JP2007305324A - 色素増感型太陽電池用電解質及び色素増感型太陽電池 - Google Patents

色素増感型太陽電池用電解質及び色素増感型太陽電池 Download PDF

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Abstract


【課題】溶剤の揮発及び液漏れなどを起こさず、性能の優れた色素増感型太陽電池用電解質、及び本電解質を用いた太陽電池を提供する。
【解決手段】色素増感型態様電池用電解質として、窒素系イオン性セグメントAとシロキサンセグメントBとを含む共重合体と、ヨウ素とを含む電解質であって、前記共重合体のセグメントAが下記式(1)で表される四級化窒素原子含有カチオンのヨウ化物から選択される1種以上からなり、前記セグメントBが下記式2で表されるケイ素原子2個以上を含むポリシロキサン構造を有する化合物を用いる。
Figure 2007305324

Figure 2007305324

【選択図】なし

Description

本発明は色素増感型太陽電池用電解質、それを用いた太陽電池、ならび前記太陽電池の電解質層の形成方法に関するものである。詳細には、シロキサン結合と第四級アンモニウムヨウ化物イオン構造を有する特定化学構造をもつ化合物を含む電解質と、それを用いた色素増感型太陽電池に関する。
増感色素を吸着させた酸化物半導体を電極として用いて構成した太陽電池はすでに公知である。図1はこのような色素増感型太陽電池の一般的な構造の断面図である。図1に示すとおり、ガラス等から選択される基板1上に透明導電膜(透明電極)2が配置され、この透明導電膜2の上に分光増感色素を吸着させた多孔性半導体膜3が形成されている。この透明導電膜2に相対向する位置に間隙をおいて対向電極である導電性基板4が配置され、さらに透明導電膜2と導電性基板4との間に電解質6が配置され且つ側部が封止材5によって封止されている。このタイプの色素増感型太陽電池においては、色素を吸着した多孔質半導体膜3は、代表的なものとしては色素を吸着させた酸化チタン薄膜からなり、この酸化チタン薄膜に吸着されている色素が可視光によって励起され、それによって発生した電子が酸化チタン薄膜中の酸化チタン微粒子に渡されることによって光発電が起こる。
色素増感型太陽電池に用いる電解質としては、これまでに種々の化合物が検討されている。例えば、酸化還元性物質とシロキサン変性アクリルとを含む液状電解質、及び場合によりアミノシランを用いたゲル状電解質(例えば、特許文献1参照)、ポリシロキサンマトリクスに電解液を含むゲル状電解質(例えば、特許文献2参照)、イソシアネート基含有化合物とアミノ基含有化合物とを架橋させて得られる網目構造体に、溶媒に溶解した酸化還元体を含有させたゲル電解質(例えば、特許文献3参照)、及びジシアノアミドアニオンを含むイオン性液体電解質(例えば、特許文献4参照)が公知である。さらに、最近では第四級アンモニウムヨウ化物イオン基を側鎖として有するポリジメチルシロキサンを色素増感型太陽電池に用いることが報告されている(非特許文献1)。
特開2004−281267号公報 特開2002−216861号公報 特開2002−289271号公報 特開2005−85587号公報 W.Liら、Journal of Photochemistry and Photobiology A:Chemistry, 170 (2005) 1-6
上記の従来技術においては、色素増感型太陽電池の電解質は通常、酸化還元性物質を適切な溶剤に溶解して得られる液状電解質であるために、溶剤の揮発及び電解液の液漏れなどの問題が生じるおそれがあり、これが色素増感型太陽電池の耐久性及び信頼性を低くする一因となっていた。
上記特許文献4には、溶剤の揮発による、太陽電池としての性能低下を防止するために不揮発性のイオン性液体を電解質の溶剤として用いることが開示されている。しかし、この場合でも液漏れを完全に防止することは困難であり、また低温においてはイオン性液体の粘度の上昇に伴って電荷輸送効率が低下するという問題が生じる。特許文献1から3のように、高分子電解質を用いることで液状電解質に伴う問題点を解決することも提案されているが、高分子化合物を多孔質半導体の細孔に浸透させることは困難である。また、高分子の原料となるモノマーを多孔質半導体に含浸させて重合しようとする場合は、ヨウ素及びヨウ素イオンなどによる重合反応阻害が生じる場合が多いという問題がある。さらに高分子電解質においては、架橋度を高めると電解質中でのイオン輸送が阻害されるという問題、さらには高分子と半導体表面との接触が不十分になりやすいという問題があった。また、非特許文献1に記載されたポリジメチルシロキサン系化合物は、側鎖として四級化窒素原子含有カチオン官能基を有するため、電解質として用いた場合に電解質のミクロ相分離が起こりやすいという問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、溶剤の揮発及び液漏れなどの液体電解質使用時の問題を解消し、並びに従来の高分子電解質を用いた場合の性能及び製造工程上の問題点を解消できる色素増感型太陽電池用電解質、本電解質を用いた太陽電池、ならびに本電解質を含む電解質層を太陽電池基板上の半導体コーティング層上に形成する方法を提供しようとするものである。
上記問題点を解消するために、本発明は、四級窒素カチオンのヨウ化物とシロキサン構造とを主鎖に有するイオン性高分子と、ヨウ素(I)とを主成分とし、所望によりイオン性又は極性成分を添加した電解質を用いる。
すなわち、本発明の色素増感型太陽電池用電解質は、窒素系イオン性セグメントAとシロキサンセグメントBとを含む共重合体と、ヨウ素とを含む色素増感型太陽電池用電解質であって、前記セグメントAが下記式(1)で表される四級化窒素原子含有カチオンのヨウ化物からなり、前記セグメントBが下記式(2)で表されるケイ素原子2個以上を含むポリシロキサン構造を有するものである。
Figure 2007305324
(式中、Rは置換又は非置換の一価の炭化水素基であり、Rは脂肪族不飽和結合を有しない置換又は非置換の一価の炭化水素基であり;m及びnは2以上の整数を表し;「−」は結合を表し;Iはヨウ素イオンを表す。)
Figure 2007305324
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、脂肪族不飽和結合を有しない置換又は非置換の一価の炭化水素基であり;nは1以上の整数を表し;「−」は結合を表す。)
本発明の色素増感型太陽電池用電解質は、イオン性ヨウ化物及びイオン性液体からなる群から選択され、全電解質重量に対して50重量%以下の量である化合物と、上記色素増感型太陽電池用電解質とを含んでもよい。
本発明はさらに上記電解質を用いた色素増感型太陽電池に関するものであり、本発明の色素増感型太陽電池は、少なくとも1の表面に透明導電膜を備えた透明基板と、透明導電膜に相対向する位置に配置された導電性基板とを有し、透明導電膜と導電性基板との間に、色素を吸着した多孔性半導体層と、電解質とを備えた色素増感型太陽電池であって、
電解質が上記電解質であるものである。
本発明はさらに、上記電解質の形成方法に関するものであり、本発明の色素増感型太陽電池用電解質層の形成方法は、下記式(3)で表される三級アミンセグメントCと下記式(2)で表されるシロキサンセグメントBとを含む共重合体と、下記式(4)で表されるヨウ化炭化水素系化合物及びヨウ素(I)を含む混合物を、色素を吸着させた多孔質半導体層に塗布した後に浸透させることを含む。
Figure 2007305324
(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない置換又は非置換の一価の炭化水素基であり;m及びnは2以上の整数を表し;「−」は結合を表す。)
Figure 2007305324
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、脂肪族不飽和結合を有しない置換又は非置換の一価の炭化水素基であり;nは1以上の整数を表す。)
Figure 2007305324
(式中、R1は置換又は非置換の一価の炭化水素基である。)
本発明では上記の構成により、以下の特徴の少なくとも1つ、最良の場合は全ての効果を得ることができる。
(1)液体をゲル化させて得られる電解質と比較して、溶媒の浸み出しなどの問題を生じない。
(2)低温での柔軟性を有するシロキサン鎖を高分子構造の一部として有するために、低温領域における電荷輸送特性の低下が少ない。
(3)シロキサン鎖は温度及び光に対して安定であるため、長期間太陽光に曝露しても、本発明の電解質は安定であり劣化しにくい。
(本発明の電解質)
本発明の電解質は、四級化窒素原子含有カチオンのヨウ化物(窒素系イオン性セグメントAといい、本明細書中では単にセグメントAとも記す)とシロキサン結合を含む単位(シロキサンセグメントBといい、本明細書中では単にセグメントBとも記す)とを分子骨格に含む共重合体を必須成分として含む。本共重合体は、具体的には上記化学式(1)で表される二価のヨウ化四級アンモニウム塩含有基から選択される窒素系イオン性セグメントAと、上記化学式(2)で表されるシロキサンセグメントBとを含む共重合体である。本共重合体は、さらに任意選択でA及びB以外の共重合単位を、本発明の効果を損ねない範囲で含むことができるが、実質的に窒素系イオン性セグメントA及びシロキサンセグメントBのみからなる共重合体であることが特に好ましい。
上記式(1)及び式(4)において、Rは置換又は非置換の一価の炭化水素基である。かかるRは炭素原子数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基であることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基;ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換アルキル基などが例示される。Rが任意選択で置換基を有する場合の置換基としては、例えば、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基)、アルキルシリル基(好ましくは各アルキル基が独立して炭素数1〜10のアルキル基であるトリアルキルシリル基)、アミノアルキル基(好ましくは各アルキル基が独立して炭素数1〜10のアルキル基であるジアルキルアミノ基)、及びパーフルオロアルキル基(好ましくは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基)を挙げることができる。
上記式(1)及び式(3)において、Rは脂肪族不飽和結合を有しない置換又は非置換の一価の炭化水素基である。かかるRは炭素原子数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基であることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換アルキル基などが例示される。Rが任意選択で置換基を有する場合の置換基としては、例えば、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基)、アルキルシリル基(好ましくは各アルキル基が独立して炭素数1〜10のアルキル基であるトリアルキルシリル基)、アミノアルキル基(好ましくは各アルキル基が独立して炭素数1〜10のアルキル基であるジアルキルアミノ基)、及びパーフルオロアルキル基(好ましくは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基)を挙げることができる。
本発明のセグメントAとセグメントBとを含む共重合体においては、共重合体に含まれる2個以上のセグメントAの間で、R及びRはそれぞれ異なる基であることもできる。特に、R及びRは、メチル基、エチル基及びヘキシル基から選択されることが好ましい。
さらに、上記式(1)において、m及びnは2以上の整数を表すが、特に好ましくは3又は4を表す。
本発明の上記共重合体は、任意選択で、四級化窒素原子含有カチオンのヨウ化物を含む単位としてさらに以下の式(1’)で表される三価のヨウ化四級アンモニウム塩含有基から選択される窒素系イオン性セグメント単位を含み、分岐状構造を有することもできる。
Figure 2007305324
(式中、Rは、上記式(1)及び式(4)において定義したRに同じであり;m、n及びkは2以上の整数を表し;「−」は結合を表し;Iはヨウ素イオンを表す。)
上記式(1)で表される二価のヨウ化四級アンモニウム塩含有基としては、例えば、I- [(C2H5)2N+[(C4H8)-]2]、I- [(C2H5)(CH3)N+[(C3H6)-]2]、I- [(CH3)(C6H13)N+[(C3H6)-]2]が挙げられる。さらに上記式(1’)で表される三価のヨウ化四級アンモニウム塩含有基としては、例えば、I- [(C2H5)N+[(C4H8)-]3]、I- [(CH3)N+[(C3H6)-]3、I- [(C6H13)N+[(C3H6)-]3]が挙げられる。これらのアンモニウム塩を含む各基は、それぞれの対応するアミン含有基を、ヨウ化エチル、ヨウ化メチル、又はヨウ化n−ヘキシルと反応させることで形成できるが、これについてはさらに後述する。
上記式(2)で表されるシロキサンセグメントBにおいて、R及びRはそれぞれ独立して、脂肪族不飽和結合を有しない置換又は非置換の一価の炭化水素基である。かかるR及びRは、炭素原子数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基であることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、パーフルオロアルキル基などのハロゲン置換アルキル基などが例示される。R及びRが任意選択で置換基を有する場合の置換基としては、例えば、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基)、アルキルシリル基(好ましくは各アルキル基が独立して炭素数1〜10のアルキル基であるトリアルキルシリル基)、アミノアルキル基(好ましくは各アルキル基が独立して炭素数1〜10のアルキル基であるジアルキルアミノ基)、及びパーフルオロアルキル基(好ましくは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基)を挙げることができる。
さらに、共重合体に含まれる2個以上のセグメントBの間で、R及びRはそれぞれ異なる基であることもできる。R及びRはメチル基であることが特に好ましい。
さらに、上記式(2)において、nは1以上の整数であり、2以上の整数であることが好ましい。
本発明の上記セグメントAとセグメントBとを含む共重合体は、上記式(3)で表される三級アミンセグメントC(単にセグメントCとも記す)の少なくとも1種以上と、上記式(2)で表されるシロキサンセグメントBとを含む共重合体、又はこれに任意選択により下記式(3’)で表される三価の三級アミンセグメントをさらに含む分岐状共重合体に、上記式(4)で表されるヨウ化炭化水素系化合物RIを反応させることによって得ることができる。
Figure 2007305324
(式中、m、n及びkは2以上の整数を表し;「−」は結合を表す。)
上記セグメントCのうち、上記式(3)に相当するものとしては、例えば、 (C2H5)N[(C4H8)-]2, (C2H5)N[(C3H6)-]2、(CH3)N[(C3H6)-]2挙げられる。また、上記(3’)に相当するものとしては、N[(C4H8)-]3 及びN[(C3H6)-]3を挙げることができる(以上、式中で「−」は結合を表す)。
セグメントCとシロキサンセグメントBとを含む共重合体を製造する方法は特に限定されないが、例えば以下のようにして合成できる。
すなわち、上記式(3)及び所望によりさらに式(3’)の、C2n、C2m及びC2kの末端の2個の炭素原子によりエチレン性不飽和結合が形成されている化学構造を有するジオレフィン含有アミン化合物及び所望によりさらにトリオレフィン含有アミン化合物と、上記式(2)の両末端のSi原子が水素原子を有する化学構造を有するジヒドロシラン化合物とを、ヒドロシリル化反応によって連結させることによって、上記セグメントC及びセグメントBを含む共重合体を得ることができる。この場合、式(3)に対応するジオレフィン含有アミン化合物のみを用いてジヒドロシラン化合物と反応させると直鎖状の共重合体が得られ、さらに式(3’)に対応するトリオレフィン含有アミン化合物を併用することにより、分岐状共重合体を得ることができる。オレフィンとヒドロシランとの間のヒドロシリル化反応は公知であり、例えば、白金系触媒又はラジカル開始剤などを用いることによって容易に行うことができる。白金触媒を用いることが好ましく、テトラメチルジビニルシロキサン白金錯体を用いることが特に好ましい。反応温度及び反応時間は、適宜、好ましい条件を容易に定めることができる。
このようにして得られるセグメントCとシロキサンセグメントBとを含む共重合体をさらにヨウ化炭化水素系化合物であるRIと反応させることにより、上記セグメントAとセグメントBとを含む共重合体が得られる。このとき、セグメントCのモル当量とそれに反応させるRIのモル当量の比は1:1である場合に限られず、適宜所望する割合でRIを用いることができ、それによって得られる電解質の性質を調節することができる。
IのR1基は上述したとおりの置換又は非置換の一価の炭化水素基であり、RIとしては、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、及びヨウ化ヘキシルが特に好ましい。
本発明においては、RIは1種を用いることも、又は2種以上の化合物を併用することもできる。
本発明の電解質は、上述のセグメントC、セグメントB、及びRIの化学構造を変えることによって、様々な化学構造を有するセグメントA及びセグメントBを含む共重合体が得られ、これによってもまた得られる電解質の性質を調節することができる。
本発明の電解質は、色素増感型太陽電池用電解質として特に優れた特性を有するが、実際に太陽電池用電解質として用いる場合は、太陽電池を作製するときに、色素を吸着させた多孔質半導体層上において上記セグメントCとシロキサンセグメントBとを含む共重合体とRIとを反応させることが好ましい。この点については後述する。
上記セグメントAとセグメントBとを含む共重合体とヨウ素とを含む上記電解質には、さらにその他の添加剤を加えることができ、添加剤を適切に選択することによって電解質のさらなる性能向上を図ることができる。たとえば、本電解質にイオン性のヨウ化物を添加し且つ溶解することによって酸化還元対濃度を調節(増加させる)ことができる。また、本電解質に、本電解質を膨潤させうるイオン性液体を添加することにより、本電解質のガラス転移温度を制御し(低下させ)、電解質中のイオン輸送速度を高めることができる。
上記イオン性ヨウ化物としては、ヨウ化リチウム及びヨウ化カリウムなどのアルカリ金属ヨウ化物;ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラn-ブチルアンモニウム、ヨウ化トリn-ブチルメチルアンモニウム、及びヨウ化トリメチルベンジルアンモニウムなどのヨウ化四級アンモニウム;ヨウ化N-メチル-N’-エチルイミダゾリウム、及びヨウ化N-メチル-N’-n-ブチルイミダゾリウムなどのヨウ化N,N’-ジアルキルイミダゾリウム;並びに、ヨウ化N-メチル-ピリジニウム、及びヨウ化N-n-ブチルピリジニウムなどのヨウ化N-アルキルピリジニウムを例示できる。
上記イオン液体としては、四フッ化ホウ素酸N-メチル-N’-エチルイミダゾリウム、六フッ化リン素酸N-メチル-N’-n-ブチルイミダゾリウム、及びN-メチル-N’-n-ブチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドなどのN,N’-ジアルキルミダゾリウム系イオン液体;四フッ化ホウ素酸トリメチルn-ブチルアンモニウム、六フッ化リン素酸メチルエチルピロリジニウム、及びトリメチル(メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドなどの四級アンモニウム系イオン液体;四フッ化ホウ素酸N-メチルピリジニウム、六フッ化リン素酸N-エチルピコリニウム、及びN-メトキシエチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドなどのピリジニウム系イオン液体を例示できる。
本発明の上記共重合体とヨウ素とを含む電解質に、イオン性ヨウ化物及びイオン性液体からなる群から選択される化合物を添加する場合は、得られる混合物が所望する物理的及び化学的特性を有する範囲の量で用いることができ、その量は特に限定されないが、通常はイオン性ヨウ化物及び/又はイオン性液体は、得られる全電解質重量に対して50重量%以下の量で用いることが、所望する特性が得られやすいことから好ましい。
さらに必要に応じて本発明の電解質にはその他の添加剤を添加してもよい。
(色素増感型太陽電池用電解質の基板上での調製方法)
本発明の電解質を用いる色素増感型太陽電池の具体的構成の代表例としては、図1に示した構成(断面図)が挙げられる。図1においては、基板1上に透明電極すなわち透明導電膜2が配置され、この透明導電膜2の上に分光増感色素を吸着させた多孔性半導体層3が形成されている。この色素増感型多孔性半導体層3に相対向する位置に、間隙をおいて対向電極となる導電性基板4が配置され、さらに多孔性半導体層3と導電性基板4との間に電解質6が配置され且つ側部が封止材5によって封止されている。
基板1は、太陽電池分野では通常、透明基板といわれるものであって、太陽電池において光入射側の基板として用いたときに、光電変換に利用される光の波長領域において充分な光透過性を有するものであればよく、特に材料は限定されない。具体的な基板1(透明基板)としては、例えば、ガラス、プラスチック、及び無機物透明結晶体などから選択した材料を用いることができる。
透明導電膜2についてもその材料は特に限定されないが、例えばITO(インジウム−錫酸化物)、SnO、IZO、及びFTOなどから選択される透明導電膜が好ましい。これらの電極の基板上への形成は公知の方法を用いて行うことができ、例えば真空蒸着等の方法で形成可能であり、所望する任意の厚さの透明導電膜2を形成できる。
透明導電膜2の上に多孔性半導体層を形成し、さらに多孔性半導体膜に分光増感色素を吸着させる。
多孔性半導体層は多孔性であることが好ましく、半導体としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、及び硫化カドミウムなどの公知の金属酸化物半導体材料を用いることができる。半導体は多孔性であることが好ましく、粒子状及び膜状などの種々の形態のものを用いることができる。本発明においては、透明導電膜2上に膜状の多孔質半導体層を形成することが特に好ましい。これらの半導体材料は、2種類以上を混合して用いることもできる。これらの中では、光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率の高さ、材料自体の安定性、及び材料の安全性などの点から酸化チタンが特に好ましく、多孔質の酸化チタン(チタニア)が特に好ましい。本発明に用いることのできる酸化チタン半導体の例としては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、及びオルソチタン酸などの種々の酸化チタン、並びに含酸化チタン複合体などが挙げられ、これらから選択した1種類を用いてもよく、2種類以上を併用することもできる。
膜状の多孔性半導体を透明導電膜2上に形成する方法としては、公知の方法を使用することができる。具体的には、(1)透明導電膜2上に半導体粒子を含有する懸濁液を塗布し、乾燥・焼成する方法、(2)透明導電膜2上に、所望の原料ガスを用いてCVD法又はMOCVD法などを使用して半導体膜を成膜する方法、(3)固体半導体を用いたPVD法、蒸着法、及びスパッタリング法などにより、又はゾル−ゲル法などにより半導体膜を形成する方法、及び、(4)電気化学的酸化還元反応により形成する方法などが挙げられる。
多孔性半導体層の膜厚は、特に限定されるものではないが、膜の光透過性及び得られる太陽電池の光−電気エネルギー変換効率を高めるために、0.5〜20μm程度が好ましい。またエネルギー変換効率を向上させるためには、多孔性半導体に、後述する色素をより多く吸着させることが必要である。このために、多孔性半導体の比表面積が大きいことが好ましく、10〜200m/g程度、又はそれ以上の比表面積を有するものが好ましい。
粒子状の多孔質半導体を透明導電膜2上に塗布し、乾燥及び焼成する場合は、粒子状の半導体としては、市販されているものから適切な平均粒径、例えば1nm〜500nm程度の平均粒径を有するものを用いることが好ましい。多孔質半導体粒子は、一種又は二種以上を併用してもよい。粒子状の化合物半導体なども用いることができる。粒子状の多孔質半導体を溶媒に懸濁し、透明導電膜2上に塗布し、さらに乾燥及び焼成する。半導体微粒子を懸濁させるために用いる溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのグライム系溶媒、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒、イソプロピルアルコール/トルエンなどの混合溶媒、及び水などが挙げられる。
透明導電膜2上に塗布した粒子状多孔質半導体の乾燥及び焼成は、用いる基板や半導体粒子の種類に応じて、温度、時間、及び雰囲気ガスなどを適宜好ましい条件に調整して行う。一般的な例では、大気下又は不活性ガス雰囲気下、50〜800℃程度の温度範囲で、10秒から12時間程度、乾燥及び焼成を行う。この乾燥及び焼成は、単一の温度で1回のみ行ってもよく、又は温度を変えて2回以上行うこともできる。
こうして形成した多孔性半導体層に分光増感色素(以下、単に「色素」とも記す。)を吸着させる。多孔性半導体層上に色素を吸着させる方法としては、例えば多孔性半導体層に、色素を含む溶液を塗布する方法、及び多孔質半導体層を形成した基板1を、色素を含む溶液に浸漬する方法などが挙げられる。
分光増感色素として用いることができる色素は、可視光領域及び/又は赤外光領域に吸収を有し、且つ、多孔質半導体層に強く吸着させるために、色素分子中にカルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、及びホスホニル基などからなる群から選択される「インターロック基」を有するものが好ましい。
インターロック基は、励起状態の色素と多孔質半導体の導電帯との間の電子移動を容易にする電気的結合をもたらすものである。これらインターロック基を含有する色素としては、例えば、ルテニウムビピリジン系色素、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、及びナフタロシアニン系色素などが挙げられる。
色素を溶解するための溶媒の例としては、エタノールなどのアルコール系、アセトンなどのケトン系、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルなどの窒素化合物、クロロホルムなどのハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、並びに酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。
溶液中の色素濃度は、用いる色素の種類及び溶媒の種類により適宜好ましい濃度に調整することができ、多孔質半導体層への色素の吸着力を向上させるためには、ある程度高濃度である方が好ましい。色素の濃度は、例えば、5×10−5モル/リットル以上の濃度であることが好ましい。
浸漬法によって色素を多孔質半導体層に吸着させる場合は、色素を含む溶液中に多孔質半導体層を浸漬するときの溶液温度及び雰囲気の温度及び圧力は特に限定されず、例えば温度は室温程度、かつ圧力は大気圧下が挙げられ、浸漬時間は、用いる色素、溶媒の種類、及び溶液の濃度などにしたがって適宜調整して、充分な量の色素を多孔質半導体層に吸着させることが好ましい。なお、多孔質半導体層への色素の吸着を効果的に行うには加熱下にて色素溶液中に多孔質半導体層を浸漬することが好ましい。
[本発明の電解質層の形成方法]
色素増感型太陽電池に用いる本発明の電解質は、上記セグメントAと上記セグメントBとを含む共重合体とヨウ素とを含む電解質と、所望により任意選択でさらにイオン性ヨウ化物及びイオン性液体からなる群から選択された化合物とを含有するものであることが好ましい。本電解質を含む層を上記多孔質半導体層上に形成させる方法としては、上記式(3)で表される三級アミンセグメントCの1種以上と上記セグメントBとを含む共重合体と、上記式(4)で表されるヨウ化炭化水素系化合物(RI)及びヨウ素(I)とを含み、さらに任意選択でイオン性ヨウ化物及びイオン性液体からなる群から選択された化合物とを含んでもよい混合物を、上述した色素を吸着させた多孔質半導体層3に塗布などによって適用し、浸透させた後に加熱処理する方法が好ましい。この場合、前記混合物を、アセトニトリルなどの揮発性極性溶剤に溶解し、得られる溶液を、色素を吸着させた多孔質半導体層3上にキャスト法などの公知の方法でコーティングし、さらに溶剤を除去して、多孔質半導体層上で電解質6の層を形成させることができる。このとき、ヨウ素は溶剤除去後に電解質層に添加することができる。溶剤の除去は、減圧及び/又は加熱することによって迅速に行うことができる。この方法を用いることにより、電解質が多孔質半導体層に浸透し、電解質と多孔質半導体との間の良好な密着状態が得られる。
特に、RIと反応させた場合にアルキル化反応速度が比較的遅い三級アミン官能基を有する三級アミンセグメントCとシロキサンセグメントBとを含む共重合体と、ヨウ化炭化水素系化合物(RI)及びヨウ素を含み、そして任意選択でイオン性ヨウ化物及びイオン液体からなる群から選択される化合物を含んでもよい混合物を、基板1上に形成された色素処理済み多孔質半導体層3上に塗布し、その上に導電性基板(対極)4を貼り合わせた後、加熱することによって、三級アミン官能基の四級化反応を行うことが好ましい。この方法を用いることによって、多孔質半導体への浸透性と導電性基板表面への密着性に優れた色素増感型太陽電池用電解質層をその場で作製する事ができる。
色素増感型太陽電池用電解質として好ましい特性を得るために、本発明の電解質にさらにイオン性ヨウ化物及びイオン性液体からなる群から選択された化合物を用いる場合には、その量は全電解質重量に対して50重量%以下であることが好ましい。
以上のようにして形成した電解質6の層の上には上述のように対向電極となる導電性基板4を配置するが、導電性基板4の材料は特に限定されず、当分野で公知の材料を用いることができる。電解質層と接する導電性基板4の面には、腐食性の低い導電性材料、例えば、白金膜を配置してもよい。
さらに、このようにして得られた、基板1と導電性基板4とこれら基板に挟まれた電解質6とを有する構成体の周囲を封止剤5で封止することが好ましい。用いる封止剤5は特に限定されず、当技術分野で公知の材料、例えばエポキシ樹脂などを用いることができる。
本発明の代表的な構成を有する色素増感型太陽電池においては、色素を吸着させた多孔質半導体層3は、通常、色素を吸着させた多孔質の酸化チタン薄膜である。基板1及び透明導電膜2を透過してきた可視光によって、酸化チタン薄膜に吸着されている色素が励起され、励起された色素は電子を放出し、この電子が酸化チタン薄膜中の酸化チタン微粒子に受け渡されることによって光発電が起こる。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
[参考例1.三級アミンセグメントCとシロキサンセグメントBとを含む共重合体の合成]
N,N-ジアリルメチルアミンと1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンの等モル混合物を、白金触媒を溶かしたトルエンに80℃でゆっくり滴下し、トルエンのリフラックス温度で反応を行った。上記混合物の滴下終了後、さらに1時間、80℃で加熱した。その後、室温まで冷却し、反応液を活性炭で処理して白金を除去した。得られた溶液からトルエンならびに揮発性成分を100℃、真空下で除去し、三級アミンセグメントCとシロキサンセグメントBとを含む共重合体を得た。1H-NMR:/d6-ベンゼン溶液: 化学シフトppm (ピーク形状, ピークの相対強度); 0.064(s, 3.51), 0.53(t, 1.00), 1.49(m, 1.03), 2.07(s, 0.66), 2.27(t, 1.06)。
〔実施例1.窒素系イオン性セグメントAとシロキサンセグメントBとを含む共重合体の合成と色素増感型太陽電池の作製及び評価〕
上記参考例1で得た共重合体と、この共重合体のアミン基に対して1.7モル等量のヨウ化ヘキシルとを30℃で10時間反応させ四級アンモニウム塩含有セグメント(すなわち、窒素系イオン性セグメントA)とシロキサンセグメントBとを含むイオン性共重合体を得た。このイオン性高分子を沈殿法によって精製した。
色素増感型太陽電池は次のように作製した。FTO導電性ガラスの透明導電体膜上に多孔質チタニアペーストを塗布し、450℃にて焼結し、次にN3色素(cis-ジ(チオシアナト)−N)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシラート)Ru(II))を吸着させた。こうして得られた、色素を吸着した多孔質チタニア層上に、上記の沈殿法により精製したイオン性高分子と、このイオン性高分子に含まれるヨウ素イオンのモル数の4分の1に当たる量のヨウ素(I)とをアセトニトリルに溶解して得られた溶液をキャスト法により塗布し、多孔質チタニア層に浸透させた。この塗布面上に、導電性高分子を塗布した導電性基板(対極)の導電性高分子が塗布された側の面を重ねて貼り合わせ、色素増感型太陽電池を得た。得られた太陽電池の評価試験は、ソーラーシミュレーターを用いた擬似太陽光下で行った。12.5 mW/cm2の擬似太陽光での発電効率は0.5%であった。
〔実施例2.色素増感型太陽電池の作製と評価〕
ヨウ化ヘキシルの代わりにヨウ化エチルを用いたほかは、上記実施例1と同様の方法にしたがって四級アンモニウム塩含有セグメント(すなわち、窒素系イオン性セグメントA)とシロキサンセグメントBとを含む共重合体を合成した。この共重合体を用いて上記実施例同様の方法に従って色素増感型太陽電池を作製し、疑似太陽光下で評価試験を行った。この太陽電池の発電効率は、12.5 mW/cm2の擬似太陽光で0.2%であった。
色素増感型太陽電池の層構成の概略を示す断面の模式図である。
符号の説明
1・・・基板、2・・・透明導電膜、3・・・色素を吸着した多孔性半導体層、4・・・導電性基板、5・・・封止剤、6・・・電解質

Claims (4)

  1. 窒素系イオン性セグメントAとシロキサンセグメントBとを含む共重合体と、ヨウ素とを含む色素増感型太陽電池用電解質であって、前記セグメントAが下記式(1)で表される四級化窒素原子含有カチオンのヨウ化物からなり、前記セグメントBが下記式(2)で表されるケイ素原子2個以上を含むポリシロキサン構造を有する、色素増感型太陽電池用電解質。
    Figure 2007305324
    (式中、Rは置換又は非置換の一価の炭化水素基であり、Rは脂肪族不飽和結合を有しない置換又は非置換の一価の炭化水素基であり;m及びnは2以上の整数を表し;「−」は結合を表し;Iはヨウ素イオンを表す。)
    Figure 2007305324
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して、脂肪族不飽和結合を有しない置換又は非置換の一価の炭化水素基であり;nは1以上の整数を表す。)
  2. イオン性ヨウ化物及びイオン性液体からなる群から選択され、全電解質重量に対して50重量%以下の量である化合物と、請求項1記載の色素増感型太陽電池用電解質とを含む、色素増感型太陽電池用電解質。
  3. 少なくとも1の表面に透明導電膜を備えた透明基板と、前記透明導電膜に相対向する位置に配置された導電性基板とを有し、前記透明導電膜と前記導電性基板との間に、色素を吸着した多孔性半導体層と、電解質とを備えた色素増感型太陽電池であって、
    前記電解質が、請求項1又は2に記載の電解質である色素増感型太陽電池。
  4. 下記式(3)で表される三級アミンセグメントCと下記式(2)で表されるシロキサンセグメントBとを含む共重合体と、下記式(4)で表されるヨウ化炭化水素系化合物及びヨウ素(I)を含む混合物を、色素を吸着させた多孔質半導体層に塗布した後に浸透させる、色素増感型太陽電池用電解質層の形成方法。
    Figure 2007305324
    (式中、Rは、脂肪族不飽和結合を有しない置換又は非置換の一価の炭化水素基であり;m及びnは2以上の整数を表し;「−」は結合を表す。)
    Figure 2007305324
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して、脂肪族不飽和結合を有しない置換又は非置換の一価の炭化水素基であり;nは1以上の整数を表し;「−」は結合を表す。)
    Figure 2007305324
    (式中、R1は置換又は非置換の一価の炭化水素基である。)
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