JP2002343440A - 電解質組成物、電気化学電池、光電気化学電池、非水二次電池 - Google Patents

電解質組成物、電気化学電池、光電気化学電池、非水二次電池

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JP2002343440A
JP2002343440A JP2001141932A JP2001141932A JP2002343440A JP 2002343440 A JP2002343440 A JP 2002343440A JP 2001141932 A JP2001141932 A JP 2001141932A JP 2001141932 A JP2001141932 A JP 2001141932A JP 2002343440 A JP2002343440 A JP 2002343440A
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electrolyte
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anion
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Takayasu Yasuda
貴康 保田
Koji Wariishi
幸司 割石
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Fuji Photo Film Co Ltd
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    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/20Light-sensitive devices
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    • H01G9/2009Solid electrolytes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】耐久性、イオン導電率に優れた電解質組成物、
さらに当該電解質組成物を用いた、耐久性、電気特性
(光電変換特性)に優れた電気化学電池、非水二次電
池、及び光電気化学電池を提供する。 【解決手段】一般式(I)で示されるポリシロキサン構
造を繰り返し単位として有する液晶化合物を含有する電
解質組成物、それを用いた電気化学電池、光電気化学電
池及び非水二次電池である。 [一般式(I)中、Rはアルキル基、Lは単結合又は2
価の連結基を、Aは液晶性置換基を表す。但し、液晶性
置換基はイオン性の基を有してもよく、その場合、液晶
性置換基はその対イオンを含む。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶化合物を含む
電解質組成物、さらに電解質組成物をを用いた電気化学
電池、特に非水二次電池および光電気化学電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】非水二次電池や色素増感太陽電池などの
電気化学電池に用いられる電解質とは、目的に応じたキ
ャリアイオンを含み、そのイオンを電極間に輸送する機
能(イオン伝導という)を持つ媒体である。例えば、非
水二次電池の代表であるリチウム二次電池では、リチウ
ムイオンの輸送が、色素増感太陽電池では、ヨウ素イオ
ンおよびヨウ素三量体イオンの伝導性が電気化学電池の
性能に大きな影響を及ぼす。これら電池においては、一
般に、イオン伝導性が高い溶媒系が電解質として多用さ
れているが、電池に組み込んだ際の溶媒の枯渇や漏れが
電池の耐久性を低下させるなどの問題があった。また、
リチウム二次電池においては溶液を密閉するため、金属
容器を用いなければならないため、電池質量が重くな
り、電池形状にも自由度を持たせることが困難であっ
た。このような溶液系電解質の欠点を克服するため、近
年、種々の電解質が提案されている。溶液電解質をポリ
マーマトリックスに浸潤させたいわゆるゲル電解質(特
公昭61−23945号広報、特公昭61−23947
号広報)は、溶液系電解質に対するイオン伝導度の低下
が小さく電池性能を落とさないが、溶媒の揮発を完全に
抑止することはできていない。また、塩をポリエチレン
オキシドなどのポリマーに溶解したポリマー電解質
(K.Murata、Electrochimica
Acta、Vol.40、No.13−14、p217
7−2184、1995年)は、溶液系電解質の問題を
解決するものとして期待されるが、イオン伝導度は未だ
十分ではない。一方、対アニオンがBF4 -、(CF3
22-などのイミダゾリウム塩やピリジニウム塩
は、室温で液状の室温溶融塩であり、リチウムイオン電
池用の電解質として、提案されているが、電解質の機械
的強度とイオン伝導性とは相反し、溶融塩自身の粘性を
上げたり、ポリマーを含有させるなどの手段で、機械的
強度を強くした場合にはイオン伝導度の低下が見られ
る。さらに、上記のような電解質では、イオン伝導性の
温度依存性が大きく、特に低温でのイオン伝導性が不十
分であった。
【0003】ところで、光エネルギーを電気エネルギー
に変換する太陽光発電は単結晶シリコン太陽電池、多結
晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、
テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の化合物
太陽電池が実用化、もしくは研究開発の対象となってい
るが、普及させる上で製造コスト、原材料の確保、エネ
ルギーペイバックタイムの長さなどの問題点を克服する
必要がある。一方、大面積化や低価格化を指向した有機
材料を用いた太陽電池もこれまでにも多く提案されてい
るが、変換効率が低く、耐久性も悪いという問題があっ
た。
【0004】こうした状況の中で、Nature(第3
53巻、第737〜740頁、1991年)および米国
特許4927721号等に、色素によって増感された酸
化物半導体を用いた光電変換素子(以後、色素増感光電
変換素子と略す)およびこれを用いた光電気化学電池の
技術が開示された。この電池は負極として機能する光電
変換素子、電荷移動層および対極からなる。光電変換素
子は導電性支持体および感光層からなり、感光層は表面
に色素が吸着した半導体を含む。電荷移動層は酸化還元
体からなり、負極と対極(正極)との間で電荷輸送を担
う。上記特許で提案された光電気化学電池では、電荷移
動層としてヨウ化カリウム等の塩を電解質とする水溶液
(電解液)が用いられた。この方式は安価で、比較的高
いエネルギー変換効率(光電変換効率)が得られる点で
有望であるが、長期にわたって使用すると電解液の蒸
散、枯渇により光電変換効率が著しく低下したり、電池
として機能しなくなることが問題であった。
【0005】この問題に対し、電解液の枯渇防止方法と
して、WO95/18456号に低融点化合物であるイ
ミダゾリウム塩を電解質とする方法が記載されている。
この方法によれば、従来、電解質の溶媒として用いてい
た水や有機溶剤が不要、あるいは少量で済むため、耐久
性の改善は見られたが、未だ耐久性は不十分であり、ま
たイミダゾリウム塩を高濃度にすると粘度が高くなると
ともに電荷輸送能が低下し、光電変換効率が低くなると
いう問題があった。さらには、トリアゾリウム塩を電解
質とする方法もあるが、この方法においてもイミダゾリ
ウム塩と同様の問題が生じる。
【0006】上記のように、リチウムイオン2次電池や
太陽電池などの電気化学電池の電解質として機械的強度
とイオン伝導性を両立することは、非常に困難な課題で
ある。
【0007】これらを解決する一つの方法として、液晶
性化合物を電解質組成物に含有させることが提案されて
いる。これらの例として、アルキレンオキシ基などイオ
ンに対する配位能を持つ部位とメソゲン基を有する化合
物(特開平11−86629号)、ポリエチレンオキシ
ド分子鎖中にメソゲン基が導入された化合物(特開平4
−323260号)、ポリエチレンオキシドの側鎖に液
晶性部位を有する化合物(特開平11−116792
号)、ポリシロキサンの側鎖にオリゴオキシエチレンス
ペーサーを介してメソゲン基が導入された化合物(特公
平6−19923号)などが示されている。これらは、
カチオンと錯形成することにより電解質塩を溶解しイオ
ンを伝導する運動性の高い柔軟な部位と、機械的強度を
保つために分子集合させるための剛直部位(メソゲン
基)から構成されている。
【0008】ところで、重原らの最近の研究(Jour
nal of Power Source、92巻、1
20−123頁、2001年)から、電解質が電気化学
電池の中で効率良く機能するためには、イオン伝導度が
高いことの他に、キャリアイオンがより選択的に伝導す
ること、すなわちキャリアイオン輸率の高いことが性能
上重要であることがわかってきている。例えば、リチウ
ムイオン電池においては、リチウムイオン輸率が高いこ
と、ヨウ素アニオンがキャリアとなる色素増感太陽電池
においてはヨウ素アニオン輸率の高いことが望ましい。
前述した液晶性化合物においては、ポリアルキレンオキ
シドなどのカチオンと相互作用の強い基がカチオンを束
縛し、カチオン輸率の低下を招いている。また、カチオ
ンとの錯形成により、分子運動性が低下するためイオン
伝導度そのものの向上も期待できない。
【0009】一方、上述に示しような特公平6−199
23号により開示されているポリシロキサンの側鎖にメ
ソゲン基を導入した電解質組成物には、アルキル置換さ
れたポリシロキサンが例示されており、この電解質組成
物は、カチオンを強く束縛するオリゴオキシエチレン部
位がイオン伝導の媒体となっており、高いカチオン輸率
は期待できないの現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明の第一の目的は、耐久性、イオ
ン導電率に優れた電解質組成物を提供することである。
さらに本発明の第二の目的は、当該電解質組成物を用い
た、耐久性、電気特性(光電変換特性)に優れた電気化
学電池、非水二次電池、及び光電気化学電池を提供する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の手段
により解決される。即ち、本発明は、 <1>下記一般式(I)で示されるポリシロキサン構造
を繰り返し単位として有する液晶化合物を含有する電解
質組成物。
【0012】
【化2】
【0013】[一般式(I)中、Rはアルキル基を表
し、Lは単結合又は2価の連結基を表す。Aは液晶性置
換基を表す。但し、液晶性置換基はイオン性の基を有し
てもよく、その場合、液晶性置換基はその対イオンを含
む。]
【0014】<2>前記一般式(I)におけるAが表す
液晶性置換基が、メソゲン基を含むアニオン部位と、そ
の対カチオンからなるカチオン部位とで構成される塩で
あることを特徴とする前記<1>記載の電解質組成物。 <3>前記対カチオンが、アルカリ金属イオンであるこ
とを特徴とする前記<2>に記載の電解質組成物。 <4>前記一般式(I)におけるAが表す液晶性置換基
が、メソゲン基を含むカチオン部位と、その対アニオン
からなるアニオン部位とで構成される塩であることを特
徴とする前記<1>記載の電解質組成物。 <5>前記対アニオンが、ヨウ素アニオンと、スルホン
アミド、ジスルホンイミド、N−アシルスルホンアミ
ド、カルボン酸、スルホン酸、アルコール、活性メチレ
ン、及び活性メチンの解離したアニオンとからなる群か
ら選択されることを特徴とする前記<4>に記載の電解
質組成物。 <6>前記液晶化合物が、重合することにより得られる
高分子液晶化合物であることを特徴とする前記<1>〜
<5>記載の電解質組成物。
【0015】<7>前記<1>〜<6>のいずれかに記
載の電解質組成物を含むことを特徴とする電気化学電
池。 <8>導電性支持体上に、前記<1>〜<6>のいずれ
かに記載の電解質組成物を含む電荷輸送層、色素で増感
された半導体を含む感光層、及び対極を有することを特
徴とする光電気化学電池。 <9>前記<1>〜<6>のいずれかに記載の電解質組
成物を含むことを特徴とする非水二次電池。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電解質組成物は、下記一般式(I)で示される
ポリシロキサン構造を繰り返し単位として有する液晶化
合物を含有してなる。
【0017】この特定の液晶化合物は、下記一般式
(I)で示されるように、アルコキシ置換されたポリシ
ロキサン構造を繰り返し単位として有する。このアルコ
キシ置換されたポリシロキサン構造は、運動性が高く、
かつ、カチオンを強く束縛せずに電解質塩を溶解できる
ため、オキシエチレン基よりも高いカチオン輸率とイオ
ン伝導性が実現できる。このように、アルコキシ置換さ
れたポリシロキサン構造は、その主鎖により電解質塩を
溶解しイオンを伝導する媒体となり、一方で、その側鎖
の剛直な部位(液晶性置換基)は液晶性によって分子集
合してイオン伝導媒体とはミクロに相分離した構造支持
体を形成し、イオン伝導媒体の運動性を低下させること
なく、電解質組成物のマクロな機械的強度をもたらす。
このため、特定の液晶化合物を含有する本発明の電解質
組成物は、耐久性と電荷輸送性能に優れる。
【0018】
【化3】
【0019】一般式(I)中、Rはアルキル基〔好まし
くは炭素原子数(以下C数)が1〜24であり、より好
ましくは(C数)が1〜10であり、直鎖状であっても
分岐鎖状であってもよく、例えばメチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、i−プロピル、i−ブチル、ペンチル、
ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、t−オクチ
ル、デシル、ドデシル、テトラデシル、2−ヘキシルデ
シル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシルメ
チル、オクチルシクロヘキシル〕を表す。さらにRは、
置換基を有していてもよく、好ましい置換基としては、
置換していてもよいアルキル基〔好ましくは炭素原子数
(以下C数)が1〜24であり、より好ましくは(C
数)が1〜10であり、直鎖状であっても分岐鎖状であ
ってもよく、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、i−プロピル、i−ブチル、ペンチル、ヘキシル、
オクチル、2−エチルヘキシル、t−オクチル、デシ
ル、ドデシル、テトラデシル、2−ヘキシルデシル、ヘ
キサデシル、オクタデシル、シクロヘキシルメチル、オ
クチルシクロヘキシル〕、置換していても縮環していて
もよいアリール基(好ましくはC数6〜24、例えばフ
ェニル、4−メチルフェニル、3−シアノフェニル、2
−クロロフェニル、2−ナフチル)、置換していても縮
環していてもよい複素環基(含窒素複素環基のときは環
中の窒素が4級化していてもよい。好ましくはC数2〜
24、例えば4−ピリジル、2−ピリジル、1−オクチ
ルピリジニウム−4−イル、2−ピリミジル、2−イミ
ダゾリル、2−チアゾリル)、アルコキシ基〔好ましく
はC数1〜24、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキ
シ、オクチルオキシ、メトキシエトキシ、メトキシペン
タ(エチルオキシ)、アクリロイルオキシエトキシ、ペ
ンタフルオロプロポキシ〕、アシルオキシ基(好ましく
はC数1〜24、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオ
キシ)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜
24、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル)、シアノ基、フルオロ基、アルコキシカルボニル
基、シアノ基、および重合性基(好ましくはビニル基、
アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、桂皮
酸残基など)が挙げられる。
【0020】一般式(I)中、Lは単結合または2価の
連結基を表す。2価の連結基の例としては、−(C
2n−(ここでnは1〜15の整数を示す)、−CH
2CH2(OCH2CH2n−(ここでnは1〜10の整
数を示す)、−CH=CH−、−CH=N−、−N=N
−、−N(O)=N−、−COO−、−COS−、CO
NH−、−COCH2−、−CH2NH−、−CO−、−
CH=CH−COO−、−CH=CH−CO−、−(C
≡C)−(ここでnは1〜3の整数を示す)やこれらの
組合せなどが好ましく、−(CH2n−(ここでnは3
〜10の整数を示す)、−CH2CH2(OCH2CH2
n−(ここでnは2〜8の整数を示す)やこれらの組合
せがさらに好ましい。
【0021】一般式(I)中、Aは液晶性置換基を表す
が、液晶性置換基としては、メソゲン基が挙げられ、例
えば"Flussige Kristalle in
Tabellen II",Dietrich Dem
us and HorstZaschke,7−18
(1984).記載されているものが挙げられる。中で
も、下記一般式(II)で表されるものが好ましい。
【0022】
【化4】
【0023】一般式(II)中、Y111は、2価の4な
いし7員環置換基またはそれらから構成される縮合環置
換基を表す。Q121およびQ131は、それぞれ2価の連結
基または単結合を表し、n2は1、2または3を表し、
n2が2または3の時、複数のY111、Q121およびQ
131は、それぞれ同じであっても、異なってもよい。
【0024】一般式(II)中、Q121およびQ131は、
それぞれ2価の連結基または単結合を表す。2価の連結
基の例としては、−CH=CH−、−CH=N−、−N
=N−、−N(O)=N−、−COO−、−COS−、
−CONH−、−COCH2−、−CH2CH2−、−O
CH2−、−CH2NH−、−CH2−、−CO−、−O
−、−S−、−NH−、−(CH21-3−、−CH=C
H−COO−、−CH=CH−CO−、−(C≡C)
1-3−やこれらの組合せなどが好ましく、−CH2−、−
CO−、−O−、−CH=CH−、−CH=N−、−N
=N−やこれらの組合せがさらに好ましい。また、これ
らにおいて水素原子が置換されたものであってもよい。
121およびQ131は、単結合であることが特に好まし
い。
【0025】一般式(II)中、Y111は、2価の4、
5、6または7員環置換基、またはそれらから構成され
る縮合環置換基を表し、6員環芳香族基、4ないし6員
環の飽和または不飽和脂肪族基、5または6員環複素環
基、またはそれらの縮合環であることがさらに好まし
く、これらの例として、下記式(Y−1)〜(Y−2
7)の置換基が挙げられるが、これらに限定されない。
また、これらの組合せであってもよい。これらの置換基
の中でさらに好ましいものは、(Y−1)、(Y−
2)、(Y−18)、(Y−19)、(Y−21)、
(Y−22)であり、特に好ましいものは、(Y−
1)、(Y−2)、(Y−21)である。
【0026】
【化5】
【0027】液晶性置換基は、イオン性の基を有しても
よく、その場合、液晶性置換基はその対イオンを含み、
所謂、アニオン部位とカチオン部位と構成される塩構造
を形成してなる。この液晶置換基が塩構造を有すること
で、特定の液晶化合物は、電解質を調整する際、イオン
性である液晶化合物の対イオンをキャリアイオンとする
ことができる。このため、別途、キャリアイオンを塩の
形で添加する必要性がなく、キャリアイオン以外の可動
性イオンが含まれないため、キャリアイオンの輸率を高
めることができる。この場合、液晶性置換基として液晶
性を付与する基、例えばメソゲン基はアニオン部位とカ
チオン部位の少なくとも一方に含まれる。液晶性を付与
する基を含まない、或いは一般式(I)におけるLと直
接連結していない方のアニオン部位、又はカチオン部位
は有機イオン(有機アニオン、有機カチオン)でも、無
機イオン(無機アニオン、無機カチオン)でもよい。
【0028】液晶性置換基の好適な具体的構成として
は、メソゲン基を含むアニオン部位と、その対カチオン
からなるカチオン部位とで構成される塩、或いはメソゲ
ン基を含むカチオン部位と、その対アニオンからなるア
ニオン部位とで構成される塩が挙げられる。これらアニ
オン部位及びカチオン部位のいずれか一方が一般式
(I)におけるLと連結されてなる。
【0029】カチオン部位にメソゲン基を含む場合、そ
のカチオン部位(正電荷を持つ置換基)として好ましい
構造は、一般式(III−a)、(III−b)又は(III−
c)で表される構造である。この時、メソゲン基は、一
般式(III−a)〜(III−c)におけるRy1〜Ry5、ま
たはQy1の置換基として含まれることが好ましい。ま
た、前記一般式(I)で示される繰り返し単位からなる
原子団もRy1〜Ry5、またはQy1の置換基として含まれ
ることが好ましい。
【0030】
【化6】
【0031】一般式(III−a)のQy1は、窒素原子と
共に、5または6員環の芳香族カチオンを形成しうる原
子団を表し、Ry1は、置換もしくは無置換のアルキル
基、重合性基、または置換もしくは無置換のアルケニル
基を表す。
【0032】一般式(III−b)のAy1は、窒素原子ま
たはリン原子を表し、Ry2、Ry3、Ry4およびRy5は、
各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、重合性
基、または置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。
ただし、Ry2、Ry3、Ry4およびRy5の3つ以上が同時
にアリール基であることはない。また、Ry2、Ry3、R
y4およびRy5の内2つ以上が互いに連結してAy1を含む
非芳香族環を形成してもよい。
【0033】一般式(III−c)のRy1、Ry2、Ry3
y4、Ry5およびRy6は、各々独立に、置換もしくは無
置換のアルキル基、重合性基、または置換もしくは無置
換のアルケニル基を表し、それらの内、2つ以上が互い
に連結して環構造を形成してもよい。
【0034】一般式(III−a)、(III−b)、および
(III−c)で表されるカチオンは、Qy1またはRy1
y6を介して多量体を形成してもよい。
【0035】一般式(III−a)中、窒素とともに芳香
族5または6員環のカチオンを形成しうる原子団Qy1
構成原子は、好ましくは炭素、水素、窒素、酸素および
硫黄より選択される。
【0036】Qy1で完成される6員環として、好ましく
はピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリ
アジンであり、より好ましくはピリジンである。
【0037】Qy1で完成される芳香族5員環として、好
ましくは、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、
ピラゾール、イソオキサゾール、チアジアゾール、オキ
サジアゾール、トリアゾールであり、より好ましくはオ
キサゾール、チアゾール、イミダゾールである。特には
オキサゾール、イミダゾールが好ましい。
【0038】一般式(III−a)、(III−b)および
(III−c)中のRy1〜Ry6は、各々独立に、置換もし
くは無置換のアルキル基(好ましくは炭素原子数(以下
C数)が1〜24であり、直鎖状であっても分岐鎖状で
あってもよく、また環式であってもよく、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、i−プロピル、ペンチ
ル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、t−オ
クチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、2−ヘキシ
ルデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、シクロペン
チル)、重合性基(好ましくはビニル基、アクリロイル
基、メタクリロイル基、スチリル基、桂皮酸残基な
ど)、または置換もしくは無置換のアルケニル基(好ま
しくはC数が2〜24であり、直鎖状であっても分岐鎖
状であってもよく、例えばビニル、アリル)を表し、好
ましくはC数3〜18のアルキル基またはC数2〜18
のアルケニル基を表し、より好ましくはC数4〜6のア
ルキル基を表す。
【0039】一般式(III−a)、(III−b)および
(III−c)中のQy1およびRy1〜Ry 6は置換基を有し
ていてもよく、好ましい置換基の例としては、ハロゲン
原子(F,Cl,Br,I)、シアノ基、アルコキシ基
(メトキシ、エトキシ、ブトキシ、オクチルオキシ、メ
トキシエトキシ、メトキシペンタ(エチルオキシ)、ア
クリロイルオキシエトキシ、ペンタフルオロプロポキシ
など)、アリーロキシ基(フェノキシなど)、アルキル
チオ基(メチルチオ、エチルチオなど)、アシル基(ア
セチル、プロピオニル、ベンゾイルなど)、スルホニル
基(メタンスルホニル、ベンゼンスルホニルなど)、ア
シルオキシ基(アセトキシ、ベンゾイルオキシなど)、
スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ、トルエ
ンスルホニルオキシなど)、ホスホニル基(ジエチルホ
スホニルなど)、アミド基(アセチルアミノ、ベンゾイ
ルアミドなど)、カルバモイル基(N,N−ジメチルカ
ルバモイル、N−フェニルカルバモイルなど)、アルキ
ル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シク
ロプロピル、ブチル、2−カルボキシエチル、ベンジル
など)、アリール基(フェニル、トルイルなど)、複素
環基(例えば、ピリジル、イミダゾリル、フラニルな
ど)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニルなど)、
アルコキシ基アシルオキシ基(アセチルオキシ、ベンゾ
イルオキシなど)、アルコキシカルボニル基(メトキシ
カルボニル、エトキシカルボニルなど)、および重合性
基(好ましくはビニル基、アクリロイル基、メタクリロ
イル基、スチリル基、桂皮酸残基など)が挙げられる。
【0040】カチオン部位にメソゲン基を含む場合、そ
の対アニオンとして好ましくは、無機アニオンとしてハ
ロゲンアニオン(Cl-、Br-、I-)、ヨウ素三量体
アニオン(I3 -)、NCS-、BF4 -、PF6 -、O4Cl
-、Ph4-、AsF6 -、SbF6 -、及びB10Cl
10 -と、有機アニオンとしてスルホンアミド、ジスルホ
ンイミド、N−アシルスルホンアミド、カルボン酸、ス
ルホン酸、アルコール、活性メチレン、及び活性メチン
の解離したアニオンとからなる群から選択されることが
好ましい。より好ましくは、ヨウ素アニオン(I-、I3
-)と、有機アニオンとしてスルホンアミド、ジスルホ
ンイミド、N−アシルスルホンアミド、カルボン酸、ス
ルホン酸、アルコール、活性メチレン、及び活性メチン
の解離したアニオンとからなる群から選択される。さら
に好ましくはヨウ素アニオン(I-、I3 -)と、有機ア
ニオンとしてスルホン酸、ジスルホニルイミド、及びN
−アシルスルホンアミドの解離したアニオン(例えば
(Cn2n+1SO2)(Cm2m+1SO2)N-で表わされ
るイミドアニオン(n、mはそれぞれ6以下の正の整
数))、Cn2n+1SO3 -で表わされるフルオロスルフ
ォン酸アニオン(nは6以下の正の整数)等)とからな
る群から選択される。特に好ましくは、ヨウ素アニオン
(I-、I3 -)である。このヨウ素アニオンは、特定の
液晶化合物を、ヨウ素イオンがキャリアとなる太陽電池
用電解質用途として用いる場合に有利である。
【0041】アニオン部位にメソゲン基を含む場合、そ
のアニオン部位(負電荷を持つ置換基)として好ましい
ものは、スルホンアミド、ジスルホンイミド、N−アシ
ルスルホンアミド、カルボン酸、スルホン酸、アルコー
ル、活性メチレン、および活性メチンのプロトン解離し
たアニオンである。
【0042】アニオン部位にメソゲン基を含む場合、そ
の対カチオンとして好ましくは、有機カチオンとして前
述の一般式(III−a)、(III−b)および(III−
c)で表される構造のカチオン、無機カチオンとしては
リチウムイオンが好適に挙げられる。これらの中でも特
にリチウムイオンが好適である。このリチウムイオン
は、特定の液晶化合物をリチウムイオン電池やリチウム
電池用電解質として用いる場合に有利である。
【0043】液晶性置換基(イオン性の基を有する場
合、その対イオンも含む)には、末端基、またはメソゲ
ン基とイオン性を示す有機イオンとを連結する基とし
て、アルキル基またはアルケニル基を含むことが好まし
い。これらのアルキル基またはアルケニル基の炭素数は
6から25が好ましく、6から18が更に好ましい。ま
た、置換基を有していてもよく、好ましい置換基として
は、一般式(I)のRにおける置換基として前述したも
のが挙げられる。
【0044】液晶性置換基として、特に好ましい構成
は、本発明の電解質組成物をリチウムイオン電池やリチ
ウム電池用途に用いる場合、一般式(I)におけるLと
連結される部位がメソゲン基を含むアニオン部位であ
り、そのカチオン部位となる対イオンがリチウムイオン
である構成である。一方、ヨウ素イオンがキャリアとな
る太陽電池用途に用いる場合、一般式(I)におけるL
と連結される部位がメソゲン基を含むカチオン部位であ
り、そのアニオン部位となる対アニオンがヨウ素イオン
である構成であることが好ましい。
【0045】液晶性置換基として、アニオン部位の共役
酸のpKaは11以下であることが、電解質においてキ
ャリアとなるイオン(例えば、リチウムイオンやヨウ素
イオンなど)の解離濃度を高める観点から好ましく、7
以下であることがさらに好ましい。
【0046】以下、一般式(I)で示されるポリシロキ
サン構造の具体例P−1〜P−28を示すが、本発明は
これら具体例に限定されるわけではない。なお、この具
体例で示される構造を繰り返し単位として有する液晶化
合物を、例示化合物P−1〜P−28とする。
【0047】
【化7】
【0048】
【化8】
【0049】
【化9】
【0050】
【化10】
【0051】
【化11】
【0052】特定の液晶化合物は、重合性基を有し、そ
れらを重合して得られる高分子化合物であってもよい。
この高分子化合物の得る重合方法としては、大津隆行・
木下雅悦共著:高分子合成の実験法(化学同人)や大津
隆行:講座重合反応論1ラジカル重合(I)(化学同
人)に記載された一般的な高分子合成法であるラジカル
重合法を用いることができる。熱重合開始剤を用いる熱
重合法と光重合開始剤を用いる光重合法があり、好まし
く使用される熱重合開始剤は、例えば、2,2′−アゾ
ビス(イソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,
2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのア
ゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキシドなどの過酸化物系
開始剤等が含まれ、好ましく用いられる光重合開始剤の
例には、α−カルボニル化合物(米国特許236766
1号、同2367670号の各明細書記載)、アシロイ
ンエーテル(米国特許244828号明細書記載)、α
−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許27
22512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特
許3046127号、同2951758号の各明細書記
載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノ
フェニルケトンとの組み合わせ(米国特許354936
76号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合
物(特開昭60−105667号公報、米国特許423
9850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物
(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
重合開始剤の好ましい添加量はモノマー(塩)総量に対
し0.01質量%以上20質量%以下であり、さらに好
ましくは0.1質量%以上10質量%以下である。重合
により得られる高分子の好ましい分子量(数平均分子
量)は、モノマー(塩)が単官能の場合は5,000〜
100万であり、さらに好ましくは1万〜50万であ
る。また、多官能モノマー(塩)の場合、あるいは架橋
剤を用いた場合は、上記の分子量のポリマーが3次元網
目構造を形成する。
【0053】本発明の電解質組成物を光電気化学電池の
電解質に用いる場合、電荷キャリアとして、I-とI3 -
を含む電解質組成物を用いることが好ましく、それらは
任意の塩の形で添加することができる。好ましいヨウ素
塩の対カチオンとしては前述の一般式(III−a)、(I
II−b)または(III−c)で表されるものが挙げられ
る。I3 -塩は、I-塩存在下にヨウ素(I2)を加え、電
解質組成物中で生成させることが一般的である。その
際、加えたI2と同量のI3 -が生成する。
【0054】本発明の電解質組成物中のI-の濃度は1
0〜90質量%が好ましく、30〜70質量%が更に好
ましい。その際残りの成分が全て、特定の液晶化合物で
あることが好ましい。なお、この濃度は、前記特定の液
晶化合物中の対イオンとしてI-が含まれる場合、これ
も含む濃度である。
【0055】I3 -はI-の0.1〜50モル%であるこ
とが好ましく、0.1〜20モル%であることがより好
ましく、0.5〜10モル%であることがさらに好まし
く、0.5〜5モル%であることが最も好ましい。な
お、この割合は、前記特定の液晶化合物中の対イオンと
してI3 -が含まれる場合、このも含む割合である。
【0056】本発明の電解質組成物にはさらに別の溶融
塩を含んでもよく、好ましく用いられる溶融塩は、前記
一般式(III−a)、(III−b)および(III−c)で
示した有機カチオンと任意のアニオンとを組合せたもの
であり、アニオンとしては、ハロゲン化物イオン(Cl
-、Br-等)、SCN-、BF4 -、PF6 -、ClO4 -
(CF3SO22-、(CF3CF2SO22-、CH3
SO3 -、CF3SO3 -、CF3COO-、Ph4-、(C
3SO23-等が好ましい例として挙げられ、SCN
-、CF3SO3 -、CF3COO-、(CF3SO22-
よびBF4 -が更に好ましく挙げられる。また、特に、光
電流向上の観点から、LiI、CF3COOLi、CF3
COONa、LiSCN、NaSCNなどのアルカリ金
属塩を含むことが好ましい。アルカリ金属塩の添加量
は、0.02〜2質量%程度であるのが好ましく、0.
1〜1質量%がさらに好ましい。
【0057】本発明の電解質組成物に、LiI、Na
I、KI、CsI、CaI2などの金属ヨウ化物、4級
イミダゾリウム化合物のヨウ素塩、テトラアルキルアン
モニウム化合物のヨウ素塩、Br2とLiBr、NaB
r、KBr、CsBr、CaBr2などの金属臭化物、
あるいはBr2とテトラアルキルアンモニウムブロマイ
ド、ピリジニウムブロマイドなど4級アンモニウム化合
物の臭素塩、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフ
ェロセン−フェリシニウムイオンなどの金属錯体、ポリ
硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフ
ィドなどのイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノ
ン−キノンなどを含有させて用いることもできる。含有
させる場合、これらの化合物の使用量は、電解質組成物
全体の30質量%以下であることが好ましい。
【0058】本発明の電解質組成物では、前記特定の液
晶化合物と供にとともに、好ましくは最大でこの化合物
と同質量まで溶媒を使用することができる。
【0059】本発明の電解質組成物に使用する溶媒は、
粘度が低くイオン易動度を向上したり、または誘電率が
高く有効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオ
ン伝導性を発現できる化合物であることが望ましい。こ
のような溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチ
ル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキ
サン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレ
ングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコー
ルジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアル
キルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエ
ーテルなどの鎖状エーテル類、メタノール、エタノー
ル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピ
レングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレング
リコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコ
ールモノアルキルエーテルなどのアルコール類、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなど
の多価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニト
リル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベ
ンゾニトリルなどのニトリル化合物、カルボン酸エステ
ル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等のエステル
類、ジメチルスルフォキシド、スルフォランなど非プロ
トン極性物質、水などを用いることができる。この中で
も、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートな
どのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリ
ジノンなどの複素環化合物、アセトニトリル、グルタロ
ジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリ
ル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、エステル類
が特に好ましい。これらは単独で用いても2種以上を併
用してもよい。
【0060】溶媒としては、耐揮発性による耐久性向上
の観点にて常圧(1気圧)における沸点は200℃以上
が好ましく、250℃以上がより好ましく、270℃以
上がさらに好ましい。
【0061】本発明の電解質組成物を、リチウムイオン
電池などの電気化学電池に用いる場合には、電解質組成
物の中の化合物の少なくとも一種類は、リチウム元素
(イオン)を含むである化合物が好適に用いられるが、
リチウム元素(イオン)の濃度としては、5重量%〜1
00重量%が好ましく、20重量%から60重量%が更
に好ましい。
【0062】本発明の電解質組成物は、化学反応および
金属メッキ等の反応溶媒、CCD(電荷結合素子)カメ
ラ、種々の電気化学電池(いわゆる電池)、電気化学セ
ンサー、光電気化学センサーなどに用いることができ
る。好ましくは非水二次電池(特に、リチウム二次電
池)および後述する半導体を用いた光電気化学電池に用
いられ、光電気化学電池に用いられることがより好まし
い。
【0063】[電気化学電池]以下に、本発明の電解質
組成物を利用した本発明の電気化学電池について説明す
る。本発明の電気化学電池は、前記本発明の電解質組成
物を含有するので、優れた耐久性とイオン伝導性を示
す。
【0064】本発明の電気化学電池は、電解質として、
前記本発明の電解質組成物を含有する以外は、特に制限
はなく、一般的な構成をとることができる。一般的な電
気化学電池は、作用極と対極で電解質を挟んだ構成によ
りなり、作用極上で起こる酸化(還元)反応と対極で起
こる還元(酸化)反応に対応して、電解質中のキャリア
イオンが両極間を移動することにより機能する。後述す
る光電気化学電池の場合には、作用極は光励起により起
電力を生じる電極(例えば色素増感半導体電極)、2次
電池の場合には、作用極(通常正極と呼ばれる)と対極
(通常負極と呼ばれる)には酸化還元に伴いリチウムイ
オンを挿入放出しうる活物質が使用される。
【0065】[光電気化学電池]以下に、本発明の電解
質組成物を利用した本発明の光電気化学電池について説
明する。本発明の光電気化学電池は、導電性支持体上
に、電解質組成物を含む電荷輸送層と、色素で増感され
た半導体を含む感光層と、対極とを有し、いわゆる以下
に説明する光電変換素子を外部回路で仕事をさせるよう
に構成したものである。本発明の光電気化学電池は、前
記電荷輸送層が本発明の電解質組成物を含有しているの
で、光電変換性能に優れるとともに、経時での電池性能
の劣化が小さい優れた耐久性を示す。
【0066】〔1〕光電変換素子 図1に、本発明に適用可能な光電変換素子の一例を示
す。光電変換素子10は、導電層12、下塗り層14、
感光層16、電荷輸送層18及び対極導電層20が順次
積層してなる。感光層16は、色素dによって増感した
半導体層24と、電荷輸送材料tとからなる。半導体層
24は、半導体微粒子sからなる多孔性の層であり、半
導体微粒子sの間には空隙が形成され、該空隙に電荷輸
送材料tが浸透している。電荷輸送材料tは、電荷輸送
層18に用いる材料と同じ成分からなる。導電層12の
下には基板26、及び対極導電層20の上には基板28
が配置されている。基板26、28は光電変換素子に強
度を付与するためのものであり、なくてもよい。また、
それぞれの層の境界、例えば、導電層12と感光層16
との境界、感光層16と電荷輸送層18との境界、電荷
輸送層18と対極導電層20との境界等では、各層の構
成成分同士が相互に拡散混合していてもよい。尚、光電
変換素子10には、いずれか又は双方から光を入射して
もよく、光を入射する側の導電層12と基板26及び/
又は対極導電層20と基板28を、それぞれ光透過性を
有する材料から構成することができる。
【0067】次に、光電変換素子10の作用について説
明する。尚、半導体微粒子sがn型である場合について
説明する。光電変換素子10に光が入射すると、入射し
た光は感光層16に達し、色素d等によって吸収され、
励起状態の色素dを生成する。励起された色素d等は、
高エネルギーの電子を半導体微粒子sの伝導帯に渡し、
自らは酸化体となる。前記伝導帯に移った電子は半導体
微粒子sのネットワークにより導電層12に到達する。
従って、導電層12は対極導電層20に対して負の電位
を持つ。光電変換素子10を光電池に利用した態様で
は、この光電池を外部回路につなぐと、導電層12中の
電子は外部回路で仕事をしながら対極導電層20に達す
る。電子は、電荷輸送材料が電解質である場合は、この
電解質成分(例えばI-)を還元するとともに、生成し
た還元体(例えばI3 -)が色素dの酸化体を還元して元
に戻す。光を照射し続けることにより、一連の反応が引
き続き起こり、電気を取り出すことができる。
【0068】以下、前記光電変換素子の各層に使用可能
な材料及びその形成方法について説明する。尚、以下
で、「導電性支持体」というときは、導電層12のみ、
及び導電層12と任意で設ける基板26からなるものの
双方を含み、「対極」というときは、対極導電層20の
み、及び対極導電層20と任意で設ける基板28からな
るものの双方を含む。
【0069】(A)導電性支持体 導電性支持体は、(1)導電層の単層、又は(2)導電
層及び基板の2層からなる。(1)の場合は、導電層と
して強度や密封性が十分に保たれるような材料が使用さ
れ、例えば、金属材料(白金、金、銀、銅、亜鉛、チタ
ン、アルミニウム等又はこれらを含む合金)を用いるこ
とができる。(2)の場合、感光層側に導電剤を含む導
電層を有する基板を使用することができる。好ましい導
電剤としては金属(例えば白金、金、銀、銅、亜鉛、チ
タン、アルミニウム、インジウム等又はこれらを含む合
金)、炭素、又は導電性金属酸化物(インジウム−スズ
複合酸化物、酸化スズにフッ素又はアンチモンをドープ
したもの等)が挙げられる。導電層の厚さは0.02〜
10μm程度が好ましい。
【0070】導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好
ましい表面抵抗の範囲は50Ω/□以下であり、さらに
好ましくは20Ω/□以下である。
【0071】導電性支持体側から光を照射する場合に
は、導電性支持体は実質的に透明であるのが好ましい。
実質的に透明であるとは、可視〜近赤外領域(400〜
1200nm)の光の一部又は全域において透過率が1
0%以上であることを意味し、50%以上であるのが好
ましく、80%以上がより好ましい。特に、感光層が感
度を有する波長域の透過率が高いことが好ましい。
【0072】透明導電性支持体としては、ガラス又はプ
ラスチック等の透明基板の表面に導電性金属酸化物から
なる透明導電層を塗布又は蒸着等により形成したものが
好ましい。透明導電層として好ましいものは、フッ素も
しくはアンチモンをドーピングした二酸化スズあるいは
インジウム−スズ酸化物(ITO)である。透明基板に
は低コストと強度の点で有利なソーダガラス、アルカリ
溶出の影響のない無アルカリガラスなどのガラス基板の
ほか、透明ポリマーフィルムを用いることができる。透
明ポリマーフィルムの材料としては、トリアセチルセル
ロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオ
タクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンス
ルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリ
アリレート(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポ
リエステルスルフォン(PES)、ポリイミド(P
I)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフ
ィン、ブロム化フェノキシ等がある。十分な透明性を確
保するために、導電性金属酸化物の塗布量はガラス又は
プラスチックの支持体1m2当たり0.01〜100g
とするのが好ましい。
【0073】透明導電性支持体の抵抗を下げる目的で金
属リードを用いるのが好ましい。金属リードの材質は、
白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀等
の金属が好ましい。金属リードは透明基板に蒸着、スパ
ッタリング等で設置し、その上に導電性の酸化スズ又は
ITO膜からなる透明導電層を設けるのが好ましい。金
属リード設置による入射光量の低下は、好ましくは10
%以内、より好ましくは1〜5%とする。
【0074】(B)感光層 前記感光層は、光を吸収して電荷分離を行い、電子と正
孔を生ずる機能を有する。前記感光層は色素増感された
半導体を含む。色素増感された半導体では、光吸収及び
これによる電子及び正孔の発生は主として色素において
起こり、半導体はこの電子(又は正孔)を受け取り、伝
達する役割を担う。本発明で用いる半導体は、光励起下
で伝導体電子がキャリアーとなり、アノード電流を与え
るn型半導体であることが好ましい。
【0075】(1)半導体 半導体としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体
半導体、III−V系化合物半導体、金属のカルコゲナイ
ド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物、又はそれらの
複合物等)、又はペロブスカイト構造を有する化合物
(例えばチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウ
ム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸
カリウム等)等を使用することができる。
【0076】好ましい金属のカルコゲナイドとして、チ
タン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、
ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、
イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、又はタ
ンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモ
ン又はビスマスの硫化物、カドミウム又は鉛のセレン化
物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の化合
物半導体としては、亜鉛、ガリウム、インジウム、カド
ミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素又は銅−インジウ
ムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物等が挙げられ
る。さらには、Mxyz又はM1 x2 yz(M、M1
びM2はそれぞれ金属元素、Oは酸素原子、x、y及び
zは価数が中性になる組み合わせの数)で表される複合
物も好ましく用いることができる。
【0077】本発明に用いる半導体の好ましい具体例
は、Si、TiO2、SnO2、Fe23、WO3、Zn
O、Nb25、CdS、ZnS、PbS、Bi23、C
dSe、CdTe、SrTiO3、GaP、InP、G
aAs、CuInS2、CuInSe2等であり、より好
ましくはTiO2、ZnO、SnO2、Fe23、W
3、Nb25、CdS、PbS、CdSe、SrTi
3、InP、GaAs、CuInS2およびCuInS
2であり、特に好ましくはTiO2およびNb25であ
り、最も好ましくはTiO2である。TiO2はアナター
ゼ型結晶を70%以上含むTiO2が好ましく、特に好
ましくは100%アナターゼ型結晶のTiO2である。
また、これらの半導体中の電子電導性を上げる目的で、
金属をドープすることも有効である。ドープする金属と
しては2価、3価の金属が好ましい。半導体から電荷輸
送層へ逆電流が流れるのを防止する目的で、半導体に1
価の金属をドープすることも有効である。
【0078】本発明に用いる半導体は単結晶でも多結晶
でもよいが、製造コスト、原材料確保、エネルギーペイ
バックタイム等の観点からは多結晶が好ましく、半導体
微粒子からなる多孔質膜が特に好ましい。また、一部ア
モルファス部分を含んでいてもよい。
【0079】半導体微粒子の粒径は一般にnm〜μmの
オーダーであるが、投影面積を円に換算したときの直径
から求めた一次粒子の平均粒径は5〜200nmである
のが好ましく、8〜100nmがより好ましい。また分
散液中の半導体微粒子(二次粒子)の平均粒径は0.0
1〜30μmが好ましい。粒径分布の異なる2種類以上
の微粒子を混合してもよく、この場合、小さい粒子の平
均サイズは25nm以下であるのが好ましく、より好ま
しくは10nm以下である。入射光を散乱させて光捕獲
率を向上させる目的で、粒径の大きな、例えば100n
m以上、300nm程度の半導体粒子を混合することも
好ましい。
【0080】半導体微粒子の種類も異なる2種以上の混
合であってもよい。2種以上の半導体微粒子を混合して
使用する場合、1種はTiO2、ZnO、Nb25もし
くはSrTiO3であることが好ましい。またもう1種
としてはSnO2、Fe23もしくはWO3であることが
好ましい。さらに好ましい組み合わせとしては、ZnO
とSnO2、ZnOとWO3又はZnO、SnO2とWO3
などの組み合わせを挙げることができる。2種以上の半
導体微粒子を混合して用いる場合、それぞれの粒径が異
なっていてもよい。特に上記1種目で挙げた半導体微粒
子の粒径が大きく、2種目以降で挙げた半導体微粒子が
小さい組み合わせが好ましい。好ましくは大きい粒径の
粒子が100nm以上で、小さい粒径の粒子が15nm
以下の組み合わせである。
【0081】半導体微粒子の作製法としては、作花済夫
の「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998
年)、技術情報協会の「ゾル−ゲル法による薄膜コーテ
ィング技術」(1995年)等に記載のゾル−ゲル法、
杉本忠夫の「新合成法ゲル−ゾル法による単分散粒子の
合成とサイズ形態制御」、まてりあ,第35巻,第9
号,1012〜1018頁(1996年)に記載のゲル
−ゾル法が好ましい。またDegussa社が開発した
塩化物を酸水素塩中で高温加水分解により酸化物を作製
する方法も好ましい。
【0082】半導体微粒子が酸化チタンの場合、上記ゾ
ル−ゲル法、ゲル−ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高
温加水分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学の
「酸化チタン物性と応用技術」技報堂出版(1997
年)に記載の硫酸法及び塩素法を用いることもできる。
さらにゾル−ゲル法として、Barbeらのジャーナル
・オブ・アメリカン・セラミック・ソサエティー,第8
0巻,第12号,3157〜3171頁(1997年)
に記載の方法や、Burnsideらのケミストリー・
オブ・マテリアルズ,第10巻,第9号,2419〜2
425頁に記載の方法も好ましい。
【0083】(2)半導体微粒子層 前記半導体は、例えば、前記導電性支持体上に形成され
た半導体微粒子層の形態で使用される。半導体微粒子を
導電性支持体上に塗布するには、半導体微粒子の分散液
又はコロイド溶液を導電性支持体上に塗布する方法の他
に、前述のゾル−ゲル法等を使用することもできる。光
電変換素子の量産化、半導体微粒子液の物性、導電性支
持体の融通性等を考慮した場合、湿式の製膜方法が比較
的有利である。湿式の製膜方法としては、塗布法、印刷
法、電解析出法及び電着法が代表的である。また、金属
を酸化する方法、金属溶液から配位子交換等で液相にて
析出させる方法(LPD法)、スパッタ等で蒸着する方
法、CVD法、あるいは加温した基板上に熱分解する金
属酸化物プレカーサーを吹き付けて金属酸化物を形成す
るSPD法を利用することもできる。
【0084】半導体微粒子の分散液を作製する方法とし
ては、前述のゾル−ゲル法の他に、乳鉢ですり潰す方
法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは
半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそ
のまま使用する方法等が挙げられる。
【0085】分散媒としては、水又は各種の有機溶媒
(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、シトロネロール、ターピネオール、ジクロロメタ
ン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル等)が挙げ
られる。分散の際、必要に応じて、例えばポリエチレン
グリコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロースのようなポリマー、界面活性剤、酸、
又はキレート剤等を分散助剤として用いてもよい。ポリ
エチレングリコールの分子量を変えることで、分散液の
粘度が調節可能となり、さらに剥がれにくい半導体層を
形成したり、半導体層の空隙率をコントロールできるの
で、ポリエチレングリコールを添加することは好まし
い。
【0086】塗布方法としては、アプリケーション系と
してローラ法、ディップ法等、メータリング系としてエ
アーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションと
メータリングを同一部分にできるものとして、特公昭5
8−4589号に開示されているワイヤーバー法、米国
特許2681294号、同2761419号、同276
1791号等に記載のスライドホッパー法、エクストル
ージョン法、カーテン法等が好ましい。また汎用機とし
てスピン法やスプレー法も好ましい。湿式印刷方法とし
ては、凸版、オフセット及びグラビアの3大印刷法をは
じめ、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等が好ましい。こ
れらの中から、液粘度やウェット厚さに応じて、好まし
い製膜方法を選択する。
【0087】半導体微粒子の層は単層に限らず、粒径の
違った半導体微粒子の分散液を多層塗布したり、種類が
異なる半導体微粒子(あるいは異なるバインダー、添加
剤)を含有する塗布層を多層塗布したりすることもでき
る。一度の塗布で膜厚が不足の場合にも多層塗布は有効
である。
【0088】一般に半導体微粒子層の厚さ(感光層の厚
さと同じ)が厚くなるほど単位投影面積当たりの担持色
素量が増えるため、光の捕獲率が高くなるが、生成した
電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大き
くなる。したがって、半導体微粒子層の好ましい厚さは
0.1〜100μmである。光電池に用いる場合、半導
体微粒子層の厚さは1〜30μmが好ましく、2〜25
μmがより好ましい。半導体微粒子の支持体1m2当た
りに対する塗布量は、0.5〜100gが好ましく、3
〜50gがより好ましい。
【0089】半導体微粒子を導電性支持体上に塗布した
後で半導体微粒子同士を電子的に接触させるとともに、
塗膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるため
に、加熱処理するのが好ましい。好ましい加熱温度の範
囲は40℃以上700℃以下であり、より好ましくは1
00℃以上600℃以下である。また加熱時間は10分
〜10時間程度である。ポリマーフィルムのように融点
や軟化点の低い支持体を用いる場合、高温処理は支持体
の劣化を招くため、好ましくない。またコストの観点か
らもできる限り低温(例えば50〜350℃)であるの
が好ましい。低温化は、5nm以下の小さい半導体微粒
子や鉱酸、金属酸化物プレカーサーの存在下での加熱処
理等により可能となり、また、紫外線、赤外線、マイク
ロ波等の照射や電界、超音波を印加することにより行う
こともできる。同時に不要な有機物等を除去する目的
で、上記の照射や印加のほか加熱、減圧、酸素プラズマ
処理、純水洗浄、溶剤洗浄、ガス洗浄等を適宜組み合わ
せて併用することが好ましい。
【0090】加熱処理後、半導体微粒子の表面積を増大
させたり、半導体微粒子近傍の純度を高め、色素から半
導体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四
塩化チタン水溶液を用いた化学メッキ処理や三塩化チタ
ン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよ
い。また、半導体微粒子から電荷輸送層へ逆電流が流れ
るのを防止する目的で、粒子表面に色素以外の電子電導
性の低い有機物を吸着させることも有効である。吸着さ
せる有機物としては疎水性基を有する物が好ましい。
【0091】半導体微粒子層は、多くの色素を吸着する
ことができるように大きい表面積を有することが好まし
い。半導体微粒子の層を支持体上に塗布した状態での表
面積は、投影面積に対して10倍以上であるのが好まし
く、さらに100倍以上であるのが好ましい。この上限
は特に制限はないが、通常1000倍程度である。
【0092】(3)色素 感光層に用いる増感色素は、可視域や近赤外域に吸収を
有し、半導体を増感し得る化合物なら任意に用いること
ができ、有機金属錯体色素、メチン色素、ポルフィリン
系色素およびフタロシアニン系色素が好ましい。また、
光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を
上げるため、二種類以上の色素を併用又は混合すること
ができる。この場合、目的とする光源の波長域と強度分
布に合わせるように、併用又は混合する色素とその割合
を選ぶことができる。
【0093】こうした色素は、半導体微粒子の表面に対
して吸着能力の有る適当な結合基(interlocking grou
p)を有しているのが好ましい。好ましい結合基として
は、COOH基、OH基、SO3H基、−P(O)(O
H)2基および−OP(O)(OH)2基のような酸性
基、あるいはオキシム、ジオキシム、ヒドロキシキノリ
ン、サリチレート又はα−ケトエノレートのようなπ伝
導性を有するキレート化基が挙げられる。なかでもCO
OH基、−P(O)(OH)2基および−OP(O)
(OH)2基が特に好ましい。これらの基はアルカリ金
属等と塩を形成していてもよく、また分子内塩を形成し
ていてもよい。またポリメチン色素の場合、メチン鎖が
スクアリリウム環やクロコニウム環を形成する場合のよ
うに酸性基を含有する場合、この部分を結合基として有
していてもよい。
【0094】以下、感光層に用いる好ましい増感色素を
具体的に説明する。 (a)有機金属錯体色素 色素が金属錯体色素である場合、金属フタロシアニン色
素、金属ポルフィリン色素およびルテニウム錯体色素が
好ましく、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。ルテニ
ウム錯体色素としては、例えば米国特許4927721
号、同4684537号、同5084365号、同53
50644号、同5463057号、同5525440
号等の各明細書、及び、特開平7−249790号、特
表平10−504512号、世界特許98/50393
号、特開2000−26487号等の各公報に記載の錯
体色素が挙げられる。
【0095】さらに前記色素がルテニウム錯体色素であ
る場合、下記一般式(IV)で表されるルテニウム錯体
色素が好ましい。 一般式(IV) (A1tRu(B−a)u(B−b)v(B−c)w 前記一般式(IV)中、A1は1又は2座の配位子を表
す。A1はCl、SCN、H2O、Br、I、CN、NC
O、SeCN、α−ジケトン類、シュウ酸及びジチオカ
ルバミン酸の誘導体からなる群から選ばれる配位子であ
るのが好ましい。tが2以上の場合、2以上のA1は同
一でも異なっていてもよい。前記一般式(IV)中、B
−a、B−b及びB−cは、それぞれ独立に下記式(B
−1)〜(B−10)のいずれかで表される配位子を表
す。tは0〜3のいずれかの整数を表し、u、v及びw
は各々0又は1を表し、前記一般式(IV)で表される
ルテニウム錯体が6配位錯体となる様に、配位子の種類
に応じて適宜組み合わされる。
【0096】
【化12】
【0097】前記式(B−1)〜(B−10)中、Ra
は水素原子又は置換基を表し、該置換基としては、例え
ば、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12の置換又は無置
換のアルキル基、炭素原子数7〜12の置換又は無置換
のアラルキル基、炭素原子数6〜12の置換又は無置換
のアリール基、酸性基(これらの酸性基は塩を形成して
いてもよい)又はキレート化基が挙げられる。アルキル
基及びアラルキル基のアルキル部分は直鎖状でも分岐状
でもよい。また、前記アリール基及びアラルキル基のア
リール部分は単環でも多環(縮合環、環集合)でもよ
い。前記一般式(IV)中、B−a、B−b及びB−c
は同一でも異なっていてもよい。
【0098】有機金属錯体色素の好ましい具体例(例示
化合物R−1〜17)を以下に示すが、本発明に用いら
れる色素は以下の具体例に限定されるものではない。
【0099】
【化13】
【0100】
【化14】
【0101】(b)メチン色素 本発明に使用する好ましいメチン色素は、シアニン色
素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素などのポリ
メチン色素である。本発明で好ましく用いられるポリメ
チン色素としては、例えば、特開平11−35836
号、特開平11−67285号、特開平11−8691
6号、特開平11−97725号、特開平11−158
395号、特開平11−163378号、特開平11−
214730号、特開平11−214731号、特開平
11−238905号、特開2000−26487号、
欧州特許892411号、同911841号及び同99
1092号の各明細書に記載の色素が挙げられる。好ま
しいメチン色素の具体例を以下に示す。
【0102】
【化15】
【0103】
【化16】
【0104】(4)半導体微粒子への色素の吸着 半導体微粒子に色素を吸着させるには、色素の溶液中に
良く乾燥した半導体微粒子層を有する導電性支持体を浸
漬するか、色素の溶液を半導体微粒子層に塗布する方法
を用いることができる。前者の場合、浸漬法、ディップ
法、ローラ法、エアーナイフ法等が使用可能である。浸
漬法の場合、色素の吸着は室温で行ってもよいし、特開
平7−249790号に記載されているように加熱還流
して行ってもよい。また後者の塗布方法としては、ワイ
ヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン
法、カーテン法、スピン法、スプレー法等がある。色素
を溶解する溶媒として好ましいのは、例えば、アルコー
ル類(メタノール、エタノール、t−ブタノール、ベン
ジルアルコール等)、ニトリル類(アセトニトリル、プ
ロピオニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等)、
ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、
ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等)、
エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
等)、ジメチルスルホキシド、アミド類(N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド等)、
N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジ
ノン、3−メチルオキサゾリジノン、エステル類(酢酸
エチル、酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエチ
ル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン類(ア
セトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化水
素(へキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン等)
やこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0105】色素の全吸着量は、多孔質半導体電極基板
の単位表面積(1m2)当たり0.01〜100mmo
lが好ましい。また色素の半導体微粒子に対する吸着量
は、半導体微粒子1g当たり0.01〜1mmolの範
囲であるのが好ましい。前記範囲の色素吸着量とするこ
とにより半導体における増感効果が十分に得られる。こ
れに対し、色素が少なすぎると増感効果が不十分とな
り、また色素が多すぎると半導体に付着していない色素
が浮遊し、増感効果を低減させる原因となる。色素の吸
着量を増大させるためには、吸着前に加熱処理を行うの
が好ましい。加熱処理後、半導体微粒子表面に水が吸着
するのを避けるため、常温に戻さずに、半導体電極基板
の温度が60〜150℃の間で素早く色素の吸着操作を
行うのが好ましい。また、色素間の凝集などの相互作用
を低減する目的で、無色の化合物を色素に添加し、半導
体微粒子に共吸着させてもよい。この目的で有効な化合
物は界面活性な性質、構造をもった化合物であり、例え
ば、カルボキシル基を有するステロイド化合物(例えば
ケノデオキシコール酸)や下記の例のようなスルホン酸
塩類が挙げられる。
【0106】
【化17】
【0107】未吸着の色素は、吸着後速やかに洗浄によ
り除去するのが好ましい。湿式洗浄槽を使い、アセトニ
トリル等の極性溶剤、アルコール系溶剤のような有機溶
媒で洗浄を行うのが好ましい。色素を吸着した後にアミ
ン類や4級塩を用いて半導体微粒子の表面を処理しても
よい。好ましいアミン類としては、ピリジン、4−t−
ブチルピリジン及びポリビニルピリジン等が挙げられ、
好ましい4級塩としては、テトラブチルアンモニウムヨ
ージド及びテトラヘキシルアンモニウムヨージド等が挙
げられる。これらが液体の場合はそのまま用いてもよい
し、有機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0108】(C)電荷輸送層 電荷輸送層は、色素の酸化体に電子を補充する機能を有
する電荷輸送材料を含有する層である。この電荷輸送層
に用いることのできる代表的な電荷輸送材料の例として
は、(i)イオン輸送材料として、酸化還元対のイオン
が溶解した溶液(電解液)、酸化還元対の溶液をポリマ
ーマトリクスのゲルに含浸したいわゆるゲル電解質、酸
化還元対イオンを含有する溶融塩電解質、さらには固体
電解質が挙げられる。また、イオンがかかわる電荷輸送
材料のほかに、(ii)固体中のキャリアー移動がかかわ
る電荷輸送材料として、電子輸送材料や正孔(ホール)
輸送材料を用いることもできる。本発明では、この電荷
輸送層に本発明の電解質組成物を使用するが、これ以外
の上記電荷輸送材料を併用することもできる。
【0109】(1)電荷輸送層の形成 電荷輸送層の形成方法に関しては2通りの方法が考えら
れる。1つは感光層の上に先に対極を貼り合わせてお
き、その間隙に液状の電荷輸送層を挟み込む方法であ
る。もう1つは感光層上に直接、電荷輸送層を付与する
方法で、対極はその後付与することになる。
【0110】前者の場合、電荷輸送層の挟み込み方法と
して、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセス、
又は常圧より低い圧力にして間隙の気相を液相に置換す
る真空プロセスを利用できる。
【0111】後者の場合、湿式の電荷輸送層においては
未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置
を施すことになる。またゲル電解質の場合には、湿式で
塗布して重合等の方法により固体化する方法があり、そ
の場合には乾燥、固定化した後に対極を付与することも
できる。電解液のほか湿式有機正孔輸送材料やゲル電解
質を付与する方法としては、前述の半導体微粒子層や色
素の付与と同様の方法を利用できる。
【0112】(D)対極 対極は前記の導電性支持体と同様に、導電性材料からな
る対極導電層の単層構造でもよいし、対極導電層と支持
基板から構成されていてもよい。対極導電層に用いる導
電材としては、金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミ
ニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素、又は導
電性金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、フッ素
ドープ酸化スズ等)が挙げられる。この中でも白金、
金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウムを対極導電層
として好ましく使用することができる。対極の好ましい
支持基板の例は、ガラス又はプラスチックであり、これ
に上記の導電剤を塗布又は蒸着して用いる。対極導電層
の厚さは特に制限されないが、3nm〜10μmが好ま
しい。対極導電層の表面抵抗は低い程よい。好ましい表
面抵抗の範囲としては50Ω/□以下であり、さらに好
ましくは20Ω/□以下である。
【0113】導電性支持体と対極のいずれか一方又は両
方から光を照射してよいので、感光層に光が到達するた
めには、導電性支持体と対極の少なくとも一方が実質的
に透明であればよい。発電効率の向上の観点からは、導
電性支持体を透明にして、光を導電性支持体側から入射
させるのが好ましい。この場合、対極は光を反射する性
質を有するのが好ましい。このような対極としては、金
属又は導電性の酸化物を蒸着したガラス又はプラスチッ
ク、あるいは金属薄膜を使用できる。
【0114】対極は、電荷輸送層上に直接導電材を塗
布、メッキ又は蒸着(PVD、CVD)するか、対極導
電層を有する基板の対極導電層側を貼り付ければよい。
また、導電性支持体の場合と同様に、特に対極が透明の
場合には、対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用い
るのが好ましい。なお、好ましい金属リードの材質及び
設置方法、金属リード設置による入射光量の低下等は、
導電性支持体の場合と同じである。
【0115】(E)その他の層 対極と導電性支持体の短絡を防止するため、予め導電性
支持体と感光層との間に緻密な半導体の薄膜層を下塗り
層として塗設しておくことが好ましく、電荷輸送層に電
子輸送材料や正孔輸送材料を用いる場合は、特に有効で
ある。下塗り層として好ましいのはTiO2、SnO2
Fe23、WO3、ZnO、Nb25であり、さらに好
ましくはTiO2である。下塗り層は、例えばElectroch
im.Acta40,643-652(1995)に記載されているスプレーパ
イロリシス法の他、スパッタ法等により塗設することが
できる。下塗り層の好ましい膜厚は5〜1000nmで
あり、10〜500nmがさらに好ましい。
【0116】また、電極として作用する導電性支持体と
対極の一方又は両方の外側表面、導電層と基板の間又は
基板の中間に、保護層、反射防止層等の機能性層を設け
てもよい。これらの機能性層の形成には、その材質に応
じて塗布法、蒸着法、貼り付け法等を用いることができ
る。
【0117】本発明の光電気化学電池は、前記した各々
の構成物の劣化や内容物の揮散を防止するために、側面
をポリマーや接着剤等で密封するのが好ましい。
【0118】本発明の光電気化学電池は、基本的に前記
光電変換素子と同様の構成であり、前記光電変換素子を
リード線等を介して外部回路に接続し、外部回路で仕事
をさせるように構成したものである。前記導電性支持体
及び前記対極にリード線等を介して接続される外部回路
自体は、公知のものを使用できる。また、本発明の光電
気化学電池は、従来の太陽電池モジュールと基本的には
同様のモジュール構造をとり得る。前記太陽電池モジュ
ールは、一般的には金属、セラミック等の支持基板の上
にセルが構成され、その上を充填樹脂や保護ガラス等で
覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとる
が、支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上
にセルを構成してその透明の支持基板側から光を取り込
む構造とすることも可能である。具体的には、スーパー
ストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティン
グタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリ
コン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構
造等が知られており、本発明の光電気化学電池も使用目
的や使用場所及び環境により、適宜これらのモジュール
構造を選択できる。具体的には、特開2000−268
892号公報に記載の構造や態様を適用することが好ま
しい。
【0119】[非水二次電池]以下に、本発明の電解質
組成物を利用した本発明の非水二次電池について説明す
る。本発明の非水二次電池は、本発明の電解質組成物を
含むことを特徴とする。本発明の非水二次電池は、本発
明の電解質組成物を含有しているので、容量を大きく低
下させることなく、優れたサイクル性を示す。
【0120】本発明の電解質組成物を非水二次電池に用
いる場合、正極活物質は可逆的にリチウムイオンを挿入
・放出できる遷移金属酸化物でもよいが、特にリチウム
含有遷移金属酸化物が好ましい。本発明で用いられる好
ましいリチウム含有遷移金属酸化物正極活物質として
は、リチウム含有Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、
Ni、Cu、Mo、Wを含む酸化物が挙げられる。また
リチウム以外のアルカリ金属(周期律表の第1(IA)
族、第2(IIA)族の元素)、及び/又はAl、Ga、
In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bな
どを混合してもよい。混合量は遷移金属に対して0〜3
0mol%が好ましい。
【0121】本発明で用いられるより好ましいリチウム
含有遷移金属酸化物正極活物質としては、リチウム化合
物/遷移金属化合物(ここで遷移金属とは、Ti、V、
Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Wから選ばれる
少なくとも1種)の合計のモル比が0.3〜2.2にな
るように混合して合成することが好ましい。
【0122】本発明で用いられる特に好ましいリチウム
含有遷移金属酸化物正極活物質としては、リチウム化合
物/遷移金属化合物(ここで遷移金属とは、V、Cr、
Mn、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1種)
の合計のモル比が0.3〜2.2になるように混合して
合成することが好ましい。
【0123】本発明で用いられる特に好ましいリチウム
含有遷移金属酸化物正極活物質は、Lig32(M3
Co、Ni、Fe及びMnから選ばれる1種以上、g=
0〜1.2)を含む材料、又はLih4 24(M4はM
n、h=0〜2)で表されるスピネル構造を有する材料
であり、M3及びM4としては遷移金属以外にAl、G
a、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P又
はBなどを混合してもよい。混合量は遷移金属に対して
0〜30mol%が好ましい。
【0124】本発明で用いられる最も好ましいリチウム
含有遷移金属酸化物正極活物質としては、LigCo
2、LigNiO2、LigMnO2、LigCojNi
(1-j)2、LihMn24(ここでg=0.02〜1.
2、j=0.1〜0.9、h=0〜2)が挙げられる。
ここで、上記のg値は、充放電開始前の値であり、充放
電により増減する。
【0125】正極活物質は、リチウム化合物と遷移金属
化合物を混合、焼成する方法や溶液反応など、公知の方
法により合成することができるが、特に焼成法が好まし
い。
【0126】本発明で用いる正極活物質の平均粒子サイ
ズは特に限定されないが、0.1〜50μmが好まし
い。比表面積としては特に限定されないが、BET法で
0.01〜50m2/gが好ましい。また正極活物質5
gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄み液のpHと
しては7以上12以下が好ましい。
【0127】所定の粒子サイズにするには、よく知られ
た粉砕機や分級機を用いることができる。例えば、乳
鉢、ボールミル、振動ボールミル、振動ミル、衛星ボー
ルミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩
などが用いられる。焼成によって得られた正極活物質
は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて
洗浄した後使用してもよい。
【0128】本発明で用いられる負極活物質の一つは、
リチウムの吸蔵放出が可能な炭素質材料である。炭素質
材料とは、実質的に炭素からなる材料である。例えば、
石油ピッチ、天然黒鉛、気相成長黒鉛等の人造黒鉛、及
びPAN系の樹脂やフルフリルアルコール樹脂等の各種
の合成樹脂を焼成した炭素質材料を挙げることができ
る。さらに、PAN系炭素繊維、セルロース系炭素繊
維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA
系炭素繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維、活
性炭素繊維等の各種炭素繊維類、メソフェーズ微小球
体、グラファイトウィスカー、平板状の黒鉛等を挙げる
こともできる。これらの炭素質材料は、黒鉛化の程度に
より難黒鉛化炭素材料と黒鉛系炭素材料に分けることも
できる。また炭素質材料は、特開昭62−22066号
公報、特開平2−6856号公報、同3−45473号
公報に記載される面間隔や密度、結晶子の大きさを有す
ることが好ましい。炭素質材料は、単一の材料である必
要はなく、特開平5−90844号公報記載の天然黒鉛
と人造黒鉛の混合物、特開平6−4516号公報記載の
被覆層を有する黒鉛等を用いることもできる。
【0129】本発明に使用可能な負極活物質の他の例と
しては、酸化物、及び/又はカルコゲナイドが挙げられ
る。特に非晶質酸化物、及び/又はカルコゲナイドが好
ましい。ここでいう「非晶質」とはCuKα線を用いた
X線回折法で2θ値で20°から40°の領域に頂点を
有するブロードな散乱帯を有する物であり、結晶性の回
折線を有してもよい。好ましくは2θ値で40°以上7
0°以下に見られる結晶性の回折線のうち最も強い強度
が、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロード
な散乱帯の頂点の回折線強度の100倍以下であり、さ
らに好ましくは5倍以下であり、特に好ましくは、結晶
性の回折線を有さないことである。
【0130】本発明では中でも半金属元素の非晶質酸化
物、及び/又はカルコゲナイドが好ましく、周期律表第
13(IIIB)族〜15(VB)族の元素、Al、G
a、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Biの単独あるい
はそれらの2種以上の組み合わせからなる酸化物、カル
コゲナイドが選ばれる。
【0131】例えば、Ga23、SiO、GeO、Sn
O、SnO2、PbO、PbO2、Pb23、Pb24
Pb34、Sb23、Sb24、Sb25、Bi23
Bi 24、SnSiO3、GeS、SnS、SnS2、P
bS、PbS2、Sb23、Sb25、SnSiS3など
が好ましい。また、これらは、酸化リチウムとの複合酸
化物、例えば、Li2SnO2であってもよい。
【0132】本発明における負極材料においては、S
n、Si、Geを中心とする非晶質酸化物がさらに好ま
しく、中でも下記一般式(V)で表される非晶質酸化物
であることが好ましい。 一般式(V) SnM1 d2 ef 一般式(V)中、M1は、Al、B、P及びGeから選
ばれる少なくとも一種以上の元素を表し、M2は周期律
表第1(IA)族元素、第2(IIA)族元素、第3(II
IA)族元素及びハロゲン元素から選ばれる少なくとも
一種以上の元素を表し、dは0.2以上2以下の数字、
eは0.01以上1以下の数字で0.2<d+e<2、
fは1以上6以下の数字を表す。
【0133】Snを主体とする非晶質酸化物としては、
例えば次の化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限
定されるわけではない。 C−1 SnSiO3 C−2 Sn0.8Al0.20.30.2Si0.53.6 C−3 SnAl0.40.5Cs0.10.53.65 C−4 SnAl0.40.5Mg0.10.53.7 C−5 SnAl0.40.4Ba0.080.43.28 C−6 SnAl0.40.5Ba0.08Mg0.080.3
3.26 C−7 SnAl0.10.2Ca0.10.1Si0.5
3.1 C−8 SnAl0.20.4Si0.42.7 C−9 SnAl0.20.1Mg0.10.1Si0.5
2.6 C−10 SnAl0.30.40.2Si0.53.55 C−11 SnAl0.30.40.5Si0.54.3 C−12 SnAl0.10.10.3Si0.63.25 C−13 SnAl0.10.1Ba0.20.1Si0.6
2.95 C−14 SnAl0.10.1Ca0.20.1Si0.6
2.95 C−15 SnAl0.40.2Mg0.1Si0.63.2 C−16 SnAl0.10.30.1Si0.53.05 C−17 SnB0.10.50.1SiO3.65 C−18 SnB0.50.1Mg0.10.53.05
【0134】本発明における非晶質酸化物、及び/又は
カルコゲナイトは、焼成法、溶液法のいずれの方法も採
用することができるが、焼成法がより好ましい。焼成法
では、それぞれ対応する元素の酸化物、カルコゲナイト
あるいは化合物をよく混合した後、焼成して非晶質酸化
物及び/又はカルコゲナイトを得るのが好ましい。これ
らは、既に公知の方法により作製できる。
【0135】本発明に用いられる負極材料の平均粒子サ
イズは0.1〜60μmが好ましい。所定の粒子サイズ
にするには、よく知られた粉砕機や分級機が用いられ
る。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボー
ルミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型
ジェットミルや篩などが用いられる。粉砕時には水、あ
るいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も
必要に応じて行うことができる。所望の粒径とするため
には分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に
限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いる
ことができる。分級は乾式、湿式ともに用いることがで
きる。
【0136】本発明において、Sn、Si、Geを中心
とする非晶質酸化物負極材料に併せて用いることができ
る負極材料としては、リチウムイオン又はリチウム金属
を吸蔵・放出できる炭素材料や、リチウム、リチウム合
金、リチウムと合金可能な金属が挙げられる。
【0137】本発明に用いられる電極合剤には、導電
剤、結着剤やフィラーなどの他に、非プロトン性有機溶
媒が添加される。
【0138】前記導電剤は、構成された電池において、
化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でもよ
い。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛
など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラ
ック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(銅、ニ
ッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−148554
号)など)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体
(特開昭59−20971号)などの導電性材料を1種
又はこれらの混合物として含ませることができる。黒鉛
とアセチレンブラックの併用が特に好ましい。その添加
量は、1〜50質量%が好ましく、特に2〜30質量%
が好ましい。カーボンや黒鉛では、2〜15質量%が特
に好ましい。
【0139】本発明では電極合剤を保持するための結着
剤を用いることができる。結着剤の例としては、多糖
類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマーなどが
挙げられる。好ましい結着剤としては、でんぷん、カル
ボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセル
ロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸Na、
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸Na、ポリビニルフェ
ノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、
ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレ
ート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマ
ー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘ
キサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド
−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重
合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化
EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メ
タ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸
エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アク
リロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエ
ステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素
ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタ
ン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネ
ートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あ
るいはサスペンジョンを挙げることができる。特にポリ
アクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチル
セルロース、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビ
ニリデンが好ましく挙げられる。これらの結着剤は単独
又は混合して用いることができる。結着剤の添加量が少
ないと電極合剤の保持力・凝集力が弱い。多すぎると電
極体積が増加し電極単位体積あるいは単位質量あたりの
容量が減少する。このような理由で結着剤の添加量は1
〜30質量%が好ましく、特に2〜10質量%が好まし
い。
【0140】前記フィラーは、構成された電池におい
て、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用
いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊
維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されない
が、0〜30質量%が好ましい。
【0141】本発明の電解質組成物は、安全性確保のた
めにセパレーターと併用して使用することが可能であ
る。安全性確保のため併用されるセパレーターは、80
℃以上で上記の隙間を閉塞して抵抗を上げ、電流を遮断
する機能を持つことが必要であり、閉塞温度が90℃以
上180℃以下であることが好ましい。
【0142】セパレーターの孔の形状は通常円形や楕円
形で、大きさは0.05〜30μmであり、0.1〜2
0μmが好ましい。さらに延伸法、相分離法で作った場
合のように、棒状や不定形の孔であってもよい。これら
の隙間の占める比率すなわち気孔率は20〜90%であ
り、35〜80%が好ましい。
【0143】これらのセパレーターは、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどの単一の材料であっても、2種以上
の複合化材料であってもよい。特に孔径、気孔率や孔の
閉塞温度などを変えた2種以上の微多孔フィルムを積層
したものが特に好ましい。
【0144】正・負極の集電体としては、構成された電
池において化学変化を起こさない電子伝導体が用いられ
る。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス
鋼、ニッケル、チタンなどの他に、アルミニウムやステ
ンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは
銀を処理させたものが好ましく、特に好ましいのはアル
ミニウム、アルミニウム合金である。負極の集電体とし
ては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好まし
く、特に好ましいのは銅および銅合金である。
【0145】集電体の形状は、通常フィルムシート状の
ものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス
体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いるこ
とができる。厚みは、特に限定されないが、1〜500
μmである。また、集電体表面は、表面処理により凹凸
を付けることも望ましい。
【0146】電池の形状はシート、角、シリンダーなど
いずれにも適用できる。正極活物質や負極材料の合剤
は、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、
主に用いられる。塗布方法としては、例えば、リバース
ロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ
法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、
バー法、ディップ法及びスクイーズ法を挙げることがで
きる。その中でもブレード法、ナイフ法及びエクストル
ージョン法が好ましい。塗布は、0.1〜100m/分
の速度で実施されることが好ましい。この際、合剤の溶
液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定するこ
とにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができ
る。塗布は、片面ずつ逐時でも両面同時でもよい。
【0147】また、塗布は連続でも間欠でもストライプ
でもよい。その塗布層の厚み、長さや巾は、電池の形状
や大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みは、
ドライ後の圧縮された状態で、1〜2000μmが好ま
しい。
【0148】電極シート塗布物の乾燥及び脱水方法は、
熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単
独あるいは組み合わせた方法を用いることできる。乾燥
温度は80〜350℃の範囲が好ましく、特に100〜
250℃の範囲が好ましい。含水量は、電池全体で20
00ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や電解
質ではそれぞれ500ppm以下にすることが好まし
い。シートのプレス法は、一般に採用されている方法を
用いることができるが、特にカレンダープレス法が好ま
しい。プレス圧は、特に限定されないが、0.2〜3t
/cm2が好ましい。カレンダープレス法のプレス速度
は0.1〜50m/分が好ましく、プレス温度は室温〜
200℃が好ましい。正極シートに対する負極シート幅
の比は、0.9〜1.1が好ましく、0.95〜1.0
が特に好ましい。正極活物質と負極材料の含有量比は、
化合物種類や合剤処方により異なる。
【0149】正・負の電極シートをセパレーターを介し
て重ね合わせた後、そのままシート状電池に加工した
り、折りまげた後角形缶に挿入し、缶とシートを電気的
に接続した後、本発明の電解質組成物を注入し、封口板
を用いて角形電池を形成する。また、正・負の電極シー
トをセパレーターを介して重ね合わせ巻いた後、シリン
ダー状缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続した後、
本発明の電解質組成物を注入し、封口板を用いてシリン
ダー電池を形成する。この時、安全弁を封口板として用
いることができる。安全弁の他、従来から知られている
種々の安全素子を備えつけてもよい。例えば、過電流防
止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子など
が用いられる。
【0150】また、安全弁のほかに電池缶の内圧上昇の
対策として、電池缶に切込を入れる方法、ガスケット亀
裂方法、封口板亀裂方法あるいはリード板との切断方法
を利用することができる。また、充電器に過充電や過放
電対策を組み込んだ保護回路を具備させるか、あるいは
独立に接続させてもよい。
【0151】また、過充電対策として、電池内圧の上昇
により電流を遮断する方式を具備することができる。こ
のとき、内圧を上げる化合物を合剤あるいは電解質に含
ませることができる。内圧を上げるために用いられる化
合物の例としては、Li2CO3、LiHCO3、Na2
3、NaHCO3、CaCO3、MgCO3などの炭酸塩
などを挙げることができる。
【0152】缶やリード板は、電気伝導性をもつ金属や
合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、チ
タン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの金
属あるいはそれらの合金が用いられる。
【0153】キャップ、缶、シート、リード板の溶接法
は、公知の方法(例えば、直流又は交流の電気溶接、レ
ーザー溶接、超音波溶接)を用いることができる。封口
用シール剤は、アスファルトなどの従来から知られてい
る化合物や混合物を用いることができる。
【0154】本発明の非水二次電池の用途は、特に限定
されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノート
パソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子
ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、
ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、
携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、
ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、
ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トラ
ンシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テ
ープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリー
カードなどが挙げられる。その他民生用として、自動
車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機
器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメ
ラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機な
ど)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用とし
て用いることができる。また、太陽電池と組み合わせる
こともできる。
【0155】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 −例示化合物P−5の合成例− 下記合成スキームにより、例示化合物P−5を合成し
た。
【0156】
【化18】
【0157】中間体M−1の合成 マロン酸ジメチル;58.1g(439mmol)をメ
タノールに溶解し、ナトリウムメトキシドのメタノール
28%溶液;88mlを加え、1−ブロモデカン97.
2g(439mmol)を1時間かけて滴下した後、8
時間還流した。反応混合物を希塩酸に注ぎ中和後、酢酸
エチルで抽出した。抽出溶液を硫酸マグネシウムで乾燥
後、減圧濃縮し、残留物を減圧蒸留し、M−1を41g
(399Pa(3mmHg)/82℃の留分)得た。
【0158】中間体M−2の合成 リチウムアルミニウムヒドリド(11g、289mmo
l)を150mlのジエチルエーテルに分散し、室温で
攪拌しながら、上記で得た、M−1(41g、170
mmol)をジエチルエーテル(50ml)に溶解した
溶液を2時間かけて滴下した。滴下後、3時間還流した
後、反応混合物を、希塩酸/氷にゆっくり注ぎ、溶液を
酸性にした後抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾
燥後、減圧下溶媒を留去し、粗生成物31gの油状物を
得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトにて精製
し、M−2、14gを無色の油状物として得た。
【0159】中間体M−4の合成 上記で得たM−2(13.85g、64mmol)とM
−3(6.86g、64mmol)をトルエン(50m
l)に分散し、パラトルエンスルホン酸(12g)を加
え、水を留去しながら5時間加熱還流した。反応混合物
を炭酸カリウム(10g)を加えた水(100ml)に
注ぎ、酢酸エチルで抽出し、抽出液を乾燥後、溶媒を減
圧下留去した。残留物をアセトニトリルで再結晶し、目
的のM−4を結晶として7g得た。
【0160】P−5の合成 上記で得たM−4(5g、16.4mmol)とポリマ
ーM−5(3g)をアセトニトリル(50ml)、ジメ
チルアセトアミド(20ml)に分散し、80℃で10
時間反応させた。反応混合物から減圧下、120℃で溶
媒を留去し、目的物である液晶性側鎖を有するP−5
(7.5g)を得た。
【0161】(実施例1) −光電気化学電池− 1−1.二酸化チタン分散液の調製 内側をテフロン(登録商標)コーティングした内容積2
00mlのステンレス製ベッセルに二酸化チタン(日本
アエロジル社Degussa P−25)15g、水4
5g、分散剤(アルドリッチ社製、Triton X−
100)1g、直径0.5mmのジルコニアビーズ(ニ
ッカトー社製)30gを入れ、サンドグラインダーミル
(アイメックス社製)を用いて1500rpmにて2時
間分散した。分散物からジルコニアビーズをろ過して除
いた。この場合の二酸化チタンの平均粒径は2.5μm
であった。このときの粒径はMALVERN社製マスタ
ーサイザーにて測定したものである。
【0162】1−2.色素を吸着したTiO2電極(電
極A)の作製 フッ素をドープした酸化スズをコーティングした導電性
ガラス(旭硝子製TCOガラス−Uを20mm×20m
mの大きさに切断加工したもの)の導電面側にガラス棒
を用いて上記の分散液を塗布した。この際導電面側の一
部(端から3mm)に粘着テープを張ってスペーサーと
し、粘着テープが両端に来るようにガラスを並べて一度
に8枚ずつ塗布した。塗布後、粘着テープを剥離し、室
温で1日間風乾した。次に、このガラスを電気炉(ヤマ
ト科学製マッフル炉FP−32型)に入れ、450℃に
て30分間焼成した。このガラスを取り出し冷却した
後、色素R−1のエタノール溶液(3×10-4モル/リ
ットル)に3時間浸漬した。色素の染着したガラスを4
−tert−ブチルピリジンに15分間浸漬した後、エ
タノールで洗浄し自然乾燥させた。このようにして得ら
れる感光層の厚さは10μmであり、半導体微粒子の塗
布量は20g/m2とした。なお、導電性ガラスの表面
抵抗は約30Ω/□であった。
【0163】1−3.光電気化学電池の作製 上述のようにして作製した色増感されたTiO2電極基
板(1cm×1cm)に、表1従って調整した前記特定
の液晶化合物或いは比較化合物を含む電解質組成物(E
−102〜E−113)のアセトニトリル溶液(アセト
ニトリルは組成物と同質量)を塗布し、60℃、減圧下
で、TiO2電極に染み込ませながらアセトニトリルを
留去した。これらの電極に、同じ大きさの白金蒸着ガラ
スを重ね合わせ光電気化学電池(サンプルB−102〜
113)を得た。また、溶媒を用いた電解液(表1のE
−101)は、上記と同じ色素増感されたTiO2電極
基板(2cm×2cm)に、その電極と同じ大きさの白
金蒸着ガラスと重ね合わせた後、両ガラスの隙間に毛細
管現象を利用して電解液を染み込ませ、光電気化学電池
(サンプルB−101)を作製した。
【0164】本実施例により、図2に示したとおり、導
電性ガラス1(ガラス2上に導電層3が設層されたも
の)、感光層4(色素を吸着させたTiO2層)、電解
質層5、対極となる白金層6およびガラス7が順に積層
された光電気化学電池が作製された。
【0165】
【表1】
【0166】
【化19】
【0167】1−4.光電変換効率の測定 500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光をAM1.
5フィルター(Oriel社製)およびシャープカット
フィルター(KenkoL−41)を通すことにより紫
外線を含まない模擬太陽光を発生させ、この光の強度を
100mW/cm2に調整した。
【0168】前述の光電気化学電池の導電性ガラスと白
金蒸着ガラスにそれぞれ、ワニ口クリップを接続し、7
0℃にて、模擬太陽光を照射し、発生した電気を電流電
圧測定装置(ケースレーSMU238型)にて測定し
た。これにより求められた光電気化学電池の開放電圧
(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、形状因子(F
F)[=最大出力/(開放電圧×短絡電流)]、および
変換効率(η)と恒温恒湿(60℃、70%R.H.)
下で、400時間経時した後の短絡電流密度の低下率を
一括して表2に記載した。
【0169】
【表2】
【0170】上記結果から、溶媒を電解液として用いた
光電気化学電池(B−101)は、溶媒が揮発するため
耐久性が非常に悪いことがわかる。また、比較化合物の
溶融塩RE−1、RE−2を用いた電池(B−102、
B−103)、及び液晶性置換基を有しないポリシロキ
サンRE−3を用いた電池(B−104)は経時での劣
化は小さいが光電変換性能が十分ではないことがわか
る。それらに対して、前記特定の液晶化合物を含む電解
質組成物を用いた光電気化学電池は、短絡電流密度、変
換効率等の初期性能、耐久性ともに優れている。このよ
うな効果はいずれの色素を用いた場合にも見られた。
【0171】(実施例2) −リチウム2次電池− 2−1.正極シートの作製 正極活物質として、LiCoO2を43重量部、鱗片状
黒鉛2重量部、アセチレンブラック2重量部、さらに結
着剤としてポリアクリロニトリル3重量部を加え、アク
リロニトリル100重量部を媒体として混練して得られ
たスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔にエクスト
ルージョン式塗布機を使って塗設し、乾燥後カレンダー
プレス機により圧縮成形した後、端部にアルミニウム製
のリード板を溶接し、厚さ95μm、幅54mm×長さ
49mmの正極シートを作製した。
【0172】2−2.負極シートの作製 負極活物質としてメソフェースピッチ系炭素材料(ペト
カ社)を43重量部、導電剤としてアセチレンブラック
2重量部とグラファイト2重量部の割合で混合し、さら
に結着剤としてポリアクリロニトリルを3重量部を加
え、N‐メチルピロリドン100重量部を媒体として混
練して負極合剤スラリーを得た。負極合剤スラリーを厚
さ10μmの銅箔にエクストルージョン式塗布機を使っ
て塗設し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成形し
て厚さ46μm、幅55mm×長さ50mmの負極シー
トを作製した。負極シートの端部にニッケル製のリード
板を溶接した後、露点−40℃以下の乾燥空気中で23
0℃で1時間熱処理した。熱処理は遠赤外線ヒーターを
用いて行った。
【0173】2−3.シート電池の作製 負極シート、正極シートはそれぞれ露点−40℃以下の
乾燥空気中で230℃で30分脱水乾燥した。ドライ雰
囲気中で、幅54mm×長さ49mmの脱水乾燥済み正
極シート、幅60mm×長さ60mmに裁断したセパレ
ータ(ポリエチレン多孔フィルム)および不織布を積層
し、不織布の上に表3に従って調整した組成の電解質
(E−202〜213)を同量のアセトニトリルに溶解
した液を塗布し、50℃で減圧下、アセトニトリルを留
去した。また溶媒を用いた電解液(E−201)は、そ
のままそのまま不織布に染み込ませた。その上に幅55
mm×長さ50mmの脱水乾燥済み負極シートを積層
し、ポリエチレン(50μm)−ポリエチレンテレフタ
レート(50μm)のラミネートフイルムよりなる外装
材を使用し4縁を真空下で熱融着して密閉し、シート型
電池(サンプルB−201〜213)を作製した。
【0174】本実施例により、図3に示したとおり、負
極端子35を備えた負極シート33、高分子固体電解質
32、および正極端子34を備えた正極シート31が順
に積層されたシート型電池が作製された。
【0175】
【表3】
【0176】2−4.電池性能の評価 上記の方法で作製したシート型電池について、電流密度
1.3mA/cm2、充電終止電圧4.2V、放電終止
電圧2.6V、の条件で充放電を30回繰り返し、30
サイクル目における放電容量を求めた。これを同一処方
の5個の電池について調べ、その平均をその電池の容量
とした。このようにして各々の電池の容量を求め、サン
プルB−201に対する相対容量を求めた。また、それ
ぞれの電池の200サイクル目の放電容量を求め、10
サイクル目の放電容量に対する比を計算しサイクル容量
として表した。それぞれの値を表4に示した。
【0177】
【表4】
【0178】上記結果より、前記特定の液晶化合物を含
む電解質は、容量の大きな低下が見られずにサイクル性
を向上させていることがわかる。
【0179】これら実施例より、前記特定の液晶化合物
を用いることで、実質的に揮発せず、かつ電荷輸送性能
に優れた電解質が得られ、これにより、光電変換特性に
優れ、経時での特性劣化が少ない光電気化学電池が得ら
れた。さらに、この電解質は、電池容量を低下させず、
しかもサイクル特性の優れたリチウムイオン伝導材料で
あることがわかる。
【0180】
【発明の効果】以上、本発明によれば、耐久性、イオン
導電率に優れた電解質組成物を提供することができ、さ
らに当該電解質組成物を用いた、耐久性、電気特性(光
電変換特性)に優れた電気化学電池、非水二次電池、及
び光電気化学電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光電変換素子の一例を示す概略構成
図である。
【図2】 実施例2で作製した光電気化学電池の構成を
示す断面図である。
【図3】 実施例3で作製したシート型電池の概略図で
ある。
【符号の説明】 1 導電性ガラス 2 ガラス 3 導電層 4 感光層(色素吸着させたTiO2層) 5 電解質層 6 白金層 7 ガラス 10 光電変換素子 12 導電層 14 下塗り層 16 感光層 18 電荷輸送層 20 対極導電層 24 半導体層 26 基板 28 基板 s 半導体微粒子 d 色素 t 電荷輸送材料 31 正極シート 32 高分子固体電解質 33 負極シート 34 正極端子 35 負極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F051 AA14 GA02 GA03 GA06 5G301 CA30 CD01 5H029 AJ05 AK02 AK03 AL02 AL04 AL06 AL07 AL08 AM03 AM04 AM05 AM06 AM07 AM16 DJ09 EJ04 EJ12 5H032 AA06 AS16 CC11 CC17 EE16 EE20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるポリシロキ
    サン構造を繰り返し単位として有する液晶化合物を含有
    する電解質組成物。 【化1】 [一般式(I)中、Rはアルキル基を表し、Lは単結合
    又は2価の連結基を表す。Aは液晶性置換基を表す。但
    し、液晶性置換基はイオン性の基を有してもよく、その
    場合、液晶性置換基はその対イオンを含む。]
  2. 【請求項2】 前記液晶性置換基が、メソゲン基を含む
    アニオン部位と、その対カチオンからなるカチオン部位
    とで構成される塩であることを特徴とする請求項1記載
    の電解質組成物。
  3. 【請求項3】 前記対カチオンが、アルカリ金属イオン
    であることを特徴とする請求項2に記載の電解質組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記液晶性置換基が、メソゲン基を含む
    カチオン部位と、その対アニオンからなるアニオン部位
    とで構成される塩であることを特徴とする請求項1記載
    の電解質組成物。
  5. 【請求項5】 前記対アニオンが、ヨウ素アニオンと、
    スルホンアミド、ジスルホンイミド、N−アシルスルホ
    ンアミド、カルボン酸、スルホン酸、アルコール、活性
    メチレン、及び活性メチンの解離したアニオンとからな
    る群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の
    電解質組成物。
  6. 【請求項6】 前記液晶化合物が、重合することにより
    得られる高分子液晶化合物であることを特徴とする請求
    項1〜5記載の電解質組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の電解質
    組成物を含むことを特徴とする電気化学電池。
  8. 【請求項8】 導電性支持体上に、請求項1〜6のいず
    れかに記載の電解質組成物を含む電荷輸送層、色素で増
    感された半導体を含む感光層、及び対極を有することを
    特徴とする光電気化学電池。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに記載の電解質
    組成物を含むことを特徴とする非水二次電池。
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