JP3552814B2 - Tabテープ用スペーサー - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はTABテープの製造の際にTABテープの傷や断線を防止するために使用されるTABテープ用スペーサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶ディスプレイ、ファクシミリ等の急速な発展により、薄型や小型機器に搭載するパッケージの要求が高まっているが、ワイヤーボンディングではこれに答えることが難しく、かかる要求に答えるICの実装方法としてTAB(テープ オートメイテッド ボンディング)が発達している。
【0003】
通常、TABの製造には、ポリイミド樹脂等のプラスチックフィルムテープにエポキシ樹脂等の接着剤を塗布し、デバイスホールやスプロケットホール等の開口部を形成するためにパンチングし、これに銅箔をホットローラで熱接合してテープ状銅張積層フィルムを製造し、ついで、パターンやリード形成のために、このテープ状銅張積層フィルムにレジストを塗布し、マスク露光し、現像し、エッチングする等の多工程が必要である。
これらの加工工程は、各工程毎にリールに巻いたテープを解き、処理し、別のリールに巻き取ることにより連続的に行われる。
【0004】
その際、種々のプラスチックフィルムの両端に突起を規則的に設けたテープ状スーペサーをTABテープと供巻きして、TABテープ同志が接触して傷や断線などが生じないように保護している。
特に、製品であるTABの表面を保護するために、TABテープ製造の最終工程において、ポリイミド等の耐熱インクを印刷し、高温で熱処理して絶縁保護膜を形成させることが行われるようになってきた。そのため、使用するスペーサーに耐熱性が要求され、両端がエンボス加工されたポリイミドフィルム製スペーサーが一般的に使用されている。
【0005】
しかしながら、ポリイミド等のプラスチックフィルムは、使用中に反りやねじれが発生しやすく、いったん、反りやねじれが発生したものはスペーサーとして再使用できないという問題がある。
また、ポリイミド等のプラスチックフィルムは、静電気による帯電で塵埃等が付着しやすく、製品であるTABテープにそれらが転写してその歩留を低下させている。それゆえ、プラスチックフィルム中にカーボン等の帯電防止剤を混ぜて静電気の発生を抑制するように工夫されているが、スペーサー中の帯電防止剤がTABテープを汚染する問題が生じている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐熱性が高く、発塵性が極めて少なく、かつ、極めて耐久性が高い、新規なTABテープ用スペーサーを提供することにある。
【0007】
【課題を解決する手段】
すなわち、本発明は、厚さ20〜200μmのステンレス箔で形成されたテープ状弾性金属箔の両端部に突起を規則的に設けてなることを特徴とするTABテープ用スペーサーテープである。
該突起は、金属アルミニウム製、アルミニウム合金製又は耐熱プラスチック製であることがよく、その高さが該金属箔の設置面から1〜5mmであることがよく、該金属箔の両端部でかつ両面に規則的に設けてなるものがよい。
【0008】
本発明のテープ状弾性金属箔に使用される金属は、スペーサーを繰り返し再使用してもその形状を維持し、反りやねじれを生じることが少なく、工程中で解かれたり、巻かれたりしても復元性がある、すなわち、弾性のある金属であることを要し、あわせて、高温熱処理に対する耐熱性や薬液処理に対する耐食性が要求される。経済性も考慮して、本発明のテープ状弾性金属箔に使用される金属としては、特に、ステンレス箔が好ましい。かかるステンレス箔としては、SUS304、SUS316等を極薄圧延して製造されたステンレス箔が好ましい。
【0009】
テープ状弾性金属箔の厚さは、20〜200μmがよい。20μm未満の厚さの箔は使用中に皺等を発生して再使用を困難にするため好ましくなく、200μmを超える厚さの箔は弾性率が高すぎるので、TABテープと供巻きする際製品に傷を生じやすい。
テープ状弾性金属箔の幅は、通常、TABテープと同じ35mm、70mm、105mm等任意の幅でよい。
【0010】
本発明のスペーサーには、テープ状弾性金属箔の両端部に突起を設けているが、この突起でTABテープの両端部を挟み、TABテープの中央部を空間に保持し、傷等を防止する。
突起の構成材料としては、例えば、金属、セラミックス、プラスチック等任意の材料を使用できるが、加工の容易さから金属又はプラスチックが好ましい。本発明のスペーサーの突起に使用される金属としては、耐蝕性が優れ、プラスチックに較べて耐熱性が高く、塵埃を出しにくく、かつ帯電防止性があり、そのうえ加工しやすい金属を使用することができ、特に、金属アルミニウム、アルミ合金等が好ましい。金属製突起は金属棒を所定長さに切断し、所定形状に加工して製作したものでもよいし、型に鋳込む注型法で製作したものでもよい。
【0011】
また、本発明のスペーサーの突起に使用される樹脂としては、例えば、液晶ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ樹脂等の任意の樹脂が可能であり、用途、目的に合わせて、選択可能である。樹脂の場合、射出成形又はトランスファー成形して製作することができる。
【0012】
本発明のスペーサーの突起は、テープ状弾性金属箔の設置面からの高さが1〜5mmであるのが好ましく、突起の高さが1mm未満では、製品であるTABテープの中心部とスペーサーと接触しやすくなり、また、5mmを超える突起の高さでは、TABテープとスペーサーとの間隙が拡がつてリールの巻径が大きくなり、TABテープ製造の作業性が低くなる。
これらの突起は、30mm以内の間隔をもって規則的に配置されていることが好ましく、30mmを超えると製品であるTABテープ部とスペーサーと接触して傷がつくおそれがある。また、突起は、テープ状弾性金属箔の両面に形成されていることが好ましく、その径または幅は、巻き易さから5mm以内であることが好ましい。
【0013】
この突起は、その高さが低いものであれば、テープ状弾性金属箔の両端部を規則的にエンボス加工して形成してもよい。突起の位置及び高さの精度を高め、かつ、耐久性のある突起を形成するには、テープ状弾性金属箔の両端部にパンチング等により開口部をあらかじめ設け、その開口部に突起を装填するのがよい。この際、所定高さの2倍程度の突起を製作し、開口部に、これを表裏均等高さになるように装填すると、両面に突起を有するスペーサーを製作することができる。
【発明の実施形態】
【0014】
TAB加工の工程において、本発明のTABテープ用スペーサーは、リールにTABテープと連続的に供巻きして使用する。
例えば、TAB表面にポリイミド等の絶縁保護膜を形成させるには、ポリイミドインク等をパターン印刷したものをリールに巻いたままオーブン中に入れて、熱処理することができる。また、このリールに巻いたままイオン交換水、有機溶剤中に浸漬して洗浄したり、そのまま乾燥することも可能である。
【0015】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
厚さ75μmのステンレス304箔(新日鐵(株)製)を幅70mmに連続的に裁断した後、その両端部にロール状金型で5mm間隔で2mm×2mmの正方形の開口部を規則的に形成し、図1に示すとおり、両端部に規則的に開口部を有するロール状ステンレス箔を製作した。
ついで、この開口部すべてに直径3mm、高さ2mmの突起を有する金属アルミニウム製のビスを装填し、両側からかしめ、図2に示すとおり、その両端部でかつ両面に規則的に突起を有するテープ状ステンレス箔製のスペーサーを製作した。図3はこのスペーサーの側面をしめしている。
一方、連続的に回路加工された幅70mmのTABテープ(新日鐵化学(株)製エスパネックス(登録商標)SC18−40−00WE)上に、絶縁保護用ポリイミドインク(新日鐵化学(株)製SPI−200N)を連続的にスクリーン印刷して、100℃ 2分で乾燥し、ジュラルミン製リールに上記スペーサーと連続的に供巻きして、50m長さのリール装着体を製造した。
続いて、このリールを130℃の熱風オーブン中に入れ、2時間かけて270℃まで昇温した。
オーブンから取り出したあと、このリールを巻き直したところ、TABには欠陥が無く、厚さ7μmのポリイミド絶縁層が形成されていた。
【0016】
【比較例】
厚さ50μm、幅70mmのポリイミドフィルム(登録商標カプトン)で、その両端部に高さ2mm、径3mmのエンボス加工が連続的に施されたポリイミド製スペーサーを用いて、実施例と同様にポリイミドインクが形成されたTABテープを熱処理した。
それを巻き直して、そのインク表面を実体顕微鏡で観察したところ、フィルム表面からの転写と思われる塵埃が無数に観察された。
また、スペーサーの熱収縮が原因と思われる巻き締めにより、製品に微細の皺が観察された。
【0017】
【発明の効果】
上記したように、本発明スペーサーは耐熱性があり、発塵性が極めて少なく、かつ、極めて耐久性が高く、本発明スペーサーを用いれば、極めて品質のばらつきのないTABを製造することができる。
【0018】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るステンレス箔を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係るスペーサーを示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係るスペーサーを示す側面図である。
【符号の説明】
a…ステンレス箔
b…金属アルミニウム製突起
Claims (4)
- 厚さ20〜200μmのステンレス箔で形成されたテープ状弾性金属箔の両端部に突起を規則的に設けてなることを特徴とするTABテープ用スペーサー。
- 突起が金属アルミニウム製、アルミニウム合金製又は耐熱プラスチック製である請求項1に記載のTABテープ用スペーサー。
- 突起の高さが該金属箔の設置面から1〜5mmである請求項1又は請求項2に記載のTABテープ用スペーサー。
- 突起が該金属箔の両端部でかつ両面に規則的に設けてなる請求項1乃至請求項3いずれかに記載のTABテープ用スペーサー。
Priority Applications (1)
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JP28371795A JP3552814B2 (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | Tabテープ用スペーサー |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
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JPH09129684A JPH09129684A (ja) | 1997-05-16 |
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Families Citing this family (1)
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-
1995
- 1995-10-31 JP JP28371795A patent/JP3552814B2/ja not_active Expired - Fee Related
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