JPS6354532B2 - - Google Patents
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- JPS6354532B2 JPS6354532B2 JP19558981A JP19558981A JPS6354532B2 JP S6354532 B2 JPS6354532 B2 JP S6354532B2 JP 19558981 A JP19558981 A JP 19558981A JP 19558981 A JP19558981 A JP 19558981A JP S6354532 B2 JPS6354532 B2 JP S6354532B2
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Classifications
-
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- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C71/00—After-treatment of articles without altering their shape; Apparatus therefor
- B29C71/02—Thermal after-treatment
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29L—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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- Physics & Mathematics (AREA)
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
Description
本発明は長尺のシート状のフイルムを高温でか
つ長時間熱処理する方法に関する。 ここでいう熱処理は常温以上の温度にフイルム
を一定時間保持することを意味し、かかる熱処理
はフイルム自身の乾燥や、フイルムの変形を直し
たりあるいは逆にフイルムに変形を与えたりする
熱固定、フイルムの物性改良のために行う処理、
たとえば強度、伸度、収縮率の調整など、いわゆ
るフイルムの弛緩処理の他に塗工工程や印刷工程
における塗布液の乾燥、塗工樹脂の硬化、重合な
どのために行われる。 従来このような目的で長尺フイルムを熱処理す
る方法としては、コイル状に連続的に巻かれたシ
ート状のフイルムを連続的に巻きほぐしながら所
定の温度に保持した炉の中を通し再びコイル状に
巻きとる方法が一般的であつた。 このような方法で熱処理する場合、フイルムの
送行速度をVm/min、熱処理炉長をLmとする
と、熱処理時間tminとの間にはt=L/Vの関
係があることからも明らかなように熱処理時間を
長くするためには炉長を長くするかフイルムの送
行速度を遅くすることが必要である。 しかしながら、炉長を長くすることは設備上の
投資が大きくなりすぎることや運転経費の増大な
どの点から好ましくない。一方、フイルムの送行
速度を遅くすることは生産性およびフイルムの変
形の点で問題があつた。実際にはこれらの点を考
慮して最適の炉長、フイルム速度が決められてい
るがこの様な方法では熱処理時間は数秒から数分
程度がせいぜいである。 さらにこの方法ではより高い温度での熱処理は
困難である。即ちこの方法ではフイルムを連続的
に移動しつつ巻きとる必要があるため、フイルム
の進行方向に張力をかけねばならない。一般には
横方向は張力がかからないフリーな状態におかれ
るためフイルムの横方向の熱収縮にともなう縦方
向のシワが発生し、このシワがフイルムの永久ひ
ずみとして残り使用上種々の問題があつた。かか
る欠陥を防止するためにフイルムの両端をチヤツ
クなどで保持しながら巾方向にも張力を与え、熱
収縮を押えしわを防止する方法も用いられるが、
この方法は設備が大がかりになるため一般に用い
られる方法ではなかつた。又、つかみしろがフイ
ルムの不良部となるため、フイルム端をスリツト
しなければならず工程が増すだけでなく、フイル
ムの有効巾がそれだけ狭くなる。このことはフイ
ルム巾が狭いときはとくに問題である。 またフイルムの熱処理にともなうシワを防止す
る別の方法としてエアーフローテイング方式の乾
燥方法がある。この方法はフイルムの上下から熱
風を吹きつけフイルムを空間に支持しながらフイ
ルム移動する方法であり、横方向、縦方向ともに
ほゞフリーな状態におかれるため、本目的には最
も適した方法といえる。しかしながら、本方法で
は装置上の制限から数秒から数分の熱処理がせい
ぜいである。さらに長時間の熱処理を行うために
はエアーフローテイングゾーンの長さを長くする
か、フイルムの送り速度を遅くすることが必要で
あるが、前者においては設備費用が大きくなりす
ぎること、後者においては生産性が悪いことなど
の欠陥があり、汎用的な方法といえなかつた。 一方コイル状に巻いたフイルムをそのままある
一定の温度下に長時間保持する方法も通常用いら
れる。この方法では長時間フイルムをある雰囲気
に保持することは可能であるが、とくに温度が高
い場合にはフイルムの熱収縮によつて半径方向に
応力が発生し、フイルムを締めつける、いわゆる
巻きじまりのためにブツ、折れシワなどの欠陥が
発生したり、フイルム表面とフイルム裏面が強く
圧着されるため両者が融着するブロツキング現象
を起したり、フイルムとボビンを固定するテープ
やフイルム端のあとが永久変形となつて数10〜数
100mの長さにわたつて巻いたフイルムの同じ位
置に現れてくる転写現象などを生じたりして好ま
しくない。 さらにこの方法をフイルム表面に塗工、真空蒸
着、その他の方法によつて形成した表面加工層の
乾燥、重合、硬化あるいはその他の化学反応の促
進のために用いる場合には、これらの反応がなか
なか進まなかつた。これはフイルムが堅く巻かれ
ているために表面加工層面付近の雰囲気がそのま
ま滞留し、新鮮な空気その他の熱処理雰囲気気体
の供給及び同気体又は放出された気体の移動がほ
とんどないためと考えられる。雰囲気気体の供給
及び同気体又は放出された気体の移動があつたと
してもその供給、移動がフイルムの端、および外
周のみに限られるため中央部、内周部と反応の進
行度合が異り、巾方向、長さ方向に均一な表面加
工層が得られないという問題も残る。 本発明者は長尺のシート状のフイルムの熱処理
におけるこのような従来の欠点を防止しかつ比較
的高温で長時間の熱処理を有効に行うための方法
を鋭意研究した結果本発明に到達したものであ
る。即ち、本発明はコイル状に巻かれたシート状
のフイルムを、軸を鉛直又はほぼ鉛直方向にして
相隣るフイルムの接触面積が実質的に無視しうる
程度に巻きほぐされた状態で保持し熱処理するこ
とを特徴とするフイルムの熱処理方法である。 本発明でいうフイルムはシート状の形態をな
し、かつ巻きほぐされた状態で自立しうるものを
いい、その厚さはフイルムの巾および強度、腰の
強さに関係するが、特に限定する必要はない。こ
のようなフイルムの例としては、プラスチツクフ
イルムたとえばポリエステルフイルム、ポリエチ
レンフイルム、ポリスチレンフイルム、ポリビニ
ルアルコールフイルム、塩化ビニルフイルム、塩
化ビニリデンフイルム、テフロンフイルム、ナイ
ロンフイルム、ポリピロピレンフイルム、ポリカ
ーボネートフイルム、ポリイミドフイルムポリア
ミドイミドフイルム、ポリエステルイミドフイル
ムなどの高分子フイルムがある。さらに紙や金属
薄板など無機物であつてかつシート状に加工で
き、かつコイル状に巻くことができるものも含ま
れる。又、これらのフイルムには表面加工、たと
えばコロナ処理、グロー放電処理、サンドマツト
加工などの物理的表面処理がされていてもよく、
更にコーテイング、蒸着、スパタリングなどによ
つて有機、無機の薄膜が1層以上積層された状態
であつてもさしつかえない。さらに印刷などによ
つて表面に模様が描かれていても、又二枚以上の
同種又は異種のフイルムを貼り合せたものであつ
てもよい。 かかるフイルムをコイル状に巻くためには、少
くとも巻芯の円周長さ以上であればその長さには
制限がない。しかしながら、長尺フイルムの熱処
理という本発明の主旨から考えて少くとも10回以
上コイル状に巻きうる長さが好ましく通常5m以
上の場合にとくに本発明の熱処理法が有効であ
る。このようなフイルムは巻芯の外側に連続的の
コイル状に数Kg〜数10Kgの張力で巻きとられた形
状が普通であり、この形状の場合巻芯の軸がどの
方向にあつても巻きずれなどを起さないか或は起
してもわずかである。特別な場合、たとえばフイ
ルム表面の摩擦係数が極めて小さい場合や、一定
以上の張力で巻くとシワやフイルムとボビンを固
定するための粘着テープあとの転写、あるいはフ
イルム間のブロツキングなどが生じたりするよう
な場合にはややゆるく巻かれる。いずれの場合に
おいても相隣るフイルムの間隔はないかあつても
ごくわずかであり、互いに接触している状態であ
るといえる。 本発明による方法では、このように堅く巻かれ
たフイルムを軸が鉛直で、かつ相隣る外周と内周
のフイルムが互いに接触しないように巻きほぐし
てから用いる。巻きほぐす方法は特に限定しない
が、たとえば巻芯をフイルムの巻方向と逆方向に
回転させてやることによつて簡単に達成される。
巻きほぐされたフイルムは必ずしも真円でなくて
もよいが、相隣るフイルムが互いにできるだけ接
触しないようにすることが必要である。このこと
はフイルムの縦、横いずれの方向にも張力がかか
らない弛緩状態にフイルムを保持することを意味
するのであつてフイルムの一部が互いに接触して
いてもさしつかえない。このような弛緩状態にフ
イルムを保持し、かつ熱収縮による巻きじまりの
影響を防止するためには相隣るフイルムの間隔に
平均的に25μ以上であることが好ましい。ここで
平均25μというのは巻芯の外周または巻きほぐさ
れたフイルムの最内周と、最外周の距離が(フイ
ルム厚さ+25μ)×フイルム巻数以上であること
を意味するものであつて、フイルム間隔は必ずし
もすべてが同一である必要はない。これらの間隔
は平均的にはフイルムの厚さ×フイルムの巻数で
計算される厚さと実測厚さとの差をフイルムの巻
数で割ることによつて定義される。便宜的には次
の公式で簡単に計算される。 フイルムの平均間隔 △t=π/4D2−d2/L−t 但し、フイルム内径 d フイルム厚さ t フイルム巻取長 L フイルム外径 D またフイルムの腰が強く最外周または/および
最内周のフイルム端が巻きからはずれることがあ
るが、この場合は2〜3巻き内側または外側の周
をもつて最外周径D、および/または最内周径d
とすればよい。 このようにして巻きほぐされたフイルムはその
軸を鉛直に保つたそのままの状態で熱処理炉の中
で所定の時間保持し、熱処理される。ここで熱処
理するべきフイルムは巻きほぐした形状が保持で
きれば巻芯は熱処理する際にはあつてもなくても
どちらでもさしつかえない。 本発明の方法は(1)フイルムがどの方向にも張力
がかからない状態に保持されるため、熱収縮にも
とずくしわ、折れ、ブツなどの変形が生じない。
(2)フイルムが互いに接触しないため、いわゆるブ
ロツキングなどの現象が生じない。(3)フイルムの
各面に熱風が均等に入り込むためフイルム全面に
わたる均一な熱処理ができる。(4)数時間から数10
時間以上の長時間熱処理が可能である。などの他
の方法では得られないすぐれた特徴を有し、さら
に通常用いられている熱処理炉、たとえば熱風乾
燥機などで処理でき、特別の装置は不要である。 このような特徴を有するため本発明の方法によ
れば従来不可能であつたフイルムの熱処理を可能
にすることができる。以下に本方法によつて可能
になつた熱処理の実施例を述べる。 実施例 1 50μ厚のポリエステルフイルム200m×50cm巾
を巻芯をフイルムの巻き方向と逆方向に回転させ
ることにより巻きほぐした。巻きほぐす前のフイ
ルム外径150mm巻芯の外周92.8mmであつた。巻き
ほぐすことによりフイルムの最外周は523mm〜750
mmになつた。従つてフイルムの平均間隔は0.99〜
2.13mmとなる。この数値に巾があるのは、真円状
でないためである。このフイルムを150℃、10分
間熱処理し、フイルムを巾方向長さ方向に収縮さ
せ収縮率が150℃、30分の熱処理で0.1%以下のポ
リエステルフイルムを得た。このような低収縮率
のポリエステルフイルムは工業的な規模では本方
法以外では今までに得ることが困難であつた。 実施例 2 酸化インジウムを約100Åの厚さに蒸着した
75μ厚のポリエステルフイルム3巻(320mm巾×
100m)を下記、及びの方法で熱処理した。
熱処理前のフイルムは可視光透過率52%、表面抵
抗20KΩ/口であつた。長さ3.3mの乾燥炉長
を連続的に1m/分の速度で通す。巻芯に巻い
たままの状態及び巻きほぐした状態で熱風乾燥
機中に24時間保持する。温度はいずれも170℃で
ある。 の例においてはフイルムの間隔は平均58〜
173μである。この結果は第一表のとおりであり
透明導電性フイルムとして使用できるのはの例
のみであつた。
つ長時間熱処理する方法に関する。 ここでいう熱処理は常温以上の温度にフイルム
を一定時間保持することを意味し、かかる熱処理
はフイルム自身の乾燥や、フイルムの変形を直し
たりあるいは逆にフイルムに変形を与えたりする
熱固定、フイルムの物性改良のために行う処理、
たとえば強度、伸度、収縮率の調整など、いわゆ
るフイルムの弛緩処理の他に塗工工程や印刷工程
における塗布液の乾燥、塗工樹脂の硬化、重合な
どのために行われる。 従来このような目的で長尺フイルムを熱処理す
る方法としては、コイル状に連続的に巻かれたシ
ート状のフイルムを連続的に巻きほぐしながら所
定の温度に保持した炉の中を通し再びコイル状に
巻きとる方法が一般的であつた。 このような方法で熱処理する場合、フイルムの
送行速度をVm/min、熱処理炉長をLmとする
と、熱処理時間tminとの間にはt=L/Vの関
係があることからも明らかなように熱処理時間を
長くするためには炉長を長くするかフイルムの送
行速度を遅くすることが必要である。 しかしながら、炉長を長くすることは設備上の
投資が大きくなりすぎることや運転経費の増大な
どの点から好ましくない。一方、フイルムの送行
速度を遅くすることは生産性およびフイルムの変
形の点で問題があつた。実際にはこれらの点を考
慮して最適の炉長、フイルム速度が決められてい
るがこの様な方法では熱処理時間は数秒から数分
程度がせいぜいである。 さらにこの方法ではより高い温度での熱処理は
困難である。即ちこの方法ではフイルムを連続的
に移動しつつ巻きとる必要があるため、フイルム
の進行方向に張力をかけねばならない。一般には
横方向は張力がかからないフリーな状態におかれ
るためフイルムの横方向の熱収縮にともなう縦方
向のシワが発生し、このシワがフイルムの永久ひ
ずみとして残り使用上種々の問題があつた。かか
る欠陥を防止するためにフイルムの両端をチヤツ
クなどで保持しながら巾方向にも張力を与え、熱
収縮を押えしわを防止する方法も用いられるが、
この方法は設備が大がかりになるため一般に用い
られる方法ではなかつた。又、つかみしろがフイ
ルムの不良部となるため、フイルム端をスリツト
しなければならず工程が増すだけでなく、フイル
ムの有効巾がそれだけ狭くなる。このことはフイ
ルム巾が狭いときはとくに問題である。 またフイルムの熱処理にともなうシワを防止す
る別の方法としてエアーフローテイング方式の乾
燥方法がある。この方法はフイルムの上下から熱
風を吹きつけフイルムを空間に支持しながらフイ
ルム移動する方法であり、横方向、縦方向ともに
ほゞフリーな状態におかれるため、本目的には最
も適した方法といえる。しかしながら、本方法で
は装置上の制限から数秒から数分の熱処理がせい
ぜいである。さらに長時間の熱処理を行うために
はエアーフローテイングゾーンの長さを長くする
か、フイルムの送り速度を遅くすることが必要で
あるが、前者においては設備費用が大きくなりす
ぎること、後者においては生産性が悪いことなど
の欠陥があり、汎用的な方法といえなかつた。 一方コイル状に巻いたフイルムをそのままある
一定の温度下に長時間保持する方法も通常用いら
れる。この方法では長時間フイルムをある雰囲気
に保持することは可能であるが、とくに温度が高
い場合にはフイルムの熱収縮によつて半径方向に
応力が発生し、フイルムを締めつける、いわゆる
巻きじまりのためにブツ、折れシワなどの欠陥が
発生したり、フイルム表面とフイルム裏面が強く
圧着されるため両者が融着するブロツキング現象
を起したり、フイルムとボビンを固定するテープ
やフイルム端のあとが永久変形となつて数10〜数
100mの長さにわたつて巻いたフイルムの同じ位
置に現れてくる転写現象などを生じたりして好ま
しくない。 さらにこの方法をフイルム表面に塗工、真空蒸
着、その他の方法によつて形成した表面加工層の
乾燥、重合、硬化あるいはその他の化学反応の促
進のために用いる場合には、これらの反応がなか
なか進まなかつた。これはフイルムが堅く巻かれ
ているために表面加工層面付近の雰囲気がそのま
ま滞留し、新鮮な空気その他の熱処理雰囲気気体
の供給及び同気体又は放出された気体の移動がほ
とんどないためと考えられる。雰囲気気体の供給
及び同気体又は放出された気体の移動があつたと
してもその供給、移動がフイルムの端、および外
周のみに限られるため中央部、内周部と反応の進
行度合が異り、巾方向、長さ方向に均一な表面加
工層が得られないという問題も残る。 本発明者は長尺のシート状のフイルムの熱処理
におけるこのような従来の欠点を防止しかつ比較
的高温で長時間の熱処理を有効に行うための方法
を鋭意研究した結果本発明に到達したものであ
る。即ち、本発明はコイル状に巻かれたシート状
のフイルムを、軸を鉛直又はほぼ鉛直方向にして
相隣るフイルムの接触面積が実質的に無視しうる
程度に巻きほぐされた状態で保持し熱処理するこ
とを特徴とするフイルムの熱処理方法である。 本発明でいうフイルムはシート状の形態をな
し、かつ巻きほぐされた状態で自立しうるものを
いい、その厚さはフイルムの巾および強度、腰の
強さに関係するが、特に限定する必要はない。こ
のようなフイルムの例としては、プラスチツクフ
イルムたとえばポリエステルフイルム、ポリエチ
レンフイルム、ポリスチレンフイルム、ポリビニ
ルアルコールフイルム、塩化ビニルフイルム、塩
化ビニリデンフイルム、テフロンフイルム、ナイ
ロンフイルム、ポリピロピレンフイルム、ポリカ
ーボネートフイルム、ポリイミドフイルムポリア
ミドイミドフイルム、ポリエステルイミドフイル
ムなどの高分子フイルムがある。さらに紙や金属
薄板など無機物であつてかつシート状に加工で
き、かつコイル状に巻くことができるものも含ま
れる。又、これらのフイルムには表面加工、たと
えばコロナ処理、グロー放電処理、サンドマツト
加工などの物理的表面処理がされていてもよく、
更にコーテイング、蒸着、スパタリングなどによ
つて有機、無機の薄膜が1層以上積層された状態
であつてもさしつかえない。さらに印刷などによ
つて表面に模様が描かれていても、又二枚以上の
同種又は異種のフイルムを貼り合せたものであつ
てもよい。 かかるフイルムをコイル状に巻くためには、少
くとも巻芯の円周長さ以上であればその長さには
制限がない。しかしながら、長尺フイルムの熱処
理という本発明の主旨から考えて少くとも10回以
上コイル状に巻きうる長さが好ましく通常5m以
上の場合にとくに本発明の熱処理法が有効であ
る。このようなフイルムは巻芯の外側に連続的の
コイル状に数Kg〜数10Kgの張力で巻きとられた形
状が普通であり、この形状の場合巻芯の軸がどの
方向にあつても巻きずれなどを起さないか或は起
してもわずかである。特別な場合、たとえばフイ
ルム表面の摩擦係数が極めて小さい場合や、一定
以上の張力で巻くとシワやフイルムとボビンを固
定するための粘着テープあとの転写、あるいはフ
イルム間のブロツキングなどが生じたりするよう
な場合にはややゆるく巻かれる。いずれの場合に
おいても相隣るフイルムの間隔はないかあつても
ごくわずかであり、互いに接触している状態であ
るといえる。 本発明による方法では、このように堅く巻かれ
たフイルムを軸が鉛直で、かつ相隣る外周と内周
のフイルムが互いに接触しないように巻きほぐし
てから用いる。巻きほぐす方法は特に限定しない
が、たとえば巻芯をフイルムの巻方向と逆方向に
回転させてやることによつて簡単に達成される。
巻きほぐされたフイルムは必ずしも真円でなくて
もよいが、相隣るフイルムが互いにできるだけ接
触しないようにすることが必要である。このこと
はフイルムの縦、横いずれの方向にも張力がかか
らない弛緩状態にフイルムを保持することを意味
するのであつてフイルムの一部が互いに接触して
いてもさしつかえない。このような弛緩状態にフ
イルムを保持し、かつ熱収縮による巻きじまりの
影響を防止するためには相隣るフイルムの間隔に
平均的に25μ以上であることが好ましい。ここで
平均25μというのは巻芯の外周または巻きほぐさ
れたフイルムの最内周と、最外周の距離が(フイ
ルム厚さ+25μ)×フイルム巻数以上であること
を意味するものであつて、フイルム間隔は必ずし
もすべてが同一である必要はない。これらの間隔
は平均的にはフイルムの厚さ×フイルムの巻数で
計算される厚さと実測厚さとの差をフイルムの巻
数で割ることによつて定義される。便宜的には次
の公式で簡単に計算される。 フイルムの平均間隔 △t=π/4D2−d2/L−t 但し、フイルム内径 d フイルム厚さ t フイルム巻取長 L フイルム外径 D またフイルムの腰が強く最外周または/および
最内周のフイルム端が巻きからはずれることがあ
るが、この場合は2〜3巻き内側または外側の周
をもつて最外周径D、および/または最内周径d
とすればよい。 このようにして巻きほぐされたフイルムはその
軸を鉛直に保つたそのままの状態で熱処理炉の中
で所定の時間保持し、熱処理される。ここで熱処
理するべきフイルムは巻きほぐした形状が保持で
きれば巻芯は熱処理する際にはあつてもなくても
どちらでもさしつかえない。 本発明の方法は(1)フイルムがどの方向にも張力
がかからない状態に保持されるため、熱収縮にも
とずくしわ、折れ、ブツなどの変形が生じない。
(2)フイルムが互いに接触しないため、いわゆるブ
ロツキングなどの現象が生じない。(3)フイルムの
各面に熱風が均等に入り込むためフイルム全面に
わたる均一な熱処理ができる。(4)数時間から数10
時間以上の長時間熱処理が可能である。などの他
の方法では得られないすぐれた特徴を有し、さら
に通常用いられている熱処理炉、たとえば熱風乾
燥機などで処理でき、特別の装置は不要である。 このような特徴を有するため本発明の方法によ
れば従来不可能であつたフイルムの熱処理を可能
にすることができる。以下に本方法によつて可能
になつた熱処理の実施例を述べる。 実施例 1 50μ厚のポリエステルフイルム200m×50cm巾
を巻芯をフイルムの巻き方向と逆方向に回転させ
ることにより巻きほぐした。巻きほぐす前のフイ
ルム外径150mm巻芯の外周92.8mmであつた。巻き
ほぐすことによりフイルムの最外周は523mm〜750
mmになつた。従つてフイルムの平均間隔は0.99〜
2.13mmとなる。この数値に巾があるのは、真円状
でないためである。このフイルムを150℃、10分
間熱処理し、フイルムを巾方向長さ方向に収縮さ
せ収縮率が150℃、30分の熱処理で0.1%以下のポ
リエステルフイルムを得た。このような低収縮率
のポリエステルフイルムは工業的な規模では本方
法以外では今までに得ることが困難であつた。 実施例 2 酸化インジウムを約100Åの厚さに蒸着した
75μ厚のポリエステルフイルム3巻(320mm巾×
100m)を下記、及びの方法で熱処理した。
熱処理前のフイルムは可視光透過率52%、表面抵
抗20KΩ/口であつた。長さ3.3mの乾燥炉長
を連続的に1m/分の速度で通す。巻芯に巻い
たままの状態及び巻きほぐした状態で熱風乾燥
機中に24時間保持する。温度はいずれも170℃で
ある。 の例においてはフイルムの間隔は平均58〜
173μである。この結果は第一表のとおりであり
透明導電性フイルムとして使用できるのはの例
のみであつた。
【表】
実施例 3
700mm巾のポリエステルフイルム25μ厚×300m
にポリウレタン系樹脂を約100Åの厚さに塗工し
たあと120℃の乾燥炉中を30秒通し張力を下げて
巻きとつた。 巻芯の外周162mm、フイルムの外周は202mmであ
つた。したがつてフイルムの平均間隔は13μであ
る。このフイルムを軸を垂直にして130℃の熱風
乾燥炉中に1時間保持したところ、フイルムの大
部分にブロツキングが生じ、コーテイングしたポ
リウレタン系樹脂がフイルム裏面に転写した。 同じフイルムを巻きほぐして(平均間隔108〜
152μ)同一条件で熱処理したところブロツキン
グは生じず良好なポリウレタン系樹脂処理ポリエ
ステルフイルムが得られた。
にポリウレタン系樹脂を約100Åの厚さに塗工し
たあと120℃の乾燥炉中を30秒通し張力を下げて
巻きとつた。 巻芯の外周162mm、フイルムの外周は202mmであ
つた。したがつてフイルムの平均間隔は13μであ
る。このフイルムを軸を垂直にして130℃の熱風
乾燥炉中に1時間保持したところ、フイルムの大
部分にブロツキングが生じ、コーテイングしたポ
リウレタン系樹脂がフイルム裏面に転写した。 同じフイルムを巻きほぐして(平均間隔108〜
152μ)同一条件で熱処理したところブロツキン
グは生じず良好なポリウレタン系樹脂処理ポリエ
ステルフイルムが得られた。
Claims (1)
- 1 コイル状に巻かれたシート状のフイルムを、
軸を鉛直又はほぼ鉛直方向にして相隣るフイルム
の接触面積が実質的に無視しうる程度に巻きほぐ
された状態で保持し熱処理することを特徴とする
フイルムの熱処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19558981A JPS5898219A (ja) | 1981-12-07 | 1981-12-07 | フイルムの熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19558981A JPS5898219A (ja) | 1981-12-07 | 1981-12-07 | フイルムの熱処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5898219A JPS5898219A (ja) | 1983-06-11 |
JPS6354532B2 true JPS6354532B2 (ja) | 1988-10-28 |
Family
ID=16343653
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19558981A Granted JPS5898219A (ja) | 1981-12-07 | 1981-12-07 | フイルムの熱処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5898219A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS645825A (en) * | 1987-06-30 | 1989-01-10 | Teijin Ltd | Method for heat-treating polyester film |
JPH07119054B2 (ja) * | 1990-06-28 | 1995-12-20 | 新王子製紙株式会社 | 耐熱性延伸ポリオレフィンシートおよびその製造方法 |
CN111037954A (zh) * | 2019-11-18 | 2020-04-21 | 临海伟星新型建材有限公司 | 一种提升无规共聚聚丙烯管件耐压性能的方法 |
-
1981
- 1981-12-07 JP JP19558981A patent/JPS5898219A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5898219A (ja) | 1983-06-11 |
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