JP4366293B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱コイルに高周波電流を供給して被調理鍋を加熱する誘導加熱調理器の加熱コイル冷却構造に関する。
誘導加熱調理器、例えば誘導加熱式クッキングヒータ(以下IHクッキングヒータという)は、主に誘導加熱コイルに流れる電流によって発生する磁力線により、誘導加熱コイル上方に配置される調理鍋に渦電流が生じ、調理鍋自体が発熱するものである。
このため、誘導加熱調理器はガス加熱の熱効率に比べ高い熱効率であるものの、熱損失が生じて誘導加熱コイルなどが発熱するので、これらの冷却が必要とされる。
その上、調理に要求される高火力を得るには、調理鍋に流れる渦電流量の増加、即ち入力電力の増加が必要であるが、火力を高めると熱損失も増加し、この熱損失により誘導加熱コイルなどの部品の発熱が増加するため、これらの部品を許容温度以下に抑える効率の高い冷却構造が必要となる。
従来の誘導加熱調理器の冷却構造として、特許文献1に開示された例がある。この例は、一つの誘導加熱コイルで調理鍋を加熱する構成の場合で、誘導加熱コイルが載置されるコイルベースの構成において中央部と外周部とを連結する放射状のリブを外周部より高くして、誘導加熱コイルと前記コイルベースとの間に冷却風路を設けたものである。これにより、冷却空気の流れを誘導加熱コイルに近づけ、冷却効率を向上させている。
他方、複数の誘導加熱コイルから構成される誘導加熱コイル群で調理鍋を加熱する場合、調理鍋の種類や外形寸法,調理内容,食材などによって適正な加熱制御が必要であり、複数の誘導加熱コイルを各々制御して、調理に適した加熱調整が行われている。
この誘導加熱コイル群で調理鍋を加熱する場合において、誘導加熱コイル群の一部の誘導加熱コイルで調理する条件では、一つの誘導加熱コイルで調理鍋を加熱する構成の場合より、誘導加熱コイルの面積当たりの発熱が大きくなる。
このため、一つの誘導加熱コイルに冷却空気を供給して空冷する従来の冷却構造と同じ冷却構造で誘導加熱コイル群を冷却すると、発熱する誘導加熱コイルの分布や発熱量の部分的な増大等の条件に対応することが困難であり、入力電力を抑えて誘導加熱コイル群の発熱を抑えるなどの方法が採られている。
この誘導加熱コイル群で調理鍋を加熱する場合の例として、特許文献2に開示された例がある。この例は、内周と外周の誘導加熱コイルで構成される誘導加熱コイル群と、これを載置するコイルベースを備え、このコイルベースは内周の誘導加熱コイルと外周の誘導加熱コイルとの中間部に対応する部分に通気穴を設けたものである。これにより、誘導加熱コイルの上面に冷却空気を直接当て、同時に誘導加熱コイルの上面に流れる冷却空気量を多くして、冷却効率を向上している。
また他の誘導加熱調理器の冷却構造として、例えば特許文献3に記載されているように、加熱コイルの下面或いは上下面の近傍に冷却空気を流し、加熱コイルから発生する熱を加熱コイル表面から強制空冷で直接奪う構成が採られている。
特開2002−43045号公報 特公平7−11983号公報 特開2003−77637号公報
前述したように、特許文献1等に開示されている従来の誘導加熱調理器の冷却構造は、一つの誘導加熱コイルで調理鍋を加熱する構成の場合で、誘導加熱コイルが載置されるコイルベースの構成において中央部と外周部とを連結する放射状のリブを外周部より高くして、誘導加熱コイルと前記コイルベースとの間に冷却風路を設けたもので、冷却空気の流れを誘導加熱コイルに近づけ、冷却効率を向上させているが、より高火力を得るには不充分であった。
また、特許文献2等に開示されている従来の誘導加熱調理器の冷却構造は、内周と外周の誘導加熱コイルから構成される誘導加熱コイル群と、これを載置するコイルベースを備え、このコイルベースは内周の誘導加熱コイルと外周の誘導加熱コイルとの中間部に対応する部分に通気穴を設けたもので、誘導加熱コイルの上面に冷却空気を直接当て、同時に誘導加熱コイルの上面に流れる冷却空気量を多くして、冷却効率を向上しているが、コイルベースに設けられる通気穴の大きさは自在にできるものではなく、且つ、誘導加熱コイル群を構成する各々の誘導加熱コイルの放熱面積が少ないため、一部の誘導加熱コイルのみで加熱する場合の冷却は充分なものとはいえない。
また、誘導加熱コイル群を構成する誘導加熱コイルの一部もしくは全部を複数段積層された構成では、誘導加熱コイルの内部発熱による温度上昇を抑え難い。
また、誘導加熱コイル群が載置されるコイルベースは熱伝導性の良好でない樹脂で成形されるため、熱拡散性が小さく、誘導加熱コイルの熱を外部に逃がし難い。このため、誘導加熱コイル群の内側に配置される誘導加熱コイルほど、コイルベースの下方の空気と直接熱交換する面が少なく、冷却が困難である。
特許文献3に記載された加熱調理器では、回路基板を通過した空気を加熱コイルの下方から吹き付けて冷却させる構成となっており、加熱コイルの冷却性能を高めるには冷却風量を増加させなければならない。
また、冷却風量の増加に伴い、ファン装置のモータ音や部品の風切り音(流体音)が増加し、騒音によりキッチン環境が悪化される。
さらに、加熱コイルの下方に配置される高透磁性部材(フェライト)の凹凸により、冷却空気を加熱コイルの近傍に流し難く、高いファン動力を要する。
本発明は、上記の課題のうち少なくとも一つを解決するためになされたものである。
本発明の誘導加熱調理器は、上記課題を達成するために、本体上面にトッププレートを設け、前記トッププレート下方に、半径方向に間隙を設けて配置された外径の異なる複数の誘導加熱コイルで構成された誘導加熱コイル群と、該誘導加熱コイル群が載置されるコイルベースを含むコイルユニットを設けた誘導加熱調理器において、前記複数の誘導加熱コイルを前記複数の誘導加熱コイル間に周方向に断片的に設けた高熱伝導性部材で熱的に接続させて配置し、前記高熱伝導性部材は、エポキシ樹脂成分と無機フィラを含む高熱伝導性絶縁樹脂とした。
また、本発明の誘導加熱調理器は、上記課題を達成するために、本体上面にトッププレートを設け、前記トッププレート下方に、厚さ方向に間隙を設けて複数段積層された誘導加熱コイルから構成される誘導加熱コイル群と、該誘導加熱コイル群が載置されるコイルベースを含むコイルユニットを設けた誘導加熱調理器において、前記複数の誘導加熱コイルを高熱伝導性部材で熱的に接続させて配置し、前記高熱伝導性部材は、エポキシ樹脂成分と無機フィラを含む高熱伝導性絶縁樹脂とした。
さらに、本発明の誘導加熱調理器は、上記課題を達成するために、本体上面にトッププレートを設け、前記トッププレート下方に、半径方向に間隙を設けて配置された外径の異なる複数の誘導加熱コイルで構成された誘導加熱コイル群と、該誘導加熱コイル群が載置されるコイルベースを含むコイルユニットを設けた誘導加熱調理器において、前記複数の誘導加熱コイルの下方又は側方位置のいずれか一方、又はその両方に放熱手段を配置し、前記複数の誘導加熱コイルと前記放熱手段の間隙及び前記コイルベースに高熱伝導性部材を充填し、前記高熱伝導性部材は、エポキシ樹脂成分と無機フィラを含む高熱伝導性絶縁樹脂とした。
本発明によれば、被調理鍋を誘導加熱する際に生じる誘導加熱コイルの温度上昇を、冷却効率をより向上させた構造にて少ない冷却空気の風量で抑え、安定した加熱調理を実現できるとともに、ファンの騒音を抑えた静かなキッチン環境を提供することができる。
本発明の各実施例を以下に説明する。
図1に本発明の第一の実施例の誘導加熱調理器の一部を分解した斜視図を示す。図1は本発明の誘導加熱調理器の一例として、誘導加熱による調理鍋載置部を手前左右に二口、電熱ヒータ加熱による調理鍋載置部を奥ほぼ中央に一口設けた、ビルトイン型(システムキッチン一体型)IHクッキングヒータに適用したものである。
ここで、本発明は、誘導加熱による調理鍋載置部を少なくとも一つ設けたIHクッキングヒータであれば、ビルトイン型でなくとも据置型(流し台にそのまま配置)でも容易に適用できることは言うまでもない。
また、図2は本発明の第一の実施例の誘導加熱調理器のコイルユニットの斜視図であり、図3は本発明の第一の実施例の誘導加熱調理器のコイルユニット周辺部の側面断面図で、コイルユニットの詳細な構成と冷却空気の流れとの関係を示す。
以下、第一の実施例について、図1,図2、及び図3を用いて説明する。尚、図3(a)はフェライトを搭載していない部位で切断したコイルベースを含むコイルユニット周辺部の側面断面図であり、同図(b)は高透磁性部材のフェライトを搭載した部位で切断したコイルベースを含むコイルユニット周辺部の側面断面図である。
図1,図2、及び図3において、誘導加熱調理器1の本体を示している。
コイルユニット2(2a,2b)は、二口の誘導加熱に対応して二組有り、後記トッププレート9下方に設けられ、コイルユニット2aは手前右、コイルユニット2bは手前左に配置され、後述する下記符号3〜6の要素から構成されている。
誘導加熱コイル群3(3a,3b)は、コイルユニット2(2a,2b)の構成要素であり、二つ有り、それぞれ三つの誘導加熱コイル3−1(3−1a,3−1b),3−2(3−2a,3−2b),3−3(3−3a,3−3b)から構成される。
これら誘導加熱コイル3−1(3−1a,3−1b),3−2(3−2a,3−2b),3−3(3−3a,3−3b)は、リッツ線で形成され、それぞれ外径が異なっており、半径方向に間隙を設け、順に内側,中間,外側の三重に配置され、20〜100kHzの高周波電源(図示せず)から供給される電流によって磁力線を発生させ、この磁力線により上方に載置される調理鍋(図示せず)に渦電流が生じ、調理鍋(図示せず)自体を発熱させる。
尚、本実施例では、誘導加熱コイル群3(3a,3b)は三重で構成されているが、これに限らず、二重で構成されても、四重以上で構成されてもよいことは言うまでもない。
コイルベース4(4a,4b)は、コイルユニット2(2a,2b)の構成要素であり、二つ有り、上に誘導加熱コイル3群(3a,3b)を載置する。
高透磁性部材5(5a,5b)は、コイルユニット2(2a,2b)の構成要素であり、高透磁性のフェライトで形成され、二組あり、数本の棒状のもので一組が構成され、誘導加熱コイル3(3a,3b)下方で例えば中央から放射状にコイルベース4(4a,
4b)部に配置され、誘導加熱コイル3(3a,3b)から発生した磁力線の下方に向う流れを止め、後記トッププレート9上方側に磁力線を集中させて調理鍋(図示せず)を効率よく加熱する。
温度センサ6は、コイルユニット2(2a,2b)の構成要素であり、コイルユニット2(2a,2b)中央部に配置され、上方の調理鍋(図示せず)の温度を監視し、例えば、加熱運転中の過熱防止、もしくは加熱終了時の火傷防止等に使用される。
ラジエントヒータ7は、一口の電熱ヒータ加熱に対応している。
トップフレーム8は、本体1の上面に設けられ、本体1の上面の周縁部を構成している。
トッププレート9は、本体1上面に設けられ、トップフレーム8と結合されて本体1の上面を形成し、耐熱ガラス等で形成され、加熱される調理鍋(図示せず)を載置する。通気孔10は、トップフレーム8上の後部に設けられ、本体1の内部と外部との間で空気を出入りさせる。
調理鍋載置部11(11a,11b,11c)で、トッププレート9上で調理鍋(図示せず)を載置する部位を示し、調理鍋載置部11a,11bは二つの誘導加熱コイル群
3a,3bに対応し、手前右,左に配置され、調理鍋載置部11cはラジエントヒータ7に対応し、奥ほぼ中央に配置されている。
操作パネル12は、本体1前面に設けられ、誘導加熱コイル群3や後記ロースター15等の火加減等を制御する。主電源13は、操作パネル12内に配置され、機器全体の電源を入り切りする。ダイヤル14は、操作パネル12内に配置され、回転させることにより火力を調整できる。ロースター15は、本体1前面に設けられ、魚などを焼く。
エポキシ樹脂組成物と無機フィラを含んだ材料の高熱伝導性部材16は、誘導加熱コイル3群(3a,3b)を構成する内側の誘導加熱コイル3−1(3−1a,3−1b)と中間の誘導加熱コイル3−2(3−2a,3−2b)との間、および中間の誘導加熱コイル3−2(3−2a,3−2b)と外側の誘導加熱コイル3−3(3−3a,3−3b)との間に充填されて、それぞれ隣り合う各誘導加熱コイル3−1(3−1a,3−1b),3−2(3−2a,3−2b),3−3(3−3a,3−3b)を熱的に接続する。
また、高熱伝導性部材16はコイルベース4等として樹脂成形することができる。
この、高熱伝導性部材としては、熱伝導率が5W/mK以上、体積抵抗率は10 6 Ωcm以上の高抵抗部材、更に望ましくは10 16 Ωcm以上の絶縁部材が望ましい。高熱伝導性部材はエポキシ樹脂組成等の樹脂が望ましく、具体的な物質材料の例としては熱硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂組成物と無機フィラを含み、該エポキシ樹脂組成物はメソゲンを有するエポキシ樹脂モノマーを含み、該エポキシ樹脂組成物中のメソゲン含有量が31重量%以上であり、熱硬化性により製造できる物質材料であることを特徴とするものである。

支持部17は、例えばバネなどの弾性力のあるもので構成され、コイルベース4を支えるようにコイルベース4の下方に、一つのコイルベース4に対してそれぞれ少なくとも3ヶ所設けられ、コイルユニット2をトッププレート9に押し付ける。要するに、温度センサ6がトッププレート9に接触できる構成であればよい。
排気口18は、トップフレーム8上に配置された通気孔10下側に対応した位置で本体1後部左側に配置され、トッププレート9下側の本体1内部の空気の排気を行う。
排気口19は、トップフレーム8上に配置された通気孔10下側に対応した位置で本体1後部左寄りに配置され、ロースター15の排気を行う。
排気口20は、トップフレーム8上に配置された通気孔10下側に対応した位置で本体1後部ほぼ中央部に配置され、トッププレート9下側の本体1内部の空気の排気を行う。
吸気口21は、トップフレーム8上に配置された通気孔10下側に対応した位置で本体1後部右側に配置され、本体1の後部下側に設けられた冷却ファン(図示せず)の吸気を行う。
以上のように、本実施例では、本体1内部の吸排気は全て通気孔10を介して行っているが、これに限らず、本体1内への吸気は本体1側面、もしくはロースター15や操作パネル12の上側の本体1前面部分から行い、排気は通気孔10以外でもよい。
仕切板22は、本体1内部を上下に仕切り、この上方にコイルユニット2等が配置され、下方にロースター15,インバータ回路基板等の電子回路部品(図示せず)、この電子回路部品等を冷却する冷却ファン(図示せず)等が配置される。
吐出し口23a,23bは、コイルユニット2a近傍の仕切板22に設けられた開口部であり、前記電子回路部品(図示せず)を冷却した空気が仕切板22上方の空間に吹き出される。
表示パネル24は、トッププレート9の前部の下方に配置され、二口の誘導加熱に対応して左右に二つあり、誘導加熱の火力調整量等を表示する。本実施例では表示パネル24の冷却構造を図示していないが、表示パネル24用の冷却ファン(図示せず)を配置して、例えば、本体1内部の空気を送風してもよいし、冷却性能を高めるために、本体1側面若しくは前面から吸気した、より低温の空気を送風させる構成にしてもよい。
冷却空気25は、仕切板22の下方に配置された前記冷却ファン(図示せず)から供給され、仕切板22の下方から吐出し口23a,23bを通って仕切板22の上方の空間に吹き出し、吐出し口23aから吹き出した冷却空気25は右のコイルユニット2aに吹き付け、吐出し口23bから吹き出した冷却空気25は左のコイルユニット2bに吹き付け、さらに表示パネル24等を冷却する。
次に、図3(a),同図(b)を用いて、コイルユニット2周辺部の冷却構造を説明する。
図3(a),同図(b)において、冷却空気25aは、仕切板22の下方から吐出し口23a,23bを通って仕切板22の上方の空間に吹き出した冷却空気25の一部であり、誘導加熱コイル群3とトッププレート9との間に流れる。
冷却空気25bは、仕切板22の下方から吐出し口23a,23bを通って仕切板22の上方の空間に吹き出した冷却空気25の一部であり、誘導加熱コイル群3すなわちコイルユニット2の下方に流れる。
誘導加熱時には、高周波電源(図示せず)の入力電力に対して高い熱効率で調理鍋(図示せず)が発熱するが、誘導加熱コイル群3に流れる渦電流によって生ずる抵抗損失である渦電流損により、誘導加熱コイル群3が発熱するため、誘導加熱コイル群3とトッププレート9との間に流れる冷却空気25aと、誘導加熱コイル群3すなわちコイルユニット2の下方に流れる冷却空気25bとによってコイルユニット2すなわち誘導加熱コイル群3を冷却する構造である。
冷却空気25a,25bは、発熱する誘導加熱コイル群3と、誘導加熱コイル群3からの熱伝導により温度上昇したコイルベース4、および高透磁性部材5と熱交換し、本体1後部へ流れ、排気口18または排気口20を通り通気孔10から排気される。
但し、誘導加熱コイル群3とトッププレート9との間隙が狭いほど、調理鍋(図示せず)と誘導加熱コイル群3との距離が狭められ、調理鍋(図示せず)を誘導加熱し易くなる
(熱効率が良くなる)ので、誘導加熱コイル群3を冷却空気25bで充分冷却できれば、誘導加熱コイル群3とトッププレート9との間に冷却空気25aを流さなくともよい。
また、その逆に、誘導加熱コイル群3を冷却空気25aで充分冷却できれば、コイルユニット2の下方に冷却空気25bを流さなくともよい。
次に、以上の構成において、図1,図2及び図3を用いて調理鍋(図示せず)をトッププレート9上の誘導加熱用の調理鍋載置部11に配置して誘導加熱調理を行った時の動作について説明する。
例えば、水等の被加熱物の入った調理鍋(図示せず)の加熱は、トッププレート9上の誘導加熱用の調理鍋載置部11に調理鍋(図示せず)を載せ、本体1前面に設けられた操作パネル12の主電源13を入れ、前記調理鍋載置部11の下方の誘導加熱コイル群3に対応した火力調整用のダイヤル14を回転させることにより、トッププレート9前部の下方に配置された表示パネル24に、その火力調整量が表示される。
前記ダイヤル14の回転量を調整して調理鍋(図示せず)の加熱を行うと、その火力調整量に応じて誘導加熱コイル群3の誘導加熱コイル3−1,3−2,3−3に流れる電流量がそれぞれ自動で制御され、調理鍋(図示せず)の加熱が行われる。
ここで、誘導加熱コイル3−1,3−2,3−3に流れるそれぞれの電流量は、トッププレート9上に載置される調理鍋(図示せず)の種類や大きさに応じて制御される。例えば、最大径の誘導加熱コイル3−3よりも外径寸法の小さい調理鍋(図示せず)の加熱であれば、誘導加熱コイル群3の内側の誘導加熱コイル3−1と中間の誘導加熱コイル3−2のみに電流を流して調理鍋(図示せず)を加熱する。
誘導加熱コイル群3の制御は、載置される調理鍋(図示せず)の誘導加熱電力を各誘導加熱コイル3−1,3−2,3−3で自動検知して行ってもよいし、調理者が手動で行ってもよい。または、誘導加熱コイル3−1,3−2,3−3の温度変化等を検知して、誘導加熱コイル群3の誘導加熱分布を制御する構成でもよい。または、調理鍋(図示せず)内の食材の対流を促進させるように、例えば、湯沸し,煮込み加熱等の加熱条件に応じた制御を行う構成でもよい。
次に、例えば、誘導加熱コイル群3の中間の誘導加熱コイル3−2のみに電流を流して調理鍋(図示せず)を誘導加熱した場合の熱の流れについて説明する。
操作パネル12の操作により、誘導加熱コイル3−2に電流が流れ、調理鍋(図示せず)の加熱が開始されるとともに、本体1の後部下側に設けられた冷却ファン(図示せず)が作動し、トップフレーム8上に配置された通気孔10下側に対応した位置で本体1後部右側に配置された吸気口21より外気を吸い込み、電子回路部品(図示せず)に送風する。
この空気は、電子回路部品(図示せず)の熱を奪い、本体1後方側から前方側に向って流れ、仕切板22に設けられた吐出し口23a,23bを通り、冷却空気25となって仕切板22の上方に吹き出される。
吐出し口23a,23bから吹き出した冷却空気25は、図3に示すように、冷却空気25aと25bとなってコイルユニット2の上方と下方を流れ、誘導加熱コイル群3,コイルベース4、及び高透磁性部材5と熱交換を行い、主にトッププレート9の下面に沿って、本体1前方側から後方側に向かって流れ、トップフレーム8上に配置された通気孔
10下側に対応した位置で本体1後部ほぼ中央部に配置された排気口20を通り通気孔
10から外部に排気される。
ここで、発熱した誘導加熱コイル3−2の熱は、内側の誘導加熱コイル3−1と中間の誘導加熱コイル3−2との間、および中間の誘導加熱コイル3−2と外側の誘導加熱コイル3−3との間に充填された高熱伝導性部材16の作用により、誘導加熱コイル3−1および誘導加熱コイル3−3に熱輸送され、誘導加熱コイル3−1および誘導加熱コイル3−3が誘導加熱コイル3−2の放熱面として利用され、誘導加熱コイル3−2の放熱が促進される。
従って、誘導加熱コイル群3の一部の誘導加熱コイル3−2に大きな入力電力を供給して調理鍋(図示せず)を誘導加熱した場合でも、誘導加熱コイル3−2の熱を隣り合う誘導加熱コイル3−1および誘導加熱コイル3−3に拡散し、冷却空気25a,25bと熱交換する放熱面積を拡大した構成となるため、誘導加熱コイル3−2を充分に冷却し、調理鍋(図示せず)を大火力で誘導加熱することができる。
尚、実装上の制約などにより、誘導加熱コイル3−2の熱は誘導加熱コイル3−1と誘導加熱コイル3−2との間に充填された高熱伝導性部材16、もしくは誘導加熱コイル3−2と誘導加熱コイル3−3との間に充填された高熱伝導性部材16の何れか一方のみに流れてもよい。
また、発熱する誘導加熱コイル群3が誘導加熱コイル3−1のみであっても、高熱伝導性部材16を介して熱を他の誘導加熱コイル3−2,3−3に広げて冷却できるので同様の効果が実現できる。誘導加熱コイル3−3が発熱する場合も同様である。
また、誘導加熱コイル群3を構成する全ての誘導加熱コイル3−1,3−2,3−3が発熱する場合は、全ての誘導加熱コイル3−1,3−2,3−3表面で略一様に発熱するため、冷却が容易になることは言うまでもない。
さらに、冷却ファン(図示せず)は誘導加熱コイル群3の各誘導加熱コイル3−1,3−2,3−3、及び電子回路部品(図示せず)の温度を計測してON/OFF制御、または間欠運転、またはファン回転数制御により風量を調整する構成にしてもよい。
また、例えば、トッププレート9上の左右の誘導加熱用の調理鍋載置部11a,11bに同時に調理鍋(図示せず)を載置して誘導加熱する場合であっても、右の調理鍋載置部11aに対応するコイルユニット2aすなわち誘導加熱コイル群3aは吐出し口23aから供給される冷却空気25により冷却され、左の調理鍋載置部11bに対応するコイルユニット2bすなわち誘導加熱コイル群3bは吐出し口23bから供給される冷却空気25により冷却されるので問題はない。
図4は本発明の第二の実施例の誘導加熱調理器のコイルユニットの斜視図である。
本実施例において第一の実施例と異なるのは、誘導加熱コイル群3を構成する内側の誘導加熱コイル3−1と中間の誘導加熱コイル3−2との間、および中間の誘導加熱コイル3−2と外側の誘導加熱コイル3−3との間に充填される高熱伝導性部材16が、周方向に断片的に設けられていることである。
高熱伝導性部材16をこのように設けることにより、内側の誘導加熱コイル3−1,中間の誘導加熱コイル3−2、および中間の誘導加熱コイル3−2を形成するリッツ線の熱膨張の影響を防止でき、且つ、高熱伝導性部材16の使用量を少なくすることができる。
本実施例における誘導加熱コイル群3の冷却についての作用効果は第一の実施例の場合とほぼ同様である。
図5は本発明の第三の実施例の誘導加熱調理器のコイルユニット周辺部の側面断面図である。
本実施例では、第一の実施例と同様な構成において、誘導加熱コイル群3を構成する中間の誘導加熱コイル3−2が厚さ方向に一例として二段に巻かれ、トッププレート9側の誘導加熱コイル群3の高さが場所により異なって構成された場合である。
本実施例においても、第一の実施例と同様に、高熱伝導性部材16は誘導加熱コイル群3を構成する内側の誘導加熱コイル3−1と中間の誘導加熱コイル3−2との間、および中間の誘導加熱コイル3−2と外側の誘導加熱コイル3−3との間に充填されている。
調理鍋(図示せず)の誘導加熱において、高い熱効率を得る(即ち、誘導加熱コイル3−1,3−2,3−3の熱損失を抑える)には、調理鍋(図示せず)に生じる渦電流による発熱を良好にするため、誘導加熱コイル3−1,3−2,3−3の巻数増加が有効である。
よって、本実施例のように、誘導加熱コイル群3の一部の誘導加熱コイル3−2の巻数を増加させた構成がより効率のよい誘導加熱ができる。
但し、図に示すような誘導加熱コイル群3の一部の誘導加熱コイル3−2が厚さ方向に二段に巻かれた構造では、トッププレート9と誘導加熱コイル群3との間隙が狭い誘導加熱コイル3−2上面部において、他の誘導加熱コイル3−1,3−3上面部より冷却空気25aが流れ難くなる。
しかしながら、このような誘導加熱コイル群3の一部の厚さが異なるような構造においても、各誘導加熱コイル3−1,3−2,3−3の間に充填された高熱伝導性部材16の作用により、誘導加熱コイル群3全体に熱を拡散し、広い放熱面積で冷却空気25aと熱交換できるので、冷却空気25aの量が少なくても誘導加熱コイル群3の熱を効率よく奪うことができる。
以上述べた本実施例では、誘導加熱コイル3−2を厚さ方向に二段に巻いた構成であるが、厚さ方向に三段以上に巻いた構成でもよいし、他の誘導加熱コイル3−1,3−3を複数段巻いた構成でも同様の作用効果が期待できる。
図6は本発明の第四の実施例の誘導加熱調理器のコイルユニット周辺部の側面断面図である。
本実施例では、第一の実施例と同様な構成において、誘導加熱コイル群3が間隙を設けて二段積層された誘導加熱コイル3−1,3−2で構成された場合である。
尚、コイルベース4の中央部には空気が通過できる中央通気孔26を設け、コイルユニット2の下方に吹き付けられた冷却空気25bがこの中央通気孔26を通り、誘導加熱コイル群3とトッププレート9との間を中央部から外周方向に流れる構成としている。
本実施例においても、第一の実施例と同様に、高熱伝導性部材16は積層された誘導加熱コイル3−1と誘導加熱コイル3−2との間隙に充填されている。
本実施例は、第三の実施例において説明したように、調理鍋(図示せず)の誘導加熱において、高い熱効率を得るため、誘導加熱コイル3−1および3−2の巻数をほぼ最大限に増加させた構成に適用したもので、誘導加熱コイル群3の冷却効率をより向上できる。
尚、以上述べた本実施例では、誘導加熱コイル群3は誘導加熱コイル3−1,3−2の二つで二段積層した構成であるが、三段以上積層した構成としてもよい。
図7は本発明の第五の実施例の誘導加熱調理器のコイルユニット周辺部の側面断面図である。
本実施例では、第一の実施例とほぼ同様な構成において、さらに、誘導加熱コイル群3と高透磁性部材5との間のコイルベース4部材を取り除いて間隙を設け、誘導加熱コイル群3と高透磁性部材5との間隙に高熱伝導性部材16を充填する構成である。
つまり、誘導加熱コイル群3を構成する各誘導加熱コイル3−1,3−2,3−3の間に高熱伝導性部材16を充填し、これら全てを熱的に接続している。
よって、誘導加熱コイル群3の、例えば誘導加熱コイル3−2のみで誘導加熱を行う場合、誘導加熱コイル3−2の発熱は誘導加熱コイル3−1,3−3、及び高透磁性部材5に拡散され、コイルユニット2すなわち誘導加熱コイル群3が誘導加熱コイル群3とトッププレート9との間を流れる冷却空気25a、及びコイルユニット2の下方を流れる冷却空気25bと熱交換する放熱面積が拡大し、一層効率よく誘導加熱コイル群3の温度を下げることができる。
上記構成に加え、さらに、各誘導加熱コイル3−1,3−2,3−3間にも高熱伝導性部材16を充填する構成とし、誘導加熱コイル3−1,3−2,3−3すなわち誘導加熱コイル群3と高透磁性部材5の熱的接続を一層向上して、より一層効率よく誘導加熱コイル群3の温度を下げることができる。
図8は本発明の第六の実施例の誘導加熱調理器のコイルユニット周辺部の側面断面図である。
本実施例では、第五の実施例とほぼ同様な構成において、コイルユニット2における高透磁性部材5の冷却性能を向上させるもので、高透磁性部材5を誘導加熱コイル群3の最外周より突出して配置させた構成としている。
図8(a)に示す例は、高透磁性部材5の最外端をトッププレート9側にL字状に突出成形した構成であり、高透磁性部材5の放熱面積を増加させるとともに、誘導加熱時に発生する磁力線を誘導加熱コイル群3からトッププレート9上に載置された調理鍋(図示せず)に効率よく伝えるので、誘導加熱コイル群3の熱損失自体も低減することもできる。
尚、図8(a)に示す例は、高透磁性部材5の最外端をトッププレート9側にL字状に突出成形した構成であるが、高透磁性部材5を内端を突出した構成、もしくは各誘導加熱コイル3−1,3−2,3−3の間隙等に突出した構成とすれば、より効果的に熱効率の向上、及び誘導加熱コイル群3の冷却ができることは言うまでもない。
また、図8(b)に示す例は、他の例を示すもので、高透磁性部材5の最外端をコイルベース4外周より半径方向に長く突出させて成形した構成であり、このように高透磁性部材5の放熱面積を増加させる構成としても、誘導加熱コイル群3を効率よく冷却できる。
図9は本発明の第七の実施例の誘導加熱調理器のコイルユニット周辺部の側面断面図である。
本実施例では、第五の実施例とほぼ同様な構成において、コイルユニット2における誘導加熱コイル群3が、複数の誘導加熱コイル3−1,3−2,3−3から構成されるのではなく、一つの誘導加熱コイル3−1で構成されている場合に適用したものである。
すなわち、誘導加熱コイル3−1と高透磁性部材5との間のコイルベース4部材を取り除いて間隙を設け、誘導加熱コイル3−1と高透磁性部材5との間隙に高熱伝導性部材
16を充填する構成としたものであり、最も実用化され、シンプルな構造である一つの誘導加熱コイル3−1の構成においても、本発明の冷却構造を適用して効率よく冷却が可能である。
図10は本発明の第八の実施例の誘導加熱調理器のコイルユニット周辺部の側面断面図である。
本実施例では、第七の実施例とほぼ同様な構成において、コイルユニット2aは、誘導加熱コイル3−1と、前記誘導加熱コイル3−1が載置されたコイルベース4と、誘導加熱コイル3−1の下方に配置された放熱手段である放熱手段30とで構成されている。
尚、誘導加熱コイル3−1は、複数の誘導加熱コイル3−1,3−2,3−3から構成されるものでも良い。
また、放熱手段30は誘導加熱コイル3−1の下方、本実施例では高透磁性部材5の下方位置に配置させている。
ここで、放熱手段30は誘導加熱コイル3−1に供給される高周波電流で被調理鍋に生じる渦電流によって誘導加熱が行われる際に、その誘導加熱が阻害されない磁界強さの位置に配置させれば良い。
よって、本実施例では放熱手段30の位置を高透磁性部材5の下方としたが、被調理鍋の誘導加熱に差し支えなければ、より誘導加熱コイル3−1の近傍に配置させてもよい。
又は、誘導加熱コイル3−1の外周方向(例えば図10で4a部)に放熱手段30を設け、誘導加熱コイル3−1の下方と側方の両方向から冷却する構成にしてもよい。更には、外周のみに放熱手段30を設けてもよい。
この放熱手段30は、例えばアルミ等の熱伝導率が良好な金属製からなり、そのフィン形状がベースとなる平板に0.5mm から2mm程度の厚さの薄肉平板を複数枚間隙を設けて配置された平板フィン形ヒートシンクで構成されている。
ここで、放熱手段30は、ベースとなる平板に円柱或いは角柱状のピンを複数本、間隙を設けて配置させたピンフィン形ヒートシンクでもよいし、コイルベース4の底面投影面積よりも伝熱面積が大きくなるように、コイルベース表面に凹凸を設けて加工したものでよい。
また、放熱手段30の材質は本発明の高熱伝導性部材16,アルミの他に銅等の熱伝導率の高い金属や窒化アルミ,アルミナなどの熱伝導性の良好なセラミック材で構成してもよい。
さらに、本発明では図10に示すように、放熱手段30と誘導加熱コイル3−1の間隙及び放熱手段30とコイルベース4の間隙には高熱伝導性部材16が充填されており、放熱手段30と誘導加熱コイル3−1及び放熱手段30とコイルベース4を小さい熱抵抗で熱的に接続している。
また、高熱伝導性部材16は誘導加熱コイル3−1から高透磁性部材5下方のヒートシンク30まで熱伝導により熱輸送するもので、高熱伝導性部材16の熱伝導率が高いほど誘導加熱コイル3−1を効率よく冷却できる。
ここで、図10に示す高熱伝導性部材16を高透磁性部材5が内蔵されたコイルベース4と放熱手段30の間隙にも介在させて構成しているが、高熱伝導性部材16の伝熱面積が十分広く取れれば、誘導加熱コイル3−1と放熱手段30の間隙のみに介在させた構成でもよい。
放熱手段30のフィン間には、冷却空気25が前記冷却ファン(図示せず)から供給されるので、高熱伝導性部材16を介して誘導加熱コイル3−1から効率よく熱を奪い、発熱する誘導加熱コイル3−1の温度を低下させる。
図11に示すコイルユニット2aの斜視図では、冷却空気25を放熱手段30下方の略中央から供給して放熱手段30の両端から排気される構成例を示したが、放熱手段30の片側から誘導加熱コイル3−1と略並行に流れるように前記冷却ファン(図示せず)からの風路を設けた構成にしてもよい。
図10及び図11に示すコイルユニット2aを右側のみに適用したものであるが、当然左のみでもよいし、左右両方でもよい。
図12に本発明のコイルユニット2aの他の実施例を示す。
本実施例では、誘導加熱コイル3−1を載置するコイルベース4に配置される高透磁性部材5を、それ自体放熱手段となるように凹凸5aを設けたヒートシンク構造としたものである。
本実施例のコイルユニット2aでは、誘導加熱コイル3−1と高透磁性部材5の間隙に高熱伝導性部材16を介在させ、誘導加熱コイル3−1の熱を効率よく高透磁性部材5に伝えることができる。
ここで、高透磁性部材5は扇状に複数個分割された部材を並べた構成でもよいし、誘導加熱コイル3−1の下方全面を覆うように一体化させた構成でもよい。
本実施例では、高透磁性部材5に設けた凹凸5aが、直接冷却空気と熱交換して誘導加熱コイル3−1の熱を奪うことができるので、高い冷却性能が実現できる。
以上のように本発明は、本発明によれば、被調理鍋を誘導加熱する際に生じる誘導加熱コイル3−1の温度上昇を、冷却効率をより向上させた構造にて少ない冷却空気25の風量で抑え、安定した加熱調理を実現できるとともに、ファンの騒音を抑えた静かなキッチン環境を提供することができる。図13に本発明のコイルユニット2の他の実施例を示す。
図13(a)は本発明のコイルユニット2をトッププレートから見た平面図を示し、図13(b)は本発明のコイルユニット2の断面図を示し、この断面図は平面図の一点鎖線で示した近傍の断面である。
本発明は2組の誘導加熱コイル3と、放熱手段30として放熱フィンを高熱伝導性の樹脂等の絶縁部材で構成された高熱伝導性部材16で一体実装した実施例であり、本実施例では2組の誘導加熱コイル3を用いた場合を示してあるが、誘導加熱コイル3は3組以上または1組でも良く、ここで誘導加熱コイルは複数の被覆された線(直径数百ミクロンから数十ミクロン程度)を束ねて撚って構成されるリッツ線を従来どおり用いてもよい。
この実施例のように、誘導加熱コイル3と放熱部材として使用する放熱フィンを接触させて高熱伝導性の樹脂等の絶縁部材で一体実装し、かつ、高透磁性部材5が存在する部分では、誘導加熱コイル3と高透磁性部材5とを接触させ、かつ、高透磁性部材5と放熱フィンを接触させることで、誘導加熱コイルで発生した熱をアルミニュウムや銅などの金属でできた放熱フィンを用いて放熱する場合でも、誘導加熱コイルと放熱フィン、及び高透磁性部材5との接続に高熱伝導性の樹脂等の絶縁部材を使用しているため、放熱効果が高くなる。このため、放熱用の強制空冷用モータを小型にでき、静音化を実現できる。
更に、この実施例で示しているようにアルミニュウムや銅などの金属でできた放熱フィンは突起部を電気的に分離させてある。このため、個々の放熱フィンの電位は上記誘導加熱コイルに電圧が印加されても容量分割された値になる。すなわち、個々の放熱フィンは電気的に分離させているため、誘導加熱コイルと放熱フィンを接触または近づけても、誘導加熱コイルと放熱フィンとの間で絶縁破壊しない。このため、誘導加熱コイル間の電圧を高くして、鍋を加熱する出力を高くすることができる。通常の放熱フィンのように金属で全ての突起部が接続されている場合には誘導加熱コイルに高電圧が印加されたとき、放熱フィンとコイルとの間の絶縁部に高電界が印加され絶縁破壊しやすい。このため、通常の放熱フィンを用いた場合には耐圧確保のため、放熱フィンと誘導加熱コイルとの間隔を5mm程度以上離して配置する必要があり、このため、放熱効果が低下するという問題が存在していたためである
そして、高透磁性部材(フェライトなどで構成されるもの)5もコイルと接触させて高熱伝導性の樹脂等の絶縁部材で一体実装して、高透磁性部材5からも放熱できるため、放熱効率が向上し、放熱フィンやコイルと一体実装できるため、部品点数が減り、組立が容易になる効果が得られる。
また、なべの温度を検知するための温度センサ(熱電対などで構成する)6も上記高熱伝導性部材の樹脂等の絶縁部材と一体にして実装する。また、温度センサ(熱伝対など)の周りの高熱伝導性部材の樹脂等の絶縁部材と、コイルの冷却に用いる高熱伝導性部材の樹脂等の絶縁部材の間の熱伝導を下げるために空気の溝を作成してある。
更に、この空気の溝を低熱伝導材料で充填したり低熱伝導材料で高熱伝導性樹脂を分離することも可能である。本発明では、上述したように一体実装できるため、部品点数が減り、組立が容易になる。そして、放熱フィンをT字型に構成することで、フィンが高熱伝導性の樹脂等の絶縁部材から抜けにくくなる。
上記高熱伝導性部材は高熱伝導性絶縁樹脂であることが望ましいが、本実施例の場合にはコイルと放熱フィンを直接接触できるため、高熱伝導性の特長を持たない樹脂のように、他の高抵抗部材または絶縁部材でも構わない。
尚、本実施例は誘導加熱調理器であるが、コイルの放熱方法として、被覆したコイルに電気的に分離した放熱フィンを接触させ、高抵抗材料または絶縁材料、望ましくは高熱伝導性絶縁樹脂を用いて一体化する構造は誘導加熱調理器に限定されず、他の電磁誘導機器に使用することも可能である。すなわち、本構造により、コイルの被覆部を薄くしてもコイルと放熱フィンとの間に印加される電圧が高くならないため、コイルと放熱フィンを近づけても高電圧が印加されるコイルを効率よく放熱できるという効果が得られる。
図14に本発明のコイルユニット2の他の実施例を示す。
図14(a)は本発明のコイルユニット2をトッププレートから見た平面図を示し、図14(b)は本発明のコイルユニット2の断面図を示し、この断面図は平面図の一点鎖線で示した近傍の断面である。
この実施例が前述の実施例と異なる構成点としては、2組の誘導加熱コイルと放熱フィンが絶縁体で一体実装されるように、放熱フィンを金属でなく高熱伝導性の樹脂等の絶縁部材で構成された高熱伝導性部材16で形成したものである。
そして、この実施例においては、金属の放熱フィンを使用しないため、放熱効果は前述の実施例よりは劣るが、金属フィンを使用しないため低コストで構成することが可能になる。
図15に本発明のコイルユニット2の他の実施例を示す。
図15(a)は本発明のコイルユニット2をトッププレートから見た平面図を示し、図15(b)は本発明のコイルユニット2の断面図を示し、この断面図は平面図の一点鎖線で示した近傍の断面である。
この実施例が前述の実施例と異なる構成点としては、放熱フィンの代わりに液状冷媒で冷却する構成を採用したものであり、この液状冷媒は電源回路の強制空冷にも使用する構成になっている。
そして、この実施例においては、強制空冷のためのモータが不要となるため清音化が達成でき、更に放熱効果も高くすることを実現出来る。
図16に本発明のコイルユニット2の他の実施例を示す。
図16は本発明のコイルユニット2の断面図を示したものである。
この実施例では、誘導加熱コイル3に対して、この誘導加熱コイル3の上側に高熱伝導性の樹脂等の絶縁部材で構成された高熱伝導性部材16を熱が伝導するように接触して配置するようにしたものである。
そして、この高熱伝導性部材16をコイルベース4よりも外側に張り出すように形成して、この張り出した部分に冷却空気があたる構成になっている。これにより、この実施例においては、金属の放熱フィンを用いなくても、低コストで構成しながら冷却効率を得ることが可能になる。
本発明の第一の実施例の誘導加熱調理器の一部を分解した斜視図である。 本発明の第一の実施例の誘導加熱調理器のコイルユニットの斜視図である。 本発明の第一の実施例の誘導加熱調理器のコイルユニット周辺部の側面断面図で、同図(a)はフェライトを搭載していない部位で切断したコイルベースを含むコイルユニット周辺部の側面断面図、同図(b)はフェライトを搭載した部位で切断したコイルベースを含むコイルユニット周辺部の側面断面図である。 本発明の第二の実施例の誘導加熱調理器のコイルユニットの斜視図である。 本発明の第三の実施例の誘導加熱調理器のコイルユニット周辺部の側面断面図である。 本発明の第四の実施例の誘導加熱調理器のコイルユニット周辺部の側面断面図である。 本発明の第五の実施例の誘導加熱調理器のコイルユニット周辺部の側面断面図である。 本発明の第六の実施例の誘導加熱調理器のコイルユニット周辺部の側面断面図で、同図(a)は高透磁性部材5の最外端をトッププレート9側にL字状に突出成形した構成を示し、同図(b)は高透磁性部材5の最外端をコイルベース4外周より半径方向に長く突出させて成形した構成を示す。 本発明の第七の実施例の誘導加熱調理器のコイルユニット周辺部の側面断面図である。 本発明の第八の実施例におけるコイルユニットの側面断面図である。 本発明の第八の実施例におけるコイルユニットの斜視図である。 本発明の第九の実施例におけるコイルユニットの側面断面図である。 本発明の第十の実施例におけるコイルユニットの上面図、及び側面断面図である。 本発明の第十一の実施例におけるコイルユニットの上面図、及び側面断面図である。 本発明の第十二の実施例におけるコイルユニットの上面図、及び側面断面図である。 本発明の第十三の実施例におけるコイルユニットの側面断面図である。
符号の説明
1…本体、2(2a,2b)…コイルユニット、3(3a,3b)…誘導加熱コイル群、3−1(3−1a,3−1b,3−2(3−2a,3−2b),3−3(3−3a,3−3b)…誘導加熱コイル、4(4a,4b)…コイルベース、5(5a,5b)…高透磁性部材、9…トッププレート、16…高熱伝導性部材。


Claims (9)

  1. 本体上面にトッププレートを設け、前記トッププレート下方に、半径方向に間隙を設けて配置された外径の異なる複数の誘導加熱コイルで構成された誘導加熱コイル群と、該誘導加熱コイル群が載置されるコイルベースを含むコイルユニットを設けた誘導加熱調理器において、
    前記複数の誘導加熱コイルを前記複数の誘導加熱コイル間に周方向に断片的に設けた高熱伝導性部材で熱的に接続させて配置し
    前記高熱伝導性部材は、エポキシ樹脂成分と無機フィラを含む高熱伝導性絶縁樹脂であることを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 本体上面にトッププレートを設け、前記トッププレート下方に、厚さ方向に間隙を設けて複数段積層された誘導加熱コイルから構成される誘導加熱コイル群と、該誘導加熱コイル群が載置されるコイルベースを含むコイルユニットを設けた誘導加熱調理器において、
    前記複数の誘導加熱コイルを高熱伝導性部材で熱的に接続させて配置し、
    前記高熱伝導性部材は、エポキシ樹脂成分と無機フィラを含む高熱伝導性絶縁樹脂であることを特徴とする誘導加熱調理器。
  3. 前記高熱伝導性絶縁樹脂は熱伝導率が5W/mK以上の高抵抗または絶縁性の物材であることを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記高熱伝導性絶縁樹脂は体積抵抗率10 16 Ωcm以上の絶縁体であることを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  5. 本体上面にトッププレートを設け、前記トッププレート下方に、半径方向に間隙を設けて配置された外径の異なる複数の誘導加熱コイルで構成された誘導加熱コイル群と、該誘導加熱コイル群が載置されるコイルベースを含むコイルユニットを設けた誘導加熱調理器において、
    前記複数の誘導加熱コイルの下方又は側方位置のいずれか一方、又はその両方に放熱手段を配置し、前記複数の誘導加熱コイルと前記放熱手段の間隙及び前記コイルベースに高熱伝導性部材を充填し、
    前記高熱伝導性部材は、エポキシ樹脂成分と無機フィラを含む高熱伝導性絶縁樹脂であることを特徴とする誘導加熱調理器。
  6. 前記誘導加熱コイルの下方に前記放熱手段として、熱伝導率の高い金属製材料で構成したフィンを設けたことを特徴とする請求項5に記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記金属製材料による放熱フィンを複数有し、該複数の放熱フィンは電気的に分離していることを特徴とする請求項6に記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記放熱手段がファン装置で強制空冷されるヒートシンクであることを特徴とする請求項5に記載の誘導加熱調理器。
  9. 前記放熱手段は液状冷媒で冷却する構成を備えたことを特徴とする請求項5に記載の誘導加熱調理器。
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