JP2002068540A - 巻取り部材 - Google Patents

巻取り部材

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JP2002068540A
JP2002068540A JP2000259702A JP2000259702A JP2002068540A JP 2002068540 A JP2002068540 A JP 2002068540A JP 2000259702 A JP2000259702 A JP 2000259702A JP 2000259702 A JP2000259702 A JP 2000259702A JP 2002068540 A JP2002068540 A JP 2002068540A
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Ichiro Nazuka
一郎 名塚
Takahiro Imai
孝博 今井
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造コストが嵩まず、効率よく確実に傷やブロ
ッキング不良を低下させ、かつ短時間で均一なエージン
グ処理が可能な巻取り部材の提供にある。 【解決手段】ウエブ状の基材11の表面に塗布膜13が
施された塗布部材10をロール状に巻き取られた巻取り
部材1において、前記塗布膜13の両端縁13a近傍
に、該塗布膜13の膜厚よりも厚い帯状の厚膜塗布部1
4が形成されている巻取り部材1で、厚膜塗布部14を
所定の間隔で切断するような非画線を有するパターンで
形成されているか、あるいは厚膜塗布部に切り込みをも
うけた巻取り部材とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,ウエブ状の高分子
フィルム、金属箔、紙またはこれらの積層体の表面に塗
布膜を有する塗布部材のロール状巻取り部材に関するも
のであり、さらに詳しくは、巻取り時の塗布部材間に空
気層を形成させることによって、異物巻き込みによる傷
や、巻取り部材間のブロッキングを防止し、さらにエー
ジング時間の短縮に寄与する巻取り部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学用途あるいは高意匠用途に用
いられる塗布部材は、塗布膜表面および基材面に異物の
巻き込みによる傷、あるいは塗布膜と基材面とのブロッ
キングによる機能低下が大きな問題となっている。この
傷およびブロッキングを解決する手段としては、基材が
高分子フィルムの場合は、従来から例えばフィルムの幅
方向の端部に施されたナーリング(ローレットとも言
う)という凹凸部を設けたり、あるいは基材の幅方向の
端部にエッヂテープという帯状のフィルムを挿入するこ
とによって、巻き取った場合の隣接するフィルムをお互
いに接触させない方法が知られている。
【0003】また、塗布された膜の特性向上や接着剤等
の熟成の促進の為に巻取りロール状態のままエージング
処理と呼ばれる熱処理を行う場合があるが、このエージ
ング処理は、巻き取られたロール状の部材を常温より高
温の恒温室内に一定時間保存する方法がとられている。
このエージング工程で、この巻取り部材の巻き芯と巻き
外部、および幅方向のセンターと両サイドで熱勾配が生
じると塗膜特性の不均一が生じるばかりでなく、巻取り
部材の巻き締まりや波打ち、その他外観形状不良までも
引き起こすという危惧がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなナーリングを施したウエブ状の高分子フィルムの
場合は、塗布膜の厚みがナーリングの凹凸部の厚みを越
えると、巻き取った場合の塗布膜と基材裏面が密着して
しまいブロッキング現象を引き起こしていた。また、ウ
エブ状の金属箔や紙の場合には、ナーリング処理は基材
の変形や切れのために困難であった。
【0005】さらにまた、上記のようなエッヂテープを
挿入する場合は、巻き取り直前にエッヂテープを挿入す
る装置を設ける必要があり、テープ費用とともに設備費
が嵩み、製造コストが嵩むという問題点があった。
【0006】また、巻取り部材のエージング処理工程に
おいて、巻取り部材の熱勾配を回避する為に、従来は時
間をかけて恒温室の温度を上昇させて熱勾配を最小限に
する方法で対応してきたので、エージング処理に長時間
を要し納期遅れやエネルギーの無駄使いなどの問題があ
った。
【0007】本発明は、かかる従来技術の問題点を解決
するものであり、その課題とするところは、設備、材料
および工程などを含め、製造コストが嵩まず、効率よく
確実に傷やブロッキング不良を低下させ、さらに、省エ
ネで納期短縮に貢献する均一で短時間のエージング処理
が可能な巻取り部材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題
を達成するために、まず請求項1の発明では、ウエブ状
の高分子フィルム、金属箔、紙またはこれらの積層体を
基材とし、該基材の表面に塗布膜が施された塗布部材を
ロール状に巻き取られた巻取り部材において、前記塗布
膜の幅方向の両端縁近傍に、該塗布膜の中央有効面の膜
厚よりも厚い帯状の厚膜塗布部が形成されていることを
特徴とする巻取り部材としたものである。
【0009】上記請求項1の発明によれば、塗布膜の幅
方向の両端縁近傍に該塗布膜の中央有効面の膜厚よりも
厚い帯状の厚膜塗布部を設けることによって、塗布部材
の両端縁の帯状の厚膜塗布部と基材裏面とが接触するた
め、塗布膜の中央有効面と基材裏面との間に空気層がで
きて接触しないかあるいは接触圧が少なくなるため、異
物混入があっても、中央の塗布膜には、傷を生じること
がなく、ブロッキングの発生もない巻取り部材とするこ
とができる。
【0010】また、請求項2の発明では、前記両端縁近
傍の帯状の厚膜塗布部のうちの少なくともいずれか一方
が帯状の長手方向に対し垂直もしくは斜めの、厚膜塗布
部を所定の間隔で切断するような非画線を有するパター
ンで形成されていることを特徴とする請求項1記載の巻
取り部材としたものである。
【0011】上記請求項2の発明によれば、厚膜塗布部
を所定の間隔で切断するような長手方向に対し垂直もし
くは斜めの非画線を有するパターンで形成することによ
って、その非画線の隙間から中央の塗布膜と基材裏面と
の間の空気層に巻取り部材の外環境と通気性が得られる
ため、エージング処理工程において、巻取り部材の熱勾
配のばらつきが少なく、かつ短時間で均一な処理ができ
る巻取り部材とすることができる。
【0012】また、請求項3の発明では、前記両端縁近
傍の帯状の厚膜塗布部のうち、少なくともいずれか一方
の厚膜塗布部に、帯状の長手方向に対し垂直もしくは斜
めの、厚膜塗布部を所定の間隔で切断するような切り込
みが施されていることを特徴とする請求項1記載の巻取
り部材としたものである。
【0013】上記請求項3の発明によれば、厚膜塗布部
に、これを所定の間隔で切断するような長手方向に対し
垂直もしくは斜めの切り込みが施されているので、この
切り込みの隙間から中央の塗布膜と基材裏面との間の空
気層に巻取り部材の外環境と通気性が得られるため、エ
ージング処理工程において、巻取り部材の熱勾配のばら
つきが少なく、短時間で均一な処理ができ、省エネで納
期短縮に貢献する巻取り部材とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を説明す
る。本発明は、図1の斜視図に示すように、ウエブ状の
高分子フィルム等を基材とし、その表面に塗布膜を有す
る塗布部材(10)がロール状に巻き取られた巻取り部
材(1)に関するものであり、さらに詳しくは、巻き取
り時の塗布部材(10)間に空気層を形成させることに
よって、異物巻き込みによる傷や、塗布部材(10)間
のブロッキングを防止し、さらにエージング時間の短縮
に寄与する巻取り部材(1)に関するものである。
【0015】以下に本発明の巻取り部材を図面を用いて
詳細に説明する。まず本発明の巻取り部材は、図2の上
面図および図3の側断面図に示すように、ウエブ状の高
分子フィルム、金属箔、紙またはこれらの積層体を基材
(11)とし、この基材(11)の表面に塗布膜(1
3)が施された塗布部材(10)をロール状にした巻取
り部材(1)であって、例えば前記塗布膜(13)の幅
方向(W)の両端縁(13a)の外に、該塗布膜(1
3)の中央有効面の膜厚よりも厚い帯状の厚膜塗布部
(14)が形成されている巻取り部材(1)である。
【0016】図示しないが前記帯状の厚膜塗布部(1
4)の形成が、塗布膜(13)の両端縁(13a)に架
かった位置であっても良い。
【0017】また本発明では、図4の上面部分図に示す
ように、例えば前記塗布膜(13)の両端縁(13a)
の外に、一方の帯状の厚膜塗布部(14)が帯状の長手
方向に対し斜めの、厚膜塗布部(14)を所定の間隔で
切断するような非画線(15)を有するパターンで形成
されている塗布部材(10)がロール状に巻き取られた
巻取り部材(10)とするものである。
【0018】上記のような斜めの非画線(15)でなる
パターンの厚膜塗布部(14)は、塗布膜(13)の両
端縁(13a)にあってもよく、この方が基材(10)
裏面と隣接する塗布膜(13)の間の空気層(17)と
の通気性をよりよくするので好ましい。また、非画線
(15)の形状は帯状の長手方向に対し垂直でもあるい
は格子状でもよく、少なくとも帯状の厚膜塗布部(1
4)を切断して空気層(17)と巻取り部材(1)の外
気と連通しているパターンであればいかなる形状でも構
わない。
【0019】さらにまた本発明では、図5の上面部分図
に示すように、例えば前記塗布膜(13)の両端縁(1
3a)の外に、一方の帯状の厚膜塗布部(14)が帯状
の長手方向に対し斜めの、厚膜塗布部(13)を所定の
間隔で切断するような切り込み(16)が施されている
塗布部材(10)がロール状に巻き取られた巻取り部材
である。
【0020】上記のような斜めの切り込み(16)は、
少なくとも一方の厚膜塗布部(14)に施すもので、こ
の切り込み(16)を塗布膜(13)の両端縁(13
a)の厚膜塗布部(14)に施してもよく、この方が基
材(10)裏面と隣接する塗布膜(13)の間の空気層
(17)との通気性をよりよくするので好ましい。ま
た、切り込み(16)の形状は帯状の長手方向に対し垂
直でもあるいは格子状でもよく、少なくとも帯状の厚膜
塗布部(14)を切断して空気層(17)と巻取り部材
(1)の外環境とが連通しているパターンであればいか
なる形状でも構わない。
【0021】本発明の巻取り部材に関し、効果などを含
めさらに具体的に説明すると、本発明の巻取り部材
(1)は、図2に示すように、ウエブ状の基材(11)
とその基材(11)表面の塗布膜(13)と、この塗布
膜(13)の両端縁近傍に塗布膜(13)の厚さより厚
く塗布された厚膜塗布部(14)から構成された塗布部
材(10)の巻取りでなり、この巻取り部材(1)は、
図3に示すように、隣接する上下塗布部材(10)の基
材(11)と厚膜塗布部(14)部が接するため、中央
の塗布膜(13)では、接触がないか、あってもその圧
が少なく、塗布部材(10)間に空気層(17)ができ
る。そのため、異物混入があっても、中央の塗布膜(1
3)には、傷を生じることがなく、ブロッキングの発生
もないことになる。
【0022】上記厚膜塗布部(14)は、中央の塗布膜
(13)より少なくとも厚く形成されている必要があ
り、好ましくは中央の塗布膜(13)よりも5μm以上
厚い方が有効である。
【0023】また、この厚膜塗布部(14)を形成する
方法として、中央部より両端部の塗液転移量が多いセル
パターンを施したグラビアロールを用いてグラビアコー
ティングする法が好適である。あるいは、両端部のスリ
ット幅の両端部を中央部よりも広くしたスロットダイ塗
工方法とすることもできる。
【0024】これに対し、従来の巻取り部材(1)は、
図6の側断面模式図に示すように、基材(11)と一様
な厚さの塗布膜(13)が施された塗布部材(10)の
巻取りから構成されていて、この巻取り部材(1)は、
隣接する上下塗布部材(10)の基材(11)と塗布膜
(13)全面で接触し、塗布部材(10)間に空気層が
存在しないため、異物混入による傷の発生や、ブロッキ
ングの発生が回避できなかった。また、この場合、エー
ジング行程において、塗布部材の巻き芯と巻き外、およ
び幅方向のセンターとサイドで熱勾配のばらつきが生じ
ていた。
【0025】また、本発明の巻取り部材は、図4の上面
図に示すように、ウエブ状の基材(11)とその基材
(11)表面の塗布膜(13)と、この塗布膜(13)
の一方の端縁(13a)の外に、塗布膜(13)の厚さ
より厚く塗布された斜めの非画線(15)でなるパター
ンの厚膜塗布部(14)から構成された塗布部材(1
0)の巻取りでなり、この巻取り部材(1)は、図3に
示すように、隣接する上下塗布部材(10)の基材(1
1)と厚膜塗布部(14)が接するため、中央の塗布膜
(13)では、接触がないか、あってもその圧が少な
く、塗布部材間に空気層(17)ができる。そのため、
異物混入があっても、中央の塗布部(13)には、傷を
生じることがなく、ブロッキングの発生もないことにな
る。かつまた、この非画線(15)でなるパターンの厚
膜塗布部(14)では、このパターンの非画線(15)
の隙間から塗布部材(10)間の空気層(17)に、巻
取り部材(1)外の環境と通気性ができる。そのため、
エージング行程において、巻取り部材(1)の熱勾配の
ばらつきが少なく、短時間で均一な処理ができるものと
なる。
【0026】この非画線(15)でなるパターンの厚膜
塗布部(14)は、中央の塗布膜(13)より少なくと
も厚く形成されている必要があり、好ましくは塗布膜
(13)よりも5μm以上厚い方がさらに有効である。
【0027】上記非画線(15)でなるパターンの厚膜
塗布部(14)を形成する方法として、両端部の塗液転
移量が多いパターンを施したグラビアロールを用い、グ
ラビアコーティング法で好適に得られる。あるいは、塗
布直後の厚膜塗布部(14)にエンボス処理で非画線に
相当する押し線を形成してもよい。
【0028】さらにまた、本発明の巻取り部材は、図5
の上面図に示すように、ウエブ状の基材(11)とその
基材(11)表面の塗布膜(13)と、この塗布膜(1
3)の一方の端縁(13a)の外に、塗布膜(13)の
厚さより厚く塗布された斜めの切り込み(16)が施さ
れた厚膜塗布部(14)から構成された塗布部材(1
0)の巻取りでなり、この巻取り部材(1)は、図3に
示すように、隣接する上下塗布部材(10)の基材(1
1)と厚膜塗布部(14)が接するため、中央の塗布膜
(13)では、接触がないか、あってもその圧が少な
く、塗布部材(10))間に空気層(17)ができる。
そのため、異物混入があっても、中央の塗布部(13)
には、傷を生じることがなく、ブロッキングの発生もな
いことになる。かつまた、この切り込み(16)が施さ
れた厚膜塗布部(14)では、この切り込み(16)の
隙間から塗布部材(10)間の空気層(17)に、巻取
り部材(1)外の環境と通気性ができる。そのため、エ
ージング行程において、巻取り部材(1)の熱勾配のば
らつきが少なく、短時間で均一な処理ができるものとな
る。
【0029】この切り込み(16)は、ウエブ状の基材
の幅方向の強度を保つため、基材(11)の端縁(11
a)までは打ち抜かない方がよい。
【0030】本発明の巻取り部材に用いる基材(11)
としての高分子フィルムとしては、ポリエチレン、ポリ
エステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、トリアセチ
ルセルロース、テフロン(登録商標)、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、塩化ビニル、塩化ビニデン、ナイロン
等が挙げられ、また、金属箔としては、銅、アルミニウ
ム、鉄、ステンレス、真鍮、合金等が挙げられ、前記高
分子フィルムや紙との積層体として用いられることが多
い。
【0031】
【実施例】〈実施例1〉図3に示すように基材(11)
として、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルムに、塗液として、50%のアクリル
系樹脂を固形分としたグラビアインキを使用し、グラビ
アコート方式で塗工してロール状に巻取り図1に示す巻
取り部材(1)を得た。このとき使用したグラビアロー
ルは、径250mm、中央の塗布膜(13)部に対する
線数が120線/インチで、厚膜塗布部(14)に対す
る両端20mm幅を80線/インチで製版したロールを
用いた。
【0032】上記で得られた巻取り部材(1)の塗布部
材(10)は、中央の塗布膜(13)の膜厚は5μm、
両端の厚膜塗布部(14)の膜厚は10μmであった。
両端の厚膜塗布部(14)と中央の塗布膜(13)との
膜厚差によって、塗布部材(10)間に空気層(17)
が形成された。この空気層(17)によって、異物巻き
込み時の傷の発生やブロッキングの発生を防ぐことがで
きた。
【0033】〈実施例2〉図4に示すように、基材(1
1)として、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルムを使用し、グラビアコート方式で
塗工してロール状に巻き取って図1に示す巻取り部材
(1)を得た。この時使用したグラビアロールは、実施
例1で使用したグラビアロールに加え、線数80線/イ
ンチの両端部に幅2mm、角度30度のスリット状の非
画線(15)を間隔10mmで設けて製版したロールを
用いた。
【0034】上記で得られた巻取り部材(1)の塗布部
材(10)は、中央の塗布膜(13)の膜厚が5μm、
両端の非画線(15)を有する厚膜塗布部(14)の膜
厚が10μmのパターンで形成され、厚膜塗布部(1
4)の幅2mmで角度30度、間隔10mmの非画線
(15)が形成された。このように実施例1と同様に塗
布部材(10)間に空気層(17)が形成され、異物巻
き込み時の傷の発生やブロッキングの発生を防ぐことが
できた。また、厚膜塗布部(14)の非画線(15)の
隙間から、塗布部材(10)間の空気層(17)と外部
環境の通気性が得られ、そのため、エージング行程にお
いて、巻取り部材(1)の熱勾配のばらつきが少なく、
短時間で均一な処理ができた。
【0035】〈実施例3〉図5に示すように実施例1で
得られた塗布部材(10)の厚膜塗布部(14)に幅2
mm、角度30度、ピッチ10mmのロールカッターで
切り込み(16)を設けて図1に示す巻取り部材(1)
を得た。
【0036】上記で得られた巻取り部材(1)の塗布部
材(10)は、中央の塗布膜(13)の膜厚が5μm、
両端の非画線(15)を有する厚膜塗布部(14)の膜
厚が10μmで形成され、この帯状の厚膜塗布部(1
4)に幅2mmで角度30度、間隔10mmの切り込み
(16)が形成された。このように実施例1と同様に塗
布部材(10)間に空気層(17)が形成され、異物巻
き込み時の傷の発生やブロッキングの発生を防ぐことが
できた。また、厚膜塗布部(14)に設けた切り込み
(16)の隙間から、塗布部材(10)間の空気層(1
7)と外部環境との通気性が得られ、そのため、エージ
ング行程において、巻取り部材(1)の熱勾配のばらつ
きが少なく、短時間で均一な処理ができた。
【0037】
【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に
示す如き効果がある。即ち、ウエブ状の高分子フィル
ム、金属箔、紙またはこれらの積層体を基材とし、この
基材の表面に塗布膜が施され、ロール状に巻き取られた
巻取り部材において、前記塗布膜の幅方向の両端縁近傍
にこの塗布膜の膜厚よりも厚い帯状の厚膜塗布部を設け
ることによって、巻取り部材の両端の厚膜塗布部と基材
裏面とが接触するため、中央の塗布膜と基材裏面との間
に空気層ができて接触しないか接触圧が少なくなるた
め、異物混入があっても、塗布膜に傷が生じることがな
く、ブロッキングの発生もない巻取り部材とすることが
できる。
【0038】また、前記厚膜塗布部を所定の間隔で切断
するような長手方向に対し垂直もしくは斜めの非画線を
有するパターンで形成することによって、その非画線の
隙間から中央の塗布膜とと基材裏面との間の空気層に外
環境との通気性が得られるため、エージング処理工程に
おいて、巻取り部材の熱勾配のばらつきが少なく、かつ
短時間で均一な処理ができる巻取り部材とすることがで
きる。
【0039】さらにまた、前記厚膜塗布部を所定の間隔
で切断するような長手方向に対し垂直もしくは斜めの切
り込みが施されているので、この切り込みの隙間から中
央の塗布膜と基材裏面との間の空気層に外環境との通気
性が得られるため、エージング処理工程において、巻取
り部材の熱勾配のばらつきが少なく、かつ短時間で均一
な処理ができ、省エネで納期短縮に貢献する巻取り部材
が得られる。
【0040】従って本発明は、ウエブ状の基材に塗布膜
が施された塗布部材の巻取りにおいて、製造コストが嵩
まずにその塗布膜の傷やブロッキング不良を低下させ、
短時間で均一なエージング処理を可能にする巻取り部材
として、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の巻取り部材の一実施の形態を説明する
ための斜視図である。
【図2】本発明の巻取り部材の一実施の形態を説明する
ための上面図である。
【図3】本発明の巻取り部材の一実施の形態を模式的に
表した側断面図である。
【図4】本発明の巻取り部材の他の一実施の形態を説明
するための拡大部分上面図である。
【図5】本発明の巻取り部材の他の一実施の形態を説明
するための拡大部分上面図である。
【図6】従来の巻取り部材の一事例の形態を模式的に表
した側断面図である。
【符号の説明】
1‥‥巻取り部材 10‥‥塗布部材 11‥‥基材 11a‥‥基材の端縁 13‥‥塗布膜 13a‥‥塗布膜の端縁 14‥‥厚膜塗布部 15‥‥非画線 16‥‥切り込み 17‥‥空気層 20‥‥巻き芯 W‥‥塗布膜の幅方向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウエブ状の高分子フィルム、金属箔、紙ま
    たはこれらの積層体を基材とし、該基材の表面に塗布膜
    が施された塗布部材をロール状に巻き取られた巻取り部
    材において、前記塗布膜の幅方向の両端縁近傍に、該塗
    布膜の中央有効面の膜厚よりも厚い帯状の厚膜塗布部が
    形成されていることを特徴とする巻取り部材。
  2. 【請求項2】前記両端縁近傍の帯状の厚膜塗布部のうち
    の少なくともいずれか一方が帯状の長手方向に対し垂直
    もしくは斜めの、厚膜塗布部を切断するような非画線を
    所定の間隔で有するパターンで形成されていることを特
    徴とする請求項1記載の巻取り部材。
  3. 【請求項3】前記両端縁近傍の帯状の厚膜塗布部のう
    ち、少なくともいずれか一方の厚膜塗布部に、帯状の長
    手方向に対し垂直もしくは斜めの、厚膜塗布部を切断す
    るような切り込みが所定の間隔で施されていることを特
    徴とする請求項1記載の巻取り部材。
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