JP3601735B2 - フイルムロールの熱処理方法及び装置 - Google Patents
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Description
本発明は高分子フィルムのフィルムロールのアニーリング処理を行う熱処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子フィルム,特にポリエステル系フィルムはその製造工程において受けた残留歪を解除するために熱処理を行うが、これをアニーリング処理と言っている。このアニーリング処理はフィルムロールを高温の恒温室内に一定時間以上保存する方法か、又は連続炉中を低速度で通過させて処理する方法が行なわれていた。この工程においてフィルムロールが不均一に加熱されると、巻芯との関係において巻締まり、巻皺、巻ベコ、その他フィルムロールの高温維持保存が長時間かかる等の問題点を生じる。
それらの問題に対処し又発生する楕円状変形やシワ防止のため、空隙率0.6〜0.95に巻取軸上にロール状に巻いたプラスチックフィルムロールを、前記巻取軸を中心に5〜1000回転/1時間で回転させながら保存する方法が提案されている。(特開昭63−31962号公報参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭63−31962号公報に記載の方法は、確かに長時間保存における楕円状変形やシワ防止には効果的な方法であるが、恒温室内のローカルな室内温度の不均一やアニーリング時間の短縮及びアニーリングの効率化には問題があった。
【0004】
本発明の目的は上記問題点を解消し、効率的で迅速なアニーリングが可能であり、且つ巻皺,巻べこ等の効果が充分なアニーリング処理を大量に処理出来るフィルムロールの熱処理方法及び装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成によって達成される。
(1) 巻芯にロール状に巻き取られた帯状高分子フィルムのフィルムロールのアニーリング処理を行う熱処理方法において、前記フィルムロールを断熱パネルで囲み、前記フィルムロールの巻芯を0.04〜4rphで間欠回転又は連続回転させながら、前記巻芯を中心にして前記フィルムロールに沿って熱風を吹付けることを特徴とするフィルムロールの熱処理方法。
(2) 前記フィルムロールの巻芯の回転方向が、フィルムロールが巻締まる方向であることを特徴とする上記(1)記載の熱処理方法。
(3) 前記フィルムロールのきしみ値が10g以上600g以下であることを特徴とする上記(2)記載の熱処理方法。
(4) 帯状高分子フィルムのフィルムロールのアニーリング処理を行う熱処理装置において、前記フィルムロールを収容する台車を断熱パネルで囲み、フィルムロールの巻芯を支えるコロを間欠回転又は連続回転させるモータと、前記フィルムロールの端部に対し熱風の吹出口を前記断熱パネルに設けたことを特徴とするフィルムロールの熱処理装置。
(5) 前記フィルムロールが写真感光材料用支持体であって、該支持体の巻取前に、該支持体の両端に高さ1μm以上、50μ以下のローレットを付与することを特徴とする上記(1)に記載のフィルムロールの熱処理方法。
【0006】
本発明に用いる高分子フィルムの材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、テフロン、塩化ビニリデン、ナイロン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド等がある。
本発明は、これらフィルムのうち、写真感光材料用支持体としてのポリエチレテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムを用いる場合に特に有効である。
【0007】
本発明において、前記フィルムロールを断熱パネルで囲むということは、断熱パネルによって環境を出来るだけ均一に加熱して、かつ熱経済を計ると同時に、吹出口に熱風ダクトを連結し、断熱パネル内を強制加熱することである。収容するフィルムロールは1本宛収容する台車に直接行なってもよいし、又は複数本宛囲む断熱パネルを設けてもよい。本発明のフィルムロールの巻芯を支えるコロを間欠回転又は連続回転させるということは、間欠回転としては0.04〜4rphの回転速度を1周360°を2〜12分割づつ間欠回転させることをいう。これによってフィルムロール全体の均一な加熱が可能であり、又均一な強制加熱により従来のようにフィルム間に挿まれた空気も冷却収縮によって抜けることが無い、従って楕円状変形やシワも勿論発生しない。0.04rph以下では楕円形変形の心配があり、4rph以上では巻ズレの心配が生じる。更に、強制加熱とフィルムロールの回転とにより熱のローカリティを防止し、アニーリングも促進されることになる。加熱風の吹出速度としては1m/sec〜30m/secが好ましい。
【0008】
本発明において、前記フイルムロールの巻芯の回転方向が、フイルムロールが巻締まる方向であるということは、ロールには巻き方向があり、それゆえにロールの回転方向によってロールの巻き締まる方向とロールが巻きゆるむ方向とが存在する。アニーリング時の回転方向を決めずに間欠回転または連続回転を行うと、熱処理時にウエブ幅方向のシワ(以下巻ベコと称す)や、ウエブ長手方向のシワ(以下巻皺と称す)、ロールの巻ズレの発生、ロール経差の増大が避けられない。従って巻ベコ,巻皺を低減するためにこの回転方向をロールが巻締まる方向に決めた。これにより巻ベコ,巻皺、ロール経差の大幅な低減が達成された。
又、フイルムロールのきしみ値が10g以上600g以下ということは、きしみ値とはウエブ同士の滑り易さを決める値であり、きしみ値が10g以下の場合は巻きずれが発生し、600g以上になると巻皺がおきることになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の1実施態様としては、図1に示すように、フィルムロール1を1本宛収容する台車2を断熱パネル3で囲み、フィルムロールの巻芯4を0.04〜4rphでフイルムロールが巻締められる方向に回転するように巻芯4を支えるコロ5を間歇回転又は連続回転させるモータ6と、前記断熱パネル3内に熱風の吹出口7を設けこれにダクトを連結した熱処理装置である。但し、断熱パネルは、台車一台に夫々取付けるだけでなく、複数台分まとめて行っても良い。コロ回転用モータ、及び熱風の吹出口等はしたがって連動でもよい。
アニーリング室内温度は、処理するフィルムの材質によって適宜選択されるが、写真感光材料用支持体のガラス転移温度(Tg)とすると、Tg+30℃〜Tg−50℃の範囲で0.1h〜300h熱処理を行うことが好ましく、Tgが90°以上200℃以下であることが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレートフィルムの場合は60〜70℃、ポリエチレンナフタレートフィルムの場合は100〜120℃である。
この場合アニーリングは巻取部分を箱で囲んで巻取りと同時にアニーリングをその箱内で始めることが好ましい(特開平7−195381号公報)。そして更のアニーリングを本発明の台車内と断熱パネル内で行うことになる。巾1500mm、巻取り径700mmのフィルムロール1をウエブのTg+30℃〜Tg−50℃の範囲で熱処理する場合、フィルムロール1をモータ6によってフイルムロールがを0.04〜4rphの速度で,ロールが巻締まる方向に該ポリエステル支持体のきしみ値が10g以上600g以下であるようにコロ5を間欠又は連続的に回転させることでウエブ全域が約120時間で均一に熱処理される。(台車の吹出口7は1ケ所で可能)
この際、フィルムロール1を回転させないと、低温部分が発生し、ガラス転移点温度近辺での熱処理が不可能となり、従来の面故障が多発する。
さらに本発明はロール毎又は台車のバッチ処理であり、アニーリング処理が迅速に行われるので、大型恒温室を1つの空間として使用する場合と比べ処理数変動への対応が容易である。
該熱処理の前に少くとも片面に表面処理が施されていることが好ましい。
表面処理とは
フイルムロールの巻取の前に支持体の両端に高さ1μm以上、50μ以下のローレットを付与することが好ましい。又該前記熱処理は表面処理と下塗の間に行なわれることになる。
【0010】
【実施例】
幅1500mm、巻取径700mmのポリエチレンナフタレートを120℃の処理温度で120時間アニーリング処理する場合、フイルムロールの回転数と面状故障との関係は回転方向により、表1及び表2のようになった。
ロール径差はアニーリンク終了時に測定する。
ロール径差とは巻芯表面からロール最外周までの長さをロールの両端の上側と下側の4点で測定し、その中の最も大きいものをL1 ,最も小さいものをL2 とし、下記式に従って%で表示したものである。
ロール径差={(L1 −L2 )/(L1 +L2 )}×100
ロール径差が0.5%未満のものを◎、0.5%以上1%未満のものを○、1%以上のものを×と評価する。◎〜○が実用に供する事の出来るレべルである。
巻ベコ、巻皺の評価方法は、アニーリング処理されたフイルムロールを全長にわたって巻ほぐし、目視で評価を行う。○はシワがまったく認められないもの、×は実用に供することの出来ないもののレベルである。回転方向がロールが巻締まる方向を実施例−1とし結果を表1に示し、ロールが巻き緩む方向を比較例−1として、結果を表2に示す。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【発明の効果】
上記の結果からも明らかなように、本発明の熱処理方法及び装置を用いることによって、従来バルクロールのまま加熱した場合に生じていた巻締まり、巻皺,巻ベコ等のロスを皆無にすることが出来、大きなロス減少の効果が得られた。
又、アニーリング処理における熱のローカリティーを防止でき、均一で迅速な熱処理が可能となり、台車構造の簡易化にもつながった。処理数変動への対応も容易になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱処理装置の一実施例の側面図
【符号の説明】
1 巻取フィルムロール
2 台車
3 断熱パネル
4 巻芯
5 コロ
6 モータ
7 熱風の吹出口
Claims (5)
- 巻芯にロール状に巻き取られた帯状高分子フィルムのフィルムロールのアニーリング処理を行う熱処理方法において、前記フィルムロールを断熱パネルで囲み、前記フィルムロールの巻芯を0.04〜4rphで間欠回転又は連続回転させながら、前記巻芯を中心にして前記フィルムロールに沿って熱風を吹付けることを特徴とするフィルムロールの熱処理方法。
- 前記フィルムロールの巻芯の回転方向が、フィルムロールが巻締まる方向であることを特徴とする請求項1記載の熱処理方法。
- 前記フィルムロールのきしみ値が10g以上600g以下であることを特徴とする請求項2記載の熱処理方法。
- 帯状高分子フィルムのフィルムロールのアニーリング処理を行う熱処理装置において、前記フィルムロールを収容する台車を断熱パネルで囲み、フィルムロールの巻芯を支えるコロを間欠回転又は連続回転させるモータと、前記フィルムロールの端部に対し熱風の吹出口を前記断熱パネルに設けたことを特徴とするフィルムロールの熱処理装置。
- 前記フィルムロールが写真感光材料用支持体であって、該支持体の巻取前に、該支持体の両端に高さ1μm以上、50μ以下のローレットを付与することを特徴とする請求項1に記載のフィルムロールの熱処理方法。
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