JP2002060591A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物及び半導体装置Info
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Abstract
クラック性に優れ、臭素化合物、アンチモン化合物を配
合しなくても難燃性に優れるため高温保管特性に優れた
半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 フェノール類とナフトール類又はナフタ
レンジオール類、あるいはナフトール類又はナフタレン
ジオール類を、メチレン基又はキシリレン基を介して結
合させて得られるフェノール樹脂から選ばれる1種以上
のフェノール樹脂、前記フェノール樹脂をグリシジルエ
ーテル化して得られるエポキシ樹脂、無機充填材、硬化
促進剤、及び環状ホスファゼン化合物を必須成分とする
半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
Description
の成形性とともに難燃性、高温保管特性、耐半田クラッ
ク性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこ
れを用いた半導体装置に関するものである。
として、エポキシ樹脂組成物のトランスファー成形によ
る方法が、低コスト、大量生産に適した方法として採用
されて久しく、信頼性もエポキシ樹脂や硬化剤であるフ
ェノール樹脂の改良により向上が図られてきた。しか
し、近年の電子機器の小型化、軽量化、高性能化の市場
動向において、半導体の高集積化も年々進み、又、半導
体装置の表面実装化が促進されるなかで、半導体封止用
エポキシ樹脂組成物への要求は益々厳しいものとなって
きている。このため、従来からのエポキシ樹脂組成物で
は解決できない問題点も出てきている。その最大の問題
点は、半導体装置の表面実装の採用により半導体装置が
半田浸漬、あるいはリフロー工程で急激に200℃以上
の高温にさらされ、半導体装置が吸湿した水分が爆発的
に気化する際の応力により、半導体装置が割れたり、半
導体素子、リードフレーム、インナーリード上の各種メ
ッキされた接合部分との各界面で、剥離が生じ信頼性が
著しく低下する現象である。従って前記の各種部材との
接着性に優れることが必要である。更に、近年半導体装
置の薄型化に伴い、半導体装置中に占めるエポキシ樹脂
組成物の硬化物の厚みが一段と薄くなってきており、6
4M、256MDRAM用の半導体装置は、1mm厚の
TSOPが主流となりつつある。これら薄型半導体装置
には、エポキシ樹脂組成物の成形時の充填性が良好で、
金線変形が少なく、半導体素子やリードフレームの変形
(チップシフトやダイパッドシフトと呼ぶ)がないこと
が要求され、そのためエポキシ樹脂組成物には、成形時
の流動性に優れることが必要である。一方、半導体封止
用エポキシ樹脂組成物には難燃剤成分として、臭素含有
有機化合物、及び三酸化アンチモン、四酸化アンチモ
ン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物が配合され
ている。しかしながら、世界的な環境保護の意識の高ま
りのなか、臭素含有有機化合物や、アンチモン化合物を
使用せずに難燃性を有するエポキシ樹脂組成物の要求が
大きくなってきている。更に、半導体装置を150〜2
00℃での高温で長時間保管すると、難燃剤である臭素
含有有機化合物やアンチモン化合物は、半導体素子の抵
抗値の増加や、金線の断線を引き起こすことが知られて
いる。この観点からも、臭素含有有機化合物やアンチモ
ン化合物を使用しない高温保管特性に優れるエポキシ樹
脂組成物の開発が待たれていた。
化性等の成形性に優れ、半導体素子、リードフレーム等
の各種部材との接着性の向上、熱時強度の向上、吸湿率
の低減により、基板実装時における半導体装置の耐半田
クラック性を著しく向上させ、更に臭素含有有機化合
物、アンチモン化合物を低減あるいは実質的に含まなく
ても難燃性に優れ、高温保管特性を向上させた半導体封
止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いた半導体装置
を提供するものである。
ール樹脂硬化剤、(B)エポキシ樹脂、(C)無機充填
材、(D)硬化促進剤、及び(E)環状ホスファゼン化
合物を必須成分とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物
において、[1]フェノール樹脂硬化剤が、フェノール
類とナフトール類又はナフタレンジオール類、あるいは
ナフトール類又はナフタレンジオール類を、メチレン基
又はキシリレン基を介して結合させて得られるフェノー
ル樹脂から選ばれる1種以上のフェノール樹脂であるこ
とを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[2]エポキシ樹脂が、フェノール類とナフトール類又
はナフタレンジオール類、あるいはナフトール類又はナ
フタレンジオール類を、メチレン基又はキシリレン基を
介して結合させて得られるフェノール樹脂から選ばれる
1種以上のフェノール樹脂をグリシジルエーテル化した
エポキシ樹脂であることを特徴とする半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物、[3]フェノール樹脂硬化剤が、フェ
ノール類とナフトール類又はナフタレンジオール類、あ
るいはナフトール類又はナフタレンジオール類を、メチ
レン基又はキシリレン基を介して結合させて得られるフ
ェノール樹脂から選ばれる1種以上のフェノール樹脂で
あり、且つエポキシ樹脂が、フェノール類とナフトール
類又はナフタレンジオール類、あるいはナフトール類又
はナフタレンジオール類を、メチレン基又はキシリレン
基を介して結合させて得られるフェノール樹脂から選ば
れる1種以上のフェノール樹脂をグリシジルエーテル化
したエポキシ樹脂であることを特徴とする半導体封止用
エポキシ樹脂組成物、及び[4]第[1]〜[3]項記
載のいずれかの半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用い
て半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装
置である。
脂硬化剤は、分子内にフェノール性水酸基を有するモノ
マー、オリゴマー、ポリマー全般を指し、例えば、フェ
ノール類とナフトール類又はナフタレンジオール類とを
メチレン基又はキシリレン基を介して結合させて得られ
るフェノール樹脂、ナフトール類又はナフタレンジオー
ル類をメチレン基又はキシリレン基を介して結合させて
得られるフェノール樹脂から選ばれる1種以上のフェノ
ール樹脂(以下、フェノール樹脂Pという)、フェノー
ルノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノ
ールアラルキル樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジ
シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、トリフェノー
ルメタン型樹脂等が挙げられ、これらは単独でも混合し
て用いてもよい。
フェノール樹脂Pが好ましい。フェノール樹脂Pは、分
子中にナフトール類、ジヒドロキシナフタレン類、フェ
ノール類等の水酸基を含むことを特徴としている。フェ
ノール樹脂Pを用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は、
従来のフェノールノボラック樹脂硬化剤を用いた場合に
比べ、ガラス転移温度を越えた高温時の強度が高く、
又、吸湿率が低い。特に、結合基として疎水性のキシリ
レン基を有するフェノール樹脂だと、更に低吸湿性であ
る。従って吸湿後の表面実装における半田付け時の耐半
田クラック性に優れている。又、ナフタレン骨格は芳香
族骨格を多く有するため、難燃性に優れ、エポキシ樹脂
との組合せによっては良好な難燃性を付与する。
ノール類とナフトール類又はナフタレンジオール類、あ
るいはナフトール類又はナフタレンジオール類を、酸触
媒の存在下、ホルムアルデヒド等のアルデヒドを介して
縮合したフェノール樹脂として得られるランダム共重合
体型のものや、フェノール類とナフトール類又はナフタ
レンジオール類、あるいはナフトール類又はナフタレン
ジオール類を、ビス(メトキシメチル)ベンゼン類を用
いてフリーデル・クラフツ・アルキル化反応によって縮
合したフェノール樹脂等が一般的である。具体例を以下
に示す。
は、0.25以上であることが難燃性、耐半田性の点か
ら好ましい。フェノール樹脂Pの150℃での溶融粘度
としては、各々単体で0.01〜0.15Pa・sが好
ましい。0.01Pa・s未満だと、エポキシ樹脂組成
物の硬化性が低下するうえ、硬化物の架橋密度が低下す
るためにガラス転移温度が低下するので好ましくない。
0.15Pa・sを越えると、溶融時の流動性が低下す
るので好ましくない。本発明のフェノール樹脂Pの15
0℃での溶融粘度は、ICI粘度計(コーン&プレート
型)を用いて測定した。
により、耐半田クラック性を最大限に引き出すことがで
きる。耐半田クラック性の効果を引き出すためには、フ
ェノール樹脂Pの合計量は、全樹脂硬化剤中に30重量
%以上が好ましく、特に50重量%以上が好ましい。3
0重量%未満だと、高温時の強度や低吸湿化が十分に得
られず、耐半田クラック性が不十分となるおそれがあ
り、又、難燃性が低下するので好ましくない。
内にエポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマ
ー全般を指す。例えば、フェノール類とナフトール類又
はナフタレンジオール類とをメチレン基又はキシリレン
基を介して結合させて得られるフェノール樹脂、ナフト
ール類又はナフタレンジオール類をメチレン基又はキシ
リレン基を介して結合させて得られるフェノール樹脂か
ら選ばれる1種以上のフェノール樹脂を、グリシジルエ
ーテル化したエポキシ樹脂(以下、エポキシ樹脂Eとい
う)、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エ
ポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹
脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹
脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹
脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、フェノールアラル
キル型エポキシ樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨
格等を有する)等が挙げられ、これらは単独でも混合し
て用いてもよい。
樹脂Eが好ましい。エポキシ樹脂Eは、分子中にナフト
ール類、ジヒドロキシナフタレン類、フェノール類等の
エポキシ化物を含むことを特徴としている。エポキシ樹
脂Eを用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は、従来のオ
ルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を用いた場合
に比べ、ガラス転移温度を越えた高温時の強度が高く、
又、吸湿率が低い。特に、結合基として疎水性のキシリ
レン基を有するエポキシ樹脂だと、更に低吸湿性であ
る。従って吸湿後の表面実装における半田付け時の耐半
田クラック性に優れている。又、ナフタレン骨格は芳香
族骨格を多く有するため、難燃性に優れ、フェノール樹
脂硬化剤との組合せによっては良好な難燃性を付与す
る。エポキシ樹脂Eは、前記フェノール樹脂Pを、グリ
シジルエーテル化して得られるものである。具体例を以
下に示す。
は、0.25以上であることが難燃性、耐半田性の点か
ら好ましい。
より、耐半田クラック性と難燃性を最大限に引き出すこ
とができる。これらの効果を引き出すためには、エポキ
シ樹脂Eの合計量は、全エポキシ樹脂中に30重量%以
上が好ましく、特に50重量%以上が好ましい。30重
量%未満だと、高温時の強度や、低吸湿性が十分に得ら
れず、耐半田クラック性が不十分となるおそれがあり、
又、難燃性も低下する傾向にあるので好ましくない。
溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素等が挙げ
られ、これらは単独でも混合して用いてもよい。これら
の内では、球形度の高い溶融シリカを全量、あるいは一
部破砕シリカを併用することが好ましい。無機充填材の
平均粒径としては5〜30μm、最大粒径としては15
0μm以下が好ましく、特に平均粒径5〜20μm、最
大粒径74μm以下が好ましい。又、粒子の大きさの異
なるものを混合することにより充填量を多くすることが
できる。無機充填材は、予めシランカップリング剤等で
表面処理されているものを用いてもよい。本発明の無機
充填材の配合量としては、全エポキシ樹脂組成物中に7
5〜93重量%が好ましい。75重量%未満だと、半導
体装置の吸湿量が増加し、半田処理温度での強度が低下
し、半田処理時に半導体装置にクラックが発生し易くな
るので好ましくない。一方、93重量%を越えると、流
動性が低下し、未充填やチップシフト、パッドシフトが
発生し易くなるので好ましくない。
シ樹脂と樹脂硬化剤との架橋反応の触媒であり、具体例
としては、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7等のアミン系化合物、ト
リフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・
テトラフェニルボレート塩等の有機リン系化合物、2−
メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げら
れる。これらは単独でも混合して用いてもよい。
物は、化合物中に環状ホスファゼン構造を有するもので
あればよく、例えば、一般式(1)で示される構造を有
する化合物等を挙げることができ、難燃剤として作用す
る。
異なる有機基を示す。)ホスファゼン化合物の難燃機構
は、その含有しているリンによる炭化促進効果、即ち、
硬化物の表面に不燃性の炭化層を形成することにより、
硬化物表面の保護、及び酸素を遮断する効果が得られる
こと、又、含有している窒素により、熱分解時に窒素ガ
スが発生し、気相においても酸素を遮断することによ
る。この固相と気相の両方で働く難燃効果から、ホスフ
ァゼン化合物は高い難燃性を付与することができる。一
般式(1)中のR1は、互いに同一もしくは異なる有機
基を示し、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、
アリール基、アリールオキシ基等が一般的であるが、
又、アミノ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、フルオロ
アルキル基等に代表される様に、N、S、O、F原子等
を含有していても差し支えない。これらの環状ホスファ
ゼン化合物は、単独でも混合して用いてもよい。更に、
3量体の6員環を主成分としていることがより好まし
い。一般式(1)で示される環状ホスファゼン化合物と
しては、具体的には、例えば、ヘキサプロピルシクロト
リホスファゼン、テトラエトキシジプロポキシシクロト
リホスファゼン、ヘキサフェノキシシクロトリホスファ
ゼン、ヘキサアニリノシクロトリホスファゼン、ヘキサ
キス(3−メルカプトプロピル)シクロトリホスファゼ
ン、ヘキサキス(ヘプタフルオロプロピルオキシ)シク
ロトリホスファゼン等が一例として挙げられる。一般式
(1)中のR1としては、耐熱性、耐湿性の観点からは
アリールオキシ基が好ましく、エポキシ樹脂との相溶性
やエポキシ樹脂組成物の流動性の観点から、2n個のR
1のうち、少なくともn個がフェノキシ基であること
が、より好ましい。
て、難燃性を高めるために、一つの環状ホスファゼンが
別の有機基を介して他の環状ホスファゼンと結合した形
態の化合物も好ましい。この場合、環状ホスファゼン
は、同じ種類でも、異なった種類でもよい。例えば、一
般式(1)で示される一つの環状ホスファゼンのR1の
一部が他の環状ホスファゼンのR1の一部との間で別の
有機基又はR1を介して結合した形態の化合物でもよ
く、これらの別の有機基は、単独の基だけではなく、他
の基との複合の基でもよい。例えば、有機基の両末端に
ホスファゼン基を有している化合物でもよい。これらの
環状ホスファゼン同士を結合する別の有機基としては、
例えば、1,6−ジオキシヘキサン等の様にジオール化
合物の水酸基から水素原子を除いた有機基、あるいはハ
イドロキノン、4,4’−ビフェノール、ビスフェノー
ルF等の2官能フェノール化合物等のジヒドロキシ化合
物から水素原子を除いた基等を好ましく用いることがで
きる。
としては、全エポキシ樹脂組成物中に0.01〜10重
量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜5重量%であ
る。0.01重量%未満だと難燃性が不足し、10重量
%を越えると硬化性、耐熱性及び強度が低下し、吸湿率
が増加するので好ましくない。
(E)成分の他、必要に応じて臭素化エポキシ樹脂、三
酸化アンチモン等の難燃剤を含有することは差し支えな
いが、半導体装置の150〜200℃の高温下での電気
特性の安定性が要求される用途では、臭素原子、アンチ
モン原子の含有量が、それぞれ全エポキシ樹脂組成物中
に0.1重量%未満であることが好ましく、完全に含ま
れない方がより好ましい。臭素原子、アンチモン原子の
いずれかが0.1重量%以上だと、高温下に放置したと
きに半導体装置の抵抗値が時間と共に増大し、最終的に
は半導体素子の金線が断線する不良が発生する可能性が
ある。又、環境保護の観点からも、臭素原子、アンチモ
ン原子のそれぞれの含有量が0.1重量%未満で、極力
含有されていないことが望ましい。本発明のエポキシ樹
脂組成物は、(A)〜(E)成分を必須成分とするが、
これ以外に必要に応じてシランカップリング剤、カーボ
ンブラック等の着色剤、天然ワックス、合成ワックス等
の離型剤、及びシリコーンオイル、ゴム等の低応力添加
剤等の種々の添加剤を適宜配合しても差し支えない。
又、本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(E)成
分、及びその他の添加剤等をミキサー等を用いて充分に
均一に混合した後、更に熱ロール又はニーダー等で溶融
混練し、冷却後粉砕して得られる。本発明のエポキシ樹
脂組成物を用いて、半導体素子等の各種の電子部品を封
止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモー
ルド、コンプレッションモールド、インジェクションモ
ールド等の従来からの成形方法で硬化成形すればよい。
配合割合は重量部とする。 実施例1 式(10)で示されるエポキシ樹脂(軟化点75℃、エポキシ当量220、n /(m+n)=0.48) 5.6重量部
5℃の2本ロールを用いて混練し、冷却後粉砕してエポ
キシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物を
以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
ラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、
注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒で測定した。 硬化性:金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬
化時間120秒で成形し、型開き10秒後のバコール硬
度を測定した。 熱時曲げ強度・熱時曲げ弾性率:240℃での曲げ強度
・曲げ弾性率をJISK 6911に準じて測定した。
単位はそれぞれN/mm2。 難燃性:試験片(厚さ1/16inch)を、金型温度17
5℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒でトラ
ンスファー成形し、UL−94垂直試験を行った。 耐半田クラック性:100ピンTQFP(パッケージサ
イズは14×14mm、厚み1.4mm、シリコンチッ
プのサイズは、8.0×8.0mm、リードフレームは
42アロイ製)を、金型温度175℃、注入圧力6.9
MPa、硬化時間120秒でトランスファー成形し、1
75℃、8時間で後硬化した。85℃、相対湿度85%
の環境下で168時間放置し、その後240℃の半田槽
に10秒間浸漬した。顕微鏡で観察し、クラック発生率
[(外部クラック発生パッケージ数)/(全パッケージ
数)×100]を%で表示した。又、チップとエポキシ
樹脂組成物の硬化物との剥離面積の割合を超音波探傷装
置を用いて測定し、剥離率[(剥離面積)/(チップ面
積)×100]を%で表示した。 高温保管特性:模擬素子を25μm径の金線で配線した
16ピンSOPを、金型温度175℃、注入圧力6.9
MPa、硬化時間120秒でトランスファー成形し、1
75℃、8時間で後硬化した。185℃の恒温槽で処理
し、一定時間毎にピン間の抵抗値を測定した。初期の抵
抗値から10%以上抵抗値が増大したパッケージ数が、
15個中8個以上になった恒温槽処理時間を高温保管特
性として表示した。この時間が長いと、高温安定性に優
れていることを示す。単位はhr。Br原子、Sb原子
の含有量:直径40mm、厚さ5〜7mmの成形品を金
型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間12
0秒でトランスファー成形し、蛍光X線分析装置を用い
て、全エポキシ樹脂組成物中の臭素原子、アンチモン原
子の含有量を定量した。単位は重量%。
成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表1
に示す。なお、実施例、及び比較例で用いた材料を以下
に示す。式(13)で示されるエポキシ樹脂(軟化点7
8℃、エポキシ当量272)、
ポキシ(株)・製、YX4000、融点105℃、エポ
キシ当量195)、式(14)で示されるフェノール樹
脂硬化剤(n/(m+n)=0.48、軟化点92℃、
水酸基当量128、150℃での溶融粘度0.26Pa
・s)、
剤(軟化点81℃、水酸基当量210、150℃での溶
融粘度0.14Pa・s)、
合物、
(株)・製、BREN−S、軟化点84℃、エポキシ当
量285、臭素原子含有率35重量%)
物は、流動性、硬化性等の成形性、及び半導体素子、リ
ードフレーム等の各種部材との接着性に優れ、硬化物の
高温時における高強度と低吸湿性により、これを用いた
半導体装置は基板実装時における耐半田クラック性に優
れ、更に臭素化合物、アンチモン化合物を配合しなくて
も難燃性に優れるため、高温保管特性に優れる。
Claims (8)
- 【請求項1】 (A)フェノール類とナフトール類又は
ナフタレンジオール類、あるいはナフトール類又はナフ
タレンジオール類を、メチレン基又はキシリレン基を介
して結合させて得られるフェノール樹脂から選ばれる1
種以上のフェノール樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)
無機充填材、(D)硬化促進剤、及び(E)環状ホスフ
ァゼン化合物を必須成分とすることを特徴とする半導体
封止用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項2】 (A)フェノール樹脂硬化剤、(B)フ
ェノール類とナフトール類又はナフタレンジオール類、
あるいはナフトール類又はナフタレンジオール類を、メ
チレン基又はキシリレン基を介して結合させて得られる
フェノール樹脂から選ばれる1種以上のフェノール樹脂
をグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂、(C)無機
充填材、(D)硬化促進剤、及び(E)環状ホスファゼ
ン化合物を必須成分とすることを特徴とする半導体封止
用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】 フェノール樹脂硬化剤が、フェノール類
とナフトール類又はナフタレンジオール類、あるいはナ
フトール類又はナフタレンジオール類を、メチレン基又
はキシリレン基を介して結合させて得られるフェノール
樹脂から選ばれる1種以上のフェノール樹脂である請求
項2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】 環状ホスファゼン化合物が、一般式
(1)で示される環状ホスファゼン化合物である請求項
1、2、又は3記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物。 【化1】 (式中、nは3〜7の整数、R1は互いに同一もしくは
異なる有機基を示す。) - 【請求項5】 一般式(1)で示される環状ホスファゼ
ン化合物の2n個のR1のうち、少なくともn個がフェ
ノキシ基である請求項4記載の半導体封止用エポキシ樹
脂組成物。 - 【請求項6】 フェノール類とナフトール類又はナフタ
レンジオール類、あるいはナフトール類又はナフタレン
ジオール類を、メチレン基又はキシリレン基を介して結
合させて得られるフェノール樹脂から選ばれる1種以上
のフェノール樹脂の150℃での溶融粘度が、0.01
〜0.15Pa・sである請求項1、3、4、又は5記
載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項7】 全エポキシ樹脂組成物中に含有される臭
素原子及びアンチモン原子が、それぞれ0.1重量%未
満である請求項1、2、3、4、5、又は6記載の半導
体封止用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項8】 請求項1〜7記載のいずれかのエポキシ
樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特
徴とする半導体装置。
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