JP2002050401A - 非水電解質リチウムイオン二次電池 - Google Patents

非水電解質リチウムイオン二次電池

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JP2002050401A
JP2002050401A JP2000232948A JP2000232948A JP2002050401A JP 2002050401 A JP2002050401 A JP 2002050401A JP 2000232948 A JP2000232948 A JP 2000232948A JP 2000232948 A JP2000232948 A JP 2000232948A JP 2002050401 A JP2002050401 A JP 2002050401A
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secondary battery
lithium ion
electrolyte lithium
aqueous electrolyte
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Ryuzo Kamimura
村 隆 三 上
Toshihiro Takegawa
川 寿 弘 竹
Fumio Munakata
像 文 男 宗
Yasuhiko Osawa
澤 康 彦 大
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のスピネル構造リチウムマンガン複合酸
化物を用いた電池よりも高容量で、しかも高温でのサイ
クル耐久性に優れた非水電解質リチウムイオン二次電池
を提供する。 【解決手段】 正極材料として、一般式LiMO2で表
される層状型結晶構造を有し、MがMnを主成分とする
金属であるLi含有マンガン複合酸化物を使用し、負極
材料として、前記複合酸化物全容量の3〜50%に相当
する全不可逆容量を有する材料を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質リチウ
ムイオン二次電池に係わり、特に高温でのサイクル耐久
性の改良が可能な正極材料および負極材料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年の環境問題において、ゼロエッミッ
ションである電気自動車の開発が強く望まれている。こ
のような電気自動車の電源として、種々の二次電池の中
でも、リチウムイオン二次電池は、充放電電圧が高く、
充放電容量が大きいことから電気自動車用二次電池とし
て期待されている。
【0003】従来、リチウムイオン二次電池用正極活物
質としては、LiCoO2が用いられていた。しかし、
使用環境下での安定性、価格、埋蔵量などの面から、現
在では、電気自動車用二次電池用の正極活物質として、
スピネル構造リチウムマンガン複合酸化物(LiMn2
4)を適用することが検討されている(特開平11−1
71550号公報、特開平11−73962号公報な
ど)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、二次電池用の
正極活物質として、LiMn24は高温での耐久性が十
分ではなく、電解質中に正極材料が溶出して負極の性能
劣化を引き起こすということが問題となっており、これ
を解決する手段として、Mnの一部を遷移金属元素や典
型金属元素で置換する手法が試みられている。しかし、
高温でのサイクル耐久性を改善することを目的に、特開
平11−71115号公報に記載されているように、M
nの一部を種々の元素で置換した場合、置換によって結
晶構造中に歪みが導入され、室温でのサイクル耐久性が
悪くなるという問題がある。さらに、サイクル耐久性の
改善を狙い、結晶構造の安定化を図るために大量の元素
置換を行った場合には、活物質容量の低下を招いてしま
う。
【0005】一方、容量の面でLiCoO2系材料(活
物質容量:140mAh/g)は、スピネル構造リチウ
ムマンガン複合酸化物系材料(LiMn24:活物質容
量:100mAh/g)よりも高容量であるが、上述し
たように使用環境下での安定性などの点で十分ではな
い。そこで、結晶構造中のLi含有量がスピネル構造リ
チウムマンガン複合酸化物系材料(LiMn24)より
多く、LiCoO2系材料(活物質容量:140mAh
/g)よりも使用環境下での安定性に優れた高容量リチ
ウム複合酸化物正極活物質の開発が望まれている。
【0006】このような高容量型のリチウム二次電池用
正極活物質においては、結晶構造に基づく化学式中のリ
チウム含有量によって決まることが知られている。そこ
で、高容量Mn含有リチウム複合酸化物正極活物質を見
出すために、結晶科学的な考察に基づき、新規正極活物
質の探索が試みられてきた(特許番号第2870741
号)。
【0007】そして近年、LiMnO2系層状酸化物を
用いることにより、従来のスピネル構造リチウムマンガ
ン複合酸化物系に比べ2倍以上の正極活物質容量(約2
70mAh/g)が得られることが見出された(A.R
obert and P.G.Buruce:Natu
re,vol.381(1996)p499)。しか
し、この場合、例えば55℃で十分な充放電特性を得る
ことができるが、室温においては活物質容量が1/3程
度に低下してしまうという問題がある。また、十分な充
放電特性を確保するために室温以上で充放電を繰り返す
と徐々に容量が低下し、十分なサイクル耐久性が確保さ
れない。さらに、負極材料としてグラファイトやハード
カーボンが主に用いられているが、とくにハードカーボ
ンにおいては、不可逆容量の低減改良が一般的に行われ
ており、不可逆容量を利用する検討については行われて
いなかった。
【0008】
【発明の目的】本発明は、従来のリチウムイオン二次電
池における上記課題に着目してなされたものであって、
従来のスピネル構造リチウムマンガン複合酸化物よりも
高容量であり、層状構造リチウムマンガン複合酸化物を
用いた高温サイクル耐久性に優れた非水電解質リチウム
イオン二次電池を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】通常のNaCl型MO結
晶(ここでM:金属元素,O:酸素)において、例えば
NiOのような酸化物では、結晶の<111>方向にN
i層と酸素層が交互に並んだ結晶構造を有している。ま
た、従来の層状構造LiMO2複合酸化物(M:Ni,
Co,Mn)では、層状構造リチウムマンガン複合酸化
物を例にとれば、酸素層−Mn層−酸素層−Li層−酸
素層−Mn層−酸素層と、酸素面と金属面が交互に繰り
返しながら、さらに金属元素の存在する面(層)が規則
的に交互に並んだ結晶構造を有している。
【0010】このように、NaCl型MO結晶と層状構
造LiMO2複合酸化物は、非常に類似した構造である
と考えられる。この規則的な構造に着目して、層状構造
LiMO2複合酸化物がMO結晶ブロックの繰り返しと
考えると、層状構造LiMO2複合酸化物は、MOブロ
ック[MO]とLiOブロック[LiO]が交互に繰り
返された[LiO][MO]ブロックの繰り返しにより
構成されたものであると考えられる。そこで従来知られ
ているナトリウムマンガン酸化物Na2/3MnO2の結晶
構造について、このブロック構造を適用して考えると、
Na2/3MnO2は、[Na2/3O][MnO]と記述す
ることができる。これは、[NaO][MO]ブロック
における[NaO]ブロック中のNa占有率を規則的に
欠損させることにより、新規な層状ナトリウムマンガン
層状酸化物を創出させることが可能であることを示唆す
るものである。この考察を[LiO][MO]ブロック
に適用すれば、[LiO]ブロック中のLi占有率を規
則的に欠損させることにより、新規な層状リチウムマン
ガン層状酸化物を創出させることが可能であるという考
えに至った。なお、元来結晶化学的にLiサイトとMn
サイトの違いは小さく、[MO]ブロックにおいてもこ
の考察が同様に適用できるものである。
【0011】しかし、このような層状構造酸化物をリチ
ウム二次電池の正極材料として適用するためには、例え
ばマンガン酸化物を考えた場合、サイクリックな充放電
をさせる際に重要な価数変化を生じるMnの量はできる
限り結晶構造中で多いことが望ましい。そのため単純に
[MO]ブロック中のMを欠損させる訳にはいかない。
一方、特許第2870741号にあるように、化学式L
iMn1-y y2-δ(Mは置換元素、yは0〜0.2
5の有理数)で表される正極活物質を用いると、通常の
スピネル型に比べ容量の向上、耐久性の向上は図られる
が、とくに室温以下での低温領域で十分な作動特性を確
保することができない。すなわちMnサイトの置換のみ
では結晶中の歪みや化学結合の安定化が十分に図られな
いため、とくに低温域での作動が十分に確保されない。
発明者は、上記の陽イオンを欠損させる効果について鋭
意検討した結果、欠損と同時に規則的な元素置換量を選
ぶことにより、結晶中の歪みや化学結合の安定化が行わ
れ、充放電時のサイクル安定性の向上と耐久安定性、電
解液との反応の抑制などに優れたマンガン層状複合酸化
物正極活物質が得られるという材料設計指針に到達し
た。
【0012】上述の設計指針に基づき、このブロック構
造を適用してマンガン層状複合酸化物正極活物質を考え
ると、NaCl型Li欠損層状複合酸化物Li1-xMn
2は、[Li1-xO][MnO]と記述することができ
る。このとき欠損量xを規則的に欠損させることにより
結晶構造が安定化し、サイクル耐久性の向上が図られ
る。例えば、xは、1/2,1/3,2/3,1/4,
1/5,2/5,1/6,...,1/8,...など
の値をとり得る。さらに、高温での耐久安定性を保持さ
せるさせるために、Mnサイトを他の金属元素で規則的
に置換した[Li 1-xO][Mn1-yyO]というブロ
ック構造が可能であり、例えば、x=1/3,y=1/
2のとき、[Li2/3O][Mn1/21/2O]というブ
ロック構造が可能であり、M=Niのときの可能な化合
物として、Li2/3Mn1/2Ni1/22が得られる。
【0013】このような高容量層状LiMnO2系正極
活物質の問題点を解決するために鋭意研究検討した結
果、この高容量層状LiMnO2系正極活物質を正極と
して用い、一定容量量の不可逆容量を有する負極材から
なるリチウムイオン電池を作成し、充放電を行うことに
より電池内部の正極物質内でLi欠損状態を作り出し、
サイクル耐久性を向上させることができることを見出し
た。また、リチウムイオン電池負極として用いるカーボ
ン材料については、従来は不可逆容量が少ないものが望
まれていたが、不可逆容量の分析および解析を行った結
果、図1に示すように、カーボン材料の不可逆容量は、
材料中に含まれる炭素含有率(純度)と相関があること
が判明し、材料中の炭素含有率が低いほど不可逆容量が
多くなることが確認された。この不可逆容量を有する負
極材料をLi欠損マンガン層状複合酸化物に利用し、充
放電を実施することにより、Liの一部を欠損させ、よ
り高温でのサイクル耐久性に優れたリチウムイオン二次
電池が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0014】本発明は、このような知見に基づくもので
あって、本発明の請求項1に係わる非水電解質リチウム
イオン二次電池は、正極材料が一般式LiMO2で表さ
れる層状型結晶構造を有し、MがMnを主成分とする金
属であるLi含有マンガン複合酸化物であって、負極材
料が前記複合酸化物全容量の3〜50%に相当する全不
可逆容量を有している構成としたことを特徴としてお
り、リチウムイオン二次電池におけるこのような構成を
前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0015】本発明に係わるリチウムイオン二次電池実
施の一形態として請求項2に係わるリチウムイオン二次
電池においては、Li含有マンガン複合酸化物における
Mnの一部が他の金属元素で置換されている構成とし、
同じく実施形態として、請求項3に係わるリチウムイオ
ン二次電池においては、前記Li含有マンガン複合酸化
物が一般式LiMn1-y y2で表され、金属元素Mに
よるMnサイトの置換量yが0<y<1の範囲の有理数
となるように規則的にMnサイトの元素置換量を制御し
てなる結晶構造を有している構成とし、請求項4に係わ
るリチウムイオン二次電池においては、金属元素Mによ
るMnサイトの置換量yをa/bで表したとき、aおよ
びbがそれぞれ1〜30の範囲の自然数であると共にa
<bである構成とし、請求項5に係わるリチウムイオン
二次電池においては、金属元素MによるMnサイトの置
換量yの組成変動幅が±5%以内である構成としたこと
を特徴としている。
【0016】さらに、請求項6に係わるリチウムイオン
二次電池においては、前記Li含有マンガン複合酸化物
が一般式LiMn1-y y2-δで表され、金属元素M
によるMnサイトの置換量yをa/bで表したとき、a
およびbがそれぞれ1〜30の範囲の自然数であると共
にa<bであり、かつyの組成変動幅が±5%以内であ
って、さらに酸素欠陥量δがδ≦0.2となるように規
則的にMnサイトの元素置換量を制御してなる結晶構造
を有している構成とし、請求項7に係わるリチウムイオ
ン二次電池においては、置換金属元素Mが、Mnを除く
遷移金属元素および典型金属元素のうちから選ばれた少
なくとも1種である構成とし、請求項8に係わるリチウ
ムイオン二次電池においては、金属元素MによるMnサ
イトの置換量yが0.03<y≦0.5の範囲である構
成とし、請求項9に係わるリチウムイオン二次電池にお
いては、置換金属元素Mが、Co,Ni,Fe,Al,
Ga,In,V,Nb,Ta,Ti,Zr,Ceのうち
から選ばれた少なくとも1種である構成とし、請求項1
0に係わるリチウムイオン二次電池においては、置換金
属元素Mが、少なくともCrを含有する構成としたこと
を特徴としている。
【0017】そして、本発明の請求項11に係わる非水
電解質リチウムイオン二次電池においては、負極に複合
酸化物、窒化物または炭素材料が用いてある構成とし、
請求項12に係わるリチウムイオン二次電池において
は、正極材全容量の3〜50%に相当する容量をカーボ
ン負極材の単位重量当たりの不可逆容量で除した重量の
負極材が用いてある構成とし、請求項13に係わるリチ
ウムイオン二次電池においては、炭素含有率(%)に対
して、単位重量当たりの不可逆容量が次式で表される範
囲のカーボン材料が負極材として用いてある構成とし、
リチウムイオン電池におけるこのような構成を前述した
従来の課題を解決するための手段としたことを特徴とし
ている。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係わる非水電解質リチウ
ムイオン二次電池において、正極材料として用いるLi
欠損マンガン層状複合酸化物を製造するに際して、マン
ガン化合物としては、電解二酸化マンガン、化学合成二
酸化マンガン、三酸化二マンガン、γ−MnOOH、炭
酸マンガン、硝酸マンガン、酢酸マンガンなどを用いる
ことができる。また、これらマンガン化合物粉末の平均
粒径は、0.1〜100μmであって、20μm以下が
好ましい。これは,マンガン化合物の平均粒度が大きい
場合、マンガン化合物とリチウム化合物の反応が著しく
遅くなり、均一な生成物が得難くなるためである。
【0019】また、リチウム化合物としては、炭酸リチ
ウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、酸化リチウム、
酢酸リチウムなどを用いることができる。好ましくは炭
酸リチウムおよび水酸化リチウムであり,その平均粒径
は30μm以下であることが望ましい。
【0020】遷移金属化合物としては、遷移金属の硝酸
塩、酢酸塩、クエン酸塩、塩化物、水酸化物、酸化物な
どを用いることができる。
【0021】これら化合物の混合方法としては、マンガ
ン化合物、リチウム化合物および遷移金属化合物を乾式
混合あるいは湿式混合する方法、マンガン化合物と遷移
金属化合物から合成したマンガン−遷移金属複合酸化物
とリチウム化合物を乾式混合あるいは湿式混合する方
法、LiMnO2と遷移金属化合物を乾式混合あるいは
湿式混合する方法、リチウム化合物、マンガン化合物お
よび遷移金属化合物の溶液からクエン酸や重炭酸アンモ
ニウムなどを用いて、共沈法により得る方法などが挙げ
られる。好ましくはマンガン化合物および遷移金属化合
物を予めイオン交換水に完全に溶解した混合水溶液を水
酸化リチウムの水溶液中に滴下して共沈生成物を得た
後、この共沈生成物と、目的組成比に対して不足してい
る量のリチウム化合物とを乾式混合あるいは湿式混合に
より混合する方法が均質な生成物を得るために最も適し
ている。また、この方法で得られる共沈生成物は、焼成
を行いマンガン−遷移金属複合酸化物としたのち、目的
組成比に対して不足している量のリチウム化合物と混合
して用いても良い。
【0022】焼成は、低酸素濃度雰囲気で行う必要があ
り、好ましくは窒素あるいはアルゴン、二酸化炭素など
の酸素を含まないガス雰囲気で焼成することが好まし
い。また、その際の酸素分圧は1000ppm以下であ
り、好ましくは100ppm以下である。
【0023】焼成温度については、1100℃以下であ
り、好ましくは950℃以下である。1100℃を超え
る温度下では生成物が分解しやすくなる。また、焼成時
間は1〜48時間であり、好ましくは5〜24時間であ
る。焼成方法は一段焼成あるいは必要に応じて焼成温度
を変えた多段焼成を行うこともできる。
【0024】リチウム化合物とマンガン化合物の混合物
に、含炭素化合物、好ましくはカーボンブラックやアセ
チレンブラックなどの炭素粉末、クエン酸などの有機物
を添加することにより、効率的に焼成雰囲気の酸素分圧
を下げることができる。その添加量は0.05〜10%
であり、好ましくは0.1〜2%である。添加量が少な
い場合にはその効果が低く、逆に添加量が多い場合には
副生成物が生成しやすく、また、添加した含炭素化合物
の残存によって目的物の純度が低下するためである。
【0025】本発明において、リチウムマンガン複合酸
化物よりなる正極と組み合わせて用いられる負極として
は、通常の非水電解質二次電池に用いられるカーボン材
料がいずれも使用可能で、例えばコークス、天然黒鉛、
人造黒鉛、難黒鉛化炭素などを用いることができる。カ
ーボン材料の不可逆容量設定は前述したように、基本的
には材料中の炭素含有量によって設定できる。また、カ
ーボン材料毎の不可逆容量特性から、目的とする合計不
可逆容量となるように、各カーボン材料を混合して使用
することも可能である。さらに目的とする不可逆容量を
カーボン材の重量調整で得ることもできる。電解液とし
ては、リチウム塩を電解質とし、非水溶媒に溶解したも
のを使用することができ、具体的にはLiClO4、L
iAsF6、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3
Li(CF3SO22Nなど、従来公知のものが用いら
れる。
【0026】有機溶媒としては、特に限定されないが、
カーボネート類、ラクトン類、エーテル類などが挙げら
れ、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、
メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタ
ン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、
1,3−ジオキソラン、γ−ブチロラクトンなどの溶媒
を単独もしくは2種類以上を混合して用いることができ
る。これらの溶媒に溶解される電解質の濃度は0.5〜
2.0モル/リットルとすることができる。
【0027】上記の他に、上記電解質を高分子マトリッ
クスに均一分散させた固体または粘稠体、あるいはこれ
らに非水溶媒を含浸させたものも用いることができる。
高分子マトリックスとしては、例えばポリエチレンオキ
シド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリ
ル、ポリふっ化ビニリデンなどを用いることができる。
【0028】また、正極と負極との短絡防止のためにセ
パレータを設けることができる。セパレータの例として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロースなどの
材料からなる多孔性シート、不織布などが用いられる。
【0029】
【発明の効果】本発明に係わる非水電解質リチウムイオ
ン二次電池においては、正極材料が一般式LiMO2
層状型結晶構造を有し、MがMnを主成分とする金属で
あるLi含有マンガン複合酸化物であると共に、この複
合酸化物全容量の3〜50%に相当する全不可逆容量を
有する負極材料を用いたリチウムイオン二次電池とし、
望ましくは、前記正極材料を一般式LiMO2における
主成分のMnの一部を他の金属元素で規則的に置換する
ことによって、前記Li含有マンガン複合酸化物が一般
式LiMn1-y y2で表され、金属元素MによるMn
サイトの置換量yが0<y<1の範囲の有理数である規
則置換型Li含有マンガン複合酸化物とし、あるいは一
般式LiMn1-y y2-δで表され、金属元素Mによ
るMnサイトの置換量yをa/bで表したとき、aおよ
びbがそれぞれ1〜30の範囲の自然数であると共にa
<bであり、yの組成変動幅が±5%以内であり、0.
03<y≦0.5であり、さらに酸素欠陥量δがδ≦
0.2であり、特に置換金属元素MがMnを除く遷移金
属元素および典型金属元素のうちから選ばれた少なくと
も1種、あるいはCo,Ni,Fe,Al,Ga,I
n,V,Nb,Ta,Ti,Zr,Ceのうちから選ば
れた少なくとも1種、あるいは少なくともCrを含有す
る規則置換型Li含有マンガン複合酸化物とし、さら
に、正極材全容量の3〜50%に相当する容量をカーボ
ン負極材の単位重量当たりの不可逆容量で除した重量の
負極材を用い、炭素含有率(%)に対して、単位重量当
たりの不可逆容量が数式:不可逆容量=−10.1×炭
素含有量(%)+(1006〜1066)で表される範
囲のカーボン材料が負極材として用いたものであるか
ら、結晶中の歪みや化学結合の安定化が行われ、充放電
時のサイクル安定性、耐久安定性を向上させて、優れた
サイクル耐久性を備えた非水電解質二次電池とすること
ができ、EVやHEV用電池としてコンパクトで長寿命
のリチウムイオン二次電池を得ることができるという極
めて優れた効果がもたらされる。
【0030】すなわち、LiMO2で表される(MがM
nを主成分とする金属)層状型結晶構造を有する正極材
料を用い、正極材料全容量に対し3〜50%に相当する
全不可逆容量を有している負極材料を用いた電池構成に
することにより、第一回目の充電時に正極材料中のLi
が負極材料中に、不可逆容量としてトラップされ、第二
回目以降において正極材料はLiが不足した欠損状態と
なり安定構造をとるため、サイクル安定性に優れたもの
となる。この全不可逆容量が3%未満では、第一回目の
充電時に正極材料中のLi欠損が生じず、50%を超え
ると第一回目の充電時に正極材料中のLi欠損が多す
ぎ、逆に不安定な結晶構造となる。これらのことから負
極材料には3〜50%に相当する全不可逆容量を有して
いるのが望ましい。
【0031】Mnサイトの金属元素Mの置換量yが0<
y<1の有理数であるよう規則的にリチウム欠損量xと
Mnサイトの金属元素置換量yを制御した結晶構造を有
するリチウム欠損マンガン層状複合酸化物よりなるもの
とすることによって、サイクル安定性に優れ、従来のス
ピネル構造リチウムマンガン複合酸化物よりも高容量の
Mn含有リチウム複合酸化物正極物質を得ることがで
き、とくに、リチウム欠損量xが0<x<1の有理数で
ありかつMnサイトの金属元素Mの置換量yが0<y<
1の有理数であるよう規則的にリチウム欠損量xとMn
サイトの金属元素置換量yを制御した結晶構造を有する
リチウム欠損マンガン層状複合酸化物よりなるものとし
たから、高容量で耐久性に優れたMn含有リチウム複合
酸化物正極物質を得ることが可能であるという著大なる
効果がもたらされる傾向がある。さらに、yが0.03
<y≦0.5である場合は、より高容量でかつ優れたサ
イクル耐久性を有する非水電解質二次電池とすることが
でき、EV,HEV用電池としてコンパクトで長寿命性
能を発揮するリチウム二次電池を得ることが可能である
という著しく優れた効果がもたらされる。
【0032】Mnサイトの金属元素Mの置換量yがa/
b比(y=a/b)で表され、aおよびbが各々1ない
し30の自然数から選ばれた数でありかつa<bの関係
を満たすものとしているが、aおよびbがこの範囲であ
るとM元素置換の効果が十分発揮され、サイクル耐久性
がさらに向上するので好ましく、さらにまたa<bの関
係を満たすと十分なサイクル耐久性が確保される傾向が
あり好ましい。
【0033】また、Mnサイトの金属元素Mの置換量y
の組成変動幅が±5%以内であるようにしているが、こ
のyの組成変動幅が±5%であると十分なサイクル耐久
性が確保される傾向があるので好ましい。さらに、酸素
欠陥量δがδ≦0.2であるようにしているが、この酸
素欠陥量δが0.2以下となると結晶構造が安定とな
り、劣化しにくい傾向となるので好ましい。
【0034】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明する。なお、実施例1ないし9においては下記
に示す共沈法により正極材料を作成し、実施例10ない
し17および比較例においては固相混合法に従って正極
材料を作成し。また、これら実施例および比較例で得ら
れた正極材料は、下記に示す要領で作成した密閉型非水
溶媒電池セルとして評価した。
【0035】[共沈法による合成]硝酸マンガンと表1
に示すような各種遷移金属Mの化合物を用いて、Mnと
遷移金属Mのモル比が所定のモル比となる混合水溶液を
準備し、10%水酸化リチウム水溶液を攪拌しながらp
Hを9以上に保持しながら、上記混合水溶液の滴下を3
0分以上かけて行い茶色のスラリーを得た。このスラリ
ーを濾過したのち、さらにイオン交換水を用いて洗浄を
行った。得られた茶色の固形分を乾燥したのち、平均粒
径が20μm以下となるまで粉砕した。この生成物に対
して、(Mn+M)とLiの化学量論比が1:1となる
ように水酸化リチウム−水和物を加え、乳鉢で混合を行
ったのち、アルゴン気流中900℃にて24時間焼成を
行い、各正極材料を得た。得られたリチウムマンガン遷
移金属複合酸化物の化学組成は、表1の各実施例の欄に
示すとおりである。
【0036】[固相混合法による合成]水酸化リチウム
−水和物粉末および三酸化二マンガン粉末、さらに表1
に示す各種の遷移金属Mの化合物を所定のモル比で加
え、これを乳鉢中で混合した後、この混合物をそれぞれ
アルゴン雰囲気下において900℃で24時間加熱処理
した。冷却後、焼成物を乳鉢で粉砕し、リチウムとマン
ガンおよび遷移金属Mが、表1に示すようなモル比を有
する各正極材料を得た。
【0037】[電池の作成]上記によって得られた正極
活物質と、導電材としてのアセチレンブラックと、結着
剤としてのPTFE粉末とを質量比で80:16:4の
割合で混合し、この混合物に2t/cm2の加圧を施し
て直径12mmの円板状に成形した。得られた成形物を
150℃で16時間加熱処理することにより正極とし
た。
【0038】負極については、それぞれのカーボン材料
に、バインダーとして呉羽化学工業製KFポリマーを質
量比で10%になるように添加し、Nメチル−2−ピロ
リドンで粘度調整し、ホモジナイザーで回転数3000
rpm×30分間の分散を行った。これを真空脱気後、
ドクターブレードで膜厚が100μmとなるように銅箔
上にコーティングし、150℃で10分間乾燥を行っ
た。これを15mmφに打ち抜き、負極電極として使用
した。
【0039】電解液としては、エチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートを体積比で2:1とした混合溶媒
に、LiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解した溶
液を用いた。セパレータとしてはポリプロピレンフィル
ムを用いた。
【0040】正極の集電体としてはSUS薄板を用い、
正極体および負極体は、それぞれリードを取り出したう
えで間にセパレータを介した状態で対向させて素子とな
し、この素子をばねで押さえながら2枚のPTFE板で
挟んだ。さらに素子の側面もPTFE板で覆って密閉さ
せ、密閉型非水溶媒電池セルとした。また、セルの作成
はアルゴン雰囲気下で行った。
【0041】[評価]上記のように作成した密閉型非水
溶媒電池セルを用い、60℃の雰囲気温度において、電
圧4.3Vから2.0Vまで0.5mA/cm2の定電
流で充放電を繰り返し行い、放電容量が初期放電容量の
90%を下回るまでのサイクル数を求め、耐久性を評価
した。その結果を表1に併せて示す。
【0042】以下に、各実施例における正極および負極
材料の成分等について具体的に説明する。
【0043】実施例1 実施例1に係わるLiMn0.5Co0.52-δは、酸素欠
損を考慮しないブロック構造記述を用いると、[Li
O][Mn1/2Co1/2O]と記載でき、一般的ブロック
構造式[LiO][Mn1-yyO]において、y=1/
2であって、遷移金属MがCoの例である。これを正極
として、負極には炭素含有率が99.8%のカーボン材
料を用いて負極用電極を作製し、リチウム金属板を対極
として0.5mAで30時間充放電を行った後、アルゴ
ン雰囲気下で分解し、これを用いて正極全容量に対する
負極の全不可逆容量が3%であるリチウムイオン二次電
池を作成した。
【0044】実施例2 実施例2に係わるLiMn0.5Co0.52-δは、酸素欠
損を考慮しないブロック構造記述を用いると、[Li
O][Mn1/2Co1/2O]と記載でき、一般的ブロック
構造式[LiO][[Mn1-yyO]において、y=1
/2であって、遷移金属MがCoの例である。これを正
極として、負極には炭素含有率が90%のカーボン材料
を用い、正極全容量に対する負極の全不可逆容量が34
%であるリチウムイオン二次電池を作成した。
【0045】実施例3 実施例3に係わるLiMn0.5Co0.52-δは、酸素欠
損を考慮しないブロック構造記述を用いると、[Li
O][Mn1/2Co1/2O]と記載でき、一般的ブロック
構造式[LiO][Mn1-yyO]において、y=1/
2であって、遷移金属MがCoの例である。これを正極
として、負極に炭素含有率が83.5%のカーボン材料
を用い、正極全容量に対する負極の全不可逆容量が50
%であるリチウムイオン二次電池を作成した。
【0046】実施例4 実実施例4に係わるLiMn0.67Co0.332-δは、酸
素欠損を考慮しないブロック構造記述を用いると、[L
iO][Mn2/3Co1/3O]と記載でき、一般的ブロッ
ク構造式[LiO][Mn1-yyO]において、y=1
/3であって、遷移金属MがCoの例である。これを正
極として、負極に炭素含有率が90%のカーボン材料を
用い、正極全容量に対する負極の全不可逆容量が23%
であるリチウムイオン二次電池を作成した。
【0047】実施例5 実施例5に係わるLiMn0.75Co0.252-δは、酸素
欠損を考慮しないブロック構造記述を用いると、[Li
O][Mn3/4Co1/4O]と記載でき、一般的ブロック
構造式[LiO][Mn1-yyO]において、y=1/
4であって、遷移金属MがCoの例である。これを正極
として、負極に炭素含有率が90%のカーボン材料を用
い、正極全容量に対する負極の全不可逆容量が29%で
あるリチウムイオン二次電池を作成した。
【0048】実施例6 実施例6に係わるLiMn0.75Ni0.252-δは、酸素
欠損を考慮しないブロック構造記述を用いると、[Li
O][Mn3/4Ni1/4O]と記載でき、一般的ブロック
構造式[LiO][Mn1-yyO]において、y=1/
4であって、遷移金属MがNiの例である。これを正極
として、負極に炭素含有率が90%のカーボン材料を用
い、正極全容量に対する負極の全不可逆容量が29%で
あるリチウムイオン二次電池を作成した。
【0049】実施例7 実施例7に係わるLiMn0.67Fe0.332-δは、酸素
欠損を考慮しないブロック構造記述を用いると、[Li
O][Mn2/3Fe1/3O]と記載でき、一般的ブロック
構造式[LiO][Mn1-yyO]において、y=1/
3であって、遷移金属MがFeの例である。これを正極
として、負極に炭素含有率が90%のカーボン材料を用
い、正極全容量に対する負極の全不可逆容量が29%で
あるリチウムイオン二次電池を作成した。
【0050】実施例8 実施例8に係わるLiMn0.75Al0.252-δは、酸素
欠損を考慮しないブロック構造記述を用いると、[Li
O][Mn3/4Al1/4O]と記載でき、一般的ブロック
構造式[LiO][Mn1-yyO]において、y=1/
4であって、遷移金属MがAlの例である。これを正極
として、負極に炭素含有率が90%のカーボン材料を用
い、正極全容量に対する負極の全不可逆容量が29%で
あるリチウムイオン二次電池を作成した。
【0051】実施例9 実施例9に係わるLiMn0.75Cr0.252-δは、酸素
欠損を考慮しないブロック構造記述を用いると、[Li
O][Mn3/4Cr1/4O]と記載でき、一般的ブロック
構造式[LiO][Mn1-yyO]において、y=1/
4であって、遷移金属MがCrの例である。これを正極
として、負極に炭素含有率が90%のカーボン材料を用
い、正極全容量に対する負極の全不可逆容量が29%で
あるリチウムイオン二次電池を作成した。
【0052】実施例10 実施例10に係わるLiMn0.75Ga0.252-δは、酸
素欠損を考慮しないブロック構造記述を用いると、[L
iO][Mn3/4Ga1/4O]と記載でき、一般的ブロッ
ク構造式[LiO][Mn1-yyO]において、y=1
/4あって、遷移金属MがGaの例である。これを正極
として、負極に炭素含有率が90%のカーボン材料を用
い、正極全容量に対する負極の全不可逆容量が29%で
あるリチウムイオン二次電池を作成した。
【0053】実施例11 実施例11に係わるLiMn0.75In0.252-δは、酸
素欠損を考慮しないブロック構造記述を用いると、[L
iO][Mn3/4In1/4O]と記載でき、一般的ブロッ
ク構造式[LiO][Mn1-yyO]において、y=1
/4であって、遷移金属MがInの例である。これを正
極として、負極に炭素含有率が90%のカーボン材料を
用い、正極全容量に対する負極の全不可逆容量が29%
であるリチウムイオン二次電池を作成した。
【0054】実施例12 実施例12に係わるLiMn0.75Zn0.252-δは、酸
素欠損を考慮しないブロック構造記述を用いると、[L
iO][Mn3/4Zn1/4O]と記載でき、一般的ブロッ
ク構造式[LiO][Mn1-yyO]において、y=1
/4であって、遷移金属MがZnの例である。これを正
極として、負極に炭素含有率が90%のカーボン材料を
用い、正極全容量に対する負極の全不可逆容量が29%
であるリチウムイオン二次電池を作成した。
【0055】実施例13 実施例13に係わるLiMn0.750.252-δは、酸素
欠損を考慮しないブロック構造記述を用いると、[Li
O][Mn3/41/4O]と記載でき、一般的ブロック構
造式[LiO][Mn1-yyO]において、y=1/4
であって、遷移金属MがVの例である。これを正極とし
て、負極に炭素含有率が90%のカーボン材料を用い、
正極全容量に対する負極の全不可逆容量が29%である
リチウムイオン二次電池を作成した。
【0056】実施例14 実施例14に係わるLiMn0.875Fe0.1252-δは、
酸素欠損を考慮しないブロック構造記述を用いると、
[LiO][Mn7/8Fe1/8O]と記載でき、一般的ブ
ロック構造式[LiO][Mn1-yyO]において、y
=1/8であって、遷移金属MがFeの例である。これ
を正極として、負極に炭素含有率が90%のカーボン材
料を用い、正極全容量に対する負極の全不可逆容量が2
9%であるリチウムイオン二次電池を作成した。
【0057】実施例15 実施例15に係わるLiMn0.75Nb0.252-δは、酸
素欠損を考慮しないブロック構造記述を用いると、[L
iO][Mn3/4Nb1/4O]と記載でき、一般的ブロッ
ク構造式[LiO][Mn1-yyO]において、y=1
/4であって、遷移金属MがNbの例である。これを正
極として、負極に炭素含有率が90%のカーボン材料を
用い、正極全容量に対する負極の全不可逆容量が29%
であるリチウムイオン二次電池を作成した。
【0058】実施例16 実施例16に係わるLiMn0.75Ta0.252-δは、酸
素欠損を考慮しないブロック構造記述を用いると、[L
iO][Mn3/4Ta1/4O]と記載でき、一般的ブロッ
ク構造式[LiO][Mn1-yyO]において、y=1
/4であって、遷移金属MがTaの例である。これを正
極として、負極に炭素含有率が90%のカーボン材料を
用い、正極全容量に対する負極の全不可逆容量が29%
であるリチウムイオン二次電池を作成した。
【0059】実施例17 実施例17に係わるLiMn0.75Ti0.252-δは、酸
素欠損を考慮しないブロック構造記述を用いると、[L
iO][Mn3/4Ti1/4O]と記載でき、一般的ブロッ
ク構造式[LiO][Mn1-yyO]において、y=1
/4であって、遷移金属MがTiの例である。これを正
極として、負極に炭素含有率が90%のカーボン材料を
用い、正極全容量に対する負極の全不可逆容量が29%
であるリチウムイオン二次電池を作成した。
【0060】比較例1 比較例1に係わるLiMnO2-δは、酸素欠損を考慮し
ないブロック構造記述を用いると、[LiO][Mn
O]と記載でき、一般的ブロック構造式[LiO][M
1-yyO]において、y=0の例である。これを正極
として、負極にリチウム金属板を用いてリチウムイオン
二次電池を作成した。
【0061】
【表1】
【0062】表1に示した結果から明らかなように、全
不可逆容量を有しないリチウム金属板を負極に用いた比
較例1においては、10サイクル程度の耐久性しか示さ
ないのに対し、負極材料として正極材全容量の3〜50
%に相当する全不可逆容量を有するカーボン材料を用い
ると共に、一般式がLiMn1-yy2-δで表され、M
nサイトの置換量yが0.03より大きく0.5以下の
有理数であり、MがCo,Ni,Fe,Al,Cr,G
a,In,Zr,V,Nb,Ta,Tiなどであるリチ
ウム欠損マンガン層状複合酸化物からなる正極材料を用
いた各実施例においては、前記比較例の9倍から30倍
程度のサイクル耐久性を示すことが判明し、EV,HE
V用電池として好適な長寿命性能を備えていることが確
認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】リチウムイオン電池の負極として用いるカーボ
ン材料の炭素含有率と不可逆容量の関係を示すグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宗 像 文 男 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 大 澤 康 彦 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ05 AK03 AL06 AL07 AL08 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 HJ02 HJ19 5H050 AA07 BA17 CA09 CB07 CB08 CB09 HA02 HA19

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極材料が一般式LiMO2で表される
    層状型結晶構造を有し、MがMnを主成分とする金属で
    あるLi含有マンガン複合酸化物であって、負極材料が
    前記複合酸化物全容量の3〜50%に相当する全不可逆
    容量を有していることを特徴とする非水電解質リチウム
    イオン二次電池。
  2. 【請求項2】 Li含有マンガン複合酸化物におけるM
    nの一部が他の金属元素で置換されていることを特徴と
    する請求項1記載の非水電解質リチウムイオン二次電
    池。
  3. 【請求項3】 前記Li含有マンガン複合酸化物が一般
    式LiMn1-y y2で表され、金属元素MによるMn
    サイトの置換量yが0<y<1の範囲の有理数となるよ
    うに規則的にMnサイトの元素置換量を制御してなる結
    晶構造を有していることを特徴とする請求項1記載の非
    水電解質リチウムイオン二次電池。
  4. 【請求項4】 金属元素MによるMnサイトの置換量y
    をa/bで表したとき、aおよびbがそれぞれ1〜30
    の範囲の自然数であると共にa<bであることを特徴と
    する請求項3記載の非水電解質リチウムイオン二次電
    池。
  5. 【請求項5】 金属元素MによるMnサイトの置換量y
    の組成変動幅が±5%以内であることを特徴とする請求
    項4記載の非水電解質リチウムイオン二次電池。
  6. 【請求項6】 前記Li含有マンガン複合酸化物が一般
    式LiMn1-y y2-δで表され、金属元素Mによる
    Mnサイトの置換量yをa/bで表したとき、aおよび
    bがそれぞれ1〜30の範囲の自然数であると共にa<
    bであり、かつyの組成変動幅が±5%以内であって、
    さらに酸素欠陥量δがδ≦0.2となるように規則的に
    Mnサイトの元素置換量を制御してなる結晶構造を有し
    ていることを特徴とする請求項1記載の非水電解質リチ
    ウムイオン二次電池。
  7. 【請求項7】 置換金属元素Mが、Mnを除く遷移金属
    元素および典型金属元素のうちから選ばれた少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項6記載の非水電解質
    リチウムイオン二次電池。
  8. 【請求項8】 金属元素MによるMnサイトの置換量y
    が0.03<y≦0.5の範囲であることを特徴とする
    請求項7記載の非水電解質リチウムイオン二次電池。
  9. 【請求項9】 置換金属元素Mが、Co,Ni,Fe,
    Al,Ga,In,V,Nb,Ta,Ti,Zr,Ce
    のうちから選ばれた少なくとも1種であることを特徴と
    する請求項8記載の非水電解質リチウムイオン二次電
    池。
  10. 【請求項10】 置換金属元素Mが、少なくともCrを
    含有することを特徴とする請求項8記載の非水電解質リ
    チウムイオン二次電池。
  11. 【請求項11】 負極に複合酸化物、窒化物または炭素
    材料が用いてあることを特徴とする請求項11または請
    求項12記載の非水電解質リチウムイオン二次電池。
  12. 【請求項12】 正極材全容量の3〜50%に相当する
    容量をカーボン負極材の単位重量当たりの不可逆容量で
    除した重量の負極材が用いてあることを特徴とする請求
    項1ないし請求項10のいずれかに記載の非水電解質リ
    チウムイオン二次電池。
  13. 【請求項13】 炭素含有率(%)に対して、単位重量
    当たりの不可逆容量が次式で表される範囲のカーボン材
    料が負極材として用いてあることを特徴とする請求項1
    ないし請求項10のいずれかに記載の非水電解質リチウ
    ムイオン二次電池。 不可逆容量=−10.1×炭素含有量(%)+(100
    6〜1066)
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