JP2002075442A - 電解質組成物及びそれを用いた電気化学電池 - Google Patents

電解質組成物及びそれを用いた電気化学電池

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性及び電荷輸送性能に優れた電解質組成
物を提供すること及び経時での性能低下の少ない電気化
学電池を提供することである。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される塩を含むこ
とを特徴とする電解質組成物である。式(1)中、R1
及びR2は各々置換基を表し、R1及びR2の少なくとも
いずれか一方は置換または無置換のエチレンオキシ基を
含む置換基を表し、Yは有機カチオンを表す。また、前
記電解質組成物を含む電気化学電池である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な電解質組成
物及びそれを用いた電気化学電池、特に非水二次電池及
び光電気化学電池に関する。
【0002】
【従来の技術】非水二次電池や色素増感太陽電池などの
電気化学電池に用いられる電解質は、目的に応じたイオ
ンを含み、そのイオンを電極間に輸送する機能(イオン
伝導という)を持つ媒体である。例えば、非水二次電池
の代表であるリチウム二次電池では、リチウムイオンの
輸送が、色素増感太陽電池では、ヨウ素イオン及びヨウ
素三量体イオンの伝導性が問題となる。これら電池にお
いては、一般に、イオン伝導性が高い溶液系が電解質と
して多く用いられているが、電池に組み込んだ際の溶媒
の枯渇や漏れが電池の耐久性を低下させるなどの問題が
ある。また、リチウム二次電池においては溶液を密閉す
るため、金属容器を用いなければならないため、電池質
量が重くなり、電池形状にも自由度を持たせることが困
難である。
【0003】このような溶液系電解質の欠点を克服する
ため、近年、種々の電解質が提案されている。溶液電解
質をポリマーマトリックスに浸潤させたいわゆるゲル電
解質は、溶液系電解質に対して、イオン伝導度の低下が
小さく電池性能が低下しない点で有利であるが、溶媒の
揮発を完全に抑止することはできず、溶液系電解質が有
する問題を完全に解決することはできない。また、塩を
ポリエチレンオキシドなどのポリマーに溶解したポリマ
ー電解質は、溶液系電解質の問題を解決するものとして
期待されるが、イオン伝導度は未だ十分ではない。一
方、対アニオンがBF4 -、(CF3SO22-などのイ
ミダゾリウム塩やピリジニウム塩は、室温で液状の室温
溶融塩であり、リチウムイオン電池用の電解質として、
提案されているが、電解質の機械的強度とイオン伝導性
とが相反し、溶融塩自身の粘性を上げたり、ポリマーを
含有させるなどの手段で、機械的強度を強くした場合に
はイオン伝導度の低下がみられる。さらに、上記のよう
な電解質では、イオン伝導性の温度依存性が大きく、特
に低温でのイオン伝導性が不十分である。
【0004】ところで、光エネルギーを電気エネルギー
に変換する太陽光発電は単結晶シリコン太陽電池、多結
晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、
テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の化合物
太陽電池が実用化、もしくは研究開発の対象となってい
るが、普及させる上で製造コスト、原材料の確保、エネ
ルギーペイバックタイムの長さなどの問題点を克服する
必要がある。一方、大面積化や低価格化を指向した有機
材料を用いた太陽電池もこれまでにも多く提案されてい
るが、変換効率が低く、耐久性も悪いという問題があ
る。
【0005】こうした状況の下、色素によって増感され
た酸化物半導体を用いた光電変換素子(以後、色素増感
光電変換素子と略す)及びこれを用いた光電気化学電池
についての技術がNature(第353巻、第737
〜740頁、1991年)及び米国特許4927721
号等に開示された。前記開示された電池は負極として機
能する光電変換素子、電荷輸送層及び対極からなる。前
記光電変換素子は導電性支持体及び感光層からなり、前
記感光層は表面に色素が吸着した半導体を含む。前記電
荷輸送層は酸化還元体からなり、負極と対極(正極)と
の間で電荷輸送を担う。この方式の電池は安価で、比較
的高いエネルギー変換効率(光電変換効率)が得られる
点で有望であるが、電荷輸送層としてヨウ化カリウム等
の塩を電解質とする水溶液(電解液)を用いているた
め、長期にわたって使用すると電解液の蒸散、枯渇によ
り光電変換効率が著しく低下したり、電池として機能し
なくなるという問題がある。
【0006】この問題に対し、電解液の枯渇防止方法と
して、WO95/18456号に低融点化合物であるイ
ミダゾリウム塩を電解質として使用する方法が記載され
ている。この方法によれば、従来、電解質の溶媒として
用いていた水や有機溶剤が不要、あるいは少量で済むた
め、耐久性は改善されるが、未だ実用上の耐久性として
は不十分である。また、イミダゾリウム塩を高濃度にす
ると粘度が高くなるとともに電荷輸送能が低下し、光電
変換効率が低くなるという問題がある。さらには、トリ
アゾリウム塩を電解質として使用する方法もあるが、こ
の方法においてもイミダゾリウム塩と同様の問題が生じ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の電気化学電池に
おいては、低分子溶媒を含有する電解質組成物を使用し
た場合は、溶媒の揮発や液漏れにより電池性能が低下す
るという耐久性の点で問題がある。一方、室温で液体の
塩をベースとした、いわゆる溶融塩電解質を使用した場
合には、低沸点の化合物を含まないため揮発による電池
性能の劣化を防止するには有効であるが、一般に粘度が
高いため電荷輸送能が低いという欠点がある。
【0008】本発明は、前記諸問題に鑑みさなれたもの
であって、耐久性及び電荷輸送性能に優れた電解質組成
物を提供することを課題とする。また本発明は、経時で
の性能低下の少ない電気化学電池を提供することを課題
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は以下の通りである。 <1> 下記一般式(1)で表される塩を含むことを特
徴とする電解質組成物である。
【0010】
【化3】
【0011】式(1)中、R1及びR2は各々置換基を表
し、R1及びR2の少なくともいずれか一方は置換又は無
置換のエチレンオキシ基を含む置換基を表し、Yは有機
カチオンを表す。
【0012】<2> 前記一般式(1)中、Yが下記一
般式(2−a)、(2−b)及び(2−c)のいずれか
で表される有機カチオンである<1>に記載の電解質組
成物である。
【0013】
【化4】
【0014】式(2−a)中、Qy1は窒素原子と共に5
又は6員環の芳香族カチオンを形成し得る原子団を表
し、Ry1は置換若しくは無置換のアルキル基又はアルケ
ニル基を表す。式(2−b)中、Ay1は窒素原子又はリ
ン原子を表し、Ry1、Ry2、R y3及びRy4は各々置換若
しくは無置換のアルキル基又はアルケニル基を表す。ま
た、Ry1、Ry2、Ry3及びRy4のうち2つ以上が互いに
結合してAy1を含む非芳香族環を形成していてもよい。
式(2−c)中、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4、Ry5及びR
y6は各々置換若しくは無置換のアルキル基又はアルケニ
ル基を表し、Ry3、Ry4、Ry5及びRy6のうち2つ以上
が互いに結合して環構造を形成していてもよい。式(2
−a)、式(2−b)及び式(2−c)で表される化合
物は各々Q y1、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4、Ry5又はRy6
を中心として多量体を形成していてもよい。
【0015】<3> 前記一般式(1)中、R1及びR2
のいずれか一方がフッ素置換アルキル基である<1>又
は<2>に記載の電解質組成物である。 <4> 前記一般式(1)中、R1、R2及びYの少なく
とも一つが重合性基を含む<1>から<3>までのいず
れかに記載の電解質組成物である。 <5> 前記一般式(1)中、アニオン及びカチオンの
少なくとも一方が高分子である<1>から<3>までの
いずれかに記載の電解質組成物である。 <6> ヨウ素塩化合物及びヨウ素を含む<1>から<
5>までのいずれかに記載の電解質組成物である。 <7> リチウム塩を含む<1>から<5>までのいず
れかに記載の電解質組成物である。
【0016】<8> <1>から<7>までのいずれか
に記載の電解質組成物を含む電気化学電池である。 <9> 前記電解質組成物を含む電荷輸送層と、色素で
増感された半導体を含む感光層と、対極とを有し、且つ
光電気化学電池であることを特徴とする<8>に記載の
電気化学電池である。 <10> 非水二次電池であることを特徴とする<8>
に記載の電気化学電池である。
【0017】
【発明の実施の形態】[電解質組成物]本発明の電解質
組成物は前記一般式(1)で表される塩を含むことを特
徴とする。一般的に、25℃にて液体又は低融点の固体
である塩、いわゆる溶融塩と呼ばれる化合物は、溶媒電
解質に含まれる低分子溶媒と比較して沸点が高く、枯渇
しにくい点で有利である。その一方で、一般的に、溶融
塩は粘性が高く、電荷輸送能が溶媒電解質に比較して劣
るという問題があった。前記塩を含む本発明の電解質組
成物は、粘性が高い状態で高い電荷輸送性能を示すの
で、電荷輸送性能を損なうことなく、高い耐久性を有す
る。従って、電気化学電池の電解質として用いた場合
に、経時での性能低下の少ない耐久性に優れた電気化学
電池を提供することができる。
【0018】前記一般式(1)中、R1及びR2は各々置
換基を表す。R1及びR2が各々表す置換基としては、置
換若しくは無置換のアルキル基、アルコキシ基及びアミ
ノ基が好ましい。中でも、R1及びR2のうち少なくとも
一方が炭素数1から7のフッ素化アルキル基であるのが
特に好ましい。R1及びR2は各々さらに置換基を有して
もよく、該置換基としては、後述する一般式(3)中の
7が表す置換基として例示する置換基が好ましい。
【0019】但し、R1及びR2の少なくともいずれか一
方は置換又は無置換のエチレンオキシ基を含む置換基を
表す。前記置換又は無置換のエチレンオキシ基を含む置
換基は下記一般式(3)で表される。
【0020】
【化5】
【0021】前記一般式(3)中、R3、R4、R5及び
6は各々水素原子又は置換基を有してもよいアルキル
基を表す。R3〜R6は全て水素原子であるか、いずれか
一つがメチル基であることが好ましい。
【0022】前記一般式(3)中、R7は置換基を表
す。R7として、好ましい置換基は、置換していてもよ
いアルキル基〔好ましくは炭素原子数(以下C数)が1
〜24であり、より好ましくは(C数)が1〜10であ
り、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、例えば
メチル、エチル、プロピル、ブチル、i−プロピル、i
−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、2−エチル
ヘキシル、t−オクチル、デシル、ドデシル、テトラデ
シル、2−ヘキシルデシル、ヘキサデシル、オクタデシ
ル、シクロヘキシルメチル、オクチルシクロヘキシ
ル〕、置換していても縮環していてもよいアリール基
(好ましくはC数6〜24、例えばフェニル、4−メチ
ルフェニル、3−シアノフェニル、2−クロロフェニ
ル、2−ナフチル)、置換していても縮環していてもよ
い複素環基(含窒素複素環基のときは環中の窒素が4級
化していてもよい。好ましくはC数2〜24、例えば4
−ピリジル、2−ピリジル、1−オクチルピリジニウム
−4−イル、2−ピリミジル、2−イミダゾリル、2−
チアゾリル)、アルコキシ基〔好ましくはC数1〜2
4、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、オクチルオ
キシ、メトキシエトキシ、メトキシペンタ(エチルオキ
シ)、アクリロイルオキシエトキシ、ペンタフルオロプ
ロポキシ〕、アシルオキシ基(好ましくはC数1〜2
4、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アル
コキシカルボニル基(好ましくはC数2〜24、例えば
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、シアノ
基、フルオロ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、
および重合性基(好ましくはビニル基、アクリロイル
基、メタクリロイル基、スチリル基、桂皮酸残基など)
が挙げられる。
【0023】前記一般式(3)中、nは1〜20のいず
れかの整数を表す。nは3〜20であるのが好ましい。
nが2以上の場合及び前記一般式(1)中にエチレンオ
キシ基が2以上含まれる場合、それらは同じであっても
異なっていてもよい。
【0024】前記一般式(1)中、Yは有機カチオンを
表す。Yとしては、前記一般式(2−a)、(2−b)
及び(2−c)のいずれかで表される有機カチオンが好
ましい。
【0025】前記式(2−a)中、Qy1は窒素原子と共
に5又は6員環の芳香族カチオンを形成し得る原子団を
表す。Ry1は置換若しくは無置換のアルキル基又はアル
ケニル基を表す。
【0026】前記式(2−b)中、Ay1は窒素原子又は
リン原子を表し、Ry1、Ry2、Ry3及びRy4は各々置換
若しくは無置換のアルキル基又はアルケニル基を表す。
y1、Ry2、Ry3及びRy4のうち2つ以上が互いに結合
してAy1を含む非芳香族環を形成していてもよい。
【0027】前記式(2−c)中、Ry1、Ry2、Ry3
y4、Ry5及びRy6は各々、置換若しくは無置換のアル
キル基又はアルケニル基を表す。Ry1、Ry2、Ry3、R
y4、Ry5及びRy6のうち2つ以上が互いに結合して環構
造を形成していてもよい。
【0028】前記式(2−a)、式(2−b)及び式
(2−c)で表されるカチオンは、Q y1、Ry1、Ry2
y3、Ry4、Ry5又はRy6を中心として多量体を形成し
ていてもよい。
【0029】前記式(2−a)中、Qy1で表される原子
団の構成原子は、炭素、水素、窒素、酸素及び硫黄から
選択される原子であるのが好ましい。Qy1と窒素原子と
で完成される芳香族6員環としては、ピリジン、ピリミ
ジン、ピリダジン、ピラジン及びトリアジンが好まし
く、より好ましくはピリジンである。Qy1と窒素原子と
で完成される芳香族5員環としては、オキサゾール、チ
アゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソオキサゾー
ル、チアジアゾール、オキサジアゾール及びトリアゾー
ルが好ましく、オキサゾール、チアゾール及びイミダゾ
ールが好ましく、オキサゾール及びイミダゾールが特に
好ましい。
【0030】前記式(2−a)、(2−b)及び(2−
c)中のRy1〜Ry6の置換若しくは無置換のアルキル基
としては、炭素原子数(以下C数)が1〜24のアルキ
ル基が好ましい。前記アルキル基は、直鎖状であっても
分岐鎖状であっても、また環式であってもよい。例えば
メチル、エチル、プロピル、ブチル、i−プロピル、ペ
ンチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、t
−オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、2−ヘ
キシルデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、シクロ
ペンチル等が挙げられる。前記置換若しくは無置換のア
ルケニル基としては、C数が2〜24のアルケニル基が
好ましい。前記アルケニル基は直鎖状であっても分岐鎖
状であってもよい。例えばビニル、アリル等が挙げられ
る。Ry1〜Ry6としては、好ましくはC数3〜18のア
ルキル基及びC数2〜18のアルケニル基であり、より
好ましくはC数4〜6のアルキル基である。
【0031】Qy1で表される原子団の構成原子及びRy1
〜Ry6が置換可能な場合、これらは置換基を有していて
もよい。前記置換基の好ましい例としては、ハロゲン原
子(F、Cl、Br、I)、シアノ基、アルコキシ基
(メトキシ、エトキシ、メトキシエトキシなど)、アリ
ーロキシ基(フェノキシなど)、アルキルチオ基(メチ
ルチオ、エチルチオなど)、アシル基(アセチル、プロ
ピオニル、ベンゾイルなど)、スルホニル基(メタンス
ルホニル、ベンゼンスルホニルなど)、アシルオキシ基
(アセトキシ、ベンゾイルオキシなど)、スルホニルオ
キシ基(メタンスルホニリオキシ、トルエンスルホニル
オキシなど)、ホスホニル基(ジエチルホスホニルな
ど)、アミド基(アセチルアミノ、ベンゾイルアミドな
ど)、カルバモイル基(N,N−ジメチルカルバモイ
ル、N−フェニルカルバモイルなど)、アルキル基(メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピ
ル、ブチル、2−カルボキシエチル、ベンジルなど)、
アリール基(フェニル、トルイルなど)、複素環基(例
えば、ピリジル、イミダゾリル、フラニルなど)、アル
ケニル基(ビニル、1−プロペニルなど)、重合性基
(ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチ
リル基及び桂皮酸残基など)などが挙げられる。
【0032】前記一般式(1)中、R1、R2及びYの少
なくとも一つが重合性基を含んでいると(R1及びR2
のものが重合性基である場合を含む)、電解質組成物を
重合させて使用する場合には好ましい。前記重合性基と
しては、エチレン性不飽和基(たとえば、アクリロイル
基、メタクリロイル基、スチリル基など)が好ましく、
特にアクリロイル基が好ましい。
【0033】以下に、前記一般式(1)で表される塩の
具体例(例示化合物F−1〜18)を示すが、本発明に
使用可能な塩はこれらの具体例に限定されるものでは
い。また、具体例中のカチオンとアニオンとの組合せを
かえて構成される塩も具体例として挙げることができ
る。
【0034】
【化6】
【0035】
【化7】
【0036】
【化8】
【0037】前記一般式(1)で表される塩において、
カチオン(Y)及び/又はアニオン(R1−SO2−N-
−SO2−R2)は高分子であってもよい。アニオンが高
分子である場合、前記塩のアニオンであるR1−SO2
-−SO2−R2で表される部分構造は、ポリマーの主
鎖を構成している繰り返し単位として含まれていても、
ポリマーの主鎖から多数伸びた側鎖の部分構造として含
まれていてもよい。また、前記一般式(2−a)〜(2
−c)のいずれかで表されるカチオンが高分子である場
合は、前記一般式(2−a)〜(2−c)のいずれかで
表される部分構造は、ポリマーの主鎖を構成している繰
り返し単位として含まれていても、ポリマーの主鎖から
多数伸びた側鎖の部分構造として含まれていてもよい。
前記部分構造を含む高分子は、重合性基を構造中に含む
アニオン又はカチオンを単独であるいは他のモノマーと
共に重合することによって得られる。例えば、前記一般
式(1)で表される塩において、アニオン中のR1及び
/又はR2が重合性基である又は重合性基を置換基とし
て有する化合物を重合することによって得られる。ま
た、前記一般式(2−a)〜(2−c)で表されるカチ
オンにおいて、Ry1〜R y6が重合性基である若しくは重
合性基を置換基として有する、又はQy1で表される原子
団の構成原子が置換基として重合性基を有するカチオン
を重合することによって得られる。
【0038】前記一般式(1)で表される塩は、融点が
100℃以下であるのが好ましく、80℃以下であるの
がより好ましく、60℃以下であるのがさらに好まし
い。融点の下限には、特に限定はない。
【0039】本発明の電解質組成物を電池に組み込む場
合、加熱溶解して電極に塗布あるいは浸透させるか、低
沸点溶媒(例えばメタノール、アセトニトリル、塩化メ
チレン)等を用いて電極に塗布あるいは浸透させ、その
後溶媒を加熱により除去する方法等にて電池内に組み込
むことができる。また、前記一般式(1)で表される塩
のうちアニオン及び/又はカチオンが重合性基を含む場
合は、重合開始剤と共に電極に組み込んだ後に、熱又は
光により重合することも可能である。
【0040】本発明の電解質組成物としては、好ましく
は50質量%までの溶媒等と混合して用いてもよいが、
優れた耐久性及び光電変換効率を実現するためには、一
般式(1)で表される塩を70質量%以上含有させるの
が好ましく、80質量%以上含有させるのがより好まし
く、90質量%以上含有させるのが最も好ましい。
【0041】本発明の電荷質組成物は、前記一般式
(1)で表される塩とともに、所望により他の成分を含
有していてもよい。本発明の電解質組成物は、前記一般
式(1)で表される塩とともに溶媒を含有していてもよ
い。前記電解質組成物中における溶媒の含有量は、前記
一般式(1)で表される塩の含有量以下であるのが好ま
しい。使用する溶媒としては、粘度が低くイオン易動度
を向上したり、又は誘電率が高く有効キャリアー濃度を
向上したりして、優れたイオン伝導性を発現できる化合
物であることが望ましい。このような溶媒ととしては、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの
カーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノ
ンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル
などのエーテル化合物、エチレングリコールジアルキル
エーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、
ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロ
ピレングリコールジアルキルエーテルなどの鎖状エーテ
ル類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモ
ノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキ
ルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエー
テル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル
などのアルコール類、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、アセ
トニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニト
リル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリ
ル化合物、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ホス
ホン酸エステル等のエステル類、ジメチルスルフォキシ
ド、スルフォランなど非プロトン極性物質、水などを用
いることができる。この中でも、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合
物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化
合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシ
アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルな
どのニトリル化合物、エステル類が特に好ましい。これ
らは単独で用いても2種以上を併用してもよい。前記溶
媒としては、耐揮発性による耐久性向上の観点にて常圧
(1気圧)における沸点は200℃以上が好ましく、2
50℃以上がより好ましく、270℃以上がさらに好ま
しいが、この性質を有するものに限定されるものではな
い。
【0042】前記塩が重合性基を有し、それらを電池に
充填する前後で重合する場合は、本発明の電荷質組成物
中には、前記一般式(1)で表される塩とともに、前記
塩の重合を開始し得る重合開始剤を含有させることがで
きる。また、前記一般式(1)で表される塩と重合可能
な他のモノマー(架橋剤を含む)を含有させることもで
きる。重合には、大津隆行・木下雅悦共著:高分子合成
の実験法(化学同人)や大津隆行:講座重合反応論1ラ
ジカル重合(I)(化学同人)に記載された一般的な高
分子合成法であるラジカル重合法を利用することがで
き、熱重合開始剤を用いる熱重合法と光重合開始剤を用
いる光重合法の双方が利用可能である。
【0043】好ましく使用される熱重合開始剤として
は、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプ
ロピオネート)などのアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオ
キシドなどの過酸化物系開始剤等が含まれる。好ましく
用いられる光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合
物(米国特許2367661号、同2367670号の
各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許244
828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロ
イン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、
多核キノン化合物(米国特許3046127号、同29
51758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾ
ールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わ
せ(米国特許35493676号明細書記載)、アクリ
ジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667
号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオ
キサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細
書記載)が含まれる。前記電解質組成物における前記重
合開始剤の好ましい添加量は、前記塩の含有量に対し
0.01質量%以上20質量%以下であり、さらに好ま
しくは0.1質量%以上10質量%以下である。重合に
より得られる重合体の好ましい分子量(数平均分子量)
は、前記塩が単官能モノマーである場合は5,000〜
100万であり、さらに好ましくは1万〜50万であ
る。また、前記塩が多官能モノマーである場合、あるい
は架橋剤を用いた場合は、上記の分子量のポリマーが3
次元網目構造を形成する。
【0044】本発明の電解質組成物を光電気化学電池の
電解質に用いる場合は、前記電解質組成物中には、電荷
キャリアとしてI-とI3 -を含む電解質を併用すること
が好ましく、それらは任意の塩の形で添加することがで
きる。I3 -塩は、ヨウ素塩(I-塩)の存在下、ヨウ素
(I2)を加え、電解質組成物中で生成させるのが一般
的であり、その際、加えたI2と同量のI3 -が生成す
る。従って、本発明の電解質組成物を光電気化学電池に
利用する場合は、前記電解質組成物中に、ヨウ素塩化合
物及びヨウ素を含有させるのが好ましい。好ましいヨウ
素塩化合物の対カチオンとしては、前述の式(2−
a)、(2−b)又は(2−c)で表されるものが挙げ
られる。本発明の電解質組成物中、I-の濃度は10〜
90質量%であるのが好ましく、30〜70質量%であ
るのが更に好ましい。その際残りの電解質成分が全て、
一般式(1)で表される塩であることが好ましい。ま
た、本発明の電解質組成物において、I3 -はI-に対し
て、0.1〜50モル%であることが好ましく、0.1
〜20モル%であることがより好ましく、0.5〜10
モル%であることがさらに好ましく、0.5〜5モル%
であることが最も好ましい。
【0045】本発明の電解質組成物は、前記塩とともに
別の溶融塩を含んでいてもよい。好ましく併用される溶
融塩としては、前記一般式(2−a)、(2−b)及び
(2−c)のいずれかで表される有機カチオンと、任意
のアニオンとを組合せたものが挙げられる。前記任意の
アニオンとしては、ハロゲン化物イオン(Cl-、Br-
等)、SCN-、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、(CF3
22-、(CF3CF2SO22-、CH3SO3 -
CF3SO3 -、CF3COO-、Ph4-、(CF3
23-等が好ましく、SCN-、CF3SO3 -、CF3
COO-、(CF3SO22-又はBF4 -であるのがよ
り好ましい。また、LiIなどのヨウ素塩やCF3CO
OLi、CF3COONa、LiSCN、NaSCNな
どのアルカリ金属塩を添加することもできる。アルカリ
金属塩の添加量は、0.02〜2質量%程度であるのが
好ましく、0.1〜1質量%がさらに好ましい。
【0046】本発明の電解質組成物には、LiI、Na
I、KI、CsI、CaI2などの金属ヨウ化物;4級
イミダゾリウム化合物のヨウ素塩;テトラアルキルアン
モニウム化合物のヨウ素塩;Br2とLiBr、NaB
r、KBr、CsBr、CaBr2などの金属臭化物;
あるいはBr2とテトラアルキルアンモニウムブロマイ
ド、ピリジニウムブロマイドなど4級アンモニウム化合
物の臭素塩;フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフ
ェロセン−フェリシニウムイオンなどの金属錯体;ポリ
硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフ
ィドなどのイオウ化合物;ビオロゲン色素;及びヒドロ
キノン−キノン;等を含有させることもできる。含有さ
せる場合、これらの化合物の使用量は、電解質組成物の
全質量中、30質量%以下であることが好ましい。
【0047】本発明の電解質組成物をリチウムイオン電
池に用いる場合には、電解質組成物が含有する化合物の
少なくとも一種類は、カチオンがリチウムイオンである
リチウム塩を用いる。前記リチウム塩のアニオンとして
は、イミドアニオン((CF 3SO22-、(CF3
2SO22-)、又はホウ素(B)、リン(P)及び
イオウ(S)から選ばれる少なくとも1種類以上の元素
を含有するフッ化物アニオン(BF4 -、PF6 -、CF3
SO3 -、C(CF3SO2)3 -など)が好ましい。本発明
の電解質組成物における前記リチウム塩の含有量として
は、前記一般式(1)で表される塩に対して1質量%以
上70質量%以下であるのが好ましく、20質量%以上
50質量%以下であるのがより好ましい。
【0048】本発明の電解質組成物は、化学反応及び金
属メッキ等の反応溶媒、CCD(電荷結合素子)カメ
ラ、種々の電気化学電池(いわゆる電池)に用いること
ができる。電池の中でも、非水二次電池(特に、リチウ
ム二次電池)又は下記の半導体を用いた光電気化学電池
の電解質に用いるのが好ましく、特に、光電気化学電池
に用いるのがより好ましい。
【0049】[光電気化学電池]以下に、本発明の電解
質組成物を利用した本発明の光電気化学電池について説
明する。本発明の光電気化学電池は、前記電解質組成物
を含む電荷輸送層と、色素で増感された半導体を含む感
光層と、対極とを有し、いわゆる以下に説明する光電変
換素子を外部回路で仕事をさせるように構成したもので
ある。本発明の光電気化学電池は、前記電荷輸送層が本
発明の電解質組成物を含有しているので、光電変換性能
に優れるとともに、経時での電池性能の劣化が小さい優
れた耐久性を示す。
【0050】〔1〕光電変換素子 図1に、本発明に適用可能な光電変換素子の一例を示
す。光電変換素子10は、導電層12、下塗り層14、
感光層16、電荷輸送層18及び対極導電層20の順次
積層してなる。感光層16は、色素dによって増感した
半導体層24と、電荷輸送材料tとからなる。半導体層
24は、半導体微粒子sからなる多孔性の層であり、半
導体微粒子sの間には空隙が形成され、該空隙に電荷輸
送材料tが浸透している。電荷輸送材料tは、電荷輸送
層18に用いる材料と同じ成分からなる。導電層12の
下には基板26、及び対極導電層20の下には基板28
が配置されている。基板26、28は光電変換素子に強
度を付与するためのものであり、なくてもよい。また、
それぞれの層の境界、例えば、導電層12と感光層16
との境界、感光層16と電荷輸送層18との境界、電荷
輸送層18と対極導電層20との境界等では、各層の構
成成分同士が相互に拡散混合していてもよい。尚、光電
変換素子10には、いずれか又は双方から光を入射して
もよく、光を入射する側の導電層12と基板26及び/
又は対極導電層20と基板28を、それぞれ光透過性を
有する材料から構成することができる。
【0051】次に、光電変換素子10の作用について説
明する。尚、半導体微粒子sがn型である場合について
説明する。光電変換素子10に光が入射すると、入射し
た光は感光層16に達し、色素d等によって吸収され、
励起状態の色素dを生成する。励起された色素d等は、
高エネルギーの電子を半導体微粒子sの伝導帯に渡し、
自らは酸化体となる。前記伝導帯に移った電子は半導体
微粒子sのネットワークにより導電層12に到達する。
従って、導電層12は対極導電層20に対して負の電位
を持つ。光電変換素子10を光電池に利用した態様で
は、この光電池を外部回路につなぐと、導電層12中の
電子は外部回路で仕事をしながら対極導電層20に達す
る。電子は、電荷輸送材料が電解質である場合は、この
電解質成分(例えばI-)を還元するとともに、生成し
た還元体(例えばI3 -)が色素dの酸化体を還元して元
に戻す。光を照射し続けることにより、一連の反応が引
き続き起こり、電気を取り出すことができる。
【0052】以下、前記光電変換素子の各層に使用可能
な材料及びその形成方法について説明する。尚、以下
で、「導電性支持体」というときは、導電層12のみ、
及び導電層12と任意で設ける基板26からなるものの
双方を含み、「対極」というときは、対極導電層20の
み、及び対極導電層20と任意で設ける基板26からな
るものの双方を含む。
【0053】(A)導電性支持体 導電性支持体は、(1)導電層の単層、又は(2)導電
層及び基板の2層からなる。(1)の場合は、導電層と
して強度や密封性が十分に保たれるような材料が使用さ
れ、例えば、金属材料(白金、金、銀、銅、亜鉛、チタ
ン、アルミニウム等又はこれらを含む合金)を用いるこ
とができる。(2)の場合、感光層側に導電剤を含む導
電層を有する基板を使用することができる。好ましい導
電剤としては金属(例えば白金、金、銀、銅、亜鉛、チ
タン、アルミニウム、インジウム等又はこれらを含む合
金)、炭素、又は導電性金属酸化物(インジウム−スズ
複合酸化物、酸化スズにフッ素又はアンチモンをドープ
したもの等)が挙げられる。導電層の厚さは0.02〜
10μm程度が好ましい。
【0054】導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好
ましい表面抵抗の範囲は50Ω/□以下であり、さらに
好ましくは20Ω/□以下である。
【0055】導電性支持体側から光を照射する場合に
は、導電性支持体は実質的に透明であるのが好ましい。
実質的に透明であるとは、可視〜近赤外領域(400〜
1200nm)の光の一部又は全域において透過率が1
0%以上であることを意味し、50%以上であるのが好
ましく、80%以上がより好ましい。特に、感光層が感
度を有する波長域の透過率が高いことが好ましい。
【0056】透明導電性支持体としては、ガラス又はプ
ラスチック等の透明基板の表面に導電性金属酸化物から
なる透明導電層を塗布又は蒸着等により形成したものが
好ましい。透明導電層として好ましいものは、フッ素も
しくはアンチモンをドーピングした二酸化スズあるいは
インジウム−スズ酸化物(ITO)である。透明基板に
は低コストと強度の点で有利なソーダガラス、アルカリ
溶出の影響のない無アルカリガラスなどのガラス基板の
ほか、透明ポリマーフィルムを用いることができる。透
明ポリマーフィルムの材料としては、トリアセチルセル
ロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオ
タクチックポリステレン(SPS)、ポリフェニレンス
ルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリ
アリレート(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポ
リエステルスルフォン(PES)、ポリイミド(P
I)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフ
ィン、ブロム化フェノキシ等がある。十分な透明性を確
保するために、導電性金属酸化物の塗布量はガラス又は
プラスチックの支持体1m2当たり0.01〜100g
とするのが好ましい。
【0057】透明導電性支持体の抵抗を下げる目的で金
属リードを用いるのが好ましい。金属リードの材質は白
金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、等
の金属が好ましい。金属リードは透明基板に蒸着、スパ
ッタリング等で設置し、その上に導電性の酸化スズ又は
ITO膜からなる透明導電層を設けるのが好ましい。金
属リード設置による入射光量の低下は、好ましくは10
%以内、より好ましくは1〜5%とする。
【0058】(B)感光層 前記感光層は、光を吸収して電荷分離を行い、電子と正
孔を生ずる機能を有する。前記感光層は色素増感された
半導体を含む。色素増感された半導体では、光吸収及び
これによる電子及び正孔の発生は主として色素において
起こり、半導体はこの電子(又は正孔)を受け取り、伝
達する役割を担う。本発明で用いる半導体は、光励起下
で伝導体電子がキャリアーとなり、アノード電流を与え
るn型半導体であることが好ましい。
【0059】(1)半導体 半導体としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体
半導体、III−V系化合物半導体、金属のカルコゲナ
イド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物、又はそれら
の複合物等)、又はペロブスカイト構造を有する化合物
(例えばチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウ
ム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸
カリウム等)等を使用することができる。
【0060】好ましい金属のカルコゲナイドとして、チ
タン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、
ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、
イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、又はタ
ンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモ
ン又はビスマスの硫化物、カドミウム又は鉛のセレン化
物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の化合
物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミ
ウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素又は銅−インジウム
のセレン化物、銅−インジウムの硫化物等が挙げられ
る。さらには、M xyz又はM1 x2 yz(M、M1
びM2はそれぞれ金属元素、Oは酸素原子、x、y及び
zは価数が中性になる組み合わせの数)で表される複合
物も好ましく用いることができる。
【0061】本発明に用いる半導体の好ましい具体例
は、Si、TiO2、SnO2、Fe23、WO3、Zn
O、Nb25、CdS、ZnS、PbS、Bi23、C
dSe、CdTe、SrTiO3、GaP、InP、G
aAs、CuInS2、CuInSe2等であり、より好
ましくはTiO2、ZnO、SnO2、Fe23、W
3、Nb25、CdS、PbS、CdSe、SrTi
3、InP、GaAs、CuInS2又はCuInSe
2であり、特に好ましくはTiO2又はNb25であり、
最も好ましくはTiO2である。TiO2はアナターゼ型
結晶を70%以上含むTiO2が好ましく、特に好まし
くは100%アナターゼ型結晶のTiO2である。ま
た、これらの半導体中の電子電導性を上げる目的で金属
をドープする事も有効である。ドープする金属としては
2価、3価の金属が好ましい。半導体から電荷輸送層へ
逆電流が流れるのを防止する目的で、半導体に1価の金
属をドープする事も有効である。
【0062】本発明に用いる半導体は単結晶でも多結晶
でもよいが、製造コスト、原材料確保、エネルギーペイ
バックタイム等の観点からは多結晶が好ましく、半導体
微粒子からなる多孔質膜が特に好ましい。また、一部ア
モルファス部分を含んでいてもよい。
【0063】半導体微粒子の粒径は一般にnm〜μmの
オーダーであるが、投影面積を円に換算したときの直径
から求めた一次粒子の平均粒径は5〜200nmである
のが好ましく、8〜100nmがより好ましい。また分
散液中の半導体微粒子(二次粒子)の平均粒径は0.0
1〜30μmが好ましい。粒径分布の異なる2種類以上
の微粒子を混合してもよく、この場合小さい粒子の平均
サイズは25nm以下であるのが好ましく、より好まし
くは10nm以下である。入射光を散乱させて光捕獲率
を向上させる目的で、粒径の大きな、例えば100nm
以上、300nm程度の半導体粒子を混合することも好
ましい。
【0064】半導体微粒子の種類も異なる2種以上の混
合であってもよい。2種以上の半導体微粒子を混合して
使用する場合、1種はTiO2、ZnO、Nb25もし
くはSrTiO3であることが好ましい。またもう1種
としてはSnO2、Fe23、WO3であることが好まし
い。さらに好ましい組み合わせとしては、ZnOとSn
2、ZnOとWO3又はZnO、SnO2とWO3などの
組み合わせを挙げることができる。2種以上の半導体微
粒子を混合して用いる場合、それぞれの粒径が異なって
いてもよい。特に上記1種目で挙げた半導体微粒子の粒
径が大きく、2種目以降で挙げた半導体微粒子が小さい
組み合わせが好ましい。好ましくは大きい粒径の粒子が
100nm以上で、小さい粒径の粒子が15nm以下の
組み合わせである。
【0065】半導体微粒子の作製法としては、作花済夫
の「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998
年)、技術情報協会の「ゾル−ゲル法による薄膜コーテ
ィング技術」(1995年)等に記載のゾル−ゲル法、
杉本忠夫の「新合成法ゲル−ゾル法による単分散粒子の
合成とサイズ形態制御」、まてりあ,第35巻,第9
号,1012〜1018頁(1996年)に記載のゲル
−ゾル法が好ましい。またDegussa社が開発した
塩化物を酸水素塩中で高温加水分解により酸化物を作製
する方法も好ましい。
【0066】半導体微粒子が酸化チタンの場合、上記ゾ
ル−ゲル法、ゲル−ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高
温加水分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学の
「酸化チタン 物性と応用技術」技報堂出版(1997
年)に記載の硫酸法及び塩素法を用いることもできる。
さらにゾル−ゲル法として、Barbeらのジャーナル
・オブ・アメリカン・セラミック・ソサエティー,第8
0巻,第12号,3157〜3171頁(1997年)
に記載の方法や、Burnsideらのケミストリー・
オブ・マテリアルズ,第10巻,第9号,2419〜2
425頁に記載の方法も好ましい。
【0067】(2)半導体微粒子層 前記半導体は、例えば、前記導電性支持体上に形成され
た半導体微粒子層の形態で使用される。半導体微粒子を
導電性支持体上に塗布するには、半導体微粒子の分散液
又はコロイド溶液を導電性支持体上に塗布する方法の他
に、前述のゾル−ゲル法等を使用することもできる。光
電変換素子の量産化、半導体微粒子液の物性、導電性支
持体の融通性等を考慮した場合、湿式の製膜方法が比較
的有利である。湿式の製膜方法としては、塗布法、印刷
法、電解析出法及び電着法が代表的である。また、金属
を酸化する方法、金属溶液から配位子交換等で液相にて
析出させる方法(LPD法)、スパッタ等で蒸着する方
法、CVD法、あるいは加温した基板上に熱分解する金
属酸化物プレカーサーを吹き付けて金属酸化物を形成す
るSPD法を利用することもできる。
【0068】半導体微粒子の分散液を作製する方法とし
ては、前述のゾル−ゲル法の他に、乳鉢ですり潰す方
法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは
半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそ
のまま使用する方法等が挙げられる。
【0069】分散媒としては、水又は各種の有機溶媒
(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、シトロネロール、ターピネオール、ジクロロメタ
ン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル等)が挙げ
られる。分散の際、必要に応じて例えばポリエチレング
リコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロースのようなポリマー、界面活性剤、酸、又
はキレート剤等を分散助剤として用いてもよい。ポリエ
チレングリコールの分子量を変えることで、分散液の粘
度が調節可能となり、さらに剥がれにくい半導体層を形
成したり、半導体層の空隙率をコントロールできるの
で、ポリエチレングリコールを添加することは好まし
い。
【0070】塗布方法としては、アプリケーション系と
してローラ法、ディップ法等、メータリング系としてエ
アーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションと
メータリングを同一部分にできるものとして、特公昭5
8−4589号に開示されているワイヤーバー法、米国
特許2681294号、同2761419号、同276
1791号等に記載のスライドホッパー法、エクストル
ージョン法、カーテン法等が好ましい。また汎用機とし
てスピン法やスプレー法も好ましい。湿式印刷方法とし
ては、凸版、オフセット及びグラビアの3大印刷法をは
じめ、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等が好ましい。こ
れらの中から、液粘度やウェット厚さに応じて、好まし
い製膜方法を選択する。
【0071】半導体微粒子の層は単層に限らず、粒径の
違った半導体微粒子の分散液を多層塗布したり、種類が
異なる半導体微粒子(あるいは異なるバインダー、添加
剤)を含有する塗布層を多層塗布したりすることもでき
る。一度の塗布で膜厚が不足の場合にも多層塗布は有効
である。
【0072】一般に半導体微粒子層の厚さ(感光層の厚
さと同じ)が厚くなるほど単位投影面積当たりの担持色
素量が増えるため、光の捕獲率が高くなるが、生成した
電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大き
くなる。したがって、半導体微粒子層の好ましい厚さは
0.1〜100μmである。光電池に用いる場合、半導
体微粒子層の厚さは1〜30μmが好ましく、2〜25
μmがより好ましい。半導体微粒子の支持体1m2当た
りに対する塗布量は、0.5〜100gが好ましく、3
〜50gがより好ましい。
【0073】半導体微粒子を導電性支持体上に塗布した
後で半導体微粒子同士を電子的に接触させるとともに、
塗膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるため
に、加熱処理するのが好ましい。好ましい加熱温度の範
囲は40℃以上700℃以下であり、より好ましくは1
00℃以上600℃以下である。また加熱時間は10分
〜10時間程度である。ポリマーフィルムのように融点
や軟化点の低い支持体を用いる場合、高温処理は支持体
の劣化を招くため、好ましくない。またコストの観点か
らもできる限り低温(例えば50℃〜350℃)である
のが好ましい。低温化は、5nm以下の小さい半導体微
粒子や鉱酸、金属酸化物プレカーサーの存在下での加熱
処理等により可能となり、また、紫外線、赤外線、マイ
クロ波等の照射や電界、超音波を印加することにより行
うこともできる。同時に不要な有機物等を除去する目的
で、上記の照射や印加のほか加熱、減圧、酸素プラズマ
処理、純水洗浄、溶剤洗浄、ガス洗浄等を適宜組み合わ
せて併用することが好ましい。
【0074】加熱処理後、半導体微粒子の表面積を増大
させたり、半導体微粒子近傍の純度を高め、色素から半
導体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四
塩化チタン水溶液を用いた化学メッキ処理や三塩化チタ
ン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよ
い。また、半導体微粒子から電荷輸送層へ逆電流が流れ
るのを防止する目的で、粒子表面に色素以外の電子電導
性の低い有機物を吸着させることも有効である。吸着さ
せる有機物としては疎水性基を有する物が好ましい。
【0075】半導体微粒子層は、多くの色素を吸着する
ことができるように大きい表面積を有することが好まし
い。半導体微粒子の層を支持体上に塗布した状態での表
面積は、投影面積に対して10倍以上であるのが好まし
く、さらに100倍以上であるのが好ましい。この上限
は特に制限はないが、通常1000倍程度である。
【0076】(3)色素 感光層に用いる増感色素は、可視域や近赤外域に吸収を
有し、半導体を増感し得る化合物なら任意に用いること
ができ、有機金属錯体色素、メチン色素、ポルフィリン
系色素又はフタロシアニン系色素が好ましい。また、光
電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上
げるため、二種類以上の色素を併用又は混合することが
できる。この場合、目的とする光源の波長域と強度分布
に合わせるように、併用又は混合する色素とその割合を
選ぶことができる。
【0077】こうした色素は半導体微粒子の表面に対し
て吸着能力の有る適当な結合基(interlocki
ng group)を有しているのが好ましい。好まし
い結合基としては、COOH基、OH基、SO3H基、
−P(O)(OH)2基又は−OP(O)(OH)2基の
ような酸性基、あるいはオキシム、ジオキシム、ヒドロ
キシキノリン、サリチレート又はα−ケトエノレートの
ようなπ伝導性を有するキレート化基が挙げられる。な
かでもCOOH基、−P(O)(OH)2基又は−OP
(O)(OH)2基が特に好ましい。これらの基はアル
カリ金属等と塩を形成していてもよく、また分子内塩を
形成していてもよい。またポリメチン色素の場合、メチ
ン鎖がスクアリリウム環やクロコニウム環を形成する場
合のように酸性基を含有する場合、この部分を結合基と
して有していてもよい。
【0078】以下、感光層に用いる好ましい増感色素を
具体的に説明する。 (a)有機金属錯体色素 色素が金属錯体色素である場合、金属フタロシアニン色
素、金属ポルフィリン色素又はルテニウム錯体色素が好
ましく、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。ルテニウ
ム錯体色素としては、例えば米国特許4927721
号、同4684537号、同5084365号、同53
50644号、同5463057号、同5525440
号等の各明細書、及び、特開平7−249790号、特
表平10−504512号、世界特許98/50393
号、特開2000−26487号等の各公報に記載の錯
体色素が挙げられる。
【0079】さらに前記色素がルテニウム錯体色素であ
る場合、下記一般式(5)で表されるルテニウム錯体色
素が好ましい。 (A1tRu(B−a)u(B−b)v(B−c)w 前記一般式(5)中、A1は1又は2座の配位子を表
す。A1はCl、SCN、H2O、Br、I、CN、NC
O、SeCN、β−ジケトン類、シュウ酸及びジチオカ
ルバミン酸の誘導体からなる群から選ばれる配位子であ
るのが好ましい。tが2以上の場合、2以上のA1は同
一でも異なっていてもよい。前記一般式(5)中、B−
a、B−b及びB−cはそれぞれ独立に下記式(B−
1)〜(B−10)のいずれかで表される配位子を表
す。tは0〜3のいずれかの整数を表し、u、v及びw
は各々0又は1を表し、前記一般式(5)で表されるル
テニウム錯体が6配位錯体となる様に、配位子の種類に
応じて適宜組み合わされる。
【0080】
【化9】
【0081】前記式(B−1)〜(B−10)中、Ra
は水素原子又は置換基を表し、該置換基としては、例え
ば、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12の置換又は無置
換のアルキル基、炭素原子数7〜12の置換又は無置換
のアラルキル基、炭素原子数6〜12の置換又は無置換
のアリール基、酸性基(これらの酸性基は塩を形成して
いてもよい)又はキレート化基が挙げられる。アルキル
基及びアラルキル基のアルキル部分は直鎖状でも分岐状
でもよい。また、前記アリール基及びアラルキル基のア
リール部分は単環でも多環(縮合環、環集合)でもよ
い。前記一般式(5)中、B−a、B−b及びB−cは
同一でも異なっていてもよい。
【0082】有機金属錯体色素の好ましい具体例(例示
化合物R−1〜17)を以下に示すが、本発明に用いら
れる色素は以下の具体例に限定されるものではない。
【化10】
【0083】
【化11】
【0084】(b)メチン色素 本発明に使用する好ましいメチン色素は、シアニン色
素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素などのポリ
メチン色素である。本発明で好ましく用いられるポリメ
チン色素としては、例えば、特開平11−35836
号、特開平11−67285号、特開平11−8691
6号、特開平11−97725号、特開平11−158
395号、特開平11−163378号、特開平11−
214730号、特開平11−214731号、特開平
11−238905号、特開2000−26487号、
欧州特許892411号、同911841号及び同99
1092号の各明細書に記載の色素が挙げられる。好ま
しいメチン色素の具体例を以下に示す。
【0085】
【化12】
【0086】
【化13】
【0087】(4)半導体微粒子への色素の吸着 半導体微粒子に色素を吸着させるには、色素の溶液中に
良く乾燥した半導体微粒子層を有する導電性支持体を浸
漬するか、色素の溶液を半導体微粒子層に塗布する方法
を用いることができる。前者の場合、浸漬法、ディップ
法、ローラ法、エアーナイフ法等が使用可能である。浸
漬法の場合、色素の吸着は室温で行ってもよいし、特開
平7−249790号に記載されているように加熱還流
して行ってもよい。また後者の塗布方法としては、ワイ
ヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン
法、カーテン法、スピン法、スプレー法等がある。色素
を溶解する溶媒として好ましいのは、例えば、アルコー
ル類(メタノール、エタノール、t−ブタノール、ベン
ジルアルコール等)、ニトリル類(アセトニトリル、プ
ロピオニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等)、
ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、
ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等)、
エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
等)、ジメチルスルホキシド、アミド類(N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド等)、
N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジ
ノン、3−メチルオキサゾリジノン、エステル類(酢酸
エチル、酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエチ
ル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン類(ア
セトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化水
素(へキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン等)
やこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0088】色素の全吸着量は、多孔質半導体電極基板
の単位表面積(1m2)当たり0.01〜100mmo
lが好ましい。また色素の半導体微粒子に対する吸着量
は、半導体微粒子1g当たり0.01〜1mmolの範
囲であるのが好ましい。前記範囲の色素吸着量とするこ
とにより半導体における増感効果が十分に得られる。こ
れに対し、色素が少なすぎると増感効果が不十分とな
り、また色素が多すぎると半導体に付着していない色素
が浮遊し、増感効果を低減させる原因となる。色素の吸
着量を増大させるためには、吸着前に加熱処理を行うの
が好ましい。加熱処理後、半導体微粒子表面に水が吸着
するのを避けるため、常温に戻さずに、半導体電極基板
の温度が60〜150℃の間で素早く色素の吸着操作を
行うのが好ましい。また、色素間の凝集などの相互作用
を低減する目的で、無色の化合物を色素に添加し、半導
体微粒子に共吸着させてもよい。この目的で有効な化合
物は界面活性な性質、構造をもった化合物であり、例え
ば、カルボキシル基を有するステロイド化合物(例えば
ケノデオキシコール酸)や下記の例のようなスルホン酸
塩類が挙げられる。
【0089】
【化14】
【0090】未吸着の色素は、吸着後速やかに洗浄によ
り除去するのが好ましい。湿式洗浄槽を使い、アセトニ
トリル等の極性溶剤、アルコール系溶剤のような有機溶
媒で洗浄を行うのが好ましい。色素を吸着した後にアミ
ン類や4級塩を用いて半導体微粒子の表面を処理しても
よい。好ましいアミン類としては、ピリジン、4−t−
ブチルピリジン及びポリビニルピリジン等が挙げられ、
好ましい4級塩としてはテトロブチルアンモニウムヨー
ジド及びテトラヘキシルアンモニウムヨージド等が挙げ
られる。これらが液体の場合はそのまま用いてもよい
し、有機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0091】(C)電荷輸送層 電荷輸送層は色素の酸化体に電子を補充する機能を有す
る電荷輸送材料を含有する層である。この電荷輸送層に
用いることのできる代表的な電荷輸送材料の例として
は、(i)イオン輸送材料として、酸化還元対のイオン
が溶解した溶液(電解液)、酸化還元対の溶液をポリマ
ーマトリクスのゲルに含浸したいわゆるゲル電解質、酸
化還元対イオンを含有する溶融塩電解質、さらには固体
電解質が挙げられる。また、イオンがかかわる電荷輸送
材料のほかに、(ii)固体中のキャリアー移動がかか
わる電荷輸送材料として、電子輸送材料や正孔(ホー
ル)輸送材料を用いることもできる。本発明では、この
電荷輸送層に本発明の電解質組成物を使用するが、これ
以外の上記電荷輸送材料を併用することもできる。
【0092】(1)電荷輸送層の形成 電荷輸送層の形成方法に関しては2通りの方法が考えら
れる。1つは感光層の上に先に対極を貼り合わせてお
き、その間隙に液状の電荷輸送層を挟み込む方法であ
る。もう1つは感光層上に直接、電荷輸送層を付与する
方法で、対極はその後付与することになる。
【0093】前者の場合、電荷輸送層の挟み込み方法と
して、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセス、
又は常圧より低い圧力にして間隙の気相を液相に置換す
る真空プロセスを利用できる。
【0094】後者の場合、湿式の電荷輸送層においては
未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置
を施すことになる。またゲル電解質の場合には湿式で塗
布して重合等の方法により固体化する方法があり、その
場合には乾燥、固定化した後に対極を付与することもで
きる。電解液のほか湿式有機正孔輸送材料やゲル電解質
を付与する方法としては、前述の半導体微粒子層や色素
の付与と同様の方法を利用できる。
【0095】(D)対極 対極は前記の導電性支持体と同様に、導電性材料からな
る対極導電層の単層構造でもよいし、対極導電層と支持
基板から構成されていてもよい。対極導電層に用いる導
電材としては、金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミ
ニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素、又は導
電性金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、フッ素
ドープ酸化スズ、等)が挙げられる。この中でも白金、
金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウムを対極層とし
て好ましく使用することができる。対極の好ましい支持
基板の例は、ガラス又はプラスチックであり、これに上
記の導電剤を塗布又は蒸着して用いる。対極導電層の厚
さは特に制限されないが、3nm〜10μmが好まし
い。対極層の表面抵抗は低い程よい。好ましい表面抵抗
の範囲としては50Ω/□以下であり、さらに好ましく
は20Ω/□以下である。
【0096】導電性支持体と対極のいずれか一方又は両
方から光を照射してよいので、感光層に光が到達するた
めには、導電性支持体と対極の少なくとも一方が実質的
に透明であればよい。発電効率の向上の観点からは、導
電性支持体を透明にして、光を導電性支持体側から入射
させるのが好ましい。この場合対極は光を反射する性質
を有するのが好ましい。このような対極としては、金属
又は導電性の酸化物を蒸着したガラス又はプラスチッ
ク、あるいは金属薄膜を使用できる。
【0097】対極は、電荷輸送層上に直接導電材を塗
布、メッキ又は蒸着(PVD、CVD)するか、導電層
を有する基板の導電層側を貼り付ければよい。また、導
電性支持体の場合と同様に、特に対極が透明の場合に
は、対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが
好ましい。なお、好ましい金属リードの材質及び設置方
法、金属リード設置による入射光量の低下等は導電性支
持体の場合と同じである。
【0098】(E)その他の層 対極と導電性支持体の短絡を防止するため、予め導電性
支持体と感光層の間に緻密な半導体の薄膜層を下塗り層
として塗設しておくことが好ましく、電荷輸送層に電子
輸送材料や正孔輸送材料を用いる場合は、特に有効であ
る。下塗り層として好ましいのはTiO2、SnO2、F
23、WO3、ZnO、Nb25であり、さらに好ま
しくはTiO2である。下塗り層は、例えばElect
rochim. Acta 40, 643−652
(1995)に記載されているスプレーパイロリシス法
の他、スパッタ法等により塗設することができる。下塗
り層の好ましい膜厚は5〜1000nm以下であり、1
0〜500nmがさらに好ましい。
【0099】また、電極として作用する導電性支持体と
対極の一方又は両方の外側表面、導電層と基板の間又は
基板の中間に、保護層、反射防止層等の機能性層を設け
てもよい。これらの機能性層の形成には、その材質に応
じて塗布法、蒸着法、貼り付け法等を用いることができ
る。
【0100】本発明の光電気化学電池は、前記した各々
の構成物の劣化や内容物の揮散を防止するために、側面
をポリマーや接着剤等で密封するのが好ましい。
【0101】本発明の光電気化学電池は、基本的に前記
光電変換素子と同様の構成であり、前記光電変換素子を
リード線等を介して外部回路に接続し、外部回路で仕事
をさせるように構成したものである。前記導電性支持体
及び前記対極にリード線等を介して接続される外部回路
自体は、公知のものを使用できる。また、本発明の光電
気化学電池は、従来の太陽電池モジュールと基本的には
同様のモジュール構造をとり得る。前記太陽電池モジュ
ールは、一般的には金属、セラミック等の支持基板の上
にセルが構成され、その上を充填樹脂や保護ガラス等で
覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとる
が、支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上
にセルを構成してその透明の支持基板側から光を取り込
む構造とすることも可能である。具体的には、スーパー
ストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティン
グタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリ
コン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構
造等が知られており、本発明の光電気化学電池も使用目
的や使用場所及び環境により、適宜これらのモジュール
構造を選択できる。具体的には、特願平11−8457
号の明細書に記載の構造や態様を適用することが好まし
い。
【0102】[非水二次電池]以下に、本発明の電解質
組成物を利用した本発明の非水二次電池について説明す
る。本発明の非水二次電池は、本発明の電解質組成物を
含むことを特徴とする。本発明の非水二次電池は、本発
明の電解質組成物を含有しているので、容量を大きく低
下させることなく、優れたサイクル性を示す。
【0103】本発明の電解質組成物を非水二次電池に用
いる場合、正極活物質は可逆的にリチウムイオンを挿入
・放出できる遷移金属酸化物でもよいが、特にリチウム
含有遷移金属酸化物が好ましい。本発明で用いられる好
ましいリチウム含有遷移金属酸化物正極活物質として
は、リチウム含有Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、
Ni、Cu、Mo、Wを含む酸化物が挙げられる。また
リチウム以外のアルカリ金属(周期律表の第1(IA)
族、第2(IIA)族の元素)、及び/又はAl、G
a、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、
Bなどを混合してもよい。混合量は遷移金属に対して0
〜30mol%が好ましい。
【0104】本発明で用いられるより好ましいリチウム
含有遷移金属酸化物正極活物質としては、リチウム化合
物/遷移金属化合物(ここで遷移金属とは、Ti、V、
Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Wから選ばれる
少なくとも1種)の合計のモル比が0.3〜2.2にな
るように混合して合成することが好ましい。
【0105】本発明で用いられる特に好ましいリチウム
含有遷移金属酸化物正極活物質としては、リチウム化合
物/遷移金属化合物(ここで遷移金属とは、V、Cr、
Mn、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1種)
の合計のモル比が0.3〜2.2になるように混合して
合成することが好ましい。
【0106】本発明で用いられる特に好ましいリチウム
含有遷移金属酸化物正極活物質は、Lig32(M3はC
o、Ni、Fe及びMnから選ばれる1種以上、g=0
〜1.2)を含む材料、又はLih4 24(M4はM
n、h=0〜2)で表されるスピネル構造を有する材料
であり、M3及びM4としては遷移金属以外にAl、G
a、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P又
はBなどを混合してもよい。混合量は遷移金属に対して
0〜30mol%が好ましい。
【0107】本発明で用いられる最も好ましいリチウム
含有遷移金属酸化物正極活物質としては、LigCo
2、LigNiO2、LigMnO2、LigCojNi
(1-j)2、LihMn24(ここでg=0.02〜1.
2、j=0.1〜0.9)が挙げられる。ここで、上記
のg値は、充放電開始前の値であり、充放電により増減
する。
【0108】正極活物質は、リチウム化合物と遷移金属
化合物を混合、焼成する方法や溶液反応など、公知の方
法により合成することができるが、特に焼成法が好まし
い。
【0109】本発明で用いる正極活物質の平均粒子サイ
ズは特に限定されないが、0.1〜50μmが好まし
い。比表面積としては特に限定されないが、BET法で
0.01〜50m2/gが好ましい。また正極活物質5
gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄み液のpHと
しては7以上12以下が好ましい。
【0110】所定の粒子サイズにするには、良く知られ
た粉砕機や分級機を用いることができる。例えば、乳
鉢、ボールミル、振動ボールミル、振動ミル、衛星ボー
ルミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩
などが用いられる。焼成によって得られた正極活物質は
水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄
した後使用してもよい。
【0111】本発明で用いられる負極活物質の一つは、
リチウムの吸蔵放出が可能な炭素質材料である。炭素質
材料とは、実質的に炭素からなる材料である。例えば、
石油ピッチ、天然黒鉛、気相成長黒鉛等の人造黒鉛、及
びPAN系の樹脂やフルフリルアルコール樹脂等の各種
の合成樹脂を焼成した炭素質材料を挙げることができ
る。さらに、PAN系炭素繊維、セルロース系炭素繊
維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA
系炭素繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維、活
性炭素繊維等の各種炭素繊維類、メソフェーズ微小球
体、グラファイトウィスカー、平板状の黒鉛等を挙げる
こともできる。これらの炭素質材料は、黒鉛化の程度に
より難黒鉛化炭素材料と黒鉛系炭素材料に分けることも
できる。また炭素質材料は、特開昭62−22066号
公報、特開平2−6856号公報、同3−45473号
公報に記載される面間隔や密度、結晶子の大きさを有す
ることが好ましい。炭素質材料は、単一の材料である必
要はなく、特開平5−90844号公報記載の天然黒鉛
と人造黒鉛の混合物、特開平6−4516号公報記載の
被覆層を有する黒鉛等を用いることもできる。
【0112】本発明に使用可能な負極活物質の他の例と
しては、酸化物、及び/又はカルコゲナイドが挙げられ
る。
【0113】特に非晶質酸化物、及び/又はカルコゲナ
イドが好ましい。ここでいう「非晶質」とはCuKα線
を用いたX線回折法で2θ値で20°から40°の領域
に頂点を有するブロードな散乱帯を有する物であり、結
晶性の回折線を有してもよい。好ましくは2θ値で40
°以上70°以下にみられる結晶性の回折線の内最も強
い強度が、2θ値で20°以上40°以下にみられるブ
ロードな散乱帯の頂点の回折線強度の100倍以下であ
り、さらに好ましくは5倍以下であり、特に好ましく
は、結晶性の回折線を有さないことである。
【0114】本発明では中でも半金属元素の非晶質酸化
物、及び/又はカルコゲナイドが好ましく、周期律表第
13(IIIB)族〜15(VB)族の元素、Al、G
a、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Biの単独あるい
はそれらの2種以上の組み合わせからなる酸化物、カル
コゲナイドが選ばれる。
【0115】例えば、Ga23、SiO、GeO、Sn
O、SnO2、PbO、PbO2、Pb23、Pb24
Pb34、Sb23、Sb24、Sb25、Bi23
Bi 24、SnSiO3、GeS、SnS、SnS2、P
bS、PbS2、Sb23、Sb25、SnSiS3など
が好ましい。また、これらは、酸化リチウムとの複合酸
化物、例えば、Li2SnO2であってもよい。
【0116】本発明の負極材料においてはSn、Si、
Geを中心とする非晶質酸化物がさらに好ましく、中で
も下記一般式(6)で表される非晶質酸化物であること
が好ましい。 一般式(6) SnM1 d2 ef 式中、M1は、Al、B、P及びGeから選ばれる少な
くとも一種以上の元素、M2は周期律表第1(IA)族
元素、第2(IIA)族元素、第3(IIIA)族元素
及びハロゲン元素から選ばれる少なくとも一種以上の元
素を表し、dは0.2以上2以下の数字、eは0.01
以上1以下の数字で0.2<d+e<2、fは1以上6
以下の数字を表す。
【0117】Snを主体とする非晶質酸化物としてはた
とえば次の化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限
定されるわけではない。 C− 1 SnSiO3 C− 2 Sn0.8Al0.20.30.2Si0.53.6 C− 3 SnAl0.40.5Cs0.10.53.65 C− 4 SnAl0.40.5Mg0.10.53.7 C− 5 SnAl0.40.4Ba0.080.43.28 C− 6 SnAl0.40.5Ba0.08Mg0.080.3
3.26 C− 7 SnAl0.10.2Ca0.10.1Si0.5
3.1 C− 8 SnAl0.20.4Si0.42.7 C− 9 SnAl0.20.1Mg0.10.1Si0.5
2.6 C−10 SnAl0.30.40.2Si0.53.55 C−11 SnAl0.30.40.5Si0.54.3 C−12 SnAl0.10.10.3Si0.63.25 C−13 SnAl0.10.1Ba0.20.1Si0.6
2.95 C−14 SnAl0.10.1Ca0.20.1Si0.6
2.95 C−15 SnAl0.40.2Mg0.1Si0.63.2 C−16 SnAl0.10.30.1Si0.53.05 C−17 SnB0.10.50.1SiO3.65 C−18 SnB0.50.1Mg0.10.53.05 本発明の非晶質酸化物、及び/又はカルコゲナイトは、
焼成法、溶液法のいずれの方法も採用することができる
が、焼成法がより好ましい。焼成法では、それぞれ対応
する元素の酸化物、カルコゲナイトあるいは化合物をよ
く混合した後、焼成して非晶質酸化物及び/又はカルコ
ゲナイトを得るのが好ましい。これらは、既に公知の方
法により作製できる。
【0118】本発明に用いられる負極材料の平均粒子サ
イズは0.1〜60μmが好ましい。所定の粒子サイズ
にするには、良く知られた粉砕機や分級機が用いられ
る。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボー
ルミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型
ジェットミルや篩などが用いられる。粉砕時には水、あ
るいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も
必要に応じて行うことが出来る。所望の粒径とするため
には分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に
限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いる
ことができる。分級は乾式、湿式ともに用いることがで
きる。
【0119】本発明のSn、Si、Geを中心とする非
晶質酸化物負極材料に併せて用いることができる負極材
料としては、リチウムイオン又はリチウム金属を吸蔵・
放出できる炭素材料や、リチウム、リチウム合金、リチ
ウムと合金可能な金属が挙げられる。
【0120】本発明の電極合剤には、導電剤、結着剤や
フィラーなどの他に、非プロトン性有機溶媒が添加され
る。
【0121】前記導電剤は、構成された電池において、
化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でもよ
い。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛
など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラ
ック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(銅、ニ
ッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−148,55
4号)など)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体
(特開昭59−20,971号)などの導電性材料を1
種又はこれらの混合物として含ませることができる。黒
鉛とアセチレンブラックの併用がとくに好ましい。その
添加量は、1〜50質量%が好ましく、特に2〜30質
量%が好ましい。カーボンや黒鉛では、2〜15質量%
が特に好ましい。
【0122】本発明では電極合剤を保持するための結着
剤を用いることができる。結着剤の例としては、多糖
類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマーなどが
挙げられる。好ましい結着剤としては、でんぷん、カル
ボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセル
ロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸Na、ポ
リアクリル酸、ポリアクリル酸Na、ポリビニルフェノー
ル、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポ
リアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレー
ト、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマ
ー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘ
キサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド
−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重
合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPD
M、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アク
リル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル
共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニト
リル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを
含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、ポリブタジエン、ネオプレン(登録商標)ゴム、フ
ッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウ
レタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカー
ボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテック
ス)あるいはサスペンジョンを挙げることができる。特
にポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシ
メチルセルロース、ポリテトラフロロエチレン、ポリフ
ッ化ビニリデンが挙げられる。これらの結着剤は単独又
は混合して用いることができる。結着剤の添加量が少な
いと電極合剤の保持力・凝集力が弱い。多すぎると電極
体積が増加し電極単位体積あるいは単位質量あたりの容
量が減少する。このような理由で結着剤の添加量は1〜
30質量%が好ましく、特に2〜10質量%が好まし
い。
【0123】前記フィラーは、構成された電池におい
て、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用
いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊
維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されない
が、0〜30質量%が好ましい。
【0124】本発明の電解質組成物は安全性確保のため
にセパレーターと併用して使用することが可能である。
安全性確保のため併用されるセパレーターは80℃以上
で上記の隙間を閉塞して抵抗を上げ、電流を遮断する機
能を持つことが必要であり、閉塞温度が90℃以上、1
80℃以下であることが好ましい。
【0125】セパレーターの孔の形状は通常円形や楕円
形で、大きさは0.05μmから30μmであり、0.
1μmから20μmが好ましい。さらに延伸法、相分離
法で作った場合のように、棒状や不定形の孔であっても
よい。これらの隙間の占める比率すなわち気孔率は20
%から90%であり、35%から80%が好ましい。
【0126】これらのセパレーターは、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどの単一の材料であっても、2種以上
複合化材料であってもよい。特に孔径、気孔率や孔の閉
塞温度などを変えた2種以上の微多孔フィルムを積層し
たものが特に好ましい。
【0127】正・負極の集電体としては、構成された電
池において化学変化を起こさない電子伝導体が用いられ
る。
【0128】正極の集電体としては、アルミニウム、ス
テンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他に、アルミニウ
ムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン
あるいは銀を処理させたものが好ましく、特に好ましい
のはアルミニウム、アルミニウム合金である。
【0129】負極の集電体としては、銅、ステンレス
鋼、ニッケル、チタンが好ましく、特に好ましいのは銅
あるいは銅合金である。
【0130】集電体の形状は、通常フィルムシート状の
ものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス
体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いるこ
とができる。厚みは、特に限定されないが、1〜500
μmである。また、集電体表面は、表面処理により凹凸
を付けることも望ましい。
【0131】電池の形状はシート、角、シリンダーなど
いずれにも適用できる。正極活物質や負極材料の合剤
は、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、
主に用いられる。塗布方法としては、例えば、リバース
ロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ
法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、
バー法、ディップ法及びスクイーズ法を挙げることがで
きる。その中でもブレード法、ナイフ法及びエクストル
ージョン法が好ましい。塗布は、0.1〜100m/分
の速度で実施されることが好ましい。この際、合剤の溶
液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定するこ
とにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができ
る。塗布は、片面ずつ逐時でも両面同時でもよい。
【0132】また、塗布は連続でも間欠でもストライプ
でもよい。その塗布層の厚み、長さや巾は、電池の形状
や大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みは、
ドライ後の圧縮された状態で、1〜2000μmが好ま
しい。
【0133】電極シート塗布物の乾燥及び脱水方法は、
熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単
独あるいは組み合わせた方法を用いることできる。乾燥
温度は80〜350℃の範囲が好ましく、特に100〜
250℃の範囲が好ましい。含水量は、電池全体で20
00ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や電解
質ではそれぞれ500ppm以下にすることが好まし
い。シートのプレス法は、一般に採用されている方法を
用いることができるが、特にカレンダープレス法が好ま
しい。プレス圧は、特に限定されないが、0.2〜3t
/cm2が好ましい。カレンダープレス法のプレス速度
は0.1〜50m/分が好ましく、プレス温度は室温〜
200℃が好ましい。正極シートに対する負極シート幅
の比は、0.9〜1.1が好ましく、0.95〜1.0
が特に好ましい。正極活物質と負極材料の含有量比は、
化合物種類や合剤処方により異なる。
【0134】正・負の電極シートをセパレーターを介し
て重ね合わせた後、そのままシート状電池に加工した
り、折りまげた後角形缶に挿入し、缶とシートを電気的
に接続した後、本発明の電解質組成物を注入し、封口板
を用いて角形電池を形成する。また、正・負の電極シー
トをセパレーターを介して重ね合わせ巻いた後、シリン
ダー状缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続した後、
本発明の電解質組成物を注入し、封口板を用いてシリン
ダー電池を形成する。この時、安全弁を封口板として用
いることができる。安全弁の他、従来から知られている
種々の安全素子を備えつけてもよい。例えば、過電流防
止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子など
が用いられる。
【0135】また、安全弁のほかに電池缶の内圧上昇の
対策として、電池缶に切込を入れる方法、ガスケット亀
裂方法あるいは封口板亀裂方法あるいはリード板との切
断方法を利用することができる。また、充電器に過充電
や過放電対策を組み込んだ保護回路を具備させるか、あ
るいは独立に接続させてもよい。
【0136】また、過充電対策として、電池内圧の上昇
により電流を遮断する方式を具備することができる。こ
のとき、内圧を上げる化合物を合剤あるいは電解質に含
ませることができる。内圧を上げる為に用いられる化合
物の例としては、Li2CO3、LiHCO3、Na2CO
3、NaHCO3、CaCO3、MgCO3などの炭酸塩な
どを挙げることができる。
【0137】缶やリード板は、電気伝導性をもつ金属や
合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、チ
タン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの金
属あるいはそれらの合金が用いられる。
【0138】キャップ、缶、シート、リード板の溶接法
は、公知の方法(例、直流又は交流の電気溶接、レーザ
ー溶接、超音波溶接)を用いることができる。封口用シ
ール剤は、アスファルトなどの従来から知られている化
合物や混合物を用いることができる。
【0139】本発明の非水二次電池の用途は、特に限定
されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノート
パソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子
ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、
ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、
携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、
ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、
ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トラ
ンシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テ
ープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリー
カードなどが挙げられる。その他民生用として、自動
車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機
器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメ
ラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機な
ど)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用とし
て用いることができる。また、太陽電池と組み合わせる
こともできる。
【0140】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 化合物の合成 1.例示化合物F−4の合成例
【0141】
【化15】
【0142】1−1.中間体M−2の合成 M−1(41.6g、300mmol)及びNa2SO3
(39g)をエタノール(130ml)/水(150m
l)に溶解し、10時間加熱還流した。冷却後、不溶物
をろ過し、ろ液を濃縮後、エタノール200mlを加え
た。再び、不溶物をろ過し、ろ液を濃縮(140℃、1
mmHg)し、25gのM−2を得た。
【0143】1−2.中間体M−3の合成 上記で得たM−2(25g,121mmol)をトルエ
ン(200ml)/ジメチルホルムアミド(3ml)に
分散し、室温下、塩化チオニル(26ml、360mmo
l)を20分間で滴下し、8時間加熱還流した。室温に
冷却した反応混合物を氷水100mlに注ぎ塩化メチレン
で3回抽出した。次に、この抽出液を硫酸マグネシウム
で乾燥後、濃縮し、減圧蒸留(100−105℃、1m
mHg)したところ19.1gのM−3を得た。
【0144】1−3.中間体M−4の合成 上記で得た、M−3(8.1g、40mmol)を塩化
メチレン(50ml)に溶解し、激しく攪拌しながら、
28%アンモニア水(22ml)を添加した。室温下3
時間攪拌した後、塩化メチレン抽出(2回)を行い、抽
出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、5gのM−
4を得た。
【0145】1−4.中間体M−5の合成 上記で得たM−4(5g、27ml)をジメチルアセト
アミド(30ml)に溶解し、NaH(60%、2.1
g、60mmol)を加え10分間攪拌した後、M−3
(6.0g、30mmol)/ジメチルアセトアミド
(10ml)溶液を滴下し、3時間攪拌した。1N塩酸
水で反応液を中和した後、塩化メチレンで抽出し、抽出
液を濃縮後シリカゲルカラムで精製し、1.7gのM−
5を得た。
【0146】1−5.M−5Liの合成 上記で得た、M−5(1.7g、4.8mmol)をテ
トラヒドロフラン(20ml)に溶解し、LiOH(1
15mg、4.8mmol)/水(5ml)溶液を添加
した。反応混合物を濃縮し、テトラヒドロフラン(10
ml)を加え不溶物をろ過後、更に濃縮し、減圧乾燥
(60℃、1mmHg)後、M−5Li(1.7g)を
油状物として得た。構造は1H−NMRにて確認した。
【0147】1−6.F−4の合成 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド(0.
67g、2.8ml)を塩化メチレン(10ml)/水
(10ml)に溶解し、F−4(1g、2.8mmo
l)を加え、攪拌した。塩化メチレン相を分液し、濃縮
後、シリカゲルカラムクロマトにて精製し、F−4
(1.23g)を無色の油状物として得た。
【0148】実施例2 光電気化学電池 2−1.二酸化チタン分散液の調製 内側をテフロン(登録商標)コーティングした内容積2
00mlのステンレス製ベッセルに、二酸化チタン(日
本アエロジル社 Degussa P−25)15g、
水45g、分散剤(アルドリッチ社製、Triton
X−100)1g、直径0.5mmのジルコニアビーズ
(ニッカトー社製)30gを入れ、サンドグラインダー
ミル(アイメックス社製)を用いて1500rpmにて
2時間分散した。分散物からジルコニアビーズをろ過し
て除いた。この場合の二酸化チタンの平均粒径は2.5
μmであった。このときの粒径はMALVERN社製マ
スターサイザーにて測定したものである。
【0149】2−2.色素を吸着したTiO2電極(電
極A)の作製 フッ素をドープした酸化スズをコーティングした導電性
ガラス(旭硝子製TCOガラス-Uを20mm×20m
mの大きさに切断加工したもの)の導電面側にガラス棒
を用いて上記の分散液を塗布した。この際導電面側の一
部(端から3mm)に粘着テープを張ってスペーサーと
し、粘着テープが両端にくるようにガラスを並べて一度
に8枚ずつ塗布した。塗布後、粘着テープを剥離し、室
温で1日間風乾した。次に、このガラスを電気炉(ヤマ
ト科学製マッフル炉FP−32型)に入れ、450℃に
て30分間焼成した。このガラスを取り出し冷却した
後、色素R−1のエタノール溶液(3×10-4モル/リ
ットル)に3時間浸漬した。色素の染着したガラスを4
−tert−ブチルピリジンに15分間浸漬した後、エタノ
ールで洗浄し自然乾燥させた。このようにして得られた
感光層の厚さは10μmであり、半導体微粒子の塗布量
は20g/m2であった。なお、導電性ガラスの表面抵
抗は約30Ω/□であった。
【0150】2−3.光電気化学電池の作製 上述のようにして作製した色増感されたTiO2電極基
板(1cm×1cm)に、下記表1に示す前記一般式
(1)で表される塩あるいは比較例用の塩を含む電解質
組成物(E−102〜E−114)のアセトニトリル溶
液(アセトニトリルは組成物と同質量)を塗布し、60
℃、減圧下で、TiO2電極に染み込ませながらアセト
ニトリルを留去した。さらに、電解質によっては表1に
示す条件で重合を行った後、これらの電極に、同じ大き
さの白金蒸着ガラスを重ね合わせ光電気化学電池(サン
プルP−102〜114)を得た(表1)。また、溶媒
を用いた電解液(表1のE−101)については、上記
と同じ色素増感されたTiO 2電極基板(2cm×2c
m)に、その電極と同じ大きさの白金蒸着ガラスと重ね
合わせた後、両ガラスの隙間に毛細管現象を利用して電
解液を染み込ませ、光電気化学電池(サンプルP−10
1)を作製した。本実施例により、導電性ガラス(ガラ
ス上に導電剤層が設層されたもの)、TiO2電極、色
素層、電解質、白金層およびガラスが順に積層された光
電気化学電池が作製された。以下に、本発明の塩の代わ
りに使用した表1中のRE−1及びRE−2の構造と、
I−1の構造とを示す。
【0151】
【表1】
【0152】
【化16】
【0153】2−4.光電変換効率の測定 500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光をAM1.
5フィルター(Oriel社製)およびシャープカット
フィルター(KenkoL−41)を通すことにより紫
外線を含まない模擬太陽光を発生させ、この光の強度を
80mW/cm2に調整した。
【0154】前述の光電気化学電池の導電性ガラスと白
金蒸着ガラスにそれぞれ、ワニ口クリップを接続し、3
5℃にて、模擬太陽光を照射し、発生した電気を電流電
圧測定装置(ケースレーSMU238型)にて測定し
た。これにより求められた光電気化学電池の開放電圧
(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、形状因子(F
F)[=最大出力/(開放電圧×短絡電流)]、および
変換効率(η)と恒温恒湿(80℃、70%R.H.)
下で、400時間経時した後の短絡電流密度の低下率を
一括して表2に示した。
【0155】
【表2】
【0156】溶媒を用いた比較電解液を用いた光電気化
学電池(P−101)は初期性能が低く、溶媒が揮発す
るため耐久性が非常に悪い。また、比較化合物の溶融塩
RE−1、RE−2を用いた電池(P−102、P−1
03、P−104)は経時での劣化は小さいが光電変換
性能が十分ではない。それらに対して、前記一般式
(1)で表される塩を含有する電荷質組成物を用いたと
きは、短絡電流密度、変換効率等の初期性能、耐久性と
もに優れている。このような効果はいずれの色素を用い
た場合にもみられた。
【0157】実施例3 リチウム2次電池 3−1.正極シートの作製 正極活物質として、LiCoO2を43質量部、鱗片状
黒鉛2質量部、アセチレンブラック2質量部及び結着剤
としてポリアクリロニトリル3質量部を加え、アクリロ
ニトリル100質量部を媒体として混練してスラリーを
得た。得られたスラリーを厚さ20μmのアルミニウム
箔にエクストルージョン式塗布機を使って塗設し、乾燥
後カレンダープレス機により圧縮成形した後、端部にア
ルミニウム製のリード板を溶接し、厚さ95μm、幅5
4mm×長さ49mmの正極シートを作製した。
【0158】3−2.負極シートの作製 負極活物質としてメソフェースピッチ系炭素材料(ペト
カ社)を43質量部、導電剤としてアセチレンブラック
2質量部及びグラファイト2質量部の割合で混合し、さ
らに結着剤としてポリアクリロニトリルを3質量部を加
え、N‐メチルピロリドン100質量部を媒体として混
練して負極合剤スラリーを得た。負極合剤スラリーを厚
さ10μmの銅箔にエクストルージョン式塗布機を使っ
て塗設し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成形し
て厚さ46μm、幅55mm×長さ50mmの負極シー
トを作製した。負極シートの端部にニッケル製のリード
板を溶接した後、露点−40℃以下の乾燥空気中で23
0℃で1時間熱処理した。熱処理は遠赤外線ヒーターを
用いて行った。
【0159】3−3.シート電池の作製 負極シート及び正極シートはそれぞれ露点−40℃以下
の乾燥空気中で230℃で30分脱水乾燥した。ドライ
雰囲気中で、幅54mm×長さ49mmの脱水乾燥済み
正極シート、幅60mm×長さ60mmに裁断したセパ
レータ(ポリエチレン多孔フィルム)および不織布を積
層し、不織布の上に表3に示した組成の電解質(E−2
02〜210)を同量のアセトニトリルに溶解した液を
塗布し、50℃で減圧下、アセトニトリルを留去した。
また溶媒を用いた電解液(E−201)は、そのまま不
織布に染み込ませた。表3に示すように、用いる電解質
によっては加熱による重合を施した。その上に幅55m
m×長さ50mmの脱水乾燥済み負極シートを積層し、
ポリエチレン(50μm)−ポリエチレンテレフタレー
ト(50μm)のラミネートフイルムよりなる外装材を
使用し、4縁を真空下で熱融着して密閉し、シート型電
池(B−101〜110)を作製した。図2にシート型
電池の構成を模式的に示した。正極シート31、高分子
固体電解質32、負極シート33、正極端子34及び負
極端子35を図2に示す配置で構成し、シート型電池
(B−101〜110)を作製した。実施例用及び比較
用の電池に使用した表3中のRE−3の構造について以
下に示す。
【0160】
【表3】
【0161】
【化17】
【0162】3−4.電池性能の評価 上記の方法で作製したシート型電池について、電流密度
2.3mA/cm2、充電終止電圧4.2V、放電終止
電圧2.6Vの条件で充放電を10回繰り返し、10サ
イクル目における放電容量を求めた。これを同一処方の
5個の電池について調べ、その平均をその電池の容量と
した。このようにして各々の電池の容量を求め、SB−
1に対する相対容量を求めた。また、それぞれの電池の
200サイクル目の放電容量を求め、10サイクル目の
放電容量に対する比を計算しサイクル容量として表わし
た。それぞれの値を表4に示した。
【0163】
【表4】
【0164】上記の結果より、本発明の化合物を含む溶
融塩電解質は、容量の低下がみられずにサイクル性を向
上させていることがわかる。
【0165】
【発明の効果】本発明によれば、実質的に揮発せず、か
つ電荷輸送性能に優れた電解質組成物が提供でき、これ
を利用することにより、経時での性能低下の少ない耐久
性に優れた電気化学電池、特に、光電変換特性に優れ、
経時での特性劣化が少ない光電気化学電池及び電池容量
を低下させず、しかもサイクル特性の優れた非水二次電
池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図2】 実施例3で作製したシート電池の構成を示す
図である。
【符号の説明】
10 ・・・・・・光電変換素子 12 ・・・・・・導電層 14 ・・・・・・下塗り層 16 ・・・・・・感光層 18 ・・・・・・電荷輸送層 20 ・・・・・・対極導電層 24 ・・・・・・半導体層 28 ・・・・・・基板 31 ・・・・・・正極シート 32 ・・・・・・高分子固体電解質 33 ・・・・・・負極シート 34 ・・・・・・正極端子 35 ・・・・・・負極端子 s ・・・・・・半導体微粒子 d ・・・・・・色素 t ・・・・・・電荷輸送材料
フロントページの続き (72)発明者 千 昌一 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4J100 AL08P BA08P BA27P BA58P BC73P 5H029 AJ05 AK03 AL02 AL04 AL06 AL07 AL08 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ04 DJ09 5H032 AA06 AS16 AS19 CC16 EE16

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される塩を含むこ
    とを特徴とする電解質組成物。 【化1】 (式(1)中、R1及びR2は各々置換基を表し、R1
    びR2の少なくともいずれか一方は置換又は無置換のエ
    チレンオキシ基を含む置換基を表し、Yは有機カチオン
    を表す。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)中、Yが下記一般式
    (2−a)、(2−b)及び(2−c)のいずれかで表
    される有機カチオンである請求項1に記載の電解質組成
    物。 【化2】 (式(2−a)中、Qy1は窒素原子と共に5又は6員環
    の芳香族カチオンを形成し得る原子団を表し、Ry1は置
    換若しくは無置換のアルキル基又はアルケニル基を表
    す。式(2−b)中、Ay1は窒素原子又はリン原子を表
    し、Ry1、Ry2、R y3及びRy4は各々置換若しくは無置
    換のアルキル基又はアルケニル基を表す。また、Ry1
    y2、Ry3及びRy4のうち2つ以上が互いに結合してA
    y1を含む非芳香族環を形成していてもよい。式(2−
    c)中、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4、Ry5及びRy6は各々
    置換若しくは無置換のアルキル基又はアルケニル基を表
    し、Ry3、Ry4、Ry5及びRy6のうち2つ以上が互いに
    結合して環構造を形成していてもよい。式(2−a)、
    式(2−b)及び式(2−c)で表される化合物は各々
    y1、Ry1、Ry2、Ry3、Ry4、Ry5又はRy6を中心と
    して多量体を形成していてもよい。)
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)中、R1及びR2のいず
    れか一方がフッ素置換アルキル基である請求項1又は2
    に記載の電解質組成物。
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)中、R1、R2及びYの
    少なくとも一つが重合性基を含む請求項1から3までの
    いずれか1項に記載の電解質組成物。
  5. 【請求項5】 前記一般式(1)中、アニオン及びカチ
    オンの少なくとも一方が高分子である請求項1から3ま
    でのいずれか1項に記載の電解質組成物。
  6. 【請求項6】 ヨウ素塩化合物及びヨウ素を含む請求項
    1から5までのいずれか1項に記載の電解質組成物。
  7. 【請求項7】 リチウム塩を含む請求項1から5までの
    いずれか1項に記載の電解質組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1から7までのいずれか1項に記
    載の電解質組成物を含む電気化学電池。
  9. 【請求項9】 前記電解質組成物を含む電荷輸送層と、
    色素で増感された半導体を含む感光層と、対極とを有
    し、且つ光電気化学電池であることを特徴とする請求項
    8に記載の電気化学電池。
  10. 【請求項10】 非水二次電池であることを特徴とする
    請求項8に記載の電気化学電池。
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