JP2002060223A - Li含有金属複合酸化物及びこれを用いた非水電解質二次電池 - Google Patents

Li含有金属複合酸化物及びこれを用いた非水電解質二次電池

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JP2002060223A JP2000248962A JP2000248962A JP2002060223A JP 2002060223 A JP2002060223 A JP 2002060223A JP 2000248962 A JP2000248962 A JP 2000248962A JP 2000248962 A JP2000248962 A JP 2000248962A JP 2002060223 A JP2002060223 A JP 2002060223A
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Tome Ogawa
止 小川
Hidekazu Takahashi
秀和 高橋
Junji Katamura
淳二 片村
Fumio Munakata
文男 宗像
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶構造安定性、サイクル安定性及び高温時
の耐久安定性に優れ、更に高容量であるLi含有金属複
合酸化物、Li欠損金属複合酸化物、これらの製造方
法、正極活物質及びこれらを用いた非水電解質二次電池
を提供すること。 【解決手段】 LiMO…(A)(式中の上記Mは、
電子数の差が奇数である2種の金属元素であって、一方
又は双方が3d遷移金属を示す)で表され、層状型結晶
構造を有するLi含有金属複合酸化物である。Li欠損
金属複合酸化物を含んで成る正極活物質を用い、負極活
物質として、リチウム、複合酸化物、窒素、炭素及び錫
などを用いる非水電解質二次電池である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Li含有金属複合
酸化物及びこれを用いた非水電解質二次電池に係り、更
に詳細には、所定のLi含有金属複合酸化物、Li欠損
量及び金属元素の欠損量・置換量を制御したLi欠損金
属複合酸化物、これらの製造方法、正極活物質及びこれ
らを用いた非水電解質二次電池に関する。本発明の非水
電解質二次電池は、高容量でサイクル耐久性を有し、例
えば、コンパクトで長寿命性能を有する電気自動車用
(EVやHEVなど)のLi二次電池として用いること
ができる。
【0002】
【従来の技術】近年の環境問題において、ゼロエミッシ
ョンである電気自動車の開発が強く望まれている。ま
た、様々な二次電池の中でも、リチウム二次電池は、充
放電電圧が高く、充放電容量が大きいことから、電気自
動車用二次電池として期待されている。
【0003】従来、かかるリチウム二次電池用の正極活
物質としては、LiCoOが用いられていた。しか
し、コバルトを使用するため、安定性、価格、又は埋蔵
量などの面で問題があり、特開平11−171550号
公報や特開平11−73962号公報などでは、自動車
用二次電池用の正極活物質として、スピネル構造リチウ
ムマンガン複合酸化物(LiMn)を用いること
が提案されている。
【0004】しかしながら、二次電池用の正極活物質と
してLiMnは、高温での耐久性が十分でなく、
電解質中へ正極材料が溶出し負極の性能劣化を導くとい
う問題があり、この解決策として、Mnの一部を遷移金
属元素や典型金属元素で置換する手法が試みられてい
る。また、高温でのサイクル耐久性を改善する目的で、
特開平11−71115号公報では、Mnの一部を種々
の元素で置換したものが提案されているが、この結果、
結晶構造中に歪みが導入され、室温でのサイクル耐久性
が悪くなることがある。更に、サイクル耐久性の改善を
狙い、結晶構造の安定化を図るために大量の元素置換を
行うと、活物質容量の低下を招いてしまう。
【0005】一方、容量の面では、LiCoO系(活
物質容量140mAh/g)の正極活物質は、スピネル
構造型リチウムマンガン複合酸化物系(LiMn
:活物質容量100mAh/g)の正極活物質よ
り高容量であるが、上述したように使用環境下での安定
性などが十分ではない。このため、結晶構造中のLi含
有量が上記スピネル構造型リチウムマンガン複合酸化物
系(LiMn)より多く、使用環境下での安定性
が上記LiCoO系より優れた高容量リチウム複合酸
化物正極活物質の開発が望まれている。
【0006】また、かかる高容量型のリチウム二次電池
用正極活物質は、結晶構造に基づく化学式中のリチウム
含有量により決定されることが知られている。このよう
な見地から、高容量Mn含有リチウム複合酸化物正極活
物質を見出すために、結晶化学的な考察に基づき、新規
正極活物質の探索が試みられ、提案されている(特許第
2870741号など)。また、近年、LiMnO
層状酸化物を用いることにより、従来のスピネル構造リ
チウムマンガン複合酸化物系に比べ2倍以上の正極活物
質容量(約270mAh/g)を有することが見出され
ている(A.Robert and P.G.Bruc
e:Nature,Vol.381(1996),p4
99)。
【0007】しかしながら、上述の新規正極活物質やL
iMnO系層状酸化物などにおいては、十分な充放電
特性は、例えば55℃で得ることができるが、室温では
1/3程度に活物質容量が低下してしまうという問題が
ある。また、十分な充放電特性を確保するために室温以
上で充放電を繰り返すと徐々に容量が低下し、十分なサ
イクル耐久性が確保されない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは、結晶構造安定性、サイクル安定
性及び高温時の耐久安定性に優れ、更に高容量であるL
i含有金属複合酸化物、Li欠損金属複合酸化物、これ
らの製造方法、正極活物質及びこれらを用いた非水電解
質二次電池を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】ここでNaCl型MO結晶と層状構造Li
MO複合酸化物とを比較する。通常のNaCl型MO
結晶(Mは金属元素、Oは酸素)、例えば、NiOのよ
うな酸化物では、結晶の[111]方向にNi層と酸素
層が交互に並んだ結晶構造を有している。また、層状構
造LiMO複合酸化物(MはNi、Co又はMnな
ど)、例えば、層状構造リチウムマンガン複合酸化物で
は、図1に示すように「酸素層−Mn層−酸素層−Li
層−酸素層−Mn層−酸素層−Li層…」という構造、
即ち、酸素面(酸素層)と金属元素が存在する面(金属
層)とが交互に繰り返され、更にこの金属層は規則的に
交互にMn層とLi層とが並んだ層状型結晶構造を有し
ている。
【0011】このように、NaCl型MO結晶と層状構
造LiMO複合酸化物とは、非常に類似した構造を有
すると考えられる。本発明者らは、この規則的な構造に
着目し、層状構造LiMO複合酸化物が一定の結晶ブ
ロックの繰り返しで構成されていること、言い換えれ
ば、MOブロック[MO]とLiOブロック[LiO]
とが交互に繰り返された[LiO][MO]ブロックの
繰り返しにより構成されていることを知見した。
【0012】かかるブロック構造の表記を、従来知られ
ているナトリウムマンガン酸化物Na2/3MnO
結晶構造に適用すると、[Na2/3O][MnO]ブ
ロックの繰返しで表すことができる。また、これは、
[NaO][MnO]ブロックにおける[NaO]ブロ
ック中のNa占有率を規則的に欠損させることで、新規
な層状ナトリウムマンガン層状酸化物が創出できること
を示唆するものである。
【0013】同様に、かかるブロック構造の観念を、上
記[LiO][MO]ブロックに適用すると、[Li
O]ブロック中のLi占有率を規則的に欠損させること
により、新規な層状構造リチウム金属複合酸化物を創出
できると考えられる。
【0014】また、上記[MO]の一例としてマンガン
酸化物を考える場合、結晶化学的にLiサイト(ここで
「サイト」は、結晶構造中に元素が占める位置を示す)
とMnサイトの違いは小さく、[MnO]ブロックにお
いても[LiO]と同様にMn占有率を規則的に欠損さ
せることで、新規な層状構造リチウムマンガン複合酸化
物が得られると考えられる。
【0015】しかし、上述の層状構造複合酸化物をリチ
ウム二次電池の正極活物質として使用するためには、例
えば、上記マンガン酸化物では、サイクリックな充放電
に重要な価数変化を生じるMn量は、結晶構造中にでき
る限り多くすることが望ましい。このため、単純に[M
O]ブロック中のMを欠損させることはできない。
【0016】一方、一般式Li1−xMO2−δ(Mは
金属元素、xは0〜0.25の有理数)で表される正極
活物質を用いるときは、サイクル安定性は向上するが、
耐久性は確保されない。即ち、Liサイトを欠損させる
のみでは、結晶中の歪みや化学結合の安定化が充分では
なく、特に高温域での作動が充分に確保されない。
【0017】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意
研究を重ねた結果、所望の組合せや構造とすること、又
は規則的にLiや金属元素を欠損・置換させ、結晶中の
歪みや化学結合を安定化することにより、上記課題が解
決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】即ち、本発明のLi含有金属複合酸化物
は、次の一般式(A)
【0019】LiMO…(A)
【0020】(式中のMは、電子数の差が奇数である2
種の金属元素であって、一方又は双方が3d遷移金属を
示す)で表され、層状型結晶構造を有することを特徴と
する。
【0021】また、本発明のLi含有金属複合酸化物の
好適形態は、上記金属元素Mの一方がマンガンであり、
上記一般式(A)が、次の一般式(B)
【0022】LiMn1−yM’…(B)
【0023】(式中のM’はクロム、鉄又はニッケルで
あって、yはマンガン置換量を示す)で表されることを
特徴とする。
【0024】更に、本発明のLi欠損金属複合酸化物
は、次の一般式(C)
【0025】 Li1−xMn1−yM’…(C)
【0026】(式中のM’はマンガンとは異なる3d遷
移金属であってマンガンとの電子数の差が奇数であり、
リチウム欠損量xはa/b比で表され、このa及びbは
1〜30から選ばれた任意の自然数であり、a<bを満
たし、yはマンガン置換量を示す)で表され、層状型結
晶構造を有することを特徴とする。
【0027】更にまた、本発明のLi欠損金属複合酸化
物の好適形態は、上記置換金属M’がクロム、鉄及びニ
ッケルから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属で
あり、上記一般式(C)が、次の一般式(D)
【0028】 Li1−xMn1−yM’2−δ…(D)
【0029】(式中の酸素欠損量δはδ≦0.2を満た
す)で表されることを特徴とする。
【0030】また、本発明のLi含有金属複合酸化物の
製造方法は、上記Li含有金属複合酸化物を製造する方
法であって、所定の金属化合物、リチウム化合物及び3
d遷移金属化合物を均一に混合し、低酸素濃度雰囲気下
で焼成することを特徴とする。
【0031】更に、本発明のLi欠損金属複合酸化物の
製造方法は、上記Li欠損金属複合酸化物を製造する方
法であって、所定の金属化合物、リチウム化合物及び3
d遷移金属化合物を均一に混合し、低酸素濃度雰囲気下
で焼成することを特徴とする。
【0032】更にまた、本発明の非水電解質二次電池用
正極活物は、上記Li含有金属複合酸化物を含んで成る
ことを特徴とする。
【0033】また、本発明の他の非水電解質二次電池用
正極活物は、上記Li欠損金属複合酸化物を含んで成る
ことを特徴とする。
【0034】更に、本発明の非水電解質二次電池は、上
記正極活物質を用いた非水電解質二次電池であって、負
極活物質として、リチウム、複合酸化物、窒素、炭素及
び錫から成る群より選ばれた少なくとも1種のものを用
いることを特徴とする。
【0035】更にまた、本発明の非水電解質二次電池の
好適形態は、電解質として高分子固体電解質を用いるこ
とを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明のLi含有金属複合
酸化物及びLi欠損金属複合酸化物について詳細に説明
する。なお、本明細書において「%」は、特記しない限
り質量百分率を示す。
【0037】本発明のLi含有金属複合酸化物は、一般
式(A)
【0038】LiMO…(A)
【0039】(式中のMは、電子数の差が奇数である2
種の金属元素であって、一方又は双方が3d遷移金属を
示す)で表され、層状型結晶構造を有することを特徴と
する。
【0040】ここで、上記金属元素Mは2種の金属元素
であり、その電子数の差が奇数であることがよい。電子
数の差が偶数であると、電子数差が奇数のときよりもB
OP値が低くなり、結晶構造の安定性が低下してしま
う。また、かかる2種の金属元素の一方又は双方は3d
遷移金属であることがよい。双方とも3d遷移金属でな
いときは、結晶構造の安定性や室温での耐久性が低下し
てしまう。3d遷移金属としては、マンガン(Mn)、
クロム(Cr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバ
ルト(Co)及びバナジウム(V)などを例示できる。
【0041】更に、上記金属元素Mの一方がマンガンで
あるときは、上記一般式(A)は、次の一般式(B)
【0042】LiMn1−yM’…(B)
【0043】(式中のM’はクロム、鉄又はニッケルで
あって、yはマンガン置換量を示す)で表すことができ
る。ここで、置換金属M’としては、クロム、鉄又はニ
ッケルが好ましく、この場合はMnと安定な結晶構造を
作りやすい。
【0044】更にまた、上記Li含有金属複合酸化物は
層状型結晶構造を有する。層状型結晶構造でない場合と
しては、例えば、スピネル型結晶構造があるが、相対的
なLiの量、即ち、電池としての容量が層状構造より小
さく、電池性能として不利になる。
【0045】次に、本発明のLi欠損金属複合酸化物
は、次の一般式(C)
【0046】Li1−xMn1−yM’…(C)
【0047】(式中のM’はマンガンとは異なる3d遷
移金属であってマンガンとの電子数の差が奇数であり、
リチウム欠損量xはa/b比で表され、このa及びbは
1〜30から選ばれた任意の自然数であり、a<bを満
たし、yはマンガン置換量を示す)で表され、層状型結
晶構造を有することを特徴とする。言い換えれば、上記
(A)式のLi含有金属複合酸化物における上記M(2
種の金属元素)の一方をMnとし、更にこのMnの欠損
分に応じて金属M’を置換したLi欠損Mn複合酸化物
である。
【0048】ここで、上記置換金属M’は、Mnとは異
なる3d遷移金属であることがよく、これ以外の金属で
は、室温又はそれより高温でのサイクル耐久性が悪化す
る。また、上記リチウム欠損量xは、a/b比(x=a
/b)で示すことが可能であり、このa及びbは、1〜
30から選ばれた任意の自然数であり、a<bであるこ
とがよい。上記Li欠損量xは、例えば、1/2、1/
3、2/3、1/4、1/5、2/5、1/6、1/8
などとすることができる。更に、上記Mn置換量yは、
c/d比で示すことが可能であり、このc及びdは、1
〜30から選ばれた任意の自然数であり、c<dである
ことが好ましい。Mnが規則的に置換されているとき
は、結晶構造が安定化し、リチウム二次電池の正極活物
質として用いるときのサイクル耐久性などが向上し得
る。上記Mn置換量yは、例えば、1/2、1/3、2
/3、1/4、1/5、2/5、1/6、1/8などに
調整可能である。
【0049】更にまた、上記Li欠損量xは、その組成
変動幅が±5%以内であり、0.03<x≦0.5を満
たすことが、結晶構造中の歪みの低減の面から好まし
い。±5%を超えると結晶構造が部分的に意図した組成
から離れ、歪みが発生することがある。また、上記リチ
ウム欠損量xが0.03以下では実質上欠損の効果を発
現できず、0.5を超えると結晶中のリチウム容量が低
下し、層状構造を維持できなくなることがある。
【0050】また、上記マンガン置換量yは、その組成
変動幅が±5%以内であり、0.03<y≦0.5を満
たすことが結晶構造中の歪みの低減の面から好ましい。
かかる組成変動幅が±5%を超えると結晶構造が部分的
に意図した構造から変化し、歪みが大きくなることがあ
る。また、上記マンガン置換量yが0.03以下では実
質的な置換効果を発現できず、0.5を超えるともはや
マンガン化合物といえない。
【0051】更に、置換金属M’としてCr、Fe又は
Ni及びこれらの任意の組合せに係る金属を用い、上記
一般式(C)が、次の一般式(D)
【0052】 Li1−xMn1−yM’2−δ…(D)
【0053】(式中の酸素欠損量δはδ≦0.2を満た
す)で表されるLi欠損金属複合酸化物とすることがで
きる。
【0054】このとき、置換金属M’が上記所定の金属
である場合は、高温時のサイクル安定性が向上でき、こ
れら以外の金属では相対的に安定性が低くなることがあ
る。また、酸素欠損量δは、0.2以下であることがよ
く、サイクル安定性に優れ、高容量であるLi欠損金属
複合酸化物を得ることができる。0.2を超えると結晶
構造を作っている酸素層が不安定になり、製造しにく
く、できたとしてもサイクル安定性が低くなり易い。
【0055】ここで、本発明のLi含有金属複合酸化物
の一例であるNaCl型Li含有層状金属複合酸化物
(LiMnO)は、上述のブロック構造の表記を用い
て[LiO][MnO]と表すことができる。また、本
発明のLi欠損金属複合酸化物は、上記Li含有金属複
合酸化物のLi欠損量とMnサイトの元素置換量を制御
して成ることから、同様にブロック構造の表記を用いて
表すことができる。即ち、上記式(B)に示すLi欠損
金属複合酸化物(Li1−xMn1−yM’
は、[Li1−xO][Mn1−yM’O]と表すこ
とができる。更に、上記Li欠損量xが1/3、上記M
n置換量yが1/2であるときは、[Li2/3O]
[Mn1/2M’1/2O]と表すことができ、例えば
置換金属M’がNiであれば、一般式Li2/3Mn
1/2Ni1/2で表されるLi欠損金属複合酸化
物となる。この結果、Li欠損量xを所定のa/b比に
調整しLiを規則的に欠損させることにより、結晶構造
が安定化し、リチウム二次電池(非水電解質二次電池)
の正極活物質として用いるときのサイクル耐久性等が向
上し、また、Mn置換量xを所定のc/d比に調整しM
nを規則的に欠損させ、所定の置換金属M’を置換する
ことにより、高温での耐久安定性を保持することができ
る。
【0056】次に、上述した本発明のLi含有金属複合
酸化物及びLi欠損金属複合酸化物の製造方法について
説明する。なお、Li含有金属複合酸化物は、原料化合
物の組成等が一部異なる以外はLi欠損金属複合酸化物
とほぼ同様な工程で製造することができるので、ここで
は、Li欠損マンガン層状複合酸化物の製造方法につい
て説明する。
【0057】かかるLi欠損マンガン層状複合酸化物
は、所定のMn化合物(金属化合物)、Li化合物及び
3d遷移金属化合物を均一に混合し、低酸素濃度雰囲気
下で焼成して得られる。
【0058】ここで、混合方法としては、これら化合物
を乾式混合又は湿式混合する方法、Mn化合物及び遷移
金属化合物から合成したMn−遷移金属複合酸化物とL
i化合物とを乾式混合又は湿式混合する方法、LiMn
と遷移金属化合物とを乾式混合又は湿式混合する方
法、並びにLi化合物、Mn化合物及び遷移金属化合物
の溶液からクエン酸や重炭酸アンモニウム等を用いて共
沈法により混合する方法などを挙げることができる。特
に、Mn化合物及び遷移金属化合物を予めイオン交換水
に完全に溶解した混合水溶液を水酸化リチウム水溶液中
に滴下して共沈生成物を得た後、この共沈生成物と、目
的組成比に対して不足している量のリチウム化合物とを
乾式又は湿式により混合する方法が好適であり、均質な
生成物を得ることができる。なお、かかる方法で得られ
る共沈生成物は、焼成を行いMn−遷移金属複合酸化物
とした後、目的組成比に対して不足している量のリチウ
ム化合物を混合してもよい。
【0059】また、焼成は、低酸素濃度雰囲気下で行
い、望ましくは窒素、アルゴン又は二酸化炭素などを用
いた酸素を含まないガス雰囲気下で行う。なお、このと
きの酸素分圧は1000ppm以下、望ましくは100
ppm以下であることがよい。酸素分圧が1000pp
mを超えると酸素量が多すぎ焼成できなくなることがあ
る。更に、焼成温度は、1100℃以下、望ましくは9
50℃以下であることがよい。1100℃を超える温度
では生成物が分解し易くなる。更にまた、焼成時間は1
〜48時間、望ましくは5〜24時間であることがよ
い。これ以外の範囲では意図した組成が得られないこと
がある。なお、焼成方法は一段焼成に限られず、必要に
応じて焼成温度を変化させる多段焼成でもよい。
【0060】また、上記Mn化合物としては、電解二酸
化マンガン、化学合成二酸化マンガン、三酸化二マンガ
ン、γ−MnOOH、炭酸マンガン、硝酸マンガン又は
酢酸マンガンなどを用いることができる。かかるMn化
合物は粉末であることが望ましく、その平均粒径は0.
1〜100μm、望ましくは20μm以下であることが
よい。Mn化合物の平均粒径が大きいと、Mn化合物と
Li化合物との反応が著しく遅くなり、不均一な生成物
を生成し易くなる。
【0061】更に、上記Li化合物としては、炭酸リチ
ウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、酸化リチウム又
は酢酸リチウムなどを用いることができる。特に、炭酸
リチウムや水酸化リチウムを用いることが望ましく、そ
れらの平均粒径は30μm以下であることがよい。平均
粒径がこれより大きいと反応が不均一になり意図したリ
チウム含有量にならないことがある。
【0062】更にまた、上記3d遷移金属化合物として
は、3d遷移金属の硝酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、塩化
物、水酸化物又は酸化物などを用いることができる。
【0063】なお、上述のLi欠損(含有)金属複合酸
化物の製造では、各種添加剤等を用いることができる。
例えば、上記Li化合物及びMn化合物の混合物に、含
炭素化合物、望ましくはカーボンブラックやアセチレン
ブラック等の炭素粉末、又はクエン酸等の有機物を添加
することにより、焼成雰囲気の酸素分圧を効率的に下げ
ることができる。このときの添加量は0.05〜10
%、望ましくは0.1〜2%であることがよい。この範
囲よりも添加量が少ないとその効果が低くなることがあ
り、添加量が多いと副生成物が生成し易く、添加した含
炭素化合物の残存により目的物の純度が低下することが
ある。
【0064】次に、本発明の非水電解質二次電池用正極
活物質(以下、「正極活物質」と略す。)は、上述した
Li含有金属複合酸化物やLi欠損金属複合酸化物を含
んで成るものである。かかる正極活物質は、高容量で優
れたサイクル耐久性を有するので、二次電池用の正極材
料として有効に使用することができる。
【0065】次に、本発明の非水電解質二次電池につい
て説明する。本発明の上記非水電解質二次電池は、上記
正極活物質、リチウム、複合酸化物、窒素、炭素又は
錫、及びこれらを任意に組合せて成るものを用いた負極
活物質、及び所定の非水電解質により構成される。言い
換えれば、かかる非水電解質二次電池は、リチウムイオ
ンの吸蔵放出が可能な上述のLi含有金属複合酸化物や
Li欠損金属複合酸化物を用いた正極活物質、リチウム
イオンの吸蔵放出が可能な負極活物質、及びリチウムイ
オン伝導性の非水電解液を組合せて得られる。
【0066】また、上記非水電解質二次電池に用いられ
る負極としては、通常の非水電解質二次電池に用いられ
る材料がいずれも使用可能で、例えば、金属リチウム、
リチウム合金、SnSiO等の金属酸化物、LiCo
などの金属窒化物及び炭素材料、又はこれらを任意
に組合せたものなどを用いることができる。特に、上記
炭素材料としてはコークス、天然黒鉛、人造黒鉛及び難
黒鉛化炭素などを適宜選択して用いることができる。
【0067】更に、上記電解質としては、代表的に、リ
チウム塩を使用できる。かかるリチウム塩としては、L
iClO、LiAsF、LiPF、LiBF
LiCFSO及びLi(CFSONなどの
従来公知のものが例示できる。また、上記電解質を電離
させる溶媒としては、例えば、有機溶媒(非水溶媒)が
使用できる。有機溶媒を用いることでリチウムイオンの
不要な反応を抑制することができる。上記有機溶媒とし
ては、特に限定されないが、カーボネート類、ラクトン
類及びエーテル類などが挙げられ、具体的には、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカー
ボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエト
キシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラ
ン又はγ−ブチロラクトン、及びこれらを任意に組合せ
た溶媒などを用いることができる。また、これら溶媒に
溶解する上記電解質の濃度は、0.5〜2.0モル/リ
ットルとすることが望ましい。
【0068】更にまた、上記電解質としては、特に、高
分子固体電解質を用いることが好ましく、例えば、高分
子マトリックスに均一分散させた固体や粘稠体、又はこ
れらに非水溶媒を含浸させたものを用いることができ
る。かかる高分子マトリックスとしては、ポリエチレン
オキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニト
リル、又はポリフッ化ビニリデンなどを例示できる。
【0069】また、上記非水電解質二次電池では、正極
と負極の短絡防止のためセパレーターを設けることがで
きる。このセパレーターとしては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、又はセルロースなどを材料とした多孔性シ
ート、微多孔フィルム及び不織布などを例示できる。
【0070】
【実施例】以下、本発明を、図面を参照して実施例及び
比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実
施例に限定されるものではない。
【0071】以下の実施例及び比較例について、Li欠
損量の効果を分子軌道法計算によって確認した。かかる
分子軌道法は、物質の電子状態を計算する方法として広
く知られており、リチウムイオン電池正極用材料の評価
にも用いられている(例えば、Jpn.J.Appl.
Phys.Vol.38(1999)pp.2024‐
など)。本実施例及び比較例では、非経験的分子軌道法
という、金属を含む物質の電子状態を解明するのに有効
な分子軌道法の一手法を用いて、Li含有金属複合酸化
物の結晶構造を比較した。
【0072】また、上記非経験的分子軌道法による計算
処理は、図2に示すフローチャートにしたがって実行し
た。以下、このフローチャートをプロセス順に説明す
る。
【0073】[非経験的分子軌道法による計算処理]ま
ず、プロセス1(以下、「P1」と略す)では、原子の
種類に従い基底関数(原子軌道)を定める。次いで、量
子力学に基づき、原子軌道法から軌道エネルギー、電荷
分布などを計算する[P2]。求めた軌道エネルギー等
から分子軌道(原子軌道の線形結合としたときの係数)
を定める[P3]。上記分子軌道や軌道エネルギー、電
荷分布等を前回に求めたものと比較し[P4]、前回と
の差が十分小さいかどうかを判定する。このとき、前回
との差が十分小さければ(Yesのとき)、分子軌道が
求められたこととなる。一方、上記判定により前回との
差が十分小さくなければ(Noのとき)、新たな分子軌
道に基づき軌道エネルギー、電荷分布等を計算し[P
6]、再度上記[P3]以降のプロセスを実行する。な
お、前回との差が十分小さいかどうかの判断は、各原子
の有効電子数が計算の前後で変化しないことを基準とし
た。
【0074】[クラスター及びBOP]ここで、本実施
例及び比較例で用いたLi欠損Mn複合酸化物における
金属基及びその周囲の酸素原子をモデル化する。一般
に、結晶組織の一部を取り出してモデル化したものは、
クラスターと呼ばれている。図3に2金属原子のクラス
ターの構造、図4に3金属原子のクラスターの構造を示
す。かかるクラスターは、Li欠損Mn複合酸化物(層
状複合酸化物)の金属原子、及びそれに代表される金属
層を挟む2層の酸素層を再現しており、Li含有金属複
合酸化物の金属基の影響を調べるのに妥当なモデルであ
る。
【0075】金属の配合比率から考えると、上述の式
(C)で表されるLi欠損Mn複合酸化物において、2
原子クラスターはy=1/2の配合、3原子クラスター
はy=1/3の配合を示している。
【0076】また、結晶構造の安定性評価の指標とし
て、上記クラスターのMn原子と、他の金属原子に挟ま
れる位置にある酸素原子との有効共有結合電荷(Bon
d Overlap Population、以下「B
OP」と略す)を用いた。このBOPは、図2に示す
「電荷分布」から求められるものであり、本発明の対象
としている層状化合物(Li欠損Mn複合酸化物)にお
いて、Mn原子に代表される金属基層と酸素層との共有
結合性、即ち、結合の安定性を示すものである。
【0077】従って、BOP値が高ければ、熱履歴など
による結晶構造の変化が小さい、即ち、Li欠損Mn複
合酸化物の安定性が高いと判断できる。これらのクラス
ターにおけるMn原子と、隣接する金属原子に挟まれる
酸素原子(Mn原子1個当たり2原子ある)との各BO
Pの平均値が、そのクラスター及びそのクラスターが取
り出された結晶構造の安定性の指標であると判断でき
る。実施例及び比較例におけるBOP値を表1に示す。
なお、2原子クラスターのBOP値と3原子クラスター
のBOP値とは直接比較できないため、金属置換なし
(Mnの欠損なし)のクラスターのBOP値を1.00
とし、同一の金属原子数を有するクラスターのBOP値
と相対比較した比率で示した。
【0078】(実施例1)2金属モデルのLi含有金属
複合酸化物であり、金属原子がMnとCrである。
【0079】(実施例2)2金属モデルのLi含有金属
複合酸化物であり、金属原子がMnとFeである。
【0080】(実施例3)2金属モデルのLi含有金属
複合酸化物であり、金属原子がMnとNiである。
【0081】(実施例4)3金属モデルのLi含有金属
複合酸化物であり、金属原子がMn(2原子)とCrで
ある。
【0082】(実施例5)3金属モデルのLi含有金属
複合酸化物であり、金属原子がMn(2原子)とFeで
ある。
【0083】(実施例6)3金属モデルのLi含有金属
複合酸化物であり、金属原子がMn(2原子)とNiで
ある。
【0084】(比較例1)2金属モデルのLi含有金属
複合酸化物であり、金属原子がMn(2原子)である。
【0085】(比較例2)2金属モデルのLi含有金属
複合酸化物であり、金属原子がMnとCoである。
【0086】(比較例3)3金属モデルのLi含有金属
複合酸化物であり、金属原子がMn(3原子)である。
【0087】(比較例4)3金属モデルのLi含有金属
複合酸化物であり、金属原子がMn(2原子)とCoで
ある。
【0088】
【表1】
【0089】上記実施例及び比較例の結果から、Mnと
の電子数の差が奇数であるCr、Fe又はNiを置換金
属とする場合は、電子数の差が偶数であるCoを置換金
属とする場合、及び置換金属のない場合(電子数差は
0)と比較して明らかにBOP値が高い。即ち、本実施
例のように、Mnが規則的に欠損し、所定の金属元素で
置換されていると、結晶構造の安定性が高いことがわか
る。また、この傾向には、クラスターに含まれる金属原
子数、即ち、金属の配合比の影響は小さいことがわか
る。なお、本実施例より、リチウム欠損量x及び酸素欠
損量δの値が変動しても上記傾向は変化しないことが容
易に想定できる。
【0090】以上のことから、本発明の好適範囲内であ
るLi欠損金属複合酸化物は、かかる範囲外のものより
も安定性が著しく向上し、これらLi欠損金属複合酸化
物を正極活物質(正極材料)として用いたリチウム二次
電池も同様の安定性を有することが推察できる。なお、
上述の実施例より、本発明のLi含有金属複合酸化物及
びこれをを正極活物質(正極材料)として用いたリチウ
ム二次電池においても同様の効果が得られると推察でき
る。
【0091】以上、本発明を好適実施例及び比較例によ
り詳細に説明したが、本発明はこれら実施例に限定され
るものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の
変形が可能である。例えば、本発明が対象とするLi含
有金属複合酸化物は、Li−Mn複合酸化物に限定され
るものではなく、Mn以外の3d遷移金属を2種含有す
るものであってもよい。また、Li欠損金属複合酸化物
におけるLi欠損量及び金属置換量は、金属元素や置換
金属の種類、電池として必要な性能などを考慮して適宜
調整することができる。
【0092】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、所望の組合せや構造とすること、又は規則的にLi
や金属元素を欠損・置換させ、結晶中の歪みや化学結合
を安定化することとしたため、結晶構造安定性、サイク
ル安定性及び高温時の耐久安定性に優れ、更に高容量で
あるLi含有金属複合酸化物、Li欠損金属複合酸化
物、これらの製造方法、正極活物質及びこれらを用いた
非水電解質二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Li含有Mn複合酸化物の結晶形態を示す図で
ある。
【図2】非経験的分子軌道法による計算処理を示すフロ
ー図である。
【図3】2金属原子のクラスターを示す図である。
【図4】3金属原子のクラスターを示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 10/40 H01M 10/40 Z (72)発明者 片村 淳二 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 宗像 文男 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 4G002 AA06 AB01 AD02 AE05 4G048 AA04 AB05 AC06 AD06 AE05 5H029 AJ05 AK03 AL06 AL12 AM03 AM04 AM05 AM07 CJ02 CJ08 CJ28 DJ16 DJ17 HJ02 5H050 AA05 AA07 BA17 CA09 CB08 CB12 EA10 EA24 FA19 GA02 GA10 GA27 HA02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(A) LiMO…(A) (式中のMは、電子数の差が奇数である2種の金属元素
    であって、一方又は双方が3d遷移金属を示す)で表さ
    れ、層状型結晶構造を有することを特徴とするLi含有
    金属複合酸化物。
  2. 【請求項2】 上記式(A)中の金属元素Mのいずれか
    一方がマンガンであることを特徴とする請求項1記載の
    Li含有金属複合酸化物。
  3. 【請求項3】 上記金属元素Mの一方がマンガンであ
    り、上記一般式(A)が、次の一般式(B) LiMn1−yM’…(B) (式中のM’はクロム、鉄又はニッケルであって、yは
    マンガン置換量を示す)で表されることを特徴とする請
    求項1又は2に記載のLi含有金属複合酸化物。
  4. 【請求項4】 次の一般式(C) Li1−xMn1−yM’…(C) (式中のM’はマンガンとは異なる3d遷移金属であっ
    てマンガンとの電子数の差が奇数であり、リチウム欠損
    量xはa/b比で表され、このa及びbは1〜30から
    選ばれた任意の自然数であり、a<bを満たし、yはマ
    ンガン置換量を示す)で表され、層状型結晶構造を有す
    ることを特徴とするLi欠損金属複合酸化物。
  5. 【請求項5】 上記リチウム欠損量xの組成変動幅が±
    5%以内であり、0.03<x≦0.5を満たすことを
    特徴とする請求項4記載のLi欠損金属複合酸化物。
  6. 【請求項6】 上記マンガン置換量yはc/d比で表さ
    れ、このc及びdは1〜30から選ばれた任意の自然数
    であり、c<dを満たすことを特徴とする請求項4又は
    5記載のLi欠損金属複合酸化物。
  7. 【請求項7】 上記マンガン置換量yの組成変動幅が±
    5%以内であり、0.03<y≦0.5を満たすことを
    特徴とする請求項4〜6のいずれか1つの項に記載のL
    i欠損金属複合酸化物。
  8. 【請求項8】 上記金属M’がクロム、鉄及びニッケル
    から成る群より選ばれた少なくとも1種の金属であり、
    上記一般式(C)が、次の一般式(D) Li1−xMn1−yM’2−δ…(D) (式中の酸素欠損量δはδ≦0.2を満たす)で表され
    ることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1つの項に
    記載のLi欠損金属複合酸化物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜3のいずれか1つの項に記載
    のLi含有金属複合酸化物を製造する方法であって、 所定の金属化合物、リチウム化合物及び3d遷移金属化
    合物を均一に混合し、低酸素濃度雰囲気下で焼成するこ
    とを特徴とするLi含有金属複合酸化物の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項4〜8のいずれか1つの項に記
    載のLi欠損金属複合酸化物を製造する方法であって、 所定の金属化合物、リチウム化合物及び3d遷移金属化
    合物を均一に混合し、低酸素濃度雰囲気下で焼成するこ
    とを特徴とするLi欠損金属複合酸化物の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜3のいずれか1つの項に記
    載のLi含有金属複合酸化物を含んで成ることを特徴と
    する非水電解質二次電池用正極活物質。
  12. 【請求項12】 請求項4〜8のいずれか1つの項に記
    載のLi欠損金属複合酸化物を含んで成ることを特徴と
    する非水電解質二次電池用正極活物質。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12記載の正極活物質
    を用いた非水電解質二次電池であって、 負極活物質として、リチウム、複合酸化物、窒素、炭素
    及び錫から成る群より選ばれた少なくとも1種のものを
    用いることを特徴とする非水電解質二次電池。
  14. 【請求項14】 電解質として高分子固体電解質を用い
    ることを特徴とする請求項13記載の非水電解質二次電
    池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003346798A (ja) * 2002-05-24 2003-12-05 Nec Corp 二次電池およびそれを用いた組電池、および二次電池の使用方法
JPWO2003044881A1 (ja) * 2001-11-22 2005-03-24 株式会社ユアサコーポレーション リチウム二次電池用正極活物質及びリチウム二次電池
CN110400960A (zh) * 2018-04-24 2019-11-01 松下知识产权经营株式会社 锂金属二次电池及其制造方法

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