JP2010059093A - 第4級アンモニウム塩及びその製造方法 - Google Patents

第4級アンモニウム塩及びその製造方法 Download PDF

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守 立川
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正義 渡邉
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Yokohama National University NUC
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Abstract

【課題】広い電位窓を有し、電気化学的安定性が高く、また、シリコーン等の有機材料にも親和性の高いイオン液体を提供すること
【解決手段】トリエチル(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、ビス(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)エチルメチルアンモニウム塩、N−メチル−N−(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)ピロリジニウム塩、N−メチル−N−(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)ピロリジニウム塩、N−メチル−N−(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩等の特定の構造を有する第4級アンモニウム塩をイオン液体として使用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ケイ素原子を含む新規な第4級アンモニウム塩、及び、その製造方法に関する。
イオン液体は、常温もしくは比較的低温の融点を有する、カチオン及びアニオンの組み合わせからなるイオン対化合物(塩)であり、高粘性及び高腐食性を有する従来の塩溶融物と比較して低粘度及び低腐食性で、化学的安定性に富み、化学、電気化学、機械工学、熱工学等の広い分野にわたり注目される機能材料である。
現在知られているイオン液体の多くは数種類のタイプから選択されるカチオン種と、同じく数種類のタイプから選択されるアニオン種の組み合わせから構成されている。カチオン種としては、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホスホニウム、N−アルキルピリジニウム、1,3−ジアルキルイミダゾリウムイオンが一般的であり、アニオンとしてはパーフルオロアルカンスルホネート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドが一般的である。これらのイオン種のうち、原料の取り扱い易さ、及び、入手の容易さから、テトラアルキルアンモニウムカチオン、又は、1,3−ジアルキルイミダゾリウムカチオンと、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、又は、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドとの組み合わせのイオン液体が実用性に優れたイオン液体とされ、市販されている。
そして、それらの他に、特許文献1には、アルコキシ低級アルキルトリメチルアンモニウムをカチオン種とするイオン液体が報告されている。また、特許文献2及び非特許文献1には、ビス(フルオロスルホニル)イミドをアニオン種とするイオン液体が報告されている。
特開2006−36652号公報 特開2006−278167号公報 JETI, Vol. 54, No. 4 (2006), p. 117-119
イオン液体は、特に、イオン液体中へのイオン性化合物の溶解性、導電性、非揮発性、及び、難燃性等の特性により、リチウムイオン電池等の電解液といった電気化学用途が有望視されている。電気化学用途にイオン液体を使用する場合には、当該イオン液体が広い電位窓を有し、電気化学安定性が高いことが求められる。特に、高電圧下で使用されるリチウムイオン電池、電気二重層型キャパシター等の電気化学デバイスにイオン液体を使用する場合、電位窓が広い方がイオン液体は安定で劣化の程度が小さく、また、電気容量も増大するため、エネルギー密度の高い電気化学デバイスを長期に亘って使用することができる。
また、イオン液体をプラスチック等の有機材料に添加して、当該有機材料の導電特性を制御することも考えられる。しかし、イオン液体は比較的高い極性を有するので、シリコーン等の比較的低い極性を有する、又は、極性の無い有機材料への親和性に乏しく、均一な混合分散が困難である。
本発明は、広い電位窓を有し、電気化学的安定性が高く、また、シリコーン等の非極性又は低極性の有機材料にも親和性の高いイオン液体を提供することをその目的とする。
本発明の目的は、下記一般式(I):

(4−m) (I)

〔式中、
は、アニオンを表し、
は、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
は、下記一般式(II):

−(C2xY)2x−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (II)

{式中、
は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
Yは、−O−、−S−、又は、−NR−(Rは、水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表す)で表される二価の連結基を表し、
pは、0〜3の整数を表し、
xは、それぞれ独立して、1〜10の整数を表し、
yは、0〜20の整数を表し、
zは、0〜100の整数を表す}で表されるケイ素含有有機基を表し、
mは、0〜3の整数を表し、ただし、m≧2の場合、少なくとも2つのRが連結して環構造を形成してもよい〕で表される第4級アンモニウム塩によって達成される。
前記Aのアニオンとしては、トシレートアニオン、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドアニオン、又は、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。
このような第4級アンモニウム塩は、イオン液体として使用することができる。
このような第4級アンモニウム塩を製造する方法としては、下記一般式(III):

(3−n)N (III)

{式中、
は、置換又は非置換の一価飽和若しくは芳香族炭化水素基を表し、
は、−(C2xY)x'(2x'−1)(Y、x、及び、yは、上記のとおりであり、x’は、2〜10の整数を表す)で表される基を表し、
nは、0〜2の整数を表し、ただし、n=2の場合、2つのRが連結して環構造を形成してもよい}で表されるアルケニル官能性第3級アミン、及び、下記一般式(IV):

HSiR {(OSiR OSiR (3−p) (IV)

(式中、
は、それぞれ独立して、置換又は非置換の一価飽和若しくは芳香族炭化水素基を表し、
p及びzは、上記のとおりである)で表される有機ケイ素化合物のヒドロシリル化反応により、ケイ素含有有機基を有する第3級アミンを得る工程;
前記ケイ素含有有機基を有する第3級アミン、及び、下記一般式(V):

X (V)

{式中、
は、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、又は、下記一般式(II):

−(C2xY)2x−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (II)

(式中、
、Y、p、x、y、及び、zは、上記のとおりである)で表されるケイ素含有有機基を表し、
Xは、フッ素原子を除くハロゲンを表す}で表されるハロゲン化物の反応を行なう工程を経て、下記一般式(VI):

(3−n) (VI)

{式中、
は、フッ素原子を除くハロゲン化物イオンを表し、
及びRは、上記のとおりであり、
は、下記一般式(VII):

−(C2xY)x'2x'−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (VII)

(式中、
、Y、p、x、x’、y、及び、zは、上記のとおりである)で表されるケイ素含有有機基であり、
nは、上記のとおりである}で表される第4級アンモニウム塩を製造する方法が挙げられ、好ましくは、前記第4級アンモニウム塩、及び、ハロゲン化物イオン以外のアニオン(A')を有する塩のアニオン交換反応を行なう方法が挙げられる。
このアニオン交換反応における前記A'としては、トシレートアニオン、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドアニオン、又は、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。
また、第4級アンモニム塩を製造する別の方法としては、下記一般式(IX):

N (IX)

(式中、
は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表す)で表される第3級アミン、及び、下記一般式(X):

X (X)

〔式中、
は、下記一般式(II):

−(C2xY)2x−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (II)

{式中、
は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
Yは、−O−、−S−、又は、−NR−(Rは、水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表す)で表される二価の連結基を表し、
pは、0〜3の整数を表し、
xは、それぞれ独立して、1〜10の整数を表し、
yは、0〜20の整数を表し、
zは、0〜100の整数を表す}で表されるケイ素含有有機基を表し、

Xは、フッ素原子を除くハロゲンを表す)で表されるハロゲン化物の反応を行なう工程を経て、下記一般式(XI):

(XI)

(式中、
は、フッ素原子を除くハロゲン化物イオンを表し、
及びRは、上記のとおりである)で表される第4級アンモニウム塩を製造する方法が挙げられ、好ましくは、前記第4級アンモニウム塩、及び、ハロゲン化物イオン以外のアニオン(A')を有する塩とのアニオン交換反応を行なう方法が挙げられる。
このアニオン交換反応における前記A'としては、トシレートアニオン、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドアニオン、又は、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。
本発明の第4級アンモニウム塩は、広い電位窓を有し、電気化学的安定性が高いイオン液体として使用することができる。したがって、本発明のイオン液体は、リチウムイオン電池、電気二重層型キャパシター等の電気化学デバイスにおいて、例えば、電解液として好適に使用することができる。
また、本発明の第4級アンモニウム塩は、シリコーン等の非極性又は低極性有機材料への親和性が高い。したがって、本発明の塩は、シリコーン等の非極性又は低極性有機材料に均一に分散乃至溶解し、且つ、当該材料の導電特性及び表面極性を変化させることができる。したがって、本発明の塩を用いて、シリコーン等の非極性又は低極性有機材料の帯電特性、塗装特性等を改善することができる。
そして、本発明の製造方法は、本発明の第4級アンモニウム塩又はイオン液体を安全且つ簡便に製造することができる。
本発明の第4級アンモニウム塩は、下記一般式(I):

(4−m) (I)

〔式中、
は、アニオンを表し、
は、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
は、下記一般式(II):

−(C2xY)2x−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (II)

{式中、
は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
Yは、−O−、−S−、又は、−NR−(Rは、水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表す)で表される二価の連結基を表し、
pは、0〜3の整数を表し、
xは、それぞれ独立して、1〜10の整数を表し、
yは、0〜20の整数を表し、
zは、0〜100の整数を表す}で表されるケイ素含有有機基を表し、
mは、0〜3の整数を表し、ただし、m≧2の場合、少なくとも2つのRが連結して環構造を形成してもよい〕で表される。
一般式(I)において、アニオン(A)は、特に限定されるものではなく、例えば、テトラフルオロボレートアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、AsF 、SbF 等の無機系アニオンの他に、トシレートアニオン;トリフルオロメタンスルホネートアニオン;ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン;ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドアニオン等のビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドアニオン;又は、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドアニオン等の有機系アニオン;さらには、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のフッ素原子を除くハロゲン化物イオンを使用することができる。
アニオン(A)としては、求核性の低い嵩高いアニオンを使用することが好ましい。アニオンとしては有機系アニオンが好ましく、トシレートアニオン、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドアニオン、又は、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドアニオンがより好ましく、フッ素イオンの遊離がない等の点で、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン(FSIアニオン)及びビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン(TFSIアニオン)が特に好ましい。上記のようなアニオン(A)を有する第4級アンモニウム塩は、イオン液体として使用することができる。
一般式(I)において、Rは、置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、特に限定されるものではないが、典型的には、置換若しくは非置換の、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4の一価の飽和炭化水素基、置換若しくは非置換の、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6の一価の脂肪族不飽和炭化水素基、又は、炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜12の一価の芳香族炭化水素基である。
炭素数1〜20の一価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖又は分岐状のアルキル基、並びに、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。メチル基が好ましい。
炭素数2〜20の一価の脂肪族不飽和炭化水素基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル基等の直鎖又は分岐状のアルキル基、並びに、シクロペンテニル基、シクロヘプテニル基等のシクロアルケニル基が挙げられる。
炭素数6〜20の一価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等が挙げられる。フェニル基が好ましい。なお、本明細書において芳香族炭化水素基とは、芳香族炭化水素のみからなる基以外に、芳香族炭化水素と飽和炭化水素が複合した基をも含む。芳香族炭化水素と飽和炭化水素が複合した基の例としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基が挙げられる。
上記の一価飽和若しくは芳香族炭化水素基上の水素原子は、1以上の置換基によって置換されていてもよく、当該置換基は、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、水酸基及び炭素数1〜6のアルコキシ基からなる群から選択される。したがって、例えば、一価飽和置換炭化水素基としては、3,3,3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基;ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等のヒドロキシ置換アルキル基;メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等のアルコキシ置換アルキル基が挙げられる。
一般式(I)において、mは、窒素原子に対するRの結合数を示す、0〜3の整数であり、m≧2の場合、すなわち、Rが2つ以上存在する場合には、少なくとも2つのRが連結して環構造を形成してもよい。
一般式(I)において、R中のxが1であり、かつ、yが0である場合には、窒素原子上の正電荷の非局在化が生じ、その結果カチオンの還元電位が上昇し、よって電気化学的還元を受けにくくなるという作用がある。これにより、本発明の塩は、電位窓が拡大し、電気化学的安定性が増大する。したがって、本発明の塩は、電気化学デバイスに好適に使用することができる。
また、Rのケイ素含有有機基は、ケイ素原子による窒素原子上の正電荷非局在化作用により塩のカチオンとアニオン間の静電気的引力を弱めるという作用がある。これにより、本発明の塩の極性は低減し、シリコーン等の非極性又は低極性有機材料への親和性が高まる。また、シリル基又はシロキサニル基等の非極性基を導入した塩は非極性又は低極性有機材料との親和性が高まる。 したがって、本発明の塩は、シリコーン等の非極性又は低極性有機材料への分散性又は溶解性に優れたものである。
が嵩高い非極性のシリル基又はシロキサニル基を含むケイ素含有有機基であると、イオン間距離を増大させることによって、イオン間力を低下させる作用があるという点で好ましい。なお、シリル基及びシロサニル基のメチル基に起因する弱い分子間力、並びに、シロキサニル基の−Si−O−Si−結合はイオン液体としての結晶化温度の低下にも寄与する。
のケイ素含有有機基は、ケイ素原子が炭素骨格を有する連結基を介して窒素原子に結合するような構造を有し、下記一般式(II):

−(C2xY)2x−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (II)

{式中、
は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
Yは、−O−、−S−、又は、−NR−(Rは、水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表す)で表される二価の連結基を表し、
pは、0〜3の整数を表し、
xは、それぞれ独立して、1〜10の整数を表し、好ましくは1〜6の整数を表し、さらに好ましくは1〜3の整数を表し、
yは、0〜20の整数を表し、
zは、0〜100の整数を表し、好ましくは0〜50の整数を表し、さらに好ましくは0〜10の整数を表し、特に好ましくは0〜5の整数を表す}で表される。特に、xが1であり、かつ、yが0である第4級アンモニウム塩は、電位窓が広くなり、また、水、アルコールの除去に効果的である。
一般式(II)におけるRの置換若しくは非置換の一価炭化水素基の定義は、一般式(I)におけるRと同一である。
また、一般式(II)中の二価の連結基(Y)において、Rは水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、Rの置換若しくは非置換の一価炭化水素基の定義は、一般式(I)におけるRと同一である。
このようなRのケイ素含有有機基としては、具体的には、例えば、トリメチルシリルメチル基、ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル基、ペンタメチルジシロキサニルプロピル基等が挙げられる。
本発明の第4級アンモニウム塩で液体であるものは、イオン液体として使用することができる。このイオン液体は、常温(20〜30℃)以上、さらには−20℃以上、特には−50℃以上で液体であるものが、より広い温度範囲で使用できる点で好ましい。なお、本発明の第4級アンモニウム塩に含まれうるシロキサニル基はシロキサン(−SiO−)結合の繰り返し数が比較的少ないものが好ましい。これは、本発明の第4級アンモニウム塩がシロキサニル基を含む場合であっても、いわゆる第4級アンモニウム変性オルガノポリシロキサンとは異なり、非電導性等のシリコーンとしての挙動を示さないからである。
本発明の第4級アンモニウム塩は、例えば、脂肪族不飽和基官能性第3級アミンをケイ素原子結合水素原子を有する有機ケイ素化合物と反応させてケイ素含有有機基を有する第3級アミンを合成し、当該第3級アミンをハロゲン化物と反応させることにより製造することができ、さらに、この第4級アンモニウム塩とアルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩とイオン交換反応を行うことによって製造することができる。前記イオン交換反応の副産物はNaCl、LiBr等のアルカリ金属ハロゲン化物あるいはアルカリ土類金属ハロゲン化物であるので、この本発明の製造方法では、危険な副産物を生成することなく、安全に本発明の塩を製造することができる。
好ましくは、上記の製造方法は、以下の工程を備えるものである。
第1工程:下記一般式(III):

(3−n)N (III)

〔式中、
は、置換又は非置換の一価飽和若しくは芳香族炭化水素基を表し、
は、−(C2xY)x'(2x'−1){xは、1〜10の整数を表し、x’は、2〜10の整数を表し、yは、0〜20の整数を表し、Yは、−O−、−S−、又は、−NR−(Rは、水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表す)で表される二価の連結基を表す}で表される基を表し、
nは、0〜2の整数を表し、ただし、n=2の場合、2つのRが連結して環構造を形成してもよい〕で表されるアルケニル官能性第3級アミン、及び、下記一般式(IV):

HSiR {(OSiR OSiR (3−p) (IV)

(式中、
は、それぞれ独立して、置換又は非置換の一価飽和若しくは芳香族炭化水素基を表し、
pは、0〜3の整数を表し、
zは、0〜100の整数を表す)で表される有機ケイ素化合物のヒドロシリル化反応により、ケイ素含有有機基を有する第3級アミンを得る工程
第2工程:前記の第1工程で得られたケイ素含有有機基を有する第3級アミン、及び、下記一般式(V):

X (V)

{式中、
は、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、又は、下記一般式(II):

−(C2xY)2x−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (II)

(式中、
は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
Y、p、x、y、及び、zは、上記のとおりである)で表されるケイ素含有有機基を表し、
Xは、フッ素原子を除くハロゲンを表す}で表されるハロゲン化物の反応により、下記一般式(VI):

(3−n) (VI)

{式中、
は、フッ素原子を除くハロゲン化物イオンを表し、
及びRは、上記のとおりであり、
は、下記一般式(VII):

−(C2xY)x'2x'−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (VII)

(式中、
、Y、p、x、x’、y、及び、zは、上記のとおりである)で表されるケイ素含有有機基であり、
nは、上記のとおりである}で表される第4級アンモニウム塩を得る工程
さらに、必要に応じて、
第3工程:前記第2工程で得られた第4級アンモニウム塩、及び、ハロゲン化物イオン以外のアニオン(A')を有する塩のアニオン交換反応により、下記一般式(VIII):

(3−n) A' (VIII)

(式中、
A'、R、R、R、及び、nは、上記のとおりである)で表される第4級アンモニウム塩を得る工程
一般式(III)において、Rは、置換又は非置換の一価飽和若しくは芳香族炭化水素であり、特に限定されるものではないが、典型的には、置換若しくは非置換の、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4の一価の飽和炭化水素基、又は、炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜12の一価の芳香族炭化水素基である。このようなRとしては、前記Rと同様のものが例示される。一般式(III)において、nは窒素原子に対するRの結合数を示す、0〜2の整数であり、n=2の場合、すなわち、Rが2つ存在する場合には、2つのRが連結して環構造を形成してもよい。
また、一般式(III)において、Rは、−(C2xY)x'(2x'−1)で表される基であり、xは、1〜10の整数を表し、好ましくは1〜6の整数を表し、さらに好ましくは1〜3の整数を表し、x’は、2〜10の整数を表し、好ましくは2〜6の整数を表し、yは0〜20の整数を表し、Yは、−O−、−S−、又は、−NR−(Rは、水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表す)で表される基を表す。Rは、yが0である基、すなわち、アルケニル基であることが好ましい。このアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜6のアルケニル基がより好ましく、炭素数2〜4のアルケニル基が特に好ましい。アルケニル基として、具体的には、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基が例示される。
一般式(III)で表されるアルケニル官能性第3級アミンとして、具体的には、トリアリルアミン、メチルジアリルアミン、エチルジアリルアミン、プロピルジアリルアミン、ジメチルアリルアミン、ジエチルアリルアミン、トリ(3−ブテニル)アミン、メチルジ(3−ブテニル)アミン、エチルジ(3−ブテニル)アミン、プロピルジ(3−ブテニル)アミン、ジメチル(3−ブテニル)アミン、ジエチル(3−ブテニル)アミンを例示できる。また、アルケニル官能性第3級アミンで、窒素上の2つのRが一緒になって環を形成しているものとして、具体的には、N-ビニルピロリジン、N-ビニルピペリジン、N-アリルピロリジン、N-アリルピペリジン、N-(3−ブテニル)ピロリジン、N-(3−ブテニル)ピペリジンを例示できる。
ケイ素原子結合水素原子を有する有機ケイ素化合物は、下記一般式(IV):

HSiR {(OSiR OSiR (3−p) (IV)

(式中、
は、それぞれ独立して、置換又は非置換の一価飽和若しくは芳香族炭化水素基を表し、
pは、0〜3の整数を表し、
zは、0〜100の整数を表し、好ましくは0〜50の整数を表し、さらに好ましくは0〜10の整数を表し、特に好ましくは0〜5の整数を表す)で表される。
一般式(IV)におけるRの置換又は非置換の一価飽和若しくは芳香族炭化水素基の定義は、一般式(VIII)におけるRと同一である。
このような有機ケイ素化合物として、具体的には、トリメチルシラン、ジメチルエチルシランに代表されるトリアルキルシラン、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンを例示できる。
前記第1工程におけるヒドロシリル化反応は脂肪族不飽和基に対するSi−H結合の付加反応であり、触媒として遷移金属化合物を用いて、常温又は加熱下で行うことができる。この目的に用いられる遷移金属化合物としては、塩化白金酸、0価の白金のビニルシロキサン錯体、塩化ロジウム(I)のオレフィン錯体、塩化ロジウムのホスフィン錯体であるウィルキンソン錯体を例示できる。
前記ケイ素含有有機基を有する第3級アミンとしては、例えば、3−[γ―(N,N―ジエチルアミノ)プロピル)ヘプタメチルトリシロキサン、N,N−ビス(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)メチルアミン、N-(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)ピロリジン、N-(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)ピロリジンが挙げられる。
前記第2工程は前記一般式(V)のハロゲン化物による前記ケイ素含有有機基を有する第3級アミンの第4級化段階である。前記一般式(V)において、ハロゲンとは、塩素、臭素又はヨウ素である。したがって、一般式(VI)において、ハロゲン化物イオンとは、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオンである。
前記一般式(V)で表されるハロゲン化物として、具体的には、ヨウ化メチル、臭化エチル、1−臭化プロピル、1−臭化ブチル等のハロゲン化アルキル;クロロメチルトリメチルシラン、クロロメチルジメチルエチルシラン、クロロメチルジメチルプロピルシラン、クロロメチルメチルジエチルシラン、3−ブロモプロピルトリメチルシラン、3−ブロモプロピルジメチルエチルシラン、3−ブロモプロピルジメチルプロピルシラン、3−ブロモプロピルメチルジエチルシラン等のトリアルキルハロアルキルシラン;ペンタメチル(クロロメチル)ジシロキサン、1,1,1,3,3,5,5−ヘプタメチル−5−クロロメチルトリシロキサン等のハロアルキル基を有するジメチルシロキサンを例示できる。
前記一般式(VI)で表される第4級アンモニウム塩として、具体的には、ジエチルメチル(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウムヨウ化物、トリエチル(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウム臭化物、ビス(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)エチルメチルアンモニウム臭化物、N-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)ピロリジニウムヨウ化物、N-メチル-N-(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)ピロリジニウムヨウ化物を例示できる。
前記第3工程は、前記第2工程で得られた一般式(VI)の第4級アンモニウム塩のアニオン交換を行う工程である。アニオン交換反応に用いる塩は、ハロゲン化物イオン以外のアニオン(A')を有する塩であり、例えば、求核性の低い嵩高いアニオンを有する塩が好ましい。このアニオンとして、具体的には、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、テトラフルオロボレートアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、又は、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオンが例示される。この塩のカチオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンが例示され、好ましくは、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオンである。このような塩として、具体的には、リチウムトリフルオロメタンスルホネート、ナトリウムテトラフルオロボレート、リチウムヘキサフルオロホスフェート、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドまたはリチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド等のアルカリ金属塩(M、M=Li、Na、K)を例示できる。
前記第3工程のアニオン交換反応は、一般式(VI)の第4級アンモニウム塩の水溶液、及び、ハロゲン化物イオン以外のアニオン(A')を有する塩の水溶液を混合する簡便な手法により実施できる。前記第3段階で生成する一般式(VIII)の第4級アンモニウム塩は非水溶性である一方で、交換反応により生成するアルカリ金属ハロゲン化物、及び、過剰の一般式(VI)の第4級アンモニウム塩又はハロゲン化物イオン以外のアニオン(A')を有する塩といった成分は水溶性であるため、反応系の水相のデカンテーション及びイオン液体相の水洗により、これらの成分は簡単に除去することができる。
一般式(VI)の第4級アンモニウム塩の水に対する溶解度が小さい場合には、当該第4級アンモニウム塩、及び、ハロゲン化物イオン以外のアニオン(A')を有する塩をアルコール、ケトン等の極性有機溶剤に溶解又は分散させて反応させてもよい。一般式(VI)の第4級アンモニウム塩、及び、ハロゲン化物イオン以外のアニオン(A')を有する塩の部分溶解が進むに従ってアニオン交換反応が進行し、アルカリ金属ハロゲン化物が副成する。イオン交換によって生成した第四級アンモニウム塩の極性有機溶剤との混合物を多量の水で洗浄し、アルカリ金属ハロゲン化物を除去した後、減圧下、加熱により有機溶剤を除去することにより、一般式(VIII)で表される第4級アンモニウム塩を得ることができる。
一般式(I)において、mが3であり、かつ、nが1である第4級アンモニウム塩は、第3級アミンとケイ素含有有機基を有するハロゲン化物の反応により第4級アンモニウム塩を得て、この第4級アンモニウム塩とアルカリ金属塩とのイオン交換反応を行うことによっても製造することができる。この場合も、イオン交換反応の副産物はNaCl、LiBr等のアルカリ金属ハロゲン化物であるので、この本発明の製造方法も、危険な副産物を生成することなく、安全に本発明の塩を製造することができる。
好ましくは、上記の製造方法は、以下の工程を備えるものである。
第1工程:下記一般式(IX):

N (IX)

(式中、
は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表す)で表される第3級アミン、及び、下記一般式(X):

X (X)

〔式中、
は、下記一般式(II):

−(C2xY)2x−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (II)

{式中、
は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
Yは、−O−、−S−、又は、−NR−(Rは、水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表す)で表される二価の連結基を表し、
pは、0〜3の整数を表し、
xは、それぞれ独立して、1〜10の整数を表し、
yは、0〜20の整数を表し、
zは、0〜100の整数を表す}で表されるケイ素含有有機基を表し、
Xは、フッ素原子を除くハロゲンを表す〕で表されるハロゲン化物の反応により、下記一般式(XI):

(XI)

(式中、
は、フッ素原子を除くハロゲン化物イオンを表し、
及びRは、上記のとおりである)で表される第4級アンモニウム塩を得る工程
さらに、必要に応じて、
第2工程:前記第1工程で得られた第4級アンモニウム塩、及び、ハロゲン化物イオン以外のアニオン(A')を有する塩のアニオン交換反応により、下記一般式(XII):

A' (XII)

(式中、
A'、R、及び、Rは、上記のとおりである)で表される第4級アンモニウム塩を得る工程
前記第1工程は一般式(IX)で表される第3級アミンの第4級化段階である。前記一般式(X)において、フッ素原子を除くハロゲンとは、塩素、臭素、又は、ヨウ素である。したがって、一般式(XI)において、ハロゲン化物イオンとは、塩化物イオン、臭化物イオン、又は、ヨウ化物イオンである。
前記一般式(X)で表されるハロゲン化物は、上記一般式(II)で表されるケイ素含有有機基(R)を有するものである。前記一般式(X)で表されるハロゲン化物としては、クロロメチルトリメチルシラン、クロロメチルジメチルエチルシラン、クロロメチルジメチルプロピルシラン、クロロメチルメチルジエチルシラン、3−ブロモプロピルトリメチルシラン、3−ブロモプロピルジメチルエチルシラン、3−ブロモプロピルジメチルプロピルシラン、3−ブロモプロピルメチルジエチルシラン等のトリアルキルハロアルキルシラン;ペンタメチル(クロロメチル)ジシロキサン、1,1,1,3,3,5,5−ヘプタメチル(クロロメチル)トリシロキサン等のハロアルキル基を有するジメチルシロキサンを例示できる。
前記一般式(XI)で表される第4級アンモニウム塩としては、例えば、トリメチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、エチルジメチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、ジエチルメチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、トリメチル(3−トリメチルシリルプロピル)アンモニウムイオン、エチルジメチル(3−トリメチルシリルプロピル)アンモニウムイオン、ジエチルメチル(3−トリメチルシリルプロピル)アンモニウムイオン、n-オクチルジメチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、ジメチル(メトキシエチル)(トリメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、ジメチル(3−トリメチルシリルプロピル)(トリメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、ジメチルビス(トリメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、トリメチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、エチルジメチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、ジエチルメチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、n-オクチルジメチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、ジメチル(メトキシエチル)(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、ジメチル(3−トリメチルシリルプロピル)(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、ジメチルビス(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、トリメチル(3−(ペンタメチルジシロキサニル)プロピル)アンモニウムイオン、エチルジメチル(3−(ペンタメチルジシロキサニル)プロピル)アンモニウムイオン、ジエチルメチル(3−(ペンタメチルジシロキサニル)プロピル)アンモニウムイオン、トリメチル(3−(ペンタメチルジシロキサニル)プロピル)アンモニウムイオン、エチルジメチル(3−(ペンタメチルジシロキサニル)プロピル)アンモニウムイオン、ジエチルメチル(3−(ペンタメチルジシロキサニル)プロピル)アンモニウムイオン、n-オクチルジメチル(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウムイオン、ジメチル(メトキシエチル)(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウムイオン、N-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピペリジニウム、N-エチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピペリジニウム、N-メチル-N-(エチルジメチルシリルメチル)ピペリジニウム、N-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルメチル)ピペリジニウム、N-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム、N-エチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム、N-メチル-N-(エチルジメチルシリルメチル)ピロリジニウム、N-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルメチル)ピロリジニウム、N-メチル-N-(3−(トリメチルシリル)プロピル)ピペリジニウム、N-エチル-N-(3−(トリメチルシリル)プロピル)ピペリジニウム、N-メチル-N-(3−(エチルジメチルシリル)プロピル)ピペリジニウム、N-メチル-N-(3−(ペンタメチルジシロキサニル)プロピル)ピペリジニウム、N-メチル-N-(3−(トリメチルシリル)プロピル)ピロリジニウム、N-エチル-N-(3−(トリメチルシリル)プロピル)ピロリジニウム、N-メチル-N-(3−(エチルジメチルシリル)プロピル)ピロリジニウム、N-メチル-N-(3―(ペンタメチルジシロキサニル)プロピル)ピロリジニウムのハロゲン化物を例示できる。
前記第2工程は、前記第1工程で得られた一般式(XI)の第4級アンモニウム塩のアニオン交換を行う工程である。前記第2工程のアニオン交換反応は、一般式(XI)の第4級アンモニウム塩の水溶液、及び、ハロゲン化物イオン以外のアニオン(A')の塩の水溶液の混合によって実施することができる。一般式(XI)の第4級アンモニウム塩の水に対する溶解度が小さい場合には、当該第4級アンモニウム塩、及び、ハロゲン化物イオン以外のアニオン(A')の塩をアルコール、ケトン等の極性有機溶剤に溶解又は分散させて反応させてもよい。ハロゲン化物イオン以外のアニオン(A')の塩は、上記で例示される塩と同一である。
本発明の第4級アンモニウム塩として、具体的には、トリメチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、エチルジメチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジエチルメチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、n-オクチルジメチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、トリエチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジメチル(メトキシエチル)(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジメチル(3−トリメチルシリルプロピル)(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジメチルビス(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、エチルメチルビス(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジエチルビス(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、トリメチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、エチルジメチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジエチルメチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、n-オクチルジメチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、トリエチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジメチル(メトキシエチル)(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジメチル(3−トリメチルシリルプロピル)(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジメチルビス(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、エチルメチルビス(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジエチルビス(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、トリメチル(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、エチルジメチル(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、ジエチルメチル(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、n-オクチルジメチル(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、ジメチル(メトキシエチル)(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、トリエチル(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、ジメチルビス(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、エチルメチルビス(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、ジエチルビス(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、トリメチル(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、エチルジメチル(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、ジエチルメチル(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、n-オクチルジメチル(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、ジメチル(メトキシエチル)(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、トリエチル(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、ジメチルビス(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、エチルメチルビス(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、ジエチルビス(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、トリメチル(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、エチルジメチル(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、ジエチルメチル(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、n-オクチルジメチル(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、ジメチル(メトキシエチル)(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、トリエチル(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、ジメチルビス(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、エチルメチルビス(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、ジエチルビス(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、トリメチル(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、エチルジメチル(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、ジエチルメチル(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、n-オクチルジメチル(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、ジメチル(メトキシエチル)(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、トリエチル(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、ジメチルビス(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、エチルメチルビス(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、ジエチルビス(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウム塩、N-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピペリジニウム塩、N-エチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピペリジニウム塩、N-メチル-N-(エチルジメチルシリルメチル)ピペリジニウム塩、N-エチル-N-(エチルジメチルシリルメチル)ピペリジニウム塩、N-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルメチル)ピペリジニウム塩、N-エチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルメチル)ピペリジニウム塩、N-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)ピペリジニウム塩、N-エチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)ピペリジニウム塩、N-メチル-N-(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)ピペリジニウム塩、N-エチル-N-(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)ピペリジニウム塩、N-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩、N-エチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩、N-メチル-N-(エチルジメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩、N-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルメチル)ピロリジニウム塩、N-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルメチル)ピロリジニウム塩、N-エチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルメチル)ピロリジニウム塩、N-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)ピロリジニウム塩、N-エチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)ピロリジニウム塩、N-メチル-N-(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)ピロリジニウム塩、及び、N-エチル-N-(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)ピロリジニウム塩を例示できる。
これらの中で、N,N,N−トリメチル−N−(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、N−エチル−N,N−ジメチル−N−(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、N−(n-オクチル)-N,N−ジメチル−N−(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、N,N−ジメチル−N−(メトキシエチル)−N−(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、N,N−ジメチル−N−(3−トリメチルシリルプロピル)−N−(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、N,N−ジメチル−N,N−ビス(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、N-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピペリジニウム塩、N-エチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピペリジニウム塩、N-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩、及び、N-エチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩が特に好ましい。
本発明の第4級アンモニウム塩は、揮発性をほとんど有さないイオン対化合物であって、電気化学的に安定であり、また、難燃性及び高導電率を有する。したがって、本発明の塩は、イオン液体として、電解質溶媒、イオン性添加剤等の電気化学分野の他に、例えば、化学反応用溶媒、分離抽出用溶媒、潤滑剤、熱媒体等として、化学、電気化学、機械工学、熱工学等の幅広い分野で利用することができる。
なお、本発明の第4級アンモニウム塩又はイオン液体の電気化学的安定性は、例えば、サイクリックボルタンメトリー(CV)等の電気化学的手法で測定することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に例証するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
以下において、「TFSI」はビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドを、「DMSO」はジメチルスルホキシドを示す。 NMRデータの表示は、1H-NMR:化学シフト(ピーク性状、相対強度)、13C-NMR:化学シフト(相対強度)、29Si-NMR:化学シフト(相対強度)で表した。ピーク性状の表示において、s、d、t、q、mはそれぞれシングレット、ダブレット、トリプレット、クオルテット、マルチプレットを示し、f-dはフィルド-イン-ダブレット、brはブロードを表す。13C-と29Si-NMRはプロトンデカップリングで測定した。化学シフト値は1H-NMRではNMRの重水素溶媒の残存Hのピークを標準として、13C-NMRではNMRの溶媒の炭素ピークを標準とし、29Si-NMRでは使用溶媒に溶かしたTMS(テトラメチルシラン)の位置を外部標準として補正した。
[実施例1] トリエチル(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウムTFSI塩
(1)3−[γ―(N,N―ジエチルアミノ)プロピル]ヘプタメチルトリシロキサンの合成
水冷コンデンサー付きの100mLのフラスコを窒素置換し、これに11.31gのN,N−ジエチルアリルアミン及び24.43gの1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンを加えた後、100℃まで加熱した。これに0.35重量%の白金を含む0価の白金―ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液を55μL加え、3.5時間反応させた。反応後、0.3トールで減圧蒸留を行い、31gの3−[γ―(N,N―ジエチルアミノ)プロピル]ヘプタメチルトリシロキサンを沸点62−66.5℃の無色透明な液体として得た。ベンゼン-d6を溶媒とするNMR分析により構造確認を行った。結果を以下に示す。
1H-NMR: 0.15(s, 1.5), 0.17(s, 10.1), 0.63(m, 0.97), 1.0(t, 3.5), 1.18(d, 0.14), 1.63(m, 1.0), 2.4(m, 1.0), 2.44(q, 2.5).
13C-NMR: 0.0(0.75), 2.0(4.5), 12.5(1.64), 15.6(0.93), 21.7(0.98), 47.5(1.65), 56.8(1.0).
29Si-NMR: -20.5(1.0), 7.3(2.0).
(2)ジエチルメチル(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウムヨウ化物の合成
100mLのフラスコに、33gのへキサン、16.85gの前記工程(1)で得られた3−[γ―(N,N―ジエチルアミノ)プロピル)ヘプタメチルトリシロキサン、及び、8.57gのヨウ化メチルとマグネット攪拌子を入れ、室温で5日間攪拌した。生成した白色沈殿を濾取し、真空下乾燥して、11.6gのジエチルメチル(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウムヨウ化物を得た。ジメチルスルホキシド-d6を溶媒とするNMR分析により構造確認を行った。結果を以下に示す。
1H-NMR: 0.02-0.07(5s, 7.79), 0.37-0.6(m, 0.97), 1.18(t, 3.51), 1.56(m, 1.0), 2.95(s, 1.68), 3.05~3.35(m, 3.51).
13C-NMR: -0.68(0.63), 1.59(2.48), 7.48(1.75), 13.13(0.97), 15.36(1.04), 46.54(1.04), 55.32(2.45), 61.52(1.00).
29Si-NMR: 8.23(3.65), 7.93(13.51), -21.79(8.46), -22.11(3.46).
(2')トリエチル(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウム臭化物の合成
14.05gの前記工程(1)で得られた3−[γ―(N,N―ジエチルアミノ)プロピル]ヘプタメチルトリシロキサン、及び、7.41gの臭化エチルをガラス管に入れ、封じ、90℃で5日間加熱した。生成したやや褐色に着色した沈殿を濾取し、これをヘキサンで洗い、白色の沈殿を得た。これを真空下乾燥して、11.6gのトリエチル(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウム臭化物を得た。ジメチルスルホキシド-d6を溶媒とするNMR分析により構造確認を行った。結果を以下に示す。
1H-NMR: 0.03-0.08(2s, 10.84), 0.43(m, 1.0), 1.16(t, 4.70), 1.53(m, 0.98), 3.13(m, 1.09), 3.30(q, 3.51).
13C-NMR: -0.65(0.44), 1.67(2.98), 7.10(2.02), 13.23(0.84), 15.12(0.85), 51.92(2.87), 58.18(1.00).
29Si-NMR: 8.29(1.76), -21.72(1.00).
(3)トリエチル(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウムTFSI塩の合成
4.42gの前記工程(2')で得られたトリエチル(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウム臭化物、及び、1.2当量に相当する3.43gのリチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiTFSI)を、トルエン(40g)−酢酸エチル(12g)混合液に添加混合して溶解させた。しばらく放置すると臭化リチウムの沈殿が生じた。この混合物に100mLの水を添加し、激しく攪拌した後、水相を除去した。水洗を5回繰り返したのち有機層を単離し、真空下、溶剤とその他の揮発物を除去して、トリエチル(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)アンモニウムTFSI塩を透明の液体として得た。ジメチルスルホキシド-d6を溶媒とするNMR分析により構造確認を行った。結果を以下に示す。
1H-NMR: 0.24 (s, 10.9), 0.48 (t, 1.0), 0.85 (t, 4.55), 1.42 (m, 0.87), 2.69 (m, 3.98).
13C-NMR: -0.40(0.76), 1.83(3.79), 6.94(2.65), 13.84(0.90), 15.85(1.10), 52.90(3.10), 59.34(1.00), 114.52(0.12), 118.77(0.29), 123.04(0.35), 127.31(0.12).
29Si-NMR: -22.5(1.00), 8.83(1.89).
[実施例2] ビス(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)エチルメチルアンモニウムTFSI塩
(1)N,N−ビス(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)メチルアミンの合成
11.11gのN,N−ジアリルメチルアミン、及び、48.84gの1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンの混合物にジビニルシロキサン白金錯体触媒を加え、100℃で加熱しながら6時間反応させた。この反応により得られた生成物を0.33トール、109-137℃で減圧蒸留し、53.5gのN,N−ビス(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)メチルアミンを得た。ベンゼン-d6を溶媒とするNMR分析により構造確認を行った。結果を以下に示す。
1H-NMR: 0.15-0.18(s, 13.11), 0.65(m, 1.0), 1.1(m, 0.05), 1.19(d, 0.14), 1.67(m, 0.96), 2.18(s, 0.18), 2.22(s, 0.66), 2.38(m, 1.16).
13C-NMR: 0.0(0.82), 2.06(5.23), 15.55(1.21), 21.63(1.31), 42.17(0.49), 61.42(1.0).
29Si-NMR: -20.5 (0.82), 7.3(2.0).
(2)ビス(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)エチルメチルアンモニウム臭化物の合成
14.6gの前記工程(1)で得られたN,N−ビス(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)メチルアミン、及び、6.35gの臭化エチルをガラス管に入れ、封じ、95℃で3時間、110℃で8時間加熱した。冷却後、生成した粉末をヘキサンで洗浄し、ビス(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)エチルメチルアンモニウム臭化物を得た。ジメチルスルホキシド-d6を溶媒とするNMR分析により構造確認を行った。結果を以下に示す。
1H-NMR: 0.04-0.10(5s, 12.2), 0.39(m, 1.0), 1.1(d, 0.15), 1.2(m, 0.833), 1.56(m, 0.955), 2.96(s, 0.77), 3.21(m, 1.0), 3.30(q, 0.6).
13C-NMR: -0.68(1.46), 1.65(9.73), 7.42(0.87), 13.40(2.07), 15.54(2.31), 46.67(1.08), 56.20(1.00), 61.98(2.17).
29Si-NMR: 8.12 (1.97), -21.86 (1.00).
(3)ビス(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)エチルメチルアンモニウム TFSI塩の合成
4.42gの前記工程(2)で得られたビス(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)エチルメチルアンモニウム臭素化物、及び、1.2当量に相当する2.29gのLiTFSIを、トルエン(12g)−酢酸エチル(11g)混合液に添加混合して溶解させた。しばらく放置すると臭化リチウムの沈殿が生じた。この混合物に100mLの水を添加し、激しく攪拌した後、水相を除去した。水洗を5回繰り返したのち有機層を単離し、真空下、溶剤とその他の揮発物を除去して、ビス(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)エチルメチルアンモニウムTFSI塩を高粘度液体として得た。ジメチルスルホキシド-d6を溶媒とするNMR分析により構造確認を行った。結果を以下に示す。
1H-NMR: 0.22、0.26 (s, 17.68), 0.56 (t, 1.35), 0.97 (t, 0.94), 1.20, (m, 0.20), 1.57(m, 1.29), 2.51 (s, 1.00), 2.87(m, 1.95).
13C-NMR: -0.37(2.01), 1.91(11.16), 7.52(1.27), 13.95(2.21), 16.48(2.43), 47.41(1.13), 57.13(1.00), 63.52(2.32), 114.49(0.20), 118.74(0.41), 123.00(0.39), 127.26(0.20).
29Si-MNR: -25.07(0.04), -22.54(1.00), 8.15(0.14), 8.78(1.83), 10.37(0.07), 10.53(0.04).
[実施例3] N-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)ピロリジニウムTFSI塩
(1)N-(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)ピロリジンの合成
11.2gのN−アリルピロリジン、19gの1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン、及び、白金のビニルシロキサン錯体をガラス管に入れ、120℃で3時間加熱した。得られた生成物の真空蒸留によりN-(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)ピロリジンを単離した。ベンゼン-d6を溶媒とするNMR分析により構造確認を行った。結果を以下に示す。
1H-NMR: 0.12(s, 14.18), 0.66(fd, 2.00), 1.64(m, 6.12), 2.43(m, 6.00).
13C-NMR: 0.47(2), 2.06(3), 16.33(1), 23.33(1), 23.93(2), 54.28(2), 59.87(1).
29Si-NMR: 7.04(1), 7.82(1).
(2)N-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)ピロリジニウムヨウ化物の合成
10.0gの前記工程(1)で得られたN-(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)ピロリジンを19gのヘキサンに溶解させ、これに6.13gのヨウ化メチルを加えたところ、直ちに白濁した。生成した白色沈殿を濾取し、ヘキサン洗浄後、真空乾燥して、13.3gのN-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)ピロリジニウムヨウ化物を得た。ジメチルスルホキシド-d6を溶媒とするNMR分析により構造確認を行った。結果を以下に示す。
1H-NMR: 0.04(s, 9.0), 0.06(s, 6.0), 0.45(f-d, 2.0), 1.65(m, 1.0), 2.06(br-s, 2.04), 3.01(s, 1.55), 3.34(m, 1.0), 3.49(m, 2.05).
13C-NMR: 0.11(2), 1.83(3), 14.01(1), 17.08(1), 20.85(2), 47.42(1), 63.16(2), 65.23(1).
29Si-NMR: 7.85, 8.10.
(3)N-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)ピロリジニウム TFSI塩の合成
10.64gの前記工程(2)で得られたN-メチル(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)ピロリジニウムヨウ化物を60mLの酢酸エチルに分散させ、これに8.54gのLiTFSI粉末を添加した。直ちに固体が溶解し、透明溶液を生じた。これに50mLの水を添加し、激しく攪拌した後、水相を除去した。水洗を5回繰り返した後、有機層を単離し、真空下、溶剤とその他の揮発物を除去しN-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)ピロリジニウムTFSI塩を透明液体として得た。ジメチルスルホキシド-d6を溶媒とするNMR分析により構造確認を行った。結果を以下に示す。
1H-NMR: 0.065 (s, 4.38), 0.084 (s, 2.92), 0.46 (t, 1.00), 1.7 (m, 1.00), 2.07 (s, br, 2.02), 2.97 (s, 1.51), 3.26 (t, 1.02), 3.42 (m, 2.42).
13C-NMR: 0.02(1.82), 1.79(2.37), 14.2(1.33), 17.2(1.35), 21.0(2.23), 47.3(1.00), 63.3(2.27), 65.6(1.31), 113.0(0.14), 117.3(0.43), 121.6(0.45), 125.8(0.15).
29Si-NMR: 7.80(0.997), 8.26(1.00).
[実施例4] N-メチル-N-(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)ピロリジニウムTFSI塩
(1)N-(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)ピロリジンの合成
200mLフラスコに、34.1gのN−アリルピロリジン、及び、白金ジビニルシロキサン錯体触媒を加え、120℃に加熱し、これに75.2gの1,1,1,3,5,5,5−のヘプタメチルトリシロキサンを滴下した。発熱反応が始まり最高160℃まで昇温した。反応終了後、得られた生成物の真空蒸留によりN-(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)ピロリジン(81.4g)を単離した。ベンゼン-d6を溶媒とするNMR分析により構造確認を行った。結果を以下に示す。
1H-NMR: 0.137 -0.200(s, 12.14), 0.67 (t, 1.00), 1.18 (d, 0.17), 1.55-1.72 (m, 3.59), 2.41-2.44(m, 3.41).
13C-NMR: -0.04 (0.76), 1.97 (4.87), 12.78 (0.103), 15.70 (1.088), 21.98 (0.1055), 23.18 (1.08), 23.89 (2.24), 30.06 (0.048), 54.30 (2.24), 58.81 (0.13), 59.76 (1.00).
29Si-NMR: 8.17 (1.00), 7.09+7.32 (33.9), -20.54 (15.33), -21.27(2.11).
(2)N-メチル-N-(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)ピロリジニウムヨウ化物の合成
16.7gの前記工程(1)で得られたN-(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)ピロリジンを20mLのヘキサンに溶解させ、これに7.12gのヨウ化メチルを加えると白濁した。二日後、生成した白色沈殿を濾取し、ヘキサン洗浄後、真空乾燥し、8.28gのN-メチル-N-(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)ピロリジニウムヨウ化物を得た。ジメチルスルホキシド-d6を溶媒とするNMR分析により構造確認を行った。結果を以下に示す。
1H-NMR: 0.08 (s, 21.8), 0.40(f-d, 2.1), 1.64(m, 2.2), 2.07s,br(br-s, 4.07), 2.99 (s, 3.00), 3.32 (f-d, 2.1), 3.4-3.54 (m, 4.5).
13C-NMR: -0.52(1), 1.80(6), 13.51(1), 17.06(1), 20.96(2), 47.35(1), 63.28(2), 65.22(1).
29Si-NMR: -21.68(1), 8.12(2).
(3)N-メチル-N-(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)ピロリジニウム TFSI塩の合成
12.72gの前記工程(2)で得られたN-メチル-N-(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)ピロリジニウムヨウ化物を40mLの酢酸エチルに分散し、これに8.47gのLiTFSI粉末を添加した。直ちに固体が溶解し、淡黄色溶液を生じた。これに50mLの水を添加し、激しく攪拌した後、水相を除去した。20mLのトルエンを加え、水洗を5回繰り返した後、有機層を単離し、真空下、溶剤とその他の揮発物を除去して、N-メチル-N-(ヘプタメチルトリシロキサニルプロピル)ピロリジニウムTFSI塩を淡黄色の液体として得た。ジメチルスルホキシド-d6を溶媒とするNMR分析により構造確認を行った。結果を以下に示す。
1H-NMR: 0.24 (s, 10.5), 0.47 (t, 1.00), 1.45 + 1.58 (m, 3.00), 2.30 (s, 1.45), 2.76 (m, 2.99).
13C-NMR: -0.41(0.889), 1.87(4.44), 14.0(1.26), 18.0(1.29), 21.3(2.36), 47.6(1.00), 64.1(2.29), 66.9(1.18), 114.5(0.064), 118.73(0.49), 123.0(0.34), 127,3(0.064).
29Si-NMR: 8.83 (1.00), -22.45 (0.508).
[実施例5] N-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウムTFSI塩
(1)N-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩化物の合成
5.83gのN-メチルピロリジン、及び、9.80gのクロロメチルトリメチルシランを肉厚ガラス管に封じ、最初に100℃で5時間加熱し、その後150℃で2日間熱した。揮発成分を除去して残った沈殿をヘキサンで洗浄後、真空乾燥し、10.48gのN-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩化物を得た。ジメチルスルホキシド-d6を溶媒とするNMR分析により構造確認を行った。結果を以下に示す。
1H-NMR: 0.19(s, 4.48), 2.07(br-s, 2.05), 3.04(s, 1.48), 3.21(s, 1.00), 3.40(m, 1), 3.60(m, 1.0). 13C-NMR: -1.09, 21.06, 50.34, 56.47, 66.58.
29Si-NMR: -0.68.
(2)N-メチル- N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウムTFSI塩の合成
8.8gの前記工程(1)で得られたN-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩化物を25mLの水に溶解させ、これに15mLの水に溶解させた14.6gのLiTFSIを添加した。直ちに二相系が生じた。有機相の水洗を5回繰り返したのち単離し、真空下、100℃で終夜加熱後、揮発物を除去して、N-メチル- N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウムTFSI塩を淡黄色の液体として得た。これをジメチルスルホキシド-d6に溶解させて、NMR分析により構造確認を行った。結果を以下に示す。
1H-NMR: -0.205(s, 8.50), 2.10(br-d, 4.0), 3.01(s, 2.7), 3.12(s, 1.9), 3.35(m, 2.0), 3.55(m, 2.0).
13C-NMR: -1.27, 21.11, 50.48, 56.86, 66.91, 112.99, 117.26, 121.53, 125.80.
29Si-NMR: -0.52.
[評価]
N-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウムTFSI塩の電位窓の測定
本発明の塩と、ケイ素原子を含有しない以外は同様の塩について、サイクリックボタンメトリー(CV)実験により電位窓を測定した。測定は作用極および対極に白金線、参照極としてヨウ化N−n−ブチル−N−メチルピロリジニウム (1M.)/ヨウ素(0.25M.)のN−メチル−N−(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウムTFSI溶液に白金線を浸した電極を用い、10mV/secの掃引速度で行った。同様に、比較対照として、N−(n−ブチル)−N−メチルピロリジニウムTFSI塩 (bmpro TFSI)を用いた測定を行い、N−メチル−N−(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウムTFSI塩 (mspro TFSI)の測定結果と比較した。両者のCV曲線を図1に示す。プラス電位側への掃引ではbmproTFSI、msproTFSIともにI-/I2参照極に対しておよそ+2ボルトまで安定であった。また、マイナス電位側への掃引では、bmproTFSIは−1.8ボルトまで安定であったが、msproTFSIは−2.4Vまで安定であり、N−メチル−N−(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウムTFSI塩の電位窓の方が0.6ボルト広いことが分かった。
N−メチル−N−(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウムTFSI塩とN−(n−ブチル)−N−メチルピロリジニウムTFSI塩のCV測定結果を示す図

Claims (9)

  1. 下記一般式(I):

    (4−m) (I)

    〔式中、
    は、アニオンを表し、
    は、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
    は、下記一般式(II):

    −(C2xY)2x−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (II)

    {式中、
    は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
    Yは、−O−、−S−、又は、−NR−(Rは、水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表す)で表される二価の連結基を表し、
    pは、0〜3の整数を表し、
    xは、それぞれ独立して、1〜10の整数を表し、
    yは、0〜20の整数を表し、
    zは、0〜100の整数を表す}で表されるケイ素含有有機基を表し、
    mは、0〜3の整数を表し、ただし、m≧2の場合、少なくとも2つのRが連結して環構造を形成してもよい〕で表される第4級アンモニウム塩。
  2. が、トシレートアニオン、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドアニオン、又は、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドアニオンである、請求項1記載の第4級アンモニウム塩。
  3. 請求項1又は2記載の第4級アンモニウム塩からなるイオン液体。
  4. 下記一般式(III):

    (3−n)N (III)

    〔式中、
    は、置換又は非置換の一価飽和若しくは芳香族炭化水素基を表し、
    は、−(C2xY)x'(2x'−1){xは、1〜10の整数を表し、x’は、2〜10の整数を表し、yは、0〜20の整数を表し、Yは、−O−、−S−、又は、−NR−(Rは、水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表す)で表される二価の連結基を表す}で表される基を表し、
    nは、0〜2の整数を表し、ただし、n=2の場合、2つのRが連結して環構造を形成してもよい〕で表されるアルケニル官能性第3級アミン、及び、下記一般式(IV):

    HSiR {(OSiR OSiR (3−p) (IV)

    (式中、
    は、それぞれ独立して、置換又は非置換の一価飽和若しくは芳香族炭化水素基を表し、
    pは、0〜3の整数を表し、
    zは、0〜100の整数を表す)で表される有機ケイ素化合物のヒドロシリル化反応により、ケイ素含有有機基を有する第3級アミンを得る工程;
    前記ケイ素含有有機基を有する第3級アミン、及び、下記一般式(V):

    X (V)

    {式中、
    は、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、又は、下記一般式(II):

    −(C2xY)2x−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (II)

    (式中、
    は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
    Y、p、x、y、及び、zは、上記のとおりである)で表されるケイ素含有有機基を表し、
    Xは、フッ素原子を除くハロゲンを表す}で表されるハロゲン化物の反応を行なう工程
    を備える、下記一般式(VI):

    (3−n) (VI)

    {式中、
    は、フッ素原子を除くハロゲン化物イオンを表し、
    及びRは、上記のとおりであり、
    は、下記一般式(VII):

    −(C2xY)x'2x'−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (VII)

    (式中、
    、Y、p、x、x’、y、及び、zは、上記のとおりである)で表されるケイ素含有有機基であり、
    nは、上記のとおりである}で表される第4級アンモニウム塩の製造方法。
  5. 下記一般式(VI):

    (3−n) (VI)

    〔式中、
    は、フッ素原子を除くハロゲン化物イオンを表し、
    は、置換又は非置換の一価飽和若しくは芳香族炭化水素基を表し、
    は、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、又は、下記一般式(II):

    −(C2xY)2x−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (II)

    {式中、
    は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
    Yは、−O−、−S−、又は、−NR−(Rは、水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表す)で表される二価の連結基を表し、
    pは、0〜3の整数を表し、
    xは、それぞれ独立して、1〜10の整数を表し、
    yは、0〜20の整数を表し、
    zは、0〜100の整数を表す}で表されるケイ素含有有機基を表し、
    は、下記一般式(VII):

    −(C2xY)x'2x'−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (VII)

    (式中、
    は、それぞれ独立して、置換又は非置換の一価飽和若しくは芳香族炭化水素基を表し、
    Y、p、x、y、及び、zは、上記のとおりであり、
    x’は、2〜10の整数を表す)で表されるケイ素含有有機基であり、
    nは、0〜2の整数を表し、ただし、n=2の場合、2つのRが連結して環構造を形成してもよい〕で表される第4級アンモニウム塩、及び、ハロゲン化物イオン以外のアニオン(A')を有する塩のアニオン交換反応を行なう工程
    を備える、下記一般式(VIII):

    (3−n) A' (VIII)

    (式中、
    A'、R、R、R、及び、nは、上記のとおりである)で表される第4級アンモニウム塩の製造方法。
  6. A'が、トシレートアニオン、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドアニオン、又は、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドアニオンである、請求項5記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。
  7. 下記一般式(IX):

    N (IX)

    (式中、
    は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表す)で表される第3級アミン、及び、下記一般式(X):

    X (X)

    〔式中、
    は、下記一般式(II):

    −(C2xY)2x−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (II)

    {式中、
    は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
    Yは、−O−、−S−、又は、−NR−(Rは、水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表す)で表される二価の連結基を表し、
    pは、0〜3の整数を表し、
    xは、それぞれ独立して、1〜10の整数を表し、
    yは、0〜20の整数を表し、
    zは、0〜100の整数を表す}で表されるケイ素含有有機基を表し、
    Xは、フッ素原子を除くハロゲンを表す〕で表されるハロゲン化物の反応を行なう工程
    を備える、下記一般式(XI):

    (XI)

    (式中、
    は、フッ素原子を除くハロゲン化物イオンを表し、
    及びRは、上記のとおりである)で表される第4級アンモニウム塩の製造方法。
  8. 下記一般式(XI):

    (XI)

    〔式中、
    は、フッ素原子を除くハロゲン化物イオンを表し、
    は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
    は、下記一般式(II):

    −(C2xY)2x−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (II)

    {式中、
    は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
    Yは、−O−、−S−、又は、−NR−(Rは、水素原子又は置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表す)で表される二価の連結基を表し、
    pは、0〜3の整数を表し、
    xは、それぞれ独立して、1〜10の整数を表し、
    yは、0〜20の整数を表し、
    zは、0〜100の整数を表す}で表されるケイ素含有有機基を表す〕で表される第4級アンモニウム塩、及び、ハロゲン化物イオン以外のアニオン(A')を有する塩のアニオン交換反応を行なう工程
    を備える、下記一般式(XII):

    A' (XII)

    (式中、
    A'、R、及び、Rは、上記のとおりである)で表される第4級アンモニウム塩の製造方法
  9. A'が、トシレートアニオン、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドアニオン、又は、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドアニオンである、請求項8記載の第4級アンモニウム塩の製造方法。
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