JP2007328917A - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】調理器具6を加熱する円形状の加熱コイル2と、この加熱コイルに電流を通電する駆動回路と、上記加熱コイルの一側に放射状に配置された複数の高透磁率部材を備えた誘導加熱調理器1において、上記高透磁率部材の断面積は、上記加熱コイルの半径方向に対して最内周部Aと最外周部Cの間の中間部Bに小断面積部4bが形成され、該小断面積部よりも最内周部側、及び最外周部側に、断面積が該小断面積部よりも大きく形成された大断面積部4c、4dがそれぞれ形成されてなるものである。
【選択図】図1
Description
図1はこの発明の実施の形態1による誘導加熱調理器の要部を模式的に説明する図であり、(a)は高透磁率部材の形状及び加熱コイルに対する配置を示す背面図、(b)は高透磁率部材を示す平面図、図2は図1(a)の側面断面図である。図において、誘導加熱調理器1は、円形状の加熱コイル2、この加熱コイル2に高周波電流を通電する駆動回路3、及び加熱コイル2の背面側(下側)に放射状に配設された複数(この例では8本)の高透磁率部材としてのフェライト4などを備えて構成され、周方向に隣接するフェライト4の間の空間は加熱コイル2を冷却するための風路5を形成している。鍋や釜などの調理器具6は、加熱コイル2の上部に設けられた図示省略している天板の上に載置される。なお、高透磁率部材としては一般にフェライトが用いられるので、以下特に区別を要しない限りフェライトと称する。
図3はこの発明の実施の形態2に係る誘導加熱調理器の要部を模式的に示すもので、(a)は高透磁率部材と加熱コイルを示す背面図、(b)は側面断面図である。この実施の形態2は、上記実施の形態1においてはフェライト4の断面積を半径方向に沿って幅を変えたのに対し、厚みを変えることで断面積を半径方向に変えたものである。即ち、フェライト41の平面形状は、加熱コイル2の半径方向に中間部Bより外側は一定の幅で形成され、中間部Bの中心寄りから最内周部Aにかけて先細りに形成されている。
図4はこの発明の実施の形態3に係る誘導加熱調理器の要部を模式的に示す側面断面図である。図において、加熱コイル2の下部に配設されたフェライト42は、中間部より外周側に配設された透磁率が一般的なレベルで安価に得られる第1の高透磁率材料42aと、この第1の高透磁率材料42aの中心部側に隣接して配設された透磁率がさらに高い第2の高透磁率材料42bからなり、第1の高透磁率材料42aの部分は断面積に換算して略実施の形態1と同様に幅を加熱コイル2の半径方向に変化させることで発熱密度分布の均一化を図ったものである。
図5はこの発明の実施の形態4に係る誘導加熱調理器の要部を模式的に示す側面断面図、図6はその変形例を示す側面断面図である。図5において、フェライト43は、中間部Bより外周側に位置する第1の部分43aと、この第1の部分43aの中心部側に段部を介して隣接する第2の部分43bからなり、第2の部分43bと加熱コイル2の下面との間には風路5(図示されていない)に連通する隙間51が形成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
図7〜図10はこの発明の実施の形態5による誘導加熱調理器の要部を説明するもので、図7は高透磁率部材及び加熱コイル部分を模式的に示す背面図、図8はその側面断面図、図9は図7に示す構成での調理器具底部での発熱密度を示す図、図10は図7の変形例を示す背面図である。図において、加熱コイル2は中心部に配設された円形状の第1のコイル体21と、この第1のコイル体の外周囲に円形リング状の間隙Dを介して配設された第2のコイル体22からなり、間隙Dには調理器具6の温度を検知するための複数の温度センサ7が設けられている。そしてフェライト44は、厚さが略一定で、半径方向に間隙Dに対応する位置に幅を広げた大断面積部44aが形成されている。
図11はこの発明の実施の形態6による誘導加熱調理器の要部を示す部分断面図である。図において、加熱コイル2は上記図7に示す実施の形態5と同様に径方向に間隙Dを介して2分割されている。フェライト46は、発熱密度が下がる間隙Dの中に進入するように一部が厚く形成された大断面積部46aが形成されている。その他の構成は実施の形態5と同様である。一般にフェライトは断面積が大きいほど磁束を集める効果が高いが、負荷である調理器具6から遠ざかるほど効果は小さくなる。例えばフェライト中の磁気モーメントが作る磁界は磁気モーメント位置の三乗に比例して減少する。従って、フェライトは極力調理器具6に近い方に配置した方が効果は大きい。この実施の形態6では、第1のコイル体21と第2のコイル体22の間隙Dに進入するように調理器具6に近づけて大断面積部46aが構成されていることにより、発熱効率の改善効果が高く、半径方向の温度分布を一層均一化できる。なお、例えば実施の形態5等と組み合わせて構成しても良い。
図12及び図13はこの発明の実施の形態7による誘導加熱調理器の要部を模式的に説明するもので、図12は高透磁率部材及び加熱コイル部分を模式的に示す背面図、図13は図12のXIII−XIII線における矢視断面図に相当する図である。図において、加熱コイル2は上記図7に示す実施の形態5と同様に径方向に間隙Dを介して2分割され、空隙Dに同様の温度センサ7が複数設けられている。そしてフェライト47は、加熱コイル2の半径方向に放射状に配設され、中心付近から中心に向けて先細りとなっている他は同一の幅で形成された棒状のフェライト本体47aと、間隙Dにおける隣接するフェライト本体47a相互の間にそれぞれ設置されたブロック状高透磁率部材47bとからなっている。
図14及び図15はこの発明の実施の形態8による誘導加熱調理器の要部を模式的に説明するもので、図14は高透磁率部材及び加熱コイル部分を模式的に示す背面図、図15は図14のXV−XV線における矢視断面図に相当する図である。この実施の形態8は、実施の形態7に示すブロック状高透磁率部材47bに相当する断面積の増加分を、フェライト本体48aと一体にし、間隙Dの中に進入するように上方に突出形成された大断面積部48bとして構成したものである。これにより、フェライト48の数を増やさずに、間隙D位置でフェライト48の大断面積部48bがより調理器具6に近づくので、組立が容易で発熱効率もより向上し、半径方向に沿った温度分布を均一化できる。
図16はこの発明の実施の形態9による誘導加熱調理器の要部を模式的に示す側面断面図である。この実施の形態9では、加熱コイル2が上記図7に示す実施の形態5と同様に径方向に間隙Dを介して2分割された第1のコイル体21と第2のコイル体22から構成されている。そしてフェライト49は、第1のコイル体21に対応する位置の上面を削る如く形成された凹部49bを有する小断面積部49aが設けられている。上記実施の形態5の図9に示すように、加熱コイル2が2分割されたものでは内側に配設された第1のコイル体21に対応する位置に発熱密度のピーク位置がある。また、加熱コイル2は冷却が必要であり、この発熱密度のピーク位置は調理器具6の発熱密度を下げたい領域となっている。
Claims (10)
- 調理器具を加熱する円形状の加熱コイルと、この加熱コイルに電流を通電する駆動回路と、上記加熱コイルの一側に放射状に配置された複数の高透磁率部材を備えた誘導加熱調理器において、上記高透磁率部材の断面積は、上記加熱コイルの半径方向に対して最内周部と最外周部の間の中間部に小断面積部が形成され、該小断面積部よりも最内周部側、及び最外周部側に、断面積が該小断面積部よりも大きく形成された大断面積部がそれぞれ形成されてなることを特徴とする誘導加熱調理器。
- 上記大断面積部は、周方向の幅を広げることで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
- 上記大断面積部は、上記円形状の加熱コイルの中心軸に平行な方向の厚さを大きくすることで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
- 上記高透磁率部材は、中心部近傍がその他の部分よりも透磁率が高く形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の誘導加熱調理器。
- 上記高透磁率部材は、中心部近傍において上記加熱コイルとの間隔が広げられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の誘導加熱調理器。
- 上記加熱コイルは、中心部に設けられた第1のコイル体と、この第1のコイル体の外周囲にリング状の間隙を介して配設された第2のコイル体からなることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載の誘導加熱調理器。
- 上記高透磁率部材の大断面積部は、上記リング状の間隙に対応する部分に配設されてなることを特徴とする請求項6に記載の誘導加熱調理器。
- 中心部に設けられた第1のコイル体及びこの第1のコイル体の外周囲にリング状の間隙を介して配設された第2のコイル体からなる調理器具を加熱するための円形状の加熱コイルと、この加熱コイルに電流を通電する駆動回路と、上記加熱コイルの一側に放射状に配置された複数の高透磁率部材を備えた誘導加熱調理器において、上記リング状の間隙に上記高透磁率部材の一部を進入させ、または別途ブロック状高透磁率部材を配設したことを特徴とする誘導加熱調理器。
- 上記高透磁率部材は、上記リング状の間隙の直下近傍が該間隙の中に入り込む方向に厚く形成されていることを特徴とする請求項8に記載の誘導加熱調理器。
- 中心部に設けられた第1のコイル体及びこの第1のコイル体の外周囲にリング状の間隙を介して配設された第2のコイル体からなる調理器具を加熱するための円形状の加熱コイルと、この加熱コイルに電流を通電する駆動回路と、上記加熱コイルの一側に放射状に配置された複数の高透磁率部材を備えた誘導加熱調理器において、上記高透磁率部材は、上記第1のコイル体の直下に対応する位置の上部に凹部が形成されてなることを特徴とする誘導加熱調理器。
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