JP3858699B2 - リチウム二次電池正極活物質用リチウムニッケル複合酸化物およびそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムの吸蔵・脱離現象を利用したリチウム二次電池に関し、その正極活物質として用いられるリチウムニッケル複合酸化物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウムの吸蔵・脱離現象を利用したリチウム二次電池は、高エネルギー密度であることから、携帯電話、パソコン等の小型化に伴い、通信機器、情報関連機器の分野で広く普及するに至っている。一方で、環境問題、資源問題から、自動車の分野でも電気自動車の開発が急がれており、この電気自動車用の電源としても、リチウム二次電池が検討されている。
このように広い分野での要望があるリチウム二次電池であるが、その価格が高いことから、他の二次電池にも増して長寿命であることが要求される。長寿命であるための要件の一つとして、例えば、充電率を高く保持した状態でリチウム二次電池を保存した場合にも、容量が減少しない、電池の内部抵抗が上昇しないといった、いわゆる保存特性が良好であることが要求される。特に、電池の内部抵抗の上昇は、電池のパワー特性(短時間で大きな出力を取り出すことができ、かつ、短時間で大きな電力を充電することができる特性)の低下を招くため、これを抑制することは重要となる。また、高温下では電池反応が活性化し内部抵抗の上昇も大きいことから、例えば屋外放置される可能性のある電気自動車用電源等の用途にリチウム二次電池を使用することを想定した場合には、高温下での保存特性が良好であることが重要な特性の一つとなる。
現在では、Ni、Coを主構成元素とする層状岩塩構造のリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質に用いて構成するリチウム二次電池の開発が進められている。しかし、このようなリチウム二次電池は、充電率を高く保持した状態で保存した場合に、電池の容量の減少や内部抵抗の上昇が大きく、保存特性、特に高温下での保存特性に問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、充電した状態、つまり、正極活物質であるリチウム遷移金属複合酸化物からリチウムが脱離した状態では、遷移金属サイトに存在するニッケル等が僅かにリチウムサイトに移動することがわかった。そして、このことが、上記リチウム二次電池の保存による内部抵抗の上昇の原因の一つであると考え、上記リチウムサイトへのニッケル等の移動を抑制することで、充電率を高く保持した状態で保存した場合であっても、電池の内部抵抗の上昇を抑制できるという知見を得た。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、充電状態におけるニッケルのリチウムサイトへの移動を抑制することで、充電状態で長期間保存しても内部抵抗の上昇が少ないリチウム二次電池を提供することを課題とする。また、そのようなリチウム二次電池を実現することのできる正極活物質用リチウムニッケル複合酸化物を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のリチウム二次電池正極活物質用リチウムニッケル複合酸化物は、基本組成がLiNiO2であり、六方晶系の層状岩塩構造を有するリチウムニッケル複合酸化物であって、リチウムサイトの一部およびニッケルサイトの一部がマグネシウムで置換されたことを特徴とし、組成式Li 1−x Ni 1−y−z Mg x+y M z O 2 (MはCo及びAlであり、0<x、0<y、0<x+y≦0.2、0<z≦0.35)で表される、リチウム二次電池正極活物質用リチウムニッケル複合酸化物である。
六方晶系の層状岩塩構造を有する本発明のリチウムニッケル複合酸化物は、空間群
【化1】
に属するものである。図1に、本発明のリチウムニッケル複合酸化物の単位結晶格子を模式的に示す。図1において、3aサイトはリチウムサイトを、3bサイトはニッケルサイトを、6cサイトは酸素サイトを表す。リチウムとニッケルがそれぞれ酸素層間に並んだ単独層を形成し、これが交互に積層することによって六方晶の超格子を構成している。
上述したように、充電率が高い状態では、正極活物質であるリチウムニッケル複合酸化物から多くのリチウムが脱離した状態となっている。この状態では、リチウムサイトの多くは空格子点となり、不安定な状態となっている。そのため、ニッケルサイトにあるニッケルの一部がリチウムサイトに移動すると考えられる。リチウムサイトに移動したニッケルは、本来のリチウムイオンの動きを阻害すると考えられる。つまり、リチウムサイトに存在するニッケルが、充放電の際のリチウムイオンの吸蔵・脱離を妨げることにより、内部抵抗が上昇し、電池性能が低下する。
【0005】
本発明のリチウムニッケル複合酸化物は、容量の大きいLiNiO2を基本組成とし、そのリチウムサイトの一部およびニッケルサイトの一部がマグネシウムで置換されたことを特徴とし、組成式Li 1−x Ni 1−y−z Mg x+y M z O 2 (MはCo及びAlであり、0<x、0<y、0<x+y≦0.2、0<z≦0.35)で表されるものである。ここで、リチウムサイトの一部にマグネシウムが存在することが重要である。つまり、リチウムサイトに存在するマグネシウムは、充電状態でリチウムが脱離した場合に、ニッケルサイトからのニッケルの移動を妨げる役割を果たすと考えられる。マグネシウムがリチウムサイトに存在することで、リチウムが脱離した状態でのニッケルのリチウムサイトへの移動が抑制されるため、充電率の高い状態で電池が長期間保存された後でも、リチウムイオンの吸蔵・脱離反応はスムーズに行われることとなる。したがって、本発明のリチウムニッケル複合酸化物は、充電率の高い状態で保存された場合であっても、内部抵抗の上昇が抑制され保存特性の良好な二次電池を構成することができる。
また、本発明のリチウム二次電池は、上記本発明のリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質に含んで構成されたものである。上述したように、本発明のリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質に含んで構成することにより、充電率の高い状態で保存した場合であっても内部抵抗の上昇が抑制され、保存特性の良好な二次電池となる。
【0006】
さらに、上記本発明のリチウムニッケル複合酸化物は、その製造方法が特に限定されるものではないが、次の方法により簡便に製造することができる。すなわち、このリチウムニッケル複合酸化物の製造方法は、ニッケルを陽イオンとする塩を含む第1原料を水に溶解させた第1原料水溶液と、マグネシウムを陽イオンとする塩を含む第2原料を水に溶解させた第2原料水溶液とをそれぞれ調製する原料水溶液調製工程と、前記第1原料水溶液と前記第2原料水溶液との一方と、強アルカリ水溶液とを反応させて第1水酸化物を析出させる第1水酸化物析出工程と、前記第1水酸化物を分散させた第1水酸化物分散液と、前記第1原料水溶液と前記第2原料水溶液との他方と、強アルカリ水溶液とを反応させて、前記第1水酸化物と前記第2原料に含まれる塩の陽イオンの水酸化物とが複合化した第2水酸化物を析出させる第2水酸化物析出工程と、前記第2水酸化物とリチウム化合物とを混合し、その混合物を酸素雰囲気中で焼成してリチウムニッケル複合酸化物を得る焼成工程とを含んで構成される。
このリチウムニッケル複合酸化物の製造方法は、第1水酸化物析出工程、第2水酸化物析出工程という2段階に分けて第2水酸化物、つまりニッケルおよびマンガンを含む複合水酸化物を合成しておき、その複合水酸化物にリチウム化合物を加えて焼成する方法である。ニッケルを陽イオンとする塩を含む第1原料水溶液と、マグネシウムを陽イオンとする塩を含む第2原料水溶液とは、水溶液の性質が異なるため、例えば、両水溶液を一緒に強アルカリ水溶液と反応させた場合には反応が進行し難い。この製造方法では、リチウムニッケル複合酸化物の粒子の核となるニッケルおよびマンガンを含む複合水酸化物を2段階に分けて合成することで、性質の異なる両元素を含む複合水酸化物を容易に合成することが可能となる。そして、得られた複合水酸化物とリチウム化合物とを混合して焼成するだけで、リチウムサイトの一部およびニッケルサイトの一部がマグネシウムで置換されたリチウムニッケル複合酸化物を簡便に得ることができる。また、後に詳しく説明するが、一般にリチウムニッケル複合酸化物は粉末状のものであり、粉末を構成する粒子は、微細な一次粒子が多数凝集して二次粒子を形成するという粒子構造を有している。この製造方法では、一次粒子の核となる複合酸化物を2段階に分けて合成する。このため、複合酸化物の粒子が成長し易く、その粒子径は比較的大きなものとなる。このように、この製造方法によれば、二次粒子を形成する一次粒子の粒子径が比較的大きなリチウムニッケル複合酸化物を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のリチウム二次電池正極活物質用リチウムニッケル複合酸化物とその製造方法について、それぞれ順に説明し、その後に、本発明のリチウムニッケル複合酸化物の利用形態である本発明のリチウム二次電池について説明する。
【0008】
〈リチウムニッケル複合酸化物〉
本発明のリチウムニッケル複合酸化物は、基本組成がLiNiO2であり、六方晶系の層状岩塩構造を有し、リチウムサイトの一部およびニッケルサイトの一部がマグネシウムで置換されたものである。ここで、「基本組成が〜であり」とは、その組成式で表される組成のものだけでなく、結晶構造におけるLi、Ni、Oの各サイトの一部を、マグネシウムやそれ以外の元素で置換したものを含むことを意味する。さらに、化学量論組成のものだけでなく、一部の元素が欠損または過剰となる非化学量論組成のものをも含むことを意味する。
本発明のリチウムニッケル複合酸化物は、リチウムおよびニッケルの両サイトの一部にマグネシウムが存在すればよく、両サイトのマグネシウムによる置換割合は、特に限定されるものではない。リチウムニッケル複合酸化物に含まれるマグネシウムの量が多いと、充電時におけるリチウムサイトへのニッケルの移動を抑制する効果は大きくなるが、単位重量あたりの放電容量は小さくなる傾向にある。反対に、含まれるマグネシウム量が少ないと、放電容量は大きいものの上記ニッケルの移動を抑制する効果は小さくなり、電池の内部抵抗の上昇を招き易くなる。
本発明のリチウムニッケル複合酸化物として、組成式Li1−xNi1−y−zMgx+yMzO2(MはCo及びAl)を採用する。前記組成式において、リチウムサイトにおけるマグネシウムの置換割合はx、ニッケルサイトにおけるマグネシウムの置換割合はyと示される。ここで、リチウムニッケル複合酸化物に含まれるマグネシウムの量の指標となるマグネシウムによる両サイトの総置換割合(x+y)は、0<x+y≦0.2とすることが望ましい。なお、0<xかつ0<yである。総置換割合が0.2を超えると、その好適な範囲のものと比較して、放電容量が小さくなるからである。x+y≦0.1とするとより好適である。一方、充電時におけるニッケルの移動をより抑制し、電池の内部抵抗の上昇をより小さくすることを考慮した場合には、0.01≦x+yとすることが望ましい。0.08≦x+yとするとより好適である。
【0009】
後の実施例で説明するが、本発明者の実験により、リチウムサイトがマグネシウムにより置換される割合は、製造条件が同じであれば、リチウムニッケル複合酸化物に含まれるマグネシウムの総量に依存しないことがわかっている。つまり、リチウムサイトに存在するマグネシウムの量は、リチウムニッケル複合酸化物中のマグネシウムの量が増えてもあまり変わらない。リチウムニッケル複合酸化物中にマグネシウムが含まれる場合、リチウムサイトはほぼ一定の割合でマグネシウムにより置換される。例えば、含まれるマグネシウムの量が少ない場合には、その殆どがリチウムサイトに存在することで、リチウムサイトにおけるマグネシウムの置換割合は上記割合となる。一方、含まれるマグネシウムの量が多くなると、ニッケルサイトを置換するマグネシウムの量は増加するが、リチウムサイトにおけるマグネシウムの置換割合はあまり変化せず、上記割合を維持する。このことを考慮すると、上記組成式で表されるものを採用する場合、組成式中のxの値、すなわちリチウムサイトを置換するマグネシウムの割合は、0.01≦x≦0.025とすることが望ましい。同様に、組成式中のyの値、すなわちニッケルサイトを置換するマグネシウムの割合は、0<y≦0.19とすることが望ましい。
リチウムサイトおよびニッケルサイトのマグネシウムによる置換割合は、例えば、リチウムニッケル複合酸化物の構造をRietveld法により解析することで求めることができる。Rietveld法は、X線回折図形の各回折角2θにおける観測強度と、モデル構造からの計算強度が一致するように、最小二乗法によって格子定数、原子座標、温度因子を決定するものである。本明細書では、後に実施例で示すが、上記Rietveld法による解析結果を採用するものとする。
【0010】
上記組成式Li1−xNi1−y−zMgx+yMzO2におけるMは、CoおよびAlであり、リチウムニッケル複合酸化物の結晶構造の安定化、熱安定性の向上等を図ることを考慮し、ニッケルサイトの一部がMで置換された態様を採用する。Mによる置換割合は、0<z≦0.35とする。Mによる置換割合が0.35を超えると、放電容量が小さくなるからである。また、リチウムニッケル複合酸化物の結晶構造の安定化や熱安定性の向上等の効果をより発揮させ、充放電に伴う容量劣化を抑制する観点から、0.15≦zとすることが望ましい。0.2≦zとするとより好適である。
Coには、元素置換による容量低下を抑えるとともに、Li(Co,Ni)O2は全固溶型であり、結晶性の低下を最小限にとどめるという利点がある。また、Alも、リチウムニッケル複合酸化物の酸素放出に伴う分解反応を抑え、熱安定性を向上させつつ、容量低下を最小限に抑えるという利点がある観点から、置換元素Mとする。CoおよびAlの両元素を置換元素Mとした組成式Li1−xNi1−y−zMgx+yCoz1Alz2O2で表される態様は、上記2つの利点が充分に生かされることとなる。この場合、Coの置換割合(z1)は0.1≦z1≦0.25とすることが望ましい。この好適範囲のものに比べ、z1<0.1の場合は、結晶構造の安定化が充分でないため構成される二次電池の耐久性が良好ではなく、0.25<z1の場合はリチウムニッケル複合酸化物の結晶性が低下し好ましくない。また、Alの置換割合(z2)は0.001≦z2≦0.15とすることが望ましい。この好適範囲のものに比べ、z2<0.001の場合は、安全性に対して充分な効果が得られなくなり、0.15<z2の場合は、正極の容量が低下してしまうため好ましくない。
【0011】
上述したように、一般に、リチウムニッケル複合酸化物は粉末状のものであり、粉末を構成する粒子は、微細な一次粒子が多数凝集して二次粒子を形成するという粒子構造を有している。この一次粒子は、サブミクロン以下のオーダーのものとなる。そして、正極は、かかる粒子構造をもつ粉末状のリチウムニッケル複合酸化物が導電材(炭素物質の粉状体等)とともに結着剤で結着されて形成されている。この導電材により、リチウムニッケル複合酸化物の粒子どうし、およびリチウムニッケル複合酸化物の粒子と集電体との電気的導通が確保されている。本発明者が認識したところによれば、リチウム二次電池が充放電することにより、その一次粒子は膨張・収縮し、一次粒子の粒界にはストレスが発生して、二次粒子が崩壊する。つまり、一次粒子がその凝集を解かれることにより、二次粒子が微細化するのである。上記構造の正極においてリチウムニッケル複合酸化物の二次粒子が微細化する場合、二次粒子の中心部分に存在する一次粒子は、正極内において、電気的導通が遮断される。つまり、極端に言えば、二次粒子の表面部分に存在する一次粒子しか電気的な導通が確保されず、中心部分の一次粒子は、充放電反応に寄与することができなくなるのである。したがって、充放電を繰り返すと正極の容量が低下し、その分リチウム二次電池の容量が低下することになる。 本発明のリチウムニッケル複合酸化物も、一次粒子が凝集して二次粒子を形成するという粒子構造を有している。ここで、一次粒子の粒子径は、特に限定されるものではないが、上述した充放電に伴う容量劣化を抑制するという観点から、その平均粒径を1μm以上とすることが望ましい。すなわち、本発明のリチウムニッケル複合酸化物として、平均粒径が1μm以上の一次粒子が凝集して二次粒子を形成した粒子構造をもつものを採用することが望ましい。一次粒子の平均粒径が1μm以上と大きいため、充放電により二次粒子が崩壊した場合であっても、電気的導通が遮断され孤立する一次粒子の数は少なくなり、電池の容量の低下を抑制することができる。なお、ここで言う粒子径は、球換算粒径であり、具体的には、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、対象とする粒子の長径と短径とを測定し、それらの平均値を採用するものとする。そして平均粒径は、SEM観察により、1つの視野の中に存在するすべての粒子の粒子径を平均した値を採用するものとする。
【0012】
〈リチウムニッケル複合酸化物の製造方法〉
本発明のリチウムニッケル複合酸化物は、その製造方法が特に限定されるものではないが、次の製造方法によって簡便に製造することができる。すなわちこのリチウムニッケル複合酸化物の製造方法は、原料水溶液調製工程、第1水酸化物析出工程、第2水酸化物析出工程、焼成工程とを含んで構成される。以下、各工程について説明する。
【0013】
(1)原料水溶液調製工程
本工程は、ニッケルを陽イオンとする塩を含む第1原料を水に溶解させた第1原料水溶液と、マグネシウムを陽イオンとする塩を含む第2原料を水に溶解させた第2原料水溶液とをそれぞれ調製する工程である。
ニッケルを陽イオンとする塩としては、硝酸ニッケル、炭酸ニッケル、硫酸ニッケル等を用いることができる。マグネシウムを陽イオンとする塩としては、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム等を用いることができる。また、製造対象とするリチウムニッケル複合酸化物の組成に応じて、ニッケルサイトの一部を他の元素で置換する場合には、その置換元素を陽イオンとする塩を含めて第1原料または第2原料とすればよい。この場合、各塩の水溶液の性質や反応性等を考慮して、第1原料とするか、あるいは第2原料とするかを適宜決定すればよい。例えば、ニッケルサイトの一部をコバルトで置換する場合には、コバルトを陽イオンとする塩として、硝酸コバルト、炭酸コバルト、硫酸コバルト等を用いることができる。そして、コバルトはニッケルに固溶し、その水溶液はニッケルを陽イオンとする塩の水溶液と性質が似ているため、上記コバルトを陽イオンとする塩は第1原料とすればよい。また、例えば、ニッケルサイトの一部をアルミニウムで置換する場合には、アルミニウムを陽イオンとする塩として、硝酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、硫酸アルミニウム等を用いることができる。そして、アルミニウムを陽イオンとする塩の水溶液はマグネシウムを陽イオンとする塩の水溶液と性質が似ているため、上記アルミニウムを陽イオンとする塩は第2原料とすればよい。なお、製造されるリチウムニッケル複合酸化物中に残存する陰イオンを少なくするという観点から、上記いずれの塩も硝酸塩を用いることが望ましい。第1原料水溶液、第2原料水溶液はともに、第1原料、第2原料のそれぞれに含まれる塩を混合したものを水に溶解させて調製してもよく、含まれる塩をそれぞれ水に溶解させて水溶液としたものを混合して調製してもよい。また、含まれる塩をそれぞれ水に溶解させ、各塩の水溶液の状態で調製してもよい。各塩は、それに含まれる元素が目的とするリチウムニッケル複合酸化物の組成となるよう、その量を適宜調整すればよい。また、各原料水溶液は、反応性および収率を共に満足させるという観点から、その塩の濃度が0.1〜2Mとなるように調製することが望ましい。
【0014】
(2)第1水酸化物析出工程
本工程は、前記原料水溶液調製工程で調製した第1原料水溶液と第2原料水溶液との一方と、強アルカリ水溶液とを反応させて第1水酸化物を析出させる工程である。
上記2つの原料水溶液の一方と反応させる強アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等を用いることができる。中でも、経済性を考慮すれば、水酸化ナトリウム水溶液を用いることが望ましい。水酸化ナトリウム水溶液を用いる場合には、1〜5M程度の濃度のものを使用することが望ましい。また、反応液のpH値を調整する場合には、pH調整剤としてアンモニア水等を併用することが望ましい。
2つの原料水溶液の一方と強アルカリ水溶液との反応は、その反応形態が特に限定されるものではない。例えば、各々の水溶液をそれぞれ反応槽へ送液する等により、反応槽内で混合して反応させてもよく、また、どちらか一方の水溶液中に他方を滴下して反応させてもよい。第1水酸化物の析出反応を均一に行うためには、原料水溶液と強アルカリ水溶液との反応を攪拌して行うことが望ましい。攪拌速度、両水溶液による反応が進行している反応液のpH値、反応温度等の条件は、合成される第1水酸化物粒子の粒子径等に影響することから、所望の粒子を得るために適宜設定すればよい。例えば、反応液のpH値は、反応中略一定となるように調整することが望ましく、その値は、10〜12とすることが望ましい。このpH値を調整することにより、得られるリチウムニッケル複合酸化物の二次粒子を構成する一次粒子の粒子径を制御することができる。特に、一次粒子の粒子径を大きくしたい場合には、反応液のpH値を若干低めに、具体的にはpH値を10〜11程度とすることが望ましい。また、反応温度は、適度な反応速度を得るため、20〜60℃とすることが望ましい。なお、上記第1水酸化物は沈殿物として得られる。例えば、その沈殿物を濾別し、洗浄等を行うことにより次工程に供することができる。また、本工程における反応液をそのまま第2水酸化物析出工程の第1水酸化物分散液として用いてもよい。
【0015】
本工程で強アルカリ水溶液と反応させる原料水溶液は、上記第1原料水溶液および第2原料水溶液の一方であれば、そのどちらと反応させてもよい。得られるリチウムニッケル複合酸化物の二次粒子を構成する一次粒子の粒子径の制御を容易にするという観点から、本工程では第1原料水溶液と強アルカリ水溶液とを反応させることが望ましい。例えば、硝酸ニッケルおよび硝酸コバルトを第1原料とした第1原料水溶液と強アルカリ水溶液とを反応させた場合には、第1水酸化物はニッケルとコバルトとの複合水酸化物(以下、「Ni−Co複合水酸化物」と表す。)となる。
【0016】
(3)第2水酸化物析出工程
本工程は、前記第1水酸化物析出工程で得られた第1水酸化物を分散させた第1水酸化物分散液と、第1原料水溶液と前記第2原料水溶液との他方と、強アルカリ水溶液とを反応させて、第1水酸化物と第2原料に含まれる塩の陽イオンの水酸化物とが複合化した第2水酸化物を析出させる工程である。
強アルカリ水溶液としては、上記第1水酸化物析出工程と同様、種々のものを用いることができる。第1水酸化物析出工程で使用したのと同じものを用いてもよいし、別のものを用いてもよい。また、上記同様、第1水酸化物分散液と、2つの原料水溶液の他方と、強アルカリ水溶液との反応は、その反応形態が特に限定されるものではない。なお、第2水酸化物の析出反応を均一に行うために、第1水酸化物分散液と原料水溶液と強アルカリ水溶液との反応を攪拌して行うことが望ましい。攪拌速度、各水溶液による反応が進行している反応液のpH値、反応温度等の条件は上記第1水酸化物析出工程に準じて適宜設定すればよい。
本工程で析出合成される第2水酸化物は、前記第1水酸化物析出工程で得られた第1水酸化物と第2原料に含まれる塩の陽イオンの水酸化物とが複合化したものである。つまり、第1水酸化物の周りに第2原料に含まれる塩の陽イオンの水酸化物が付着して、両者が複合化した水酸化物となっている。例えば、第1水酸化物析出工程で、第1原料水溶液と強アルカリ水溶液とを反応させた場合には、本工程では、第1水酸化物分散液と第2原料水溶液と強アルカリ水溶液と反応させる。ここで、硝酸マグネシウムおよび硝酸アルミニウムを第2原料とした第2原料水溶液と第1水酸化物となるNi−Co複合水酸化物の分散液と強アルカリ水溶液とを反応させた場合には、第2水酸化物はニッケル、コバルト、マグネシウム、およびアルミニウムが複合化した複合水酸化物(以下、「Ni−Co−Mg−Al複合水酸化物」と表す。)となる。なお、第2水酸化物粒子は沈殿物として得られるため、これを濾別、洗浄等を行うことにより、次工程に供することができる。
【0017】
(4)焼成工程
本工程は、前記第2水酸化物析出工程で得られた第2水酸化物とリチウム化合物とを混合し、その混合物を酸素雰囲気中で焼成してリチウムニッケル複合酸化物を得る工程である。
リチウム化合物としては、水酸化リチウム、塩化リチウム、硝酸リチウム等を用いることができる。特に、反応性が高いという理由から水酸化リチウムを用いることが望ましい。第2水酸化物とリチウム化合物とは、目的とするリチウムニッケル複合酸化物の組成となるように混合すればよい。例えば、組成式Li1-xNi1-y-zMgx+yMzO2で表されるリチウムニッケル複合酸化物を製造する場合には、Li:(Ni+Mg+M)がモル比で略1:1となるような割合とすればよい。
焼成温度は、特に限定されるものではないが、700℃以上1000℃以下とすることが望ましい。焼成温度が700℃未満であると、反応が充分に進行せず、結晶性が低くなるからである。反対に、1000℃を超えると、粒子表面のリチウムがガス化し、反応への寄与率が低くなるからである。なお、焼成時間は焼成が完了するのに充分な時間であればよく、12〜120時間の範囲で行えばよい。
【0018】
〈リチウム二次電池〉
上記本発明のリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質に含む本発明のリチウム二次電池の実施形態について説明する。一般にリチウム二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極および負極と、この正極と負極との間に挟装されるセパレータと、正極と負極の間をリチウムイオンを移動させる非水電解液とから構成される。本実施形態の二次電池もこの構成に従えばよい。以下の説明は、これらの構成要素のそれぞれについて行うこととする。
正極は、リチウムイオンを吸蔵・脱離できる正極活物質に導電材および結着剤を混合し、必要に応じ適当な溶媒を加えて、ペースト状の正極合材としたものを、アルミニウム等の金属箔製の集電体表面に塗布、乾燥し、その後プレスによって活物質密度を高めることによって形成する。
本実施形態では、正極活物質として上記リチウムニッケル複合酸化物を用いる。なお、本発明のリチウムニッケル複合酸化物と既に公知の正極活物質材料とを混合して正極活物質とする構成を採用することもできる。
正極に用いる導電材は、正極活物質層の電気伝導性を確保するためのものであり、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素物質粉状体の1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。結着剤は、活物質粒子を繋ぎ止める役割を果たすもので、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。これら活物質、導電材、結着剤を分散させる溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
【0019】
正極に対向させる負極は、金属リチウム、リチウム合金等を、シート状にして、あるいはシート状にしたものをニッケル、ステンレス等の集電体網に圧着して形成することができる。しかし、デンドライトの析出等を考慮し、安全性に優れたリチウム二次電池とするために、リチウムを吸蔵・脱離できる炭素物質を活物質とする負極を用いることができる。使用できる炭素物質としては、天然あるいは人造の黒鉛、フェノール樹脂等の有機化合物焼成体、コークス等の粉状体が挙げられる。この場合は、負極活物質に結着剤を混合し、適当な溶媒を加えてペースト状にした負極合材を、銅等の金属箔集電体の表面に塗布乾燥して形成する。なお、炭素物質を負極活物質とした場合、正極同様、負極結着剤としてはポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂等を、溶媒としてはN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
正極と負極の間に挟装されるセパレータは、正極と負極とを隔離しつつ電解液を保持してイオンを通過させるものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を用いることができる。
非水電解液は、有機溶媒に電解質を溶解させたもので、有機溶媒としては、非プロトン性有機溶媒、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン等の1種またはこれらの2種以上の溶媒を用いることができる。また、溶解させる電解質としては、溶解させることによりリチウムイオンを生じるLiI、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiPF6等を用いることができる。
なお、上記セパレータおよび非水電解液という構成に代えて、ポリエチレンオキシド等の高分子量ポリマーとLiClO4やLiN(CF3SO2)2等のリチウム塩を使用した高分子固体電解質を用いることもでき、また、上記非水電解液をポリアクリロニトリル等の固体高分子マトリクスにトラップさせたゲル電解質を用いることもできる。
【0020】
以上のものから構成されるリチウム二次電池であるが、その形状はコイン型、積層型、円筒型等の種々のものとすることができる。いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極にセパレータを挟装させ電極体とし、正極および負極から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間をそれぞれ導通させるようにして、この電極体を非水電解液とともに電池ケースに密閉して電池を完成させることができる。
【0021】
〈他の実施形態の許容〉
以上、本発明のリチウムニッケル複合酸化物、およびリチウム二次電池の実施形態について説明したが、上述した実施形態は一実施形態にすぎず、本発明のリチウムニッケル複合酸化物、およびリチウム二次電池は、上記実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。
【0022】
【実施例】
上記実施形態に基づいて、マンガンの含有割合の異なるリチウムニッケル複合酸化物を種々製造した。そして、製造した各リチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として用いてそれぞれリチウム二次電池を作製し、それらの二次電池に対して保存試験および充放電サイクル試験を行うことで、各二次電池の特性を評価した。以下、リチウムニッケル複合酸化物の製造、リチウム二次電池の作製、電池特性の評価について、順次説明する。
【0023】
(1)リチウムニッケル複合酸化物の製造
(a)#11のリチウムニッケル複合酸化物
Ni:Mg:Co:Alがモル比で0.79:0.01:0.15:0.05の割合で含まれるリチウムニッケル複合酸化物を製造した。まず、第1原料として、硝酸ニッケルと硝酸コバルトとを用い、Ni:Coがモル比で0.79:0.15となるように両者を混合して1Mの第1原料水溶液を調製した。2Lの反応槽に、調製した第1原料水溶液とpH調製剤である5Mのアンモニア水とをそれぞれ連続的に送液するとともに、強アルカリ水溶液として5Mの水酸化ナトリウム水溶液を、反応液のpH値を10.9±0.2に保ちながら連続添加して、第1水酸化物であるNi−Co複合水酸化物を析出させた。反応温度は60℃とした。次いで、得られたNi−Co複合水酸化物を濾別し、それを水に分散させて第1水酸化物分散液を調製した。第2原料として硝酸マグネシウムと硝酸アルミニウムとを用い、それぞれを水に溶解させて0.2Mの硝酸マグネシウム水溶液、1Mの硝酸アルミニウム水溶液を調製した。この両水溶液がともに第2原料水溶液となる。そして、上記第1水酸化物分散液と第2原料水溶液とを、(Ni+Co):Mg:Alがモル比で0.94:0.01:0.05となるように混合し、さらに、強アルカリ水溶液として5Mの水酸化ナトリウム水溶液を、反応液のpH値を10.9±0.2に保ちながら連続添加して、第2水酸化物であるNi−Co−Mg−Al複合水酸化物を析出させた。反応温度は60℃とした。得られたNi−Co−Mg−Al複合水酸化物を濾別、洗浄、乾燥した。
水酸化リチウムと上記Ni−Co−Mg−Al複合水酸化物とを、Li:(Ni+Co+Mg+Al)が、モル比で1.05:1となるように混合した。その混合物を酸素雰囲気中、850℃で24時間焼成を行いリチウムニッケル複合酸化物を得た。得られたリチウムニッケル複合酸化物の粉末をSEM観察したところ、二次粒子の平均粒径は約13μmであり、それを形成する一次粒子の平均粒径は約1μmであった。また、後にまとめて示すが、リチウムニッケル複合酸化物をRietveld法により構造解析した結果、リチウムサイトの一部およびニッケルサイトの一部にマグネシウムが存在することが確認された。本リチウムニッケル複合酸化物を、サンプル番号#11のリチウムニッケル複合酸化物とした。
【0024】
(b)#12〜15のリチウムニッケル複合酸化物
上記#11のリチウムニッケル複合酸化物の製造において、Ni:Mg:Co:Alのモル比を種々変更し、それ以外は上記(a)と同様にしてリチウムニッケル複合酸化物を4種類製造した。得られた4種類のリチウムニッケル複合酸化物は、その二次粒子の平均粒径が約13μmであり、それを形成する一次粒子の平均粒径は約1μmであった。また、Rietveld法による解析結果から、リチウムサイトの一部およびニッケルサイトの一部にマグネシウムが存在することが確認された。4種類の本リチウムニッケル複合酸化物を、サンプル番号#12〜15のリチウムニッケル複合酸化物とした。なお、各元素の含有割合は、後の表1にまとめて示す。
(c)#16のリチウムニッケル複合酸化物
上記#11のリチウムニッケル複合酸化物の製造において、Ni:Mg:Co:Alがモル比で0.75:0.05:0.15:0.05となるよう各原料の混合比等を変更した。また、第1原料水溶液と水酸化ナトリウム水溶液との反応、および第1水酸化物分散液と第2原料水溶液と水酸化ナトリウム水溶液との反応の際、反応液のpH値を10.0±0.2に調整した。これら以外は、上記(a)と同様にしてリチウムニッケル複合酸化物を製造した。得られたリチウムニッケル複合酸化物の二次粒子の平均粒径は約28μmであり、それを形成する一次粒子の平均粒径は約3μmであった。また、Rietveld法による解析結果から、リチウムサイトの一部およびニッケルサイトの一部にマグネシウムが存在することが確認された。本リチウムニッケル複合酸化物を、サンプル番号#16のリチウムニッケル複合酸化物とした。
【0025】
(d)#21のリチウムニッケル複合酸化物
組成式LiNi0.8Co0.15Al0.05O2で表され、マグネシウムを含まないリチウムニッケル複合酸化物を製造した。上記#11のリチウムニッケル複合酸化物の製造において、第2原料として硝酸マグネシウムを使用せず、Ni:Co:Alがモル比で0.8:0.15:0.05となるよう各原料の混合比等を変更した。それ以外は上記(a)と同様にしてリチウムニッケル複合酸化物を製造した。得られたリチウムニッケル複合酸化物の二次粒子の平均粒径は約13μmであり、それを形成する一次粒子の平均粒径は約1μmであった。本リチウムニッケル複合酸化物を、サンプル番号#21のリチウムニッケル複合酸化物とした。
(e)#22のリチウムニッケル複合酸化物
上記#16のリチウムニッケル複合酸化物の製造において、第1原料水溶液と水酸化ナトリウム水溶液との反応、および第1水酸化物分散液と第2原料水溶液と水酸化ナトリウム水溶液との反応の際、反応液のpH値を12.1±0.2に調整した。それ以外は上記(c)と同様にしてリチウムニッケル複合酸化物を製造した。得られたリチウムニッケル複合酸化物の二次粒子の平均粒径は約12μmであり、それを形成する一次粒子の平均粒径は約0.2μmであった。本リチウムニッケル複合酸化物を、サンプル番号#22のリチウムニッケル複合酸化物とした。
(f)#23のリチウムニッケル複合酸化物
上記#21のリチウムニッケル複合酸化物と同様、組成式LiNi0.8Co0.15Al0.05O2で表され、マグネシウムを含まないリチウムニッケル複合酸化物を製造した。上記#21のリチウムニッケル複合酸化物の製造において、第1原料水溶液と水酸化ナトリウム水溶液との反応、および第1水酸化物分散液と第2原料水溶液と水酸化ナトリウム水溶液との反応の際、反応液のpH値を12.1±0.2に調整した。それ以外は上記(d)と同様にしてリチウムニッケル複合酸化物を製造した。得られたリチウムニッケル複合酸化物の二次粒子の平均粒径は約12μmであり、それを形成する一次粒子の平均粒径は約0.2μmであった。本リチウムニッケル複合酸化物を、サンプル番号#23のリチウムニッケル複合酸化物とした。
【0026】
(g)上記製造した9種類のリチウムニッケル複合酸化物の組成、Rietveld法による構造解析の結果から得られた各サイトのマグネシウムの存在割合、および一次粒子の粒子径を表1にまとめて示す。なお、表1におけるマグネシウムの存在割合とは、リチウムニッケル複合酸化物中に含まれるマグネシウムがどのような割合でリチウムサイトとニッケルサイトとに配分されているかを表すものである。
【表1】
表1より、マグネシウムを含有させたリチウムニッケル複合酸化物では、マグネシウムはリチウムサイトの一部およびニッケルサイトの一部に存在することが確認できる。そして、マグネシウムの含有割合が小さい#11のリチウムニッケル複合酸化物では、含まれるマグネシウムは殆どリチウムサイトに存在していることがわかる。また、マグネシウムの含有割合が大きくなるとともに、ニッケルサイトに配分されるマグネシウムの割合が大きくなることがわかる。つまり、本実施例で製造したリチウムニッケル複合酸化物は、ほぼ同じ方法で製造されたため、リチウムサイトを置換するマグネシウムの割合はほぼ同じ値となった。
また、各リチウムニッケル複合酸化物の上記製造方法において、反応液のpH値が異なると、得られたリチウムニッケル複合酸化物の一次粒子の粒子径が変わることが確認できる。例えば、反応液のpH値を11程度で反応させた#11〜#15、および#21のリチウムニッケル複合酸化物では、その一次粒子の平均粒径が約1μmとなった。これに対し、反応液のpH値を10程度に低くした#16のリチウムニッケル複合酸化物では、その一次粒子の平均粒径が約3μmと大きくなった。一方、反応液のpH値を12程度に高くした#22および#23のリチウムニッケル複合酸化物では、その一次粒子の平均粒径が約0.2μmと小さくなった。
【0027】
(2)リチウム二次電池の作製
上記#11〜#16、#21〜#23のリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質に用いてリチウム二次電池を作製した。正極は、まず、正極活物質となるそれぞれのリチウムニッケル複合酸化物90重量部に、導電材としてのカーボンブラックを7重量部、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンを9重量部混合し、溶媒として適量のN−メチル−2−ピロリドンを添加して、ペースト状の正極合材を調製した。次いで、このペースト状の正極合材を厚さ20μmのアルミニウム箔集電体の両面に塗布し、乾燥させ、その後ロールプレスにて圧縮し、正極合材の厚さが片面当たり40μmのシート状のものを作製した。このシート状の正極を54mm×450mmの大きさに裁断して用いた。
対向させる負極は、球状人造黒鉛を活物質として用いた。まず、負極活物質となる球状人造黒鉛の95重量部に、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンを5重量部混合し、溶媒として適量のN−メチル−2−ピロリドンを添加し、ペースト状の負極合材を調製した。次いで、このペースト状の負極合材を厚さ10μmの銅箔集電体の両面に塗布し、乾燥させ、その後ロールプレスにて圧縮し、負極合材の厚さが片面当たり30μmのシート状のものを作製した。このシート状の負極は56mm×500mmの大きさに裁断して用いた。
上記それぞれ正極および負極を、それらの間に厚さ25μm、幅58mmのポリエチレン製セパレータを挟んで捲回し、ロール状の電極体を形成した。そして、その電極体を18650型円筒形電池ケース(外径18mmφ、長さ65mm)に挿設し、非水電解液を注入し、その電池ケースを密閉して円筒型リチウム二次電池を作製した。なお、非水電解液は、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比で3:7に混合した混合溶媒に、LiPF6を1Mの濃度で溶解したものを用いた。
なお、#1のリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質に用いたリチウム二次電池を#1のリチウム二次電池とし、以下同様に、正極活物質として用いたリチウムニッケル複合酸化物のサンプル番号を、そのまま作製したリチウム二次電池の番号とした。
【0028】
(3)電池特性の評価
作製した各リチウム二次電池について、初期放電容量および初期内部抵抗を測定し、さらに保存試験および充放電サイクル試験を行うことにより電池の特性を評価した。
【0029】
(a)初期放電容量および初期内部抵抗の測定
まず、コンディショニングとして、温度20℃下にて、電流密度0.2mA/cm2の定電流で4.1Vまで充電した後、電流密度0.2mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電を行った。コンディショニングの後、初期放電容量を測定するために、温度20℃下にて、3サイクルの充放電を行った。その充放電条件は、電流密度0.2mA/cm2の定電流で充電上限電圧4.1Vまで充電を行い、さらに4.1Vの定電圧で2時間充電を続け、その後、電流密度0.2mA/cm2の定電流で放電下限電圧3.0Vまで放電を行う充放電を1サイクルとするものである。この充放電の3サイクル目の放電容量を初期放電容量とした。
次いで、初期の内部抵抗を算出するために、入出力パワー測定を行い、入出力時の内部抵抗を算出した。入出力パワー測定は以下の条件で行った。まず、各リチウム二次電池の初期放電容量の50%まで充電した状態(SOC50%)で、1Aの電流で10秒間放電させ、10秒目の電圧を測定した。再びSOC50%の状態に充電した後、3Aの電流で10秒間放電させ、10秒目の電圧を測定した。さらに、SOC50%の状態に充電した後、5Aの電流で10秒間放電させ、10秒目の電圧を測定した。そして、電圧の電流依存性を求め、電流−電圧直線の勾配を出力時の内部抵抗とした。また、同様の手順で充電を行い、各10秒目の電圧を測定して、電流−電圧直線の勾配から入力時の内部抵抗を求めた。求めた入出力時の内部抵抗の平均値を初期内部抵抗とした。
【0030】
(b)保存試験
保存試験は、電流密度0.2mA/cm2の定電流で電圧が4.1Vに到達するまで充電を行った後、さらに4.1Vの定電圧で7時間充電を続けることにより、各二次電池をSOC100%の状態とした後、電池の実使用温度範囲の上限と目される60℃の恒温槽に1ヶ月間保存するものとした。そして、保存後に、残存容量を測定するとともに、上記と同様にして入出力時の内部抵抗を求め、その平均値を保存後内部抵抗とした。
ここで、残存容量は、保存試験後の各電池を、温度20℃下にて、それぞれ電流密度0.1mA/cm2の定電流で放電下限電圧3.0Vまで放電した時の容量とした。そして、式[残存容量/初期放電容量×100]から容量残存率を求めた。さらに、保存試験の前後における内部抵抗の値から、式[{(保存後内部抵抗/初期内部抵抗)−1}×100]を用いて保存後の内部抵抗増加率を計算した。
【0031】
(c)充放電サイクル試験
充放電サイクル試験は、上記保存試験と同様、60℃の温度条件下で、電流密度0.2mA/cm2の定電流で4.1Vまで充電した後、電流密度0.2mA/cm2の定電流で3.0Vまで放電を行う充放電を1サイクルとし、このサイクルを合計500サイクル行うものとした。そして、各リチウム二次電池の500サイクル目の放電容量を測定し、正極活物質の単位重量あたりのサイクル後放電容量を算出した。また、上記と同様にして、充放電サイクル試験後の電池の入出力時の内部抵抗を求め、その平均値をサイクル後内部抵抗とした。そして、式[サイクル後放電容量/初期放電容量×100(%)]から各リチウム二次電池の容量維持率(%)を求めた。さらに、充放電サイクル試験の前後における内部抵抗の値から、式[{(サイクル後内部抵抗/初期内部抵抗)−1}×100]を用いてサイクル後の内部抵抗増加率を計算した。
【0032】
(d)電池特性の評価
#11〜#16および#21〜#23の各二次電池について、初期放電容量(mAh/g)、初期内部抵抗(mΩ)、容量残存率(%)、保存後の内部抵抗増加率(%)、容量維持率(%)、およびサイクル後の内部抵抗増加率(%)の値をそれぞれ表2に示す。
【表2】
表2から明らかなように、リチウムニッケル複合酸化物に含まれるマグネシウムの量が増加するとともに、各二次電池の初期放電容量は小さくなる傾向にある。また、含まれるマグネシウムの量が増加すると、初期内部抵抗の値はやや大きくなっている。これは、リチウムサイトおよびニッケルサイトを置換するマグネシウムの量が増加したことが原因の一つであると考えられる。
しかし、マグネシウムによりリチウムサイトの一部およびニッケルサイトの一部が置換されたリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質とした#11〜#16、#22の二次電池では、保存試験後においてもその容量の低下は少なく、内部抵抗も殆ど上昇していない。これは、マグネシウムがリチウムおよびニッケルサイトに存在することで、充電状態でのニッケルのリチウムサイトへの移動が抑制され、長期間の保存後でもリチウムイオンの吸蔵・脱離反応がスムーズに行われるためであると考えられる。特に、マグネシウムの含有割合が大きいリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質とした#14および#15の二次電池では、内部抵抗の上昇がより抑制されている。また、#13、#16、#22の二次電池を比較すると、マグネシウムの含有割合が同じであれば、一次粒子の粒子径が大きい方がより望ましいこともわかる。反対に、マグネシウムが含まれないリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質とした#21および#23の二次電池では、保存試験後における容量残存率が低い値となり、保存後の内部抵抗も大幅に上昇した。
【0033】
充放電サイクル試験後の容量維持率は、マグネシウム、コバルト及びアルミが含まれるリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質とした#11〜#16の二次電池では高い値となった。また、サイクル後の内部抵抗増加率についても#11〜#16の二次電池では低い値となっている。ただし、充放電に伴う容量劣化は、リチウムニッケル複合酸化物の一次粒子の粒子径と関係があると考えられるため、マグネシウム、コバルト及びアルミを含有するが、一次粒子の粒子径が小さいリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質とした#22の二次電池では、#11〜#16の二次電池と比較して、容量維持率は低くなり、サイクル後の内部抵抗も上昇した。一方、マグネシウム、コバルト及びアルミを含み、かつ一次粒子の粒子径が大きなリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質とした#16の二次電池では、容量劣化と内部抵抗の上昇とが、ともに充分抑制されている。なお、マグネシウムを含有せず、一次粒子の粒子径も小さなリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質とした#23の二次電池は、容量維持率が極めて低く、また内部抵抗の増加率も大きな値となった。
以上の結果より、リチウムサイトの一部およびニッケルサイトの一部がマグネシウムで置換された本発明のリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として用いることにより、充電率の高い状態で保存した場合でも、また充電を繰り返した場合でも容量の低下が少なく、内部抵抗の上昇が抑制された二次電池を構成できることが確認できた。つまり、本発明のリチウム二次電池は、保存特性およびサイクル特性が良好な二次電池となる。また、本発明のリチウムニッケル複合酸化物は、平均粒径が1μm以上の一次粒子が凝集して二次粒子を形成した粒子構造をもつ態様を採用することがより好適であることも確認できた。
【0034】
【発明の効果】
本発明のリチウムニッケル複合酸化物は、基本組成がLiNiO2であり、六方晶系の層状岩塩構造を有し、リチウムサイトの一部およびニッケルサイトの一部がマグネシウムで置換されたものである。マグネシウムがリチウムサイトおよびニッケルサイトの両サイトに存在することで、充電時にリチウムが脱離してもニッケルがリチウムサイトへ移動し難くなる。したがって、本発明のリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として用いたリチウム二次電池は、充電率の高い状態で保存された場合でも、また充放電を繰り返した場合でも、容量の劣化、内部抵抗の上昇が抑制された二次電池となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のリチウムニッケル複合酸化物の単位結晶格子を模式的に示す。
Claims (3)
- 基本組成がLiNiO2であり、六方晶系の層状岩塩構造を有するリチウムニッケル複合酸化物であって、
リチウムサイトの一部およびニッケルサイトの一部がマグネシウムで置換されたことを特徴とし、
組成式Li 1−x Ni 1−y−z Mg x+y M z O 2 (MはCo及びAlであり、0<x、0<y、0<x+y≦0.2、0<z≦0.35)で表される、リチウム二次電池正極活物質用リチウムニッケル複合酸化物。 - 平均粒径が1μm以上の一次粒子が凝集して二次粒子を形成した粒子構造をもつ請求項1記載のリチウムニッケル複合酸化物。
- 請求項1ないし請求項2のいずれかに記載のリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質に含むリチウム二次電池。
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