JP2002069309A - 複合材料組成物及び複合材料成形体 - Google Patents
複合材料組成物及び複合材料成形体Info
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Abstract
までの温度領域で線膨張係数が低く、機械的強度が高い
が、曲げたわみや引張伸びの大きい複合材料組成物及び
複合材料成形体を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の複合材料成形体は、耐熱性樹脂
と鱗片状無機フィラーとからなる複合材料組成物を成形
して得られる成形体であって、成形収縮率が0.30%
以下であり、曲げたわみが3.6%以上、かつ引張伸び
が4.3%以上である複合材料成形体である。
Description
用機器、通信用機器及び自動車用機器などに使用される
電気・電子部品や機械部品を成形したり、封止したりす
る複合材料組成物及び複合材料成形体に関する。更に詳
しくは、耐熱性が高く、常温から230℃までの温度領
域で線膨張係数が低く、機械的強度が高いが、曲げたわ
みや引張伸びの大きい複合材料組成物及び複合材料成形
体に関する。
無機フィラーを充填したフィラー配合プラスチックス複
合材料組成物は、重要な工業材料として多岐にわたって
利用されている。近年、無機フィラーの形状制御技術の
急速の進展が複合化、コンポジット化のためのポリマー
プロセッシング技術の進展と相まって、高機能な複合材
料組成物の開発が可能となってきている。また、ポリマ
ーアロイやナノコンポジットなどの技術を含め、極めて
重要なプラスチックスの改質技術及び複合化技術として
再認識されるようになってきた。
合材料組成物の機械的特性に及ぼす無機フィラーの因子
としては、フィラーの形状、フィラーの粒子径、
フィラーの表面特性、複合材料組成物中での分散状態
(モルフォロジー)、プラスチックとフィラーの界面
での相互作用などが考えられる。中でも無機フィラーの
形状因子が、無機フィラー配合プラスチック複合材料組
成物の機械的物性に大きな影響を与えることは良く知ら
れている。
機フィラー固有の特性(電気・電子機能、熱伝導性機
能、難燃性機能、耐摩耗性機能など)をふまえ、且つ形
状因子を選んで採用が検討される。形状因子は、主に複
合材料組成物の力学的機能と制御するのに重要であり、
その形状は微粒子、球状粒子、繊維状粒子、フレーク
(鱗片状)粒子などが知られている。
のポリイミド系樹脂及び高熱伝導性無機充填剤を添加し
てなる高熱伝導性樹脂組成物(特開平3−287668
号公報)が開示されている。また、エポキシ樹脂に熱伝
導性フィラーとして良く知られる窒化ホウ素とからなる
回路基板用樹脂組成物(特開2000−22289号公
報)も開示されている。
して公知の窒化ホウ素、窒化アルミニウム及び酸化マグ
ネシウムなどを樹脂組成物全量に対し、10〜75体積
%充填して、目的とする熱伝導性を付与するものであ
る。これら無機フィラーは高充填すればするほど、その
無機フィラーの固有の特性を複合材料組成物に付与する
ことができる。
などの繊維状充填剤あるいは天然マイカや合成マイカな
どの鱗片状充填剤を充填した樹脂組成物が広く知られて
いる。
上に著しい効果があるが、その一方で、IZOD衝撃
性、伸び特性などが大幅に低下し、割れなどが発生しや
すくなる欠点があった。また、後者の鱗片状充填剤は、
高充填により線膨張係数を低減することはできるが、繊
維状充填材と同様の欠点が発生しやすいのが現状であ
る。また、ガラス繊維やチタン酸カリウム繊維、マイカ
などの酸化物系無機フィラーでは空気中の水分との相互
作用で水酸基(−OH基)が現れ、これら、無機フィラ
ーの表面が混練時にプラスチックを解重合(加水分解な
ど)し、複合材料組成物の物性を低下させるのが大きな
問題であった。
器及び自動車用機器などに使用される電気・電子部品や
機械部品は、耐熱性が高く、線膨張係数が低く、かつ機
械的強度が高くて、柔軟な、即ち、曲げたわみや引張伸
びの大きいという機械的性質を備えていることが求めら
れている。
形体を製造する際の成形収縮率と相関があり、成形収縮
率が0.30%以下であれば、その線膨張係数を20×
10 -6/K以下にすることができる。また、成形体の曲
げたわみが3.6%以上でかつ引張伸びが4.3%以上
であれば、当該複合材料組成物を上述の電気・電子部品
としての成形材料や封止材料として使用可能になるので
ある。
ン系樹脂、イミド系樹脂、ポリエーテルニトリル、ポリ
ベンゾイミダゾール、ポリフェニレンスルフィド、ポリ
サルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミ
ド、ポリアリレート、液晶ポリマー及びポリアロマティ
ック樹脂から選ばれる少なくとも1種の耐熱性樹脂と、
(b)モース硬度が3.0以下、線膨張係数が50×
10-5/K以下、少なくとも500℃までは化学的に
不活性な層状構造を有している、及びアスペクト比
(平均粒子径/厚さの比)が10以上である鱗片状無機
フィラーとからなる複合材料組成物である。 2.本発明は、鱗片状無機フィラーが、層状グラファイ
ト、h−窒化ホウ素、γ−窒化ホウ素、t−窒化ホウ
素、層状窒化炭化ホウ素、二硫化モリブデン及びSr
0.14Ca0.86CuO2から選ばれる少なくとも1種であ
る上記1に記載の複合材料組成物である。 3.本発明は、複合材料組成物における鱗片状無機フィ
ラーの割合が20〜50重量%である上記1に記載の複
合材料組成物である。 4.本発明は、鱗片状無機フィラーがカップリング処理
されている上記1に記載の複合材料組成物である。 5.本発明は、ケトン系樹脂が、ポリエーテルエーテル
ケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトン及びポリエー
テルケトンケトンから選ばれる少なくとも1種である上
記1に記載の複合材料組成物である。 6.本発明は、イミド系樹脂が、熱可塑性ポリイミド及
びポリアミドイミドから選ばれる少なくとも1種である
上記1に記載の複合材料組成物である。 7.本発明は、ケトン系樹脂、イミド系樹脂、ポリエー
テルニトリル、ポリベンゾイミダゾール、ポリフェニレ
ンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、
ポリエーテルイミド、ポリアリレート、液晶ポリマー及
びポリアロマティック樹脂から選ばれる少なくとも1種
の耐熱性樹脂と鱗片状無機フィラーとからなる複合材料
組成物を成形して得られる成形体であって、成形収縮率
が0.30%以下であり、曲げたわみが3.6%以上、
かつ引張伸びが4.3%以上である複合材料成形体であ
る。 8.本発明は、ケトン系樹脂、イミド系樹脂、ポリエー
テルニトリル、ポリベンゾイミダゾール、ポリフェニレ
ンスルフィド、液晶ポリマー及びポリアロマティック樹
脂から選ばれる少なくとも1種の耐熱性樹脂とポリサル
ホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド及び
ポリアリレート樹脂から選ばれる少なくとも1種の耐熱
性非晶性樹脂とのアロイ及び鱗片状無機フィラーとから
なる複合材料組成物を成形して得られる成形体であっ
て、成形収縮率が0.30%以下であり、曲げたわみが
3.6%以上、かつ引張伸びが4.3%以上であること
を特徴とする複合材料成形体である。
ケトン系樹脂、イミド系樹脂、ポリエーテルニトリル、
ポリベンゾイミダゾール、ポリフェニレンスルフィド、
ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイ
ミド、ポリアリレート、液晶ポリマー及びポリアロマテ
ィック樹脂から選ばれる少なくとも1種の耐熱性樹脂で
ある。これらの耐熱性樹脂は、別名スーパーエンジニア
リングプラスチックスとも呼ばれ、熱可塑性樹脂の中で
は最高レベルの耐熱性を誇るもので、古くから、電気・
電子部品や自動車のエンジンルーム内に使用されている
熱硬化性樹脂に匹敵する耐熱性(150℃以上)を有し
ていながら、昨今のリサイクルニーズに対応できるもの
として注目され、各種無機系充填剤などとの組み合わせ
で熱硬化性樹脂の代わりに使用されつつある。
構造中にケトン基(C=O)を有するエンジニアリング
プラスチックスであり、具体的にはポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケ
トンなどが挙げられる。
は英ICI社で開発され、結晶性の熱可塑性樹脂の中で
は最も高性能な部類に属し、特に耐熱性と耐薬品性に優
れている。分子構造はベンゼン環がパラの位置であり、
リジットなカルボニル基とフレキシブルなエーテル結合
によって連結されている。融点が344℃、ガラス転移
温度が143℃である。従って、非強化では荷重たわみ
温度が140℃とさほど高くないが、ガラス繊維などで
強化すると、ガラス繊維の30重量%充填で315℃に
達する。これは射出成形可能な樹脂のなかでも最も高
い。
スチックスが開発されている。ポリエーテルケトン(P
EK)は、融点が373℃、ガラス転移温度が162℃
とPEEKよりも耐熱性が高い。その他、米Amoco
社がポリケトン(PK)、米Dupont社がポリエー
テルケトンケトン(PEKK)などを開発している。
構造中にイミド基を有するエンジニアリングプラスチッ
クスの総称であり、具体的にはポリイミド(PI)、ポ
リアミドイミド(PAI)などが挙げられる。
る分子間力から耐熱性が高く、芳香族を導入するとさら
に耐熱性が上がる。芳香族成分が多く、比較的対称な分
子構造をしている。PIは全てのエンジニアリングプラ
スチックスの中で最も高い耐熱性を有している。非強化
で荷重たわみ温度が290℃、ガラス繊維50重量%充
填で330℃に向上する。反面、射出成形が難しい。こ
うした課題に対処するため、溶融成形を可能にする、
有機溶剤に可溶にするなど、成形性を向上させる試み
が進められて、例えばPAIは他成分を分子構造中に導
入することにより射出成形可能な領域まで流動性を高め
たものである。
系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリ
ベンゾイミダゾール(PBI)、ポリフェニレンスルフ
ィド、ポリアロマテック樹脂が使用される。これらの樹
脂はいずれも耐熱性の結晶性樹脂である。
主な構成成分が芳香族成分で成り立ち、芳香族成分が直
接結合しているポリマーであり、例えば、1,4−ポリ
フェニレン(商品名:ポリ−X、マクスデム社製)等の
剛直ポリマー等が使用できる。
サルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PE
S)、ポリエーテルイミド(PEI)及びポリアリレー
ト(PAR)が使用できる。これらの樹脂は、非晶性の
耐熱性樹脂である。
れ、ガラス転移温度や荷重たわみ温度が高い。また、非
晶性樹脂の特徴として寸法精度、寸法安定性に優れ、高
温下の機械特性の保持性に優れている。また耐薬品性も
極性溶媒以外には高いのである。例えば芳香族ポリサル
ホン系のPSFは透明性の高い樹脂で、荷重たわみ温度
は非強化で174℃、ガラス繊維強化(30重量%)で
181℃にもなる。
ンを主原料とした縮重合反応で得られ、荷重たわみ温度
は非強化で203℃、ガラス繊維強化(30重量%)2
16℃にもなる。更にポリエーテルイミドはイミド基を
もっているが、これにエーテル基を導入することにより
成形性を向上させたもので、荷重たわみ温度が非強化で
200℃、ガラス繊維強化(30重量%)で210℃に
なる。PESと同程度の物性であるが比重が小さく、比
強度はPESを上回る。
カ社が開発した非晶性耐熱性樹脂で、芳香族構成成分を
種々変化させることにより、ガラス転移温度190℃以
上の耐熱性を付与することができる。
性耐熱性樹脂をアロイ化して使用しても良く、結晶性耐
熱性樹脂と非晶性耐熱性樹脂のそれぞれの特性を付与す
ることができる。
用機器、民生用機器、通信用機器、及び自動車用機器な
どに使用される電気・電子部品や機械部品を成形するに
当たり、従前の熱硬化性樹脂の代わりに使用するとき、
該耐熱性樹脂に無機充填剤(フィラー)を配合して、剛
性を向上したり、荷重たわみ温度を上げた複合材料組成
物を調製し、該複合材料組成物を利用するのが一般的で
ある。無機系フィラーで剛性などの機械的特性を向上さ
せるためのものとしては種々のものが良く知られてい
る。例えば、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、β−
ウォラストナイトなどの針状(繊維状)フィラー、天然
マイカ、合成マイカ、タルク等に代表される板状フィラ
ーなどがある。これらは強化用フィラーで総称され、耐
熱性樹脂の例えば荷重たわみ温度を向上させ、一般的に
はその強化特性は配合量を増加させると複合側に則り、
得られる複合材料成形体の機械的物性は向上する。ま
た、これら無機系フィラーの配合量は、組成物中に5〜
70重量%程度とするのが一般的であるが、無機フィラ
ーの配合量を増加するに従って、複合材料組成物を成形
したときの成形収縮率が低下し、常温から高温下での線
膨張係数が小さくなることが知られている。
即ち、靭性が著しく低下し、割れやアイゾット衝撃値
(脆さ)もかなり低くなり、その利用分野が狭くなって
しまうことが多いことも、良く知られた事実である。
る針状(繊維状)フィラーの場合は異方性が発現し、寸
法安定性などが期待できなくなってしまう。
ーを中心に研究を重ね、その鱗片状無機系フィラーの配
合量を極力抑えて、曲げたわみや引張伸び特性を低下さ
せないようにし、且つ、鱗片状無機系フィラーの配合量
の低い領域で成形収縮率を低下させるためにはどのよう
にすべきか検討した結果、本発明を完成するに至った。
合する鱗片状無機フィラー自体の線膨張係数が小さいこ
とが必要であり、本発明によれば鱗片状無機フィラーの
線膨張係数が50×10-5/K以下であれば配合量が低
いレベルであったとしても本発明の複合材料組成物の成
形収縮率を低くおさえることが可能になることを見い出
したものである。
る成形体の曲げたわみ率や引張伸び率がそれぞれ3.6
%以上及び4.3%以上に維持されていれば、各用途分
野で適用でき、割れやもろさの解決ができるのであり、
そのため配合する鱗片状無機系フィラー自体が柔らかい
ものである必要があり、それをモース硬度で示すと3.
0以下の鱗片状無機系フィラーであれば本発明の課題を
解決できることを見い出した。モース硬度は、2.0以
下であるのが好ましい。
の必須要件として鱗片状無機系フィラーが共有結合で構
成され、且つ、少なくとも500℃までの温度領域ま
で、不活性である必要がある。これら鱗片状無機系フィ
ラーを混練する際に、イオン結合を主体とした鱗片状無
機系フィラーの場合、空気中の水分と反応した金属水酸
化物は上述の耐熱性樹脂の主鎖構造を攻撃し、樹脂劣化
を引き起こすことが多い。その結果、得られた複合材料
成形体の曲げたわみや引張伸びを低下させることが多
い。本発明は、共有結合で構成され、且つ少なくとも5
00℃までの温度領域まで化学的に不活性な鱗片状無機
系フィラーを使用すれば、本発明の課題を解決できるこ
とを見い出した。
異方性(MD/TDの差)の解消及び寸法精度の向上の
ため、アスペクト比(平均粒子径/厚みの比)が少なく
とも10以上(好ましくは15以上)である層状構造の
鱗片状無機系フィラーが適していることを見い出した。
ここで、平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計によ
り測定したものである。
構造の鱗片状無機系フィラーを適当量の配合比で充填し
た複合材料組成物は機械的物性を大幅に向上させ、成形
収縮率も低減でき得られる成形品の異方性も極めて少な
く、寸法精度も極めて優れたものである。
せる鱗片状無機フィラーとしては、例えば、層状グラフ
ァイト、h−窒化ホウ素、γ−窒化ホウ素、t−窒化ホ
ウ素、層状窒化炭化ホウ素、二硫化モリブデン、Sr
0.14Ca0.86CuO2などを挙げることができる。これ
らの中でも、層状グラファイト及びh−窒化ホウ素が好
ましい。これらの鱗片状無機フィラーは、いずれも公知
のものである。
ウ素の特性は、以下の通りである。
い、高温で酸化に耐える(空気中にては600℃程
度)、化学薬品に対して抵抗が強い、熱と電気の良導体
である(0.0141cal/cmsec℃)、比重は
約2.23〜2.25、線膨張係数が少ない(0.78
6×10-5/K)、融点が極めて高い(3500℃)。
で潤滑性が大きい(モース硬度2.0)、比重(2.
7)、膨張係数が小さい(0.2×10-5/K以下)、
化学薬品に対して抵抗が強い、熱の良導体である、アス
ペクト比の高いものがある、融点が極めて高い。
窒化ホウ素)はモース硬度が高く、本発明の課題を解決
することができず、使用できない。
面処理を施すことができる。表面処理としてはカップリ
ング処理が代表的であり、チタネート処理剤やシランカ
ップリング剤が適用できる。これらのカップリング処理
においては本発明の複合材料成形体の物性をさらに向上
することができる。
合量であるが、本発明組成物全量中に鱗片状無機系フィ
ラーが20〜50重量%充填されている時の発明の複合
材料組成物及び成形体の物性を満足させることができ
る。本発明組成物全量中に鱗片状無機系フィラーが20
〜40重量%充填させるのが好ましい。
%未満の場合は収縮率低減、即ち成形収縮率0.30%
以下の物性が得られず、50重量%を超えるような場合
は本発明の複合材料成形体の物性のうち、曲げたわみ率
と引張伸び率の2点を満足させることができない。
ない範囲で、熱安定剤、滑剤、離型剤、顔料、染料、紫
外線吸収剤、難燃剤、潤滑剤、充填剤、補強剤等の従来
公知の各種成分を適宜配合することができる。
えば耐熱性樹脂を二軸混練機などで溶融混練しながら、
鱗片状無機系フィラー及びその他の成分をサイドホッパ
ーより投入し混練する方法などを採用することができ
る。
は、従来公知の方法に従い、上記本発明組成物を成形す
るのがよい。
性樹脂と、特定の物性を有する、鱗片状無機フィラーと
からなる構造を採っていることから、得られる成形品の
成形収縮率が0.30%以下と低くできるので、実質的
に線膨脹係数が低く抑えられ、常温から高温領域で寸法
安定性が高くできる。本発明の複合材料組成物は、高い
機械的強度を有しながら、従来の欠点とされていた曲げ
たわみや引張伸びといった欠点を解消することができ
た。
機器、民生用機器、通信用機器及び自動車用機器などに
使用される電気・電子部品や機械部品として幅広く利用
できる。
に説明する。
450G、ビクトレックス社製 2.PAR(ポリアリレ−ト):商品名U−10、ユニ
チカ(株)製 3.PEI(ポリエ−テルイミド):商品名ウルテム1
000−1000、日本GEプラスチックス(株)製 4.PSF(ポリフェニルサルフォン):商品名;レー
デルR、帝人アモコ(株)製 鱗片状無機フィラー: h−BN;窒化ホウ素(商品名:デンカBN(G
P)、電気化学工業(株)製):平均粒子径6.2μ
m、アスペクト比=25 層状グラファイト(商品名:KEX、日本黒鉛工業
(株)製)平均粒子径10.4μm、アスペクト比=2
0 h−BN;窒化ホウ素(商品名:デンカBN(SP-
2)、電気化学工業(株)製):平均粒子径1.7μ
m、アスペクト比=3 天然雲母:天然雲母(商品名:Z−20、(株)斐川
工業製)を0.1規定硝酸の5%スラリーにし、2時間
撹拌後、ろ過、水洗した。その後120℃、24時間乾
燥し、更に粉砕分級して、中性化した。平均粒子径13
μm、アスペクト比=40。
を表1に示す配合割合(重量%)で2軸押出機(商品
名:KTX46、(株)神戸製鋼所製)に供給し、本発
明組成物及び比較組成物のペレットを製造した。得られ
た組成物について、機械的強度の指標になる引張伸び、
曲げ強さ及び曲げたわみ、異方性の指標になる成形収縮
率を測定した。結果を表2に示す。
測定した。
171に従って測定した。
99×3.20mmの金型にフィルムゲートで成形品を
作成し、次の式により算出した。
寸法)/金型寸法]×100
り、試験片が破断しなかった材料で、応力が一番高い値
を示したときの値である。「破」とは、破断値であり、
試験片が破断した材料で、破断したときの値である。
Claims (8)
- 【請求項1】 (a)ケトン系樹脂、イミド系樹脂、ポリ
エーテルニトリル、ポリベンゾイミダゾール、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホ
ン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、液晶ポリマ
ー及びポリアロマティック樹脂から選ばれる少なくとも
1種の耐熱性樹脂と、(b)モース硬度が3.0以下、
線膨張係数が50×10-5/K以下、少なくとも5
00℃までは化学的に不活性な層状構造を有している、
及びアスペクト比(平均粒子径/厚さの比)が10以
上である鱗片状無機フィラーとからなる複合材料組成
物。 - 【請求項2】 鱗片状無機フィラーが、層状グラファイ
ト、h−窒化ホウ素、γ−窒化ホウ素、t−窒化ホウ
素、層状窒化炭化ホウ素、二硫化モリブデン及びSr
0.14Ca0.86CuO2から選ばれる少なくとも1種であ
る請求項1に記載の複合材料組成物。 - 【請求項3】 複合材料組成物における鱗片状無機フィ
ラーの割合が20〜50重量%である請求項1に記載の
複合材料組成物。 - 【請求項4】 鱗片状無機フィラーがカップリング処理
されている請求項1に記載の複合材料組成物。 - 【請求項5】 ケトン系樹脂が、ポリエーテルエーテル
ケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトン及びポリエー
テルケトンケトンから選ばれる少なくとも1種である請
求項1に記載の複合材料組成物。 - 【請求項6】 イミド系樹脂が、熱可塑性ポリイミド及
びポリアミドイミドから選ばれる少なくとも1種である
請求項1に記載の複合材料組成物。 - 【請求項7】 ケトン系樹脂、イミド系樹脂、ポリエー
テルニトリル、ポリベンゾイミダゾール、ポリフェニレ
ンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、
ポリエーテルイミド、ポリアリレート、液晶ポリマー及
びポリアロマティック樹脂から選ばれる少なくとも1種
の耐熱性樹脂と鱗片状無機フィラーとからなる複合材料
組成物を成形して得られる成形体であって、成形収縮率
が0.30%以下であり、曲げたわみが3.6%以上、
かつ引張伸びが4.3%以上であることを特徴とする複
合材料成形体。 - 【請求項8】 ケトン系樹脂、イミド系樹脂、ポリエー
テルニトリル、ポリベンゾイミダゾール、ポリフェニレ
ンスルフィド、液晶ポリマー及びポリアロマティック樹
脂から選ばれる少なくとも1種の耐熱性樹脂とポリサル
ホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド及び
ポリアリレート樹脂から選ばれる少なくとも1種の耐熱
性非晶性樹脂とのアロイ及び鱗片状無機フィラーとから
なる複合材料組成物を成形して得られる成形体であっ
て、成形収縮率が0.30%以下であり、曲げたわみが
3.6%以上、かつ引張伸びが4.3%以上であること
を特徴とする複合材料成形体。
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