JP2010058046A - プロトン性溶媒除去剤及びプロトン性溶媒除去方法 - Google Patents

プロトン性溶媒除去剤及びプロトン性溶媒除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体中の、特に電解液又はイオン液体中の、水、アルコール等のプロトン性溶媒を除去することが可能な新規なプロトン性溶媒除去剤、及び、プロトン性除去方法を提供すること
【解決手段】カチオン性窒素原子を有する化合物であって、該カチオン性窒素原子に直接結合する基の少なくとも一つが、下記一般式(I):

−CH−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (I)

(式中、
は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
pは、0〜3の整数を表し、
zは、0〜100の整数を表す)で表されるケイ素含有有機基である、
カチオン性窒素原子を有する化合物からなるプロトン性溶媒除去剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、液体に含まれるプロトン性溶媒を取り除くためのプロトン性溶媒除去剤、及び、プロトン性溶媒除去方法に関する。
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート等の液体状の炭酸エステル、並びに、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム テトラフルオロボレート、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム ビス(トリフルオリメチルスルフホニル)イミド等のイオン液体は、電気化学的安定性、電解質の溶解性等の観点から、リチウムイオン電子、電気二重層型キャパシター等の電気化学デバイスにおける、電解液の溶媒として利用又はその利用が検討されている。
これらの液体を電気化学的デバイスに使用する場合、当該液体中の微量の極性不純物の存在が問題となる。特に、極性が高く、且つ、分子量の小さい、水、アルコール等が不純物として混入していると、リチウム等の成分が不可逆的に化学反応を起こし、デバイスとしての性能が低下する。また、水、アルコール等の関与する副反応によって、水素ガスが発生して電池が破裂する等のおそれもある。
そこで、特許文献1には、水を除去するために酸無水物を用いる技術が提案されている。すなわち、特許文献1では、電池のセパレーターの材料として無水マレイン酸で修飾されたポリオレフィンが使用されており、無水マレイン酸基との反応により、水はカルボン酸としてセパレーターの一部に固定され、除去される。しかし、この方法では、カルボン酸として依然として存在するプロトン性水素が電気化学的に還元されて水素ガスが発生するおそれがある。また、酸の存在のために、腐食等の問題を起こす可能性がある。
また、特許文献2には、ピペラジン官能基を有するポリマーを電解液成分とし、ピペラジン基を水分子の捕捉剤として用いる技術が提案されている。しかし、この方法では、水分子は化学変換されることなく単に捕捉されているので、平衡状態の変化に応じて放出されることがある。また、ピペラジンは強塩基であり、腐食等の問題がある。
一方、セパレーターの脱水(特許文献3)、又は、電解液溶媒の脱水(特許文献4)にゼオライト、シリカ等の固体の乾燥剤を添加する方法も存在する。しかし、固体物の添加は沈殿分離を引き起こし、又は、デバイス中で固形膜を形成してイオンの移動を妨げる原因ともなる。しかも、電気化学デバイスの製造工程においては、固体の添加、分散は、液体の場合と比較して、制御が困難である。
また、電気化学デバイスの電解液に限らず、水、アルコール等の関与する副反応等を回避するために、反応媒体として、水、アルコール等のプロトン性溶媒が除去された液体が必要とされるケースが実験室レベル又は工業的スケールにおいて、多々存在する。
米国特許公開第2004−248012号明細書 特開2004−59865号公報 米国特許公開第2003−215719号明細書 特開2003−45482号公報
本発明は、上記の従来技術の現状に鑑みて為されたものであり、液体中の、特に電解液又はイオン液体中の、水、アルコール等のプロトン性溶媒を除去することが可能な新規なプロトン性溶媒除去剤、及び、プロトン性溶媒除去方法を提供することをその目的とする。
本発明の目的は、カチオン性窒素原子を有する化合物であって、該カチオン性窒素原子に直接結合する基の少なくとも一つが、下記一般式(I):

−CH−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (I)

(式中、
は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
pは、0〜3の整数を表し、
zは、0〜100の整数を表す)で表されるケイ素含有有機基である、
カチオン性窒素を有する化合物からなるプロトン性溶媒除去剤によって達成される。
カチオン性窒素原子を有する化合物は、第4級アンモニウム塩が好ましい。
前記第4級アンモニウム塩は、下記一般式(II):

(4−m) (II)

(式中、
は、アニオンを表し、
は、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
は、下記一般式(I):

−CH−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (I)

(式中、
は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
pは、0〜3の整数を表し、
zは、0〜100の整数を表す)で表されるケイ素含有有機基を表し、
mは、0〜3の整数を表し、ただし、m≧2の場合、少なくとも2つのRは連結して環構造を形成してもよい)で表されるものが好ましい。
前記アニオン(A)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、トシレートアニオン、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドアニオン、又は、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。
本発明のプロトン性溶媒除去剤は、好ましくはイオン液体に配合することができる。
本発明の目的は、プロトン性溶媒を含む液体からのプロトン性溶媒除去方法であって、前記プロトン性溶媒除去剤を塩基性化合物と共に前記液体に添加する方法、或いは、前記プロトン性溶媒除去剤をプロトン性溶媒を含む塩基性液体に添加する方法によっても達成される。
前記液体としては、イオン液体が好ましい。
本発明により、任意の液体中の、水、アルコール等のプロトン性溶媒を、速やかに、且つ、不可逆的に除去することができる。本発明は、水、アルコール等のプロトン性溶媒の存在が忌避されるべき電気化学デバイス中の電解液又はイオン液体に特に好ましく適用することができる。
本発明のプロトン性溶媒除去剤は、溶媒に可溶であるか、あるいはそれ自体が液体であるので、液体中への混合分散が容易である。したがって、例えば、電解液に固形状の除去剤を添加する場合に比べて、電気化学デバイスの製造工程の簡素化を図ることができる。
特に、本発明のプロトン性溶媒除去剤がイオン液体としての性質をも有する場合は、それ自体を電気化学デバイスの電解液の溶媒として使用することができ、電解液に微量の水、アルコール等のプロトン性溶媒が混入しても、当該プロトン性溶媒を自動的に排除することができる。したがって、本発明のプロトン性溶媒除去剤のために電気化学デバイスのセパレーター等構造又は電解液の組成を変更する必要がない。
本発明のプロトン性溶媒除去剤は、カチオン性窒素原子を有する化合物であって、該カチオン性窒素原子に直接結合する基の少なくとも一つが、下記一般式(I):

−CH−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (I)

(式中、
は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
pは0〜3の整数を表し、
zは0〜100の整数を表す)で表されるケイ素含有有機基である、カチオン性窒素原子を有する化合物からなる。ここで、「からなる」とは、本発明のプロトン性溶媒除去剤が上記カチオン性窒素原子を有する化合物のみからなる場合、並びに、本発明のプロトン性溶媒除去剤が上記カチオン性窒素原子を有する化合物と共に溶媒等の他の成分を含む場合の両者を含む意味である。前記溶媒としては、例えば、後述する非プロトン性溶媒、イオン性液体等が挙げられる。
また、上記カチオン性窒素原子に直接結合する一般式(I)で表されるケイ素含有有機基において、Rは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、特に限定されるものではないが、典型的には、置換若しくは非置換の、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4の一価の飽和炭化水素基、又は、炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜12の一価の芳香族炭化水素基である。
炭素数1〜20の一価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖又は分岐状のアルキル基、並びに、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。メチル基が好ましい。
炭素数6〜20の一価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等が挙げられる。フェニル基が好ましい。なお、本明細書において芳香族炭化水素基とは、芳香族炭化水素のみからなる基以外に、芳香族炭化水素と飽和炭化水素が複合した基をも含む。芳香族炭化水素と飽和炭化水素が複合した基の例としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
上記の一価飽和若しくは芳香族炭化水素基上の水素原子は、1以上の置換基によって置換されていてもよく、当該置換基は、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、及び炭素数1〜6のアルコキシ基からなる群から選択される。したがって、例えば、一価飽和置換炭化水素基としては、3,3,3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基;メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等のアルコキシ置換アルキル基が挙げられる。
また、式中のpは0〜3の整数を表し、zは0〜100の整数を表し、好ましくは0〜50の整数を表し、さらに好ましくは0〜10の整数を表す。
このようなケイ素含有有機基としては、具体的には、例えば、トリメチルシリルメチル基等のシリルメチル基;ヘプタメチルトリシロキサニルメチル基、ペンタメチルジシロキサニルメチル基等のシロキサニルメチル基が挙げられる。
このようなカチオン性窒素原子を有する化合物としては、好ましくは、第4級アンモニウム塩である。
この第4級アンモニウム塩としては、下記一般式(II):

(4−m) (II)

で表されるものが好ましい。
一般式(II)において、アニオン(A)は、特に限定されるものではなく、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオン、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、AsF 、SbF 等の無機系アニオンの他に、トシレートアニオン;トリフルオロメタンスルホネートアニオン;ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン;ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドアニオン等のビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドアニオン;又は、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドアニオン等の有機系アニオンを使用することができる。
一般式(II)において、Rは、置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、特に限定されるものではないが、典型的には、置換若しくは非置換の、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4の一価の飽和炭化水素基、又は、炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜12の一価の芳香族炭化水素基である。
炭素数1〜20の一価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖又は分岐状のアルキル基、並びに、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。メチル基が好ましい。
炭素数6〜20の一価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等が挙げられる。フェニル基が好ましい。なお、本明細書において芳香族炭化水素基とは、芳香族炭化水素のみからなる基以外に、芳香族炭化水素と飽和炭化水素が複合した基をも含む。芳香族炭化水素と飽和炭化水素が複合した基の例としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
上記の一価飽和若しくは芳香族炭化水素基上の水素原子は、1以上の置換基によって置換されていてもよく、当該置換基は、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、水酸基及び炭素数1〜6のアルコキシ基からなる群から選択される。したがって、例えば、一価飽和置換炭化水素基としては、3,3,3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基;メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等のアルコキシ置換アルキル基が挙げられる。
一般式(II)において、mはカチオン性窒素原子に直接結合するRの数を表す0〜3の整数であり、m≧2の場合、すなわち、Rが2つ以上存在する場合に、少なくとも2つのRが連結して前記カチオン性窒素原子を含有する環構造を形成してもよい。この環構造としては、例えば、ピロリジニウム環構造、ピペラジニウム環構造、またはこれらの環構造中の水素原子を置換してなる環構造が挙げられる。
また、一般式(II)において、Rはケイ素含有有機基を表し、前記と同様である。
一般式(II)において、ケイ素含有有機基は、ケイ素原子を含む限り特に限定されるものではない。ケイ素原子は炭素原子と比較して電気陰性度が低いので、ケイ素含有有機基は窒素原子上の正電荷の非局在化に寄与し、その結果カチオンの還元電位が上昇し、よって電気化学的還元を受けにくくなる。これにより、一般式(II)の第4級アンモニウム塩は、電位窓が拡大し、電気化学的安定性が増大する。したがって、本発明のプロトン性溶媒除去剤は電気化学デバイスに好適に使用することができる。
また、ケイ素含有有機基は、ケイ素原子による窒素原子上の正電荷非局在化作用により塩のカチオンとアニオン間の静電気的引力を弱める。これにより、一般式(II)の第4級アンモニウム塩の極性は低減し、液状シリコーン等の非極性又は低極性有機材料への親和性が高まる。したがって、一般式(II)の塩は、液状シリコーン等の非極性又は低極性有機材料への分散性又は溶解性に優れたものである。
ケイ素含有有機基は、電荷の非局在化作用の点で、嵩高い非極性のシリル基又はシロキサニル基であることが好ましい。なお、シリル基及びシロサニル基のメチル基に起因する弱い分子間力、並びに、シロキサニル基の−Si−O−Si−結合は、一般式(II)の塩がイオン液体としての性質を有する場合には、その結晶化温度の低下にも寄与する。
このようなカチオン性窒素原子を有する化合物は、イオン液体に好適に配合することができる。特に、カチオン性窒素原子を有する化合物が常温(20〜30℃)以上、好ましくは-20℃以上、より好ましくは-50℃以上で液体として存在する場合は、それ自体をイオン液体として使用することができる。イオン液体は、揮発性をほとんど有さないイオン対化合物であって、広い温度領域で液状であり、電気化学的に安定であり、また、難燃性及び高導電率を有する。電気化学的安定性は、例えば、サイクリックボルタンメトリー(CV)等の電気化学的手法で測定することができる。なお、本発明のカチオン性窒素原子を有する化合物に含まれうるシロキサニル基はシロキサン(−SiO−)結合の繰り返し数が比較的極少ない場合には、本発明のカチオン性窒素原子を有する化合物は、シロキサニル基を含む場合であっても、いわゆる第4級アンモニウム変性オルガノポリシロキサンとは異なり、非電導性等のシリコーンとしての挙動を示さない。
このような第4級アンモニウム塩は、例えば、第3級アミンをケイ素原子を有するハロゲン化合物と反応させてケイ素含有有機基を有する第4級アンモニウム塩を合成し、そして必要に応じて、当該第4級アンモニウム塩とアルカリ金属塩とのイオン交換反応を行うことによって製造することができる。前記イオン交換反応の副産物はNaCl、LiBr等のアルカリ金属ハロゲン化物であるので、この製造方法では、危険な副産物を生成することなく、安全に第4級アンモニウム塩を製造することができる。
好ましくは、上記の製造方法は、以下の工程を備えるものである。
第1工程:下記一般式(III):

N (III)

(式中、Rは、上記のとおりである)で表される第3級アミン、及び、下記一般式(IV):

X (IV)

(式中、
は、上記のとおりであり、
Xは、フッ素を除くハロゲンを表す)で表されるハロゲン化物の反応により、下記一般式(V):

(V)

(式中、
は、フッ化物イオンを除くハロゲン化物イオンを表し、
及びRは、上記のとおりである)で表される第4級アンモニウム塩を得る工程
必要に応じて、さらに、第2工程:前記第4級アンモニウム塩、及び、下記一般式(VI):

A' (VI)

(式中、
Mはアルカリ金属を表し、
A'はハロゲン化物イオン以外のアニオンを表す)で表される塩のイオン交換反応する工程
前記第1工程は一般式(III)で表される第3級アミンの第4級化段階である。前記一般式(IV)において、ハロゲンとは、塩素、臭素又はヨウ素である。したがって、一般式(V)において、ハロゲン化物イオンとは、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオンである。
前記一般式(IV)で表されるハロゲン化物としては、クロロメチルトリメチルシラン、クロロメチルジメチルエチルシラン、クロロメチルジメチルプロピルシラン、クロロメチルメチルジエチルシラン、ブロモメチルトリメチルシラン、ブロモメチルジメチルエチルシラン、ブロモメチルジメチルプロピルシラン、ブロモメチルメチルジエチルシラン等のトリアルキルハロメチルシラン;ペンタメチル(クロロメチル)ジシロキサン、1,1,1,3,3,5,5−ヘプタメチル(クロロメチル)トリシロキサン等のハロメチル基を有するジメチルシロキサンを例示できる。
前記一般式(V)で表される第4級アンモニウム塩としては、例えば、トリメチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、エチルジメチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、ジエチルメチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、n-オクチルジメチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、ジメチル(メトキシエチル)(トリメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、ジメチルビス(トリメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、トリメチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、エチルジメチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、ジエチルメチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、n-オクチルジメチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、ジメチル(メトキシエチル)(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、ジメチルビス(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウムイオン、トリメチル(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウムイオン、エチルジメチル(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウムイオン、ジエチルメチル(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウムイオン、n-オクチルジメチル(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウムイオン、ジメチル(メトキシエチル)(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウムイオン、N-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピペリジニウム、N-エチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピペリジニウム、N-メチル-N-(エチルジメチルシリルメチル)ピペリジニウム、N-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルメチル)ピペリジニウム、N-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム、エチル(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム、N-メチル-N-(エチルジメチルシリルメチル)ピロリジニウム、N-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルメチル)ピロリジニウムカチオンのハロゲン化物を例示できる。
前記第2工程は、前記第1工程で得られた一般式(V)の第4級アンモニウム塩のアニオン交換を行う任意の段階である。前記第2工程のアニオン交換反応は、一般式(V)の第4級アンモニウム塩の水溶液、及び、一般式(VI)の塩の水溶液の混合によって実施することができる。一般式(V)の第4級アンモニウム塩の水に対する溶解度が小さい場合には、当該第4級アンモニウム塩及び一般式(VI)の塩をアルコール、ケトン等の極性有機溶剤に溶解又は分散させて反応させてもよい。
本発明のプロトン性溶媒除去剤は、プロトン性溶媒を含む液体からのプロトン性溶媒除去方法に使用することができる。本発明において、プロトン性溶媒とは、水;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;蟻酸、酢酸等のカルボン酸のように、解離してプロトン(H)を放出しうる溶媒を意味する。プロトン性溶媒は、典型的にはOH基を有する水酸基含有化合物であるが、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル等の活性メチレン基を有する化合物もプロトン性溶媒に含まれる。
例えば、本発明のプロトン性溶媒除去剤は、塩基性化合物と共にプロトン性溶媒を含む液体に添加されて、当該液体からプロトン性溶媒を除去するために使用することができる。
前記塩基性化合物は、任意の種類のものを使用することができ、例えば、NaOCH等のアルカリ金属アルコキシド、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。塩基性化合物の量は、脱プロトン性溶媒化の対象となる液体の種類等によって変動するが触媒量でよく、例えば、脱プロトン性溶媒の対象となる液体の0.00001〜5質量%の範囲で適宜設定することができる。
また、本発明のプロトン性溶媒除去剤は、プロトン性溶媒を含む塩基性液体に添加されて、当該液体からプロトン性溶媒を除去するために使用することもできる。この場合は、脱プロトン性溶媒化の対象となる液体が既に塩基性であるので、新たに前記塩基性化合物を添加する必要はない。
本発明のプロトン性溶媒除去方法において脱プロトン性溶媒化の対象となる液体の種類は特に限定されるものではない。そのような液体としては、例えば、ベンゼン、トルエン等の非極性非プロトン性溶媒;アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の極性非プロトン性溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート等の液体状の炭酸エステル;1−メチル−3−エチルイミダゾリウム テトラフルオロボレート、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム ビス(トリフルオリメチルスルフホニル)イミド等の各種のイオン液体を挙げることができる。
本発明のプロトン性溶媒除去剤は、特に、イオン液体の脱プロトン性溶媒化(脱水、脱アルコール等)に好適に使用することができる。イオン液体は、典型的には、常温付近以下の融点を有する、カチオン及びアニオンの組み合わせからなる、非揮発性のイオン対化合物(塩)であり、高粘性及び高腐食性を有する従来の塩溶融物と比較して低粘度及び低腐食性で、化学的安定性に富み、化学、電気化学、機械工学、熱工学等の広い分野にわたり注目される機能材料である。
本発明のプロトン性溶媒除去方法では、前記カチオン性窒素原子を有する化合物からなる本発明のプロトン性溶媒除去剤が、水、アルコール等のプロトン性溶媒の水素原子と特異的に反応して、当該水素原子を不可逆的に捕捉する。具体的には、水、アルコール等の非プロトン性溶媒はジシロキサン、アルコキシシラン等の非プロトン性化合物に速やかに変換されて、再放出されることがない。したがって、本発明のプロトン性溶媒除去方法では、液体中のプロトン性溶媒を、速やかに、且つ、永久的に除去することができる。
例えば、カチオン性窒素原子を有する化合物として、シリルメチル基を有する第4級アンモニウム塩を、それぞれ、アルコール及び水の除去に使用する場合、下記反応式(1)
Figure 2010058046
に示されるように、アルコール(反応式1中、Rは任意のアルキル基を示す)はアルコキシシランに変換される。また、水はジシロキサンに変換される。これらの反応の他の生成物は、第4級アンモニウムカチオンである。したがって、前記シリルメチル基がトリメチルシリル基であり、且つ、メタノール及び水と反応する場合は、それぞれ、トリメチルメトキシシランおよびヘキサメチルジシロキサンが生じる。
本発明のプロトン性溶媒除去方法で使用される本発明のプロトン性溶媒除去剤としては、具体的には、トリメチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、エチルジメチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジエチルメチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、n-オクチルジメチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、トリエチル(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジメチル(メトキシエチル)(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジメチル(3−トリメチルシリルプロピル)(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジメチルビス(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、エチルメチルビス(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジエチルビス(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、トリメチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、エチルジメチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジエチルメチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、n-オクチルジメチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、トリエチル(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジメチル(メトキシエチル)(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジメチルビス(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、エチルメチルビス(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、ジエチルビス(エチルジメチルシリルメチル)アンモニウム塩、トリメチル(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、エチルジメチル(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、ジエチルメチル(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、n-オクチルジメチル(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、ジメチル(メトキシエチル)(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、トリエチル(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、ジメチルビス(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、エチルメチルビス(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、ジエチルビス(ペンタメチルジシロキサニルメチル)アンモニウム塩、トリメチル(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、エチルジメチル(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、ジエチルメチル(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、n-オクチルジメチル(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、ジメチル(メトキシエチル)(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、トリエチル(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、ジメチルビス(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、エチルメチルビス(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、ジエチルビス(ヘプタメチルトリシロキサニルメチル)アンモニウム塩、N-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピペリジニウム塩、N−エチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピペリジニウム塩、N-メチル-N-(エチルジメチルシリルメチル)ピペリジニウム塩、N−エチル-N-(エチルジメチルシリルメチル)ピペリジニウム塩、N-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルメチル)ピペリジニウム塩、N−エチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルメチル)ピペリジニウム塩、N-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩、N−エチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩、N-メチル-N-(エチルジメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩、N-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルメチル)ピロリジニウム塩、N-メチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルメチル)ピロリジニウム塩、N−エチル-N-(ペンタメチルジシロキサニルメチル)ピロリジニウム塩を例示できる。
これらの中では、N,N,N−トリメチル−N−(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、N−エチル−N,N−ジメチル−N−(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、N−(n-オクチル)-N,N−ジメチル−N−(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、N,N−ジメチル−N−(メトキシエチル)−N−(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、N,N−ジメチル−N,N−ビス(トリメチルシリルメチル)アンモニウム塩、N-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピペリジニウム塩、N-エチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピペリジニウム塩、N-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩、及び、N-エチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩が特に好ましい。
本発明は、電解質溶媒等の電気化学分野の他に、例えば、化学反応用溶媒、分離抽出用溶媒、潤滑剤、熱媒体等に関連して、化学、電気化学、機械工学、熱工学等の幅広い分野で利用することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に例証するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
以下において、「TFSI」はビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドを、「DMSO」はジメチルスルホキシドを示す。 NMRデータの表示は、1H-NMR: 化学シフト(ピーク性状、相対強度)、13C-NMR: 化学シフト(相対強度)、29Si-NMR: 化学シフト(相対強度)で表した。ピーク性状の表示においてs、d、t、q、mはそれぞれシングレット、ダブレット、トリプレット、クオルテット、マルチプレットを示し、brはブロードを表す。13C- と29Si-NMRはプロトンデカップリングで測定した。化学シフト値は1H-NMRではNMRの重水素溶媒の残存Hのピークを標準として、13C-NMRではNMRの溶媒の炭素ピークを標準とし、29Si-NMRでは使用溶媒に溶かしたTMS(テトラメチルシラン)の位置を外部標準として補正した。
[合成例1] N−メチル−N−(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩化物
5.83gのN−メチルピロリジン、及び、9.80gのクロロメチルトリメチルシランを肉厚ガラス管に封じ、最初に100℃で5時間加熱し、その後150℃で2日間加熱した。揮発成分を除去して残った沈殿をヘキサンで洗浄後、真空乾燥し10.48gのN−メチル−N−(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩化物を得た。DMSO-d6を溶媒とするNMR分析により構造確認を行った。結果を以下に示す。
1H-NMR: 0.19(s, 4.48), 2.07(br-s, 2.05), 3.04(s, 1.48), 3.21(s, 1.00), 3.40(m, 1), 3.60(m, 1.0).
13C-NMR: -1.09, 21.06, 50.34, 56.47, 66.58.
29Si-NMR: -0.68.
[合成例2] N−メチル−N−(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム TFSI塩
8.8gの前記合成例1で得られたN−メチル−N−(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩化物を25mLの水に溶解させ、これに15mLの水に溶解させた14.6gのリチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiTFSI)を添加した。直ちに二相系が生じた。有機相の水洗を5回繰り返した後、単離し、真空下、100℃で終夜加熱後、揮発物を除去して、N−メチル−N−(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウムTFSI塩を淡黄色の液体として得た。DMSO-d6を溶媒とするNMR分析により構造確認を行った。結果を以下に示す。
1H-NMR: -0.205(s, 8.50), 2.10(br-d, 4.0), 3.01(s, 2.7), 3.12(s, 1.9), 3.35(m, 2.0), 3.55(m, 2.0).
13C-NMR: -1.27, 21.11, 50.48, 56.86, 66.91, 112.99, 117.26, 121.53, 125.80.
29Si-NMR: -0.52.
[実施例1] 水酸化カリウム存在下でのN-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩化物と水との反応
前記合成例1で得られたN−メチル−N−(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウム塩化物(30mg)を0.41gのDMSO-d6に溶解させた。これに5%水酸化カリウム水溶液10μLを加えた。直ちにNMR分析を行うと、N,N−ジメチルピロリジニウムイオンの共鳴ピークのみが見られ、同時にヘキサメチルジシロキサンが生成していた。N−メチル−N−(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウムの共鳴ピークは完全に消失していた。結果を以下に示す。
1H-NMR: 2.07(br-s, 1.00), 3.11(s, 1.53), 3.47(m, 1.05).
13C-NMR: 21.30 (1.06), 50.88(1.04), 64.62 (1.00).
[実施例2] ナトリウムメトキシド存在下でのN-メチル-N-(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウムTFSI塩とメタノールとの反応
前記合成例2で得られたN−メチル−N−(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウムTFSI塩(55mg)を0.40gのDMSO-d6に溶解した。これにナトリウムメトキシド(5%)メタノール溶液10μLを加えた。直ちにNMR分析を行うと、N,N−ジメチルピロリジニウムイオンの共鳴ピークのみが見られ、同時にトリメチルメトキシシランが生成していた。揮発性成分を減圧下除去した後、残存液体を再度DMSO-d6に溶解しNMR分析を行うとN−メチル−N−(トリメチルシリルメチル)ピロリジニウムの共鳴ピークは完全に消失しており、N,N−ジメチルピロリジニウムイオンの共鳴ピークのみが見られた。結果を以下に示す。
1H-NMR: 2.07(br, 1.0), 3.11(s, 1.5), 3.47(m, 1.0).
13C-NMR: 21.3 (1.0), 50.9(1.0), 64.6 (1.0).

Claims (8)

  1. カチオン性窒素原子を有する化合物であって、該カチオン性窒素原子に直接結合する基の少なくとも一つが、下記一般式(I):

    −CH−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (I)

    (式中、
    は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
    pは、0〜3の整数を表し、
    zは、0〜100の整数を表す)で表されるケイ素含有有機基である、
    カチオン性窒素原子を有する化合物からなるプロトン性溶媒除去剤。
  2. カチオン性窒素原子を有する化合物が第4級アンモニウム塩である、請求項1記載のプロトン性溶媒除去剤。
  3. 第4級アンモニウム塩が、下記一般式(II):

    (4−m) (II)

    (式中、
    は、アニオンを表し、
    は、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
    は、下記一般式(I):

    −CH−SiR {(OSiR OSiR (3−p) (I)

    (式中、
    は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の一価炭化水素基を表し、
    pは、0〜3の整数を表し、
    zは、0〜100の整数を表す)で表されるケイ素含有有機基を表し、
    mは、0〜3の整数を表し、ただし、m≧2の場合、少なくとも2つのRは連結して環構造を形成してもよい)で表される、請求項2記載のプロトン性溶媒除去剤。
  4. アニオン(A)が、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、トシレートアニオン、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドアニオン、又は、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドアニオンである、請求項3記載のプロトン性溶媒除去剤。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のプロトン性溶媒除去剤を含むイオン液体。
  6. プロトン性溶媒を含む液体からのプロトン性溶媒除去方法であって、
    請求項1乃至4のいずれかに記載のプロトン性溶媒除去剤を塩基性化合物と共に前記液体に添加することを特徴とする方法。
  7. プロトン性溶媒を含む塩基性液体からのプロトン性溶媒除去方法であって、
    請求項1乃至4のいずれかに記載のプロトン性溶媒除去剤を前記液体に添加することを特徴とする方法。
  8. 前記液体がイオン液体であることを特徴とする、請求項6又は7記載の方法。
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