JPH11260407A - リチウム2次電池用高分子電解質 - Google Patents

リチウム2次電池用高分子電解質

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JPH11260407A
JPH11260407A JP10065247A JP6524798A JPH11260407A JP H11260407 A JPH11260407 A JP H11260407A JP 10065247 A JP10065247 A JP 10065247A JP 6524798 A JP6524798 A JP 6524798A JP H11260407 A JPH11260407 A JP H11260407A
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group
compound
polymer electrolyte
polymer
alkyl group
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JP10065247A
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Kazuchiyo Takaoka
和千代 高岡
Masakazu Takada
昌和 高田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、高いイオン伝導性を有するリ
チウム2次電池用高分子電解質を提供することにある。 【解決手段】少なくとも化合物(1)、化合物(2)、
化合物(3)、或いは化合物(4)を単量体として含む
重合物を含有することを特徴としてとを特徴するリチウ
ム2次電池用高分子電解質を用いて上記問題を解決し
た。 【化1】 (R1はプロトン或いはメチル基を表す。R2、R3、及
びR4はそれぞれ炭素数1から4までのアルキル基、フ
ッ素置換されたアルキル基、或いはフェニル基を示す。
1、A2、及びA3はそれぞれ炭素数1から4のアルキ
レン基或いはフェニレン基を示す。n、m、p、及びq
はそれぞれ0以上の整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、リチウム2次電
池用高分子電解質に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム2次電池は理論エネルギー密度
が高く、ポータブル電子機器電源をはじめ、電気自動
車、電力貯蔵用電源等その応用範囲は広い。従来のリチ
ウム2次電池に用いられている電解質は、リチウムの高
い反応性のためにイオン伝導度の高い水溶液系が使えな
いことから、リチウム塩を非水溶液中に溶解させた有機
電解液が用いられている。しかし、有機電解質では液状
であるため、電池が破損したり、過充電時の発熱などに
より気化し、常に爆発の危険が伴い、そのために充分な
安全策を講じる必要があり、それがまた電池のコストの
上昇の原因や使い勝手の悪さになっていた。
【0003】これに対し、最近では無機固体電解質や高
分子電解質などが提案されている。特に高分子電解質で
は、比較的高いイオン伝導性、広い電位窓、良好な薄膜
形成性、柔軟性、軽量性、弾性、透明性等を備えた優れ
た特徴を持っている。また、2次電池では、多くの電極
活物質が作動中のその体積を変化させるので、高分子電
解質の柔軟性や弾性的特性は特に重要である。
【0004】従来、このような高分子電解質として、ポ
リエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポ
リアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリ
メチルアクリレート、ポリ酢酸ビニル、或いはこれらの
複合物等の高分子に、LiClO4、LiBF4、LiP
6、LiAsF6、LiCF3SO3、Li(CF3
22N、Li(CF3SO23C、LiBPh4(Ph
はフェニル基を示す)といった塩を溶解させてなる高分
子電解質が提案されているが、いまだ十分なイオン伝導
性は得られていない。
【0005】十分なイオン伝導性が得られない理由とし
ては、このようなポリマー中ではリチウム塩の解離定数
が小さいこと、ポリマーの熱的な運動に支配されている
ためにイオンの移動度が小さいこと、更に分子状のリチ
ウム塩を電解質として使用するために、電場下において
カウンターのアニオンが高分子固体電解質の内部電界強
度を引き下げるように再配列することなどによると考え
らている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高い
イオン伝導性を有するリチウム2次電池用高分子電解質
を提供することにある。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、少なくとも化合物(1)、化合物(2)、化合
物(3)、或いは化合物(4)を単量体として含む重合
物を含有することを特徴とするリチウム2次電池用高分
子電解質を用いて上記問題を解決した。
【0008】
【化5】
【0009】ここで、R1はプロトン或いはメチル基を
表す。R2は炭素数1から4までのアルキル基、フッ素
置換されたアルキル基、或いはフェニル基を表す。A1
は炭素数1から4のアルキレン基或いはフェニレン基を
表す。nは0以上の整数である。
【0010】
【化6】
【0011】ここで、R1はプロトン或いはメチル基を
表す。R3は炭素数1から4までのアルキル基、フッ素
置換されたアルキル基、或いはフェニル基を表す。A2
は炭素数1から4のアルキレン基或いはフェニレン基を
表す。mは0以上の整数である。
【0012】
【化7】
【0013】ここで、R1はプロトン或いはメチル基を
表す。R4は炭素数1から4までのアルキル基、フッ素
置換されたアルキル基、或いはフェニル基を表す。A3
は炭素数1から4のアルキレン基或いはフェニレン基を
表す。pは0以上の整数である。
【0014】
【化8】
【0015】ここで、qは0以上の整数である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
化合物(1)、(2)、(3)、(4)はいずれもビニ
ル基を有するリチウム塩であり、ビニル基を有すること
によって適当な重合開始剤の存在下で多種の単量体と重
合してポリマーとなる。生成したポリマーはリチウムイ
オンを内包しており、リチウムイオンはこのポリマーに
固定されたカウンターアニオン間を伝導し、イオン伝導
性を発現する。
【0017】化合物(1)としては、具体的には化合物
(1−1)から化合物(1−5)に与えたような化合物
である。いずれも本発明において特にこれらに限定され
る訳ではない。
【0018】
【化9】
【0019】また、化合物(2)としては、具体的には
化合物(2−1)から化合物(2−5)に与えたような
化合物である。いずれも本発明において特にこれらに限
定される訳ではない。
【化10】
【0020】また、化合物(3)としては、具体的には
化合物(3−1)から化合物(3−5)に与えたような
化合物である。いずれも本発明において特にこれらに限
定される訳ではない。
【0021】
【化11】
【0022】また、化合物(4)としては、具体的には
化合物(4−1)と化合物(4−3)に与えたような化
合物である。いずれも本発明において特にこれらの化合
物に限定される訳ではない。
【0023】
【化12】
【0024】また、これら本発明に係わるビニル基を有
するリチウム塩を単量体として含む重合物には、これ以
外にも共重合可能な単量体を含んでも良い。本発明に係
わる単量体と共重合可能な単量体の例としては、メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピル
メタクリレート、n−プロピルメタクリレート、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアク
リレート、n−プロピルアクリレート、メトキシポリエ
トキシメタクリレート、メトキシポリエトキシアクリレ
ート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレ
ート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、テトラ
ヒドロフルフリルアクリレート、フェニルメタクリレー
ト、フェニルアクリレート、ポリエチレングリコールジ
メタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、アクリロイルモルフォリン、N,N−ジメチルアク
リルアミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン
等が挙げられる。
【0025】これらの単量体と共に重合された高分子電
解質は、カウンターアニオンが高分子に固定されている
ために、電場下にあった場合、移動するのはリチウムイ
オンのみであり、カウンターアニオンによる電場のキャ
ンセルは起こりにくくなる。実際の電池では、充放電の
操作によって正極から負極へリチウムイオンが双方に移
動するが、伝導度の増加と共にカウンターアニオンの再
移動による吸収電流等の障害も軽減できる。
【0026】本発明に係わる重合物の重合方法として
は、熱的に重合する方法や、紫外線によって重合する方
法がある。熱的に重合する場合には、2,2′−アゾイ
ソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過硫酸アンモニ
ウム等の熱分解型ラジカル発生剤が使用される。紫外線
によって重合する場合には、トリフェニルアミン、ベン
ゾフェノン及びベンゾフェノンの誘導体、ベンゾインエ
チルエーテル等の紫外線によるラジカル発生剤を使用す
ることが一般的であるが、これに熱分解型のラジカル発
生剤を組み合わせて用いることもできる。
【0027】リチウム2次電池用の高分子電解質として
使用するためには、電極材料上に単量体の混合物を塗布
し、重合させて対極を張り合わせる方法や、不織布や多
孔質フィルムに予め単量体の混合物を含浸させ、重合さ
せて両電極を張り合わせる方法などがある。
【0028】本発明に用いる不織布としては、まず単量
体の混合物の保持性が優れており、更に作製される高分
子電解質のイオン伝導性に対し低抵抗性であり、かつ高
分子電解質の保持性に優れたものが使用できる。不織布
の製造方法としては、湿式あるいは乾式のいずれも用い
ることができ、その目付量は100g/m2以下で、好
ましくは5から50g/m2である。使用される繊維材
としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、テフロンなどであるが、特にこれらに限定される訳
ではない。
【0029】また、多孔質のフィルムとは、例えばポリ
エチレン、ポリプロピレン等のフィルムを一軸延伸等に
より多孔質化したフィルムである。重量としては5g/
2から30g/m2程度のものが利用される。
【0030】更に、本発明の高分子電解質には、可塑剤
を混合することかできる。可塑剤としては非水溶媒が使
用でき、例えばエチレンカーボネイト、プロピレンカー
ボネイト、ジメチルカーボネイト、ジエチルカーボネイ
トに代表されるカーボネイト溶媒、メチラール、1,2
−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1−
エトキシ−2メトキシエタン、アルコキシポリアルキレ
ンエーテル等のエーテル溶媒、テトラヒドロフラン、2
−メチルテトラヒドロフラン、2,5−ジメトキシテト
ラヒドロフラン等のフラン溶媒等が使用できるが、特に
これらに限定される訳ではない。これらは2種以上混合
して用いることもできる。
【0031】また場合によってポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリロニトリ
ル、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレー
ト、ポリ酢酸ビニルやこれらの複合物も混合することが
できる。更に、補助的に、LiClO4、LiBF4、L
iPF6、LiAsF6、LiCF3SO3、Li(CF3
SO22N、Li(CF3SO23C、LiBPh4(P
hはフェニル基を示す)といったリチウム塩も混合でき
る。このように作製された高分子電解質を持つリチウム
2次電池は、円筒型、コイン型、シート型等に整形され
て使用される。
【0032】
【実施例】以下、実施例により更に本発明を詳細に説明
するが、本発明の趣旨を超えない限り、これらに限定さ
れるものではない。
【0033】実施例1 高分子電解質に用いる重合物として、単量体である化合
物(1−2)、下記化合物a、下記化合物b、更に重合
開始剤として過酸化ベンゾイルを1:4:1:0.02
のモル比で混合し、これを目付量30gのメルトブロー
ンにより作製されて乾式不織布に含浸し、100℃で2
時間加熱して高分子電解質を作製した。この高分子電解
質の厚みは0.28mmであった。また、この高分子電
解質のイオン伝導性の指標として体積抵抗率を交流法に
て測定したところ、4.2×104Ωcm(室温下)で
あった。
【0034】
【化13】
【0035】実施例2高分子電解質に用いる重合物とし
て、単量体である化合物(2−2)、アクリロニトリ
ル、実施例1で用いた化合物a及び化合物b、更に重合
開始剤として過酸化ベンゾイルを1:1:3:0.5:
0.02のモル比で混合し、これを重量15g/m2
一軸延伸法によって作製された開孔率50%のポリプロ
ピレンよりなるフィルムに含浸し、100℃で2時間加
熱して高分子電解質を作製した。この高分子電解質の厚
みは0.20mmであった。実施例1と同様にこの高分
子電解質の体積抵抗率を測定したところ、3.1×10
4Ωcm(室温下)であった。
【0036】実施例3 高分子電解質に用いる重合物として、単量体である化合
物(3−2)、実施例1で用いた化合物a及び化合物
b、更に重合開始剤として過酸化ベンゾイルを1:4:
1:0.02のモル比で混合し、これを目付量20g/
2のポリプロピレンよりなる不織布に含浸し、100
℃で2時間加熱して高分子電解質を作製した。この高分
子電解質の厚みは0.20mmであった。実施例1と同
様にこの高分子電解質の体積抵抗率測定したところ、
2.8×104Ωcm(室温下)であった。
【0037】実施例4 高分子電解質に用いる重合物として、単量体である化合
物(4−2)、実施例1で用いた化合物a及び化合物
b、更に重合開始剤としてベンゾフェノンと過硫酸アン
モニウムを1:4:1:0.02:0.01のモル比で
混合し、これをリチウム金属上に塗工し、100wの紫
外線を20分照射して高分子電解質を作製した。この高
分子電解質の厚みは0.35mmであった。実施例1と
同様にこの高分子電解質の体積抵抗率を測定したとこ
ろ、3.5×104Ωcm(室温下)であった。
【0038】比較例 過塩素酸リチウム、実施例1で用いた化合物a及び化合
物b、更に重合開始剤として過酸化ベンゾイルを1:
4:1:0.02のモル比で混合し、これを目付量30
g/m2のメルトブローンにより作製されて乾式不織布
に含浸し、100℃で2時間加熱して高分子電解質を作
製した。この高分子電解質の厚みは0.28mmであっ
た。実施例1と同様にこの高分子電解質の体積抵抗率を
測定したところ、7.8×105Ωcm(室温下)であ
った。
【0039】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
優れたイオン伝導性を有したリチウム2次電池用高分子
電解質を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも化合物(1)を単量体として
    含む重合物を含有することを特徴するリチウム2次電池
    用高分子電解質。 【化1】 (R1はプロトン或いはメチル基を表す。R2は炭素数1
    から4までのアルキル基、フッ素置換されたアルキル
    基、或いはフェニル基を表す。A1は炭素数1から4の
    アルキレン基或いはフェニレン基を表す。nは0以上の
    整数である。)
  2. 【請求項2】 少なくとも化合物(2)を単量体として
    含む重合物を含有することを特徴するリチウム2次電池
    用高分子電解質。 【化2】 (R1はプロトン或いはメチル基を表す。R3は炭素数1
    から4までのフッ素置換されたアルキル基、或いはフェ
    ニル基を表す。A2は炭素数1から4のアルキレン基或
    いはフェニレン基を表す。mは0以上の整数である。)
  3. 【請求項3】 少なくとも化合物(3)を単量体として
    含む重合物を含有することを特徴するリチウム2次電池
    用高分子電解質。 【化3】 (R1はプロトン或いはメチル基を表す。R4は炭素数1
    から4までのアルキル基、或いはフェニル基を表す。A
    3は炭素数1から4のアルキレン基、フッ素置換された
    アルキル基、或いはフェニレン基を表す。pは0以上の
    整数である。)
  4. 【請求項4】 少なくとも化合物(4)を単量体として
    含む重合物を含有することを特徴するリチウム2次電池
    用高分子電解質。 【化4】 (qは0以上の整数である。)
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