、加熱コイル2の損失が大きくなり、温度上昇
及び加熱効率面で問題である。コイル線温度が略180
℃を越えると上記素線間及びコイル線間の絶縁が困難と
なり、この場合コイルとしての機能を果たすことが不可
能となる。また図27に示すコイルのターン数は簡易的
に示したものであり、実際のターン数は約20ターン以
上である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
な従来の誘導加熱装置では、以下に示す課題があった。
すなわち、上記したように加熱コイル及びコイル台ある
いは、磁性体といった誘導加熱を行うための加熱構成が
複雑で、その作製工数や部品コストが大きく、結果商品
のコスト上昇をまねくという課題である。特に加熱コイ
ルは複数の素線を撚り合わせる構成であり、その作製工
数は極めて大きいものである。
【0007】こういった背景から近年加熱コイルの製造
工程及び製造コストを低減し、安価な装置を提供するた
めに、特開昭60−243996号あるいは特開平4−
337606号のように、導電板を渦巻き状に打ち抜く
等の工法で、撚り線を用いない簡素なコイル線の加熱コ
イルが提案されている。また加熱コイルを載置するコイ
ル台に関しては、特開昭61−71581号に示すよう
な棒状磁性体を加熱コイル中心から放射状に配置し、さ
らに樹脂で形成されるコイル台の内部に埋設するものが
提案されている。
【0008】しかして、この様な撚り線を用いない誘導
加熱装置用加熱コイルでは、加熱コイル自身が発生する
高周波磁界により、加熱コイルの線間に作用する近接効
果によって、コイル線に流れる電流分布が不均一とな
り、結果コイル損失が大きくなり、装置の効率低下や、
加熱コイルの冷却機構が大型化するという課題がやはり
存在する。コイル線断面を所定の角度で水平面に対して
折曲するという提案も為されているが、加熱コイルから
発生する磁界はやはり、コイル線を通過することから
(コイル線は銅など透磁率が1の材質であり、コイル線
間も透磁率1であることから、平等に磁界が透過する)
原理的に近接効果を大幅に低減することは困難である。
【0009】また加熱コイルが載置されるコイル台にお
いては、磁性体の厚みが大であり(棒状形態のため、そ
の飽和磁束密度を考慮して、一般的に5mm程度)、そ
の厚み分と樹脂厚みを足したものがコイル台の厚みとな
って(一般的に10mm弱程度)、加熱コイルの横面か
ら冷却風を送風しても、加熱コイル下面の効率的な冷却
が困難であり、この場合も装置の効率低下や、冷却機構
の大型化を招くといった課題があった。(加熱コイル上
面には被加熱物が載置されるプレートがあり、加熱コイ
ルとプレート間は誘導加熱の原理上効率的な加熱のため
には約5mm程度は必要であり、極めて薄いため、この
面においての冷却も大幅には期待できない)。
【0010】本発明は上記従来の課題を解決し、簡素な
構成で加熱コイル損失及び必要冷却を低減し、安価な誘
導加熱装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は、電気導体を渦巻き状に巻回し、導体間に少
なくとも比透磁率が1を超える電気絶縁材料を設けたこ
とを特長とする誘導加熱装置用加熱コイル等とするもの
である。
【0012】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、電気導体
を渦巻き状に巻回し、導体間に少なくとも比透磁率が1
を超える電気絶縁材料を設けたことを特長とする誘導加
熱装置用加熱コイルとするものである。
【0013】本構成により、コイル線間に比透磁率が1
を超える電気絶縁材料を設けているため、コイル線が発
生する高周波磁界は、線間の電気絶縁材料に集中して分
布することになり、近接効果が大幅に低減し、コイル線
内部の電流分布の偏りが減って、加熱コイル損失の低減
が可能となる。
【0014】請求項2記載の発明は、渦巻き状に巻回し
た導体の最外周の導体より外側に比透磁率が1を超える
電気絶縁材料を設けたことを特長とする誘導加熱装置用
加熱コイルとするものである。
【0015】本構成により、加熱コイル最外周外側に磁
性体を設けているので、従来の加熱コイル下面の磁性体
は不要となり、加熱コイルの厚みが小となって、冷却が
容易となる。
【0016】請求項3記載の発明は、加熱コイル底面に
一様に比透磁率が1を超える電気絶縁材料を設けた請求
項1または請求項2記載の誘導加熱装置用加熱コイルと
するものである。
【0017】本構成により、加熱コイル下面にも、磁性
体を設けているので、さらに漏れ磁界が小さくなり、よ
り加熱効率の高い誘導加熱装置を得ることが可能とな
る。
【0018】また従来の棒体の磁性体に比べて加熱コイ
ル底面に一様に存在するため、その厚みは棒体に比べて
極めて小とすることができ、必要冷却の緩和が可能とな
る。
【0019】さらに、請求項1または2記載の加熱コイ
ルと比べて、同じ性能を得る場合、透磁率が小さい電気
絶縁材料を用いることが可能となり、電気絶縁材料のコ
スト低減も可能となる。
【0020】請求項4記載の発明は、加熱コイル底面の
電気絶縁材料は、部分的に貫通穴を備えたことを特長と
する請求項3記載の誘導加熱装置用加熱コイルとするも
のである。
【0021】本構成により、加熱コイル下面に部分的に
貫通穴があるため、加熱コイル下面の冷却が一層容易に
なり、必要冷却の緩和が図れるようになるものである。
【0022】請求項5記載の発明は、加熱コイル底面の
電気絶縁材料は、部分的に厚みが異なることを特長とす
る請求項3記載の誘導加熱装置用加熱コイルとするもの
である。
【0023】本構成により、加熱コイル底面に存在する
電気絶縁材料の厚みが、部分的に薄くなり、薄い部分に
おいて放熱性能が大となるため、必要冷却が緩和され
る。
【0024】請求項6記載の発明は、被加熱物面に対し
て下側の加熱コイル面側の第1の電気絶縁材料の飽和磁
束密度は、導体間の第2の電気絶縁材料の飽和磁束密度
よりも大きくしたことを特長とする請求項3記載の誘導
加熱装置用加熱コイルとするものである。
【0025】本構成により、加熱コイル下面の電気絶縁
材料の厚みを薄くすることが可能となり、冷却が容易と
なって、必要冷却の緩和が図れるようになるものであ
る。
【0026】請求項7記載の発明は、加熱コイル底面に
設けられた電気絶縁材料の表面を凹凸形状にしたことを
特長とする請求項3記載の誘導加熱装置用加熱コイルと
するものである。
【0027】本構成により、加熱コイル下面の電気絶縁
材料の表面積が大となり、冷却が容易となって、必要冷
却の緩和が図れるようになるものである。
【0028】請求項8記載の発明は、導体と電気絶縁材
料の間に空隙を設けたことを特長とする請求項3記載の
誘導加熱装置用加熱コイルとするものである。
【0029】本構成により、導体から直接放熱が可能と
なり、必要冷却の緩和が可能となるものである。
【0030】請求項9記載の発明は、加熱コイル底面に
設けられた電気絶縁材料に放熱板を接触させたことを特
長とする請求項3記載の誘導加熱装置用加熱コイルとす
るものである。
【0031】本構成により、加熱コイルの発熱を放熱板
を介して効率的に放熱することが可能となるため、一層
の冷却緩和が可能となるものである。
【0032】請求項10記載の発明は、放熱板は高熱伝
導体を介して接触していることを特長とする請求項9記
載の誘導加熱装置用加熱コイルとするものである。
【0033】本構成により、放熱板の載置自由度が向上
し、効率的な冷却及び機器の小形化が可能となるもので
ある。
【0034】請求項11記載の発明は、内周部の電気絶
縁材料を電気導体平面よりも被加熱物側に高く設けたこ
とを特長とする請求項3記載の誘導加熱装置用加熱コイ
ルとするものである。
【0035】本構成により、加熱コイルと被加熱物の磁
気結合が大となり、加熱コイルに流れる電流が小とでき
ることから、加熱コイルの損失を低減することが可能と
なりものである。
【0036】請求項12記載の発明は、内周部の電気絶
縁材料表面に被加熱物温度を間接的に検知する温度セン
サを設けたことを特長とする請求項11記載の誘導加熱
装置用加熱コイルとするものである。
【0037】本構成により、温度センサ保持具が不要と
なり、加熱コイルの低損失化と低コスト化が同時に達成
できるようになるものである。
【0038】請求項13記載の発明は、内周部の電気絶
縁材料を被加熱物が載置されるプレート裏面に接触させ
たことを特長とする請求項12記載の誘導加熱装置用加
熱コイルとするものである。
【0039】本構成により、加熱コイルの低損失化と同
時に被加熱物の温度をより正確に検知することが可能と
なるものである。
【0040】請求項14記載の発明は、外周部の電気絶
縁材料を電気導体平面よりも被加熱物側に高く設けたこ
とを特長とする請求項3記載の誘導加熱装置用加熱コイ
ルとするものである。
【0041】本構成により、加熱コイルと被加熱物の磁
気結合が大となり、さらに加熱コイルからの漏れ磁界も
低減できるようになり、加熱コイルの損失低減と、不要
輻射の低減が可能となるものである。
【0042】請求項15記載の発明は、加熱コイル上面
全域に渡って、電気導体表面を除いて、電気絶縁材料を
電気導体平面よりも被加熱物側に高く設けたことを特長
とする請求項3記載の誘導加熱装置用加熱コイルとする
ものである。
【0043】本構成により、加熱コイルと被加熱物の結
合が請求項11記載あるいは15記載の構成よりもさら
に良となり、加熱コイル電流が小となって損失低減が可
能となるものである。
【0044】請求項16記載の発明は、内周部の導体近
傍に設けた電気絶縁材料の透磁率を外周部近傍に設けた
電気絶縁材料の透磁率より大としたことを特長とする請
求項1記載の誘導加熱装置用加熱コイルとするものであ
る。
【0045】本構成により、加熱コイルの発生する高周
波磁界の密度は加熱コイル中心分すなわち内周部が高い
ことから、内周部の絶縁体の透磁率を大とする事によっ
て、より効率的な被加熱物の誘導加熱が可能となるもの
である。
【0046】請求項17記載の発明は、内周部及び外周
部近傍に設けた電気絶縁材料の透磁率を内周と外周の間
の電気絶縁材料の透磁率より大としたことを特徴とする
請求項16記載の誘導加熱装置用加熱コイルとするもの
である。
【0047】本構成により、加熱コイルの発生する高周
波磁界の密度は加熱コイル中心分すなわち内周部が高く
さらに内周部−外周部磁束密度よりも外周部近傍の磁束
密度が高いことから、より効率的に被加熱物の誘導加熱
が可能となるものである。
【0048】請求項18記載の発明は電気導体を複数の
素線で構成したことを特長とする請求項1乃至17記載
の誘導加熱装置用加熱コイルとするものである。
【0049】本構成により、表皮効果による加熱コイル
線内の電流分布の偏りを小とすることが可能となり、一
層の加熱コイル損失低減が可能となるものである。
【0050】請求項19記載の発明は被加熱物が載置さ
れる方向に少なくとも2層以上重ねられた渦巻き状の電
気導体からなり、巻回途中で被加熱物面に対して少なく
とも1回以上、各層を上下に反転させたことを特長とす
る請求項11記載の誘導加熱装置用加熱コイルとするも
のである。
【0051】本構成により被加熱物と加熱コイル間に働
く近接効果が大幅に低減可となるため、加熱コイルの損
失を低減することが可能なるものである。
【0052】請求項20記載の発明は、巻線導体間隔は
内周部及び外周部よりも内周部と外周部の間を小とした
ことを特長とする請求項1乃至19記載記載の誘導加熱
装置用加熱コイルとするものである。
【0053】本構成により、磁束密度の高い部位の導体
間隔を大としているので、より一層近接効果の低減を図
ることが可能となり、加熱コイルの損失を低減できるも
のである。
【0054】請求項21記載の発明は、加熱コイルの被
加熱物面側とプレート裏面を接触させた構成としたこと
を特長とする請求項1乃至20記載の誘導加熱装置用加
熱コイルとするものである。
【0055】本構成により、加熱コイルと被加熱物との
磁気結合は極めて密となり、加熱コイル電流を小とでき
るため、加熱コイル損失を低減することが可能となるも
のである。また従来の構成では加熱コイルの被加熱物側
面の冷却が困難となり、たとえ加熱コイル損失が小とな
っても必要冷却が大となるが、本構成の場合加熱コイル
の被加熱物と逆面の冷却が極めて大であることから可能
となるものである。
【0056】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の第1の実施例に
ついて図1〜3を用いて説明する。図1は本発明の第1
の実施例を示す図で、11は誘導加熱される被加熱物、
12は、高周波電流が流れることにより、高周波磁界を
発生する渦巻き状に巻回された電気導体で本実施例の場
合は銅線を用いている。この渦巻きのターン数は、図1
においては簡易的に図示するため4ターン程度であるが
実際には20〜50ターン程度である。加熱コイルの内
径はφ50mm程度、外形は通常加熱する鍋の外形を鑑
みてφ180〜200mm程度である。ターン数が20
ターンの場合、電気導体の12の幅は1mm程度で厚み
は3mm程度、導体間は2mm程度になる。またターン
数が50ターン程度の場合、20ターンの時と同じ幅と
した場合、導体間は0.3mm程度となる。電気導体1
2の幅を小とすると、断面積を同じにするために(損失
を大としないために)その厚みを大とせざるを得ない
が、厚みを大とすると、被加熱物11との磁気的距離が
大となり、結果磁気結合が悪くなって、加熱コイルの損
失が大きくなるため、電気導体12の幅を小とすること
は困難である。13は、電気導体12の間に設けられた
電気絶縁材料で、本実施例の場合、その透磁率は100
程度の樹脂フェライトを用いている。本発明の場合、渦
巻き状に巻回された電気導体12を加熱コイルと呼んで
いる。
【0057】14は、被加熱物11を載置するためのプ
レートで、セラミックでできている。15は加熱コイル
を載置するためのコイル台で、樹脂でできている。
【0058】以上の構成により、電気導体12の間に透
磁率が大なる樹脂フェライトを設けているため、加熱コ
イルから発生する磁界は選択的に樹脂フェライトを通過
することとなり、透磁率が1である電気導体12には透
過しないため、近接効果がおこらず、電気導体12内に
流れる高周波電流の分布の偏りが、近接効果によって発
生することがないので、加熱コイルの損失を低減するこ
とが可能となる。近接効果による影響は特にターン数が
大となるとき、すなわち電気導体12間の距離が小とな
るときに大となるため、ターン数が大であればあるほ
ど、本発明の効果は大きくなるものである。
【0059】電気絶縁材料13の透磁率あるいは磁気飽
和密度が小の場合は、図2に示すように磁性体15をコ
イル台15の下面に設けても良い。また透磁率あるいは
磁気飽和密度が大であっても、磁性体15を設けること
により、加熱コイルと被加熱物11との磁気結合が大と
なり、加熱コイル損失小、また加熱効率が向上すること
は言うまでもない。
【0060】さらに、加熱コイル中心部に別部品(例え
ば被加熱物温度を間接的に検知するための樹脂に保持さ
れたサーミスタなど)を設けるために図3のように電気
絶縁材料13に空隙を設けても良い。
【0061】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について図4、5を用いて説明する。図4においては電
気絶縁材料20は、電気導体12の外周部外側に設けて
いる。電気絶縁材料は第1の実施例と同様の材質であ
る。
【0062】本構成により、電気導体12から発生する
高周波磁界は電気絶縁材料20を介して被加熱物11へ
導かれるため、従来加熱コイル下面に設けられていた磁
性体は不要となり、加熱コイルの厚みが小となって、冷
却が容易となり小形安価な誘導加熱装置を実現すること
が可能となるものである。また電気導体12から発生す
る高周波磁界は電気絶縁材料20にて被加熱物11へ導
かれるため漏れ磁界も小となりより輻射ノイズ低減も可
能となるものである。
【0063】さらに図5に示すように本発明の第1の実
施例と組み合わせて電気導体12の間にも電気絶縁材料
20あるいは13を設けてもよい。この場合は第1及び
第2の実施例両方のメリットが得られるものである。
【0064】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
について図6を用いて説明する。本実施例においては電
気絶縁材料21は加熱コイル下面にも一様に設けられ、
第1の実施例あるいは第2の実施例にて必要であったコ
イル台15は不要となる。電気絶縁材料21の材質は第
1の実施例と同様である。
【0065】以上より、加熱コイル下面にも磁性体を設
けているので、さらに漏れ磁界が小となり、また磁気結
合も大となるため、加熱コイルの損失や発生する輻射ノ
イズがが小となり、加熱効率が高く、磁気遮蔽のための
装置の不要な低コストの誘導加熱装置を実現できるもの
である。また第1あるいは第2の実施例と比べて、同じ
性能を得る場合、透磁率あるいは磁気飽和密度の小なる
電気絶縁材料21とすることが可能となりこの面におい
ても低コスト化が可能となる。
【0066】(実施例4)以下本発明の第4の実施例に
ついて図7を用いて説明する。
【0067】図7において電気絶縁材料21の一部に貫
通穴22が設けられている。本構成とすることにより、
冷却に寄与する面積が大となり、加熱コイルの必要冷却
が緩和でき、低コスト小形の誘導加熱装置が実現できる
ものである。
【0068】(実施例5)以下本発明の第5の実施例に
ついて図8を用いて説明する。図8において電気絶縁材
料15の厚みは部分的に異なるものとなっている。すな
わち発熱の大なる電気導体12の下面においては薄く、
それ以外の部分については厚くしている。以上より発熱
の大なる部分において電気絶縁材料15の厚みを小とし
ているため冷却が効率的にできるようになり、同じ冷却
風においても加熱コイルの温度を低減することが可能と
なり、小形低コストの誘導加熱装置を可能とするもので
ある。
【0069】(実施例6)以下本発明の第6の実施例に
ついて図9を用いて説明する。図9において30は第2
の電気絶縁材料で、31は第1の電気絶縁材料であり、
第1の電気絶縁材料31の透磁率または磁気飽和密度は
第2の電気絶縁材料30のそれより大としている。第2
の電気絶縁材料30の材質は第1の実施例で述べた内容
と同様である。以上より、加熱コイル下面の電気絶縁材
料の厚みを薄くすることが可能となり、冷却が容易とな
って、必要冷却の緩和が図れるようになるものである。
【0070】(実施例7)以下本発明の第7の実施例に
ついて図10を用いて説明する。図10において電気絶
縁材料15の被加熱物11に対して下面の表面面積は凹
凸形状にすることによって大きくなっている。従って同
じ冷却風でも第3の実施例と比べて必要冷却が小とな
り、低コスト小形の誘導加熱装置が実現できるものであ
る。
【0071】(実施例8)以下本発明の第8の実施例に
ついて図11を用いて説明する。図11において電気導
体12と電気絶縁材料13の間には空隙40が設けられ
ている。以上の構成にすることにより、同じ冷却風でも
第3の実施例と比べて必要冷却が小となり、低コスト小
形の誘導加熱装置が実現できるものである。
【0072】(実施例9)以下本発明の第9の実施例に
ついて図12を用いて説明する。図12において41は
本実施例の場合熱伝導のよいアルミでできた放熱板で、
電気絶縁材料13と接触されている。以上の構成にする
ことにより、同じ冷却風でも第3の実施例と比べて必要
冷却が小となり、低コスト小形の誘導加熱装置が実現で
きるものである。
【0073】(実施例10)以下本発明の第10の実施
例について図13を用いて説明する。図13において電
気絶縁材料13の熱は高熱伝導体50を介して放熱板4
1に導かれることになる。以上より放熱板41の載置自
由度及び形状自由度が大となり小形低コストの誘導加熱
装置を実現することが可能となるものである。
【0074】(実施例11)以下本発明の第11の実施
例について図14を用いて説明する。図14において内
周部の電気絶縁材料13を電気導体12平面よりも被加
熱物11側に高く設けている。本構成により、加熱コイ
ルと被加熱物11の磁気結合が大となり、加熱コイルに
流れる電流が小とできることから、加熱コイルの損失を
低減することが可能となりものである (実施例12)以下本発明の第12の実施例について図
15を用いて説明する。図15において51は、被加熱
物11の温度を間接的に検知する温度センサであり、電
気絶縁材料13用いてプレート14に接触させたもので
ある。本構成により、加熱コイルの低損失化と同時に被
加熱物の温度をより正確に検知することが可能となるも
のである (実施例13)以下本発明の第13の実施例について図
16を用いて説明する。図16において51は、被加熱
物11の温度を間接的に検知する温度センサであり、電
気絶縁材料13をプレート14に接触させてしかもその
内部に埋設されているものである。電気絶縁材13は磁
性体のため一般的な樹脂よりも約5倍以上の熱伝導率が
あるため、本実施例のように熱集約材料としても可能で
あることから本発明の構成によりより一層被加熱物11
の温度を正確に検知することが可能となるものである。
【0075】(実施例14)以下本発明の第14の実施
例について図17、18を用いて説明する。図17にお
いて外周部の電気絶縁材料13を電気導体12平面より
も被加熱物11側に高く設けている。本構成により、加
熱コイルと被加熱物11磁気結合が大となり、さらに加
熱コイルからの漏れ磁界も低減できるようになり、加熱
コイルの損失低減と、不要輻射の低減が可能となるもの
である。
【0076】さらに図18に示すように第1の電気絶縁
材料60と第2の電気絶縁材料61と2つに分けても良
い。この場合は第2の電気絶縁材料61の透磁率あるい
は磁気飽和密度を大とすることにより加熱コイルの低損
失化や低コスト化が可能となるものである。
【0077】(実施例15)以下本発明の第15の実施
例について図19を用いて説明する。図19において電
気絶縁材料13は、電気導体12表面を除いて、加熱コ
イル上面全域に渡って電気導体12平面よりも被加熱物
11側に高く設けている。この構成により、加熱コイル
と被加熱物11との結合がさらに良くなり、漏れ磁界の
低減や加熱コイル電流の低減が可能となるものである。
【0078】(実施例16)以下本発明の第16の実施
例について、図20を用いて説明する。図20において
70は第1の電気絶縁材料であり、電気導体12の外周
部に設けられている。71は第2の電気絶縁材料であ
り、電気導体12の内周部に設けられている。
【0079】電気絶縁材料71の透磁率は電気絶縁材料
70の透磁率よりも大としている。以上の構成により、
加熱コイルの発生する高周波磁界の密度は加熱コイル中
心分すなわち内周部が高いことから、内周部の絶縁体の
透磁率を大とする事によって、より効率的な被加熱物の
誘導加熱が可能となるものである。
【0080】(実施例17)以下本発明の第17の実施
例について図21を用いて説明する。図21において8
0は第1の電気絶縁材料であり、電気導体12の内周部
と外周部の間に設けられている。81は第2の電気絶縁
材料であり、電気導体12の内周部及び外周部に設けら
れている。
【0081】電気絶縁材料81の透磁率は電気絶縁材料
80の透磁率よりも大としている。以上の構成により、
加熱コイルの発生する高周波磁界の密度は加熱コイル中
心分すなわち内周部が高くかつ、内周部−外周部磁束密
度よりも外周部近傍の磁束密度が高いことから、より効
率的に被加熱物の誘導加熱が可能となるものである。
【0082】(実施例18)以下本発明の第18の実施
例について図22を用いて説明する。図22において電
気導体12は本実施例の場合φ0.3mmの素線を35本撚
り合わせたものとしている。以上の構成によって、高周
波電流の表皮効果の影響による電流分布の偏りがなくな
り、一層加熱コイルの損失低減が可能となるものであ
る。
【0083】(実施例19)以下本発明の第19の実施
例について図23を用いて説明する。図23において電
気導体12は、間に電気絶縁体90を挟んだ2層の構成
(第1層の電気導体12aと第2層の電気導体12b)
になっている。さらに第1層の電気導体12aと第2層
の電気導体12bは、反転部91にて被加熱物11に対
して、上下の関係になっている。反転部91にて、上下
に反転しない場合、電気導体12に流れる電流は鍋と加
熱コイルとの近接効果により、鍋側の層に集中して流れ
るため、加熱コイルの損失大となるが、本構成のように
巻回途中で上下反転することによりそれぞれの層に流れ
る電流が均一となり、鍋との近接効果の影響を回避でき
るものである。さらに複数の層にしていることから表皮
効果の影響を避けることも可能となり、加えて電気導体
間に透磁率の大なる電気絶縁材料13を設けていること
から、電気導体間の近接効果も低減でき、極めて損失の
少ない加熱コイルを実現することが可能となる。
【0084】(実施例20)以下本発明の第20の実施
例について図24を用いて説明する。図24において電
気導体12の巻回ピッチは、内周部が大きくなってい
る。以上より磁束密度の高い部位の導体間隔を大として
いるので、より一層近接効果の低減を図ることが可能と
なり、加熱コイルの損失を低減できるものである。
【0085】(実施例21)以下本発明の第21の実施
例について図25を用いて説明する。図25において電
気絶縁材料13及び電気導体12は被加熱物11の面側
でプレート14に接触している。本構成により、加熱コ
イルと被加熱物11との磁気結合は極めて密となり、加
熱コイル電流を小とできるため、加熱コイル損失を低減
することが可能となるものである。また従来の構成では
加熱コイルの被加熱物11側面の冷却が困難となり、た
とえ加熱コイル損失が小となっても必要冷却が大となる
が、本構成の場合加熱コイルの被加熱物11と逆面の冷
却が極めて大であることから可能となるものである。
【0086】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、渦巻き状に巻回した電気導体の導体間に少なくと
も比透磁率が1を超える電気絶縁体を設けて、加熱コイ
ルから発生する高周波磁界は導体間の電気絶縁材料に集
中し、導体間に作用する近接効果を大幅に低減すること
が可能となるので、導体内部の電流分布の偏りが減じ、
加熱コイルの損失低減が可能となり、結果装置の小形化
や、低コスト化、加熱効率の向上といった優れた誘導加
熱装置を簡単に実現することができるようになるもので
ある。尚、従来の誘導加熱装置で用いてたフェライト
は、電気導体であり、本発明のような電気導体間に用い
た場合は、絶縁が困難である。また同じようにフェライ
トを用いて、電気導体の表面に高耐熱電気絶縁樹脂をコ
ートした場合においても、そのコート膜が一部剥がれた
場合など想定するとやはり、絶縁面で問題が生じる。以
上のことことからも、本発明のように電気絶縁体を用い
る意義は極めて大きい。
【0087】また、請求項2記載の発明によれば、加熱
コイル最外周外側に磁性体を設けているので、従来の加
熱コイル下面の磁性体は不要となり、加熱コイルの厚み
が小となって、冷却が容易となる。従って、冷却装置の
小形化が可能となり、小形、低コストの誘導加熱装置を
実現することができるものである。
【0088】また、請求項3記載の発明によれば、加熱
コイル下面にも、磁性体を設けているので、さらに漏れ
磁界が小さくなり、より加熱効率の高い誘導加熱装置を
得ることが可能となる。
【0089】また従来の棒体の磁性体に比べて加熱コイ
ル底面に一様に存在するため、その厚みは棒体に比べて
極めて小とすることができ、必要冷却の緩和が可能とな
る。
【0090】さらに、請求項1または2記載の加熱コイ
ルと比べて、同じ性能を得る場合、透磁率が小さい電気
絶縁材料を用いることが可能となり、電気絶縁材料のコ
スト低減も可能となるものである。
【0091】また、請求項4記載の発明によれば、加熱
コイル下面に部分的に貫通穴があるため、加熱コイル下
面の冷却が一層容易になり、必要冷却の緩和が図れるよ
うになるものである。
【0092】また、請求項5記載の発明によれば、加熱
コイル底面に存在する電気絶縁材料の厚みが、部分的に
薄くなり、薄い部分において放熱性能が大となるため、
必要冷却が緩和されるものである。
【0093】また、請求項6記載の発明によれば、加熱
コイル下面の電気絶縁材料の厚みを薄くすることが可能
となり、冷却が容易となって、必要冷却の緩和が図れる
ようになるものである。
【0094】また、請求項7記載の発明によれば、加熱
コイル下面の電気絶縁材料の表面に凹凸を設けているの
で、加熱コイル下面の電気絶縁材料の表面積が大とな
り、冷却が容易となって、必要冷却の緩和が図れるよう
になるものである。
【0095】また、請求項8記載の発明によれば、電気
導体と電気絶縁材料との間に空隙を設けているので、電
気導体から直接放熱が可能となり、必要冷却の緩和が可
能となるものである。
【0096】また、請求項9記載の発明によれば、加熱
コイル下面と放熱板を接触させているので、加熱コイル
の発熱を放熱板を介して効率的に放熱することが可能と
なるため、一層の冷却緩和が可能となるものである。
【0097】また、請求項10記載の発明によれば、加
熱コイル下面と放熱板の間に高熱伝導体を設けているの
で、放熱板の載置自由度が向上し、効率的な冷却及び機
器の小形化が可能となるものである。
【0098】また、請求項11記載の発明によれば、内
周部の電気絶縁材料を電気導体平面よりも被加熱物側に
高く設けているので、加熱コイルと被加熱物の磁気結合
が大となり、加熱コイルに流れる電流が小とできること
から、加熱コイルの損失を低減することが可能となりも
のである。
【0099】また、請求項12記載の発明によれば、内
周部の電気絶縁材料表面に被加熱物温度を間接的に検知
する温度センサを設けることにより、温度センサ保持具
が不要となり、加熱コイルの低損失化と低コスト化が同
時に達成できるようになるものである。
【0100】また、請求項13記載の発明によれば、内
周部の電気絶縁材料を被加熱物が載置されるプレート裏
面に接触させているので、加熱コイルの低損失化と同時
に被加熱物の温度をより正確に検知することが可能とな
るものである。
【0101】また、請求項14記載の発明によれば、外
周部の電気絶縁材料を電気導体平面よりも被加熱物側に
高く設けているので、加熱コイルと被加熱物の磁気結合
が大となり、さらに加熱コイルからの漏れ磁界も低減で
きるようになり、加熱コイルの損失低減と、不要輻射の
低減が可能となるものである。
【0102】また、請求項15記載の発明によれば、加
熱コイル上面全域に渡って、電気導体表面を除いて、電
気絶縁材料を電気導体平面よりも被加熱物側に高く設け
ているので、加熱コイルと被加熱物の結合が請求項11
記載あるいは15記載の構成よりもさらに良となり、加
熱コイル電流が小となって損失低減が可能となるもので
ある。
【0103】また、請求項16記載の発明によれば、内
周部の導体近傍に設けた電気絶縁材料の透磁率を外周部
近傍に設けた電気絶縁材料の透磁率より大としているの
で、より効率的な被加熱物の誘導加熱が可能となるもの
である。
【0104】また、請求項17記載の発明によれば、内
周部及び外周部近傍に設けた電気絶縁材料の透磁率を内
周と外周の間の電気絶縁材料の透磁率より大としている
ので、さらに効率的に被加熱物の誘導加熱が可能となる
ものである。
【0105】また、請求項18記載の発明によれば、電
気導体を複数の素線で構成しているので、表皮効果によ
る加熱コイル線内の電流分布の偏りを小とすることが可
能となり、一層の加熱コイル損失低減が可能となるもの
である。
【0106】また、請求項19記載の発明によれば、被
加熱物が載置される方向に少なくとも2層以上重ねられ
た渦巻き状の電気導体からなり、巻回途中で被加熱物面
に対して少なくとも1回以上、各層を上下に反転させて
いるので、被加熱物と加熱コイル間に働く近接効果が大
幅に低減可となるため、加熱コイルの損失を低減するこ
とが可能なるものである。
【0107】また、請求項20記載の発明によれば、巻
線導体間隔は内周部及び外周部よりも内周部と外周部の
間を小としているので、より一層近接効果の低減を図る
ことが可能となり、加熱コイルの損失を低減できるもの
である。
【0108】また、請求項21記載の発明によれば、加
熱コイルの被加熱物面側とプレート裏面を接触させた構
成としているので、加熱コイルと被加熱物との磁気結合
は極めて密となり、加熱コイル電流を小とできるため、
加熱コイル損失を低減することが可能となるものであ
る。また従来の構成では加熱コイルの被加熱物側面の冷
却が困難となり、たとえ加熱コイル損失が小となっても
必要冷却が大となるが、本構成の場合加熱コイルの被加
熱物と逆面の冷却が極めて大であることから可能となる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である誘導加熱装置用加
熱コイルの構成を示す図
【図2】同、加熱コイル下面に磁性体を配置した場合の
形態の構成を示す図
【図3】同、加熱コイル中心部の電気絶縁体に空隙を設
けた形態の構成を示す図
【図4】本発明の第2の実施例である誘導加熱装置用加
熱コイルの構成を示す図
【図5】同、電気導体内にも電気絶縁材料を設けた形態
の構成を示す図
【図6】本発明の第3の実施例である誘導加熱装置用加
熱コイルの構成を示す図
【図7】本発明の第4の実施例である誘導加熱装置用加
熱コイルの構成を示す図
【図8】本発明の第5の実施例である誘導加熱装置用加
熱コイルの構成を示す図
【図9】本発明の第6の実施例である誘導加熱装置用加
熱コイルの構成を示す図
【図10】本発明の第7の実施例である誘導加熱装置用
加熱コイルの構成を示す図
【図11】本発明の第8の実施例である誘導加熱装置用
加熱コイルの構成を示す図
【図12】本発明の第9の実施例である誘導加熱装置用
加熱コイルの構成を示す図
【図13】本発明の第10の実施例である誘導加熱装置
用加熱コイルの構成を示す図
【図14】本発明の第11の実施例である誘導加熱装置
用加熱コイルの構成を示す図
【図15】本発明の第12の実施例である誘導加熱装置
用加熱コイルの構成を示す図
【図16】本発明の第13の実施例である誘導加熱装置
用加熱コイルの構成を示す図
【図17】本発明の第14の実施例である誘導加熱装置
用加熱コイルの構成を示す図
【図18】同異なる特性の電気絶縁材料を2つの部位に
適用した形態の構成を示す図
【図19】本発明の第15の実施例である誘導加熱装置
用加熱コイルの構成を示す図
【図20】本発明の第16の実施例である誘導加熱装置
用加熱コイルの構成を示す図
【図21】本発明の第17の実施例である誘導加熱装置
用加熱コイルの構成を示す図
【図22】本発明の第18の実施例である誘導加熱装置
用加熱コイルの構成を示す図
【図23】本発明の第19の実施例である誘導加熱装置
用加熱コイルの構成を示す図
【図24】本発明の第20の実施例である誘導加熱装置
用加熱コイルの構成を示す図
【図25】本発明の第21の実施例である誘導加熱装置
用加熱コイルの構成を示す図
【図26】従来の誘導加熱装置の部品構成を示す断面図
【図27】同、加熱コイルを上から見た図
【図28】同、加熱コイルを下から見た図
【符号の説明】
12 電気導体 13 電気絶縁材料 20 電気絶縁材料 21 電気絶縁材料 22 貫通穴 30 第2の電気絶縁材料 31 第1の電気絶縁材料 40 空隙 41 放熱板 50 高熱伝導体 51 温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 祐 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大森 英樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K051 AA08 AC33 AD03 AD05 AD35 3K059 AA08 AC33 AD03 AD05 AD35

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気導体を渦巻き状に巻回し、導体間に
    少なくとも比透磁率が1を超える電気絶縁材料を設けた
    ことを特長とする誘導加熱装置用加熱コイル。
  2. 【請求項2】 渦巻き状に巻回した導体の最外周の導体
    より外側に比透磁率が1を超える電気絶縁材料を設けた
    ことを特長とする誘導加熱装置用加熱コイル。
  3. 【請求項3】 加熱コイル底面に一様に比透磁率が1を
    超える電気絶縁材料を設けた請求項1または2記載の誘
    導加熱装置用加熱コイル。
  4. 【請求項4】 加熱コイル底面の電気絶縁材料は、部分
    的に貫通穴を備えたことを特長とする請求項3記載の誘
    導加熱装置用加熱コイル。
  5. 【請求項5】 加熱コイル底面の電気絶縁材料は、部分
    的に厚みが異なることを特長とする請求項3記載の誘導
    加熱装置用加熱コイル。
  6. 【請求項6】 被加熱物面に対して下側の加熱コイル面
    側の第1の電気絶縁材料の飽和磁束密度は、導体間の第
    2の電気絶縁材料の飽和磁束密度よりも大きくしたこと
    を特長とする請求項3記載の誘導加熱装置用加熱コイ
    ル。
  7. 【請求項7】 加熱コイル底面に設けられた電気絶縁材
    料の表面を凹凸形状にしたことを特長とする請求項3記
    載の誘導加熱装置用加熱コイル。
  8. 【請求項8】 導体と電気絶縁材料の間に空隙を設けた
    ことを特長とする請求項3記載の誘導加熱装置用加熱コ
    イル。
  9. 【請求項9】 加熱コイル底面に設けられた電気絶縁材
    料に放熱板を接触させたことを特長とする請求項3記載
    の誘導加熱装置用加熱コイル。
  10. 【請求項10】 放熱板は高熱伝導体を介して接触して
    いることを特長とする請求項9記載の誘導加熱装置用加
    熱コイル。
  11. 【請求項11】 内周部の電気絶縁材料を電気導体平面
    よりも被加熱物側に高く設けたことを特長とする請求項
    3記載の誘導加熱装置用加熱コイル。
  12. 【請求項12】 内周部の電気絶縁材料表面に被加熱物
    温度を間接的に検知する温度センサを設けたことを特長
    とする請求項11記載の誘導加熱装置用加熱コイル。
  13. 【請求項13】 内周部の電気絶縁材料を被加熱物が載
    置されるプレート裏面に接触させたことを特長とする請
    求項12記載の誘導加熱装置用加熱コイル。
  14. 【請求項14】 外周部の電気絶縁材料を電気導体平面
    よりも被加熱物側に高く設けたことを特長とする請求項
    3記載の誘導加熱装置用加熱コイル。
  15. 【請求項15】 加熱コイル上面全域に渡って、電気導
    体表面を除いて、電気絶縁材料を電気導体平面よりも被
    加熱物側に高く設けたことを特長とする請求項3記載の
    誘導加熱装置用加熱コイル。
  16. 【請求項16】 内周部の導体近傍に設けた電気絶縁材
    料の透磁率を外周部近傍に設けた電気絶縁材料の透磁率
    より大としたことを特長とする請求項1記載の誘導加熱
    装置用加熱コイル。
  17. 【請求項17】 内周部及び外周部近傍に設けた電気絶
    縁材料の透磁率を内周と外周の間の電気絶縁材料の透磁
    率より大としたことを特徴とする請求項16記載の誘導
    加熱装置用加熱コイル。
  18. 【請求項18】 電気導体を複数の素線で構成したこと
    を特長とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の誘
    導加熱装置用加熱コイル。
  19. 【請求項19】 被加熱物が載置される方向に少なくと
    も2層以上重ねられた渦巻き状の電気導体からなり、巻
    回途中で被加熱物面に対して少なくとも1回以上、各層
    を上下に反転させたことを特長とする請求項18記載の
    誘導加熱装置用加熱コイル。
  20. 【請求項20】 巻線導体間隔は内周部及び外周部より
    も内周部と外周部の間を小としたことを特長とする請求
    項1〜19のいずれか1項に記載の誘導加熱装置用加熱
    コイル。
  21. 【請求項21】 加熱コイルの被加熱物面側とプレート
    裏面を接触させた構成としたことを特長とする請求項1
    〜20のいずれか1項に記載の誘導加熱装置用加熱コイ
    ル。
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