JP2001297869A - 誘導加熱装置用加熱コイル - Google Patents

誘導加熱装置用加熱コイル

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JP2001297869A
JP2001297869A JP2000111749A JP2000111749A JP2001297869A JP 2001297869 A JP2001297869 A JP 2001297869A JP 2000111749 A JP2000111749 A JP 2000111749A JP 2000111749 A JP2000111749 A JP 2000111749A JP 2001297869 A JP2001297869 A JP 2001297869A
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heating coil
heating
coil
winding
layer
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JP2000111749A
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English (en)
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Motonari Hirota
泉生 弘田
Takahiro Miyauchi
貴宏 宮内
Tomoya Fujinami
知也 藤濤
Tetsuo Obata
哲生 小畑
Hideki Omori
英樹 大森
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B40/00Technologies aiming at improving the efficiency of home appliances, e.g. induction cooking or efficient technologies for refrigerators, freezers or dish washers

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小形かつ低コストの誘導加熱装置を実現する
ため、簡単な構成で、かつ損失増加のない安価な加熱コ
イルを提供することを目的としている。 【解決手段】 電気導体を被加熱物が載置される方向へ
少なくとも2層以上重ね、かつ渦巻き状に巻回した加熱
コイル11を有し、この加熱コイル11は、巻回途中で
被加熱物面に対して少なくとも1回以上、前記各層の加
熱コイル11a、11bを上下に反転させたものであ
る。そして、表皮効果と近接効果による各層の加熱コイ
ル11a、11bおよび層内の電流分布を均一にし、損
失増加を防いで簡素な構成で安価な加熱コイルとしてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般家庭およびレス
トラン、あるいは工場などで使用される誘導加熱装置に
おける加熱コイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の誘導加熱装置の加熱コイルは、誘
導加熱調理器の断面図である図12および加熱コイルの
上面図である図13を用いて説明する。1は加熱コイル
2から発生する高周波磁界によって誘導加熱される被加
熱物、3は加熱コイル2に高周波電流を供給するインバ
ータ回路で、図には特に記載していないが、加熱コイル
2と接続されている。4は被加熱物1がその上面に載置
されるプレートで、その材質はセラミックである。5は
筐体、6は加熱コイル2を載置するコイル台である。前
記加熱コイル2は、コイル線を直径0.3mm〜0.5
mm程度の素線を30本程度撚り合わせたもので構成
(リッツワイヤ構成)されている。前記撚りピッチは数
cm程度で、それぞれの素線は1ターン中に数回、被加
熱物1の下面に対して上下の位置関係を繰り返す構成と
なっている。
【0003】素線の材質は銅で、その表面は絶縁物によ
って覆われており、それぞれの素線が電気的に接続され
ないようになっている。それぞれの素線は加熱コイル2
の始端および終端にて絶縁体を溶かして電気的に接続
し、図には特に記していないが、眼鏡状の端子にてかし
めどめされている。加熱コイル2のコイル線をこのよう
な素線を撚り合わせた構成にしている理由は、加熱コイ
ル2に流れる周波数20〜30kHz程度の高周波電流
が、表皮効果によりコイル線表面に電流が集中するた
め、コイル線の径を流れる高周波電流の表皮深さに対し
て充分小とする必要があること、さらに加熱コイルと被
加熱物間に働く近接効果により、特定の素線に電流が集
中すること防ぐためである。
【0004】コイル線の径が、流れる高周波電流の表皮
深さに対して大きい場合、素線内部には電流が流れない
ため、インピーダンスが大となる。また充分径が小の素
線としても、撚りが全くない場合は、上記近接効果によ
り、被加熱物1側の素線群に電流が集中するため、同様
にインピーダンスが大になる。このように加熱コイル2
は、そのインピーダンスが大きくなると、その損失が大
きくなり、温度上昇および加熱効率面で問題である。
【0005】一方、コイル線の絶縁物の耐熱は一般的に
150〜180℃程度であり、コイル線の温度がこの耐
熱を越えると上記素線間およびコイル線間の絶縁が困難
となり、この場合コイルとしての機能を果たすことが不
可能になる。
【0006】図13に示す加熱コイル2のターン数は簡
易的に示したものであり、実際のターン数は20〜30
ターン程度である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
な従来の誘導加熱装置の加熱コイル2では、以下に示す
課題があった。すなわち、上記したような複数の素線を
撚りあわせて巻回する構成の加熱コイルは前記構成が複
雑で、その製造コストが極めて大きく、その結果商品の
コスト上昇を招くという課題である。すなわち、複数の
素線を撚りあわせる段階で1本でも素線が切れると、製
造がストップするし、また加熱コイルの形状を保持する
ため、コイルに巻回後、高温にして各素線を密着(熱溶
着)する必要があるなどで、複雑かつ時間のかかるもの
である。
【0008】本発明は上記従来の課題を解決し、簡素か
つ容易な工法で造り、従来以下の損失で、低コストにし
て安価な誘導加熱装置を製造できる加熱コイルを提供す
ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、電気導体を被加熱物が載置される方向へ
少なくとも2層以上重ね、かつ渦巻き状に巻回した加熱
コイルを有し、この加熱コイルは、巻回途中で被加熱物
面に対して少なくとも1回以上、前記各層の加熱コイル
を上下に反転させた誘導加熱装置用加熱コイルである。
【0010】上記手段において、複数の素線を撚りあわ
せる必要がなく、かつ各層の加熱コイルに流れる電流は
被加熱物面側に偏ることがないため、簡素な構成で製造
でき、かつ従来と同等レベルの加熱コイルを実現するこ
とができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、電気導体を被加熱物が載置される方向へ少なくとも
2層以上重ね、かつ渦巻き状に巻回した加熱コイルを有
し、この加熱コイルは、巻回途中で被加熱物面に対して
少なくとも1回以上、前記各層の加熱コイルを上下に反
転させた誘導加熱装置用加熱コイルである。
【0012】上記実施形態において、加熱コイルは2層
以上に重ねた各層の加熱コイルを巻回途中で上下に反転
しているので、近接効果による各層の加熱コイルに流れ
る電流が被加熱物面側に偏るのを改善する作用を有す
る。
【0013】また、請求項2に記載した発明は、請求項
1の記載において、上下に反転させた加熱コイルが占め
る面積を、全体の加熱コイルが占める面積の略半分にし
た誘導加熱装置用加熱コイルである。
【0014】上記実施形態において、上下に反転させた
加熱コイルが占める面積は、全体の加熱コイルが占める
面積の略半分にしているので、各層の加熱コイルに流れ
る電流分布を請求項1記載の加熱コイルに比べてさらに
均一にでき、発熱を少なくできる作用を有する。
【0015】また、請求項3に記載した発明は、請求項
1または請求項2の記載において、加熱コイルを、外周
部分巻線と内周部分巻線に分離し、このそれぞれ部分の
巻線の外側端を接続して、前記内周部分巻線を外周部分
巻線の内側へ折畳んでなる誘導加熱装置用加熱コイルで
ある。
【0016】上記実施形態において、外周部分巻線と内
周部分巻線に分離して外側端を接続した加熱コイルの前
記内周部分巻線を外周部分巻線の内側に折り畳むだけ
で、各層の加熱コイルを巻回途中で上下に反転できるの
で、製造コストを低減する作用を有する。
【0017】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
〜請求項3のいずれか1項の記載において、加熱コイル
は、その終端部を眼鏡状の端子に形成した誘導加熱装置
用加熱コイルである。
【0018】上記実施形態において、従来必要であった
眼鏡端子によるかしめ工程が不要となるため、より製造
コストの低減を図る作用を有する。
【0019】また、請求項5に記載の発明は、請求項1
〜請求項4のいずれか1項の記載において、加熱コイル
はこの加熱コイルに流れる電流に直流成分を含まないイ
ンバータ回路を用い、電気導体の材質をアルミニウムに
した誘導加熱装置用加熱コイルである。
【0020】上記実施形態において、加熱コイルの導体
材料を高価な銅から安価なアルミニウムにできるため、
さらに安価な加熱コイルを得られる作用を有する。
【0021】また、請求項6に記載の発明は、請求項1
〜請求項5のいずれか1項の記載において、電気導体を
打ち抜き工法にて各層を成す加熱コイルを形成した誘導
加熱装置用加熱コイルである。
【0022】上記実施形態において、請求項1の構成と
比べて、より簡単な工法で各層の加熱コイルを得ること
ができ、さらに製造コストの低減を図る作用を有する。
【0023】
【実施例】以下本発明の誘導加熱装置用加熱コイルにつ
き、図1〜図11を参照して説明する。
【0024】(実施例1)図1は請求項1の発明に対応
する一実施例を示す本発明の加熱コイルを採用した誘導
加熱装置の概略構成図で、図2は同加熱コイルを示す一
部を拡大断面した構成図で、図3(a)、(b)は同加
熱コイルに流れる電流の分布を比較した図で、図4
(a)、(b)は同加熱コイルの製作過程を示す平面図
である。
【0025】11は誘導加熱用の加熱コイルで、この加
熱コイル11に流れる高周波電流により発生する高周波
磁界にて被加熱物12を誘導加熱する。そして、前記加
熱コイルは、薄い帯状の銅等の電気導体を被加熱物12
が載置される方向へ少なくとも第1層の加熱コイル11
a、第2層の加熱コイル11bの2層以上を、被加熱物
12の面に対して平行に重ね、かつ渦巻き状に巻回し、
この巻回途中で被加熱物12の面に対して少なくとも1
回以上、前記各層の加熱コイル11a、11bを上下に
反転させたものである。前記各層の加熱コイル11a、
11bは、その厚みを加熱コイル11に流れる高周波電
流と導体材質によって決まる表皮深さに対して充分小さ
い値であるように、例えば20kHzでは0.3mm程
度にしている。また各層の加熱コイル11a、11bは
電気絶縁体13によって絶縁されている。
【0026】以上説明したように、加熱コイル11は、
中心からの巻回途中で(被加熱物12に対する面を上と
した場合)第1層の加熱コイル11aを上(被加熱物1
2側)から下へ、第2層加熱コイル11bを下から上へ
と上下反転となる構造にしているので、その製造工法の
一形態を図4で説明する。すなわち、薄い板状の電気導
体からエッチング工法にて得られた図4(a)のような
反転部16を境とした内周部分巻線14と外周部分巻線
15の巻回方向が逆となる渦巻き電気導体を、図4
(b)のように反転部16にて捻る等の方法により上下
に反転して巻回方向を同じとし、かつ第1層の加熱コイ
ル11aと第2層の加熱コイル11bが上下反転するよ
うに作製している。
【0027】上記実施例の動作について説明する。加熱
コイル11に高周波電流(本実施例の場合20kHz
〜)が流れると、まず表皮効果(表皮作用)により、各
層の加熱コイル11a、11bの表面部分に電流が集中
して流れることになる。然るに、本実施例の場合、各層
の加熱コイル11a、11bの厚みは表皮深さに対して
充分薄いため(例えば20kHzでは0.3mm程
度)、表皮効果による電流分布の不均一は発生しない。
さらに、各層の加熱コイル11a、11bは、巻回途中
で上下反転の構造となっているため、被加熱物12と加
熱コイル11の間で発生する近接効果による上下層の電
流分布の不均一は、反転させなかった場合の分布に比べ
て極めて改善される。すなわち、発明者らの実験によれ
ば、図3に示すように、入力電力約1200Wにおい
て、本実施例の加熱コイル11では、図3(a)に示す
ように、第1層の加熱コイル11aに流れる電流は12
A、第2層の加熱コイル11bに流れる電流は10A
と、その差は小さく、略均一になる。これに対し、巻回
途中で上下反転させなかった加熱コイルの場合、図3
(b)に示すように、第1層の加熱コイルに流れる電流
は15A、第2層の加熱コイルに流れる電流は7Aとそ
の差は大きいものであった。
【0028】以上のように本実施例においては被加熱物
12面に対して平行に積層された薄い帯状の複数の加熱
コイルを巻回途中で上下反転させることにより、従来の
リッツ構成の加熱コイルと比べて極めて簡単な構成にで
きるとともに、製造コストの低減が可能となり、また各
層の加熱コイルの電流分布が均一化できるため、損失上
昇を防ぐことができる。その結果、本実施例の加熱コイ
ルを採用することにより、安価な誘導加熱装置を実現す
ることが可能となる。
【0029】また、リッツ構成の代替としては、本実施
例のような薄い帯状の加熱コイルを複数積層させて表皮
効果による電流不均一を防ぐことを目的として、例えば
被加熱物12面に対して垂直に配置・巻回するものも考
えられるが、この場合は上記のように近接効果によっ
て、垂直方向に電流の偏りが発生するため、損失は従来
よりも大きくなり実用的でない。この点からも巻回途中
で被加熱物12面に対して各層の加熱コイルを上下へ反
転させる構成は極めて効果大と言える。
【0030】また、従来は複数の素線を撚った形態の線
間に空隙を設けることは困難であったが、本実施例のよ
うな構成では、各加熱コイル11a、11b間に空隙を
容易に設けることができ、結果として加熱コイル11の
冷却が極めて容易となるため、冷却構成の簡素化が可能
となり、この点においても装置としての低コスト化が一
層可能となるものである。
【0031】なお、本実施例においては加熱コイル11
の層数を2層としたが、3層、4層と増やしていけば、
さらに低損失化が可能となる。また、図2の加熱コイル
11のターン数は簡素化したものであり、実際にはトー
タル数十ターンの構成となる。また、反転部16は1カ
所としたが、複数箇所で実施した場合、箇所数が大とな
るほど従来のリッツ構成と同様に近づくため各層の加熱
コイルに流れる電流の均一化がより一層進むものであ
る。また、電気絶縁体13は第1層の加熱コイル11a
と第2層の加熱コイル11b間の電気絶縁およびコイル
線間の電気絶縁のために必要であり、層全体を絶縁して
も良い。
【0032】(実施例2)図5は請求項2の発明に対応
する一実施例における加熱コイルの構成を示す平面図
で、図6は同加熱コイルの各層の電流分を示す図であ
る。この発明は、加熱コイルの上下に反転させた加熱コ
イルが占める面積を、全体の加熱コイルが占める面積の
略半分にした点が上記実施例1の発明と異なるだけで、
これ以外の同一構造、作用効果を奏する部分には同じ符
号を付して詳細な説明を省き、異なる処を中心に説明す
る。
【0033】21は加熱コイルで、実施例1と同様に積
層した複数の層の加熱コイル21a、21bで構成さ
れ、巻回途中の反転部16において上下に反転されてい
る。そして、加熱コイル21は、反転部16を境に内周
部分巻線14と外周部分巻線15に分離され、内周部分
巻線14の面積と、外周部分巻線15の面積は同じとな
るように構成している。すなわち、上下に反転させた加
熱コイルが占める面積を、全体の加熱コイルが占める面
積の略半分にしていることになる。
【0034】上記実施例において、上記実施例1と同様
の作用効果を期待できるとともに、各層の加熱コイル2
1a、21bは、巻回途中で上下反転させている上に、
さらに上下反転している内周部分巻線14の占める面積
を、全体の加熱コイル21が占める面積の略半分にして
いる構造となっているため、被加熱物12と加熱コイル
11の間で発生する近接効果による上下層の電流分布の
不均一は、より一層少なくなる。すなわち、図6に示す
ように第1層の加熱コイル21a、第2層の加熱コイル
21bに流れる電流は、実施例1のものに比べて、より
一層均一化が図られている。
【0035】このように加熱コイル21は被加熱物12
に対向する内周部分巻線14と外周部分巻線15の面積
を同じとすることにより、近接効果による影響を第1
層、第2層の各加熱コイル21a、21bで同じとする
ことができるため、各層の加熱コイルを流れる電流はよ
り均一となり、結果として発熱の少ない加熱コイルにで
きるものである。
【0036】(実施例3)図7は請求項3に対応する一
実施例における加熱コイルの製作過程を示す平面図で、
図8は同加熱コイルの完成した状態を示す平面図であ
る。この発明は、加熱コイルを外周部分巻線と内周部分
巻線に分離して外側端を接続し、前記内周部分巻線を外
周部分巻線の内側に折り畳むだけで、各層の加熱コイル
を巻回途中で上下に反転できるようにした点が上記実施
例1の発明と異なるだけで、これ以外の同一構造、作用
効果を奏する部分には同じ符号を付して詳細な説明を省
き、異なる処を中心に説明する。
【0037】22は加熱コイルで、実施例1と同様に積
層した複数の層の加熱コイル22a、22bで構成さ
れ、巻回途中の反転部16において上下に反転されてい
る。すなわち、加熱コイル22は、反転部16を境に内
周部分巻線14と外周部分巻線15に分離され、かつ反
転部16となる外側端で互いに接続され、前記内周部分
巻線14を外周部分巻線15の内側へ挿入するため反転
部16において折畳んでいる。
【0038】上記実施例において、上記実施例1と同様
の作用効果を期待できるとともに、各層の加熱コイル2
2a、22bは、図7に示すように、反転部16を境に
内周部分巻線14と外周部分巻線15に分離され、その
反転部16となる外側端で互いに接続した渦巻き状の電
気導体を製作する。次にこの電気導体である加熱コイル
の反転部16の部分で折畳んで図8に示すように内周部
分巻線14を外周部分巻線15の内側へ挿入して完成さ
せる。従って、図8の丸で囲んだ拡大部分に示すよう
に、第1層の加熱コイル22aと第2層加熱コイル22
bはこの折り畳み部分で上下反転される。
【0039】以上のように本実施例においては反転部1
6を折り畳むだけで、上下反転できるため、実施例1の
ように捻る等の方法が不要となり、極めて容易に製造で
き、かつ各層の加熱コイル22a、22bに流れる電流
の均一化を図り、製造コストの安価な加熱コイルを実現
することができる。
【0040】なお、上記実施例を実施例2に適用しても
良いことはいうまでもない。
【0041】(実施例4)図9は請求項4に対応する一
実施例における加熱コイルを示す平面図である。この発
明は、加熱コイルの終端部を眼鏡状の端子に形成した点
が上記実施例1の発明と異なるだけで、これ以外の同一
構造、作用効果を奏する部分には同じ符号を付して詳細
な説明を省き、異なる処を中心に説明する。
【0042】23は加熱コイルで、実施例1と同様に積
層した複数の層の加熱コイル23a、23bで構成さ
れ、巻回途中の反転部16において上下に反転されてい
る。そして、加熱コイル23は、反転部16を境に内周
部分巻線14と外周部分巻線15に分離され、その終端
部に眼鏡状の端子24、24を形成している。
【0043】上記実施例において、加熱コイル23を形
成する際に、従来のような端子のかしめ工程が不要とな
り、一層安価な加熱コイルを提供できるものである。
【0044】なお、製造過程において、この端子部分は
あらかじめ電気絶縁体を付加しないようマスキング等を
しておくと、電気絶縁体の溶融工程も不要となる。ま
た、本実施例では眼鏡状の端子としたが、要は電気的に
容易に接続できる形状であれば如何なる構成でも良く、
例えばU型にしても良いことはいうまでもない。また、
本実施例を実施例2または実施例3に適用しても良い。
【0045】(実施例5)図10は請求項5に対応する
一実施例における加熱コイルが用いるインバータ回路の
構成図で、図11は同加熱コイルが適用できないインバ
ータ回路の構成図である。
【0046】図10において、11は加熱コイルで、請
求項1に対応する実施例1の構成としているが、その材
質は安価なアルミニウムとしている。加熱コイルのイン
ダクタンスは概略60μH程度である。31は直流電源
で、実際には商用電源を全波整流して得ている。32は
チョークコイル、33はスイッチング素子で、本回路の
場合、スイッチング周波数20〜50kHzでオンオフ
し、加熱コイル11に高周波電流を供給する。34は逆
導通ダイオードである。35は共振コンデンサで、その
容量を概略0.3μF程度とし、加熱コイル11と共振
回路を形成している。36はスイッチング素子33のオ
ンオフを制御する制御回路である。本回路において加熱
コイル11は共振コンデンサ35と直列に接続されてい
るため、直流電流成分はない。
【0047】図11は100V商用電源系に用いる誘導
加熱調理器や誘導加熱式炊飯器でよく用いられているイ
ンバータ回路を示す。回路構成部品およびその役割は図
10と同様であるので説明は省略する。本回路において
は加熱コイル11と共振コンデンサ35は直流電源31
に対して並列に接続されているため、スイッチング素子
33の導通時において、直流電流成分が加熱コイル11
に流れる。
【0048】図10の回路において、仮に加熱コイル1
1の材質をアルミニウムとしたものを用いると、直流電
流成分により、加熱コイル終端部分(電気的に接合され
ている部分で、銅と接触している)において電気腐食が
発生し、問題となる。然るに、本実施例のように、加熱
コイル11を直流電流成分の発生しないインバータ回路
に用いているので、電気腐食は発生しないため、材質を
アルミニウムにすることができ、結果として銅よりも安
価で、かつ軽量の誘導加熱装置用加熱コイルを実現する
ことが可能となる。
【0049】なお、本実施例においては1石式のインバ
ータ回路を用いたが、加熱コイル11に直流電流成分が
流れない構成のインバータ回路であればどのようなもの
でも良く、例えば2石式のSEPP構成のものなどでも
良い。また、アルミニウムの表面絶縁にはアルマイト処
理を用いると良い。また、実施例1〜実施例4のいずれ
の実施例の加熱コイルを、本実施例に適用しても良い。
【0050】(実施例6)図3(a)は請求項6の発明
に対応する一実施例における加熱コイルを示す平面図で
ある。この発明は、薄い板の電気導体を打ち抜き工法に
て各層を成す加熱コイルを形成した点が上記実施例1の
発明と異なるだけで、これ以外の同一構造、作用効果を
奏する部分には同じ符号を付して詳細な説明を省き、異
なる処を中心に説明する。
【0051】加熱コイル11は、実施例1と同様に積層
した複数の層の加熱コイル21a、21bで構成され、
巻回途中の反転部16において上下に反転されている。
そして、加熱コイル21は、反転部16を境に内周部分
巻線14と外周部分巻線15に分離されている。そし
て、図3(a)と同様の形状に、薄い板の電気導体を打
ち抜きプレス工法にて打ち抜き形成する。
【0052】従って、エッチング方式により形成する場
合よりも短時間に製造可能となり、製造コストの低減が
実現でき、結果として安価な誘導加熱装置用加熱コイル
を得ることができる。
【0053】なお、実施例2〜実施例4のいずれの実施
例の加熱コイルを本実施例の加熱コイルのように作製し
ても良い。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
記載の発明は、電気導体を被加熱物が載置される方向へ
少なくとも2層以上重ね、かつ渦巻き状に巻回した加熱
コイルを、巻回途中で被加熱物面に対して少なくとも1
回以上、前記各層の加熱コイルを上下に反転させたもの
で、従来のように複数の素線を撚り合せる必要のない簡
素な構成で製造でき、かつ各層の加熱コイルに流れる電
流を均一にすることが可能となり、従来と同等の能力を
発揮できる。
【0055】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
の記載において、巻回途中で上下に反転した加熱コイル
が占める面積を、全体の加熱コイルが占める面積の略半
分にしたもので、請求項1の発明と同等の効果を期待で
きるとともに、各層の加熱コイルを流れる電流を、より
均一にでき発熱の少ない加熱コイルを得ることができ
る。
【0056】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または請求項2の記載において、加熱コイルを外周部分
巻線と内周部分巻線に分離し、このそれぞれ部分の巻線
の外側端を接続して、前記内周部分巻線を外周部分巻線
の内側へ折畳んでなるもので、請求項1または請求項2
の発明と同等の効果を期待できるとともに、捻るなどの
方法が不要となる極めて容易に加熱コイルの上下への反
転ができ製造コストが安価な加熱コイルを得ることがで
きる。
【0057】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
〜請求項3のいずれか1項において、加熱コイルの終端
部を眼鏡状の端子に形成したもので、従来のような端子
のかしめ工程が不要となり、一層安価な加熱コイルを提
供できる。
【0058】また、請求項5に記載の発明は、請求項1
〜請求項4のいずれか1項において、加熱コイルはこの
加熱コイルに流れる電流に直流成分を含まないインバー
タ回路を用い、電気導体の材質をアルミニウムとしたも
ので、加熱コイルの材質を銅から安価なアルミニウムに
変更することが可能となり、一層安価かつ軽量な加熱コ
イルを得ることができる。
【0059】また、請求項6に記載の発明は、請求項1
〜請求項5のいずれか1項の記載において、加熱コイル
を打ち抜き工法にて形成したもので、生産性を向上でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における誘導加熱装置用加熱
コイルを用いた誘導加熱装置の概略図
【図2】同実施例1における誘導加熱装置用加熱コイル
の構成を示す説明図
【図3】(a)同実施例1における誘導加熱装置用加熱
コイルの各層の電流分を示す図 (b)同実施例1の加熱コイルと比較するため仮想の加
熱コイルの各層の電流分を示す図
【図4】(a)同実施例1における誘導加熱装置用加熱
コイルの製作過程を示す平面図 (b)同実施例1における誘導加熱装置用加熱コイルの
完成した状態を示す平面図
【図5】本発明の実施例2における誘導加熱装置用加熱
コイルの構成を示す平面図
【図6】同実施例2における誘導加熱装置用加熱コイル
の各層の電流分を示す図
【図7】同実施例3における誘導加熱装置用加熱コイル
の製作過程を示す平面図
【図8】同実施例3における誘導加熱装置用加熱コイル
の完成した状態を示す平面図
【図9】同実施例4における誘導加熱装置用加熱コイル
の構成を示す平面図
【図10】同実施例5における誘導加熱装置用加熱コイ
ルが用いるインバータ回路の構成図
【図11】同実施例5における誘導加熱装置用加熱コイ
ルが適用できないインバータ回路の構成図
【図12】従来の誘導加熱装置の部品構成を示す断面図
【図13】同加熱コイルの上面図
【符号の説明】
11 21、22、23 加熱コイル 11a、21a、22a、23a 第1層の加熱コイル 11b、21b、22b、23b 第2層の加熱コイル 12 被加熱物 14 内周部分巻線 15 外周部分巻線 16 反転部 24 眼鏡状の端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤濤 知也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小畑 哲生 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大森 英樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K051 AA08 AC33 AC55 AD32 AD33 AD37 CD43 CD44 3K059 AA02 AA08 AB04 AD35 AD37 AD40 CD52 CD62

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気導体を被加熱物が載置される方向へ
    少なくとも2層以上重ね、かつ渦巻き状に巻回した加熱
    コイルを有し、この加熱コイルは、巻回途中で被加熱物
    面に対して少なくとも1回以上、前記各層の加熱コイル
    を上下に反転させた誘導加熱装置用加熱コイル。
  2. 【請求項2】 加熱コイルは、上下に反転させた加熱コ
    イルが占める面積を、全体の加熱コイルが占める面積の
    略半分にした請求項1に記載の誘導加熱装置用加熱コイ
    ル。
  3. 【請求項3】 加熱コイルは、外周部分巻線と内周部分
    巻線に分離し、このそれぞれ部分巻線の外側端を接続し
    て、前記内周部分巻線を外周部分巻線の内側へ折畳んで
    なる請求項1または請求項2に記載の誘導加熱装置用加
    熱コイル。
  4. 【請求項4】 加熱コイルは、その終端部を眼鏡状の端
    子に形成した請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載
    の誘導加熱装置用加熱コイル。
  5. 【請求項5】 加熱コイルは、この加熱コイルに流れる
    電流に直流成分を含まないインバータ回路を用い、電気
    導体の材質をアルミニウムとした請求項1〜請求項4の
    いずれか1項に記載の誘導加熱装置用加熱コイル。
  6. 【請求項6】 加熱コイルは、それぞれの層を成す加熱
    コイルを電気導体を打ち抜き工法にて形成した請求項1
    〜請求項5のいずれか1項に記載の誘導加熱装置用加熱
    コイル。
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